JP5245525B2 - 転写部材用クリーニングローラ及び画像形成装置 - Google Patents

転写部材用クリーニングローラ及び画像形成装置 Download PDF

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Description

本発明は、電子写真方式の画像形成装置、及びこの画像形成装置に使用される転写部材用クリーニングローラに関する。
電子写真方式の画像形成装置は、静電潜像を担持する静電潜像担持体を有する。画像形成の際は、先ず帯電装置により静電潜像担持体の外周面が所定の電位に均一に帯電された後、露光装置による露光により静電潜像担持体上に静電潜像が形成される。静電潜像担持体上に形成された静電潜像は、現像装置から供給されるトナーにより顕像化し、これにより、静電潜像担持体上にトナー像が形成される。静電潜像担持体上に形成されたトナー像は、直接または中間転写体を介して、用紙等の記録シートに転写される。トナー像が転写された記録シートは、定着装置により加熱および加圧され、これによりトナー像が記録シートに定着される。
カラー画像形成装置に関して、複数の色のトナー像を、静電潜像担持体から中間転写体へ順に重ねて転写(一次転写)し、中間転写体上に重ねられた複数色のトナー像を記録シートに転写(二次転写)する技術が提案されている。この種の画像形成装置において、二次転写を行うために用いられる転写部材としての二次転写ローラは、中間転写体の外周面に接触可能に配置される。中間転写体に二次転写ローラが接触した状態において二次転写ローラに転写電圧が印加されると、中間転写体と二次転写ローラとの間に、中間転写体上のトナーを二次転写ローラ側へ静電的に移動させる電界が形成される。これにより、中間転写体上のトナー像は、中間転写体と二次転写ローラとの接触部を通る記録シートに転写(二次転写)される。
この種の画像形成装置に関して、例えば中間転写体の非画像領域に付着しているトナーが二次転写ローラに転移してしまう問題がある。二次転写ローラの外周面にトナーが付着すると、二次転写ローラの外周面に付着したトナーが、中間転写体と二次転写ローラとの接触部を通過する記録シートの裏面に転移し、記録シートの裏面が汚れてしまうことがある。
また、記録シートとして用紙を使用する場合、用紙に付着した紙粉が二次転写ローラの外周面に付着することがある。二次転写ローラの外周面に紙粉が付着すると、二次転写ローラの電気抵抗が増大し、これにより二次転写不良が生じることがある。
これらの問題に鑑みて、特許文献1に、二次転写ローラの外周面にクリーニングブレードを接触して配置する技術が提案されている。特許文献1の技術によれば、二次転写ローラの外周面に付着したトナー及び紙粉等の異物がクリーニングブレードにより掻き取られるため、記録シート裏面のトナー汚れ、及び二次転写ローラへの紙粉の付着による二次転写不良を防止できる。
しかしながら、特許文献1の技術によれば、クリーニングブレードにより局所的に圧接されることにより二次転写ローラの外周面が摩耗したり、クリーニングブレード自体が摩耗したりする問題がある。
また、特許文献2には、中間転写体と二次転写ローラとの接触部を記録シートが通過していないとき、転写電圧と逆極性の電圧を二次転写ローラに印加することで、二次転写ローラに付着したトナーを中間転写体へ転移させる技術が開示されている。特許文献2の技術によれば、二次転写ローラ上のトナーが中間転写体へ転移した後に、中間転写体と二次転写ローラとの間に記録シートが搬送されるため、記録シート裏面のトナー汚れを防止できる。
しかし、トナー以外の異物(紙粉等)は、トナーと同極性に帯電しているとは限らないため、特許文献2の技術を使用しても、トナー以外の異物を除去することは困難である。
特開2000−181251号公報 特開平3−69978号公報
このような問題に鑑みて、二次転写ローラ等の転写部材の外周面からトナーや紙粉等の異物を除去するクリーニング部材として、芯金と、芯金の外周面を覆うポリウレタンフォーム層とからなるクリーニングローラを使用することが考えられる。
しかしながら、ポリウレタンフォーム層の素材の特性によっては、クリーニングローラで転写部材上の異物を効率的に除去できなかったり、クリーニングローラによる異物の回収性能が徐々に悪化したりすることがある。
そこで、本発明は、転写部材の外周面に付着したトナーや紙粉等の異物を効率的に回収し、その回収性能を長期間に亘って良好に維持できる転写部材用クリーニングローラ及びこれを備えた画像形成装置を提供することを目的とする。
上記課題を解決するため、本発明に係る転写部材用クリーニングローラは、
像担持体上のトナー像を記録シートに転写するために上記像担持体の外周面に接触して配置された転写部材の外周面に接触して配置され、上記転写部材の外周面に付着した異物を除去する転写部材用クリーニングローラであって、
芯金と、該芯金の外周面を覆うポリウレタンフォーム層とを有し、
上記ポリウレタンフォーム層は、1インチ当たりのセル数が30個以上60個以下であり、
上記ポリウレタンフォーム層のセルの壁面の開口率が3%以上40%以下であることを特徴とする。
また、本発明に係る画像形成装置は、
上記の転写部材用クリーニングローラと、
トナー像を担持する像担持体と、
該像担持体上のトナー像を記録シートに転写するために上記像担持体の外周面に接触して配置された転写部材と、を備え、
上記転写部材用クリーニングローラが、上記転写部材の外周面に接触して配置されていることを特徴とする。
本発明によれば、転写部材用クリーニングローラのポリウレタンフォーム層の1インチ当たりのセル数が30個以上であるため、転写部材とクリーニングローラとの接触部においてトナー等の異物に多数のセルを接触させることができる。また、ポリウレタンフォーム層の1インチ当たりのセル数が60個以下であり、各セルがある程度の大きさを有するため、紙粉等の比較的大きな異物も良好に掻き取ることができる。さらに、ポリウレタンフォーム層のセル壁面の開口率が3%以上40%以下であることから、ポリウレタンフォーム層の構造は、独立気泡構造に近い連続気泡構造となる。そのため、一般的な独立気泡構造のポリウレタンフォーム層よりも多くの異物を内部に取り込むことができるとともに、一般的な連続気泡構造と比較すると内部に異物が蓄積され難い。したがって、転写部材上の異物を効率的に回収し、その回収性能を長期間に亘って良好に維持できる。
以下、添付図面を参照して本発明の好適な実施形態を説明する。なお、以下の説明では、特定の方向を意味する用語(例えば、「上」、「下」、「左」、「右」、およびそれらを含む他の用語、「時計回り方向」、「反時計回り方向」)を使用するが、それらの使用は図面を参照した発明の理解を容易にするためであって、それらの用語の意味によって本発明は限定的に解釈されるべきものでない。
〔1.画像形成装置〕
図1は、本発明に係る電子写真式画像形成装置の画像形成に関連する部分を示す。画像形成装置は、複写機、プリンタ、ファクシミリ、およびそれらの機能を複合的に備えた複合機のいずれであってもよい。本実施形態では、所謂タンデム方式のカラー画像形成装置について説明するが、本発明は、その他のタイプの画像形成装置にも等しく適用でき、例えば、所謂4サイクル方式のカラー画像形成装置、又はモノクロの画像形成装置にも適用できる。
画像形成装置1は、像担持体である無端状の中間転写ベルト2を有する。中間転写ベルト2は、複数のローラ4,5に巻回されている。中間転写ベルト2の素材としては、例えばポリイミド樹脂が用いられる。本実施例において、図中右側のローラ4は、図示しないモータに駆動連結された駆動ローラ、図中左側のローラ5は従動ローラであり、モータが駆動されると、駆動ローラ4が図中反時計回り方向に回転駆動し、中間転写ベルト2及び従動ローラ5が図中反時計回り方向に回転するようにしてある。
中間転写ベルト2の下側の水平部分には、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、ブラック(K)の各色に対応した作像部3(3Y,3M,3C,3K)が配置されている。
図2は、作像部3を示す拡大図である。なお、4つの作像部3Y,3M,3C,3Kの構成は、使用するトナーの色を除いて共通している。作像部3は、静電潜像坦持体である感光体12を有する。感光体12の具体的な構成は後に説明する。感光体12は、図示しないモータに駆動連結されており、モータの駆動に基づいて矢印14方向に回転するようにしてある。感光体12の周囲には、感光体12の回転方向に沿って、帯電ステーション16、露光ステーション18、現像ステーション20、転写ステーション22、およびクリーニングステーション24が配置されている。
画像形成時、感光体12はモータ(図示せず)の駆動に基づいて時計周り方向に回転する。このとき、帯電ステーション16を通過する感光体外周部分は、帯電ローラ26で所定の電位に帯電される。帯電された感光体外周部分は、露光ステーション18で画像光30が露光されて静電潜像が形成される。静電潜像は、感光体12の回転と共に現像ステーション20に搬送され、そこで現像装置34によってトナー像として可視像化される。可視像化されたトナー像は、感光体12の回転と共に転写ステーション22に搬送され、そこで転写装置36により中間転写ベルト2に転写(一次転写)される。各色の画像形成動作は適宜タイミングを合わせて行われ、一次転写により、各色のトナー像が中間転写ベルト2上に重ね合わされる。転写ステーション22を通過した感光体外周部分はクリーニングステーション24に搬送され、そこで、中間転写ベルト2に転写されることなく感光体12の外周面に残存する現像剤が回収される。
図3は、駆動ローラ4に巻回されたベルト部分およびその周辺の構造を示す拡大図である。駆動ローラ4に巻回されたベルト部分には、転写部材としての二次転写ローラ2が接触して配置され、中間転写ベルト2と二次転写ローラ8との接触部に二次転写領域46が形成されている。二次転写領域46には、紙やフィルム等の記録シート38が搬送されるようにしてあり、二次転写領域46を通過するシート38には、中間転写ベルト2上のトナー像が転写(二次転写)されるようにしてある。トナー像が転写されたシート38は、図示しない定着ステーションに搬送され、そこでシート38にトナー像が固定される。二次転写領域46を通過したベルト部分は、図2に示すクリーニングブレード6との接触部に搬送され、そこで、シート38に転写されることなくベルト2の外周面に残存する現像剤が回収される。
二次転写ローラ8は、芯金48と、芯金48の外周面を覆う弾性層50とを有する。弾性層50としては、種々の素材を使用することができるが、例えばエピクロルヒドリンゴム、EPDM、シリコンゴム、NBR、又はウレタンゴムが用いられる。さらに、弾性層50には、カーボンブラックやイオン導電剤を添加することにより導電性を付与してもよい。またさらに、最表層に所望の平滑性を備えたスキン層を形成してもよい。二次転写ローラ8は、図示しないモータに駆動連結され、モータの駆動に基づいて図中時計回り方向に回転するようにしてある。二次転写ローラ8には、図示しない電源が接続され、この電源により二次転写電圧が印加されるようにしてある。なお、本発明においては、二次転写部材として、ローラ状でない転写部材を使用してもよく、例えば、上記の弾性層50と同様の弾性層を有するベルト状の部材(二次転写ベルト)等を使用することができる。
二次転写ローラ8の外周面には、本発明に係るクリーニングローラ54が接触して配置されている。以下、クリーニングローラ54の具体的な構成について説明する。
〔2.二次転写ローラ用クリーニングローラ〕
二次転写ローラ用クリーニングローラ54は、芯金56と、芯金56の外周を覆うポリウレタンフォーム層58とを有する。ポリウレタンフォーム層58の具体的な構成については、後に詳述する。クリーニングローラ54は、二次転写ローラ8と平行に、且つ、回転可能に配置されている。クリーニングローラ54は、図示しないモータに駆動連結され、モータの駆動に基づいて図中時計回り方向に回転するようにしてある。これにより、二次転写ローラ8とクリーニングローラ54は、それらの接触部(ニップ部)66において互いに反対方向に移動する方向(所謂カウンタ方向)に回転する。図4に示すように、ニップ部66では、二次転写ローラ8上のトナーや紙粉等の異物がクリーニングローラ54により掻き取られる。
クリーニングローラ54の周速度は、二次転写ローラ8の周速度に応じて決定される。具体的に、二次転写ローラ8の周速度Vに対するクリーニングローラ54の周速度Vの比率R(V/V)は、例えば0.3以上3以下となるように設定される。周速比R(V/V)を0.3よりも小さく設定すると、クリーニングローラ54による二次転写ローラ8上の異物の掻き取り力を十分に確保できない。他方、周速比R(V/V)を3よりも大きく設定すると、クリーニングローラ54のポリウレタンフォーム層58に過剰な負荷がかかってしまう。
クリーニングローラ54は、二次転写ローラ8への接触圧が5N以上30N以下となるように配置される。二次転写ローラ8への接触圧が5Nよりも小さいと、クリーニングローラ54による二次転写ローラ8上の異物の掻き取り力を十分に確保できない。他方、二次転写ローラ8への接触力が30Nよりも大きいと、二次転写ローラ8に過剰な負荷がかかってしまう。
クリーニングローラ54は、その周方向においてクリーニングローラ54と二次転写ローラ8との接触ニップ幅が3mm以上8mm以下となるように配置することが好ましい。接触ニップ幅を3mm以上とすることで、クリーニングローラ54による二次転写ローラ8上の異物の掻き取り力を十分に確保でき、接触ニップ幅を8mm以下とすることで、二次転写ローラ8にかかる負荷を抑制できる。
二次転写ローラ8へのポリウレタンフォーム層58の食い込み量は、ポリウレタンフォーム層58の厚みの3%以上40%以下とすることが好ましい。食い込み量を3%以上とすることで、クリーニングローラ54による二次転写ローラ8上の異物の掻き取り力を十分に確保でき、食い込み量を40%以下とすることで、クリーニングローラ54のポリウレタンフォーム層58にかかる負荷を抑制できる。
図3に戻って、クリーニングローラ54の外周面には、例えばブレード状の掻き取り部材70が接触して配置されている。クリーニングローラ54と掻き取り部材70との接触部では、クリーニングローラ54のポリウレタンフォーム層58の内部に含まれた異物の一部が掻き取り部材70により掻き取られる。これにより、ポリウレタンフォーム層58の内部に過剰の異物が蓄積されることを防止できる。ただし、本発明において、掻き取り部材70は必ずしも設けなくてもよい。
なお、クリーニングローラ54には、所定の電圧を印加するための電源を接続するようにしてもよい。この場合、電源がオンにされることにより、クリーニングローラ54に所定の電圧が印加されると、クリーニングローラ54と二次転写ローラ8との間に、二次転写ローラ8上のトナーを静電的にクリーニングローラ54へ移動させる電界が形成され、これにより、二次転写ローラ8上のトナーを一層効率的に回収できる。
〔3.クリーニングローラのポリウレタンフォーム層〕
図5に示すように、ポリウレタンフォーム層58は多数のセル(気泡)80を有する。壁面に開口82を有するセル80は、その開口82を介して別のセル80に連なっている。セル80の壁面全体の面積Sに対する開口82の面積Sの比率(S/S×100)を開口率としたとき、ポリウレタンフォーム層58のセルの壁面の開口率は、3%以上40%以下である。かかる開口率は、公知のメカニカルフロス法等で製造される一般的な独立気泡構造のポリウレタンフォームの開口率(1%程度)よりも高く、公知の化学的発泡法等で製造される一般的な連続気泡構造のポリウレタンフォームの開口率(60%程度)よりも低い。すなわち、ポリウレタンフォーム層58は、独立気泡構造に近い連続気泡構造を有する。そのため、一般的な独立気泡構造のポリウレタンフォーム層よりも多くの異物を内部に取り込むことができる。したがって、ポリウレタンフォーム層58の表面のセルに異物が滞留して固着することを防止でき、これにより、ポリウレタンフォーム層58による掻き取り性が悪化したり、ポリウレタンフォーム層58の表面の固着物により二次転写ローラ8の表面が損傷したりすることを防止できる。また、ポリウレタンフォーム層58は、一般的な連続気泡構造と比較すると内部に異物が詰まり難い。そのため、クリーニングローラ54による異物の回収性能を長期に亘って良好に維持できる。
その上、ポリウレタンフォーム層58は、その1インチ当たりのセル数が30個以上60個以下である。このセル数は、一般的な独立気泡構造のポリウレタンフォームの1インチ当たりのセル数(100個程度)よりも少なく、一般的な連続気泡構造のポリウレタンフォームの1インチ当たりのセル数(25個程度)よりも多い。すなわち、ポリウレタンフォーム層58は、クリーニングローラ54と二次転写ローラ8とのニップ部66において、一般的な連続気泡構造のポリウレタンフォームよりも多数のセルを異物に接触させることができ、トナーや外添剤等の小粒径の異物を良好に掻き取ることができる。また、ポリウレタンフォーム層58の各セルが、一般的な独立気泡構造のポリウレタンフォームよりは大きいため、紙粉等の比較的な大きな異物も良好に掻き取ることができる。
また、ポリウレタンフォーム層58は、一般的な連続気泡構造のものと同程度に低い硬度を有する。本明細書において、ポリウレタンフォーム層58の硬度は、ポリウレタンフォーム層58の厚さの表面側30%分の深さまで(ポリウレタンフォーム層58の厚みが元の70%になるまで)所定の押し当て面に押し込まれたときに該押し当て面が受ける単位長さ当たりの荷重の大きさで表す。ポリウレタンフォーム層58の硬度の測定方法を具体的に説明すると、直径55mmのアルミニウム製の円板からなる押し当て面を有する金属製の測定台の上方において、クリーニングローラ54の芯金56の両端を可動式の支持部材により支持し、支持部材を駆動することでクリーニングローラ54を下方へ移動させて、クリーニングローラ54のポリウレタンフォーム層58を測定台の押し当て面に押し当てる。つまり、クリーニングローラ54に対し、押し当て面がポリウレタンフォーム層58の厚み方向に押し込まれる。ポリウレタンフォーム層58の厚みが元の70%になるまで押し当て面が押し込まれた時点で支持部材を停止させ、この状態で押し当て面が受ける荷重の大きさを測定する。このようにして測定されるポリウレタンフォーム層58の硬度は、2gf/mm以上6gf/mm以下であることが好ましい。これにより、ポリウレタンフォーム層58の硬度は、一般的な独立気泡構造のポリウレタンフォーム層の硬度(8.5gf/mm程度)よりも小さく、一般的な連続気泡構造のポリウレタンフォーム層の硬度(0.8gf/mm程度)よりも大きいこととなる。ポリウレタンフォーム層58の硬度を2gf/m以上とすることで、ポリウレタンフォーム層58による異物の掻き取り力を十分に確保でき、これにより、二次転写ローラ8上の異物が、二次転写ローラ8とポリウレタンフォーム層58とのニップ部66をすり抜けることを防止できる。ポリウレタンフォーム層58の硬度を6gf/m以下とすることで、ポリウレタンフォーム層58が過剰な力で二次転写ローラ8の外周面を押圧することを防止して、これにより、二次転写ローラ8上の異物がポリウレタンフォーム層58により押し潰されて二次転写ローラ8の表面にフィルミング(被膜)が発生することを防止できる。
さらに、ポリウレタンフォーム層58のセルの径の平均値は、150μm以上500μm以下であることが好ましい。このセルの径の平均値は、一般的な連続気泡構造のポリウレタンフォーム層のセル径(700μm程度)よりも小さく、一般的な独立気泡構造のポリウレタンフォーム層のセル径(80μm程度)よりも大きい。すなわち、ポリウレタンフォーム層58は、一般的な連続気泡構造のポリウレタンフォーム層よりも微細なセルを有するため、二次転写ローラ8上の異物に接触する頻度が高く、より確実に現像剤を掻き取ることができる。これにより、平均粒径が4.5μm以上7.0μm以下である小粒径のトナーを使用する場合であっても、ポリウレタンフォーム層58によりトナー及びそのトナーの外添剤を確実に掻き取ることができる。なお、本明細書でいう平均粒径とは、シスメックス社製のフロー式粒子像分析装置FPIA−2100を使用した測定により得られる体積平均粒径を指すものとする。ここで、体積平均粒径とは、次の方法により求められる粒径をいう。先ず、粒子毎に投影面積を算出し、算出された粒子投影面積と同じ投影面積を持つ球を想定して、その球の直径および体積をそれぞれ粒子径および粒子の体積とする。この方法により所定の個数の粒子について粒子径と体積を求めた後、粒子径を横軸とし体積の積算値を縦軸とした体積基準の分布を表し、この体積基準分布の累積値が全体の50%となる粒径を、体積平均粒径とする。また、ポリウレタンフォーム層58は、一般的な独立気泡構造のポリウレタンフォーム層よりも大きなセルを有するため、紙粉等の比較的大きな異物を確実にセル内に取り込むことができる。
さらにまた、ポリウレタンフォーム層58の密度は0.03g/cm以上0.2g/cm以下であることが好ましい。ポリウレタンフォーム層58の密度を0.2g/cm以下とすることで、ポリウレタンフォーム層58の柔軟性を十分に確保して、二次転写ローラ8がポリウレタンフォーム層58により過剰な力で押圧されることを防止できる。また、ポリウレタンフォーム層58の密度を0.03g/cm以上とすることで、ポリウレタンフォーム層58の強度を十分に確保して、紙詰まり時におけるユーザーによる記録シート38の引き抜き等により大きな負荷がかかっても、ポリウレタンフォーム層58が破損することを防止できる。
二次転写ローラ8とクリーニングローラ54との間に所定の電界を形成する場合、ポリウレタンフォーム層58には導電性が付与される。この場合、ポリウレタンフォーム層58の体積抵抗率は10Ωcm以上10Ωcm以下であることが好ましい。これにより、ポリウレタンフォーム層58が適度な導電性を備え、二次転写ローラ8とクリーニングローラ54との間に適正な電界を形成できる。
〔4.ポリウレタンフォームの製造方法〕
以上の構成からなるポリウレタンフォーム層58に関して、その材料であるポリウレタンフォームの製造方法について説明する。
本発明に使用されるポリウレタンフォームは、公知のメカニカルフロス法と公知の化学的発泡法とを組み合わせた方法で製造される。
メカニカルフロス法と化学的発泡法は、ポリオールとイソシアネートとを混合して発泡を行う点では共通している。ところが、メカニカルフロス法では、原料として発泡剤を使用せず、不活性ガス等の気泡形成用の気体を混入することにより物理的な発泡を行うのに対して、化学的発泡法では、原料として発泡剤を使用し、イソシアネートと発泡剤との化学反応により化学的な発泡を行う点で相違する。メカニカルフロス法を採用する場合、均質な独立気泡構造のポリウレタンフォームを製造できるが、低密度である連続気泡構造のポリウレタンフォームを製造することが困難である。一方、化学的発泡法を採用する場合、低密度である連続気泡構造のポリウレタンフォームを容易に製造できるが、均質な独立気泡構造のポリウレタンフォームを製造することが困難である。
これらの従来の製造方法に対して、本発明に使用するポリウレタンフォームの製造方法では、メカニカルフロス法で使用されるポリオール、イソシアネート及び気泡形成用の気体に加えて、化学的発泡法で使用される発泡剤が原料として使用され、これにより、気泡形成用の気体の混入による物理的発泡と、イソシアネートと発泡剤の化学反応に伴う化学的発泡とが組み合わされることとなる。そのため、物理的発泡により形成された均質なセル同士が、化学的発泡により繋ぎ合わされ、均質で且つ低密度のポリウレタンフォーム、すなわち、独立気泡構造に近い連続気泡構造のポリウレタンフォームを製造できる。以下、具体的な製造方法について説明する。
本発明に使用されるポリウレタンフォームは、最初から順に原料調整工程、混合工程、加熱工程を経て製造される。
原料調整工程では、ポリウレタンフォームの製造に使用される各原料が調整される。原料としては、ポリオール、イソシアネート、不活性ガス等の気泡形成用の気体、発泡剤、および触媒等の副原料が使用される。
ポリオールとしては、例えば、活性水素基を有する公知のポリオールが単独で又は2種類以上が併せて使用される。具体的に、使用されるポリオールとしては、例えば、ポリエーテルポリオール、ポリエステルポリオール、ポリカーボネートポリオール又はポリジエン系ポリオール等が挙げられる。イソシアネートとしては、例えば、トルエンジフェニルジイソシアネート(TDI)、TDIプレポリマー、メチレンジフェニルジイソシアネート(MDI)、クルードMDI、ポリメリックMDI、ウレトジオン変性MDI又はカルボジイミド変性MDI等の公知の芳香族系、脂肪族系または脂環族系等の各種ポリイソシアネートが使用される。気泡形成用の気体としては、例えば窒素が使用される。発泡剤としては、イソシアネートとの化学反応により気体を発生させる原料が用いられ、具体的には水等が使用される。発泡剤は、混合工程の前に予めポリオールに混合される。触媒としては、例えば、アミン系触媒と有機酸塩系触媒が使用される。アミン系触媒は、主として迅速な化学的発泡を促すために使用され、有機酸塩系触媒は、主としてポリウレタンフォームの骨格を硬化させるために使用される。有機酸塩系触媒としては、所要の加熱によって触媒効果を発揮する感熱性触媒を使用することが好ましい。これにより、ポリウレタンフォームの骨格の硬化を、アミン系触媒が担う化学的発泡よりも遅らせることができ、化学的発泡を確実に起こすことができる。
ポリウレタンフォームの硬度を決定する要因として、例えば、ポリオールの種類とイソシアネートインデックスが挙げられる。なお、本明細書において、イソシアネートインデックスとは、発泡剤の水酸基とポリオールの水酸基の合計モル数Mに対する、イソシアネートのイソシアネート基のモル数Nの比率N/Mの百分率を指す。ポリウレタンフォームを上述した所望の硬度となるように形成するためには、ポリオールとして、例えば、分子量が1000〜6000で且つ官能基数が2〜5であるポリエーテルポリオール又はポリエステルポリオールが好適に使用され、イソシアネートインデックスは90〜110に調整することが好ましい。
発泡剤として水を使用する場合、各原料を混合したときに、水とイソシアネートとの化学反応により二酸化炭素が発生し、これにより気泡(セル)が形成される。微細なセルを有し且つ低密度のポリウレタンフォームを形成するためには、水とイソシアネートとの化学反応により発生する二酸化炭素を、気泡形成用の気体により物理的に生じる気泡(セル)の内部に入り込ませる必要がある。かかる目的を達成するためには、水の混合量を、ポリオール100質量部に対して0.3〜1.5質量部に調整することが好ましい。
混合工程では、水等の発泡剤が混合されたポリオール、イソシアネート、気泡形成用の気体、および触媒等が混合される。これにより先ず、物理的な発泡が生じ、気泡形成用の気体を核とする均質な気泡(セル)が形成される。その後、ポリオールに含まれる発泡剤とイソシアネートとが化学反応を起こすことで、二酸化炭素等の気体が発生し、この気体が、物理的発泡により形成されたセルに入り込んで、全体的にセルの径が大きくなり、セル同士が繋げられる。これにより、均質でありながら、大きな径を有するセルが形成される。
加熱工程では、混合原料に所要の加熱を行うことで、樹脂化反応を促進させ、ポリウレタンフォームの骨格を硬化させる。加熱工程における加熱温度および加熱時間は、公知のメカニカルフロス法に準じ、ポリウレタンフォームの原料に応じて適宜決定される。
以上に説明した製造方法によれば、メカニカルフロス法で製造されるポリウレタンフォームに比べて、セル壁面の開口率が高いポリウレタンフォームが形成される。そのため、導電性物質等を含有する溶液にポリウレタンフォームを含浸させるとき、ポリウレタンフォームに溶液が浸透しやすいことから、導電性等の機能を容易に付与できる。
このようにして製造されたポリウレタンフォームを、所望の形状に加工し、芯金に固定することで、クリーニングローラ54が製造される。なお、必要に応じて、ポリウレタンフォームに芯金を固定する前に、導電性物質等を含有する溶液へポリウレタンフォームを含浸させる工程と、溶液へ含浸させた後のポリウレタンフォームを乾燥させる工程を設けてもよい。
以上、上述の実施形態を挙げて本発明を説明したが、本発明は上述の実施形態に限定されるものではない。
例えば、本発明において、ポリウレタンフォーム層の製造方法は、必ずしも上述の実施形態に限られず、別の方法でポリウレタンフォーム層を製造することを妨げないものとする。
また、上述の実施形態では、二次転写ローラ用のクリーニングローラに本発明を適用する場合について説明したが、本発明は、二次転写ローラ以外の転写ローラ(例えば、静電潜像担持体上のトナー像を記録シートに直接転写するために使用される転写ローラ)用のクリーニングローラにも等しく適用できる。
二次転写ローラ用クリーニングローラのポリウレタンフォーム層の好適な物性を確認する試験を行った。具体的に、ポリウレタンフォーム層の物性として、セル数、セル壁面の開口率、硬さ、平均セル径、密度および体積抵抗率の好適な値を確認した。
画像形成装置としては、コニカミノルタ社製のMagicolor5570の画像形成装置を使用し、適宜改造した二次転写ローラ用クリーニングローラを画像形成装置に搭載した。なお、上述の実施形態に係る掻き取り部材70は搭載しなかった。
二次転写ローラ用クリーニングローラのポリウレタンフォーム層としては、表1に示す材料1〜材料16のいずれかの材料からなるものを使用した。これら材料1〜材料16は、原料としてポリオール、イソシアネート、アミン系触媒、有機酸塩系触媒、水(発泡剤)および整泡剤を使用して、上述の実施形態で説明した方法により製造した。具体的に、ポリオールとしては、ポリエーテルポリオール(商品名 アクトコールED−37B(数平均分子量3000);三井武田化学製)を使用した。イソシアネートしては、メチレンジフェニルジイソシアネート(MDI)(商品名 ミリオネート MTL−S;日本ポリウレタン製)を使用した。アミン系触媒としては、花王製のカオライザー No.23NPを使用した。有機酸塩系触媒としては、PANTECHNOLOGY製のEP73660Aを使用した。整泡剤としては、直鎖ジメチルポリシロキサン(商品名 Niaxsilicone L5614;GESilicones製)を使用した。各原料の使用量は、表1に示す通りである。
Figure 0005245525
材料1〜材料16の物性値の測定方法について説明する。セル数に関しては、クリーニングローラの表面(軸方向3箇所×周方向8箇所)を走査電子顕微鏡(SEM)により観察し、観察箇所毎に1インチ当たりのセルの個数を計測し、それらの平均値を算出した。セル壁面の開口率に関しては、クリーニングローラの外周面を走査電子顕微鏡(SEM)により100倍の倍率で観察し、観察した表面のセルの壁面について開口の面積Sと全体の面積Sを算出して、開口率(S/S×100)を求めた。硬さに関しては、ポリウレタンフォーム層の厚みが元の70%になるまで、ポリウレタンフォーム層に直径55mmのアルミニウム製の円板からなる押し当て面を押し込んだときに、その押し当て面が受ける単位長さ当たりの荷重を計測し、この計測値(gf/mm)を硬さとした。平均セル径は、供給ローラの表面(軸方向3箇所×周方向8箇所)を走査電子顕微鏡(SEM)により観察し、観察箇所毎に10個(合計240個)のセルの直径を計測し、それらの計測値より算出した。密度については、クリーニングローラの重量から芯金の重量を減算することでポリウレタンフォーム層の重量を求め、寸法に基づきポリウレタンフォーム層の体積を求めて、それらの重量と体積より密度を算出した。
トナーとしては、平均粒径が異なる2種類のトナー(トナーA及びトナーB)を使用し、平均粒径が4.5μmであるトナーAを使用する実験例A1〜実験例A16と、平均粒径が7.0μmであるトナーBを使用する実験例B1〜実験例B16を設定した。全ての実験例において、二次転写ローラ用クリーニングローラと二次転写ローラとの電位差を50Vとし、マイナスに荷電されたトナーに対してクリーニングローラ側に吸引力が働くように設定した。また、全ての実験例において、クリーニングローラの回転方向を二次転写ローラに対して所謂カウンタ方向に設定して、二次転写ローラの周速度Vに対するクリーニングローラの周速度Vの比率R(V/V)を0.5に設定した。各実験例について、使用するポリウレタンフォーム層の材料は、表2及び表3に示す通りである。各実験例のポリウレタンフォーム層には、表2及び表3に示す体積抵抗率となるように導電性を付与した。また、各実験例について、感光体へのクリーニングローラの接触圧、感光体とクリーニングローラとの接触ニップ幅、及び感光体へのクリーニングローラの食い込み量を表2及び表3に示すように設定した。
実験例ごとに、雰囲気温度28℃相対湿度85%の環境下で上記の画像形成装置を使用してベタ画像を5万枚連続プリントし、連続プリント初期の画質、用紙裏面のトナー汚れの有無、連続プリント終了後の二次転写ローラの表面の傷、及び、用紙の搬送性に関する評価を行った。
併せて、用紙の引き抜き試験を行い、二次転写ローラ用クリーニングローラの耐久性を評価した。用紙の引き抜き試験では、中間転写ベルトと二次転写ローラとの間に挟まった用紙を引き抜く動作を繰り返し行い、二次転写ローラ用クリーニングローラの破損の有無を確認した。
用紙裏面の汚れに関する評価は、用紙裏面の汚れが発生しなかった場合を「なし」と表し、用紙裏面の汚れが発生した場合は発生時のプリント枚数を表した(表2及び表3参照)。
二次転写ローラの傷に関する評価は、傷が発生しなかった場合を「A」で表し、軽微な傷が発生した場合を「B」で表し、傷の発生が顕著であった場合を「C」で表した(表2及び表3参照)。
用紙の搬送性に関する評価は、全く紙詰まりが発生しなかった場合を「◎」で表し、一度発生したがセットし直して再度スタートさせると発生しなかった場合を「○」で表し、セットし直して再度スタートさせても紙詰まりが発生した場合を「×」で表すとともに、その発生時のプリント枚数を記載した(表2及び表3参照)。
用紙の引き抜き試験に関して、クリーニングローラの耐久性の評価は、用紙の引き抜き動作を10000回行ってもクリーニングローラのポリウレタン層が破損しなかった場合を「○」で表し、ポリウレタンフォーム層が破損した場合を「×」で表すとともに、その破損時の引き抜き回数を記載した(表2及び表3参照)。
表2及び表3に示す試験結果について検討する。
材料1〜材料12を使用した実験例A1〜実験例A12及び実験例B1〜実験例B12については、初期の画質の評価、用紙裏面のトナー汚れに関する評価、二次転写ローラの傷に関する評価、用紙の搬送性に関する評価、及び用紙の引き抜き試験におけるクリーニングローラの耐久性の評価がいずれも良好であった。これに対して、材料13〜材料16を使用した実験例A13〜実験例A16及び実験例B13〜実験例B16については、一部を除いて評価が悪かった。
材料13を使用した実験例A13及び実験例B13の結果について詳細に検討する。これらの実験例では、1000枚プリントした時点で用紙裏面のトナー汚れが発生した。これは、材料13の1インチ当たりのセル数(25個)が他の材料の1インチ当たりのセル数(30〜65個)よりも少ないことから、セルの壁面が二次転写ローラ上の現像剤に接触する頻度が低く、二次転写ローラ上の現像剤をクリーニングローラにより十分に掻き取れないためであると考えられる。また、クリーニング不良により二次転写ローラの外周面に固着物が発生し、この固着物がクリーニングローラにより押圧されることで、二次転写ローラの表面に軽微な傷が発生したものと考えられる。さらに、8000枚プリントした時点で紙詰まりが発生した。これは、上述のように材料13のセル数が比較的少なく、セルの壁面が二次転写ローラ上の現像剤のみならず紙粉等の大きな異物に接触する頻度も低いことから、二次転写ローラ上に残留する異物の量が徐々に増加し、用紙の搬送性が悪化したためだと考えられる。また、用紙の引き抜き試験では、5000回目の引き抜き動作時にクリーニングローラのポリウレタンフォーム層が破損した。これは、材料13の平均セル径(550μm)が他の材料の平均セル径(150〜500μm)よりも大きく、ポリウレタンフォーム層に大きな空間部分を有することから、構造的に強度が弱いためだと考えられる。加えて、連続プリント初期の画質が悪かった理由は、二次転写ローラ上の付着物を十分に掻き取れないため、この付着物により二次転写ローラの抵抗むらが発生し、これに起因する濃度むらが発生したためだと考えられる。このことから、ポリウレタンフォーム層の1インチ当たりのセル数は30個以上であることが好ましいことが分かった。
材料14を使用した実験例A14及び実験例B14の結果について詳細に検討する。これらの実験例でも、1000枚プリントした時点で用紙裏面のトナー汚れが発生した。これは、材料14の1インチ当たりのセル数(65個)が他の材料の1インチ当たりのセル数(25〜60個)よりも多いことから、クリーニングローラ表面の細かすぎるセルが現像剤により埋め尽くされるとともに、紙粉等の大きな異物をクリーニングローラの内部に取り込み難いことに起因するものと考えられる。すなわち、クリーニングローラの表面のセルにおいて、紙粉等の大きな異物をコアとして現像剤が凝集し、これにより、クリーニングローラによる異物の掻き取り性が悪化したためだと考えられる。また、クリーニング不良により二次転写ローラの外周面に固着物が発生し、この固着物がクリーニングローラにより押圧されることで、二次転写ローラの表面に軽微な傷が発生したものと考えられる。さらに、1000枚プリントした時点で紙詰まりが発生した。これは、上述のように紙粉等の大きな異物をクリーニングローラの内部に取り込み難いため、大きな異物が二次転写ローラの表面に残留しやすく、これにより、用紙の搬送性が悪化したためだと考えられる。このことから、ポリウレタンフォーム層の1インチ当たりのセル数は60個以下であることが好ましいことが分かった。したがって、ポリウレタンフォーム層の1インチ当たりのセル数は30個以上60個以下であることが好ましい。
材料15を使用した実験例A15及び実験例B15の結果について詳細に検討する。これらの実験例では、3000枚プリントした時点で用紙裏面のトナー汚れが発生した。これは、材料15のセル壁面の開口率(1%)が他の材料のセル壁面の開口率(3〜50%)よりも低く、材料15が完全な独立気泡構造に近い構造を有するためだと考えられる。具体的に説明すると、ポリウレタンフォーム層の構造上、クリーニングローラに掻き取られた異物がポリウレタンフォーム層の内部に入り込み難く、クリーニングローラ表面のセルが異物で埋め尽くされやすいため、セルの壁面が二次転写ローラの外周面に接触し難くなったためだと考えられる。また、ポリウレタンフォーム層の表面のセル内で異物の凝集物または固着物が生じ、これらの凝集物または固着物により二次転写ローラの外周面が傷ついたものと考えられる。さらに、5000枚プリントした時点で紙詰まりが発生した。これは、クリーニングローラにより掻き取られず二次転写ローラ上に残留する異物の量が徐々に増加し、用紙の搬送性が悪化したためだと考えられる。このことから、ポリウレタンフォーム層のセル壁面の開口率は3%以上であることが好ましいことが分かった。
材料16を使用した実験例A16及び実験例B16の結果について詳細に検討する。これらの実験例では、10000枚プリントした時点で用紙裏面のトナー汚れが発生した。これは、材料16のセル壁面の開口率(50%)が、他の材料のセル壁面の開口率(1〜40%)よりも高いことから、プリント枚数の増加に伴いポリウレタンフォーム層の内部に異物が蓄積されていき、クリーニングローラの掻き取り力が低下したためだと考えられる。また、クリーニング不良により二次転写ローラの外周面に固着物が発生し、この固着物がクリーニングローラにより押圧されることで、二次転写ローラの表面に軽微な傷が発生したものと考えられる。さらに、10000枚プリントした時点で紙詰まりが発生した。これは、クリーニングローラにより掻き取られず二次転写ローラ上に残留する異物の量が徐々に増加し、用紙の搬送性が悪化したためだと考えられる。このことから、ポリウレタンフォーム層のセル壁面の開口率は、40%以下であることが好ましいことが分かった。したがって、ポリウレタンフォーム層のセル壁面の開口率は、3%以上40%以下であることが好ましい。
また、いずれの評価も良好であった実験例A1〜実験例A12及び実験例B1〜実験例B12では、ポリウレタンフォーム層の硬さが2〜6gf/mmである。このことから、ポリウレタンフォーム層の硬さは2gf/mm以上6gf/mm以下であれば、その他の条件を満たすことで十分なクリーニング性能を確保できることを確認できた。
さらに、いずれの評価も良好であった実験例A1〜実験例A12及び実験例B1〜実験例B12では、ポリウレタンフォーム層の平均セル径が150〜500μmである。このことから、ポリウレタンフォーム層の平均セル径は、150μm以上500μm以下であれば、その他の条件を満たすことで十分なクリーニング性能を確保できることを確認できた。
加えて、いずれの評価も良好であった実験例A1〜実験例A12及び実験例B1〜実験例B12では、ポリウレタンフォーム層の密度が0.03〜0.2g/cmである。このことから、ポリウレタンフォーム層の密度が0.03g/cm以上0.2g/cm以下であれば、その他の条件を満たすことで十分なクリーニング性能を確保できることを確認できた。
また、いずれの評価も良好であった実験例A1〜実験例A12及び実験例B1〜実験例B12では、ポリウレタンフォーム層の体積抵抗率が10Ωcm〜10Ωcmである。このことから、ポリウレタンフォーム層の体積抵抗率が10Ωcm以上10Ωcm以下であれば、その他の条件を満たすことで十分なクリーニング性能を確保できることを確認できた。
さらに、平均粒径が4.5μmであるトナーAを使用した実験例A1〜実験例A12、及び平均粒径が7.0μmであるトナーBを使用した実験例B1〜実験例B12において、いずれの評価も良好であったことから、平均粒径が4.5μm以上7.0μm以下である小粒径のトナーを使用する場合、上述の諸条件を満たすことで二次転写ローラ上のトナーを確実に回収できることを確認できた。
Figure 0005245525
Figure 0005245525
本発明に係る画像形成装置の概略構成を示す図である。 画像形成装置の作像部を拡大して示す図である。 二次転写領域およびその周辺部を示す図である。 二次転写ローラとクリーニングローラとの接触部を示す拡大断面図である。 ポリウレタンフォーム層のセル構造を示す図である。
符号の説明
1:画像形成装置、2:中間転写ベルト、3:作像部、4:駆動ローラ、5:従動ローラ、8:二次転写ローラ、12:感光体、16:帯電ステーション、18:露光ステーション、20:現像ステーション、22:転写ステーション、24:クリーニングステーション、26:帯電装置、28:露光装置、30:画像光、32:通路、34:現像装置、36:一次転写装置、38:シート、40:クリーニング装置、42:ハウジング、44:現像ローラ、54:二次転写ローラ用クリーニングローラ、56:芯金、58:ポリウレタンフォーム層、66:二次転写ローラとクリーニングローラとの接触部(ニップ部)、70:掻き取り部材、80:ポリウレタンフォーム層のセル、82:セル壁面の開口。

Claims (11)

  1. 像担持体上のトナー像を記録シートに転写するために上記像担持体の外周面に接触して配置された転写部材の外周面に接触して配置され、上記転写部材の外周面に付着した異物を除去する転写部材用クリーニングローラであって、
    芯金と、該芯金の外周面を覆うポリウレタンフォーム層とを有し、
    上記ポリウレタンフォーム層は、1インチ当たりのセル数が30個以上60個以下であり、
    上記ポリウレタンフォーム層のセルの壁面の開口率が3%以上40%以下であることを特徴とする転写部材用クリーニングローラ。
  2. 上記ポリウレタンフォーム層は、該ポリウレタンフォーム層の厚さの表面側30%分の深さまで所定の押し当て面に押し込まれたときに該押し当て面が受ける単位長さ当たりの荷重が2gf/mm以上6gf/mm以下とされていることを特徴とする請求項1に記載の転写部材用クリーニングローラ。
  3. 上記セルの径の平均値が150μm以上500μm以下であることを特徴とする請求項1または2に記載の転写部材用クリーニングローラ。
  4. 上記ポリウレタンフォーム層の密度が0.03g/cm以上0.2g/cm以下であることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の転写部材用クリーニングローラ。
  5. 上記ポリウレタンフォーム層の体積抵抗率が10Ωcm以上10Ωcm以下であることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の転写部材用クリーニングローラ。
  6. 上記ポリウレタンフォーム層は、ポリオールと、イソシアネートと、気泡形成用の気体と、イソシアネートとの化学反応により気体を発生させる発泡剤とを混合して製造されることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の転写部材用クリーニングローラ。
  7. 請求項1〜6のいずれかに記載の転写部材用クリーニングローラと、
    トナー像を担持する像担持体と、
    該像担持体上のトナー像を記録シートに転写するために上記像担持体の外周面に接触して配置された転写部材と、を備え、
    上記転写部材用クリーニングローラが、上記転写部材の外周面に接触して配置されていることを特徴とする画像形成装置。
  8. 上記転写部材への上記転写部材用クリーニングローラの接触圧が5N/m以上30N/m以下であることを特徴とする請求項7に記載の画像形成装置。
  9. 上記転写部材への上記ポリウレタンフォーム層の食い込み量が、上記ポリウレタンフォーム層の厚みの5%以上40%以下であり、
    上記転写部材用クリーニングローラの周方向において上記転写部材用クリーニングローラと上記転写部材との接触ニップ幅が3mm以上8mm以下であることを特徴とする請求項7または8に記載の画像形成装置。
  10. 上記ポリウレタンフォーム層の内部に含まれた異物を掻き出すための掻き出し部材が、上記転写部材用クリーニングローラの外周面に接触して配置されていることを特徴とする請求項7〜9のいずれかに記載の画像形成装置。
  11. 上記転写部材と上記転写部材用クリーニングローラは、上記転写部材と上記クリーニングローラの接触部において互いに反対方向に移動する方向に回転するようにしてあることを特徴とする請求項7〜10のいずれかに記載の画像形成装置。
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