JP2002132081A - 定着用ローラおよび定着装置 - Google Patents
定着用ローラおよび定着装置Info
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- JP2002132081A JP2002132081A JP2000322739A JP2000322739A JP2002132081A JP 2002132081 A JP2002132081 A JP 2002132081A JP 2000322739 A JP2000322739 A JP 2000322739A JP 2000322739 A JP2000322739 A JP 2000322739A JP 2002132081 A JP2002132081 A JP 2002132081A
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- JP
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- fixing
- roller
- fixing roller
- fluoroelastomer
- fluoropolymer
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- Rolls And Other Rotary Bodies (AREA)
- Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)
- Addition Polymer Or Copolymer, Post-Treatments, Or Chemical Modifications (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【課題】 フルオロエラストマーを少なくとも最外層の
弾性体として用い、耐キズ性・耐摩耗性に優れ、トナー
リリース性も比較的良好な定着用ローラを提供すること
を課題とする。また、このような定着用ローラを用い、
高画質なトナー画像が得られる定着装置を提供すること
も課題とする。 【解決手段】 本発明により、少なくとも最外層がフル
オロエラストマーを含有する定着用ローラであって、該
フルオロエラストマーが、ビニリデンフルオライドとテ
トラフルオロエチレンとパーフルオロアルキルビニルエ
ーテルとの三元共重合体であるフルオロポリマーを加硫
したものである定着用ローラが提供される。また、電子
写真画像形成装置に用いる定着装置であって、この定着
用ローラが、定着および/または加圧ローラとして配置
される定着装置が提供される。
弾性体として用い、耐キズ性・耐摩耗性に優れ、トナー
リリース性も比較的良好な定着用ローラを提供すること
を課題とする。また、このような定着用ローラを用い、
高画質なトナー画像が得られる定着装置を提供すること
も課題とする。 【解決手段】 本発明により、少なくとも最外層がフル
オロエラストマーを含有する定着用ローラであって、該
フルオロエラストマーが、ビニリデンフルオライドとテ
トラフルオロエチレンとパーフルオロアルキルビニルエ
ーテルとの三元共重合体であるフルオロポリマーを加硫
したものである定着用ローラが提供される。また、電子
写真画像形成装置に用いる定着装置であって、この定着
用ローラが、定着および/または加圧ローラとして配置
される定着装置が提供される。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、複写機、レーザー
ビームプリンタ(LBP)等の電子写真画像形成装置にお
ける定着技術の分野において利用される定着用ローラ、
特に最外層の弾性体としてフルオロエラストマーを用い
た定着用ローラ、およびこの定着用ローラを有する定着
装置に関する。
ビームプリンタ(LBP)等の電子写真画像形成装置にお
ける定着技術の分野において利用される定着用ローラ、
特に最外層の弾性体としてフルオロエラストマーを用い
た定着用ローラ、およびこの定着用ローラを有する定着
装置に関する。
【0002】
【従来の技術】定着用ローラ、特に定着ローラには、ト
ナーリリース性および耐キズ性・耐摩耗性が要求され
る。トナーリリース性とは、紙などの記録材上に形成さ
れたトナー画像を熱と圧力により定着させる際に、定着
用ローラの表面にトナーがいかに付着しないかというこ
とである。トナーがローラ表面に大量に付着すると、記
録材上に形成されたトナー画像に部分的な欠けが生じた
り、またオフセットトナーが次の記録材の上に定着され
ることなどにより画像が悪化するという問題が生じる。
また、耐キズ性・耐摩耗性とは、定着用ローラの耐久性
に関するものであり、ローラ表面にいかにキズがつかな
いか、いかに摩耗しないかということである。ローラ表
面にキズが発生すると、その部分にオフセットトナーが
付着しやすくなり、画像に悪影響を及ぼすことがある。
また、ローラが摩耗すると、同じくオフセットトナーが
付着しやすくなったり、あるいは部分的に偏って摩耗し
た場合、画像ムラあるいは光沢ムラが生じたりすること
がある。したがって、トナーリリース性および耐キズ性
・耐摩耗性に優れた材料を定着用ローラの最外層に用い
ることはローラの性能上重要であるといえる。
ナーリリース性および耐キズ性・耐摩耗性が要求され
る。トナーリリース性とは、紙などの記録材上に形成さ
れたトナー画像を熱と圧力により定着させる際に、定着
用ローラの表面にトナーがいかに付着しないかというこ
とである。トナーがローラ表面に大量に付着すると、記
録材上に形成されたトナー画像に部分的な欠けが生じた
り、またオフセットトナーが次の記録材の上に定着され
ることなどにより画像が悪化するという問題が生じる。
また、耐キズ性・耐摩耗性とは、定着用ローラの耐久性
に関するものであり、ローラ表面にいかにキズがつかな
いか、いかに摩耗しないかということである。ローラ表
面にキズが発生すると、その部分にオフセットトナーが
付着しやすくなり、画像に悪影響を及ぼすことがある。
また、ローラが摩耗すると、同じくオフセットトナーが
付着しやすくなったり、あるいは部分的に偏って摩耗し
た場合、画像ムラあるいは光沢ムラが生じたりすること
がある。したがって、トナーリリース性および耐キズ性
・耐摩耗性に優れた材料を定着用ローラの最外層に用い
ることはローラの性能上重要であるといえる。
【0003】このような定着用ローラとして、円筒軸体
の外周に一層以上の層構造が形成されており、その最外
層にフッ素樹脂あるいはシリコーンゴムを用いたものが
一般的に用いられている。しかし、フッ素樹脂はトナー
リリース性および耐キズ性・耐摩耗性に優れているが、
樹脂であるがゆえに材料硬度が高く、高画質な画像を得
ることが難しいことがある。また、シリコーンゴムはト
ナーリリース性には優れているが、耐キズ性・耐摩耗性
には劣ることがある。
の外周に一層以上の層構造が形成されており、その最外
層にフッ素樹脂あるいはシリコーンゴムを用いたものが
一般的に用いられている。しかし、フッ素樹脂はトナー
リリース性および耐キズ性・耐摩耗性に優れているが、
樹脂であるがゆえに材料硬度が高く、高画質な画像を得
ることが難しいことがある。また、シリコーンゴムはト
ナーリリース性には優れているが、耐キズ性・耐摩耗性
には劣ることがある。
【0004】また一部、フルオロエラストマーを最外層
に用いた定着用ローラも実用化されている。フルオロエ
ラストマーは耐キズ性・耐摩耗性に優れており、材料硬
度もフッ素樹脂に比べて低く、高画質な画像が得られ、
耐熱性にも優れているが、表面エネルギーが高いなどの
ためにトナーリリース性に劣ることがある。
に用いた定着用ローラも実用化されている。フルオロエ
ラストマーは耐キズ性・耐摩耗性に優れており、材料硬
度もフッ素樹脂に比べて低く、高画質な画像が得られ、
耐熱性にも優れているが、表面エネルギーが高いなどの
ためにトナーリリース性に劣ることがある。
【0005】フルオロエラストマーのポリマー種として
は、ビニリデンフルオライド系フルオロポリマー、プロ
ピレン−テトラフルオロエチレン系フルオロポリマー、
テトラフルオロエチレン−パーフルオロ(アルキルビニ
ルエーテル)系フルオロポリマー、熱可塑性フルオロポ
リマー等を挙げることができる。また、フルオロエラス
トマーの加硫系としては、ポリアミン加硫系、ポリオー
ル加硫系、パーオキサイド加硫系(有機過酸化物加硫
系)があり、加硫させるために最低限必要な配合剤の他
に、カーボンブラック等の補強性配合剤なども添加され
ることがある。
は、ビニリデンフルオライド系フルオロポリマー、プロ
ピレン−テトラフルオロエチレン系フルオロポリマー、
テトラフルオロエチレン−パーフルオロ(アルキルビニ
ルエーテル)系フルオロポリマー、熱可塑性フルオロポ
リマー等を挙げることができる。また、フルオロエラス
トマーの加硫系としては、ポリアミン加硫系、ポリオー
ル加硫系、パーオキサイド加硫系(有機過酸化物加硫
系)があり、加硫させるために最低限必要な配合剤の他
に、カーボンブラック等の補強性配合剤なども添加され
ることがある。
【0006】これまで定着部材の少なくとも最外層に用
いるフルオロエラストマーとしては、ビニリデンフルオ
ライドとヘキサフルオロプロピレンとの二元共重合体、
あるいはビニリデンフルオライドとヘキサフルオロプロ
ピレンとテトラフルオロエチレンとの三元共重合体に補
強性充填剤を配合したものをポリアミン加硫あるいはポ
リオール加硫したものが主に使用されてきた。
いるフルオロエラストマーとしては、ビニリデンフルオ
ライドとヘキサフルオロプロピレンとの二元共重合体、
あるいはビニリデンフルオライドとヘキサフルオロプロ
ピレンとテトラフルオロエチレンとの三元共重合体に補
強性充填剤を配合したものをポリアミン加硫あるいはポ
リオール加硫したものが主に使用されてきた。
【0007】例えば、金属含有充填剤を分散して含有す
るエラストマー表面を有する定着用ロールからなり、該
エラストマーが求核的付加硬化剤により硬化したもの
(ポリアミン加硫あるいはポリオール加硫)であり、該
エラストマーの表面に施着した剥離剤が、充填剤中の金
属と相互作用する官能基を有するポリマー剥離剤である
ことを特徴とする定着用部材および定着装置が挙げられ
る(特公平01−006464号公報)。このエラストマーの好
ましいものとして、ビニリデンフルオライドとヘキサフ
ルオロプロピレンとの二元共重合体、あるいはビニリデ
ンフルオライドとヘキサフルオロプロピレンとテトラフ
ルオロエチレンとの三元共重合体からなるフルオロエラ
ストマーが記述されている。
るエラストマー表面を有する定着用ロールからなり、該
エラストマーが求核的付加硬化剤により硬化したもの
(ポリアミン加硫あるいはポリオール加硫)であり、該
エラストマーの表面に施着した剥離剤が、充填剤中の金
属と相互作用する官能基を有するポリマー剥離剤である
ことを特徴とする定着用部材および定着装置が挙げられ
る(特公平01−006464号公報)。このエラストマーの好
ましいものとして、ビニリデンフルオライドとヘキサフ
ルオロプロピレンとの二元共重合体、あるいはビニリデ
ンフルオライドとヘキサフルオロプロピレンとテトラフ
ルオロエチレンとの三元共重合体からなるフルオロエラ
ストマーが記述されている。
【0008】また、剛性コアーと非粘着性被覆層とを有
するロールにおいて、非粘着性被覆層が低分子量四フッ
化エチレン樹脂を配合したパーオキシド架橋フッ素ゴム
からなることを特徴とするロールについて提案されてい
る(特登録2876375号公報)。このフッ素ゴムとして
は、同じくビニリデンフルオライドとヘキサフルオロプ
ロピレンとの二元共重合体、あるいはビニリデンフルオ
ライドとヘキサフルオロプロピレンとテトラフルオロエ
チレンとの三元共重合体からなるフルオロエラストマー
が挙げられている。
するロールにおいて、非粘着性被覆層が低分子量四フッ
化エチレン樹脂を配合したパーオキシド架橋フッ素ゴム
からなることを特徴とするロールについて提案されてい
る(特登録2876375号公報)。このフッ素ゴムとして
は、同じくビニリデンフルオライドとヘキサフルオロプ
ロピレンとの二元共重合体、あるいはビニリデンフルオ
ライドとヘキサフルオロプロピレンとテトラフルオロエ
チレンとの三元共重合体からなるフルオロエラストマー
が挙げられている。
【0009】このようなフルオロエラストマーのトナー
リリース性を改善するために、軸体の外周に、一層以上
の層構造からなる円筒状スリーブが形成されたロールで
あって、上記円筒状スリーブの少なくとも最外層が、
(A)テトラフルオロエチレン、(B)フッ化ビニリデ
ン、(C)ヘキサフルオロプロピレンとの三元共重合体
からなるフルオロポリマーを主体とするフルオロエラス
トマー組成物によって形成されており、(A)成分の共
重合割合が5〜30モル%に設定され、(B)成分と
(C)成分の共重合体中における相互の割合が、重量比
で、(B):(C)=80:20〜40:60の範囲に
設定されていることを特徴とするロールについてすでに
提案されている(特開平06-102789号公報)。
リリース性を改善するために、軸体の外周に、一層以上
の層構造からなる円筒状スリーブが形成されたロールで
あって、上記円筒状スリーブの少なくとも最外層が、
(A)テトラフルオロエチレン、(B)フッ化ビニリデ
ン、(C)ヘキサフルオロプロピレンとの三元共重合体
からなるフルオロポリマーを主体とするフルオロエラス
トマー組成物によって形成されており、(A)成分の共
重合割合が5〜30モル%に設定され、(B)成分と
(C)成分の共重合体中における相互の割合が、重量比
で、(B):(C)=80:20〜40:60の範囲に
設定されていることを特徴とするロールについてすでに
提案されている(特開平06-102789号公報)。
【0010】しかしながら、上記従来例では、トナーリ
リース性の改善が十分でないことがあり、耐キズ性・耐
摩耗性に優れているフルオロエラストマーを最外層の弾
性体として用いた定着用ローラのトナーリリース性のさ
らなる向上が求められている。
リース性の改善が十分でないことがあり、耐キズ性・耐
摩耗性に優れているフルオロエラストマーを最外層の弾
性体として用いた定着用ローラのトナーリリース性のさ
らなる向上が求められている。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、フル
オロエラストマーを少なくとも最外層の弾性体として用
い、耐キズ性・耐摩耗性に優れ、トナーリリース性も比
較的良好な定着用ローラを提供することである。
オロエラストマーを少なくとも最外層の弾性体として用
い、耐キズ性・耐摩耗性に優れ、トナーリリース性も比
較的良好な定着用ローラを提供することである。
【0012】本発明の別の目的は、このような定着用ロ
ーラを用い、高画質なトナー画像が得られる定着装置を
提供することである。
ーラを用い、高画質なトナー画像が得られる定着装置を
提供することである。
【0013】
【課題を解決するための手段】本発明の上記目的は以下
の発明により達成される。 (1)少なくとも最外層がフルオロエラストマーを含有
する定着用ローラであって、該フルオロエラストマー
が、ビニリデンフルオライドとテトラフルオロエチレン
とパーフルオロアルキルビニルエーテルとの三元共重合
体であるフルオロポリマーを加硫したものである定着用
ローラ。 (2)電子写真画像形成装置に用いる定着装置であっ
て、前記(1)の定着用ローラが定着および/または加
圧ローラとして配置される定着装置。
の発明により達成される。 (1)少なくとも最外層がフルオロエラストマーを含有
する定着用ローラであって、該フルオロエラストマー
が、ビニリデンフルオライドとテトラフルオロエチレン
とパーフルオロアルキルビニルエーテルとの三元共重合
体であるフルオロポリマーを加硫したものである定着用
ローラ。 (2)電子写真画像形成装置に用いる定着装置であっ
て、前記(1)の定着用ローラが定着および/または加
圧ローラとして配置される定着装置。
【0014】
【発明の実施の形態】本発明の定着用ローラは、少なく
とも最外層がフルオロエラストマーを含有するものであ
って、このフルオロエラストマーが、ビニリデンフルオ
ライドとテトラフルオロエチレンとパーフルオロアルキ
ルビニルエーテル、好ましくはパーフルオロメチルビニ
ルエーテルとの三元共重合体であるフルオロポリマーを
加硫、好ましくはパーオキサイド加硫したものである。
最外層には補強性充填剤を含有させてもよく、その含有
量はフルオロポリマー100質量部に対して15質量部以
下であることが好ましい。
とも最外層がフルオロエラストマーを含有するものであ
って、このフルオロエラストマーが、ビニリデンフルオ
ライドとテトラフルオロエチレンとパーフルオロアルキ
ルビニルエーテル、好ましくはパーフルオロメチルビニ
ルエーテルとの三元共重合体であるフルオロポリマーを
加硫、好ましくはパーオキサイド加硫したものである。
最外層には補強性充填剤を含有させてもよく、その含有
量はフルオロポリマー100質量部に対して15質量部以
下であることが好ましい。
【0015】このような構成にすることにより、ビニリ
デンフルオライドとヘキサフルオロプロピレンとの二元
共重合体あるいはビニリデンフルオライドとヘキサフル
オロプロピレンとテトラフルオロエチレンとの三元共重
合体からなる一般的なフルオロエラストマーを最外層の
弾性体として用いた場合と同等程度の優れた耐キズ性・
耐摩耗性が得られ、しかも、トナーリリース性をさらに
向上することができる。その結果、本発明の定着用ロー
ラは、従来のものと比べて優れた総合耐久性が得られ
る。
デンフルオライドとヘキサフルオロプロピレンとの二元
共重合体あるいはビニリデンフルオライドとヘキサフル
オロプロピレンとテトラフルオロエチレンとの三元共重
合体からなる一般的なフルオロエラストマーを最外層の
弾性体として用いた場合と同等程度の優れた耐キズ性・
耐摩耗性が得られ、しかも、トナーリリース性をさらに
向上することができる。その結果、本発明の定着用ロー
ラは、従来のものと比べて優れた総合耐久性が得られ
る。
【0016】本発明の定着用ローラは、定着ローラおよ
び加圧ローラ等として好適に使用される。
び加圧ローラ等として好適に使用される。
【0017】また、電子写真画像形成装置に用いる本発
明の定着装置はこのような定着用ローラが定着および/
または加圧ローラとして配置されており、それによっ
て、ローラの耐キズ性・耐摩耗性に優れ、トナーリリー
ス性が比較的良好で、高画質なトナー画像を得ることが
できる。
明の定着装置はこのような定着用ローラが定着および/
または加圧ローラとして配置されており、それによっ
て、ローラの耐キズ性・耐摩耗性に優れ、トナーリリー
ス性が比較的良好で、高画質なトナー画像を得ることが
できる。
【0018】以下、本発明について詳細に述べる。
【0019】本発明では、最外層の弾性体として、ビニ
リデンフルオライドとテトラフルオロエチレンとパーフ
ルオロアルキルビニルエーテルとの三元共重合体(フル
オロポリマー)を加硫したフルオロエラストマーを用い
る。このフルオロエラストマーを用いることにより、優
れた耐キズ性・耐摩耗性とともに、良好なトナーリリー
ス性が得られる。また、本発明で用いるフルオロエラス
トマーを含め、フッ素含有ポリマーは他のポリマーより
も耐熱性に優れており、トナー画像を熱と圧力により定
着させる定着用ローラに用いるのに適している。
リデンフルオライドとテトラフルオロエチレンとパーフ
ルオロアルキルビニルエーテルとの三元共重合体(フル
オロポリマー)を加硫したフルオロエラストマーを用い
る。このフルオロエラストマーを用いることにより、優
れた耐キズ性・耐摩耗性とともに、良好なトナーリリー
ス性が得られる。また、本発明で用いるフルオロエラス
トマーを含め、フッ素含有ポリマーは他のポリマーより
も耐熱性に優れており、トナー画像を熱と圧力により定
着させる定着用ローラに用いるのに適している。
【0020】パーフルオロアルキルビニルエーテルは、
パーフルオロメチルビニルエーテル、パーフルオロエチ
ルビニルエーテル等いずれを用いてもよいが、入手の容
易性等の観点からパーフルオロメチルビニルエーテルを
用いることが好ましい。
パーフルオロメチルビニルエーテル、パーフルオロエチ
ルビニルエーテル等いずれを用いてもよいが、入手の容
易性等の観点からパーフルオロメチルビニルエーテルを
用いることが好ましい。
【0021】本発明において用いるビニリデンフルオラ
イド(A)とテトラフルオロエチレン(B)とパーフル
オロアルキルビニルエーテル(C)との三元共重合体
(A−B−C)からなるフルオロポリマーのモノマー組
成比としては、加硫後ゴム状になるために少なくとも室
温(25℃)で結晶ではなく非晶質のポリマーとなる範囲
内であればよい。ただし、加硫後ゴム状になればポリマ
ーは室温で一部結晶化していてもよい。このような範囲
はポリマーによって異なるが、例えば、ビニリデンフル
オライド(A)とテトラフルオロエチレン(B)とパー
フルオロメチルビニルエーテル(C)との三元共重合体
の場合、(C)モノマー成分が全体の10〜50モル%
であり、かつ(A)モノマー成分:(B)モノマー成分
=90:10〜40:60(モル比)である。この範囲
内であればモノマー組成比は特に限定されないが、ビニ
リデンフルオライド(A)とテトラフルオロエチレン
(B)とパーフルオロメチルビニルエーテル(C)との
三元共重合体の場合、特に、(C)成分が全体の10〜
30モル%、(A)成分:(B)成分=80:20〜5
0:50モル%であることが、優れた耐キズ性・耐摩耗
性、良好なトナーリリース性が得られるので好ましい。
イド(A)とテトラフルオロエチレン(B)とパーフル
オロアルキルビニルエーテル(C)との三元共重合体
(A−B−C)からなるフルオロポリマーのモノマー組
成比としては、加硫後ゴム状になるために少なくとも室
温(25℃)で結晶ではなく非晶質のポリマーとなる範囲
内であればよい。ただし、加硫後ゴム状になればポリマ
ーは室温で一部結晶化していてもよい。このような範囲
はポリマーによって異なるが、例えば、ビニリデンフル
オライド(A)とテトラフルオロエチレン(B)とパー
フルオロメチルビニルエーテル(C)との三元共重合体
の場合、(C)モノマー成分が全体の10〜50モル%
であり、かつ(A)モノマー成分:(B)モノマー成分
=90:10〜40:60(モル比)である。この範囲
内であればモノマー組成比は特に限定されないが、ビニ
リデンフルオライド(A)とテトラフルオロエチレン
(B)とパーフルオロメチルビニルエーテル(C)との
三元共重合体の場合、特に、(C)成分が全体の10〜
30モル%、(A)成分:(B)成分=80:20〜5
0:50モル%であることが、優れた耐キズ性・耐摩耗
性、良好なトナーリリース性が得られるので好ましい。
【0022】用いるビニリデンフルオライドとテトラフ
ルオロエチレンとパーフルオロアルキルビニルエーテル
との三元共重合体の分子量は特に限定されないが、重量
平均分子量(Mw)は5万以上であることが機械的強度等
の点で好ましい。また、Mwは50万以下であることが成
形性等の点で好ましい。分子量分布はせまい方が好まし
い。
ルオロエチレンとパーフルオロアルキルビニルエーテル
との三元共重合体の分子量は特に限定されないが、重量
平均分子量(Mw)は5万以上であることが機械的強度等
の点で好ましい。また、Mwは50万以下であることが成
形性等の点で好ましい。分子量分布はせまい方が好まし
い。
【0023】用いるビニリデンフルオライドとテトラフ
ルオロエチレンとパーフルオロアルキルビニルエーテル
との三元共重合体は、ランダム共重合体、ブロック共重
合体、グラフト共重合体のいずれであってもよい。
ルオロエチレンとパーフルオロアルキルビニルエーテル
との三元共重合体は、ランダム共重合体、ブロック共重
合体、グラフト共重合体のいずれであってもよい。
【0024】本発明で用いるフルオロポリマーのムーニ
ー粘度は、5ML1+9(140℃)以上であることが機械的強度
等の点で好ましく、また、80ML1+9(140℃)以下である
ことが成形性等の点から好ましい。
ー粘度は、5ML1+9(140℃)以上であることが機械的強度
等の点で好ましく、また、80ML1+9(140℃)以下である
ことが成形性等の点から好ましい。
【0025】このようなビニリデンフルオライドとテト
ラフルオロエチレンとパーフルオロアルキルビニルエー
テルとの三元共重合体は公知の方法で合成できる。ま
た、このような三元共重合体は市販されており、例え
ば、ビニリデンフルオライドとテトラフルオロエチレン
とパーフルオロメチルビニルエーテルとの三元共重合体
では‘ダイエル LT302’(ダイキン工業(株)製)、
‘バイトン GLT’、‘バイトンGLT-305’、‘バイトンG
LT-505’、‘バイトンGFLT’、‘バイトンGFLT-300’、
‘バイトンGFLT-301’、‘バイトンGFLT-501’、‘バイ
トンGFLT-600’(デュポン ダウ エラストマー ジャ
パン(株)製)等が使用できる。
ラフルオロエチレンとパーフルオロアルキルビニルエー
テルとの三元共重合体は公知の方法で合成できる。ま
た、このような三元共重合体は市販されており、例え
ば、ビニリデンフルオライドとテトラフルオロエチレン
とパーフルオロメチルビニルエーテルとの三元共重合体
では‘ダイエル LT302’(ダイキン工業(株)製)、
‘バイトン GLT’、‘バイトンGLT-305’、‘バイトンG
LT-505’、‘バイトンGFLT’、‘バイトンGFLT-300’、
‘バイトンGFLT-301’、‘バイトンGFLT-501’、‘バイ
トンGFLT-600’(デュポン ダウ エラストマー ジャ
パン(株)製)等が使用できる。
【0026】本発明では、このようなビニリデンフルオ
ライドとテトラフルオロエチレンとパーフルオロアルキ
ルビニルエーテルとの三元共重合体からなるフルオロポ
リマーを加硫したフルオロエラストマーを少なくとも最
外層に含有させる。
ライドとテトラフルオロエチレンとパーフルオロアルキ
ルビニルエーテルとの三元共重合体からなるフルオロポ
リマーを加硫したフルオロエラストマーを少なくとも最
外層に含有させる。
【0027】本発明で用いるフルオロエラストマーの表
面エネルギーは、他の一般的なフルオロエラストマーよ
り低い。本発明のフルオロエラストマーの水に対する接
触角は、他の一般的なフルオロエラストマー、例えば、
ビニリデンフルオライドとヘキサフルオロプロピレンと
の二元共重合体、あるいはビニリデンフルオライドとヘ
キサフルオロプロピレンとテトラフルオロエチレンとの
三元共重合体よりも大きくなる。そのため、このフルオ
ロエラストマーを最外層の弾性体として用いた本発明の
定着用ローラは、従来のものよりも良好なトナーリリー
ス性が得られる。
面エネルギーは、他の一般的なフルオロエラストマーよ
り低い。本発明のフルオロエラストマーの水に対する接
触角は、他の一般的なフルオロエラストマー、例えば、
ビニリデンフルオライドとヘキサフルオロプロピレンと
の二元共重合体、あるいはビニリデンフルオライドとヘ
キサフルオロプロピレンとテトラフルオロエチレンとの
三元共重合体よりも大きくなる。そのため、このフルオ
ロエラストマーを最外層の弾性体として用いた本発明の
定着用ローラは、従来のものよりも良好なトナーリリー
ス性が得られる。
【0028】フルオロエラストマーの硬度(JIS‐A)
は、ローラ表面にキズが発生しにくく耐久性が高くなる
ので35°以上、特に40°以上が好ましい。硬度(JI
S‐A)の上限は特に限定されないが、通常70°程度であ
る。フルオロエラストマーの引っ張り強度は、シート物
性の場合、ローラ表面にキズが発生しにくく耐久性が高
くなるので30kg/cm3以上、特に40kg/cm3以上が好
ましい。引っ張り強度の上限は特に限定されないが、通
常250kg/cm3程度である。フルオロエラストマーの伸度
はローラ表面にキズが発生しにくく耐久性が高くなるの
で200%以上、特に300%以上が好ましい。伸度の
上限は特に限定されないが、通常1500%程度である。硬
度(JIS‐A)、引っ張り強度、伸度の上限は特にない
が、あまりに高くなりすぎると高画質が得られにくくな
ることもある。
は、ローラ表面にキズが発生しにくく耐久性が高くなる
ので35°以上、特に40°以上が好ましい。硬度(JI
S‐A)の上限は特に限定されないが、通常70°程度であ
る。フルオロエラストマーの引っ張り強度は、シート物
性の場合、ローラ表面にキズが発生しにくく耐久性が高
くなるので30kg/cm3以上、特に40kg/cm3以上が好
ましい。引っ張り強度の上限は特に限定されないが、通
常250kg/cm3程度である。フルオロエラストマーの伸度
はローラ表面にキズが発生しにくく耐久性が高くなるの
で200%以上、特に300%以上が好ましい。伸度の
上限は特に限定されないが、通常1500%程度である。硬
度(JIS‐A)、引っ張り強度、伸度の上限は特にない
が、あまりに高くなりすぎると高画質が得られにくくな
ることもある。
【0029】最外層(フルオロエラストマー)の十点平
均表面粗さ(Rz)は十分な平滑性が得られ、印刷画像
の光沢ムラを防止できるので、15μm以下、特に10
μm以下、さらには5μm以下が好ましい。なお、加圧
ローラに関しても同様である。
均表面粗さ(Rz)は十分な平滑性が得られ、印刷画像
の光沢ムラを防止できるので、15μm以下、特に10
μm以下、さらには5μm以下が好ましい。なお、加圧
ローラに関しても同様である。
【0030】フルオロポリマーを架橋する際の加硫系と
しては、特に限定されず、アミン加硫法、ポリオール加
硫法等を用いてもよいが、高フッ素含有率のポリマーに
対しても適用でき、得られるエラストマーの耐性が高く
なるのでパーオキサイド加硫系(ラジカル加硫)を用い
ることが好ましい。
しては、特に限定されず、アミン加硫法、ポリオール加
硫法等を用いてもよいが、高フッ素含有率のポリマーに
対しても適用でき、得られるエラストマーの耐性が高く
なるのでパーオキサイド加硫系(ラジカル加硫)を用い
ることが好ましい。
【0031】加硫は公知の方法にしたがって行なえばよ
く、必要に応じて条件を変えてもよい。また、加硫を2
段階にわけて行なってもよい。
く、必要に応じて条件を変えてもよい。また、加硫を2
段階にわけて行なってもよい。
【0032】パーオキサイド加硫系に必要な配合剤とし
ては、加硫剤として2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチ
ルパーオキシ)ヘキサン、ベンゾイルパーオキサイド、
ジ−t−ブチルパーオキサイド、ジクミルパーオキサイ
ド、t−ブチルパーオキシベンゾエート、p−クロロベ
ンゾイルパーオキサイドなどの有機過酸化物がある。加
硫助剤としてトリアリルイソシアヌレート、トリアリル
シアヌレート、p−キノンジオキシム、p,p−ジベン
ゾイルキノンジオキシム、マレイミドなどがあり、好ま
しくはトリアリルイソシアヌレートが用いられる。これ
らの配合量は、適宜決めればよいが、通常、フルオロポ
リマー100質量部に対し、加硫剤が0.5〜10質量部
程度、加硫助剤が0.5〜20質量部程度用いられる。
ては、加硫剤として2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチ
ルパーオキシ)ヘキサン、ベンゾイルパーオキサイド、
ジ−t−ブチルパーオキサイド、ジクミルパーオキサイ
ド、t−ブチルパーオキシベンゾエート、p−クロロベ
ンゾイルパーオキサイドなどの有機過酸化物がある。加
硫助剤としてトリアリルイソシアヌレート、トリアリル
シアヌレート、p−キノンジオキシム、p,p−ジベン
ゾイルキノンジオキシム、マレイミドなどがあり、好ま
しくはトリアリルイソシアヌレートが用いられる。これ
らの配合量は、適宜決めればよいが、通常、フルオロポ
リマー100質量部に対し、加硫剤が0.5〜10質量部
程度、加硫助剤が0.5〜20質量部程度用いられる。
【0033】パーオキサイド加硫の場合、1次加硫は、
通常は使用する加硫剤の半減期(分解により過酸化物濃
度が初期の半分に減ずる時間)が1〜6分間である温度
で5分〜1時間程度加熱すればよい。
通常は使用する加硫剤の半減期(分解により過酸化物濃
度が初期の半分に減ずる時間)が1〜6分間である温度
で5分〜1時間程度加熱すればよい。
【0034】最外層はこのようなフルオロエラストマー
を70質量%以上含有することが好ましい。このような
範囲であれば本発明の効果を十分に得られる。
を70質量%以上含有することが好ましい。このような
範囲であれば本発明の効果を十分に得られる。
【0035】本発明において、最外層が補強性充填剤を
含有することも好ましい。補強性充填剤としては、カー
ボンブラックが、比較的容易に入手でき、良好な補強効
果も得られるため好ましい。カーボンブラックとして
は、ケッチェンブラックEC、アセチレンブラックなど
の導電性カーボン、SAF、ISAF、HAF、FE
F、GPF、SRF、FT、MTなどのゴム用カーボ
ン、酸化処理などを施したカラー(インク)用カーボ
ン、熱分解カーボン、天然グラファイト、人造グラファ
イト等を挙げることができる。また、必要に応じて、2
種類以上のカーボンブラックを使用することもできる。
含有することも好ましい。補強性充填剤としては、カー
ボンブラックが、比較的容易に入手でき、良好な補強効
果も得られるため好ましい。カーボンブラックとして
は、ケッチェンブラックEC、アセチレンブラックなど
の導電性カーボン、SAF、ISAF、HAF、FE
F、GPF、SRF、FT、MTなどのゴム用カーボ
ン、酸化処理などを施したカラー(インク)用カーボ
ン、熱分解カーボン、天然グラファイト、人造グラファ
イト等を挙げることができる。また、必要に応じて、2
種類以上のカーボンブラックを使用することもできる。
【0036】補強性充填剤としては、他に、珪藻土、タ
ルク、マイカ、ガラスファイバー、石英粉末、乾式シリ
カ、湿式シリカ、酸化チタン、酸化亜鉛、アルミノケイ
酸、炭酸カルシウム等を挙げることができる。
ルク、マイカ、ガラスファイバー、石英粉末、乾式シリ
カ、湿式シリカ、酸化チタン、酸化亜鉛、アルミノケイ
酸、炭酸カルシウム等を挙げることができる。
【0037】最外層のフルオロエラストマーに添加され
る補強性充填剤、好ましくはカーボンブラックの添加量
は必要に応じて適宜決めればよいが、最外層のフルオロ
ポリマーが補強性充填剤を含まないか、あるいは、最外
層の補強性充填剤の含有量がフルオロポリマー100質量
部に対して15質量部以下、特に5質量部以下であること
が好ましい。最外層があまりに多く補強性充填剤を含有
し過ぎると、トナーリリース性が低下してくることがあ
る。
る補強性充填剤、好ましくはカーボンブラックの添加量
は必要に応じて適宜決めればよいが、最外層のフルオロ
ポリマーが補強性充填剤を含まないか、あるいは、最外
層の補強性充填剤の含有量がフルオロポリマー100質量
部に対して15質量部以下、特に5質量部以下であること
が好ましい。最外層があまりに多く補強性充填剤を含有
し過ぎると、トナーリリース性が低下してくることがあ
る。
【0038】なお、従来フルオロポリマーでは、一般的
に、フルオロポリマー100質量部に対して補強性充填剤
を通常20質量部程度配合される。
に、フルオロポリマー100質量部に対して補強性充填剤
を通常20質量部程度配合される。
【0039】本発明の定着用ローラは、例えば次のよう
にして製造することができる。
にして製造することができる。
【0040】ビニリデンフルオライドとテトラフルオロ
エチレンとパーフルオロアルキルビニルエーテルとの三
元共重合体であるフルオロポリマーに、適量の加硫剤と
加硫助剤、必要に応じて補強性充填剤等とをオープンロ
ール、ニーダー、バンバリーミキサー、ボールミル、サ
ンドグラインダー、ペイントシェーカー等を用いて配合
する。そして、このフルオロポリマーや加硫材等を成形
型に注入し加硫硬化する方法;押出成形後に加硫硬化す
る方法;射出成形後に加硫硬化する方法等で、予めプラ
イマーを均一に塗布、乾燥させた円筒軸体(芯金)の外
周に形成される弾性体層の少なくとも最外層として、本
発明の定着用ローラを作製する。また、最外層は、フル
オロポリマー等を溶剤、例えばメチルエチルケトン、メ
チルイソブチルケトン等に溶解し、コーティングするこ
とによって形成してもよい。
エチレンとパーフルオロアルキルビニルエーテルとの三
元共重合体であるフルオロポリマーに、適量の加硫剤と
加硫助剤、必要に応じて補強性充填剤等とをオープンロ
ール、ニーダー、バンバリーミキサー、ボールミル、サ
ンドグラインダー、ペイントシェーカー等を用いて配合
する。そして、このフルオロポリマーや加硫材等を成形
型に注入し加硫硬化する方法;押出成形後に加硫硬化す
る方法;射出成形後に加硫硬化する方法等で、予めプラ
イマーを均一に塗布、乾燥させた円筒軸体(芯金)の外
周に形成される弾性体層の少なくとも最外層として、本
発明の定着用ローラを作製する。また、最外層は、フル
オロポリマー等を溶剤、例えばメチルエチルケトン、メ
チルイソブチルケトン等に溶解し、コーティングするこ
とによって形成してもよい。
【0041】芯金は、特に制約はないが、例えば、アル
ミニウム、銅合金、ステンレス鋼などの金属または合
金、クロム、ニッケルなどで鍍金処理を施した鉄、合成
樹脂などの材質で構成される。また、芯金は通常、円筒
軸体が用いられるが、円柱状であってもよい。その径も
適宜決めればよいが、通常8mm以上80mm以下とさ
れる。なお、通常芯金の周囲に形成されるプライマー層
は公知のものを使用すればよく、その厚みは特に限定さ
れないが、通常、1〜10μm程度である。
ミニウム、銅合金、ステンレス鋼などの金属または合
金、クロム、ニッケルなどで鍍金処理を施した鉄、合成
樹脂などの材質で構成される。また、芯金は通常、円筒
軸体が用いられるが、円柱状であってもよい。その径も
適宜決めればよいが、通常8mm以上80mm以下とさ
れる。なお、通常芯金の周囲に形成されるプライマー層
は公知のものを使用すればよく、その厚みは特に限定さ
れないが、通常、1〜10μm程度である。
【0042】このようにして得られる単層構造の定着用
ローラを図1および図2に示す。図2において1はロー
ラ芯金、2は最外層、つまり、ビニリデンフルオライド
とテトラフルオロエチレンとパーフルオロアルキルビニ
ルエーテルとの三元共重合体を加硫したフルオロエラス
トマーを含有する層である。
ローラを図1および図2に示す。図2において1はロー
ラ芯金、2は最外層、つまり、ビニリデンフルオライド
とテトラフルオロエチレンとパーフルオロアルキルビニ
ルエーテルとの三元共重合体を加硫したフルオロエラス
トマーを含有する層である。
【0043】最外層の厚さは必要に応じて適宜決めれば
よいが、通常、十分な耐摩耗性を確保するために1μm
以上であることが好ましい。また、コストおよび熱伝導
性等の点から500μm以下であることが好ましい。
よいが、通常、十分な耐摩耗性を確保するために1μm
以上であることが好ましい。また、コストおよび熱伝導
性等の点から500μm以下であることが好ましい。
【0044】また、本発明の方法を用い、ローラ上にフ
ルオロエラストマーをコーティングし、赤外線ヒータ等
を用い面転写部材の外側より加熱しながらフルオロエラ
ストマーを面転写部材で加圧することにより、最外層表
面に、目盛り、製造番号等の所望の模様を形成すること
も可能である。
ルオロエラストマーをコーティングし、赤外線ヒータ等
を用い面転写部材の外側より加熱しながらフルオロエラ
ストマーを面転写部材で加圧することにより、最外層表
面に、目盛り、製造番号等の所望の模様を形成すること
も可能である。
【0045】次に、図3に2層構造の定着用ローラを示
す。2層構造の定着用ローラは、ローラ芯金1の外周
に、まず、中間層3を形成し、この中間層3の外周に本
発明のフルオロエラストマーを含有する最外層2が形成
される。
す。2層構造の定着用ローラは、ローラ芯金1の外周
に、まず、中間層3を形成し、この中間層3の外周に本
発明のフルオロエラストマーを含有する最外層2が形成
される。
【0046】中間層としては、従来のシリコーンゴム等
からなる弾性体層等が挙げられる。
からなる弾性体層等が挙げられる。
【0047】弾性体層に使用されるシリコーンゴムとし
ては、ポリジメチルシロキサン、ポリメチルトリフルオ
ロプロピルシロキサン、ポリメチルビニルシロキサン、
ポリトリフルオロプロピルビニルシロキサン、ポリメチ
ルフェニルシロキサン、ポリフェニルビニルシロキサ
ン、これらポリシロキサンの共重合体等を例示すること
ができる。これらのシリコーンゴムの重合度は、300
0以上15000以下の範囲にあることが好ましい。な
お、必要に応じて、弾性体層は、シリコーンゴム以外
に、天然ゴム、イソプレンゴム、クロロプレンゴム、E
PDM、SBR、NBR等のエラストマーを、弾性体層
の20質量%以下の割合で含有する場合もある。
ては、ポリジメチルシロキサン、ポリメチルトリフルオ
ロプロピルシロキサン、ポリメチルビニルシロキサン、
ポリトリフルオロプロピルビニルシロキサン、ポリメチ
ルフェニルシロキサン、ポリフェニルビニルシロキサ
ン、これらポリシロキサンの共重合体等を例示すること
ができる。これらのシリコーンゴムの重合度は、300
0以上15000以下の範囲にあることが好ましい。な
お、必要に応じて、弾性体層は、シリコーンゴム以外
に、天然ゴム、イソプレンゴム、クロロプレンゴム、E
PDM、SBR、NBR等のエラストマーを、弾性体層
の20質量%以下の割合で含有する場合もある。
【0048】このような弾性体層は公知の方法、例え
ば、液状のシリコーンゴム材料を成形型に注入し加硫硬
化する方法;押出成形後に加硫硬化する方法;射出成形
後に加硫硬化する方法等で形成すればよい。また、他の
中間層も公知の方法により形成すればよい。
ば、液状のシリコーンゴム材料を成形型に注入し加硫硬
化する方法;押出成形後に加硫硬化する方法;射出成形
後に加硫硬化する方法等で形成すればよい。また、他の
中間層も公知の方法により形成すればよい。
【0049】中間層は1層でも2層以上を積層してもよ
い。中間層の1層の厚さは、十分な紙などの記録材に対
する追従性を確保するために50μm以上が好ましく、
コストおよび熱伝導等の点から5mm以下が好ましい。
中間層全体の厚さは50μm以上5mm以下が好まし
い。
い。中間層の1層の厚さは、十分な紙などの記録材に対
する追従性を確保するために50μm以上が好ましく、
コストおよび熱伝導等の点から5mm以下が好ましい。
中間層全体の厚さは50μm以上5mm以下が好まし
い。
【0050】なお、この場合も、単層構造の定着用ロー
ラの場合と同様、最外層の厚さも適宜決めればよく、好
ましい範囲も同様である。
ラの場合と同様、最外層の厚さも適宜決めればよく、好
ましい範囲も同様である。
【0051】なお、本発明のローラは上記の単層あるい
は2層構造のローラに限定されるものではなく、3層以
上の多層構造であってもよいが、生産性の観点から、単
層構造あるいは2層構造であることが好ましい。
は2層構造のローラに限定されるものではなく、3層以
上の多層構造であってもよいが、生産性の観点から、単
層構造あるいは2層構造であることが好ましい。
【0052】次に、本発明の定着装置を説明する。本発
明の定着装置は、電子写真画像形成装置に用いる定着装
置であって、前述のような本発明の定着用ローラが定着
および/または加圧ローラとして配置されているもので
ある。電子写真画像形成装置としては、感光体、潜像形
成手段、形成した潜像をトナーで現像する手段、現像し
たトナー像を転写材に転写する手段、および、転写材上
のトナー像を定着する手段等を有する電子写真画像形成
装置が挙げられる。
明の定着装置は、電子写真画像形成装置に用いる定着装
置であって、前述のような本発明の定着用ローラが定着
および/または加圧ローラとして配置されているもので
ある。電子写真画像形成装置としては、感光体、潜像形
成手段、形成した潜像をトナーで現像する手段、現像し
たトナー像を転写材に転写する手段、および、転写材上
のトナー像を定着する手段等を有する電子写真画像形成
装置が挙げられる。
【0053】本発明の定着装置の一例について図4に構
成図を示す。定着装置には、定着器の上ローラである定
着ローラ4および下ローラである加圧ローラ5が配置さ
れている。この定着ローラ4と、加圧ローラ5に本発明
の定着用ローラが用いられる。そして、定着ローラ4の
中心にはハロゲンランプからなるヒータ6が二本組み込
まれている。
成図を示す。定着装置には、定着器の上ローラである定
着ローラ4および下ローラである加圧ローラ5が配置さ
れている。この定着ローラ4と、加圧ローラ5に本発明
の定着用ローラが用いられる。そして、定着ローラ4の
中心にはハロゲンランプからなるヒータ6が二本組み込
まれている。
【0054】定着ローラ4は矢印方向に所定の周速度で
回転駆動し、加圧ローラ5もそれに合わせて矢印方向に
回転駆動する。そして、紙などの記録材上に形成された
トナー画像は、ヒータ6からの熱と、定着ローラ4と加
圧ローラ5との圧力により定着される。
回転駆動し、加圧ローラ5もそれに合わせて矢印方向に
回転駆動する。そして、紙などの記録材上に形成された
トナー画像は、ヒータ6からの熱と、定着ローラ4と加
圧ローラ5との圧力により定着される。
【0055】定着温度は、定着ローラ4の表面温度をサ
ーミスタ7により測定された温度をもとに、ヒータ6の出
力が制御され、設定温度に保たれている。定着ローラ4
の表面温度(定着温度)は特に限定されないが、通常、
130〜220℃程度である。
ーミスタ7により測定された温度をもとに、ヒータ6の出
力が制御され、設定温度に保たれている。定着ローラ4
の表面温度(定着温度)は特に限定されないが、通常、
130〜220℃程度である。
【0056】定着ローラ4には、トナーオフセットを防
止するため、シリコンオイルを含浸させたウェブ8を二
点接触させ、巻き取り機構によってウェブ8の接触面を
徐々に移動させながら定着ローラ4へのシリコンオイル
塗布とオフセットトナーのクリーニングを行っている。
止するため、シリコンオイルを含浸させたウェブ8を二
点接触させ、巻き取り機構によってウェブ8の接触面を
徐々に移動させながら定着ローラ4へのシリコンオイル
塗布とオフセットトナーのクリーニングを行っている。
【0057】なお、本発明の定着装置は本発明の定着用
ローラを定着および/または加圧ローラとして有してい
ればよく、図4に示したものに限られない。
ローラを定着および/または加圧ローラとして有してい
ればよく、図4に示したものに限られない。
【0058】
【実施例】以下に、実施例により本発明の詳細を説明す
るが、本発明がこれらによってなんら限定されるもので
はない。フルオロポリマーのモノマー組成比(モル%)
は、フルオロポリマーを重水素化アセトン溶媒に溶解
し、19F-NMR測定を行い(日本電子製 GSX-400型FT-NM
R,外部基準:トリフロロ酢酸)、各シグナルを帰属
し、そのシグナル面積比から算出した。
るが、本発明がこれらによってなんら限定されるもので
はない。フルオロポリマーのモノマー組成比(モル%)
は、フルオロポリマーを重水素化アセトン溶媒に溶解
し、19F-NMR測定を行い(日本電子製 GSX-400型FT-NM
R,外部基準:トリフロロ酢酸)、各シグナルを帰属
し、そのシグナル面積比から算出した。
【0059】[実施例1]フルオロポリマーとして‘ダイ
エル LT302’(ダイキン工業(株)製)を用いた。その
モノマー組成比は、VDF(ヒ゛ニリテ゛ンフルオライト゛):TFE(テトラフ
ルオロエチレン):PMVE(ハ゜ーフルオロメチルヒ゛ニルエーテル)=61.4:24.
1:14.5で、ムーニー粘度は31.2ML1+9(140℃)だっ
た。
エル LT302’(ダイキン工業(株)製)を用いた。その
モノマー組成比は、VDF(ヒ゛ニリテ゛ンフルオライト゛):TFE(テトラフ
ルオロエチレン):PMVE(ハ゜ーフルオロメチルヒ゛ニルエーテル)=61.4:24.
1:14.5で、ムーニー粘度は31.2ML1+9(140℃)だっ
た。
【0060】フルオロポリマー‘ダイエル LT302’(ダ
イキン工業(株)製) 200gに加硫助剤であるトリアリ
ルイソシアヌレート‘TAIC’(日本化成(株)製)8gお
よび加硫剤である2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチル
パーオキシ)ヘキサン ‘パーヘキサ25B’(日本油脂
(株)製)3gをオープンロール(関西ロール(株)製)
を用いて配合した。
イキン工業(株)製) 200gに加硫助剤であるトリアリ
ルイソシアヌレート‘TAIC’(日本化成(株)製)8gお
よび加硫剤である2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチル
パーオキシ)ヘキサン ‘パーヘキサ25B’(日本油脂
(株)製)3gをオープンロール(関西ロール(株)製)
を用いて配合した。
【0061】アルミニウム製のローラ芯金(外径φ58.
9,内径φ34)に、あらかじめプライマー(モニカス V-
16A/B 横浜高分子研究所製)をスプレーにより塗布し、
150℃で30分間乾燥させて、プライマー層を形成し
た。その厚みは3μmだった。
9,内径φ34)に、あらかじめプライマー(モニカス V-
16A/B 横浜高分子研究所製)をスプレーにより塗布し、
150℃で30分間乾燥させて、プライマー層を形成し
た。その厚みは3μmだった。
【0062】配合剤を練りこんだフルオロポリマーと、
プライマー層を形成したローラ芯金とを用いて、金型を
用いたトランスファーによるプレス成形(170kg/
cm 2、160℃、30分間)を行い、脱型し、加熱オー
ブンで二次加硫(180℃、24時間)した後、研磨す
ることによりローラ(外径φ59.4)を仕上げた。このロ
ーラの最外層の厚さは、250μmだった。
プライマー層を形成したローラ芯金とを用いて、金型を
用いたトランスファーによるプレス成形(170kg/
cm 2、160℃、30分間)を行い、脱型し、加熱オー
ブンで二次加硫(180℃、24時間)した後、研磨す
ることによりローラ(外径φ59.4)を仕上げた。このロ
ーラの最外層の厚さは、250μmだった。
【0063】上記方法により作製したローラを定着ロー
ラ4、加圧ローラ5として図4に示した定着装置に使用
し、この定着装置をモノクロ電子写真複写機(キヤノン
(株)製 NP6085)に組み込み、コピー耐久試験を行っ
た。
ラ4、加圧ローラ5として図4に示した定着装置に使用
し、この定着装置をモノクロ電子写真複写機(キヤノン
(株)製 NP6085)に組み込み、コピー耐久試験を行っ
た。
【0064】また、このフルオロエラストマーの硬度
(JIS‐A)は47°、引っ張り強度は56kg/cm3、伸度は5
60%であった。
(JIS‐A)は47°、引っ張り強度は56kg/cm3、伸度は5
60%であった。
【0065】[実施例2]フルオロポリマーとして‘バイ
トン GLT’(デュポン ダウ エラストマージャパン
(株)製)を用いた。そのモノマー組成比は、VDF(ヒ゛ニ
リテ゛ンフルオライト゛):TFE(テトラフルオロエチレン):PMVE(ハ゜ーフルオロメチ
ルヒ゛ニルエーテル)=59.8:25.3:14.9で、ムーニー粘度は74.
4ML1+9(140℃)だった。
トン GLT’(デュポン ダウ エラストマージャパン
(株)製)を用いた。そのモノマー組成比は、VDF(ヒ゛ニ
リテ゛ンフルオライト゛):TFE(テトラフルオロエチレン):PMVE(ハ゜ーフルオロメチ
ルヒ゛ニルエーテル)=59.8:25.3:14.9で、ムーニー粘度は74.
4ML1+9(140℃)だった。
【0066】フルオロポリマー‘バイトン GLT’(デュ
ポン ダウ エラストマー ジャパン(株)製) 200g
に加硫助剤であるトリアリルイソシアヌレート‘TAIC’
(日本化成(株)製)8g、加硫剤である2,5−ジメチル
−2,5−ジ(t−ブチルパーオキシ)ヘキサン ‘パーヘ
キサ25B’(日本油脂(株)製)3g、および受酸剤であ
る水酸化カルシウム‘カルディック 2000’(近江化学
工業(株)製)6gをオープンロール(関西ロール(株)
製)を用いて配合した。この配合したサンプルを用い、
実施例1と同様にローラを仕上げた。
ポン ダウ エラストマー ジャパン(株)製) 200g
に加硫助剤であるトリアリルイソシアヌレート‘TAIC’
(日本化成(株)製)8g、加硫剤である2,5−ジメチル
−2,5−ジ(t−ブチルパーオキシ)ヘキサン ‘パーヘ
キサ25B’(日本油脂(株)製)3g、および受酸剤であ
る水酸化カルシウム‘カルディック 2000’(近江化学
工業(株)製)6gをオープンロール(関西ロール(株)
製)を用いて配合した。この配合したサンプルを用い、
実施例1と同様にローラを仕上げた。
【0067】作製したローラを定着ローラ、加圧ローラ
として使用し、実施例1と同様にしてコピー耐久試験を
行った。
として使用し、実施例1と同様にしてコピー耐久試験を
行った。
【0068】また、このフルオロエラストマーの硬度
(JIS‐A)は50°、引っ張り強度は77kg/cm3、伸度は3
50%であった。 [実施例3]フルオロポリマー ‘ダイエル LT302’(ダ
イキン工業(株)製)200gに、補強性充填剤であるMTカ
ーボンブラック6g、加硫助剤であるトリアリルイソシア
ヌレート‘TAIC’(日本化成(株)製)8gおよび加硫剤
である2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルパーオキ
シ)ヘキサン ‘パーヘキサ25B’(日本油脂(株)
製)3gをオープンロール(関西ロール(株)製)を用い
て配合した。この配合したサンプルを用い、実施例1と
同様にローラを仕上げた。
(JIS‐A)は50°、引っ張り強度は77kg/cm3、伸度は3
50%であった。 [実施例3]フルオロポリマー ‘ダイエル LT302’(ダ
イキン工業(株)製)200gに、補強性充填剤であるMTカ
ーボンブラック6g、加硫助剤であるトリアリルイソシア
ヌレート‘TAIC’(日本化成(株)製)8gおよび加硫剤
である2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルパーオキ
シ)ヘキサン ‘パーヘキサ25B’(日本油脂(株)
製)3gをオープンロール(関西ロール(株)製)を用い
て配合した。この配合したサンプルを用い、実施例1と
同様にローラを仕上げた。
【0069】作製したローラを定着ローラ、加圧ローラ
として使用し、実施例1と同様にしてコピー耐久試験を
行った。
として使用し、実施例1と同様にしてコピー耐久試験を
行った。
【0070】また、このフルオロエラストマーの硬度
(JIS‐A)は48°、引っ張り強度は64kg/cm3、伸度は4
90%であった。 [実施例4]MTカーボンブラックを40g配合すること以外
は実施例3と同様にしてローラを仕上げた。そして、作
製したローラを定着ローラ、加圧ローラとして使用し、
実施例1と同様にしてコピー耐久試験を行った。
(JIS‐A)は48°、引っ張り強度は64kg/cm3、伸度は4
90%であった。 [実施例4]MTカーボンブラックを40g配合すること以外
は実施例3と同様にしてローラを仕上げた。そして、作
製したローラを定着ローラ、加圧ローラとして使用し、
実施例1と同様にしてコピー耐久試験を行った。
【0071】また、このフルオロエラストマーの硬度
(JIS‐A)は58°、引っ張り強度は160kg/cm3、伸度は
490%であった。
(JIS‐A)は58°、引っ張り強度は160kg/cm3、伸度は
490%であった。
【0072】実施例1〜4の結果を表1に示す。評価は ◎:5万枚以上耐久クリア ○:3万枚以上、5万枚未満耐久クリア ×:1万枚未満耐久クリア として行なった。
【0073】
【表1】 実施例1〜4はトナーリリース性が良好であり、実施例
4の場合は3万枚以上、実施例1〜3の場合は5万枚以
上通紙した時点でコピー画像にトナーオフセットによる
画像抜けは見られなかった。また、耐キズ性・耐摩耗性
については、いずれも耐久後のローラ表面にはコピー画
像上に影響が及ぶようなキズスジおよび摩耗は認められ
ず、実施例4の場合は3万枚以上、実施例1〜3の場合
は5万枚以上通紙した時点で高画質なコピー画像が得ら
れた。実施例1〜4すべて、総合耐久性としては、コピ
ー機の定着性能を十分満足するものであった。 [比較例1]フルオロポリマーとして、ビニリデンフルオ
ライドとヘキサフルオロプロピレンとテトラフルオロエ
チレンとの三元共重合体である‘ダイエル G902’(ダ
イキン工業(株)製)を用いること以外は実施例4と同
様にしてローラを仕上げた。そして、作製したローラを
定着ローラ、加圧ローラとして使用し、実施例1と同様
にしてコピー耐久試験を行った。
4の場合は3万枚以上、実施例1〜3の場合は5万枚以
上通紙した時点でコピー画像にトナーオフセットによる
画像抜けは見られなかった。また、耐キズ性・耐摩耗性
については、いずれも耐久後のローラ表面にはコピー画
像上に影響が及ぶようなキズスジおよび摩耗は認められ
ず、実施例4の場合は3万枚以上、実施例1〜3の場合
は5万枚以上通紙した時点で高画質なコピー画像が得ら
れた。実施例1〜4すべて、総合耐久性としては、コピ
ー機の定着性能を十分満足するものであった。 [比較例1]フルオロポリマーとして、ビニリデンフルオ
ライドとヘキサフルオロプロピレンとテトラフルオロエ
チレンとの三元共重合体である‘ダイエル G902’(ダ
イキン工業(株)製)を用いること以外は実施例4と同
様にしてローラを仕上げた。そして、作製したローラを
定着ローラ、加圧ローラとして使用し、実施例1と同様
にしてコピー耐久試験を行った。
【0074】また、このフルオロエラストマーの硬度
(JIS‐A)は62°、引っ張り強度は200kg/cm3、伸度は
580%であった。 [比較例2]フルオロポリマーとして、ビニリデンフルオ
ライドとヘキサフルオロプロピレンとの二元共重合体で
ある‘ダイエル G801’(ダイキン工業(株)製)を用
いること以外は実施例4と同様にしてローラを仕上げ
た。そして、作製したローラを定着ローラ、加圧ローラ
として使用し、実施例1と同様にしてコピー耐久試験を
行った。
(JIS‐A)は62°、引っ張り強度は200kg/cm3、伸度は
580%であった。 [比較例2]フルオロポリマーとして、ビニリデンフルオ
ライドとヘキサフルオロプロピレンとの二元共重合体で
ある‘ダイエル G801’(ダイキン工業(株)製)を用
いること以外は実施例4と同様にしてローラを仕上げ
た。そして、作製したローラを定着ローラ、加圧ローラ
として使用し、実施例1と同様にしてコピー耐久試験を
行った。
【0075】また、このフルオロエラストマーの硬度
(JIS‐A)は56°、引っ張り強度は202kg/cm3、伸度は
910%であった。
(JIS‐A)は56°、引っ張り強度は202kg/cm3、伸度は
910%であった。
【0076】比較例1、2の結果を表2に示す。表2に
は、実施例4の結果も併せて示す。なお、評価は実施例
1〜4と同様にして行なった。
は、実施例4の結果も併せて示す。なお、評価は実施例
1〜4と同様にして行なった。
【0077】
【表2】 比較例1、2の場合は、本発明の実施例と比べてトナー
リリース性が低く、1万枚通紙した時点でコピー画像に
トナーオフセットによる画像抜けが発生した。耐キズ性
・耐摩耗性については、トナーオフセットが発生した1
万枚の時点では、ローラ表面にはキズスジおよび摩耗は
認められなかった。比較例1、2は、総合耐久性として
は、トナーリリース性が不十分であることから、コピー
機の定着性能を満足するものではなかった。
リリース性が低く、1万枚通紙した時点でコピー画像に
トナーオフセットによる画像抜けが発生した。耐キズ性
・耐摩耗性については、トナーオフセットが発生した1
万枚の時点では、ローラ表面にはキズスジおよび摩耗は
認められなかった。比較例1、2は、総合耐久性として
は、トナーリリース性が不十分であることから、コピー
機の定着性能を満足するものではなかった。
【0078】実施例のコピー耐久試験から明らかなよう
に、本発明の定着用ローラはトナーリリース性が比較的
良好で、耐キズ性・耐摩耗性に優れている。また、本発
明の定着装置は、定着用ローラのトナーリリース性が比
較的良好で、耐キズ性・耐摩耗性に優れ、高画質の画像
を得ることができる。
に、本発明の定着用ローラはトナーリリース性が比較的
良好で、耐キズ性・耐摩耗性に優れている。また、本発
明の定着装置は、定着用ローラのトナーリリース性が比
較的良好で、耐キズ性・耐摩耗性に優れ、高画質の画像
を得ることができる。
【0079】
【発明の効果】本発明により、フルオロエラストマーを
少なくとも最外層の弾性体として用い、耐キズ性・耐摩
耗性に優れ、トナーリリース性も比較的良好な定着用ロ
ーラを提供することができる。また、このような定着用
ローラを用い、高画質なトナー画像が得られる定着装置
を提供することができる。
少なくとも最外層の弾性体として用い、耐キズ性・耐摩
耗性に優れ、トナーリリース性も比較的良好な定着用ロ
ーラを提供することができる。また、このような定着用
ローラを用い、高画質なトナー画像が得られる定着装置
を提供することができる。
【図1】本発明に関わる単層構造の定着用ローラの全体
図である。
図である。
【図2】本発明に関わる単層構造の定着用ローラの断面
図である。
図である。
【図3】本発明に関わる2層構造の定着用ローラの断面
図である。
図である。
【図4】本発明に関わる定着装置の構成図である。
1 ローラ芯金 2 最外層 3 中間層 4 定着ローラ 5 加圧ローラ 6 ハロゲンヒータ 7 サーミスタ 8 ウェブ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C08K 3/00 C08K 3/00 C08L 27/12 C08L 27/12 29/10 29/10 F16C 13/00 F16C 13/00 B A E (72)発明者 高橋 正明 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キヤ ノン株式会社内 (72)発明者 川元 英雄 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キヤ ノン株式会社内 (72)発明者 五月女 修 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キヤ ノン株式会社内 Fターム(参考) 2H033 AA09 AA25 BB05 BB08 BB29 3J103 AA01 AA13 FA07 FA13 GA57 GA58 HA04 HA14 HA53 4J002 BD141 BD151 BE041 DA036 DE106 DE136 DE236 DJ006 DJ016 DJ046 DJ056 DL006 FA046 FD016 4J100 AC24P AC26Q AE39R BB18R CA05 CA31 DA31 HA53 HC10 HC36 HC43
Claims (9)
- 【請求項1】 少なくとも最外層がフルオロエラストマ
ーを含有する定着用ローラであって、 該フルオロエラストマーが、ビニリデンフルオライドと
テトラフルオロエチレンとパーフルオロアルキルビニル
エーテルとの三元共重合体であるフルオロポリマーを加
硫したものである定着用ローラ。 - 【請求項2】 前記フルオロポリマーが室温(25℃)
で非晶質である請求項1に記載の定着用ローラ。 - 【請求項3】 前記パーフルオロアルキルビニルエーテ
ルがパーフルオロメチルビニルエーテルである請求項1
または2に記載の定着用ローラ。 - 【請求項4】 前記フルオロポリマーの組成が、パーフ
ルオロメチルビニルエーテル成分がポリマー全体の10
〜50モル%であり、ビニリデンフルオライド成分:テ
トラフルオロエチレン成分=90:10〜40:60
(モル比)である請求項3に記載の定着用ローラ。 - 【請求項5】 前記フルオロエラストマーが前記フルオ
ロポリマーをパーオキサイド加硫したものである請求項
1〜4のいずれかに記載の定着用ローラ。 - 【請求項6】 前記最外層が補強性充填剤を含有する請
求項1〜5のいずれかに記載の定着用ローラ。 - 【請求項7】 前記補強性充填剤の含有量が前記フルオ
ロポリマー100質量部に対して15質量部以下である請
求項6に記載の定着用ローラ。 - 【請求項8】 前記補強性充填剤がカーボンブラックで
ある請求項6または7に記載の定着用ローラ。 - 【請求項9】 電子写真画像形成装置に用いる定着装置
であって、 請求項1〜8のいずれかに記載されている定着用ローラ
が定着および/または加圧ローラとして配置される定着
装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2000322739A JP2002132081A (ja) | 2000-10-23 | 2000-10-23 | 定着用ローラおよび定着装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2000322739A JP2002132081A (ja) | 2000-10-23 | 2000-10-23 | 定着用ローラおよび定着装置 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2002132081A true JP2002132081A (ja) | 2002-05-09 |
Family
ID=18800563
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2000322739A Pending JP2002132081A (ja) | 2000-10-23 | 2000-10-23 | 定着用ローラおよび定着装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2002132081A (ja) |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2006040944A1 (ja) * | 2004-10-08 | 2006-04-20 | Daikin Industries, Ltd. | フッ素ゴム組成物 |
JP2007058197A (ja) * | 2005-07-29 | 2007-03-08 | Canon Inc | トナー離型層を有する定着用部材およびそれを具備する定着装置 |
CN102702416A (zh) * | 2012-06-25 | 2012-10-03 | 天津市天塑科技集团有限公司技术中心 | 一种四氟乙烯/偏氟乙烯/全氟甲基乙烯基醚乳液共聚方法 |
-
2000
- 2000-10-23 JP JP2000322739A patent/JP2002132081A/ja active Pending
Cited By (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2006040944A1 (ja) * | 2004-10-08 | 2006-04-20 | Daikin Industries, Ltd. | フッ素ゴム組成物 |
JPWO2006040944A1 (ja) * | 2004-10-08 | 2008-05-15 | ダイキン工業株式会社 | フッ素ゴム組成物 |
JP4636025B2 (ja) * | 2004-10-08 | 2011-02-23 | ダイキン工業株式会社 | フッ素ゴム組成物 |
JP2007058197A (ja) * | 2005-07-29 | 2007-03-08 | Canon Inc | トナー離型層を有する定着用部材およびそれを具備する定着装置 |
CN102702416A (zh) * | 2012-06-25 | 2012-10-03 | 天津市天塑科技集团有限公司技术中心 | 一种四氟乙烯/偏氟乙烯/全氟甲基乙烯基醚乳液共聚方法 |
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