JP2007140055A - 半導電性シームレスベルト及びその製造方法、並びに該半導電性シームレスベルトを用いた画像形成装置及び画像形成方法 - Google Patents

半導電性シームレスベルト及びその製造方法、並びに該半導電性シームレスベルトを用いた画像形成装置及び画像形成方法 Download PDF

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Abstract

【課題】異常放電現象像の発生が十分に低減された半導電性シームレスベルト及びその製造方法、並びに当該半導電性シームレスベルトを搭載する画像形成装置及び当該半導電性シームレスベルトを使用する画像形成方法を提供する。
【解決手段】画像形成装置の中間転写装置で使用する半導電性シームレスベルトであって、少なくとも分散媒中に分散されたカーボンブラックと、ポリイミド前駆体とから構成され、該カーボンブラックの最大粗大粒子の粒径が0.8μm以下であるカーボンブラック塗工液から成型されたことを特徴とする。
【選択図】図3

Description

本発明は、本発明は大粒径が少なく分散性に優れたカーボンブラック塗工液を用いて放電特性が安定した半導電性シームレスベルトに関するもので、さらには、当該半導電性シームレスベルトを電子写真複写機やレーザープリンターなどに搭載し、高画質な画像が安定して得られる画像形成装置に関する。
均一で安定な電気特性を有する半導電性シームレスベルトを製造するために、カーボンブラックを分散媒中に分散してカーボンブラック分散液を作製し、さらに樹脂ワニスを添加して成膜液を得ることは一般的な技術である。特に、樹脂ワニスとしてポリイミドを用いて遠心成型などで無端ベルトを得る技術は良く知られているところである。その最も重要な特性の一つは電気特性で、膜を半導電性に制御することが求められている。その為に、比表面積、給油量、揮発分等のカーボンブラックの重要特性を最適化したり(例えば、特許文献1参照)、吸油量と揮発分で規定される指数を規定したり(例えば、特許文献2参照)して、均一な半導電性シームレスベルトを製造している。また、カーボンブラックの表面を界面活性剤や樹脂で表面処理して分散性を向上する技術も一般的に知られている。さらに、カーボンブラックの表面に対して、反応性基を有するポリマーで処理を行い、分散性を上げることも行われているが(例えば、特許文献3参照)、この場合、分散性は上がるものの煩雑な処理工程が必要でカーボンブラック分散液のコストは膨大のものになっていた。このように上記に挙げた様々な方法で均一な電気特性を有する半導電性シームレスベルトを製造してきた。
特開2001−131410号公報 特開2001−152013号公報 特許第3435371号
従来、絶縁性樹脂にカーボンを添加して半導電制御し、(体積・表面)抵抗均一性を確保した中抵抗部材を画像形成装置に装填すると、ある程度均一な転写特性は得られるが、異常画像として転写後に白ボチ画像が発生するという不具合が生じることが判明した。また、白ボチ画像は後述するベルトの異常放電現象と関連があることが判明したが、これまでに白ボチを改良したシームレスベルトの例はなかった。
したがって、本発明は、上記問題点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、異常放電現象像の発生が十分に低減された半導電性シームレスベルト及びその製造方法を提供することであり、さらに、当該半導電性シームレスベルトを用いる画像形成装置及び画像形成方法を提供することにある。
本発明によれば、上記課題は以下の手段によって達成される。
すなわち、上記課題は、画像形成装置の中間転写装置で使用する半導電性シームレスベルトであって、少なくとも分散媒中に分散されたカーボンブラックと、ポリイミド前駆体とから構成され、該カーボンブラックの最大粗大粒子の粒径が0.8μm以下であるカーボンブラック塗工液から成型されたことを特徴とする半導電性シームレスベルトによって解決される。
また、当該半導電性シームレスベルトは、前記カーボンブラックのpHが5以下で、かつ該カーボンブラックの一次粒径が30nm以下であることを特徴とする。
また、当該半導電性シームレスベルトにおいて、該半導電性シームレスベルトの表面に1012Ω・cm以上の体積対抗を有する表面層を設けたことを特徴とする。
また、該半導電性シームレスベルトの表面層は、有機ポリマーからなることを特徴とする。
さらに、上記の課題は、半導電性シームレスベルトの製造方法であって、カーボンブラック、ポリイミド前駆体、分散媒を前混合し、次いで主分散して、カーボンブラック分散液を作製するステップと、作製された該カーボンブラック分散液を希釈調整してカーボンブラック塗工液を作製するステップと、該カーボンブラック塗工液をイミド化して半導電性シームレスベルトを成型するステップと、を有することを特徴とする製造方法によって解決される。
また、当該製造方法において、主分散は、摩砕せん断型の分散装置を用いて20乃至80時間分散することを特徴とする。
また、当該製造方法において、成型ステップで遠心成型法を用いることを特徴とする。
また、当該製造方法において、さらに1012Ω・cm以上の体積対抗を有する表面層を前記半導電性シームレスベルト表面に塗布形成するステップを有することを特徴とする。
さらに、上記課題を達成するために、少なくとも、像担持体に静電潜像を形成する帯電装置と、像担持体上に各色に応じた現像材を用いてトナー像を形成する現像装置と、前記トナー像を無端状に走行する中間転写体上に順次重ね合わせて一時転写し、該中間転写体上の一時転写画像を転写材に一括して二次転写する中間転写装置と、前記転写材上のトナー像を加熱または加圧してトナー像を前記転写材上に定着する定着装置を有する画像形成装置であって、前記中間転写装置に使用される半導電性シームレスベルトとして、上記に記載の半導電性シームレスベルトを搭載することを特徴とする画像形成装置によって解決される。
また、当該画像形成装置は、タンデム型画像形成装置であることを特徴とする。
さらにまた、上記課題を達成するために、少なくとも、像担持体に静電潜像を形成し、これをトナーで現像し、このトナー像を無端状に走行する中間転写体上に順次重ね合わせて一時転写し、次いで、該中間転写体上の一時転写画像を転写材に一括して二次転写し、該転写材上のトナー像を加熱または加圧してトナー像を前記転写材上に定着する画像形成方法であって、前記中間転写体を介してトナー像を転写材に転写する際に、請求項1乃至4のいずれか一項に記載の半導電性シームレスベルトを使用することを特徴とする画像形成方法によって解決される。
本発明によれば、異常放電現象の発生が十分に低減された半導電性シームレスベルトを使用することによって、異常画像として転写後に白ボチ画像が発生することなく、画質が改善された画像を得ることができるという優れた効果を奏する。
以下に、本発明を実施するための最良の形態を図面に基づいて説明する。なお、いわゆる当業者は特許請求の範囲内における本発明を変更・修正をして他の実施形態をなすことは容易であり、これらの変更・修正はこの特許請求の範囲に含まれるものであり、以下の説明はこの発明の最良の形態の例であって、この特許請求の範囲を限定するものではない。
本発明の半導電性シームレスベルトは、基本的に、カーボンブラック、ポリイミド及び分散媒から構成されるカーボンブラック分散液よりなることを特徴とする。以下に、カーボンブラック分散液の各構成材料についてそれぞれ説明する。
(i)カーボンブラック
カーボンブラックは、各種の炭化水素又は炭素を含む化合物を不完全燃焼して得られる微細な球状粒子の集合体と定義され、化学組成が炭素98%以上の、限りなく純粋に近い炭素材料の総称である。
種類は、製法で分類する方法が一般的で、原料炭化水素の熱分解か、不完全燃焼か何れかに大別され(表1)、さらに原料の種類により細分化される。コンタクト法は、炎を鉄や石などに接触させる製造法であり、チャンネル法やその改良法であるガスブラック法(ローラー法)等が含まれる。チャンネルブラックは、コンタクト法の代表的な製品で、チャンネル網の底面に炎を接触させて採取するものである。
ファーネス法は、燃料の空気による燃焼熱によって、原料炭化水素を連続的に熱分解させてカーボンブラックを生成させる方法で、ガスファーネス法とオイルファーネス法に分類される。
サーマル法は、原料の炭素源として天然ガスを利用し燃焼と熱分解を周期的に繰り返す特殊な製造法で、その特徴は大粒子径を有するカーボンブラックが得られることにある。
アセチレンブラックもアセチレンを原料とする一種のサーマル法であるが、アセチレンの熱分解は他の原料が吸熱反応であるのに対し発熱反応であるため、サーマル法における燃焼サイクルを省略することが可能となり、連続運転が出来る。アセチレンブラックの特徴は、通常のカーボンブラックに比較して結晶性が発達し、かつ、ストラクチャーが高いことにあるため導電性にすぐれ、乾電池用並びに各種ゴム、プラスチックの導電性付与剤として使用されている。
Figure 2007140055
(1)カーボンの基本的特性
カーボンブラックをゴムや樹脂、塗料やインキのビヒクルに配合、分散させ補強性や黒色度、導電性などの機能を付与する際重要な因子は、粒子径とストラクチャー、それに粒子表面の物理化学的性質であり、これを通常カーボンブラックの三大特性と呼んでおり、これらの組み合わせで種々のカーボンブラックが製造されている。
カーボンブラックの3大基本特性
1.粒子径:粒子径と表面積
2.ストラクチャー:DBP給油量(ml/100g)とストラクチャー指数
3.表面の化学的特性:揮発分(%)とpH
(2)カーボンブラックの物理的特性
1.粒子の構造
カーボンブラックの最小単位は炭素六員環が30乃至40個結合したもので、この網平面が3乃至5層Van der Waals力でほぼ等間隔(3.5〜3.9Å)に積み重なった結晶子は粒子表面付近で同心円状にしかも緻密に配列しているが、その配列は内部に行く程不規則となっている。このような特徴は微細な粒子ほど顕著で、粒子の大きいサーマルブラックはほとんど中心部まで規則的な配向状態にある。この結晶子が1,000〜2,000個集合して1個の1次粒子を形成し、更にこの粒子が化学的、物理的に結合したものをストラクチャーと呼んでいる。
2.粒子径とその分布
カーボンブラックの粒子は串に刺した団子のように粒子どうしが融着した状態で存在し、個々の球状粒子は団子と団子の山と谷を特徴付けているにすぎないが、これを単一粒子と見なした粒子径は各種用途における性能、例えば補強性や黒色度などと密接に関係している。
3.凝集体とその分布
カーボンブラック粒子は串に刺した団子或いはぶどうに形容される凝集体を形成しており、これをストラクチャーとよんでいる。この凝集の発達度合いにより、ハイ(高)、ノーマル(中)、ロー(低)ストラクチャーに分類され、ゴムに配合した場合の引っ張り応力や押し出し特性、インキや塗料のビヒクル並びに樹脂に配合した場合の分散性や黒色度、粘度、導電性などに多大な影響を与える重要な因子である。ストラクチャーは、1,400℃以上の製造炉内で複雑な化学反応を経て生成した縮合多環芳香族炭化水素が微細液滴に凝縮し、核となる前駆体を形成すると共に、相互の衝突を経て融着固化し生成したと考えられている。ストラクチャーの制御は炉の形状や炉内の動熱力学条件の選択でも可能であるが、例えばアルカリ金属塩を微量添加する手法が有力である。
ストラクチャーは給油量、圧縮空隙率、かさ密度、電子顕微鏡画像の形態解析などにより測定されるが、最も一般的に採用されている給油量は粒子相互の絡み合いの大きい、すなわちハイストラクチャーカーボンブラックほど多量の油を吸収するという現象を応用したもので、かつてはアマニ油を用いての手練り法で求めていたが、現在では、同原理を機械化したDBP(Dibutyl Phtalate)アブソープトメータによる測定が主流である。
4.比表面積と非多孔比表面積
カーボンブラックの比表面積は単一粒子の大きさによってほぼ定まるが、他の固体と同様その表面において他の物質との相互作用をもつため極めて重要な特性の一つといえる。カーボンブラックの表面には一般に細孔(pore)が存在し、又粒子間の融着部には微細空隙が存在すると考えられており、比表面積を測定する場合その測定原理によって、得られる値が細孔中の表面積を含むものか否かを明確に区別する必要がある。細孔中の表面積を含むものを全比表面積といい、細孔中の表面積を除外したものを非多孔比表面積という。一般に、比表面積はBETの式を用いた低温窒素吸着法やよう素吸着法などで測定し、又非多孔比表面積はCTAB吸着法や電子顕微鏡、“t”法等が用いられている。
(3)カーボンブラックの化学的特性
1.元素組成と不純物
カーボンブラックにも酸素や水素、硫黄、灰分などが含まれている。水素は原料炭化水素の炭化過程における脱水素反応残留物として、又硫黄は原料油や燃料油から、更に灰分は、原料油や冷却用の水などに起因したものである。一方、酸素はカーボンブラック粒子形成後空気の接触により結合する塩基性酸化物と、二酸化窒素やオゾン、硝酸などとの反応により二次的に生成する酸性酸化物とがあるが、いずれも粒子表面に存在するものと考えられる。硫黄は化学的に結合しているものと遊離しているもの両方の形態で存在し、遊離硫黄は溶剤や硫化アルカリ水溶液によって抽出可能であるが、結合硫黄は1,000℃の高温下でも完全に脱離しないといわれている。灰分の組成はナトリウム、マグネシウムの塩化物と硫酸塩、カルシウム炭酸塩、鉄の酸化物、シリカなどであり、その化合物はチャンネルブラックよりファーネスブラックの方が多い傾向にある。
2.表面官能基
カーボンブラックの化学反応性の大部分は表面の酸化物や活性水素などとして知られている化学的官能基に由来している。酸性酸化物の官能基としては一般にカルボキシル基、水酸基、キノン基、ラクトン基であるといわれ、これらは揮発分組成や揮発分量、pHなどで代表することが多い。
本発明のカーボンブラック分散液に用いるカーボンブラックは上述の何れの種類のものも使用することが出来る。
また、本発明においては表面処理カーボンブラックを使用することもできる。次にカーボンブラックの表面処理方法について説明する。
カーボンブラックの粒子表面は縮合芳香族環があり下記に示す各種表面処理が可能である。
1.表面酸化処理
カーボンブラックを酸化剤で処理すると、粒子表面の縮合芳香族環へカルボキシル基やフェノール性水酸基が導入される。更に、カーボンブラック表面の縮合芳香族環は、次の様々な試薬と反応し、粒子表面への多彩な官能基の導入が可能となっている。
Φ-H+HNO3 → Φ-COOH & Φ-OH
Φ-H+H2O2 → Φ-OH
Φ-H+HNO3/H3SO4 → Φ-NO2(reduction) → Φ-NH2
Φ-H+CH2O/OH- → Φ-CH2OH
Φ-H+R-Cl/AlCl3 → Φ-R
Φ-H+HOOC-R-N=N-R-COOH → Φ-R-COOH
Φ-H+X-Φ-COOCOO-Φ-X → Φ-OCO-Φ-X
Φ-H+BuLi/TMEDA → Φ-Li
Φ-H+NaNH2 → Φ-Na
2.界面活性剤分散
カーボンブラックは通常のアニオン性界面活性剤、ノニオン性界面活性剤、カチオン性界面活性剤、両性界面活性剤等により分散することができる。
好ましい界面活性剤としては界面ポリオキシエチレンアルキルエーテル酢酸塩、ジアルキルスルホ琥珀酸塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンブロック共重合体、アセチレングリコール系界面活性剤が挙げられる。
3.高分子(樹脂)分散
カーボンブラックは高分子分散剤の立体障害反発による分散が可能である。
高分子分散剤としては、ポリ(N−ビニル−2−ピロリドン)、ポリ(N,N’−ジエチルアクリルアジド)、ポリ(N−ビニルホルムアミド)、ポリ(N−ビニルアセトアミド)、ポリ(N−ビニルフタルアミド)、ポリ(N−ビニルコハク酸アミド)、ポリ(N−ビニル尿素)、ポリ(N−ビニルピぺリドン)、ポリ(N−ビニルカプロラクタム)、ポリ(N−ビニルオキサゾリン)等が挙げられ、単独又は複数の高分子分散剤を添加することができる。また、この他に本発明の目的の範囲内で、高分子材料、界面活性剤、無機塩害の分散安定化剤を用いることもできる。
4.カプセル化処理
カーボンブラックが樹脂により被覆され溶剤中に分散されている。または、樹脂にカーボンブラックが含浸されたもの、即ち、表層もしくは内部、あるいは全体にカーボンブラックが存在するもの。その特徴は、分散安定性、表面濡れ性、レオロジー特性、電気特性などの特性を改良することが出来る。特に、分散安定性では、グラフト鎖の良溶媒中への分散性(分散媒中への易分散性と分散後の安定性)が著しく向上し、また、電気特性では、カーボンブラック粒子がポリマーマトリックス中へ容易に、しかも均一に分散するので、広い面積にわたって一定の抵抗値が得られるという特徴がある。
5.グラフト化処理
カーボンブラックのグラフト化処理は、グラフト機構に基づいて次の様に分類できる。
(a)カーボンブラック表面へのグラフト重合
カーボンブラックの存在下で、重合開始剤を用いてビニルモノマーの重合を行い、系内で生成する生長ポリマー鎖を粒子表面で補足する方法
(b)カーボンブラック表面からのグラフト重合
カーボンブラック表面へ導入した重合開始基からグラフト鎖を生長させる方法
(c)カーボンブラック表面とポリマーとのグラフト反応
カーボンブラック表面の官能基と反応性ポリマーとの反応による方法
このうち、aの方法は最も簡単に行なうことができるが、非グラフトポリマーの生成が優勢に起こるため、グラフト率の大きなものを得ることができない。これに対して、bの系では、カーボンブラック表面からポリマー(グラフト鎖)が外へ向かって生長するので、グラフト率の大きなものが得られるという特徴がある。更に、cの方法によると、グラフト鎖の分子量や数を制御できるという大きな特徴があり、グラフト率も比較的大きなものが得られる。
6.気相酸化法
オゾン処理やプラズマ処理によるカーボンブラック表面の酸化処理方法であり、カーボンブラックにプラズマ照射することでプラズマの高エネルギーによってカーボンブラック表面に水酸基やカルボキシル基を付けることができる。
(ii)ポリイミド
次にポリイミドについて説明する。
ポリイミドは、一般的には芳香族多価カルボン酸無水物或いはその誘導体と芳香族ジアミンとの縮合反応によって得られる。しかし、その剛直な主鎖構造により不溶、不融の性質を持つため、酸無水物と芳香族ジアミンからまず有機溶媒に可溶なポリアミック酸(または、ポリアミド酸からポリイミド前駆体)を合成し、この段階で様々な方法で成型加工が行われ、その後加熱若しくは化学的な方法で脱水環化(イミド化)することでポリイミドが得られる。(化学式1参照)
Figure 2007140055
(式中Ar1、Ar2は少なくとも1つの炭素6員環を含む4価の芳香族残基を示す。)
例えば芳香族多価カルボン酸無水物を具体的に挙げるなら、エチレンテトラカルボン酸二無水物、シクロペンタンテトラカルボン酸二無水物、ピロメリット酸二無水物、3,3’,4,4’−ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物、2,2’,3,3’−ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物、3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、2,2’,3,3’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、2,2−ビス(2,3−ジカルボキシフェニル)プロパン二無水物、ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)エーテル二無水物、ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)スルホン二無水物、1,1−ビス(2,3−ジカルボキシフェニル)エタン二無水物、ビス(2,3−ジカルボキシフェニル)メタン二無水物、ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)メタン二無水物、2,2−ビス(3,4−ジカルボキシルフェニル)−1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロプロパン二無水物、2,3,6,7−ナフタレンテトラカルボン酸二無水物、1,4,5,8−ナフタレンテトラカルボン酸二無水物、1,2,5,6−ナフタレンテトラカルボン酸二無水物、1,2,3,4−ベンゼンテトラカルボン酸二無水物、3,4,9,10−ペリレンテトラカルボン酸二無水物、2,3,6,7−アントラセンテトラカルボン酸二無水物、1,2,7,8−フェナントレンテトラカルボン酸二無水物等が挙げられる。これらは単独あるいは2種以上混合して用いられる。
次に混合して使用できる芳香族ジアミンとしては、例えばm−フェニレンジアミン、o−フェニレンジアミン、p−フェニレンジアミン、m−アミノベンジルアミン、p−アミノベンジルアミン、4,4’−ジアミノジフェニルエーテル、3,3’−ジアミノジフェニルエーテル、3,4’−ジアミノジフェニルエーテル、ビス(3−アミノフェニル)スルフィド、(3−アミノフェニル)(4−アミノフェニル)スルフィド、ビス(4−アミノフェニル)スルフィド、ビス(3−アミノフェニル)スルフィド、(3−アミノフェニル)(4−アミノフェニル)スルホキシド、ビス(3−アミノフェニル)スルホン、(3−アミノフェニル)(4−アミノフェニル)スルホン、ビス(4−アミノフェニル)スルホン、3,3’−ジアミノベンゾフェノン、3,4’−ジアミノベンゾフェノン、4,4’−ジアミノベンゾフェノン、3,3’−ジアミノジフェニルメタン、3,4’−ジアミノジフェニルメタン、4,4’−ジアミノジフェニルメタン、ビス〔4−(3−アミノフェノキシ)フェニル〕メタン、ビス〔4−(4−アミノフェノキシ)フェニル〕メタン、1,1−ビス〔4−(3−アミノフェノキシ)フェニル〕エタン、1,1−ビス〔4−(4−アミノフェノキシ)フェニル〕−エタン、1,2−ビス〔4−(3−アミノフェノキシ)フェニル〕エタン、1,2−ビス〔4−(4−アミノフェノキシ)フェニル〕エタン、2,2−ビス〔4−(3−アミノフェノキシ)フェニル〕プロパン、2,2−ビス〔4−(4−アミノフェノキシ)フェニル〕プロパン、2,2−ビス〔4−(3−アミノフェノキシ)フェニル〕ブタン、2,2−ビス〔3−(3−アミノフェノキシ)フェニル〕−1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロプロパン、2,2−ビス〔4−(4−アミノフェノキシ)フェニル〕−1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロプロパン、1,3−ビス(3−アミノフェノキシ)ベンゼン、1,3−ビス(4−アミノフェノキシ)ベンゼン、1,4−ビス(3−アミノフェノキシ)ベンゼン、1,4−ビス(4−アミノフェノキシ)ベンゼン、4,4’−ビス(3−アミノフェノキシ)ビフェニル、4,4’−ビス(4−アミノフェノキシ)ビフェニル、ビス〔4−(3−アミノフェノキシ)フェニル〕ケトン、ビス〔4−(4−アミノフェノキシ)フェニル〕ケトン、ビス〔4−(3−アミノフェノキシ)フェニル〕スルフィド、ビス〔4−(4−アミノフェノキシ)フェニル〕スルフィド、ビス〔4−(3−アミノフェノキシ)フェニル〕スルホキシド、ビス〔4−(4−アミノフェノキシ)フェニル〕スルホキシド、ビス〔4−(3−アミノフェノキシ)フェニル〕スルホン、ビス〔4−(4−アミノフェノキシ)フェニル〕スルホン、ビス〔4−(3−アミノフェノキシ)フェニル〕エーテル、ビス〔4−(4−アミノフェノキシ)フェニル〕エーテル、1,4−ビス〔4−(3−アミノフェノキシ)ベンゾイル〕ベンゼン、1,3−ビス〔4−(3−アミノフェノキシ)ベンゾイル〕ベンゼン、4,4’−ビス〔3−(4−アミノフェノキシ)ベンゾイル〕ジフェニルエーテル、4,4’−ビス〔3−(3−アミノフェノキシ)ベンゾイル〕ジフェニルエーテル、4,4’−ビス〔4−(4−アミノ−α,α−ジメチルベンジル)フェノキシ〕ベンゾフェノン、4,4’−ビス〔4−(4−アミノ−α,α−ジメチルベンジル)フェノキシ〕ジフェニルスルホン、ビス〔4−{4−(4−アミノフェノキシ)フェノキシ}フェニル〕スルホン、1,4−ビス〔4−(4−アミノフェノキシ)フェノキシ〕−α,α−ジメチルベンジル〕ベンゼン、1,3−ビス〔4−(4−アミノフェノキシ)−α,α−ジメチルベンジル〕ベンゼン等が挙げられる。これらは単独または2種以上を混合して使用される。
これらの芳香族多価カルボン酸無水物成分とジアミン成分を略等モル有機極性溶媒中で重合反応させることによりポリイミド前駆体(ポリアミック酸)を得ることができる。具体的にポリアミック酸の製造方法について説明する。
ポリアミック酸の重合反応に使用される有機極性溶媒としては、例えば、ジメチルスルホキシド、ジエチルスルホキシドなどのスルホキシド系溶媒、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジエチルホルムアミドなどのホルムアミド系溶媒、N,N−ジメチルアセトアミド、N,N−ジエチルアセトアミドなどのアセトアミド系溶媒、N−メチル−2−ピロリドン、N−ビニル−2−ピロリドンなどのピロリドン系溶媒、フェノール、o−、m−、またはp−クレゾール、キシレノール、ハロゲン化フェノール、カテコールなどのフェノール系溶媒、テトラヒドロフラン、ジオキサン、ジオキソラン等のエーテル系溶媒、メタノール、エタノール、ブタノール等のアルコール系溶媒、ブチルセロソルブ等のセロソルブ系あるいはヘキサメチルホスホルアミド、γ−ブチロラクトンなどをあげることができ、これらを単独或いは混合溶媒として用いるのが望ましい。溶媒は、ポリアミック酸を溶解するものであれば特に限定されないが、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチル−2−ピロリドンが特に好ましい。
まず、アルゴン、窒素などの不活性ガス雰囲気下において、1種あるいは、複数種のジアミンを上記の有機溶媒に溶解、あるいはスラリー状に拡散させる。この溶液に前記した少なくとも1種以上の芳香族多価カルボン酸無水物或いはその誘導体を固体の状態または有機溶媒溶液の状態あるいは、スラリー状態で添加すると、発熱を伴って開環重付加反応が起こり、急速に重合溶液の粘度の増大が見られ、高分子量のポリアミック酸溶液を得る。この時の反応温度は、−20℃から100℃、望ましくは、60℃以下である。反応時間は、30分から12時間である。
また、この反応において、上記添加手順とは逆に、まず芳香族多価カルボン酸無水物或いはその誘導体を有機溶媒に溶解または拡散させ、この溶液中に前記ジアミンの固体もしくは有機溶媒による溶液もしくはスラリーを添加させても良い。また、同時に反応させても良く、酸二無水物成分、ジアミン成分の混合順序は限定されない。
上記芳香族多価カルボン酸無水物或いはその誘導体と、芳香族ジアミン成分をほぼ等モル計量し、前記有機極性溶媒中に溶解する。本発明において、芳香族テトラカルボン酸二無水物と芳香族ジアミンの添加順序は限定されない。同時に添加してもよい。また、それぞれを溶解した有機極性溶媒を混合してもよい。
本発明にかかるポリアミック酸組成物は、上記のようにして、芳香族多価カルボン酸無水物或いはその誘導体と芳香族ジアミン成分とをおよそ等モル、有機極性溶媒中で重合反応により、ポリアミック酸組成物が有機極性溶媒中に均一に溶解しているポリアミック酸溶液が得られる。
これらのポリアミック酸組成物は上記のように容易に合成することが可能であるが、簡便には有機溶媒にポリアミック酸組成物が溶解されているポリイミドワニスとして上市されているものを入手することが可能である。
それらは例えば、トレニース(東レ社製)、U−ワニス(宇部興産社製)、リカコート(新日本理化社製)、オプトマー(JSR社製)、SE812(日産化学社製)、CRC8000(住友ベークライト社製)等を代表的に挙げることができる。
(iii)分散媒
本発明の半導電性シームレスベルトを構成する一部として用いられる分散媒はポリアミック酸の溶媒として用いられるものを好適に使用することができる。例を挙げれば、NMP(N−メチルピロリドン)、DMF(N、N−ジメチルホルムアミド)、DMAc(N、N−ジメチルアセトアミド)などのアミド系溶媒、γ−ブチロラクトン等のポリアミック酸やポリイミド樹脂に対して用いられる双極子溶媒、乳酸エチル、メトキシメチルプロピオネート、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートなどが使用され、必要な固形分、粘度を有するよう使用量を制御する。
中でもNMP(N−メチル−2−ピロリドン)が最も好ましい。
これらのカーボンブラック、ポリイミド、分散媒を用いてカーボンブラック分散液及び塗工液を作製する。
次に代表的なカーボンブラックの分散及び塗工液製造工程を次に示す。
工程A 顔料+ビヒクル+溶剤→前混合(I)→主分散(練合分散)(II)→カーボンブラック分散液
工程B カーボンブラック分散液+希釈調整(III)→塗工液
a.前混合工程(プレミキシング)
次工程の主分散機にかけるための最適混合組成、最適流動状態のペーストを製造する工程で、カーボンブラックの粒子集合体にビヒクルを浸透させ完全に表面を濡らすことと、粗大粒子集合体を破砕する。
b.主分散工程(グラインディングディスパージョン)
ビヒクルで濡れた粒子集合体を衝撃又はせん断エネルギーによって成膜液に要求される粒度まで分散させる工程、カーボンブラックを凝集体(アグリゲート)に近い状態になるまで分散させて、カーボンブラック表面にビヒクル中の樹脂成分を吸着させる。
c.希釈調整工程(レットダウン)
高顔料濃度のペーストに必要量の樹脂、溶剤、添加剤を加えて目的とする粘度、組成になるまで希釈調整する工程、顔料濃度の高いペーストに種々の樹脂溶液、溶剤が添加されるので、添加速度、順序、温度並びに攪拌条件等の調節で顔料が再凝集を起こさないように希釈される。
<分散装置>
分散系の粘度、溶剤の蒸発性、生産方式或いは最終分散粒子径等の理由から各種の分散機が用いられている。主なものをあげると、
a.ニーディング型:ニーダー、プラネタリーミキサー等;原料の粘度が大きいほど大きなせん断応力が発生するので硬いペーストの練りに広く利用されている。
b.圧縮せん断型:3本ロールミル、2本ロールミル;ローラーの間隙に圧力をかけながら大きなせん断応力を加える分散機で、高粘度(1,000Pa・s位まで可能)で接着力の大きいものに適用されている。
c.攪拌混合型:コロイドミル、Kady Mill等;高い周速度(300〜1,200m/min)で回転するインペラーが高いせん断速度を与える。
d.摩砕せん断型:ビーズミル、ボールミル等;ボールやビーズの衝撃とせん断応力によって分散を行なう分散機で、ボールミルで10二乗〜10三乗Pa、ビーズミルで10四乗〜10五乗Pa程度のせん断応力が加えられる。ビーズミル、ボールミルともに揮発性低粘度体(数Pa・s位まで可能)の分散に使用される。
本発明では摩砕せん断型の分散装置が好適に用いられる。
次に、ポリイミド樹脂成膜液をイミド化する方法について説明する。
(1)加熱する方法又は(2)化学的方法によってイミド化することが出来るが、(1)は200乃至350℃に加熱することによってポリイミドに転化する方法で、簡便且つ実用的にポリイミド樹脂を得ることが出来るが、(2)はポリアミック酸をカルボン酸無水物と第3アミンの混合物などの脱水環化試薬と処理反応後、加熱して完全にイミド化する方法で(1)に比べると煩雑でコストがかかる方法であるため、(1)が多く用いられている。
加熱によりイミド化を完結させるためには、本質的に用いるポリイミドのガラス転移温度以上に加熱しなければ、そのポリイミドの本来的な性能を発揮することが出来ない。
イミド化の程度を評価するには通常イミド化率を測定すればよい。
イミド化率の測定方法は種々知られており、9〜11ppm付近のアミド基に帰属される1Hと6〜9ppm付近の芳香環に帰属される1Hとの積分比から算出する核磁気共鳴分光法(NMR法)、フーリエ変換赤外分光法(FT-IR法)、イミド閉環に伴う水分を定量する方法、カルボン酸中和滴定法があるが、最も一般的にはフ−リエ変換赤外分光法(FT-IR法)が用いられる。
フーリエ変換赤外分光法(FT-IR法)ではイミド化率を次のように定義することができる。
イミド化率=(焼成段階でのイミド基のモル数)/(100%理論的にイミド化された場合のイミド基のモル数)×100
これは、IRのイミド基の特性吸収の吸光度比から求めることができる。代表的なものを挙げると、
(1)イミドの特性吸収の1つである725cm−1(イミド環C=O基の変角振動帯)と、ベンゼン環の特性吸収1015cm−1との吸光度比、
(2)イミドの特性吸収の1つである1,380cm−1(イミド環C-N基の変角振動帯)と、ベンゼン環の特性吸収1,500cm−1との吸光度比、
(3)イミドの特性吸収の1つである1,720cm−1(イミド環C=O基の変角振動帯)と、ベンゼン環の特性吸収1,500cm−1との吸光度比、
(4)イミドの特性吸収の1つである1,720cm−1とアミド基の特性吸収1,670cm−1(アミド基N-H変角振動とC-N伸縮振動の間の相互作用)との吸光度比、
等を用いてイミド化率を評価することが出来る。
また、3000〜3300cm−1にかけてのアミド基由来の多重吸収帯が消失していることを確認すれば更にイミド化完結の信頼性は高まる。
次に、本発明の半導電性シームレスベルトの成型方法について述べる。
本発明のポリイミド樹脂成膜液を用いてベルト基体を作製する代表的な方法として遠心成型法がある。これは、溶剤に溶解した樹脂溶液を回転する円筒形状の成形型内部にスプレーやノズルからベルト素材としての原料溶液(以下塗布液ということがある。)を流し込んで、この成形型を高速回転させながらその遠心力により塗布液を拡げて均一な膜としてこの膜を固化させることにより無端状成型体を成型する方法(いわゆる遠心成型法)により無端ベルトを製造する方法で、この方法に従えば、塗布された塗布液は遠心力により拡げられるので、比較的均一な厚みの塗布層が得られやすい。
この遠心成型によるベルト作製は、筒状の成形型の内面に流動性の塗布液を塗布した後、膜厚を均一にするために高速の遠心力で回転して塗布液の凝集の表面エネルギーに打ち勝つ力で塗布膜を押し広げて膜の均一化を行うものである。そして、その塗布液には原料ワニスを溶剤で希釈したものが成形型に塗布される。そのため、この塗布液は、高速回転しているときは、型の内面に均一に塗布されているが、回転を止めたり、回転数を緩くするとだんだん成形型の底部に溜まってくる。したがって、この遠心成型法によれば、一定の均一な溶液膜になった状態を保ちつつ、溶剤を除去して固化させなければならない。
本発明の技術課題である白ボチ画像はベタ画像やハーフトーン画像を出力した場合、微小な白抜けが発生する現象で特に従来のカーボンブラックを分散したポリイミド製半導電シームレスベルトで多く発生するものとして知られており、その改良が望まれていた。白抜け現象を解析した結果、特に二次転写部での微小放電跡が白抜けの主な原因として考えられることが分かり、図4に示したような放電観察装置で解析した結果、ベルトの放電特性と白抜け特性の間に相関があることが分かった。
ベルトの放電特性と白抜け特性は以下の定義により5段階ランク評価を行った。
放電特性(直流バイアス1000vでの観察)
ランク5:ある一定の電流が検出される状態において、ある程度均一で安定した発光が観察領域の全面に渡って観察される
ランク4:ある一定の電流が検出される状態において、部分的にムラはあるものの安定した発光が観察領域の全面に渡って観察される
ランク3:ある一定の電流が検出される状態において、局所的な点滅発光が複数の箇所で観察される
ランク2:ある一定の電流が検出される状態において、局所的な定常発光と一部の点滅発光とが複数の箇所で混在して観察される
ランク1:ある一定の電流が検出される状態において、非常に強い局所発光が断続的に観察される
白抜け特性(図2で中間転写ベルトとしてハーフトーン画像を出力したときの評価)
ランク5:画像の全面に渡って白抜けが観察されない
ランク4:画像のごく一部に僅か微小白抜けが観察される
ランク3:画像の全面に複数の箇所で微小白抜けが観察される
ランク2:画像の全面に複数の箇所で微小白抜けが観察されるとともに局所的に若干大きい白抜けが観察される
ランク1:画像の全面に複数の箇所で微小白抜けが観察されるとともに複数の箇所で若干大きい白抜けが観察される
両特性のランクは、ほぼ同等で放電特性白抜け特性共に許容範囲はランク4以上である。
放電特性とベルトとの関連を詳細に解析したところ、ベルト表面に存在するカーボンブラックの凝集体は、転写電流が集中することによって、放電が発生することが分かり、それはベルト塗工液中の粗大粒子の粒径を0.8μm以下、好ましくは0.6μm以下に制御することで放電特性、白抜け特性を改良できることが分かった。
塗工液中の粗大粒子の粒径を0.8μm以下に制御する方法として最も容易な方法は、前述したカーボンブラックを分散する時間を制御することである。分散時間は20時間以上80時間以下であることが好ましい。分散時間が20時間未満だと粗大粒子集合体が十分に破砕せず残存していたり、80時間を超えると過分散状態に陥り、何れも我々が所望する粗大粒子の粒径が得られない。
また、カーボンブラックの酸性度pHと一次粒径を制御することで白抜け画像を低減することができる。この場合、pHが5以下で一次粒子径が30nm以下であることが好ましい。
白抜け画像を低減する別な方法として半導電性シームレスベルトの表面に1012Ω・cm以上の体積対抗を有する表面層を設けることも放電を防止することから効果がある。
本発明の半導電性シームレスベルトの表面層の材質としては、一般的な有機ポリマー類を用いることができる。
有機ポリマー類としては樹脂材料(プラストマー)とゴム材料(エラストマー)があり、その具体例としては以下のものが挙げられる。
ポリ塩化ビニル、ポリビニルブチラール、ポリビニルアルコール、ポリ塩化ビニリデン、ポリ酢酸ビニル、ポリビニルホルマールなどのビニル系樹脂;ポリスチレン、スチレン-アクリロニトリル共重合体、アクリロニトリル-ブタジエン-スチレン共重合体などのポリスチレン系樹脂;ポリエチレン、エチレン-酢酸ビニル共重合体などのポリエチレン系樹脂;ポリメチルメタクリレート、ポリメチルメタクリレート-スチレン共重合体などのアクリル系樹脂;その他ポリアセタール、ポリアミド、ポリアミドイミド、ポリイミド、セルロース、ポリカーボネート、フェノキシ樹脂、ポリエステル、フッ素樹脂、ポリウレタン、フェノール樹脂、尿素樹脂、メラミン樹脂、エポキシ樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、シリコーン樹脂などのプラストマー材料。
スチレン-ブタジエンゴム(SBR)、ブタジエンゴム(BR)、イソプレンゴム(IR)、ニトリル-ブタジエンゴム(NBR)、ニトリル-イソプレンゴム(NIR)、クロロプレンゴム(CR)などのジエン系ゴム;ブチルゴム(IIR)、エチレン-プロピレンゴム(EPM、EPDM)、クロロスルホン化ポリエチレン(CSM)などのオレフィン系ゴム;エピクロルヒドリンゴム(CHR、CHC)などのエーテル系ゴム;その他シリコーンゴム、フッ素ゴム、アクリルゴム、ウレタンゴム、更にはスチレン系、オレフィン系、ポリ塩化ビニル系、ウレタン系、ポリエステル系、ポリアミド系、フッ素系、塩素化ポリエチレン系などの熱可塑性エラストマーなどのエラストマー材料。
また、体積抵抗を制御する導電性付与剤としては、Ni、Cuなどの金属粉;ファーネスブラック、ランプブラック、サーマルブラック、アセチレンブラック、チャンネルブラックなどのカーボンブラック;酸化スズ、酸化亜鉛、酸化モリブデン、酸化アンチモン、チタン酸カリなどの導電性酸化物;酸化チタン、雲母上などにめっきを施した無電界めっき物;グラファイト、金属繊維、炭素繊維などの無機系充填剤や界面活性剤などが挙げられる。更に、ポリエチレンオキサイドやポリシロキサンなどのポリマーマトリックスに金属イオンを配位させた有機イオン伝導体なども用いることができる。
次に本発明の画像形成装置について説明する。
今日、電子写真装置では、市場からの要求にともない、カラー複写機やカラープリンタなど、カラーのものが多くなってきている。
カラー電子写真装置には、1つの感光体のまわりに複数色の現像装置を備え、それらの現像装置でトナーを付着させて感光体上に合成トナー画像を形成し、そのトナー画像を転写してシートにカラー画像を記録する、いわゆる1ドラム型のものと、並べて備える複数の感光体にそれぞれ個別に現像装置を備え、各感光体上にそれぞれ単色トナー画像を形成し、それらの単色トナー画像を順次転写してシートに合成カラー画像を記録する、いわゆるタンデム型のものとがある。
1ドラム型とタンデム型とを比較すると、前者には、感光体が1つであるから、比較的小型化でき、コストも低減できる利点はあるものの、1つの感光体を用いて複数回(通常4回)画像形成を繰り返してフルカラー画像を形成するから、画像形成の高速化には困難である、後者は、逆に大型化し、コスト高となる欠点はあるものの、画像形成の高速化が容易である利点がある。
最近は、フルカラーもモノクロ並みのスピード要求が望まれることから、タンデム型が注目されてきている。
タンデム型の電子写真装置には、図1に示すように、各感光体1上の画像を転写装置2により、シート搬送ベルト3で搬送するシートsに順次転写する直接転写方式のものと、図2に示すように、各感光体1上の画像を1次転写装置2によりいったん中間転写体4に順次転写して後、その中間転写体4上の画像を2次転写装置5によりシートsに一括転写する間接転写方式のものとがある。転写装置5は転写搬送ベルトであるが,ローラ形状の方式もある。
直接転写方式のものと,間接転写方式のものとを比較すると、前者は、感光体1を並べたタンデム型画像形成装置Tの上流側に給紙装置6を、下流側に定着装置7を配置しなければならず、シート搬送方向に大型化する欠点がある。
これに対し、後者は、2次転写位置を比較的自由に設置することができる。
給紙装置6,および定着装置7をタンデム型画像形成装置Tと重ねて配置することができ、小型化が可能となる利点がある。
また、前者は、シート搬送方向に大型化しないためには,定着装置7をタンデム型画像形成装置Tに接近して配置することとなる。そのため,シートsがたわむことができる十分な余裕をもって定着装置7を配置することができず、シートsの先端が定着装置7に進入するときの衝撃(特に厚いシートで顕著となる)や、定着装置7を通過するときのシート搬送速度と,転写搬送ベルトによるシート搬送速度との速度差により、定着装置7が上流側の画像形成に影響を及ぼしやすい欠点がある。
これに対し、後者は、シートsがたわむことができる十分な余裕をもって定着装置7を配置することができるから、定着装置7がほとんど画像形成に影響を及ぼさないようにすることができる。
以上のようなことから、最近は、タンデム型電子写真装置の中の、特に間接転写方式のものが注目されてきている。
そして、この種のカラー電子写真装置では、図2に示すように、1次転写後に感光体1上に残留する転写残トナーを、感光体クリーニング装置8で除去して感光体1表面をクリーニングし、再度の画像形成に備えていた。また、2次転写後に中間転写体4上に残留する転写残トナーを、中間転写体クリーニング装置9で除去して中間転写体4表面をクリーニングし、再度の画像形成に備えていた。
以下、図面を参照しつつ、この発明の実施の形態につき説明する。
図3は、この発明の一実施の形態を示すもので、タンデム型間接転写方式の電子写真装置である。
図中符号100は複写装置本体、200はそれを載せる給紙テーブル、300は複写装置本体100上に取り付けるスキャナ、400はさらにその上に取り付ける原稿自動搬送装置(ADF)である。
複写装置本体100には、中央に、無端ベルト状の中間転写体10を設ける。
そして、図3に示すとおり、図示例では3つの支持ローラ14・15・16に掛け回して図中時計回りに回転搬送可能とする。
この図示例では、3つのなかで第2の支持ローラ15の左に、画像転写後に中間転写体10上に残留する残留トナーを除去する中間転写体クリーニング装置17を設ける。
また、3つのなかで第1の支持ローラ14と第2の支持ローラ15間に張り渡した中間転写体10上には、その搬送方向に沿って、イエロー,シアン,マゼンタ,ブラックの4つの画像形成手段18を横に並べて配置してタンデム画像形成装置20を構成する。
そのタンデム画像形成装置20の上には、図3に示すように、さらに露光装置21を設ける。
一方、中間転写体10を挟んでタンデム画像形成装置20と反対の側には、2次転写装置22を備える。2次転写装置22は、図示例では、2つのローラ23間に、無端ベルトである2次転写ベルト24を掛け渡して構成し、中間転写体10を介して第3の支持ローラ16に押し当てて配置し、中間転写体10上の画像をシートに転写する。
2次転写装置22の横には、シート上の転写画像を定着する定着装置25を設ける。定着装置25は、無端ベルトである定着ベルト26に加圧ローラ27を押し当てて構成する。
上述した2次転写装置22には、画像転写後のシートをこの定着装置25へと搬送するシート搬送機能も備えてなる。もちろん、2次転写装置22として、転写ローラや非接触のチャージャを配置してもよく、そのような場合は、このシート搬送機能を併せて備えることは難しくなる。
なお、図示例では、このような2次転写装置22および定着装置25の下に、上述したタンデム画像形成装置20と平行に、シートの両面に画像を記録すべくシートを反転するシート反転装置28を備える。
さて、いまこのカラー電子写真装置を用いてコピーをとるときは、原稿自動搬送装置400の原稿台30上に原稿をセットする。または、原稿自動搬送装置400を開いてスキャナ300のコンタクトガラス32上に原稿をセットし、原稿自動搬送装置400を閉じてそれで押さえる。
そして、不図示のスタートスイッチを押すと、原稿自動搬送装置400に原稿をセットしたときは、原稿を搬送してコンタクトガラス32上へと移動して後、他方コンタクトガラス32上に原稿をセットしたときは、直ちにスキャナ300を駆動し、第1走行体33および第2走行体34を走行する。そして、第1走行体33で光源から光を発射するとともに原稿面からの反射光をさらに反射して第2走行体34に向け、第2走行体34のミラーで反射して結像レンズ35を通して読取りセンサ36に入れ、原稿内容を読み取る。
また、不図示のスタートスイッチを押すと、不図示の駆動モータで支持ローラ14・15・16の1つを回転駆動して他の2つの支持ローラを従動回転し、中間転写体10を回転搬送する。同時に、個々の画像形成手段18でその感光体40を回転して各感光体40上にそれぞれ、ブラック・イエロー・マゼンタ・シアンの単色画像を形成する。そして、中間転写体10の搬送とともに、それらの単色画像を順次転写して中間転写体10上に合成カラー画像を形成する。
一方、不図示のスタートスイッチを押すと、給紙テーブル200の給紙ローラ42の1つを選択回転し、ペーパーバンク43に多段に備える給紙カセット44の1つからシートを繰り出し、分離ローラ45で1枚ずつ分離して給紙路46に入れ、搬送ローラ47で搬送して複写機本体100内の給紙路48に導き、レジストローラ49に突き当てて止める。
または、給紙ローラ50を回転して手差しトレイ51上のシートを繰り出し、分離ローラ52で1枚ずつ分離して手差し給紙路53に入れ、同じくレジストローラ49に突き当てて止める。
そして、中間転写体10上の合成カラー画像にタイミングを合わせてレジストローラ49を回転し、中間転写体10と2次転写装置22との間にシートを送り込み、2次転写装置22で転写してシート上にカラー画像を記録する。
画像転写後のシートは、2次転写装置22で搬送して定着装置25へと送り込み、定着装置25で熱と圧力とを加えて転写画像を定着して後、切換爪55で切り換えて排出ローラ56で排出し、排紙トレイ57上にスタックする。または、切換爪55で切り換えてシート反転装置28に入れ、そこで反転して再び転写位置へと導き、裏面にも画像を記録して後、排出ローラ56で排紙トレイ57上に排出する。
一方、画像転写後の中間転写体10は、中間転写体クリーニング装置17で、画像転写後に中間転写体10上に残留する残留トナーを除去し、タンデム画像形成装置20による再度の画像形成に備える。
ここで、レジストローラ49は一般的には接地されて使用されることが多いが,シートの紙粉除去のためにバイアスを印加することも可能である。
上述したタンデム画像形成装置20において、個々の画像形成手段18は、詳しくは、例えば図3に示すように、ドラム状の感光体40のまわりに、帯電装置60、現像装置61、1次転写装置62、感光体クリーニング装置63、除電装置64などを備えてなる。
上述したように、本発明の画像形成装置は、中間転写体方式の画像形成装置であれば、特に限定されるものではない。
よって、本発明の半導電性シームレスベルトを上記した方法で製造し、前述した画像形成装置に搭載することによって、白ボチ画像の少ない画質の改善した画像を得ることができる。
以下、実施例により本発明を更に説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。
次に、実施例および比較例をあげて本発明をさらに具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。なお部は重量基準である。
(実施例1)
実施例1乃至4及び比較例1、2
カーボンブラック分散液成分
カーボンブラック(Printex55:デグサ社製) 10重量部
NMP溶媒 100重量部
上記カーボンブラック分散液成分をジルコニア製ボール(1mmφ)と共に硝子製攪拌ポットに入れ、15,20,40,60,80,85時間ボールミル攪拌を行った。攪拌後、粒度分布測定装置(日機装社製ナノトラック)で最大粗大粒子径D100(μm)の評価を行った。
次に、作製したカーボンブラック分散液成分とポリイミドワニスを調合してポリイミドをベースとしたカーボンブラック塗工液を作製した。(カーボンブラック含有量18重量%)
ポリイミドシートの作製
ガラス基盤上にカーボンブラック塗工液をブレード塗工し、乾燥機中で下記硬化条件で半導電ポリイミドシートを作製した。(80μm厚)
硬化条件(各温度間の昇温速度は2℃/min)
50℃→一次乾燥条件:100℃/60min→イミド化乾燥条件:350℃/30min→徐冷
作製したポリイミドシートの表面抵抗(DC500v)、体積抵抗(DC100v)を三菱化学製ハイレスターで測定した。
放電特性の評価
各半導電ポリイミドシートを図4の放電評価装置に装着してDC1000vバイアスを印可した時の、放電光を観察し、前記した方法で5段階ランク評価を行った。
Figure 2007140055
実施例5乃至7及び比較例3
表面層成分
実施例1乃至4で作製したカーボンブラック分散液を用いて、(1)体積抵抗5×1012Ωcm(2)体積抵抗5×1011Ωcm (膜厚2μm)となるようにスプレー塗工用カーボンブラック塗工液を作製した。実施例3及び比較例2の半導電ポリイミドシートにそれぞれ塗工液をスプレー塗工した後に、同様の硬化条件で表面層を作製した。その後、同様に放電特性を評価した。
放電特性のランク
Figure 2007140055
実施例8、9
実施例3で用いた成膜液を用いて前述した遠心成型法により半導電シームレスベルトを作製した。(実施例8)また、表面層(1)を実施例5と同様の方法で実施例8の半導電シームレスベルトに積層した。(実施例9)これらのベルトを図3に示した画像形成装置に装着してハーフトーン画像を出力し、得られた画像の白抜けランクを評価した。
実施例8:白抜けランク4
実施例9:白抜けランク5
以上の結果から、実施例1の半導電性シームレスベルトは粗大粒子が少なく良好な放電特性を得ることができる。また、実施例2の半導電性シームレスベルトは比較的高抵抗の表面層を積層することで放電特性を改良することができる。実施例3の画像形成装置は、放電特性が良好な半導電性シームレスベルトを搭載することで良好な白抜け特性を得ることができる。
以上、本発明の実施例を具体的に説明してきたが、本発明は、これらの実施例に限定されるものではなく、これら本発明の実施例を、本発明の主旨及び範囲を逸脱することなく、変更又は変形することができる。
タンデム型直接転写方式の電子写真装置の概略図である。 タンデム型間接転写方式の電子写真装置の概略図である。 本発明の実施形態を示すタンデム型間接転写方式の電子写真装置の概略図である。 本発明のベルトの放電特性と白抜け特性を評価する放電観察装置を示す図である。
符号の説明
1 感光体
2 転写装置(1次)
3 シート搬送ベルト
4 中間転写体
5 転写装置(2次)
6 給紙装置
7 定着装置
8 感光体クリーニング装置
9 中間転写体クリーニング装置
10 中間転写体
14 支持ローラ
15 支持ローラ
16 支持ローラ
17 中間転写体クリーニング装置
18 画像形成手段
20 タンデム画像形成装置
21 露光装置
22 2次転写装置
23 ローラ
24 2次転写ベルト
25 定着装置
26 定着ベルト
27 加圧ローラ
28 シート反転装置
30 原稿台
32 ガラス
33 第一走行体
34 第二走行体
35 結像レンズ
36 読取りセンサ
40 感光体
42 給紙ローラ
43 ペーパーバンク
44 給紙カセット
45 分離ローラ
46 給紙路
47 搬送ローラ
48 給紙路
49 レジストローラ
50 給紙ローラ
51 手差しトレイ
52 分離ローラ
53 手差し給紙路
55 切換爪
56 排出ローラ
57 排紙トレイ
60 帯電装置
61 現像装置
62 1次転写装置
63 感光体クリーニング装置
64 除電装置
100 複写装置本体
200 給紙テーブル
300 スキャナ
400 原稿自動搬送装置(ADF)
S シート

Claims (11)

  1. 画像形成装置の中間転写装置で使用する半導電性シームレスベルトであって、
    少なくとも分散媒中に分散されたカーボンブラックと、ポリイミド前駆体とから構成され、該カーボンブラックの最大粗大粒子の粒径が0.8μm以下であるカーボンブラック塗工液から成型されたことを特徴とする半導電性シームレスベルト。
  2. 前記カーボンブラックのpHが5以下で、かつ該カーボンブラックの一次粒径が30nm以下であることを特徴とする請求項1に記載の半導電性シームレスベルト。
  3. 前記半導電性シームレスベルトの表面に1012Ω・cm以上の体積対抗を有する表面層を設けたことを特徴とする請求項1または2に記載の半導電性シームレスベルト。
  4. 前記半導電性シームレスベルトの表面層は、有機ポリマーからなることを特徴とする請求項3に記載の半導電性シームレスベルト。
  5. 請求項1乃至4のいずれか一項に記載の半導電性シームレスベルトの製造方法であって、
    カーボンブラック、ポリイミド前駆体、分散媒を前混合し、次いで主分散して、カーボンブラック分散液を作製するステップと、
    作製された該カーボンブラック分散液を希釈調整してカーボンブラック塗工液を作製するステップと、
    該カーボンブラック塗工液をイミド化して半導電性シームレスベルトを成型するステップと、
    を有することを特徴とする製造方法。
  6. 前記主分散は、摩砕せん断型の分散装置を用いて20乃至80時間分散することを特徴とする請求項5に記載の製造方法。
  7. 前記成型ステップで遠心成型法を用いることを特徴とする請求項5または6に記載の製造方法。
  8. さらに1012Ω・cm以上の体積対抗を有する表面層を前記半導電性シームレスベルト表面に塗布形成するステップを有することを特徴とする請求項5乃至7のいずれか一項に記載の製造方法。
  9. 少なくとも、像担持体に静電潜像を形成する帯電装置と、像担持体上に各色に応じた現像材を用いてトナー像を形成する現像装置と、前記トナー像を無端状に走行する中間転写体上に順次重ね合わせて一時転写し、該中間転写体上の一時転写画像を転写材に一括して二次転写する中間転写装置と、前記転写材上のトナー像を加熱または加圧してトナー像を前記転写材上に定着する定着装置を有する画像形成装置であって、前記中間転写装置に使用される半導電性シームレスベルトとして、請求項1乃至4のいずれか一項に記載の半導電性シームレスベルトを搭載することを特徴とする画像形成装置。
  10. 前記画像形成装置は、タンデム型画像形成装置であることを特徴とする請求項9に記載の画像形成装置。
  11. 少なくとも、像担持体に静電潜像を形成し、これをトナーで現像し、このトナー像を無端状に走行する中間転写体上に順次重ね合わせて一時転写し、次いで、該中間転写体上の一時転写画像を転写材に一括して二次転写し、該転写材上のトナー像を加熱または加圧してトナー像を前記転写材上に定着する画像形成方法であって、前記中間転写体を介してトナー像を転写材に転写する際に、請求項1乃至4のいずれか一項に記載の半導電性シームレスベルトを使用することを特徴とする画像形成方法。
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