JP2020046467A - 現像ローラ及びその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】非印字領域に不必要な現像剤が定着される現象を抑制しつつ、現像剤の漏れが良好に抑制された現像ローラを提供することを目的とする。【解決手段】軸体と、軸体の外周面上に設けられる弾性層と、弾性層を被覆するコート層と、を備える現像ローラであって、コート層は、中央コート層と、中央コート層に隣接して、軸線方向の両端部に設けられる端部下塗りコート層と、少なくとも端部下塗りコート層を被覆する端部コート層と、を有し、端部下塗りコート層は、中央コート層との境界部において、その厚みが漸減しており、境界部において、中央コート層が、厚みの漸減する端部下塗りコート層の上層に積層されるとともに、中央コート層の一部が端部コート層で覆われており、端部下塗りコート層及び中央コート層が、それぞれ、樹脂粒子を有し、端部コート層がフッ素樹脂を含む、現像ローラである。【選択図】図2

Description

本発明は、現像剤漏れが良好に抑制された現像ローラに関する。
電子写真方式を採用する複写機、プリンター、ファクシミリ等の画像形成装置に用いられる現像ローラは、静電潜像が形成された像担持体に現像剤を搬送する機能を持つ。ここで、画像形成装置に装着される現像装置には、現像装置、画像形成装置及び記録体への汚染を防止するために、現像剤の両端部に摺接する現像剤シール部材が設けられていることが多いが、それにもかかわらず現像ローラの端部近傍から現像剤が漏れることがある。このため、現像剤の漏れを極力抑制することのできる現像剤ローラを提供することが求められてきた。
このように、現像剤漏れを抑制することについて検討された現像ローラとして、例えば特許文献1には、軸体と、該軸体の周囲に設けられた樹脂層とを有する現像ローラにおいて、該現像ローラの両端部の各々の近傍に、円周方向に沿う少なくとも2本の凸形状帯を有することを特徴とする現像ローラが開示されている。
また、特許文献2には、弾性層と、該弾性層の表面に摩擦によりトナーを帯電させる表面層とを備える現像ローラであって、表面層両端部であって、シールと接触する部分に、端部処理剤としてイソシアネート又は熱可塑性ウレタンで処理した端部コート層を設けたことを特徴とする現像ローラが開示されている。
特開2008−176156号公報 特開2014−074750号公報
しかしながら、特許文献1及び特許文献2に記載の現像ローラにおいても、現像剤漏れが十分に抑制されたものではなかった。ここで、本発明者は、現像剤の漏れを抑制するために、弾性層を被覆するコート層について、長手方向中央部と長手方向両端部において、それぞれ性質の異なる樹脂組成物を、厚みを調整しながらスプレーコーティングにより塗分けることを試みたが、その際に、異なる樹脂組成物の境界部において、飛沫により表面に粗さが出てしまい、非印字領域に不必要な現像剤が定着される現象(「かぶり」と称する)が発生する場合があった。したがって、本発明は、以上の課題に鑑みてなされたものであり、非印字領域に不必要な現像剤が定着される現象を抑制しつつ、現像剤の漏れが良好に抑制された現像ローラを提供することを目的とする。
本発明の発明者は、上記課題に鑑み、鋭意研究を行った。その結果、弾性層を被覆するコート層について、長手方向両端部において、端部下塗りコート層と、その上層に端部コート層を設けることにより、現像剤漏れを良好に抑制できることを見出した。また、端部下塗りコート層と中央コート層との境界部においてスプレーコーティングによる飛沫が発生し、当該飛沫により端部下塗りコート層の表面に粗さが出てしまい、非印字領域に不必要な現像剤が定着される現象(「かぶり」と称する)が生じる問題が発生したが、端部下塗りコート層と中央コート層との境界部を端部コート層で覆うことにより、この問題も解決することができた。具体的には、本発明は、以下のものを提供する。
(1)軸体と、前記軸体の外周面上に設けられる弾性層と、弾性層を被覆するコート層と、を備える現像ローラであって、前記コート層は、中央コート層と、前記中央コート層に隣接して、軸線方向の両端部に設けられる端部下塗りコート層と、少なくとも端部下塗りコート層を被覆する端部コート層と、を有し、前記端部下塗りコート層は、前記中央コート層との境界部において、その厚みが漸減しており、前記境界部において、前記中央コート層が、厚みの漸減する前記端部下塗りコート層の上層に積層されるとともに、前記中央コート層の一部が端部コート層で覆われており、前記端部下塗りコート層及び前記中央コート層が、それぞれ、樹脂粒子を有し、前記端部コート層がフッ素樹脂を含む現像ローラ。
(2)前記端部下塗りコート層の破断伸び率が、200%以上600%以下である(1)に記載の現像ローラ。
(3)前記端部下塗りコート層の引張弾性率が、1N/mm以上12N/mm以下である(1)又は(2)に記載の現像ローラ。
(4)前記端部下塗りコート層のMD−1硬度が36以上50以下である(1)から(3)のいずれかに記載の現像ローラ。
(5)前記端部下塗りコート層に含まれる樹脂粒子の平均粒子径が1μm以上6μm以下であり、前記中央コート層に含まれる樹脂粒子の平均粒子径が1μm以上15μm以下である(1)から(4)のいずれかに記載の現像ローラ。
(6)前記端部下塗りコート層に含まれる樹脂粒子のガラス転移点が−50℃以上0℃以下であり、前記中央コート層に含まれる樹脂粒子のガラス転移点が0℃以上60℃以下である(1)から(5)のいずれかに記載の現像ローラ。
(7)前記端部コート層が、前記端部下塗りコート層及び前記中央コート層に用いる樹脂粒子を含有しない(1)から(6)のいずれかに記載の現像ローラ。
(8)前記樹脂粒子がウレタン樹脂粒子である(1)から(7)のいずれかに記載の現像ローラ。
(9)(1)から(8)のいずれかに記載の現像ローラを製造する方法であって、軸体の外周面上に弾性層を形成する第一の工程と、前記弾性層の外側に設けられた、前記コート層を形成する第二の工程と、を備え、前記第二の工程において、前記端部下塗りコート層を、厚みが漸減するようにスプレーコーティングにより形成した後、端部下塗りコート層の前記境界部より端部側の部分を遮蔽しながら、前記中央コート層をスプレーコーティングにより形成するとともに、境界部における中央コート層の一部を覆うように端部コート層を形成する現像ローラの製造方法。
本発明の現像ローラに備えられるコート層は、中央コート層と、中央コート層に隣接して、軸線方向の両端部に設けられる端部下塗りコート層と、少なくとも端部下塗りコート層を被覆する端部コート層と、を有するため、現像剤漏れを良好に抑制することができる。また、端部下塗りコート層は、中央コート層との境界部において、その厚みが漸減しており、当該境界部において、中央コート層が、厚みの漸減する端部下塗りコート層の上層に積層されるとともに、中央コート層の一部が端部コート層で覆われているため、非印字領域に不必要な現像剤が定着される現象を抑えることができる。
本発明の現像ローラを示す図面である。 (a)は、本発明の現像ローラに係る現像装置の一例を示した図面である。(b)は、図2(a)の点線で囲った領域Xにおける軸線方向に平行な断面図を拡大した図である。
以下、本発明について、図面を参照して詳細に説明する。
<現像ローラ>
本発明の現像ローラ1は、軸体2と、軸体2の外表面に設けられる弾性層3と、弾性層3より外側に設けられるコート層4と、を備える。本発明の現像ローラ1は、好ましくは、画像形成装置の現像ローラとして用いられるものであるが、そのような用途に限定されるものではない。
[軸体]
軸体2は、好ましくは、導電性を有する、従来公知の現像ローラに用いられる軸体を用いることができる。軸体2は、例えば、鉄、アルミニウム、ステンレス鋼、及び真鍮からなる群より選択される少なくとも1種の金属で構成されていることが好ましい。なお、このような軸体2は、一般に、「芯金」の名称でも知られている。
軸体2は、絶縁性樹脂を含むものであってもよい。絶縁性樹脂は、例えば、熱可塑性樹脂であってもよく、熱硬化性樹脂であってもよい。軸体2は、例えば、絶縁性樹脂からなる芯体と、この芯体上に設けられたメッキ層と、を備えるものであってよい。このような軸体2は、例えば、絶縁性樹脂からなる芯体にメッキを施して導電化することにより得ることができる。
軸体2は、良好な導電性を得るために、芯金であることが好ましい。
軸体2の形状は、例えば、棒状、管状等であることが好ましい。軸体2の断面形状は、例えば、円形、楕円形であってもよく、多角形等の非円形であってもよい。軸体2の外周面には、洗浄処理、脱脂処理、プライマー処理等が施されていてもよい。
軸体2の軸線方向の長さは特に限定されず、設置される画像形成装置の形態に応じて適宜調整してもよい。また、軸体2の直径(外接円の直径)も特に限定されず、設置される画像形成装置の形態に応じて適宜調整すればよい。
[弾性層]
弾性層3は、シリコーンゴムを含むゴム材料から構成される。弾性層3がシリコーンゴムを含むことで、圧縮永久歪みを低減することができるとともに、低温環境下における柔軟性に優れるという効果が得られる。
シリコーンゴムとしては、例えば、ジメチルポリシロキサン、ジフェニルポリシロキサン等のオルガノポリシロキサンの架橋物が挙げられる。また、シリコーンゴムは、これらの変性物であってもよい。
弾性層3は、主としてシリコーンゴムを含んでいることが好ましい。具体的には、弾性層3におけるシリコーンゴムの含有量が、弾性層3の全質量を基準として、30質量%以上であることが好ましく、40質量%以上であることがより好ましく、60質量%以上であることが更に好ましい。
弾性層3は、ゴム材料以外の成分を含んでいてもよい。例えば、弾性層3は、導電性付与剤を更に含んでいてもよい。導電性付与剤は、弾性層3に導電性を付与するための成分であればよく、特に限定されるものではない。導電性付与剤としては、例えば、導電性カーボン、ゴム用カーボン類、金属、導電性ポリマー等を含む導電性粉末等を挙げることができる。導電性粉末としては、カーボンブラックを用いることが好ましく、カーボンブラックとしては、例えば、ケッチェンブラック(登録商標)等のファーネスブラック、アセチレンブラック、チャンネルブラック、サーマルブラック等を挙げることができる。
現像ローラ1においては、軸体2の軸線方向の両端で軸体2の外周面が露出するように弾性層3が形成されている。すなわち、軸体2の外周面上には、弾性層3が設けられていない領域が存在している。しかしながら、本発明における、弾性層3の態様はこのような態様に限定されるものではなく、弾性層3が、軸体2の外周面の全面を覆うように設けられていてもよい。
弾性層3は、中実な層であってよく、層の内部に中空を有していないことが好ましい。本明細書において「中実」とは、層の内部に0.1mm/個以上の中空を有しないことを意味する。
弾性層3のJIS A硬度は、20以上55以下であることが好ましい。弾性層3のJIS A硬度(JIS K 6301)が上記範囲内であることにより、現像ローラ1と被当接体(例えば、感光体等の像担持体)との接触面積(ニップ幅)が大きくなるため、転写効率、帯電効率、及び現像効率等の性能が一層向上する傾向にある。また、被当接体に機械的ダメージを与える可能性が低減される。
弾性層3の厚さは、被当接体との当接状態において被当接体との均一なニップ幅を確保することができる等の観点から、0.5mm以上10mm以下であることが好ましく、1mm以上5mm以下であることがより好ましい。なお、本明細書において「厚さ」とは、現像ローラ1の軸線方向に垂直な方向の厚さを意味する。弾性層3の外径は、特に限定されない。外径は、例えば、5mm以上20mm以下であってもよい。なお、本明細書において、「外径」とは、現像ローラ1の軸線方向に垂直な断面における外径を意味する。弾性層3の厚さ及び外径は、弾性層3を形成する際に用いるゴム組成物の量を調整する、弾性層3の形成後に弾性層3の外周面を研磨又は研削する、等の方法により調整することができる。
弾性層3の外周面には、プライマー処理、コロナ処理、プラズマ処理、エキシマ処理、UV処理、イトロ処理、フレーム処理等の表面処理が施されていてもよい。
弾性層3は、以下に示すゴム組成物の硬化物であってもよい。
(ゴム組成物)
上記のゴム組成物は、架橋によりシリコーンゴムを構成するゴム成分を含有することが好ましい。このようなゴム成分としては、例えば、オルガノポリシロキサン等のシリコーン生ゴムが挙げられる。
オルガノポリシロキサンとしては、例えば、下記平均組成式で表されるオルガノポリシロキサン等を挙げることができる。
RnSiO(4−n)/2
[Rは、置換されていてもよい一価の炭化水素基を示す。炭化水素基の炭素数は、1以上12以下が好ましく、1以上8以下がより好ましい。複数のRは同一でも異なっていてもよい。nは1.95以上2.05以下の数を示す。]
上記式中のRとしては、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ヘキシル基、ドデシル基等のアルキル基、シクロヘキシル基等のシクロアルキル基、ビニル基、アリル基、ブテニル基、ヘキセニル基等のアルケニル基、フェニル基、トリル基等のアリール基、β−フェニルプロピル基等のアラルキル基、及びクロロメチル基、トリフルオロプロピル基、シアノエチル基等、上記の基の炭素原子に結合した水素原子の一部又は全部をハロゲン原子又はシアノ基等で置換された有機基を挙げることができる。
オルガノポリシロキサンは、一分子中にケイ素原子と結合するアルケニル基を少なくとも2個含有するオルガノポリシロキサンであることが好ましい。例えば、上記式中、少なくとも2個のRが上記アルケニル基を有することが好ましい。オルガノポリシロキサンは、ビニル基を有することがより好ましい。
オルガノポリシロキサンの具体例としては、ジメチルポリシロキサン、ジフェニルポリシロキサン等が挙げられる。オルガノポリシロキサンは、分子鎖末端がトリメチルシリル基、ジメチルビニルシリル基、ジメチルヒドロキシシリル基、トリビニルシリル基等で封鎖されていることが好ましい。
ゴム組成物は、各種の添加剤を含有していてもよい。このような添加剤としては、例えば、導電性付与剤、鎖延長剤、架橋剤等の助剤、付加反応触媒等の触媒、反応制御剤、分散剤、老化防止剤、酸化防止剤、充填材、顔料、着色剤、加工助剤、軟化剤、可塑剤、乳化剤、耐熱性向上剤、難燃性向上剤、受酸剤、熱伝導性向上剤、離型剤、溶剤などを挙げることができる。なお、充填材としては、例えばシリカ系充填材が挙げられる。シリカ系充填材としては、煙霧質シリカ、沈降性シリカ等が挙げられる。
ゴム組成物は、液状のゴム組成物であってよく、ミラブル型のゴム組成物であってよい。
[コート層]
コート層4は、現像ローラ1の最表面に設けられ、弾性層3を被覆するものである。現像ローラ1における現像剤漏れの発生を防止するためには、少なくとも、コート層4の構造及び特性を調整する必要がある。
[コート層の構造]
図2(a)は本発明の現像ローラ1に係る現像装置の一例を示した図面であり、図2(b)は、図2(a)の点線で囲った領域Xにおける軸線方向に平行な断面図を拡大した図である。本発明においては、図2(a)及び図2(b)に示すように、コート層4は、中央コート層4Bと、中央コート層4Bに隣接して、軸線方向の両端部に設けられる端部下塗りコート層4Aと、少なくとも端部下塗りコート層4Aを被覆する端部コート層4Cと、を有する。さらに、端部下塗りコート層4Aは、中央コート層4Bとの境界部において、その厚みが漸減しており、境界部において、中央コート層4Bが、厚みの漸減する端部下塗りコート層4Aの上層に積層されるとともに、中央コート層4Bの一部が端部コート層4Cで覆われている。
図2(b)に示すように、端部下塗りコート層4A及び端部コート層4Cそれぞれは、弾性層3の軸線方向両端側の外周面に形成されている。端部下塗りコート層4A及び端部コート層4Cそれぞれは、図2(b)に示されるように、現像装置に装着されたときに、少なくとも現像剤シール部材10に接触する領域を超えて中央側に向かって伸びるように、具体的には、自身の中央側端部が、現像剤シール部材10を超えてこの現像剤シール部材10に並設された現像剤規制部材11の内側まで到達するように、弾性層3の外周面に形成されている。換言すると、端部下塗りコート層4A及び端部コート層4Cそれぞれは、現像装置に装着されたときに、現像剤シール部材10と現像剤規制部材11とに接する弾性層3の外周面に形成されている。
ここで、一般に現像剤シール部材10と現像剤規制部材11との境(特に現像剤規制部材11の切り欠き部12)に現像剤が物理的に付着して現像剤漏れを発生しやすいと推測されるが、現像ローラ1は、端部下塗りコート層4Aと端部コート層4Cが当該境を超えて形成されているから、現像装置に装着されても、物理的に付着しやすい境付近の現像剤量を大幅に低減することができ、現像剤漏れを高度に防止できる。また、境の位置は、対象となる記録体の規格により適宜調整することができるが、端部下塗りコート層4Aと端部コート層4Cの軸方向中心側の端部は、図2(b)に示すように、少なくとも、印字領域Eではなく、非印字領域Dに設けられることが好ましい。
また、上記のような構造上の特徴を有するコート層4を形成するにあたり、端部下塗りコート層4Aをスプレーコーティングにより、その厚みが漸減するように形成した後に、中央コート層4Bをスプレーコーティングして形成する際に、端部下塗りコート層4Aと中央コート層4Bとの境界部において飛沫が発生し、当該飛沫により端部下塗りコート層4Aの表面に粗さが出てしまい、非印字領域に不必要な現像剤が定着される現象(「かぶり」と称する)が生じる問題が発生した。本発明においては、端部コート層4Cが中央コート層4Bの一部を覆うことにより、境界部の表面を平滑にすることができ、上記の現象の発生を抑制することができる。
以下、端部下塗りコート層4A、中央コート層4B及び端部コート層4Cの特性について、説明する。
[端部下塗りコート層]
端部下塗りコート層4Aは、下記のパラメータ上の特性を有することが好ましく、下記の、樹脂混合物を塗布して硬化することにより形成することができる。なお、端部下塗りコート層4Aの、上記の境界部を除く領域における厚みは、10μm以上35μm以下であることが好ましく、15μm以上30μm以下であることがより好ましく、17μm以上27μm以下であることが更に好ましい。端部下塗りコート層4Aの、上記の境界部を除く領域における厚みを、上記の範囲にすることにより、後述する破断伸び率、引張弾性率及びMD−1硬度を適切な範囲に調整することができる。
(破断伸び率)
端部下塗りコート層4Aの破断伸び率は200%以上600%以下であることが好ましい。このように、端部下塗りコート層4Aの破断伸び率を上記の範囲に調整することにより、端部下塗りコート層4Aに適度な柔軟性を付与し、現像ローラ1の両端部からの現像剤漏れを良好に抑制することができる。破断伸び率は、端部下塗りコート層4Aから切り出されたJIS K6891に規定のダンベル状3号試験片(JIS K6251に準じる。ただし、ダンベル状3号試験片はその長手方向が端部下塗りコート層4Aの軸線方向すなわち長手方向に沿うように切り出す。)を用いてJIS K 6891に基づいて、引張速度200mm/min、測定温度25±2℃の条件の下で測定される値である。なお、破断伸び率は軸線方向における破断伸び率である。また、端部下塗りコート層4Aの破断伸び率は、250%以上550%以下であることがより好ましく、300%以上500%以下であることが更に好ましい。
(引張弾性率)
端部下塗りコート層4Aの引張弾性率が、1N/mm以上12N/mm以下であることが好ましい。端部下塗りコート層4Aの引張弾性率を上記の範囲に調整することにより、端部下塗りコート層4Aに適度な柔軟性を付与し、現像ローラ1の両端部からの現像剤漏れを良好に抑制することができる。引張弾性率は、JIS K7127−1999に準拠し、タイプ1B試験片を使用し、温度23℃、引張速度50mm/分の条件で測定した値である。また、端部下塗りコート層4Aの引張弾性率は、2N/mm以上11N/mm以下であることがより好ましく、3N/mm以上10N/mm以下であることが更に好ましい。
(MD−1硬度)
端部下塗りコート層4AのMD−1硬度が36以上50以下であることが好ましい。端部下塗りコート層4AのMD−1硬度を上記の範囲に調整することにより、端部下塗りコート層4Aに適度な柔軟性を付与し、現像ローラ1の両端部からの現像剤漏れを良好に抑制することができる。MD−1硬度の測定には、MD−1硬度計(高分子計器(株)製、「マイクロゴム硬度計MD−1硬度型」)を用いる。ロール表面にMD−1硬度計の押針を押し当て、ピークホールドモード、ホールド時間は1秒で読み取った値を、MD−1硬度とする。なお、MD−1硬度計は、原理的にはJISK6253に記載のタイプAデュロメータに準じたものである。端部下塗りコート層4AのMD−1硬度は、樹脂粒子の含有量、端部下塗りコート層4Aの厚さ、樹脂の種類等によって、所定の範囲に設定できる。また、端部下塗りコート層4AのMD−1硬度は、37以上49以下であることがより好ましく、38以上48以下であることが更に好ましい。
(端部下塗りコート層の成分)
端部下塗りコート層4Aを形成する樹脂組成物は、樹脂を形成する前駆体である樹脂調製成分と樹脂粒子を含有し、所望により、導電性付与剤又は各種添加剤等を含有していてもよい。
(樹脂)
樹脂としては、特に限定されないが、ウレタン樹脂が好ましい。ウレタン樹脂の調製成分(ウレタン樹脂調製成分)は、ウレタン樹脂を形成できるものであればよく、ポリオールとポリイソシアネートとの混合物、又は、ポリオールとポリイソシアネートとを反応して得られるプレポリマーが挙げられる。
ポリオールとポリイソシアネートとの混合物におけるポリオールは、ウレタン樹脂の調製に通常使用される各種のポリオールであればよく、ポリエステルポリオール又はポリエーテルポリオール等が挙げられる。ウレタン樹脂調製成分を調整する際の、ポリイソシアネートは、ポリオール100質量部に対して、7質量部以上15質量部以下であることが好ましい。
また、ポリオールとしては、2官能ポリオールを用いることが好ましい。2官能ポリオールを用いることにより、適切な破断伸び率を有する端部下塗りコート層4Aを形成することができ、現像ローラ1の両端部からの現像剤漏れを良好に抑制することができる。また、2官能ポリオールと多官能ポリオールを併用することもできる。2官能ポリオールと多官能ポリオールを併用する場合、用いる多官能ポリオールは、2官能ポリオール100質量部に対して、35質量部以下であることが好ましく、20質量部以下であることがより好ましく、10質量部以下であることが更に好ましい。
ポリエステルポリオールとしては、特に限定されず、分子中に2以上のエステル結合及び2以上の水酸基を有する化合物が挙げられる。具体的には、例えば、エチレングリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、ブタンジオール、ペンタンジオール、ヘキサンジオール、シクロヘキサンジメタノール、グリセリン、1,1,1−トリメチロールプロパン、その他の低分子ポリオールの1種又は2種以上と、グルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、スベリン酸、セバシン酸、テレフタル酸、イソフタル酸、ダイマー酸、その他の低分子カルボン酸やオリゴマー酸の1種又は2種以上との縮合重合体、又は、プロピオンラクトン、バレローラクトン、ローラクトンのような開環重合体等が挙げられる。
ポリエステルポリオールとして、耐熱性が良く加水分解しにくいポリカーボネートポリオールを用いることもできる。また、性能向上のため少量のポリオレフィンポリオール、ポリエーテルポリオール、ポリアクリルポリオール等が混在したものであっても、後述する表面処理の熱に影響を及ぼさないものであれば用いることもできる。ポリエステルポリオールは、1種又は2種以上を使用できる。
また、混合物におけるポリイソシアネートも、同様に、ウレタン樹脂の調製に通常使用される各種のポリイソシアネートであればよく、芳香族、脂肪族、脂環族の各ポリイソシアネートが挙げられる。ポリイソシアネートは、500以上2000以下の分子量を有するのが好ましく、700以上1500以下の分子量を有するのがより好ましい。また、ポリイソシアネートとしては、アダクト型のポリイソシアネートを用いることが好ましい。
芳香族ポリイソシアネートとしては、例えば、2,4−トリレンジイソシアネート(2,4−TDI)、2,6−トリレンジイソシアネート(2,6−TDI)、4,4'−ジフェニルメタンジイソシアネート(4,4'−MDI)、2,4'−ジフェニルメタンジイソシアネート(2,4'−MDI)、1,4−フェニレンジイソシアネート、ポリメチレンポリフェニレンポリイソシアネート、トリジンジイソシアネート(TODI)、1,5−ナフタレンジイソシアネート(NDI)、3,3’−ジメチルビフェニル−4,4’−ジイソシアネート等が挙げられる。
脂肪族ポリイソシアネートとしては、例えば、ヘキサメチレンジイソシアネート(HDI)、トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート(TMHDI)、リジンジイソシアネート、ノルボルネンジイソシアナートメチル(NBDI)、キシリレンジイソシアネート(XDI)、テトラメチルキシリレンジイソシアネート(TMXDI)等が挙げられる。
脂環式ポリイソシアネートとしては、例えば、トランスシクロヘキサン−1,4−ジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート(IPDI)、H6XDI(水添XDI)、H12MDI(水添MDI)、4,4’−ジシクロへキシルメタンジイソシアネート等が挙げられる。
ポリオールとポリイソシアネートとの混合物におけるこれらの混合割合は、特に限定されないが、通常、ポリオールに含まれる水酸基(OH)と、ポリイソシアネートに含まれるイソシアネート基(NCO、ブロックポリイソシアネートの場合は遊離し得るイソシアネート基)とのモル比(NCO/OH)が0.7以上1.15以下であるのが、好ましい。このモル比(NCO/OH)はウレタン樹脂の加水分解を防止することができる点で0.85以上1.10以下であるのがより好ましい。
ウレタン樹脂調製成分がポリオールとポリイソシアネートとの混合物である場合には、ポリオールとポリイソシアネートとの反応に通常使用される助剤、例えば、鎖延長剤、架橋剤等を含有してもよい。鎖延長剤、架橋剤としては、例えば、グリコール類、ヘキサントリオール、トリメチロールプロパン及びアミン類等が挙げられる。
ウレタン樹脂調製成分としてのプレポリマーは、上記ポリオールと上記ポリイソシアネートとを反応して得られるプレポリマーであればよく、それらの分子量等も特に限定されない。プレポリマーは、所望により、上記助剤等の存在下、ワンショット法又はプレポリマー法等によって、ポリオールとポリイソシアネートとを反応して、得られる。
ウレタン樹脂調製成分は、ポリオールとポリイソシアネートとの混合物であるのが好ましく、特に、ポリエーテルポリオール及びポリエステルポリオールから選択された少なくとも1種のポリオールとポリイソシアネートとの混合物であるのが好ましい。
樹脂組成物は、上記成分を常法により混合して、調製できる。樹脂組成物は、弾性層3の外周面に容易に形成することができる点で、例えば、25℃において、5Pa・s以上500Pa・s以下の粘度を有していることが好ましく、5Pa・s以上200Pa・s以下の粘度を有していることがより好ましい。樹脂組成物の粘度は、通常、それらに含まれる各成分の種類及び/又は配合量によって所定の範囲に設定することができる。また、必要により、溶剤等により、粘度を所定の範囲に設定することもできる。
(導電性付与剤)
導電性付与剤としては、上記した弾性層3に用いる導電性付与剤を用いることができる。導電性付与剤を含有する場合、樹脂組成物中の、導電性付与剤の含有量は、ウレタン樹脂調製成分100質量部に対して、1質量部以上5質量部以下であることが好ましく、1.5質量部以上4.5質量部以下であることがより好ましく、2質量部以上4質量部以下であることが更に好ましい。
(樹脂粒子)
端部下塗りコート層4Aに用いる樹脂粒子としては、例えば、ウレタン樹脂粒子、アクリル樹脂粒子、ナイロン樹脂粒子等であってよく、これらは1種を単独で又は2種以上を組み合せて用いてよいが、特に、端部下塗りコート層4Aの粗さを調整しやすい、ウレタン樹脂粒子を用いることが好ましい。樹脂組成物中の、樹脂粒子の含有量は、ウレタン樹脂調製成分100質量部に対して、28質量部以上42質量部以下であることが好ましく、30質量部以上40質量部以下であることがより好ましく、32質量部以上38質量部以下であることが更に好ましい。
端部下塗りコート層4Aに含まれる樹脂粒子の平均粒子径は、1μm以上6μm以下であることが好ましい。端部下塗りコート層4Aに含まれる樹脂粒子の平均粒子径を上記の範囲に調整することにより、粗さを適度なものとし、上記の破断伸び率、引張弾性率、MD−1硬度を適切にすることができ、現像剤漏れを良好に抑制することができる。また、端部下塗りコート層4Aに含まれる樹脂粒子の平均粒子径は、1.5μm以上5.5μm以下であることがより好ましく、2μm以上5μm以下であることが更に好ましい。平均粒子径は、レーザー回折式/散乱式粒子径分布測定装置によって測定できる。樹脂粒子の平均粒子径は、合成時における撹拌速度によって、所定の範囲に設定できる。
(ガラス転移点)
端部下塗りコート層4Aに含まれる樹脂粒子のガラス転移点が−50℃以上0℃以下であることが好ましい。端部下塗りコート層4Aに含まれる樹脂粒子のガラス転移点を上記の範囲に調整することにより、端部下塗りコート層4Aに適度な柔軟性を付与し、現像ローラ1の両端部からの現像剤漏れを良好に抑制することができる。ガラス転移点は、示差走査熱量計「DSC8230L」(リガク社製)を用い、JIS K 7121によって測定できる。端部下塗りコート層4Aに含まれる樹脂粒子のガラス転移点は、−45℃以上−5℃以下であることがより好ましく、−40℃以上−10℃以下であることが更に好ましい。
ウレタン樹脂粒子は、ウレタン樹脂からなる粒子であって、ポリウレタンビーズとも称される。ウレタン樹脂粒子を形成するポリウレタン樹脂は、公知のウレタン樹脂であればよく、ポリオールとポリイソシアネートとからなる。ポリオールとしては、ポリエステル系ポリオール、ポリエーテル系ポリオール、アクリル系ポリオール等が挙げられ、ポリイソシアネートとしては、芳香族、脂肪族、脂環族の各ポリイソシアネート等が挙げられる。
ウレタン樹脂粒子は、市販品を用いてもよく、また、適宜に合成してもよい。市販品としては、例えば、根上工業社製の「アートパール」(商品名)の製品区分「Pシリーズ」(「P−400T(製品名)」(ショアA硬度70、ガラス転移温度−34℃、平均粒子径15μm)、及び、「P−800T(製品名)」(ショアA硬度70、ガラス転移温度−34℃、平均粒子径6μm))が挙げられる。また、同「アートパール」(商品名)の製品区分「JBシリーズ」(「JB−400T(製品名)」(ショアA硬度56、ガラス転移温度−52℃、平均粒子径6μm)、「JB−600T(製品名)」(ショアA硬度56、ガラス転移温度−52℃、平均粒子径10μm)、及び、「JB−800T(製品名)」(ショアA硬度56、ガラス転移温度−52℃、平均粒子径6μm))等が挙げられる。
ウレタン樹脂粒子は、例えば、ポリイソシアネートプレポリマーを水中に分散させて加熱することによって、合成できる。このときの撹拌速度によって得られるウレタン樹脂粒子の平均粒子径を所定の範囲に設定できる。このような合成法の一例として、例えば、特許第3100977号公報に記載の「ポリウレタンビーズの製造方法」が挙げられる。
バインダー樹脂、すなわちマトリックス樹脂としてのウレタン樹脂は、公知のウレタン樹脂であればよく、通常、ポリオールとポリイソシアネートの重縮合反応物であり、具体的には、ウレタン樹脂調製成分の重縮合反応物である。
各種添加剤としては、特に限定されないが、例えば、鎖延長剤、架橋剤等の助剤、分散剤、発泡剤、老化防止剤、酸化防止剤、顔料、着色剤、加工助剤、軟化剤、可塑剤、乳化剤、耐熱性向上剤、難燃性向上剤、受酸剤、熱伝導性向上剤、離型剤、溶剤等が挙げられる。これらの各種添加剤は、通常樹脂組成物に用いられる添加剤であってもよく、用途に応じて特別に用いられる添加剤であってもよい。なお、各種添加剤の含有量は、適宜に設定される。
[中央コート層]
中央コート層4Bは、下記のパラメータ上の特性を有することが好ましく、下記の、樹脂混合物を塗布して硬化することにより形成することができる。なお、中央コート層4Bの、上記の境界部を除く領域における厚みは、10μm以上35μm以下であることが好ましく、15μm以上30μm以下であることがより好ましく、17μm以上27μm以下であることが更に好ましい。中央コート層4Bの、上記の境界部を除く領域における厚みを、上記の範囲にすることにより、後述する破断伸び率、引張弾性率及びMD−1硬度を適切な範囲に調整することができる。
(破断伸び率)
中央コート層4Bの破断伸び率が、50%以上400%以下であることが好ましい。このように、中央コート層4Bの破断伸び率を上記の範囲に調整することにより、現像剤へのダメージを軽減することができるとともに、現像装置に用いられる現像剤規制部材11への現像剤に含まれるシリカの付着を防ぐことにより、印刷時に所望量の現像剤が記録体に定着されない筋状の空白部(以下、縦筋とも称する)が発生することを実質的に抑えることができる。なお、中央コート層4Bの破断伸び率の測定は、上記した端部下塗りコート層4Aの破断伸び率の測定方法を用いることができる。また、中央コート層4Bの破断伸び率は、100%以上300%以下であることがより好ましく、150%以上250%以下であることが更に好ましい。
(引張弾性率)
中央コート層4Bの引張弾性率が、5N/mm以上30N/mm以下であることが好ましい。中央コート層4Bの破断伸び率を上記の範囲に調整することにより、現像剤へのダメージを軽減することができるとともに、現像装置に用いられる現像剤規制部材11への現像剤に含まれるシリカの付着を防ぐことにより、印刷時に縦筋が発生することを実質的に抑えることができる。なお、中央コート層4Bの引張弾性率の測定は、上記した端部下塗りコート層4Aの引張弾性率の測定方法を用いることができる。また、中央コート層4Bの引張弾性率は、8N/mm以上27N/mm以下であることがより好ましく、10N/mm以上25N/mm以下であることが更に好ましい。
(MD−1硬度)
中央コート層4BのMD−1硬度が50以上60以下であることが好ましい。中央コート層4BのMD−1硬度を上記の範囲に調整することにより、現像剤へのダメージを軽減することができるとともに、現像装置に用いられる現像剤規制部材11への現像剤に含まれるシリカの付着を防ぐことにより、印刷時に縦筋が発生することを実質的に抑えることができる。
(中央コート層の成分)
中央コート層4Bを形成する樹脂組成物は、樹脂を形成する前駆体である樹脂調製成分と樹脂粒子を含有し、所望により、導電性付与剤又は各種添加剤等を含有していてもよい。なお、各種添加剤については、端部下塗りコート層4Aで用いるものと同様である。
(樹脂)
樹脂としては、上記した端部下塗りコート層4Aと同様の成分を用いることができるが、ポリオールとしては、2官能ポリオールのみでなく、多官能ポリオールを併用することが好ましい。2官能ポリオールと多官能ポリオールを併用することにより、適切な破断伸び率を有する中央コート層4Bを形成することができ、現像剤へのダメージを軽減することができるとともに、現像装置に用いられる現像剤規制部材11への現像剤に含まれるシリカの付着を防ぐことにより、印刷時に縦筋が発生することを実質的に抑えることができる。また、ポリイソシアネートとしては、端部下塗りコート層4Aと同様にアダクト型のポリイソシアネートを用いることが好ましい。ウレタン樹脂調製成分を調製する際の、ポリイソシアネートは、ポリオール100質量部に対して、14質量部以上21質量部以下であることが好ましい。
また、2官能ポリオールと多官能ポリオールを併用する場合、用いる多官能ポリオールは、2官能ポリオール100質量部に対して、70質量部以300質量部以下であることが好ましく、80質量部以上250質量部以下であることがより好ましく、90質量部以上200質量部以下であることが更に好ましい。
(導電性付与剤)
導電性付与剤としては、上記した弾性層3に用いる導電性付与剤を用いることができる。導電性付与剤を含有する場合、樹脂組成物中の、導電性付与剤の含有量は、ウレタン樹脂調製成分100質量部に対して、1質量部以上4質量部以下であることが好ましく、1.5質量部以上3.5質量部以下であることがより好ましく、2質量部以上3質量部以下であることが更に好ましい。
(樹脂粒子)
中央コート層4Bに用いる樹脂粒子は、上記した端部下塗りコート層4Aと同様の樹脂粒子も用いることができるが、樹脂粒子の平均粒子径は、1μm以上15μm以下であることが好ましい。中央コート層4Bに含まれる樹脂粒子の平均粒子径を上記の範囲に調整することにより、粗さを適度なものとし、上記の破断伸び率、引張弾性率、MD−1硬度を適切にすることができ、現像剤漏れを良好に抑制することができる。また、中央コート層4Bに含まれる樹脂粒子の平均粒子径は、2μm以上14μm以下であることがより好ましく、3μm以上13μm以下であることが更に好ましい。また、樹脂組成物中の、樹脂粒子の含有量は、ウレタン樹脂調製成分100質量部に対して、35質量部以上49質量部以下であることが好ましく、37質量部以上47質量部以下であることがより好ましく、39質量部以上45質量部以下であることが更に好ましい。
(ガラス転移点)
また、中央コート層4Bに含まれる樹脂粒子のガラス転移点が0℃以上60℃以下であることが好ましく、10℃以上50℃以下であることがより好ましく、20℃以上40℃以下であることが更に好ましい。中央コート層4Bに含まれる樹脂粒子のガラス転移点を上記の範囲に調整することにより、中央コート層4Bに現像剤へのダメージを軽減することができるとともに、現像装置に用いられる現像剤規制部材11への現像剤に含まれるシリカの付着を防ぐことにより、印刷時に所望量の現像剤が記録体に定着されない筋状の空白部が発生することを実質的に抑えることができる。
[端部コート層]
端部コート層4Cは、下記の、樹脂混合物を塗布して硬化することにより形成することができる。なお、端部コート層4Cの、上記の境界部を除く領域における厚みは、5.0μm以下であることが好ましく、4.5μm以下であることがより好ましく、4.0μm以下であることが更に好ましい。端部コート層4Cの、上記の境界部を除く領域における厚みを、上記の範囲にすることにより、端部下塗りコート層4Aの上記の特性を活かしつつ、現像剤シール部材10からの現像剤漏れを適切に防止することができる。
(端部コート層の成分)
端部コート層4Cを形成する樹脂組成物は、樹脂成分の他に、導電性付与剤又は各種添加剤等を含有していてもよい。なお、端部コート層4Cにおいては、表面の平滑さを向上させるために、端部下塗りコート層4Aや中央コート層4Bに用いる、樹脂粒子を含有しないことが好ましい。なお、各種添加剤については、端部下塗りコート層4Aと同様のものを用いることができ、特に限定されないが、シリコーンレジンを有することが好ましい。
(樹脂)
樹脂としては、フッ素樹脂を用いる。フッ素樹脂は特に限定されず、通常用いられるフッ素樹脂、例えば、PTFE(ポリテトラフルオロエチレン)、PFA(テトラフルオロエチレン−パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体)、FEP(テトラフルオロエチレン−ヘキサフルオロプロピレン樹脂)、PVDF(ポリフッ化ビニリデン樹脂)、PVF(ポリフッ化ビニル)等が挙げられる。樹脂としてフッ素樹脂を用いることにより、耐久性が高いことに加えて、フッ素樹脂の小さな摩擦力及び高い滑り性によって現像剤の物理的吸着量を低減できるうえ、現像剤の静電吸着量を増大できるので、現像装置外で脱離する現像剤を少なくすることができ、さらに、現像剤を均一に帯電させて静電的に強固に吸着保持することができ、現像剤漏れを良好に抑制することができる。なお、端部コート層4Cの形成に際して、硬化剤として、ポリイソシアネートを用いてもよい。
(導電性付与剤)
導電性付与剤としては、上記した弾性層3に用いる導電性付与剤を用いることができる。導電性付与剤を含有する場合、樹脂組成物中の、導電性付与剤の含有量は、ウレタン樹脂調製成分100質量部に対して、2質量部以上7質量部以下であることが好ましく、2.5質量部以上6.5質量部以下であることがより好ましく、3質量部以上6質量部以下であることが更に好ましい。
<現像ローラの製造方法>
現像ローラ1の製造方法は、軸体2の外周面上に弾性層3を形成する第一の工程と、弾性層3の外側に設けられた、コート層4を形成する第二の工程と、を備える。
第一の工程では、軸体2の外周面上にシリコーンゴムを含む弾性層3を形成する。第一の工程では、軸体2の外周面にゴム組成物を含む層を形成した後、当該ゴム組成物を硬化させることにより弾性層3を形成してよく、ゴム組成物を含む層を形成すると同時にゴム組成物を硬化させて弾性層3を形成してもよい。
軸体2の外周面にゴム組成物を含む層を形成する方法は特に限定されない。例えば、ゴム組成物を軸体2の外周面に塗布することにより、軸体2の外周面にゴム組成物を含む層を形成してよい。ゴム組成物を軸体2の外周面に塗布する方法は特に限定されない。例えば、プレス成形方法、押出成形方法、インジェクション等の方法であってよい。
ゴム組成物を硬化させる方法は、特に限定されない。例えば、ゴム組成物を加熱することによりゴム組成物を硬化させてよい。加熱方法は、ゴム組成物の硬化に必要な熱を加えられる方法であれば、特に限定されない。
加熱温度及び加熱時間は、ゴム組成物の組成に応じて適宜設定すればよい。例えば、加熱温度は100℃以上300℃以下であることが好ましく、110℃以上200℃以下であることがより好ましい。また、加熱時間は、5分以上5時間以下であることが好ましく、1時間以上3時間以下がより好ましい。
第一の工程では、例えば、押出成形による連続加硫、プレス、インジェクションによる金型成形等の方法により、軸体2の外周面に弾性層3を形成してよい。これらの中でも、金型成形により弾性層3を形成することが好ましい。本実施形態では、第一の工程によりシリコーンゴムを含む弾性層3が形成されるが、シリコーンゴムは成型圧縮率が大きいため、本実施形態に係る製造方法によれば、容易に弾性層3を形成することができる。
第一の工程では、ゴム組成物を軸体2の外周面で硬化させた後、硬化したゴム組成物を、再度加熱することにより、二次硬化させてもよい。
第二の工程では、弾性層3上に塗布された、樹脂原料を硬化させて、樹脂原料の硬化物を含むコート層4を形成する。
樹脂原料を硬化させる方法は特に限定されない。例えば、樹脂原料を加熱することにより樹脂原料を硬化させてよい。加熱方法は、樹脂原料の硬化に必要な熱を加えられる方法であれば、特に限定されない。
加熱温度及び加熱時間は、樹脂原料の組成に応じて適宜設定すればよい。加熱温度は、例えば、100℃以上180℃以下であることが好ましく、130℃以上160℃以下であることがより好ましい。また、加熱時間は、10分以上60分以下であることが好ましく、20分以上40分以下であることがより好ましい。
第二の工程において、弾性層3上に樹脂原料を塗布する方法は、特に限定されず、例えば、スプレーコーティング法、ディッピング法、刷毛塗り等の方法であってよいが、端部下塗りコート層4A及び中央コート層4Bについては、スプレーコーティング法により形成することが好ましい。
本発明においては、コート層4について、端部下塗りコート層4A、中央コート層4B及び端部コート層4Cの3種類のコート層を設けるため、各コート層の形成方法について説明する。端部下塗りコート層4Aを、厚みが漸減するようにスプレーコーティングにより形成する。端部下塗りコート層4Aの上記した境界部より端部側の部分を遮蔽しながら、厚みが漸減する端部下塗りコート層4Aに積層されるように、中央コート層4Bをスプレーコーティングにより形成するとともに、境界部における中央コート層4Bの一部を覆うように端部コート層4Cを形成する。このように、各コート層を形成することにより、非印字領域Dに不必要な現像剤が定着される現象(「かぶり」と称する)が生じる現象を良好に抑制することができる。
以上、本発明を、実施形態を用いて説明したが、本発明の技術的範囲は上記の実施形態に記載の発明の範囲には限定されないことは言うまでもなく、上記実施形態に、多様な変更又は改良を加えることが可能であることが当業者に明らかである。また、そのような変更又は改良を加えた形態も本発明の技術的範囲に含まれ得ることが、特許請求の範囲の記載から明らかである。
以下、本発明について、実施例を挙げて詳細に説明する。なお、本発明は、以下に示す実施例に何ら限定されるものではない。
<実施例1>
快削鋼SUM23で構成されている軸体(直径8mm、長さ282mm)の表面にシリコーン系プライマーを塗布した後、ギヤオーブン中で150℃で乾燥させた。この操作により、軸体の外周面をプライマー処理した。
上記プライマー処理された軸体と、シリコーンゴムから形成されたゴム組成物とをLIMS(リキッドインジェクションモールディングシステム)を用いて、金型温度130℃、加熱時間10分の条件で、一体成型し、温度200℃、4時間の条件で2次加硫を行った。これにより、プライマー処理された軸体の外周面上にゴム組成物の硬化物からなる弾性層を形成した。弾性層は中実な層であり、弾性層の厚さは6.25mmであった。
次に、端部下塗りコート層を形成するための樹脂組成物を次のように調製した。すなわち、2官能ポリエステルポリオール100質量部に対して、アダクト型ポリイソシアネート11質量部を配合することでウレタン樹脂調製成分とし、ウレタン樹脂調製成分100質量に対して、カーボンブラック3.5質量部、平均粒子径が3μmであり、ガラス転移点が−15℃であるウレタン樹脂粒子35質量部、を混合し、樹脂組成物を得た。
調製した樹脂組成物を弾性層の外周面にスプレーコーティング法によって塗布し、160℃で30分間加熱して、境界部を除く領域における厚みが17μm以上27μm以下の端部下塗りコート層を形成した。なお、後述するA4用紙の印字領域に端部下塗りコート層の中央コート層側の端部が重複しないように、すなわち、端部下塗りコート層の中央コート層側の端部が、弾性層の端部から15.0cmの位置になるように、後ほど形成する中央コート層の境界部において漸減するように、形成した。
次に、中央コート層を形成するための樹脂組成物を次のように調製した。すなわち、2官能ポリエステルポリオール50質量部、多官能ポリエステルポリオール50質量部、アダクト型ポリイソシアネート17質量部、を配合することでウレタン樹脂調製成分とし、ウレタン樹脂調製成分100質量部に対して、カーボンブラック3質量部、平均粒子径が7μmであり、ガラス転移点が35℃であるウレタン樹脂粒子42質量部、を混合し、樹脂組成物を得た。
調製した樹脂組成物を、端部下塗りコート層の境界部より端部側の部分を遮蔽しながら、厚みが漸減する端部下塗りコート層に積層されるように、スプレーコーティング法によって塗布し、160℃で30分間加熱して、境界部を除く領域における厚みが17μm以上27μm以下の中央コート層を形成した。なお、端部下塗りコート層と中央コート層の境界部が、非印字領域に設けられ、かつ、中央コート層の端部が、A4用紙の非印字領域を超えないように、中央コート層の一方端部が弾性層の一方端部から12.0cmの位置になるように形成した。
次に、端部コート層を形成するための樹脂組成物を次のように調製した。すなわち、PFA17質量部、ヘキサメチレンジイソシアネート9質量部、シリコーンレジン3質量部、カーボンブラック4.5質量部、シリカ2質量部、酢酸ブチル72質量部を混合し、樹脂組成物を得た。
調製した樹脂組成物を境界部における中央コート層の一部を覆うように塗布し、160℃で30分間加熱して、境界部を除く領域における厚みが1μm以上5μm以下の端部コート層を形成した。なお、端部コート層は、境界部における中央コート層の一部を覆うように形成し、端部コート層の中央コート層側の端部が弾性層の端部から13.5cmの位置になるように、形成した。このようにして、実施例1の現像ローラを得た。
<実施例2>
端部下塗りコート層に関して、2官能ポリエステルポリオール75質量部、多官能ポリエステルポリオール25質量部、アダクト型ポリイソシアネート11質量部、を配合することでウレタン樹脂調製成分とし、ウレタン樹脂調製成分100質量部に対して、カーボンブラック3.5質量部、平均粒子径が3μmであり、ガラス転移点が−15℃であるウレタン樹脂粒子35質量部を混合し、樹脂組成物を得た。その点以外は、実施例1と同様の方法により、実施例2の現像ローラを得た。
<実施例3>
中央コート層を2官能ポリエステルポリオール75質量部、多官能ポリエステルポリオール25質量部に対して、アダクト型ポリイソシアネートを17質量部配合することでウレタン樹脂調製成分とし、ウレタン樹脂調製成分100質量部に対して、カーボンブラック3質量部、平均粒子径が7μmであり、ガラス転移点が35℃であるウレタン樹脂粒子42質量部、を混合し、樹脂組成物を得た。その点以外は、実施例1と同様の方法により、実施例3の現像ローラを得た。
<比較例1>
端部コート層を形成しない点以外は、実施例1と同様の方法により、比較例1の現像ローラを得た。
<比較例2>
端部コート層を形成しない点以外は、実施例2と同様の方法により、比較例2の現像ローラを得た。
<比較例3>
端部コート層を形成しない点以外は、実施例3と同様の方法により、比較例3の現像ローラを得た。
<比較例4>
中央コート層及び端部下塗りコート層を形成せず、弾性層の外周全面に実施例1の中央コート層と同様の構成で内側コート層を形成した。
<比較例5>
さらに、内側コート層の外周全面に、実施例1の端部下塗りコート層と同様の構成で外側コート層を形成した点以外は、比較例4と同様の方法により比較例5の現像ローラを得た。
このようにして得られた実施例及び比較例の現像ローラについて、破断伸び率、引張弾性率、MD−1硬度を測定し、以下の基準により印刷評価を行った。
<印刷評価>
製造した各現像ローラについて、以下のようにして、現像剤漏れ評価を行った。製造した各現像ローラを準備し、接触型モノクロ画像形成装置(商品名「HL−L6180DW」、ブラザー工業社製)において、現像ローラとして、装着した。なお、現像剤、現像剤規制部材は、この接触型モノクロ画像形成装置に付属の現像剤、現像剤シール部材、現像剤規制部材を用いた。以下の基準により、ローラ端部現像剤漏れ、かぶり評価、縦筋発生、の評価を行った。結果を表1に示した。
(ローラ端部現像剤漏れの評価)
温度10℃、相対湿度20%の低湿環境に調整して、10秒ごとに1%duty画像を1枚印刷し、20時間後に現像装置の現像ローラの端部近傍から現像剤が外部に漏れているか否かを目視にて確認し、以下の基準により評価を行った。ここで、dutyとはトナー現像面占有率をいう。
○・・現像装置外に現像剤の漏れを確認できなかった場合
△・・現像装置の現像ローラの端部近傍にごく微量の現像剤が付着していたが使用上問題ない場合
×・・現像装置の現像ローラの端部近傍に使用上問題を生じる多量の現像剤が付着していた場合
(かぶり評価)
温度30℃、相対湿度80%の高湿環境に調整して、ハーフトーン1枚を印刷し、A4用紙の非印字領域にかぶりが発生しているか否かを目視にて確認し、以下の基準により評価を行った。
○・・非印字領域においてかぶりが確認されなかった場合
△・・非印字領域においてかぶりが確認されたが、使用上問題ない場合
×・・非印字領域において使用上問題を生じるかぶりが確認された場合
(縦筋発生の評価)
温度30℃、相対湿度80%の高湿環境に調整して、1時間ごとに白ベタ2枚、黒ベタ1枚を印刷し、印字画像中に縦方向に白く抜けるような筋模様(縦筋)が発生しているか否かを目視にて確認し、この作業を50回繰り返し、以下の基準により評価を行った。
○・・印字画像中に縦方向の筋模様が確認されなかった場合
△・・印字画像中に縦方向の筋模様がごくわずかに確認されたが使用上問題ない場合
×・・印字画像中に使用上問題を生じる多量の縦方向の筋模様が確認された場合
Figure 2020046467

<評価>
実施例1から3の結果から、本発明によれば、ローラ端部からの現像剤の漏れ、縦筋の発生、非印字領域に不必要な現像剤が定着される「かぶり」現象を、良好に抑制することができることが分かる。一方、端部コート層を設けない比較例1から3では、非印字領域に不必要な現像剤が定着される「かぶり」現象が使用上の問題が生じるレベルで確認された。また、比較例4では、全面を内側コート層としたが、ローラ端部からの現像剤の漏れが使用上の問題が生じるレベルで確認された。比較例5では、全面を内側コート層、外側コート層の2層構造としたが、ローラ端部からの現像剤の漏れ、縦筋の発生が使用上の問題が生じるレベルで確認された。
1 現像ローラ
2 軸体
3 弾性層
4 コート層
4A 端部下塗りコート層
4B 中央コート層
4C 端部コート層
10 現像剤シール部材
11 現像剤規制部材
12 切り欠き部
D 非印字領域
E 印字領域

Claims (9)

  1. 軸体と、前記軸体の外周面上に設けられる弾性層と、弾性層を被覆するコート層と、を備える現像ローラであって、
    前記コート層は、中央コート層と、前記中央コート層に隣接して、軸線方向の両端部に設けられる端部下塗りコート層と、少なくとも端部下塗りコート層を被覆する端部コート層と、を有し、
    前記端部下塗りコート層は、前記中央コート層との境界部において、その厚みが漸減しており、
    前記境界部において、前記中央コート層が、厚みの漸減する前記端部下塗りコート層の上層に積層されるとともに、前記中央コート層の一部が端部コート層で覆われており、
    前記端部下塗りコート層及び前記中央コート層が、それぞれ、樹脂粒子を有し、
    前記端部コート層がフッ素樹脂を含む現像ローラ。
  2. 前記端部下塗りコート層の破断伸び率が、200%以上600%以下である請求項1に記載の現像ローラ。
  3. 前記端部下塗りコート層の引張弾性率が、1N/mm以上12N/mm以下である請求項1又は2に記載の現像ローラ。
  4. 前記端部下塗りコート層のMD−1硬度が36以上50以下である請求項1から3のいずれかに記載の現像ローラ。
  5. 前記端部下塗りコート層に含まれる樹脂粒子の平均粒子径が1μm以上6μm以下であり、
    前記中央コート層に含まれる樹脂粒子の平均粒子径が1μm以上15μm以下である請求項1から4のいずれかに記載の現像ローラ。
  6. 前記端部下塗りコート層に含まれる樹脂粒子のガラス転移点が−50℃以上0℃以下であり、前記中央コート層に含まれる樹脂粒子のガラス転移点が0℃以上60℃以下である請求項1から5のいずれかに記載の現像ローラ。
  7. 前記端部コート層が、前記端部下塗りコート層及び前記中央コート層に用いる樹脂粒子を含有しない請求項1から6のいずれかに記載の現像ローラ。
  8. 前記樹脂粒子がウレタン樹脂粒子である請求項1から7のいずれかに記載の現像ローラ。
  9. 請求項1から8のいずれかに記載の現像ローラを製造する方法であって、
    軸体の外周面上に弾性層を形成する第一の工程と、
    前記弾性層の外側に設けられた、前記コート層を形成する第二の工程と、を備え、
    前記第二の工程において、前記端部下塗りコート層を、厚みが漸減するようにスプレーコーティングにより形成した後、端部下塗りコート層の前記境界部より端部側の部分を遮蔽しながら、前記中央コート層をスプレーコーティングにより形成するとともに、境界部における中央コート層の一部を覆うように端部コート層を形成する現像ローラの製造方法。
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