JP2001096550A - 半導電性ベルト及びその電気抵抗調整法 - Google Patents

半導電性ベルト及びその電気抵抗調整法

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JP2001096550A
JP2001096550A JP27718699A JP27718699A JP2001096550A JP 2001096550 A JP2001096550 A JP 2001096550A JP 27718699 A JP27718699 A JP 27718699A JP 27718699 A JP27718699 A JP 27718699A JP 2001096550 A JP2001096550 A JP 2001096550A
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belt
molding
electric resistance
heating
solvent
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JP27718699A
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Toyoji Hibi
登代次 日比
Toshiyuki Kawaguchi
利行 川口
Satoshi Odajima
智 小田嶋
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Shin Etsu Polymer Co Ltd
Shin Etsu Chemical Co Ltd
Original Assignee
Shin Etsu Polymer Co Ltd
Shin Etsu Chemical Co Ltd
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  • Electrostatic Charge, Transfer And Separation In Electrography (AREA)
  • Moulding By Coating Moulds (AREA)
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 電子写真式複写機、レーザープリンター等に
使用されるシームレスベルトにおいて、所望の電気抵抗
値を有する半導電性ベルト及びその電気抵抗調整法を提
供する。一般に導電性ポリイミドベルトは、成形直後、
表面部分と裏面部分の電気抵抗値は一定せず大小差が生
ずる。よって、本発明では後処理工程(二次加熱処理)
により本件所望の電気抵抗値に調整する方法を開発し、
所望の電気抵抗値を有する半導電性ベルトを提供する。 【解決手段】 導電性カーボンブラックを含む熱可塑性
樹脂溶液を遠心注型機によって成形し、一次加熱(80
〜250℃)し、冷却後、遠心管からベルトを離脱し、
ベルト表面を二次加熱(50〜200℃)することによ
り、表面の電気抵抗を調整する事が可能である。一次加
熱時は溶剤がベルト裏面(揮発面)から揮発する為、成
形加熱中はベルト表面(金型面)と裏面とでは溶剤濃度
差が生じ、成形後はベルト表面に微量の溶剤が残り、裏
面と表面の電気抵抗値が一定しない傾向にある。よって
成型後、二次加熱処理により所望の電気抵抗値に調整す
る電気抵抗調整法である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、半導電性ベルトに
関する。更に詳しくは、電子写真式複写機、レーザープ
リンター等に使用されるシームレスベルトとして用いる
ことができる半導電性ベルト及びその電気抵抗を調整す
る方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】熱可塑性樹脂にカーボンブラックを配合
し、導電性樹脂を得る技術は公知で有り、また特定のカ
ーボンブラックを配合した導電性樹脂も検討されている
(特公平5−4990)。従来より、導電性ベルトは各
種存在するが、これらのベルトは導電性樹脂を押出し成
形法、遠心成形法等により成形して製造されているが、
押出し成形法では厚さ精度が悪く、また遠心成形法で
は、成形材料の混合成分間の比重差により表面と内面と
の電気抵抗値に差が生じる傾向にある。その結果、従来
品には電気抵抗値のバラツキが生ずるものが多く見うけ
られた(特開平5−77252)。
【0003】特開平10−226028には、単層導電
性ベルトにおいて、1〜20重量%の導電性カーボンブ
ラックを含有する芳香族ポリアミドイミド樹脂の有機溶
媒溶液を遠心注型機によって成形し、途中でベルトを離
脱することなく、連続して2段階加熱して(1段階80
〜120℃、2段階200〜350℃)製造したとき、
得られた導電性ベルトの電気抵抗値が表面部分に比べ裏
面部分が小さい状態であることが記載されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】連続した2段階加熱法
ではベルトを完全に成形後、電気抵抗値を確認すること
になり、成形途中での抵抗調整は不可能である。また、
イミド閉環率100%未満のポリアミドイミドベルト成
形の場合、1段階加熱(80〜120℃)で溶剤除去
後、2段階加熱(250〜350℃)でポリアミド酸を
閉環脱水反応させてイミド化し、溶剤を完全に除去する
為、2段階目で高温加熱処理が行われるので、成形完了
後に再度加熱しても抵抗値は変化しない。本発明はベル
ト成形後に加熱してその電気抵抗を調整することを目的
とし、また所望の電気抵抗値を有する半導電性ベルトを
得ることを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明は、下記のA〜D
の各成分からなり、B成分のバインダー樹脂100重量
部に対して、A成分(カーボンブラック)が1〜30重
量部混合されてなる半導電性樹脂溶液を成形したベルト
とその電気抵抗の調整法に関するものである。 A:比表面積〔m2/g〕(S)に対する揮発分〔重量
%〕(H)比、H/S値〔%〕が3以上、10未満の1
種もしくは2種カーボンブラック B:熱可塑性樹脂(バインダー樹脂) C:分散化剤 D:溶媒
【0006】本発明では導電性カーボンブラックを含む
熱可塑性樹脂溶液を遠心注型機によってベルトを成形
し、これを一次加熱(80〜250℃)する。冷却後、
遠心管からベルトを離脱し、表面側を二次加熱(50〜
200℃)することにより、所望の電気抵抗値へ調整す
ることができるのである。すなわち、一次加熱時は成形
金型内で溶剤がベルト裏面(揮発面)から揮発する為、
成形加熱中はベルト表面(金型面)と裏面とでは溶剤濃
度差が生じることになり、一次加熱後はベルト表面には
微量の溶剤が残り、電気抵抗値が一定しない傾向があ
る。本発明は表面側を二次加熱することにより、所望の
電気抵抗値へ調整する電気抵抗調整法を見い出したもの
である。本発明の方法では、熱可塑性樹脂に閉環率10
0%のポリアミドイミド樹脂を使用した場合でも、高温
での2段階加熱処理(250〜350℃)は必要としな
い。
【0007】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施形態について
さらに詳しく説明する。本発明に使用する熱可塑性樹脂
としてはアクリル樹脂、アクリル・スチレン共重合体、
ポリスチレン、アクリルニトリル・スチレン共重合体、
アクリルニトリル・ブタジエン・スチレン共重合体(A
BS樹脂)、アセチルセルロース、ナイロン樹脂(ナイ
ロン6)、ポリカーボネート樹脂(PC)、ポリエチレ
ンテレフタレート(PET)、ポリブチレンテレフタレ
ート(PBT)、ポリフェニレンオキシド(PPO)、
ポリフェニレンオキシド・ポリスチレン共重合体、ポリ
フェニレンサルファイド(PPS)、四フッ化樹脂(P
TFE)、ポリメチルペンテン(TPX)、ポリアリレ
ート(PAR)、ポリアセタール(POM)、ポリアミ
ドイミド(PAI)、ポリエーテルスルフォン(PES
F)、ポリスルフォン(PSF)等を挙げることができ
る。
【0008】このうち、ポリアミドイミド(PAI)の
場合、完全にイミド閉環した(イミド閉環率100%)
ポリアミドイミドが好ましい。その理由として、イミド
閉環率が100%に満たないポリアミドイミドの場合、
未閉環アミド酸を閉環脱水反応させイミド化する為に、
高温処理(250〜350℃)が必要になり、その際、
溶剤が完全に除去されてしまうので、成形後に再度加熱
してもベルトの電気抵抗値は変化せず、本発明の電気抵
抗調整法の効果が少ない為である。
【0009】ポリアミドイミドは、その構造と合成法が
公知のものが使用できる。ポリアミドイミドはアミド基
と1又は2個のイミド基が有機基を介して結合した繰返
し単位を有する高分子であり、有機基が脂肪族と芳香族
のものに分類される。芳香族ポリアミドイミドの場合、
イミド基、アミド基が結合する有機基がフェニル、もし
くはビフェニル構造であり、エーテル、カルボニル、メ
チレン、スルホニルの各基を間に介したビフェニル構造
である。具体的には、原料に有機ジアミンとして、4,
4′−ジアミノジフェニルメタン、4,4′−ジアミノ
ジフェニルエーテル、4,4′−ジアミノジフェニルス
ルフォン、2,2−ビス(4′−(4″−アミノフェノ
キシ)フェニル)プロパン、3,3′−ジメチル−4,
4′ジアミノジフェニル等を用い、有機酸無水物として
トリメリット酸無水物、エチレングリコールビスアンヒ
ドロトリメリテート、プロピレングリコールビスアンヒ
ドロトリメリテート、ピロメリット酸無水物、ベンゾフ
ェノンテトラカルボン酸無水物、3,3′,4,4′−
ビフェニルテトラカルボン酸無水物等が使用される。実
際の合成法は、酸成分とイソシアネート(アミン)とか
らのイソシアネート法、あるいは酸クロリド法等の方法
があり、アミド系溶剤などの極性溶剤中で合成される。
しかし、本発明では、ポリアミドイミドの構造と合成法
はこれに限定されるものではない。
【0010】次に、本発明で使用する導電性カーボンに
ついて説明する。本発明は、以下のような特性の導電性
カーボンを選択し、使用することにより達成される。一
般に揮発分が2%未満のカーボンブラックの場合、カー
ボンブラック自体の電気抵抗値の低い低抵抗用(主に導
電用)カーボンブラックが多く、一方揮発分が30%を
越えるものはカーボンブラック自体の抵抗値が高い高抵
抗用(顔料用等)カーボンブラックとして使用されてい
る。
【0011】本発明所望の半導電抵抗域(体積抵抗率ρ
v;109〜1013(Ω・cm)、表面抵抗率ρs;1
10〜1013(Ω/□))に抵抗値を調製するには、中
抵抗用カーボンブラックが良好であり、揮発分が2〜3
0%のものが選ばれる。但し、揮発分のみでカーボンブ
ラックを高抵抗用もしくは低抵抗用に判断するのは難し
く、本発明では揮発分でカーボンブラックを選定後、比
表面積〔m2/g〕(S)に対する揮発分〔%〕(H)
比、H/S値〔%〕で更にカーボンブラックを選定し、
H/S値〔%〕が3以上、10未満のものを使用する。
【0012】カーボンブラックをH/S値で選定する理
由はH/Sが10を越えた場合、本発明所望の半導電抵
抗域(109〜1013(Ω・cm))に調整するには、
カーボンブラック配合量が30重量部を越え、バインダ
ー樹脂本来の機械特性が失われ、成型した半導電ベルト
が脆く、クラックを生ずる。また、H/Sが3未満の場
合、配合量が10重量部以下で低抵抗域(108(Ω・
cm)以下)に到達し、配合量による半導電抵抗域への
調整は難しく、抵抗値にバラツキが生ずる為である。
【0013】なお、ここで言うカーボンブラックの揮発
分は950℃にて7分間加熱した時の揮発減量(重量
%)(JIS K−6221)であり、比表面積は液体
窒素で単分子吸着させ、吸着量をBET式にて求めた数
値である(BET法)。
【0014】熱可塑性樹脂中に導電性カーボン等を配合
させるには適宜溶剤を用いる。用いる溶剤は制限はない
が、NMP(N−メチル−2−ピロリドン)、ホルムア
ミド、DMF(N,N−ジメチルホルムアミド)、アセ
トアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、ジエチレン
グリコールジメチルエーテル(ジグライム)、トリエチ
レングリコールジメチルエーテル(トリグライム)、ジ
エチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリ
コールジブチルエーテル、ジプロピレングリコールジメ
チルエーテル、テトラメチレングリコールジメチルエー
テル(テトラグライム)等のグリコール類、DMSO
(ジメチルスルホキシド)等の高沸点溶剤が望ましい。
低沸点溶剤を使用した場合、本発明のベルト成形条件の
一次加熱(80〜250℃)で、ほぼ完全に溶剤が除去
され、成形後に再度加熱しても抵抗値は変化せず、本発
明の電気抵抗調整法の効果が少ない為である。
【0015】熱可塑性樹脂と導電性カーボンを混合する
際には、必要に応じて分散化剤を添加する。分散化剤は
使用する溶剤極性に合ったものを選択する必要があり、
例えば、極性溶剤用の高分子分散剤(分子量約2000
以上)等が選ばれる。分散剤の添加量は特に制限はない
が、分散剤の特性によって、カーボン表面積1m2に対
して2mg程度の高分子分散剤を配合する。従って、バ
インダー樹脂100重量部に対しては、0.1〜15重
量部、好ましくは1〜8重量部程度である。また、必要
に応じ、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオ
キシエチレンアルキルフェニルエーテル、ポリオキシエ
チレンモノ脂肪酸エステル、ソルビタンモノ脂肪酸エス
テル等のノニオン界面活性剤等を併用することも可能で
ある。但し、分散化剤はこれらに限定されるものではな
い。
【0016】カーボンブラックを樹脂溶液に均一分散さ
せる方法は特に制限はないが、ボールミル、ビーズミ
ル、サンドミル、ホモジナイザー、三本ロール、超音波
分散等の方法によることができる。
【0017】本発明では、半導電性ベルトの残留溶剤量
は一次、二次加熱温度及び加熱時間により調整するが、
用いる熱可塑性樹脂、溶剤により温度条件は異なる。一
次加熱は、成形時に成形機により行い、二次加熱は、成
形品を成形機から離脱したあと、図1に示すような装置
により、ベルト表面を加熱することにより行う。加熱温
度は通常、一次加熱温度が80℃以上250℃未満、2
次加熱温度が50℃以上200℃未満の範囲で行う。本
発明で所望の半導電抵抗域(109〜1013(Ω・c
m))に調整するには、残留溶剤量が0.1%以上10
%未満、好ましくは3%以上7%未満にする。残留溶剤
量が0.1%未満まで加熱するとベルトが熱老化し、可
とう性が極端に失われる。また、残留溶剤量が10%を
越えた場合、二次加熱処理後も残留溶剤量が変化し、抵
抗値が変動する為である。
【0018】熱可塑性樹脂として、例えばイミド閉環率
100%のポリアミドイミド、溶剤にNMPを使用した
場合の残留溶剤濃度と一次、二次加熱温度及び加熱時間
を示すと次のようになる。 残留溶剤濃度 一次加熱温度 二次加熱温度 7%以上10%未満 80℃以上130℃未満 80℃以上100℃未満 3%以上7%未満 130℃以上220℃未満 100℃以上130℃未満 0.1%以上3%未満 220℃以上251℃未満 130℃以上201℃未満
【0019】加熱時間は一次加熱が1時間以上3時間未
満が好ましく、更に好ましくは2時間未満、2次加熱は
15分以上1時間未満が好ましく、更に好ましくは30
分未満である。用いる熱可塑性樹脂、溶剤により一次、
二次加熱温度及び加熱時間は異なる為、特にこれに限定
されるものではない。
【0020】本発明の半導電性ベルトの成形方法は特に
制限されず、押出し機等を用いてチューブ状に押し出
し、これを所定の長さに切断する方法、遠心成形機によ
って円筒形状に成形後、これを所定の長さに切断する方
法、さらに、金属製又は樹脂製の円筒状又は円柱状部材
にデイップ又はコーティングした後、脱型してこれを所
定の長さに切断する方法等が挙げられる。また、導電性
ベルト材料をシート状に加工し、これを加熱や接着剤な
どで接合して所定の寸法にすることもできる。
【0021】
【実施例】次に、実施例を用いて本発明を詳細に説明す
る。 (使用材料)以下の実施例及び比較例における使用材料
は以下の通りである。 1.ポリアミドイミド(略称;PAI) 「バイロマックスN100」(東洋紡績社製、溶媒;N
MP、固形分量;15wt%、固形分比重:1.2、イ
ミド閉環率;100%) 2.ポリアミドイミド(略称;PAI) 「バイロマックスMT5050」(東洋紡績社製、溶
媒;エタノール/トルエン=50/50wt%混合溶
液、固形分量;25wt%、イミド閉環率;100%) 3.ポリアリレート(略称;PAR) 「UポリマーU100」(ユニチカ製)
【0022】4.ポリイミド(略称;PI) 「UワニスS」(宇部興産製、溶媒;NMP、固形分
量;18wt%、イミド閉環率;100%未満) ポリイミド前駆体のポリアミック酸溶液 5.分散剤(略称;S27000) 「ソルスパース27000」(ゼネカ社製) 6.カーボンブラック(略称;SB4、SB350) 「スペシャルブラック4」、「スペシャルブラック35
0」(テグサジャパン社製)
【0023】(評価方法)実施例及び比較例における半
導電性ベルトの物性測定及び評価方法は次の通りであ
る。 1.体積抵抗値、表面抵抗値 体積抵抗計「ハイレスタ」(三菱化学社製)を用い、長
さ及び幅;100mm、厚さ;0.1mmの試験片を使
用し、ブローブ;UR−100、測定電圧;500V、
測定時間;10秒で測定した。試験片数;5 2.弾性率 引張試験器「テンシロンRTM−50」(商品名:オリ
エンテック社製)を用い、幅;25mm、長さ;200
mm、厚さ;0.1mmの試験片を使用し、引張り速
度;200mm/minで測定した。試験片数;5(J
IS K6887準拠) 3.残留溶剤量 残留溶剤量の測定はベルト試験片(20mm×50mm
×0.1mm)を250℃にて3時間加熱し、加熱前後
の重量変化を測定し、加熱減量(%)を残留溶剤量とし
た。試験片数;5
【0024】(半導電性ベルトの製造方法)実施例、比
較例においては、遠心成形法により半導電性ベルトを製
造した。 製造条件 遠心管寸法;外径300mm、内径285mm、全長4
00mm(ステンレス製) 成形回転数;1000rpm 一次成形温度;130〜220℃、成形時間;2時間 二次加熱処理;115℃×30分
【0025】(二次加熱処理)一次成形後、図1に示す
二次加熱装置にて2次加熱処理(115℃×30分)に
よって、電気抵抗安定化を行った。
【0026】実施例1,2 表1に記載した配合量で各成分をホモジナイザー混合お
よび超音波分散処理を行ない、その配合樹脂を用い、遠
心成形法により半導電性ベルトを製造した。使用したポ
リアミドイミド樹脂(N−100、イミド閉環率;10
0%)の固形分(バインダー成分)は15%であり、溶
媒にNMP(N−メチル−2ピロリドン、沸点;202
℃)を使用している。カーボンブラックにH/S値がそ
れぞれ7.8及び3.4となるSB4及びSB350を
選定し配合した。
【0027】二次加熱前のベルトの体積抵抗率は、それ
ぞれ9.4×1010(Ω・cm)及び4.5×10
9(Ω・cm)であり、表面抵抗率(表面)は、1.4
×1013(Ω/□)及び1.0×1011(Ω/□)であ
った。二次加熱後(115℃×30min)、体積抵抗
率は大きな変化がなく、表面抵抗率(二次加熱後表面)
のみそれぞれ4.0×1012(Ω・□)及び1.0×1
10(Ω・□)に低下した。このことから、二次加熱処
理によるベルト表面の残留溶剤が揮発し表面抵抗率が低
下し、抵抗の調整効果が確認された。なお、二次加熱処
理を115℃×60minまで行なったところ、表面抵
抗率は30minの場合と変化なく二次加熱処理は30
minで十分である。また、弾性率は約300(Kg/
mm2)であり、PAIバインダー本来の機械特性(弾
性率;280(Kg/mm2))を維持したまま、表面
状態が良好で強靭な半導電性ベルトを得ることが出来
た。残留溶剤量は、それぞれ3.20%及び3.15%
であった。
【0028】実施例3,4 実施例1と同様の製造方法で、バインダーにポリアリレ
ート(U100)、溶媒にNMP(N−メチル−2ピロ
リドン、沸点;202℃)及びジグライム(ジエチレン
グリコールジメチルエーテル、沸点;162℃)を使用
した。カーボンブラックのH/Sは7.8であった。得
られたベルトの二次加熱前の体積抵抗率は、それぞれ
2.5×1011(Ω・cm)及び2.8×1011(Ω・
cm)であり、表面抵抗率(表面)は2例ともほぼ4×
1013(Ω/□)であった。二次加熱後(115℃×3
0min)、体積抵抗率は、大きな変化がなく、表面抵
抗率(二次加熱後表面)のみ1.9×1012(Ω/□)
及び1.4×1012(Ω/□)に低下した。よって、バ
インダーにポリアリレートを使用し、沸点の異なる高沸
点溶剤を用いた場合でも二次加熱処理による表面抵抗の
調整効果が確認された。
【0029】比較例1,2 実施例1と同様の製造方法で、ポリアミドイミド樹脂
(MT5050、イミド閉環率;100%、固形分;2
5%)、溶媒にエタノール/トルエン混合溶媒(50/
50wt%、エタノール沸点;78.3℃、トルエン沸
点;110.6℃)を使用した。実施例1,2同様にH
/S(%)の異なる2種のカーボンブラックを使用した
ところ、以下の結果となった。体積抵抗率(二次加熱
前)が1.5×1011(Ω・cm)及び4×109(Ω
・cm)であり、表面抵抗率(二次加熱前表面)は1×
1013(Ω/□)及び0.9×1011(Ω/□)を示し
た。そして、二次加熱後(115℃×30min)、体
積抵抗率は大きな変化がなく、表面抵抗率も大きな変化
がなかった。よって、低沸点溶剤を使用した場合、一次
加熱で溶剤は全て揮発して、ベルト表面の残留溶剤は無
くなり、二次加熱による抵抗調整効果は確認されなかっ
た。
【0030】比較例3 イミド閉環率100%未満のポリアミック酸溶液(Uワ
ニスS、溶剤;NMP)を用いた。成形方法は、一次成
形(130〜250℃)を2時間行った後、高温で2段
階加熱処理(250〜350℃)を3時間行い、閉環脱
水反応させイミド化を行った。次いで、二次加熱(20
0℃×60min)を行ったが、体積抵抗率は大きな変
化がなく、表面抵抗率も大きな変化がなかった。よっ
て、ベルト表面の残留溶剤は2段階加熱処理(250〜
350℃)により全て揮発してしまい、二次加熱による
抵抗調整効果は確認されなかった。
【0031】
【表1】
【0032】
【発明の効果】以上詳しく説明したように、本発明によ
れば、半導電性ベルト成形後に二次加熱して所望の電気
抵抗値へ調整する事が可能であり、バインダー樹脂本来
の機械特性を維持しつつ、所望の半導電性を付与した強
靭なベルトを安定供給することが出来る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の二次加熱装置の断面図である。
【符号の説明】
1 搬送ローラ 2 搬送ローラ 3 半導電性ベルト 4 セラミックヒーター
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) G03G 15/16 G03G 15/16 H01B 1/24 H01B 1/24 B // B29K 79:00 B29K 79:00 105:16 105:16 B29L 29:00 B29L 29:00 (72)発明者 小田嶋 智 東京都中央区日本橋本町4丁目3番5号 信越ポリマー株式会社内 Fターム(参考) 2H032 BA09 BA18 DA13 4F205 AA27 AA40 AB13 AB18 AC05 AE03 AG16 AR06 AR20 GA02 GB01 GC04 GE06 GF01 GF23 GN01 GN13 GN18 GN24 GN29 GW06 4F213 AA27 AA40 AB13 AB18 AC05 AE03 AG16 AR06 AR20 WA03 WA54 WA83 WB01 WC03 WF02 WF23 WK03 4J002 AB021 BB171 BC031 BC061 BC071 BD151 BG041 BN151 CB001 CF061 CF071 CF161 CG001 CH071 CL001 CL011 CM041 CN011 CN031 DA036 GM01 5G301 DA18 DA42 DA51 DD08 DE01

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 半導電性ベルトの製造において、導電性
    カーボンブラックを含む熱可塑性樹脂溶液を遠心注型機
    によって成形、一次加熱し、冷却後、遠心管からベルト
    を離脱し、ベルト面を二次加熱することを特徴とする半
    導電性ベルトの電気抵抗調整法。
  2. 【請求項2】 導電性カーボンブラックが比表面積〔m
    2/g〕(S)に対する揮発分〔重量%〕(H)比、H
    /S値〔%〕が3以上、10未満である請求項1記載の
    半導電性ベルトの電気抵抗調整法。
  3. 【請求項3】 一次加熱温度を80℃以上250℃未
    満、二次加熱温度を50℃以上、200℃未満で行うこ
    とを特徴とする請求項1記載の半導電性ベルトの電気抵
    抗調整法。
  4. 【請求項4】 請求項1〜3のいずれかに記載の調整法
    にて成形してなる半導電性ベルトの残留溶剤量が0.1
    %以上、10%未満であることを特徴とする半導電性ベ
    ルト。
  5. 【請求項5】 熱可塑性樹脂として、イミド閉環率10
    0%のポリアミドイミドを用い、請求項1〜3のいずれ
    かに記載の調整法にて成形してなる半導電性ベルト。
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