JP4125013B2 - 定着用部材、定着用部材の製造方法、定着装置 - Google Patents

定着用部材、定着用部材の製造方法、定着装置 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、複写機、レーザービームプリンター(LBP)等の電子写真画像形成装置における定着装置において使用される定着用ローラまたは定着用ベルト、特に表層がフルオロエラストマーからなる定着用ローラまたは定着用ベルト等の定着用部材の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
一般に、複写機、LBP等の電子写真画像形成装置には、静電的にトナー画像が形成された紙またはOHPシートなどの記録材に熱と圧力を加え、記録材上にトナーを定着させる装置が必要である。これは、加熱加圧定着装置、または単に定着装置と呼ばれる。この定着装置は、一対の圧接された回転体を有しており、未定着トナーを有する記録材がこの回転体間に狭持および搬送される。回転体間の圧接部分は、ニップと呼ばれ、未定着トナーは、このニップ内において加熱され、軟化し、圧力により記録材へ押し付けられ、その後冷却および固化を経て、記録材上に永久画像として定着される。
【0003】
一般に、未定着トナーと接する上側の回転体には、ローラ、ベルト、フィルムなど多様な形態のものが用いられており、ローラの形態である場合、定着ローラと呼ばれ、ベルトの形態である場合、定着ベルトと呼ばれる。他方、未定着トナーと接することの少ない下側の回転体にも、ローラ、ベルトの形態などが用いられており、それぞれ加圧ローラ、加圧ベルトと呼ばれる。そして、定着ローラと加圧ローラを総して定着用ローラ、定着ベルトと加圧ベルトを総して定着用ベルトと呼ぶ。
【0004】
また、定着用ローラ及び定着用ベルト等を総して定着用部材とも呼ぶ。
【0005】
これらトナーを熱と圧力により定着させる定着用ローラまたは定着用ベルトは、円筒基材上に、耐熱性の弾性体または樹脂からなる層を、単層または多層に積層して形成される。これらの層のなかでも、特に表層は未定着トナー画像に近接するため、定着画像の画質等に対して大きな影響を及ぼす。
【0006】
一般に、弾性体層に用いられる材料としては、シリコーンゴムまたはフルオロエラストマー(フッ素ゴム)を挙げることができる。シリコーンゴムおよびフルオロエラストマーは、耐熱性、耐化学薬品性に優れ、弾性体層の材料として用いた場合に、その柔軟性を長期に渡り保持することができる。
【0007】
また、弾性体以外に、定着用ローラまたは定着用ベルトの表層にフッ素樹脂が用いられることもある。
【0008】
しかしながら、フッ素樹脂は、耐熱性、耐化学薬品性に優れ、また、優れた非粘着性を有し、低摩擦および低摩耗性を有しているものの、その硬度は高く、柔軟性が不足する場合がある。
【0009】
表層の柔軟性は、定着後の画質に影響する。高精度にトナーを定着させるには、柔軟な弾性体からなる表層が望ましく、前述したシリコーンゴムおよびフルオロエラストマーが適している。
【0010】
定着後の画質に影響を及ぼす柔軟性のほかに、表層に要求される重要な特性として、トナーリリース性と耐キズ性および耐磨耗性がある。
【0011】
トナーリリース性とは、トナーの付着し難さのことである。トナーが付着し易い場合、つまりトナーリリース性が不十分な場合、定着画像にトナーの抜けが生じたり、定着用ローラまたは定着用ベルト表面上に付着したトナーが再び記録材に定着してしまい、トナー汚れを引き起こすことがある。これらは、トナーオフセットと呼ばれる。
【0012】
特に、フルカラー画像形成装置においては、モノクロに比べて、表層には高いトナーリリース性が要求される。なぜなら、フルカラー画像形成装置においては、記録材上に多種のトナー、すなわちブラック、シアン、マゼンタ、イエロートナーが積層された静電画像を定着することが必要であり、使用されるトナーには、加熱および加圧時に混色性が良好であることが要求され、溶融性の高いトナーが用いられるからである。
【0013】
フルカラー画像形成装置の定着装置においては一般的に、トナーリリースを補助する目的で、ジメチルシリコーンオイルを常時一定量塗布することが行われている。
【0014】
定着ローラまたは定着ベルトの表層は、未定着トナーと近接するため、優れたトナーリリース性が要求される。また、加圧ローラまたは加圧ベルトの表層も、両面画像形成装置においては、第2面目の定着の際に、定着済みの第1面目と近接するため、優れたトナーリリース性が要求される。
【0015】
一方、耐キズ性および耐磨耗性とは、キズの付きにくさ、摩耗し難さのことである。表層にはクリーニングウェブ、オイル塗布部材、ブレードなどのオイル規制部材が近接されていることが多く、これら当接部材との摩擦により、キズが付いたり、摩耗したりすることがある。また、記録材をニップにより狭持し、搬送する際にも、記録材との間に摩擦が生じ、同様の現象が引き起こされる可能性がある。このようにキズがついたり、摩耗したりすると、表層の表面に凹凸が生じることがある。
【0016】
特に、定着ローラまたは定着ベルトの表層に凹凸が生じると、そこに微少のオフセットトナーが蓄積し、トナーオフセットを引き起こし、画像不良となる場合がある。他方、加圧ローラまたは加圧ベルトの場合も、凹部にオフセットトナーが蓄積し、記録材の裏面などにトナーが付着し、トナー汚れを引き起こすことがある。
【0017】
したがって、表層に用いる材料には、柔軟性、トナーリリース性、耐キズ性および耐摩耗性が要求される。これら三つの要求特性のうち、柔軟性と耐キズ性および耐摩耗性に優れる材料の一つとして、フルオロエラストマーを挙げることができる。
【0018】
これまで表層に用いるフルオロエラストマーとしては、ビニリデンフルオライドとヘキサフルオロプロピレンとの二元共重合体、又はビニリデンフルオライドとヘキサフルオロプロピレンとテトラフルオロエチレンとの三元共重合体からなるフルオロポリマーに補強性フィラーを配合したものをポリアミン架橋およびポリオール架橋したものが主に提案されている。
【0019】
しかしながら、これらのフルオロエラストマー表層のみでは、表面エネルギーが高いために、十分なトナーリリース性が得られない恐れがある。この様な不具合を回避するために、フルオロエラストマー表面を低表面エネルギー化することが考えられ、その一手段として、表面のシリコーン化が提案されている。
【0020】
例えば、エラストマー表層が、フッ化ビニリデンが40モル%未満の量で存在するポリ(フッ化ビニリデン−ヘキサフルオロプロピレン−テトラフルオロエチレン)からなり、そこには、前記エラストマーとは実質的に非反応性である金属酸化物が官能基含有高分子剥離剤と相互作用して前記エラストマー表層とトナーとの間に界面バリア層を付与するのに十分な量で存在する融着部材(特公平7−76856号公報)が挙げられる。
【0021】
また他の例として、フルオロエラストマー中に前記金属酸化物が存在せず、官能基含有高分子剥離剤の使用を必要としない例として、架橋されたフルオロエラストマー外層と、該架橋フルオロエラストマー外層面に表面グラフト化したポリオルガノシロキサン薄層とを有する支持層から成る定着部材であって、前記表面グラフト化が架橋されたフルオロエラストマーの外層を脱フッ化水素剤の存在下に反応性官能基を有するポリオルガノシロキサンの存在下で実施されて成る定着部材(特許第3142074号公報)を挙げることができる。これは、まずフルオロエラストマー外層をポリオールまたはポリアミン架橋し、その後、フルオロエラストマー表面にポリオルガノシロキサンを付加反応で化学結合(グラフト化)させるというものである。
【0022】
更に、フルオロエラストマーの表面エネルギー的なトナーリリース性を改善することも考えられる。例えば、少なくとも表層がフルオロエラストマーを含有する定着用ローラであって、該フルオロエラストマーが、ビニリデンフルオライドとテトラフルオロエチレンとパーフルオロアルキルビニルエーテルとの三元共重合体であるフルオロポリマーを架橋したものである定着用ローラおよびこれを有する定着装置を考えることができる。
【0023】
しかしながら、以上の様な定着用部材をフルカラー画像形成装置において使用すると、トナーリリースを補助する目的で塗布されるシリコーンオイルの濡れ性が不十分な恐れがあり、オイルの塗布ムラが発生し、定着画像に光沢むらが発生する可能性があった。
【0024】
一方、芯金内部にハロゲンヒーターを配置し、その熱によりトナーを軟化し、記録材に圧着させるため、芯金からローラ表面への熱伝達性の見地から、フルオロエラストマー層は薄層であることが好ましい。
【0025】
表層の厚みが薄く、表面平滑性の優れたローラを製造する場合、表層であるフルオロエラストマーを形成する方法としては、コーティング法が適している。一般的には、ポリアミン加硫系、ポリオール加硫系、あるいはこれらの加硫系を併用したフルオロエラストマー組成物を有機溶媒に溶解し、コーティング溶液を調製する。このコーティング溶液をブレードコート、リングコート、ロールコート、ディッピング、スプレーコーティングなどによりローラ基材上に均一に塗布および乾燥し、加熱することによりフルオロエラストマー層を加硫し、ローラを製造できる。
【0026】
この一例として、特開平10−310738号公報に、フルオロエラストマーと、ポリアミン加硫系の求核性架橋剤、またはポリオール加硫系の求核性架橋剤、あるいはこれらを混合した求核性架橋剤および有効溶媒を含有するフローコーティング溶液を用いたものが記載されている。
【0027】
このように成形したポリアミン加硫系あるいはポリオール加硫系のフルオロエラストマーを表層として用いたローラでは、最低限必要な配合剤の種類および量が多いために表面エネルギーが比較的高く、トナーに対する非粘着性が不十分となる恐れがある。これに対し、パーオキサイド加硫系のフルオロエラストマーを用いたものは、最低限必要な配合剤の種類および量が少なく、比較的良好な非粘着性が得られる。しかしながら、パーオキサイド加硫系のフルオロエラストマーを表層に用いたローラを上記コーティング法で製造する場合において、オーブン加硫等の常圧熱気加硫を行うと、空気中の酸素により硬化阻害が生じることがある。
【0028】
この様な不具合を回避するために、例えば、特開平6−324589号公報に、酸素を除くために窒素雰囲気下で加硫を行い、定着ロールの最外層にパーオキサイド加硫系フルオロエラストマー層を形成することが記載されている。しかしながら、この様な装置は比較的高価であり、使用時毎に窒素置換を行ってから加熱しなければならないため、十分な生産性を実現できない恐れがある。
【0029】
【発明が解決しようとする課題】
以上の様な状況に鑑み、本発明は以下を目的とする。
【0030】
第1に、表層がフルオロエラストマーからなり、このフルオロエラストマーがビニリデンフルオライドとテトラフルオロエチレンとパーフルオロメチルビニルエーテルとの三元共重合体の分子内にヨウ素および臭素の少なくとも何れか一方が導入されたフルオロポリマーをラジカル架橋したものである定着用部材において、トナーリリースを補助する目的でフルオロエラストマー表層に塗布されるシリコーンオイルの親和性因子による良好な濡れ性を実現することである。
【0031】
第2に、トナーリリースを補助する目的でフルオロエラストマー表層に塗布されるシリコーンオイルの形状因子による良好な濡れ性を実現することである。
【0032】
第3に、トナー接触面への優れた熱伝達性を実現することである。
【0033】
第4に、フルオロエラストマー表層上に、最表層としてシリコーンポリマーを充分量均一に化学結合することである。
【0034】
第5に、フルオロエラストマー表層上の最表層シリコーンポリマーの十分な耐熱性を実現することである。
【0035】
第6に、最表層シリコーンポリマーの良好な表面平滑性を実現することである。
【0036】
第7に、光沢むらを生じることなく高画質なトナー画像が得られる定着用部材および定着装置を実現することである。
【0037】
第8に、少なくとも表層がパーオキサイド架橋系エラストマーを含有する定着用部材の製造方法であって、パーオキサイド架橋系エラストマーの架橋方法として、硬化阻害の原因となる酸素を遮断し、パーオキサイド架橋できる簡便な定着用部材の製造方法を実現することである。
【0038】
第9に、コーティングしたフルオロポリマーをパーオキサイド架橋させることができる比較的低コストでかつ簡便な定着用部材の製造方法を実現することである。
【0039】
【課題を解決するための手段】
本発明によれば、(1)ビニリデンフルオライドとテトラフルオロエチレンとパーフルオロメチルビニルエーテルとの三元共重合体の分子内にヨウ素および臭素の少なくとも何れか一方が導入されたフルオロポリマーと、架橋剤と、架橋助剤とを含有するコーティング液を基材に塗布する工程と、(2)該基材に塗布された該コーティング層を液状シリコーンポリマーに接触させた状態で該フルオロポリマーをラジカル架橋してフルオロエラストマーとし、また該フルオロエラストマーと該液状シリコーンポリマーとの間に化学結合を形成する工程とを含んでなる定着用部材の製造方法であって、該工程(2)は、前記コーティング層が形成された該基材を加熱状態の該液状シリコーンポリマーに浸漬して行われるものであり、該液状シリコーンポリマーは、ジメチルシリコーンポリマーである定着用部材の製造方法が提供される。
【0040】
この様な定着用部材によれば、シリコーンオイルの親和性因子による良好な濡れ性を実現できる。
【0041】
また、シリコーンオイルの形状因子による良好な濡れ性を実現する観点から、最表層の十点平均表面粗さ(Rz)は1μm以下が好ましい。
【0042】
更に、トナー接触面への優れた熱伝達性を実現する観点から、表層の厚みと最表層の厚みとの総和は5〜300μmが好ましい。
【0044】
化学結合を形成する工程は、コーティング層が形成された基材を加熱状態の液状シリコーンポリマーに浸漬して行われる
【0045】
また、架橋剤はベンゾイルパーオキサイドであり、加熱状態の液状シリコーンポリマーの温度は110〜250℃が好ましい。
【0046】
更に、液状シリコーンポリマーは、ジメチルシリコーンポリマーである
【0047】
以上の様な方法により定着用部材を製造することにより、フルオロエラストマー表層上に、最表層としてシリコーンポリマーを充分量均一に化学結合できる。
【0048】
また、フルオロエラストマー表層上の最表層シリコーンポリマーの十分な耐熱性を実現できる。
【0049】
更に、最表層シリコーンポリマーの良好な表面平滑性を実現でき、特に浸漬法を採用すれば、十分な表面平滑性を有する表層も形成できる。
【0050】
加えて、パーオキサイド架橋系エラストマーを含有する表層で、パーオキサイド架橋系エラストマーの架橋方法として、硬化阻害の原因となる酸素を遮断し、簡便にパーオキサイド架橋できる。
【0051】
よって、コーティングしたフルオロポリマーをパーオキサイド架橋しフルオロエラストマーを形成できる比較的低コストでかつ簡便な定着用部材の製造方法を実現できる。
【0052】
なお、表層はビニリデンフルオライドとテトラフルオロエチレンとパーフルオロメチルビニルエーテルとの三元共重合体の分子内にヨウ素および臭素の少なくとも何れか一方が導入されたフルオロポリマーをパーオキサイド架橋したフルオロエラストマーからなるため、良好なトナーリリース性、および良好な耐キズ性、耐磨耗性を実現できる。
【0053】
以上の結果、本発明の定着用部材を、定着ローラ、定着ベルト、加圧ローラ、加圧ベルト等として定着装置に配設することにより、光沢ムラを抑制でき高画質なトナー画像を実現できる。
【0054】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の好適な実施の形態について説明する。
【0055】
フルオロポリマーとしては、ビニリデンフルオライドとテトラフルオロエチレンとパーフルオロメチルビニルエーテルとの三元共重合体の分子内にヨウ素および臭素の少なくとも何れか一方が導入されたフルオロポリマーであり、この様なフルオロポリマーは公知の方法で合成できる。また、この様な三元共重合体は市販されており、例えば、ビニリデンフルオライド、テトラフルオロエチレン及びパーフルオロメチルビニルエーテルの三元共重合体としては、ダイキン工業(株)製ダイエルLT302(商品名)、デュポン ダウ エラストマー ジャパン(株)製バイトンGLT(商品名)、同社製バイトンGLT−305(商品名)、同社製バイトンGLT−505(商品名)、同社製バイトンGFLT(商品名)、同社製バイトンGFLT−300(商品名)、同社製バイトンGFLT−301(商品名)、同社製バイトンGFLT−501(商品名)、同社製バイトンGFLT−600(商品名)等を挙げることができる。
【0056】
これらのフルオロポリマーは、分子鎖末端または側鎖にヨウ素および/または臭素を導入したタイプのもので、架橋はこれらのハロゲン原子の引き抜き反応により行われる。この場合、架橋剤としては有機過酸化物が好ましい。また、架橋助剤としては、分子内にアクリル基またはビニル基を2つ以上有する化合物が好ましい。
【0057】
フルオロエラストマー表層を成形するにあたって、まずフルオロポリマーに少なくとも架橋剤および架橋助剤が分散された層(フルオロポリマー層)を形成する。このフルオロポリマー層の表面は平滑性に優れたものにすることが好ましい。なぜなら、フルオロポリマー層の表面が、この面上に形成されるシリコーンポリマー最表層表面の平滑性をほぼ決定するからである。シリコーンポリマー最表層表面の平滑性は、トナーリリースを補助する目的で塗布されるシリコーンオイルの形状因子による濡れ性を決定するので重要である。
【0058】
円筒基材内部に加熱源を配置し、その熱によりトナーを軟化し、記録材に圧着させるため、円筒基材からトナー接触面への熱伝達性の見地から、フルオロポリマー層は薄く形成する必要がある。また、外部に加熱源を配置した定着装置においても、表層の熱容量の観点から、フルオロポリマー層は薄く形成するほうが好ましい。
【0059】
層の厚みが薄く、表面平滑性の優れた層を形成する際、加工法としては、コーティング法が適している。コーティング方法としては、少なくともフルオロポリマー、架橋剤および架橋助剤を有機溶媒に溶解し、コーティング用溶液を調製する。このコーティング用溶液をブレードコート、リングコート、スプレーコート、ディッピングなどにより円筒基材上に均一に塗布し乾燥することでフルオロポリマー中に少なくとも架橋剤および架橋助剤が分散されたフルオロポリマー層を形成できる。
【0060】
コーティング法を使用する場合、フルオロポリマー層をラジカル架橋する際、オーブン架橋等の常圧熱気架橋を行うと、空気中の酸素により硬化阻害が生じることがあるが、フルオロポリマー表面に加熱状態、すなわち110℃以上、より好ましくは130℃以上で、250℃以下の液状シリコーンポリマーを接触させて架橋させる方法は、酸素を遮断し、硬化阻害を起こすことなくラジカル架橋させることができ、同時にフルオロエラストマー表層上に最表層としてシリコーンポリマーを化学結合で導入することができる。
【0061】
結合形態としては、フルオロポリマー側は、フルオロポリマーのラジカル架橋点であるヨウ素または臭素が脱離する部分または架橋助剤のラジカル反応点であるビニル基の部分と、シリコーンポリマー側のメチル基の部分またはビニル基を含有する場合はビニル基の部分で反応し、フルオロエラストマーとシリコーンポリマーが化学結合していると考えられる。
【0062】
化学結合していない場合は、トルエンなどのシリコーンポリマーと親和性のある溶剤で、フルオロエラストマー表面を拭き取れば、最表層のシリコーンポリマーが除去されるため、極表面分析またはジメチルシリコーンオイルの濡れ性により判断できる。シリコーンポリマーがフルオロエラストマーと化学結合している場合、除去されずに最表層としてフルオロエラストマー表層上に残存する。
【0063】
フルオロポリマーとシリコーンポリマーの界面における反応性は、両者の親和性に影響される。つまり、親和性が高いほど反応性が高く、逆に親和性が低いほど反応性は低くなる。例えば、一般に表層として用いられているビニリデンフルオライドとヘキサフルオロプロピレンとの二元共重合体、あるいはビニリデンフルオライドとヘキサフルオロプロピレンとテトラフルオロエチレンとの三元共重合体からなるフルオロポリマーとシリコーンポリマーでは、両者の親和性が低いために反応が起こりにくく、フルオロエラストマー表層上に最表層として機能するために必要な量のシリコーンポリマーが化学結合で導入できない。
【0064】
しかしながら、ビニリデンフルオライドとテトラフルオロエチレンとパーフルオロメチルビニルエーテルとの三元共重合体の分子内にヨウ素および臭素の少なくとも何れか一方が導入されたフルオロポリマーは、一般に用いられているフルオロポリマーに比べると、シリコーンポリマーとの親和性が高く、フルオロエラストマー表層上に最表層として機能するために必要な量のシリコーンポリマーが化学結合で導入できる。
【0065】
液状シリコーンポリマーの粘度は特に限定されるものではないが、加工の便宜上、25℃で0.5mm2/s以上が好ましく、10mm2/s以上がより好ましく、一方、1m2/s以下が好ましく、0.1m2/s以下がより好ましい。
【0066】
また、液状シリコーンポリマーの種類としては、耐熱性の観点からジメチルシリコーンポリマーである。さらに化学構造としては、直鎖状のジメチルシリコーンポリマーが好ましい。
【0067】
フルオロエラストマー表層上には、シリコーンポリマー1分子が存在すると考えられることから、最表層シリコーンポリマーの厚みは、シリコーンポリマーの鎖長より短く、1〜100nm程度であると考えられる。フルオロエラストマー表層上にシリコーンポリマーが最表層として存在することにより、トナーリリースを補助する目的で表層に塗布されるシリコーンオイルの親和性因子による濡れ性を良好にすることができる。
【0068】
また、トナーの粒径が1〜10μmの範囲であることと考え合わせると、シリコーンオイルの形状因子による濡れ性を十分確保するためには、シリコーンポリマー最表層の十点平均表面粗さ(Rz)を1μm以下にすることが好ましい。
【0069】
親和性因子および形状因子によるシリコーンオイルの濡れ性を良好にすることで、シリコーンオイルの塗布むらを防止でき、その結果定着画像の光沢むらを防ぐことができる。
【0070】
なお、十点平均表面粗さ(Rz)は、JIS B 0601に準拠して測定できる。
【0071】
フルオロエラストマー表層の厚みとシリコーンポリマー最表層の厚みの合計を5μm〜300μmの範囲にすることで、トナー接触面への熱伝達性に比較的優れた定着用ベルトまたは定着用ローラを得ることができる。5μm以上とすることで、フルオロエラストマー表層とシリコーンポリマー最表層の機能を十分に発揮でき、300μm以下とすることで、トナー接触面への熱伝達性を確保できる。
【0072】
フルオロポリマー層に分散させる架橋剤である有機過酸化物としては、ベンゾイルパーオキサイド、ビス(2,4−ジクロロベンゾイル)パーオキサイド、ジクミルパーオキサイド、2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルパーオキシ)ヘキサンなどを挙げることができ、特に分解温度の低いベンゾイルパーオキサイドが好ましく用いられる。
【0073】
また、配合量は特に限定されないが、フルオロポリマー成分100質量部に対して、通常0.5〜10質量部、好ましくは1〜5質量部である。ただし、溶剤に溶解し、コーティング溶液として使用する場合は、この2〜10質量倍を用いることもある。
【0074】
架橋剤としてベンゾイルパーオキサイドを用いる場合、加熱状態の液状シリコーンポリマー温度を110℃〜250℃の範囲に設定すれば、フルオロエラストマー表層上に充分量均一にシリコーンポリマー最表層を化学結合によって導入できる。液状シリコーンポリマーの温度をベンゾイルパーオキサイドの分解温度である110℃以上とすることにより、フルオロポリマーを効果的にラジカル架橋でき、250℃以下とすることで液状シリコーンポリマーの熱劣化を抑制できる。
【0075】
フルオロポリマー層に分散させる架橋助剤としては、トリアリルシアヌレート、トリアリルイソシアヌレートなどを挙げることができ、特にトリアリルイソシアヌレートが好ましく用いられる。
【0076】
架橋助剤の配合量は特に限定されないが、フルオロポリマー成分100質量部に対して、通常0.5〜10質量部、好ましくは1〜5質量部である。ただし、溶剤に溶解し、コーティング溶液として使用する場合は、この2〜10質量倍を用いることもある。
【0077】
以上の様なフルオロポリマー、架橋剤および架橋助剤を少なくとも含有する溶液をコーティングする際、これらが溶剤に完全に溶解し、コーティング工程の終始にわたって溶解したままであることが望ましい。適切な溶剤として例えば、メタノール、アセトン、メチルエチルケトン及びメチルイソブチルケトンなどの極性溶剤、ならびにジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、N−メチル2ピロリドンなどを挙げることができ、特にメチルイソブチルケトンを用いることが望ましい。また、溶剤は全固形成分濃度が5〜40質量%、好ましくは10〜30質量%となるよう添加するのが望ましい。
【0078】
定着用ローラまたは定着用ベルト等の定着用部材の製造方法として、例えば次のような工程を示すことができる。
【0079】
ビニリデンフルオライドとテトラフルオロエチレンとパーフルオロメチルビニルエーテルとの三元共重合体の分子内にヨウ素および臭素の少なくとも何れか一方が導入されたフルオロポリマー、架橋剤であるベンゾイルパーオキサイド、架橋助剤であるトリアリルイソシアヌレートを溶剤であるメチルイソブチルケトンに溶解し、コーティング溶液を調製する。
【0080】
次に、プライマーをあらかじめ均一に塗布、乾燥させた円筒基材(耐熱性弾性体層があらかじめ形成されている金属製ローラ、あるいは金属製または樹脂製ベルト)を水平に固定し、回転させながらコーティング溶液を円筒基材の外周に均一に塗布する。所望の量を塗布した後、一定の回転数で室温において放置し、ある程度溶剤を蒸発させながら、レベリングさせる。
【0081】
その後、50℃で2時間乾燥し、200℃に加熱した直鎖状ジメチルシリコーンポリマー中に1時間浸漬して一次架橋を行うことにより酸素による硬化阻害を生じることなく、かつ、フルオロエラストマー表層上に最表層としてシリコーンポリマー層を化学結合によって導入することができる。一次架橋後、液状シリコーンポリマー中から取り出し、加熱オーブン中での二次架橋を行うことにより定着用ローラまたは定着用ベルト等の定着用部材を製造することができる。
【0082】
このようにして得られる定着用ローラを図1に、定着用ベルトを図2に示す。また、定着用ローラの断面図を図3に、定着用ベルトの断面図を図4に示す。図3において1はアルミニウム等の金属製ローラ、2はシリコーンゴム等からなる耐熱性弾性体層、3はフルオロエラストマーからなる表層、4はシリコーンポリマーからなる最表層である。また、図4において5は金属製または樹脂製ベルト、3はフルオロエラストマーからなる表層、4はシリコーンポリマーからなる最表層である。
【0083】
なお、定着用ローラまたは定着用ベルトは上記の様な3層構造および4層構造に限定されるものではなく、5層以上の多層構造であってもよいが、定着用ローラまたは定着用ベルトとしての機能上、3層構造および4層構造が好ましい。
【0084】
次に、定着装置を説明する。本発明の定着装置は、電子写真画像形成装置に用いる定着装置であって、前述のような定着用ローラまたは定着用ベルトが配置されている。電子写真画像形成装置としては、感光体、潜像形成手段、形成した潜像をトナーで現像する手段、現像したトナー像を転写材に転写する手段、および、転写材上のトナー像を定着する手段等を有する電子写真画像形成装置が挙げられる。
【0085】
定着装置の一例について図5に構成図を示す。定着装置1には、上ローラである定着ローラ6および下ベルトである加圧ベルト7が配置されている。この定着ローラ6と、加圧ベルト7に本発明の定着用ローラ、定着用ベルトが用いられる。そして、定着ローラ6の内側にはハロゲンヒーター8が組み込まれている。
【0086】
定着ローラ6は矢印方向に所定の周速度で回転駆動し、加圧ベルト7もそれに合わせて矢印方向に回転駆動する。そして、紙またはOHPシートなどの記録材9は矢印の方向に搬送される。カラー未定着トナー画像10は、定着ローラ6と加圧ベルト7の間に形成されるニップ部を通過する際、ハロゲンヒーター8からの熱と、定着ローラ6と加圧ベルト7間の圧力が加えられ、記録材9上に定着される。
【0087】
定着温度は、定着ローラ6の表面温度をサーミスタ11により測定された温度をもとに、ハロゲンヒーター8の出力が制御され、設定温度に保たれている。定着ローラ6の表面温度(定着温度)は特に限定されないが、通常、130〜250℃程度であり、例えば170℃に設定する。
【0088】
定着ローラ6には、トナーリリース性を補助する目的で、オイルを均一に塗布するオイル塗布装置12と,定着ローラ6の表面に付着したトナー等の汚れをクリーニングするためのクリーニングウェブユニット13が接するように配置されている。
【0089】
オイル塗布装置12は、オイルを保持するオイルパン14と、回転してオイルを汲み上げる金属製のオイル汲み上げローラ15と、この汲み上げられたオイルを定着ローラ6表面に塗布する弾性体オイル塗布ローラ16と、オイル塗布ローラ上のオイル量を規制して制御する弾性体オイル規制ブレード17で構成されている。
【0090】
オイルには、例えば25℃における粘度が300mm2/sのジメチルシリコーンオイル(商品名:KF−96SS−300cs、信越化学工業(株)製)などを用いることができるが、これに限られるものではない。
【0091】
また、定着ローラ6表面に供給されるオイル塗布量は、例えば10mg/621cm2(A4相当)になるようにオイル塗布装置を構成および調整する。
【0092】
クリーニングウェブユニット13は、トナー等の汚れをクリーニングするクリーニングウェブ18と、このクリーニングウェブ18を定着ローラ6表面に押し当てる弾性体ローラ19で構成されている。クリーニングウェブ18は矢印の方向に少しずつ巻き取られる。
【0093】
加圧ベルトの内側には、ニップを確保するためのローラ20、および記録材を分離させるためのローラ21が配置されている。
【0094】
また、本発明の定着装置のもう一つの例について図6に構成図を示す。定着装置2には、定着器の上ベルトである定着ベルト22および下ローラである加圧ローラ23が配置されている。この定着ベルト22と、加圧ローラ23に本発明の定着用ベルト、定着用ローラが用いられる。そして、定着ベルト22の内側にはローラ24〜26、および内部にハロゲンヒーターを有する内部加熱ローラ27が配置されている。加圧ローラの内側にもハロゲンヒーター8が組み込まれている。
【0095】
加圧ローラ23は矢印方向に所定の周速度で回転駆動し、定着ベルト22もそれに合わせて矢印方向に回転駆動する。そして、紙またはOHPシートなどの記録材9は矢印の方向に搬送される。カラー未定着トナー画像は、定着ベルト22と加圧ローラ23の間に形成されるニップ部を通過する際、ハロゲンヒータ8からの熱と、定着ベルト22と加圧ローラ23間の圧力が加えられ、記録材9上に定着される。
【0096】
定着温度は、定着ベルト22の表面温度をサーミスタ11により測定された温度をもとに、ハロゲンヒータ8の出力が制御され、設定温度に保たれている。定着ベルト22の表面温度(定着温度)は特に限定されないが、通常、130〜220℃程度であり、例えば170℃に設定する。
【0097】
定着ベルト22には、トナーリリース性を補助する目的で、オイルを均一に塗布するオイル塗布装置12と、定着ベルト22の表面に付着したトナー等の汚れをクリーニングするためのクリーニングウェブユニット13が接するように配置されている。
【0098】
なお、定着装置は、本発明の定着用ローラおよび/または定着用ベルトを、定着ローラまたは定着ベルト、加圧ローラまたは加圧ベルトとして有していればよく、図5および図6に示した構造に限られるものではない。
【0099】
また、画像の光沢むらは、本発明の定着用ローラ、定着用ベルトを、図5または図6に示した定着装置に使用し、記録材9上に形成された未定着カラートナー画像10を通紙し、定着後画像の光沢むらを目視により評価する。
【0100】
【実施例】
以下、実施例によって本発明を更に詳細に説明するが、これらは、本発明を何ら限定するものではない。なお、以下特に明記しない限り、試薬等は市販の高純度品を用いた。
【0101】
(実施例1)定着用ローラ1
フルオロポリマーとしてダイエルLT302(商品名、ダイキン工業(株)製)100質量部と、架橋剤であるベンゾイルパーオキサイド(25%含水品、キシダ化学(株)製)12質量部と、架橋助剤であるトリアリルイソシアヌレート(商品名:TAIC、日本化成(株)製)24質量部とを、溶剤であるメチルイソブチルケトンにポリマー成分濃度が25質量%となるよう溶解し、フルオロポリマーのコーティング溶液を調製した。
【0102】
次に、アルミニウムからなる金属製ローラ(外径:58mm、内径:34mm)上に、プライマーを介して、2mmの厚さの耐熱性シリコーンゴムからなる弾性体層を形成した。
【0103】
更に、シリコーンゴム層表面をあらかじめプライマー(商品名:GLP−103SR、ダイキン工業(株)製)処理し、ローラを水平に固定し、回転させながら調製したコーティング用溶液をローラの外周にブレードコートで均一に塗布した。所望の量を塗布した後、一定のローラ回転数で室温において放置し、ある程度溶媒を蒸発させながら、レベリングさせた。
【0104】
その後、50℃で2時間乾燥し、200℃に加熱した粘度300mm2/s(25℃)の液状ジメチルシリコーンポリマー(商品名:KF−96SS−300cs、信越化学工業(株)製)に1時間浸漬させ、一次架橋を行い、その後液状シリコーンポリマーから取り出し、トルエンでローラ表面に存在する過剰の液状シリコーンポリマーを除いてからオーブン中において180℃で24時間二次架橋を行い、定着用ローラ1を作製した。
【0105】
このローラのシリコーンポリマー最表層の十点平均表面粗さは1μm以下、フルオロエラストマー表層とシリコーンポリマー最表層の厚みの合計は50μmであった。
【0106】
また、メチルエチルケトンを含浸させた布で、得られた定着用ローラ1の表面を拭いても光沢がなくならなかったことから、酸素による硬化阻害は起こらず、架橋反応が進行したことを確認した。更に、このローラ表面に対する粘度100mm2/s(25℃)のシリコーンオイル(商品名:KF−96SS−100cs、信越化学工業(株)製)の濡れ性が良好なことから、シリコーンポリマー最表層がフルオロエラストマー表層と化学結合していることを確認した。
【0107】
(評価例)
フルオロポリマー(商品名:ダイエルLT302、ダイキン工業(株)製)100質量部と、架橋剤であるベンゾイルパーオキサイド(25%含水品、キシダ化学(株)製)2質量部と、架橋助剤であるトリアリルイソシアヌレート(商品名:TAIC、日本化成(株)製)4質量部とを、溶剤であるメチルイソブチルケトンにポリマー成分濃度が25質量%になるように溶解し、フルオロポリマーのコーティング溶液を調製した。
【0108】
得られたフルオロポリマーのコーティング溶液を、アルミニウム板上に乾燥後に厚みが50μmになるように均一に塗布し、室温において放置し、ある程度溶媒を蒸発させ、50℃のオーブン中で2時間乾燥させた後、200℃に加熱した粘度300mm2/s(25℃)の液状ジメチルシリコーンポリマー(商品名:KF−96SS−300cs、信越化学工業(株)製)中に1時間浸漬させ、一次架橋を行い、その後液状シリコーンポリマーから取り出し、トルエンで表面に過剰に存在する液状シリコーンポリマーを取り除いてからオーブン(常圧熱空気)中において180℃で24時間二次架橋を行い、サンプルを作製した。このサンプルの十点平均表面粗さは、1μm以下であった。
【0109】
このサンプルの表面をメチルエチルケトンを含浸させた布で拭いても光沢がなくならなかったことから、酸素による硬化阻害は起こらず架橋反応が進行したことを確認した。
【0110】
また、このサンプル最表面のESCAによる元素分析(分析装置商品名:Quantum2000 アルバック・ファイ(株)製)を行った結果、Si元素が存在し、シリコーンポリマーが存在することがわかった。このことから、シリコーンポリマー最表層が化学結合により形成されていることを確認した。しかしながら、SEMによる元素分析(分析装置商品名:JSM−5800LV型、日本フィリップス(株)製、EPMA:日本フィリップス(株)製DX−Prime型)ではSi元素を検出できなかった。
【0111】
深さ方向の検出範囲がミクロンオーダーであるSEMによる元素分析では検出されず、ナノオーダーであるESCAによる元素分析では検出されたことから、最表層のシリコーンポリマー層はサブミクロンからナノオーダーの範囲の厚みであることがわかった。また、このサンプル表面に対する粘度100mm2/s(25℃)のシリコーンオイル(商品名:KF−96SS−100cs、信越化学工業(株)製)の接触角を室温(25℃)において測定したところ、5°以下であり、シリコーンオイルの濡れ性が良好であることがわかった。
【0112】
(実施例2)定着用ローラ2
フルオロエラストマー表層とシリコーンポリマー最表層の厚みの合計が250μmとなるようにすること以外は、実施例1と同様にして定着用ローラ2を作製した。
【0113】
この定着用ローラ2の表面を、メチルエチルケトンを含浸させた布で拭いても光沢がなくならなかったことから、酸素による硬化阻害は起こらず、架橋反応が進行したことを確認した。また、ローラ表面に対する粘度100mm2/s(25℃)のシリコーンオイル(商品名:KF−96SS−100cs、信越化学工業(株)製)の濡れ性が良好なことから、シリコーンポリマー最表層がフルオロエラストマー表層と化学結合していることを確認した。
【0114】
参考例1)定着用ローラ3200℃に加熱した粘度が400mm2/s(25℃)の分子鎖両末端にビニルを有する液状ジメチルシリコーンポリマーに浸漬することで一次架橋を行うこと以外は、実施例1と同様にして定着用ローラ3を作製した。
【0115】
このローラのシリコーンポリマー最表層の十点平均表面粗さは1μm以下、フルオロエラストマー表層とシリコーンポリマー最表層の厚みの合計は50μmであった。
【0116】
この定着用ローラ3の表面を、メチルエチルケトンを含浸させた布で拭いても光沢がなくならなかったことから、酸素による硬化阻害は起こらず、架橋反応が進行したことを確認した。また、このローラ表面に対する粘度100mm2/s(25℃)のシリコーンオイル(商品名:KF−96SS−100cs、信越化学工業(株)製)の濡れ性が良好なことから、シリコーンポリマー最表層がフルオロエラストマー表層と化学結合していることを確認した。
【0117】
(実施例)定着用ベルト1フルオロポリマー(商品名:ダイエルLT302、ダイキン工業(株)製)100質量部と、架橋剤であるベンゾイルパーオキサイド(25%含水品、キシダ化学(株)製)4質量部と、架橋助剤であるトリアリルイソシアヌレート(商品名:TAIC、日本化成(株)製)8質量部とを、溶剤であるメチルイソブチルケトンにポリマー成分濃度が25質量%となるよう溶解し、フルオロポリマーのコーティング溶液を調製した。
【0118】
プライマー処理を施した厚み50μmのポリイミドからなる樹脂製ベルト上に、厚み200μmの耐熱性シリコーンゴム層を形成したベルトを水平に固定し、回転させながら調製したフルオロポリマーのコーティング溶液をベルトの外周にブレードコートで均一に塗布した。所望の量を塗布した後、一定の回転数で室温において放置し、ある程度溶剤を蒸発させながら、レベリングさせた。
【0119】
その後、50℃で2時間乾燥し、200℃に加熱した粘度300mm2/s(25℃)の液状ジメチルシリコーンポリマー(商品名:KF−96SS−300cs、信越化学工業(株)製)中に1時間浸漬させ、一次架橋を行い、その後液状シリコーンポリマーから取り出し、トルエンでベルト表面に過剰に存在する液状シリコーンポリマーを取り除いてからオーブン(常圧熱空気)中において180℃で24時間二次架橋を行い、定着用ベルト1を作製した。
【0120】
このベルトのシリコーンポリマー最表層の十点平均表面粗さは1μm以下、フルオロエラストマー表層とシリコーンポリマー最表層の厚みの合計は50μmであった。
【0121】
また、メチルエチルケトンを含浸させた布で、得られた定着用ベルト1の表面を拭いても光沢がなくならなかったことから、酸素による硬化阻害は起こらず、架橋反応が進行したことを確認した。また、このベルト表面に対する粘度100mm/s(25℃)のシリコーンオイル(商品名:KF−96SS−100cs、信越化学工業(株)製)の濡れ性が良好なことから、シリコーンポリマー最表層がフルオロエラストマー表層と化学結合していることを確認した。
【0122】
(比較例1)ローラ4
200℃に加熱したオーブン(常圧熱空気)中で1時間一次架橋を行うこと以外は、実施例1と同様にしてローラ4を作製した。
【0123】
このローラ4の表面を、メチルエチルケトンを含浸させた布で拭くと光沢がなくなったことから、酸素による硬化阻害が起こり、架橋不良であることを確認した。
【0124】
(比較例2)ローラ5
200℃に加熱したフッ素オイル(商品名:デムナムS−65、ダイキン工業(株)製)に1時間浸漬させ、一次架橋を行うこと以外は、実施例1と同様にしてローラ5を作製した。
【0125】
このローラ5の表面を、メチルエチルケトンを含浸させた布で拭いても光沢がなくならなかったことから、酸素による硬化阻害は起こらず、架橋反応が進行したことを確認した。
【0126】
また、このローラのフルオロエラストマー層の十点平均表面粗さは1μm以下、層厚みは50μmであった。
【0127】
(評価例)
フルオロポリマー(商品名:ダイエルLT302、ダイキン工業(株)製)100質量部と、架橋剤であるベンゾイルパーオキサイド(25%含水品、キシダ化学(株)製)2質量部と、架橋助剤であるトリアリルイソシアヌレート(商品名:TAIC、日本化成(株)製)4質量部とを、溶剤であるメチルイソブチルケトンにポリマー成分濃度が25質量%になるように溶解し、フルオロポリマーのコーティング溶液を調製した。
【0128】
得られたフルオロポリマーのコーティング溶液を、アルミニウム板上に乾燥後に厚みが50μmになるように均一に塗布し、室温において放置し、ある程度溶媒を蒸発させ、50℃のオーブン中で2時間乾燥させた後、200℃に加熱したフッ素オイル(商品名:デムナムS−65、ダイキン工業(株)製)中に1時間浸漬させ、一次架橋を行い、その後フッ素オイルから取り出し、トルエンで表面に過剰に存在するフッ素オイルを取り除いてからオーブン(常圧熱空気)中において180℃で24時間二次架橋を行い、サンプルを作製した。このサンプルの十点平均表面粗さは、1μm以下であった。
【0129】
このサンプルの表面をメチルエチルケトンを含浸させた布で拭いても光沢がなくならなかったことから、酸素による硬化阻害は起こらず架橋反応が進行したことを確認した。
【0130】
このサンプル最表面のESCAによる元素分析(分析装置:Quantum2000 アルバック・ファイ(株)製)を行った結果、Si元素が存在せず、シリコーンポリマーが存在しないことを確認した。また、このサンプル表面に対する粘度100mm2/s(25℃)のシリコーンオイル(商品名:KF−96SS−100cs、信越化学工業(株)製)の接触角を室温(25℃)において測定したところ、約35〜40°であり、シリコーンオイルの濡れ性があまり良好でないことがわかった。
【0131】
(比較例3)ローラ6
フルオロポリマー(商品名:ダイエルLT302、ダイキン工業(株)製)100質量部と、架橋剤であるベンゾイルパーオキサイド(25%含水品、キシダ化学(株)製)2質量部と、架橋助剤であるトリアリルイソシアヌレート(商品名:TAIC、日本化成(株)製)4質量部とを関西ロール(株)製オープンロールを用いて配合した。
【0132】
次に、アルミニウムからなる金属製ローラ(外径:58mm、内径:34mm)上に、プライマーを介して、2mmの厚さの耐熱性シリコーンゴムからなる弾性体層を形成した。更に、シリコーンゴム層表面をプライマー(商品名:GLP−103SR、ダイキン工業(株)製)処理した。
【0133】
このシリコーンゴム層を形成し、プライマー処理を施したローラと、配合剤を練りこんだフルオロポリマーとを用いて、金型を用いたトランスファーによるプレス成形(1.7kN/cm2、110℃、30分間)を行い、脱型し、加熱オーブンで二次架橋(180℃、24時間)した後、研磨することによりローラを仕上げた。このフルオロエラストマー層の十点平均表面粗さ(Rz)は3μm、層厚みは250μmであった。
【0134】
(比較例4)ローラ7
十点平均表面粗さ(Rz)が5μmになるように研磨すること以外は比較例3と同様にしてローラ7を仕上げた。
【0135】
(比較例5)ベルト2
200℃に加熱したフッ素オイル(商品名:デムナムS−65、ダイキン工業(株)製)中に1時間浸漬させ、一次架橋を行うこと以外は、実施例4と同様にしてベルト2を作製した。
【0136】
このベルトのフルオロエラストマー表層の十点平均表面粗さは1μm以下、層厚みは50μmであった。
【0137】
また、メチルエチルケトンを含浸させた布で得られたベルト2の表面拭いても光沢がなくならなかったことから、酸素による硬化阻害は起こらず、架橋反応が進行したことを確認した。
【0138】
(実施例1、2、参考例1、比較例1〜4の評価)定着用ローラ1〜3およびローラ4〜7をそれぞれ定着ローラ6、定着用ベルト1を加圧ベルト7として図5に示した定着装置1に配置し、定着装置を構成した。
【0139】
この定着装置に未定着カラートナー画像を通紙し、定着後画像のトナー光沢ムラを目視により観察した。観察結果は、良好(○)、やや不良(△)、不良(×)の三段階で表した。結果を表1に示す。なお、ローラ4は架橋不良のために評価できなかった。
【0140】
【表1】
Figure 0004125013
【0141】
オーブン架橋(常圧熱空気架橋)を用いたローラ4では酸素による硬化阻害が起こり、パーオキサイド架橋を十分行えなかった。これに対し、熱シリコーンオイル浸漬架橋法を用いたローラ1〜3と、熱フッ素オイル浸漬架橋を行ったローラ5では、硬化阻害を起こすことなくパーオキサイド架橋を行うことができた。
【0142】
また、金型プレス架橋および研磨の製造工程を経たローラ6と7では、フルオロエラストマー層の表面粗さが大きいために、画像の光沢ムラを生じた。また、表面平滑性に優れているが、シリコーンポリマー最表層が存在しないローラ5もやや光沢むらを生じた。
【0143】
これらに対し、表面平滑性に優れ、かつシリコーンポリマー最表層が存在する定着用ローラ1〜3においては、画像の光沢ムラを生じることなく、高画質な画像を得ることができた。
【0144】
更に、定着用ローラ1〜3については、トナーリリース性、耐熱性、ローラ表面への熱伝達性、耐キズ性、耐磨耗性のいずれも良好であった。
【0145】
(実施例4、比較例5の評価)
定着用ベルト1およびベルト2を、それぞれ定着ベルト22、定着用ローラ1を加圧ローラ23として図6に示した定着装置2に配置し、定着装置を構成した。
【0146】
この定着装置に未定着カラートナー画像を通紙し、定着画像の光沢むらを目視により観察した。観察結果は、良好(○)、やや不良(△)、不良(×)、の三段階で表した。結果を表2に示す。
【0147】
【表2】
Figure 0004125013
【0148】
表面平滑性に優れているが、シリコーンポリマー最表層が存在しないベルト2はやや光沢むらを生じた。
【0149】
これに対し、表面平滑性に優れ、かつシリコーンポリマー最表層が存在する定着用ベルト1については、画像の光沢むらを生じることなく、高画質な画像を得ることができた。
【0150】
また、定着用ベルト1についてはトナーリリース性、耐熱性、ローラ表面への熱伝達性、耐キズ性、耐摩耗性のいずれも良好であった。
【0151】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、ビニリデンフルオライドとテトラフルオロエチレンとパーフルオロメチルビニルエーテルとの三元共重合体の分子内にヨウ素および臭素の少なくとも何れか一方が導入されたフルオロポリマーをラジカル架橋して得られるフルオロエラストマー表層上に、シリコーンポリマーが最表層として化学結合した定着用ローラ及び定着用ベルトを得ることができる。
【0152】
また、本発明の定着用ローラおよび/または定着用ベルトを、複写機、LBP等の定着装置に用いた際に、トナーリリースを補助する目的で塗布されるシリコーンオイルの濡れ性を良好にすることができ、光沢むらを生じることなく高画質なトナー画像を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の定着用ローラを説明するための模式的斜視図である。
【図2】本発明の定着用ベルトを説明するための模式的斜視図である。
【図3】本発明の定着用ローラを説明するための模式的断面図である。
【図4】本発明の定着用ベルトを説明するための模式的断面図である。
【図5】本発明の定着装置1を説明するための模式的断面図である。
【図6】本発明の定着装置2を説明するための模式的断面図である。
【符号の説明】
1 金属製ローラ
2 耐熱性弾性体層
3 表層
4 最表層
5 金属製または樹脂製ベルト
6 定着ローラ
7 加圧ベルト
8 ハロゲンヒーター
9 記録材
10 トナー画像
11 サーミスタ
12 オイル塗布装置
13 クリーニングウェブユニット
14 オイルパン
15 汲み上げローラ
16 塗布ローラ
17 オイル規制ブレード
18 クリーニングウェブ
19 弾性体ローラ
20 ローラ
21 ローラ
22 定着ベルト
23 加圧ローラ
24 ローラ
25 ローラ
26 ローラ
27 内部加熱ローラ

Claims (2)

  1. (1)ビニリデンフルオライドとテトラフルオロエチレンとパーフルオロメチルビニルエーテルとの三元共重合体の分子内にヨウ素および臭素の少なくとも何れか一方が導入されたフルオロポリマーと、架橋剤と、架橋助剤とを含有するコーティング液を基材に塗布する工程と、
    (2)該基材に塗布された該コーティング層を液状シリコーンポリマーに接触させた状態で該フルオロポリマーをラジカル架橋してフルオロエラストマーとし、また該フルオロエラストマーと該液状シリコーンポリマーとの間に化学結合を形成する工程とを含んでなる定着用部材の製造方法であって、
    該工程(2)は、前記コーティング層が形成された該基材を加熱状態の該液状シリコーンポリマーに浸漬して行われるものであり、
    該液状シリコーンポリマーは、ジメチルシリコーンポリマーであることを特徴とする定着用部材の製造方法。
  2. 前記架橋剤はベンゾイルパーオキサイドであり、前記加熱状態の液状シリコーンポリマーの温度は110〜250℃であることを特徴とする請求項に記載の定着用部材の製造方法。
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