JP2001239534A - シームレスベルト及びその製造方法 - Google Patents

シームレスベルト及びその製造方法

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JP2001239534A
JP2001239534A JP2000052061A JP2000052061A JP2001239534A JP 2001239534 A JP2001239534 A JP 2001239534A JP 2000052061 A JP2000052061 A JP 2000052061A JP 2000052061 A JP2000052061 A JP 2000052061A JP 2001239534 A JP2001239534 A JP 2001239534A
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organic polymer
polymer material
material layer
meandering
mold
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Application number
JP2000052061A
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English (en)
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Satoshi Odajima
智 小田嶋
Toshiyuki Kawaguchi
利行 川口
Toyoji Hibi
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Shin Etsu Polymer Co Ltd
Shin Etsu Chemical Co Ltd
Original Assignee
Shin Etsu Polymer Co Ltd
Shin Etsu Chemical Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 作業行程を削減し、ハンドリング時等に有機
高分子材料層に打痕や傷等の欠点が生じるのを抑制防止
し、接着剤や粘着剤の使用に伴う問題を解消できるシー
ムレスベルト及びその製造方法を提供する。 【解決手段】 可撓性を有する円筒形の有機高分子材料
層7からなるシームレスベルト8の内周面の両端部側
に、リング状の蛇行規制ガイド5を接着剤を用いること
なくそれぞれ一体成形する。有機高分子材料層7の内周
面の両端部側に蛇行規制ガイド5を接着剤や粘着剤を用
いてそれぞれ位置決め接着する必要がないので、接着や
カット等の煩雑な作業を省略することができ、ハンドリ
ングの回数を減少させることができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、電子写真式複写機
やレーザプリンタ等に使用されるシームレスベルト及び
その製造方法に関し、より詳しくは、複数のローラ間に
巻架して使用される感光体基体用、中間転写用、紙搬送
用、現像用、定着用等のシームレスベルト及びその製造
方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来のシームレスベルトは、図示しない
が、有機高分子材料を用いて有機高分子材料層が円筒形
に成形され、両端部が長手方向にカットされた後、有機
高分子材料層の内周面の両端部側に蛇行規制ガイドが接
着剤や粘着剤を用いてそれぞれ位置決め接着されること
により作製されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】従来のシームレスベル
トの製造方法は、以上のように有機高分子材料層を長手
方向にカットした後、有機高分子材料層の内周面の両端
部側に蛇行規制ガイドを接着剤や粘着剤を用いてそれぞ
れ位置決め接着するので、煩雑な作業が多いだけではな
く、ハンドリング時に有機高分子材料層に打痕や傷等の
欠点が生じ、不良品となる危険性が大きいという問題が
ある。また、接着剤等を使用するので、長期使用に伴い
せん断方向のクリープ現象が生じやすく、蛇行規制ガイ
ドの剥離を招いたり、蛇行規制ガイドがずれて接着剤等
が露出し、この露出部分にローラが接触して回転が不安
定化したり、あるいはゴミが付着する等の問題がある。
さらに、例え蛇行規制ガイドがずれなくても、接着剤等
が僅かに露出するので、この露出部分にゴミが付着する
おそれが少なくない。
【0004】本発明は、上記に鑑みなされたもので、作
業行程を削減し、ハンドリング時等に有機高分子材料層
に打痕や傷等の欠点が生じるのを抑制防止し、接着剤や
粘着剤の使用に伴う問題を有効に解消することのできる
シームレスベルト及びその製造方法を提供することを目
的としている。
【0005】
【課題を解決するための手段】請求項1記載の発明にお
いては、上記課題を達成するため、略円筒形の有機高分
子材料層からなるものであって、上記有機高分子材料層
の内周面の少なくとも一端部側に蛇行規制ガイドを接着
剤を用いることなく一体的に設けるか、あるいは該有機
高分子材料層の内周面の少なくとも一端部側に該蛇行規
制ガイドの凹凸面を接着剤を用いることなく一体的に設
けたことを特徴としている。
【0006】請求項2記載の発明においては、上記課題
を達成するため、有機高分子材料を用いて略円筒形に成
形される有機高分子材料層と、この有機高分子材料層の
内周面の少なくとも一端部側に設けられる蛇行規制ガイ
ドとを含んでなるものであって、上記有機高分子材料層
に接触する上記蛇行規制ガイドの接触面に織布あるいは
不織布を設け、該有機高分子材料層の成形時に該織布あ
るいは不織布に上記有機高分子材料を含浸させ、該有機
高分子材料層と該蛇行規制ガイドとを一体化したことを
特徴としている。
【0007】請求項3記載の発明においては、上記課題
を達成するため、金型に流動性の有機高分子材料を注入
し、該金型を回転させながら該有機高分子材料を固化し
て略円筒形の有機高分子材料層を成形し、その後、該金
型から該有機高分子材料層を取り外すシームレスベルト
の製造方法であって、上記金型の内周面の少なくとも一
端部側に蛇行規制ガイドを配置し、上記有機高分子材料
層と該蛇行規制ガイドとを一体化することを特徴として
いる。
【0008】すなわち、本発明者等は、上記課題を達成
するため、有機高分子材料層の内周面の少なくとも一端
部側と蛇行規制ガイドとを接着剤を用いることなく一体
化し、この一体化を金型内でシームレスベルトの成形と
同時に行えば良いことに着眼し、その方法、構造につい
て種々検討した。その結果、上記事項を採用することに
より、作業工程を削減し、ハンドリング回数を減少させ
て有機高分子材料層に打痕や傷等の生じるのを抑制防止
し、蛇行規制ガイドの剥離や蛇行規制ガイドがずれて接
着剤等が露出し、この露出部分にローラが接触して回転
が不安定化したり、接着剤等が露出してゴミが付着する
おそれを解消することができるのを確認して本発明を完
成させた。
【0009】本発明によれば、有機高分子材料を固化し
て有機高分子材料層を成形するとともに、有機高分子材
料層と蛇行規制ガイドとを一体化し、シームレスベルト
を得る。有機高分子材料層の内周面の端部側に蛇行規制
ガイドを接着剤や粘着剤を用いて位置決め接着する必要
がないので、接着やカット等の作業を省略できる。
【0010】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照して本発明の好
ましい実施形態を説明すると、本実施形態におけるシー
ムレスベルト8は、図1ないし図3に示すように、可撓
性を有する円筒形の有機高分子材料層7からなり、この
有機高分子材料層7の内周面の両端部側にリング状の蛇
行規制ガイド5を接着剤を用いることなくそれぞれ一体
成形するようにしている。
【0011】有機高分子材料層7を形成する有機高分子
材料1としては、PET、PBT、PEN等のポリエス
テル系樹脂、ポリイミド系樹脂、ポリアミドイミド系樹
脂、ポリアミド系樹脂、フッ素樹脂、ポリサルフォン、
ポリエーテルサルフォン、ポリカーボネート、アラミド
樹脂、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、エポキ
シ樹脂、架橋型ポリエステル樹脂、メラミン樹脂等があ
げられる。これらの中でも、特に無溶剤タイプの熱硬化
性樹脂を用いれば、金型4内で蛇行規制ガイド5との一
体化が容易になる。
【0012】本実施形態のシームレスベルト8は、ある
程度の導電性が要求される場合があるが、この場合には
導電性付与剤を自由に添加することができる。このよう
な導電性付与剤としては、金属、合金からなる針状、球
状、板状、不定形等の粉末、アセチレンブラック、ケッ
チェンブラック、ファーネスブラック等のカーボン粉
末、天然黒鉛、人造黒鉛、膨張黒鉛等の黒鉛粉末、セラ
ミックス粉末、表面が金属メッキされた各種粒子があげ
られ、その形状、サイズ等は球状ないし不定形をなし、
0.01〜10μm程度が望ましい。導電性付与剤の添
加量は、所望の導電性により適宜調整すれば良いが、お
およそ1〜25容量%の範囲から選択することが好まし
い。これは、1容量%未満では、導電性物質同士の距離
が大きくなり、導電性が発現しないからである。また、
25容量%を超えると、シームレスベルト8の機械的強
度に悪影響を及ぼす危険性があるからである。
【0013】導電性付与剤を有機高分子材料1に分散さ
せる方法としては、公知の分散方法が適用可能であり、
具体的には、ミキシングロール、加圧式ニーダ、押出
機、三本ロール、ホモジナイザ、ボールミル、ビーズミ
ル等、有機高分子材料1の性状に適した方法が採用され
る。その他、可塑剤、着色剤、帯電防止剤、老化防止
剤、補強性フィラー、反応助剤、反応抑制剤等、各種添
加剤を必要に応じて添加することもできる。
【0014】蛇行規制ガイド5は、図示しないロールの
嵌合溝に嵌合した状態で繰り返し屈曲使用されるので、
適度なゴム弾性と耐磨耗性とを有する材料で成形され
る。具体的には、ウレタン系エラストマー、シリコーン
系エラストマー、フッ素樹脂系エラストマー、スチレン
系エラストマー等があげられるが、特に耐磨耗性に優れ
るウレタン系エラストマーが最適である。この点に関
し、シームレスベルト8の有機高分子材料層7を熱硬化
性の樹脂とし、蛇行規制ガイド5に熱硬化性樹脂と反応
し得る官能基を有するものとすることで、共有結合によ
る強固な接着を得ることが可能になる。具体的には、蛇
行規制ガイド5にウレタン系エラストマーを使用し、こ
の中に存在するアミノ基(=NH)と反応するように有機
高分子材料1としてイソシアネート基やオキサゾリン基
の反応による熱硬化性樹脂組成物を選択することによ
り、上記したように共有結合による強固な接着が得られ
る。
【0015】次に、図4に基づいてシームレスベルト8
の製造方法について説明するが、シームレスベルト8
は、有機高分子材料1を熱可塑性樹脂とするか、あるい
は熱硬化性樹脂とするかにより、製造方法が異なる。こ
のうち、熱硬化性樹脂を選択した場合、製造方法として
遠心成形やRIM成形等があげられるが、遠心成形法が
最適である。ここで、遠心成形法とは、金型4に流動性
の熱硬化性樹脂を注入し、金型4を回転させて遠心力で
金型4の内周面に熱硬化性樹脂の層を形成し、熱硬化性
樹脂を加熱固化させることにより、硬化した熱硬化性樹
脂層を金型4の内周面に形成し、得られた熱硬化性樹脂
層を金型4から脱型する成形方法をいう。
【0016】先ず、遠心成形用の成形装置2を用意す
る。成形装置2は、左右に並んだ複数の駆動ロール(本
実施形態では4本)3と、この複数の駆動ロール3間に
着脱自在に載架される回転可能な円筒形の金型4とから
構成されている(図4参照)。金型4は、各種の金属を用
いて管状に形成され、内面が鏡面加工又はフッ素樹脂や
シリコーン樹脂で処理されており、シームレスベルト8
を容易に脱型できるようになっている。成形装置2を用
意したら、上記熱硬化性樹脂からなる有機高分子材料1
を準備するが、この有機高分子材料1の成形時の粘度を
予め50,000Pa・s以下となるよう調整する。こ
れは、粘度が50,000Pa・sを超えると、金型4
の内周面に対する有機高分子材料1のレベリングが困難
になるからである。下限については特に限定されるもの
ではないが、材料の取り扱い上、10Pa・s以上が良
い。この粘度の調整に際しては、溶剤を適宜添加するこ
とができる。
【0017】次いで、金型4の内周面の両端部側に蛇行
規制ガイド5をそれぞれ嵌入配置(図4(a)参照)し、複
数の駆動ロール3で金型4を回転(図4(b)参照)させ、
流動性の有機高分子材料1を進退動可能な材料供給用の
ディスペンサ6から金型4内に必要量注入(図4(c)参
照)する。この作業の際、所望の厚さを得るために一対
の蛇行規制ガイド5間のみに有機高分子材料1を注入し
ても良いが、蛇行規制ガイド5の内面側及び外側の側面
に後に剥離可能なセパレータを取りつけるか、あるいは
離型処理をしておき、一の蛇行規制ガイド5の外側から
他の蛇行規制ガイド5の外側まで有機高分子材料1を連
続供給するようにし、後に不要な有機高分子材料1を除
去するようにすれば、粘度が比較的高めの材料(具体的
には、3,000Pa・s程度以上)であっても、レベ
リングに長時間を要することがない。また、ディスペン
サ6の吐出量が不安定となりがちな注入開始時、終了時
点では製品とならない部分で吐出が行われるため、厚さ
精度の高いシームレスベルト8を容易に得ることができ
る。
【0018】金型4はレベリングに必要な回転数で回転
駆動する。有機高分子材料1の注入量については、硬化
時の有機高分子材料1の比重、金型4の内面寸法、製品
の厚さ等から算出し、注入量を選択すれば良い。本実施
形態のシームレスベルト8には、機械的強度と可撓性と
が求められるので、厚さの範囲は略0.03〜1.0mm
程度の範囲から選択する。
【0019】そして、金型4の回転を継続しつつ図示し
ない適当なヒータで外側から加熱しながら有機高分子材
料1を固化して円筒形の有機高分子材料層7を成形する
とともに、有機高分子材料層7と各蛇行規制ガイド5と
を一体化(図4(d)参照)し、その後、金型4を取り外し
て金型4ごと冷却し、金型4と有機高分子材料層7との
熱膨張差を利用して金型4から有機高分子材料層7を自
然に脱型(図4(e)参照)すれば、シームレスベルト8を
得ることができる。ヒータの加熱タイミングについて
は、有機高分子材料1の硬化条件により適宜選択すれば
良い。
【0020】なお、RIM成形を採用する場合には、金
型4内に蛇行規制ガイド5を予めセットしておき、ここ
に有機高分子材料1を射出する、いわゆるインサート成
形を採用することにより、接着剤を用いることなく、有
機高分子材料層7と蛇行規制ガイド5とを一体化するこ
とができる。また、有機高分子材料1として熱可塑性樹
脂を用いる場合には、金型4の内周面の両端部側に蛇行
規制ガイド5をそれぞれ配置し、ここに有機高分子材料
1の溶液を注入し、乾燥させて一体化する方法、遠心成
形や押出成形により有機高分子材料層7を予め成形し、
この有機高分子材料層7内に蛇行規制ガイド5を圧接し
ながら加熱融着、超音波融着等の方法を採用すれば、接
着剤を用いることなく、有機高分子材料層7と蛇行規制
ガイド5とを一体化することができる。
【0021】上記によれば、有機高分子材料層7の内周
面の両端部側に蛇行規制ガイド5を接着剤や粘着剤を用
いてそれぞれ位置決め接着する必要がないので、接着や
カット等の煩雑な作業を省略することができ、ハンドリ
ングの回数を減少させることができる。したがって、ハ
ンドリング時に有機高分子材料層7に打痕や傷等の欠点
が生じ、不良品となる危険性がない。また、長期間使用
しても、せん断方向にクリープ現象が生じることがな
く、蛇行規制ガイド5の剥離を招いたり、蛇行規制ガイ
ド5がずれて接着剤等が露出し、この露出部分にローラ
が接触して回転が不安定化したり、あるいはゴミが付着
する等の問題をきわめて有効に解消することが可能にな
る。
【0022】また、シームレスベルト8の有機高分子材
料層7を熱硬化性の樹脂とし、蛇行規制ガイド5に熱硬
化性樹脂と反応し得る官能基を有するものとすれば、蛇
行規制ガイド5の接着界面の面積が小さい場合にも、共
有結合による強固な接着を容易に得ることが可能にな
る。さらに、このようなシームレスベルト8を種々のO
A機器に使用すれば、印刷精度の安定性や機器の長寿命
化が大いに期待できる。
【0023】次に、図5及び図6は本発明の第2の実施
形態を示すもので、この場合には、蛇行規制ガイド5の
接着界面を連続した山形の凹凸面9に形成してその隙間
に有機高分子材料1を充填可能とし、有機高分子材料層
7の内周面の両端部側に蛇行規制ガイド5の凹凸面9を
接着剤を用いることなくそれぞれ一体成形するようにし
ている。蛇行規制ガイド5に凹凸面9を形成する方法と
しては、エンボスロールで転写する方法、凹凸を形成し
た金型4でプレス成形する方法等があげられる。その他
の部分については、上記実施形態と同様であるので説明
を省略する。本実施形態においても上記実施形態と同様
の作用効果が期待でき、しかも、蛇行規制ガイド5の複
数の凹凸面9における隙間に有機高分子材料1をそれぞ
れ充填することができるので、接着界面の面積が拡大
し、強固な接着構造が得られる。
【0024】次に、図7は本発明の第3の実施形態を示
すもので、この場合には、蛇行規制ガイド5の接触面に
織布あるいは不織布10を貼着し、有機高分子材料層7
の成形時に織布あるいは不織布10に有機高分子材料1
を含浸させ、有機高分子材料層7と各蛇行規制ガイド5
とを一体成形するようにしている。織布あるいは不織布
10としては、公知のものを使用することができるが、
製造工程で加熱されること、高温で使用されることがあ
るので、耐熱性を有している材料が良い。具体的には、
ポリエステル繊維、ガラス繊維、アラミド繊維等による
織布あるいは不織布10が好ましい。織布や不織布10
の空隙率については、小さ過ぎると有機高分子材料1の
浸透が困難となり、大き過ぎると強度の低下を招く危険
があるので、10%〜90%の範囲で適宜選択すれば良
い。その他の部分については、上記実施形態と同様であ
るので説明を省略する。
【0025】本実施形態においても上記実施形態と同様
の作用効果が期待でき、しかも、有機高分子材料層7と
各蛇行規制ガイド5との間に織布あるいは不織布10を
埋設することができるので、強固な接着構造が得られ
る。
【0026】なお、駆動ロール3は、2本でも良いし、
そのうち1本が自由回転可能なロールでも良い。また、
上記実施形態では円筒形の金型4を単に示したが、図8
に示すように、金型4の内周面の両端部側にリング状の
堰11をそれぞれ突設しても良い。この堰11の断面形
状は、三角形でも、矩形でも、あるいは略半円等でも良
い。また、必要に応じ、有機高分子材料層7の内周面の
一端部側のみにリング状の蛇行規制ガイド5を接着剤を
用いることなく一体成形するようにしても良い。また、
蛇行規制ガイド5の接着界面を連続した波形等の凹凸面
9に形成してその隙間に有機高分子材料1を充填するこ
とも可能である。さらに、同様の作用効果が期待できる
のであれば、蛇行規制ガイド5の形状は適宜変更するこ
とができる。
【0027】
【実施例】以下、本発明に係るシームレスベルトの実施
例を比較例と共に説明する。 実施例1 先ず、金型4の内周面の両端部側に蛇行規制ガイド5を
それぞれ配置した。金型4については、内径200m
m、外径220mm、長さ400mmのもの(硬質クロ
ムメッキ処理、S0.2研磨仕上げ)を用い、フッ素系の
離型剤で処理した。蛇行規制ガイド5としては、厚さ
1.0mm、幅5.0mm、外径200mmの熱硬化ウレ
タン製のガイド部材(JIS硬度75°)を用い、金型4
の内周面の両端部から75mm内側の個所にそれぞれセ
ットした。
【0028】これと並行して有機高分子材料1を準備し
た。有機高分子材料1としては、三国製薬株式会社製の
熱硬化性樹脂〔CPレジンM‐15〕(硬化物の比重=
1.2)を使用し、触媒として、同社製の〔C‐2〕を、
120℃で溶融させたCPレジン100重量部に対して
1重量部添加した。
【0029】次いで、140℃に加熱しておいた金型4
を遠心成形用の成形装置2に水平にセットし、ヒータで
温度を維持したまま金型4を回転させ、その回転数を
1,000rpmとした。こうして金型4の回転数を維
持したら、流動性の有機高分子材料1を材料供給用のデ
ィスペンサ6から必要量注入した。有機高分子材料1の
注入は、吐出スピード毎分20.0g、移動スピード2
6.5cm/分の条件下で、一の蛇行規制ガイド5の内
側0mmの地点から他の蛇行規制ガイド5の内側0mm
の地点まで行った。この状態を15分間保持して有機高
分子材料1を硬化させ、成形装置2から金型4を取り外
し、空冷したところ、金型4から有機高分子材料層7が
自然に脱型し、これを取り出して厚さ100μm、幅2
50mmのシームレスベルト8を得た。
【0030】実施例2 金型4を、内径200mm、外径220mm、長さ40
0mmのもの(硬質クロムメッキ処理、S0.2研磨仕上
げ)とし、金型4の内周面の両端部から75mm内側の
個所に断面直角二等辺三角形の堰11をそれぞれ1mm
の高さに突設した。また、蛇行規制ガイド5として、外
周面に凹凸を備えたもの(一辺の長さ0.5mm、高さ
0.1mmの四角錐を連続的に矩形配置)を用いた。その
他の部分については、実施例1と略同様にしてシームレ
スベルト8を得た。但し、有機高分子材料1の吐出につ
いては、吐出開始時及び終了時に0.5秒間停止状態で
行った。
【0031】実施例3 蛇行規制ガイド5として、外周面にポリエステル繊維製
の不織布10(厚さ0.15mm、空隙率60%)を厚さ
方向に一部(約50μm)含浸させた総厚さ1.0mmの
ものを使用した。その他の部分については、実施例2と
同様にしてシームレスベルト8を得た。
【0032】比較例 実施例1の金型4に蛇行規制ガイド5をセットすること
なく、金型4の全内周面に流動性の有機高分子材料1を
材料供給用のディスペンサ6から必要量注入し、有機高
分子材料層7を得た。次いで、幅方向の長さが250m
mとなるよう有機高分子材料層7の両端部をそれぞれカ
ットし、この両端部の内側に総厚さ0.9mmの蛇行規
制ガイド5の外周面を粘着剤を介して貼着し、シームレ
スベルト8を得た。
【0033】評 価 実施例1〜3、比較例のシームレスベルト8をそれぞれ
100本作製し、打痕傷の有無を外観検査により調べ
た。また、直径10mm、長さ3,000mmの芯金
(SUS304製)に、厚さ12.5mm、硬度60°(J
IS A)のシリコーンゴムが設けられた直径25mm
の2本のロールに、実施例1〜3、比較例のシームレス
ベルト8をそれぞれ60Nの張力をかけて巻架し、回転
速度を15回転/分としてシームレスベルト8を回転さ
せ、回転トルクの変化を測定した。この測定試験は5万
回転で終了した。
【0034】結果を表1に示す。トルクは実施例1の初
期値を1とし、これに対する比で表した。
【表1】
【0035】比較例では、32,000回転で蛇行規制
ガイド5が粘着剤のクリープによりずれた。さらに10
万回転まで試験したところ、実施例1では85,000
回転で蛇行規制ガイド5の一部が剥離したが、実施例
2、3ではなんら不具合は発見されなかった。
【0036】
【発明の効果】以上のように本発明によれば、作業行程
を削減し、ハンドリング時等に有機高分子材料層に打痕
や傷等の欠点が生じるのを抑制あるいは防止することが
できるという効果がある。また、接着剤や粘着剤の使用
に伴う問題を有効に解消することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るシームレスベルトの実施形態を示
す斜視図である。
【図2】本発明に係るシームレスベルトの実施形態を示
す断面説明図である。
【図3】本発明に係るシームレスベルトの実施形態にお
ける蛇行規制ガイドを示す要部断面説明図である。
【図4】本発明に係るシームレスベルトの製造方法の実
施形態を示す説明図で、(a)図は金型の内周面の両端部
側に蛇行規制ガイドをそれぞれ配置した状態を示す断面
図、(b)図は複数の駆動ロールで金型を回転させた状態
を示す図、(c)図は有機高分子材料をディスペンサから
必要量注入した状態を示す図、(d)図は有機高分子材料
層と蛇行規制ガイドとを一体化した状態を示す断面図、
(e)図は金型から有機高分子材料層を脱型した状態を示
す図である。
【図5】本発明に係るシームレスベルトの第2の実施形
態における蛇行規制ガイドを示す説明図である。
【図6】本発明に係るシームレスベルトの第2の実施形
態における蛇行規制ガイドを示す要部断面説明図であ
る。
【図7】本発明に係るシームレスベルトの第3の実施形
態における蛇行規制ガイドを示す要部断面説明図であ
る。
【図8】本発明に係るシームレスベルトの第4の実施形
態における金型を示す断面説明図である。
【符号の説明】
1 有機高分子材料 2 成形装置 4 金型 5 蛇行規制ガイド 7 有機高分子材料層 8 シームレスベルト 9 凹凸面 10 織布あるいは不織布
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 日比 登代次 東京都中央区日本橋本町四丁目3番5号 信越ポリマー株式会社内 Fターム(参考) 2H035 CA05 CB06 2H068 AA55 FA30 4F205 AG16 GA02 GB01 GB12 GC04 GF05 GF27 GN01

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 略円筒形の有機高分子材料層からなるシ
    ームレスベルトであって、 上記有機高分子材料層の内周面の少なくとも一端部側に
    蛇行規制ガイドを接着剤を用いることなく一体的に設け
    るか、あるいは該有機高分子材料層の内周面の少なくと
    も一端部側に該蛇行規制ガイドの凹凸面を接着剤を用い
    ることなく一体的に設けたことを特徴とするシームレス
    ベルト。
  2. 【請求項2】 有機高分子材料を用いて略円筒形に成形
    される有機高分子材料層と、この有機高分子材料層の内
    周面の少なくとも一端部側に設けられる蛇行規制ガイド
    とを含んでなるシームレスベルトであって、 上記有機高分子材料層に接触する上記蛇行規制ガイドの
    接触面に織布あるいは不織布を設け、該有機高分子材料
    層の成形時に該織布あるいは不織布に上記有機高分子材
    料を含浸させ、該有機高分子材料層と該蛇行規制ガイド
    とを一体化したことを特徴とするシームレスベルト。
  3. 【請求項3】 金型に流動性の有機高分子材料を注入
    し、該金型を回転させながら該有機高分子材料を固化し
    て略円筒形の有機高分子材料層を成形し、その後、該金
    型から該有機高分子材料層を取り外すシームレスベルト
    の製造方法であって、 上記金型の内周面の少なくとも一端部側に蛇行規制ガイ
    ドを配置し、上記有機高分子材料層と該蛇行規制ガイド
    とを一体化することを特徴とするシームレスベルトの製
    造方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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US6928256B2 (en) * 2002-09-30 2005-08-09 Canon Kabushiki Kaisha Electrophotographic endless belt, process cartridge, and electrophotographic apparatus
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