JP2001042700A - 画像形成装置 - Google Patents

画像形成装置

Info

Publication number
JP2001042700A
JP2001042700A JP11220882A JP22088299A JP2001042700A JP 2001042700 A JP2001042700 A JP 2001042700A JP 11220882 A JP11220882 A JP 11220882A JP 22088299 A JP22088299 A JP 22088299A JP 2001042700 A JP2001042700 A JP 2001042700A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
image
fixing
forming apparatus
recording medium
image forming
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP11220882A
Other languages
English (en)
Inventor
Takashi Isogai
崇 磯貝
Tetsuro Ito
哲朗 伊藤
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Minolta Co Ltd
Original Assignee
Minolta Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Minolta Co Ltd filed Critical Minolta Co Ltd
Priority to JP11220882A priority Critical patent/JP2001042700A/ja
Publication of JP2001042700A publication Critical patent/JP2001042700A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Abstract

(57)【要約】 【課題】 定着ローラの表面の弾性層の熱劣化を推定し
定着条件等を補正することで安定して良好な画像状態を
確保することにより、弾性層の熱伝導率を高め生産性の
向上を図ることができる画像形成装置を提供すること。 【解決手段】 記録体S上に定着テスト画像Tを作成し
(S1)、その要求光沢度および実測光沢度を算出する
(S2〜S5)。そして、要求光沢度と実測光沢度を比
較してシリコンゴム212b,213bの劣化の度合い
を推定し(S6)、この推定結果に基づきヒータランプ
221の制御温度を補正する(S7)。これにより、シ
リコンゴム212b,213bが劣化しても良好な画像
状態が確保された定着画像を得ることができる。従っ
て、画像状態に影響を与えることなく熱伝導率を高める
ことができ、コピー生産性の向上が図られる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、複写機やプリン
タ、ファックス等の画像形成装置に関する。さらに詳細
には、良好な画像状態を確保しつつ定着ローラの表面に
形成された弾性層の熱伝導率を高くすることができる画
像形成装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】例えば電子写真方式の複写機などの画像
形成装置では、記録体に転写されたトナー像を定着させ
永久画像を得ている。ここで、定着の方法には、熱定
着、圧力定着、溶剤定着等の方法があり、その中で熱定
着によるヒートローラ方式の定着装置が広く一般的に用
いられている。この定着装置としては、例えば加熱ロー
ラと加圧ローラ(適宜、これらを「定着ローラ」ともい
う)とにより構成されたものが知られている。これらの
定着ローラは、熱伝導が良く、熱容量の小さい金属ロー
ラである。また、その内部にヒーターランプを備えてお
り、表面温度をサーミスタ等で検出して所定の定着温度
範囲になるように温度制御が行われるようになってい
る。さらに、定着ローラの表面には、弾性のあるシリコ
ンゴム等の弾性層が形成されている。これら加熱ローラ
と加圧ローラとは相互に圧接された状態で回転可能に支
持されており、トナー像が転写された記録体を加熱ロー
ラと加圧ローラとの間を通過させると、トナーが溶融す
るとともに記録体に圧着されトナー像が定着されて永久
画像が得られるようになっている。
【0003】ここで、記録体として熱容量の大きい厚紙
やOHPシートが使用された場合に、普通紙と同様の条
件で定着を行うと、トナーが十分に溶融しないために定
着不良となってしまうおそれがある。このため生産性を
犠牲にして、定着速度を下げて普通紙に供給するよりも
多くの熱量を供給することにより、良好な画像状態を確
保するようにしている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来の
装置においては、定着ローラの表面に形成されている弾
性層の熱伝導率が低いため(0.25〜0.35W/m
・℃程度)、ヒータランプから定着ローラの表面への熱
供給が阻害されるという問題があった。つまり、定着後
に定着ローラの表面温度(定着温度)が低下してしまう
と、所定の温度まで回復するのに時間がかかってしまう
のである。これが、生産性を高める場合の障害になって
いる。また、連続通紙を行った場合や熱容量の大きい記
録体を使用した場合等には、熱供給が間に合わなくなり
記録体上に未定着画像を適切に定着させることができ
ず、トナーの溶融不良によって良好な画像状態を確保し
た定着画像を得ることができないおそれもあった。
【0005】ところで、弾性層の熱伝導率を高めれば上
記した問題は解消されるが、弾性層の熱伝導率を高める
と耐熱強度が低下してしまい、弾性層の劣化が問題とな
る。この耐熱強度の低下を防ぐためには架橋密度を高め
ればよいが、弾性層の硬度が増加して弾性機能を阻害し
てしまうという問題がある。このように、現状における
弾性層の熱伝導率(0.25〜0.35W/m・℃程
度)を高めると、その耐熱性あるいは弾性が低下してし
まい、結局は適切な定着条件で定着を行うことができず
に、トナーの溶融不良によって良好な画像状態を確保し
た定着画像を得ることができない。このため、弾性層の
熱伝導率を高めるのは非常に困難であり、生産性の向上
を図るにも限界があった。
【0006】そこで、本発明は上記した問題点を解決す
るためになされたものであり、定着ローラの表面の弾性
層の熱劣化を推定し定着条件等を補正することで安定し
て良好な画像状態を確保することにより、弾性層の熱伝
導率を高め生産性の向上を図ることができる画像形成装
置を提供することを課題とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記問題点を解決するた
めになされた本発明に係る画像形成装置によれば、画像
データに基づいて記録体上に未定着画像を作成する画像
作成手段と、圧接される定着ローラ間に上記未定着画像
を担持する上記記録体を通過させて上記未定着画像を定
着する定着手段とを有する画像形成装置において、少な
くとも上記未定着画像に接触する側の上記定着ローラの
表面には熱伝導率が0.5W/m・℃以上の弾性層が形
成されており、上記定着手段における定着温度を検出す
る定着温度検出手段と、上記定着手段により上記記録体
上に定着された定着画像に光を照射する発光素子と、上
記発光素子から照射され上記定着画像を反射または透過
した光の強度情報を検出する受光素子とを備え、上記定
着画像の画像情報を検出する画像情報検出手段と、上記
画像データのうち上記画像情報検出手段の検出領域に対
応する検出領域画像データと上記定着温度と上記画像情
報とに基づいて、上記定着手段における定着条件を補正
する定着条件補正手段と、を有する。
【0008】この画像形成装置では、まず画像作成手段
が、記録体上に未定着画像(トナー像)を作成する。こ
こで、画像作成手段が記録体上に作成する未定着画像に
は、複写対象である原稿の複写画像、画像形成装置に入
力された画像データによるものの他、画像形成装置内に
あらかじめ記憶されていたテスト画像データによる所定
のテスト画像も含まれる。次に定着手段が、画像作成手
段によって作成された未定着画像を記録体上に定着させ
る。このとき、定着温度検出手段は、定着手段における
定着温度を検出する。
【0009】ここで、定着ローラの弾性層には、熱伝導
率が0.5W/m・℃以上のものを使用している。これ
により、定着後の定着ローラの表面における温度低下を
短時間で回復させることができる。従って、連続通紙を
行った場合や熱容量の大きい記録体を使用した場合に
も、未定着画像を担持した記録体に対して十分な熱量を
供給することができる。よって、記録体上に未定着画像
を適切に定着させることができ、生産性の向上をも図る
ことが可能になる。
【0010】ところが、定着ローラの弾性層の熱伝導率
を高めたために、弾性層の耐熱性が低下し、このために
弾性層の経時的な熱劣化による定着条件への影響が問題
となる可能性がある。すなわち、弾性層の劣化により定
着条件が次第に変化し、良好な画像状態の定着画像を得
ることができないおそれがある。そこで、このような不
具合を発生させないために、定着画像の画像状態つまり
画像情報を検出して、この画像情報に基づき定着条件を
補正するようにしている。
【0011】かかる補正は以下の手順で行われる。まず
画像情報検出手段が、記録体上に定着された定着画像の
画像情報を検出する。この画像情報の検出は、発光素子
が記録体上の定着画像に光を照射し、定着画像を反射ま
たは透過した光を受光素子で受光することにより行う。
ここで、画像情報とは、例えば表面状態、透光性、およ
び発色性等の画像の状態と関係づけられる情報をいい、
画像状態を知ることができる情報であればいずれのもの
も含まれる。具体的には、定着画像の透過光の強度(透
過率)、反射光の強度(反射率)、あるいは色ずれ(明
度、色相、彩度のずれ)等が挙げられる。
【0012】続いて定着条件補正手段が、検出領域画像
データと、定着温度検出手段で検出した定着温度と、画
像情報検出手段で検出した画像情報とに基づいて、定着
条件を補正する。この補正により、画像状態が改善され
るように定着条件に処理結果を反映(フィードバック)
させることで、良好な定着画像となるように制御するこ
とができる。従って、良好な画像状態が確保された定着
画像を得ることができる。このように定着条件を適切に
補正することにより、定着ローラにおける弾性層の熱伝
導率を高めても画像状態の悪化を防止することができ
る。
【0013】なお、本発明において弾性層の熱伝導率を
0.5W/m・℃以上としているのは、熱伝導率が0.
5W/m・℃未満では経時的な熱劣化が顕在化し難いた
め、熱伝導率が0.5W/m・℃未満の範囲においては
定着条件を補正する必要性が低いためである。つまり、
弾性層の熱伝導率が0.5W/m・℃以上の場合におい
て、本発明を適用することが有効だからである。
【0014】また、記録体としては、普通紙のほか、厚
紙やOHPシート、樹脂等をコートした特殊紙など画像
を定着させることのできるものであればいずれのものを
用いてもよい。また、発光素子としては、可視光領域に
おいて、発光するものであればいずれのものでもよい。
例えば、ハロゲンランプ、発光ダイオード、半導体レー
ザ等が挙げられる。
【0015】さらに、受光素子としては、発光素子の発
光する光に反応する感度域を持つものであればよい。例
えば、CCD、フォトダイオード等が挙げられる。な
お、反射率や透過率を得るには、反射光または透過光の
強度の他、入射光の強度も必要である。従って、反射光
または透過光の他、入射光の強度を別途検出する場合が
ある。しかし、入射光の強度が一定である場合など既知
の場合には、反射光または透過光の強度のみで評価する
こともできる。また、入射光の強度測定には、ハーフミ
ラー等を用いて直接その強度を測定する手法が挙げられ
る他、発光素子の印加電圧、消費電流、消費電力等から
間接的に測定する手法も挙げられる。
【0016】本発明に係る画像形成装置においては、前
記弾性層のJIS硬度が70以下であることが好まし
い。
【0017】このように弾性層の硬度を70以下にする
と、弾性層に必要とされる弾性機能を確保できるが、弾
性層の経時的な熱劣化により定着条件が変化し画像状態
が悪化するおそれがある。このため、かかる硬度の範囲
において本発明を適用することにより、画像状態の悪化
を確実に防止することができる。
【0018】また、本発明に係る画像形成装置において
は、前記定着条件補正手段は、前記検出領域画像データ
と前記定着温度とに基づいて本来得られるべき要求画像
情報を算出する要求画像情報算出手段を有し、前記画像
情報と上記要求画像情報とに基づいて定着条件を補正す
ることが好ましい。
【0019】この画像形成装置では、定着条件補正手段
のうち要求画像情報算出手段が、画像情報検出手段で検
出した画像情報と、定着温度検出手段で検出した定着温
度とに基づいて、本来得られるべき要求画像情報を算出
する。そして、実測した画像情報と要求画像情報とに基
づいて定着条件を補正する。具体的には、実測した画像
情報と要求画像情報とを比較して、定着条件に処理結果
を反映(フィードバック)させる。これにより、実測し
た情報値を要求の情報値に近づけ、良好な定着画像とな
るように制御することができるため、良好な画像状態が
確保された定着画像を得ることができる。従って、定着
ローラにおける弾性層の熱伝導率を高めることにより懸
念される画像状態の悪化は防止される。
【0020】さらには、本発明に係る画像形成装置にお
いては、前記定着条件補正手段は、前記画像情報と前記
要求画像情報とに基づいて前記弾性層の劣化を推定する
劣化推定手段を有し、上記劣化推定手段の推定結果に基
づいて定着条件を補正することも好ましい。
【0021】この画像形成装置では、定着条件補正手段
に備わる劣化推定手段が、画像情報検出手段で検出した
画像情報と、要求画像情報算出手段で算出した要求画像
情報とに基づいて、弾性層の劣化の度合いを推定する。
そして、この推定結果に基づいて定着条件を補正する。
これにより、弾性層の劣化の程度に応じて適切に定着条
件を補正できるため、良好な画像状態が確保された定着
画像を得ることができる。従って、定着ローラにおける
弾性層の熱伝導率を高めることにより懸念される画像状
態の悪化が防止されるとともに弾性層の劣化の度合いを
も把握することができる。
【0022】さらに、本発明に係る画像形成装置におい
ては、前記定着条件補正手段は、前記定着手段における
定着温度、定着速度、および定着圧力のうち少なくとも
いずれかを補正することが好ましい。
【0023】このように定着条件補正手段が、定着手段
における定着温度、定着速度、および定着圧力のうち少
なくともいずれかを補正することにより、記録体上に付
着した現像剤を適切に溶融させることができる。これに
より、良好な画像状態が確保された定着画像を得ること
ができる。従って、定着ローラの表面における弾性層の
熱伝導率を高めることにより懸念される画像状態の悪化
は防止される。
【0024】なお、定着条件補正手段での補正対象は、
定着手段における定着温度、定着速度、および定着圧力
のいずれか1つのみであっても良いし、2つあるいは3
つの条件を同時に補正しても良い。2つあるいは3つの
条件を同時に補正することにより、相乗的に補正可能範
囲を大きくすることができるので、例えば1つだけ条件
を補正しただけでは対応できないような場合に有効であ
る。また、例えば定着温度を上昇させつつ定着速度を早
くするというように、相反するような条件補正をしても
良い。この場合には、より細かく補正ができるからであ
る。
【0025】さらにまた、本発明に係る画像形成装置
は、前記定着条件補正手段が補正可能範囲外であると判
断した場合に、オペレータにその旨および付随する情報
の少なくともいずれかを報知する情報報知手段を有する
ことが好ましい。
【0026】この画像形成装置では、前記定着条件補正
手段が補正可能範囲外であると判断した場合に、情報報
知手段が、オペレータにその旨および付随する情報のい
ずれかを報知する。具体的には、情報報知手段はサービ
スマンコールが必要である旨、あるいは定着ローラにお
ける弾性層の劣化がひどいため定着手段の交換が必要で
ある旨等の情報を報知する。これにより、オペレータは
定着画像の画像状態の悪化の原因を把握でき、適切な措
置を採ることができる。
【0027】さらにあるいは、本発明に係る画像形成装
置においては、前記画像作成手段は、前記記録体上に所
定のテスト画像を作成するためのテスト画像データを格
納するテスト画像データメモリを有し、前記画像情報検
出手段は、前記記録体上に定着された定着テスト画像の
画像情報を検出可能であることが好ましい。
【0028】このようにあらかじめ格納してあったテス
ト画像データから得た定着テスト画像を用いることによ
り、検知すべき定着画像の位置が予めわかっているた
め、確実に定着画像の画像情報を得ることができる。こ
のため、定着条件補正手段は、適切に定着条件を補正す
ることができるので、記録体に付着した現像剤が適切に
溶融し良好な画像状態が確保された定着画像を確実に得
ることができる。従って、定着ローラにおける弾性層の
熱伝導率を高めることにより懸念される画像状態の悪化
は確実に防止される。
【0029】
【発明の実施の形態】(第1の実施の形態)以下、本発
明の画像形成装置を具体化した実施の形態について図面
に基づいて詳細に説明する。まず、第1の実施の形態か
ら説明する。第1の実施の形態は、本発明に係る画像形
成装置が搭載された電子写真方式の複写機であり、所定
の定着テスト画像を作成して、その定着テスト画像の反
射光の強度情報等に基づき推定された定着ローラにおけ
る弾性層の劣化の度合いに応じて定着温度を補正するも
のである。
【0030】この複写機1は、図1に示すように、イメ
ージリーダ部IRとページプリンタ部PRTとから構成
されている。そして、イメージリーダ部IRから転送さ
れた画像データに基づき、ページプリンタ部PRTが電
子写真プロセスにより原稿の画像をプリントするように
なっている。
【0031】イメージリーダ部IRは、原稿ガラス10
上にセットされる原稿の画像による反射光を検出しこれ
を光電変換して、原稿の画像に対応した画像データを読
み込む画像読取部2と、種々の画像形成モードに応じて
データ処理を行う画像処理部3等とを有している。な
お、画像読取部2は、読み込んだ画像データを一時的に
記憶するデータメモリ部9を備える。また、イメージリ
ーダ部IRの上部には原稿を押さえる原稿カバー11が
装着されている。
【0032】一方、ページプリンタ部PRTは、光学走
査部4と画像プロセス部5と搬送部6とを有している。
そして光学走査部4は、感光体ドラム30にレーザ光を
走査して照射するためのポリゴンミラー21および反射
ミラー22とを備える。画像プロセス部5は、感光体ド
ラム30と、帯電チャージャ31と、現像器32Y,3
2C,32M,32Kと、転写チャージャ33を有する
転写ドラム34と、クリーニング器35とを備える。搬
送部6は、記録体を積載して収容する用紙カセット44
と、用紙カセット44または手差しトレイ45から供給
される記録体を搬送するための各種搬送ローラと、定着
器40と、ハロゲンランプ41とCCDセンサ42とか
らなる画像情報検出部43と、複写が完了して機外に排
出された記録体を収容する排紙トレイ46とを備える。
【0033】ここで定着器40は、互いに圧接された加
熱ローラ212と加圧ローラ213とにより構成された
ものであり、その詳細については、図2を用いて説明す
る。図2は定着器40の長手方向における断面を示した
ものである。図2に示すように、加熱ローラ212は、
熱伝導が良く、熱容量が小さいアルミニウム等の材料で
形成された金属筒212aの表面に弾性層としてシリコ
ンゴム212bを被覆したものである。加熱ローラ21
2の内部には、ヒーターランプ221が設けられてお
り、後述する統括制御部54(図5参照)による温度制
御に基づき給電され加熱されるようになっている。ま
た、加熱ローラ212の表面温度は、その表面に接触し
て設けられたサーミスタ等の温度センサ222により検
出されるようになっている。なお、ここで検出された表
面温度信号は、後述する統括制御部54に入力される。
一方、加圧ローラ213も加熱ローラ212と同様に、
内部にヒータランプ221を備えた金属筒213aにシ
リコンゴム213bを被覆したものである。なお、シリ
コンゴム212b,213bはともに、熱伝導率が0.
6W/m・℃、硬度が40のジメチルシリコンゴムであ
る。
【0034】また、後述する駆動制御部55(図5参
照)により加圧ローラ213を駆動することにより、加
熱ローラ212も加圧ローラ213に従動して回転する
ようになっている。なお、駆動制御部55により加圧ロ
ーラ213ではなく、加熱ローラ212を駆動させるよ
うにし、加圧ローラ213が加熱ローラ212に従動し
て回転するようにしてもよい。
【0035】そして、画像情報検出部43は、定着画像
の画像情報を検出するためのものであり、具体的には、
定着画像の光沢度((正反射光量/入射光量)×100
=正反射率)を検出するものである。この画像情報検出
部43は、例えば図3に示すように記録体Sのうち矢印
で示す搬送方向を上にしたときに左上隅の位置に略矩形
状の定着テスト画像Tが記録体S上に作成された場合
に、この定着テスト画像Tの正反射光の強度を測定でき
るような位置に配置されている。つまり、記録体Sの搬
送路のうち定着器40の後方において、定着器40から
排出された記録体Sに対して図1中斜め上右側(反搬送
方向斜め上)に発光素子であるハロゲンランプ41が設
けられ、ハロゲンランプ41から定着テスト画像Tへ入
射する入射光に対する正反射光を受光できるように、定
着テスト画像T(記録体S)に対する入射角αと反射角
βが等しくなる図1中斜め上左側(搬送方向斜め上)
に、受光素子であるCCDセンサ42が設けられるので
ある。図3中、41Lはハロゲンランプ41の光軸、4
2LはCCDセンサ42の光軸である。このように、画
像情報検出部43は、ハロゲンランプ41とCCDセン
サ42とが組をなした状態で構成されている。なお、正
反射光(直接反射光)とは、反射光のうち、入射光と入
射点での定着画像の法線によって形成される入射面内に
おいて、定着画像に入射した入射光の入射角と同じ角度
の反射角で反射して進行する反射光をいう(以下の説明
においても、同様の意味で「正反射光」を用いる)。
【0036】なお、ハロゲンランプ41とCCDセンサ
42を逆の位置に配置しても良い。さらには図4に示す
ように、搬送方向(図1中定着器40の後方において左
方向)に対して入射光及び反射光の方向が直交するよう
にハロゲンランプ41とCCDセンサ42を配置するな
ど、定着テスト画像Tに光を当て、その正反射光を受光
できる配置であればいずれの配置でも良い。
【0037】ただし、入射角αおよび反射角βは25度
以上(90度未満)であることが望ましい。25度より
も小さいと、周辺から回り込む拡散光の成分が大きくな
り、正反射光の強度情報を正確に測定できなくなり、ま
たハロゲンランプ41やCCDセンサ42の配置が難し
くなるからである。さらに、入射角αは45度以上(9
0度未満)であることがより好ましい。このようにハロ
ゲンランプ41とCCDセンサ42を配置すると、定着
テスト画像Tの厚さや測定時における記録体Sの浮き上
がり等の影響を受けにくくなり、正反射光の強度情報を
より正確に測定できるからである。
【0038】このようにハロゲンランプ41とCCDセ
ンサ42とが配置されることにより、画像情報検出部4
3は定着テスト画像Tの正反射光(直接反射光)の光沢
度を検出することができる。つまり画像情報検出部43
は、CCDセンサ42が受光する正反射光の強度Ibと
ハロゲンランプ41の発光強度Iaとを検知することに
より、定着テスト画像Tの正反射光の光沢度を検出して
いるのである。なお正反射光の光沢度を検出するのは、
トナー付着量と正の相関を有する上、検出レンジが広
く、ノイズに対して強いためである。なお、ハロゲンラ
ンプ41の発光強度Iaの検知は、ハーフミラーなどを
用いて直接その強度を測定する手法が挙げられるほか、
発光素子の印加電圧、消費電流、消費電力等から間接的
に測定する手法も挙げられる。
【0039】続いて、このように構成された複写機1に
おいて、コピーを行うときの動作を簡単に説明する。こ
の複写機1では、イエロー(Y)、シアン(C)、マゼ
ンタ(M)、ブラック(K)の再現色の順に以下の処理
が行われる。まず、イエロー(Y)の処理について説明
する。画像読取部2が原稿の画像のうちイエロー(Y)
に対応する画像データを読み取る。また、感光体ドラム
30が、帯電チャージャ31により表面を一様に帯電さ
せられる。そして、後述するレーザ制御部59(図5参
照)に対して、画像読取部2が読み込んだ画像データが
入力される。そうすると、レーザ光源からレーザ光が変
調発光されて、このレーザ光がポリゴンミラー21によ
り主走査方向に走査され、さらに反射ミラー22により
反射されて感光体ドラム30に入射する。これにより、
感光体ドラム30上にイエロー(Y)の再現色に対応す
る静電潜像が形成される。この静電潜像は、現像器32
Yにより現像されてトナー像となる。このトナー像は、
感光体ドラム30に対向して配置された転写チャージャ
33により、用紙カセット44または手差しトレイ45
から供給された記録体S上に転写される。
【0040】次いで、シアン(C)、マゼンタ(M)、
ブラック(K)についての処理が同様に行われる。これ
らの処理により、4色のトナー像が記録体S上に重ねて
転写された状態となる。その後、これらのトナー像が転
写された記録体Sは、定着器40において加熱及び加圧
される。これによりトナーが溶融し、トナー像が記録体
S上に定着されて、フルカラー画像とされる。そして画
像定着後、記録体は機外に排出され排紙トレー46に収
容される。これで1枚分のコピーが終了する。
【0041】ここで、このようなコピー動作等を制御す
る複写機1の制御系について説明する。複写機1の制御
回路は、図5のブロック図に示すように、統括制御部5
4を中心にして構成されている。統括制御部54は、本
発明の定着条件補正手段、要求光沢度算出手段、および
劣化推定手段にも相当するものであり、公知のCPUを
中心に、ROM、RAM等を組み合わせて構成されたマ
イコンである。統括制御部54に組み込まれたROMに
は、複写機1の制御を実行するために必要な種々のプロ
グラム類や、参照データ類等があらかじめ準備されて格
納されている。なお、後述するテスト画像を作成するた
めのテスト画像データ等も、このROM内に格納されて
いる。また、RAMには、演算処理の実行中に現れる数
値等を一時的に記憶するとともに、必要に応じて随時読
み出すための各種バッファが設けられている。
【0042】統括制御部54の入出力ポートには、画像
読取部2の動作を制御するIR制御部51と、定着器4
0の駆動・停止および加圧ローラ213の速度制御を行
う駆動制御部55と、記録体の供給を制御する搬送制御
部56と、ポリゴンミラー21によるレーザ光走査を制
御するスキャナ制御部57と、感光体ドラム30への帯
電、現像バイアス、転写バイアスの印加などの高電圧を
制御する高圧制御部58と、レーザ光の変調制御を行う
レーザ制御部59と、画像情報検出部43と、定着器4
0の定着温度(正確には加熱ローラ212の表面温度)
を検出している温度センサ222と、ヒータランプ22
1等とが接続されている。また、統括制御部54には、
コントローラ52を介して操作パネル53からの信号が
入力されるようになっている。
【0043】そして、複写機1は統括制御部54によ
り、統括的に制御され次のように動作する。まず、記録
体のサイズや種類その他の制御情報が操作パネル53か
らコントローラ52に入力される。次いで、操作パネル
53のコピーボタンが押されるとコピー要求信号が発信
されて、この信号がコントローラ52に受信される。次
いで、コントローラ52からは、統括制御部54に対し
てプリント指令が出力される。この指令により統括制御
部54からは、IR制御部51に対して原稿の画像読み
取り開始が指令されるとともに、搬送制御部56に対し
て記録体の供給開始が指令され、さらにスキャナ制御部
57に対して走査準備が指令される。また、高圧制御部
58に対しても指令が出力され、感光体ドラム30への
帯電、現像バイアス、転写バイアスが設定されて画像形
成の準備がなされる。そして、画像読取部2による原稿
の画像の読み取りが終了すると、レーザ制御部59に読
み取られた画像データが入力される。
【0044】次いで統括制御部54は、コントローラ5
2に対して垂直同期要求信号を出力して垂直同期信号の
受信を待つ。そして、コントローラ52が垂直同期信号
を出力すると、レーザ制御部59に入力された画像デー
タに基づき、レーザ光が変調発光される。これにより感
光体ドラム30上に静電潜像が形成され、現像器32Y
(32C,32M,32K)により現像されてトナー像
とされる。このトナー像は記録体に転写され、定着器4
0によって定着されて定着画像となる。このとき温度セ
ンサ222は、定着器40の加熱ローラ212の表面温
度(定着温度)を検出し、その検出結果を統括制御部5
4に送信する。
【0045】ここで、本発明ではシリコンゴム212
b,213bの熱伝導率を通常の定着器で用いられるも
のと比べ約2.4倍に高めている(0.25W/m・℃
から0.6W/m・℃に高めている)。これにより、コ
ピーの生産性が向上する一方、シリコンゴム212b,
213bの耐熱性が低下し、通常のものよりも経時的な
熱劣化が発生しやすい。従って、このままではシリコン
ゴム212b,213bの劣化により、長期間の使用に
より徐々に定着条件が変化して記録体上のトナー像を適
切に溶融させることができず、画像状態が悪化するおそ
れがある。
【0046】そこで、画像状態が悪化しないように本実
施の形態では、定着画像の光沢度を検出し、その光沢度
に基づき定着条件のうちの定着温度を補正することで記
録体上のトナー像を適切に溶融させて、良好な画像状態
を確保するようにしている。以下、かかる定着温度の補
正制御について、図6に示すフローチャートに従って説
明する。このフローチャートに示すルーチンは、所定積
算枚数のコピーを行った後、所定稼働時間が経過した
後、あるいはオペレータが操作パネル53からテストモ
ードを選択した場合等に実行されるようになっている。
まず、図5に示すレーザ制御部59に対して、統括制御
部54内のROMにあらかじめ格納されたテスト画像デ
ータが入力され、上記の手順により所定の定着テスト画
像Tが作成される(S1)。
【0047】なお、定着テスト画像Tとしてはブラック
(K)以外のパッチとするのがよく、1種類のトナーを
用いてイエロー(Y)、シアン(C)、マゼンタ(M)
のパッチとしたり、複数のトナーを用いて任意の色のパ
ッチとすることができ、複数のトナーを用いると、様々
な画像におけるトナーの溶融状態を検出できるようにな
る。また、定着テスト画像Tに付着させるトナー付着量
を多くできるので、その結果を用いることで、トナー付
着量その他の補正範囲を広くとることができる。
【0048】さらに、画像濃度が所定値ずつ異なる定着
テスト画像を記録体搬送方向に3つ以上作成するように
しても良い。このようにすると、それぞれの定着テスト
画像についての反射光強度(反射率)を検出して、その
結果から最小二乗法により画像濃度と反射光強度(反射
率)との関係を表す直線を求め、各定着テスト画像につ
いての反射光強度(反射率)の真値を得ることができ
る。これにより、1つだけ定着テスト画像を作成する場
合よりも、より精度良く定着テスト画像についての反射
光強度(反射率)を検出することができる。従って、よ
り正確に定着テスト画像の画像状態を把握することがで
きる。また、画像濃度が等しい定着テスト画像を記録体
搬送方向に複数作成して、各定着テスト画像についての
反射光強度(反射率)の平均値を得るようにしても良
い。
【0049】また、記録体Sが定着器40を通過する時
の加熱ローラ212の表面温度、つまり定着温度を、温
度センサ222にて検出する(S2)。続いて、統括制
御部54は、ROM内に格納しているテスト画像データ
を呼び出してこれを読み込み(S3)、この読み込まれ
たテスト画像データと定着温度とに基づいて本来得られ
るべき光沢度(以下、「要求光沢度」ともいう)を算出
する(S4)。また、画像情報検出部43は、定着テス
ト画像Tの正反射光の強度Ib、およびハロゲンランプ
41の発光強度Iaを検出し、実測した光沢度(以下、
「実測光沢度」ともいう)を算出する(S5)。続い
て、統括制御部54は、要求光沢度と実測光沢度との差
に基づきシリコンゴム212b,213bの劣化の度合
いを推定し劣化ランクを決定する(S6)。そして、こ
の劣化ランクに応じてヒータランプ221における制御
温度の補正を行う(S7)。この補正により、定着温度
も変化する。
【0050】具体的には、シリコンゴム212b,21
3bの劣化の度合いを表1に示すような4段階(A〜D
ランク)に分け、それぞれのランクに応じてヒータラン
プ221における制御温度の補正を行う。例えば、統括
制御部54が劣化ランクを「B」であると判断すると、
ヒータランプ221の制御温度を160℃(標準設定温
度)から10%高い、176℃に変更する。これによ
り、定着温度も変化(上昇)する。なお、劣化ランク
は、劣化がない場合を標準(Dランク)として、劣化の
度合いに応じて3段階にランク分けがされている。
【0051】
【表1】
【0052】このように画像情報検出部43を設け実測
光沢度を算出し、要求光沢度と比較することにより、シ
リコンゴム212b,213bの劣化の度合いを把握す
ることができる。これにより、シリコンゴム212b,
213bの劣化による画像状態の悪化を抑制するよう
に、ヒータランプ221の制御温度を適切に補正するこ
とができる。このような補正により、記録体S上に付着
したトナーは適切に溶融する。このため、シリコンゴム
212b,213bの熱伝導率を高めても安定して良好
な画像状態が確保された定着画像を得ることが可能とな
る。従って、画像品質に影響を与えずにシリコンゴム2
12b,213bの熱伝導率を高めることができ、この
結果としてコピーの生産性(単位時間当たりのコピー枚
数)の向上も図ることができる。
【0053】なお、ヒータランプ221の制御温度を補
正する代わりに、温度センサ222の出力値を補正し、
補正された出力値を用いて温度制御するようにしても良
い。例えば、温度センサ222にサーミスタを用いる場
合には、その抵抗値を補正すれば良い。
【0054】以上、詳細に説明したように第1の実施の
形態に係る複写機1によれば、定期的あるいはオペレー
タの選択等により、記録体S上に所定の定着テスト画像
Tが作成される。そして、統括制御部54は、テスト画
像データと温度センサ222で検出した加熱ローラ21
2の表面温度(定着温度)とに基づき要求光沢度を算出
する。また、画像情報検出部43で得た反射光強度等に
基づき、定着テスト画像Tの実測光沢度を検出する。さ
らに、要求光沢度と実測光沢度を比較してシリコンゴム
212b,213bの劣化の度合いを推定する。そし
て、この推定結果に基づきヒータランプ221の制御温
度を補正する。つまり、シリコンゴム212b,213
bの劣化による画像状態の悪化を抑制するように、ヒー
タランプ221の制御温度を補正するため、記録体S上
に付着したトナーを適切に溶融させることができる。こ
のことにより、シリコンゴム212b,213bが劣化
しても良好な画像状態が確保された定着画像を得ること
ができる。従って、画像状態に影響を与えることなく熱
伝導率を高めることができ、生産性の向上も図られる。
【0055】なお、上記第1の実施の形態では、記録体
Sに1つのパッチ状定着テスト画像(以下、単に「パッ
チ」ともいう)Tを作成したが、定着テスト画像の作成
パターンとしては、その他にも図7に示すように記録体
Sの搬送方向(図中上方向)に対して直交する方向(図
中左右方向)に複数のパッチTPを並べて作成するパタ
ーン、図8に示すように複数のパッチTPを記録体Sの
搬送方向(図中上下方向)に並べて作成するパターン、
図9に示すように記録体Sの四隅にパッチTPを作成す
るパターン、図10に示すように記録体Sの対角線上に
複数のパッチTPを並べて作成するパターン等が挙げら
れる。
【0056】ここで、上記した第1の実施の形態で例示
したような、1組のハロゲンランプ41とCCDセンサ
42とからなる画像情報検出部43を用いた場合には、
図8に示すようなパターンであれば複数のパッチTPに
ついて反射光の強度情報を検出することができる。一
方、定着テスト画像として、図7、図9、図10に示す
ようなパターンを作成する場合には、搬送方向と交差す
る方向に複数組のハロゲンランプとCCDセンサとを備
える画像情報検出部とする必要がある。いずれにして
も、複数の定着テスト画像(パッチ)TPの反射光の強
度情報を検出すると、その平均値などを算出することに
より正確に反射光の強度情報を測定できるようになる。
これにより、定着画像の実測光沢度の検出が正確に行わ
れるため、定着温度の補正をより適切に行うことができ
る。
【0057】さらに、上記実施の形態のように記録体S
に定着テスト画像のみを作成する他、オペレータの選択
により、各図に破線で示すような実際の複写画像GAに
定着テスト画像TPを重畳するようにしてもよい。複写
画像GAに定着テスト画像TPを重畳する場合には、図
7〜図9に示すような記録体の周縁部に定着テスト画像
TPを作成するものを選択するとよい。図10に示すよ
うなパターンでは、複写画像GAと定着テスト画像TP
が重なってしまうからである。
【0058】(第2の実施の形態)次に、第2の実施の
形態について説明する。第2の実施の形態に係る複写機
は、その構成を第1の実施の形態に係る複写機1とほぼ
同じくするが、定着器における定着温度を変更する代わ
りに、定着速度を変更する点が異なる。すなわち、統括
制御部54が、駆動制御部55に指示を出して加圧ロー
ラ213の周速度を変更するのである。そこで、定着速
度を補正するための制御について、図11に示すフロー
チャートを用いて説明する。このフローチャートに示す
ルーチンも、第1の実施の形態と同様、所定積算枚数の
コピーを行った後、所定稼働時間が経過した後、あるい
はオペレータが操作パネル53からテストモードを選択
した場合等に実行されるようになっている。なお、第1
の実施の形態と同様であるものやコピー動作等について
の説明は省略し、同一のものについては同一の符号を付
する。
【0059】まず、図5に示すレーザ制御部59に対し
て、統括制御部54内のROMにあらかじめ格納された
テスト画像データが入力され、前述の手順により所定の
定着テスト画像Tが作成される(S11)。また、記録
体Sが定着器40を通過する時の加熱ローラ212の表
面温度つまり定着温度を、温度センサ222にて検出す
る(S12)。続いて、統括制御部54は、ROM内に
格納しているテスト画像データを呼び出してこれを読み
込み(S13)、この読み込まれたテスト画像データと
定着温度とに基づいて要求光沢度を算出する(S1
4)。次いで、画像情報検出部43が、定着テスト画像
Tの正反射光の強度Ib、およびハロゲンランプ41の
発光強度Iaを検出すると、統括制御部54はこれを用
いて実測光沢度を算出する(S15)。続いて、要求光
沢度と実測光沢度との差に基づきシリコンゴム212
b,213bの劣化の度合いを推定し劣化ランクを決定
する(S16)。そして、この劣化ランクに応じて加圧
ローラ213の周速度を変更して定着速度の補正を行う
(S17)。
【0060】具体的には、シリコンゴム212b,21
3bの劣化の度合いを表2に示すような4段階(A〜D
ランク)に分け、それぞれのランクに応じて定着速度の
補正を行う。すなわち、統括制御部54は、駆動制御部
55に対して補正指示を出し、この指示に基づき駆動制
御部55が加圧ローラ213の周速度を表2に示すよう
に変更することで定着速度を補正する。例えば、統括制
御部54が劣化ランクは「C」であると判断すると、加
圧ローラ213の周速度を120mm/sec(標準設
定値)から5%低い、114mm/secに変更するこ
とで定着速度を補正する。
【0061】
【表2】
【0062】このように画像情報検出部43を設け実測
光沢度を算出し、要求光沢度と比較することにより、シ
リコンゴム212b,213bの劣化の度合いを把握す
ることができる。これにより、シリコンゴム212b,
213bの劣化による画像状態の悪化を抑制するよう
に、加圧ローラ213の周速度を適切に補正することが
できる。このような補正により、記録体S上に付着した
トナーは適切に溶融する。このため、シリコンゴム21
2b,213bの熱伝導率を高めても安定して良好な画
像状態が確保された定着画像を得ることが可能となる。
従って、画像品質に影響を与えずにシリコンゴム212
b,213bの熱伝導率を高めることができ、この結果
としてコピーの生産性の向上も図ることができる。
【0063】以上、詳細に説明したように第2の実施の
形態に係る複写機によれば、定期的あるいはオペレータ
の選択等により、記録体S上に所定の定着テスト画像T
が作成される。そして、統括制御部54は、テスト画像
データと温度センサ222で検出した加熱ローラ212
の表面温度(定着温度)とに基づき要求光沢度を算出す
る。また、画像情報検出部43で得た反射光強度等に基
づき、定着テスト画像Tの実測光沢度を検出する。さら
に、要求光沢度と実測光沢度を比較してシリコンゴム2
12b,213bの劣化の度合いを推定する。そして、
この推定結果に基づき加圧ローラ213の周速度を補正
する。つまり、シリコンゴム212b,213bの劣化
による画像状態の悪化を抑制するように、加圧ローラ2
13の周速度を補正するため、記録体S上に付着したト
ナーを適切に溶融させることができる。このことによ
り、シリコンゴム212b,213bが劣化しても良好
な画像状態が確保された定着画像を得ることができる。
従って、画像状態に影響を与えることなく熱伝導率を高
めることができ、コピーの生産性の向上も図られる。
【0064】(第3の実施の形態)次に、第3の実施の
形態について説明する。第3の実施の形態に係る複写機
は、その構成を第1の実施の形態に係る複写機1とほぼ
同じくするが、定着器における定着温度を変更する代わ
りに、定着圧力を変更する点が異なる。すなわち、加熱
ローラ212に対する加圧ローラ213の押圧力を変更
するのである。またこれに伴い、定着器の構成も異なっ
ている。そこで、本実施の形態の複写機における定着器
の構成と、定着圧力を変更するための制御について説明
する。なお、第1の実施の形態と同様であるものやコピ
ー動作等についての説明は省略し、同一のものについて
は同一の符号を付する。
【0065】まず、定着器140の構成について図12
を用いて説明する。図12は、定着器140の側面図で
ある。この定着器140は、第1の実施の形態における
定着器40の構成と基本的には同じであるが、加熱ロー
ラ212に対する加圧ローラ213の押圧力を可変でき
るようになっている。すなわち、加熱ローラ212と加
圧ローラ213とは、図12に示すように、相互に圧接
されかつ回転可能な状態で、それぞれ押圧支持部材21
4と215により支持されている。また、押圧支持部材
215は、押圧支持部材214に対し支持軸216によ
り回動可能に取り付けられている。そして、加圧ローラ
213を支持する押圧支持部材215の図中下部には、
加圧ローラ213を加熱ローラ212に押圧するための
弾性部材211が設けられている。さらに弾性部材21
1の下方には、駆動モータMに接続されたカム210が
設けられている。
【0066】そして、この押圧力の変更は、カム210
を所定角度分だけ駆動モータMで回動させることにより
行う。すなわち、カム210を反時計回りに回動させる
ことにより、弾性部材211が押し縮められるために加
熱ローラ212に対する加圧ローラ213の押圧力が高
くなって定着圧力が高くなる。反対にカム210を時計
回りに回動させることにより、弾性部材211が伸びる
ために加熱ローラ212に対する加圧ローラ213の押
圧力が低くなって定着圧力が小さくなる。
【0067】続いて、定着条件のうち定着圧力を補正す
るための制御について、図13に示すフローチャートを
用いて説明する。このフローチャートに示すルーチン
は、第1の実施の形態と同様、所定積算枚数のコピーを
行った後、所定稼働時間が経過した後、あるいはオペレ
ータが操作パネル53からテストモードを選択した場合
等に実行されるようになっている。
【0068】まず、図5に示すレーザ制御部59に対し
て、統括制御部54内のROMにあらかじめ格納された
テスト画像データが入力され、前述の手順により所定の
定着テスト画像Tが作成される(S21)。また、記録
体Sが定着器140を通過する時の加熱ローラ212の
表面温度つまり定着温度を、温度センサ222にて検出
する(S22)。続いて、統括制御部54は、ROM内
に格納しているテスト画像データを呼び出してこれを読
み込み(S23)、この読み込まれたテスト画像データ
と定着温度とに基づいて要求光沢度を算出する(S2
4)。次いで、画像情報検出部43が、定着テスト画像
Tの正反射光の強度Ib、およびハロゲンランプ41の
発光強度Iaを検出すると、統括制御部54はこれを用
いて実測光沢度を算出する(S25)。続いて、要求光
沢度と実測光沢度との差に基づきシリコンゴム212
b,213bの劣化の度合いを推定し劣化ランクを決定
する(S26)。そして、この劣化ランクに応じて加圧
ローラ213の押圧力を変更して定着圧力の補正を行う
(S27)。
【0069】具体的には、シリコンゴム212b,21
3bの劣化の度合いを表3に示すような4段階(A〜D
ランク)に分け、それぞれのランクに応じて定着圧力の
補正を行う。すなわち、統括制御部54は、駆動モータ
Mに対して指示を出し、この指示に基づき駆動モータM
がカム210を所定角度だけ回動させることにより、加
熱ローラ212に対する加圧ローラ213の押圧力を表
3に示すように変更する。例えば、統括制御部54が劣
化ランクが「A」であると判断すると、加圧ローラ21
3の押圧力を60kg(標準設定値)から40%高い、
84kgに変更する。
【0070】
【表3】
【0071】このように画像情報検出部43を設け実測
光沢度を算出し、要求光沢度と比較することにより、シ
リコンゴム212b,213bの劣化の度合いを把握す
ることができる。これにより、シリコンゴム212b,
213bの劣化による画像状態の悪化を抑制するよう
に、加熱ローラ212に対する加圧ローラ213の押圧
力を適切に補正することができる。このような補正によ
り、記録体S上に付着したトナーは適切に溶融する。こ
のため、シリコンゴム212b,213bの熱伝導率を
高めても安定して良好な画像状態が確保された定着画像
を得ることが可能となる。従って、画像品質に影響を与
えずにシリコンゴム212b,213bの熱伝導率を高
めることができ、この結果としてコピーの生産性の向上
も図ることができる。
【0072】以上、詳細に説明したように第3の実施の
形態に係る複写機によれば、定期的あるいはオペレータ
の選択等により、記録体S上に所定の定着テスト画像T
が作成される。そして、統括制御部54は、テスト画像
データと温度センサ222で検出した加熱ローラ212
の表面温度(定着温度)とに基づき要求光沢度を算出す
る。また、画像情報検出部43で得た反射光強度等に基
づき、定着テスト画像Tの光沢度を検出する。さらに、
要求光沢度と実測光沢度を比較してシリコンゴム212
b,213bの劣化の度合いを推定する。そして、この
推定結果に基づき加熱ローラ212に対する加圧ローラ
213の押圧力を補正する。つまり、シリコンゴム21
2b,213bの劣化による画像状態の悪化を抑制する
ように、加圧ローラ213の押圧力を補正するため、記
録体S上に付着したトナーを適切に溶融させることがで
きる。このことにより、シリコンゴム212b,213
bが劣化しても良好な画像状態が確保された定着画像を
得ることができる。従って、画像状態に影響を与えるこ
となく熱伝導率を高めることができ、コピーの生産性の
向上も図られる。
【0073】ここで、上記した第1〜第3の実施の形態
において、要求光沢度と実測光沢度の差が10以上であ
れば、統括制御部54は、シリコンゴム212b,21
3bの劣化ランクが「A」であると判断して定着条件の
補正を行う。しかし、要求光沢度と実測光沢度の差、つ
まりシリコンゴム212b,213bの劣化が大きいと
き、例えば光沢度差が30以上になったときには、定着
条件を補正しても良好な定着画像を得ることができな
い。このような場合には、定着器40の交換等が必要で
あると考えられる。そこで、例えば要求光沢度と実測光
沢度の差が30以上である場合には、定着器の交換が必
要である旨、あるいはサービスマンコールが必要である
旨等の情報を表示するようにしても良い。またこの表示
とともに警告音を発するようにしても良い。これによ
り、オペレータは定着画像の品質劣化の原因を把握で
き、適切な措置を採ることができるからである。
【0074】(第4の実施の形態)最後に、第4の実施
の形態について説明する。第4の実施の形態に係る複写
機は、その構成を第1の実施の形態に係る複写機とほぼ
同じくするが、定着テスト画像を作成せずに、通常の原
稿を複写した定着画像の光沢度を検出して、定着条件を
補正する点が異なる。この定着条件の補正プログラム
は、所定積算枚数のコピーを行った後、所定稼働時間が
経過した後、あるいはオペレータが選択した場合に行わ
れる。以下、この補正制御について、図14を用いて説
明する。なお、コピー動作や画像の作成動作は、第1の
実施の形態と同様であるからその説明は省略し、同一の
構成であるものについては同一の符号を付する。
【0075】定着条件の補正プログラムが実行される
と、まず、画像読取部2で原稿の画像に対応する画像デ
ータを得る。次いで、画像情報検出部43が定着画像の
反射光の強度情報を検出できる領域R1,R2,R3,
…において、どの領域に定着画像(画像データ)が存在
するかを調査する。例えば図14に示す場合であれば、
領域R2に定着画像が存在していることが判明する。そ
うすると、IR制御部51から統括制御部54を介して
画像情報検出部43に対して領域R2において反射光の
強度情報を検出する旨の指令が出される。次いで、原稿
の画像が前述した電子写真プロセスにより読み取った画
像データに基づいて、記録体Sに定着画像が形成され
る。
【0076】そして、統括制御部54は、温度センサ2
22で検出した加熱ローラ212の表面温度(定着温
度)と、画像読取部2内に設けられているデータメモリ
部9に記憶されている領域R2の画像データを読み込
む。次に、領域R2の画像データと温度センサ222で
検出した定着温度から要求光沢度を算出する。次いで、
画像情報検出部43が、定着器40から記録体Sが排出
され領域R2が画像情報検出部43の検出領域に到達し
たタイミングで、定着画像Gの正反射光の強度Ig、お
よびハロゲンランプ41の発光強度Iaを測定すると、
これらを用いて領域R2の定着画像Gの実測光沢度を算
出する。そして、領域R2における定着画像Gの要求光
沢度と実測光沢度とを比較して、シリコンゴム212
b,213bに関する劣化ランク(表1参照)を判断し
て、それぞれのランクに応じて定着条件を補正する。具
体的には、ヒータランプ221の制御温度を表1に示す
ように変更して定着温度を補正する。
【0077】このような補正により、シリコンゴム21
2b,213bが劣化している場合でも、記録体S上に
付着したトナーを適切に溶融させられる。このことによ
り、シリコンゴム212b,213bが劣化しても良好
な画像状態が確保された定着画像を得ることができる。
従って、画像状態に影響を与えることなく熱伝導率を高
めることができるので、コピー生産性の向上も図られ
る。
【0078】なお、定着温度を補正する代わりに、上記
第2、第3の実施の形態で例示したように、定着速度あ
るいは定着圧力の補正を行っても良い。
【0079】以上、詳細に説明したように第4の実施の
形態に係る複写機によれば、定着条件の補正プログラム
が実行されると、複写する原稿の画像データから画像情
報検出部43で測定できる領域に画像データがあるか否
か、そして画像データがある場合にはその位置(例えば
領域R2)を調査し、画像情報検出部43が、領域R2
の定着画像の正反射光の強度Ib、およびハロゲンラン
プ41の発光強度Iaを検出すると、統括制御部54は
これを用いて実測光沢度を算出する。また、温度センサ
222で検出した加熱ローラ212の表面温度(定着温
度)とデータメモリ部9に記憶されている領域R2に対
応する画像データから算出した要求光沢度とを比較する
ことにより、シリコンゴム212b,213bの劣化の
度合いを推定する。その後、この推定結果に基づいて、
統括制御部54は定着温度等の定着条件を補正する。こ
のような補正により、シリコンゴム212b,213b
が劣化した場合でも、記録体S上に付着したトナーを適
切に溶融させられる。このため、安定して良好な画像状
態が確保された定着画像を得ることができる。従って、
画像状態に影響を与えることなく熱伝導率を高めること
ができるので、コピーの生産性の向上を図ることが可能
となる。
【0080】なお、上記した実施の形態は単なる例示に
すぎず、本発明を何ら限定するものではなく、その要旨
を逸脱しない範囲内で種々の改良、変形が可能であるこ
とはもちろんである。例えば、上記実施の形態では、い
ずれも画像情報検出部43は定着画像の正反射光を検出
しているが、図15に示すように、画像情報検出部63
におけるCCDセンサ62が、ハロゲンランプ41の光
軸41Lと記録体Sとの交点Pを見込むようにしつつ、
正反射光の光軸から外れた位置に、より具体的には、交
点Pを通る記録体S紙面の法線上に配置されている、つ
まり法線とCCDセンサ62の光軸62Lとが一致する
ように配置して、画像情報検出部63で定着テスト画像
Tの拡散反射光の強度Icを検知し、拡散反射光の反射
率を検出するようにしても良い。なお、拡散反射光と
は、反射光のうち、定着画像に入射した入射光が定着画
像の凹凸等により散乱されて正反射の方向以外の方向に
進行する反射光をいう(以下の説明においても、同様の
意味で「拡散反射光」を用いる)。
【0081】このように画像情報検出部63において、
定着テスト画像Tの拡散反射光の反射率を検出するの
は、トナーの溶融状態等を含めた画像状態を容易に行う
ことができるからである。つまり、拡散反射光の反射率
は、正反射光の反射率および光沢度と比較すると検出レ
ンジが狭いものの、画像状態の良否と負の相関を有する
上、画像状態の変化に伴い大きくその値が変化するから
である。
【0082】また図16に示すように、画像情報検出部
73におけるCCDセンサ42をハロゲンランプ41か
らの入射光の正反射光を受光するように、また、CCD
センサ62をハロゲンランプ41の光軸41Lと記録体
Sとの交点Pを見込むようにしつつ、交点Pを通る記録
体S紙面の法線上に配置することにより、画像情報検出
部73で定着テスト画像Tの正反射光の強度Ibと拡散
反射光の強度Icとを検出するようにしても良い。
【0083】このように画像情報検出部73において、
定着テスト画像Tの正反射光Ibおよび拡散反射光の強
度Icを検出することにより、正反射光と拡散反射光の
強度比が得られ、この強度比を画像情報として用いるこ
とにより、ハロゲンランプ41の発光強度Iaの変動な
どの外乱に対して強くなるからである。また、上記実施
の形態では画像情報検出部43において、ハロゲンラン
プ41およびCCDセンサ42の組を1組のみ設けてい
るが、2組以上設けることも可能であることは言うまで
もない。
【0084】さらに、ハロゲンランプ41の発光強度I
aを常に一定にすれば、定着画像の反射率や光沢度を求
めることなく反射光の強度情報に基づいて、上記した各
実施の形態における定着条件の補正を行うこともでき
る。また、定着画像の反射光の強度情報のみならず、透
過光の強度情報や色ずれ(明度、色相、彩度のずれ)等
を検出することによっても、シリコンゴム212b,2
13bの劣化の度合いを推定することができるため、透
過光の強度情報や色ずれ等から推定した結果に基づいて
定着条件を補正することもできる。
【0085】すなわち、定着画像の透過光の強度情報に
基づきシリコンゴム212b,213bの劣化の度合い
を推定し、その推定結果に基づいて定着条件の補正を行
う場合には、以下に述べるようにして定着画像の透過光
強度を検出すればよい。つまり、例えば図17に示すよ
うに、図中下方側に設けたハロゲンランプ141に対し
て、次のような位置にCCDセンサを設ければ良い。
【0086】(1)ハロゲンランプ141の光軸141
Lと同軸上に記録体Sの搬送路を挟むようにして図中上
方側にCCDセンサ142のみを設ける。これにより、
定着テスト画像Tに入射した入射光が屈折等により進路
が曲げられずに直進する透過光(以下、「直進透過光」
ともいう)の強度Idを検出できる。(2)光軸141
Lと記録体Sとの交点Pを見込むようにしつつ、光軸1
41Lから外れた位置にCCDセンサ162のみを設け
る。これにより、定着テスト画像Tに入射した入射光が
屈折等により進路が曲げられた透過光(以下、屈折透過
光ともいう)の強度Ieを検出できる。(3)CCDセ
ンサ142とCCDセンサ162の両方を設ける。これ
により、直進透過光の強度Idと屈折透過光の強度Ie
の両者を検出できる。
【0087】また、定着画像の色ずれの情報を用いる場
合には、例えば以下に述べるようにして、定着画像の色
分解後の透過光強度を検出すればよい。つまり、例えば
図18に示すように、図中下方側に設けたハロゲンラン
プ141に対して、ハロゲンランプ141の光軸141
L上でかつハロゲンランプ141と記録体Sとの間に、
レッド(R)フィルタ39Rとグリーン(G)フィルタ
39Gとブルー(B)フィルタ39Bとを備えるRGB
フィルタ39を設けて次のような位置にCCDセンサを
設ければ良い。
【0088】(1)ハロゲンランプ141の光軸141
Lと同軸上に記録体Sの搬送路を挟むようにして図中上
方側にCCDセンサ142のみを設ける。これにより、
定着テスト画像Tの色分解後の直進透過光の強度Id
R,IdG,IdBを検出できる。(2)光軸141L
と記録体Sとの交点Pを見込むようにしつつ、光軸14
1Lから外れた位置にCCDセンサ162のみを設け
る。これにより、定着テスト画像Tに入射した入射光が
屈折等により進路が曲げられた透過光(以下、屈折透過
光ともいう)の強度IeR,IeG,IeBを検出でき
る。なお、定着画像の色ずれの情報に基づき定着条件の
補正を行う場合には、色分解後の反射光強度を検出して
も良い。
【0089】さらにまた、上記した第1〜第4の実施の
形態では、定着条件のうち定着温度、定着速度、および
定着圧力のいずれか1つのみを補正する場合を例示して
いるが、例えば定着温度と定着速度を同時に補正するな
ど、定着条件のうち2つあるいは3つの条件を同時に補
正するようにしても良い。このように複数の条件を同時
に補正することにより、対応できる定着条件の補正幅を
大きくし、あるいはきめ細かく定着条件を補正すること
ができる。
【0090】また、シリコンゴム212b,213bの
劣化の度合いを把握する必要がない場合には、劣化ラン
クを決定せずに要求光沢度と実測光沢度の差に基づき、
シリコンゴム212b,213bの劣化による画像状態
の悪化を抑制するように、定着条件を補正するようにし
ても良い。さらに、本発明は複写機に限らず、ページプ
リンタなどのプリンタやファックスなど、画像形成装置
を有するものであればいずれのものにも適用することが
できる。
【0091】
【発明の効果】以上、説明した通り本発明の画像形成装
置によれば、定着画像の画像状態に悪影響を与えること
なく、定着ローラの表面に形成される弾性層の熱伝導率
を高めることができる。これにより、非常に高い生産性
を確保できる画像形成装置を提供することが可能にな
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1の実施形態に係る複写機の概略構成図であ
る。
【図2】図1の複写機における定着器の構成を示す断面
図である。
【図3】図1の複写機における画像情報検出部の構成を
示す図である。
【図4】画像情報検出部の別の構成を示す図である。
【図5】図1の複写機の制御回路の一部を示すブロック
図である
【図6】定着温度の補正を行う制御を説明するフローチ
ャートである。
【図7】テスト画像の作成パターンを示す図である。
【図8】同じく、テスト画像の作成パターンを示す図で
ある。
【図9】同じく、テスト画像の作成パターンを示す図で
ある。
【図10】同じく、テスト画像の作成パターンを示す図
である。
【図11】第2の実施の形態における定着速度の補正を
行う制御を説明するフローチャートである。
【図12】第3の実施の形態に係る複写機における定着
器の側面図である。
【図13】第3の実施の形態における定着圧力の補正を
行う制御を説明するフローチャートである。
【図14】第4の実施の形態に係る複写機における画像
情報検出部での画像情報検出の方法を説明するための図
である。
【図15】画像情報検出部の別の構成を示す図である。
【図16】同じく、画像情報検出部の別の構成を示す図
である。
【図17】同じく、画像情報検出部の別の構成(定着画
像の透過光強度を検出する場合)を示す図である。
【図18】同じく、画像情報検出部の別の構成(定着画
像の色分解後の透過光強度を検出場合)を示す図であ
る。
【符号の説明】
5 画像プロセス部 30 感光体ドラム 32Y,32C,32M,32K 現像器 33 転写チャージャ 34 転写ドラム 40 定着器 41 ハロゲンランプ 42 CCDセンサ 43 画像情報検出部 54 統括制御部 212 加熱ローラ 213 加圧ローラ 212b,213b シリコンゴム(弾性層) 222 温度センサ S 記録体 T 定着テスト画像
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 2H027 DA12 DB01 EA12 HB05 2H033 AA10 AA11 BA60 BB14 BB15 CA01 CA04 CA18 CA26

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 画像データに基づいて記録体上に未定着
    画像を作成する画像作成手段と、圧接される定着ローラ
    間に上記未定着画像を担持する上記記録体を通過させて
    上記未定着画像を定着する定着手段とを有する画像形成
    装置において、 少なくとも上記未定着画像に接触する側の上記定着ロー
    ラの表面には熱伝導率が0.5W/m・℃以上の弾性層
    が形成されており、 上記定着手段における定着温度を検出する定着温度検出
    手段と、 上記定着手段により上記記録体上に定着された定着画像
    に光を照射する発光素子と、上記発光素子から照射され
    上記定着画像を反射または透過した光の強度情報を検出
    する受光素子とを備え、上記定着画像の画像情報を検出
    する画像情報検出手段と、 上記画像データのうち上記画像情報検出手段の検出領域
    に対応する検出領域画像データと上記定着温度と上記画
    像情報とに基づいて、上記定着手段における定着条件を
    補正する定着条件補正手段と、を有することを特徴とす
    る画像形成装置。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載する画像形成装置におい
    て、 前記弾性層のJIS硬度が70以下であることを特徴と
    する画像形成装置。
  3. 【請求項3】 請求項1または請求項2に記載する画像
    形成装置において、 前記定着条件補正手段は、前記検出領域画像データと前
    記定着温度とに基づいて本来得られるべき要求画像情報
    を算出する要求画像情報算出手段を有し、 前記画像情報と上記要求画像情報とに基づいて定着条件
    を補正することを特徴とする画像形成装置。
  4. 【請求項4】 請求項3に記載する画像形成装置におい
    て、 前記定着条件補正手段は、前記画像情報と前記要求画像
    情報とに基づいて前記弾性層の劣化を推定する劣化推定
    手段を有し、 上記劣化推定手段の推定結果に基づいて定着条件を補正
    することを特徴とする画像形成装置。
  5. 【請求項5】 請求項1から請求項4のいずれか1つに
    記載する画像形成装置において、 前記定着条件補正手段は、前記定着手段における定着温
    度、定着速度、および定着圧力のうち少なくともいずれ
    かを補正することを特徴とする画像形成装置。
  6. 【請求項6】 請求項1から請求項5のいずれか1つに
    記載する画像形成装置において、 前記定着条件補正手段が補正可能範囲外であると判断し
    た場合に、オペレータにその旨および付随する情報の少
    なくともいずれかを報知する情報報知手段を有すること
    を特徴とする画像形成装置。
  7. 【請求項7】 請求項1から請求項6のいずれか1つに
    記載する画像形成装置において、 前記画像作成手段は、前記記録体上に所定のテスト画像
    を作成するためのテスト画像データを格納するテスト画
    像データメモリを有し、 前記画像情報検出手段は、前記記録体上に定着された定
    着テスト画像の画像情報を検出可能であることを特徴と
    する画像形成装置。
JP11220882A 1999-08-04 1999-08-04 画像形成装置 Pending JP2001042700A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP11220882A JP2001042700A (ja) 1999-08-04 1999-08-04 画像形成装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP11220882A JP2001042700A (ja) 1999-08-04 1999-08-04 画像形成装置

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2001042700A true JP2001042700A (ja) 2001-02-16

Family

ID=16758026

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP11220882A Pending JP2001042700A (ja) 1999-08-04 1999-08-04 画像形成装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2001042700A (ja)

Cited By (9)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2002258653A (ja) * 2001-03-05 2002-09-11 Canon Inc 加圧ローラ、加熱装置および画像形成装置
JP2005345792A (ja) * 2004-06-03 2005-12-15 Canon Inc 画像形成装置
JP2006251128A (ja) * 2005-03-09 2006-09-21 Ricoh Co Ltd 画像形成装置
JP2007004051A (ja) * 2005-06-27 2007-01-11 Ricoh Co Ltd 画像形成装置
JP2009271116A (ja) * 2008-04-30 2009-11-19 Canon Inc 画像形成装置
JP2019086665A (ja) * 2017-11-07 2019-06-06 京セラドキュメントソリューションズ株式会社 画像形成装置
JP2020027154A (ja) * 2018-08-10 2020-02-20 京セラドキュメントソリューションズ株式会社 画像形成装置
JP2020095119A (ja) * 2018-12-11 2020-06-18 コニカミノルタ株式会社 画像形成装置
CN112504864A (zh) * 2020-11-27 2021-03-16 天津大学 一种同步辐射光源的高温力学加载装置

Cited By (14)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP4587152B2 (ja) * 2001-03-05 2010-11-24 キヤノン株式会社 加圧ローラ、加熱装置および画像形成装置
JP2002258653A (ja) * 2001-03-05 2002-09-11 Canon Inc 加圧ローラ、加熱装置および画像形成装置
JP2005345792A (ja) * 2004-06-03 2005-12-15 Canon Inc 画像形成装置
JP4741811B2 (ja) * 2004-06-03 2011-08-10 キヤノン株式会社 画像形成装置
JP2006251128A (ja) * 2005-03-09 2006-09-21 Ricoh Co Ltd 画像形成装置
JP2007004051A (ja) * 2005-06-27 2007-01-11 Ricoh Co Ltd 画像形成装置
JP2009271116A (ja) * 2008-04-30 2009-11-19 Canon Inc 画像形成装置
JP2019086665A (ja) * 2017-11-07 2019-06-06 京セラドキュメントソリューションズ株式会社 画像形成装置
JP2020027154A (ja) * 2018-08-10 2020-02-20 京セラドキュメントソリューションズ株式会社 画像形成装置
JP7163663B2 (ja) 2018-08-10 2022-11-01 京セラドキュメントソリューションズ株式会社 画像形成装置
JP2020095119A (ja) * 2018-12-11 2020-06-18 コニカミノルタ株式会社 画像形成装置
JP7247565B2 (ja) 2018-12-11 2023-03-29 コニカミノルタ株式会社 画像形成装置
CN112504864A (zh) * 2020-11-27 2021-03-16 天津大学 一种同步辐射光源的高温力学加载装置
CN112504864B (zh) * 2020-11-27 2024-04-30 天津大学 一种同步辐射光源的高温力学加载装置

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US6898381B2 (en) Color image forming apparatus and method for controlling the same
US9977361B2 (en) Image forming apparatus and image forming system
JP5258850B2 (ja) 画像形成装置
US11457113B2 (en) Image processing apparatus configured to instruct execution of calibration using test chart, and image forming apparatus configured to execute calibration using test chart
US6327453B1 (en) Image forming apparatus and registration correction method to correct dislocation of formed images
JP2000347537A (ja) 画像形成装置
JP2001042700A (ja) 画像形成装置
JP2008278215A (ja) 画像形成装置及びその制御方法
US20110311251A1 (en) Image forming apparatus and image forming method
US8994974B2 (en) Printer
JP2005283898A (ja) 画像形成装置及びそのカラーバランス調整方法
US10310430B2 (en) Image quality stabilization processing
JP2001051532A (ja) 画像形成装置
JPH10288880A (ja) 画像形成装置
JP2007108569A (ja) 画像形成装置
JP2000347468A (ja) 画像形成装置
JP5144565B2 (ja) 画像形成装置
JP2000284551A (ja) 画像形成装置
JP2000284552A (ja) 画像形成装置
US9560234B2 (en) Image reading device and image forming apparatus
JP2000293067A (ja) 画像形成装置
JP2000293062A (ja) 画像形成装置
JP2001042699A (ja) 画像形成装置
JP2008089697A (ja) 画像形成装置
JP2000347536A (ja) 画像形成装置

Legal Events

Date Code Title Description
A711 Notification of change in applicant

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A712

Effective date: 20050614