JP6627234B2 - 蛇行抑制部材、転写ベルト、転写ユニット及び画像形成装置 - Google Patents

蛇行抑制部材、転写ベルト、転写ユニット及び画像形成装置 Download PDF

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Description

本発明は、蛇行抑制部材、転写ベルト、転写ユニット及び画像形成装置に関する。
静電複写方式を採用する画像形成装置は、電子写真感光体の表面を帯電し、画像信号を変調したレーザー光等で静電潜像を形成した後、静電潜像を帯電したトナーで現像して可視化したトナー像とし、トナー像を静電的に紙等の記録媒体に転写し、さらに加熱加圧することで画像が定着される。
カラー画像を形成する画像形成装置では、各色成分のトナー像を個々に形成するため画像形成ユニットが複数配置され、各画像形成ユニットで形成されたトナー像が例えば中間転写ベルトに順次一次転写されて重ね合わされた後、中間転写ベルトから記録媒体に二次転写される。
一方、モノクロ画像を形成する画像形成装置では、電子写真感光体の表面に形成されたトナー像が記録媒体に直接転写される方式のほか、電子写真感光体の表面に形成されたトナー像が転写ベルトに一次転写された後、記録媒体に二次転写される方式がある。
転写ベルトを介してトナー像を記録媒体に転写させる方式では、転写ベルトは複数のロールで支持された状態で周方向に回転することになるが、転写ベルトが支持ロールの軸方向に変位して蛇行することを防ぐため種々の手段が提案されている。
例えば、特許文献1には、「複数のローラに張架された無端状のベルトにおいて、無端状のベルト本体と、前記ベルト本体の内周面の少なくとも一側部に設けられ、前記ローラに係止される蛇行防止部材と、を備え、前記蛇行防止部材を発泡体により形成したことを特徴とするベルト」が開示されている。
また、特許文献2では、「少なくとも駆動ローラと従動ローラからなる複数のローラと、前記複数のローラ間に無端走行可能に張架されてなり、その表面又は当該表面に載置された記録紙に、画像情報に応じて担持される像担持体のトナー像が転写される転写ベルトと、前記転写ベルトの裏面であって、当該転写ベルトの走行方向に直交する方向における端部に、当該走行方向に沿って設けられ、一定間隔毎に継ぎ目を有するリブと、前記継ぎ目周辺の前記リブ部分に設けられ、前記転写ベルト裏面とは反対方向に向かう前記リブの動きを抑制する抑制部材と、前記複数のローラの内、少なくとも一つのローラの回転軸方向の端部に設けられ、前記転写ベルトのリブに係合する係合部と、前記転写ベルトの表面側に周面が押圧され、前記無端走行可能に張架された状態の転写ベルトを内側に向けて屈曲させる屈曲ローラとを備えた転写ユニット」が開示されている。
特開2001−122417号公報 特開2009−181035号公報
本発明は、無端のベルト基材に接着させる接着面以外の長手方向の全面が、ポリエステルエラストマーを含んで形成され、且つ、摩擦係数が0.5未満又は0.7を超える蛇行抑制部材に比べ、ロールとの接触による摩耗及びベルト基材の破断の発生が抑制される蛇行抑制部材を提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、以下の本発明が提供される。
<1>の発明は、無端状のベルト基材に接着させる接着面と、前記接着面以外の長手方向に、ポリエステルエラストマーを含んで形成され、且つ、摩擦係数が0.5以上0.7以下である領域と、を有する蛇行抑制部材。
<2>の発明は、前記接着面の摩擦係数が0.8以上1.2以下である<1>に記載の蛇行抑制部材。
<3>の発明は、摩擦係数が0.8以上1.2以下であり、無端状のベルト基材に接着させる接着面と、前記接着面以外の長手方向に、摩擦係数が0.5以上0.7以下である領域と、を有する蛇行抑制部材。
<4>の発明は、前記接着面以外の長手方向の全面の摩擦係数が0.5以上0.7以下である<1><3>のいずれか1に記載の蛇行抑制部材。
<5>の発明は、無端状のベルト基材と、前記ベルト基材の幅方向の少なくとも一端部において周方向に沿って前記接着面が接着して配置された<1><4>のいずれか1に記載の蛇行抑制部材と、を含む転写ベルト。
<6>の発明は、<5>に記載の転写ベルトと、前記蛇行抑制部材の前記摩擦係数が0.5以上0.7以下である領域と接触して前記転写ベルトの幅方向の移動を抑制する少なくとも1つのロールを含み、前記転写ベルトを回転可能に支持する複数のロールと、を備えた転写ユニット。
<7>の発明は、電子写真感光体と、前記電子写真感光体の表面を帯電する帯電手段と、帯電した前記電子写真感光体の表面に静電潜像を形成する静電潜像形成手段と、トナーを含む現像剤により、前記電子写真感光体の表面に形成された静電潜像を現像してトナー像を形成する現像手段と、<5>に記載の転写ベルト、及び、前記蛇行抑制部材の前記摩擦係数が0.5以上0.7以下である領域と接触して前記転写ベルトの幅方向の移動を抑制する少なくとも1つのロールを含み、前記転写ベルトを回転可能に支持する複数のロールを有し、前記電子写真感光体の表面に形成された前記トナー像を前記転写ベルトを介して記録媒体の表面に転写する転写手段と、を備える画像形成装置。
<1>に係る発明によれば、無端のベルト基材に接着させる接着面以外の長手方向の全面が、ポリエステルエラストマーを含んで形成され、且つ、摩擦係数が0.5未満又は0.7を超える蛇行抑制部材に比べ、摩耗及びベルト基材の破断の発生が抑制される蛇行抑制部材が提供される。
<2>に係る発明によれば、前記接着面の摩擦係数が0.8未満である場合に比べ、トナー画像の位置ずれが抑制される蛇行抑制部材が提供される。
<3>に係る発明によれば、無端状のベルト基材に接着させる接着面の摩擦係数が1.2を超え、且つ、前記接着面以外の長手方向の全面の摩擦係数が0.7を超える蛇行抑制部材に比べ、摩耗及びベルト基材の破断の発生が抑制される蛇行抑制部材が提供される。
<4>に係る発明によれば、前記接着面以外の長手方向の面のうち一部の面のみ摩擦係数が0.5以上0.7以下である場合に比べ、前記摩擦係数が0.5以上0.7以下である領域と接触させるロールの自由度が高い蛇行抑制部材が提供される。
<5>に係る発明によれば、ベルト基材に接着させる接着面以外の長手方向の全面の摩擦係数が0.5未満又は0.7を超える蛇行抑制部材を適用した場合に比べ、ロールとの接触による摩耗及びベルト基材の破断の発生が抑制される転写ベルトが提供される。
<6>に係る発明によれば、ベルト基材に接着させる接着面以外の長手方向の全面の摩擦係数が0.5未満又は0.7を超える蛇行抑制部材を設けた転写ベルトを備える場合に比べ、摩耗及びベルト基材の破断の発生が抑制される転写ユニットが提供される。
<7>に係る発明によれば、電子写真感光体の表面に形成されたトナー像を記録媒体の表面に転写する転写手段として、ベルト基材に接着させる接着面以外の長手方向の全面の摩擦係数が0.5未満又は0.7を超える蛇行抑制部材を設けた転写ベルトを備える場合に比べ、ロールとの接触により生じる摩耗粉に起因したトナー画像の抜け及びベルト基材の破断の発生が抑制される画像形成装置が提供される。
本実施形態に係る蛇行抑制部材の構成の一例を示す概略図である。 本実施形態に係る転写ベルトの構成の一例を示す部分断面図である。 図2に示す転写ベルトのCで示される部分断面を拡大して示す概略図である。 本実施形態に係る転写ユニットの構成の一例を示す概略図である。 本実施形態に係る転写ユニットの蛇行抑制部材ガイドの一例を示す部分断面図である。 本実施形態に係る転写ユニットの蛇行抑制部材ガイドの他の例を示す部分断面図である。 本実施形態に係る画像形成装置の構成の一例を示す概略図である。
以下、本発明の実施形態について図面を参照しつつ詳細に説明する。なお、機能・作用が共通する機能を有する部材には、全図面を通して同じ符号を付与し、重複する説明は省略する場合がある。
[蛇行抑制部材]
<第1実施形態>
本発明の第1実施形態に係る蛇行抑制部材は、無端状のベルト基材(以下、「無端ベルト」と称する場合がある。)に接着させる接着面と、前記接着面以外の長手方向に、ポリエステルエラストマーを含んで形成され、且つ、摩擦係数が0.5以上0.7以下である領域(以下、「低摩擦領域」と称する場合がある。)とを有する。
図1は本実施形態に係る蛇行抑制部材の一例を概略的に示している。また、図2は、図1に示す蛇行抑制部材が無端状のベルト基材(無端ベルト)の幅方向端部において周方向に沿って配置された転写ベルトの構成の一例について概略的に示し、一部は断面を示している。図3は、図2におけるCで示される断面部分を拡大して示している。
図1に示す蛇行抑制部材50は、厚さ方向の断面が長方形である帯状であり、ポリエステルエラストマーを含んで構成されている。本実施形態に係る蛇行抑制部材50は、図3に示すように長手方向の4つの面50A,50B,50C,50Dを有し、面50Aがベルト基材と接着させる接着面となっている。接着面50A以外の長手方向の面50B,50C,50Dは、摩擦係数が0.5以上0.7以下である低摩擦領域となっている。
本実施形態に係る蛇行抑制部材50を例えば画像形成装置の転写ベルトに適用する場合、図2及び図3に示すように、接着面50Aに接着剤等を塗布してベルト基材62の幅方向端部において周方向に沿って接着される。画像形成装置内では、転写ベルト60が複数のロール(支持ロール)によって回転可能に支持される。そして、少なくとも1つの支持ロールには、蛇行抑制部材50の長手方向(転写ベルトの周方向)における低摩擦領域50B,50C,50Dのいずれかの低摩擦領域と接触し、転写ベルト60の幅方向の移動を抑制する蛇行抑制部材ガイド(規制部材)が設けられている。本実施形態に係る蛇行抑制部材50の低摩擦領域が、転写ベルト60を支持する支持ロールの蛇行抑制部材ガイドと接触する構成とすることで蛇行抑制部材50の摩耗とベルト基材62の破断の発生が抑制される。その理由は以下のように推測される。
一般的に、無端ベルトに蛇行抑制部材を設けた転写ベルトは、蛇行抑制部材と、転写ベルトを支持するロールに設けられた蛇行抑制部材ガイドとの接触により無端ベルトの幅方向への蛇行が抑制されるが、蛇行抑制部材の蛇行抑制部材ガイドとの接触部では摩耗が生じることがある。
ポリエステルエラストマーはポリウレタンに比べて一般的に安価であるが、ポリエステルエラストマーで作製した蛇行抑制部材は、蛇行抑制部材ガイドとの接触部において特に摩耗し易い。これに対し、本実施形態に係る蛇行抑制部材は、摩擦係数が0.7以下である低摩擦領域が蛇行抑制部材ガイドと接触することで滑り易く、ポリエステルエラストマーを含む材料で構成されていても摩耗が発生し難いと考えられる。
一方、蛇行抑制部材と蛇行抑制部材ガイドとの接触部における摩擦が小さ過ぎると蛇行抑制部材が蛇行抑制部材ガイドの軸方向に移動し易く、蛇行抑制部材が蛇行抑制部材ガイドに乗り上げ易い。蛇行抑制部材が蛇行抑制部材ガイドに乗り上げると蛇行抑制部材ガイド付近で無端ベルトに凸状の屈曲面が生じ、無端ベルトが屈曲を繰り返すと無端ベルトが破断し易い。また、蛇行抑制部材の蛇行抑制部材ガイドへの乗り上げ量が大きくなると、一次転写ロールと転写ベルトが未接触状態になり、一次転写不良が発生し易くなる。これに対し、本実施形態に係る蛇行抑制部材は、低摩擦領域の摩擦係数が0.5以上であることで滑り過ぎによる蛇行抑制部材ガイドへの乗り上げが抑制され、無端ベルトの破断の発生が抑制されると考えられる。
本実施形態に係る蛇行抑制部材50を構成するポリエステルエラストマーは、ハードセグメントとソフトセグメントとを有するブロック共重合体であり、ハードセグメントとしては芳香族ポリエステルが挙げられ、ソフトセグメントとしては、脂肪族ポリエステル、脂肪族ポリエーテルが挙げられる。
本実施形態に係る蛇行抑制部材50に含まれるポリエステルエラストマーは、成形性、電気絶縁性、耐湿性、耐溶剤性、耐オゾン性、耐熱性、耐摩耗性、製造容易性等の観点から、ハードセグメントがポリエステルであり、ソフトセグメントがポリエーテルであるポリエステルエーテルエラストマーがより好ましい。ポリエステルエラストマーは、例えば、テレフタル酸ジメチル、1,4−ブタンジオール、ポリ(オキシテトラメチレン)グリコールを原料とし、エステル交換や重縮合反応で製造することができる。
本実施形態に係る蛇行抑制部材50は、市販のポリエステルエラストマーを使用して作製することもできる。例えば、デュポン社製「ハイトレル」(登録商標)、東洋紡エンプラファミリー社製「ペルプレン」(登録商標)、アロン化成社製「エステラール」(登録商標)、三菱化学社製「プリマロイ」(登録商標)等が挙げられる。
本実施形態に係る蛇行抑制部材50は、ポリエステルエラストマー以外の材料を含んでもよい。例えば、ポリカーボネート等のエンジニアリングプラスティックやPTFEやカーボンブラック等の機能性微粒子が挙げられる。
本実施形態に係る蛇行抑制部材50は、ベルト基材に接着させる接着面以外の長手方向に摩擦係数が0.5以上0.7以下の領域(低摩擦領域)を有する。なお、図1に示す蛇行抑制部材50は、接着面50A以外の長手方向の全面50B,50C,50Dが、摩擦係数が0.5以上0.7以下である低摩擦領域となっているが、蛇行抑制部材ガイド等の他部材と接触する領域の摩擦係数が0.5以上0.7以下であればよい。例えば、蛇行抑制部材50をベルト基材62の幅方向端部における周方向に沿って接着させたときに、面50Bが内側側面となって蛇行抑制部材ガイドと接触する構成とする場合は、面50Bの摩擦係数が0.5以上0.7以下であればよい。
ここで、本実施形態に係る蛇行抑制部材50の摩擦係数は、JIS K 7125(1999)に基づいてフェルトで測定した動摩擦係数である。
一方、本実施形態に係る蛇行抑制部材50の接着面50Aの摩擦係数は特に限定されないが、ベルト基材62からの剥離やベルト基材62の破断の発生を抑制する観点から、0.8以上1.2以下であることが好ましく、0.8以上1.0以下であることがより好ましい。
本実施形態に係る蛇行抑制部材50の長手方向の面50A,50B,50C,50Dの摩擦係数を調整する方法は特に限定されず、例えば、ポリエステルエラストマーを含む材料により帯状の蛇行抑制部材を作製した後、サンドペーパー処理、ブラスト処理、プライマー処理、コーティング処理等を施す方法、潤滑オイルを付着させる方法等が挙げられる。
例えば、ポリエステルエラストマーを含む材料を用いて蛇行抑制部材となる帯状部材を押出成形した後、接着面となる面にブラスト処理を施せば、摩擦係数を高めることができ、接触面以外の面はサンドペーパーで研磨することで摩擦係数を小さくすることができる。
蛇行抑制部材50の幅(図3における面50B−面50Dと間の距離)、厚み(図3における面50A−面50C間の距離)等は蛇行抑制部材50を適用する転写ベルト60の使用条件等により選択すればよい。
蛇行抑制部材50の幅は、蛇行抑制効果、耐久性等の点から、1mm以上10mm以下が好ましく、特に4mm以上7mm以下が好ましい。
また、蛇行抑制部材50の厚みは、特に制限されないが、蛇行抑制効果、耐久性等の観点から、1mm以上5mm以下が好ましく、3mm以上5mm以下がより好ましい。
なお、図1に示す蛇行抑制部材50は、長手方向に対して垂直となる厚さ方向の断面形状が長方形であるが、これに限定されず、蛇行抑制部材50と接触する支持ロール(蛇行抑制部材ガイド)の形状、配置等に応じて適宜選択すればよい。本実施形態に係る蛇行抑制部材は、長手方向に対して垂直となる厚さ方向の断面形状が、例えば、四角形以外の多角形状でもよいし、円形、楕円形等の曲面を有する形状でもよい。
また、本実施形態に係る蛇行抑制部材は、接着面50Aを含み、支持ロール(蛇行抑制部材ガイド)と接触しない部分はポリエステルエラストマー以外の材料で構成し、支持ロール(蛇行抑制部材ガイド)と接触する部分はポリエステルエラストマーで構成した蛇行抑制部材としてもよい。
<第2実施形態>
本発明の第2実施形態に係る蛇行抑制部材は、摩擦係数が0.8以上1.2以下であり、無端状のベルト基材に接着させる接着面と、前記接着面以外の長手方向に、摩擦係数が0.5以上0.7以下である領域と、を有する。
第2実施形態に係る蛇行抑制部材の接着面をベルト基材の幅方向端部において周方向に沿って接着して配置し、低摩擦領域が蛇行抑制部材ガイドと接触する構成とすることで蛇行抑制部材の摩耗とベルト基材の破断の発生が抑制される。
第2実施形態に係る蛇行抑制部材を構成する材料としては、ポリエステルエラストマーに限定されず、例えば、ポリウレタン、ネオプレンゴム、ポリウレタンゴム、シリコーンゴム、ポリエステルエラストマー、クロロプレンゴム、ニトリルゴム等の適度な硬度を有する弾性体等が挙げられる。これらの中でも、蛇行抑制部材ガイドとの接触部における摩耗の抑制、ベルト基材に対する接着性のほか、電気絶縁性、耐湿、耐溶剤、耐オゾン性、耐熱性、耐磨耗性、製造容易性等の観点から、ポリウレタンゴム、シリコーンゴム、ポリエステルエラストマーが好ましい。
第2実施形態に係る蛇行抑制部材の長手方向の面の摩擦係数を調整する方法、幅、厚み、断面形状等は第1実施形態に係る蛇行抑制部材と同様であり、ここでの説明は省略する。
[転写ベルト]
本実施形態に係る転写ベルトは、無端状のベルト基材と、前記ベルト基材の幅方向の少なくとも一端部において周方向に沿って前記接着面が接着して配置された前記実施形態に係る蛇行抑制部材と、を含む。
図2に示す転写ベルト60は、ベルト基材62と、前記ベルト基材62の幅方向の少なくとも一端部において内周面側の周方向に沿って接着面50Aが接着して配置された帯状の蛇行抑制部材50と、を有して構成されている。図3に示すように蛇行抑制部材50の接着面50Aとベルト基材62との間には接着層40が設けられている。
<ベルト基材>
ベルト基材62は樹脂を含んで無端状に形成されている。ベルト基材62は単層でもよいし、2層以上積層された構造でもよい。
ベルト基材62を構成する樹脂としては、例えば、ポリイミド樹脂、フッ化ポリイミド樹脂、ポリアミド樹脂、ポリアミドイミド樹脂、ポリエーテルエーテルエステル樹脂、ポリアリレート樹脂、ポリエステル樹脂などが挙げられ、ポリイミド、ポリアミドイミドが好ましい。
(ポリイミド樹脂)
ベルト基材62を構成し得るポリイミド樹脂としては、例えば、テトラカルボン酸二無水物とジアミン化合物との重合体であるポリアミド酸のイミド化物が挙げられる。ポリイミド樹脂として具体的には、例えば、テトラカルボン酸二無水物とジアミン化合物との等モル量を溶媒中で重合反応させてポリアミド酸の溶液として得て、そのポリアミド酸をイミド化して得られたものが挙げられる。
テトラカルボン酸二無水物としては、例えば、下記の一般式(I)で示されるものが挙げられる。
(一般式(I)中、Rは4価の有機基であり、芳香族、脂肪族、環状脂肪族、芳香族と脂肪族を組み合わせたもの、又はそれらの置換された基である。)
テトラカルボン酸二無水物として具体的には、例えば、ピロメリット酸二無水物、3,3’,4,4’−ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物、3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、2,3,3’,4−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、2,3,6,7−ナフタレンテトラカルボン酸二無水物、1,2,5,6−ナフタレンテトラカルボン酸二無水物、1,4,5,8−ナフタレンテトラカルボン酸二無水物、2,2’−ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)スルホン酸二無水物、ペリレン−3,4,9,10−テトラカルボン酸二無水物、ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)エーテル二無水物、エチレンテトラカルボン酸二無水物等が挙げられる。
一方、ジアミン化合物の具体例としては、例えば、4,4’−ジアミノジフェニルエーテル、4,4’−ジアミノジフェニルメタン、3,3’−ジアミノジフェニルメタン、3,3’−ジクロロベンジジン、4,4’−ジアミノジフェニルスルフィド、3,3’−ジアミノジフェニルスルフォン、1,5−ジアミノナフタレン、m−フェニレンジアミン、p−フェニレンジアミン、3,3’−ジメチル4,4’−ビフェニルジアミン、ベンジジン、3,3’−ジメチルベンジジン、3,3’−ジメトキシベンジジン、4,4’−ジアミノジフェニルスルフォン、4,4’−ジアミノジフェニルプロパン、2,4−ビス(β−アミノ第三ブチル)トルエン、ビス(p−β−アミノ−第三ブチルフェニル)エーテル、ビス(p−β−メチル−δ−アミノフェニル)ベンゼン、ビス−p−(1,1−ジメチル−5−アミノ−ペンチル)ベンゼン、1−イソプロピル−2,4−m−フェニレンジアミン、m−キシリレンジアミン、p−キシリレンジアミン、ジ(p−アミノシクロヘキシル)メタン、ヘキサメチレンジアミン、ヘプタメチレンジアミン、オクタメチレンジアミン、ノナメチレンジアミン、デカメチレンジアミン、ジアミノプロピルテトラメチレン、3−メチルヘプタメチレンジアミン、4,4−ジメチルヘプタメチレンジアミン、2,11−ジアミノドデカン、1,2−ビス−3−アミノプロボキシエタン、2,2−ジメチルプロピレンジアミン、3−メトキシヘキサメチレンジアミン、2,5−ジメチルヘプタメチレンジアミン、3−メチルヘプタメチレンジアミン、5−メチルノナメチレンジアミン、2,17−ジアミノエイコサデカン、1,4−ジアミノシクロヘキサン、1,10−ジアミノ−1,10−ジメチルデカン、12−ジアミノオクタデカン、2,2−ビス〔4−(4−アミノフェノキシ)フェニル〕プロパン、ピペラジン、HN(CHO(CHO(CH)NH、HN(CHS(CHNH、HN(CHN(CH(CHNH等が挙げられる。
テトラカルボン酸二無水物とジアミンを重合反応させる際の溶媒としては、例えば、溶解性等の点より極性溶媒(有機極性溶媒)が好適に挙げられる。極性溶媒としては、例えば、N,N−ジアルキルアミド類が望ましく、具体的には、例えば、これの低分子量のものであるN,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N,N−ジエチルホルムアミド、N,N−ジエチルアセトアミド、N,N−ジメチルメトキシアセトアミド、ジメチルスルホキシド、ヘキサメチルホスホルトリアミド、N−メチル−2−ピロリドン、ピリジン、テトラメチレンスルホン、ジメチルテトラメチレンスルホン等が挙げられる。これらは1種単独で用いてもよいし、2種以上併用してもよい。
(ポリアミドイミド樹脂)
ベルト基材62を構成し得るポリアミドイミド樹脂は、分子中にイミド基とアミド基を有する樹脂であり、一般的に知られている構造のものを使用することができる。ポリアミドイミド樹脂の合成方法としては、酸クロライド法やイソシアネート法等が知られており、いずれも使用することができる。得られるポリアミドイミド樹脂溶液の安定性の観点からは、イソシアネート法が望ましい。
イソシアネート法は、無水カルボン酸化合物と、ジイソシアネート化合物とを反応させる方法であり、酸クロライド法は、カルボン酸クロライド化合物と、ジアミン化合物とを反応させる方法である。以降、前記無水カルボン酸化合物及び前記カルボン酸クロライド化合物を「カルボン酸成分」と称する場合がある。
前記無水カルボン酸化合物としては、トリメリット酸無水物又はその誘導体が好ましい。また、該トリメリット酸無水物又はその誘導体のほかに、イソシアネート基又はアミノ基と反応する無水カルボン酸化合物(例えば、ジカルボン酸無水物、テトラカルボン酸無水物など)を併用することができる。
前記ジイソシアネート化合物は、下記一般式(II)で示される化合物である。
O=C=N−R−N=C=O 一般式(II)
一般式(II)中、Rは、2価の芳香族基又は脂肪族基を表す。
ジイソシアネート化合物の具体例としては、以下の化合物を挙げることができる。これらジイソシアネート化合物は、1種類を単独で、或いは2種以上の化合物を併用してもよい。
前記カルボン酸クロライド化合物としては、トリメリット酸クロライド又はその誘導体の塩化物を挙げることができる。トリメリット酸クロライド又はその誘導体の塩化物のほかに、ジカルボン酸クロライド、テトラカルボン酸クロライドなどを用いてもよく、またこれらを2種以上併用してもよい。
前記ジアミン化合物としては、エチレンジアミン、プロピレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン等の脂肪族ジアミン、1,4−シクロヘキサンジアミン、1,3−シクロヘキサンジアミン、イソホロンジアミン、4,4’−ジアミノジシクロヘキシルメタン等の脂環族ジアミン、m−フェニレンジアミン、p−フェニレンジアミン、4,4’−ジアミノジフェニルメタン、4,4’−ジアミノジフェニルエーテル、4,4’−ジアミノジフェニルスルホン、ベンジジン、o−トリジン、2,4−トリレンジアミン、2,6−トリレンジアミン、キシリレンジアミン等の芳香族ジアミンが挙げられ、これらの中では耐熱性、機械的特性、溶解性などから4,4’−ジアミノジフェニルメタン、イソホロンジアミン、4,4’−ジアミノジシクロヘキシルメタン等が好ましい。
イソシアネート化合物又はジアミン化合物と、カルボン酸成分との配合割合は、該酸成分のカルボキシル基及び酸無水物基の総モル数に対するイソシアネート基又はアミノ基の総モル数比が、0.6以上1.4以下となるようにすることが好ましく、0.7以上1.3以下となるようにすることがより好ましく、0.8以上1.2以下となるようにすることが特に好ましい。
イソシアネート法によるポリアミドイミド樹脂の製造方法としては、具体的には次の方法を挙げることができる。
1) イソシアネート成分とトリカルボン酸成分とを一度に使用し、反応させてポリアミドイミド樹脂を得る方法。
2) イソシアネート成分の過剰量と酸成分を反応させて末端にイソシアネート基を有するアミドイミドオリゴマーを合成した後、トリカルボン酸成分を追加し反応させてポリアミドイミド樹脂を得る方法。
3) トリカルボン酸成分の過剰量とイソシアネート成分を反応させて末端にカルボン酸又は酸無水物基を有するアミドイミドオリゴマーを合成した後、該酸成分とイソシアネート成分を追加し反応させてポリアミドイミド樹脂を得る方法。
ポリアミドイミド樹脂の製造方法では、アミド化反応とイミド化反応を同時に行なってもよいし、アミド化反応終了後にイミド化反応させる方法でもよい。
本実施形態におけるベルト基材62は2種以上の樹脂を含んでもよいし、市販されている樹脂を用いて作製してもよい。例えば、後述する実施例においてベルト基材の作製に用いられる製品が挙げられる。
また、本実施形態におけるベルト基材62は、樹脂以外の材料を含んで構成されていてもよい。例えば、カーボンブラック等の導電剤、酸化防止剤、界面活性剤、PTFE(ポリテトラフルオロエチレン)やSiO等の粒子などが挙げられる。
ベルト基材62の厚みは、例えば本実施形態に係る転写ベルト60を中間転写ベルトとして用いる場合は、例えば0.02mm以上0.2mm以下とすることが好ましい。
本実施形態におけるベルト基材62を製造する方法は特に限定されず、公知の方法によって製造すればよい。以下では、樹脂材料としてポリイミド樹脂、導電剤としてカーボンブラックを含む形態のベルト基材62の製造方法について説明するが、これに限られるわけではない。
まず、芯体を準備する。準備する芯体としては、円筒状金型等が挙げられる。芯体の素材としては、例えば、アルミニウム、ステンレス、ニッケル等の金属が挙げられる。芯体の長さは、目的とするベルト基材以上の長さが必要であるが、目的とするベルト基材の長さより、10%以上40%以下長いことが望ましい。
次に、ベルト基材作製用塗布液として、カーボンブラックを分散させたポリアミド酸溶液を準備する。
具体的には、例えば、有機極性溶媒中にテトラカルボン酸二無水物とジアミン化合物を溶解させ、これにカーボンブラックを分散させた後、重合してカーボンブラックを分散させたポリアミド酸溶液を準備する。
この際、ポリアミド酸溶液における、モノマー濃度(溶媒中におけるテトラカルボン酸二無水物とジアミン化合物の濃度)は種々の条件により設定されるが、5質量%以上30質量%以下が望ましい。また、重合反応温度は80℃以下に設定することが望ましく、特に望ましくは5℃以上50℃以下であり、重合反応時間は5時間以上10時間以下である。
次に、ベルト基材作製用塗布液を芯材としての円筒状金型に塗布して塗膜を形成する。
塗布液の円筒状金型への塗布方法は、特に制限はなく、例えば、円筒状金型の外周面に浸漬する方法や、円筒状金型の内周面に塗布する方法、軸を水平にして円筒状金型を回転させながら、その外周面又は内周面に「らせん塗布方法」や「ダイ方式塗布方法」により塗布する方法等が挙げられる。
次に、ベルト基材作製用塗布液の塗膜を乾燥させて皮膜(乾燥したイミド化前の塗膜)を形成する。乾燥条件は、例えば80℃以上200℃以下の温度で10分間以上60分間以下がよく、温度が高いほど加熱時間は短くてよい。加熱の際、熱風を当てることも有効である。加熱時は、温度を段階的に上昇させたり、速度を変化させずに上昇させてもよい。芯体の軸方向を水平にして、芯体を5rpm以上60rpm以下で回転させるのがよい。乾燥後は芯体を垂直にしてもよい。
次に、皮膜に対してイミド化処理(焼成)を行う。
イミド化の処理(焼成)条件としては、例えば250℃以上450℃以下(望ましくは300℃以上350℃以下)で、20分間以上60分間以下加熱することで、イミド化反応が起こり、ポリイミド樹脂の皮膜が形成される。加熱反応の際、加熱の最終温度に達する前に、温度を段階的に又は連続的に徐々に上昇させて加熱することがよい。
イミド化処理後、皮膜(ポリイミド樹脂フィルム)を芯体から抜き取る。これによりベルト基材が得られる。
<蛇行抑制部材>
蛇行抑制部材50は、前記実施形態に係る蛇行抑制部材であり、ここでの説明は省略する。
蛇行抑制部材50は、ベルト基材62の端部の内周面側に周方向に沿って接着して配置されている。ベルト基材62の端部における蛇行抑制部材50の位置(ベルト基材の側縁からの距離)は、転写ベルト60の用途、機能、適用する装置等に応じて設定すればよい。例えば、蛇行抑制部材50の幅方向の外側側面50Dがベルト基材62の幅方向端面と面一となるように接着されていてもよい。
蛇行抑制部材50はベルト基材62の全周に連続的に設けることが好ましいが、複数の蛇行抑制部材50がベルト基材62の周方向に沿って断続的に設けられてもよい。
また、ベルト基材62の幅方向の一端部に蛇行抑制部材50が設けられてもよいし、ベルト基材62の幅方向両端部に蛇行抑制部材50が設けられてもよい。
更に、図2に示す転写ベルト60は、ベルト基材62の内周面側に蛇行抑制部材50が設けられているが、蛇行抑制部材50は、蛇行抑制部材ガイドの配置等に応じてベルト基材62の外周面側に配置されていてもよい。
<接着層>
接着層40としては公知の接着剤、接着シート等を適用でき、具体的には、弾性接着剤、感熱性接着剤シート等を使用することができる。
−弾性接着剤−
弾性接着剤としては、例えば、セメダイン(株)製のアクリル変性シリコンポリマーを主成分とするスーパ−XNo8008、コニシ(株)製の特殊変成シリコンポリマーを主成分とするサイフレックス100などを挙げることができる。ベルト基材との接着強度よりセメダイン(株)製のアクリル変性シリコンポリマーを主成分とするスーパ−XNo8008がより好ましく用いられる。
−感熱性接着剤シート−
感熱性接着剤シートとしては、ベルト基材62と蛇行抑制部材50との接着性に優れたものであれば特に限定されず、例えば、アクリル系、シリコーン系、天然又は合成のゴム系、ウレタン系、塩化ビニル・酢酸ビニル共重合体等の合成樹脂系などの樹脂系材料を主材料とする接着剤シートを用いることができる。
具体的には、東洋紡(株)製ポリエステル系接着剤シートGM−913、GM−920、ソニーケミカル(株)製ポリエステル系接着剤シートD3600などを挙げることができる。ベルト基材62との接着強度よりソニーケミカル(株)製ポリエステル系接着剤シートD3600、東洋紡(株)製ポリエステル系接着剤シートGM−920が好ましく用いられる。
接着層40の厚みは、0.01mm以上0.3mm以下が好ましく、より好ましくは0.02mm以上0.05mm以下である。接着層40の厚みが0.01mm以上であれば均一性の高い接着強度が得られ易く、0.3mm以下であれば接着ムラによる蛇行抑制部材50の位置ずれが抑制される。
[転写ユニット]
本実施形態に係る転写ユニットは、前記実施形態に係る転写ベルトと、前記蛇行抑制部材の前記摩擦係数が0.5以上0.7以下である領域(低摩擦領域)と接触して前記転写ベルトの幅方向の移動を抑制する少なくとも1つのロールを含み、前記転写ベルトを回転可能に支持する複数のロールと、を備えている。
図4は、本実施形態に係る転写ユニットの構成の一例を示す概略構成図である。図5は、本実施形態に係る転写ユニットの構成の一例を示す部分断面図である。なお、図5に示す転写ユニット70では、ベルト基材62の両端部において内周面側に蛇行抑制部材50が設けられている。
転写ユニット70は、本実施形態に係る転写ベルト60と、転写ベルト60の内周面と接触して設けられ、転写ベルト60を回転可能に支持するガイド付き支持ロール72と、を備えている。ガイド付き支持ロール72には、転写ベルト60の蛇行抑制部材50と接触して転写ベルト60の幅方向の移動を抑制する蛇行抑制部材ガイド76(規制部材)が設けられている。なお、図4に示す転写ユニットは、ガイド付き支持ロール72を3つ備えているが、少なくとも1つの支持ロールがガイド付き支持ロールである支持ロール72を1つ以上備えていれば特に数の制限はない。
ガイド付き支持ロール72は、転写ベルト60の内周面に接触する支持ロール本体74と、支持ロール本体74の軸方向両端部に設けられる蛇行抑制部材ガイド76(規制部材)と、支持ロール本体74の軸方向両端面の中央部に連結され、蛇行抑制部材ガイド76を貫き当該軸方向外側に延在するシャフト78と、を備える。
支持ロール本体74は、他の支持ロールと共に転写ベルト60内周面に接触し、張力を掛けつつ保持する機能を持つ。支持ロール本体74は、軸方向両端が開口した円筒状体74Aと、当該開口を塞ぐ蓋体74Bとで構成されている。支持ロール本体74の構成材料としては、例えば、アルミニウムが挙げられる。
支持ロール本体74の外周面には、ベルト基材に負荷がかかったときにもベルトをスリップさせない目的で、高摩擦材料層74Cを設けている。高摩擦材料層74Cとしては、例えばポリウレタンの被覆層(5μm以上50μm以下、好ましくは25μm程度)が適用される。
蛇行抑制部材ガイド76は、蛇行抑制部材50と接触して転写ベルト60の幅方向の移動を規制する部材である。蛇行抑制部材ガイド76は、例えば、小径部76Aと小径部76Aに対して支持ロール本体74側に設けられた大径部76Bとを有する。小径部76Aと大径部76Bとの間が円錐台状となって一体的に形成され、同軸に連結されて構成されている。そして、蛇行抑制部材ガイド76は、支持ロール本体74と同軸に、シャフト78により貫通されて設けられている。蛇行抑制部材ガイド76の構成材料としては、表面が滑らかで、摺動性の良好な樹脂材料を使用するのが好ましく、例えば、ポリアセタールが使用される。
本実施形態では、図5に示すように蛇行抑制部材ガイド76の小径部76Aと大径部76Bとを連結する円錐台の部分に、蛇行抑制部材50の内側側面50B、及び、内側側面50Bと、接着面50Aとは反対側の面50Cとが交わる縁部が接触することで、転写ベルト60の軸方向の移動を規制している。本実施形態における蛇行抑制部材50は、接着面50A以外の全面50B、50C、50Dにおいて摩擦係数が0.5以上0.7以下となっているため、図5に示すように蛇行抑制部材50が蛇行抑制部材ガイド76と接触しても蛇行抑制部材50の摩耗及びベルト基材62の破断の発生が抑制される。
なお、図5に示す形態では、蛇行抑制部材ガイド76は、支持ロール本体74の軸方向両端部側に配置されているが、蛇行抑制部材50がベルト基材62の軸方向片端部のみに設けられている場合は、支持ロール本体74の軸方向両端部のうち、転写ベルト60の蛇行抑制部材50が設けられた側の端部側に蛇行抑制部材ガイド76が設けられていればよい。
ガイド付き支持ロール72は、例えば、テンションロール、ステアリングロール、アイドルロール、駆動ロール、バックアップロール等として、転写ユニットに配置される。これらのロールは、用途に応じて設けられる。なお、本実施形態に係る転写ユニットには、例えば図4に示すように複数本の支持ロールが配されるが、全てのロールが前記構成のガイド付き支持ロールである必要ななく、少なくとも1つの支持ロールに蛇行抑制部材ガイド76を備えていればよい。
また、蛇行抑制部材ガイド76は、前記構成に限られず、例えば、蛇行抑制部材50が挿入される溝や切り欠きを周方向に沿って設けた円柱又は円筒部材で構成してもよい。例えば、図6に示すように、蛇行抑制部材50が挿入される溝部86Aを備えた蛇行抑制部材ガイド86を採用してもよい。このように蛇行抑制部材ガイド86の溝部86Aに蛇行抑制部材50が挿入されている場合、蛇行抑制部材50の内側側面50Bと外側側面50Dが蛇行抑制部材ガイド86の溝部86Aの内壁に接触するが、蛇行抑制部材50の低摩擦領域として側面50B、50Dの摩擦係数を0.5以上0.7以下としておくことで、図6に示すように蛇行抑制部材50が蛇行抑制部材ガイド86の溝部86Aと接触しても蛇行抑制部材50の摩耗及びベルト基材62の破断が抑制される。
[画像形成装置]
次に、本実施形態に係る画像形成装置について説明する。本実施形態に係る画像形成装置は、電子写真感光体と、前記電子写真感光体の表面を帯電する帯電手段と、帯電した前記電子写真感光体の表面に静電潜像を形成する静電潜像形成手段と、トナーを含む現像剤により、前記電子写真感光体の表面に形成された静電潜像を現像してトナー像を形成する現像手段と、前記した本実施形態の転写ベルト、及び、前記蛇行抑制部材の前記摩擦係数が0.5以上0.7以下である領域と接触して前記転写ベルトの幅方向の移動を抑制する少なくとも1つのロールを含み、前記転写ベルトを回転可能に支持する複数のロールを有し、前記電子写真感光体の表面に形成されたトナー像を前記転写ベルトを介して記録媒体の表面に転写する転写手段と、を備えて構成されている。
本実施形態に係る画像形成装置は、例えば、現像装置内に単色のトナーのみを収容するモノカラー画像形成装置でもよいし、トナーの色が互いに異なる複数の現像装置を備え、電子写真感光体の表面に形成されたトナー像を中間転写体であるベルト基材に順次一次転写して色が異なるトナー像を重ね合わせてカラー画像を形成するカラー画像形成装置でもよい。
以下に、本実施形態に係る画像形成装置の一例として、色が異なるトナー像を重ねてカラー画像を形成する画像形成装置について説明する。
図7は、本実施形態に係る画像形成装置の一例の構成を概略的に示している。図7に示す画像形成装置は、色分解された画像データに基づくイエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、ブラック(K)の各色の画像を出力する電子写真方式の第1乃至第4の画像形成ユニット10Y、10M、10C、10Kを備えている。これらの画像形成ユニット(以下、単に「ユニット」と称する)10Y、10M、10C、10Kは、水平方向に互いに特定距離離間して並設されている。なお、これらユニット10Y、10M、10C、10Kは、画像形成装置本体に対して脱着するプロセスカートリッジであってもよい。
各ユニット10Y、10M、10C、10Kの図面における上方には、各ユニットを通して中間転写体としての本実施形態に係る転写ベルトを用いた中間転写ベルト20が配置されている。中間転写ベルト20は、図7における左から右方向に互いに離間して配置された駆動ロール22及び中間転写ベルト20内面に接する支持ロール24に巻回されて設けられ、第1ユニット10Yから第4ユニット10Kに向う方向に走行(回転)するように、画像形成装置用の転写ユニットを構成している。
駆動ロール22及び支持ロール24には、それぞれ前記蛇行抑制部材ガイド76が設けられている。
また、支持ロール24は、図示しないバネ等により駆動ロール22から離れる方向に付勢されており、両者に巻回された中間転写ベルト20に特定の張力が与えられている。また、中間転写ベルト20の像保持体側面には、駆動ロール22と対向して中間転写体クリーニング装置30が備えられている。
また、各ユニット10Y、10M、10C、10Kの現像装置(現像手段)4Y、4M、4C、4Kのそれぞれには、トナーカートリッジ8Y、8M、8C、8Kに収容されたイエロー、マゼンタ、シアン、ブラックの4色のトナーが供給される。
上述した第1乃至第4ユニット10Y、10M、10C、10Kは、同等の構成を有しているため、ここでは中間転写ベルト走行方向の上流側に配設されたイエロー画像を形成する第1ユニット10Yについて代表して説明する。尚、第1ユニット10Yと同等の部分に、イエロー(Y)の代わりに、マゼンタ(M)、シアン(C)、ブラック(K)を付した参照符号を付すことにより、第2乃至第4ユニット10M、10C、10Kの説明を省略する。
第1ユニット10Yは、像保持体として作用する感光体1Yを有している。感光体1Yの周囲には、感光体1Yの表面を特定の電位に帯電させる帯電ロール2Y、帯電された表面を色分解された画像信号に基づくレーザ光線3Yによって露光して静電荷像を形成する露光装置3、静電荷像に帯電したトナーを供給して静電荷像を現像する現像装置(現像手段)4Y、現像したトナー像を中間転写ベルト20上に転写する1次転写ロール5Y(1次転写手段)、及び1次転写後に感光体1Yの表面に残存するトナーを、クリーニングブレードにて除去する感光体クリーニング装置(クリーニング手段)6Yが順に配設されている。
尚、1次転写ロール5Yは、中間転写ベルト20の内側に配置され、感光体1Yに対向した位置に設けられている。更に、各1次転写ロール5Y、5M、5C、5Kには、1次転写バイアスを印加するバイアス電源(図示せず)がそれぞれ接続されている。各バイアス電源は、図示しない制御部による制御によって、各1次転写ロールに印加する転写バイアスを可変する。各1次転写ロール5Y、5M、5C、5Kにもそれぞれ前記蛇行抑制部材ガイド76が設けられている。
以下、第1ユニット10Yにおいてイエロー画像を形成する動作について説明する。まず、動作に先立って、帯電ロール2Yによって感光体1Yの表面が−600V以上−800V以下程度の電位に帯電される。
感光体1Yは、導電性(例えば、20℃における体積抵抗率:1×10Ωcm以下)の基体上に感光層を積層して形成されている。この感光層は、通常は高抵抗(一般の樹脂程度の抵抗)であるが、レーザ光線3Yが照射されると、レーザ光線が照射された部分の比抵抗が変化する性質を持っている。そこで、帯電した感光体1Yの表面に、図示しない制御部から送られてくるイエロー用の画像データに従って、露光装置3を介してレーザ光線3Yを出力する。レーザ光線3Yは、感光体1Yの表面の感光層に照射され、それにより、イエロー印字パターンの静電荷像が感光体1Yの表面に形成される。
静電荷像とは、帯電によって感光体1Yの表面に形成される像であり、レーザ光線3Yによって、感光層の被照射部分の比抵抗が低下し、感光体1Yの表面の帯電した電荷が流れ、一方、レーザ光線3Yが照射されなかった部分の電荷が残留することによって形成される、いわゆるネガ潜像である。
このようにして感光体1Y上に形成された静電荷像は、感光体1Yの走行に従って特定の現像位置まで回転される。そして、この現像位置で、感光体1Y上の静電荷像が、現像装置4Yによって可視像(現像像)化される。
現像装置4Y内には、例えば、イエロートナーが収容されている。イエロートナーは、現像装置4Yの内部で攪拌されることで摩擦帯電し、感光体1Y上に帯電した帯電荷と同極性(負極性)の電荷を有して現像剤ロール(現像剤保持体)上に保持されている。そして感光体1Yの表面が現像装置4Yを通過していくことにより、感光体1Y表面上の除電された潜像部にイエロートナーが静電的に付着し、潜像がイエロートナーによって現像される。イエローのトナー像が形成された感光体1Yは、引続き特定速度で走行され、感光体1Y上に現像されたトナー像が特定の1次転写位置へ搬送される。
感光体1Y上のイエロートナー像が1次転写へ搬送されると、1次転写ロール5Yに特定の1次転写バイアスが印加され、感光体1Yから1次転写ロール5Yに向う静電気力がトナー像に作用され、感光体1Y上のトナー像が中間転写ベルト20上に転写される。このとき印加される転写バイアスは、トナーの極性(−)と逆極性の(+)極性であり、例えば第1ユニット10Yでは制御部に(図示せず)よって+10μA程度に制御されている。
一方、感光体1Y上に残留したトナーはクリーニング装置6Yで除去されて回収される。
また、第2ユニット10M以降の1次転写ロール5M、5C、5Kに印加される1次転写バイアスも、第1ユニットに準じて制御されている。
こうして、第1ユニット10Yにてイエロートナー像の転写された中間転写ベルト20は、第2乃至第4ユニット10M、10C、10Kを通して順次搬送され、各色のトナー像が重ねられて多重転写される。
第1乃至第4ユニットを通して4色のトナー像が多重転写された中間転写ベルト20は、中間転写ベルト20と中間転写ベルト20内面に接する支持ロール24と中間転写ベルト20の像保持面側に配置された2次転写ロール(2次転写手段)26とから構成された2次転写部へと至る。一方、記録媒体Pが供給機構を介して2次転写ロール26と中間転写ベルト20とが圧接されている隙間に特定のタイミングで給紙され、特定の2次転写バイアスが支持ロール24に印加される。このとき印加される転写バイアスは、トナーの極性(−)と同極性の(−)極性であり、中間転写ベルト20から記録媒体Pに向う静電気力がトナー像に作用され、中間転写ベルト20上のトナー像が記録媒体P上に転写される。尚、この際の2次転写バイアスは2次転写部の抵抗を検出する抵抗検出手段(図示せず)により検出された抵抗に応じて決定されるものであり、電圧制御されている。
この後、記録媒体Pは定着装置(定着手段)28へと送り込まれトナー像が加熱され、色重ねしたトナー像が溶融されて、記録媒体P上へ定着される。カラー画像の定着が完了した記録媒体Pは、排出部へ向けて搬出され、一連のカラー画像形成動作が終了される。
なお、上記例示した画像形成装置は、中間転写ベルト20を介して複数のトナー像を重ねて記録媒体Pに転写する構成となっているが、本実施形態に係る画像形成装置はこれに限定されない。例えば、感光体の表面に形成した単色のトナー像を、中間転写ベルト20を介して記録媒体に転写する方式の画像形成装置でもよい。
以下、実施例を用いて本発明を説明するが、本発明はこれら実施例によって何ら限定されるものではない。
(無端ベルトの作製)
溶剤可溶型ポリアミドイミド樹脂(日立化成社製 HPC−9000、固形分率18質量%、溶剤:n−メチル−2−ピロリドン)にカーボンブラック(FW1、Degussa社製)を固形分質量比で4質量%となるように投入し、ジェットミル分散機(ジーナス社製:GeanusPY)で分散処理(200N/mm、5パス)を行った。
得られたカーボンブラック分散ポリアミドイミド溶液を、ステンレス製20μmメッシュに通過させて、異物及びカーボンブラック凝集物を取り除いた。更に、攪拌しながら真空脱泡を15分間行い、無端ベルト形成用塗布液(固形分濃度:21質量%)を調製した。
調製した塗布液をアルミニウム製パイプの外面に塗布し、150℃で30分間回転乾燥した。
次いで、このアルミニウム製パイプを315℃のオーブンに1時間入れた後、オーブンから取り出した。アルミニウム製パイプの外面に形成された樹脂フィルムをパイプから抜き取り、厚さ0.08mmの無端のベルト基材(無端ベルト)を得た。
<実施例1>
(蛇行抑制部材の作製)
蛇行抑制部材を作製する材料として、厚さ1mmのポリエステルエーテルエラストマーを用いた。
蛇行抑制部材の幅を5mm、長さは無端ベルトの一端部の内周面のほぼ全周にわって貼り付けられる長さとし、無端ベルトに接着させる面(接着面)にはブラスト処理により、接着面以外の三面にはサンドペーパー処理によってそれぞれ摩擦係数を調整して蛇行抑制部材1を作製した。なお、ブラスト処理及びサンドペーパー処理は、それぞれ以下のようにして行った。
−ブラスト処理−
特開2004−246124で紹介している湿式ブラスト処理を用いて、材料表面にアルミナ粒子を衝突させ、狙いの摩擦係数のサンプルを得た。
−サンドペーパー処理−
材料表面を#400〜#2000のサンドペーパーで研磨して、狙いの摩擦係数のサンプルを得た。
上記作製した蛇行抑制部材の接着面及び蛇行抑制部材ガイドとの接触面について、前記の方法によって摩擦係数を測定した。
(蛇行抑制部材付き転写ベルトの作製)
作製した蛇行抑制部材1の無端ベルトに接着させる接着面に対し、弾性接着剤としてセメダイン(株)製のアクリル変性シリコンポリマーを主成分とするスーパ−XNo8008を20μmの厚さで塗布した。
次いで、弾性接着剤を塗布した蛇行抑制部材1の接着面を無端ベルトの幅方向一端部の内周面側に向けて周方向に沿って配置し、0.03MPaの圧力で加圧して接着させることで蛇行抑制部材付き転写ベルトを作製した。
<実施例2乃至4、比較例1乃至3>
(蛇行抑制部材の作製)
実施例1における蛇行抑制部材の作製において、長手方向の面の摩擦係数を表1に示すように調整したこと以外は実施例1と同様にして蛇行抑制部材2乃至7を作製した。
なお、摩擦係数を0.5以上0.7以下に調整する場合はサンドペーパー処理を行い、摩擦係数を0.7より大きくする場合はブラスト処理を行ない、それぞれブラスト材(アルミナ粒子)の粒径、サンドペーパーの番手、各処理時間によって摩擦係数を調整した。
(蛇行抑制部材付き転写ベルトの作製)
実施例1における蛇行抑制部材付き転写ベルトの作製において、蛇行抑制部材を表1に示すように変更したこと以外は実施例1と同様にして蛇行抑制部材付き転写ベルトを作製した。
[評価]
<プリント試験>
各例で作製した蛇行抑制部材付き転写ベルトを、富士ゼロックス社製 ApeosPortIV C5575改造機に中間転写ベルトとして組み込み、A4ヨコ用紙に1000000枚プリントを行った。
(画質評価)
それぞれ1000000枚目のプリントについて顕微鏡により画質(色ずれ、色抜け)を確認し、下記基準で評価した。
A:色ずれの最大値が50μm以下で、色抜けが発生していない。
B:色ずれの最大値が50μm超、又は、色抜けが発生。
(転写ベルトの評価)
また、1000000枚プリント後、装置から中間転写ベルトを取り外し、蛇行抑制部材の無端ベルトからの剥がれ、蛇行抑制部材の蛇行抑制部材ガイドとの接触部における摩耗、無端ベルトの破断の発生について、それぞれ下記の基準で評価した。
なお、蛇行抑制部材の摩耗量は、蛇行抑制部材の長手方向の3箇所における幅方向の長さをプリント試験開始前とプリント試験後でそれぞれ測定して差を求め、平均値を摩耗量とした。また、蛇行抑制部材の無端ベルトからの剥がれと無端ベルトの破断の発生は目視にて確認した。
−剥がれ−
A:蛇行抑制部材の無端ベルトからの剥がれは無かった。
B:蛇行抑制部材の接着面の一部で無端ベルトからの剥がれが生じていた。
−摩耗−
A:蛇行抑制部材ガイドとの接触部における摩耗量が5μm未満である。
B:蛇行抑制部材ガイドとの接触部における摩耗量が5μm以上50μm未満である。
C:蛇行抑制部材ガイドとの接触部における摩耗量が50μm以上である。
−ベルト破断−
A:無端ベルトの破断は無かった。
B:無端ベルトの一部で(亀裂)が生じていた。
実施例、比較例で作製した蛇行抑制部材の材質、摩擦係数、評価結果を表1に示す。
蛇行抑制部材の材質がポリエーテルエラストマーであり、蛇行抑制部材のガイド接触面の摩擦係数が0.5以上0.7以下である場合は、蛇行抑制部材のガイド接触面における摩耗及びベルト破断の発生が抑制された。なお、蛇行抑制部材のベルト接着面の摩擦係数が0.7未満であると、蛇行抑制部材の剥がれが発生し、色ずれの原因となった。
一方、蛇行抑制部材のガイド接触面の摩擦係数が0.7を超える場合は、蛇行抑制部材から摩耗粉が多量に発生して転写ベルトに付着したことが色抜けの原因となったと考えられる。さらに、蛇行抑制部材のガイド接触面の摩擦係数が1.2を超えると、支持ロール等で屈曲させた際の無端ベルトの凹みが顕在化し、屈曲の繰り返しによりベルトの破断が発生したと考えられる。
また、蛇行抑制部材のロール接触面の摩擦係数が0.5未満の場合は、蛇行抑制部材ガイドに蛇行抑制部材が乗り上げ、無端ベルトに凸状の屈曲面が発生し、屈曲の繰り返しによりベルトの破断が発生したと考えられる。
1Y、1M、1C、1K 電子写真感光体
2Y、2M、2C、2K 帯電ロール(帯電手段の一例)
3Y、3M、3C、3K レーザ光線
3 露光装置(静電潜像形成手段の一例)
4Y、4M、4C、4K 現像装置(現像手段の一例)
5Y、5M、5C、5K 1次転写ロール(転写手段の一部)
6Y、6M、6C、6K クリーニング装置
8Y、8M、8C、8K トナーカートリッジ
10Y、10M、10C、10K 画像形成ユニット
20 中間転写ベルト(無端ベルトの一例)
22 駆動ロール
24 支持ロール
26 2次転写ロール(転写手段の一部)
30 中間転写体クリーニング装置
50 蛇行抑制部材
50A 接着面
50B,50C,50D 接着面以外の長手方向の面
60 転写ベルト
62 ベルト基材(無端ベルト)
70 転写ユニット
72 支持ロール
74 支持ロール本体
76 蛇行抑制部材ガイド
78 シャフト
86 蛇行抑制部材ガイド

Claims (5)

  1. 無端状のベルト基材に接着させる、摩擦係数が0.8以上1.2以下である接着面と、
    前記接着面以外の長手方向に、ポリエステルエラストマーを含んで形成され、且つ、摩擦係数が0.5以上0.7以下の研磨された領域と、
    を有する蛇行抑制部材。
  2. 前記接着面以外の長手方向の全面が、前記摩擦係数が0.5以上0.7以下の研磨された領域である請求項1に記載の蛇行抑制部材。
  3. 無端状のベルト基材と、
    前記ベルト基材の幅方向の少なくとも一端部において周方向に沿って前記接着面が接着して配置された請求項1又は請求項に記載の蛇行抑制部材と、
    を含む転写ベルト。
  4. 請求項に記載の転写ベルトと、
    前記蛇行抑制部材の前記摩擦係数が0.5以上0.7以下の研磨された領域と接触して前記転写ベルトの幅方向の移動を抑制する少なくとも1つのロールを含み、前記転写ベルトを回転可能に支持する複数のロールと、
    を備えた転写ユニット。
  5. 電子写真感光体と、
    前記電子写真感光体の表面を帯電する帯電手段と、
    帯電した前記電子写真感光体の表面に静電潜像を形成する静電潜像形成手段と、
    トナーを含む現像剤により、前記電子写真感光体の表面に形成された静電潜像を現像してトナー像を形成する現像手段と、
    請求項に記載の転写ベルト、及び、前記蛇行抑制部材の前記摩擦係数が0.5以上0.7以下の研磨された領域と接触して前記転写ベルトの幅方向の移動を抑制する少なくとも1つのロールを含み、前記転写ベルトを回転可能に支持する複数のロールを有し、前記電子写真感光体の表面に形成された前記トナー像を前記転写ベルトを介して記録媒体の表面に転写する転写手段と、
    を備える画像形成装置。
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