JP2006030666A - 中間転写体と成膜液組成物及び製造方法、この中間転写体を用いた画像形成装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】トナーにより像担持体上に形成される複数の可視の色現像画像を無端状に走行する中間転写体上に一次転写し、前記中間転写体上の一次転写画像を転写材に二次転写する中間転写装置に用いる中間転写体形成用の成膜液組成物において、揮発分が7〜25%、一次粒子径1〜30nm、比表面積10〜200m2/g、吸油量30〜180cm3/100g、pH5以下のカーボンブラック、シランカップリング剤、ポリイミド樹脂またはポリアミドイミド樹脂、水溶性有機溶剤、アニオン系界面活性剤またはノニオン系界面活性剤を少なくとも含むことを特徴とする中間転写体形成用成膜液組成物。
【選択図】図1
Description
(中間転写体、中間転写装置)
中間転写装置に用いる中間転写体の代表例として中間転写ベルトを用いて説明する。
中間転写ユニット(500)は、図1に示すように、複数のローラに張架された中間転写体である中間転写ベルト(501)などで構成されている。この中間転写ベルト(501)の周りには、2次転写ユニット(600)の2次転写電荷付与手段である2次転写バイアスローラ(605)、中間転写体クリーニング手段であるベルトクリーニングブレード(504)、潤滑剤塗布手段の潤滑剤塗布部材である潤滑剤塗布ブラシ(505)などが対向するように配設されている。
本発明の中間転写体は、少なくとも揮発分が7〜25%、一次粒子径1〜30nm、比表面積10〜200m2/g、吸油量30〜180cm3/100g、pH5以下のカーボンブラック、シランカップリング剤、ポリイミド樹脂またはポリアミドイミド樹脂、水溶性有機溶剤を少なくとも含んだ中間転写体組成物により成型される。また好ましくは、前記カーボンブラックと前記シランカップリング剤との割合が1%以下、前記シランカップリングと前記カーボンブラックの比表面積の値が1〜30μmol/m2の範囲にあり、カーボンブラックが自己分散型であることを特徴とする。
カーボンブラックは、各種の炭化水素又は炭素を含む化合物を不完全燃焼して得られる微細な球状粒子の集合体と定義され、化学組成が炭素98%以上の、限りなく純粋に近い炭素材料の総称である。
種類は、製法で分類する方法が一般的で、原料炭化水素の熱分解か、不完全燃焼か何れかに大別され(表1)、更に原料の種類により細分化される。コンタクト法は、炎を鉄や石などに接触させる製造法であり、チャンネル法やその改良法であるガスブラック法(ローラ法)等が含まれる。チャンネルブラックは、コンタクト法の代表的な製品で、チャンネル鋼の底面に炎を接触させて採取するものである。
ファーネス法は、燃料の空気による燃焼熱によって、原料炭化水素を連続的に熱分解させてカーボンブラックを生成させる方法で、ガスファーネス法とオイルファーネス法に分類される。
サーマル法は、原料の炭素源として天然ガスを利用し燃焼と熱分解を周期的に繰り返す特殊な製造法で、その特徴は大粒子径を有するカーボンブラックが得られることにある。
アセチレンブラックもアセチレンを原料とする一種のサーマル法であるが、アセチレンの熱分解は他の原料が吸熱反応であるのに対し発熱反応であるため、サーマル法における燃焼サイクルを省略することが可能となり、連続運転ができる。アセチレンブラックの特徴は、通常のカーボンブラックに比較して結晶性が発達し、かつ、ストラクチャーが高いことにあるため導電性にすぐれ、乾電池用並びに各種ゴム、プラスチックの導電性付与剤として使用されている。
カーボンブラックをゴムや樹脂、塗料やインキのビヒクルに配合、分散させ補強性や黒色度、導電性などの機能を付与する際重要な因子は、粒子径とストラクチャー、それに粒子表面の物理化学的性質であり、これを通常カーボンブラックの三大特性と呼んでおり、これらの組み合わせで種々のカーボンブラックが製造されている。
カーボンブラックの3大基本特性
(I)粒子径:粒子径と表面積
(II)ストラクチャー:DBP吸油量(ml/100g)とストラクチャー指数
(III)表面の化学的特性:揮発分(重量%)とpH
1)カーボンブラックとして揮発分が7〜25%、一次粒子径1〜30nm、比表面積10〜200m2/g、吸油量30〜180cm3/100g、pH5以下の揮発性酸成分を主とするカーボンブラックを用いること、
2)カーボンブラック、シランカップリング剤、ポリイミド樹脂(またはポリアミドイミド樹脂)、水溶性有機溶剤を少なくとも含んだ中間転写体成膜液組成物のカーボンブラック分散系において、前記酸性カーボンブラックと前記シランカップリング剤との割合が1重量%以下、前記シランカップリングと前記カーボンブラックの比表面積の値が1〜30μmol/m2の範囲にあることによって、カーボンブラックが自己分散型分散を示し分散安定性が良好な成膜液組成物を作成できること、
3)この中間転写体成膜液組成物を成型加工することにより、抵抗均一性が高い中間転写体が成型できることを見い出し本発明に至った。
ここで、給油量は、JIS K6217の方法に準じ、アブソープトメーターを使用し、カーボンブラックにDBP(ジブチルフタレート)を添加した時の100g当たりのDBPk給油量(cm3/100g)を測定したものであり、値が大きいほどストラクチャーが高い。
カーボンブラックのpHが5以下であると抵抗均一性が高くなる理由は定かでないが、推測するところでは、このようなカーボンブラックではpHを左右する表面酸性基が多く存在するため、顔料粒子自体の成膜液溶媒への親和性が上がり、このために微分散が可能になり、その結果、抵抗均一性が上がると思われる。
カーボンブラックの揮発分が7重量%以上であると抵抗均一性が高くなる理由は定かでないが、推測するところでは、このようなカーボンブラックでは表面酸性基が多く存在するため、顔料粒子自体の成膜液溶媒への親和性が上がり、そのために微分散が可能になり、その結果、抵抗均一性が上がると思われる。
更に、成膜液を遠心成型法等で中間転写体に成型加工する方法にあっては、揮発分が25重量%を超えるカーボンブラックで成膜液を作成しても、抵抗均一性はこれ以上が高くなり易いので、揮発分が7〜25%の範囲にあるカーボンブラックを用いることが特に望ましい。これは、揮発成分が余り多いとカーボンブラックの分散性の阻害の原因となるためであると考えられる。
1)シランカップリング剤(SCA)
SCAは溶媒との親和性に優れた極性基を持つ反応性液状低分子量体である。以下にSCAの一般式と加水分解反応式を示す。式中のORは加水分解基であり、Xは有機樹脂と反応する官能基である。つまり、SCAには有機材料と無機材料とを化学的に結合する性質がある。加水分解基を3つ持つSCAは、水中で加水分解したシラノール基(SiOH)を形成し、3つの親水性の強い基と1つの疎水性の強い基を合わせ持つ分子となる。また、このシラノール基は不安定であるため、時間の経過とともに個々のSCA分子が持つOH基同士が脱水縮合反応を起こし、最終的にSCAは個々の分子が長く連なった分子構造をとる。その結果、長く連なったSCA分子群がカーボンブラック表面に吸着することが推測される。
シランカップリング処理カーボンブラックとは、カーボンブラック表面にポリイミド樹脂がシランカップリング剤により結合、あるいは吸着されうる自己分散型のカーボンブラック微粒子をいう。シランカップリング処理カーボンブラックは、カーボンブラックの一次粒子あるいは数個の凝集体にポリイミド樹脂がカップリングされるものである。
カーボンブラックは、通常数nm〜数百nmの粒子径を持つ。しかし、カーボンブラックは粒子同士の凝集力が大きいため、通常数ミクロン以上の粒子径を持つ凝集体として取り扱われる。また、カーボンブラック同士の凝集力は、カーボンブラックと他の物質、例えば樹脂系材料との親和性に比べ著しく大きく、カーボンブラックをサブミクロンで樹脂系材料等に分散させることは非常に困難であり、安定した抵抗値を得ることができない。一方、シランカップリング処理カーボンブラックは、カーボンブラックの粒子間にポリイミド樹脂部分が有効に入り込み、カーボンブラック同士の凝集力を弱めることができる。さらに、ポリイミド樹脂部分が樹脂系材料等と親和性のあるとき、シランカップリング処理カーボンブラックはサブミクロンで樹脂系材料等中に分散できる。しかしながら、ポリイミド樹脂部分が樹脂系材料等と高い親和性を有していたとしても、カーボンブラック部分にポリイミド樹脂部分が有効にカップリング処理されていないと、その特性は安定したものとはならずまたバラツキを生じやすくなり、良好な電気抵抗調整材とはならず、また一定レベルの親和性を得ようとするとシランカップリング処理カーボンブラックにおけるカーボンブラック部分の含有量が低くなってしまうという結果ともなり、カーボンブラックの有する導電性が著しく損なわれてしまうこととなる。
本発明に係るシランカップリング処理カーボンブラックを得るには、界面活性剤によりカーボンブラック表面の表面張力を下げ、シランカップリング剤を吸着及び反応させ、更に反応性を有するポリイミド樹脂(又はその前駆体)をシランカップリング剤に反応させて得られる。また、界面活性剤はカーボンブラックの表面張力を下げると共にカーボンブラックの分散剤としての働きがある。
自己分散型カーボンブラックについては、一般的にカチオン性型とアニオン性型の2種類に分類できる。
(カチオン性自己分散カーボンブラック)
このような黒色顔料としては、例えば文献J. E. Johonson (Cabot Co.), The50th I.magI.ng SC.I..ence TechnologI.es p310及びUSP5,554,739(CabotCo.)に開示されている方法によって得られるカーボンブラックを好ましいものとして挙げることができる。このカチオン性カーボンブラックは、共有結合によってその表面に第4級アンモニウム(R4N+)、或いは第4級フォスフォニウム(R4P+)、N−メチルピリジニウム、N−フェニルピリジニウムなどのカチオン基が結合されている表面修飾顔料である。また、同様の方法で合成されるところの第3級アミンの塩酸塩、すなわちカーボンブラック等の顔料の不飽和二重結合に、その末端に第3級アミノ基を有し、別の末端が芳香族ジアゾニウム塩であるような化合物を反応させて、顔料表面に第3級の窒素原子を持つ原子団を結合し、それを酸で中和した顔料でも、同様の性能を得ることができ、本発明に利用することができる。更に、カーボンブラック等の黒色顔料の表面をカチオン性にする方法としては、黒色顔料表面にグラフト重合法によって、カチオン基を側鎖に有するアクリルモノマーの低重合体を結合する方法も利用でき、この方法によって得られるカチオン性の黒色顔料も同様に使用できる。
表面にカチオン基が結合しているカーボンブラックなどの黒色顔料の粒子としては、例えば平均粒径が70nm〜250nmの範囲にあるものを利用できる。
顔料は、その表面がカチオン性を有していることが、アニオン性インクとの相互拡散を抑制するために非常に有利である。
一方、特開平8−80665号公報に開示されるような分散剤としてのカチオン性水溶性高分子化合物をインク中に添加することを前提として、通常のカーボンブラックを用いることもまた可能である。すなわち、カチオン性水溶性高分子化合物によって分散された黒色顔料粒子の分散体を使用することも本発明にとって好適である。このカチオン性高分子化合物としては、N,N−ジメチルアミノエチルメタクリレート、N,N−ジメチルアミノエチルアクリレート、N,N―ジメチルアミノプロピルメタクリレート、N,N−ジメチルアミノプロピルアクリレート、N,N−ジメチルアクリルアミド、N,N−ジメチルメタクリルアミド、N,N−ジメチルアミノエチルアクリルアミド、N,N−ジメチルエチルメタクリルアミド、N,N―ジメチルアミノプロピルアクリルアミド、N,N−ジメチルアミノプロピルメタクリルアミドを単量体の重量比率で10〜50%で含有する共重合体を挙げることができる。この共重合体の他のモノマー成分としては、例えば、アクリルアミド類のような水溶性モノマー、アクリロニトリル、アクリル酸アルキルエステル等を挙げることができる。
カチオン性黒色顔料分散体が、カチオン性高分子化合物によって分散された黒色顔料粒子の場合、例えば平均径が70nm〜250nmの範囲にある黒色顔料粒子を利用できる。
以上の様に、カチオン基としては第4級アンモニウム、第3級アミンの塩等を用いることができ、このカチオン基の対イオンとして、酢酸、乳酸、塩酸、硫酸、こはく酸等の酸を用いても良く、対イオンの存在によってより安定な解離状態の水中分散性を得ることができる。
黒色顔料に付与するカチオン基の量、或いは水溶性高分子に付与するカチオン基の量は、インク中での良好な分散状態を与え、且つ本発明の目的とする効果が得られる様に設定すれば良い。
顔料分散体のインク中への添加量は、インク100重量部に対して黒色顔料が0.5〜10重量部とされる。また、インクのpHとしては、2.5〜8.0の範囲から選択することができる。上記したような粒径及びpHを選択することで、分散体のより好適な安定分散状態を得ることができるので好ましい。
アニオン性基が表面に結合した自己分散性のカーボンブラックとしては、例えばアニオン性官能基を共有結合で結合せしめて、表面改質したものが挙げられる。アニオン性官能基としては、例えば−COOM、−CO−(2本の結合手のうち少なくとも一方がカーボンブラック粒子表面のダンクリング炭素原子と結合)、−CO−O−OC−(2本の結合手のうち少なくとも一方がカーボンブラック粒子表面のダンクリング炭素原子と結合)、−SO3M、−PO3HM、−PO3M2(ただしMは水素原子、アルカリ金属、アンモニウムまたはアルキルアンモニウムを表わす)からなる群から選ばれる少なくとも1つである。
これらの中で特に−COOMや−SO3Mをカーボンブラック表面に直接に若しくは間接的に結合してアニオン性に帯電せしめたカーボンブラックはインクにおける分散性に優れ、好適に用いることができる。上記Mとして挙げたアルカリ金属としては例えばリチウム、ナトリウム、カリウム等が挙げられる。有機アンモニウムとしては例えばモノ乃至トリメチルアンモニウム、モノ乃至トリエチルアンモニウム、モノ乃至トリメタノールアンモニウム等が挙げられる。アニオン性に帯電している自己分散型カーボンブラックの製造方法としては、例えばカーボンブラックを次亜塩素酸ソーダで酸化処理する方法が挙げられる。これによってカーボンブラック表面に−COONa基を結合させることができる。
また、カーボンブラックの表面処理を行なうことで、分散安定性、表面濡れ性、レオロジー特性、電気特性などの特性を改良することができる。表面処理の方法には次のものが挙げられる。
(1)表面酸化処理
カーボンブラックを酸化剤で処理すると、粒子表面の縮合芳香族環へカルボキシル基やフェノール性水酸基が導入される。
(2)界面活性剤分散
カーボンブラックは通常のアニオン性界面活性剤、ノニオン性界面活性剤、カチオン性界面活性剤、両性界面活性剤等により成膜液中に分散することができる。
(3)高分子(樹脂)分散安定剤による分散安定
カーボンブラックは、高分子分散安定剤の鎖状部分の立体障害反発による成膜液中での分散安定化が可能である。
(4)カプセル化処理
カーボンブラックが樹脂により被覆され溶剤中に分散されている。または、樹脂にカーボンブラックが含浸されたもの、即ち、表層もしくは内部、あるいは全体にカーボンブラックが存在するものが使用できる。その特徴は、分散安定性、表面濡れ性、レオロジー特性、電気特性などの特性を改良することができる。特に、分散安定性では、グラフト鎖の良溶媒中への分散性(分散媒中への易分散性と分散後の安定性)が著しく向上し、また、電気特性では、カーボンブラック粒子がポリマーマトリックス中へ容易に、しかも均一に分散するので、広い面積にわたって一定の抵抗値が得られるという特徴がある。
(5)グラフト処理
カーボンブラックのグラフト処理は、グラフト機構に基づいて次のように分類できる。
(a)カーボンブラック表面へのグラフト重合
カーボンブラックの存在下で、重合開始剤を用いてビニルモノマーの重合を行い、系内で生成する生長ポリマー鎖を粒子表面で補足する方法
(b)カーボンブラック表面からのグラフト重合
カーボンブラック表面へ導入した重合開始基からグラフト鎖を生長させる方法
(c)カーボンブラック表面とポリマーとのグラフト反応
カーボンブラック表面の官能基と反応性ポリマーとの反応による方法
このうち、(a)の方法は最も簡単に行なうことができるが、非グラフトポリマーの生成が優勢に起こるため、グラフト率の大きなものを得ることができない。これに対して、(b)の系では、カーボンブラック表面からポリマー(グラフト鎖)が外へ向かって生長するので、グラフト率の大きなものが得られるという特徴がある。更に、(c)の方法によると、グラフト鎖の分子量や数を制御できるという大きな特徴があり、グラフト率も比較的大きなものが得られる。
(6)気相酸化法
オゾン処理やプラズマ処理によるカーボンブラック表面の酸化処理方法であり、カーボンブラックにプラズマ照射することでプラズマの高エネルギーによってカーボンブラック表面に水酸基やカルボキシル基を付けることができる。
(1)表面酸化処理
カーボンブラックを酸化剤で処理すると、粒子表面の縮合芳香族環へカルボキシル基やフェノール性水酸基が導入される。更に、カーボンブラック表面の縮合芳香族環は、例えば次の様々な試薬と反応し、粒子表面への多彩な官能基の導入が可能となっている。
本発明において用いられる活性剤として、アニオン性界面活性剤、ノニオン性界面活性剤、カチオン性界面活性剤、両性界面活性剤の種類としては次のような構造のものが使用できる。
好ましい界面活性剤としては、界面ポリオキシエチレンアルキルエーテル酢酸塩、ジアルキルスルホ琥珀酸塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンブロック共重合体樹脂、アセチレングリコール系界面活性剤が挙げられる。より具体的には、アニオン系界面活性剤としてはポリオキシエチレンアルキルエーテル酢酸塩(II)、及び/または炭素鎖が5〜7の分岐したアルキル鎖を有するジアルキルスルホ琥珀酸(III)を用いることでカーボンブラックの分散安定性が得られる。
好ましい非イオン系の界面活性剤としてポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテルである一般式(IV)、アセチレングリコール系界面活性剤である一般式(V)の活性剤が挙げられる。
本発明においては、前記カーボンブラックと前記成膜液の分散媒液体との親和性を高めるために分散安定剤をさらに添加することができる。分散安定剤としては、本発明の目的にかなうものであれば特に限定されないが、例えば高分子分散安定剤が挙げられる。高分子分散安定剤としては、ポリ(N−ビニル−2−ピロリドン)、ポリ(N,N’−ジエチルアクリルアジド)、ポリ(N−ビニルホルムアミド)、ポリ(N−ビニルアセトアミド)、ポリ(N−ビニルフタルアミド)、ポリ(N−ビニルコハク酸アミド)、ポリ(N−ビニル尿素)、ポリ(N−ビニルピぺリドン)、ポリ(N−ビニルカプロラクタム)、ポリ(N−ビニルオキサゾリン)等が挙げられ、単独又は複数の高分子分散安定剤を添加することができる。また、この他に本発明の目的の範囲内で、高分子材料、界面活性剤、無機塩等の分散安定化剤を用いることもできる。
カーボンブラック表面に存在するフェノール性水酸基やカルボキシル基は、そのままグラフト反応の足場として利用できるが、これをベースとして、より反応性の高い官能基に変換すると、様々なポリマーのグラフト反応へ活用できる。
(a)表面へのグラフト重合
カーボンブラックの存在下で、ビニルモノマーのラジカル重合を行なうと、生成するポリマーの一部が粒子表面へグラフトする。
(b)表面からのグラフト重合
a.ラジカル重合
i ペルオキシド及びペルオキシエステル基
ii アゾ基
b.カチオングラフト重合
i アシリウムパークロレート基
ii クロルメチル基
iii ベンジリウムパークロレート
c.アニオングラフト重合
i カリウムカルボン酸塩基
ii カーボンブラック/BuLi複合体(OLi基)
iii アミノ基
(c)表面におけるポリマーとのグラフト反応
a.応性カーボンブラックとポリマーとの反応
b.カーボンブラックと反応性ポリマーとの反応
i リビングポリマーとの反応
ii 末端イソシアナート基ポリマーとの反応
好ましくは、高分子(樹脂)分散タイプ、グラフトタイプ、カプセル化タイプが良い。
成膜液を加熱成型加工して作製された中間転写体中の特徴としては、請求項15から17に記載の通り、中間転写体中のカーボンブラックの一次粒子径が電子顕微鏡観察において5〜50nmの範囲にあること、また中間転写体の表面(裏面)抵抗が108〜1012Ω/□であること、更に中間転写体の体積抵抗が107〜1011Ω・cmであることを挙げることができる。この様な特徴が現れる原因は抵抗制御剤として用いているカーボンブラックが自己分散型を示し、成膜液中のカーボンブラックの分散安定性が良いためである。カーボンブラック表面に存在する各種官能基やシランカップリング剤等は、成膜液を加熱し成型加工する段階で徐々に分解や解離が生じ最終的な成型体では存在が確認できない可能性が考えられる。しかし、本発明者が鋭意検討した結果、全てのカーボンブラック表面の官能基やシランカップリング剤が成型時の熱により分解して無くなってしまう訳ではないことが分かった。後述するTOF−SIMS方法により、最終形態の中間転写体中のカーボンブラック表面には僅かながら官能基や結合したシランカップリング剤等が存在することが分かった。従って、カーボンブラックが中間転写体の皮膜中に固定化される直前迄分散安定性の効果は持続されていることが明らかとなった。
カーボンブラック表面の官能基は揮発分として定義付けられ、その存在量は後述の揮発本の測定方法により測定できる。しかし、官能基の種類や含有量を測定する場合、通常の赤外スペクトル(IR)や核磁気共鳴スペクトル(NMR)などでは測定が非常に難しい。その理由はカーボンブラックがスペクトルを給してしまい充分なスペクトルが得られないからである。本発明者が官能基の種類を分析、同定する方法を鋭意検討した結果、TOF−SIMSにより可能となることが分かった。
本発明で用いるTOF−SIMSは、固体試料の最表面に存在する成分(原子、分子)を調べるための装置であり、ppmオーダーの極微量成分を検出することができ、有機物・無機物に適用できる。また、表面に存在する成分の分布を調べることができる。高真空中で、高速のイオンビーム(1次イオン)を固体試料表面に照射すると、スパッタリング現象によって表面の構成成分がはじき飛ばされ、このとき発生する正または負の電荷を帯びたイオン(2次イオン)を電場によって一方向に飛ばして、一定距離離れた位置で検出する。スパッタの際には、試料表面の組成に応じて様々な質量をもった2次イオンが発生するが、軽いイオンほど早く、反対に重いイオンほど遅い速度で飛んでいくので、2次イオンが発生してから検出されるまでの時間(飛行時間)を測定すれば、発生した2次イオンの質量を計算することができる。
従来のダイナミック2次イオン質量分析装置(Dynamic SIMS)ではイオン化の際に有機化合物が完全にバラバラになってしまうので、質量スペクトルから得られる化学構造情報は非常に乏しいのに対して、TOF−SIMSの場合には1次イオン照射量が著しく少ないため、有機化合物は化学構造を保った状態でイオン化され、質量スペクトルから有機化合物の構造を知ることができる。固体試料表面の最も外側で発生した2次イオンのみが、真空中へ飛び出すことができるので、試料の最表面(深さ数Å程度)の情報を得ることができる。また、イオンを検出する方法は、電子や光を検出する方法と比べて感度がよいため、TOF−SIMSは表面に存在するppmオーダーの微量成分を検出することができる。さらに、TOF−SIMSでは、1次イオンビームを走査することによって、試料表面のイオン像(マッピング)を測定することができる。
成膜液を加熱成型加工して作製された中間転写体中のカーボンブラックを単離、分析する方法に関して鋭意検討した。その結果、膜を硫酸で分解させカーボンブラックを単離する方法が一番カーボンブラックを変性させずに良好に取り出せる方法であると分かった。
本発明におけるこれらバインダー樹脂の使用量は、表面処理酸性カーボンブラック10重量部当り25重量部〜100重量部であり、好ましくは29重量部〜66重量部、より好ましくは33重量部〜50重量部である。バインダー樹脂の量がこの範囲を超えて過剰になると適性な電気抵抗値が達成されないことがあり、過少になると電気抵抗が低下し過ぎ、表面平滑性を損ない又は中間転写体の表面剛性が高すぎて転写トナーの受容性を損なう等の弊害を生じ勝ちになることが多い。
また、本発明においては、発明の目的達成を損なわない範囲で、該バインダー樹脂に他の(熱硬化性、熱可塑性の樹脂、例えばエポキシ、アクリル、ウレタン、塩ビ)等の樹脂材料を添加又は混練して用いることができ、その添加量又は混練量は、表面処理酸性カーボンブラックの性質及び量、バインダー樹脂及び硬化剤の種類及び量、中間転写体の使用態様にもよるが、通常、バインダー樹脂量の50%以下である。
ポリイミドは、一般的には芳香族多価カルボン酸無水物或いはその誘導体と芳香族ジアミンとの縮合反応によって得られる。しかし、その剛直な主鎖構造により不溶、不融の性質を持つため、酸無水物と芳香族ジアミンからまず有機溶媒に可溶なポリアミック酸(又はポリアミド酸〜ポリイミド前駆体)を合成し、この段階で様々な方法で成型加工が行われ、その後加熱若しくは化学的な方法で脱水環化(イミド化)することでポリイミドが得られる(化学式1参照)。
具体的にポリアミック酸の製造方法について説明する。
また、この反応において、上記添加手順とは逆に、まず芳香族多価カルボン酸無水物或いはその誘導体を有機溶媒に溶解または拡散させ、この溶液中に前記ジアミンの固体もしくは有機溶媒による溶液もしくはスラリーを添加させても良い。また、同時に反応させても良く、酸二無水物成分、ジアミン成分の混合順序は限定されない。
上記芳香族多価カルボン酸無水物或いはその誘導体と、芳香族ジアミン成分をほぼ等モル計量し、前記有機極性溶媒中に溶解する。本発明において、芳香族テトラカルボン酸二無水物と芳香族ジアミンの添加順序は限定されない。同時に添加してもよい。また、それぞれを溶解した有機極性溶媒を混合してもよい。
本発明にかかるポリアミック酸組成物は、上記のようにして、芳香族多価カルボン酸無水物或いはその誘導体と芳香族ジアミン成分とをおよそ等モル、有機極性溶媒中で重合反応により、ポリアミック酸組成物が有機極性溶媒中に均一に溶解しているポリアミック酸溶液が得られる。
それらは例えば、トレニース(東レ社製)、U−ワニス(宇部興産社製)、リカコート(新日本理化社製)、オプトマー(JSR社製)、SE812(日産化学社製)、CRC8000(住友ベークライト社製)等を代表的に挙げることができる。
具体的な例を挙げるならば、表面平坦性、レベリング性を向上させる目的で各種表面張力調節剤を添加することができる。これらの添加剤は一般的にはレベリング剤、消泡剤、塗膜欠陥改良剤として知られているものである。これらの中で特に好ましい添加剤はシリコーン系添加剤である。又、非シリコーン系添加剤でも、例えばグリセリン高級脂肪酸エステル類、高級アルコールホウ酸エステル類、含フッ素界面活性剤等が好適に用いられる。これらの添加量は0.001〜1%(対組成物重量)である。
また、補強剤として例えばガラス繊維、炭素繊維、芳香族ポリアミド繊維、炭化ケイ素繊維、チタン酸カリウム繊維、ガラスビーズを一種以上添加することもできる。
更に滑り性を改良する目的で、固体潤滑剤、例えば二硫化モリブデン、グラファイド、窒化ホウ素、一酸化鉛、鉛粉などを一種以上添加することができる。
本発明の目的を損なわない範囲で、酸化防止剤、熱安定剤、紫外線吸収剤、滑剤、着色剤などの通常の添加剤を一種以上添加することができる。
カーボンブラックの分散性を向上させる方法として、カップリング剤でカーボンブラックを処理する方法(特開昭63−175869号公報、特開昭63−158566号公報、英国特許第1583564号明細書、第1583411号明細書記載)などが検討されているが、これらは処理後のカーボンブラックの重合性単量体への分散がまだ不完全であり、コストが高いという問題があった。また、カーボンブラックの存在下に単量体成分を使用する方法(特開昭64−6965号公報、西独特許第3102823号明細書記載)も提案されているが、この方法ではグラフト効率が悪いため、シランカップリング処理後のカーボンブラックの重合性単量体への分散は不充分であった。また、カーボンブラックの表面官能基を利用して、高分子反応により有機化合物と反応させることでカーボンブラックを処理する方法(特開平1−284564号公報、特開平5−241378号公報)なども検討されている。
加熱によりイミド化を完結させるためには、本質的に用いるポリイミドのガラス転移温度以上に加熱しなければ、そのポリイミドの本来的な性能を発揮することができない。
イミド化の程度を評価するには通常イミド化率を測定すればよい。
イミド化率の測定方法は種々知られており、9〜11ppm付近のアミド基に帰属される1Hと6〜9ppm付近の芳香環に帰属される1Hとの積分比から算出する核磁気共鳴分光法(NMR法)、フーリエ変換赤外分光法(FT−IR法)、イミド閉環に伴う水分を定量する方法、カルボン酸中和滴定法があるが、最も一般的には、アニオン性カーボンブラック表面に修飾基として導入された各種ヒドロキシ基や各種カルボニル基同定の場合と同様に、フーリエ変換赤外分光法(FT−IR法)が用いられる。
フーリエ変換赤外分光法(FT−IR法)ではイミド化率を次のように定義することができる。
(1)イミドの特性吸収の1つである725cm−1(イミド環C=O基の偏角振動帯)とベンゼン環の特性吸収1,015cm−1との吸光度比
(2)イミドの特性吸収の1つである1,380cm−1(イミド環C−N基の偏角振動帯)とベンゼン環の特性吸収1,500cm−1との吸光度比
(3)イミドの特性吸収の1つである1,720cm−1(イミド環C=O基の偏角振動帯)とベンゼン環の特性吸収1,500cm−1との吸光度比
(4)イミドの特性吸収の1つである1,720cm−1とアミド基の特性吸収1,670cm−1(アミド基N−H偏角振動とC−N伸縮振動の間の相互作用)との吸光度比等を用いてイミド化率を評価することができる。
また、3000〜3300cm−1にかけてのアミド基由来の多重吸収帯が消失していることを確認すれば更にイミド化完結の信頼性は高まる。
(フッ素変性PIの説明)
ポリイミドは、一般的には芳香族多価カルボン酸無水物或いはその誘導体と芳香族ジアミンとの縮合反応によって得られる。(化学式2参照)
例えば芳香族多価カルボン酸無水物として最も代表的なテトラカルボン酸二無水物の例を挙げると、エチレンテトラカルボン酸二無水物、シクロペンタンテトラカルボン酸二無水物、ピロメリット酸二無水物、3,3’,4,4’−ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物、2,2’,3,3’−ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物、3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、2,2’,3,3’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、2,2−ビス(2,3−ジカルボキシフェニル)プロパン二無水物、ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)エーテル二無水物、ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)スルホン二無水物、1,1−ビス(2,3−ジカルボキシフェニル)エタン二無水物、ビス(2,3−ジカルボキシフェニル)メタン二無水物、ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)メタン二無水物、2,2−ビス(3,4−ジカルボキシルフェニル)−1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロプロパン二無水物、2,3,6,7−ナフタレンテトラカルボン酸二無水物、1,4,5,8−ナフタレンテトラカルボン酸二無水物、1,2,5,6−ナフタレンテトラカルボン酸二無水物、1,2,3,4−ベンゼンテトラカルボン酸二無水物、3,4,9,10−ペリレンテトラカルボン酸二無水物、2,3,6,7−アントラセンテトラカルボン酸二無水物、1,2,7,8−フェナントレンテトラカルボン酸二無水物等が挙げられる。これらは単独あるいは2種以上混合して用いられる。
本発明の少なくとも表面に用いられるポリイミド変性シリコーン樹脂は、下記の一般式で表わすことができる。
ポリイミド変性シリコーン樹脂の構造中、R2〜R5はメチル基が好適である。シロキサン構造の側鎖によって、表面特性特に摩擦係数を低減することが可能で、中間転写体の場合前述したように多くの当接部材があるために、駆動トルク等を小さくするにはその摩擦係数は0.2〜0.4の範囲であることが好ましい。ポリイミド変性シリコーン樹脂においては、シロキサンユニットとしてR2〜R5にメチル基を導入した、ジメチルシロキサンモノマー成分を用いることでそれが可能になる。
このようなポリイミド変性シリコーン樹脂は、シロキサンジアミン、芳香族ジアミン、テトラカルボン酸二無水物とからなる混合物を原料として製造することができる。
シロキサンジアミン化合物としては、
が一般式として示され、具体的には、ビス(3−アミノプロピル)テトラメチルジシロキサン、ビス(10−アミノデカメチレン)テトラメチルジシロキサン、アミノプロピル末端基を有するジメチルシロキサン4量体、8量体、ビス(3−アミノフェノキシメチル)テトラメチルジシロキサン等が挙げられる。
前記芳香族ジアミンとしては、特に、1,4−ジアミノジフェニルエーテル、1,3−ジアミノジフェニルエーテルなどのジフェニルエーテル系ジアミン化合物、1,3−ジ(4−アミノフェノキシ)ベンゼン、1,4−ビス(4−アミノフェノキシ)ベンゼンなどのジ(フェノキシ)ベンゼン系ジアミン化合物、2,2−ビス〔4−(4−アミノフェノキシ)フェニル〕プロパン、2,2−ビス〔4−(3−アミノフェノキシ)フェニル〕プロパン等のビス(フェノキシフェニル)プロパン系ジアミン系化合物を挙げることができる。
架橋剤の添加量は、ポリイミド変性シリコーン樹脂100重量部に対して0.5重量部以上10重量部以下が好ましい。添加量が0.5重量部を下回ると架橋性が充分ではなくなり、10重量部を越えると余剰の架橋剤が中間転写体の離型性に悪影響を及ぼす。
ポリアミドイミドは分子骨格中に剛直なイミド基と柔軟性を付与するアミド基を有する樹脂であり、本発明に用いられるポリアミドイミドは一般的なものを使用することができる。
ポリアミドイミド樹脂を合成する方法として一般的に、(1)イソシアネート法〜酸無水物基を有する3価のカルボン酸の誘導体と芳香族イソシアネートより溶媒中で製造する方法(例えば特公昭44−19274号公報)(2)酸クロライド法〜酸無水物基を有する3価のカルボン酸の誘導体ハライド、最も代表的には前記誘導体クロライドとジアミンから溶媒中で製造する方法(例えば特公昭42−15637号公報)が用いられる。各製造方法について説明する。
酸無水物基を有する3価のカルボン酸の誘導体としては、例えば一般式(I)及び(II)で示す化合物を使用することができる。
これらは何れも使用することができるが最も代表的には無水トリメリット酸が用いられる。
また、これらの酸無水物基を有する3価のカルボン酸の誘導体は、目的に応じて単独又は混合して用いられる。
酸無水物基を有する3価のカルボン酸の誘導体ハライドとしては、例えば一般式(III)及び(IV)で示す化合物を使用することができる。
ハロゲン元素はクロライドが好ましく、具体例を挙げるとテレフタル酸、イソフタル酸、4、4’ビフェニルジカルボン酸、4、4’ビフェニルエーテルジカルボン酸、4、4’ビフェニルスルホンジカルボン酸、4、4’ベンゾフェノンジカルボン酸、ピロメリット酸、トリメリット酸、3、3’、4、4’ベンゾフェノンテトラカルボン酸、3、3、’、4、4’ビフェニルスルホンテトラカルボン酸、3、3’、4、4’ビフェニルテトラカルボン酸、アジピン酸、セバチン酸、マレイン酸、フマール酸、ダイマー酸、スチルベンジカルボン酸、1、4シクロヘキサンジカルボン酸、1、2シクロヘキサンジカルボン酸等の多価カルボン酸の酸クロライドが挙げられる。
芳香族ジアミンとしては、m−フェニレンジアミン、p−フェニレンジアミン、オキシジアニリン、メチレンジアミン、ヘキサフルオロイソプロピリデンジアミン、ジアミノ−m−キシリレン、ジアミノ−p−キシリレン、1,4−ナフタレンジアミン、1,5−ナフタレンジアミン、2,6−ナフタレンジアミン、2,7−ナフタレンジアミン、2,2’−ビス−(4−アミノフェニル)プロパン、2,2’−ビス−(4−アミノフェニル)へキサフルオロプロパン、4,4’−ジアミノジフェニルスルホン、4,4’−ジアミノジフェニルエーテル、3,3’−ジアミノジフェニルスルホン、3,3’−ジアミノジフェニルエーテル、3,4−ジアミノビフェニル、4,4’−ジアミノベンゾフェノン、3,4−ジアミノジフェニルエーテル、イソプロピリデンジアニリン、3,3’−ジアミノベンゾフェノン、o−トリジン、2,4−トリレンジアミン、1,3−ビス−(3−アミノフェノキシ)ベンゼン、1,4−ビス−(4−アミノフェノキシ)ベンゼン、1,3−ビス−(4−アミノフェノキシ)ベンゼン、2,2−ビス−[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]プロパン、ビス−[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]スルホン、ビス−[4−(3−アミノフェノキシ)フェニル]スルホン、4,4’−ビス−(4−アミノフェノキシ)ビフェニル、2,2’−ビス−[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]へキサフルオロプロパン、4,4’−ジアミノジフェニルスルフィド、3,3’−ジアミノジフェニルスルフィドなどが挙げられる。又ジアミンとして両末端にアミノ基を有するシロキサン系化合物、例えば1,3−ビス(3−アミノプロピル)−1,1,3,3−テトラメチルジシロキサン、α,ω−ビス(3−アミノプロピル)ポリジメチルシロキサン、1,3−ビス(3−アミノフェノキシメチル)−1,1,3,3−テトラメチルジシロキサン、α,ω−ビス(3−アミノフェノキシメチル)ポリジメチルシロキサン、1,3,−ビス(2−(3−アミノフェノキシ)エチル)−1,1,3,3−テトラメチルジシロキサン、α,ω−ビス(2−(3−アミノフェノキシ)エチル)ポリジメチルシロキサン、1,3−ビス(3−(3−アミノフェノキシ)プロピル)−1,1,3,3−テトラメチルジシロキサン、α,ω−ビス(3−(3−アミノフェノキシ)プロピル)ポリジメチルシロキサン等を用いればシリコーン変性ポリアミドイミドを得ることができる。
即ち本発明は、揮発分が7〜25%、一次粒子径1〜30nm、比表面積10〜200m2/g、吸油量30〜180cm3/100g、pH5以下のカーボンブラック、シランカップリング剤、ポリイミド樹脂またはポリアミドイミド樹脂、水溶性有機溶剤を少なくとも含み、前記酸性カーボンブラックと前記シランカップリング剤との割合が1%以下、前記シランカップリングと前記カーボンブラックの比表面積の値が1〜30μmol/m2の範囲にあることを特徴とする中間転写体形成用成膜液組成物である。
カーボンブラックとして揮発分が7〜25%、一次粒子径1〜30nm、比表面積10〜200m2/g、吸油量30〜180cm3/100g、pH5以下の揮発性酸成分を主とするカーボンブラックを用いること、
カーボンブラック、シランカップリング剤、ポリイミド樹脂またはポリアミドイミド樹脂、水溶性有機溶剤を少なくとも含んだ中間転写体成膜液組成物のカーボンブラック分散性において、前記酸性カーボンブラックと前記シランカップリング剤との割合が1%以下、
前記シランカップリングと前記カーボンブラックの比表面積の値が1〜30μmol/m2の範囲にあることによって、カーボンブラックが自己分散型分散を示し分散安定性が良好な成膜液組成物を作成できること、
この中間転写体成膜液組成物を成型加工することにより、抵抗均一性が高い中間転写体が成型できることを見い出し本発明に至った。
カーボンブラックのpHが5以下であると抵抗均一性が高くなる理由は定かでないが、推測するところでは、このようなカーボンブラックではpHを左右する表面酸性基が多く存在するため、顔料粒子自体の成膜液溶媒への親和性が上がり、このために微分散が可能になり、その結果、抵抗均一性が上がると思われる。
カーボンブラックの揮発分が7重量%以上であると抵抗均一性が高くなる理由は定かでないが、推測するところでは、このようなカーボンブラックでは表面酸性基が多く存在するため、顔料粒子自体の成膜液溶媒への親和性が上がり、そのために微分散が可能になり、その結果、抵抗均一性が上がると思われる。
ここで、本発明で言うカーボンブラックのpHとは、以下の測定法によって得られる値を意味する。
即ち、カーボンブラック試料1〜10gをビーカーに量り採り、試料1gにつき10mlの割合で水を加え、時計皿で覆い、15分間煮沸する(試料をぬれやすくするため、エタノール数滴を加えてもよい)。煮沸後室温まで冷却し、傾斜法又は遠心分離法によって上澄み液を除去して、泥状物を残す。この泥状物中にガラス電極pH計の電極を入れ、JISZ8802(pH測定法)によってpHを測定する。この場合、電極の挿入位置により測定値が変化することがあるから、ビーカーを動かして電極の位置を変えて電極面の泥状面が充分に接触するように注意して量り、pH値が一定になったときの値を読む。
また、とりわけ揮発分が7%〜25%の範囲、より好ましくは15%〜20%の範囲のカーボンブラックを用いて本発明の成膜液を調整し、中間転写体を作成すると抵抗均一性の高い中間転写体が得られる。
更に、成膜液を遠心成型法等で中間転写体に成型加工する方法にあっては、揮発分が25重量%を超えるカーボンブラックで成膜液を作成しても、抵抗均一性はこれ以上が高くなり易いので、揮発分が7〜25%の範囲にあるカーボンブラックを用いることが特に望ましい。これは、揮発成分が余り多いとカーボンブラックの分散性の阻害の原因となるためであると考えられる。
ここで、本発明で言うカーボンブラックの揮発分とは以下の測定方法によって得られる値を意味する。即ちカーボンブラックの乾燥試料を白金るつぼ又はそれと同形、同容量の落としふた付き磁器るつぼにふた下2mmを超えない程度まで打振して詰め、その質量を量る。これにふたをして電気炉に入れ、950±25℃で正確に7分間加熱した後取出し、デジケーター中で室温になるまで放冷して加熱後の質量を量り、次の式によって揮発分を算出する。
酸性カーボンブラックの製造方法は、カーボンブラックは一般にチヤンネルブラック法、フアーネスブラック法を用いて行われる。チヤンネルブラック法は天然ガス、タウンガスや炭化水素を原料として部分燃焼させて冷たい面に衝突させる。フアーネスブラック法は天然ガスや石油留分を原料として高温雰囲気に保たれ密閉式反応炉中に原料を噴霧し、熱分解する。
さらに、これらのカーボンブラックを硝酸等で酸化処理を行い所望の酸性度を得る。
更に本発明では、カーボンブラックを分散するために使用する高分子活性剤の重量平均分子量は5000から100000、さらに好ましくは10000から50000の範囲でなければならないことをも見い出した。
高分子活性剤は一般に、平均分子量が高くなると、同一量を水溶性有機溶剤に溶解させたときの粘度が高くなる。また、高分子活性剤はカーボンブラックを分散させたときにカーボンブラックの周囲に吸着しカーボンブラックを立体障害により安定に分散させる役割を有しているため、高分子活性剤の分子量が大きくなるということは吸着層が厚くなり分散体の粒子径が大きくなることを意味している。
特に、酸性を示すカーボンブラックは表面に多くの酸性基を有しているために本発明に用いられる高分子活性剤に付加されているカルボキシル基とは反発する関係にあり、その粒子径はさらに広がる傾向にある。
つまり、本発明の成膜液組成物の如く、酸性カーボンブラックを使用する場合には、高分子活性剤の平均分子量を小さいものにして成膜液の粘性、分散体の粒子径を小さくしなけば良好な分散安定性が得られず、しかも前述のように高分子活性剤はカーボンブラックの周囲に吸着し立体障害の働きをしなくてはならないために平均分子量が小さ過ぎては長期保存における分散安定性が悪くなってしまうような特性がある。
以上の如きカーボンブラックに未吸着の高分子活性剤は水溶性有機溶剤中に分散又は溶解される。
水溶性有機溶剤としては、後述のとおりである。
多くの有機溶剤の中でも有機アミン類は、本発明の成膜液中に、好ましくは0.001〜10重量%含有されても良い。
また、本発明の成膜液は上記の成分の他に必要に応じて所望の物性値を持つ成膜液とするために、界面活性剤、消泡剤、防腐剤などを添加することも可能である。
界面活性剤としては脂肪酸塩類、高級アルコール硫酸エステル塩類、液体脂肪油硫酸エステル塩類、アルキルアリルスルホン酸塩類等の陰イオン界面活性剤、ポリオキシエチレンアルキルエーテル類、ポリオキシエチレンアルキルエステル類、ポリオキシエチレンソルビタンアルキルエステル類等の非イオン性界面活性剤があり、これらの1種または2種以上を適宜選択して使用でき。その使用量は分散剤により異なるが、成膜液全量に体して0.01から5重量%が望ましい。
(1)「シランカップリング剤とカーボンブラックの比率が1wt%以下(シランカップリング剤/カーボンブラック)の範囲にある中間転写体」
(2)「シランカップリング剤とカーボンブラックの比表面積の値が1〜30mol/m2(シランカップリング剤/カーボンブラック)の範囲にある中間転写体」
(3)「界面活性剤とカーボンブラックの比率が2wt%以下(界面活性剤/カーボンブラック)の範囲にある中間転写体」
の検討を行なった。
つまり、カーボンブラックに対して多量に余剰の活性剤が成膜液中に存在すると、成型加工時においてカーボンブラックの分散安定性とポリイミドの硬化に悪影響を与える原因となっていた。
さらに、最適な硬化が可能な成膜液の性能を鋭意研究した結果、成膜液中に溶解している活性剤の量を成膜液全重量の2%以下、好ましくは1%以下とすることである。
溶解している活性剤とは、成膜液中において顔料に反応していないで液媒体中に溶解した状態の活性剤を指す。
さらに、分散液中のカーボンブラックと活性剤の総量は10%以上であることが好ましい。その理由としては、分散液中に一定濃度以上のカーボンブラックと活性剤が存在しないと分散を効率的に行い最適な分散状態を得ることができないからである。
とりわけ未吸着活性剤量を2%以下にするためには、作成方法において、樹脂、アミンあるいは塩基等を含むビヒクルを60℃以上、30分間以上撹拌して活性剤を予め完全に溶解させることが必要である。
また、分散液に添加される塩基としては、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化リチウム等のアルカリ金属塩の水和物などの無機アルカリ剤が好ましい。
一方、本発明に使用する分散機は、一般に使用される分散機なら如何なるものでも良いが、たとえばボールミル、ロールミル、サンドミルなどが挙げられる。
その中でも高速型のサンドミルが好ましく、たとえばスーパーミル、サンドグラインダー、ビーズミル、アジテータミル、グレンミル、ダイノーミル、パールミル、コボルミル(いずれも商品名)等が挙げられる。
なお、本発明に係る未吸着樹脂の量を測定する方法としては、超遠心機等を用いて顔料分と顔料に吸着された樹脂分を沈殿させ、この上澄み液に含有される残存樹脂量をTOC(Total Organic Carbon、全有機炭素計)や、重量法(上澄みを蒸発乾固させ、樹脂量を測定する方法)などが好適に用いられる。
本発明の半導電性ベルトは、少なくとも表面層に導電性微粉末としてカーボンブラックを均一に分散させたポリイミド樹脂層を有する半導電性ベルトであり、単層であっても2層以上の複数層を有していてもよい。カーボンブラックとしては、一般的にカーボンブラックの一次粒子径は10nm〜1μmであるが、分散液や樹脂中に混入する場合、カーボンブラックの分散時に凝集を発生することがある。本発明では、半導電性ベルトとしてポリイミド樹脂中に分散されているカーボンブラックの粒子径が10〜300nmであることが好ましい。300nmを超えると半導電性ベルトの製造工程中に表面層に存在する粒子径の大きなカーボンブラックがベルト表面の突起となり、表面精度の悪化や抵抗の不均一化、さらには半導電性ベルトの電気的負荷による抵抗の低下を引き起こす原因となることがある。また、10nm未満だと所望の抵抗値を得るには添加量が過大で中間転写体の機械特性が低下してしまう。
本発明のポリイミド樹脂組成物は,導電性物質としてカーボンブラックを含有する。
カーボンブラックとしては、チャンネルブラックまたはファーネスブラックが好ましい。ファーネスブラックについては、酸化処理を施したものを用いると、溶媒への分散性が向上されるため、適宜酸化処理を行ったものが好ましい。さらに、酸化処理を施したファーネスブラックは、処理によってその表面に酸素を含有した官能基(カルボキシル基、ケトン基、ラクトン基、水酸基等)が付与されるため、極性溶媒との親和性がよく、かつ電気的負荷等によりカーボンブラック表面が酸化劣化を受け難くなる。そのようなカーボンブラックを半導電性ベルトに使用すると、導電経路の形成が起き難くなって、抵抗低下を防ぐことができる。
前記平均粒子径は、電子顕微鏡などで測定された一次粒子径に基づく平均粒子径を示す。また、前記カーボンブラックは、粒子表面をスチレンやメタクリル酸メチル等のポリマーでシランカップリング処理したり、絶縁材を被覆したりすることで電気抵抗を制御してもよく、カーボンブラック粒子表面に酸化処理を施してもよい。
以下、本発明のポリイミド樹脂組成物及びシームレスベルトの製造方法の一例を説明する。
まず、前記有機極性溶媒中にカーボンブラック及び適宜高分子分散剤を添加、分散してカーボンブラック分散液を調製する。
分散方法としては公知の方法が適用でき、ボールミル、サンドミル、バスケットミル、超音波分散等が挙げられる。
次に、前記カーボンブラック分散液に、前記酸二無水物及びジアミンを溶解し、混合・撹拌して重合反応を進行させ、ポリアミド酸溶液を得る。
各原料の配合量に関しては、最終的に得られるポリイミド樹脂組成物の目的とする用途により、これに適合した組成を実験的に検討する必要がある。例えば、表面抵抗率の常用対数値が8〜12(logΩ/□)、体積抵抗率の常用対数値が7〜11(logΩ・cm)であるシームレスベルトを得るためのカーボンブラックの添加量は、ポリイミド樹脂固形分に対し10〜40重量%程度が好ましく、13〜30重量%がより好ましい。10重量%より少ないと、前記抵抗領域を発現するためには高導電性カーボンブラックを用いる必要があり、このような高導電性カーボンブラックを低添加量で加えると、安定した抵抗を再現よく製造するのが困難となる場合がある。一方、40重量%より多いと、ポリイミド樹脂本来の高い機械特性が損なわれ、脆性が発現し、ベルトを複数の駆動ローラ等により駆動する際にベルト端面に亀裂を生じることがある。
溶媒の除去のための加熱温度は、適用した溶媒を蒸発させることができる温度であれば特に制限はなく適宜に設定できる。ポリアミド酸溶液中の溶媒が急激に蒸発するための微小ボイドの発生を防止するためには230℃以下が好ましく、加熱時間の短縮という観点から80℃以上が好ましい。加熱時間は加熱温度に応じて適宜設定され、通常、10〜60分程度である。
次いで、イミド転化反応完結や閉環水の除去のために、加熱する。通常、この時の加熱温度は上記溶媒蒸発温度以上から450℃以下、好ましくは250〜400℃、加熱時間は10〜60分である。
ポリイミド樹脂組成物を様々な形状の成形物にするには、各々公知の成形法を用いる。 例えば、フィルムやベルト等の薄膜を得るには、ガラス板若しくは銅板等の平板、エンドレスベルト又は円筒状金型等に前記ポリアミド酸溶液を塗布等することにより被膜を形成した後、加熱による溶媒除去、イミド転化反応、閉環水除去を行なうことにより、ポリイミド樹脂組成物からなるフィルムやベルトを得ることができる。また、シームレスベルトを得るには、円筒状金型内面にポリアミド酸溶液を流延又は塗布後、金型を回転させる方法や弾丸状走行体を自重若しくは気体圧により走行させる方法、又は円柱状金型をポリアミド酸溶液に浸漬した後、引き上げて環状金型等により成形する方法等により被膜を形成した後、加熱による溶媒除去、イミド転化反応、閉環水除去を行なうことにより、ポリイミド樹脂組成物からなるシームレスベルトを得ることが挙げられ、適宜選択することができる。
本発明のシームレスベルトは、積層することにより多層化することも可能であるが、少なくとも最外表面は、前記ポリイミド樹脂組成物からなる。
1) 揮発分が7〜25%、一次粒子径1〜30nm、比表面積10〜200m2/g、吸油量30〜180cm3/100g、pH5以下のカーボンブラック、シランカップリング剤、ポリイミド樹脂またはポリアミドイミド樹脂、水溶性有機溶剤を少なくとも含むこと。
2) 前記シランカップリングで処理したカーボンブラックが自己分散型カーボンブラックであること。
3) 前記カップリング処理したカーボンブラックの組成物中の体積平均粒子径が200〜400nm、数平均粒子径が100〜300nm、算術平均粒子径が200〜400nmの範囲にあること。
4) 前記シランカップリング剤と前記カーボンブラックの比率が1wt%以下(シランカップリング剤/カーボンブラック)の範囲にあること。
5) 前記シランカップリング剤と前記カーボンブラックの比表面積の値が1〜30μmol/m2の範囲にあること。
6) 前記シランカップリング剤が、窒素原子を含有するシランカップリング剤であること。
7) 前記シランカップリング剤が、N−(2−アミノエチル)−3−アミノプロピルトリメトキシシラン、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、(N−フェニル−γ−アミノプロピル)トリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシランから選ばれる少なくとも一種類以上のシランカップリング剤を含有すること。
8) 前記組成物がアニオン系界面活性剤またはノニオン系界面活性剤を含有すること。
9) 前記界面活性剤と前記カーボンブラックの比率が2wt%以下(界面活性剤/カーボンブラック)の範囲にあること。
10) 前記活性剤が、アセチレングリコール系界面活性剤、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル、ポリエチレン−ポリプロピレン共重合樹脂、フッ素系界面活性剤、シリコン系界面活性剤から選ばれる少なくとも一種類の界面活性剤を含有すること。
11) 前記成膜液組成物の表面張力が25〜50mN/mの範囲にあること。
12) 前記極性有機溶剤がn−メチル−2−ピロリドン或はジメチルアセトアミドから選ばれること。
13) 請求項1から12に記載の製膜液組成物を加熱、硬化させて形成加工すること。
14) 前記形成方法が遠心成型方法であること。
15) 前記中間転写体中のカーボンブラックの一次粒子径が電子顕微鏡観察において5〜50nmの範囲にあること。
16) 前記中間転写体の表面(裏面)抵抗が108〜1012Ω/□であること。
17) 前記中間転写体の体積抵抗が107〜1011Ω・cmであること。
温度計、攪拌羽根、冷却管を備え付けたバッチ式卓上サンドミル(株式会社カンペハピオ製)に、カーボンブラック(Special Black 4 デグサ製)60部、シランカップリング剤A−1122(日本ユニカー製:N−(2−アミノエチル)−3−アミノプロピルトリメトキシシラン)0.6部、n−メチル−2−ピロリドン(NMP:関東化学製試薬特級)350部、界面活性剤(日本油脂製:ナイミーンL−201)0.6部、ポリイミド樹脂溶液(宇部興産製:UワニスA固形分18.3%)60部、をそれぞれ仕込み分散させた。続いてシルコニア製ビーズ(株式会社ニッカトー:YTZボール0.3mm径)328部をベッセル内に仕込んだ。回転数300rpmで攪拌しながら、25℃で4時間シランカップリング処理反応を行なった。続いて反応内容物とジルコニア製ビーズを分離しシランカップリング処理カーボンブラック分散液(1)を得た。シランカップリング剤とカーボンブラックの比表面積の値は16.3μmol/m2であった。
カーボンブラック:(Special Black 4 デグサ製) 60部
シランカップリング剤:A−1122
(日本ユニカー製:
N−(2−アミノエチル)−3−アミノプロピルトリメトキシシラン)
0.6部
n−メチル−2−ピロリドン:(NMP:関東化学製試薬特級) 350部
界面活性剤:(日本油脂製:ナイミーンL−201) 0.6部
ポリイミド樹脂溶液:(宇部興産製:UワニスA固形分18.3%) 60部
シルコニア製ビーズ:(株式会社ニッカトー:YTZボール0.3mm径)328部
前記合成例1において、カーボンブラック、シランカップリング剤、界面活性剤を下記のもとする以外は前記合成例1と同様の操作を行ないシランカップリング処理カーボンブラック分散液(2)を得た。シランカップリング剤とカーボンブラックの比表面積の値は12.1μmol/m2であった。
カーボンブラック:(MA7 三菱化学製) 60部
シランカップリング剤:A−1100
(日本ユニカー製:γ−アミノプロピルトリエトキシシラン) 0.6部
界面活性剤:(日本ユニカー製:シルウェットL−77) 0.6部
前記合成例1において、カーボンブラック、シランカップリング剤、界面活性剤を下記のもとする以外は前記合成例1と同様の操作を行ないシランカップリング処理カーボンブラック分散液(3)を得た。シランカップリング剤とカーボンブラックの比表面積の値は5.3μmol/m2であった。
カーボンブラック:(#2400B 三菱化学製) 60部
シランカップリング剤:Y−9669
(日本ユニカー製:
(N−フェニル−γ−アミノプロピル)トリメトキシシラン) 0.6部
界面活性剤:(日本油脂製:マリアリムAFB−1521) 1.0部
前記合成例1において、カーボンブラック、シランカップリング剤、界面活性剤を下記のもとする以外は前記合成例1と同様の操作を行ないシランカップリング処理カーボンブラック分散液(4)を得た。シランカップリング剤とカーボンブラックの比表面積の値は10.7μmol/m2であった。
カーボンブラック:(MA100 三菱化学製) 60部
シランカップリング剤:A−187
(日本ユニカー製:γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン) 0.6部
界面活性剤:(日本油脂製:ブレンマーCP−50M) 1.0部
前記合成例1において、カーボンブラック、シランカップリング剤、界面活性剤を下記のもとする以外は前記合成例1と同様の操作を行ないシランカップリング処理カーボンブラック分散液(5)を得た。シランカップリング剤とカーボンブラックの比表面積の値は18.5μmol/m2であった。
カーボンブラック:(Special Black 4 デグサ製) 60部
シランカップリング剤:A−1122
(日本ユニカー製:
N−(2−アミノエチル)−3−アミノプロピルトリメトキシシラン)0.6部
界面活性剤:(日本油脂製:エレクトールMZ−2) 1.0部
前記合成例1において、カーボンブラック、シランカップリング剤、界面活性剤を下記のもとする以外は前記合成例1と同様の操作を行ないシランカップリング処理カーボンブラック分散液(6)を得た。シランカップリング剤とカーボンブラックの比表面積の値は21.3μmol/m2であった。
カーボンブラック:(酸化処理品I東海カーボン製) 60部
シランカップリング剤:A−1100
(日本ユニカー製:γ−アミノプロピルトリエトキシシラン) 0.6部
界面活性剤:(楠本化成製:ディスパロンDA−375) 1.2部
前記合成例1において、カーボンブラック、シランカップリング剤、界面活性剤を下記のもとする以外は前記合成例1と同様の操作を行ないシランカップリング処理カーボンブラック分散液(7)を得た。シランカップリング剤とカーボンブラックの比表面積の値は15.8μmol/m2であった。
カーボンブラック:(酸化処理品II東海カーボン製) 60部
シランカップリング剤:Y−9669
(日本ユニカー製:
(N−フェニル−γ−アミノプロピル)トリメトキシシラン) 0.6部
界面活性剤:(東邦化学製:ソルポールT−15) 0.6部
前記合成例1において、カーボンブラック、シランカップリング剤、界面活性剤を下記のもとする以外は前記合成例1と同様の操作を行ないシランカップリング処理カーボンブラック分散液(8)を得た。シランカップリング剤とカーボンブラックの比表面積の値は7.5μmol/m2であった。
カーボンブラック:(酸化処理品III東海カーボン製) 60部
シランカップリング剤:A−187
(日本ユニカー製:γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン) 0.6部
界面活性剤:(日本油脂製:ナイミーンS−202) 0.6部
合成例1で得られたシランカップリング処理カーボンブラック分散液(1)を下記成分に均一に混合し成膜液(A)を得た。
(成膜液の作成)
シランカップリング処理カーボンブラック分散液(1) 20部
ポリイミド樹脂溶液(宇部興産製:UワニスA固形分18.3%) 37部
ポリイミド樹脂溶液(宇部興産製:UワニスA固形分18.1%) 37部
シリコーン系レべリング剤(日本ユニカー製:シルウェットFZ−2105)
0.01部
N−メチル−2−ピロリドン(NMP:関東化学試薬特級) 10部
合成例2で得られたシランカップリング処理カーボンブラック分散液(2)を下記成分に均一に混合し成膜液(B)を得た。
(成膜液の作成)
シランカップリング処理カーボンブラック分散液(2) 20部
ポリイミド樹脂溶液(宇部興産製:UワニスA固形分18.3%) 39部
ポリイミド樹脂溶液(宇部興産製:UワニスA固形分18.1%) 39部
シリコーン系レべリング剤(日本ユニカー製:シルウェットFZ−2105)
0.01部
N−メチル−2−ピロリドン(NMP:関東化学試薬特級) 2部
合成例3で得られたシランカップリング処理カーボンブラック分散液(3)を下記成分に均一に混合し成膜液(C)を得た。
(成膜液の作成)
シランカップリング処理カーボンブラック分散液(3) 20部
ポリイミド樹脂溶液(宇部興産製:UワニスA固形分18.3%) 37部
ポリイミド樹脂溶液(宇部興産製:UワニスA固形分18.1%) 37部
シリコーン系レべリング剤(日本ユニカー製:シルウェットFZ−2105)
0.01部
N−メチル−2−ピロリドン(NMP:関東化学試薬特級) 6部
合成例4で得られたシランカップリング処理カーボンブラック分散液(4)を下記成分に均一に混合し成膜液(D)を得た。
(成膜液の作成)
シランカップリング処理カーボンブラック分散液(4) 20部
ポリイミド樹脂溶液(宇部興産製:UワニスA固形分18.3%) 40部
ポリイミド樹脂溶液(宇部興産製:UワニスA固形分18.1%) 40部
シリコーン系レべリング剤(日本ユニカー製:シルウェットFZ−2105)
0.01部
合成例5で得られたシランカップリング処理カーボンブラック分散液(5)を下記成分に均一に混合し成膜液(E)を得た。
(成膜液の作成)
シランカップリング処理カーボンブラック分散液(5) 20部
ポリイミド樹脂溶液(宇部興産製:UワニスA固形分18.3%) 37部
ポリイミド樹脂溶液(宇部興産製:UワニスA固形分18.1%) 37部
シリコーン系レべリング剤(日本ユニカー製:シルウェットFZ−2105)
0.01部
N−メチル−2−ピロリドン(NMP:関東化学試薬特級) 6部
合成例6で得られたシランカップリング処理カーボンブラック分散液(6)を下記成分に均一に混合し成膜液(F)を得た。
(成膜液の作成)
シランカップリング処理カーボンブラック分散液(6) 20部
ポリイミド樹脂溶液(宇部興産製:UワニスA固形分18.3%) 37部
ポリイミド樹脂溶液(宇部興産製:UワニスA固形分18.1%) 37部
シリコーン系レべリング剤(日本ユニカー製:シルウェットFZ−2105)
0.01部
合成例7で得られたシランカップリング処理カーボンブラック分散液(7)を下記成分に均一に混合し成膜液(G)を得た。
(成膜液の作成)
シランカップリング処理カーボンブラック分散液(7) 20部
ポリイミド樹脂溶液(宇部興産製:UワニスA固形分18.3%) 39部
ポリイミド樹脂溶液(宇部興産製:UワニスA固形分18.1%) 39部
シリコーン系レべリング剤(日本ユニカー製:シルウェットFZ−2105)
0.01部
N−メチル−2−ピロリドン(NMP:関東化学試薬特級) 2部
合成例8で得られたシランカップリング処理カーボンブラック分散液(8)を下記成分に均一に混合し成膜液(H)を得た。
(成膜液の作成)
シランカップリング処理カーボンブラック分散液(8) 20部
ポリイミド樹脂溶液(宇部興産製:UワニスA固形分18.3%) 39部
ポリイミド樹脂溶液(宇部興産製:UワニスA固形分18.1%) 39部
シリコーン系レベリング剤(日本ユニカー製:シルウェットFZ−2105)
0.01部
シランカップリング処理カーボンブラック合成例1においてカーボンブラック(Special Black 4 デグサ製)の代わりにカーボンブラック(ColorBlackFW2デグサ製)とし、シランカップリング剤を用いない以外は同合成例1と同様の操作を行ないカーボンブラック分散液(9)を得た。カーボンブラック分散液(9)を下記成分を均一に混合し成膜液(I)を得た。
(成膜液の作成)
処理カーボンブラック分散液(9) 20部
ポリイミド樹脂溶液(宇部興産製:UワニスA固形分18.3%) 37部
ポリイミド樹脂溶液(宇部興産製:UワニスA固形分18.1%) 37部
シリコーン系レべリング剤(日本ユニカー製:シルウェットFZ−2105)
0.01部
N−メチル−2−ピロリドン(NMP:関東化学試薬特級) 10部
シランカップリング処理カーボンブラック合成例2においてカーボンブラック(MA7 三菱化学製)の代わりにカーボンブラック(Special Black 5 デグサ製)とし、シランカップリング剤を用いない以外は同合成例2と同様の操作を行ないカーボンブラック分散液(10)を得た。カーボンブラック分散液(10)に下記成分を均一に混合し成膜液(J)を得た。
(成膜液の作成)
カーボンブラック分散液(10) 20部
ポリイミド樹脂溶液(宇部興産製:UワニスA固形分18.3%) 39部
ポリイミド樹脂溶液(宇部興産製:UワニスA固形分18.1%) 39部
シリコーン系レべリング剤(日本ユニカー製:シルウェットFZ−2105)
0.01部
N−メチル−2−ピロリドン(NMP:関東化学試薬特級) 2部
シランカップリング処理カーボンブラック合成例3においてカーボンブラック(#2400B 三菱化学製)の代わりにカーボンブラック(Special Black 6 デグサ製)とし、シランカップリング剤と界面活性剤を用いない以外は同合成例3と同様の操作を行ないカーボンブラック分散液(11)を得た。カーボンブラック分散液(11)に下記成分を均一に混合し成膜液(K)を得た。
(成膜液の作成)
カーボンブラック分散液(11) 20部
ポリイミド樹脂溶液(宇部興産製:UワニスA固形分18.3%) 37部
ポリイミド樹脂溶液(宇部興産製:UワニスA固形分18.1%) 37部
シリコーン系レべリング剤(日本ユニカー製:シルウェットFZ−2105)
0.01部
N−メチル−2−ピロリドン(NMP:関東化学試薬特級) 6部
シランカップリング処理カーボンブラック合成例4においてカーボンブラック(MA100三菱化学製)の代わりにカーボンブラック(FW18 デグサ製)とし、シランカップリング剤と界面活性剤を用いない以外は同合成例4と同様の操作を行ないカーボンブラック分散液(12)を得た。カーボンブラック分散液(12)に下記成分を均一に混合し成膜液(L)を得た。
(成膜液の作成)
カーボンブラック分散液(12) 20部
ポリイミド樹脂溶液(宇部興産製:UワニスA固形分18.3%) 40部
ポリイミド樹脂溶液(宇部興産製:UワニスA固形分18.1%) 40部
シリコーン系レべリング剤(日本ユニカー製:シルウェットFZ−2105)
0.01部
シランカップリング処理カーボンブラック合成例5においてカーボンブラック(Special Black 350デグサ製)の代わりにカーボンブラック(REGAL660Rキャボット製)とし、シランカップリング剤とポリイミドUワニスAを用いない以外は同合成例5と同様の操作を行ないカーボンブラック分散液(13)を得た。カーボンブラック分散液(13)に下記成分を均一に混合し成膜液(M)を得た。
(成膜液の作成)
カーボンブラック分散液(13) 20部
ポリイミド樹脂溶液(宇部興産製:UワニスA固形分18.3%) 37部
ポリイミド樹脂溶液(宇部興産製:UワニスA固形分18.1%) 37部
シリコーン系レべリング剤(日本ユニカー製:シルウェットFZ−2105)
0.01部
N−メチル−2−ピロリドン(NMP:関東化学試薬特級) 6部
シランカップリング処理カーボンブラック合成例6においてカーボンブラック(酸化処理品I東海カーボン)の代わりにカーボンブラック(#25 三菱化学製)とし、シランカップリング剤とポリイミドUワニスAを用いない以外は同合成例6と同様の操作を行ないカーボンブラック分散液(14)を得た。カーボンブラック分散液(14)に下記成分を均一に混合し成膜液(N)を得た。
(成膜液の作成)
カーボンブラック分散液(14) 20部
ポリイミド樹脂溶液(宇部興産製:UワニスA固形分18.3%) 37部
ポリイミド樹脂溶液(宇部興産製:UワニスA固形分18.1%) 37部
シリコーン系レべリング剤(日本ユニカー製:シルウェットFZ−2105)
0.01部
シランカップリング処理カーボンブラック合成例7においてカーボンブラック(酸化処理品II東海カーボン)の代わりにカーボンブラック(RAVEN1040 コロンビア製)とし、シランカップリング剤と界面活性剤とポリイミドUワニスAを用いない以外は同合成例7と同様の操作を行ないカーボンブラック分散液(15)を得た。カーボンブラック分散液(15)に下記成分を均一に混合し成膜液(O)を得た。
(成膜液の作成)
カーボンブラック分散液(15) 20部
ポリイミド樹脂溶液(宇部興産製:UワニスA固形分18.3%) 39部
ポリイミド樹脂溶液(宇部興産製:UワニスA固形分18.1%) 39部
シリコーン系レべリング剤(日本ユニカー製:シルウェットFZ−2105)
0.01部
N−メチル−2−ピロリドン(NMP:関東化学試薬特級) 2部
シランカップリング処理カーボンブラック合成例8においてカーボンブラック(酸化処理品III東海カーボン)の代わりにカーボンブラック(#3030B 三菱化学製)とし、シランカップリング剤と界面活性剤とポリイミドUワニスAを用いない以外は同合成例8と同様の操作を行ないカーボンブラック分散液(16)を得た。カーボンブラック分散液(16)に下記成分を均一に混合し成膜液(P)を得た。
(成膜液の作成)
カーボンブラック分散液(16) 20部
ポリイミド樹脂溶液(宇部興産製:UワニスA固形分18.3%) 39部
ポリイミド樹脂溶液(宇部興産製:UワニスA固形分18.1%) 39部
シリコーン系レべリング剤(日本ユニカー製:シルウェットFZ−2105)
0.01部
カーボンブラックの性能を表5に示す。
1.成膜液の保存安定性評価
実施例と比較例の各性膜液を50℃で4週間保存した後、粘度と保存瓶の底に付着した沈殿物の量を目視にて観察した。
A;沈殿物が見られない。
B;瓶の底にわずかに沈殿物が見られるが、実用的には問題がない。
C;沈殿物がはげしく生じている。
評価結果を、表9に示した。
表面張力計を用いて各成膜液の静的表面張力を測定した。
粒度分布計を用いて各シランカップリング処理カーボンブラックの粒子分布を測定した。
平均値/測定装置:MICROTRAC HRA粒度分布計(日機装(株)製:MODEL.No.9320−X100)
n=3の平均値
実施例と比較例の各成膜液を、内表面の表面粗さRaが0.2μmに鏡面仕上げされた内径300mm、長さ500mmの円筒状金型の内面に、ディスペンサーを介して400μmの厚さに塗布し、1800rpmで15分間回転させて均一な膜厚を有する被膜層とした後、250rpmで回転させながら、金型の外側より60℃の熱風を30分間あて、150℃で60分間加熱した後、室温まで冷却した。前記金型内面より、自己支持できるまで硬化したポリアミド酸ベルトを該ベルト端部に空気を圧送することによって剥離し、表面粗さRaが1.8μmの金属製シリンダの外面に差し替えた後、3℃/分の昇温速度で360℃まで昇温後、360℃で30分間保持し、脱水閉環水の除去およびイミド転化の完結反応を行った。その後室温まで冷却し、目的とする厚さ80μm前後の中間転写ベルトを得た。
ハイレスタIP、MCP−HT260(三菱油化社製、プローブ:HR−100)にて印加電圧100V、1分後、測定条件25℃、60%RHでの表面抵抗率を測定した。測定は、ベルト外周面に関して12点測定し、この平均値をベルトの表面抵抗率とし、最大値と最小値の差をそのバラツキとした。測定結果を表9に示す。
各成膜液と中間転写体の評価結果を表9に示す。
12 画像書込部
13 画像形成部
14 給紙部
15 定着装置
16 レジストローラ
20Bk 現像装置
20M 現像装置
20Y 現像装置
20C 現像装置
21Bk 像担持体(感光体)
21M 像担持体(感光体)
21Y 像担持体(感光体)
21C 像担持体(感光体)
22 中間転写ベルト
23Bk 1次転写バイアスローラ
23M 1次転写バイアスローラ
23Y 1次転写バイアスローラ
23C 1次転写バイアスローラ
25 ベルトクリーニング装置
50 転写搬送ベルト
60 2次転写バイアスローラ
200 感光体ドラム
201 感光体クリーニング装置
202 除電ランプ
203 帯電チャージャ
210 ベルト搬送装置
230 リボルバ現像ユニット
231K Bk現像機
231Y Y現像機
231C C現像機
231M M現像機
500 中間転写ユニット
501 中間転写ベルト
502 ベルト除電ブラシ
503 トナーシール部材
504 クリーニングブレード
505 潤滑剤塗布ブラシ
506 潤滑剤
507 1次転写バイアスローラ
508 駆動ローラ
509 テンションローラ
510 2次転写対向ローラ
511 クリーニング対向ローラ
512 フィードバック電流検知ローラ
514 光学センサ
600 2次転写ユニット
605 2次転写バイアスローラ
606 転写紙除電チャージャ
610 レジストローラ
801 1次転写電源
802 2次転写電源
P 記録紙(転写紙)
Claims (22)
- トナーにより像担持体上に形成される複数の可視の色現像画像を無端状に走行する中間転写体上に一次転写し、前記中間転写体上の一次転写画像を転写材に二次転写する中間転写装置に用いる中間転写体形成用の成膜液組成物において、揮発分が7〜25%、一次粒子径1〜30nm、比表面積10〜200m2/g、吸油量30〜180cm3/100g、pH5以下のカーボンブラック、シランカップリング剤、ポリイミド樹脂またはポリアミドイミド樹脂、水溶性有機溶剤、アニオン系界面活性剤またはノニオン系界面活性剤を少なくとも含むことを特徴とする中間転写体形成用成膜液組成物。
- 前記シランカップリング剤で処理したカーボンブラックが自己分散型カーボンブラックであることを特徴とする請求項1に記載の成膜液組成物。
- 前記カップリング処理したカーボンブラックの組成物中の体積平均粒子径が200〜400nm、数平均粒子径が100〜300nm、算術平均粒子径が200〜400nmの範囲にあることを特徴とする請求項1又は2に記載の成膜液組成物。
- 前記シランカップリング剤と前記カーボンブラックの重量比率が1wt%以下(シランカップリング剤/カーボンブラック)の範囲にあることを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の成膜液組成物。
- 前記シランカップリング剤と前記カーボンブラックの比表面積の値が1〜30μmol/m2の範囲にあることを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載の成膜液組成物。
- 前記シランカップリング剤が、窒素原子を含有するシランカップリング剤であることを特徴とする請求項1乃至5のいずれかに記載の成膜液組成物。
- 前記シランカップリング剤が、N−(2−アミノエチル)−3−アミノプロピルトリメトキシシラン、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、(N−フェニル−γ−アミノプロピル)トリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシランから選ばれる少なくとも一種類以上のシランカップリング剤を含有することを特徴とする請求項6に記載の成膜液組成物。
- カルボン酸等の酸基を有する高分子活性剤を含むものであることを特徴とする請求項1乃至7のいずれかに記載の成膜液組成物。
- 前記界面活性剤と前記カーボンブラックの重量比率が2wt%以下(界面活性剤/カーボンブラック)の範囲にあることを特徴とする請求項7又は8に記載の成膜液組成物。
- 前記界面活性剤が、アセチレングリコール系界面活性剤、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル、ポリエチレン−ポリプロピレン共重合体、フッ素系界面活性剤、シリコン系界面活性剤から選ばれる少なくとも一種類の界面活性剤を含有することを特徴とする請求項8又は9に記載の成膜液組成物。
- 前記成膜液組成物の表面張力が25〜50mN/mの範囲にあることを特徴とする請求項1乃至10のいずれかに記載の成膜液組成物。
- 前記水溶性有機溶剤が、n−メチル−2−ピロリドン或はジメチルアセトアミドから選ばれることを特徴とする請求項1乃至11のいずれかに記載の成膜液組成物。
- 請求項1乃至12のいずれかに記載の成膜液組成物を加熱、硬化させて形成加工されたことを特徴とする中間転写体。
- 前記形成方法が遠心成型方法であることを特徴とする請求項13に記載の中間転写体。
- 前記中間転写体中のカーボンブラックの一次粒子径が電子顕微鏡観察において5〜50nmの範囲にあることを特徴とする請求項13又は14に記載の中間転写体。
- 前記中間転写体の表面(裏面)抵抗が108〜1012Ω/□であることを特徴とする請求項13乃至15のいずれかに記載の中間転写体。
- 前記中間転写体の体積抵抗が107〜1011Ω・cmであることを特徴とする請求項13乃至16のいずれかに記載の中間転写体。
- 前記中間転写体の層構成が単層構成であることを特徴とする請求項13乃至17のいずれかに記載の中間転写体。
- 前記中間転写体の層構成が複層構成であることを特徴とする請求項13乃至18のいずれかに記載の中間転写体。
- 前記中間転写体がシームレスベルト形状であることを特徴とする請求項13乃至19のいずれかに記載の中間転写体。
- 水溶性有機溶剤と、表面改質カーボンブラックとを少なくとも含んでなるカーボンブラック分散液の製造方法であって、表面張力が50mN/m以下の水系媒体中でカーボンブラックを粉砕する工程と、前記カーボンブラックを水系媒体中で分散させて親水性官能基を導入し、表面改質カーボンブラックを含んでなるカーボンブラック分散液を得る工程とを含んでなることを特徴とするカーボンブラック分散液の製造方法。
- 少なくとも、像担持体に静電潜像を形成する帯電装置と、像担持体上に各色に応じた現像剤を用いてトナー像を形成する現像装置と、前記トナー像を無端状に走行する中間転写体上に一次転写し、該中間転写体上の一次転写画像を転写材に二次転写する中間転写装置と、前記転写材上のトナー像を加熱または加圧してトナー像を前記転写材上に定着する定着装置を有する画像形成装置であって、前記中間転写装置が請求項13乃至20のいずれかに記載の中間転写体を用いることを特徴とする前記画像形成装置。
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JP2004210323A JP4445337B2 (ja) | 2004-07-16 | 2004-07-16 | 中間転写体と成膜液組成物及び製造方法、この中間転写体を用いた画像形成装置 |
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