JP4159978B2 - 中間転写体及びそれを用いた画像形成装置 - Google Patents
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Description
中間転写体の代表例として中間転写ベルトを用いて説明する。
図1は、1個の感光ドラムを使ったリボルバ型カラー電子写真装置の概略構成図である。
本発明の中間転写体は、分散剤無しに水溶性有機溶剤に分散及び/または溶解が可能な表面改質カーボンブラックを含んだ層を有し、該カーボンブラックがスルホン化剤により表面処理されたカーボンブラックであり、かつ、該カーボンブラックの親水性官能基量/比表面積の値が5〜30μmol/m2の範囲にあることを特徴とする。
カーボンブラックは、各種の炭化水素又は炭素を含む化合物を不完全燃焼して得られる微細な球状粒子の集合体と定義され、化学組成が炭素98%以上の、限りなく純粋に近い炭素材料の総称である。
アセチレンブラックもアセチレンを原料とする一種のサーマル法であるが、アセチレンの熱分解は他の原料が吸熱反応であるのに対し発熱反応であるため、サーマル法における燃焼サイクルを省略することが可能となり、連続運転が出来る。アセチレンブラックの特徴は、通常のカーボンブラックに比較して結晶性が発達し、かつ、ストラクチャーが高いことにあるため導電性にすぐれ、乾電池用並びに各種ゴム、プラスチックの導電性付与剤として使用されている。
カーボンブラックをゴムや樹脂、塗料やインキのビヒクルに配合、分散させ補強性や黒色度、導電性などの機能を付与する際重要な因子は、粒子径とストラクチャー、それに粒子表面の物理化学的性質であり、これを通常カーボンブラックの三大特性と呼んでおり、これらの組み合わせで種々のカーボンブラックが製造されている。
1.粒子径:粒子径と表面積
2.ストラクチャー:DBP給油量(ml/100g)とストラクチャー指数
3.表面の化学的特性:揮発分(%)とpH
である。
表1にカーボンブラックの製法による性能の特性を示した。
(1)分散剤無しに水溶性有機溶剤に分散及び/または溶解が可能なカーボンブラックであって、該カーボンブラックがスルホン化表面処理されており、その親水性官能基量/比表面積の値が5〜30μmol/m2の範囲のもの、
(2)表面改質カーボンブラックが酸性カーボンブラックをスルホン化して得られたもの、
(3)表面改質カーボンブラックが、チャンネルカーボンブラックをスルホン化して得られたもの、
(4)前記表面改質カーボンブラックが、極性有機溶剤中にてスルホン化ピリジン塩、スルファミン酸、アミド硫酸、フルオロ硫酸、クロロ硫酸、三酸化硫黄、発煙硫酸、硫酸から選ばれるスルホン化剤により処理して得られたもの、
(5)極性有機溶剤がN−メチル−2−ピロリドンまたはスルホランであること、
(6)表面改質カーボンブラックが、1.5mmol/g以上の親水性官能基を有するもの、
これらの表面処理カーボンブラックを用いることにより抵抗均一性が高く、しかも分散安定性が良好な成膜液組成物を作製できることを見出し本発明に至った。
カーボンブラックの粒子表面は縮合芳香族環があり下記に示す各種表面処理が可能である。
カーボンブラックを酸化剤で処理すると、粒子表面の縮合芳香族環へカルボキシル基やフェノール性水酸基が導入される。
カーボンブラックは通常のアニオン性界面活性剤、ノニオン性界面活性剤、カチオン性界面活性剤、両性界面活性剤等により分散することが出来る。
カーボンブラックは高分子分散剤の立体障害反発による分散が可能である。
カーボンブラックが樹脂により被覆され溶剤中に分散されている。または、樹脂にカーボンブラックが含浸されたもの、即ち、表層もしくは内部、あるいは全体にカーボンブラックが存在するもの。その特徴は、分散安定性、表面濡れ性、レオロジー特性、電気特性などの特性を改良することが出来る。特に、分散安定性では、グラフト鎖の良溶媒中への分散性(分散媒中への易分散性と分散後の安定性)が著しく向上し、また、電気特性では、カーボンブラック粒子がポリマーマトリックス中へ容易に、しかも均一に分散するので、広い面積にわたって一定の抵抗値が得られるという特徴がある。
カーボンブラックのグラフト化処理は、グラフト機構に基づいて次の様に分類できる。
(a)カーボンブラック表面へのグラフト重合
カーボンブラックの存在下で、重合開始剤を用いてビニルモノマーの重合を行い、系内で生成する生長ポリマー鎖を粒子表面で補足する方法
(b)カーボンブラック表面からのグラフト重合
カーボンブラック表面へ導入した重合開始基からグラフト鎖を生長させる方法
(c)カーボンブラック表面とポリマーとのグラフト反応
カーボンブラック表面の官能基と反応性ポリマーとの反応による方法
このうち、aの方法は最も簡単に行なうことができるが、非グラフトポリマーの生成が優勢に起こるため、グラフト率の大きなものを得ることができない。これに対して、bの系では、カーボンブラック表面からポリマー(グラフト鎖)が外へ向かって生長するので、グラフト率の大きなものが得られるという特徴がある。更に、cの方法によると、グラフト鎖の分子量や数を制御できるという大きな特徴があり、グラフト率も比較的大きなものが得られる。
オゾン処理やプラズマ処理によるカーボンブラック表面の酸化処理方法であり、カーボンブラックにプラズマ照射することでプラズマの高エネルギーによってカーボンブラック表面に水酸基やカルボキシル基を付けることが出来る。
カーボンブラックを酸化剤で処理すると、粒子表面の縮合芳香族環へカルボキシル基やフェノール性水酸基が導入される。更に、カーボンブラック表面の縮合芳香族環は、次の様々な試薬と反応し、粒子表面への多彩な官能基の導入が可能となっている。
アニオン性界面活性剤、ノニオン性界面活性剤、カチオン性界面活性剤、両性界面活性剤の種類としては次のような構造のものが使用できる。
好ましい界面活性剤としては界面ポリオキシエチレンアルキルエーテル酢酸塩、ジアルキルスルホ琥珀酸塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンブロック共重合体、アセチレングリコール系界面活性剤が挙げられる。より具体的にはアニオン系界面活性剤としてはポリオキシエチレンアルキルエーテル酢酸塩(II)、及び/または炭素鎖が5〜7の分岐したアルキル鎖を有するジアルキルスルホ琥珀酸(III)を用いることでカーボンブラックの分散安定性が選られる。
M:アルカリ金属イオン、第4級アンモニウム、第4級ホスホニウム、アルカノールアミン
M:アルカリ金属イオン、第4級アンモニウム、第4級ホスホニウム、アルカノールアミン、さらに、本発明の界面活性剤の対イオンとしてリチウムイオン及び第4級アンモニウム、第4級ホスホニウムを用いることにより界面活性剤が優れた溶解安定性を示す。
本発明においては、前記カーボンブラックと前記有機極性溶媒との親和性を高めるために分散剤をさらに添加することができる。分散剤としては、本発明の目的にかなうものであれば特に限定されないが、例えば高分子分散剤が挙げられる。高分子分散剤としては、ポリ(N−ビニル−2−ピロリドン)、ポリ(N,N’−ジエチルアクリルアジド)、ポリ(N−ビニルホルムアミド)、ポリ(N−ビニルアセトアミド)、ポリ(N−ビニルフタルアミド)、ポリ(N−ビニルコハク酸アミド)、ポリ(N−ビニル尿素)、ポリ(N−ビニルピぺリドン)、ポリ(N−ビニルカプロラクタム)、ポリ(N−ビニルオキサゾリン)等が挙げられ、単独又は複数の高分子分散剤を添加することができる。また、この他に本発明の目的の範囲内で、高分子材料、界面活性剤、無機塩等の分散安定化剤を用いることもできる。
表面への官能基導入
カーボンブラック表面に存在するフェノール性水酸基やカルボキシル基は、そのままグラフト反応の足場として利用できるが、これをベースとして、より反応性の高い官能基に変換すると、様々なポリマーのグラフト反応へ活用できる。
カーボンブラックの存在下で、ビニルモノマーのラジカル重合を行なうと、生成するポリマーの一部が粒子表面へグラフトする。
a.ラジカル重合
(i)ペルオキシド及びペルオキシエステル基
(ii)アゾ基
b.カチオングラフト重合
(i)アシリウムパークロレート基
(ii)クロルメチル基
(iii)ベンジリウムパークロレート
c.アニオングラフト重合
(i)カリウムカルボン酸塩基
(ii)カーボンブラック/BuLi複合体(OLi基)
(iii)アミノ基
a.反応性カーボンブラックとポリマーとの反応
b.カーボンブラックと反応性ポリマーとの反応
(i)リビングポリマーとの反応
(ii)末端イソシアナート基ポリマーとの反応
好ましくは、高分子(樹脂)分散タイプ、グラフトタイプ、カプセル化タイプが良い。
ポリアミック酸の重合反応に使用される有機極性溶媒としては、例えば、ジメチルスルホキシド、ジエチルスルホキシドなどのスルホキシド系溶媒、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジエチルホルムアミドなどのホルムアミド系溶媒、N,N−ジメチルアセトアミド、N,N−ジエチルアセトアミドなどのアセトアミド系溶媒、N−メチル−2−ピロリドン、N−ビニル−2−ピロリドンなどのピロリドン系溶媒、フェノール、o−、m−またはp−クレゾール、キシレノール、ハロゲン化フェノール、カテコールなどのフェノール系溶媒、テトラヒドロフラン、ジオキサン、ジオキソラン等のエーテル系溶媒、メタノール、エタノール、ブタノール等のアルコール系溶媒、ブチルセロソルブ等のセロソルブ系あるいはヘキサメチルホスホルアミド、γ−ブチロラクトンなどをあげることができ、これらを単独或いは混合溶媒として用いるのが望ましい。溶媒は、ポリアミック酸を溶解するものであれば特に限定されないが、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチル−2−ピロリドンが特に好ましい。
それらは例えば、トレニース(東レ社製)、U−ワニス(宇部興産社製)、リカコート(新日本理化社製)、オプトマー(JSR社製)、SE812(日産化学社製)、CRC8000(住友ベークライト社製)等を代表的に挙げることが出来る。
具体的な例を挙げるならば、表面平坦性、レベリング性を向上させる目的で各種表面張力調節剤を添加することができる。これらの添加剤は一般的にはレベリング剤、消泡剤、塗膜欠陥改良剤として知られているものである。これらの中で特に好ましい添加剤はシリコ−ン系添加剤である。又、非シリコ−ン系添加剤でも、例えばグリセリン高級脂肪酸エステル類、高級アルコ−ルホウ酸エステル類、含フッ素界面活性剤等が好適に用いられる。これらの添加量は0.001〜1%(対組成物重量)である。
更に滑り性を改良する目的で、固体潤滑剤、例えば二硫化モリブデン、グラファイド、窒化ホウ素、一酸化鉛、鉛粉などを一種以上添加することができる。
加熱によりイミド化を完結させるためには、本質的に用いるポリイミドのガラス転移温度以上に加熱しなければ、そのポリイミドの本来的な性能を発揮することが出来ない。
イミド化率の測定方法は種々知られており、9〜11ppm付近のアミド基に帰属される1Hと6〜9ppm付近の芳香環に帰属される1Hとの積分比から算出する核磁気共鳴分光法(NMR法)、フーリエ変換赤外分光法(FT−IR法)、イミド閉環に伴う水分を定量する方法、カルボン酸中和滴定法があるが、最も一般的にはフーリエ変換赤外分光法(FT−IR法)が用いられる。
イミド化率=(焼成段階でのイミド基のモル数)/(100%理論的にイミド化された場合のイミド基のモル数)×100
イミドの特性吸収の1つである725cm−1(イミド環C=O基の変角振動帯)とベンゼン環の特性吸収1,015cm−1との吸光度比
イミドの特性吸収の1つである1,380cm−1(イミド環C−N基の変角振動帯)とベンゼン環の特性吸収1,500cm−1との吸光度比
イミドの特性吸収の1つである1,720cm−1(イミド環C=O基の変角振動帯)とベンゼン環の特性吸収1,500cm−1との吸光度比
イミドの特性吸収の1つである1,720cm−1とアミド基の特性吸収1,70cm−1(アミド基N−H変角振動とC−N伸縮振動の間の相互作用)との吸光度比
等を用いてイミド化率を評価することが出来る。
又、3000〜3300cm−1にかけてのアミド基由来の多重吸収帯が消失していることを確認すれば更にイミド化完結の信頼性は高まる。
ポリイミドは、一般的には芳香族多価カルボン酸無水物或いはその誘導体と芳香族ジアミンとの縮合反応によって得られる。(化学反応式2参照)
本発明の中間転写体の少なくとも表面に用いられるポリイミド変性シリコーン樹脂は、下記の一般式(8)で表すことが出来る。
ポリイミド変性シリコーン樹脂の構造中、R2〜R5はメチル基が好適である。シロキサン構造の側鎖によって、表面特性特に摩擦係数を低減することが可能で、中間転写体の場合前述したように多くの当接部材があるために、駆動トルク等を小さくするにはその摩擦係数は0.2〜0.4の範囲であることが好ましい。ポリイミド変性シリコーン樹脂においては、シロキサンユニットとしてR2〜R5にメチル基を導入した、ジメチルシロキサンモノマー成分を用いることでそれが可能になる。
シロキサンジアミン化合物としては、
H2N−R1−(−SiR2R3−O−)n−SiR4R5−R6−NH2
(R1、R6は2価の有機基、R2〜R5はアルキル基、フェニル基、又は置換フェニル基を示し、nは5〜50の整数を示す)
が一般式として示され、具体的には、ビス(3−アミノプロピル)テトラメチルジシロキサン、ビス(10−アミノデカメチレン)テトラメチルジシロキサン、アミノプロピル末端基を有するジメチルシロキサン4量体、8量体、ビス(3−アミノフェノキシメチル)テトラメチルジシロキサン等が挙げられる。
架橋剤の添加量は、ポリイミド変性シリコーン樹脂100重量部に対して0.5重量部以上10重量部以下が好ましい。添加量が0.5重量部を下回ると架橋性が十分ではなくなり、10重量部を越えると余剰の架橋剤が中間転写体の離型性に悪影響を及ぼす。
ポリアミドイミドは分子骨格中に剛直なイミド基と柔軟性を付与するアミド基を有する樹脂であり、本発明に用いられるポリアミドイミドは一般的なものを使用することが出来る。
ポリアミドイミド樹脂を合成する方法として一般的に、
1.イソシアネート法〜酸無水物基を有する3価のカルボン酸の誘導体と芳香族イソシアネートより溶媒中で製造する方法(例えば特公昭44−19274)
2.酸クロライド法〜酸無水物基を有する3価のカルボン酸の誘導体ハライド、最も代表的には前記誘導体クロライドとジアミンから溶媒中で製造する方法(例えば特公昭42−15637)
が用いられる。各製造方法について説明する。
酸無水物基を有する3価のカルボン酸の誘導体としては、例えば、一般式(9)及び(10)で示す化合物を使用することができる。
これらは何れも使用することが出来るが最も代表的には無水トリメリット酸が用いられる。又これらの酸無水物基を有する3価のカルボン酸の誘導体は、目的に応じて単独又は混合して用いられる。
酸無水物基を有する3価のカルボン酸の誘導体ハライドとしては、例えば一般式(12)及び(13)で示す化合物を使用することができる。
本発明は、少なくとも揮発分が3.5〜8.0重量%の範囲にある酸性カーボンブラックと、重量平均分子量が3000〜300000の範囲にあるポリアミド酸あるいはポリイミドより成る重合体またはブロック型の重合体を分散剤として用い水溶性有機溶剤に分散されたカーボンブラック及びバインダー樹脂を含み、前記酸性カーボンブラックと前記分散剤との含有比率が重量比で3:1〜10:1の範囲にあることを特徴とする中間転写体形成用成膜液組成物である。
(1)カーボンブラックとして揮発分が3.5〜8重量%の範囲にある酸性カーボンブラックを用いること、
(2)ポリアミド酸あるいはポリイミドよりなる(ブロック)重合体を分散剤として用いること、
(3)樹脂分散剤の重量平均分子量を3000〜300000の範囲とすること、より好ましくは5000〜150000の範囲にすることに、
(4)酸性カーボンブラックと樹脂分散剤との含有比率を重量比で3:10:1の範囲にすること
によって、抵抗均一性が高く、しかも分散安定性が良好な成膜液組成物を作成できることを見い出し本発明に至った。
カーボンブラックのpHが5以下であると抵抗均一性が高くなる理由は定かでないが、推測するところでは、このようなカーボンブラックではpHを左右する表面酸性基が多く存在するため、顔料粒子自体の成膜液溶媒への親和性が上がり、このために微分散が可能になり、その結果、抵抗均一性が上がると思われる。
即ち、カーボンブラック試料1〜10gをビーカーに量り採り、試料1gにつき10mlの割合で水を加え、時計皿で覆い、15分間煮沸する(試料をぬれやすくするため、エタノール数滴を加えてもよい)。煮沸後室温まで冷却し、傾斜法又は遠心分離法によって上澄み液を除去して、泥状物を残す。この泥状物中にガラス電極pH計の電極を入れ、JISZ8802(pH測定法)によってpHを測定する。この場合、電極の挿入位置により測定値が変化することがあるから、ビーカーを動かして電極の位置を変えて電極面の泥状面が十分に接触するように注意して量り、pH値が一定になったときの値を読む。
カーボンブラックの揮発分が3.5重量%以上であると抵抗均一性が高くなる理由は定かでないが、推測するところでは、このようなカーボンブラックでは表面酸性基が多く存在するため、顔料粒子自体の成膜液溶媒への親和性が上がり、そのために微分散が可能になり、その結果、抵抗均一性が上がると思われる。
更に、成膜液を遠心成型法等で中間転写体に成型加工する方法にあっては、揮発分が8重量%を超えるカーボンブラックで成膜液を作成しても、抵抗均一性はこれ以上が高くなり易いので、揮発分が3.5〜8.5重量%の範囲にあるカーボンブラックを用いることが特に望ましい。これは、揮発成分が余り多いとカーボンブラックの分散性の阻害の原因となるためであると考えられる。
V=(WD−WR)/WD×100
ここに、V:揮発分(%)
WD:乾燥試料の質量(g)
WR:加熱後の試料の質量(g)
さらに、これらのカーボンブラックを硝酸等で酸化処理を行い所望の酸性度を得る。
更に本発明では、カーボンブラックを分散するために使用する樹脂分散剤の重量平均分子量は3000〜300000、さらに好ましくは5000〜150000の範囲でなければならないことをも見い出した。
つまり、本発明の成膜液組成物の如く、酸性カーボンブラックを使用する場合には、分散樹脂の平均分子量を小さいものにして成膜液の粘性、分散体の粒子径を小さくしなけば良好な分散安定性が得られず、しかも前述のように分散樹脂はカーボンブラックの周囲に吸着し立体障害の働きをしなくてはならないために平均分子量が小さ過ぎては長期保存における分散安定性が悪くなってしまう。
分散樹脂の重量平均分子量の測定方法としては、種々の方法が上げられるが、GPC(ゲルパーミエーションクロマトグラフィー)等で測定するのが一般的である。尚、前記樹脂分散剤は、成膜液全重量に対して、0.1〜10重量%の範囲で含有される事が好ましい。
多くの有機溶剤の中でも有機アミン類は、樹脂分散の場合には、本発明の成膜液中に、好ましくは0.001〜10重量%含有されても良い。
本発明の成膜液中の上記水溶性有機溶剤の含有量は、一般には成膜液全重量の60〜95重量%の範囲であり、使用するバインダー樹脂の含有量は、一般には成膜液全重量の1〜40重量%の範囲である。
界面活性剤としては脂肪酸塩類、高級アルコール硫酸エステル塩類、液体脂肪油硫酸エステル塩類、アルキルアリルスルホン酸塩類等の陰イオン界面活性剤、ポリオキシエチレンアルキルエーテル類、ポリオキシエチレンアルキルエステル類、ポリオキシエチレンソルビタンアルキルエステル類等の非イオン性界面活性剤があり、これらの1種または2種以上を適宜選択して使用でき。その使用量は分散剤により異なるが、成膜液全量に体して0.01から5重量%が望ましい。
溶解している樹脂分散剤とは、成膜液中において顔料に吸着していないで液媒体中に溶解した状態の樹脂を指す。
さらに、分散液中のカーボンブラックと樹脂分散剤の総量は10%以上であることが好ましい。その理由としては、分散液中に一定濃度以上のカーボンブラックと樹脂分散剤が存在しないと分散を効率的に行い最適な分散状態を得ることができないからである。
とりわけ未吸着樹脂量を2%以下にするためには、作成方法において、樹脂、アミンあるいは塩基等を含むビヒクルを60℃以上、30分間以上撹拌して樹脂を予め完全に溶解させることが必要である。
アミンあるいは塩基の量(g)=
樹脂の酸価×アミンあるいは塩基の分子量×樹脂量(g)/56000
このプレミキシング操作は、顔料表面の濡れ性を改善し、顔料表面への樹脂の吸着を促進するものである。
又分散液に添加される塩基としては、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化リチウム等のアルカリ金属塩の水和物などの無機アルカリ剤が好ましい。
その中でも高速型のサンドミルが好ましく、たとえばスーパーミル、サンドグラインダー、ビーズミル、アジテータミル、グレンミル、ダイノーミル、パールミル、コボルミル(いずれも商品名)等が挙げられる。
本発明の半導電性ベルトは、少なくとも表面層に導電性微粉末としてカーボンブラックを均一に分散させたポリイミド樹脂層を有する半導電性ベルトであり、単層であっても2層以上の複数層を有していてもよい。カーボンブラックとしては、一般的にカーボンブラックの一次粒子径は10nm〜1μmであるが、分散液や樹脂中に混入する場合、カーボンブラックの分散時に凝集を発生することがある。
本発明のポリイミド樹脂組成物は,導電性物質としてカーボンブラックを含有する。
カーボンブラックとしては、チャンネルブラックまたはファーネスブラックが好ましい。ファーネスブラックについては、酸化処理を施したものを用いると、溶媒への分散性が向上されるため、適宜酸化処理を行ったものが好ましい。さらに、酸化処理を施したファーネスブラックは、処理によってその表面に酸素を含有した官能基(カルボキシル基、ケトン基、ラクトン基、水酸基等)が付与されるため、極性溶媒との親和性がよく、かつ電気的負荷等によりカーボンブラック表面が酸化劣化を受け難くなる。そのようなカーボンブラックを半導電性ベルトに使用すると、導電経路の形成が起き難くなって、抵抗低下を防ぐことができる。
本発明のポリイミド樹脂組成物は、前記カーボンブラックを含有するポリアミド酸溶液を加熱して、溶媒の除去及びイミド転化反応を行うことにより得ることができる。本発明に用いるポリイミド樹脂は、公知のものを使用することができ、酸二無水物とジアミンを溶媒中で重合反応させて得られる。なかでも、芳香族ポリイミド樹脂は、得られるベルトの機械的強度や耐熱性、寸法安定性が良好であり好ましい。
高分子分散剤の具体例としては、ポリ(N−ビニル−2−ピロリドン)、ポリ(N,N’−ジエチルアクリルアジド)、ポリ(N−ビニルホルムアミド)、ポリ(N−ビニルアセトアミド)、ポリ(N−ビニルフタルアミド)、ポリ(N−ビニルコハク酸アミド)、ポリ(N−ビニル尿素)、ポリ(N−ビニルピぺリドン)、ポリ(N−ビニルカプロラクタム)、ポリ(N−ビニルオキサゾリン)等が挙げられ、単独又は複数の高分子分散剤を添加することができる。
以下、本発明のポリイミド樹脂組成物及びシームレスベルトの製造方法の一例を説明する。
まず、前記有機極性溶媒中にカーボンブラック及び適宜高分子分散剤を添加、分散してカーボンブラック分散液を調製する。
分散方法としては公知の方法が適用でき、ボールミル、サンドミル、バスケットミル、超音波分散等が挙げられる。
次に、前記カーボンブラック分散液に、前記酸二無水物及びジアミンを溶解し、混合・撹拌して重合反応を進行させ、ポリアミド酸溶液を得る。
溶媒の除去のための加熱温度は、適用した溶媒を蒸発させることができる温度であれば特に制限はなく適宜に設定できる。ポリアミド酸溶液中の溶媒が急激に蒸発するための微小ボイドの発生を防止するためには230℃以下が好ましく、加熱時間の短縮という観点から80℃以上が好ましい。加熱時間は加熱温度に応じて適宜設定され、通常、10〜60分程度である。
次いで、イミド転化反応完結や閉環水の除去のために、加熱する。通常、この時の加熱温度は上記溶媒蒸発温度以上から450℃以下、好ましくは250〜400℃、加熱時間は10〜60分である。
ポリイミド樹脂組成物を様々な形状の成形物にするには、各々公知の成形法を用いる。例えば、フィルムやベルト等の薄膜を得るには、ガラス板若しくは銅板等の平板、エンドレスベルト又は円筒状金型等に前記ポリアミド酸溶液を塗布等することにより被膜を形成した後、加熱による溶媒除去、イミド転化反応、閉環水除去を行うことにより、ポリイミド樹脂組成物からなるフィルムやベルトを得ることができる。また、シームレスベルトを得るには、円筒状金型内面にポリアミド酸溶液を流延又は塗布後、金型を回転させる方法や弾丸状走行体を自重若しくは気体圧により走行させる方法、又は円柱状金型をポリアミド酸溶液に浸漬した後、引き上げて環状金型等により成形する方法等により被膜を形成した後、加熱による溶媒除去、イミド転化反応、閉環水除去を行うことにより、ポリイミド樹脂組成物からなるシームレスベルトを得ることが挙げられ、適宜選択することができる。
本発明の高制電性シームレスベルトは、積層することにより多層化することも可能であるが、少なくとも最外表面は、前記ポリイミド樹脂組成物からなる。
カーボンブラックグラフトポリマーとは、カーボンブラック部分に重合体部分がグラフト化された微粒子をいう。カーボンブラックグラフトポリマーは、カーボンブラックの一次粒子あるいは数個の凝集体に重合体がグラフト化されたものである。グラフト化に用いることができる付加反応には、求電子付加反応、ラジカル付加反応、求核付加反応、付加環化反応がある。
カーボンブラックに対して反応性を有する重合体は、例えばカーボンブラックの表面官能基と反応性を有する反応性基を有するものであれば良く、さらにこの反応性基としては、カーボンブラック表面に存在する官能基と反応して当該重合体のカーボンブラックへのグラフト化に寄与できるものであれば特に限定されるものではなく各種の反応性基を利用できる。
表2に示す条件で,以下のようにカーボンブラックを処理した。カーボンブラックを溶剤に分散させ,スルホン化剤を添加し,加熱攪拌しながら維持した。ついで,溶剤にて数回洗浄後,水中に注ぎ,再度水洗を繰り返し,フィルターにて8種類の処理カーボンブラックの水性分散体(固形分15%)を得た。
*2:カーボンブラック(デグサ社製 S170)
*3:カーボンブラック(三菱化学製 MA−8)
*4:カーボンブラック(デグサ社製 FW200)
*5:カーボンブラック(デグサ社製 スペシャルブラック4)
*6:カーボンブラック(三菱化学製 MAー7)
*7:カーボンブラック(三菱化学製 #2600)
*8:カーボンブラック(デグサ社製 Printex35)
* :N−メチル−2−ピロリドン
(カーボンブラック分散液の調整)
市販の酸性カーボンブラックであるカラーブラックFW18(商品名;デグサ社製)(比表面積 260m2/g)100gをスルホラン1000gに混合して、ジルコニアビーズによるボールミルにて粉砕した。この粉砕原液を表2に示す条件にて10時間煮沸してスルホン化処理を行った。得られた分散原液をガラス繊維ろ紙GA−100(商品名、アドバンテック東洋株式会社製)でろ過して、さらに水で洗浄した。得られたウェットケーキを水5kgに再分散して、逆浸透膜により電導度が20μS/cmになるまで脱塩および精製した。さらに乾燥し、n−メチル−2−ピロリドンで顔料濃度が15重量%のカーボンブラック分散液1を調製した。得られた表面改質カーボンブラックの親水性官能基量は、前記した真空熱分解ガス法で測定したところ、2340μmol/gであり、この値をカラーブラックFW18の比表面積で除した値(すなわち親水性官能基量/比表面積の値)は9.0μmol/m2であった。
市販の酸性カーボンブラックであるカラーブラックS170(商品名;デグサ社製)(比表面積 200m2/g)100gをn−メチル−2−ピロリドン1kgに混合して、ジルコニアビーズによるボールミルにて粉砕した。この粉砕原液を表2に示す条件にて、ボールミルで粉砕しながら5時間反応させ、さらに攪拌しながら4時間煮沸してスルホン化処理を行った。得られた分散原液をガラス繊維ろ紙GA−100(商品名、アドバンテック東洋株式会社製)でろ過して、さらに水で洗浄した。得られたウェットケーキを水5kgに再分散して、逆浸透膜により電導度が20μS/cmになるまで脱塩および精製した。さらに乾燥し、n−メチル−2−ピロリドンで顔料濃度が15重量%のカーボンブラック分散液2を調製した。得られた表面改質カーボンブラックの親水性官能基量は、前記方法で測定したところ、2100μmol/gであり、この値をカラーブラックS170の比表面積で除した値は10.5μmol/m2であった。
市販の酸性カーボンブラックであるMA8(商品名;三菱化学社製)(比表面積 137m2/g)100gをn−メチル−2−ピロリドン1000gに混合して、ジルコニアビーズによるボールミルにて粉砕した。この粉砕原液を表2に示す条件にて、10時間煮沸してスルホン化処理を行った。得られた分散原液をガラス繊維ろ紙GA−100(商品名、アドバンテック東洋株式会社製)でろ過して、さらに水で洗浄した。得られたウェットケーキを水5kgに再分散して、逆浸透膜により電導度が20μS/cmになるまで脱塩および精製した。さらに乾燥し、n−メチル−2−ピロリドンで顔料濃度が15重量%のカーボンブラック分散液3を調製した。得られた表面改質カーボンブラックの親水性官能基量は、前記方法で測定したところ、1230μmol/gであり、この値をMA8の比表面積で除した値は9.0μmol/m2であった。
市販のチャンネルカーボンブラックであるカラーブラックFW200(商品名;デグサ社製)(比表面積460m2/g)100gをスルホラン1000gに混合して、ジルコニアビーズによるボールミルにて粉砕した。この粉砕原液を表2に示す条件にて、10時間煮沸してスルホン化処理を行った。得られた分散原液をガラス繊維ろ紙GA−100(商品名、アドバンテック東洋株式会社製)でろ過して、さらに水で洗浄した。得られたウェットケーキを水5kgに再分散して、逆浸透膜により電導度が20μS/cmになるまで脱塩および精製した。さらに乾燥し、n−メチル−2−ピロリドンで顔料濃度が15重量%のカーボンブラック分散液4を調製した。得られた表面改質カーボンブラックの親水官能基量は、前記方法で測定したところ2600μmol/gであり、この値をFW200の比表面積で除した値は5.7μmol/m2であった。
市販のチャンネルカーボンブラックであるスペシャルブラック4(商品名;デグサ社製)(比表面積180m2/g)100gをスルホラン500gに混合して、ジルコニアビーズによるボールミルにて粉砕した。この粉砕原液を表2に示す条件にて、10時間煮沸してスルホン化処理を行った。得られた分散原液をガラス繊維ろ紙GA−100(商品名、アドバンテック東洋株式会社製)でろ過して、さらに水で洗浄した。得られたウェットケーキを水5kgに再分散して、逆浸透膜により電導度が20μS/cmになるまで脱塩および精製した。さらに乾燥し、n−メチル−2−ピロリドンで顔料濃度が15重量%のカーボンブラック分散液5を調製した。得られた表面改質カーボンブラックの親水官能基量は、前記方法で測定したところ、2500μmol/gであり、この値をスペシャルブラック4の比表面積で除した値は13.9μmol/m2であった。
カーボンブラック分散液1〜5の調整方法と同様な方法で、表2に示す条件にてn−メチル−2−ピロリドンのカーボンブラック分散液6、7、8を調整した。得られた表面改質カーボンブラックの親水官能基量は、それぞれ次の様になった。
カーボンブラック分散液6:21.2μmol/m2であった。
カーボンブラック分散液7:12.5μmol/m2であった。
カーボンブラック分散液8:27.6μmol/m2であった。
カーボンブラック分散液1に記載の酸性カーボンブラックであるカラーブラックFW18 5gをn−メチル−2−ピロリドン95gに添加してホモミキサーで充分攪拌を行った。次いで、数分間、静置させるとカーボンブラックが凝集し沈降した。得られたカーボンブラックの親水性官能基量は、前記方法で測定したところ、130μmol/gであり、この値をカラーブラックFW18の比表面積で除した値は0.50μmol/m2であった。
カーボンブラック分散液2に記載の酸性カーボンブラックであるカラーブラックS170 100gを水500gに混合して、ジルコニアビーズによるボールミルにて粉砕した。この粉砕原液に次亜塩素酸ナトリウム(有効塩素濃度 12%)350gを滴下し、10時間煮沸して湿式酸化を行った。得られた分散原液をガラス繊維ろ紙GA−100(商品名、アドバンテック東洋株式会社製)でろ過して、さらに水で洗浄した。得られたウェットケーキを水5kgに再分散して、逆浸透膜により電導度が20μS/cmになるまで脱塩および精製した。さらに乾燥し、n−メチル−2−ピロリドンで顔料濃度が15重量%のカーボンブラック分散液10を調製した。得られた表面改質カーボンブラックの親水性官能基量は、前記方法で測定したところ、960μmol/gであり、この値をカラーブラックS170の比表面積で除した値は4.80μmol/m2であった。
カーボンブラック分散液3に記載の酸性カーボンブラックであるMA8、100gを水500gに混合して、ジルコニアビーズによるボールミルにて粉砕した。この粉砕原液に次亜塩素酸ナトリウム(有効塩素濃度 12%)70gを滴下し、6時間煮沸して湿式酸化を行った。得られた分散原液をガラス繊維ろ紙GA−100(商品名、アドバンテック東洋株式会社製)でろ過して、さらに水で洗浄した。得られたウェットケーキを水5kgに再分散して、逆浸透膜により電導度が2mS/cmになるまで脱塩および精製し、さらに顔料濃度が15重量%になるまで濃縮してカーボンブラック分散液11を調製した。得られた表面改質カーボンブラックの親水性官能基量は、前記方法で測定したところ、620μmol/gであり、この値をMA8の比表面積で除した値は4.53μmol/m2であった。
カーボンブラック分散液1に記載の酸性カーボンブラックであるカラーブラックFW18 100gを水500gに混合して、ジルコニアビーズによるボールミルにて粉砕した。この粉砕原液に次亜塩素酸ナトリウム(有効塩素濃度 12%)3840gを滴下し、10時間煮沸して湿式酸化を行った。得られた分散原液をガラス繊維ろ紙GA−100(商品名、アドバンテック東洋株式会社製)でろ過して、さらに水で洗浄した。得られたウェットケーキを水5kgに再分散して、逆浸透膜により電導度が20μS/cmになるまで脱塩および精製した。さらに乾燥し、n−メチル−2−ピロリドンで顔料濃度が15重量%のカーボンブラック分散液12を調製した。得られた表面改質カーボンブラックの親水性官能基量は、前記方法で測定したところ、7900μmol/gであり、この値をカラーブラックFW18の比表面積で除した値は30.38μmol/m2であった。
カーボンブラック分散液2に記載の酸性カーボンブラックであるカラーブラックS170 100gを水1kgに混合して、ジルコニアビーズによるボールミルにて粉砕した。この粉砕原液に次亜塩素酸ナトリウム(有効塩素濃度 12%)2420gを滴下して、ボールミルで粉砕しながら5時間反応させ、さらに攪拌しながら4時間煮沸して湿式酸化を行った。得られた分散原液をガラス繊維ろ紙GA−100(商品名、アドバンテック東洋株式会社製)でろ過して、さらに水で洗浄した。得られたウェットケーキを水5kgに再分散して、逆浸透膜により電導度が20μS/cmになるまで脱塩および精製した。さらに乾燥し、n−メチル−2−ピロリドンで顔料濃度が15重量%のカーボンブラック分散液13を調製した。得られた顔料分散液を塩酸水で酸性とし、再度膜精製を行った後、濃縮、乾燥、および微粉砕して酸化カーボンブラックの粉末を得た。得られた表面改質カーボンブラックの親水性官能基量は、前記方法で測定したところ、6400μmol/gであり、この値をカラーブラックS170の比表面積で除した値は32.00μmol/m2であった。
カーボンブラック分散液3に記載の酸性カーボンブラックであるMA8、100gを水1kgに混合して、ジルコニアビーズによるボールミルにて粉砕した。この粉砕原液に次亜塩素酸ナトリウム(有効塩素濃度 12%)870gを滴下して、ボールミルで粉砕しながら5時間反応させ、さらに攪拌しながら4時間煮沸して湿式酸化を行った。得られた分散原液をガラス繊維ろ紙GA−100(商品名、アドバンテック東洋株式会社製)でろ過して、さらに水で洗浄した。得られたウェットケーキを水5kgに再分散して、逆浸透膜により電導度が20μS/cmになるまで脱塩および精製した。さらに乾燥し、n−メチル−2−ピロリドンで顔料濃度が15重量%のカーボンブラック分散液14を調製した。得られた顔料分散液を塩酸水で酸性とし、再度膜精製を行った後、濃縮、乾燥、および微粉砕して酸化カーボンブラックの粉末を得た。得られた酸化カーボンブラックの親水性官能基量は、前記方法で測定したところ、4320μmol/gであり、この値をMA8の比表面積で除した値は31.53μmol/m2であった。
カーボンブラック分散液4に記載のチャンネルカーボンブラックであるカラーブラックFW200 100g、水溶性樹脂の分散剤のジョンクリルJ−62(商品名、ジョンソンポリマー社製)150g、水酸化ナトリウム6g、n−メチル−2−ピロリドン250gを混合して、ジルコニアビーズによるボールミルにて10時間分散を行った。得られた分散原液を孔径約5μmのステンレス製フィルターにて濾過して、n−メチル−2−ピロリドンで顔料濃度が15重量%になるまで希釈して水溶性樹脂で分散したカーボンブラック分散液15を調製した。
下記成分を混合した後、超音波ホモジナイザーで1時間攪拌し成膜液(A)を得た。
(成膜液の作成)
カーボンブラック分散液1 25部
n−メチル−2−ピロリドン 8部
ポリイミド樹脂(宇部興産製U−ワニスS) 33部(固形分6部)
ポリイミド樹脂(宇部興産製U−ワニスA) 33部(固形分6部)
シリコーン系レべリング剤 0.001部
下記成分を混合した後、超音波ホモジナイザーで1時間攪拌し成膜液(B)を得た。
(成膜液の作成)
カーボンブラック分散液2 25部
n−メチル−2−ピロリドン 8部
ポリイミド樹脂(宇部興産製U−ワニスS) 33部(固形分6部)
ポリイミド樹脂(宇部興産製U−ワニスA) 33部(固形分6部)
シリコーン系レべリング剤 0.001部
下記成分を混合した後、超音波ホモジナイザーで1時間攪拌し成膜液(C)を得た。
(成膜液の作成)
カーボンブラック分散液3 25部
n−メチル−2−ピロリドン 8部
ポリイミド樹脂(宇部興産製U−ワニスS) 33部(固形分6部)
ポリイミド樹脂(宇部興産製U−ワニスA) 33部(固形分6部)
シリコーン系レべリング剤 0.001部
下記成分を混合した後、超音波ホモジナイザーで1時間攪拌し成膜液(D)を得た。
(成膜液の作成)
カーボンブラック分散液4 25部
n−メチル−2−ピロリドン 8部
ポリイミド樹脂(宇部興産製U−ワニスS) 33部(固形分6部)
ポリイミド樹脂(宇部興産製U−ワニスA) 33部(固形分6部)
シリコーン系レべリング剤 0.001部
下記成分を混合した後、超音波ホモジナイザーで1時間攪拌し成膜液(E)を得た。
(成膜液の作成)
カーボンブラック分散液5 25部
n−メチル−2−ピロリドン 8部
ポリイミド樹脂(宇部興産製U−ワニスS) 33部(固形分6部)
ポリイミド樹脂(宇部興産製U−ワニスA) 33部(固形分6部)
シリコーン系レべリング剤 0.001部
下記成分を混合した後、超音波ホモジナイザーで1時間攪拌し成膜液(F)を得た。
(成膜液の作成)
カーボンブラック分散液6 25部
n−メチル−2−ピロリドン 8部
ポリイミド樹脂(宇部興産製U−ワニスS) 33部(固形分6部)
ポリイミド樹脂(宇部興産製U−ワニスA) 33部(固形分6部)
シリコーン系レべリング剤 0.001部
下記成分を混合した後、超音波ホモジナイザーで1時間攪拌し成膜液(G)を得た。
(成膜液の作成)
カーボンブラック分散液7 25部
n−メチル−2−ピロリドン 8部
ポリイミド樹脂(宇部興産製U−ワニスS) 33部(固形分6部)
ポリイミド樹脂(宇部興産製U−ワニスA) 33部(固形分6部)
シリコーン系レべリング剤 0.001部
下記成分を混合した後、超音波ホモジナイザーで1時間攪拌し成膜液(H)を得た。
(成膜液の作成)
カーボンブラック分散液8 25部
n−メチル−2−ピロリドン 8部
ポリイミド樹脂(宇部興産製U−ワニスS) 33部(固形分6部)
ポリイミド樹脂(宇部興産製U−ワニスA) 33部(固形分6部)
シリコーン系レべリング剤 0.001部
下記成分を混合した後、超音波ホモジナイザーで1時間攪拌し成膜液(I)を得た。
(成膜液の作成)
カーボンブラック分散液9 25部
n−メチル−2−ピロリドン 8部
ポリイミド樹脂(宇部興産製U−ワニスS) 33部(固形分6部)
ポリイミド樹脂(宇部興産製U−ワニスA) 33部(固形分6部)
シリコーン系レべリング剤 0.001部
下記成分を混合した後、超音波ホモジナイザーで1時間攪拌し成膜液(J)を得た。
(成膜液の作成)
カーボンブラック分散液10 25部
n−メチル−2−ピロリドン 8部
ポリイミド樹脂(宇部興産製U−ワニスS) 33部(固形分6部)
ポリイミド樹脂(宇部興産製U−ワニスA) 33部(固形分6部)
シリコーン系レべリング剤 0.001部
下記成分を混合した後、超音波ホモジナイザーで1時間攪拌し成膜液(K)を得た。
(成膜液の作成)
カーボンブラック分散液11 25部
n−メチル−2−ピロリドン 8部
ポリイミド樹脂(宇部興産製U−ワニスS) 33部(固形分6部)
ポリイミド樹脂(宇部興産製U−ワニスA) 33部(固形分6部)
シリコーン系レべリング剤 0.001部
下記成分を混合した後、超音波ホモジナイザーで1時間攪拌し成膜液(L)を得た。
(成膜液の作成)
カーボンブラック分散液12 25部
n−メチル−2−ピロリドン 8部
ポリイミド樹脂(宇部興産製U−ワニスS) 33部(固形分6部)
ポリイミド樹脂(宇部興産製U−ワニスA) 33部(固形分6部)
シリコーン系レべリング剤 0.001部
下記成分を混合した後、超音波ホモジナイザーで1時間攪拌し成膜液(M)を得た。
(成膜液の作成)
カーボンブラック分散液13 25部
n−メチル−2−ピロリドン 8部
ポリイミド樹脂(宇部興産製U−ワニスS) 33部(固形分6部)
ポリイミド樹脂(宇部興産製U−ワニスA) 33部(固形分6部)
シリコーン系レべリング剤 0.001部
下記成分を混合した後、超音波ホモジナイザーで1時間攪拌し成膜液(N)を得た。
(成膜液の作成)
カーボンブラック分散液14 25部
n−メチル−2−ピロリドン 8部
ポリイミド樹脂(宇部興産製U−ワニスS) 33部(固形分6部)
ポリイミド樹脂(宇部興産製U−ワニスA) 33部(固形分6部)
シリコーン系レべリング剤 0.001部
下記成分を混合した後、超音波ホモジナイザーで1時間攪拌し成膜液(O)を得た。
(成膜液の作成)
カーボンブラック分散液15 25部
n−メチル−2−ピロリドン 8部
ポリイミド樹脂(宇部興産製U−ワニスS) 33部(固形分6部)
ポリイミド樹脂(宇部興産製U−ワニスA) 33部(固形分6部)
シリコーン系レべリング剤 0.001部
AA−6(東亜合成(株)製、ポリメチルメタクリレートマクロマー)75部、スチレンモノマー(St)15部、イソプロペニルオキサゾリン(IPO)10部、および開始剤としてのアゾイソブチロニトリル(AIBN)3部をプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(PGM−Ac)100部に溶解させ、重合性単量体組成物(1)を得た。攪拌機、N2導入管、温度計、滴下漏斗を備え付けたセパラブルフラスコに、PGM−Ac50部を仕込み、80℃に昇温した。上記単量体組成物(1)を滴下漏斗に仕込み、80℃にて3時間かけて滴下を行ない、さらに2時間同温度にて重合後、120℃に昇温し、2時間熟成を行い、冷却し、重合体溶液(1)(不揮発分40%)を得た。
参考例1においてAA−6の代りにAA−714(東亜合成(株)製、メチルメタクリレート/ヒドロキシエチルメタクリレート共重合体マクロマー)を用いた以外は参考例1と同様の操作を行い重合体溶液(2)(不揮発分40%)を得た。
参考例2で得られた重合体溶液(2)250部に対し、メタクロイルイソシアネート(分子量111.1)8.9部をPGM−Ac 13.35部に希釈した液を室温にて30分間にわたり滴下し、二重結合を有する重合体溶液(3)(不揮発分40%)を得た。
温度計、攪拌羽根、冷却管を備え付けたセパラブルフラスコに、カーボンブラック分散液1(固形物)30部、参考例1で得られた重合体溶液(1)22.5部、PGM−Ac97.5部をそれぞれ仕込み分散させた。続いてジルコニア製ビーズ800部をフラスコ内に仕込んだ。回転数300rpmで攪拌しながら、100℃で2時間グラフト化反応を行なった。続いて反応内容物とジルコニア製ビーズを分離しカーボンブラックグラフトポリマー分散液1を得た。
合成例1においてカーボンブラック分散液1(固形物)の代わりにカーボンブラック分散液2(固形物)、重合体溶液(1)22.5部の代わりに25部、PGM−Ac97.5部の代わりに90部とする以外は合成例1と同様の操作を行ないカーボンブラックグラフトポリマー分散液2を得た。
合成例1においてカーボンブラック分散液1(固形物)の代わりにカーボンブラック分散液3(固形物)を用いる以外は、合成例1と同様の操作を繰返してカーボンブラックグラフトポリマー分散液3を得た。
合成例1においてカーボンブラック分散液1(固形物)の代わりにカーボンブラック分散液4(固形物)、重合体溶液(1)22.5部、PGM−Ac97.5部の代わりに重合体溶液(2)25部、PGM−Ac82.5部とした以外は合成例1と同様の操作を行ないカーボンブラックグラフトポリマー分散液4を得た。
合成例1においてカーボンブラック分散液1(固形物)の代わりにカーボンブラック分散液5(固形物)、重合体溶液(1)の代わりに重合体溶液(3)を用いた以外は合成例1と同様の操作を行ないカーボンブラックグラフトポリマー分散液5を得た。
合成例1で得られたカーボンブラックグラフトポリマー分散液1を用い下記成分を混合した後、超音波ホモジナイザーで1時間攪拌し成膜液(P)を得た。
(成膜液の作成)
カーボンブラックグラフトポリマー分散液1 25部
N−メチルピロリドン 8部
ポリイミド樹脂(宇部興産製U−ワニスS) 33部(固形分6部)
ポリイミド樹脂(宇部興産製U−ワニスA) 33部(固形分6部)
シリコーン系レべリング剤 0.001部
合成例2で得られたカーボンブラックグラフトポリマー分散液2を用い下記成分を混合した後、超音波ホモジナイザーで1時間攪拌し成膜液(Q)を得た。
(成膜液の作成)
カーボンブラックグラフトポリマー分散液2 25部
N−メチルピロリドン 8部
ポリイミド樹脂(宇部興産製U−ワニスS) 33部(固形分6部)
ポリイミド樹脂(宇部興産製U−ワニスA) 33部(固形分6部)
シリコーン系レべリング剤 0.001部
合成例3で得られたカーボンブラックグラフトポリマー分散液3を用い下記成分を混合した後、超音波ホモジナイザーで1時間攪拌し成膜液(R)を得た。
(成膜液の作成)
カーボンブラックグラフトポリマー分散液3 25部
N−メチルピロリドン 8部
ポリイミド樹脂(宇部興産製U−ワニスS) 33部(固形分6部)
ポリイミド樹脂(宇部興産製U−ワニスA) 33部(固形分6部)
シリコーン系レべリング剤 0.001部
合成例4で得られたカーボンブラックグラフトポリマー分散液4を用い下記成分を混合した後、超音波ホモジナイザーで1時間攪拌し成膜液(S)を得た。
(成膜液の作成)
カーボンブラックグラフトポリマー分散液4 25部
N−メチルピロリドン 8部
ポリイミド樹脂(宇部興産製U−ワニスS) 33部(固形分6部)
ポリイミド樹脂(宇部興産製U−ワニスA) 33部(固形分6部)
シリコーン系レべリング剤 0.001部
合成例5で得られたカーボンブラックグラフトポリマー分散液5を用い下記成分を混合した後、超音波ホモジナイザーで1時間攪拌し成膜液(T)を得た。
(成膜液の作成)
カーボンブラックグラフトポリマー分散液5 25部
N−メチルピロリドン 8部
ポリイミド樹脂(宇部興産製U−ワニスS) 33部(固形分6部)
ポリイミド樹脂(宇部興産製U−ワニスA) 33部(固形分6部)
シリコーン系レべリング剤 0.001部
合成例1において、カーボンブラック分散液1(固形物)の代わりにカーボンブラック分散液9(固形物)、重合体溶液(1)22.5部の代わりに30部、PGM−Ac97.5部の代わりに90部とする以外は合成例1と同様の操作を行ないカーボンブラックグラフトポリマー分散液6を得た。カーボンブラックグラフトポリマー分散液6に下記成分を均一に混合し、超音波ホモジナイザーで1時間攪拌し成膜液(U)を得た。
(成膜液の作成)
カーボンブラックグラフトポリマー分散液6 25部
N−メチルピロリドン 8部
ポリイミド樹脂(宇部興産製U−ワニスS) 33部(固形分6部)
ポリイミド樹脂(宇部興産製U−ワニスA) 33部(固形分6部)
シリコーン系レべリング剤 0.001部
合成例1において、カーボンブラック分散液1(固形物)の代わりにカーボンブラック分散液10(固形物)、重合体溶液(1)22.5部、PGM−Ac97.5部の代わりに重合体溶液(2)37.5部、PGM−Ac82.5部とした以外は合成例1と同様の操作を行ないカーボンブラックグラフトポリマー分散液7を得た。カーボンブラックグラフトポリマー分散液7に下記成分を均一に混合し、超音波ホモジナイザーで1時間攪拌し成膜液(V)を得た。
(成膜液の作成)
カーボンブラックグラフトポリマー分散液7 25部
N−メチルピロリドン 8部
ポリイミド樹脂(宇部興産製U−ワニスS) 33部(固形分6部)
ポリイミド樹脂(宇部興産製U−ワニスA) 33部(固形分6部)
シリコーン系レべリング剤 0.001部
合成例1において、カーボンブラック分散液1(固形物)の代わりにカーボンブラック分散液11(固形物)、重合体溶液(1)22.5部の代わりに重合体溶液(3)30部を用いた以外は合成例1と同様の操作を行ないカーボンブラックグラフトポリマー分散液8を得た。カーボンブラックグラフトポリマー分散液8に下記成分を均一に混合し、超音波ホモジナイザーで1時間攪拌し成膜液(W)を得た。
(成膜液の作成)
カーボンブラックグラフトポリマー分散液8 25部
N−メチルピロリドン 8部
ポリイミド樹脂(宇部興産製U−ワニスS) 33部(固形分6部)
ポリイミド樹脂(宇部興産製U−ワニスA) 33部(固形分6部)
シリコーン系レべリング剤 0.001部
カーボンブラックのカプセル化処理では、特にアクリル系やポリエステル系の微粒子に顔料が含浸されたもの、即ち、表層もしくは内部、あるいは全体に顔料が存在するカプセル化したカーボンブラックを用いることが好ましい。より具体的には特開平2000−53898号公報に開示された方法により製造されたカーボンブラック微粒子が挙げられる。以下にこれに準じたその1例を示す。
攪拌翼、冷却管、窒素ガス導入管を取り付けた密閉可能な反応容器に、重合溶媒としてメチルエチルケトン20重量部、重合性不飽和モノマーとして下記の組成の初期仕込みモノマー及び重合連鎖移動剤を仕込み、窒素ガス置換を充分行った。
メタクリル酸メチル(モノマー) 12.8部
メタクリル酸2−ヒドロキシエチル(モノマー) 1.2部
メタクリル酸、モノマー 2.9部
シリコーンマクロマー(チッソ(株)製 FM−0711) 2部
スチレンアクリルニトリルマクロマー(東亜合成株製 AN−6) 1部
メルカプトエタノール(重合連鎖移動剤) 0.3部
窒素雰囲気下、反応容器内の混合液を撹拌しながら65℃まで昇温させた。これとは別に、下記の滴下モノマモノマー及び重合連鎖移動剤とメチルエチルケトン60部と、2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)0.2部とを混合し、充分窒素置換して得られた混合液を3時間かけて反応容器内に徐々に滴下した。
メタクリル酸メチル(モノマー) 51部
メタクリル酸2−ヒドロキシエチル(モノマー) 4.2部
メタクリル酸、モノマー 11部
シリコーンマクロマー(チッソ(株)製 FM−0711) 8部
スチレンアクリルニトリルマクロマー(東亜合成株製 AN−6) 4部
メルカプトエタノール(重合連鎖移動剤) 1.2部
滴下が終了して2時間後、2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)0.1重量部をメチルエチルケトン5重量部に溶解した溶液を加え、更に65℃で2時間、70℃で2時間熟成させることによりビニル系ポリマー溶液を得た。
上記で得られたビニル系ポリマー溶液を減圧乾燥させて得られたビニル系ポリマー3gに、トルエン25gおよびカーボンブラック分散液1(固形物)10gを加えて完全に溶解させ、水酸化ナトリウム水溶液を2g加えてビニル系ポリマーの酸性基を一部中和した。次いで、イオン交換水300gを加え、撹拌した後、乳化装置であるナノメーカーTM(ナノマイザー社製)を用いて、30分間乳化した。得られた乳化物を減圧下60℃でトルエンを完全に除去し、更に一部の水を除去することにより濃縮し、限外濾過膜にてモノマー等不純物を除去した。その後、減圧下60℃で水を完全に除去すると共に、NMPで置き換え、カーボンブラックを含浸させたビニル系ポリマー微粒子のカーボンブラックカプセル化分散液1(平均粒径;98nm、カーボンブラック固形分濃度;10%)を得た。
カーボンブラックカプセル化分散液1において、カーボンブラック分散液1(固形物)の代わりにカーボンブラック分散液9(固形物)、ビニル系ポリマー3gの代わりに5gとする以外は前記と同様の操作を行いカーボンブラックカプセル化分散液2を得た。
カーボンブラックカプセル化分散液1に下記成分を均一に混合した後、超音波ホモジナイザーで1時間攪拌し成膜液(X)を得た。
(成膜液の作成)
カーボンブラックカプセル化ポリマー分散液1 25部
N−メチルピロリドン 8部
ポリイミド樹脂(宇部興産製U−ワニスS) 33部(固形分6部)
ポリイミド樹脂(宇部興産製U−ワニスA) 33部(固形分6部)
シリコーン系レべリング剤 0.001部
カーボンブラックカプセル化分散液2に下記成分を均一に混合した後、超音波ホモジナイザーで1時間攪拌し成膜液(Y)を得た。
(成膜液の作成)
カーボンブラックカプセル化ポリマー分散液2 25部
N−メチルピロリドン 8部
ポリイミド樹脂(宇部興産製U−ワニスS) 33部(固形分6部)
ポリイミド樹脂(宇部興産製U−ワニスA) 33部(固形分6部)
シリコーン系レべリング剤 0.001部
1.成膜液の保存安定性評価
実施例と比較例のそれぞれを密閉した容器に入れ、50℃で1ヶ月間放置した。放置前後の成膜液組成物の粘度および平均粒径を測定し、保存安定性を以下のように評価した。また、保存瓶の底に付着した沈殿物の有無を目視にて観察した。
A;成膜液組成物の粘度および平均粒径の変化が放置前に対して±20%以下である。 沈殿物が見られない。
B;成膜液組成物の粘度および平均粒径の変化が放置前に対して±20%以下である。瓶の底にわずかに沈殿物が見られるが、実用的には問題がない。
C;成膜液組成物の粘度または平均粒径の変化が放置前に対して±20%を越えている。沈殿物がはげしく生じている。
評価結果を、表4に示した。
実施例と比較例の各成膜液を、内表面の表面粗さRaが0.2μmに鏡面仕上げされた内径300mm、長さ500mmの円筒状金型の内面に、ディスペンサーを介して400μmの厚さに塗布し、1800rpmで15分間回転させて均一な膜厚を有する被膜層とした後、250rpmで回転させながら、金型の外側より60℃の熱風を30分間あて、150℃で60分間加熱した後、室温まで冷却した。前記金型内面より、自己支持できるまで硬化したポリアミド酸ベルトを該ベルト端部に空気を圧送することによって剥離し、表面粗さRaが1.8μmの金属製シリンダの外面に差し替えた後、3℃/分の昇温速度で360℃まで昇温後、360℃で30分間保持し、脱水閉環水の除去およびイミド転化の完結反応を行った。その後室温まで冷却し、目的とする厚さ80μm前後の中間転写ベルトを得た。
ハイレスタIP、MCP−HT260(三菱油化社製、プローブ:HR−100)にて印加電圧100V、1分後、測定条件25℃、60%RHでの表面抵抗率を測定した。測定は、ベルト外周面に関して12点測定し、この平均値をベルトの表面抵抗率とし、最大値と最小値の差をそのバラツキとした。測定結果を表4に示す。
2 石英試料管
3 マノメーター
4 冷却トラップ
5 真空ポンプ
6 テプラーポンプ
7 ガスビュレット
8 ガスクロマトグラフ
9 キャリヤーガス出入口
10 プリンタ本体
12 画像書込部
13 画像形成部
14 給紙部
15 定着装置
16 レジストローラ
20BK、20M、20Y、20C 現像装置
21BK、21M、21Y、21C 感光体
22 中間転写ベルト
25 ベルトクリーニング装置
50 転写搬送ベルト
60 2次転写バイアスローラ
200 感光体ドラム
201 感光体クリーニング装置
203 帯電チャージャ
230 リボルバ現像ユニット
500 中間転写ユニット
501 中間転写ベルト
503 トナーシール部材
504 ベルトクリーニングブレード
505 潤滑剤塗布ブラシ505
507 1次転写バイアスローラ
508 駆動ローラ
510 2次転写対向ローラ
514 光学センサ
600 2次転写ユニット
605 2次転写バイアスローラ
606 転写紙除電チャージャ
610 レジストローラ
801 1次転写電源
802 2次転写電源
Claims (16)
- トナーにより像担持体上に形成される色現像画像を中間転写体上に順次重ね合わせて一次転写し、一括して二次転写する中間転写装置における中間転写体において、分散剤無添加で水溶性有機溶剤に分散及び/または溶解が可能な表面改質カーボンブラックを含んだ成膜液から形成された層を有し、該カーボンブラックがスルホン化剤により表面処理されたカーボンブラックであり、かつ、該カーボンブラックの親水性官能基量/比表面積の値が5〜30μmol/m2の範囲にあることを特徴とする中間転写体。
- 前記表面改質カーボンブラックが、酸性カーボンブラックをスルホン化して得られたことを特徴とする請求項1記載の中間転写体。
- 前記表面改質カーボンブラックが、チャンネルカーボンブラックをスルホン化して得られたことを特徴とする請求項1記載の中間転写体。
- 前記表面改質カーボンブラックが、極性有機溶剤中にてスルホン化ピリジン塩、スルファミン酸、アミド硫酸、フルオロ硫酸、クロロ硫酸、三酸化硫黄、発煙硫酸、硫酸から選ばれるスルホン化剤により処理して得られたことを特徴とする請求項1記載の中間転写体。
- 前記極性有機溶剤がN−メチル−2−ピロリドンまたはスルホランであることを特徴とする請求項4記載の中間転写体。
- 前記表面改質カーボンブラックが1.5mmol/g以上の親水性官能基を有することを特徴とする請求項1記載の中間転写体。
- 前記表面改質カーボンブラックの表面に樹脂がグラフト重合されたことを特徴とする請求項1記載の中間転写体。
- 前記表面改質カーボンブラックの表面に樹脂がカプセル化されたことを特徴とする請求項1記載の中間転写体。
- 前記グラフト重合樹脂或いはカプセル化樹脂がアクリル酸−アクリル酸ブチル−メタクリル酸メチル共重合体、スチレン−マレイン酸エステル−無水マレイン酸共重合体、ポリビニルピロリドンから選らばれた樹脂のいずれかの樹脂であることを特徴とする請求項7又は8記載の中間転写体。
- 前記成膜液に含有される樹脂がポリイミド樹脂、変性ポリイミド樹脂、ポリアミドイミド樹脂のうち単体又は複数の樹脂を配合したものであることを特徴とする請求項1記載の中間転写体。
- 前記表面改質カーボンブラックの粒子径が10nm〜300nmであることを特徴とする請求項1記載の中間転写体。
- 前記中間転写体の表面抵抗が108〜1012Ω/□であることを特徴とする請求項1記載の中間転写体。
- 前記中間転写体の層構成が単層構成であることを特徴とする請求項1記載の中間転写体。
- 前記中間転写体の層構成が複層構成であることを特徴とする請求項1に記載の中間転写体。
- 前記中間転写体がシームレスベルト形状であることを特徴とする請求項1記載の中間転写体。
- 少なくとも、像担持体に静電潜像を形成する帯電装置と、像担持体上に各色に応じた現像剤を用いてトナー像を形成する現像装置と、前記トナー像を無端状に走行する中間転写体上に順次重ね合わせて一次転写し、該中間転写体上の一次転写画像を転写材に一括して二次転写する中間転写装置と、前記転写材上のトナー像を加熱または加圧してトナー像を前記転写材上に定着する定着装置を有する画像形成装置であって、前記中間転写装置が請求項1から15に記載した何れかの中間転写体を用いることを特徴とする画像形成装置。
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