JP2001354854A - 半導電性ポリアミドイミド組成物 - Google Patents

半導電性ポリアミドイミド組成物

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JP2001354854A
JP2001354854A JP2000175940A JP2000175940A JP2001354854A JP 2001354854 A JP2001354854 A JP 2001354854A JP 2000175940 A JP2000175940 A JP 2000175940A JP 2000175940 A JP2000175940 A JP 2000175940A JP 2001354854 A JP2001354854 A JP 2001354854A
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pai
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semiconductive
film
mechanical strength
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Tsuneo Miyamoto
恒雄 宮本
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Gunze Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】特にポリアミドイミド(PAI)に関し、実用
に耐える機械的強度を維持し、広い範囲で安定した半導
電性を有しているPAI組成物を提供すること。 【解決手段】数平均分子量1.3万以上のPAIと導電
性カーボンブラック(CB)とからなることを特徴とす
る半導電性PAI組成物。該組成物はより少量のCBの
混合で広い範囲で安定した半導電性を有し、そして実用
に耐える機械的強度を維持しているので種々の形態で使
用することができる。例えば無端管状のフイルムではカ
ラー複写機の紙搬送用ベルトとして有効である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は改良された半導電性
ポリアミドイミド組成物に関する。該組成物が半導電性
管状フイルムである場合は、例えばカラー複写機の紙搬
送用又は中間転写用のベルトとして有効に使用される。
【0002】
【従来の技術】ポリイミドと並んでポリアミドイミドに
導電性カーボンブラックを混合分散して半導電性を付与
し、これを例えば半導電管状フイルムに成形することに
ついては、特許公報等でも見られよく知られている。し
かしながら実際にこれを例えば複写機の中間転写用又は
紙搬送用のベルトとして使用するのには問題が多い。こ
の問題は次の2つであった。
【0003】その1つは所望する電気抵抗を得るために
は、それに必要な量の導電性カーボンブラックが混合さ
れる。つまりより低抵抗を得ようとすれば、該カーボン
ブラックはより多く、逆により高抵抗を得ようとすれ
ば、より少なく混合される。特に低抵抗ゾーン(例えば
10〜10Ω・cmの領域)では25〜30重量%
程度の該カーボンブラックの混合を必要とする。このよ
うな混合量になると、機械的強度の低下が著しく脆いも
のになる。この傾向は特にポリアミドイミドに著しく、
少なくとも斯様な低抵抗ゾーンを必要とするポリアミド
イミドフイルム用途では使用できないものであった。
【0004】もう1つは前記の問題を解決するために、
より低電気抵抗を有する導電性カーボンブラックを選択
して、より少量混合することが試みられた。これにより
確かに機械的強度の低下を防ぐことには有効であった。
ところが一方折角付与された電気抵抗が極めて不安定な
ものになり、単に放置するだけでも経時変化し、しかも
(フイルムの)場所によってバラツキも発生すると言
う、電気抵抗特性の問題であった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明者は前記2つの
問題を一挙に解決するために鋭意検討した。その結果通
常の技術概念では全く考えられない、驚くべき事実が判
明し本発明に到達した。それは特定の分子量を有するポ
リアミドイミド自身を変えて使用するだけで、敢えて多
量の導電性カーボンブラックを使用しなくとも、電気抵
抗は広い範囲で自由に変えることができ、そして機械的
強度の低下は最小限に抑えられ実用可能な強靱さと安定
した電気抵抗特性を有するフイルムが得られるようにな
ったことである。これの解決手段は次の通りである。
【0006】
【課題を解決するための手段】即ち本発明は請求項1に
記載するように、数平均分子量1.3万以上のポリアミ
ドイミド(以下PAIと略す)と導電性カーボンブラッ
ク(以下CBと略す)とからなることを特徴とする半導
電性ポリアミドイミド組成物(以下単にPAI組成物と
呼ぶ)である。
【0007】そして又請求項1に従属する、好ましい発
明として請求項2〜4も提供する。以下本発明を次の実
施形態で詳細に説明する。
【0008】
【発明の実施の形態】まず本発明における前記問題解決
の具体的内容は次のようなことである。つまり特に低電
気抵抗ゾーンを必要とするPAIは、(機械的強度が低
下するような多量のCBを使わなくとも、そして敢えてよ
り低電気抵抗のCBを使用しなくとも)単に数平均分子
量(以下単にMnと略す)1.3万以上のPAIを選択
し、その中でMnを変えることで該ゾーンにあるPAI
組成物を得ることができる。つまりCBの混合量で電気
抵抗を変えるのではなくて、CBの混合量は必要最小限
の一定量混合として、PAIの有するMnを変えること
で電気抵抗を変えていくということである。これがどの
ような作用機構によるものか不明であるが、現象的には
PAIのMn(大きさと分子量の分布状態)の増加と共
に、半導電性を左右すると考えられている本来有するC
Bのストラクチャーがより進む方向で変えられ、その結
果より低電気抵抗側に向かって再生して行くことが考え
らる。
【0009】ここでPAIは、一般に知られているよう
に基本的には芳香族核を挟んでこれにイミド基とアミド
基とが結合され、これを繰り返し単位として重合したポ
リマである。本発明ではこの中で特に数平均分子量(以
下単にMnと略す)として1.3万、好ましくは1.4
万更に好ましくは1.5万以上のPAIに限られて達成
される。このように下限が制限されるのは、1.3万未
満のPAIでは前記する2つの問題が効率良く解決され
ないからである。尚、Mnの上限は増加する程効果は大
きくなるので敢えて制限はしないが、しかしあるMn以
上からでは、効果の大きさが小さくなって行く傾向があ
る。効果が顕著であるのは5万程度以内であるので、強
いて上限を設けるならば5万までと言える。。
【0010】前記PAIは一般に知られている製造手
段、例えば芳香族トリカルボン酸一無水物と芳香族ジ
アミンとの当モル量を有機極性溶媒中、脱水触媒存在
下、高温で重縮合・イミド化反応をさせる方法、無水
芳香族トリカルボン酸モノクロリドと芳香族ジアミンと
の当モル量を有機極性溶媒中、低温で重縮合・イミド化
反応をさせる方法、芳香族トリカルボン酸一無水物と
芳香族ジイソシアネートとを有機極性溶媒中、高温で重
縮合・イミド化反応させる方法等によって製造される。
いずれの場合もアミド結合をしながら重合しポリマへと
成長して行くが、一方ではこの成長と同時的に又は後か
らアミド酸部分が分子内イミド化反応も行い目的のPA
Iとなって該溶媒中に溶解して得られる。従って本発明
で言うPAIは基本的にはアミドイミドの構造そのもの
であるが、しかし或る程度未イミド化のアミド酸部分を
含有するPAIであってもかまわない。
【0011】前記に言う各反応成分の具体例は次の通り
である。まず芳香族トリカルボン酸一無水物としては主
としてトリメリット酸一無水物又は無水トリメリット酸
モノクロリドが挙げられ、芳香族ジアミンとしては3,
3′―ジアミノベンゾフエノン、P―フエニレンジアミ
ン、4,4′―ジアミノジフエニル、4,4′―ジアミ
ノジフエニルアミド、4,4′―ジアミノジフエニルメ
タン、4,4′―ジアミノジフエニルエーテル、ビス
[4―{3―(4―アミノフエノキシ)ベンゾイル}フ
エニル]エーテル、4,4′―ビス(3―アミノフエノ
キシ)ビフエニル、ビス[4―(3―アミノフエノキ
シ)フエニル]スルホン2,2′―ビス[4―(3―ア
ミノフエノキシ)フエニル]プロパン等。ここで芳香族
ジアミン成分が主鎖にアミド結合を持っている場合(例
えば前記4,4′―ジアミノベンツアニリド)には、酸
成分として芳香族テトラカルボン酸二無水物を組み合わ
せることができる。そして芳香族ジイソシアネートとし
ては前記例示する芳香族ジアミンの2つのアミノ基がイ
ソシアネート基に置換されたものが例示できる。尚、前
記により製造されるPAIのMnの制御は一般に反応時
間を変えることで行う。又、前記有機極性溶媒としては
一般に知られているジメチルアセトアミド、ジメチルフ
オルムアミド、ジメチルスルホオキシド、N−メチルピ
ロリドン等の非プロトン性の有機溶媒である。
【0012】次に前記PAIに半導電性を付与するため
のCBについて説明する。一般にCBは天然ガス、アセ
チレンガス、コールタール等を原料としてこれを燃焼し
て得るが、これら原料と燃焼条件によって種々の物性
(電気抵抗、揮発分、比表面積、粒径、pH、DBP吸
油量等)を有する。従って一般にCBの種類は勿論のこ
と、同じCBでも混合樹脂の種類によっても付与される
電気特性(大きさ、安定性)が異なるものである。しか
しながら本発明では基本的には、少なくともPAIに半
導電性が付与されるに足る導電性を持つCBであれば、
他の物性がどうであれそれには影響されず前記の問題は
解決される。このことはいかにPAIの有するMnが顕
著に作用し効果となって現れるかを物語っていると言え
る。
【0013】本発明に言うCBの導電性は前記の通りで
あるが、これを具体的に示せば次のようなことである。
例えばPAIに対してCBを5〜20重量%程度混合す
ることを前提にして、これによりPAIに付与される電
気抵抗が、例えば体積抵抗値で約10〜1014Ω・
cmが得られるに足る導電を有するものである。
【0014】更に前記の導電性を別の表現をするならば
「√(比表面積)×(DBP吸油量)/(1+揮発
分)」の式で求められる導電指標で言うこともできる。
その数値を例示するならば少なくとも下限としては20
程度、好ましくは25、更には30とするのが良い。こ
れはこれより小さい該指標のCBでは、特に低電気抵抗
ゾーン(例えば10〜10Ω・cm)のPAIは
(前記する5〜20重量%程度の混合量を前提とて)M
nを変えても容易に得難いことによる。上限は大きい程
少量の混合で、(PAIのMnを変えることで)該低抵
抗ゾーンの半導電性も容易に得ることができるので特に
制限はないが、しかしここで余りにも大きいと別の問題
点、それは例えばPAI分子とCBとの親和性の点で好
ましくないことが生じ、これは混合分散性にも影響する
ことになる。この分散性の良否は、例えば短時間で混合
分散操作が終わらないとか、或いはPAI組成物が前記
有機溶媒を含む液状組成物である場合に、保存安定性が
悪くなり折角混合分散したCBが経時的相分離を起こし
易くなると言った危険性がある。このようなことで該指
標の上限は150程度、好ましくは100、更には70
として、この範囲の中にあるCBの中から適宜選んで混
合するのが望ましい。尚、該指標式における比表面積
は、BET法によるNガス吸着量から求めたものでm
/gで示し、DBP吸油量は亜麻油にCBを混ぜて行
き、流動性が出始めた時のCBに対する該油の比率であ
りg/100gで示し、そして揮発分はCBを950℃
で7分間加熱した場合の減量を%で示したものである。
【0015】次にPAI(固形分)に対するCBの混合
量について説明する。まず本発明の基本は、前記するよ
うに(CBの混合量を変えることでPAIの半導電性を
変えるのではなく)可能な限り少量の混合の下でPAI
のMnを変えることで所望する半導電性を得ると言うこ
とにある。これにより従来から使用上問題になっていた
機械的強度の低下も最小限に抑えることができ、実用に
耐える半導電PAI成形体を得ることができる。このこ
とは逆にこのような電気抵抗を有し、且つ実用できる機
械的強度を持ったPAI成形体を得るのには、1.3万
以上のMnを有するPAIを使えば良いと言うことにな
る。従ってCBの混合量は事前検討によって自ずから決
まることになるので、敢えて例示することもないが、参
考までに例示すると例えば導電指標20〜150のCB
を混合するとして、前記半導電性領域であればPAIに
対して約5〜20重量%である。尚、より低電気抵抗
(例えば102〜6Ω・cm)を得ようとするならば、
より一層高MnのPAIを使えば良いが、あまり高Mn
のPAIでは前記する問題も発生し易くなるので、この
場合には前記CBの導電指標の高いものを使用すること
で対応した方が良い。
【0016】前記PAI組成物はPAIとCBとの混合
物であるが、その常態は用途によって固形状から液状で
ある。例えば固形状では、圧縮又は射出成(型)形がで
きるので主として半導電性を有する機能部品等の型物用
として、そして液状では主として半導電性を有する機能
性コーテング剤、接着剤及びフイルム等に利用される。
ここで該フイルムへの成形であるが、ウエブ状では固形
状でこれを押出成形して得るが、管状のフイルム特に無
端の該フイルムは、液状で使い後述する回転成型法によ
って成型するのが良い。
【0017】前記固形状PAI組成物の調製は、次のよ
うにして好ましく行われる。まず前記の通り重縮合・イ
ミド化反応により得られたPAI有機溶媒溶液にエーテ
ル、アルコール等の非溶媒を添加して該PAIを析出さ
せる。濾過・洗浄・乾燥して粉体として得る。次に該粉
体に所定のCB粉体を添加し、まず羽根付きミキサー等
を使って予備混合する。そしてこの予備混合体を、更に
2軸押出機を使って溶融混練しつつガット状で押し出し
てカットしてペレットとして得る。これを該組成物とし
て成(型)形に供する。一方液状PAI組成物の場合
は、前記の通り重縮合。イミド化反応により得られたP
AI有機溶媒溶液に所定のCB粉体を添加し、まずハイ
ミキサー等で予備混合する。次にこれをボールミル機に
移し変えて再度混合する。これで十分に分散した混合液
が得られるので、これを該組成液とする。このCB混合
の際に、予め該有機溶媒溶液に、分散助剤例えばフッ素
系の界面活性剤を添加しても良い。尚、固形状、液状に
関わらず前記半導電性に加えて添加剤により他の特性を
付与することもできるが、かかる添加剤を例示すると例
えば熱伝導性は窒化アルミニウム、窒化ホウ素等、摺動
性であったら硫化モリブデン等、補強性ではアルミボレ
ート等である。
【0018】前記液状PAI組成物を使ってこれを無端
管状フイルムに成型する方法について例示すると次の通
りである。成型装置としては、まず両端開放の金属性ド
ラム(内面鏡面仕上げ)(両端内面に液漏れ防止用のベ
アラが周設されている)がある。該ドラムは2本の回転
ローラの上に載置され、該ローラの回転により間接的回
転する機構を採っている。そして該ドラム内を加熱する
ために外側上部に遠赤外線等の加熱源を設けている。該
ローラ内にも熱源を内設し、該ドラムの補助的加熱も行
うようにもしている。そして該ドラム内には挿脱自在で
且つ左右動する機構を持って構成される、該原液供給用
のスリット状ノズルと蒸発する有機溶媒を系外にスムー
スに排出するために、一体化された空気の給排用ノズル
とが設けられる。
【0019】そして前記装置により成型する場合の条件
には、次の2つの場合がある。その1つは遠心力下での
成型である。これは原液が前記ノズルから液状で前記ド
ラム内に所定量供給されたら、少なくとも供給原液が遠
心力の作用によって該ドラム内全面に均一に流延される
のに必要な回転速度で回転する。そして回転しながら少
なくとも有機溶媒が蒸発する温度(一般に150〜27
0℃)に加熱し、その加熱をフイルム状に固形化される
まで続けると言うものである。ここで完全に該溶媒が除
去されるまで加熱を続け、一挙に目的の無端管状の半導
電PAIフイルムに成型しても良いし、若干の該溶媒を
残してここでの成型を終わり、別途熱風乾燥機等を使っ
てより高い温度(例えば240〜280℃程度)で加熱
する2段階成型法を採ってもよい。
【0020】もう1つの方法は無遠心力下成型である。
これは前記の遠心力下成型とは反対に、実質的に遠心力
が作用しない速度(一般に15rad/s以下)で金属
ドラムをゆっくりと回転しつつ、前記ノズルから原液を
液状又は噴霧状で供給すると言うものである。その他は
前記同様に行う。
【0021】前記遠心力の有無の大きな差は、原液の濃
度と得られる前記フイルム中のCBの分散状態が異な
る。つまり遠心力下ではより低濃度原液を必要とし、C
Bの分散は表面部分に多く傾斜的になりやすい。これに
対して無遠心力下ではより高濃度原液が使用でき、該C
Bの分散は全体に均一である。該無遠心力下では高濃度
原液が使えることで、より厚い該フイルムを短時間で成
型する点でも差があることになる。尚、前記CBの分散
状態には一長一短があるのでどの方法を採るかは必要と
する機能、用途等によって決めれば良い。
【0022】尚、本発明では半導電性を体積抵抗値でも
って具体的に示しているが、これに特定されることはな
く、表面抵抗値で示しても、又は両抵抗値でもって例示
しても良い。一般に両抵抗値でもって示した場合は両者
桁数が2〜3桁異なり表面抵抗値の方の数値が高く表れ
る。しかし使用するCBの特性、成形体の製造法等によ
っては1桁以内で得ることもできる。これら何を持って
表現した方がよいかは、成形体形状、用途等によって異
なる。
【0023】本発明のPAI組成物は前記の通り種々の
用途に使用されるが、その使用態様(形状、構造等)は
それに最適な形が採られて使用されるので特定するよう
なところはない。例えば紙搬送ベルト方式を採るカラー
複写機においては、ベルトの状態で使用されるが、その
取り付けは一般に知られている中で取り付け使用され
る。つまりタンデムに配列される4つの感光ドラムに対
して100〜200μmのクリアランスでもって半導電
のベルトが張架され、そしての裏面には帯電器が設けら
れている。そして該ベルトに乗って給紙されて来るコピ
ー用紙の上方には更に帯電器が設けられ、ここで紙にも
帯電して該ドラムに送られる。そして該ベルトの出口に
は除電器が設けられ、4つ目の該ドラムを通過した該用
紙を除電して定着器に供給しここで定着してコピーを終
える。尚、該複写機にはトナーの種類によって乾式と湿
式とがあり、乾式では該ベルトは横に帳架されるが、湿
式では縦に帳架される。本発明における前記フイルムは
いずれの場合も使用でき、その取り付け構造も一般に知
られているのと差はない。
【0024】
【実施例】以下比較例と共に実施例によって更に説明す
る。尚、PAIのMn、体積抵抗値(Rv)(Ω・c
m)及び機械的強度を示す引裂強度(N/cm)は次の
方法で測定したものである。
【0025】Mn・・浸透圧法の1つである、GPC
(ゲルパーミエーションクロマトグラフィ)によって測
定したもので、測定機器としては東ソー(株)製の“H
LC−8020型”で、カラムはshodex KD−
80M(プレカラムとしてはshodex AT−80
0P1本)を使用し測定した値。
【0026】Rv・・(株)ダイヤインスツルメンツ製
の抵抗測定器“ハイレスタ HRプローブ”により50
0V印加、10秒後に測定した値。
【0027】引裂強度・・JIS K6732に準じ
て、(株)東洋精機の“ストログラフR”により測定し
た値。
【0028】(実施例1)まずトリメリット酸一無水物
と4,4′−ジフェニルメタンジイソシアネートとの当
モル量を、無水N−メチルピロリドン中、140℃で反
応時間を変えて重縮合・イミド化反応させて、Mnの異
なる6種のPAI原液を製造した。得られた各PAI原
液の固形分濃度は28〜29重量%で有り、そして各原
液の1部を採取しPAIのMnを測定したら1.3万、
1.6万、1.9万、2.2万、2.5万、2.8万で
あった。尚、各原液の1部を採取してIR分析したとこ
ろ、未閉環に基づくカルボキシル基は認められず、全べ
てイミド化されたPAIであった。
【0029】そして前記各PAI原液の1kgを採取
し、それぞれに導電指標44.26(比表面積240、
吸油量400、揮発分16)CB粉体38.5g(固形
分に対してほぼ13.5重量%)と全量に対して50p
pmの分散助剤(フッ素系界面活性剤で三菱マテリアル
株式会社製のEF−TOP、タイプEF−351)及び
PAI固形分濃度が24.5重量%になるように130
〜140gのN−メチルピロリドンとを添加し予備混合
した後、これをボールミルに移し変えて充分に混合し、
半導電性のPAI組成液を得た。尚、各組成液の粘度は
0.42〜0.54Pa・sであった。
【0030】そして前記各PAI組成液を成型原液とし
て、これの300gを採取し、本文中で説明する成型装
置により次の条件で無遠心力下で成型しMnの異なる5
種の無端管状フイルム(製品)を成型した。
【0031】金属ドラムとして内面鏡面仕上げの内径2
50mm、幅500mmを使い、まず常温で6rad/
sの角速度でゆっくりと回転しA原液を左右動する幅5
0mmの供給ノズル(スリット)から該ドラム内面に向
かって液状での供給を開始した。該ノズルは回転に同調
して右から左に移動し、所定塗布厚になったら噴射を停
止した。そして遠赤外線ヒータでの加熱を開始し昇温と
共に回転速度を上げ100℃(該ドラム内温度)に到達
したら角速度を10rad/sにして120分間加熱し
た。更に260℃まで昇温してその温度で30分間加熱
した。この加熱の間は、吸排ノズルを使って蒸発する溶
媒を積極的に系外に排出除去した。加熱を停止し常温に
冷却して、該ドラムから剥離し製品として得た。
【0032】前記得られた各フイルムの厚さは、120
±2μm以内にあり、又各PAIのMnに対するRv
(1)及び引裂強度(2)は図1に示した。該Mnを変
えるだけで、電気抵抗が大きく低下し変わることが判
る。又、(CB混合量13.5重量%の少量であること
で)機械的強度の低下も小さく、この強度であれば充分
に実用に耐えるものであった。参考までにCB非混合の
(バージン)PAIフイルムで、例えばMn2.2万で
は約引裂強度2000N/cmであった。尚、各フイル
ムのRvは場所を変えて10ヶ所で測定しその平均値を
もって示したがバラツキは各フイルム共に0.2桁以内
であり、全体に均一であることも確認した。
【0033】(実施例2)実施例1で得られた各PAI
原液の中でMn=1.6万、2.2万及び2.8万の3
種を選びこの1kgを採取して、各々に導電指標11
1.39(比表面積200、吸油量76、揮発分5)C
B粉体を38.5g(固形分に対してほぼ13.5重量
%)を添加する以外は、全て該例と同様にして調製して
無遠心力下で成型し、各々の半導電無端管状PAIフイ
ルムを得た。
【0034】前記得られたフイルムの厚さは、各フイル
ム共に119〜122μm以内にあり、又Rv(10カ
所測定)はMn=1.6万のもので(6.5±2)×1
Ω・cm、2.2万のもので(5.2±1.5)
×10Ω・cm、2.8万のもので(2.4±1)×
10Ω・cmであった。本例は実施例1と異なり、よ
り低電気抵抗ゾーンの該フイルムはより導電指標の高い
CBを使って、Mnを変えることでこれを達成した例で
あるが、より導電指標の高いCBを使っても電気抵抗の
バラツキも大きくないことも判る。又、Mn=2.8万
の該フイルムの引裂強度を測定すると1810N/cm
であり、CBの種類に対する影響も小さいことも判る。
尚、実施例1の高電気抵抗ゾーンを本例の高導電指標C
B粉体で得ようとするならば、その混合量は実施例1の
混合量の1/2〜2/3程度でよい。
【0035】(比較例1)まず実施例1におけるPAI
原液製造において、両原料の反応時間をより短くして重
縮合・イミド化反応させて、Mnの異なる3種を製造し
た。得られたPAI原液の固形分濃度は28〜29重量
%で有り、そして各原液の1部を採取しPAIのMnを
測定したら1つは0.83万、もう1つは1.1万、も
う1つは1.21万であった。尚、各液の1部を採取し
てIR分析したところ、未閉環に基づくカルボン酸基は
認められず、全べてイミド化されたPAIであった。
【0036】そして前記3種の原液を用いて、実施例1
と同じ条件でCB粉体の混合、無遠心力下成型を行い相
当する半導電無端管状PAIフイルムを得た。得られた
各該フイルムのRvと引裂強度とを同様に測定したとこ
ろ、Mnが0.83万のものでは9×1014〜3×1
15Ω・cm、650〜750N/cm、1.1万の
ものでは4〜7×1014Ω・cm、810〜900N
/cm、1.21万のもので1〜3×1014Ω・c
m、930〜990N/cmであった。この結果は本発
明のMn1.3万未満のPAIでは、電気抵抗に対する
Mnの依存性が極めて小さいこと、CBの混合量が少な
くても機械的強度への影響が急に大きくなり実用できな
いレベルまで低下すること、更に電気抵抗にしても機械
的強度にしてもバラツキが大きいことを示している。
【0037】
【発明の効果】本発明は前記の通り構成されているの
で、次のような効果を奏する。
【0038】まずPAIのMnを変えるだけで、より少
量のCBの使用でもって高電気抵抗から低電気抵抗を有
する半導電性成形体が容易に得られるようになった。
【0039】そしてより少量のCBの使用でよいことか
ら、PAIの機械的強度への影響もより小さくなり、従
来実用に困難であった用途分野への展開が可能になっ
た。例えば高い機能性(機械的強度、耐熱性、安定した
半導電性等)が求められるカラー複写機の紙搬送用ベル
トとして使用が可能になった。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例1の結果(Rv、引裂強度)をグラフに
示したものである。
【符号の説明】
1 PAIのMnとRvとの関係 2 PAIのMnと引裂強度との関係
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) G03G 15/16 G03G 15/16

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】数平均分子量1.3万以上のポリアミドイ
    ミドと導電性カーボンブラックとからなることを特徴と
    する半導電性ポリアミドイミド組成物。
  2. 【請求項2】導電指標20〜150の電導性カーボンブ
    ラックである請求項1に記載の半導電性ポリアミドイミ
    ド組成物。
  3. 【請求項3】導電性カーボンブラックの含有量が5〜2
    0重量%である請求項1又は2に記載の半導電性ポリア
    ミドイミド組成物。
  4. 【請求項4】半導電性ポリアミドイミド組成物が管状フ
    イルムである請求項1〜3のいずれか1項に記載の半導
    電性ポリアミドイミド組成物。
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