JP5249883B2 - 現像装置および画像形成装置 - Google Patents

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Description

この発明は電子写真方式の画像形成装置、およびその現像装置に関する。
電子写真方式の画像形成装置では、感光体の表面を露光して静電潜像を形成し、当該静電潜像を現像したのち、用紙(媒体)に転写して定着する。静電潜像を現像する現像装置は、トナー(現像剤)を担持して感光体に付着させる現像ローラを備えている。
ここで、現像ローラの表面の滑り性が低いと、現像ローラの表面に残る未転写トナー(以下、残存トナーと称する)を十分に掻き落とすことができないため、ゴーストが生じる原因となる。ゴーストとは、先の画像が残像のように再度印刷されることを言う。また、本来は画像が形成されないはずの白地部にトナーが転写される、かぶりが生じる場合もある。
そこで、現像ローラの表面の滑り性を改善するため、ウレタンゴムを基材とする現像ローラをイソシアネート液中に浸漬させて表面改質することが提案されている(例えば、特許文献1参照)。
特開2000−089557号公報(段落0006〜0009)
しかしながら、特許文献1に開示された現像ローラ表面の静摩擦係数は4.72と大きいため、現像ローラの表面の残存トナーを十分に掻き落とすためには、現像ローラに対する供給ローラの押し込み量または押し込み力を大きく設定する必要がある。そのため、プリンタの高速化を実現しようとすると、現像ローラと供給ローラとの摩擦によるトルクの増加に起因して、現像装置のモータやギアの負荷が増加するという間題がある。
本発明は、上記の課題に鑑み、モータ等の負荷の増加を招くことなく、ゴーストの発生を防止することができる現像装置または画像形成装置を提供することを目的とする。
本発明に係る現像装置は、静電潜像を担持する静電潜像担持体に現像剤を付着させる現像剤担持体と、現像剤担持体に現像剤を供給する現像剤供給部材とを備える。現像剤供給部材は、電子導電剤を含有して1.16×10〜1.26×1012(Ω・cm)の電気抵抗率を有する弾性発泡層を有し、その気泡壁面に電子導電剤が固着されている。現像剤担持体の表面の静摩擦係数は0.41〜1.81であり、現像剤担持体に対する現像剤供給部材の押し込み量は0.5mm〜1.5mmである。
本発明に係る画像形成装置は、上記の現像装置を備えたことを特徴とする。
本発明によれば、現像剤担持体の表面の静摩擦係数が0.41〜1.81であり、現像剤担持体に対する現像剤供給部材の押し込み量が0.5mm〜1.5mmであるため、モータやギアの負荷の増加を招くことなく、ゴーストの発生を防止することができる。
本発明の第1の実施の形態における画像形成装置の基本構成を示す図である。 第1の実施の形態における現像装置を含む感光体ドラムユニットの基本構成を示す図である。 第1の実施の形態における現像装置の現像ローラを示す斜視図である。 第1の実施の形態における現像装置の供給ローラを示す斜視図である。 第1の実施の形態における現像ローラの静摩擦係数の測定方法を説明するための概略図である。 第1の実施の形態における供給ローラの現像ローラに対する押し込み量を説明するための概略図である。 第1の実施の形態におけるゴーストの評価方法を説明するための概略図である。 第2の実施の形態における供給ローラの、カーボンブラック固着処理前のフォームの電気抵抗率の測定方法を説明するための概略図である。 第2の実施の形態における供給ローラの電気抵抗値の測定方法を説明するための概略図である。 第2の実施の形態における供給ローラの残留歪みを説明するための概略図である。
第1の実施の形態.
図1は、本発明の第1の実施の形態における画像形成装置の概略図である。画像形成装置は、ブラック(B)、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、およびシアン(C)の4色を印刷可能なタンデム型のカラー電子写真プリンタとして構成されている。画像形成装置は、用紙(印刷媒体)1aの搬送経路に沿ってその上流側(ここでは図中右側)から順に、ブラック(B)、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、およびシアン(C)の各色の画像を形成する4つの感光体ドラムユニット1B,1Y,1M,1Cを備えている。各感光体ドラムユニット1B,1Y,1M,1Cは、画像形成装置の本体(図示せず)に対して着脱可能に取り付けられている。
また、画像形成装置の下部には、用紙1aを積層した状態で収容した給紙カセット100が配設されている。用紙カセット100の繰り出し方向(図中右側)の端部には、用紙カセット100から1枚ずつ用紙1aを分離して取り出すための給紙ローラ101が配設されている。さらに、給紙ローラ101により繰り出された用紙1aを搬送路に沿って搬送するため、搬送ローラ対102,103,104が配置されている。さらに、搬送路に沿って感光体ドラムユニット1B,1Y,1M,1Cの手前には、搬送ローラ対102,103,104により搬送された用紙1aを、斜行を矯正しつつ感光体ドラムユニット1B,1Y,1M,1Cに供給するレジストローラ対105が配置されている。
感光体ドラムユニット1B,1Y,1M,1Cには、転写ローラ12B,12Y,12M,12Cがそれぞれ対向配置されており、その周囲には、搬送ベルト106が張架されている。搬送ベルト106は、転写ローララ12B,12Y,12M,12Cのほか、ドライブローラ107およびテンションローラ108,109,110に張架されている。搬送ベルト106は、その表面に用紙1aを静電気力により吸着保持し、ドライブローラ107の回転によって、感光体ドラムユニット1B,1Y,1M,1Cと転写ローラ12B,12Y,12M,12Cとの間を通って走行する。また、搬送ベルト106の下側には、搬送ベルト106に付着したトナーを除去するベルトクリーニングブレード115が配置されている。
感光体ドラムユニット1B,1Y,1M,1Cの下流側(図中左側)には、定着装置111が配置されている。定着装置111は、定着ローラ112と加圧ローラ113とを有し、用紙1aを加熱および加圧しながら搬送する。
定着装置111のさらに下流側(図中左側)には、定着装置111から排出された画像形成済みの用紙1aを保持する排紙トレイ114が配置されている。
ここで、感光体ドラムユニット1B,1Y,1M,1Cの構成について説明する。感光体ドラムユニット1B,1Y,1M,1Cは、使用するトナーの種類を除き、互いに同様の構成を有しているため、ここでは「感光体ドラムユニット1」として説明する。
図2は、感光体ドラムユニット1の構成を示す概略図である。感光体ドラムユニット1は、静電潜像担持体としての感光体ドラム11を有している。感光体ドラム11の回転方向(図中時計回り)に沿って、感光体ドラム11の表面を一様に帯電させる帯電ローラ15と、感光体ドラム11の表面を露光して静電潜像を形成する露光装置(静電潜像LED光源)19と、感光体ドラム11の表面にトナー(現像剤)を付着させる現像剤担持体としての現像ローラ13と、感光体ドラム11の表面の残存トナー(未転写トナー、かぶりトナー等)を除去するためのクリーニングブレード17とが配置されている。
さらに、現像ローラ13の表面に当接するように、現像ローラ13の表面に形成されるトナー層の厚さを規制する規制ブレード16と、現像ローラ13に対してトナーを供給する現像剤供給部材としての供給ローラ14とが配置されている。また、供給ローラ14の上側には、着脱可能なトナーカートリッジ18が取り付けられている。トナーカートリッジ18は、トナー供給口18aを介して、供給ローラ14および現像ローラ13の上側の空間(トナーホッパ)に、トナー(図2では符号Tで示す)を供給する。
なお、これら構成要素のうち、露光装置19は、感光体ドラムユニット1の外部に位置し、画像形成装置の本体側に取り付けられている。
また、感光体ドラムユニット1において、静電潜像の現像に寄与する部分、すなわち、少なくとも現像ローラ13、供給ローラ14、規制ブレード16およびトナーホッパを含む部分を、「現像装置」と称する。
帯電ローラ15は、図示しない電源により帯電電圧を付与されており、感光体ドラム11の表面に接触しながら図中矢印で示す方向に従動回転する。現像ローラ13は、感光体ドラム1との間で所定の電位差を生じるように、図示しない電源により電圧を付与されており、感光体ドラム11の表面に接触しながら図中矢印で示す方向に回転する。供給ローラ14は、現像ローラ13との間で所定の電位差を生じるように、図示しない電源により電圧を付与されており、現像ローラ13の表面に接触しながら図中矢印で示す方向に回転する。
クリーニングブレード17は、感光体ドラム11の表面に接触するように配置され、感光体ドラム11の表面の残存トナーを、下側の廃トナー収容スペースに掻き落とすよう構成されている。なお、廃トナー収容スペースに掻き落とされた廃トナーは、図示しない廃トナー回収装置により搬送され、回収される。
前述の転写ローラ12は、感光体ドラム11との間で所定の電位差を生じるように、図示しない電源により電圧を付与されている。前述の搬送ベルト106は、感光体ドラム11と転写ローラ12とのニップ部を通過し、搬送ベルト106の表面に吸着保持した用紙1aに、感光体ドラム11の表面のトナー像が直接転写される。
感光体ドラムユニット1B,1Y,1M,1Cと搬送ベルト106(ドライブローラ107)とは同期して駆動され、搬送ベルト106に静電吸着された用紙1aに各色のトナー像を順次重なり合うように転写される。このようにして画像を転写された用紙1aは、定着装置111において加熱および加圧され、トナー像が用紙1aに定着する。定着装置111から排出された画像定着済みの用紙1aは、排出トレイ114へと排出される。
図3は、現像ローラ13の構成を模式的に示す斜視図である。現像ローラ13は、ステンレス鋼(SUS)からなる芯金131の外周面に弾性層132を形成し、その弾性層132の外周面に中間層133を形成し、さらに中間層133の外周面に表層134を形成したものである。芯金131と弾性層132との接着性を高めるため、必要に応じて、接着剤、プライマー等を塗布してもよく、また接着剤、プライマー等は必要に応じて導電化してもよい。ここでは、芯金131の外径を10mmとし、現像ローラ13の外径を16mmとする。
現像ローラ13の弾性層132としては、例えばエチレン−プロピレン−ジエンゴム(EPDM)、スチレン−ブタジエンゴム(SBR)、シリコーンゴム、またはポリウレタン系エラストマー等を使用することができる。これらの材料には、導電剤やシリコーンオイル等の各種の添加剤が適宜に配合されている。導電剤としては、カーボンブラック、グラファイト、チタン酸カリウム、酸化鉄、酸化チタン(Ti0)、酸化亜鉛(Zn0)、または酸化スズ(SnO)等を使用することができる。
現像ローラ13の中間層133としては、例えばポリウレタン系エラストマー、アクリロニトリル−ブタジエンゴム、水素添加アクリロニトリル−ブタジエンゴム、クロロプレンゴム(CR)、天然ゴム、ブタジエンゴム(BR)、ブチルゴム(IIR)、ヒドリンゴム(ECO、CO)、またはナイロン等を使用することができる。一定の表面粗さを付与するため、中間層133を形成する材料に、表面粗さ付与用の粒子を分散する場合もある。この表面粗さ付与用の粒子としては、シリカ、ウレタン樹脂、ポリアミド樹脂、フッ素樹脂、アクリル樹脂、シリコーン樹脂等を用いることができる。表面粗さ付与用の粒子の平均粒径は5〜15μmの範囲が好ましく、また、中間層133を形成する材料100重量部に対して当該粒子を10〜40重量部分散することが好ましい。
現像ローラ13の表層134としては、アクリル樹脂、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、ポリエステル樹脂、ポリアミド樹脂、シリコーン樹脂、ウレタン樹脂等を使用することができる。これらの樹脂は、変性もしくはクラフト化もしくはブロック重合等をして、単独で、もしくは併せて使用することができる。表層134の樹脂成分には、導電剤、帯電制御剤等を適宜に添加してもよい。帯電制御剤としては、四級アンモニウム塩、ホウ酸塩、アジン系(ニグロシン系)化合物、アゾ化合物、オキシナフトエ酸金属錯体、界面活性剤(アニオン系、カチオン系、ノニオン系)等がある。また、必要に応じて、安定剤、紫外線吸収剤、帯電防止剤、補強剤、滑剤、離型剤、染料、顔料、難燃剤等を適宜に添加してもよい。
図4は、供給ローラ14の構成を模式的に示す斜視図である。供給ローラ14は、ステンレス鋼(SUS)からなる芯金141の外周面に、導電性を付与した弾性発泡層142を形成したものである。芯金141の外径は、ここでは6mmとする。
供給ローラ14の弾性発泡層142は、ポリオール成分、ポリイソシアネート、発泡剤(例えば純水)、触媒から成る原料を攪拌・混合し、発泡・硬化させることにより得られる軟質フォームで形成される。ポリオール成分としては、ポリマーポリオールを含有するポリエーテルポリオール、ポリエステルポリオール等を使用する。ポリマーポリオールは重合鎖を有するとともに、末端等に複数の水酸基を有する化合物であって、例えばポリエーテルポリオールにアクリロニトリル、スチレン、メチルメタアクリレート等のエチレン性不飽和結合を有する化合物をクラフト重合させたものである。ポリイソシアネートとしては、芳香族系、脂肪族系および脂環族系の各種ポリイソシアネートを使用することができる。芳香族ポリイソシアネートとしては、トリレンジイソシアネート(TDI)、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)、1,5−ナフタレンジイソシアネート、パラフェニレンジイソシアネート、およびm−キシレンジイソシアネート等がある。脂肪族ポリイソシアネートとしては、1,6−ヘキサメチレンジイソシアネート(HDI)、2,2,4−トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、および2,4,4−トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート等がある。脂環族ポリイソシアネートとしては、イソホロンジイソシアネート、4,4’−ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート、および水添MDI等がある。これらは単独で用いてもよく、2種以上を混合して用いてもよい。この場合、芳香族系、脂肪族系および脂環族系のいずれの混合物或いは変性物等を使用してもよい。発泡剤としては主に水が使用されるが、塩化メチレン、ペンタン、シクロペンタン、ヘキサン、シクロヘキサン、ジクロロメタン、フロン系化合物、炭酸ガス等を併用する場合もある。触媒としては、アミン系触媒、特に3級アミン(トリエチレンジアミン、ジメチルエタノールアミン、N,N,N’−トリメチルアミノエチルピペラジン等)とオクチル酸スズ(スズオクトエート)等の有機金属化合物等を併用する場合もある。整泡剤としては、オルガノシロキサン−ポリオキシアルキレン共重合体、シリコーン−グリース共重合体等のシリコーン化合物よりなる非イオン系界面活性剤、またはそれらの混合物、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム、ラウリル硫酸ナトリウム等のアニオン系界面活性剤、フェノール系化合物等が使用される。
弾性発泡層142に電子導電機構による導電性を付与するための導電剤としては、ファーネスブラック、サーマルブラック、チャンネルブラック、アセチレンブラック、ケッチェンブラック、カラーブラック等のカーボンブラックおよびグラファイト等の粉末あるいは繊維状物質、または、銅、ニッケル、銀等の金属粉末あるいは繊維状物質、または酸化スズ、酸化チタン、酸化インジウム等の金属酸化物、またはポリアセチレン、ポリピロール、ポリアニリン等の有機系の導電性微粉末等がある。
トナーは、平均粒径5.5μmの非磁性一成分の負帯電性粉砕トナーであり、樹脂成分としてポリエステル樹脂を用いている。飽和帯電量は−44μC/gである。飽和帯電量は、トナー4wt%と、シリコーンコートフェライトキャリア(関東電化工業株式会社製、平均粒子径90μm)96wt%とを1分間ボールミルにて混合し、帯電量測定装置「Q/M Meter Model 210HS」(Trek Incorporated製)を用いて測定した。
規制ブレード16は、ステンレス鋼(SUS)からなる板状部材であり、板厚は、例えば0.08mmである。規制ブレード16の現像ローラ13との接触部には、曲げ加工が施されており、曲げ部の曲率半径Rは、例えば0.5mmである。ここでは、規制ブレード16の曲げ部の表面粗さは、十点平均粗さでRz=0.6μmである。
実施例では、5種類の現像ローラ13(現像ローラA〜E)を使用した。以下で、それぞれの現像ローラ13の作製方法について説明する。
<現像ローラAの作製>
まず、外径10mmの芯金131の外周面に、シリコーンゴムの弾性層132を形成したベースロールを作製した。さらに、表層134の導電性組成物として、シリコーン変性アクリル樹脂20重量部と、メラミン樹脂(スーパーベッカミンP−138、大日本インキ化学工業株式会社製)60重量部と、イソシアネート化合物(コロネートL、日本ポリウレタン工業株式会社製)20重量部と、導電剤としての導電性カーボンブラック(ダイアブラック#3030、三菱化学株式会社製)10重量部とを配合し、表面粗さ調整剤としてアクリル樹脂粒子(エポスターMA1010:平均粒径10μm、日本触媒株式会社製)30重量部を配合し、メチルエチルケトンに溶解させ、20wt%濃度のコーティング溶液を調整した。
このコーティング溶液をベースロールの外周面に塗布したのち、200℃で30分間、オーブンで加熱して加硫し、現像ローラAを作製した。表層134の厚みは10μm、表面粗さRaは1.06μmであった。なお、図3に示した中間層133は、設けられていない。
<現像ローラBの作製>
現像ローラAと同様にして、外径10mmの芯金131の外周面に、シリコーンゴムの弾性層132を形成したベースロールを作製した。さらに、表層134の導電性組成物として、アクリル樹脂(サーモラックSU28、綜研化学株式会社製)100重量部と、導電剤としての導電性カーボンブラック(ダイアブラック#3030、三菱化学株式会社製)25重量部と、イソシアネート化合物(コロネートC−HX、日本ポリウレタン工業株式会社製)10重量部とを配合し、表面粗さ調整剤としてアクリル樹脂粒子(エポスターMA1010:平均粒径10μm、日本触媒株式会社製)30重量部を配合し、メチルエチルケトンに溶解させ、20wt%濃度のコーティング溶液を調製した。
このコーティング溶液をベースロールの外周面に塗布したのち、150℃で30分間、オーブンで加熱して加硫し、現像ローラBを作製した。表層134の厚みは10μm、表面粗さRaは1.13μmであった。
<現像ローラCの作製>
現像ローラAと同様にして、外径10mmの芯金131の外周面に、シリコーンゴムの弾性層132を形成したベースロールを作製した。さらに、表層134の導電性組成物として、ウレタン原料のポリエステルポリオール100重量部およびイソシアネート化合物(コロネートC−HX、日本ポリウレタン工業株式会社製)30重量部を配合し、シリコーングラフトアクリル樹脂(数平均分子量:5000)10重量部を配合し、導電剤として導電性カーボンブラック(ダイアブラック#3030、三菱化学株式会社製)30重量部を配合し、表面粗さ調整剤としてアクリル樹脂粒子(エポスターMA1010:平均粒径10μm、日本触媒株式会社製)30重量部を配合し、メチルエチルケトンに溶解させ、20wt%濃度のコーティング溶液を調製した。
このコーティング溶液をベースロールの外周面に塗布した後、170℃で1時間、オーブンで加熱して加硫し、現像ローラCを作製した。表層134の厚みは10μm、表面粗さRaは1.03μmであった。
<現像ローラDの作製>
現像ローラAと同様にして、外径10mmの芯金131の外周面に、シリコーンゴムの弾性層132を形成したベースロールを作製した。さらに、表層134の導電性組成物として、NBR(ニポールDN101、日本ゼオン株式会社製)100重量部と、導電剤としての導電性カーボンブラック(ダイアブラック#3030、三菱化学株式会社製)35重量部と、加硫助剤としての酸化亜鉛5重量部と、加硫剤としての硫黄0.5重量部と、加硫促進剤としてチラウム系加硫促進剤(アクセルTBT、川口化学工業株式会社製)1重量部とを配合し、表面粗さ調整剤としてアクリル樹脂粒子(エポスターMA1010:平均粒径10μm、日本触媒株式会社製)30重量部を配合し、メチルエチルケトンに溶解させ、20wt%濃度のコーティング溶液を調製した。
このコーティング溶液をベースロールの外周面に塗布した後、150℃で30分間、オーブンで加熱して加硫し、現像ローラDを作製した。表層134の厚みは10μm、表面粗さRaは1.05μmであった。
<現像ローラEの作製>
まず、外径10mmの芯金131の外周面に、以下のようにして導電性ポリウレタンの弾性層132を形成したベースロールを作製した。すなわち、ポリエステルポリオール(クラポールP−2010、クラレ株式会社製)100重量部に、過塩素酸リチウム0.005重量部を加えて攪拌し、溶解させた後、100℃に保ち、イソシアネート化合物(コロネートC−HX、日本ポリウレタン工業株式会社製)を16重量部添加し攪拌して混合物を作製し、この混合物を、予め芯金131(外径10mm)が配置されている120℃に予熱された金型に注入し、120℃にて60分間加熱し脱型した後、所定の外径まで表面を研磨して、導電性ポリウレタンのベースロールを作製した。
表面処理溶液としては、アルコール変性シリコーンオイル(SF8427、束レ・ダウコーニング株式会社製)100重量部にポリメチレンポリフェニルイソシアネート(MR400、日本ポリウレタン工業株式会社製)100重量部を添加・混合し、120℃で15分間反応させた後、酢酸エチル2000重量部に溶解させて調合した。
この表面処理溶液を20℃に温度調節した状態で、ベースロールを60秒間浸漬した。その後100℃に温度調節したオーブンで10時間加熱し、現像ローラEを作製した。表面粗さRaは、1.15μmであった。
実施例では、1種類の供給ローラ14(供給ローラa)を使用した。以下で、供給ローラ14の作製方法について説明する。
<供給ローラaの作製>
まず、ポリオール成分、ポリイソシアネート、純水、触媒および整泡剤を、表1に示すように混合して混合物を調製した。
Figure 0005249883
表1において、ポリオール1は、ポリエーテルポリオール(GP−3050、三洋化成工業株式会社製)である。また、ポリオール2は、アクリロニトリル−スチレングラフトポリマーポリオール(エクセノール941、旭硝子株式会社製)である。ポリイソシアネート類は、トリレンジイソシアネート(TDI−80(2,4−トリレンジイソシアネート80wt%と2,6−トリレンジイソシアネート20wt%との混合物)、三井武田ケミカル株式会社製)である。触媒1は、アミン触媒(カオライザーNo.31、花王株式会社製)であり、触媒2は、アミン触媒(カオライザーNo.22、花王株式会社製)である。整泡剤は、シリコーン系界面活性剤(B8110、ゴールドシュミット社製)である。
上記材料の混合物を、縦、横および深さが各500mmの発泡容器内に注入し、常温、大気圧下で発泡させた後、加熱炉を通過させて加熱し、反応および硬化させることにより軟質フォームを得た。
この軟質フォームから、縦400mm、横400mm、高さ25mmの直方体を切り出した。さらに、カーボンブラック分散液(エマコールブラック:固形分36%、山陽色素株式会社製)をアクリル樹脂エマルジョン(Nip01851:固形分45%、日本ゼオン株式会社製)に30wt%添加し、攪拌して得た導電処理液に、上記の直方体状の軟質フォームを20℃で5分間浸漬した。
その後、水、カーボンブラックおよびアクリル樹脂が、その気泡内に含浸されたフォーム(発泡体)を、間隔0.2mmに設定された一対のロール間を通過させることにより、余分な分散液を除去した。次いで、このフォームを100°Cに設定された熱風循環式オーブン中で60分間加熱、乾燥し、水分を除去してアクリル樹脂を架橋させることによって気泡壁にカーボンブラックを強固に固着させ、これにより、発泡弾性層142として用いる導電性フォームを作製した。
上記直方体の導電性フォームから断面25mm角、長さ300mmの角柱体を切り出し、断面中心部に、軸方向に芯金を装通するための直径5mmの貫通孔を設けた。次いで、表面に接着剤を塗布したステンレス製の芯金141(外径6mm)を上記の貫通孔に挿通して接着した。その後、導電性フォームの角柱体を研磨して、外径15.5mmの円筒形状に仕上げることで、供給ローラaを作製した。供給ローラaのゴム硬度は、アスカーF硬度で31°であった。
次に、各部材の物性値等の測定方法について説明する。
<現像ローラ13の表面の静摩擦係数>
図5は、現像ローラ13の表面の静摩擦係数の測定方法を説明するための模式図である。ここでは、オイラーのベルト式に準ずる方式を採用した。現像ローラ13は、ベルト54の外周面に所定の接触角度θで接触している。ベルト54の一端は、台55の上に固定された荷重計51に接続されており、ベルト54の他端には重り52が取り付けられている。
荷重計51としては、デジタルフォースゲージZP−50N(株式会社イマダ製)を用い、ベルト54としては、幅30mm、厚み30μmのステンレス製のベルトを用いた。また、現像ローラ13の回転速度は100rpmとし、重り52は50gとした。
現像ローラ13を所定の方向(図5に矢印で示す)に回転させた時の荷重計51の測定値をFとし、重りの重さをWとしたとき、静摩擦係数μは、次の式で表すことができる。
μ=(1/θ)ln(F/W)
<現像ローラ13に対する供給ローラ14の押し込み量>
図6は、現像ローラ13に対する供給ローラ14の押し込み量の設定方法を説明するための模式図である。現像ローラ13の表面の残存トナー(感光体ドラム11に付着せずに残ったトナー)は、この現像ローラ13に圧接されている供給ローラ14によって除去される。従って、現像ローラ13に対する供給ローラ14の押し込み量は、現像ローラ13の表面の残存トナーの除去性能を左右する。
図6に示すように、現像ローラ13の半径をR13とし、供給ローラ14の半径をR14とし、現像ローラ13と供給ローラ14との軸間距離をLとすると、現像ローラ13に対する供給ローラ14の押し込み量Pは、以下のように表すことができる。
P=R13+R14−L
また、現像ローラ13の直径をD13とし、供給ローラ14の直径をD14とすると、以下のように表すこともできる。
P=(D13+D14)/2−L
実施例では、現像ローラ13と供給ローラ14との軸間距離Lを調整することにより、押し込み量Pを変化させる。なお、軸間距離Lの調整のため、供給ローラ14の軸支持部(軸受メタル)は、現像ローラ13に対して接近・離間する方向に移動可能に構成されており、マイクロゲージ等を用いて両ローラ13,14の軸間距離を正確に調整できるようになっている。
<印刷テスト>
印刷テストは、光学LED方式カラー電子写真プリンタである「MICR0LINE5900dn」(解像度600DPI、株式会社沖データ製)を使用して行った。現像剤としては、平均粒径5.5μmの非磁性一成分の負帯電性粉砕トナーを用いた。印刷環境は、温度23℃、相対湿度45%とした。
上記のカラー電子写真プリンタを用い、図7に示すように、濃度100%のベタ部分Aと、濃度0%の白地部分Bとを含むテストパターンを印刷する。なお、図示の関係上、図7では、濃度100%のベタ部分Aを、点のハッチングで示す。続いて、ベタ部分Aにおける位置aと、白地部分Bに続いてベタ部分Aが印刷される位置bにおいて、分光色彩濃度計X−Rite528(X−Rite Incorporated製)を用いて濃度を測定する。現像ローラ13の表面の残存トナーの除去が不十分な場合、白地部分Bに続いてベタ部分Aを印刷すると、図7(B)に示すように、もやもやとした低濃度の部分が現れるためである。位置a,bの濃度差が0.05未満の場合は良好(○)とし、0.05の場合はやや良好(△)とし、0.05以上の場合は不良(X)とする。
以下の実施例1−1〜1−3および比較例1−1,1−2につき、図7のテストパターンを印刷し、評価を行った。また、各現像ローラ13(A〜E)の静摩擦係数を、図5に示した方法により測定した。評価結果および測定結果を表2に示す。
Figure 0005249883
実施例1−1.
現像ローラAと供給ローラaとの組み合わせを用い、供給ローラaの現像ローラAに対する押し込み量0.3mm〜2.0mmの範囲で変化させ、テストパターンを印刷した。現像ローラAは、静摩擦係数が0.41と非常に小さく、現像ローラAに対する供給ローラaの押し込み量を0.5〜1.5mmに設定すると、良好な印刷テスト結果(濃度差が0.05以下)が得られた。従って、この範囲では、現像トナー14の表面の残存トナーを掻き落とし、ゴーストの発生を防止できていることが分かる。一方、押し込み量を0.3mmに設定した場合には、やや良好(濃度差が0.05)な結果が得られた。また、押し込み量を2.0mmに設定した場合には、現像装置用のモータのトルク(負荷)に増加がみられた。
実施例1−2.
現像ローラBと供給ローラaとの組み合わせを用い、実施例1と同様にテストパターンを印刷した。現像ローラBは、静摩擦係数が0.72と小さく、現像ローラBに対する供給ローラaの押し込み量を0.5〜1.5mmに設定すると、良好な印刷テスト結果(濃度差が0.05以下)が得られた。一方、押し込み量を2.0mmに設定すると、現像装置用のモータのトルクに増加がみられた。
実施例1−3.
現像ローラCと供給ローラaとの組み合わせを用い、実施例1と同様にテストパターンを印刷した。現像ローラCは、静摩擦係数が1.81と小さく、現像ローラCに対する供給ローラaの押し込み量を0.5〜1.5mmに設定すると、良好な印刷テスト結果(濃度差が0.05以下)が得られた。一方、押し込み量を2.0mmに設定すると、現像装置用のモータのトルクに増加がみられた。
比較例1−1.
現像ローラDと供給ローラaとの組み合わせを用い、実施例1と同様に、テストパターンを印刷した。現像ローラDは、静摩擦係数が3.20と若干大きく、現像ローラDに対する供給ローラaの押し込み量を0.3〜1.0mmに設定すると、印刷テスト結果は不良であり、また、押し込み量を1.5〜2.0mmに設定すると、現像装置用のモータトルクに増加がみられた。
比較例1−2.
現像ローラEと供給ローラaとの組み合わせを用い、実施例1と同様に、テストパターンを印刷した。現像ローラEは、静摩擦係数が4.72と非常に大きく、押し込み量にかかわらず、印刷テスト結果が不良であった。現像ローラ13の表面の残存トナーを十分に掻き落とすことができず、ゴーストが発生していることが分かる。
<実施の形態の効果>
このように、本発明の第1の実施の形態によれば、現像ローラ13の表面の静摩擦係数を0.41〜1.81の範囲とし、現像ローラ13に対する供給ローラ14の押し込み量を0.5mm〜1.5mmの範囲とすることで、モータトルクを増加させることなく、ゴーストの発生を防止し、良好な画像を得ることができる。
特に、供給ローラ14が、発泡処理により形成したフォーム(軟質フォーム)の気泡壁面にカーボンブラックを固着させてなる弾性発泡層(導電性フォーム)142を備えているため、現像ローラ13の表面の残存トナーをより効果的に除去し、ゴーストの発生を効果的に防止することができる。
また、現像ローラ13が、アクリル樹脂、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、ポリエステル樹脂、ポリアミド樹脂、シリコーン樹脂、ウレタン樹脂の少なくとも一つを含む表層134を備えているため、現像ローラ13の静摩擦係数を小さく抑え、ゴーストの発生を効果的に防止し、現像装置用のモータ等のトルクの増加を抑制することができる。
第2の実施の形態.
上述した第1の実施の形態では、現像ローラ13の表面の静摩擦係数を0.41〜1.81とし、現像ローラ13に対する供給ローラ14の押し込み量を0.5mm〜1.5mmに設定することで、ゴーストの発生を防止することができた。しかしながら、供給ローラ14が現像ローラ13に食い込んだ状態で長期間放置された場合、供給ローラ14の外周面に凹みが残って安定な供給電界が形成できなくなり、供給ローラ14の凹部に対応するピッチでの画像ムラが発生する場合がある。そこで、この第2の実施の形態では、供給ローラ14が長期間放置された場合の残留歪みの改善について検討する。
まず、物性値等の測定方法について説明する。
<供給ローラ14のフォームの電気抵抗率>
図8は、供給ローラ14の、実施の形態1で説明したカーボンブラック固着処理を行う前のフォーム(発泡体)の電気抵抗率(体積抵抗率)の測定方法を説明するための模式図である。ここでは、芯金141の外径を6mmとし、供給ローラ14の外径(すなわち弾性発泡層142の外径)を15.5mmに加工し、この供給ローラ14の周囲に密着させるように、図8(A)に示すように円筒状の金属(ステンレス)製パイプ61を被せる。さらに、図8(B)に示すように、直流電源63の各電極端子を芯金141と金属製パイプ61に接触させ、両者の間に電圧を印加する。印加電圧の検出および計測値(電流値)の読み取りは、「ウルトラハイレジスタンスメータ8340A」(株式会社エーディーシー製)を用いて行い、パイプ61の長さおよび内径、並びに弾性発泡層142の内径から電気抵抗率を計算する。
<供給ローラ14の電気抵抗値>
図9は、供給ローラ14の電気抵抗値の測定方法を説明するための模式図である。
図9に示すように、供給ローラ14の外周面に、これと平行に配置された金属製円筒71を接触させ、供給ローラ14と金属製円筒71を回転させる。直流電源73の各電極端子を芯金141と金属製円筒71に接触させ、両者の間に電圧を印加する。印加電圧の検出および計測値(電流値)の読み取りは、図8(B)に示した測定方法と同様、「ウルトラハイレジスタンスメータ8340A」を用いて行う。
<供給ローラ14の残留歪み>
図10は、供給ローラ14の残留歪みを説明するための模式図である。図10(A)に示すように、供給ローラ14は現像ローラ13に食い込んだ状態にあり、この状態で高温高湿条件に長期間に亘って放置されると、供給ローラ14の現像ローラ13との当接位置に、現像ローラ13に当接していた痕跡が残る。これを「残留歪み」と称する。図10(B)に示すように、残留歪み量Sは、供給ローラ14の元々の半径R14(長期間放置される前の半径)から当接部の半径r(供給ローラ14の中心から当接部までの距離)を差し引いたもの(すなわちS=R14−r)とする。
<残留歪み試験>
図10(A)に示すように、供給ローラ14と現像ローラ13とを所定の押し込み量(後述する表4)で当接させ、温度50℃、湿度55%の環境下に1ケ月間放置した後、現像ローラ13を取り外し、その後24時間経過した時点で供給ローラ14の上記当接部の半径rをゲージ等で計測し、残留歪み量S(=R14−r)を求める。
残留歪み量S(R14−r)が0.15mm以下であれば、画像における濃度ムラ(供給ローラ14の凹みのピッチで生じる画像ムラ)が発生しないことが知られている。そのため、残留歪み試験における供給ローラ14の残留歪み量Sは、0.15mm以下である必要がある。
<気泡径>
供給ローラ14の気泡径が100μm〜600μmの範囲にあれば、供給電界が安定し、また現像ローラ13の表面の残存トナーを安定して掻き落すことができ、良好な画像品質が得られることが知られている。そのため、供給ローラ14の気泡径が100μm〜600μmの範囲内にある場合には良好(0)とする。気泡径が100μm未満もしくは600mより大きい場合には不良(X)とする。具体的には、供給ローラ14の表面においてランダムに領域を選択し、長さ25mmの直線上に並んだ気泡径の大きさを、光学顕微鏡を用いて測定し、これにより判断する。
実施例では、4種類の供給ローラ14(供給ローラb〜e)を使用した。また、比較例として、第1の実施の形態で説明した供給ローラaを使用した。
<供給ローラb,c,d,eの作製>
供給ローラb,c,d,eは、弾性発泡層142を作製するに際し、カーボンブラック(ケッチェンブラックEC600JD、ライオン株式会社製)を、表3に示すように、それぞれ0.1重量部、2重量部、5重量部および8重量部添加した点で、上述した供給ローラaと異なるものである。また、供給ローラaに対し、発泡剤(純粋)、触媒1および触媒2の配合を、表3に示すように変更している。他の作製条件は、供給ローラaと同様である。供給ローラb〜eの外径は、いずれも、供給ローラaと同じ15.5mmとした。供給ローラb〜eのゴム硬度は、それぞれ、アスカーF硬度で31°、32°、34°、39°であった。
Figure 0005249883
表3には、また、図8に示した方法で測定した、カーボンブラック固着処理を行う前のフォームの電気抵抗率ρ(log(Ω・cm))を示した。測定電圧は10vとしたが、非常に高抵抗で測定器の電流読み取り可能範囲を超えた場合には、表3に括弧で示す印加電圧に調整した。
表4には、また、図9に示す方法で測定した、カーボンブラック固着処理後の供給ローラ14の電気抵抗値R(logΩ)を示した。
上述した供給ローラa〜dを用いて、残留歪み試験を行い、残留歪み量を測定し、濃度ムラの評価を行った。測定結果および評価結果を表4に示す。
Figure 0005249883
実施例2−1.
供給ローラbを押し込み量0.5mmにて現像ローラ13に当接させた場合、残留歪み量は0.07mmであり、濃度ムラの無い均一な画像を得ることができた。
実施例2−2.
供給ローラbを押し込み量1.0mmにて現像ローラ13に当接させた場合、残留歪み量は0.13mmであり、濃度ムラの無い均一な画像を得ることができた。
実施例2−3.
供給ローラbを押し込み量1.5mmにて現像ローラ13に当接させた場合、残留歪み量は0.15mmであり、濃度ムラの無い均一な画像を得ることができた。
実施例2−4.
供給ローラcを押し込み量1.0mmにて現像ローラ13に当接させた場合、残留歪み量は0.09mmであり、濃度ムラの無い均一な画像を得ることができた。
実施例2−5.
供給ローラdを押し込み量1.0mmにて現像ローラ13に当接させた場合、残留歪み量は0.08mmであり、濃度ムラの無い均一な画像を得ることができた。
比較例2−1.
供給ローラaを押し込み量1.0mmにて現像ローラ13に当接させた場合、残留歪み量は0.36mmであり、供給ローラaの外周面に生じた凹みのピッチで濃度ムラが観察された。
また、供給ローラb,c,d,eの気泡径を測定したところ、供給ローラb,c,dについては、気泡径が100〜600μmの範囲内に収まっており、ばらつきの少ない均一な発泡セルが形成されていることが分かった。一方、供給ローラeについては、気泡径のばらつきが大きいことが分かった。
供給ローラb〜dは、カーボンブラックを微量だけ添加することで、気泡径のばらつきの少ない均一な発泡セルが形成され、空気を多く含むことができる。また、添加された微量のカーボンブラックが、可撓性を有する薄いセル壁の分子構造を補強しているため、低硬度で柔軟な風合いを有しながら、変形に対しては強い(残留歪みを0.15mm以下に抑制できる)フォームが得られた。そして、ゴーストや濃度ムラのない良好な画像が得られた。
なお、供給ローラeは、カーボンブラックの添加量が8重量部であり、電気抵抗率ρ(log(Ω・cm))は8.9であるが、気泡径にばらつきが生じている。これは、カーボンブラックの添加量が多いため、気泡の形成が阻害されたものと考えられる。このように気泡径にばらつきがあると、供給電界(供給ローラと現像ローラとの間に生成される電界)が不安定になり、良好な画像品質を得ることが難しいと考えられる。
以上から、カーボンブラックを含有し、電気抵抗率ρ(log(Ω・cm))が9.1〜12.1の範囲にあるフォームに固着処理(気泡壁面にカーボンブラックを固着する処理)を行った弾性発泡層142を有する供給ローラ14を用い、押し込み量を0.5mm〜1.5mmとすることにより、残留歪みを抑えて濃度ムラを無くし、またゴーストの発生を防止できることが分かる。
なお、上記の電気抵抗率ρ(log(Ω・cm))の良好範囲9.1〜12.1は、対数逆変換すると、1.16×10〜1.26×1012(Ω・cm)となる。
表4に示した実施例1−1〜1−4は、あくまで代表的な例であるが、これらの例に限らず、カーボンブラックを含有して1.16×10〜1.26×1012(Ω・cm)の電気抵抗率を有するフォームに上記固着処理を行って形成した弾性発泡層142を有する供給ローラ14を用い、押し込み量を0.5mm〜1.5mmとすることにより、残留歪みを抑えて濃度ムラを無くし、またゴーストの発生を防止することができた。
このように、第2の実施の形態によれば、供給ローラ14の弾性発泡層142が、カーボンブラックを含有して1.16×10〜1.26×1012(Ω・cm)の電気抵抗率を有するフォームに、カーボンブラックの固着処理(気泡壁面にカーボンブラックを固着する処理)を行って形成されているため、残留歪みを抑えて濃度ムラを無くし、さらにゴーストの発生を防止することができる。
なお、ここでは、画像形成装置の一例として、カラー電子写真プリンタについて説明したが、本発明は、例えば、カラーまたはモノクロの複写機、ファックス機、複合機等にも適用することができる。
1,1B,1Y,1M,1C 感光体ドラムユニット(現像装置を含む)、 1a 用紙、 11 感光体ドラム(静電潜像担持体)、 12,12B,12Y,12M,12C 転写ローラ、 13 現像ローラ(現像剤担持体)、 131 芯金、 132 弾性層、 133 中間層、 134 表層、 14 供給ローラ(現像剤供給部材)、 141 芯金、 142 弾性発泡層、 15 定着ローラ、 16 規制ブレード、 17 クリーニングブレード、 18 トナーホッパ、 19 露光装置、 100 給紙カセット、 101 給紙ローラ、 102,103,104 搬送ローラ、 105 レジストローラ、 106 搬送ベルト、 107 ドライブローラ、 108,109,110 テンションローラ、 111 定着装置、 114 排紙トレイ。

Claims (7)

  1. 静電潜像を担持る静電潜像担持体に現像剤を付着させる現像剤担持体と、
    前記現像剤担持体に現像剤を供給する現像剤供給部材と
    を備え、
    前記現像剤供給部材は、電子導電剤を含有して1.16×10〜1.26×1012(Ω・cm)の電気抵抗率を有する弾性発泡層を有し、その気泡壁面に電子導電剤が固着されており、
    前記現像剤担持体の表面の静摩擦係数が、0.41〜1.81であり、
    前記現像剤担持体に対する前記現像剤供給部材の押し込み量が、0.5mm〜1.5mmである
    ことを特徴とする現像装置。
  2. 前記電子導電剤は、カーボンブラックであり、
    前記現像剤供給部材の前記弾性発泡層は、カーボンブラックを0.1〜5重量部含有することを特徴とする請求項1に記載の現像装置。
  3. 前記現像剤供給部材の前記弾性発泡層の気泡の気泡径が、100μm〜600μmであることを特徴とする請求項2に記載の現像装置。
  4. 前記現像剤供給部材の前記弾性発泡層は、前記電子導電剤としてのカーボンブラックを含むと共に1.16×10〜1.26×1012(Ω・cm)の電気抵抗率を有するフォームを用い、当該フォームの気泡壁面にカーボンブラックを固着させてなることを特徴とする請求項1に記載の現像装置。
  5. 前記現像剤供給部材の前記弾性発泡層は、少なくとも、ポリオール成分、ポリイソシアネートおよび発泡剤を含むことを特徴とする請求項1から4までのいずれか1項に記載の現像装置。
  6. 前記現像剤担持体は、その表面に、アクリル樹脂、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、ポリエステル樹脂、ポリアミド樹脂、シリコーン樹脂およびウレタン樹脂の少なくとも一つを含む表層を有することを特徴とする請求項1から5までのいずれか1項に記載の現像装置。
  7. 請求項1から6までのいずれか1項に記載の現像装置を備えた画像形成装置。
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