JP2016099527A - 現像ローラ、現像装置及び画像形成装置 - Google Patents

現像ローラ、現像装置及び画像形成装置 Download PDF

Info

Publication number
JP2016099527A
JP2016099527A JP2014237058A JP2014237058A JP2016099527A JP 2016099527 A JP2016099527 A JP 2016099527A JP 2014237058 A JP2014237058 A JP 2014237058A JP 2014237058 A JP2014237058 A JP 2014237058A JP 2016099527 A JP2016099527 A JP 2016099527A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
developing roller
urethane resin
developer
image
forming apparatus
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2014237058A
Other languages
English (en)
Inventor
寛之 高梨
Hiroyuki Takanashi
寛之 高梨
太壱 大久保
Taichi Okubo
太壱 大久保
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Shin Etsu Polymer Co Ltd
Shin Etsu Chemical Co Ltd
Original Assignee
Shin Etsu Polymer Co Ltd
Shin Etsu Chemical Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Shin Etsu Polymer Co Ltd, Shin Etsu Chemical Co Ltd filed Critical Shin Etsu Polymer Co Ltd
Priority to JP2014237058A priority Critical patent/JP2016099527A/ja
Publication of JP2016099527A publication Critical patent/JP2016099527A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Dry Development In Electrophotography (AREA)
  • Rolls And Other Rotary Bodies (AREA)

Abstract

【課題】フィルミングの発生及び像担持体との摺動性の低下をともに長期間防止できる現像ローラ、並びに、この現像ローラを備えた現像装置及び画像形成装置を提供する。【解決手段】ガラス転移点が−25〜−35℃のウレタン樹脂からなるウレタン樹脂粒子を、バインダー樹脂としてのウレタン樹脂100質量部に対して40〜70質量部含有するコート層を備え、入射角が60°での表面光沢度が0.5〜10であり、滑り角が10〜50°である現像ローラ、この現像ローラを備えてなる現像装置及び画像形成装置。【選択図】 図1

Description

本発明は、現像ローラ、現像装置及び画像形成装置に関する。さらに詳しくは、フィルミングの発生及び像担持体との摺動性の低下を長期間防止できる現像ローラ、並びに、この現像ローラを備えた現像装置及び画像形成装置に関する。
レーザープリンター、複写機、ビデオプリンター、ファクシミリ、これらの複合機等には電子写真方式を利用した各種の画像形成装置が採用されている。電子写真方式を利用した画像形成装置は多種多様の各種ローラを備えている。例えば、現像剤を担持搬送して像担持体に供給する現像ローラ、感光体等の像担持体を一様に帯電させる帯電ローラ、現像剤を帯電させて現像ローラに供給する現像剤供給ローラ、記録紙等の記録体に転写された現像剤像を定着させる定着ローラ等が挙げられる。
画像形成装置の現像方式としては、現像剤を現像ローラの表面に担持し、次いで現像ローラから感光ドラム等の像担持体に供給して、静電潜像を顕在化する方式がある。この現像方式において、現像剤を像担持体に所望のように供給するためには、現像ローラの表面に適切な担持量で現像剤を担持させるとともに、担持される現像剤を適切な帯電量に帯電させることが重要である。
例えば、特許文献1には、現像ローラの表層中に微粒子を分散させて現像剤の搬送をしやすくすることが記載されている(例えば、段落0030)。
また、特許文献2には、微粒子の大きさと表面樹脂層の厚さとを適正化することにより、良好な現像剤搬送性を長期にわたって維持しうることを目的として、弾性層上に形成される表面樹脂層に、アクリル樹脂粒子、ポリウレタン樹脂粒子、シリコーン樹脂粒子、シリカ粒子、フッ素樹脂粒子から選ばれる1種又は2種以上の微粒子を分散させることが記載されている。
特開2004−109212号公報 特開2010−276953号公報
ところで、現像ローラは、経時により、その表面に現像剤が固着する現象(フィルミングともいう)が生じる。このようなフィルミングは、例えば、現像剤を帯電又は付着させる際に現像ローラと圧接するブレード等の摺動ストレスによって現像剤が変形し、又は破壊され、さらにブレード等との摩擦熱による現像剤の溶融等に起因して、生じると考えられている。
また、現像ローラが像担持体、現像剤供給ローラ及びブレード等に接触又は圧接して配置される接触型の画像形成装置においては、像担持体等と現像ローラとの摩擦力の変動により現像ローラの摺動性が低下することがある。ここで、現像ローラの摺動性が低下すると、像担持体等との摩擦力が変動、特に増大して、像担持体の回転に対して現像ローラが同期して従動回転をせずに、現像ローラ表面が微小振動を起こしてしまう。そのため、均一に現像剤を象担持体に供給できなくなり、画像品質が低下する。
フィルミングの発生及び摺動性の低下は、それぞれ、現像ローラの硬度を調整することにより解決できると考えられる。しかし、現像ローラの硬度を単に調整するだけでは、双方を一挙に改善することは困難である。つまり、現像ローラの硬度を小さくすると、現像剤に与える負荷が小さくなってフィルミングの発生防止に効果的であるが、逆に摩擦力が大きくなって摺動性を低下させる要因になる。
このようなフィルミングの発生及び摺動性の低下は、近年の印字速度の高速化又は現像剤の低硬度化に伴って、顕著になっており、それらの解決が望まれている。
本発明は、従来の問題を解決し、フィルミングの発生及び像担持体との摺動性の低下を長期間防止できる現像ローラ、並びに、この現像ローラを備えた現像装置及び画像形成装置を提供することを、課題にする。
本発明の課題は、以下の手段によって達成された。
(1)ガラス転移点が−25〜−35℃のウレタン樹脂からなるウレタン樹脂粒子を、バインダー樹脂としてのウレタン樹脂100質量部に対して40〜70質量部含有するコート層を備え、入射角が60°での表面光沢度が0.5〜10であり、滑り角が10〜50°である現像ローラ。
(2)前記コート層が、30〜55のMD−1硬度を有する(1)に記載の現像ローラ。
(3)前記ウレタン樹脂粒子の平均粒径が、3〜13μmである(1)又は(2)に記載の現像ローラ。
(4)(1)〜(3)のいずれか1項に記載の現像ローラを備えてなる現像装置。
(3)(1)〜(3)のいずれか1項に記載の現像ローラを備えてなる画像形成装置。
本発明の現像ローラは、現像剤に与える負荷を低減でき、しかも像担持体等に対する摩擦力を改善できる。したがって、本発明の現像ローラ及び本発明の現像装置は、画像形成装置が画像品質を維持した画像を長期にわたって形成する耐久性の向上に貢献できる。
また、本発明の画像形成装置は、画像品質を維持した画像を長期にわたって形成し、高い耐久性を発揮する。
図1は、本発明の現像ローラの一例を示す概略図である。 図2は、本発明の現像装置及び画像形成装置の一例を示す概略図である。
本発明の現像ローラを、その一例を挙げて、説明する。
本発明の現像ローラの一例である現像ローラ1は、図1に示されるように、軸体2と弾性層3とコート層4とを備え、入射角が60°での表面光沢度が0.5〜10であり、滑り角が10〜50°である。
現像ローラ1は、表面、すなわちコート層4の、入射角が60°での表面光沢度が0.5〜10である。この表面光沢度が小さいと、コート層4の表面粗さが大きくなるので、現像ローラ1として必要以上の現像剤を搬送してしまうという問題が生じることがある。一方、大きいと、コート層4のタック(粘着性)が生じて、像担持体等との摩擦力が増大して画像品質が低下することがある。
表面光沢度は、現像剤の搬送性と摩擦力とをバランスよく両立できる点で、1〜8が好ましく、1.5〜6がより好ましい。
表面光沢度は、コート層4中のウレタン樹脂粒子のガラス転移点及び含有量、コート層4を形成するウレタン樹脂の種類、コート層4の形成方法及び厚さ等により、所定の範囲に設定できる。
表面光沢度は、DIN 67530による黒色ガラス標準板の反射指数1.567を光沢度100としたときに、この光沢度100に対する割合で表される。表面光沢度を測定する際の入射角はコート層4の表面(コート層4の入射点の接線を含む平面)に対して60°である。表面光沢度の測定には、例えば、表面光沢度計(商品名「GM−26D」、村上色彩研究所社製)を用いて、測定面積を3×3mmとする。
現像ローラ1は、表面の滑り角が10〜50°である。滑り角が小さすぎると、現像ローラ1が現像剤を物理的に運ぶ搬送力が必要以上に低下する。そのため、所定の画像品質が得られなくなる。一方、大きいと、コート層4の摩擦力が大きく、像担持体により従動回転しにくく、像担持体と同期して回転できなくなる。このように、滑り角が大きくても小さくても、像担持体に所定量の現像剤を供給できなくなり、画像品質が低下することがある。
また、滑り角が小さいと、コート層4の表面のタックが小さく、現像剤を担持しにくくなる。一方、大きいと、コート層4の表面のタックが大きくなって現像剤が付着して脱離しにくくなる。その結果、像担持体に所定量の現像剤を供給できなくなることがある。
滑り角は、像担持体等との適切な摩擦力を保持でき、画像品質を維持できる点で、20〜50°が好ましい。
滑り角は、コート層4中のウレタン樹脂粒子のガラス転移点及び含有量、コート層4を形成するウレタン樹脂の種類、コート層4の形成方法及び厚さにより、所定の範囲に設定できる。
滑り角は次のようにして求められる。すなわち、PETフィルムを敷いた基台を水平に配置(水平面との角度0°)して、この基台の長手方向と現像ローラの軸線方向とが平行となるように、基台上に現像ローラを置く。この基台の長手方向の一方端部を固定した状態で他方端部を上昇させて基台を徐々に傾斜させていき、現像ローラが一方端部側に滑り始めたときの基台の、水平面との成す角度を滑り角とする。
現像ローラ1は、上記特性を有していればよく、好ましくは以下の特性をさらに有している。
算術平均粗さRaは、0.4〜2.0μmが好ましく、0.4〜1.9μmがより好ましく、0.5〜1.7μmがさらに好ましい。算術平均粗さRaが上述の範囲にあると所定量の現像剤を搬送できる。算術平均粗さRaは、コート層4中のウレタン樹脂粒子の含有量、コート層4の厚さ等によって、所定の範囲に設定できる。
十点平均粗さRzは、2.5〜7.5μmが好ましく、2.7〜7.0μmがより好ましく、2.8〜6.0μmがさらに好ましい。十点平均粗さRzが上述の範囲にあると所定量の現像剤を搬送できる。十点平均粗さRzは、コート層4中のウレタン樹脂粒子の含有量、コート層4の厚さ等によって、所定の範囲に設定できる。
上記算術平均粗さRa及び十点平均粗さRzは、JIS B0601−1984に準じ、先端半径2μmの測定プローブを備えた表面粗さ計(商品名「590A」、東京精密社製)に現像ローラをセットし、測定長2.4mm、カットオフ波長0.8mm、カットオフ種別ガウシアンにより、少なくとも3点を測定点として測定した値の平均値とする。
現像ローラ1は、軸体2を備えていてもいなくてもよい。現像ローラ1が軸体2を備えている場合、軸体2は従来公知の現像ローラにおける軸体と基本的に同様のものを備えているのが好ましい。この軸体2は、例えば、鉄、アルミニウム、ステンレス鋼、真鍮等で構成された所謂「芯金」と称される軸体であり、良好な導電特性を有しているのが好ましい。軸体2は熱可塑性樹脂若しくは熱硬化性樹脂等の絶縁性芯体にメッキを施して導電化した軸体であってもよい。
弾性層3は、従来公知の現像ローラにおける弾性層と同様の弾性層を特に限定されずに用いることができる。この弾性層3は、軸体2の外周面に後述するゴム組成物の硬化物で形成され、20〜70のJIS A硬度を有しているのが好ましい。弾性層3が20〜70のJIS A硬度(JIS K 6301)を有していると、現像ローラ1と像担持体等との接触面積を大きくすることができる。弾性層3は、像担持体等との当接状態において像担持体等と弾性層3との均一なニップ幅を確保することができる等の点で、その厚さは1〜30mmであるのが好ましく、5〜20mmであるのが特に好ましい。
弾性層3は、導電性付与剤及び所望により各種添加剤を含有する。弾性層3を形成するゴム、導電性付与剤及び添加剤については、後述する。
コート層4は、弾性層3の外周面に配置されており、ウレタン樹脂粒子を特定量含有するウレタン樹脂層である。コート層4は、ウレタン樹脂粒子及びウレタン調製成分等を含有するウレタン樹脂組成物の硬化物で形成されている。コート層4には、ウレタン樹脂粒子、好ましくは導電性付与剤、及び、所望により各種添加剤を含有する。導電性付与剤及び添加剤については後述する。
コート層4は、本発明の課題を解決する限りにおいて、イオン液体を含有していなくてもよい。ここで、含有していないとは、イオン液体を実質的に含有していないことを意味し、イオン液体がまったく含有していない場合に加えて、不可避不純物として存在する場合をも包含する。
コート層4は、MD−1硬度が、30〜55であるのが好ましく、33〜50であるのがより好ましく、35〜48であるのがさらに好ましく、37〜46であるのが特に好ましい。MD−1硬度が上記範囲内にあると、現像剤へのダメージを軽減させることができ、所定の現像剤の搬送量を保つことができる。
コート層4のMD−1硬度は、コート層4中のウレタン樹脂粒子の含有量、コート層4の厚さ、ウレタン樹脂の種類等によって、所定の範囲に設定できる。
コート層4のMD−1硬度は、次のようにして測定できる。すなわち、マイクロゴム硬度計「MD−1 capa」(商品名、Asker社製)を用いて、現像ローラ1のコート層4をそのまま測定する。具体的には、現像ローラをVブロックが固定された測定テーブルにのせて、ノーマルモードにて測定する。
コート層4を形成する、バインダー樹脂としてのウレタン樹脂は、公知のウレタン樹脂を特に限定されることなく用いることができる。
ウレタン樹脂粒子は、ガラス転移点(Tg)が−25〜−35℃のウレタン樹脂からなる粒子である。ウレタン樹脂粒子を形成するウレタン樹脂(粒子形成ウレタン樹脂ということがある)は、ガラス転移点が−25〜−35℃であれば特に限定されず、例えば、ポリオールとポリイソシアネートとからなる。ポリオールとしては、ポリエステル系ポリオール、ポリエーテル系ポリオール、アクリル系ポリオール等が挙げられ、ポリイソシアネートとしては、芳香族、脂肪族、脂環族の各ポリイソシアネート等が挙げられる。
粒子形成ウレタン樹脂のガラス転移点が低いと、タックが増えてしまい、所定の現像剤の搬送量が得られないという問題が生じることがある。その結果、摺動性が低下する。一方、高いと、現像剤に与える負荷が大きくなり、現像剤を変形又は破壊してフィルミングを引き起こすことがある。ガラス転移点は、上記観点から、−27〜−35℃が好ましい。
ガラス転移点は、粒子形成ウレタン樹脂のポリオール及びポリイソシアネートの種類、官能基の数により、所定の範囲に設定できる。
ガラス転移点は、示走査熱量計「DSC8230L」(リガク社製)を用い、JIS K 7121によって測定できる。
ウレタン樹脂粒子は、現像剤の搬送性に優れ、かつ現像剤へのダメージを軽減できる点で、平均粒径が3〜13μmであるのが好ましく、4〜10μmであるのがさらに好ましい。平均粒径は次のようにして求められる。カラー3Dレーザー顕微鏡「VK−9700/VK−8700」(商品名、KEYENCE社製)で現像ローラの表面を観測して画像を撮影する。その観測画像からウレタン樹脂粒子の存在を確認し、解析ソフト「形状解析アプリケーションVK−H1A1/VK−H2A1」及び「粒子解析アプリケーションVK−H1G1」(商品名、ともにKEYENCE社製)を用いて、測定できる。
ウレタン樹脂粒子の種類は、特に限定されず、例えば、表面に反応性基を有する反応性であっても、反応性基を有さない非反応性であってもよい。反応性基は、例えば、ブロックポリイソシアネート基、ビニル基等が挙げられる。
このようなウレタン樹脂粒子は、市販品を用いてもよく、また適宜に合成してもよい。
市販品としては、例えば、「アートパール」(商品名、根上工業社製)、「メルテックス」(商品名、三洋化成工業社製)、及び、「Decosphaera」(商品名、Bech CHEM、LLC社製)等が挙げられる。
非反応性ウレタン樹脂粒子の市販品としては、具体的には、「P−400T」(ガラス転移点−34℃、平均粒径15μm、根上工業社製)、「P−800T」(ガラス転移点−34℃、平均粒径6μm、根上工業社製)等が挙げられる。
反応性ウレタン樹脂粒子の市販品としては、具体的には、「C−600TH」(ガラス転移点−13℃、平均粒径10μm、根上工業社製)、「RV−600T」(平均粒径10μm、根上工業社製)、及び、「TK−600」(ガラス転移点−30℃、平均粒径10μm、根上工業社製)等が挙げられる。
ウレタン樹脂粒子を合成する場合、ポリオール成分及びイソシアネート成分を懸濁安定剤を含む水中に粒子状に分散させ、反応させる。このとき、例えば、原料のポリオールやイソシアネートの組合せを変更することにより、ガラス転移点を所定の範囲に設定できる。
ウレタン樹脂粒子は、それぞれ、1種単独で、2種以上が含有されていてもよい。
コート層4は、ウレタン樹脂100質量部に対して、ウレタン樹脂粒子を40〜70質量部含有している。ウレタン樹脂粒子の含有量が少ないとウレタン樹脂粒子の効果が十分に得られず、コート層4の硬度低下及びコート層4のタック性のいずれも十分ではなく、フィルミングが発生しやすく、また摺動性も低下する。一方、含有量が多いと、コート層4の硬度低下が大きすぎて全体が柔らかくなり、表面粗さも大きくなり現像剤搬送量が増し、現像剤燃費が悪くなる。ここで、「現像剤燃費」とは印字テストを行った時の現像剤の平均消費量を意味する。これらの観点から、ウレタン樹脂粒子の含有量は、ウレタン樹脂100質量部に対して、45〜60質量部が好ましい。
コート層4は、現像ローラ1が導電性を有していれば、導電性を有していても有していなくてもよいが、導電性を有しているのが好ましい。コート層4の導電性は、例えば、導電性付与剤の含有量によって所望の範囲に設定することができる。
コート層4は、通常、5〜25μmの層厚を有しているのが好ましく、10〜25μmの層厚を有しているのがより好ましい。
本発明の現像ローラは、軸体又は弾性層の外周面にコート層を形成して、製造される。
例えば、現像ローラ1は、軸体2の外周面に弾性層3を形成し、さらに弾性層3の外周面にコート層4を形成して、製造される。
現像ローラ1を製造するには、まず、軸体2を準備する。例えば、軸体2は公知の方法により所望の形状に調製される。この軸体2は、弾性層3が形成される前にプライマーが塗布されてもよい。軸体2に塗布されるプライマーとしては、特に制限はないが、前記弾性層3とコート層4とを接着又は密着させるプライマー層とを形成する材料と同様の樹脂及び架橋剤が挙げられる。プライマーは、所望により溶剤等に溶解され、定法、例えば、ディップ法、スプレー法等に従って、軸体の外周面に塗布される。
弾性層3は、ゴム組成物を軸体2の外周面に加熱硬化して形成される。例えば、弾性層3は、公知の成形方法によって、加熱硬化と成形とを同時に又は連続して行い、軸体2の外周面に形成される。ゴム組成物の硬化方法はゴム組成物の硬化に必要な熱を加えられる方法であればよく、また弾性層3の成形方法も押出成形による連続加硫、プレス、インジェクションによる型成形等、特に制限されるものではない。例えば、ゴム組成物が付加硬化型ミラブル導電性シリコーンゴム組成物である場合には、例えば、押出成形等を選択することができ、ゴム組成物が付加硬化型液状導電性シリコーンゴム組成物である場合には、例えば、金型を用いる成形法を選択することができる。ゴム組成物を硬化させる際の加熱温度は、付加硬化型ミラブル導電性シリコーンゴム組成物の場合は、100〜500℃、特に120〜300℃、時間は数秒以上1時間以下、特に10秒以上〜35分以下であるのが好ましく、付加硬化型液状導電性シリコーンゴム組成物の場合は、100〜300℃、特に110〜200℃、時間は5分〜5時間、特に1〜3時間であるのが好ましい。また、必要に応じ、二次加硫してもよい。付加硬化型ミラブル導電性シリコーンゴム組成物の場合は、例えば、100〜200℃で1〜20時間程度の硬化条件が選択される。また、付加硬化型液状導電性シリコーンゴム組成物の場合は、例えば、120〜250℃で2〜70時間程度の硬化条件が選択される。また、ゴム組成物は既知の方法で発泡硬化させることにより、気泡を有するスポンジ状弾性層を容易に形成することもできる。
弾性層3を形成するゴム組成物は、ゴムと、導電性付与剤と、所望により各種添加剤とを含有するのが好ましい。
ゴムとしては、例えば、シリコーン若しくはシリコーン変性ゴム、ニトリルゴム、エチレンプロピレンゴム(エチレンプロピレンジエンゴムを含む。)、スチレンブタジエンゴム、ブタジエンゴム、イソプレンゴム、天然ゴム、アクリルゴム、クロロプレンゴム、ブチルゴム、エピクロルヒドリンゴム、ウレタンゴム、フッ素ゴム等のゴムが挙げられる。シリコーン若しくはシリコーン変性ゴム又はウレタンゴムであるのが好ましく、シリコーン又はシリコーン変性ゴムが、耐熱性及び帯電特性等に優れる点で、特に好ましい。これらのゴムは、液状型であってもミラブル型であってもよい。
導電性付与剤は、導電性を有していれば特に限定されず、例えば、導電性カーボン、ゴム用カーボン類、金属、導電性ポリマー等の導電性粉末が挙げられる。
各種添加剤としては、例えば、鎖延長剤及び架橋剤等の助剤、触媒、分散剤、発泡剤、老化防止剤、酸化防止剤、充填材、顔料、着色剤、加工助剤、軟化剤、可塑剤、乳化剤、耐熱性向上剤、難燃性向上剤、受酸剤、熱伝導性向上剤、離型剤、溶剤等が挙げられる。
ゴム組成物として、例えば、付加硬化型ミラブル導電性シリコーンゴム組成物、付加硬化型液状導電性シリコーンゴム組成物等を好適に挙げることができる。
付加硬化型ミラブル導電性シリコーンゴム組成物としては、例えば、(A)平均組成式:RnSiO(4−n)/2(Rは、同一又は異なっていてもよい、置換又は非置換の一価炭化水素基、好ましくは炭素原子数1〜12、より好ましくは炭素原子数1〜8の一価炭化水素基であり、nは1.95〜2.05の正数である。)で示されるオルガノポリシロキサン、(B)充填材、及び、(C)上記(B)成分に属するもの以外の導電性材料を含有する付加硬化型ミラブル導電性シリコーンゴム組成物が挙げられる。
付加硬化型ミラブル導電性シリコーンゴム組成物において、オルガノポリシロキサン(A)100質量部に対して、充填材(B)は11〜39質量部、導電性材料(C)は2〜80質量部が好ましい。
この付加硬化型ミラブル導電性シリコーンゴム組成物は、特開2008−058622号公報に記載の「付加硬化型ミラブル導電性シリコーンゴム組成物」を用いることができ、これに記載された内容は本明細書に組み込まれる。
付加硬化型液状導電性シリコーンゴム組成物は、(D)一分子中にケイ素原子と結合するアルケニル基を少なくとも2個含有するオルガノポリシロキサンと、(E)一分子中にケイ素原子と結合する水素原子を少なくとも2個含有するオルガノハイドロジェンポリシロキサンと、(F)平均粒径が1〜30μmで、嵩密度が0.1〜0.5g/cmである無機質充填材と、(G)導電性付与剤と、(H)付加反応触媒とを含有する付加硬化型液状導電性シリコーンゴム組成物が挙げられる。
付加硬化型液状導電性シリコーンゴム組成物において、オルガノポリシロキサン(D)100質量部に対して、オルガノハイドロジェンポリシロキサン(E)は0.1〜30質量部、無機質充填材(F)は5〜100質量部、導電性付与剤(G)は2〜80質量部が好ましく、付加反応触媒(H)はオルガノポリシロキサン(D)及びオルガノハイドロジェンポリシロキサン(E)の合計質量に対して0.5〜1,000ppmが好ましい。
この付加硬化型液状導電性シリコーンゴム組成物は、特開2008−058622号公報に記載の「付加硬化型液状導電性シリコーンゴム組成物」を用いることができ、これに記載された内容は本明細書に組み込まれる。
このようにして形成された弾性層3は、所望により、その表面が研磨、研削されて、外径及び表面状態等が調整される。また、弾性層3はコート層4が形成される前にその外周面にプライマー層が形成されてもよい。
コート層4は、このようにして形成された弾性層3、又は、所望により形成されたプライマー層の外周面に、ウレタン樹脂組成物を塗工し、次いで、塗工されたウレタン樹脂組成物を加熱硬化させて、形成される。ウレタン樹脂組成物の塗工は、例えば、ウレタン樹脂組成物の塗工液を塗工する塗布法、塗工液に弾性層3等を浸漬するディッピング法、塗工液を弾性層3等に吹き付けるスプレーコーティング法等の公知の塗工方法によって、行われる。ウレタン樹脂組成物は、そのまま塗工してもよいし、ウレタン樹脂組成物に、例えば、メタノール及びエタノール等のアルコール、キシレン及びトルエン等の芳香族系溶媒、酢酸エチル及び酢酸ブチル等のエステル系溶媒等の揮発性溶媒、又は、水を加えた塗工液を塗工してもよい。
このようにして塗工されたウレタン樹脂組成物を硬化する方法は、ウレタン樹脂組成物の硬化等に必要な熱又は水分を加えられる方法であればよく、例えば、ウレタン樹脂組成物が塗工された弾性層3等を加熱器で加熱する方法、ウレタン樹脂組成物が塗工された弾性層3等を高湿度下に静置する方法等が挙げられる。ウレタン樹脂組成物を加熱硬化させる際の加熱温度は、例えば、100〜200℃、特に120〜160℃、加熱時間は10〜120分間、特に30〜60分間であるのが好ましい。なお、塗工に代えて、ウレタン樹脂組成物を弾性層3又はプライマー層の外周面に、押出成形、プレス成形、インジェクション成形等の公知の成形方法によって、積層するとともに、又は、積層した後に、積層されたウレタン樹脂組成物を硬化させてもよい。
コート層を形成するウレタン樹脂組成物は、ウレタン樹脂を形成する前駆体であるウレタン調製成分、ウレタン樹脂粒子、所望により、導電性付与剤及び各種添加剤を含有する。ウレタン樹脂粒子は上記した通りであり、導電性付与剤はゴム組成物のものと同じである。
ウレタン調製成分は、ウレタン樹脂を形成できるものであればよく、ポリオールとポリイソシアネートとの混合物、又は、ポリオールとポリイソシアネートとを反応して得られるプレポリマーが挙げられる。
ポリオールとポリイソシアネートとの混合物におけるポリオールは、ウレタン樹脂の調製に通常使用される各種のポリオールであればよく、ウレタン樹脂粒子で挙げた各ポリオールが好ましい。また、混合物におけるポリイソシアネートも、同様に、ウレタン樹脂の調製に通常使用される各種のポリイソシアネートであればよく、ウレタン樹脂粒子で挙げた各ポリイソシアネートが好ましい。ポリイソシアネートは、500〜2000の分子量を有するのが好ましく、700〜1500の分子量を有するのがさらに好ましい。
ポリオールとポリイソシアネートとの混合物におけるこれらの混合割合は、特に限定されないが、通常、ポリオールに含まれる水酸基(OH)と、ポリイソシアネートに含まれるイソシアネート基(NCO、ブッロクポリイソシアネートの場合は遊離し得るイソシアネート基)とのモル比(NCO/OH)が0.7〜1.15であるのが、好ましい。このモル比(NCO/OH)はウレタン樹脂の加水分解を防止することができる点で0.85〜1.10であるのがより好ましい。
ウレタン樹脂調製成分がポリオールとポリイソシアネートとの混合物である場合には、ポリオールとポリイソシアネートとの反応に通常使用される助剤、例えば、鎖延長剤、架橋剤等を含有してもよい。鎖延長剤、架橋剤としては、例えば、グリコール類、ヘキサントリオール、トリメチロールプロパン及びアミン類等が挙げられる。
ウレタン樹脂調製成分としてのプレポリマーは、上記ポリオールと上記ポリイソシアネートとを反応して得られるプレポリマーであればよく、それらの分子量等も特に限定されない。プレポリマーは、所望により、上記助剤等の存在下、ワンショット法又はプレポリマー法等によって、ポリオールとポリイソシアネートとを反応して、得られる。
ウレタン樹脂調製成分は、ポリオールとポリイソシアネートとの混合物であるのが好ましく、特に、ポリエーテルポリオール及びポリエステルポリオールから選択された少なくとも1種のポリオールとポリイソシアネートとの混合物であるのが特に好ましい。
各種添加剤としては、特に限定されないが、例えば、鎖延長剤及び架橋剤等の助剤、分散剤、発泡剤、老化防止剤、酸化防止剤、顔料、着色剤、加工助剤、軟化剤、可塑剤、乳化剤、耐熱性向上剤、難燃性向上剤、受酸剤、熱伝導性向上剤、離型剤、溶剤等が挙げられる。これらの各種添加剤は、通常ウレタン樹脂組成物に用いられる添加剤であってもよく用途に応じて特別に用いられる添加剤であってもよい。
ウレタン樹脂組成物において、ウレタン樹脂粒子の含有量は、コート層4中の含有量が上記範囲となれば特に限定されない。ウレタン調製成分100質量部に対して40〜70質量部であり、好ましくは45〜60質量部、さらに好ましくは45〜58質量部である。
導電性付与剤を含有する場合、導電性付与剤の含有量は、所定の抵抗値を得る点で、ウレタン調製成分100質量部に対して、好ましくは1〜9質量部、より好ましくは3〜8.5質量部、さらに好ましくは6〜8質量部である。
各種添加剤の含有量は、適宜に設定される。
ウレタン樹脂組成物は、上記成分を常法により混合して、調製できる。
ウレタン樹脂組成物は、弾性層3の外周面に容易に形成することができる点で、例えば、25℃において、5〜500Pa・sの粘度を有しているのがよく、5〜200Pa・sの粘度を有しているのが特によい。ウレタン樹脂組成物の粘度は、通常、それらに含まれる各成分の種類及び/又は配合量によって所定の範囲に設定することができる。また、必要により、溶剤等により、粘度を所定の範囲に設定することもできる。
このようにして現像ローラ1を製造できる。
本発明の現像ローラは、コート層に含有される特定のウレタン樹脂粒子と特定の範囲に設定された表面光沢度及び滑り角とにより、これらが相俟って、従来、解決し得なかった、フィルミングの発生防止、及び、摺動性の低下防止のいずれも、しかも長期間にわたって、可能となる。したがって、所望の帯電量に帯電させた所望量の現像剤を破壊させることなく像担持体に供給することができ、画像品質を長期にわたって維持できる。
次に、本発明の現像装置、及び、本発明の画像形成装置の一例を、図2を参照して、説明する。
なお、この画像形成装置は、現像ローラと像担持体とが互いに接触している「接触型画像形成装置である。
この画像形成装置10は、図2に示されるように、静電潜像が形成される回転可能な像担持体11例えば感光体(感光ドラムとも称される。)と、像担持体11に当接若しくは圧接して又は所定の間隔を置いて設けられ、像担持体11を帯電させる帯電手段12例えば帯電ローラと、像担持体11の上方に設けられ、像担持体11に静電潜像を形成する露光手段13と、像担持体11に当接若しくは圧接して設けられ、像担持体11に一定の層厚で現像剤22を供給し、静電潜像を現像する現像手段(現像装置とも称する。)20とを備えている。また、像担持体11の下方に圧接するように設けられ、現像された静電潜像を像担持体11から記録体16例えば記録紙上に転写する転写手段14例えば転写ローラと、記録体16の搬送方向の下流に設けられ、記録体16に転写された現像剤22を定着させる定着手段15例えば定着器と、記録体16に転写されず像担持体11に残留した現像剤22及び/又は像担持体11に付着したゴミ等を除去するクリーニング手段17とを備えている。定着手段15は搬送されてくる記録体16を挟持するように対向配置された定着ローラ15aと加圧ローラ15bとを備えている。
現像手段20は、一成分非磁性の現像剤22を収容する筐体21と、像担持体11に当接若しくは圧接して設けられ、筐体21に収容された現像剤22を像担持体11に供給する現像剤担持体24例えば現像ローラと、この現像剤担持体24の表面に一定の厚さで現像剤22が保持されるように現像剤22の厚みを調整する弾性材製の現像剤量調節手段25例えばブレードと、この現像剤量調節手段25を筐体21に取り付ける取り付け手段26と、筐体21に収容された現像剤22を攪拌する撹拌手段23とを備えている。画像形成装置10において本発明の現像ローラは現像剤担持体24として装着されている。
この画像形成装置10は次のようにして記録体16に画像を形成する。すなわち、露光手段13により像担持体11の表面に静電潜像が形成され、現像剤担持体24により供給された現像剤22で静電潜像が現像される。そして、記録体16が転写手段14と像担持体11との間を通過する際に静電潜像が記録体16の表面に転写される。その後、記録体16は定着手段15に至り、定着ローラ15aと加圧ローラ15bとの間を通過する際に現像剤22が記録体16に定着されて画像が形成される。
本発明の現像ローラ、現像装置及び画像形成装置は、前記した一例に限定されることはなく、本発明の目的を達成することができる範囲において、種々の変更が可能である。
例えば、コート層が形成される弾性層を備えていてもよく、コート層又は弾性層を支持する軸体を備えていてもよい。また、軸体と弾性層の間又は弾性層とコート層との間に接着層又はプライマー層等の中間層を有していてもよい。
画像形成装置10の現像手段20は、現像剤担持体24及び現像剤量調節手段25を備えているが、さらに、現像剤担持体24の表面に現像剤を供給する現像剤供給ローラを備えていてもよい。
画像形成装置10は、電子写真方式の画像形成装置とされているが、本発明において、画像形成装置は、電子写真方式には限定されず、例えば、静電方式の画像形成装置であってもよい。また、画像形成装置は、単一の現像ユニットを備えたモノクロ画像形成装置に限られず、例えば、各色の現像ユニットを備えた複数の像担持体を転写搬送ベルト上に直列に配置したタンデム型カラー画像形成装置、像担持体上に担持された現像剤像を無端ベルトに順次一次転写を繰り返す4サイクル型カラー画像形成装置等であってもよい。
画像形成装置10に用いられる現像剤22は、一成分非磁性現像剤とされているが、本発明においては、一成分磁性現像剤であってもよく、二成分非磁性現像剤であっても、また、二成分磁性現像剤であってもよい。
(実施例1)
無電解ニッケルメッキ処理が施された軸体2(SUM22製、直径10mm、長さ275mm)をエタノールで洗浄し、その表面にシリコーン系プライマー(商品名「プライマーNo.16」、信越化学工業社製)を塗布した。プライマー処理した軸体2を、ギヤオーブンを用いて、150℃の温度にて10分焼成処理した後、常温にて30分以上冷却し、軸体2の表面にプライマー層を形成した。
次いで、両末端がジメチルビニルシロキシ基で封鎖されたジメチルポリシロキサン(重合度300)100質量部、BET比表面積が110m/gである疎水化処理されたヒュームドシリカ(日本アエロジル社製、R−972)1質量部、平均粒径6μm、嵩密度0.25g/cmである珪藻土(オプライトW−3005S、北秋珪藻土社製)40質量部、及び、アセチレンブラック(デンカブラックHS−100、電気化学工業社製)5質量部をプラネタリーミキサーに入れ、30分撹拌した後、3本ロールに1回通した。これを再度プラネタリーミキサーに戻し、架橋剤として、両末端及び側鎖にSi−H基を有するメチルハイドロジェンポリシロキサン(重合度17、Si−H量0.0060mol/g)2.1質量部、反応制御剤としてエチニルシクロヘキサノール0.1質量部、及び、白金触媒(Pt濃度1%)0.1部を添加し、15分撹拌して混練して、付加硬化型液状導電性シリコーンゴム組成物を調製した。調製した付加硬化型液状導電性シリコーンゴム組成物を液体射出成形により軸体2の外周面に成形した。液体射出成形において、付加硬化型液状導電性シリコーンゴム組成物を10分間150℃に加熱して硬化させた。この成形体を研磨して外径20mmの弾性層を形成した。この弾性層3のJIS A硬度は43°であった。
一方、下記組成を有するコート層形成用のウレタン樹脂組成物を調製した。
(A)イソシアネート(MDI系、商品名「コロネート−HX」、日本ポリウレタン工業社製)18質量部
(B)ポリオール(商品名「ON−F40」、日本ポリウレタン工業社製)100質量部(モル比(NCO/OH=1.1))
(C)ウレタン樹脂粒子「P−800T」(ガラス転移点−34℃、平均粒径6μm、根上工業社製)59質量部(ウレタン調製成分100質量部に対して50質量部)
(D)ジブチル錫ジラウレート(商品名「ジ−n−ブチルすずジラウレート」、昭和化学社製)0.03質量部
このウレタン樹脂組成物を弾性層3の外周面にスプレーコーティング法によって塗布し、160℃で30分間加熱して、層厚20μmのコート層4を形成した。このようにして図1に示される現像ローラ1を製造した。
(実施例2及び3)
ウレタン樹脂粒子の含有量を、それぞれ、表1に示す含有量に変更したこと以外は実施例1と同様にして現像ローラ1をそれぞれ製造した。
(実施例4)
ウレタン樹脂粒子「P−800T」に代えてウレタン樹脂粒子「TK−600」(ガラス転移点−30℃、平均粒径10μm、根上工業社製)を表1に示す含有量に変更したこと以外は実施例1と同様にして現像ローラ1をそれぞれ製造した。
(実施例5)
実施例1において、(A)イソシアネート及び(B)ポリオールを下記(Aa)及び(Bb)に変更したこと以外は実施例1と基本的に同様にして現像ローラ1を製造した。
(Aa)イソシアネート(MDI系、商品名「コロネートMX」、日本ポリウレタン工業社製)18質量部
(Bb)ポリオール(商品名「ニッポラン139」、日本ポリウレタン社製)100質量部(モル比(NCO/OH1.1))
(比較例1及び2)
ウレタン樹脂粒子「P−800T」に代えてウレタン樹脂粒子「BP−800T」(ガラス転移点−44℃、平均粒径6μm、非反応性、根上工業社製)、又は、「C−800」(ガラス転移点−13℃、平均粒径6μm、非反応性、根上工業社製)を用いたこと以外は実施例1と同様にして現像ローラをそれぞれ製造した。
(比較例3及び4)
ウレタン樹脂粒子の含有量を、それぞれ、表1に示す値に変更したこと以外は実施例1と同様にして現像ローラをそれぞれ製造した。
(比較例5及び6)
ウレタン樹脂粒子「P−800T」に代えてウレタン樹脂粒子「CE−800T」(ガラス転移点34℃、平均粒径6μm、非反応性、根上工業社製)、又は、「JB−800T」(ガラス転移点−52℃、平均粒径6μm、非反応性、根上工業社製)を用いたこと以外は実施例1と同様にして現像ローラをそれぞれ製造した。
(比較例7及び8)
実施例1において、コート層厚4を10μm又は30μmに変更したこと以外は実施例1と同様にして現像ローラをそれぞれ製造した。
(比較例9)
実施例1において、イソシアネートとポリオールのモル比を(NCO/OH=1.5)に変更したこと以外は実施例1と同様にして現像ローラを製造した。
(比較例10)
実施例1において、コート層形成用のウレタン樹脂組成物の各成分(A)、(B)、(C)及び(D)に加え、希釈溶媒としてシンナーを10質量部加えたこと以外は同様にして現像ローラを製造した。
(表面光沢度、滑り角及びMD−1硬度等の測定)
製造した各現像ローラの表面光沢度、滑り角及びMD−1硬度等を、上記方法により、測定した。結果を表1に示す。
(摺動性の評価)
製造した各現像ローラを用いて、摺動性を次のようにして評価した。すなわち、画像形成装置(型番:HL−2240D、ブラザー工業社製)のカートリッジに製造した現像ローラを取り付けて、下記条件で初期の印字データを印字した際に、現像ローラが接している部材との摺動性により発生するビビリに起因する画質低下の有無を確認した。
<条件>
製造した各現像ローラを現像ローラとして装着した上記プリンター「HL−2240D」をパーソナルコンピュータに接続して、試験環境下(23℃、相対湿度10%)に24時間静置した。その後、このプリンターの用紙設定を「普通紙厚め」、印字品質を「標準」、その他の設定を「デフォルト」にした。18%グレイ同等の濃度のモノクロ全面画像を表計算ソフト「エクセル」(マイクロソフト社)でパーソナルコンピュータの画面上に作成し、このモノクロ全面画像をハーフトーン画像としてモノクロモードで1枚印刷した。印刷されたハーフトーン画像の均質度を目視にて評価した。
評価は、現像ローラの表層の摺動性による画質均一性により、下記基準で行った。
◎:画質の低下が発生しない。ハーフトーン画像が濃度ムラのない均一な画像である。
○:画質の低下が不具合にならないレベルで僅かに発生する。ハーフトーン画像に実用上問題がない程度に僅かに濃度ムラがある。
×:画質の低下が常にはっきりとしたレベルで発生する。ハーフトーン画像に実用上許容できないほど濃度ムラが確認される。
(耐久性の評価)
製造した各現像ローラの耐久性を、画像品質の維持期間(品質低下)により、次のようにして評価した。すなわち、各現像ローラを、画像形成装置(型番:HL−2240D、ブラザー工業社製)に現像ローラとして装着し、下記条件で評価用印字パターンを印刷し、画質を評価した。
<条件>
製造した各現像ローラを現像ローラとして画像形成装置(商品名「HL−2240D」、ブラザー工業社製)に装着して以下の条件で耐久印字試験を行った後の画像の品質を評価した。すなわち、低湿度環境下(23℃、相対湿度10%)で24時間静置した後、プリンターの用紙設定を「普通紙厚め」、印字品質を「標準」に設定して、A4用紙片面の全面積の5%に対して、黒べた印字を通算で3000枚印刷した。この耐久印字試験において、形成した画像から2枚目、500枚目及び3000枚目の画像を選択して、これらの画像の印字濃度を定法で測定した。
一方、形成した画像から3枚目、500枚目及び3000枚目の画像を選択して、これら画像の未印字部分(余白部分)に発生したかぶり(現像剤による汚れ)の有無を目視で評価した。
印字濃度の評価は、3枚の画像における印字濃度の差(最大値)により、下記基準で行った。印字濃度の差が0.4以上になると実用上許容できなくなる。
◎:上記印字濃度の差が0.2以下である場合
○:上記印字濃度の差が0.2を超え0.3未満である場合
△:上記印字濃度の差が0.3以上0.4未満である場合
×:上記印字濃度の差が0.4以上である場合
かぶり評価は、白べた画像全面に汚れの有無により、下記基準で行った。
◎:3枚の白べた画像全面に汚れが皆無であった場合
○:3000枚目の白べた画像に実用上問題がない程度に僅かに汚れが認められた場合
△:500枚目及び3000枚目の白べた画像に実用上問題がない程度に僅かに汚れが認められた場合
×:500枚目又は3000枚目の白べた画像に実用上許容できないほど汚れが認められた場合
(フィルミングの評価)
製造した各現像ローラを用いて、フィルミングの発生の有無を、上記耐久印字試験の評価を行った後に、確認した。
評価は、2枚目、500枚目、3000枚目の印字データと、その時点でのローラ表面に固着している現像剤成分量と、画質とにより総合的に判断した。
◎:2枚目、500枚目及び3000枚目の画像を印刷した後の現像ローラ表面に固着している現像成分はなく、画像の画質が非常に良好であった場合
○:500枚目又は3000枚目の画像の画質に実用上の問題がなく、500枚目及び3000枚目の画像を印刷した後の現像ローラ表面に現像剤の固着が一部分に僅かに見受けられた場合
△:500枚目又は3000枚目の画像の画質に実用上の問題がなく、現像ローラ表面に現像剤の固着が問題ない程度で確認された場合
×:500枚目又は3000枚目の画像の画質が実用上許容できない程度に悪化し、現像ローラ表面にも明らかに現像剤が実用上許容できない程度に固着していた場合
Figure 2016099527
表1に示されるように、実施例の現像ローラは、いずれも、ウレタン樹脂粒子のガラス転移点及び含有量、表面光沢度並びに滑り角が本発明の条件を満たしており、フィルミングの発生も摺動性の低下も確認できず、しかも耐久性にも優れていた。
これに対して、比較例の現像ローラは、ウレタン樹脂粒子のガラス転移点及び含有量、表面光沢度並びに滑り角の少なくとも1つが本発明の条件を満たしてなく、いずれも、フィルミングの発生、摺動性の低下及び耐久性の少なくとも1つが合格基準に達しないことが確認できた。
1 現像ローラ
2 軸体
3 弾性層
4 コート層
10 画像形成装置
11 像担持体
12 帯電手段
13 露光手段
14 転写手段
15 定着手段
15a 定着ローラ
15b 加圧ローラ
16 記録体
17 クリーニング手段
20 現像手段(現像装置)
21 筐体
22 現像剤
23 撹拌手段
24 現像剤担持体
25 現像剤量調節手段
26 取り付け手段

Claims (5)

  1. ガラス転移点が−25〜−35℃のウレタン樹脂からなるウレタン樹脂粒子を、バインダー樹脂としてのウレタン樹脂100質量部に対して40〜70質量部含有するコート層を備え、入射角が60°での表面光沢度が0.5〜10であり、滑り角が10〜50°である現像ローラ。
  2. 前記コート層が、30〜55のMD−1硬度を有する請求項1に記載の現像ローラ。
  3. 前記ウレタン樹脂粒子の平均粒径が、3〜13μmである請求項1又は2に記載の現像ローラ。
  4. 請求項1〜3のいずれか1項に記載の現像ローラを備えてなる現像装置。
  5. 請求項1〜3のいずれか1項に記載の現像ローラを備えてなる画像形成装置。
JP2014237058A 2014-11-21 2014-11-21 現像ローラ、現像装置及び画像形成装置 Pending JP2016099527A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2014237058A JP2016099527A (ja) 2014-11-21 2014-11-21 現像ローラ、現像装置及び画像形成装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2014237058A JP2016099527A (ja) 2014-11-21 2014-11-21 現像ローラ、現像装置及び画像形成装置

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2016099527A true JP2016099527A (ja) 2016-05-30

Family

ID=56077792

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2014237058A Pending JP2016099527A (ja) 2014-11-21 2014-11-21 現像ローラ、現像装置及び画像形成装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2016099527A (ja)

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2019196819A (ja) * 2018-05-10 2019-11-14 株式会社加貫ローラ製作所 管状弾性体ならびに該管状弾性体を含む巻取コアおよび搬送ローラ
JP2020046467A (ja) * 2018-09-14 2020-03-26 信越ポリマー株式会社 現像ローラ及びその製造方法
JP7444675B2 (ja) 2020-03-27 2024-03-06 信越ポリマー株式会社 現像ローラ及び画像形成装置

Citations (9)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH10254234A (ja) * 1997-03-12 1998-09-25 Nitto Kogyo Co Ltd 現像ロール
JP2004046215A (ja) * 2002-07-12 2004-02-12 Oki Data Corp 現像装置及び電子写真装置
JP2005148097A (ja) * 2003-11-11 2005-06-09 Oki Data Corp 画像形成装置
US20060056881A1 (en) * 2004-09-13 2006-03-16 Samsung Electronics Co., Ltd. Developing roller
JP2008112150A (ja) * 2006-10-06 2008-05-15 Canon Inc 現像ローラ、それを用いた現像装置及び画像形成装置
JP2010008454A (ja) * 2008-06-24 2010-01-14 Canon Inc トナー
JP2010276698A (ja) * 2009-05-26 2010-12-09 Shin Etsu Polymer Co Ltd 導電性ローラ及び画像形成装置
JP2013041264A (ja) * 2011-07-15 2013-02-28 Canon Inc 現像剤担持体、電子写真プロセスカートリッジ及び電子写真画像形成装置
JP2013088681A (ja) * 2011-10-19 2013-05-13 Shin Etsu Polymer Co Ltd 現像装置用ローラの検査方法及び製造方法

Patent Citations (9)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH10254234A (ja) * 1997-03-12 1998-09-25 Nitto Kogyo Co Ltd 現像ロール
JP2004046215A (ja) * 2002-07-12 2004-02-12 Oki Data Corp 現像装置及び電子写真装置
JP2005148097A (ja) * 2003-11-11 2005-06-09 Oki Data Corp 画像形成装置
US20060056881A1 (en) * 2004-09-13 2006-03-16 Samsung Electronics Co., Ltd. Developing roller
JP2008112150A (ja) * 2006-10-06 2008-05-15 Canon Inc 現像ローラ、それを用いた現像装置及び画像形成装置
JP2010008454A (ja) * 2008-06-24 2010-01-14 Canon Inc トナー
JP2010276698A (ja) * 2009-05-26 2010-12-09 Shin Etsu Polymer Co Ltd 導電性ローラ及び画像形成装置
JP2013041264A (ja) * 2011-07-15 2013-02-28 Canon Inc 現像剤担持体、電子写真プロセスカートリッジ及び電子写真画像形成装置
JP2013088681A (ja) * 2011-10-19 2013-05-13 Shin Etsu Polymer Co Ltd 現像装置用ローラの検査方法及び製造方法

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2019196819A (ja) * 2018-05-10 2019-11-14 株式会社加貫ローラ製作所 管状弾性体ならびに該管状弾性体を含む巻取コアおよび搬送ローラ
JP2020046467A (ja) * 2018-09-14 2020-03-26 信越ポリマー株式会社 現像ローラ及びその製造方法
JP7444675B2 (ja) 2020-03-27 2024-03-06 信越ポリマー株式会社 現像ローラ及び画像形成装置

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5931846B2 (ja) 導電性ローラ、現像装置及び画像形成装置
WO2014002152A1 (ja) 現像部材、プロセスカートリッジおよび電子写真装置
WO2012098590A1 (ja) 現像ローラ、現像装置及び画像形成装置
JP6616697B2 (ja) 現像ローラ、現像装置及び画像形成装置
JP5249883B2 (ja) 現像装置および画像形成装置
JP2008058622A (ja) 導電性ローラ及び画像形成装置
JP2016099527A (ja) 現像ローラ、現像装置及び画像形成装置
JP5512167B2 (ja) 荷電制御されたウレタンフォームおよびそれを用いたトナー搬送ローラ
JP2020060749A (ja) 現像ローラ、現像装置及び画像形成装置
JP2010204361A (ja) 電子写真用弾性ローラの製造
JP2010276698A (ja) 導電性ローラ及び画像形成装置
JP5464712B2 (ja) 導電性ローラ、現像装置及び画像形成装置
JP2011137914A (ja) 導電性ローラ及び現像装置
JP5479256B2 (ja) 導電性ローラ及び画像形成装置
JP2016070996A (ja) 導電性ローラ、現像装置及び画像形成装置
WO2020075871A1 (ja) 現像ローラ、現像装置及び画像形成装置
JP6095424B2 (ja) 導電性ローラ、現像装置及び画像形成装置
JP6926375B2 (ja) 現像ローラ、現像装置及び画像形成装置
JP2020003599A (ja) 現像ローラ、現像装置及び画像形成装置
JP2019095656A (ja) 現像ローラ、該現像ローラの製造方法、現像装置及び画像形成装置
JP2005316081A (ja) 電子写真装置用導電ローラ、プロセスカートリッジおよび電子写真装置
JP4935587B2 (ja) 現像装置
JP5729866B2 (ja) 導電性ローラ、現像装置及び画像形成装置
JP7207632B2 (ja) 現像ローラ、現像装置及び画像形成装置
JPWO2012098590A1 (ja) 現像ローラ、現像装置及び画像形成装置

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20170207

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20170911

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20170919

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A821

Effective date: 20171116

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20171116

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20180116