JP5267942B2 - 画像形成装置 - Google Patents

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Description

本発明は、複写機、プリンタ、ファクシミリ等の画像形成装置に係り、詳しくは、中間転写ベルト等のトナー像担持ベルト上のトナー像を、直接または他のトナー像担持体を介して、シート状の記録媒体に転写して最終画像を得る画像形成装置に関するものである。
近年、カラー画像形成装置において、感光体ドラム上のトナー像を、一次転写部でトナー像担持ベルトである中間転写ベルト上に一次転写し、この中間転写ベルト上の4色のトナー像を二次転写ニップで記録媒体に二次転写する中間転写方式が多く採用されている。また、トナー像担持ベルトから記録媒体にトナー像を転写する構成としては中間転写方式に限るものではなく、ベルト状の感光体上に形成したトナー像を記録媒体に転写するものもある。
特許文献1及び特許文献2には、超音波振動発生手段によってトナー像担持ベルトから記録媒体への転写位置に超音波振動を付与してトナー像の転写率の向上を図った構成が記載されている。
特許文献1では、トナー像担持ベルトを張架する二つの張架ローラ間の張架面と対向する位置にコロナ発生装置を配置し、コロナ発生装置とトナー像担持ベルトの張架面との間を通過する記録媒体にトナー像を転写する構成であり、トナー像担持ベルトの張架面の内側の面に超音波振動発生手段の振動付与部が接触する構成である。
特許文献1の構成は、コロナ発生装置を用いた非接触の転写方式であり、トナー像担持ベルトと記録媒体とを密着させる力は静電力のみとなり、密着不良に起因する転写不良が発生しやすい。
特許文献2では、トナー像担持ベルトを張架する1つの張架ローラに対してトナー像担持ベルトを挟んで当接するようにトナーと逆極性の転写バイアスが印加された転写ローラを配置し、転写ローラと当接する張架ローラに超音波振動発生手段の振動付与部を配置した構成である。詳しくは、転写ローラと当接する張架ローラは軸方向に複数のローラ部材を配置した構成であり、この複数のローラ部材の間から振動付与部がトナー像担持ベルトの内側の面に接触する構成である。
特許文献2の構成では、転写ローラがトナー像担持ベルトを挟んで張架ローラの1つに当接して転写ニップを形成しており、この転写ニップに記録媒体を通過させることにより、記録媒体とトナー像担持ベルトとの密着が安定し、安定した転写を行うことができる。
しかしながら、特許文献2に記載の構成は、二次転写ローラと対向する軸方向に幅の狭いローラを複数配置しているため、転写ニップの軸方向において幅の狭いローラの有無によって転写圧が異なるため、幅方向の転写ムラや記録媒体のシワが発生し易くなる。また、二つのローラが当接することによって形成される転写ニップではトナー像担持ベルトが振動しにくいため、超音波振動を付与してもその振動によって転写率を向上させることは困難である。
二つのローラの当接位置とは異なる位置でトナー像担持ベルトに超音波振動を付与する構成としては、図7で示すような構成が考えられる。図7に示す構成では、トナーと同極性の転写バイアスが転写電源Vから印加された張架ローラである転写対向ローラ214と、電気的に接地された二次転写ローラ304との当接部である二次転写ニップNで、トナー像担持ベルトである中間転写ベルト20上のトナー像Tを記録媒体である転写紙Pに転写する構成である。そして、図7に示す構成では、転写対向ローラ214に対して中間転写ベルト20の移動方向上流側の張架ローラである上流側張架ローラ213と転写対向ローラ214との間の中間転写ベルト20の張架面の内側に振動付与部407が接触するように超音波振動発生装置400を配置した構成である。表1及び表2を用いて後述する本発明者らの実験の結果、図7に示す構成では、超音波振動発生装置を備えない構成と比べてあまり転写率が向上しないことがわかった。
このように、トナー像担持ベルト上のトナー像を記録媒体に転写するときに、トナー像担持ベルトに超音波振動を付与してもその振動によって転写率を向上させることは困難であった。
なお、トナー像担持ベルトからの転写位置に超音波振動を与えることによって転写率を向上させる構成は、トナー像担持ベルトからトナー像が転写させる被転写体は記録媒体に限るものではない。トナー像担持ベルトから転写されたトナー像を記録媒体に転写する他のトナー像担持体であっても同様に適用可能であり、同様の問題が生じ得る。
本発明は以上の問題点に鑑みなされたものであり、その目的は、トナー像担持ベルト上のトナー像を転写ニップで被転写体に転写する構成で、超音波振動を付与することによって、より確実に転写率を向上させることができる画像形成装置を提供することである。
上記目的を達成するために、請求項1の発明は、複数の張架部材によって張架され、表面にトナー像を担持して無端移動するトナー像担持ベルトと、該トナー像担持ベルトとの対向部で該トナー像担持ベルトの表面と同方向に表面が無端移動し、該トナー像担持ベルトとの対向部で該トナー像担持ベルト上のトナー像を記録媒体または他のトナー像担持体などの被転写体の表面に転写する転写ニップを形成する被転写体側転写部材と、上記トナー像担持ベルトの内側に接触する振動付与部から超音波振動を付与する超音波振動発生手段とを有し、該トナー像担持ベルトの内側に配置された像担持体側転写電界形成部材と、該被転写体側転写部材が備える被転写体側転写電界形成部材との電位差によって該転写ニップに転写電界を形成する画像形成装置において、上記転写ニップは、上記トナー像担持ベルトの張架面の1つと上記被転写体側転写部材の表面との接触部によって形成され、上記像担持体側転写電界形成部材は、該転写ニップを形成する該トナー像担持ベルトの張架面である像担持体転写ニップ張架面の内側で該トナー像担持ベルトに接触し、該転写ニップでは、上記被転写体側転写電界形成部材は該被転写体側転写部材として直接、または、該被転写体側転写部材の表面を構成するベルト部材を介して該像担持体転写ニップ張架面に接触し、該トナー像担持ベルトの表面移動方向における該像担持体側転写電界形成部材が接触する位置と該被転写体側転写電界形成部材が接触する位置とが異なり、上記超音波振動発生手段の上記振動付与部は、該像担持体側転写電界形成部材が接触する位置と該被転写体側転写電界形成部材が接触する位置との間で該トナー像担持ベルトに接触することを特徴とするものである。
また、請求項2の発明は、請求項1の画像形成装置において、上記被転写体側転写部材は、複数の張架部材によって張架されたベルト状の被転写体側転写ベルトであり、該被転写体側転写ベルトの張架面の1つと上記像担持体転写ニップ張架面とが接触して上記転写ニップを形成し、上記被転写体側転写電界形成部材は該転写ニップにおける該被転写体側転写ベルトの内面に接触することを特徴とするものである。
また、請求項3の発明は、請求項2の画像形成装置において、上記被転写体側転写ベルトを張架する張架部材は何れも駆動ローラではなく、上記転写ニップの入口近傍に上記トナー像担持ベルトの表面上のトナー像及び被転写体側転写ベルトをトナー像担持ベルトに引きつける電界を形成することを特徴とするものである。
また、請求項4の発明は、請求項3の画像形成装置において、上記像担持体転写ニップ張架面の上流側端部で上記トナー像担持ベルトを張架する張架部材と、上記被転写体側転写ベルトの上記転写ニップを形成する張架面の上流側端部で該被転写体側転写ベルトを張架する張架ローラとの電位差によって上記トナー像担持ベルトの表面上のトナー像及び被転写体側転写ベルトをトナー像担持ベルトに引きつける電界を形成することを特徴とするものである。
また、請求項5の発明は、請求項1乃至4のいずれか1項に記載の画像形成装置において、上記像担持体側転写電界形成部材を複数備え、複数の該像担持体側転写電界形成部材のうちの二つが上記トナー像担持ベルトに接触する二箇所の間で、上記超音波振動発生手段の上記振動付与部が該トナー像担持ベルトに接触することを特徴とするものである。
また、請求項6の発明は、請求項5の画像形成装置において、上記二箇所の間で上記被転写体側転写電界形成部材が該トナー像担持ベルトに接触することを特徴とするものである。
また、請求項7の発明は、請求項1乃至6のいずれか1項に記載の画像形成装置において、上記トナー像担持ベルトの外周面及び内周面の内の少なくとも一方の表面抵抗率が、1×10〜1×1012[Ω/□]の範囲内であることを特徴とするものである。
また、請求項8の発明は、請求項1乃至7のいずれか1項に記載の画像形成装置において、上記転写ニップは、上記トナー像担持ベルト上のトナー像を記録媒体に転写する記録媒体転写ニップであることを特徴とするものである。
図7に示す構成では、超音波振動発生装置を備えない構成と比べてあまり転写率が向上しなかったのは、以下の理由によるものと考えられる。
すなわち、図7に示す構成では、転写電界形成部材である転写対向ローラ214と転写紙P側の転写電界形成部材である二次転写ローラ304とが中間転写ベルト20の表面移動方向における同じ位置で中間転写ベルト20と接触して二次転写ニップNを形成している。このため、二つのローラの当接で形成されるニップ幅の狭い二次転写ニップN内のみが転写対向ローラ214と二次転写ローラ304との電位差によって形成される二次転写電界が形成される。よって、図7に示す構成において、中間転写ベルト20の振動付与部407が接触する位置で振動が付与されても、振動付与部407が振動する位置では二次転写電界の影響はほとんど無く、二次転写電界が形成される領域である二次転写ニップNでは振動の影響がほとんど無い。このため、図7に示す構成では、超音波振動発生装置を備えない構成と比べてあまり転写率が向上しなかったものと思われる。
一方、本発明においては、トナー像担持ベルトの表面移動方向における像担持体側転写電界形成部材が接触する位置と被転写体側転写電界形成部材が接触する位置とが異なる構成である。このため、トナー像担持ベルトの抵抗や被転写体側転写部材の構成によって二次転写電界の電界強度が強まる位置が異なるものの、像担持体側転写電界形成部材が接触する位置から被転写体側転写電界形成部材が接触する位置までの全域が二次転写電界が形成される。そして、超音波振動発生手段の振動付与部が、像担持体側転写電界形成部材が接触する位置と被転写体側転写電界形成部材が接触する位置との間でトナー像担持ベルトに接触するため、二次転写電界が形成される領域内のトナー像担持ベルトに対して超音波振動を付与することができる。
さらに、本発明においては、像担持体側転写電界形成部材は像担持体転写ニップ張架面の内側でトナー像担持ベルトに接触し、被転写体側転写電界形成部材は直接またはベルト部材を介して像担持体転写ニップ張架面に接触する構成である。このため、像担持体側転写電界形成部材と被転写体側転写電界形成部材との間でトナー像担持ベルトに接触する超音波振動発生手段の振動付与部も像担持体転写ニップ張架面となる位置でトナー像担持ベルトに接触する。このように、像担持体転写ニップ張架面となる位置のトナー像担持ベルトに超音波振動発生手段の振動付与部が接触る本発明の構成であれば、二つのローラが当接する位置のトナー像担持ベルトに超音波振動を付与する上記特許文献2の構成に比べてトナー像担持ベルトに振動を伝達し易い位置に超音波振動を付与することができる。
本発明によれば、トナー像担持ベルトに振動が伝達し易く、二次転写電界が形成される領域内となるトナー像担持ベルトの位置に超音波振動発生手段の振動付与部が接触するため、超音波振動を付与することによってより確実に転写率を向上させることができるという優れた効果がある。
実施形態に係るプリンタ全体の概略構成図。 実施例1の二次転写部の拡大説明図。 実施例2の二次転写部の拡大説明図。 変形例1の二次転写部の拡大説明図。 変形例2の二次転写部の拡大説明図。 ローラ部材の体積抵抗率を測定する装置の説明図。 比較例の二次転写部の拡大説明図。 従来例のプリンタ全体の概略構成図。 従来例の二次転写部の拡大説明図。
以下、本発明を画像形成装置であるフルカラープリンタ(以下、プリンタ500という)に適用した実施形態について図面を用いて説明する。なお、本発明の実施形態は以下述べるものに限定されず、その趣旨を逸脱しない範囲において種々変更が可能である。
図1は、プリンタ500の概略構成図である。
本実施形態のプリンタ500は、4つの画像形成部101(Y,M,C,K)をトナー像担持ベルトである中間転写ベルト20に沿って並設した構成のタンデム型間接転写方式の画像形成装置である。プリンタ500の中央には、無端ベルト状の中間転写ベルト20を備え、4つの画像形成部101の感光体10(Y,M,C,K)上に形成されたトナー像を記録媒体である転写紙Pに転写する転写装置200が設けられている。中間転写ベルト20は、複数の張架ローラ(201、202、203、204、206、207)に掛け回されて、図1中の矢印Aで示すように反時計回り方向に表面移動する。
転写装置200においては、複数ある張架ローラのうち、クリーニング対向ローラ206と中間転写ベルト20を挟んで対向する位置には、転写紙Pにトナー像を転写した後に中間転写ベルト20上に残留する残留トナーを除去する中間転写体クリーニング装置210が設けられている。また、第一張架ローラ201と第二張架ローラ202との間に張り渡された中間転写ベルト20の張架面上には、その表面移動方向に沿って、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、ブラック(K)の各色用の4つの画像形成部101(Y,M,C,K)が横に並べて配置されている。これら4つの画像形成部101(Y,M,C,K)はタンデム型画像形成部100を構成している。なお、4つの画像形成部101(Y,M,C,K)は画像形成ユニットとしてそれぞれプリンタ500本体に対して着脱可能な構成となっている。また、符号の後に付されたY,M,C,Kという添字は、イエロー,マゼンタ,シアン,ブラック用の仕様であることを示している。
タンデム型画像形成部100を構成する各画像形成部101(Y,M,C,K)は使用するトナーの色が異なる点以外は略同じ構成である。
ここで、4つの画像形成部101(Y,M,C,K)が備える部材の各符号に付すK,Y,M,Cという添字を省略して画像形成部101の構成について説明する。
画像形成部101は、潜像担持体であるドラム状の感光体10を備え、感光体10の周りには感光体10にトナー像を形成するための画像形成手段を構成する帯電装置103、露光装置110、及び、現像装置104が設けられている。
画像形成部101が備える帯電装置103は、例えば直流電圧が印加された帯電部材として帯電ローラを用いて感光体10の表面を一様に帯電するものであるが、帯電部材としては帯電ローラの他、帯電ブラシ、帯電チャージャ等を用いることができる。
また、画像形成部101が備える露光装置110は、感光体10の軸方向(主走査方向)に配置された発光ダイオード(LED)アレイとレンズアレイからなるLED書込み方式の露光装置であり、画像信号に応じてLEDを発光して感光体上に静電潜像を形成するものであるが、この他、レーザ光源と光偏向器(回転多面鏡等)と結像走査光学系からなるレーザ走査方式の露光装置を用いることができる。
現像装置104は、円筒スリーブ状の表面が現像剤を担持して回転する現像ローラと、現像剤を撹拌・搬送して現像ローラ表面に供給する撹拌・搬送部材等で構成され、感光体10上に形成された静電潜像を現像剤のトナーで現像して可視像化する。現像剤としては、トナーのみからなる一成分現像剤、あるいはトナーと磁性キャリアからなる二成分現像剤が用いられる。上述した帯電、露光、現像の各工程によって感光体10の表面上に形成されたトナー像は、感光体10の回転によって感光体10と中間転写ベルト20とが対向する一次転写部に到達する。
一次転写部では、中間転写ベルト20を挟んで感光体10と対向する位置には一次転写手段である一次転写ローラ105が配設されており、この一次転写ローラ105には直流電源により転写バイアスが印加される。一次転写部では、転写バイアスが印加された一次転写ローラ105と感光体10との電位差によって感光体10の表面上のトナー像が中間転写ベルト20の表面上に転写される。また、一次転写部に対して感光体10の表面移動方向下流側には、一次転写部を通過した後の感光体10の表面上に残留する残留トナーを除去するための感光体クリーニング装置106が設けられている。
タンデム型画像形成部100では、カラー画像形成時には、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、ブラック(K)の各色の画像形成部101(Y,M,C,K)で、それぞれの感光体10(Y,M,C,K)上にイエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、ブラック(Bk)の各色のトナー像を形成して中間転写ベルト20上に重ね合わせて転写し、カラー画像を形成する。また、白黒画像形成時には、ブラック用の画像形成部101であるブラック画像形成部101Kのみで画像形成を行い、中間転写ベルト20上に転写し、白黒画像を形成する。
一方、中間転写ベルト20を挟んでタンデム型画像形成部100の反対側には、転写搬送ベルト300が配置され、中間転写ベルト20との対向部で二次転写部30を形成する。転写搬送ベルト300は2本の搬送ベルト張架ローラである第一ベルトローラ301及び第二ベルトローラ302によって張架されている。また、転写搬送ベルト300を挟んで第二ベルトローラ302と対向する位置には転写搬送ベルトクリーニング装置303を備える。
プリンタ500では、中間転写ベルト20の複数の転写部入口ローラ203と転写部出口ローラ204との間で張架される中間転写ベルト20の張架面と、転写搬送ベルト300の中間転写ベルト20と対向する側の張架面との接触部が二次転写ニップとなる。二次転写ニップを形成する転写搬送ベルト300の内側には二次転写ローラ304が配置されている。
二次転写ニップでは、中間転写ベルト20の表面移動によってトナー像が二次転写ニップに進入してくるタイミングに合わせて送られる転写紙Pと中間転写ベルト20上のトナー像とが重ねられ、転写が行われる。
二次転写ニップに対して転写紙Pの搬送方向上流側には、給紙カセット151、ピックアップローラ152、給紙ローラ153、及びレジストローラ154からなる給紙部150が設けられている。
一方、二次転写ニップに対して転写紙Pの搬送方向下流側には、トナー像が転写された転写紙Pをガイドする搬送ユニット156と、転写紙P上の未定着のトナー像を転写紙Pに定着する定着装置107、及び定着後の転写紙Pを排紙部109に排紙する排紙ローラ108が設けられている。
次に、プリンタ500による画像形成動作について説明する。
図示しない操作部のスタートスイッチが押されると、図示しない駆動モータにより駆動ローラとしての第二張架ローラ202が回転駆動されることで、中間転写ベルト20が図1中の矢印A方向に表面移動する。この中間転写ベルト20の表面移動によって第一張架ローラ201、転写部入口ローラ203、及び、転写部出口ローラ204が従動回転する。なお、本実施形態では、第二張架ローラ202を駆動ローラとして駆動が伝達される構成となっているが、第一張架ローラ201、転写部入口ローラ203、及び、転写部出口ローラ204のうちの何れかの張架ローラが駆動ローラであってもよい。
また、中間転写ベルト20の表面移動と同時に、各色の画像形成部101(Y,M,C,101K)で、潜像担持体である感光体10(Y,M,C,K)が図示しない駆動モータによってそれぞれ回転駆動される。そして、各色の画像形成部101(Y,M,C,101K)が備える画像形成手段によって各感光体10(Y,M,C,K)の表面上にそれぞれイエロ−、マゼンタ、シアン、ブラックの単色画像が形成される。
そして、中間転写ベルト20の表面移動とともに、それらの単色画像がそれぞれの一次転写部で中間転写ベルト20の表面上に順次重ね合わせて転写され、中間転写ベルト20の表面上に合成カラー画像が形成される。
また、前述のようにスタートスイッチが押されると、ピックアップローラ152が回転され、給紙カセット151からシート状の記録媒体である転写紙Pが繰り出され、給紙ローラ153によって搬送力が付与され、給紙搬送ガイド155に沿って搬送されレジストローラ154に突き当てられて止められる。
その後、中間転写ベルト20上の合成カラー画像にタイミングを合わせてレジストローラ154が回転され、転写部入口ローラ203及び転写部出口ローラ204の間で張架される中間転写ベルト20の張架面と、転写搬送ベルト300の中間転写ベルト20と対向する側の張架面との間に転写紙Pが送り込まれる。この2つの張架面が接触する部分である二次転写ニップに転写紙Pが進入して中間転写ベルト20上のトナー像と重なり、後述する二次転写電界や超音波振動の作用によって、中間転写ベルト20上のトナー像が転写紙P上に転写される。
二次転写ニップを通過した転写紙Pは、転写搬送ベルト300の表面移動によって、第二ベルトローラ302が転写搬送ベルト300を張架する位置まで到達し、搬送ユニット156の搬送ベルト156a上に受け渡される。その後、転写紙Pは搬送ベルト156aの表面移動によって定着装置107の定着ニップに進入し、加熱及び加圧されることで転写紙P上の未定着トナー像が転写紙P上に定着される。トナー像が定着された転写紙Pは排紙ローラ108によって装置外に排紙され、排紙部109にストックされる。
次に、プリンタ500の二次転写部30の構成についてより詳しく説明する。
〔実施例1〕
図2は、本実施形態のプリンタ500に適用可能な二次転写部30の一つ目の実施例(以下、実施例1と呼ぶ)の拡大説明図である。
上述したように、二次転写部30では、中間転写ベルト20の複数の転写部入口ローラ203と転写部出口ローラ204との間で張架される中間転写ベルト20の張架面と、転写搬送ベルト300の中間転写ベルト20と対向する側の張架面との接触部が二次転写ニップとなる。以下、転写部入口ローラ203と転写部出口ローラ204との間で張架される中間転写ベルト20の張架面を中転転写張架面20aとし、転写搬送ベルト300の中間転写ベルト20と対向する側の張架面を搬送転写張架面300aとする。
図2に示すように、転写部出口ローラ204には下流側二次転写電源Vによってトナーの帯電極性と同極性であるマイナス極性のバイアスが印加されている。また、転写部出口ローラ204が中間転写ベルト20に接触する位置に対して中間転写ベルト20の表面移動方向上流側の中転転写張架面20aの裏面と接触するように、上流側二次転写電源Vによってトナーの帯電極性と同極性であるマイナス極性のバイアスが印加される電圧印加ブラシ205が配置されている。
転写搬送ベルト300を挟んで中間転写ベルト20に接触する二次転写ローラ304は電気的に接地されている。また、二次転写ローラ304は、転写部出口ローラ204が中間転写ベルト20に接触する位置と電圧印加ブラシ205が中間転写ベルト20に接触する位置との間の中転転写張架面20aに転写搬送ベルト300を挟んで接触するように配置されている。そして、バイアスが印加される転写部出口ローラ204及び電圧印加ブラシ205と接地された二次転写ローラ304との電位差によって二次転写電界が形成される。
二次転写ニップの上流側で中間転写ベルト20を張架する転写部入口ローラ203は接地されており、転写搬送ベルト300を張架する第一ベルトローラ301及び第二ベルトローラ302も接地されている。また、第二ベルトローラ302は表面に高抵抗層を有する絶縁ローラである。
また、転写搬送ベルト300を張架する第一ベルトローラ301及び第二ベルトローラ302は何れも従動ローラである。そして、転写搬送ベルト300が二次転写ニップで中間転写ベルト20と密着しているため、中間転写ベルト20が図中矢印A方向に表面移動することによって転写搬送ベルト300が連れ回るように図中矢印B方向に表面移動する。
また、プリンタ500の二次転写部30では、電圧印加ブラシ205が中間転写ベルト20に接触する位置と二次転写ローラ304が転写搬送ベルト300を挟んで中間転写ベルト20に接触する位置との間の中転転写張架面20aの裏面に振動付与部407が接触するように超音波振動発生装置400を配置している。
画像形成時には、転写部出口ローラ204及び電圧印加ブラシ205にトナーと同極性のマイナス極性の二次転写バイアスが印加され、これと同時に超音波振動発生装置400によって中間転写ベルト20上のトナー像Tに振動が付与される。振動が付与されることによって、中間転写ベルト20との付着力が低減されたトナー像Tは、二次転写電界によって転写紙Pに転写される。
なお、実施例1の二次転写部30では、第一ベルトローラ301が転写搬送ベルト300を挟んで中間転写ベルト20に接触する位置から転写部出口ローラ204が中間転写ベルト20を挟んで転写搬送ベルト300に接触する位置までが二次転写ニップである。二次転写ニップを通過した転写紙Pは、分離除電針305によって除電がなされ、転写搬送ベルト300から分離される。また、電圧印加ブラシ205から転写部出口ローラ204までの間が二次転写電界の形成される二次転写電界領域である。
電圧印加ブラシ205はその先端の導電性ブラシが、超音波振動発生装置400の振動付与部407が中間転写ベルト20に接触する位置に近接して中間転写ベルト20の裏面に接触し、表面移動する中間転写ベルト20の裏面を摺接している。図示しないが、電圧印加ブラシ205が中間転写ベルト20に接触する位置に対して中間転写ベルト20の表面移動方向下流側にマイラーシートを設け、超音波振動発生装置400を構成する部材と電圧印加ブラシ205の導電性ブラシとが接触しないようにしている。
また、図2に示すように、二次転写ローラ304は、上流側の二次転写バイアス印加部材である電圧印加ブラシ205と下流側の二次転写バイアス印加部材である転写部出口ローラ204との中間転写ベルト20に対する接触部の中間よりもやや上流側で中間転写ベルト20に接触する。
なお、二次転写ローラ304が転写搬送ベルト300を挟んで中間転写ベルト20に接触する位置は、超音波振動発生装置400の振動付与部407が中間転写ベルト20に接触する位置とも異なり、二次転写ローラ304は振動付与部407とも対向しない配置となっている。
なお、二次転写ローラ304と振動付与部407とを2つのベルト部材を挟んで対向する位置に配置すると、装置に対する位置が固定、または、中間転写ベルト20に対して押圧された二次転写ローラ304によって支えられた箇所の中間転写ベルト20に対して振動を付与する状態となる。この状態であると、振動付与部407に対してベルトを挟んで対向する位置にベルトを支える部材がない実施例1の構成に比べて、中間転写ベルト20に対して振動が伝達し難くなり、振動が転写率の向上に寄与し難くなる。
実施例1の構成では、二次転写ニップは、トナー像担持ベルトである中間転写ベルト20の張架面の1つと被転写体側転写部材である転写搬送ベルト300の表面との接触部によって形成される。また、像担持体側転写電界形成部材である転写部出口ローラ204及び電圧印加ブラシ205は、二次転写ニップを形成する中間転写ベルト20の張架面である像担持体転写ニップ張架面としての中転転写張架面20aの内側で中間転写ベルト20に接触し、二次転写ニップでは、被転写体側転写電界形成部材である二次転写ローラ304は被転写体側転写部材である転写搬送ベルト300を介して中転転写張架面20aに接触する。
また、中間転写ベルト20の表面移動方向における転写部出口ローラ204や電圧印加ブラシ205が中間転写ベルト20に接触する位置と二次転写ローラ304が転写搬送ベルト300を介して中間転写ベルト20に接触する位置とが異なる。そして、超音波振動発生手段である超音波振動発生装置400の振動付与部407は、二つの像担持体側転写電界形成部材のうちの一つである電圧印加ブラシ205が中間転写ベルト20に接触する位置と二次転写ローラ304が転写搬送ベルト300を介して中間転写ベルト20に接触する位置との間で、中間転写ベルト20に接触する。
このように、超音波振動発生装置400の振動付与部407が電圧印加ブラシ205と二次転写ローラ304との間で中間転写ベルト20に接触することにより、電圧印加ブラシ205と二次転写ローラ304との間の電位差による二次転写電界が形成される領域内の中間転写ベルト20に対して超音波振動を付与することができる。
〔実施例2〕
図3は、本実施形態のプリンタ500に適用可能な二次転写部30の二つ目の実施例(以下、実施例2と呼ぶ)の拡大説明図である。
図3に示すように、実施例2の構成は、転写部入口ローラ203にトナーの帯電極性(マイナス)とは逆極性(プラス)の電圧を印加する入口ローラ電源Vを備える点で実施例1の構成と異なる。
なお、実施例2では、転写部入口ローラ203に対して入口ローラ電源Vによって+1500[V]の電圧を印加した。
このように、転写部入口ローラ203にトナーの帯電極性とは逆極性の電圧を印加することにより、二次転写ニップの入口では、トナー像Tを中間転写ベルト20側に引きつけることができる。二次転写ニップの入口でトナー像Tを中間転写ベルト20に引きつけるバイアスを掛けることで、実施例1の構成に比べて、文字画像のチリの防止、特にR、G、Bの二色トナー像のチリの防止に効果が見られた。
また、バイアスを印加することで中間転写ベルト20と、転写搬送ベルト300と、転写紙Pとの間の静電的密着性を高めることができ、トナー像に対してより効果的な超音波振動を与えることが出来、画像全面に渡りムラのない良好な転写性が得られた。
〔変形例1〕
次に、上述した実施形態のプリンタ500とは異なる構成で本発明の特徴部を備えた二次転写部30の一つ目の変形例(以下、変形例1と呼ぶ)について説明する。
図4は、変形例1の拡大説明図である。
変形例1の構成は、図7に示す構成に対して、二次転写ローラ304が中間転写ベルト20に接触する位置を中間転写ベルト20の表面移動方向上流側に移動して、転写対向ローラ214と二次転写ローラ304との間で振動付与部407が中間転写ベルト20に接触するように超音波振動発生装置400を配置した構成である。
転写電源Vから電圧が印加された転写対向ローラ214と接地された二次転写ローラ304との間の中間転写ベルト20の表面に図4中の矢印Cで示すように転写電流を流すことで、転写電界を形成して、中間転写ベルト20上のトナー像Tを転写紙Pに転写するものである。
なお、二次転写ローラ304は従動ローラであり、二次転写ニップで中間転写ベルト20と密着しているため、中間転写ベルト20が図中矢印A方向に表面移動することによって二次転写ローラ304が連れ回るように図中矢印D方向に表面移動する。
変形例1の構成では、二次転写ニップは、トナー像担持ベルトである中間転写ベルト20の張架面の1つと被転写体側転写部材である二次転写ローラ304の表面との接触部によって形成される。像担持体側転写電界形成部材である転写対向ローラ214は、二次転写ニップを形成する中間転写ベルト20の張架面である像担持体転写ニップ張架面としての中転転写張架面20aの内側で中間転写ベルト20に接触する。二次転写ニップでは、被転写体側転写電界形成部材である二次転写ローラ304は被転写体側転写部材として直接、中転転写張架面20aに接触する。
また、中間転写ベルト20の表面移動方向における転写対向ローラ214が中間転写ベルト20に接触する位置と二次転写ローラ304が中間転写ベルト20に接触する位置とが異なる。そして、超音波振動発生手段である超音波振動発生装置400の振動付与部407は、転写対向ローラ214が中間転写ベルト20接触する位置と二次転写ローラ304が中間転写ベルト20に接触する位置との間で中間転写ベルト20に接触する。
このように、超音波振動発生装置400の振動付与部407が転写対向ローラ214と二次転写ローラ304との間で中間転写ベルト20に接触することにより、転写対向ローラ214と二次転写ローラ304との間の電位差による二次転写電界が形成される領域内の中間転写ベルト20に対して超音波振動を付与することができる。
このため、図8及び図9を用いて後述する従来例や図7に示す比較例に比べて転写性の向上を図ることができる。
変形例1の構成にように、中間転写ベルト20を挟んで対向する部材が無いベルト部に二次転写ローラ304を接触させる、所謂、間接印加方式は、図4に示すように、転写対向ローラ214と二次転写ローラ304との間の中間転写ベルト20の裏面に振動付与部407を当接させることができるが、このような構成だと二次転写ローラ304が接触する位置と転写対向ローラ214が接触する位置との距離が大きくなる。これは以下の理由による。
すなわち、二次転写電界が形成される領域内の中間転写ベルト20に振動付与部407を接触させるためには、像担持体側転写電界形成部材の接触位置と被転写体側転写部材との間の中間転写ベルト20に振動付与部407を接触させる必要がある。変形例1では像担持体側転写電界形成部材がローラ状の転写対向ローラ214であるため、転写対向ローラ214の接触位置に振動付与部407の接触する位置が近接するように超音波振動発生装置400を配置しようとしても、転写対向ローラ214が中間転写ベルト20に接触する位置から転写対向ローラ214の半径分より離れた位置にしか振動付与部407を配置することができない。このため、二次転写ローラ304が接触する位置と転写対向ローラ214が接触する位置とは、転写対向ローラ214の半径分の幅と振動付与部407を配置するために要する幅とを足した長さよりも長い距離となる。よって、変形例1の構成では、二次転写ローラ304が接触する位置と転写対向ローラ214が接触する位置との距離が大きくなる。
変形例1のように、二次転写ローラ304が接触する位置と転写対向ローラ214が接触する位置との距離が大きくなると、中間転写ベルト20の表面を電流が流れる距離が長くなり、中間転写ベルト20の表面抵抗によって転写電流が流れ難くなる。
変形例1のような構成では、二次転写ローラ304と転写対向ローラ214との何れかに印加される転写バイアスによって二次転写ローラ304と転写対向ローラ214との間の中間転写ベルト20に転写電流が流れることで転写が行われるため、二次転写ローラ304と転写対向ローラ214との間の距離や、中間転写ベルト20の表面抵抗率の大きさによって転写バイアスの値や転写電流値が異なってくる。中間転写ベルト20の表面抵抗率が高くなると定電流制御では電流が流れにくくなることで印加する電圧が高くなり、電源容量上限を超えてしまうことがある。このため、変形例1の構成の二次転写バイアスを定電流制御とすると電流が流れず転写が出来なくなってしまう場合がある。
したがって、中間転写ベルト20の体積抵抗率や表面抵抗の値は許容範囲の電圧、電流から設定することになり、変形例1のような間接印加方式では中間転写ベルト20の表面抵抗率は低い値となる。そして、中間転写ベルト20の表面抵抗率を低くすると一次転写に問題を発生させる。これは以下の理由による。
すなわち、中間転写ベルト20の表面抵抗率を低くすると中間転写ベルト20の表面に電流が流れ易くなるため、一次転写バイアス印加部材(図1中の一次転写ローラ105)の当接位置に対して広い領域にバイアスが印加され、転写電界の分布が広くなる。一般的に一次転写部では、一次転写転写ニップの入口部の転写電界を小さくさせるために、一次転写ローラ105が感光体10と中間転写ベルト20との一次転写ニップのニップ下流で当接するように配置されている。しかし、このように配置しても中間転写ベルト20の表面抵抗率を低く設定することで転写電界の分布が広くなると、一次転写ニップの入口部での転写電界が高くなり、感光体10上のトナー像は中間転写ベルト20が接触前に空隙部を飛翔するため、所謂チリが発生しやすくなる。また、中間転写ベルト20の表面抵抗率が低いと、複数の一次転写バイアス印加部材である4つの一次転写ローラ105間で互いに電流の流れ込みが生じ、相互の干渉によるバイアス制御不良となるおそれもある。
〔変形例2〕
次に、上述した実施形態のプリンタ500とは異なる構成で本発明の特徴部を備えた二次転写部30の二つ目の変形例(以下、変形例2と呼ぶ)について説明する。
図5は、変形例2の拡大説明図である。
変形例2の構成は、変形例1の構成に対して、二次転写ローラ304が転写搬送ベルト300を挟んで中間転写ベルト20に接触する構成である。また、変形例2では、二次転写ローラ電源Vによって二次転写ローラ304にトナーの帯電極性(マイナス)とは逆極性(プラス)の電圧を印加することで、転写搬送ベルト300の裏面から二次転写バイアス印加部材を当接する構成である。転写搬送ベルト300を張架する第一ベルトローラ301及び第二ベルトローラ302のうち、少なくとも第二ベルトローラ302は表面に表面に高抵抗層を有する絶縁ローラである。
また、像担持体側転写電界形成部材である転写部出口ローラ204は接地しており、二次転写ローラ304と転写部出口ローラ204との電位差によって二次転写電界を形成する。
変形例2の構成では、変形例1の構成と同様に中転転写張架面20aの後端側の張架ローラ(変形例2では転写部出口ローラ204)が像担持体側転写電界形成部材であり、転写部出口ローラ204と二次転写ローラ304との間で振動付与部407を中間転写ベルト20に接触させている。このため、変形例1と同様に像担持体側転写電界形成部材の接触位置と被転写体側転写部材との間の距離が大きくなることに起因する不具合が生じるおそれがある。
変形例1で述べたように、中間転写ベルト20の表面抵抗率を低くすると、一次転写部でのニップ前転写によりチリが発生し易くなる。このため、変形例2の構成は中間転写ベルト20の表面抵抗率は下げずに転写搬送ベルト300の表面抵抗率を下げることで二次転写ローラ304から転写部出口ローラ204までの間で電流を流れ易くし、二次転写電界を形成できるようにした構成である。
変形例2の構成では、転写搬送ベルト300と中間転写ベルト20との表面抵抗率を比較すると、転写搬送ベルト300の方が表面抵抗率が低い。このため、二次転写バイアス印加部材である二次転写ローラ304にバイアスを印加すると、図5中の矢印Eで示すように、転写搬送ベルト300の表面に電流が流れて、像担持体側転写電界形成部材である転写部出口ローラ204が中間転写ベルト20を介して転写搬送ベルト300に接触する位置で、転写搬送ベルト300から中間転写ベルト20に向けて電流が流れ易い。このため、トナー像に対しては転写部出口ローラ204が中間転写ベルト20を挟んで転写搬送ベルト300に対向する位置で強い転写電界が生じることになり、超音波振動発生装置400の振動付与部407が接触している位置では転写電界が弱くなる。このため、変形例2の構成では、実施例1や実施例2の構成に比べて、超音波振動を付与することによる転写性の改善効果が小さい。
なお、変形例2の構成では、二次転写ローラ304にトナーと逆極性の電圧を印加して、転写部出口ローラ204を接地する構成であるが、図5で示す構成に対して、二次転写ローラ304を接地して、転写部出口ローラ204にトナーと同極性の電圧を印加する点のみを変更した構成であってもよい。このような構成の場合、転写部出口ローラ204から二次転写ローラ304への電流が流れ易い経路は図5中の矢印Eとは逆方向となるだけで、転写搬送ベルト300の表面を電流が流れるため、変形例2の構成と同様に、トナー像に対しては転写部出口ローラ204が中間転写ベルト20を挟んで転写搬送ベルト300に対向する位置で強い転写電界が生じることになる。よって、超音波振動発生装置400の振動付与部407が接触している位置では転写電界が弱くなり、実施例1や実施例2の構成に比べて、超音波振動を付与することによる転写性の改善効果が小さい。
変形例2の構成では、二次転写ニップは、トナー像担持ベルトである中間転写ベルト20の張架面の1つと被転写体側転写部材である転写搬送ベルト300の中間転写ベルト20側の張架面との接触部によって形成される。像担持体側転写電界形成部材である転写部出口ローラ204は、二次転写ニップを形成する中間転写ベルト20の張架面である像担持体転写ニップ張架面としての中転転写張架面20aの内側で中間転写ベルト20に接触し、二次転写ニップでは、被転写体側転写電界形成部材である二次転写ローラ304は被転写体側転写部材の表面を構成するベルト部材である転写搬送ベルト300を介して中転転写張架面20aに接触する。
また、中間転写ベルト20の表面移動方向における転写部出口ローラ204が中間転写ベルト20に接触する位置と二次転写ローラ304が転写搬送ベルト300を介して中間転写ベルト20に接触する位置とが異なる。そして、超音波振動発生手段である超音波振動発生装置400の振動付与部407は、転写部出口ローラ204が中間転写ベルト20に接触する位置と二次転写ローラ304が転写搬送ベルト300を介して中間転写ベルト20に接触する位置との間で中間転写ベルト20に接触する。
このように、超音波振動発生装置400の振動付与部407が転写部出口ローラ204と二次転写ローラ304との間で中間転写ベルト20に接触することにより、転写部出口ローラ204と二次転写ローラ304との間の電位差による二次転写電界が形成される領域内の中間転写ベルト20に対して超音波振動を付与することができる。
なお、実施例1や実施例2の構成では、像担持体側転写電界形成部材の接触位置と被転写体側転写部材との間の中間転写ベルト20に振動付与部407を接触させる構成の像担持体側転写電界形成部材が電圧印加ブラシ205であるため、電圧印加ブラシ205の接触位置に振動付与部407の接触位置を近接させることができる。このため、二次転写ローラ304の接触位置と電圧印加ブラシ205の接触位置とを近接させることができ、像担持体側転写電界形成部材の接触位置と被転写体側転写部材との間の距離が大きくなることに起因する、変形例1や変形例2の不具合の発生を防止することができる。
次に、超音波振動発生装置400について説明する。
転写ニップを形成する中間転写ベルト20に振動を付与して、転写率の向上を図るために配置された超音波振動発生装置400としては、一般に知られている超音波発生器を使用することができ、図2に示す構成に限定されるものではない。
以下、超音波振動発生装置400について図2を用いて説明する。
プリンタ500が備える超音波振動発生装置400は、ボルト締めランジュバン型振動素子と振幅増幅器であるイクスポーネンシャル型ホーンとから構成されている。ランジュバン型振動子は2枚の同一厚みのピエゾ薄板(404及び405)を電歪方向が逆向きになるよう重ね、2枚のピエゾ薄板の両端を振動伝達性の優れた材料からなる振動伝達部材(401及び402)(通常アルミやチタン等の金属)で挟み、図示しないボルトでボルト締めしたものである。ランジュバン型振動子はλ/2(半波長)の長さとなる長さとし、共振させることで振動を増幅することが出来る。ホーン403も同様に共振させることで更に振動の増幅を行っている。
ホーン403は中間転写ベルト20の表面移動方向に直交する方向である軸方向の中間転写ベルト20の幅と同等長さを有し、軸方向の干渉を防止し全幅均一に振動を与えるため、ホーン403には軸方向にスリットを設けることも一般的に行われている。また、振動伝達部材(401,402)とホーン403とは図示しないボルトを介して電気的に導通されている。
振動素子であるピエゾ薄板(404,405)の間に電極406が設けられ、電極406と振動伝達部材401との間に正弦波交流電圧が印加されることで電歪による振動が生じる。
ピエゾ薄板(404,405)やホーン403によって増幅された振動は、ホーン403の先端である振動付与部407で中間転写ベルト20の面に対して直交する方向の振動を与えている。
超音波振動発生装置400が中間転写ベルト20付与する振動の周波数は20〜100[kHz]、振幅はp−pの値で0.1〜10[μm]が好ましい。トナー担持ベルトに振動を付与して転写性の向上を図るには、トナー担持ベルト上のトナーがベルトの振動に追従できない程度を与え、トナーのベルトに対する付着力を下げる必要があるため、付与する振動は周波数20[kHz]以上の超音波振動としている。また、周波数が高すぎると振動によってトナーが飛散するおそれがあるため、付与する超音波振動の周波数は100[kHz]以下としている。
なお、使用する周波数の設定によって共振部材であるホーン403の長さが変化し、使用する周波数の設定を高くするほどホーン403を短くできるため、装置の小型化のためには振動の周波数を高く設定する。しかし、周波数を高くしすぎるとトナーが振動に追従できず転写性改善効果が減少するため、画像形成装置の大きさを考慮し、最適な周波数に設定する必要がある。
次に、プリンタ500の二次転写電界を形成するために、転写部出口ローラ204及び電圧印加ブラシ205に印加される二次転写バイアスの制御について説明する。
転写電界制御には定電流制御と定電圧制御がある。被転写体が紙である場合の転写は、紙の種類、厚み、紙サイズ、環境条件等で紙抵抗が大きく変化するため、通常定電流制御が行われている。本実施形態では2つの二次転写バイアス印加部材である転写部出口ローラ204及び電圧印加ブラシ205へ印加する電圧は、同一条件でも良いが、異なる条件であってもよい。
本実施形態のプリンタ500では、中間転写ベルト20の内側に配置された複数の二次転写バイアス印加部材として、転写部出口ローラ204と電圧印加ブラシ205との二つの二次転写バイアス印加部材を配置しているが、複数の二次転写バイアス印加部材の数は二つに限らず三つ以上であってもよい。
なお、複数の二次転写バイアス印加部材から電流が最も流れやすい対向部材(プリンタ500では二次転写ローラ304)との間の距離を同一にすることは困難であり、距離が異なると中間転写ベルト20の抵抗等による二次転写バイアス印加部材と対向部材との間の抵抗を同一にすることは困難である。このように、二次転写バイアス印加部材によって対向部材との間の抵抗が異なることから二次転写電圧のバイアスは定電流制御が好ましい。
二次転写バイアス印加部材と対向部材との間の抵抗が高くなると、定電流制御の構成では印加電圧が高くなり電源容量上限に成りやすい。このことから、電源容量の上限値を考慮した制御や設定電流値を異ならせることが考えられる。例えば、上限設定電圧で定電圧制御を行うことなどが必要となる。また、転写紙Pの分離性を考慮し、二次転写ニップ内における上流側の二次転写転写電界を強く下流側の二次転写転写電界を低く設定することもシステムに応じて設定することが可能である。
プリンタ500では、上流側の二次転写バイアス印加部材として電圧印加ブラシ205を使用し、下流側の二次転写バイアス印加部材として転写部出口ローラ204を使用しているが二次転写バイアス印加部材の構成としてはこれに限るものではない。通常使用される二次転写バイアス印加部材を使用することができ、ローラ、ブラシ、フィルム等が使用できる。なお、図2に示す構成のように超音波振動発生装置400の振動付与部407が中間転写ベルト20に接触する位置に近接して二次転写バイアス印加部材を中間転写ベルト20に接触させる場合は、二次転写バイアス印加部材としてブラシやフィルムを使用することが好ましい。
なお、プリンタ500のように中間転写ベルト20の張架面で二次転写ニップを形成する構成の場合、二次転写ニップを形成する張架面の両端で中間転写ベルト20を張架する2つの張架ローラのうちの何れか一方を二次転写バイアス印加部材として兼用する構成の方が装置の小型化を図ることができるため好ましい。
また、上記2つの張架ローラのうちの何れか一方を二次転写バイアス印加部材として兼用する構成の場合は、プリンタ500のように2つの張架ローラのうち中間転写ベルト20の表面移動方向下流側に配置されている張架ローラ(プリンタ500での転写部出口ローラ204)を二次転写バイアス印加部材として兼用する構成がより好ましい。これは、以下の理由による。
すなわち、下流側に配置されている張架ローラ(転写部出口ローラ204)をバイアス印加部材とする構成では、トナー像を担持する中間転写ベルト20に転写紙Pを密着させた後の領域に配置された張架ローラにバイアスを印加するため、ニップ出口の空隙に電界が生じていても画像への影響はほとんどない。一方、上流側に配置されている張架ローラ(転写部入口ローラ203)をバイアス印加部材とする構成では、トナー像を担持する中間転写ベルト20に転写紙Pを密着させる前の領域に配置された張架ローラにバイアスを印加するため、ニップ入口の空隙に電界が生じてチリなどの画像不良となるおそれがある。
二次転写バイアス印加部材としては金属部材等の導電性材料を用いることができ、抵抗を介して接地してもよい。また、ローラ状の二次転写バイアス印加部材としては金属製芯金に抵抗を有するゴム材料を被覆したものを用いることができる。転写部出口ローラ204のように二次転写バイアス印加部材がローラ部材からなるバイアス印加ローラの場合は金属製の芯金にイオン導電剤が含有された弾性体が被覆され導電剤が添加されたタイプのローラ部材を用いる。
バイアス印加ローラの芯金に被覆する弾性体としては、エピクロロヒドリンゴム、ウレタンゴム、ニトリルブタジエンゴム、アクリルゴム、クロロプレンゴム、フッ素ゴム、ニトリルゴム、ノルボルネンゴム、等のイオン導電性を有するゴムの他、天然ゴム(NR)、ブタジエンゴム、イソプレンゴム、スチレン−ブタジエンゴム(SBR)、エチレン−プロピレン−ジエン共重合ゴム(EPDM)、ブチルゴム、シリコンゴム、等を用いることができる。これらは単独でも2種以上の混合物として用いても良い。エピクロロヒドリンゴムは良好なイオン導電性および物性を有する点で好適に用いられる。
電圧印加ブラシ205としては、一般的な導電性ブラシを使用することができる。例えばアクリル樹脂、ポリエステル樹脂、ナイロン樹脂等の樹脂繊維に導電剤としてカーボンブラックを添加し導電性が得られている。導電剤の添加形状により均一分散したものや、鉛筆の芯形状のもの、導電層の両サイドを樹脂材料で挟んだ形状のもの等の各種繊維を用いることができる。
次に、中間転写ベルト20について説明する。
中間転写ベルト20の製造方法は特に限定するものではなく、ディッピング法、遠心成型法、押出成型法、インフレーション法、フローコート塗工法、スプレイ塗工法等、いずれの製造方法で製造されたベルトであっても中間転写ベルト20として使用することができる。
積層ベルトの薄層である表層は、スプレイ塗工法、ディッピング法、又はフローコート塗布法等で製造できる。2層ベルトは製造方法により異なるが、遠心成型法では上層を成型し乾燥後基層を形成し乾燥、硬化処理を行う。
基層材料としてはポリイミド樹脂、ポリアミドイミド樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリフェニレンサルファイド樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリブチレンテレフタレート樹脂、ポリフッ化ビニリデン樹脂、ポリサルフォン樹脂、ポリエーテルサルフォン樹脂、ポリメチルペンテン樹脂等を、単独又は複数を組み合わせて使用できる。強度を確保する観点からポリイミド樹脂、ポリアミドイミド樹脂を用いることが好ましく、これらの樹脂に導電性カーボンブラック等の抵抗制御剤を添加することで抵抗をコントロールする。
次に、遠心成型によるポリイミド樹脂について説明を行う。
ポリイミドは、一般的には芳香族多価カルボン酸無水物或いはその誘導体と芳香族ジアミンとの縮合反応によって得られる。しかし、その剛直な主鎖構造により不溶、不融の性質を持つため、酸無水物と芳香族ジアミンからまず有機溶媒に可溶なポリアミック酸(又はポリアミド酸〜ポリイミド前駆体)を合成し、この段階で様々な方法で成型加工が行われ、その後加熱若しくは化学的な方法で脱水環化(イミド化)することでポリイミドが得られる。
芳香族多価カルボン酸無水物の具体例としては、エチレンテトラカルボン酸二無水物、シクロペンタンテトラカルボン酸二無水物、ピロメリット酸二無水物、3,3’,4,4’−ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物,3,3',4,4'−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物等が挙げられる。これらは単独または2種以上混合して用いることができる。
また、混合して使用できる芳香族ジアミンとしては、例えばm−フェニレンジアミン、o−フェニレンジアミン、p−フェニレンジアミン、m−アミノベンジルアミン、p−アミノベンジルアミン、4,4’−ジアミノジフェニルエーテル、3,3’−ジアミノジフェニルエーテル、3,4’−ジアミノジフェニルエーテル、等が挙げられる。これらは単独または2種以上混合して用いることができる。なお、上述した材料に限定されるものではないことは言うまでもない。
これらの芳香族多価カルボン酸無水物成分とジアミン成分を略等モル有機極性溶媒中で重合反応させることによりポリイミド前駆体(ポリアミック酸)を得ることが出来る。
ポリアミック酸の重合反応に使用される有機極性溶媒としては、ポリアミック酸を溶解するものであれば特に限定されないが、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチル−2−ピロリドンが特に好ましい。
これらのポリアミック酸組成物は容易に合成することが可能であるが、簡便には有機溶媒にポリアミック酸組成物が溶解されているポリイミドワニスとして市場に出ているものを入手することが可能である。
このようなポリアミック酸組成物としては、例えば、トレニース(東レ社製)、U−ワニス(宇部興産社製)、リカコート(新日本理化社製)、オプトマー(JSR社製)、SE812(日産化学社製)、CRC8000(住友ベークライト社製)等を代表的に挙げることが出来る。
樹脂の電気抵抗値を調節するための抵抗制御剤のうち、電子電導性抵抗制御剤としては、例えば、カーボンブラック、黒鉛、銅、スズ、アルミニウム、インジウム等の金属、酸化スズ、酸化亜鉛、酸化チタン、酸化インジウム、酸化アンチモン、酸化ビスマス、アンチモンをドープした酸化スズ、スズをドープした酸化インジウム等の金属酸化物微粉末などが挙げられる。
又、イオン電導性抵抗制御剤としては、テトラアルキルアンモニウム塩、トリアルキルベンジル、アンモニウム塩、アルキルスルホン酸塩、アルキルベンゼンスルホン酸塩、アルキルサルフェート、グルセリン脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンアルキルアミン、ポリオキシエチレン脂肪アルコールエステル、アルキルベタイン、過塩素酸リチウム、などがあげられる。
なお、中間転写ベルト20の材料に用いられる抵抗制御剤としてはこれらの例示した化合物に限定されるものではない。
また、中間転写ベルト20の基体の材料として用いることができるポリイミドはこれらの抵抗制御剤の内、カーボンブラックを好ましく用いることが出来る。
上述したようににして得られたポリアミック酸を、200〜350[℃]に加熱することによってポリイミドに転化する方法で、ポリイミド樹脂を得ることが出来る。
一方、熱溶融による押し出し成型に使用される熱可塑性樹脂として特に制限はないが、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、PBT(ポリブチレンテレフタレート)、PET(ポリエチレンテレフタレート)、PC(ポリカーボネート),ETFE(エチレンテトラフルオロエチレン)、PVdF(ポリ塩化ビニリデン)等を挙げることができる。
また、熱溶融成形方法については、特に限定されるものではないが、例えば、連続溶融押出成形法、射出成形法、ブロー成形法、あるいはインフレーション成形法など公知の方法を採用して得ることができるが、シームレスベルトの成形方法としては連続溶融押出成形法が望ましい。
導電剤としてはカーボンブラックが多く使用され、混練によりカーボンブラックの分散を行い、高圧で押し出すため、高分散導電剤を使用する遠心成型より分散は劣り、抵抗変動が大きくなる傾向にある。
中間転写ベルト20の表層の材料としては、特に制限はないが、中間転写ベルト20のベルト外周面へのトナーの付着力を小さくして二次転写部における転写性を高めるものが要求される。
このような表層の材料としては、例えば、ポリウレタン、ポリエステル、ポリミアド等の樹脂材料で構成することができる。これら樹脂材料で構成されるコート層は、イソシアンート、メラミン、シランカプラー、カルボジイミド等の硬化剤により樹脂塗膜として得られる。また、コート層は、PTFE(ポリ4フッ化エチレン)、シリカ、2硫化モリブデン、カーボンブラックなどの離型性フィラーを充填させることによって表面の離型性を高めクリーニング性の改善やトナー、放電性生成物の蓄積を抑えることができる。また、コート層は、抵抗調整用として導電性のカーボンブラック、酸化錫、酸化亜鉛などの導電性フィラー(導電剤)を含有してもよい。さらに、コート層には、これらのフィラーを均一混合分散するために、フッ素系、シリコーン系、ノニオン系の界面活性材などを含有してもよい。
表層の材料としては、ポリウレタン、ポリエステル、エポキシ樹脂等の1種類あるいは2種類以上を使用し表面エネルギーを小さくし潤滑性を高めた材料、たとえばフッ素樹脂、フッ素化合物、フッ化炭素、2酸化チタン、シリコンカーバイト等の粉体を、1種類あるいは2種類以上または粒径を異ならしたものを分散させ使用することができる。また、フッ素系ゴム材料のように熱処理を行うことでベルト外周面にフッ素リッチな層を形成させ表面エネルギーを小さくさせたものを使用することもできる。また、抵抗制御用にカーボンブラックを用いることが出来る。
以下、本実施形態の中間転写ベルト20及び転写搬送ベルト300の製造実施例について説明するが、本発明を適用した画像形成装置の中間転写ベルトと転写搬送ベルトとの製造法及び材料としては、以下に示すものに限定されるものでない。
本実施形態のプリンタ500では、ポリイミドを遠心成型法でベルト状に製造したものを中間転写ベルト20及び転写搬送ベルト300として用い、抵抗のみ変化させて中間転写ベルト20または転写搬送ベルト300とした。
芳香族多価カルボン酸無水物に3,3',4,4'−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、芳香族ジアミンとしてp−フェニレンジアミン、有機極性溶媒としてN−メチル−2−ピロリドンを用いて重合させポリアミック酸溶液を得る。固形分濃度に対して17[%]のアセチレンブラックを添加し、アクアマイザー(細川ミクロン社製)を用いて混合撹拌させ、最終固形分濃度が18[%]のポリイミド樹脂の前駆体であるポリアミック酸を得た。
このようにして得られたポリアミック酸を遠心成型法により環状体に成型を行った。
直径375[mm]の金属製円筒型を100[rpm]で回転させながら、型の内面にディスペンサにて固形分濃度19[%]のポリアミック酸を均等に供給する。次に金属製円筒型を1000[rpm]の回転数で5[min]回転させることで液のレベリングを行う。次に金属製円筒型の回転数を300[rpm]に下げ、徐々に温度を130[℃]まで上げて40[min]乾燥固形化を行う。
固形化後に金属製円筒型を停止させ、停止状態で温度が350[℃]になるまで加熱を行い、イミド閉環が行われてイミド化が完了し、ポリイミド被膜を得る。次に、室温まで冷却した金属製円筒型からポリイミド被膜を外し、両端部を365[mm]幅にカットすることで膜厚80[μm]の基層となるシームレス中間転写ベルトを得た。抵抗は導電剤添加量(カーボンブラック)で調整を行った。抵抗は一次乾燥条件でも調整は可能であるが、一桁以上の抵抗調整はカーボンブラックの種類や添加量で調整を行う必要がある。
また、ベルト状部材の外周面の幅方向両端に厚さ1.0[mm]、幅5[mm]のポリウレタンからなる寄りガイドを両面テープで接着した。
〔実験〕
中間転写ベルト20に超音波振動を付与することによる転写性の向上と、他の画像特性への影響とを確認する実験を行った。
表1は、実施条件として実施例1または実施例2の構成を備えた装置の実験結果と、比較条件5として変形例2の構成を備えた装置の実験結果を示す。
表2は、比較条件1〜4として、変形例1、図7に示す比較例、及び、後述する従来例の構成を備えた装置の実験結果を示す。
Figure 0005267942
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表1中の実施条件1は、実施例1の構成を備えた装置を用い、実施条件2〜4は実施例2の構成を備えた装置を用いた。また、比較条件5は変形例2の構成を備えた装置を用いた。
表2中の比較条件1は後述する従来例の構成を備えた装置を用い、比較条件2は図7を用いて説明した比較例の構成を備えた装置を用いた。また、比較条件3及び4は、変形例1の構成を備えた装置を用いた。
本実験におけるベルト部材(中間転写ベルト20、転写搬送ベルト300)の体積抵抗率の測定条件を以下に示す。
測定装置:ハイレスタ−UP(三菱化学株式会社)
リングプローブ:URSプローブ
レジテーブル:1mm厚導電ゴム附き
測定電圧:100[V]
測定時間:10[sec]
加圧力:2[kgf]
本実験におけるベルト部材の表面抵抗率の測定条件を以下に示す。
測定装置:ハイレスタ−UP(三菱化学株式会社)
リングプローブ:URSプローブ
レジテーブル:絶縁
測定電圧:500[V]
測定時間:10[sec]
加圧力:2[kgf]
なお、表1及び表2におけるベルト部材の体積抵抗率及び表面抵抗率は常用対数値で表示している。
体積抵抗率:Log[Ω・cm]
表面抵抗率:Log[Ω/□]
次に、本実験におけるローラ部材の体積抵抗率の測定条件について説明する。
図6は、ローラ部材の体積抵抗率を測定する装置の説明図である。
図6に示す装置では、体積抵抗率を測定する対象のローラ部材は測定対象ローラR1としてφ30ステンレスからなる対向金属ローラR2に対して所定の加圧力W(50[gf/cm])で加圧される。対向金属ローラR2は軸受に固定されており、測定対象ローラR1と対向金属ローラR2との軸間に高圧電源V(トレック610D)によって設定電圧を印加して、電流計Va(ケスレー6514)によって流れる電流を測定して抵抗値を算出する。高圧電源V及び電流計Vaは上述したものに限定されるものではなく、また、設定電圧の値と電流の測定値から抵抗値を手動で算出することも可能であるが、パーソナルコンピューター等の計算機に設定電圧の値と電流の測定値とのデータを取り込み、抵抗値を自動的に算出する方がより好ましい。
なお、ローラ部材の抵抗測定は、22[℃]55[%]RHの環境にて行い、測定環境が異なる場合は絶対湿度による補正を行う。
なお、測定対象ローラR1がイオン導電ローラである場合、イオン導電ローラの抵抗値は温湿度環境による変動が大きいため5時間以上の調湿後測定を行う。
なお、表1及び表2におけるローラ部材の抵抗値も対数表示である。
ローラ抵抗:LogR (R:測定抵抗)
次に、本実験における画像評価について説明する。
本実験では転写性の向上を確認するために凹凸紙への転写性で画像評価を行った。
凹凸紙としてはエンボス紙であるさざなみ紙を使用した。さざなみ紙は凹凸を付けた和紙であり凹部の転写性が悪く、特にRGB画像のように二色ベタ画像では凹部に応じた色むらが生じ易い。通常、中間転写ベルト20上にRGB画像のように二色トナー画像を形成することで二層上のトナー像を形成した場合、上層のトナー像は転写紙Pに転写するが下層のトナーは転写し難いため一層のみトナー像の部分と二層のトナー像の部分とで色むらとなり易い。
凹凸紙への転写性は、さざなみ紙の凹部での転写性を二色ベタ画像でランク評価した。
以下、転写性の評価基準を示す。
・ランク5は2層トナー共に転写され凹凸共に同一色に再現している。
・ランク4は上層のトナー層の転写が低下し、下層のトナーの色がわずかに確認できる。これ以上を良品質とする。
・ランク3は上層のトナー層の転写は少なく下層のトナーの色がかなり確認できる。
・ランク2は上層のトナー層の転写は無く、下層のトナーの色のみ転写されている。
・ランク1は2層共に転写されず、凹部は転写紙の地肌が見えている。
画像チリはR、G、Bの文字画像にてランク評価を行った。詳しくは、文字画像を出力したものを20倍ルーペにて拡大し、文字周りのトナーのチリ具合を判定した。
以下、二色文字チリの評価基準を示す。
・ランク5は20倍ルーペにて拡大しても文字の周りチリがほとんど確認できない。
・ランク4は20倍ルーペにて拡大しても文字の周りチリがわずかに確認でき、目視では確認できない。これ以上を良品質とする。
・ランク3は目視で文字の周りでわずかにチリトナーの色が確認できる。
・ランク2は目視で文字の周りでチリトナーの色が確認できる。
・ランク1は目視でチリ領域が広くなりチリトナーの色が確認できる。
均一転写性はドットパターンの転写性を表し、転写性が悪いとチリとなり、チリが発生することで目視濃度が高く見える。
以下、均一転写性の評価基準を示す。
・ランク5は単色ハーフトーンベタ画像が均一に転写され滑らかな画像。
・ランク4は単色ハーフトーンベタ画像が均一に転写されるが、わずかなボソツキ(濃淡)が見られる画像。
・ランク3は単色ハーフトーンベタ画像にボソツキ(濃淡)が見られる画像。
・ランク2はハーフトーンベタ画像に濃淡がはっきりしたボソツキが見られる画像。
・ランク1はハーフトーンベタ画像に濃淡が濃い領域が半分以上存在する画像。
次に、本実験に用いたプリンタ500の二次転写部30を構成する各部材について、より詳しく説明する。
本実験で用いたプリンタ500では中間転写ベルト20の表面移動速度は285[mm/sec]である。転写部入口ローラ203は接地された金属ローラである。また、転写部出口ローラ204は金属ローラ表面にNBRを被覆したローラ部材であり、抵抗は図6を用いて説明した測定方法で1000[V]印加、10[sec]測定したもので、対数表示で6.8である。中間転写ベルト20はポリイミドベルトであり厚み80[μm]、表面抵抗率10.5、体積抵抗率8.8である。
転写搬送ベルト300も中間転写ベルト20と同一抵抗のベルトを使用し、転写搬送ベルト300を張架する第一ベルトローラ301は接地した金属ローラであり、第二ベルトローラ302は接地した絶縁ローラである。
また、二次転写バイアス印加部材(204、205)の対向ローラとなる二次転写ローラ304は金属ローラに発泡ポリウレタンの弾性層を備えたローラ部材であり、抵抗は6.5である。
また、電圧印加ブラシ205の導電性ブラシは、カーボン含有アクリル繊維から成る。
超音波振動発生装置400が付与する振動は周波数39.8[kHz]で出力10[W]である。また、二次転写バイアスの制御は、上流側の二次転写バイアス印加部材である電圧印加ブラシ205に対しては35[μA]、下流側の二次転写バイアス印加部材である転写部出口ローラ204に対しては30[μA]の定電流制御を行った。
なお、本実験で用いたプリンタ500では、二次転写バイアスを形成する二次転写電源の容量の上限値としては、耐久性を含めた二次転写ニップ近傍の近接部材へのリークの発生のし易さなどから、7[kV]に設定している。
実施条件1〜実施条件4では、ブルーベタ画像で評価すると、超音波を印加した画像は凹部も均一なブルーに転写された。また、上流側の二次転写バイアス印加部材である電圧印加ブラシ205に上流側二次転写電源Vが印加する電圧は3.2[kV]であり、下流側の二次転写バイアス印加部材である転写部出口ローラ204に下流側二次転写電源Vが印加する電圧は3.4[kV]であったため、電源容量の上限値である7[kV]に対して問題がなかった。
〔比較例〕
次に、表2中の比較条件2で用いた比較例について説明する。
比較例の構成については図7を用いて先に説明したため説明は省略する。
図7に示す比較例のこうせいでは、超音波振動発生装置400による振動の付与は二次転写ニップNに近接した位置で行うことが出来ず、二次転写ニップNから離れた位置となってしまう。二次転写電界は2つのローラ間の二次転写ニップNの位置に形成されているため、そこから離れた位置に振動付与部407が接触する構成では、超音波振動発生装置400は二次転写電界の影響がほとんどない領域の中間転写ベルト20に対して振動を付与することになる。二次転写電界の影響がほとんどない領域で中間転写ベルト20に対して超音波振動を付与すると、中間転写ベルト20上トナー像Tは凝集し中間転写ベルト20との付着力を増大するため転写紙Pへの転写性の向上を図れない。
〔従来例〕
次に、表2中の比較条件1で用いた従来例の構成について説明する。
図8は、従来例の画像形成装置のプリンタ500の概略説明図であり、図9は、従来のプリンタ500の二次転写部30の拡大説明図である。
従来例の構成は、超音波振動発生装置400を備えていない点や二次転写ローラ304が中間転写ベルト20を挟んで転写対向ローラ214と当接する構成である点で図7を用いて説明した比較例の構成と異なり、他の点は共通であるので説明は省略する。
図9に示すように、二次転写ローラ304が中間転写ベルト20を挟んで転写対向ローラ214と当接するが、二次転写ローラ304は転写対向ローラ214に対して中間転写ベルト20の表面移動方向上流側に若干ずれた位置で当接している。当接する位置をずらすことで転写紙Pを中間転写ベルト20の表面に押しつける力が生じて中間転写ベルト20と転写紙Pとの密着性を高めている。
しかし、転写対向ローラ214と二次転写ローラ304との間のニップ圧によってトナー同士は凝集が強まり、文字の中抜けの転写不良が発生する問題や平滑性の悪い紙やエンボスタイプの用紙に対して十分な転写性が得られない問題が生じることがあった。
なお、二次転写ローラが転写紙に直接接触する二次転写方式、転写搬送ベルトを挟んで接触する転写搬送ベルト方式、どちらの方式であっても二次転写バイアスを印加する場合、二次転写バイアス印加部材が転写紙と直接接触しないようにバイアスを印加することが好ましい。
また、転写紙が調湿し抵抗低下するとレジストローラや、金属製ガイド部材への電流の流れ込みにより転写抜けが発生するため、中間転写ベルト裏面から印加することが好ましいが、限定するものではない。
実施例1や実施例2の構成では、二つの二次転写バイアス印加部材のうちの一方が導電性のブラシからなる電圧印加ブラシ205であり、電圧印加ブラシ205と被転写体側転写電界形成部材である二次転写ローラ304との間の中間転写ベルト20に振動付与部407を配置する。
ローラ部材からなる二次転写バイアス印加部材である転写部出口ローラ204の接触部と二次転写ローラ304の接触部との間に振動付与部407を配置しようとすると、図2中での転写部出口ローラ204の左端より左側に振動付与部407を配置して、さらに、左側で二次転写ローラ304が接触するように配置する状態となる。この状態では、転写部出口ローラ204と二次転写ローラ304との接触位置の距離が離れざるを得なくなる。振動付与部407を挟むように配置された二次転写バイアス印加部材と被転写体側転写電界形成部材との距離が離れれば離れるほど、中間転写ベルト20を電流が流れる際の抵抗値の影響が大きくなり、電位差を大きくしたり、ベルトの抵抗率の値を小さくしたりする必要が生じる。
実施例1や実施例2の構成であれば、電圧印加ブラシ205と二次転写ローラ304との間に振動付与部407を配置しているため、電圧印加ブラシ205の接触位置と振動付与部407の接触位置とが近接するように配置することができる。さらに、電圧印加ブラシ205の接触位置と二次転写ローラ304の接触位置との距離も短く設定することができる。これにより、電圧印加ブラシ205と二次転写ローラ304との間で中間転写ベルト20に電流が流れる距離を短くすることができ、中間転写ベルト20の抵抗の影響を抑制できる。
また、下流側の二次転写バイアス印加部材は転写部出口ローラ204であるが、転写部出口ローラ204の接触部と二次転写ローラ304の接触部との間に振動付与部407を配置する必要はないので、転写部出口ローラ204の接触部と二次転写ローラ304の接触部との間を狭めることができる。
なお、実施条件1〜4の構成(図2及び図3)では、像担持体側転写電界形成部材の接触位置と被転写体側転写電界形成部材の接触位置との距離として、中間転写ベルト20に対して電圧印加ブラシ205が接触する位置から二次転写ローラ304が接触する位置までの距離は5[mm]であった。また、中間転写ベルト20に対して転写部出口ローラ204が接触する位置から二次転写ローラ304が接触する位置までの距離は15[mm]であった。
一方、比較条件3及び比較条件4の構成(図4)では、中間転写ベルト20に対して転写対向ローラ214が接触する位置から二次転写ローラ304が接触する位置までの距離は20[mm]であった。また、比較条件5の構成(図5)では、中間転写ベルト20に対して転写部出口ローラ204が接触する位置から二次転写ローラ304が接触する位置までの距離は20[mm]であった。
上述したように、図4に示す構成では、転写対向ローラ214が接触する位置から二次転写ローラ304が接触する位置までの距離は図2及び図3で示す構成の電圧印加ブラシ205が接触する位置から二次転写ローラ304が接触する位置までの距離よりも長い。このため、比較条件3のように中間転写ベルト20の表面抵抗率を低く設定せずに35[μA]の定電流制御の二次転写バイアスを印加すると、転写性が改善され、他の画像特性も悪化しないものの、二次転写バイアスの電圧が7.5[kV]必要になり、電源容量の上限値である7[kV]を超えて、電源の容量を越えてしまい実際の装置に用いることは困難である。また、二次転写バイアスの電圧を7.0[kV]以下に抑えるために、比較条件4のように、中間転写ベルト20の表面抵抗率を下げると、転写性は向上するものの他の画像特性のうちの二色文字チリが悪化した。
また、図5に示す構成も転写部出口ローラ204が接触する位置から二次転写ローラ304が接触する位置までの距離が図2及び図3で示す構成よりも長い。そして、中間転写ベルト20に電流が流れ難いことに起因して、二次転写バイアスの電圧が電源容量を越えたり、中間転写ベルト20の抵抗率の値を下げたりすることが無いように、転写搬送ベルト300の表面抵抗率を低くしている。このように、中間転写ベルト20の表面抵抗率を下げずに、転写搬送ベルト300の表面抵抗率だけを低く設定すると、図5中の矢印Eで示すように転写搬送ベルト300の表面を転写部出口ローラ204との対向部まで電流が流れ、転写紙P、トナー層T及び中間転写ベルト20を介して転写部出口ローラ204に電流が流れる。このため、転写搬送ベルト300と転写部出口ローラ204との対向部での二次転写電界が強くなり、振動付与部407が接触している位置では転写電界が弱くなるため、比較条件5の構成では、実施例1や実施例2の構成に比べて、超音波振動を付与することによる転写性の改善効果が小さい。
なお、実施形態では二つの二次転写バイアス印加部材のうちの一方を電圧印加ブラシとし、他方は、ローラであるが二つの二次転写バイアス印加部材をともに電圧印加ブラシとしても良い。しかし、中転転写張架面20aの後端側の張架ローラとは別に二次転写バイアス印加部材を設けると、張架面の後端位置から、後端側の張架ローラの半径分以上上流側に電圧印加ブラシを配置して、そのさらに上流側に被転写体側転写電界形成部材の接触位置が来るように配置するため装置の大型化に繋がる。
また、本実施形態では、トナー像担持ベルトが中間転写ベルト20であり、被転写体が転写紙Pである構成について説明したが、転写ニップに超音波振動を付与する転写部を構成するトナー像担持ベルトと被転写体の組み合わせとしてはこれに限るものではない。例えば、ベルト状の感光体から中間転写体への転写やベルト状の感光体から転写紙への転写であっても適用可能である。
以上、本実施形態によれば、プリンタ500は、複数の張架部材である各張架ローラ(201、202、203、204、206、207)によって張架され、表面にトナー像を担持して無端移動するトナー像担持ベルトである中間転写ベルト20と、中間転写ベルト20との対向部で中間転写ベルト20の表面と同方向に表面が無端移動し、中間転写ベルト20との対向部で中間転写ベルト20上のトナー像を記録媒体である転写紙Pの表面に転写する二次転写ニップを形成する被転写体側転写部材である転写搬送ベルト300と、中間転写ベルト20の内側に接触する振動付与部407から超音波振動を付与する超音波振動発生手段である超音波振動発生装置400とを有し、中間転写ベルト20の内側に配置された像担持体側転写電界形成部材である転写部出口ローラ204及び電圧印加ブラシ205と、転写搬送ベルト300が備える被転写体側転写電界形成部材である二次転写ローラ304との電位差によって二次転写ニップに二次転写電界を形成する画像形成装置である。そして、プリンタ500の二次転写ニップは、中間転写ベルト20の張架面の1つと転写搬送ベルト300の表面との接触部によって形成され、転写部出口ローラ204及び電圧印加ブラシ205は、二次転写ニップを形成する中間転写ベルト20の張架面である像担持体転写ニップ張架面としての中転転写張架面20aの内側で中間転写ベルト20に接触し、二次転写ニップでは、二次転写ローラ304は被転写体側転写部材の表面を構成するベルト部材である転写搬送ベルト300を介して中転転写張架面20aに接触し、中間転写ベルト20の表面移動方向における転写部出口ローラ204や電圧印加ブラシ205が接触する位置と二次転写ローラ304が接触する位置とが異なり、超音波振動発生装置400の振動付与部407は、2つの像担持体側転写電界形成部材のうちの1つである電圧印加ブラシ205が接触する位置と二次転写ローラ304が接触する位置との間で中間転写ベルト20に接触することにより、電圧印加ブラシ205と二次転写ローラ304との間の電位差による二次転写電界が形成される領域内の中間転写ベルト20に対して超音波振動を付与することができる。また、中間転写ベルト20が張架ローラに張架される位置とは異なる位置に振動付与部407が接触するため、二つのローラが当接する位置のベルトに超音波振動を付与する構成よりも中間転写ベルト20に振動を伝達しやすい。よって、中間転写ベルト20に振動が伝達し易く、二次転写電界が形成される領域内となる中間転写ベルト20の位置に超音波振動発生装置400の振動付与部407が接触するため、超音波振動を付与することによってより確実に転写率を向上させることができる。
また、本実施形態のプリンタ500では、被転写体側転写部材は、複数の張架ローラによって張架されたベルト状の被転写体側転写ベルトとしての転写搬送ベルト300であり、転写搬送ベルト300の張架面の1つと中転転写張架面20aとが接触して二次転写ニップを形成し、被転写体側転写電界形成部材である二次転写ローラ304は二次転写ニップにおける転写搬送ベルト300の内面に接触する。ベルト部材同士の接触によって二次転写ニップを形成することにより二次転写ニップのニップ幅を広く確保することができる。
また、本実施形態のプリンタ500では、転写搬送ベルト300を張架する張架部材である第一ベルトローラ301及び第二ベルトローラ302は何れも従動ローラであり、特に、実施例2の構成では、第一ベルトローラ301を接地し、入口ローラ電源Vによって転写部入口ローラ203にトナーと逆極性の電圧を印加して、二次転写ニップの入口近傍に中間転写ベルト20の表面上のトナー像T及び転写搬送ベルト300を中間転写ベルト20に引きつける電界を形成する。
二次転写ニップの入口側で、中間転写ベルト20と転写搬送ベルト300との間にトナーを転写搬送ベルト300側に引きつける電界が生じていると、空隙転写によって中間転写ベルト20上のトナーが飛翔してチリが発生するおそれがある。
また、二次転写バイアスによって二次転写電界が形成される領域よりも上流側の中間転写ベルト20と転写搬送ベルト300との間には、静電的に引きつける力がないため、密着性が低い。2つのベルト部材の密着性が低い状態で二つのベルト部材の間に転写紙Pが進入すると、ベルト部材の間で転写紙Pがぶれて、画像ブレが発生し易くなる。
さらに、転写搬送ベルト300の張架ローラの1つが駆動ローラで中間転写ベルト20と転写搬送ベルト300とがそれぞれの内部に配置した駆動ローラによって表面移動する構成の場合、二次転写ニップにおける2つのベルト部材の表面移動の移動速度差を完全に無くすことは出来ない。2つのベルト部材の表面移動の移動速度差がある状態で、中間転写ベルト20と転写搬送ベルト300とが静電気力によって密着性が高くなると、速度差によって画像ブレが発生し易くなる。
実施例2のプリンタ500では、中間転写ベルト20と転写搬送ベルト300とによって形成される二次転写ニップの入口を形成する転写部入口ローラ203にトナー像Tとは逆極性のバイアスを印加することで、二次転写ニップの入口よりも上流側の空隙でのトナー飛翔によるトナーチリを防止することができる。また、転写部入口ローラ203にバイアスを印加することにより、二次転写ニップの入口で転写搬送ベルト300を中間転写ベルト20に静電的に引き寄せて転写搬送ベルト300と中間転写ベルト20とを密着させることができるが、転写搬送ベルト300は駆動ローラを備えていないため、中間転写ベルト20に密着することで中間転写ベルト20の表面移動によって連れ回るように表面移動する。これにより、転写搬送ベルト300の表面移動速度と中間転写ベルト20の表面移動速度とに速度さが生じることがなく、2つのベルト部材の表面移動速度に速度差が生じることに起因する転写紙Pのブレを防止することができ、画像ブレの発生を防止することができる。
このように実施例2のプリンタ500では、転写搬送ベルト300は中間転写ベルト20に対して従動であるため中間転写ベルト20と転写搬送ベルト300との速度差、紙厚変化による速度差等に起因するバンディング等の横帯状ムラの発生を防止することが出来る。また、二次転写ニップの入口部を構成する転写部入口ローラ203に中間転写ベルト20上トナー像Tと逆極性のバイアスを印加することで、二次転写ニップの入口よりも上流側の空隙でのトナー飛翔によるトナーチリを防止することが出来る。さらに、中間転写ベルト20と転写紙Pとの密着力を高めることで超音波振動を付与することで中間転写ベルト20と転写紙Pとの間に空隙が形成されることに起因するトナー飛散を防止することができる。
また、実施例2のプリンタ500では、中転転写張架面20aの上流側端部で中間転写ベルト20を張架する張架ローラである転写部入口ローラ203に入口ローラ電源Vによってバイアスを印加し、第一ベルトローラ301を接地することで、転写部入口ローラ203と第一ベルトローラ301との電位差によって中間転写ベルト20上のトナー像T及び転写搬送ベルト300を中間転写ベルト20に引きつける電界を形成する。このように、転写部入口ローラ203と第一ベルトローラ301との何れか一方にバイアスを印加して、他方を設置して二次転写ニップの入口近傍にトナーを中間転写ベルト20側に引きつける電界を形成することにより、二次転写ニップの入口近傍でのトナーの飛翔や二次転写ニップ内での転写紙Pのブレを防止するために効果的な電界を、特別なバイアス印加部材を設けることなく、形成することができる。
また、本実施形態のプリンタ500では、電圧印加ブラシ205及び転写部出口ローラ204と像担持体側転写電界形成部材を2つ備え、2つの像担持体側転写電界形成部材である電圧印加ブラシ205及び転写部出口ローラ204が中間転写ベルト20に接触する二箇所の間で、超音波振動発生装置400の振動付与部407が中間転写ベルト20に接触する。このように、像担持体側転写電界形成部材を少なくとも2つ配置し、2つの像担持体側転写電界形成部材の設置位置の間で振動付与部407を中間転写ベルト20に接触させることで、二次転写電界が形成される領域を広げることができ長い転写時間を確保することができる。さらに、広げた二次転写電界が形成される領域に超音波振動を付与することにより、トナーと中間転写ベルト20との付着力を低減することができ、エンボス紙等の凹凸紙への良好な転写性を得ることができる。
また、ローラ状の像担持体側転写電界形成部材の接触位置と二次転写ローラ304の接触位置との間で、超音波振動発生装置400の振動付与部407が中間転写ベルト20に接触する構成であると、像担持体側転写電界形成部材の接触位置と振動付与部407の接触位置とが離れ、さらに、像担持体側転写電界形成部材の接触位置と二次転写ローラ304の接触位置とが離れてしまう。像担持体側転写電界形成部材の接触位置と二次転写ローラ304の接触位置とが離れると、中間転写ベルト20の抵抗によって二次転写電流が流れにくくなり、電流を流すためにバイアス電圧が高くなってしまう。バイアス電圧が高くなることは電源容量の上限の問題や、近接部材との放電が生じる問題がある。
これに対して、本実施形態のプリンタ500では、ブラシ状の像担持体側転写電界形成部材である電圧印加ブラシ205の接触位置と二次転写ローラ304の接触位置との間で、振動付与部407が中間転写ベルト20に接触する構成である。電圧印加ブラシ205の接触位置に対しては振動付与部407を近接して配置させることができるので、像担持体側転写電界形成部材の接触位置と二次転写ローラ304の接触位置とが離れることを抑制し、中間転写ベルト20の抵抗によって二次転写電流が流れ難いことに起因する問題の発生を抑制することができる。
また、本実施形態のプリンタ500では、2つの像担持体側転写電界形成部材である電圧印加ブラシ205及び転写部出口ローラ204が中間転写ベルト20に接触する二箇所の間で、被転写体側転写電界形成部材である二次転写ローラ304が転写搬送ベルト300を介して中間転写ベルト20に接触する。
電圧印加ブラシ205及び転写部出口ローラ204にトナーと同極性の二次転写バイアスを印加して、その間に接地された二次転写ローラ304を配置することで、接地された部材に対して中間転写ベルト20の表面移動方向上流側と下流側との両側から電流が流れ、その電流が流れる領域が二次転写電界を形成する領域となる。二次転写ローラ304の上流側と下流側との両側とに二次転写電界を形成することで、それぞれの電流が中間転写ベルト20を流れる距離は長くすることなく、電流が流れる領域を長くでき、中間転写ベルト20の抵抗によって二次転写電流が流れ難いことに起因する問題の発生を抑制しつつ、二次転写電界を形成する領域を広く確保することができる。
そして、この広く確保された二次転写電界を形成する領域となる中間転写ベルト20に振動付与部407によって振動を付与することにより、転写電界が形成される領域の幅を広げることで長い転写時間を確保でき、さらに、転写電界が形成される領域で超音波振動を印加することでトナーと中間転写ベルト20との付着力を低減することができるため、エンボス紙等の凹凸紙への良好な転写性を得ることができる。
なお、中間転写ベルト20を電流が流れる距離を短くすることで、中間転写ベルト20の表面抵抗率を高く設定することができ、一次転写部におけるチリの発生を防止することができる。
また、プリンタ500で用いる中間転写ベルト20の外周面及び内周面の内の少なくとも一方の表面抵抗率が、1×10〜1×1012[Ω/□]の範囲内である。
従来の画像形成装置のように、像担持体側転写電界形成部材が1つの場合、例えば、転写対向ローラ214のみの場合は、中間転写ベルト20の表面抵抗率の好ましい値は1×1010[Ω/□]以下、より好ましくは1×10[Ω/□]以下であった。この範囲の表面抵抗率の中間転写ベルト20を用いるとタンデム機の場合、一次転写バイアス印加部材間で電流が流れ、電流の干渉が生じて適切な転写が行えなくなることがあった。
本実施形態のプリンタ500であれば、像担持体側転写電界形成部材を複数備え、広い二次転写ニップを形成して比較的高抵抗の表面抵抗率を有するベルト部材を中間転写ベルト20として用いることができるので、一次転写部でのチリのない転写効率の優れた画像形成装置を得ることができる。
また、プリンタ500の述した構成を備えた二次転写部30の二次転写ニップは、中間転写ベルト20上のトナー像Tを記録媒体である転写紙Pに転写する記録媒体転写ニップであり、転写紙Pに対して良好な転写を行うことができる。
10 感光体
20 中間転写ベルト
20a 中転転写張架面
30 二次転写部
100 タンデム型画像形成部
101 画像形成部
101K ブラック画像形成部
103 帯電装置
104 現像装置
105 一次転写ローラ
106 感光体クリーニング装置
107 定着装置
108 排紙ローラ
109 排紙部
110 露光装置
150 給紙部
151 給紙カセット
152 ピックアップローラ
153 給紙ローラ
154 レジストローラ
155 給紙搬送ガイド
156 搬送ユニット
156a 搬送ベルト
200 転写装置
201 第一張架ローラ
202 第二張架ローラ
203 転写部入口ローラ
204 転写部出口ローラ
205 電圧印加ブラシ
206 クリーニング対向ローラ
210 中間転写体クリーニング装置
213 上流側張架ローラ
214 転写対向ローラ
300 転写搬送ベルト
300a 搬送転写張架面
301 第一ベルトローラ
302 第二ベルトローラ
303 転写搬送ベルトクリーニング装置
304 二次転写ローラ
305 分離除電針
400 超音波振動発生装置
403 ホーン
406 電極
407 振動付与部
500 プリンタ
N 二次転写ニップ
P 転写紙
R1 測定対象ローラ
R2 対向金属ローラ
T トナー像
V 高圧電源
Va 電流計
転写電源
上流側二次転写電源
下流側二次転写電源
入口ローラ電源
二次転写ローラ電源
W 加圧力
特開平04−234077号公報 特開2008−242224号公報

Claims (8)

  1. 複数の張架部材によって張架され、表面にトナー像を担持して無端移動するトナー像担持ベルトと、
    該トナー像担持ベルトとの対向部で該トナー像担持ベルトの表面と同方向に表面が無端移動し、該トナー像担持ベルトとの対向部で該トナー像担持ベルト上のトナー像を記録媒体または他のトナー像担持体などの被転写体の表面に転写する転写ニップを形成する被転写体側転写部材と、
    上記トナー像担持ベルトの内側に接触する振動付与部から超音波振動を付与する超音波振動発生手段とを有し、
    該トナー像担持ベルトの内側に配置された像担持体側転写電界形成部材と、該被転写体側転写部材が備える被転写体側転写電界形成部材との電位差によって該転写ニップに転写電界を形成する画像形成装置において、
    上記転写ニップは、上記トナー像担持ベルトの張架面の1つと上記被転写体側転写部材の表面との接触部によって形成され、
    上記像担持体側転写電界形成部材は、該転写ニップを形成する該トナー像担持ベルトの張架面である像担持体転写ニップ張架面の内側で該トナー像担持ベルトに接触し、
    該転写ニップでは、上記被転写体側転写電界形成部材は該被転写体側転写部材として直接、または、該被転写体側転写部材の表面を構成するベルト部材を介して該像担持体転写ニップ張架面に接触し、
    該トナー像担持ベルトの表面移動方向における該像担持体側転写電界形成部材が接触する位置と該被転写体側転写電界形成部材が接触する位置とが異なり、
    上記超音波振動発生手段の上記振動付与部は、該像担持体側転写電界形成部材が接触する位置と該被転写体側転写電界形成部材が接触する位置との間で該トナー像担持ベルトに接触することを特徴とする画像形成装置。
  2. 請求項1の画像形成装置において、
    上記被転写体側転写部材は、複数の張架部材によって張架されたベルト状の被転写体側転写ベルトであり、
    該被転写体側転写ベルトの張架面の1つと上記像担持体転写ニップ張架面とが接触して上記転写ニップを形成し、
    上記被転写体側転写電界形成部材は該転写ニップにおける該被転写体側転写ベルトの内面に接触することを特徴とする画像形成装置。
  3. 請求項2の画像形成装置において、
    上記被転写体側転写ベルトを張架する張架部材は何れも駆動ローラではなく、
    上記転写ニップの入口近傍に上記トナー像担持ベルトの表面上のトナー像及び被転写体側転写ベルトをトナー像担持ベルトに引きつける電界を形成することを特徴とする画像形成装置。
  4. 請求項3の画像形成装置において、
    上記像担持体転写ニップ張架面の上流側端部で上記トナー像担持ベルトを張架する張架部材と、上記被転写体側転写ベルトの上記転写ニップを形成する張架面の上流側端部で該被転写体側転写ベルトを張架する張架ローラとの電位差によって上記トナー像担持ベルトの表面上のトナー像及び被転写体側転写ベルトをトナー像担持ベルトに引きつける電界を形成することを特徴とする画像形成装置。
  5. 請求項1乃至4のいずれか1項に記載の画像形成装置において、
    上記像担持体側転写電界形成部材を複数備え、
    複数の該像担持体側転写電界形成部材のうちの二つが上記トナー像担持ベルトに接触する二箇所の間で、
    上記超音波振動発生手段の上記振動付与部が該トナー像担持ベルトに接触することを特徴とする画像形成装置。
  6. 請求項5の画像形成装置において、
    上記二箇所の間で上記被転写体側転写電界形成部材が該トナー像担持ベルトに接触することを特徴とする画像形成装置。
  7. 請求項1乃至6のいずれか1項に記載の画像形成装置において、
    上記トナー像担持ベルトの外周面及び内周面の内の少なくとも一方の表面抵抗率が、1×10〜1×1012[Ω/□]の範囲内であることを特徴とする画像形成装置。
  8. 請求項1乃至7のいずれか1項に記載の画像形成装置において、
    上記転写ニップは、上記トナー像担持ベルト上のトナー像を記録媒体に転写する記録媒体転写ニップであることを特徴とする画像形成装置。
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