JP2010039131A - クリーニング装置及び画像形成装置 - Google Patents

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修 成瀬
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Abstract

【課題】転写残トナーや未転写トナーを良好にクリーニングすることができるクリーニング装置と、それを備えた画像形成装置を提供する。
【解決手段】中間転写体501や感光体101〜104に残留したトナーを除去回収するクリーニング装置525(301〜304)であり、中間転写体(感光体)に接触配置され所定の電圧が印加されトナーの帯電極性を揃える極性制御部材520、極性制御部材の下流側に配置されトナーを中間転写体(感光体)から静電力で除去するクリーニング部材521、クリーニング部材に接触配置され所定の電圧が印加されクリーニング部材から電気的にトナーを回収する第1、第2の回収部材522、523を備えている。中間転写体上の未転写トナーの除去時には中間転写体クリーニング装置から感光体クリーニング装置迄の距離を残トナーが移動する時間分だけ感光体クリーニング装置を動作させる。
【選択図】図2

Description

本発明は、静電クリーニング方式を用いたクリーニング装置に係り、特に転写残トナーの極性を単一に揃えた後に、それと反対極性の電圧をクリーニング部材に印加してトナークリーニングを行うクリーニング装置と、そのクリーニング装置を備えた画像形成装置に関する。
近年主流となっているカラー画像形成装置においては、転写材として従来広く用いられてきた普通紙の他に、デザインとして表面に凹凸を有する特殊紙やアイロンプリントなどの熱転写に用いる特殊な転写紙が用いられることが増えている。
このような特殊紙を用いる場合は従来の普通紙の場合よりもカラートナーを重ね合わせた中間転写体上のトナー像を紙に転写する際に転写不良が発生することがあり、画質を低下させる。そこで、中間転写体をベルト状部材で構成し、トナー像を担持している中間転写ベルトに弾性をもたせることにより、転写時の紙との接触性を高めることが行われている。
また、さらに高画質化の要望が高まり、画像形成に用いる着色粉体であるトナーは小粒径化傾向にある。また、トナー製造コストの低減および転写率向上の要望から粉砕トナーではなく、重合法等により球形化トナーを採用する画像形成装置が製品化されている。それに伴い、作像後、像担持体上に残留したトナーを除去する手段として主に用いられてきたブレードクリーニング方式は、ゴムブレードを像担持体に当接させてトナーを除去するので、ブレードと像担持体表面の密着の精度が低いとトナーがすり抜けてしまい、クリーニング性が低下しやすい。それを防ごうとしてブレードを強い当接圧で押しつけると、ブレードのめくれが発生し、いわゆるスジ状あるいは帯状のクリーニング不良を引き起こす原因となるため、安定したクリーニング性能を保ちつづけることが困難である。球形トナーでも線圧を極端に高くすれば(具体的には線圧:100gf/cm以上)クリーニングできるが、その分クリーニングブレードの磨耗やベルトのキズ等により寿命が極端に短くなる。通常の線圧:20gf/cmでのクリーニングブレード寿命(削れてクリーニング不良が発生する時の寿命)は、約120kpである。線圧:100gf/cmの時は、クリーニングブレードの寿命は約20kp程度である。
また、転写性が良いとされている球形トナーに対して、ブレードクリーニング性は、粉砕(異型)トナーに対するクリーニング性より劣ることは良く知られていることである。
このような中間転写ベルトとトナーの変遷から、中間転写ベルトクリーニング装置も従来のブレード方式では対応できないため様々な改良が行われている。
例えば、特許文献1(特許第3900283号公報)の段落[0003]〜[0010]の従来技術の項目に記載された方式がある。
特許第3900283号公報
しかしながら、特許文献1の[0003]〜[0010]に記載されているように、それぞれの方式には課題がある。
例えば、静電クリーニングは、クリーニングロールやクリーニングブラシなどクリーニング部材に印加した電圧と同極性に帯電したトナーを除去できないことや、瞬時に大量のトナーが来たときや多層でトナーが来たときはクリーニングできないなどである。そして、これらの課題を解決するため特許文献1に記載の発明が提案されている。
ちなみに、特許文献1の段落[0006]に記載されているように、クリーニングする対象となるトナー(二次転写残トナー)は帯電分布が現像後のように均一でシャープな電荷分布(例えば図8(3)の未転写トナーの分布)ではなく、図8(1)に示すようにゼロを跨いでマイナスからプラスまでの分布となっている。特に帯電が0付近のものは、トナーが電荷を帯びていないため静電クリーニング不可能となる。
さらに特許文献1の段落[0008]に記載されているように、大量のトナーや多層となっているトナーをクリーニングする状況もある。
また、次に述べるプロセスコントロール時にも多層のトナーがやってくる(帯電分布は図8(3)の未転写トナーの分布)。カラー画像形成装置は高画質、高信頼性を維持するために、いろいろな特性値を検知して画像制御システムにフィードバックすることが不可欠である。ある画像を何枚もリピートして出力する場合に、色味に変動がないように、現像剤の濃度を一定にコントロールするトナー補給制御や、トナーが収納されているトナーカートリッジから現像器までトナーを搬送する際にトナー詰まりがないようにトナー搬送制御を行う場合などに、現像剤のトナー濃度を磁気センサで検知してトナー濃度の低下が閾値を割るとトナー補給したり、トナー搬送したりする制御は周知である。さらに磁気センサ検知制御以外に、像担持体上にトナー像を形成してその濃度をフォトセンサ(Pセンサ)で読み取る制御も行なわれている。このトナー像(Pセンサ用のトナーパターンであり、以下ではPパターンとも言う)をフォトセンサ(Pセンサ)で読み取る制御は、トナーの各色を現像した感光体上でそれぞれ読み取られる構成より、各色トナーを中間転写体に転写した後に中間転写体上で読み取るように構成したほうが少ない部品点数で済み低コストとなる。もちろん、これらのトナー像は転写材には転写されず、そのまま中間転写ベルトのクリーニング装置により除去、回収される。Pパターンの一例を図22に示す。
その他、色重ねのずれを補正する制御も行なわれる。このときも中間転写ベルト上にトナーパターン(Pパターン)を作成し、フォトセンサ(Pセンサ)で読み取ってそのズレ量を検知して感光体への潜像を形成する書き込み位置を補正しているが、読み取った後のトナーパターンは転写材に転写されずにクリーニング装置で除去、回収される。
これらについて具体的に述べると、検知精度を向上するために帯電バイアスおよび現像バイアスを変えながら中間転写ベルト上に各色数個ずつの数cm×数cmの大きさのトナーパターン(Pパターン)を作成した後、フォトセンサ(Pセンサ)で画像濃度を読み取り、画像濃度と、現像ポテンシャル(現像バイアスと感光体表面電位の差)の関係を求め、制御部に格納してある画像濃度と現像ポテンシャルのデータテーブルに従って、常に画像が目標濃度になるように、帯電バイアスと現像バイアスを決定、補正する制御も行われている(例えば、後述する本発明の実施例では、図22のような正方形状の10個の画像濃度が異なる2cm×2cmの面積のトナーパターン(Pパターン)をイエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、ブラック(K)の各色、中間転写ベルト上に作成し、フォトセンサ(Pセンサ)(図2の550)で読み取っている。)
このときの、トナー付着量は最小で0.1[mg/cm]、最大で0.55[mg/cm]ほどあり、またトナーのQ/d分布を測定すると、ほぼ正規帯電極性に揃っている(図8(3)参照)。
また、各色のトナー像をずれなく重ね合わせるために、色ずれ調整が行われることがある。
前述のトナーパターンと同様な色ずれ補正用パターンを中間転写ベルト上に作成し、それをセンサで読み取って画像位置を測定し、書き込み位置を補正する制御も行われている。このときも、センサが誤検知しないように、画像濃度を高くしたベタパターンが中間転写ベルト上に作成される。
このときのトナー付着量は、一定の画像濃度、一定の大きさのトナーパターンを、中間転写ベルト走行方向に決まった色の順番でY、M、C、K、Y、M、C、K・・・と作像し、中間転写ベルトに対向して非接触で配置されたフォトセンサで各色のパターンの位置を読み取り、ずれ量を算出し、正しい位置からのズレ量を感光体書き込みタイミングをずらすことで補正している。このときのトナー付着量は0.3[mg/cm]ほどである。
以上のように、中間転写体クリーニング装置には、転写材に転写された後に中間転写体上に残留した転写残トナーの他に、未転写トナーが入力されることがあり、転写残トナーに比べて5〜10倍の量になるため、ブラシクリーニングの余裕度が低下し、クリーニングしきれない場合が生じる。
特許文献1に記載のクリーニング装置では、トナー本来の極性と異なる極性のクリ−ニングバイアスが印加され且つ前記像担持体上の残留トナーが静電的に吸着せしめられるクリーニング部材と、このクリーニング部材の上流側に設けられ、前記像担持体上の残留トナーの少なくともその一部を掻き取り且つトナー本来の極性と同極性の帯電バイアスが印加せしめられたトナー回収部材と、このトナー回収部材を支持すると共に、当該トナー回収部材で回収されたトナーが前記クリーニング部材に付着することを防止するための支持部と、を備えていることを特徴とするので、トナー回収部材がトナーの極性を正規帯電に揃えるとともにトナーの一部を掻き落とすため、上記の課題は解決したかのように見える。
しかし、特許文献1に記載のクリーニング装置では、トナー回収部材はスクレーパ形状としており、このようなスクレーパ形状のトナー回収部材では、磨耗等による寿命間際においては、中間転写体上の未転写トナー(Pパターン)を良好にクリーニングすることができないという課題がある。
すなわち、未転写トナー(Pパターン)の除去は、初期的には可能であるが、トナー回収部材の寿命間近ではトナー回収部材を通過するトナーが増えるため、ブラシやロールからなるクリーニング部材で回収しきれずに通過してしまう。そして、中間転写体上に残ったPパターンのトナーは、次の印刷時に一枚目の紙上に異常画像として印刷されてしまうという問題がある。
本発明は上記事情に鑑みてなされたものであり、像担持体、中間転写体、あるいは転写材搬送部材に残留した転写残トナーや未転写トナー(Pパターン等)を良好にクリーニング)することができるクリーニング装置と、そのクリーニング装置を備え、長期的に良好なクリーニング性能を維持させることができ、異常画像の発生を防止することができる構成の画像形成装置を提供することを目的とする。
上記の課題を解決するため、本発明では以下のような解決手段を採っている。
本発明の第1の手段は、着色粉体であるトナーを用いて画像形成する画像形成装置に装備され、画像形成後の被クリーニング体に残留した転写残トナーまたは未転写トナーを除去回収するクリーニング装置であって、前記被クリーニング体に接触配置されて所定の電圧が印加され前記被クリーニング体上のトナーの帯電極性を本来の極性に揃える極性制御部材と、前記被クリーニング体の移動方向で前記極性制御部材の下流側に配置され前記トナーを前記被クリーニング体上から静電力で除去するクリーニング部材と、前記クリーニング部材に接触配置されて所定の電圧が印加され前記クリーニング部材から電気的に前記トナーを吸着する第1の回収部材と、前記第1の回収部材に接触配置されて所定の電圧が印加され前記第1の回収部材から前記トナーを掻き取る第2の回収部材と、を備えたことを特徴とする。
本発明の第2の手段は、第1の手段に記載のクリーニング装置において、前記被クリーニング体は、トナー像が形成される像担持体、あるいは前記像担持体上のトナー像が転写される中間転写体、あるいは転写材を搬送し前記像担持体上または前記中間転写体上のトナー像を前記転写材に転写させる転写材搬送部材、のいずれかであることを特徴とする。
本発明の第3の手段は、第1または第2の手段に記載のクリーニング装置において、前記極性制御部材は、導電性を有するブレードであることを特徴とする。
本発明の第3の手段は、第1〜第3の手段のいずれか一つに記載のクリーニング装置において、前記クリーニング部材は、導電性ブラシローラであることを特徴とする。
本発明の第5の手段は、第1〜第4の手段のいずれか一つに記載のクリーニング装置において、前記第1の回収部材は回収ローラであり、前記第2の回収部材は導電性の回収ブレードであることを特徴とする。
本発明の第6の手段は、像担持体と、該像担持体上にトナー像を形成する手段と、前記像担持体上に形成されたトナー像を中間転写体に転写する手段と、前記中間転写体に転写されたトナー像を転写材に転写する転写手段とを有する画像形成装置において、転写後の前記像担持体に残留するトナーを除去回収するクリーニング手段と、前記中間転写体に残留するトナーを除去回収するクリーニング手段として、第1〜第5の手段のいずれか一つに記載のクリーニング装置を有することを特徴とする。
本発明の第7の手段は、第6の手段に記載の画像形成装置において、前記中間転写体上に残留したトナーをクリーニングする場合には、該トナーが前記中間転写体のクリーニング装置を通過した後に、該中間転写体のクリーニング装置から像担持体のクリーニング装置までの距離を前記トナーが移動する時間分だけ該像担持体のクリーニング装置を動作させることを特徴とする。
本発明の第8の手段は、第6の手段に記載の画像形成装置において、前記中間転写体に沿って、前記像担持体とそのクリーニング装置を有する画像形成部が複数配置された構成であり、前記中間転写体上に残留したトナーをクリーニングする場合には、該トナーが前記中間転写体のクリーニング装置を通過した後に、n番目に配置された像担持体のクリーニング装置までの距離を前記トナーが移動する時間分だけ該像担持体のクリーニング装置を動作させることを特徴とする。
本発明の第9の手段は、第7または第8の手段に記載の画像形成装置において、前記中間転写体上のトナーを検知する検知手段が配置され、該検知手段で前記トナーが検知された場合に、前記像担持体のクリーニング装置の動作を行うことを特徴とする。
本発明の第10の手段は、第6〜第9の手段のいずれか一つに記載の画像形成装置において、前記中間転写体は、弾性ベルト状部材であることを特徴とする。
本発明の第11の手段は、像担持体と、該像担持体上にトナー像を形成する手段と、転写材を担持搬送し前記像担持体上のトナー像を前記転写材に転写させる転写材搬送部材とを有する画像形成装置において、転写後の前記像担持体に残留するトナーを除去回収するクリーニング手段と、転写材搬送後の前記転写材搬送部材に残留するトナーを除去回収するクリーニング手段として、第1〜第5の手段のいずれか一つに記載のクリーニング装置を有することを特徴とする。
本発明の第12の手段は、第11の手段に記載の画像形成装置において、前記転写材搬送部材上に残留したトナーをクリーニングする場合には、該トナーが転写材搬送部材のクリーニング装置を通過した後に、該転写材搬送部材のクリーニング装置から前記像担持体のクリーニング装置までの距離を前記トナーが移動する時間分だけ前記像担持体のクリーニング装置を動作させることを特徴とする。
本発明の第13の手段は、第11の手段に記載の画像形成装置において、前記転写材搬送部材に沿って、前記像担持体とそのクリーニング装置を有する画像形成部が複数配置された構成であり、前記転写材搬送部材上に残留するトナーをクリーニングする場合には、該トナーが転写材搬送部材のクリーニング装置を通過した後に、n番目に配置された像担持体のクリーニング装置までの距離を前記トナーが移動する時間分だけ該像担持体のクリーニング装置を動作させることを特徴とする。
本発明の第14の手段は、第12または第13の手段に記載の画像形成装置において、前記転写材搬送部材上のトナーを検知する検知手段が配置され、該検知手段で前記トナーが検知された場合に、前記像担持体のクリーニング装置の動作を行うことを特徴とする。
本発明の第15の手段は、第11〜第14のいずれか一つに記載の画像形成装置において、前記転写材搬送部材は、弾性ベルト状部材であることを特徴とする。
本発明の第16の手段は、第6〜第15の手段のいずれか一つに記載の画像形成装置において、前記像担持体は、光導電性の感光体であることを特徴とする。
本発明の第17の手段は、第6〜第16の手段のいずれか一つに記載の画像形成装置において、前記トナーは体積平均粒径が3〜6μmで、体積平均径(Dv)と個数平均粒径(Dn)との比(Dv/Dn)が1.00〜1.40の範囲にあることを特徴とする。
本発明の第18の手段は、第17の手段の画像形成装置において、前記トナーは形状係数SF−1が100〜180の範囲にあり、形状係数SF−2が100〜180の範囲にあることを特徴とする。
本発明のクリーニング装置は、被クリーニング体(トナー像が形成される像担持体(例えば感光体)、あるいは前記像担持体上のトナー像が転写される中間転写体(例えば中間転写ベルト)、あるいは転写材を搬送し前記像担持体上または前記中間転写体上の画像を前記転写材に転写させる転写材搬送部材(例えば転写ベルト))に接触配置されて所定の電圧が印加され前記被クリーニング体上のトナーの帯電極性を本来の極性に揃える極性制御部材(例えば導電性を有するブレード)と、前記被クリーニング体の移動方向で前記極性制御部材の下流側に配置され前記トナーを前記被クリーニング体上から静電力で除去するクリーニング部材(例えば導電性ブラシローラ)と、前記クリーニング部材に接触配置されて所定の電圧が印加され前記クリーニング部材から電気的に前記トナーを吸着する第1の回収部材(例えば回収ローラ)と、前記第1の回収部材に接触配置されて所定の電圧が印加され前記第1の回収部材から前記トナーを掻き取る第2の回収部材(例えば導電性の回収ブレード)と、を備えたことを特徴とするので、極性制御部材(例えば導電性の極性制御ブレード)に適正の電圧を印加することにより、被クリーニング体の表面電位と極性制御部材間の電位差を略一定に保つことができ、極性制御性能を安定させることができるので、クリーニング性能も安定して発揮することができる。
従って本発明によれば、長期的に良好なクリーニング性能を維持させることができる構成のクリーニング装置と、そのクリーニング装置を有する画像形成装置を実現することができる。
さらに本発明の画像形成装置では、中間転写体上(または転写材搬送部材上)に残留したトナーをクリーニングする場合には、該トナーが中間転写体(または転写材搬送部材)のクリーニング装置を通過した後に、該中間転写体(または転写材搬送部材)のクリーニング装置から像担持体のクリーニング装置までの距離を前記トナーが移動する時間分だけ該像担持体のクリーニング装置を動作させるので、中間転写体上(または転写材搬送部材上)のPパターン等の未転写トナーをクリーニングする場合に、中間転写体(または転写材搬送部材)のクリーニング装置の極性制御部材(導電性の極性制御ブレード)やクリーニング部材(例えば導電性ブラシ)の劣化や寿命間際等により、未転写トナーがクリーニングしきれずにクリーニング部材を通過してしまった場合にも、中間転写体(または転写材搬送部材)のクリーニング装置でクリーニングできなかったトナーを像担持体上に戻して像担持体のクリーニング装置によりクリーニングすることが可能となり、クリーニング不良による異常画像の発生等の問題を防止することができる。
また、本発明の画像形成装置では、中間転写体(または転写材搬送部材)に沿って、像担持体とそのクリーニング装置を有する画像形成部が複数配置された構成とし、中間転写体上(または転写材搬送部材上)に残留したトナーをクリーニングする場合には、該トナーが中間転写体(または転写材搬送部材)のクリーニング装置を通過した後に、n番目に配置された像担持体のクリーニング装置までの距離をトナーが移動する時間分だけ該像担持体のクリーニング装置を動作させるので、中間転写体上(または転写材搬送部材上)の各色のPパターン等の未転写トナーをクリーニングする場合に、中間転写体(または転写材搬送部材)のクリーニング装置の極性制御部材(導電性の極性制御ブレード)やクリーニング部材(例えば導電性ブラシ)の劣化や寿命間際等により、未転写トナーがクリーニングしきれずにクリーニング部材を通過してしまった場合にも、中間転写体(または転写材搬送部材)のクリーニング装置でクリーニングできなかったトナーを最上流の1番目の像担持体だけではなく、n番目の像担持体(例えば2番目以降のいずれかの像担持体または全ての像担持体)に戻して像担持体のクリーニング装置によりクリーニングすることが可能となり、クリーニング不良による異常画像の発生等の問題を確実に防止することができる。
さらに本発明の画像形成装置では、中間転写体上(または転写材搬送部材上)のトナーを検知する検知手段が配置され、該検知手段で前記トナーが検知された場合に、前記像担持体のクリーニング装置の動作を行うので、中間転写体(または転写材搬送部材)のクリーニング装置でクリーニング不良が有った場合のみ像担持体のクリーニング装置を動作するので、無駄な動作による時間のロスや像担持体(感光体)の必要以上の劣化を防止できる。
さらに本発明の画像形成装置では、中間転写体(または転写材搬送部材)は、弾性ベルト状部材(中間転写ベルトまたは転写ベルト)であるので、像担持体(感光体)との接触性や転写材(特に凹凸のある特殊紙等)との接触性が向上し、転写品質を向上することができる。
さらに本発明の画像形成装置では、トナーは体積平均粒径が3〜6μmで、体積平均径(Dv)と個数平均粒径(Dn)との比(Dv/Dn)が1.00〜1.40の範囲にあるので、粒径分布がシャープであるためトナーの帯電量分布が均一になり、地肌汚れの少ない高品位な画像を得ることができ、また転写率を高くすることができる。
また、前記トナーは形状係数SF−1が100〜180の範囲にあり、形状係数SF−2が100〜180の範囲にあるので、トナー形状が球形に近いため、トナー同士あるいはトナーと感光体の接触状態が点接触となり、吸着力が弱くなる為トナー流動性が高くなり、トナー補給性、攪拌によるトナー濃度均一性が高くなる。さらに感光体との吸着力も弱くなるので、転写率がよくなり高品位な画像を得ることができる。
以下、本発明について図面を参照して詳細に説明する。
まず、本発明に係るクリーニング装置及び画像形成装置の技術課題及びその課題を解決するための手段についてより詳しく述べる。
<課題:寿命間際での未転写トナー(Pパターン)のクリーニング性能不足>
図2に中間転写ベルトを用いた画像形成装置の要部構成例、図3に中間転写ベルトのクリーニング装置の構成例を示す。なお、構成の詳細については後述の実施例で説明する。
クリーニング装置525の基本的な構成、動作は、簡単には、以下の(1)〜(4)の工程からなる。
(1) 極性制御ブレード520:中間転写ベルト501上を搬送されたトナー(2次転写残トナー)の極性をトナー本来の極性(負極性とする)に揃える。2次転写残トナーの極性は、例えば図9の(1)〜(3)である。
(2) 導電性ブラシローラ521:トナー本来の極性とは逆極性の電圧(+極性)が印加され、極性制御ブレード520を通過したトナーを図3のA部で静電気の力でベルト上から除去する。
(3) 回収ローラ522:ブラシローラ521と同極性で絶対値がブラシローラより大きな電圧が印加され、ブラシ上のトナーを図3のB部で静電気の力で除去する。
(4) 回収ブレード523:回収ローラ522上のトナーを機械的に除去する。
以下、より詳しく述べる。
2次転写で紙に転写されず中間転写ベルト501上に残ったトナーは中間転写ベルト501の移動で運ばれクリーニング装置525の入り口に設けた図示省略のシール部(入口シール)を通過する。入り口シールは厚さの薄いポリウレタンゴムからなり、中間転写ベルト501上のトナー像を掻き取らないようにベルトに接触している。
中間転写ベルト501上のトナーは2次転写を受けて、図23に示すように極性制御前のQ/d分布は+、−極性が混在した状態となっている。
中間転写ベルト501上のトナーは所定電圧(例えば−2.5kV)が印加された極性制御ブレード520で一部が掻き取られ一部は電荷注入又は放電により−極性に帯電され(図23中のクリーニング部材(ブラシローラ)前)、極性制御ブレード520を通過する。
極性制御ブレード520で掻き落とされたトナーはそのまま図中の極性制御ブレード520の左側へ落下し排出コイル524でユニット外へ排出される。
一方、−極性に帯電されたトナーは中間転写ベルト501の移動でブラシローラ521まで移送される。
ブラシローラ521には所定の電圧(例えば+800V)が印加され中間転写ベルト501移動方向とは逆方向に回転し、中間転写ベルト501上のトナーを電気的にブラシローラ521へ移動させる。
中間転写ベルト501からブラシローラ521に移動されたトナーはブラシローラ521の回転でブラシローラ521と同方向に回転している回収ローラ522との接触位置へ移送される。
ブラシローラ521と回収ローラ522の接触部ではブラシローラ上のトナーは、ブラシローラ521より高い電圧(例えば+1.2kV)が印加された回収ローラ522へ電気的に移動する。
ブラシローラ521へは図示省略のブラシ用飛散防止シールが接触し、極性制御ブレード520及び回収ブレード523が掻き落したトナーやトナー排出コイル524の攪乱で浮遊したトナーが極性制御ブレード520とブラシローラ521間の中間転写ベルト501表面に付着するのを防止している。
上記浮遊トナーのほとんどは帯電量が「0」であり、この浮遊トナーが極性制御ブレード520とブラシローラ521間の中間転写ベルト1上に付着すると、図24に示すような分布となり、電気的にクリーニングするクリーニング部材ではクリーニングしきれないので、上記のブラシ用飛散防止シールが設けられている。そしてブラシ用飛散防止シールは入り口シールと同様に厚さの薄いポリウレタンゴムからなり、ブラシローラ521へ接触している。
ブラシローラ521から回収ローラ522へ移動したトナーは回収ローラ522の回転により導電性回収ブレード523との接触位置まで移送される。そして回収ローラ522上のトナーは所定の電圧(例えば2.2kV)が印加された回収ブレード523で掻き落とされ排出用のコイル部材(またはスクリュー)524でユニット外へ排出される。
一方、図示していないが、ブラシローラ521へは、下方から圧縮バネで加圧されたステアリン酸亜鉛等の保護剤が接触してブラシローラ521を介して中間転写ベルト501へ塗布されている。
また、極性制御ブレード用対向電極となるローラ509は導電性軸受を介してアースに接続されている。
クリーニング部材(ブラシローラ)521へは、通常、付着量や帯電量がまちまちなトナーが入力してくる。
具体的な付着量で言えば、通常の2次転写残トナー(付着量約0.05mg/cm)、Pセンサー用のトナー(Pパターン)(付着量約0.6mg/cm)、ジャム後の2次未転写トナー(付着量約0.6mg/cm)などがある。
Pパターンは図22のような四角形状の10個の画像濃度が異なる2cm×2cmの面積のトナーパターンであり、例えば1段目が「0.03mg/cm」〜10段目「0.6mg/cm」と徐々に多い付着量の四角形状で形成されている。
中間転写ベルト1上に形成されたPパターンのトナー像は図2に示すフォトセンサからなる検出器(Pセンサ)550で付着量を検出し、その結果を帯電ローラ印加電圧、現像バイアスにフィードバックして現像後付着量を一定にしている。
Pパターントナー像形成は画像形成が一時中断され、感光体ドラム101〜104から中間転写ベルト501へ1次転写され、2次転写はOFF状態になるので、1次転写後の付着量のトナー(未転写トナー)が中間転写ベルト501上にそのまま残った状態でクリーニング装置525へ入力して来る。
また、1次転写された後、転写紙ジャムが発生したらPパターンと同様な付着量の未転写トナーがクリーニング装置524へ入力して来る。
このジャムの場合は、Pパターンと異なり極端な場合は全面ベタとなる事がありクリーニング装置525への総トナー量としては多くなる。
中間転写ベルト501上のトナーはまず極性制御ブレード520で掻き落される。極性制御ブレード520が新品の場合はほとんどのトナーは極性制御ブレード520で掻き落されるが、時間が経過すると極性制御ブレード520は徐々に中間転写ベルト501との当接部が摩耗し、入力してきたトナーは徐々に通過量が多くなる。
本発明に係るクリーニング装置では、導電性のブラシローラ521にトナー本来の極性とは逆極性の電圧(+極性)が印加されているので、極性制御ブレード520を通過したトナーを図3のA部で静電気の力でベルト上から除去することができる。また、ブラシローラ521には回収ローラ522が接触し、回収ローラ522にはブラシローラ521と同極性で絶対値がブラシローラより大きな電圧が印加されているので、ブラシ上のトナーを図3のB部で静電気の力で除去することができる。そして回収ローラ522上のトナーは、回収ブレード523により機械的に除去され、排出コイル11でユニット外へ排出される。したがって、極性制御ブレード520をトナーが通過した場合にも、ブラシローラ521と回収ローラ522と回収ブレード523により、ベルト上のトナーを除去回収することができる。
しかしながら、極性制御ブレード520の摩耗が進行して寿命間際となると、極端な場合はほとんどのトナーがブレードを通過してしまう。そして、前述のPパターンや、ジャム時のベタ画像のように未転写トナーの付着量が多い場合には、ブラシローラ521と回収ローラ522と回収ブレード523を用いた場合にもクリーニングしきれない場合が生じる。そして最悪の場合はトナーはブラシローラ521を通過してクリーニング装置外に出てくる。
ここで、図25は中間転写ベルト上のトナー付着量が約0.4mg/cmの時のクリーニング部材(ブラシローラ)印加電圧とクリーニング残IDの関係を示している。
図25の横軸がクリーニング部材印加電圧、縦軸がクリーニング残IDを示す。
ブラシローラ521によるクリーニングは原理的には電位差でトナーを移動させるので、ブラシ印加電圧を高くすれば高くするほどクリーニング性は良くなる。
しかしながら、その一方でブラシローラ521への印加電圧を高くしていくとブラシローラ521から極性制御用対向電極であるローラ509へ流れる電流が増加する。
トナーへ流れ込む電流が増加するとトナー帯電極性はブラシローラ印加電圧の極性側へ帯電(一般的に電荷注入と考えられている)していき、最後にはトナー極性がブラシローラの印加電圧と同じになってしまう。
トナーの極性がブラシローラ521と同じ極性になればトナーへは斥力が働き、トナーは中間転写ベルト501上へ残るか、またはブラシローラ521の回転で中間転写ベルトと再度出会う時再び付着してしまい、結果的にクリーニング残トナーとなる。例えば図25のクリーニング部材(ブラシローラ)印加電圧+1300V以上がその領域となる。
ここで、上述のPパターンを極性制御ブレード520の寿命間際でクリーニングする場合を考える。
寿命が近いと極性制御ブレード520のエッジ(中間転写ベルトと当接する稜線)が磨耗した状態である。
トナーが極性制御ブレード520を通過するときにマイナス極性に極性制御される(図7参照)が、通過量が新品状態に比べて増加する。
ブラシローラ521、回収ローラ522とトナーが移動するとき、トナー量が多いため図3のB部でブラシローラ521から回収ローラ522へ移動できない。
ブラシローラ521にプラス電圧が印加されているので、ブラシローラ上に残ったトナーはブラシローラ521から電流が流れ込みプラス極性に反転し(電荷注入)、中間転写ベルト上に再度付着する。
通常はここで一連の動作が終了し、停止状態になる。
しかし、この状態では、ベルト上にPパターンのトナーが残っているため、次の印刷時に一枚目の転写材上に異常画像として印刷されてしまう。
ところで、画像形成装置の中間転写ベルトは高抵抗なベルトが用いられているが、ベルト残留電荷による残像やリピート変動防止のため体積抵抗率ρvを下げたベルトが使われるようになってきた。例えば前述の特許文献1の段落[0030]に記載されている実施例では10〜1014Ω・cmとなっており、10Ω・cmの低抵抗ベルトが使用されている。
ここで、極性制御部材(極性制御ブレード520)で極性制御する際、いろいろな電荷量分布をもった転写残トナー、逆転写トナーを単一極性に制御する必要があるが、後工程のクリーニング部材による静電クリーニング動作において、クリーニング不良トナーが発生しないようなトナー帯電量分布にしておかなければならないため、極性制御部材には充分な電圧を印加することになる。すると、極性制御後のトナー電荷量はコロナチャージャーでのトナー極性制御と比較してブロードな分布となることが本発明者らの検討によりわかっている。また、図9の(1)、(2)に示すような幅広いQ/d分布をもって極性制御部材に入力される転写残トナーのすべてを単一極性に制御するため、転写残トナーA(図9(1))のような低帯電量のトナーは極性制御後には−極性の高帯電量トナーになり、他方、転写残トナーB(図9(2))のような+極性に高帯電量だったトナーは極性制御後に−極性の低帯電量トナーとなる。
一方、周知のこととして、低電荷量のトナーは弱いクリーニング電界でクリーニングされ、高帯電量のトナーは強いクリーニング電界でクリーニングされる。しかしながら、低電荷量のトナーは強い電界下に置かれると反対極性電荷が注入されて、像担持体上に再付着する。つまり極性制御後のトナーは、単一極性ではあるものの、先に述べたように低電荷量から高電荷量までブロードな電荷量分布をもつため、クリーニング部材であるブラシローラ軸への印加電圧は高帯電量トナーをクリーニングできるような高電圧でありながら、低電荷量のトナーを電荷注入により再付着させないような印加電圧に設定する必要がある。言い換えると、クリーニングブラシ軸への印加電圧を一定にした場合にクリーニングすることができるようなトナー帯電量分布になるようにしなければならない。
なお、トナーのQ/M(トナーの単位重量当りの電荷量)、トナー帯電量分布の測定方法は以下のとおりである。また、極性制御率は以下で定義した。
<トナーQ/M>
トナーパッチパターンを像担持体(感光体)上に作像し、現像、転写、極性制御後などの各プロセス終了後に画像形成装置本体のメインスイッチを強制的にOFFにし、作像途中で機械を止める。感光体や中間転写ベルト上に形成されたトナー像を吸引治具を用いてエアーポンプで吸引しながら、そのトナーのクーロン量をクーロンメータ(ケスレー製エレクトロメータ617)により測定し、吸引治具により吸引したトナーの重量とクーロン量から単位重量当りのトナー電荷量(μC/g)を算出する。
<トナー帯電量分布>
ホソカワミクロン製 E−SPARTアナライザで測定。感光体上に付着したトナーをエアーで吹き飛ばして測定部に落下させ、トナー1個ずつの粒径と電荷量を測定し、x軸に「電荷量/トナー粒径」、y軸に「頻度(%)=予め設定した「電荷量/トナー粒径」のヒストグラムの帯の範囲にある数(個)/サンプル全数(個)×100」を算出しグラフ化したものである。
<極性制御率>
前述のトナー帯電量分布の測定データをもとに算出する。
極性制御率[%]=制御したい極性のトナーの数(個)/サンプル全数(個)×100
なお、制御したい極性とは、感光体表面電位を比較対象としたときの、極性制御部材に印加している電圧の相対的な極性である。例えば感光体表面電位が−100Vで、極性制御部材印加電圧がー700Vの場合は、「トナーを−極性に制御したい」とする。
本方式のようなトナー極性制御+単一極性印加ブラシによる静電クリーニング方式では、クリーニングブラシに入力するトナーの極性が揃っていることが重要になる。言い換えると、極性制御率が高いことが重要となる。
以上に説明したように、本発明のクリーニング装置では、極性制御部材と、静電式のクリーニング部材、回収ローラ、回収ブレードを併設しているので、通常はPパターン等の中間転写体上の未転写トナーも良好にクリーニングすることができる。しかし、極性制御ブレードの極端な摩耗や劣化による寿命間際の状態においては、中間転写体上の未転写トナーを良好にクリーニングすることができなくなる場合があり、特にジャム時のベタ画像のようなトナー付着量が多い場合には、クリーニング不良が発生する。
そこで本発明では、中間転写ベルト上(または転写材搬送部材(転写ベルト)上)に残留したトナーをクリーニングする場合には、該トナーが中間転写ベルト(または転写ベルト)のクリーニング装置を通過した後に、該中間転写ベルト(または転写ベルト)のクリーニング装置から像担持体(感光体)のクリーニング装置までの距離を前記トナーが移動する時間分だけ該感光体のクリーニング装置を動作させる。これにより、中間転写ベルト上(または転写ベルト上)のPパターン等の未転写トナーをクリーニングする場合に、中間転写ベルト(または転写ベルト)のクリーニング装置の極性制御部材(導電性の極性制御ブレード)やクリーニング部材(導電性ブラシローラ)の劣化や寿命間際等により、未転写トナーがクリーニングしきれずにクリーニング部材を通過してしまった場合にも、中間転写ベルト(または転写ベルト)のクリーニング装置でクリーニングできなかったトナーを感光体上に戻して感光体のクリーニング装置によりクリーニングすることが可能となり、クリーニング不良による異常画像の発生等の問題を防止することができる。
以下、本発明の具体的な実施例を説明する。
[実施例1]
まず、本発明を画像形成装置の一例であるプリンタに適用した場合の実施例について説明する。図1は、いわゆるタンデム型間接転写方式を採用したカラープリンタの内部構成例を示す概略構成図である。このプリンタの作像エンジン1の詳細は図2に示す。このプリンタでは、図1、図2に示すように、中央にドラム状の4個の感光体101、102、103、104が時計回りに回転可能に配設されている。各感光体101〜104の周囲には、感光体101〜104の表面を除電する図示しない除電装置、感光体101〜104の表面を一様に帯電する帯電装置201〜204、レーザ光による光書き込みを行って感光体101〜104の帯電部分に静電潜像を形成する露光装置2、この静電潜像を現像する現像装置401〜404がそれぞれ配設されている。また、感光体101〜104の周囲には、転写後の感光体101〜104の表面をクリーニングするクリーニング装置301〜304がそれぞれ配設されている。このプリンタは、感光体を4個用いた、いわゆるタンデム方式を採用しており、それぞれの感光体101〜104と、その周囲に設けられる画像形成用の部品とで画像形成部(画像形成ユニット)を構成しており、各画像形成部のそれぞれの感光体101〜104の周囲に設けられる画像形成用の部品構成は、現像装置401〜404が扱う色材(着色粉体(トナーと言う))の色が異なる以外は同じである。尚、各現像装置401〜404で使用するトナーは、高精細な印刷を行うため、平均粒径4μmの球形トナー(円形度0.98)を用いた。
上記4セットの画像形成部の感光体101〜104の上方には、中間転写ユニット500が設けられている。図2では、中間転写ユニット500の概略構成を示している。図2に示すように、中間転写ユニット500では、被クリーニング体である弾性ベルト状部材からなる中間転写体(中間転写ベルト)501がテンションローラ509、駆動ローラ502、支持ローラ503、508、510に掛け回されて図中の矢印方向(反時計回り方向)に回転駆動される。中間転写ベルト501は、多層構造となっており、ベース層を例えば伸びの少ないフッ素樹脂やPVDシート、ポリイミド系樹脂で作り、表面をフッ素系樹脂等の平滑性のよいコート層で被ってなる。
そして、中間転写ベルト501を挟んで感光体101に対向する位置には、感光体101上に形成されたトナー像を中間転写ベルト501に転写する転写ローラ507が配設される。他色の像担持用の感光体102、103、104にも中間転写ベルト501を挟んで、504、505、506の転写ローラが配設される。また、テンションローラ509の左方には、後述する2次転写装置600による転写後に中間転写ベルト501上に残留する残留トナーを除去する中間転写ベルトクリーニング装置525が配設される。テンションローラ509は、中間転写ベルト501に一定の張力を付与する働きをもつとともに、クリーニング対向ローラ(極性制御用対向電極)の機能も兼ねていることになる。尚、クリーニング装置525は中間転写ベルト501と寿命設定が異なる場合は単独で脱着が可能としてもよい。
上記の中間転写ユニット500の中間転写ベルト501としては、ポリイミド、ポリイミドアミド、ポリカーボネート、ポリエステル、ポリプロピレン等の合成樹脂又は各種のゴムに、カーボンブラック等の導電剤を適当量含有させたものが用いられ、その体積抵抗率が10〜1014Ω・cmとなるものが使われている。ここで、弾性を有する中間転写ベルト(以下必要に応じて弾性中間転写ベルトという)としては、導電性弾性層の主基材として、シリコーンゴム、NBR、H−NBR、CR、EPDM、ウレタンゴム等が用いられ、導電性保護層の材料は、摩擦抵抗の低減、電気特性の環境に対する安定性、表面粗さ低減による残留トナークリーニング性能の向上といった目的を達成できるものであれば、特に限定されないが、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、テトラフルオロエチレンとパーフルオロアルキルビニルエーテルの共重合体(PFA)、PVdFなどのフッ素樹脂系ポリマーを、アルコール可溶性ナイロン系、シリコーン樹脂系、シランカプラー、ウレタン樹脂系のエマルジョンや有機溶媒に、溶解・分散した塗料を使用することができる。これら保護層は、上記の塗料をディップコート、スプレーコート、静電塗装、ロールコートなどにより設けることができる。さらに、保護層に表面処理または研磨を施すことにより離型性、導電性、耐磨耗性、表面クリーニング性等を改善することができる。
弾性を有する中間転写ベルトと感光体ドラムとは比較的広い接触領域にて接触配置されており、しかも、中間転写ベルトにより弾性押圧されているため、感光体ドラムと中間転写ベルトとの間のタック面圧はそれほど高くなく、しかも、中間転写ベルトによるトナー像の包み込み動作が行われ、感光体ドラム上のトナー像が中間転写ベルト側に一次転写される。このとき、中間転写ベルトへの転写画像には、大きなタック面圧によるホロキャラクタなどの画像欠陥はなく、高い転写効率で転写されるため、記録紙等の転写材(特に凹凸を有する特殊紙など)上のカラー画像品質はきわめて良好に保たれる。
上記中間転写ベルト501を挟んで駆動ローラ502に対向する位置には、2次転写装置600が配設される。2次転写装置600は、2次転写ローラからなる。2次転写装置はローラの他に、数本の支持ローラと駆動ローラにより掛け渡されるベルトであっても良い。
転写材(例えば定型の記録紙P)は、図1中の下方にある給紙カセット3(図では1段の給紙カセットのみを図示しているが、通常はサイズの異なる記録紙を収納した複数段の給紙カセットが設けられる)に収納されており、最上の記録紙Pが給紙ローラ4で一枚づつ給紙路5を経て図2のレジストローラ対800に搬送される。また、上記2次転写装置600の上には、記録紙上の転写画像を定着する定着装置700が配設される。定着装置700は、定着ローラ(または定着ベルト)に加圧ローラを押し当てて構成する。なお、上述した2次転写装置600には、画像転写後の記録紙Pをこの定着装置700へと搬送するシート搬送機能も備えてなる。また、図1中の符号6は、両面印刷時に片面印刷後の記録紙Pを反転してレジストローラ対800に戻す両面印刷用搬送路である。
上記構成のプリンタにおいて、不図示のスタートスイッチを押すと、不図示の駆動モータで駆動ローラ502を回転駆動して他のローラ509、508、503、510を従動回転し、中間転写ベルト501を回転搬送する。同時に、個々の画像形成部でその感光体101〜104を回転して、帯電装置201〜204による帯電、露光装置2のレーザ光による潜像形成、現像装置401〜404の各色トナーによる現像が行われ、各感光体上にそれぞれ、ブラック・イエロー・マゼンタ・シアンの単色画像を形成する。そして、中間転写ベルト501の搬送とともに、それらの単色画像を順次転写して中間転写ベルト501上に合成カラー画像を形成する。また、画像転写後の各感光体101〜104に残留する残留トナーはクリーニング装置301〜304で除去回収される。
一方、不図示のスタートスイッチを押すと、給紙ローラ4を回転し、給紙カセット3から記録紙Pを1枚づつ繰り出して給紙路5に入れ、レジストローラ対800に突き当てて止める。そして、中間転写ベルト501上の合成カラー画像にタイミングを合わせてレジストローラ対800を回転し、中間転写ベルト501と2次転写装置600との間に記録紙Pを送り込み、2次転写装置600で転写して記録紙P上にカラー画像を記録する。画像転写後の記録紙Pは、2次転写装置600で搬送して定着装置700へと送り込み、定着装置700で熱と圧力とを加えて転写画像を定着した後、排紙トレイ等に排出される。一方、画像転写後の中間転写ベルト501は、中間転写ベルトクリーニング装置525によって画像転写後に中間転写ベルト501上に残留する残留トナーが除去回収され、タンデム型画像形成装置(カラープリンタ)による再度の画像形成に備える。
《中間転写ベルトクリーニング装置についての説明》
次に、本実施例に係るプリンタの特徴部となる中間転写ベルトクリーニング装置525について説明する。図3は中間転写ベルトクリーニング装置525の概略構成を示す構成図である。図3に示すように、中間転写ベルトクリーニング装置525は中間転写ベルト501上の転写残トナーの極性を制御するための極性制御部材である極性制御ブレード520がテンションローラ509と対向する位置に中間転写ベルト表面に接触して備えられており、極性制御ブレード520の後の工程には、極性制御されたトナーをクリーニングするための導電性ブラシローラ521、および導電性ブラシローラ521に付着したトナーをブラシから回収する回収ローラ522、回収ローラ522の表面に当接して回収したトナーを掻き取ると同時に回収ローラ522の表面に電荷を付与する導電性回収ブレード523、極性制御ブレード520や回収ブレード523で掻き落としたトナーを画像形成装置本体に備えられた廃トナータンク(図示省略)に搬送するためのコイル部材(回収コイル)524が備えられている。また、導電性ブラシローラ521の表面に電荷を付与する図示しない導電性部材であるブラシ表面電荷付与部材を備えていてもよい。このブラシ表面電荷付与部材は、ブラシローラにトナーが多く回収された場合にブラシ先端の電位が低下してしまうことがあり、その電位を補うために備える導電性部材である。金属の丸棒や金属の板状部材でよい。また、中間転写ベルト501表面を極性制御ブレード520によって常時摺擦しているため、中間転写ベルト表面保護のために、ブラシローラ521による潤滑剤(保護剤)の塗布を行うこともあり、この場合はステアリン酸亜鉛等の潤滑剤を固形化したものを前記導電性ブラシローラ521に当接させ、潤滑剤を塗布するようにしてもよい。また、潤滑剤をブラシで塗布後に中間転写ベルト表面に薄膜を形成し、潤滑性が向上するように塗布ブレードを備えてもよい。また、前記導電性ブラシローラ521とは別に潤滑剤塗布用のブラシを備えることも可能である。これはクリーニング用の導電性ブラシローラ521にはトナーが常時回収されているため、トナーと潤滑剤とが交じり合い、潤滑剤塗布時に一旦回収したトナーを再度中間転写ベルト上に付着させることを防ぐためである。
以下に、極性制御と静電クリーニングの説明を行う。
《トナー極性制御についての説明》
トナー極性制御について、図3、図8(1)、図8(2)を用いて説明する。
図8(1)、図8(2)は、ホソカワミクロン製E−スパートアナライザで、トナー1個ずつの電荷量Qとそのトナーの粒径dを測定したデータをもとに、或る条件で図2に示す作像装置で作像した時の中間転写ベルト上の転写残トナー数百個をサンプリングした時のQ/d(単位はfC/μm)分布を表している。
図8(1)は転写残トナーAをトナー極性制御ブレード520によって極性制御した場合の図、図8(2)は転写残トナーBをトナー極性制御ブレード520によって極性制御した場合の図である。
なお、図8(3)は未転写トナーをトナー極性ブレード520によって極性制御した場合のQ/d分布変化である。
中間転写ベルト上の転写残トナーは図8(1)の転写残トナーAや図8(2)の転写残トナーBに示す様に「+極性」と「−極性」が混在した分布のトナーとなり、中間転写ベルト501の回転でトナー極性制御ブレード520の位置まで移送される。
トナー極性制御ブレード520ではほとんどのトナーは機械的に掻き落されるが、トナー極性制御ブレード520は所謂スティックスリップが発生し一部はすり抜けて行く。機械的に掻き落とされたトナーは、ブレードから自然に落下し回収部に収容され、回収コイル524によって搬送され廃トナー回収部に回収される。
トナー極性制御ブレード520へはトナーの帯電極性と同じ極性(−極性)の電圧が印加されており、トナーがトナー極性制御ブレード520をすり抜けて行く時トナーを正規の帯電極性(−極性)に帯電する。例えば、印加電圧は−500Vとする。制御されたトナーのQ/d分布を図8(1)、図8(2)に示す。入力トナーである転写残トナーのQ/d分布によって極性制御後のQ/d分布も異なる(AとBの違い)が、どちらもほぼ単極性に制御することができる。また、図8(3)の場合の正規極性でQ/d分布している未転写トナー(プロセスコントロール時のトナー)は、ほとんど変化しないか、あるいはやや−極性よりになる。
次にトナーと同極性の電圧(−極性)が印加されたトナー極性制御ブレード520をすり抜けて行くトナーの帯電極性が変わる時の詳細について説明する。
トナー極性制御ブレード520の電気抵抗は10〜10Ω・cm、中間転写ベルト501との当接圧は20〜40g/cmであり、カウンター当接で構成されている。
このトナー極性制御ブレード520は、例えばポリウレタンゴムを素材とした弾性体で、カーボンブラックやそのたイオン系の導電剤を混練することで導電性を持たせる。その電気抵抗は、1×10Ω・cmとした。電気抵抗は、2×10Ω・cm〜5×10Ω・cm位がよい。今回用いたブレード条件は図10、図11に示すとおりである。また、トナー極性制御ブレード520は板金上に接着された板状によって構成され、厚みが2.4mmと2.8mm、自由長が7mmと9mm、硬度がJIS−A硬度計で60〜80、反発弾性は45%で行ったが、この値以外でも可能である。その厚みは1〜3mmの範囲内とするのが良い。厚さが薄すぎると、中間転写ベルト表面及びトナー極性制御ブレード520自体のうねり等によって中間転写ベルト501への押しつけ量が確保しにくくなる。硬度はJIS−A硬度計で40〜85の範囲内であれば良い(トナー極性制御ブレード520で100%クリーニングできず多少すり抜け量が増減しても問題ない)。
トナーがトナー極性制御ブレード520と中間転写ベルト501との間に挟まれた時、トナー極性制御ブレード520に印加された電圧でトナーに電流が流れ込み、トナーは印加電圧側の極性に帯電してトナー極性制御ブレード520を通過する。
また、中間転写ベルト501とトナー極性制御ブレード520で形成された楔部の入り口と出口の微小ギャップ部の放電あるいは電荷注入により、トナーは図8(1)、図8(2)の「ブレード通過後(電圧−500V印加)」に示すように印加電圧と同極性に帯電する。
《クリーニング部材(導電性ブラシローラ)、回収ローラによるトナークリーニングについての説明(静電クリーニング)》
次にトナー極性制御後のクリーニング動作について説明する。
図3において、トナー極性制御ブレード520により正規の帯電極性に帯電されたトナーは、次のクリーニング部材であるブラシローラ521の位置に中間転写ベルト501の回転により移送される。ブラシローラ521は、導電性ポリエステルにより形成してあり、このブラシローラ521に接するように回収ローラ522が設けてある。ブラシローラ521、回収ローラ522、後述するトナー排出部材(回収コイル)524は駆動手段により回転する。ブラシローラ521の芯金へは電源によりトナーの帯電極性とは逆極性の電圧(+極性)が印加され極性制御ブレード520をすり抜けたトナーを静電的に吸着する。ブラシローラ521上に移動したトナーはクリーニングブラシ521より更に高い+極性の電圧を電源により軸に印加した回収ローラ522へ電位勾配により移動する。回収ローラ522上のトナーは導電性回収ブレード523により掻き落とされ、トナー排出用の回収コイル524で機外に排出される、または現像器に戻される(単色画像の作像時の場合のみ)。導電性回収ブレード523は、回収ローラ522の表面電位を維持するために、回収ローラ522の芯金へ印加されている電圧と同じかさらに高い+極性の電圧が印加されている。
ブラシローラ、回収ローラの具体的な構成条件は以下のとおりである。
<ブラシローラ条件>
・ブラシ材質:導電性ポリエステル(繊維内部に導電性カーボンを内包し、繊維表面はポリエステル; いわゆる芯鞘構造)
・ブラシ抵抗:10Ω(印加電圧100〜600V)
・ブラシ軸印加電圧[V]:+1000V
・ブラシ植毛密度:10万本/inch^2、繊維径約25〜35μm、ブラシ先端の毛倒れ処理あり
・ブラシ径:φ16mm
・中間転写ベルトへのブラシ繊維喰い込み量:1mm
ブラシ繊維は繊維全体としては導電性であるが、繊維表面は絶縁層で覆われているものを用いる。繊維表面に絶縁層を有することで、ブラシと中間転写ベルトが接触する際に電流が流れにくくなり、ブラシ繊維が中間転写ベルトからトナーを静電吸引する際に余分な電流が流れにくくなるためトナーに逆極性の電荷を与えてしまうことがなく、いったんブラシに捕捉したトナーを逆に中間転写ベルト上に付着させる恐れがすくなくなる。ただし、このようなブラシを使用しても、繊維表面の絶縁層の絶縁を破壊して電流を流すほどの電圧をブラシ軸に印加すると、結果として中間転写ベルトにトナーを戻してしまうことになるので、電圧値の設定には注意を要する。
さらに、ブラシロール状に形成後、一方向に毛を倒す斜毛処理を施すと、繊維断面に露出している導電剤を中間転写ベルトに接触させにくくなるので、さらにトナーへの電荷注入性が低減され、クリーニング性の余裕度が向上する。
ブラシの抵抗RがlogΩ=5、7、9のときのクリーニング性を図9に示す。logΩ=9の時は印加電圧が大きいため、電源コストがアップする。logΩ=5の時は中間転写ベルトに電流を流しやすいため、logΩ=7のときより低い電圧でトナーが+極性に帯電し、中間転写ベルトに再付着するため、クリーニング性の余裕度が小さい。したがってlogΩ=7の条件がもっとも適している。
<回収ローラ条件>
・回収ローラ芯金材質:SUS
・回収ローラ表面材質:PVDF(厚み100μm)の表層にアクリル系紫外線(UV)硬化樹脂層(厚み3〜5μm)
・直径:φ14mm
・回収ローラへのブラシ繊維喰い込み量:1mm
・回収ローラ芯金印加電圧:+1500V
<回収ブレード条件>
・導電性カーボン含有ポリウレタンゴム体積抵抗:10E6Ω・cm(温度25℃、湿度50%にて測定)
・ブレード当接角度:20°
・ブレード厚み:2.8mm
・回収ローラへのブレード喰い込み量:0.6mm
・回収ブレードへの印加電圧:+2000V
但し、ブラシ抵抗は直径10mmのSUSローラにブラシローラ1mm食い込ませて当接させて200mm/secで両方を回転させ、ブラシ芯金に電圧を印加して電流測定し抵抗を算出したものである。
回収ローラ522はSUSの芯金の表面にPVDFを100μmの厚みで有し、さらにその表面にアクリル系のUV硬化樹脂層を有するもの(以下、高抵抗ローラと称する)を用いた。ローラ抵抗は、温度10℃、湿度15%の環境下と、温度32℃、湿度80%の環境下でそれぞれ電圧1000V印加して電流を測定して算出し、logΩ=12〜13である。本実施例で用いたローラのみならず、導電性芯金に数μm〜100μmの高抵抗弾性チューブを被せたり、あるいはさらに絶縁コーティングしてローラ抵抗をlogΩ=12〜13にしたものでも同じ性能を得られる。さらに、回収ローラをクリーニングするブレード31を導電性ポリウレタンゴムにより形成し、ブラシローラ521、回収ローラ522、回収ローラ用導電性回収ブレード523にそれぞれ同極性の電圧を印加する。
次に回収ローラ用の導電性回収ブレードについて説明する。
回収ローラ522には芯金に電圧が印加され、その表面電位を測定すると印加電圧と同電位になっているのであるが、クリーニング動作中、多くのトナーが入力されると、回収ローラ表面電位はトナーの入力とともに低下していく。
回収ローラ表面電位が低下すると、ブラシローラ521のブラシ先端電位との間の電位差(以降回収電位差と呼ぶ)が確保できなくなり、ブラシローラ521からトナーを回収する能力が低下する。このため、画像形成動作がA4サイズ1枚分であれば前記回収電位差は確保できるが、連続プリント動作になり、かつブラシローラ521への入力トナーが多い場合には前記回収電位差が確保できなくなり、ブラシローラ521にトナーが溜まった状態となり、ブラシローラ521から中間転写ベルト501上にトナーを吐き出してしまうといった問題がある。このため、回収ローラ用ブレード523を導電性にして電圧を印加し、回収ローラ表面に電荷を与えて、回収電位差を保ち、回収性能を維持するようにしている。
このような回収電位差の維持のための回収ローラ用導電性回収ブレード523への電圧印加は、極性制御ブレード520が新品である場合には極性制御ブレード520からのすり抜けトナーが少なく、あまり必要性がないが、極性制御ブレード520を長時間使用してすり抜けトナーが多くなったり、あるいは低温・低湿環境下では高温・高湿環境下よりも極性制御ブレード520からのすり抜けトナーが多くなるため、このような際に特に有効である。
《感光体の静電クリーニングについての説明》
感光体用のクリーニング装置301〜304の構成は、中間転写ベルトクリーニング装置と略同様であり、その一例を図4に示す。なお、図4は、図2の左側(1番目)の画像形成部を構成する感光体101と帯電装置201、現像装置401、クリーニング装置301を一体にカートリッジ内に収納したプロセスカートリッジの構成例を示しており、このプロセスカートリッジは画像形成装置本体に対して着脱自在となっている。また、2〜4番目の画像形成部も同様のプロセスカートリッジで構成されている。
感光体101のクリーニング装置301は、被クリーニング体である感光体ドラム101に接触配置されて電源(極性制御ブレード用電源)4029により所定の電圧が印加され感光体101上の残留トナーを帯電して単一極性に揃え且つ残留トナーの少なくとも一部を掻き取る導電性部材である極性制御ブレード4020と、極性制御ブレード4020に対して感光体101のトナー搬送方向下流側に位置し感光体101に接触配置されて電源(ブラシ軸印加用電源4030)により所定の電圧が印加され感光体上から電気的にトナーを吸着するクリーニング部材であるブラシローラ4021と、ブラシローラ4021に接触配置されて電源(回収ローラ軸印加用電源)4028により所定の電圧が印加されブラシローラ4021から電気的にトナーを吸着する回収ローラ4022と、回収ローラ4022に接触配置されて電源(回収ローラ用導電性回収ブレード用電源)4032により所定の電圧が印加され回収ローラ4022からトナーを掻き取る回収ローラ用導電性回収ブレード4023とを備えた、静電クリーニング式のクリーニング装置である。
このクリーニング装置301のクリーニングケースの開口部には、図示していないが、クリーニング入口シール、クリーニングブラシ入口シール、クリーニング出口シールが設けられており、感光体101から回収したトナーがケース外に漏れ出さないようになっている。さらにクリーニングケースの下部にはトナー排出用の回収コイル(又はスクリュー)4024が設けられており、回収したトナーを図示しない廃トナー収容部に排出する、または現像器401に戻すようになっている。
また、感光体の表面保護のために、ブラシローラ4021による潤滑剤(保護剤)の塗布を行うようになっており、ステアリン酸亜鉛等の潤滑剤を固形化したもの(潤滑剤バー4040)をブラシローラ4021に当接させ、ブラシローラ4021を介して感光体表面に潤滑剤を塗布するようになっている。
なお、感光体クリーニング装置301の具体的な構成条件は以下のとおりである。
<極性制御ブレード4020条件>
・導電性カーボン含有ポリウレタンゴム体積抵抗:10Ω・cm(温度25℃、湿度50%にて測定)
・ブレード当接角度:20°
・ブレード厚み:2.0mm
・感光体へのブレード喰い込み量:0.5mm
・電源4029によるブレードへの印加電圧:−1200V
<ブラシ4021条件>
・ブラシ材質:導電性ポリエステル(繊維内部に導電性カーボンを内包し、繊維表面はポリエステル;いわゆる芯鞘構造)
・ブラシ抵抗:10Ω(印加電圧100〜600V)
・ブラシ軸印加電圧4030[V]:+100V
・ブラシ植毛密度:10万本/inch^2
・繊維径約25〜35μm、ブラシ先端の毛倒れ処理あり
・ブラシ径:φ14mm
・感光体へのブラシ繊維喰い込み量:1mm
*ブラシローラ表面に、ブラシ用電荷付与部材4033を用いて、ブラシ軸と同じ電圧を電源4030により印加している。
<回収ローラ4022条件>
・回収ローラ芯金材質:SUS
・回収ローラ表面材質:PVDF(厚み100μm)の表層にアクリル系UV硬化樹脂層(厚み3〜5μm)
・回収ローラ径:φ12mm
・回収ローラへのブラシ繊維喰い込み量:1mm
・電源4028による回収ローラ芯金印加電圧:+500V
<回収ブレード4023条件>
・導電性カーボン含有ポリウレタンゴム体積抵抗:10Ω・cm(温度25℃、湿度50%にて測定)
・ブレード当接角度:20°
・ブレード厚み:2.4mm
・回収ローラへのブレード喰い込み量:0.6mm
・電源4032による回収ブレードへの印加電圧:+900V
《プロセスコントロール時のクリーニングについて》
[Pパターンのクリーニング]
プロセスコントロールは、一定時間スリープモードが継続した場合(例えば4時間)、印字枚数が一定枚数を越えた場合(例えば100枚)、温度・湿度が変化したときなどに行われる。
従来は、図19のタイミングチャートに示すような駆動制御となっていた。つまり、中間転写ベルト501上のPパターンが中間転写ベルトクリーニング装置525を通過した時刻(クリーニングされたとき)に、中間転写ベルト501と感光体101〜104を停止させる。このとき必然的に、クリーニング装置525、301〜304も停止する。
この場合、課題で述べたようにPパターンの一部がクリーニング装置の下流側の中間転写ベルト501上に残る(クリーニング不良)。
これに対し本実施例では、図15に示すタイミングで駆動制御を行う。つまり、中間転写ベルト501上に残ったトナーを感光体101上に戻し、感光体のクリーニング装置301でクリーニングする。
さて、中間転写ベルト501上に残ったトナーが感光体101上に戻る理由であるが、このベルト上に残ったトナーはプラス極性のトナーであり転写ローラ507にはプラスの電圧が印加されているため、トナーと転写ローラが反発し合い、ベルト上のトナーが感光体上に戻るのである。(1次転写、図2の2Aの部分)
さらに、図15はPパターンが感光体クリーニング(301)通過時刻に感光体クリーニングを停止しているが、余裕を持ってからOFFの状態としても良い。例えば、図21のように感光体一周分余計に感光体と感光体クリーニングをONにした後にOFFとしても良い。
また、このクリーニングはPパターンなどのプロセスコントロール以外、紙ジャム時の未転写トナー処理の時にも応用できる。
ところで、感光体101のクリーニング装置に従来の機械的なブレードクリーニングを用い、中間転写ベルト501のクリーニングに図3の静電クリーニング式のクリーニング装置525を用いた場合には、図15の制御を適用しても、感光体クリーニング装置のクリーニングブレードも磨耗しているため良好にクリーニングすることができない。これに対し、本実施例の画像形成装置では、感光体101のクリーニング装置301にも図4に示すような静電クリーニング方式を用いているので、極性制御ブレード4020が磨耗しても、ブラシローラ4021がトナーを除去できるため、本発明が成立するのである。
さらに、中間転写ベルト501のクリーニングに従来のブレードクリーニングを用いるとブレードを通過するトナーはプラス極性でないため、感光体101に戻らず本発明を適用できない。ブレードクリーニングの場合、ブレードを通過するトナーは、Pパターンのトナーと同じ極性のまま、もしくは無帯電トナーである(図8(3)の未転写トナー)。このため、本発明のように、感光体101と中間転写ベルト501のクリーニングに静電クリーニング式のクリーニング装置525、301を同時に適用する必要がある。
[実施例2]
図16は駆動制御の別の実施例を示しており、中間転写ベルトクリーニング装置525の駆動時間を最短にした場合の例を示している。
[実施例3]
図16では、感光体駆動時間より中間転写ベルト駆動時間が短いため、感光体101と中間転写ベルト501の摺擦でお互いが傷つく可能性がある。これを回避するためには、感光体101と中間転写ベルト501は同時に停止したほうが望ましい。また、図17に示すように、中間転写ベルトクリーニング装置525の駆動時間を短くする場合にも、中間転写ベルト501と中間転写ベルトクリーニング装置525の停止は同時にした方がよい。
[実施例4]
図18は駆動制御のさらに別の実施例を示している。図17に示すように中間転写ベルト501と中間転写ベルトクリーニング装置525を同時に停止した場合、ブラシローラ521に放置されたトナーは電荷を失い無帯電トナーとなり、回収ローラ522に移動しなくなり、ブラシの能力低下やロール化の引き金となる。そこで、図18に示すように、中間転写ベルト501の静電クリーニング装置525を中間転写ベルト501停止後も駆動させ、ブラシローラ521に残ったトナーを回収ローラ522を経て回収ブレード523で回収するようにするとよい。静電クリーニング装置525の駆動時間は、少なくともブラシローラ521が1回転する時間である。
[実施例5]
図20は駆動制御のさらに別の実施例を示している。図15においては1番目の感光体101とそのクリーニング装置301の駆動タイミングを示しているが、図20では、最下流の4番目の感光体104とそのクリーニング装置304の駆動タイミングを示している。中間転写ベルト上のPパターンが最下流の感光体104の一時転写部2Dを通過し最下流の感光体104のクリーニング装置304を通過するまで中間転写ベルト501と感光体101〜104を駆動させ、中間転写ベルト501上に残ったトナーを感光体101だけでなく感光体102〜104上にも戻し、感光体のクリーニング装置301〜304でクリーニングする。
このようにすることにより、中間転写ベルト501上に残ったトナーが多く、最上流の感光体101にトナーを戻しきれない場合でも、その下流の感光体102〜104にも戻すことで、クリーニング後に中間転写ベルト501上に残ったトナーを確実にクリーニングすることができる。また、この場合、最下流の感光体104までトナーを戻さなくても、途中の感光体102,103にトナーを戻すだけでも良い。
[実施例6]
図5は本発明のさらに別の実施例を示す図であり、中間転写ベルトクリーニング装置525の概略構成を示す構成図である。
図5に示す中間転写ベルトクリーニング装置525は、ブラシローラ521の下流にトナー検知手段としてフォトセンサ5001が配置され、クリーニング後の中間転写ベルト501上(50Aの位置)に残ったトナーを検知するようにしたものである。そして、トナーが検知されたときは、図15〜18、20、21のいずれかの駆動制御で運転を行う。また、フォトセンサ5001でトナーが検知されない通常の場合は、図19の運転を行う。
すなわち、クリーニング装置525が比較的新品ならばPパターンはクリーニングされるため50Aの位置にトナーが来ない。しかし、クリーニング装置525が寿命近くになると、ブラシローラ521からベルト上に再付着した+極性のトナーが50Aの位置に来るため、フォトセンサ5001で検知されるのである。
クリーニング装置525が新品のときは、図15〜18、20、21のいずれかの駆動制御で運転を行うと、クリーニング装置525でクリーニングが行われているため無駄に運転してしまうことになる。しかし、図5の構成とすることで必要なときだけ図15〜18、20、21のいずれかの駆動制御の運転を行うため、ロスタイムがなくなる。
さらに、ユニットの積算の運転時間を記録し(例えば、ユニット交換時からのプリント枚数もしくは走行距離)、運転時間がある一定時間以下は図19の運転を行い、一定時間以上になったならば図15〜18、20、21のいずれかの駆動制御の運転を行ってもよい。このようにすることでフォトセンサを配置する煩雑さが無くなる。
[実施例7]
図6は本発明のさらに別の実施例を示す画像形成装置の概略要部構成図である。
図6は、所謂直接転写方式の画像形成装置の作像エンジンを示しており、転写材搬送ユニット6000の弾性ベルト状部材からなる転写材搬送部材(転写ベルトと言う)6001が感光体101〜104に接触配置されている。
図6に示すように、ドラム状の4個の感光体101、102、103、104は反時計回りに回転可能に配設されている。各感光体101〜104の周囲には、感光体101〜104の表面を除電する図示しない除電装置、感光体101〜104の表面を一様に帯電する帯電装置201〜204、レーザ光による光書き込みを行って感光体101〜104の帯電部分に静電潜像を形成する図示省略の露光装置、この静電潜像を現像する現像装置401〜404がそれぞれ配設されている。また、感光体101〜104の周囲には、転写後の感光体101〜104の表面をクリーニングするクリーニング装置301〜304がそれぞれ配設されている。この画像形成装置は、感光体を4個用いた、所謂いわゆるタンデム方式を採用しており、それぞれの感光体101〜104と、その周囲に設けられる画像形成用の部品とで画像形成部(画像形成ユニット)を構成しており、各画像形成部のそれぞれの感光体101〜104の周囲に設けられる画像形成用の部品構成は、現像装置401〜404が扱う色材(着色粉体(トナーと言う))の色が異なる以外は同じである。尚、各現像装置401〜404で使用するトナーは、高精細な印刷を行うため、平均粒径4μmの球形トナー(円形度0.98)を用いた。また、画像形成部の具体的な構成例としては、図4に示すような構成のプロセスカートリッジを採用でき、このプロセスカートリッジの上下を逆にして配置した形態となる。
上記4セットの画像形成部の感光体101〜104の下方には、転写材搬送ユニット6000が設けられている。図6に示すように、転写材搬送ユニット6000では、被クリーニング体である弾性ベルト状部材からなる転写材搬送部材(転写ベルト)6001がテンションローラ6009、駆動ローラ6002、支持ローラ6003、6008、6010に掛け回されて図中の矢印方向(時計回り方向)に回転駆動される。転写ベルト6001は、多層構造となっており、ベース層を例えば伸びの少ないフッ素樹脂やPVDシート、ポリイミド系樹脂で作り、表面をフッ素系樹脂等の平滑性のよいコート層で被ってなる。
そして、転写ベルト6001を挟んで感光体101に対向する位置には、感光体101上に形成されたトナー像を転写ベルト6001で担持搬送される記録紙Pに転写する転写ローラ6007が配設される。また、他色の像担持用の感光体102、103、104にも転写ベルト6001を挟んで、6004、6005、6006の転写ローラが配設される。また、テンションローラ6009の左方には、記録紙Pへの転写後に転写ベルト6001上に付着する転写残トナーを除去する転写ベルトクリーニング装置525が配設される。テンションローラ6009は、転写ベルト6001に一定の張力を付与する働きをもつとともに、クリーニング対向ローラ(極性制御用対向電極)の機能も兼ねていることになる。尚、クリーニング装置525は転写ベルト6001と寿命設定が異なる場合は単独で脱着が可能としてもよい。また、この転写ベルトクリーニング装置525の構成、動作は、先の実施例で説明した図3(または図5)の構成の静電クリーニング式のベルトクリーニング装置525と同じである。
図6には図示していないが、転写材搬送ユニット6000の下方には、図1に示したような給紙カセットや給紙機構、搬送部材が設けられおり、転写材(例えば記録紙)Pは図示しない給紙カセットから給紙され、レジストローラ対800を経て図6の左側から転写材搬送ユニット6000に入ってくる。また、転写材搬送ユニット6000の右側上方には図示省略の定着装置や排紙搬送部材等が設けられている。
上記構成の画像形成装置において、不図示のスタートスイッチを押すと、不図示の駆動モータで駆動ローラ6002を回転駆動して他のローラ6009、6008、6003、6010を従動回転し、転写ベルト6001を回転搬送する。同時に、個々の画像形成部でその感光体101〜104を回転して、帯電装置201〜204による帯電、露光装置のレーザ光による潜像形成、現像装置401〜404の各色トナーによる現像が行われ、各感光体上にそれぞれ、ブラック・イエロー・マゼンタ・シアンの単色画像を形成する。一方、図示しない給紙カセットからは記録紙Pが1枚づつ繰り出され、給紙路を経てレジストローラ対800に突き当てて一旦止めた状態となる。そして上記の画像形成にタイミングを合わせてレジストローラ対800を回転し、転写ベルト6001と感光体101との間に記録紙Pを送り込み、転写ローラ6007で転写して記録紙P上に1色目の画像を記録し、さらに転写ベルト6001で記録紙Pを搬送しながら感光体102〜104上の2色目〜4色目の画像を記録紙上に順次重ねて転写する。画像転写後の記録紙Pは、図示しない搬送部材で搬送して図示省略の定着装置へと送り込み、定着装置で熱と圧力とを加えて転写画像を定着した後、排紙トレイ等に排出される。一方、記録紙Pへの画像転写後の転写ベルト6001は、転写ベルトクリーニング装置525によって画像転写後に転写ベルト6001上に残留する残留トナーが除去回収され、画像形成装置による再度の画像形成に備える。また、画像転写後の各感光体101〜104に残留する残留トナーはクリーニング装置301〜304で除去回収される。
上記のような直接転写方式のタンデム型の画像形成装置の場合にも、プロセスコントロール時は、転写ベルト6001上にトナーパターン(Pパターン)を転写して、フォトセンサ550で転写ベルト6001上のトナーを検出している。このため、転写ベルト6001においても、中間転写ベルトの場合と同様の課題が生じるため、中間転写ベルトを用いた場合と同様のクリーニング動作を行うことになる。そして、図15〜18、20、21のいずれかの駆動制御で運転を行うことで、長期に亘りクリーニングを確実に行うことができる。なお、具体的な動作は実施例1〜6と同様であるので、ここでは説明を省略する。
[実施例8]
《トナーの特性》
次に、本発明の画像形成装置に好適に使用されるトナーについて説明する。
600dpi以上の微小ドットを再現するために、トナーの体積平均粒径は3〜6μmが好ましい。また、体積平均粒径(Dv)と個数平均粒径(Dn)との比(Dv/Dn)は1.00〜1.40の範囲にあることが好ましい。(Dv/Dn)が1.00に近いほど粒径分布がシャープであることを示す。このような小粒径で粒径分布の狭いトナーでは、トナーの帯電量分布が均一になり、地肌かぶりの少ない高品位な画像を得ることができ、また、静電転写方式では転写率を高くすることができる。
トナーの形状係数SF−1は100〜180、形状係数SF−2は100〜180の範囲にあることが好ましい。図12は、形状係数SF−1を説明するためにトナーの形状を模式的に表した図である。形状係数SF−1は、トナー形状の丸さの割合を示すものであり、下記の式(1)で表される。
SF−1={(MXLNG)^2/AREA}×(100π)/4・・・式(1)
すなわち形状係数SF−1は、トナーを2次元平面に投影してできる形状の最大長MXLNGの二乗を図形面積AREAで除して、100π/4を乗じた値である。
このSF−1の値が100の場合トナーの形状は真球となり、SF−1の値が大きくなるほど不定形になる。
また、図13は、形状係数SF−2を説明するためにトナーの形状を模式的に表した図である。形状係数SF−2は、トナーの形状の凹凸の割合を示すものであり、下記の式(2)で表される。
SF−2={(PERI)^2/AREA}×100/(4π)・・・式(2)
すなわち形状係数SF−2は、トナーを2次元平面に投影してできる図形の周長PERIの二乗を図形面積AREAで除して、100/4πを乗じた値である。
このSF−2の値が100の場合トナー表面に凹凸が存在しなくなり、SF−2の値が大きくなるほどトナー表面の凹凸が顕著になる。
形状係数の測定は、具体的には、走査型電子顕微鏡(S−800:日立製作所製)でトナーの写真を撮り、これを画像解析装置(LUSEX3:ニレコ社製)に導入して解析して計算した。トナーの形状が球形に近くなると、トナーとトナーあるいはトナーと感光体との接触状態が点接触になるために、トナー同士の吸着力は弱くなり従って流動性が高くなり、また、トナーと感光体との吸着力も弱くなって、転写率は高くなる。形状係数SF−1、SF−2のいずれかが180を超えると、転写率が低下するため好ましくない。
また、カラープリンタに好適に使用されるトナーは、少なくとも、窒素原子を含む官能基を有するポリエステルプレポリマーと、ポリエステルと、着色剤と、離型剤とを有機溶媒中に分散させたトナー材料液を、水系溶媒中で架橋及び/又は伸長反応させて得られるトナーである。以下に、トナーの構成材料及び製造方法について説明する。
(ポリエステル)
ポリエステルは、多価アルコール化合物と多価カルボン酸化合物との重縮合反応によって得られる。
多価アルコール化合物(PO)としては、2価アルコール(DIO)および3価以上の多価アルコール(TO)が挙げられ、(DIO)単独、または(DIO)と少量の(TO)との混合物が好ましい。2価アルコール(DIO)としては、アルキレングリコール(エチレングリコール、1,2−プロピレングリコール、1,3−プロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオールなど);アルキレンエーテルグリコール(ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ジプロピレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリテトラメチレンエーテルグリコールなど);脂環式ジオール(1,4−シクロヘキサンジメタノール、水素添加ビスフェノールAなど);ビスフェノール類(ビスフェノールA、ビスフェノールF、ビスフェノールSなど);上記脂環式ジオールのアルキレンオキサイド(エチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、ブチレンオキサイドなど)付加物;上記ビスフェノール類のアルキレンオキサイド(エチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、ブチレンオキサイドなど)付加物などが挙げられる。これらのうち好ましいものは、炭素数2〜12のアルキレングリコールおよびビスフェノール類のアルキレンオキサイド付加物であり、特に好ましいものはビスフェノール類のアルキレンオキサイド付加物、およびこれと炭素数2〜12のアルキレングリコールとの併用である。3価以上の多価アルコール(TO)としては、3〜8価またはそれ以上の多価脂肪族アルコール(グリセリン、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール、ソルビトールなど);3価以上のフェノール類(トリスフェノールPA、フェノールノボラック、クレゾールノボラックなど);上記3価以上のポリフェノール類のアルキレンオキサイド付加物などが挙げられる。
多価カルボン酸(PC)としては、2価カルボン酸(DIC)および3価以上の多価カルボン酸(TC)が挙げられ、(DIC)単独、および(DIC)と少量の(TC)との混合物が好ましい。2価カルボン酸(DIC)としては、アルキレンジカルボン酸(コハク酸、アジピン酸、セバシン酸など);アルケニレンジカルボン酸(マレイン酸、フマール酸など);芳香族ジカルボン酸(フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、ナフタレンジカルボン酸など)などが挙げられる。これらのうち好ましいものは、炭素数4〜20のアルケニレンジカルボン酸および炭素数8〜20の芳香族ジカルボン酸である。3価以上の多価カルボン酸(TC)としては、炭素数9〜20の芳香族多価カルボン酸(トリメリット酸、ピロメリット酸など)などが挙げられる。なお、多価カルボン酸(PC)としては、上述のものの酸無水物または低級アルキルエステル(メチルエステル、エチルエステル、イソプロピルエステルなど)を用いて多価アルコール(PO)と反応させてもよい。
多価アルコール(PO)と多価カルボン酸(PC)の比率は、水酸基[OH]とカルボキシル基[COOH]の当量比[OH]/[COOH]として、通常2/1〜1/1、好ましくは1.5/1〜1/1、さらに好ましくは1.3/1〜1.02/1である。多価アルコール(PO)と多価カルボン酸(PC)の重縮合反応は、テトラブトキシチタネート、ジブチルチンオキサイドなど公知のエステル化触媒の存在下、150〜280℃に加熱し、必要により減圧としながら生成する水を留去して、水酸基を有するポリエステルを得る。ポリエステルの水酸基価は5以上であることが好ましく、ポリエステルの酸価は通常1〜30、好ましくは5〜20である。酸価を持たせることで負帯電性となりやすく、さらには記録紙への定着時、記録紙とトナーの親和性がよく低温定着性が向上する。しかし、酸価が30を超えると帯電の安定性、特に環境変動に対し悪化傾向がある。また、重量平均分子量1万〜40万、好ましくは2万〜20万である。重量平均分子量が1万未満では、耐オフセット性が悪化するため好ましくない。また、40万を超えると低温定着性が悪化するため好ましくない。
ポリエステルには、上記の重縮合反応で得られる未変性ポリエステルの他に、ウレア変性のポリエステルが好ましく含有される。ウレア変性のポリエステルは、上記の重縮合反応で得られるポリエステルの末端のカルボキシル基や水酸基等と多価イソシアネート化合物(PIC)とを反応させ、イソシアネート基を有するポリエステルプレポリマー(A)を得、これとアミン類との反応により分子鎖が架橋及び/又は伸長されて得られるものである。多価イソシアネート化合物(PIC)としては、脂肪族多価イソシアネート(テトラメチレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、2,6−イソシアナトメチルカプロエートなど);脂環式ポリイソシアネート(イソホロンジイソシアネート、シクロヘキシルメタンジイソシアネートなど);芳香族ジイソシアネート(トリレンジイソシアネート、ジフェニルメタンジイソシアネートなど);芳香脂肪族ジイソシアネート(α,α,α',α'−テトラメチルキシリレンジイソシアネートなど);イソシアネート類;前記ポリイソシアネートをフェノール誘導体、オキシム、カプロラクタムなどでブロックしたもの;およびこれら2種以上の併用が挙げられる。多価イソシアネート化合物(PIC)の比率は、イソシアネート基[NCO]と、水酸基を有するポリエステルの水酸基[OH]の当量比[NCO]/[OH]として、通常5/1〜1/1、好ましくは4/1〜1.2/1、さらに好ましくは2.5/1〜1.5/1である。[NCO]/[OH]が5を超えると低温定着性が悪化する。[NCO]のモル比が1未満では、ウレア変性ポリエステルを用いる場合、そのエステル中のウレア含量が低くなり、耐ホットオフセット性が悪化する。イソシアネート基を有するポリエステルプレポリマー(A)中の多価イソシアネート化合物(PIC)構成成分の含有量は、通常0.5〜40wt%、好ましくは1〜30wt%、さらに好ましくは2〜20wt%である。0.5wt%未満では、耐ホットオフセット性が悪化するとともに、耐熱保存性と低温定着性の両立の面で不利になる。また、40wt%を超えると低温定着性が悪化する。イソシアネート基を有するポリエステルプレポリマー(A)中の1分子当たりに含有されるイソシアネート基は、通常1個以上、好ましくは、平均1.5〜3個、さらに好ましくは、平均1.8〜2.5個である。1分子当たり1個未満では、ウレア変性ポリエステルの分子量が低くなり、耐ホットオフセット性が悪化する。
次に、ポリエステルプレポリマー(A)と反応させるアミン類(B)としては、2価アミン化合物(B1)、3価以上の多価アミン化合物(B2)、アミノアルコール(B3)、アミノメルカプタン(B4)、アミノ酸(B5)、およびB1〜B5のアミノ基をブロックしたもの(B6)などが挙げられる。
2価アミン化合物(B1)としては、芳香族ジアミン(フェニレンジアミン、ジエチルトルエンジアミン、4,4'−ジアミノジフェニルメタンなど);脂環式ジアミン(4,4'−ジアミノ−3,3'−ジメチルジシクロヘキシルメタン、ジアミンシクロヘキサン、イソホロンジアミンなど);および脂肪族ジアミン(エチレンジアミン、テトラメチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミンなど)などが挙げられる。3価以上の多価アミン化合物(B2)としては、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミンなどが挙げられる。アミノアルコール(B3)としては、エタノールアミン、ヒドロキシエチルアニリンなどが挙げられる。アミノメルカプタン(B4)としては、アミノエチルメルカプタン、アミノプロピルメルカプタンなどが挙げられる。アミノ酸(B5)としては、アミノプロピオン酸、アミノカプロン酸などが挙げられる。B1〜B5のアミノ基をブロックしたもの(B6)としては、前記B1〜B5のアミン類とケトン類(アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトンなど)から得られるケチミン化合物、オキサゾリジン化合物などが挙げられる。これらアミン類(B)のうち好ましいものは、B1およびB1と少量のB2の混合物である。
アミン類(B)の比率は、イソシアネート基を有するポリエステルプレポリマー(A)中のイソシアネート基[NCO]と、アミン類(B)中のアミノ基[NHx]の当量比[NCO]/[NHx]として、通常1/2〜2/1、好ましくは1.5/1〜1/1.5、さらに好ましくは1.2/1〜1/1.2である。[NCO]/[NHx]が2や、1/2未満では、ウレア変性ポリエステルの分子量が低くなり、耐ホットオフセット性が悪化する。
また、ウレア変性ポリエステル中には、ウレア結合と共にウレタン結合を含有していてもよい。ウレア結合含有量とウレタン結合含有量のモル比は、通常100/0〜10/90であり、好ましくは80/20〜20/80、さらに好ましくは、60/40〜30/70である。ウレア結合のモル比が10%未満では、耐ホットオフセット性が悪化する。
ウレア変性ポリエステルは、ワンショット法、などにより製造される。多価アルコール(PO)と多価カルボン酸(PC)を、テトラブトキシチタネート、ジブチルチンオキサイドなど公知のエステル化触媒の存在下、150〜280℃に加熱し、必要により減圧としながら生成する水を留去して、水酸基を有するポリエステルを得る。次いで40〜140℃にて、これに多価イソシアネート(PIC)を反応させ、イソシアネート基を有するポリエステルプレポリマー(A)を得る。さらにこの(A)にアミン類(B)を0〜140℃にて反応させ、ウレア変性ポリエステルを得る。
(PIC)を反応させる際、及び(A)と(B)を反応させる際には、必要により溶剤を用いることもできる。使用可能な溶剤としては、芳香族溶剤(トルエン、キシレンなど);ケトン類(アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトンなど);エステル類(酢酸エチルなど);アミド類(ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミドなど)およびエーテル類(テトラヒドロフランなど)などのイソシアネート(PIC)に対して不活性なものが挙げられる。
また、ポリエステルプレポリマー(A)とアミン類(B)との架橋及び/又は伸長反応には、必要により反応停止剤を用い、得られるウレア変性ポリエステルの分子量を調整することができる。反応停止剤としては、モノアミン(ジエチルアミン、ジブチルアミン、ブチルアミン、ラウリルアミンなど)、およびそれらをブロックしたもの(ケチミン化合物)などが挙げられる。
ウレア変性ポリエステルの重量平均分子量は、通常1万以上、好ましくは2万〜1000万、さらに好ましくは3万〜100万である。1万未満では耐ホットオフセット性が悪化する。ウレア変性ポリエステル等の数平均分子量は、先の未変性ポリエステルを用いる場合は特に限定されるものではなく、前記重量平均分子量とするのに得やすい数平均分子量でよい。ウレア変性ポリエステルを単独で使用する場合は、その数平均分子量は、通常2000〜15000、好ましくは2000〜10000、さらに好ましくは2000〜8000である。20000を超えると低温定着性およびフルカラー装置に用いた場合の光沢性が悪化する。
未変性ポリエステルとウレア変性ポリエステルとを併用することで、低温定着性およびフルカラー画像形成装置100に用いた場合の光沢性が向上するので、ウレア変性ポリエステルを単独で使用するよりも好ましい。尚、未変性ポリエステルはウレア結合以外の化学結合で変性されたポリエステルを含んでも良い。
未変性ポリエステルとウレア変性ポリエステルとは、少なくとも一部が相溶していることが低温定着性、耐ホットオフセット性の面で好ましい。従って、未変性ポリエステルとウレア変性ポリエステルとは類似の組成であることが好ましい。
また、未変性ポリエステルとウレア変性ポリエステルとの重量比は、通常20/80〜95/5、好ましくは70/30〜95/5、さらに好ましくは75/25〜95/5、特に好ましくは80/20〜93/7である。ウレア変性ポリエステルの重量比が5%未満では、耐ホットオフセット性が悪化するとともに、耐熱保存性と低温定着性の両立の面で不利になる。
未変性ポリエステルとウレア変性ポリエステルとを含むバインダー樹脂のガラス転移点(Tg)は、通常45〜65℃、好ましくは45〜60℃である。45℃未満ではトナーの耐熱性が悪化し、65℃を超えると低温定着性が不十分となる。
また、ウレア変性ポリエステルは、得られるトナー母体粒子の表面に存在しやすいため、公知のポリエステル系トナーと比較して、ガラス転移点が低くても耐熱保存性が良好な傾向を示す。
(着色剤)
着色剤としては、公知の染料及び顔料が全て使用でき、例えば、カーボンブラック、ニグロシン染料、鉄黒、ナフトールイエローS、ハンザイエロー(10G、5G、G)、カドミュウムイエロー、黄色酸化鉄、黄土、黄鉛、チタン黄、ポリアゾイエロー、オイルイエロー、ハンザイエロー(GR、A、RN、R)、ピグメントイエローL、ベンジジンイエロー(G、GR)、パーマネントイエロー(NCG)、バルカンファストイエロー(5G、R)、タートラジンレーキ、キノリンイエローレーキ、アンスラザンイエローBGL、イソインドリノンイエロー、ベンガラ、鉛丹、鉛朱、カドミュウムレッド、カドミュウムマーキュリレッド、アンチモン朱、パーマネントレッド4R、パラレッド、ファイセーレッド、パラクロルオルトニトロアニリンレッド、リソールファストスカーレットG、ブリリアントファストスカーレット、ブリリアントカーンミンBS、パーマネントレッド(F2R、F4R、FRL、FRLL、F4RH)、ファストスカーレットVD、ベルカンファストルビンB、ブリリアントスカーレットG、リソールルビンGX、パーマネントレッドF5R、ブリリアントカーミン6B、ピグメントスカーレット3B、ボルドー5B、トルイジンマルーン、パーマネントボルドーF2K、ヘリオボルドーBL、ボルドー10B、ボンマルーンライト、ボンマルーンメジアム、エオシンレーキ、ローダミンレーキB、ローダミンレーキY、アリザリンレーキ、チオインジゴレッドB、チオインジゴマルーン、オイルレッド、キナクリドンレッド、ピラゾロンレッド、ポリアゾレッド、クロームバーミリオン、ベンジジンオレンジ、ペリノンオレンジ、オイルオレンジ、コバルトブルー、セルリアンブルー、アルカリブルーレーキ、ピーコックブルーレーキ、ビクトリアブルーレーキ、無金属フタロシアニンブルー、フタロシアニンブルー、ファストスカイブルー、インダンスレンブルー(RS、BC)、インジゴ、群青、紺青、アントラキノンブルー、ファストバイオレットB、メチルバイオレットレーキ、コバルト紫、マンガン紫、ジオキサンバイオレット、アントラキノンバイオレット、クロムグリーン、ジンクグリーン、酸化クロム、ピリジアン、エメラルドグリーン、ピグメントグリーンB、ナフトールグリーンB、グリーンゴールド、アシッドグリーンレーキ、マラカイトグリーンレーキ、フタロシアニングリーン、アントラキノングリーン、酸化チタン、亜鉛華、リトボン及びそれらの混合物が使用できる。着色剤の含有量はトナーに対して通常1〜15重量%、好ましくは3〜10重量%である。
着色剤は樹脂と複合化されたマスターバッチとして用いることもできる。マスターバッチの製造、またはマスターバッチとともに混練されるバインダー樹脂としては、ポリスチレン、ポリ−p−クロロスチレン、ポリビニルトルエンなどのスチレン及びその置換体の重合体、あるいはこれらとビニル化合物との共重合体、ポリメチルメタクリレート、ポリブチルメタクリレート、ポリ塩化ビニル、ポリ酢酸ビニル、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエステル、エポキシ樹脂、エポキシポリオール樹脂、ポリウレタン、ポリアミド、ポリビニルブチラール、ポリアクリル酸樹脂、ロジン、変性ロジン、テルペン樹脂、脂肪族又は脂環族炭化水素樹脂、芳香族系石油樹脂、塩素化パラフィン、パラフィンワックスなどが挙げられ、単独あるいは混合して使用できる。
(荷電制御剤)
荷電制御剤としては公知のものが使用でき、例えばニグロシン系染料、トリフェニルメタン系染料、クロム含有金属錯体染料、モリブデン酸キレート顔料、ローダミン系染料、アルコキシ系アミン、4級アンモニウム塩(フッ素変性4級アンモニウム塩を含む)、アルキルアミド、燐の単体または化合物、タングステンの単体または化合物、フッ素系活性剤、サリチル酸金属塩及び、サリチル酸誘導体の金属塩等である。具体的にはニグロシン系染料のボントロン03、4級アンモニウム塩のボントロンP−51、含金属アゾ染料のボントロンS−34、オキシナフトエ酸系金属錯体のE−82、サリチル酸系金属錯体のE−84、フェノール系縮合物のE−89(以上、オリエント化学工業社製)、4級アンモニウム塩モリブデン錯体のTP−302、TP−415(以上、保土谷化学工業社製)、4級アンモニウム塩のコピーチャージPSYVP2038、トリフェニルメタン誘導体のコピーブルーPR、4級アンモニウム塩のコピーチャージNEG VP2036、コピーチャージ NX VP434(以上、ヘキスト社製)、LRA−901、ホウ素錯体であるLR−147(日本カーリット社製)、銅フタロシアニン、ペリレン、キナクリドン、アゾ系顔料、その他スルホン酸基、カルボキシル基、4級アンモニウム塩等の官能基を有する高分子系の化合物が挙げられる。このうち、特にトナーを負極性に制御する物質が好ましく使用される。
荷電制御剤の使用量は、バインダー樹脂の種類、必要に応じて使用される添加剤の有無、分散方法を含めたトナー製造方法によって決定されるもので、一義的に限定されるものではないが、好ましくはバインダー樹脂100重量部に対して、0.1〜10重量部の範囲で用いられる。好ましくは、0.2〜5重量部の範囲がよい。10重量部を超える場合にはトナーの帯電性が大きすぎ、荷電制御剤の効果を減退させ、現像ローラとの静電的吸引力が増大し、現像剤の流動性低下や、画像濃度の低下を招く。
(離型剤)
離型剤としては、融点が50〜120℃の低融点のワックスが、バインダー樹脂との分散の中でより離型剤として効果的に定着ローラとトナー界面との間で働き、これにより定着ローラにオイルの如き離型剤を塗布することなく高温オフセットに対し効果を示す。このようなワックス成分としては、以下のものが挙げられる。ロウ類及びワックス類としては、カルナバワックス、綿ロウ、木ロウ、ライスワックス等の植物系ワックス、ミツロウ、ラノリン等の動物系ワックス、オゾケライト、セルシン等の鉱物系ワックス、及びおよびパラフィン、マイクロクリスタリン、ペトロラタム等の石油ワックス等が挙げられる。また、これら天然ワックスの外に、フィッシャー・トロプシュワックス、ポリエチレンワックス等の合成炭化水素ワックス、エステル、ケトン、エーテル等の合成ワックス等が挙げられる。さらに、12−ヒドロキシステアリン酸アミド、ステアリン酸アミド、無水フタル酸イミド、塩素化炭化水素等の脂肪酸アミド及び、低分子量の結晶性高分子樹脂である、ポリ−n−ステアリルメタクリレート、ポリ−n−ラウリルメタクリレート等のポリアクリレートのホモ重合体あるいは共重合体(例えば、n−ステアリルアクリレート−エチルメタクリレートの共重合体等)等、側鎖に長いアルキル基を有する結晶性高分子等も用いることができる。
荷電制御剤、離型剤はマスターバッチ、バインダー樹脂とともに溶融混練することもできるし、もちろん有機溶剤に溶解、分散する際に加えても良い。
(外添剤)
トナー粒子の流動性や現像性、帯電性を補助するための外添剤として、無機微粒子が好ましく用いられる。この無機微粒子の一次粒子径は、5×10−3〜2μmであることが好ましく、特に5×10−3〜0.5μmであることが好ましい。また、BET法による比表面積は、20〜500m2/gであることが好ましい。この無機微粒子の使用割合は、トナーの0.01〜5wt%であることが好ましく、特に0.01〜2.0wt%であることが好ましい。無機微粒子の具体例としては、例えばシリカ、アルミナ、酸化チタン、チタン酸バリウム、チタン酸マグネシウム、チタン酸カルシウム、チタン酸ストロンチウム、酸化亜鉛、酸化スズ、ケイ砂、クレー、雲母、ケイ灰石、ケイソウ土、酸化クロム、酸化セリウム、ベンガラ、三酸化アンチモン、酸化マグネシウム、酸化ジルコニウム、硫酸バリウム、炭酸バリウム、炭酸カルシウム、炭化ケイ素、窒化ケイ素などを挙げることができる。中でも、流動性付与剤としては、疎水性シリカ微粒子と疎水性酸化チタン微粒子を併用するのが好ましい。特に両微粒子の平均粒径が5×10−4μm以下のものを使用して攪拌混合を行った場合、トナーとの静電力、ファンデルワールス力は格段に向上することより、所望の帯電レベルを得るために行われる現像装置内部の攪拌混合によっても、トナーから流動性付与剤が脱離することなく、ホタルなどが発生しない良好な画像品質が得られて、さらに転写残トナーの低減が図られる。酸化チタン微粒子は、環境安定性、画像濃度安定性に優れている反面、帯電立ち上がり特性の悪化傾向にあることより、酸化チタン微粒子添加量がシリカ微粒子添加量よりも多くなると、この副作用の影響が大きくなることが考えられる。しかし、疎水性シリカ微粒子及び疎水性酸化チタン微粒子の添加量が0.3〜1.5wt%の範囲では、帯電立ち上がり特性が大きく損なわれず、所望の帯電立ち上がり特性が得られ、すなわち、コピーの繰り返しを行っても、安定した画像品質が得られる。
次に、トナーの製造方法について説明する。ここでは、好ましい製造方法について示すが、これに限られるものではない。
(トナーの製造方法)
(1)着色剤、未変性ポリエステル、イソシアネート基を有するポリエステルプレポリマー、離型剤を有機溶媒中に分散させトナー材料液を作る。
有機溶媒は、沸点が100℃未満の揮発性であることが、トナー母体粒子形成後の除去が容易である点から好ましい。具体的には、トルエン、キシレン、ベンゼン、四塩化炭素、塩化メチレン、1,2−ジクロロエタン、1,1,2−トリクロロエタン、トリクロロエチレン、クロロホルム、モノクロロベンゼン、ジクロロエチリデン、酢酸メチル、酢酸エチル、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトンなどを単独あるいは2種以上組合せて用いることができる。特に、トルエン、キシレン等の芳香族系溶媒および塩化メチレン、1,2−ジクロロエタン、クロロホルム、四塩化炭素等のハロゲン化炭化水素が好ましい。有機溶媒の使用量は、ポリエステルプレポリマー100重量部に対し、通常0〜300重量部、好ましくは0〜100重量部、さらに好ましくは25〜70重量部である。
(2)トナー材料液を界面活性剤、樹脂微粒子の存在下、水系媒体中で乳化させる。
水系媒体は、水単独でも良いし、アルコール(メタノール、イソプロピルアルコール、エチレングリコールなど)、ジメチルホルムアミド、テトラヒドロフラン、セルソルブ類(メチルセルソルブなど)、低級ケトン類(アセトン、メチルエチルケトンなど)などの有機溶媒を含むものであってもよい。
トナー材料液100重量部に対する水系媒体の使用量は、通常50〜2000重量部、好ましくは100〜1000重量部である。50重量部未満ではトナー材料液の分散状態が悪く、所定の粒径のトナー粒子が得られない。20000重量部を超えると経済的でない。
また、水系媒体中の分散を良好にするために、界面活性剤、樹脂微粒子等の分散剤を適宜加える。
界面活性剤としては、アルキルベンゼンスルホン酸塩、α−オレフィンスルホン酸塩、リン酸エステルなどのアニオン性界面活性剤、アルキルアミン塩、アミノアルコール脂肪酸誘導体、ポリアミン脂肪酸誘導体、イミダゾリンなどのアミン塩型や、アルキルトリメチルアンモニム塩、ジアルキルジメチルアンモニウム塩、アルキルジメチルベンジルアンモニウム塩、ピリジニウム塩、アルキルイソキノリニウム塩、塩化ベンゼトニウムなどの4級アンモニウム塩型のカチオン性界面活性剤、脂肪酸アミド誘導体、多価アルコール誘導体などの非イオン界面活性剤、例えばアラニン、ドデシルジ(アミノエチル)グリシン、ジ(オクチルアミノエチル)グリシンやN−アルキル−N,N−ジメチルアンモニウムベタインなどの両性界面活性剤が挙げられる。
また、フルオロアルキル基を有する界面活性剤を用いることにより、非常に少量でその効果をあげることができる。好ましく用いられるフルオロアルキル基を有するアニオン性界面活性剤としては、炭素数2〜10のフルオロアルキルカルボン酸及びその金属塩、パーフルオロオクタンスルホニルグルタミン酸ジナトリウム、3−[ω−フルオロアルキル(C6〜C11)オキシ]−1−アルキル(C3〜C4)スルホン酸ナトリウム、3−[ω−フルオロアルカノイル(C6〜C8)−N−エチルアミノ]−1−プロパンスルホン酸ナトリウム、フルオロアルキル(C11〜C20)カルボン酸及び金属塩、パーフルオロアルキルカルボン酸(C7〜C13)及びその金属塩、パーフルオロアルキル(C4〜C12)スルホン酸及びその金属塩、パーフルオロオクタンスルホン酸ジエタノールアミド、N−プロピル−N−(2−ヒドロキシエチル)パーフルオロオクタンスルホンアミド、パーフルオロアルキル(C6〜C10)スルホンアミドプロピルトリメチルアンモニウム塩、パーフルオロアルキル(C6〜C10)−N−エチルスルホニルグリシン塩、モノパーフルオロアルキル(C6〜C16)エチルリン酸エステルなどが挙げられる。
商品名としては、サーフロンS−111、S−112、S−113(旭硝子社製)、フロラードFC−93、FC−95、FC−98、FC−129(住友3M社製)、ユニダインDS−101、DS−102(ダイキン工業社製)、メガファックF−110、F−120、F−113、F−191、F−812、F−833(大日本インキ社製)、エクトップEF−102、103、104、105、112、123A、123B、306A、501、201、204、(トーケムプロダクツ社製)、フタージェントF−100、F150(ネオス社製)などが挙げられる。
また、カチオン性界面活性剤としては、フルオロアルキル基を有する脂肪族1級、2級もしくは2級アミン酸、パーフルオロアルキル(C6−C10)スルホンアミドプロピルトリメチルアンモニウム塩などの脂肪族4級アンモニウム塩、ベンザルコニウム塩、塩化ベンゼトニウム、ピリジニウム塩、イミダゾリニウム塩、商品名としてはサーフロンS−121(旭硝子社製)、フロラードFC−135(住友3M社製)、ユニダインDS−202(ダイキンエ業杜製)、メガファックF−150、F−824(大日本インキ社製)、エクトップEF−132(トーケムプロダクツ社製)、フタージェントF−300(ネオス社製)などが挙げられる。
樹脂微粒子は、水系媒体中で形成されるトナー母体粒子を安定化させるために加えられる。このために、トナー母体粒子の表面上に存在する被覆率が10〜90%の範囲になるように加えられることが好ましい。例えば、ポリメタクリル酸メチル微粒子1μm、及び3μm、ポリスチレン微粒子0.5μm及び2μm、ポリスチレン―アクリロニトリル微粒子1μm、商品名では、PB−200H(花王社製)、SGP(総研社製)、テクノポリマーSB(積水化成品工業社製)、SGP−3G(総研社製)、ミクロパール(積水ファインケミカル社製)等がある。また、リン酸三カルシウム、炭酸カルシウム、酸化チタン、コロイダルシリカ、ヒドロキシアパタイト等の無機化合物分散剤も用いることができる。
上記の樹脂微粒子、無機化合物分散剤と併用して使用可能な分散剤として、高分子系保護コロイドにより分散液滴を安定化させても良い。例えばアクリル酸、メタクリル酸、α−シアノアクリル酸、α−シアノメタクリル酸、イタコン酸、クロトン酸、フマール酸、マレイン酸または無水マレイン酸などの酸類、あるいは水酸基を含有する(メタ)アクリル系単量体、例えばアクリル酸−β−ヒドロキシエチル、メタクリル酸−β−ヒドロキシエチル、アクリル酸−β−ヒドロキシプロビル、メタクリル酸−β−ヒドロキシプロピル、アクリル酸−γ−ヒドロキシプロピル、メタクリル酸−γ−ヒドロキシプロピル、アクリル酸−3−クロロ2−ヒドロキシプロビル、メタクリル酸−3−クロロ−2−ヒドロキシプロピル、ジエチレングリコールモノアクリル酸エステル、ジエチレングリコールモノメタクリル酸エステル、グリセリンモノアクリル酸エステル、グリセリンモノメタクリル酸エステル、N−メチロールアクリルアミド、N−メチロールメタクリルアミドなど、ビニルアルコールまたはビニルアルコールとのエーテル類、例えばビニルメチルエーテル、ビニルエチルエーテル、ビニルプロピルエーテルなど、またはビニルアルコールとカルボキシル基を含有する化合物のエステル類、例えば酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、酪酸ビニルなど、アクリルアミド、メタクリルアミド、ジアセトンアクリルアミドあるいはこれらのメチロール化合物、アクリル酸クロライド、メタクリル酸クロライドなどの酸クロライド類、ビニルピリジン、ビニルピロリドン、ビニルイミダゾール、エチレンイミンなどの含窒素化合物、またはその複素環を有するものなどのホモポリマーまたは共重合体、ポリオキシエチレン、ポリオキシプロピレン、ポリオキシエチレンアルキルアミン、ポリオキシプロピレンアルキルアミン、ポリオキシエチレンアルキルアミド、ポリオキシプロピレンアルキルアミド、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンラウリルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンステアリルフェニルエステル、ポリオキシエチレンノニルフェニルエステルなどのポリオキシエチレン系、メチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロースなどのセルロース類などが使用できる。
分散の方法としては特に限定されるものではないが、低速せん断式、高速せん断式、摩擦式、高圧ジェット式、超音波などの公知の設備が適用できる。この中でも、分散体の粒径を2〜20μmにするために高速せん断式が好ましい。高速せん断式分散機を使用した場合、回転数は特に限定はないが、通常1000〜30000rpm、好ましくは5000〜20000rpmである。分散時間は特に限定はないが、バッチ方式の場合は、通常0.1〜5分である。分散時の温度としては、通常、0〜150℃(加圧下)、好ましくは40〜98℃である。
(3)乳化液の作製と同時に、アミン類(B)を添加し、イソシアネート基を有するポリエステルプレポリマー(A)との反応を行わせる。
この反応は、分子鎖の架橋及び/又は伸長を伴う。反応時間は、ポリエステルプレポリマー(A)の有するイソシアネート基構造とアミン類(B)との反応性により選択されるが、通常10分〜40時間、好ましくは2〜24時間である。反応温度は、通常、0〜150℃、好ましくは40〜98℃である。また、必要に応じて公知の触媒を使用することができる。具体的にはジブチルチンラウレート、ジオクチルチンラウレートなどが挙げられる。
(4)反応終了後、乳化分散体(反応物)から有機溶媒を除去し、洗浄、乾燥してトナー母体粒子を得る。
有機溶媒を除去するためには、系全体を徐々に層流の攪拌状態で昇温し、一定の温度域で強い攪拌を与えた後、脱溶媒を行うことで紡錘形のトナー母体粒子が作製できる。また、分散安定剤としてリン酸カルシウム塩などの酸、アルカリに溶解可能な物を用いた場合は、塩酸等の酸により、リン酸カルシウム塩を溶解した後、水洗するなどの方法によって、トナー母体粒子からリン酸カルシウム塩を除去する。その他酵素による分解などの操作によっても除去できる。
(5)上記で得られたトナー母体粒子に、荷電制御剤を打ち込み、ついで、シリカ微粒子、酸化チタン微粒子等の無機微粒子を外添させ、トナーを得る。
荷電制御剤の打ち込み、及び無機微粒子の外添は、ミキサー等を用いた公知の方法によって行われる。
これにより、小粒径であって、粒径分布のシャープなトナーを容易に得ることができる。さらに、有機溶媒を除去する工程で強い攪拌を与えることで、真球状からラクビーボール状の間の形状を制御することができ、さらに、表面のモフォロジーも滑らかなものから梅干形状の間で制御することができる。
また、トナーの形状は略球形状であり、以下の形状規定によって表すことができる。図14(a),(b),(c)はトナーの形状を模式的に示す図である。図14(a),(b),(c)において、略球形状のトナーを長軸r1、短軸r2、厚さr3(但し、r1≧r2≧r3とする。)で規定するとき、本発明のトナーは、長軸と短軸との比(r2/r1)(図14(b)参照)が0.5〜1.0で、厚さと短軸との比(r3/r2)(図14(c)参照)が0.7〜1.0の範囲にあることが好ましい。長軸と短軸との比(r2/r1)が0.5未満では、真球形状から離れるためにドット再現性及び転写効率が劣り、高品位な画質が得られなくなる。また、厚さと短軸との比(r3/r2)が0.7未満では、扁平形状に近くなり、球形トナーのような高転写率は得られなくなる。特に、厚さと短軸との比(r3/r2)が1.0では、長軸を回転軸とする回転体となり、トナーの流動性を向上させることができる。なお、r1、r2、r3は、走査型電子顕微鏡(SEM)で、視野の角度を変えて写真を撮り、観察しながら測定した。
本発明の画像形成装置では、前述したように、トナーは体積平均粒径が3〜6μmで、体積平均径(Dv)と個数平均粒径(Dn)との比(Dv/Dn)が1.00〜1.40の範囲にあるので、粒径分布がシャープであるためトナーの帯電量分布が均一になり、地肌汚れの少ない高品位な画像を得ることができ、また転写率を高くすることができる。
また、前記トナーは形状係数SF−1が100〜180の範囲にあり、形状係数SF−2が100〜180の範囲にあるので、トナー形状が球形に近いため、トナー同士あるいはトナーと感光体の接触状態が点接触となり、吸着力が弱くなる為トナー流動性が高くなり、トナー補給性、攪拌によるトナー濃度均一性が高くなる。さらに感光体との吸着力も弱くなるので、転写率がよくなり高品位な画像を得ることができる。
本発明の一実施例を示す画像形成装置の概略構成図である。 図1に示す間接転写方式の画像形成装置の作像エンジンの構成例を示す概略構成図である。 中間転写ベルトクリーニング装置の構成例を示す概略要部構成図である。 図2の作像エンジンに用いられる画像形成部(プロセスカートリッジ)の一例を示す概略構成図である。 中間転写ベルトクリーニング装置の別の構成例を示す概略要部構成図である。 直接転写方式の画像形成装置の作像エンジンの構成例を示す概略構成図である。 極性制御前と極性制御後のQ/D分布を示す図である。 トナーの極性制御とQ/d分布の説明図である。 ブラシ軸印加電圧とクリーニング残IDの関係を示す図である。 極性制御部材として用いる導電性ブレードの抵抗値変化を示す図である。 極性制御ブレードのブレード条件を示す図である。 形状係数SF−1を説明するためにトナーの形状を模式的に表わした図である。 形状係数SF−2を説明するためにトナーの形状を模式的に表わした図である。 略球形状のトナーの形状を模式的に示す図である。 プロセスコントロール時の中間転写ベルトと感光体のクリーニングの駆動制御の一実施例を示すタイミングチャートである。 プロセスコントロール時の中間転写ベルトと感光体のクリーニングの駆動制御の別の実施例を示すタイミングチャートである。 プロセスコントロール時の中間転写ベルトと感光体のクリーニングの駆動制御の別の実施例を示すタイミングチャートである。 プロセスコントロール時の中間転写ベルトと感光体のクリーニングの駆動制御の別の実施例を示すタイミングチャートである。 プロセスコントロール時の中間転写ベルトと感光体のクリーニングの駆動制御の従来例を示すタイミングチャートである。 プロセスコントロール時の中間転写ベルトと感光体のクリーニングの駆動制御のさらに別の実施例を示すタイミングチャートである。 プロセスコントロール時の中間転写ベルトと感光体のクリーニングの駆動制御のさらに別の実施例を示すタイミングチャートである。 プロセスコントロール時に形成されるトナーパターン(Pパターン)の一例を示す図である。 中間転写ベルト上のトナーの極性制御ブレード前後のQ/d分布を示す図である。 トナー飛散防止用のシールが無く、浮遊トナーが中間転写ベルト上に付着した場合のQ/d分布を示す図である。 クリーニング部材(ブラシローラ)印加電圧とクリーニング残IDの関係を示す図である。
符号の説明
1:作像エンジン
2:露光装置
3:給紙カセット
4:給紙ローラ
5:給紙路
6:両面用搬送路
101,102、103、104:感光体(像担持体)
201、202、203、204:帯電装置
301、302、303、304:感光体クリーニング装置
401、402、403、404:現像装置
500:中間転写ユニット
501:中間転写ベルト(中間転写体)
502:駆動ローラ
503、508、510:支持ローラ
504、505、506、507:転写ローラ
509:テンションローラ(クリーニング対向ローラ)
520、4020:極性制御ブレード(極性制御部材)
521、4021:ブラシローラ
522、4022:回収ローラ
523、4023:回収ブレード
524、4024:回収コイル(または回収スクリュー)
525:中間転写ベルトクリーニング装置
550:フォトセンサ(Pパターンの検出器(Pセンサ))
600:2次転写装置
700:定着装置
800:レジストローラ対
4033:ブラシ用電荷付与部材
4040:潤滑剤
5001:フォトセンサ(クリーニング後残トナーの検知手段)
6000:転写材搬送ユニット6000
6001:転写ベルト(転写材搬送部材)
6002:駆動ローラ
6003、6008、6010:支持ローラ
6004、6005、6006、6007:転写ローラ
6009:テンションローラ(クリーニング対向ローラ)
L:レーザ光
P:記録紙(転写材)

Claims (18)

  1. 着色粉体であるトナーを用いて画像形成する画像形成装置に装備され、画像形成後の被クリーニング体に残留した転写残トナーまたは未転写トナーを除去回収するクリーニング装置であって、
    前記被クリーニング体に接触配置されて所定の電圧が印加され前記被クリーニング体上のトナーの帯電極性を本来の極性に揃える極性制御部材と、
    前記被クリーニング体の移動方向で前記極性制御部材の下流側に配置され前記トナーを前記被クリーニング体上から静電力で除去するクリーニング部材と、
    前記クリーニング部材に接触配置されて所定の電圧が印加され前記クリーニング部材から電気的に前記トナーを吸着する第1の回収部材と、
    前記第1の回収部材に接触配置されて所定の電圧が印加され前記第1の回収部材から前記トナーを掻き取る第2の回収部材と、
    を備えたことを特徴とするクリーニング装置。
  2. 請求項1記載のクリーニング装置において、
    前記被クリーニング体は、トナー像が形成される像担持体、あるいは前記像担持体上のトナー像が転写される中間転写体、あるいは転写材を搬送し前記像担持体上または前記中間転写体上のトナー像を前記転写材に転写させる転写材搬送部材、のいずれかであることを特徴とするクリーニング装置。
  3. 請求項1または2記載のクリーニング装置において、
    前記極性制御部材は、導電性を有するブレードであることを特徴とするクリーニング装置。
  4. 請求項1〜3のいずれか一つに記載のクリーニング装置において、
    前記クリーニング部材は、導電性ブラシローラであることを特徴とするクリーニング装置。
  5. 請求項1〜4のいずれか一つに記載のクリーニング装置において、
    前記第1の回収部材は回収ローラであり、前記第2の回収部材は導電性の回収ブレードであることを特徴とするクリーニング装置。
  6. 像担持体と、該像担持体上にトナー像を形成する手段と、前記像担持体上に形成されたトナー像を中間転写体に転写する手段と、前記中間転写体に転写されたトナー像を転写材に転写する転写手段とを有する画像形成装置において、
    転写後の前記像担持体に残留するトナーを除去回収するクリーニング手段と、前記中間転写体に残留するトナーを除去回収するクリーニング手段として、請求項1〜5のいずれか一つに記載のクリーニング装置を有することを特徴とする画像形成装置。
  7. 請求項6記載の画像形成装置において、
    前記中間転写体上に残留したトナーをクリーニングする場合には、該トナーが前記中間転写体のクリーニング装置を通過した後に、該中間転写体のクリーニング装置から像担持体のクリーニング装置までの距離を前記トナーが移動する時間分だけ該像担持体のクリーニング装置を動作させることを特徴とする画像形成装置。
  8. 請求項6記載の画像形成装置において、
    前記中間転写体に沿って、前記像担持体とそのクリーニング装置を有する画像形成部が複数配置された構成であり、
    前記中間転写体上に残留したトナーをクリーニングする場合には、該トナーが前記中間転写体のクリーニング装置を通過した後に、n番目に配置された像担持体のクリーニング装置までの距離を前記トナーが移動する時間分だけ該像担持体のクリーニング装置を動作させることを特徴とする画像形成装置。
  9. 請求項7または8記載の画像形成装置において、
    前記中間転写体上のトナーを検知する検知手段が配置され、該検知手段で前記トナーが検知された場合に、前記像担持体のクリーニング装置の動作を行うことを特徴とする画像形成装置。
  10. 請求項6〜9のいずれか一つに記載の画像形成装置において、
    前記中間転写体は、弾性ベルト状部材であることを特徴とする画像形成装置。
  11. 像担持体と、該像担持体上にトナー像を形成する手段と、転写材を担持搬送し前記像担持体上のトナー像を前記転写材に転写させる転写材搬送部材とを有する画像形成装置において、
    転写後の前記像担持体に残留するトナーを除去回収するクリーニング手段と、転写材搬送後の前記転写材搬送部材に残留するトナーを除去回収するクリーニング手段として、請求項1〜5のいずれか一つに記載のクリーニング装置を有することを特徴とする画像形成装置。
  12. 請求項11記載の画像形成装置において、
    前記転写材搬送部材上に残留したトナーをクリーニングする場合には、該トナーが転写材搬送部材のクリーニング装置を通過した後に、該転写材搬送部材のクリーニング装置から前記像担持体のクリーニング装置までの距離を前記トナーが移動する時間分だけ前記像担持体のクリーニング装置を動作させることを特徴とする画像形成装置。
  13. 請求項11記載の画像形成装置において、
    前記転写材搬送部材に沿って、前記像担持体とそのクリーニング装置を有する画像形成部が複数配置された構成であり、
    前記転写材搬送部材上に残留するトナーをクリーニングする場合には、該トナーが転写材搬送部材のクリーニング装置を通過した後に、n番目に配置された像担持体のクリーニング装置までの距離を前記トナーが移動する時間分だけ該像担持体のクリーニング装置を動作させることを特徴とする画像形成装置。
  14. 請求項12または13記載の画像形成装置において、
    前記転写材搬送部材上のトナーを検知する検知手段が配置され、該検知手段で前記トナーが検知された場合に、前記像担持体のクリーニング装置の動作を行うことを特徴とする画像形成装置。
  15. 請求項11〜14のいずれか一つに記載の画像形成装置において、
    前記転写材搬送部材は、弾性ベルト状部材であることを特徴とする画像形成装置。
  16. 請求項6〜15のいずれか一つに記載の画像形成装置において、
    前記像担持体は、光導電性の感光体であることを特徴とする画像形成装置。
  17. 請求項6〜16のいずれか一つに記載の画像形成装置において、
    前記トナーは体積平均粒径が3〜6μmで、体積平均径(Dv)と個数平均粒径(Dn)との比(Dv/Dn)が1.00〜1.40の範囲にあることを特徴とする画像形成装置。
  18. 請求項17記載の画像形成装置において、
    前記トナーは形状係数SF−1が100〜180の範囲にあり、形状係数SF−2が100〜180の範囲にあることを特徴とする画像形成装置。
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