JP2010160364A - 画像形成装置 - Google Patents

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健治 杉浦
Hidetoshi Yano
英俊 矢野
Osamu Naruse
修 成瀬
Naomi Sugimoto
奈緒美 杉本
Hiroki Nakamatsu
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Abstract

【課題】掻き取りブレード523に掻き取り電圧を印加して回収ローラ表面からのトナーの掻き落としを促進しつつ、掻き取りブレード523から回収ローラ表面を介してクリーニングブラシに電流をリークさせることによるクリーニング不良の発生を抑える。
【解決手段】掻き取りブレード523に対してトナーとは逆極性の掻き取り電圧を供給するブレード用電源533と、ブレード用電源533からの出力電流を検知する電流計541と、電流計541によって検知される電流値が所定の閾値を超えた場合、あるいは、所定の閾値以上になった場合に、ブレード用電源533からの掻き取り電圧の出力を標準値よりも小さくする制御を実施する電圧制御回路(ブレード用電源533に内蔵)とを設けた。
【選択図】図10

Description

本発明は、トナー像を担持する像担持体、又は自らの表面移動に伴って記録部材を搬送する搬送体、の表面に付着したトナーをクリーニング装置によってクリーニングする複写機、ファクシミリ、プリンタ等の画像形成装置に関するものである。
画像形成に用いられるトナーは、近年の高画質化に伴い、粉砕法によるものよりも、重合法によるものが主流になってきている。重合法によるトナー粒子は、粉砕法によるトナー粒子に比べて球形に近く、且つ小径であることから、高解像度に対応する小さなドットでも優れた再現性を発揮することができる。反面、クリーニングブレードを像担持体や搬送体に当接させるブレードクリーニング方式では、クリーニング不良を引き起こし易いという不具合がある。球形に近く且つ小径であることから、ブレードと、像担持体や搬送体との間に形成される僅かな隙間をすり抜けてしまうからである。
特許文献1に記載のクリーニング装置のように、静電クリーニング方式を採用すれば、重合法によるトナーであっても良好にクリーニングすることができる。具体的には、特許文献1に記載のクリーニング装置は、像担持体としての中間転写ベルトに当接しながら回転するクリーニングブラシローラと、これに当接しながら回転する回収ローラと、回収ローラに当接する掻き取りブレードとを有している。そして、クリーニングブラシローラには、トナーの正規帯電極性とは逆極性のクリーニング電圧を印加している。また、回収ローラには、クリーニング電圧と同極性で且つクリーニング電圧よりも値の大きな回収電圧を印加している。中間転写ベルトの表面上に付着している転写残トナーは、クリーニングブラシローラのブラシによって引っ掻かれながら、クリーニング電圧によってベルト表面からブラシに静電転移する。その後、クリーニングブラシから回収ローラに静電転移した後、掻き取りブレードによって回収ローラ表面から掻き落とされる。球形に近く且つ小径であることから、クリーニングブレードによるクリーニングが困難な重合法によるトナーであっても、静電転移によって中間転写ベルト表面から良好に除去することができる。
特許第3783769号公報
しかしながら、このクリーニング装置では、トナーと逆極性の回収バイスを印加した回収ローラの表面に対してトナーを静電気力によって引き付けているので、掻き取りブレードによって回収ローラ表面から掻き落とすことが困難であった。そこで、本発明者らは、回収電圧と同極性(トナーとは逆極性)で且つ回収電圧よりも値の大きな掻き取り電圧を掻き取りブレードに印加する新規なクリーニング装置を開発中である。このクリーニング装置は、回収ローラと掻き取りブレードとの電位差により、トナーを回収ローラ表面から掻き取りブレードに静電転移させる。その後、掻き取りブレード表面上で徐々に成長していくトナーの山を自重によって崩して、掻き取りブレード上から落下させる。このようにして、回収ローラ表面上からトナーを良好に掻き落とすことができる。
ところが、環境が高温高湿になると、クリーニング不良を引き起こしてしまった。そこで、その原因について鋭意研究を行ったところ、次のようなことがわかってきた。即ち、開発中のクリーニング装置では、回収ローラとして、クリーニングブラシとの間の電位差を維持できるように、ローラ状の芯金の表面に樹脂からなる絶縁層を被覆したものを用いている。また、クリーニングブラシのブラシを構成する繊維として、導電性繊維芯の表面に樹脂からなる絶縁層を被覆したものを用いている。このように、回収ローラ、クリーニングブラシの何れに対しても表面に絶縁処理を施しているにもかかわらず、環境が高温高湿になると、電流が掻き取りブレードから回収ローラ表面を介してクリーニングブラシにリークしてしまうことがわかった。回収ローラ表面や、クリーニングブラシの導電性繊維表面に形成された絶縁層は、環境の高温高湿化に伴って電気抵抗を1桁以上低下させることがあるが、それでも1012[Ω]程度の大きな電気抵抗を発揮する。にもかかわらず、上述のリークが発生してしまう理由は定かではないが、高温高湿の環境下で絶縁層に吸収された水分が関与していると思われる。回収ローラ表面を介した掻き取りブレードからクリーニングブラシへの電流のリークが発生すると、回収ローラの表面上のトナーが電荷注入によって逆極性に帯電する。そして、回収ローラの表面上からクリーニングブラシに静電転移した後、中間転写ベルト表面に静電転移することで、顕著なクリーニング不良を引き起こしていたことがわかった。
本発明は以上の背景に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、掻き取り部材に掻き取り電圧を印加して回収部材表面からのトナーの掻き落としを促進しつつ、掻き取り部材から回収部材表面を介してクリーニング部材に電流をリークさせることによるクリーニング不良の発生を抑えることができる画像形成装置を提供することである。
上記目的を達成するために、請求項1の発明は、自らの移動する表面にトナー像を担持する像担持体と、画像形成対象となる記録部材を自らの表面に伴って搬送する搬送体と、該像担持体又は搬送体の表面上に付着したトナーをクリーニングするクリーニング手段とを備えるとともに、トナーの正規帯電極性とは逆極性のクリーニング電圧が印加された状態で該像担持体又は搬送体の表面上のトナーを自らに転移させるクリーニング部材と、クリーニング電圧よりも該逆極性側に大きな値の回収電圧が印加された状態で該クリーニング部材上のトナーを自らの絶縁性の表面上に回収する回収部材と、該回収部材の表面上のトナーを掻き取る掻き取り部材とを、クリーニング手段に具備する画像形成装置において、上記掻き取り部材に対して上記逆極性の掻き取り電圧を供給する電源と、該電源からの出力電流を検知する電流検知手段と、該電流検知手段によって検知される電流値が所定の閾値を超えた場合、あるいは、所定の閾値以上になった場合に、該電源からの該掻き取り電圧の出力を標準値よりも小さくする制御を実施する電圧制御手段とを設けたことを特徴とする画像形成装置。
また、請求項2の発明は、請求項1の画像形成装置において、上記電流値が上記閾値を超えた場合、あるいは、上記閾値以上になった場合に、上記掻き取り電圧を上記回収電圧と同じ値にする処理を実施するように、上記電圧制御手段を構成したことを特徴とするものである。
また、請求項3の発明は、請求項1又は2の画像形成装置において、上記搬送体として、複数の張架部材に張架された状態で無端移動せしめれながら、自らの表面上に保持した記録部材を無端移動に伴って搬送する無端状の搬送ベルトを用いるとともに、上記クリーニング手段によって該搬送ベルトの表面上のトナー汚れをクリーニングさせるようにしたことを特徴とするものである。
また、請求項4の発明は、請求項1乃至3の何れかの画像形成装置において、上記トナーとして、体積平均粒径が3[μm]以上、6[μm]以下であり、且つ、体積平均粒径を個数平均粒径で除算した値が1.00以上、1.40以下であるもの、を用いることを特徴とするものである。
また、請求項5の発明は、請求項4の画像形成装置において、上記トナーとして、形状係数SF−1が100以上、180以下であり、且つ、形状係数SF−2が100以上、180以下であるもの、を用いることを特徴とするものである。
また、請求項6の発明は、請求項1乃至5の何れかの画像形成装置において、上記像担持体として、複数の張架部材に張架された状態で無端移動せしめられる無端状の像担持ベルトを用いたことを特徴とするものである。
これらの発明においては、トナーと同極性の掻き取り電圧を掻き取り部材に印加することで、掻き取り部材を電気的にフロート状態にしていた従来に比べて、回収部材表面からのトナーの掻き落としを促進することができる。
また、掻き取り部材から回収部材表面を介したクリーニング部材への電流のリークが発生したことにより、電源からの出力電流値が所定の閾値を超えるか、閾値以上になった場合に、電源からの掻き取り電圧の出力値を標準値よりも小さくすることで、電流のリーク量を低減する。これにより、電流のリークによるクリーニング不良の発生を抑えることができる。
実施形態に係るプリンタの全体を示す概略構成図。 同プリンタにおける画像形成部を示す拡大構成図。 同画像形成部のベルトクリーニング装置の概略構成を示す拡大図。 (a)、(b)、(c)は、中間転写ベルトに残留した転写残トナーの帯電量分布と、極性制御ブレード520との接触位置を通過した後の転写残トナーの帯電量分布との関係の第1例、第2例、第3例を示すグラフ。 No1、No2の極性制御ブレードにおけるおける環境と電気抵抗との関係を示すグラフ。 No3、No4の極性制御ブレードにおけるおける環境と電気抵抗との関係を示すグラフ。 極性制御ブレードとの接触位置を通過する前後における転写残トナーの電荷量分布の変化を示すグラフ。 電気抵抗が、1×10Ω・cm、1×10Ω・cm、1×10Ω・cmであるクリーニングブラシ521のクリーニング性を示すグラフ。 回収ローラにおける環境と電気抵抗との関係を示すグラフ。 掻き取り部材とその周囲構成とを示す模式図。 同画像形成部のプロセスユニットを示す拡大構成図。 感光体のクリーニング装置における掻き取り部材とその周囲構成とを示す模式図。 変形例に係るプリンタの画像形成部近傍の概略構成図。 トナー粒子の2次元平面に対する投影像の最大径MXLNGと平面積AREAとを説明する模式図。 トナー粒子の2次元平面に対する投影像の周長PERIと平面積AREAとを説明する模式図。 (a)、(b)、(c)はそれぞれトナーの形状を模式的に示す図。
以下、本発明を適用した画像形成装置の実施形態として、電子写真方式のいわゆるタンデム型中間転写方式のプリンタ(以下、単にプリンタという)について説明する。まず、本プリンタの基本的な構成について説明する。図1は、本プリンタの全体を示す概略構成図である。また、図2は、本プリンタにおける画像形成部を拡大して示す拡大構成図である。このプリンタは、イエロー,マゼンタ,シアン,黒(以下、Y,M,C,Kと記す)のトナー像を生成するための4つのプロセスユニット6Y,M,C,Kを備えている。4つのプロセスユニット6Y,M,C,Kはドラム状の感光体1Y,M,C,Kをそれぞれ有している。各感光体1Y,M,C,Kの回りにはそれぞれ帯電装置2Y,M,C,K、現像装置5Y,C,M,K、クリーニング装置4Y,M,C,K、除電装置(不図示)等を有している。プロセスユニット6Y,M,C,Kは、互いに異なる色のY,M,C,Kトナーを用いるが、それ以外は同様の構成になっている。また、プロセスユニット6Y,M,C,Kの下方には、感光体1Y,M,C,K上に静電潜像を形成するためにレーザ光による光書き込みをおこなう露光装置7を有している。
なお、本プリンタでは、プロセスユニット6Y,M,C,Kは、一体的に構成され装置本体に脱着可能で寿命到達時に交換されるプロセスカートリッジの形態を成しており、メンテナンス性の向上を図ることができる。
プロセスユニット6Y,M,C,Kの上方には、像担持体たる中間転写ベルト8を備えた転写ユニット17が配設されている。中間転写ベルト8は、テンションローラ14、駆動ローラ12、支持ローラ13、15,16等の複数のローラに掛け回されており、図中反時計回り方向に回転駆動される。中間転写ベルト8を挟んで感光体1Y,M,C,Kに対向する位置には、感光体1Y,M,C,K上に形成されたトナー像を中間転写ベルト8上に転写するために1次転写ローラ9Y,M,C,Kが配設されている。また、中間転写ベルト8の回転方向に関して1次転写ローラ9Y,M,C,Kより下流部には、中間転写ベルト8の周面に当接し、中間転写ベルト8上のトナー像を記録紙に転写する2次転写ローラ19を有する2次転写装置を有している。なお、2次転写装置は、2次転写ローラ19に限るものではなく、数本の支持ローラと駆動ローラにより掛け渡される2次転写ベルトであっても良い。
2次転写ローラ19よりも下流には、2次転写ローラ19による転写後に中間転写ベルト8上に残留する残留トナーを除去するベルトクリーニング装置10が、中間転写ベルト8を介してテンションローラ14に対向するよう設けられている。このベルトクリーニング装置10は中間転写体8と一体的に交換可能であるが、中間転写ベルト8と寿命設定が異なる場合は単独で脱着が可能としてもよい。
中間転写ベルト8の材質について詳しく説明する。
近年、転写紙として従来広く用いられてきた普通紙に加え、デザインとして表面に凹凸を有する特殊紙やアイロンプリントなどの熱転写に用いる特殊な転写紙が用いられることが増えている。このような特殊紙を用いると、従来の普通紙の場合よりもカラートナーを重ね合わせた中間転写ベルト8上のトナー像を紙に2次転写する際に転写不良が発生し易くなる。そこで、中間転写ベルト8に弾性をもたせることにより、転写紙との接触性を高めている。
中間転写ベルト8としては、多層構造のものが用いられる。ベース層としては、ポリイミド、ポリイミドアミド、ポリカーボネート、ポリエステル、ポリプロピレン等の合成樹脂又は各種のゴムに、カーボンブラック等の導電剤を適当量含有させて、その体積抵抗率が10〜1014Ω・cmとなるものが用いられている。また、弾性を持たせた導電性弾性層の主基材としては、シリコーンゴム、NBR、H−NBR、CR、EPDM、ウレタンゴム等が用いられる。また、導電性保護層の材料は、摩擦抵抗の低減、電気特性の環境に対する安定性、表面粗さ低減による残留トナークリーニング性能の向上といった目的を達成できるものであれば、特に限定されないが、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、テトラフルオロエチレンとパーフルオロアルキルビニルエーテルの共重合体(PFA)、PVDFなどのフッ素樹脂系ポリマーを、アルコール可溶性ナイロン系、シリコーン樹脂系、シランカプラー、ウレタン樹脂系のエマルジョンや有機溶媒に、溶解・分散した塗料を使用することができる。これら保護層は、上記の塗料をディップコート、スプレーコート、静電塗装、ロールコートなどにより設けることができる。さらに、保護層に表面処理または研磨を施すことにより離型性、導電性、耐磨耗性、表面クリーニング性等を改善することができる。 弾性を有する中間転写ベルト8とドラム状の感光体1とは比較的広い接触領域にて接触配置されており、しかも、中間転写ベルト8により弾性押圧されているため、ドラム状の感光体1と中間転写8との間のタック面圧はそれほど高くなく、しかも、中間転写ベルト8によるトナー像の包み込み動作が行われ、感光体1Y,M,C,K上のトナー像が中間転写ベルト8側に一次転写される。このとき、中間転写ベルト8への転写画像には、大きなタック面圧によるホロキャラクタなどの画像欠陥はなく、高い転写効率で転写されるため、記録材(特に凹凸を有する特殊紙など)上のカラー画像品質はきわめて良好に保たれる。
図1において、プリンタの下方には、転写紙Pを収容する給紙カセット26と、給紙カセット26から転写紙Pを給紙する給紙ローラ27とを有する給紙部が設けられている。また、転写紙の搬送方向に関して2次転写ローラ19の上流側には、給紙カセット26から給紙された転写紙を一端停止させて、2次転写位置に向かって送り出すレジストローラ28が設けられている。一方、2次転写位置より転写紙の搬送方向に下流側には、定着装置20が設けられている。また、現像装置5Y,M,C,Kに補給する新しいトナーが充填されたトナーボトル32Y,M,C,Kがプリンタの上方にあり、ここから図示しない搬送経路によって、所定の補給量だけ各色の現像装置5Y,M,C,Kに補給する。
次に、プリンタの動作について説明する。パーソナルコンピュータ等から画像情報が送られてくると、中間転写ユニット17では、不図示の駆動モータで駆動ローラ12を回転駆動して、他のローラ13,14,15,16を従動回転し、中間転写ベルト8を回転する。同時に、各プロセスユニット6Y,M,C,Kで各感光体1Y,M,C,Kを回転して、それぞれ帯電ローラ2Y,M,C,Kにより一様に帯電し、ついで、露光装置7により露光して静電潜像を形成する。各静電潜像は、それぞれ各色の現像装置5Y,M,C,Kにより現像され、感光体1Y,M,C,K上にイエロー、シアン、マゼンタ、ブラックの単色画像を形成する。中間転写ベルト8の回転とともに、それらの単色画像を順次転写して中間転写ベルト8上に合成カラー画像を形成する。
一方、給紙部では、給紙ローラ27が給紙カセット26から転写紙Pを1枚づつ繰り出して給紙路に入れ、レジストローラ28に突き当てて止める。そして、中間転写ベルト8上の合成カラー画像にタイミングを合わせてレジストローラ28を回転し、中間転写ベルト8と2次転写ローラ19との間に転写紙を送り込み、転写紙上にカラー画像を2次転写する。転写後の転写紙は、定着装置20へと送り込まれ、定着装置20により熱と圧力とを加えて画像を定着した後排出される。一方、1次転写後の感光体1Y,M,C,Kは、それぞれのクリーニング装置4Y,M,C,Kで残留トナーが除去され、その後除電され、次の作像に備える。また、2次転写後の中間転写ベルト8は、ベルトクリーニング装置10によって残留トナーが除去され、タンデム画像形成装置による再度の画像形成に備える。
本プリンタにおいては、トナーとして、平均粒径4μmで且つ円形度0.98という条件を具備するものを用いるように指定されている。この指定は、次のようにして行われる。即ち、前述の条件を満たすトナーをセットした状態でプリンタを出荷することによって行うことができる。また例えば、前述の条件を満たすトナーを、プリンタとともに梱包して出荷することによって行ってもよい。また例えば、前述の条件を満たすトナーの製品番号や商品名などを、プリンタ本体や、これの取扱説明書などに明記することによって行ってもよい。また例えば、ユーザーに対して書面や電子データ等をもって前述の条件、製品番号、商品名などを通知することによって行ってもよい。近年においては、より高精度および高精細な画像が形成できるよう、高解像度を有することが要求されており、その達成手段の1つとして前述の条件を満たすトナーを指定している。また、転写率向上のためにトナーの形状を不定形からより球に近い形状のものを用いている。
次に、ベルトクリーニング装置10について詳しく説明する。このベルトクリーニング装置10は、従来ブレードクリーニング方式では困難な小粒径化や球形化の進んだトナーのクリーニング時にも良好なクリーニング性を備えた静電クリーニング方式のものである。
ここで、従来のブレードクリーニング方式の問題点について説明する。上述のように、近年、高画質化の要望が高まり、トナーは小粒径化の傾向にある。また、トナー製造コスト低減および転写率向上の要望から粉砕トナーではなく重合法等により球形化トナーを採用する傾向にある。小粒径化や球形化の進んだトナーの使用に伴い、像担持体上に残留したトナーを除去する手段として主に用いられてきたブレードクリーニング方式では、ブレードと像担持体表面の密着の精度が低いとトナーがすり抜けてしまいクリーニング性が低下しやすい。これを防ぐため、ブレードを強い当接圧で押しつけると、ブレードのめくれが発生し、いわゆるスジ状あるいは帯状のクリーニング不良を引き起こす原因となり、安定したクリーニング性能を保ちつづけることが困難である。また、球形トナーでも線圧を極端に高くすれば(具体的には、線圧100gf/cm以上)クリーニングできるが、その分クリーニングブレードの磨耗やベルトのキズ等により寿命が極端に短くなる。通常の線圧20gf/cmでのクリーニングブレード寿命(削れてクリーニング不良が発生する時の寿命)は、約120K枚である。線圧100gf/cmの時は、クリーニングブレードの寿命は約20K枚程度である。また、転写性が良いとされている球形トナーに対して、ブレードクリーニング性は、粉砕(異型)トナーに対するクリーニング性より劣ることは良く知られていることである。
そこで、本プリンタでは静電クリーニング方式のベルトクリーニング装置10を採用する。図3は、ベルトクリーニング装置10の概略構成を示す拡大図である。ベルトクリーニング装置10は、像担持ベルトたる中間転写ベルト8上からトナーを除去するクリーニング部材としてのクリーニングブラシ521と、クリーニングブラシ521に付着したトナーを回収する回収部材としての回収ローラ522と、回収ローラ522に当接して回収したトナーを掻き取ると共に、回収ローラ522表面に電荷を付与する掻き取り部材としての掻き取りブレード523と、プリンタ本体に備えられた廃トナータンク(不図示)に回収したトナーを搬送するためのトナー搬送コイル524とを備えている。掻き取りブレード523は、回収ローラ522表面からトナーを掻き取り掻き取り部材としての機能と、回収ローラ522表面に電荷を付与する電荷供給手段としての機能を兼ね備えている。クリーニングブラシ521は、ブラシ回転軸を中心に回転駆動するブラシローラであり、ブラシ用電源531より回転軸(芯金)を介して電圧を印加する。また、回収ローラ522には回収電源532より回転軸(芯金)を介して電圧を印加する。また、掻き取りブレード523に対しては、ブレード用電源533より支持基板を介して電圧を印加する。また、クリーニングブラシ521が中間転写ベルト8上の転写残トナーを除去する位置に対して中間転写ベルト8の回転方向上流側には、転写残トナーの帯電極性を制御する極性制御部材として、極性制御用電源530から電圧が印加された極性制御ブレード520を、テンションローラ14と対向する位置で中間転写ベルト8に当接するよう設けている。
また、クリーニングブラシ521の表面に電荷を付与するブラシ表面電荷付与部材(不図示)を備えていてもよい。このブラシ表面電荷付与部材は、クリーニングブラシ521にトナーが多く回収された場合、ブラシ先端の電位が低下してしまうことを補うために、クリーニングブラシ521表面に電荷を付与する電圧が印加された導電性部材であり、具体的には金属の丸棒や板状部材がよい。
また、中間転写ベルト8表面には、極性制御ブレード520が常時摺擦していることによる中間転写ベルト8表面保護のために、中間転写ベルト8表面に潤滑剤塗布を行ってもよい。この場合、潤滑剤を固形化した固形潤滑剤(不図示)をクリーニングブラシ521に当接させ、回転により潤滑剤を削り取って中間転写ベルト8表面に塗布する。また、中間転写ベルト8表面に塗布した潤滑剤を均して均一にするための均しブレード(不図示)を備えてもよい。また、クリーニングブラシ521とは別に潤滑剤塗布用のブラシを備えることも可能である。これは、クリーニングブラシ521にはトナーが常時回収されているため、トナーと潤滑剤とが交じり合い、潤滑剤塗布時にいったん回収したトナーを再度中間転写ベルト8上に付着させることを防ぐためである。
このような構成のベルトクリーニング装置10では、次の4つの工程で中間転写ベルト8上のトナーを除去する。
1.極性制御ブレード520で中間転写ベルト8上のトナーの極性を正規帯電極性(ここでは、負極性)に揃える。
2.クリーニングブラシ521にトナーと逆極性(ここでは、正極性)の電圧を印加して、中間転写ベルト8上のトナーを静電的にクリーニングブラシ521上に移動させる(図3中の3A)。
3.回収ローラ522にクリーニングブラシ521と同極性で絶対値が大きい電圧を印加して、クリーニングブラシ521上のトナーを回収ローラ522に移動させる(図3中の3B)。
4.掻き取りブレード523で回収ローラ522上のトナーを掻き落とす。
以下、これらの工程について詳しく説明する。
まず、中間転写ベルト8に付着してベルトクリーニング装置10との対向部に到達するトナーの帯電量と、極性制御ブレード520通過後のトナーの帯電量とについて説明する。転写前の中間転写ベルト8上のトナーは、そのほとんどが負極性に帯電している。転写時には、中間転写ベルト8上のトナーは、2次転写ローラ19に印加された正極性の転写バイアスにより転写紙に転写するが、転写前から正極性に帯電していたトナーのほとんどはそのまま中間転写ベルト8に付着する。さらに、転写前に負極性に帯電していたトナーでも2次転写ローラ19に印加された正極性の電荷注入を受けるなどして、帯電極性が正極性側にシフトし、その一部は正極性に反転することがある。
図4(a)、(b)、(c)は、中間転写ベルト8上に残留した転写残トナーの帯電量分布と、極性制御ブレード520との接触位置を通過した後の転写残トナーの帯電量分布との関係の第1例、第2例、第3例を示すグラフである。なお、帯電量分布はホソカワミクロン製 E−スパートアナライザ(EST−3)で、トナー1個ずつの電荷量Qとそのトナーの粒径dを測定したデータをもとに、本プリンタで作像した時の中間転写ベルト上転写残トナー数百個をサンプリングした時のQ/d(単位はfc/μm)分布を表したものである。図4(a)に示した第1例は、正極性のトナーと負極性のトナーとが半分づつの状態で混在したブロードな分布(以下、転写残トナーAという)になっている。また、図4(b)に示した第2例は、正極性のトナーが負極性トナーよりも多い状態で混在したブロードな分布(以下、転写残トナーBという)である。また、図4(c)に示した第3例は、プロセスコントロール時等の未転写トナーであり、ほとんどが負極性トナーでシャープな分布になっている。
転写残トナーA、転写残トナーBが中間転写ベルト8の回転により、極性制御ブレード520の位置まで達すると、ほとんどのトナーが極性制御ブレード520により機械的に掻き落されるが、いわゆるスティックスリップが発生して一部が極性制御ブレード520をすり抜けて行く。機械的に掻き落とされたトナーは、極性制御ブレード520から自然に落下しベルトクリーニング装置10の下方回収部に収容され、トナー搬送コイル部材524によって廃トナー回収部(不図示)に回収される。極性制御ブレード520へはトナーの帯電極性と同極性(負極性)の電圧が印加されており、トナーがトナー極性制御ブレード520をすり抜けて行く際、トナーを正規の帯電極性(負極性)に帯電する。図4(a)、(b)に示したように、極性制御ブレード520通過前の帯電量分布により、通過後の帯電量分布も異なるが、どちらもほぼ負極性側にすることができる。また、図4(c)の未転写トナーは、ほとんど変化しないか、あるいはやや負極性よりになる。
次に、トナーが極性制御ブレード520をすり抜けて行く際の帯電量変化について、詳細に説明する。極性制御ブレード520は、図3に示したように、支持板金上に接着された板状の導電性弾性体であり、中間転写ベルト8に対してカウンター方向において当接圧20〜40g/cmで当接している。導電性弾性体は、例えばポリウレタンゴムを素材と、カーボンブラックやイオン系の導電剤を混練することで導電性を付与するもので、電気抵抗は、2×10Ω・cm〜5×107Ω・cmが好ましい。厚みは1〜3mmの範囲内とするのが良い。厚さが薄すぎると、中間転写ベルト8表面及び極性制御ブレード520自体のうねり等によって中間転写ベルト8への押しつけ量が確保しにくくなる。硬度はJIS−A硬度計で40〜85の範囲内であれば良い。極性制御ブレード520は中間転写ベルト8上のトナーを100%クリーニングするものでなく、すり抜け量が増減しても問題ない。
極性制御ブレード520は、例えば、電気抵抗1×10Ω・cm、1×10Ω・cm、厚み2.4〜2.8mm、自由長が7mm〜9mm、JIS−A硬度60〜80、ブレード反発弾性係数45%という条件を具備するものである。かかる極性制御ブレード520の電気抵抗は、環境によって変化する。参考までに、No1〜No4の4種類の極性制御ブレード520について、設置条件の例を次の表1に示す。また、それらブレードにおけるおける環境と電気抵抗との関係を図5、図6に示す。
Figure 2010160364
このような極性制御ブレード520と中間転写ベルト8との間にトナーが挟まれた時、極性制御ブレード520に印加された電圧によりトナーに電流が流れ込みトナーは印加電圧と同極性に帯電して極性制御ブレード520を通過する。また、中間転写ベルト8と極性制御ブレード520とで形成された楔部の入り口と出口の微小ギャップ部の放電あるいは電荷注入により印加電圧と同極性に帯電する。この結果、トナーは図4(a)、(b)の「ブレード通過後(電圧−500V印加)」に示すような負極性の帯電量分布となる。図7は、極性制御ブレード520との接触位置を通過する前後における転写残トナーの電荷量分布の変化を示すグラフである。
次に、極性制御ブレード520を通過した後のトナーの静電クリーニング動作について説明する。極性制御ブレード520により正規の帯電極性である負極性に帯電した転写残トナーは、中間転写ベルト8の回転によりクリーニングブラシ521の位置まで移送される。クリーニングブラシ521は、ブラシ用電源531よりトナーの帯電極性とは逆極性(正極性)の電圧が給電されており、図3中の3Aの位置において、中間転写ベルト8とクリーニングブラシ521表面電位との電位差で形成される電界により、中間転写ベルト8上の負極性に帯電した転写残トナーを静電的に吸着してクリーニングブラシ521へ移動させる。
回収ローラ522は、クリーニングブラシ521に当接するよう設けられ、回収電源532よりクリーニングブラシ521より更に高い正極性の電圧が印加されており、図3中の3Bの位置において、クリーニングブラシ521表面電位と回収ローラ522表面電位との電位差で形成される電界により、クリーニングブラシ521上に移動したトナーを静電的に吸着して回収ローラ522上へ移動させる。
掻き取りブレード523は、回収ローラ522に当接して設けられ、回収ローラ522上のトナーを掻き落とす。掻き落とされたトナーは、トナー搬送コイル524で機外に排出される又は現像装置5に戻される。また、掻き取りブレード523は、回収ローラ522の表面電位を維持するよう回収ローラ522表面へ電荷を供給する電荷供給手段としての機能を有しており、ブレード用電源533より支持基板を介して、回収ローラ522の芯金へ印加されている電圧と同じかさらに高い正極性の電圧が印加されている。これにより、回収ローラ523表面電位は安定化する。
本プリンタに搭載されたクリーニングブラシ521、回収ローラ522の具体的な構成条件は、通常環境(高温高湿環境以外)での以下のとおりである。
<クリーニングブラシ521の条件>
ブラシ材質:導電性ポリエステル(繊維内部に導電性カーボンを内包し、繊維表面はポリエステル、いわゆる芯鞘構造)
ブラシ抵抗:1×10Ω・cm(1000Vの電圧印加条件で測定)
ブラシ軸印加電圧(クリーニング電圧):+800V
ブラシ植毛密度:10万本/inch、繊維径約25〜35μm、ブラシ先端の毛倒れ処理あり
ブラシ直径:16mm
中間転写ベルトへのブラシ繊維喰い込み量:1mm
回転方向: 図3で反時計回り方向
ブラシ繊維は繊維全体としては導電性であるが、繊維表面は絶縁層で覆われているものを用いる。繊維表面に絶縁層を有することで、クリーニングブラシ521と中間転写ベルト8とが接触する際に電流が流れにくくなり、ブラシ繊維が中間転写ベルト8からトナーを静電吸引する際に余分な電流が流れにくくなるためトナーに逆極性の電荷を与えてしまうことがなく、いったんブラシに捕捉したトナーを逆に中間転写ベルト8上に付着させる恐れが少なくなる。ただし、このようなブラシを使用しても、繊維表面の絶縁を破壊して電流を流すほどの電圧を回転軸に印加すると、結果として中間転写ベルト8にトナーを戻してしまうことになるので、電圧値の設定には注意を要する。
クリーニングブラシ521は、ブラシロール状に形成後、一方向に毛を倒す斜毛処理を施すと、繊維断面に露出している導電剤を中間転写ベルト8に接触させにくくなるので、さらにトナーへの電荷注入性が低減され、クリーニング性の余裕度が向上する。図8に、電気抵抗が、1×10Ω・cm、1×10Ω・cm、1×10Ω・cmであるクリーニングブラシ521のクリーニング性を示す。電気抵抗が1×10Ω・cmの時は、印加電圧が大きいため、電源コストがアップする。一方、電気抵抗が1×10Ω・cmの時は中間転写ベルト8に電流を流しやすいため、1×10Ω・cmのときより低い電圧でトナーが正極性に帯電して中間転写ベルト8に再付着するため、クリーニング性の余裕度が小さい。したがって、1×10Ω・cmの条件がもっとも適している。但し、ブラシ抵抗は直径10mmのSUSローラにクリーニングブラシ521を1mm食い込ませて当接させて200/secで両方を回転させ、ブラシ芯金に電圧を印加して電流測定し抵抗を算出したものである。繊維はナイロン、ポリエステル、アクリル等の絶縁材が一般的で何れの材料の場合も同じ効果である。また、芯鞘構造の代表的な繊維は特開平10−310974号公報、特開平10−131035、特開平01−292116号公報、特公平07−033637号公報、特公平07−033606号公報、特公平03−064604号公報に開示されている。
<回収ローラ522の条件>
回収ローラ芯金材質:SUS
回収ローラ表面材質:PVDF(厚み100μm)の表層にアクリル系UV硬化樹脂層(厚み3〜5μm)
回収ローラ体積抵抗:1×1013Ω・cm(25℃50%にて測定)
ローラ直径:14mm
回収ローラへのブラシ繊維喰い込み量:1mm
回収ローラ芯金印加電圧(回収電圧):+1200V
回転方向:図3で反時計回り方向
回収ローラ522はSUSの芯金の表面にPVDFを100μmの厚みで有し、さらにその表面にアクリル系のUV硬化樹脂層を有するもの(以下、高抵抗ローラと称する)を用いた。本実施形態で用いた回収ローラ522のみならず、導電性芯金に数μm〜100μm程度の高抵抗弾性チューブを被せる、あるいはさらに絶縁コーティングしたものでも同じ性能を得られる。回収ローラ522の材料としては、PVDFチューブ、PFAチューブ、PIチューブ、アクリルコート、シリコーンコート(例えばシリコーン粒子を含有したPC(ポリカーボネート)をコート)、セラミックス、フッ素コーティングなどがある。
通常環境での掻き取りブレード523の具体的な構成条件は以下のとおりである。
<掻き取りブレード523の条件>
導電性カーボン含有ポリウレタンゴム体積抵抗:1×10Ω・cm(25℃50%にて測定)
ブレード当接角度:20°
ブレード厚み:2.8mm
回収ローラへのブレード喰い込み量:0.6mm
掻き取りブレードへの印加電圧(掻き取り電圧):+2000V
しかしながら、回収電位差の維持のための掻き取りブレード523へ電圧印加した場合、使用環境が高温高湿になると良好なクリーニング性能が得られないという問題が発生した。図9は、回収ローラ522の環境による電気抵抗変化を示すものである。ここでの温度湿度条件は高温高湿環境(HH環境)32℃80%、常温常湿環境(MM環境) 23℃50%、低温低湿環境(LL環境)10℃15%である。図示のように、高温高湿時に回収ローラ522の絶縁性表層の電気抵抗が低下する。そして、電気抵抗が1×1012Ω・cm台になると、掻き取りブレード523から回収ローラ522の表層を介してクリーニングブラシ521に電流がリークしていることがわかった。また、そのリークにより、クリーニングブラシ521と回収ローラ522との当接部(図3中の3B)において、クリーニングブラシ521上のトナーに対してプラスの電荷注入がおき、トナーの極性が負極性から正極性に反転することもわかった。正極性となったトナーは、回収ローラ522上へは移動せずクリーニングブラシ521上に残ったままになる。クリーニングブラシ521上に残ったトナーは回転で再び中間転写ベルト8と出会い、中間転写ベルト8へ再度付着してクリーニング残トナーとなり、中間転写ベルト8上のクリーニング性を低下させてしまう。また、クリーニングブラシ521と中間転写ベルト8との当接部(図3中の3A)でも、リークした電流による中間転写ベルト8上のトナーへの電荷注入がおき、中間転写ベルト8上のトナーの極性が反転して正極性となる。中間転写ベルト8の正極性のトナーはクリーニングブラシ521上に移動することがないため、中間転写ベルト8上のクリーニング性を低下させてしまう。このように、高温高湿時には、掻き取りブレード523から回収ローラ522の絶縁性表層を介してリークした電荷がトナーに注入されてトナーの極性が反転してしまい、良好な静電クリーニングが行われない。
また、高温高湿時に、電圧を印加した掻き取りブレード523と回収ローラ522との間で放電が生じ、発生した放電生成物が回収ローラ522表面に付着して表面の摩擦係数μを上昇させてしまう。具体的には、高温高湿時に掻き取りブレード523に電圧を印加した場合、回収ローラ522表面の摩擦係数μが経時的に上昇していき、やがて0.38まで達した。一方、高温高湿時に掻き取りブレード523に電圧を印加しない場合は、回収ローラ522表面の摩擦係数μは0.061であった。このように、高温高湿時に掻き取りブレード523に電圧を印加すると、回収ローラ522表面の摩擦係数μは1桁上昇してしまう。
回収ローラ522の摩擦係数μが上昇すると、回収ローラ522表面からトナーを除去する除去部材としてブレード状部材を用いた場合は、掻き取りブレード523のブレードエッジに大きな力がかかり、ブレードエッジが劣化して磨耗が進行してしまう。また、回収ローラ522表面の摩擦係数μが高いとブレードエッジの当接状態が不安定になり、掻き取りブレード523のビビリ(鳴き)やクリーニング不良が起きてしまう可能性がある。さらに、摩擦係数μが上昇すると回収ローラ522の軸トルクが大きくなるため、発熱や駆動軸やギアの破損など課題が発生する。発熱があると周囲のトナーが融けてしまい、トナーブロッキングを引き起こす可能性もある。
そこで、本プリンタのベルトクリーニング装置10では、上述した電流のリークを検出した場合に、掻き取り電圧を標準値である+2000[V]よりも小さくする電圧制御部を設けている。
図10は、掻き取り部材531とその周囲構成とを示す模式図である。同図において、掻き取りブレード523に掻き取り電圧を印加するブレード用電源533は、電圧制御手段としての電圧制御回路を具備するものである。ブレード用電源533とアースとの間には、電流検知手段としての電流計541が接続されている。これにより、ブレード用電源533からの出力電流が検知される。電流計541による電流値の検知結果は、ブレード用電源533の電圧制御回路に送られる。電圧制御回路は、電流計541から送られてくる電流値の信号が所定の閾値(例えば50μA)を超えた場合、あるいは、所定の閾値以上になった場合に、ブレード用電源533からの掻き取り電圧の出力を標準値である+2000Vよりも小さくする制御を実施する。
かかる構成では、トナーと同極性の掻き取り電圧を掻き取りブレード523に印加することで、掻き取りブレード523を電気的にフロート状態にしていた従来に比べて、回収ローラ522表面からのトナーの掻き落としを促進することができる。また、掻き取りブレード523から回収ローラ522表面を介したクリーニングブラシ521への電流のリークが発生したことにより、ブレード用電源533からの出力電流値が所定の閾値を超えるか、閾値以上になった場合に、前述した制御を実施することで、電流のリーク量を低減する。これにより、電流のリークによるクリーニング不良の発生を抑えることができる。
掻き取り電圧における標準値よりも小さい値としては、回収電圧と同じ+1200Vを採用している。即ち、本プリンタでは、掻き取りブレード523から回収ローラ522を介したクリーニングブラシ521への電流のリークが発生した場合には、回収ローラ522と掻き取りブレード523との電位差を無くしている。このようにしても、掻き取りブレード523を電気的にフロート状態にしていた従来に比べて、回収ローラ522表面からのトナーの掻き取りを促進することができる。更には、前述の電位差を無くすことで、電流のリークをほぼ無くすことができる。掻き取り電圧を一定にした場合と、上述した制御を行う場合とのクリーニング性能の比較を、次の表2に示す。
Figure 2010160364
なお、掻き取り電圧の設定については、通紙毎に行うようになっている。例えば、10枚の記録紙に対する連続プリント命令がなされた場合には、1枚目、2枚目・・・10枚目のプリントジョブ毎に、電圧制御回路が次のような制御を行う。即ち、まず、標準値である+2000Vの掻き取り電圧を出力しながら電流の検出を行う。そして、検出値が閾値を超えている、あるいは閾値以上である場合には掻き取り電圧を+1200Vに下げる一方で、閾値を超えていない、あるいは閾値未満である場合には+2000Vをそのまま出力し続ける。
また、本プリンタでは、上述のように、回収ローラ522表面のトナーを除去する掻き取りブレード422に回収ローラ522表面に電荷を供給する電荷供給手段としての機能を持たせた。これに限らず、掻き取りブレード523を導電性とせず、別途、回収ローラに接触する導電性ブレード、導電性ブラシ、導電性ローラ等の電荷供給手段を設け、電源から電圧を印加しても良い。
本プリンタでは、クリーニング装置4Y,M,C,Kを備えるプロセスユニット6Y,M,C,Kは、互いに異なる色のY,M,C,Kトナーを用いるが、それ以外は同様の構成になっている。そこで、以下、添字Y,M,C,Kを省略して説明する。
図11は、プロセスユニット6を示す拡大成図である。クリーニング装置4は、上述のベルトクリーニング装置10と同様、小粒径化や球形化の進んだトナーでも良好なクリーニング性を備えた静電クリーニング方式のものである。そして、転写残トナーの極性制御部材としての極性制御ブレード420と、クリーニング部材としてのクリーニングブラシ421と、クリーニングブラシ421に付着したトナーを回収する回収部材としての回収ローラ422と、回収ローラ422に当接して回収したトナーを掻き取ると共に、回収ローラ422表面に電荷を付与する掻き取りブレード423と、プリンタ本体に備えられた廃トナータンク(図示省略)に回収したトナーを搬送するためのトナー搬送コイル424とを備えている。このように、掻き取りブレード423は、回収ローラ422表面からトナーを除去する除去部材としての機能と、回収ローラ422表面に電荷を付与する電荷供給手段としての機能を兼ね備えている。また、極性制御ブレード420に電圧を印加する極性制御用電源430、クリーニングブラシ421に電圧を印加するブラシ用電源431、回収ローラ422に電圧を印加する回収電源432、掻き取りブレード423に電圧を印加するブレード用電源433とを備えている。
また、潤滑剤を固形化した固形潤滑剤425をクリーニングブラシ421に当接させ、回転により潤滑剤を削り取って感光体1表面に塗布する。また、感光体1表面に塗布した潤滑剤を均して均一にするための均しブレード(不図示)を備えてもよい。感光体1表面に潤滑剤を塗布することにより、感光体表面の摩擦係数を低下させ、転写残トナーの除去性の向上や、トナーが感光体1表面に固着するいわゆるフィルミングの発生を防止することができる。また、感光体1の表面削れを低減することもできる。
通常環境(高温高湿環境以外)での極性制御ブレード420、クリーニングブラシ421、回収ローラ422の具体的な構成条件は以下のとおりである。
<極性制御ブレード420の条件>
導電性カーボン含有ポリウレタンゴム体積抵抗:1×10Ω・cm(25℃50%にて測定)
ブレード当接角度:20°
ブレード厚み:2.0mm
感光体へのブレード喰い込み量:0.5mm
極性制御ブレードへの印加電圧:−1200V
<クリーニングブラシ421の条件>
ブラシ材質:導電性ポリエステル(繊維内部に導電性カーボンを内包し、繊維表面はポリエステル; いわゆる芯鞘構造)
ブラシ抵抗:1×10Ω・cm(印加電圧1000V)
ブラシ軸印加電圧:+400V
ブラシ植毛密度:10万本/inch、繊維径約25〜35μm、ブラシ先端の毛倒れ処理あり
ブラシ直径:14mm
感光体へのブラシ繊維喰い込み量:1mm
回転方向:図11で反時計回り方向
また、ブラシ表面電荷付与部材426を設けて、ブラシ軸と同じ電圧を印加してクリーニングブラシ421表面に電荷を付与している。
<回収ローラ422の条件>
回収ローラ芯金材質:SUS
回収ローラ表面材質:PVDF(厚み100μm)の表層にアクリル系UV硬化樹脂層(厚み3〜5μm)
回収ローラ体積抵抗:1×1013Ω・cm(25℃50%にて測定)
ローラ直径:12mm
回収ローラへのブラシ繊維喰い込み量:1mm
回収ローラ芯金印加電圧:+800V
回転方向:図11で反時計回り方向
<掻き取りブレード423の条件>
導電性カーボン含有ポリウレタンゴム体積抵抗:1×10Ω・cm(25℃50%にて測定)
ブレード当接角度:20°
ブレード厚み:2.4mm
回収ローラへのブレード喰い込み量:0.6mm
掻き取りブレードへの印加電圧:+1600V
このような構成の感光体1のクリーニング装置4では、以下の工程で感光体1上の転写残トナーをベルトクリーニング装置10と同様に静電的に除去する。
1.極性制御ブレード420で感光体1上のトナーの極性を正規帯電極性(ここでは、負極性)に揃える。
2.クリーニングブラシ421にトナーと逆極性(ここでは、正極性)の電圧を印加して、感光体1上のトナーを静電的にクリーニングブラシ421上に移動させる。
3.回収ローラ422にクリーニングブラシ421と同極性で絶対値が大きい電圧を印加して、クリーニングブラシ421上のトナーを回収ローラ422に移動させる。
4.掻き取りブレード423で回収ローラ422上のトナーを掻き落とす。
しかしながら、ベルトクリーニング装置10と同様に、使用環境が高温高湿になると良好なクリーニング性能が得られないという問題が発生した。これは、図9に示したように、高温高湿時に回収ローラ522の絶縁性表層の電気抵抗が低下し、1×1012Ω・cm台になり、掻き取りブレード423から回収ローラ422の表層を介して回収ローラ422の芯金やクリーニングブラシ421へ電流が流れるからである。表3は、図11に示すクリーニング装置4で、常温常湿環境(MM環境)23℃50%、低温低湿環境(LL環境)10℃15%、高温高湿環境(HH環境)32℃80%で、極性制御ブレード420、クリーニングブラシ421、回収ローラ422、掻き取りブレード423にそれぞれ流れる電流を、キーエンス社製NR−2000にて測定した実測値を示したものである。
Figure 2010160364
表3に示すように、高温高湿環境では、常温常湿環境、低温低湿環境に比較して掻き取りブレード422に10倍以上の電流が流れていることがわかる。また、クリーニングブラシ421、回収ローラ422の電流は、高温高湿環境では、常温常湿環境、低温低湿環境とほとんど変化していない。このような掻き取りブレード422から流れ出した電流により、回収ローラ522の絶縁性表層を介して電荷がリークして、リークした電荷がトナーに注入されてしまう。このため、トナーの極性が反転して、良好なクリーニング性能が得られない。
そこで、本実施形態の感光体1のクリーニング装置4においても、高温高湿時に掻き取りブレード423に電圧を印加しないようにする。図12は、感光体1のクリーニング装置4における掻き取りブレード423とその周囲構成とを示す模式図である。同図において、掻き取りブレード423に掻き取り電圧を印加するブレード用電源433は、電圧制御手段としての電圧制御回路を具備するものである。ブレード用電源433とアースとの間には、電流検知手段としての電流計441が接続されている。これにより、ブレード用電源433からの出力電流が検知される。電流計441による電流値の検知結果は、ブレード用電源433の電圧制御回路に送られる。電圧制御回路は、電流計441から送られてくる電流値の信号が所定の閾値(例えば50μA)を超えた場合、あるいは、所定の閾値以上になった場合に、ブレード用電源433からの掻き取り電圧の出力を標準値である+1450Vよりも小さくする制御を実施する。
かかる構成では、トナーと同極性の掻き取り電圧を掻き取りブレード423に印加することで、掻き取りブレード423を電気的にフロート状態にしていた従来に比べて、回収ローラ422表面からのトナーの掻き落としを促進することができる。また、掻き取りブレード423から回収ローラ522表面を介したクリーニングブラシ421への電流のリークが発生したことにより、ブレード用電源433からの出力電流値が所定の閾値を超えるか、閾値以上になった場合に、前述した制御を実施することで、電流のリーク量を低減する。これにより、電流のリークによるクリーニング不良の発生を抑えることができる。
掻き取り電圧における標準値よりも小さい値としては、回収電圧と同じ+800Vを採用している。即ち、本プリンタでは、掻き取りブレード423から回収ローラ422を介したクリーニングブラシ421への電流のリークが発生した場合には、回収ローラ422と掻き取りブレード423との電位差を無くしている。このようにしても、掻き取りブレード423を電気的にフロート状態にしていた従来に比べて、回収ローラ422表面からのトナーの掻き取りを促進することができる。更には、前述の電位差を無くすことで、電流のリークをほぼ無くすことができる。掻き取り電圧を一定にした場合と、上述した制御を行う場合とのクリーニング性能の比較を、次の表4に示す。なお、掻き取り電圧の設定については、通紙毎に行うようになっている。
Figure 2010160364
次に、実施形態に係るプリンタの変形例について説明する。
図15は、変形例に係るプリンタを示す概略構成図である。このプリンタは、転写ユニットの代わりに、紙搬送ベルト31を複数のローラによって張架しながら図中時計回り方向に無端移動せしめる転写搬送ユニット30を備えている。搬送体としての紙搬送ベルト31は、感光体1Y,M,C,Kにそれぞれ接触してY,M,C,K用の一次転写ニップを形成している。そして、記録部材としての転写紙Pを自らの表面に保持しながら、自らの無端移動に伴って図中左側から右側に向けて搬送する過程で、転写紙PをY,M,C,K用の一次転写ニップに順次送り込む。これにより、転写紙Pには、Y,M,C,Kトナー像が重ね合わせて一次転写される。その後、転写紙Pは、紙搬送ベルト31から分離されて、図示しない定着装置に送られる。
K用の一次転写ニップを通過した後の紙搬送ベルト31に付着しているトナー汚れは、搬送ベルトクリーニング装置10Aによって除去される。この搬送ベルトクリーニング装置10Aの構成は、実施形態に係るプリンタのベルトクリーニング装置10と同様である。また、各色プロセスユニットにおける感光体1Y,M,C,Kをクリーニングするクリーニング装置4Y,M,C,Kの構成は、実施形態に係るプリンタと同様である。
次に、実施形態や変形例に係るプリンタに好適に用いられるトナーについて説明する。それらプリンタで600dpi以上の微少ドットを再現するために、トナーの体積平均粒径は3〜6μmが好ましい。また、体積平均粒径(Dv)と個数平均粒径(Dn)との比(Dv/Dn)は1.00〜1.40の範囲にあることが好ましい。(Dv/Dn)が1.00に近いほど粒径分布がシャープであることを示す。このような小粒径で粒径分布の狭いトナーでは、トナーの帯電量分布が均一になり、地肌かぶりの少ない高品位な画像を得ることができ、静電転写方式では転写率を高くすることができる。
トナーの形状係数SF−1は100〜180、形状係数SF−2は100〜180の範囲にあることが好ましい。図14は、トナー粒子の2次元平面に対する投影像の最大径MXLNGと平面積AREAとを説明する模式図である。形状係数SF−1は、トナー形状の丸さの割合を示すものであり、「SF−1={(MXLNG)/AREA}×(100π)/4」という式で求められる。トナー粒子の2次元平面に対する投影像の最大径MXLNGの二乗を平面積AREAで除して、100π/4を乗じた値である。SF−1の値が100の場合トナーの形状は真球となり、SF−1の値が大きくなるほど不定形になる。
図15は、トナー粒子の2次元平面に対する投影像の周長PERIと平面積AREAとを説明する模式図である。形状係数SF−2は、トナー粒子の形状の凹凸の割合を示すものであり、「SF−2={(PERI)/AREA}×100/(4π)」という式で求められる。トナー粒子を2次元平面に投影してできる図形の周長PERIの二乗を図形面積AREAで除して、100π/4を乗じた値である。SF−2の値が100の場合トナー表面に凹凸が存在しなくなり、SF−2の値が大きくなるほどトナー表面の凹凸が顕著になる。
形状係数の測定は、具体的には、トナーの中から100個のトナー粒子を無作為に選出してその写真を走査型電子顕微鏡(S−800:日立製作所製)で撮影し、その撮影像を画像解析装置(LUSEX3:ニレコ社製)に導入し、個々のトナー粒子の形状係数を解析した後、それらの平均値を最終的な形状係数とした。トナーの形状が球形に近くなると、トナーとトナーあるいはトナーと感光体との接触状態が点接触になるために、トナー同士の吸着力は弱くなり従って流動性が高くなり、また、トナーと感光体との吸着力も弱く なって、転写率は高くなる。形状係数SF−1、SF−2のいずれかが180を超えると、転写率が低下するため好ましくない。
また、トナーは少なくとも、窒素原子を含む官能基を有するポリエステルプレポリマーと、ポリエステルと、着色剤と、離型剤とを有機溶媒中に分散させたトナー材料液を、水系溶媒中で架橋及び/又は伸長反応させて得られるトナーである。以下に、トナーの構成材料及び製造方法について説明する。
(ポリエステル)
ポリエステルは、多価アルコール化合物と多価カルボン酸化合物との重縮合反応によって得られる。 多価アルコール化合物(PO)としては、2価アルコール(DIO)および3価以上の多価アルコール(TO)が挙げられ、(DIO)単独、または(DIO)と少量の(TO)との混合物が好ましい。2価アルコール(DIO)としては、アルキレングリコール(エチレングリコール、1,2−プロピレングリコール、1,3−プロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオールなど);アルキレンエーテルグリコール(ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ジプロピレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリテトラメチレンエーテルグリコールなど);脂環式ジオール(1,4−シクロヘキサンジメタノール、水素添加ビスフェノールAなど);ビスフェノール類(ビスフェノールA、ビスフェノールF、ビスフェノールSなど);上記脂環式ジオールのアルキレンオキサイド(エチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、ブチレンオキサイドなど)付加物;上記ビスフェノール類のアルキレンオキサイド(エチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、ブチレンオキサイドなど)付加物などが挙げられる。これらのうち好ましいものは、炭素数2〜12のアルキレングリコールおよびビスフェノール類のアルキレンオキサイド付加物であり、特に好ましいものはビスフェノール類のアルキレンオキサイド付加物、およびこれと炭素数2〜12のアルキレングリコールとの併用である。3価以上の多価アルコール(TO)としては、3〜8価またはそれ以上の多価脂肪族アルコール(グリセリン、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール、ソルビトールなど);3価以上のフェノール類(トリスフェノールPA、フェノールノボラック、クレゾールノボラックなど);上記3価以上のポリフェノール類のアルキレンオキサイド付加物などが挙げられる。
多価カルボン酸(PC)としては、2価カルボン酸(DIC)および3価以上の多価カルボン酸(TC)が挙げられ、(DIC)単独、および(DIC)と少量の(TC)との混合物が好ましい。2価カルボン酸(DIC)としては、アルキレンジカルボン酸(コハク酸、アジピン酸、セバシン酸など);アルケニレンジカルボン酸(マレイン酸、フマール酸など);芳香族ジカルボン酸(フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、ナフタレンジカルボン酸など)などが挙げられる。これらのうち好ましいものは、炭素数4〜20のアルケニレンジカルボン酸および炭素数8〜20の芳香族ジカルボン酸である。3価以上の多価カルボン酸(TC)としては、炭素数9〜20の芳香族多価カルボン酸(トリメリット酸、ピロメリット酸など)などが挙げられる。なお、多価カルボン酸(PC)としては、上述のものの酸無水物または低級アルキルエステル(メチルエステル、エチルエステル、イソプロピルエステルなど)を用いて多価アルコール(PO)と反応させてもよい。
多価アルコール(PO)と多価カルボン酸(PC)の比率は、水酸基[OH]とカルボキシル基[COOH]の当量比[OH]/[COOH]として、通常2/1〜1/1、好ましくは1.5/1〜1/1、さらに好ましくは1.3/1〜1.02/1である。多価アルコール(PO)と多価カルボン酸(PC)の重縮合反応は、テトラブトキシチタネート、ジブチルチンオキサイドなど公知のエステル化触媒の存在下、150〜280℃に加熱し、必要により減圧としながら生成する水を留去して、水酸基を有するポリエステルを 得る。ポリエステルの水酸基価は5以上であることが好ましく、ポリエステルの酸価は通常1〜30、好ましくは5〜20である。酸価を持たせることで負帯電性となりやすく、さらには記録紙への定着時、記録紙とトナーの親和性がよく低温定着性が向上する。しかし、酸価が30を超えると帯電の安定性、特に環境変動に対し悪化傾向がある。また、重量平均分子量1万〜40万、好ましくは2万〜20万である。重量平均分子量が1万未満では、耐オフセット性が悪化するため好ましくない。また、40万を超えると低温定着性が悪化するため好ましくない。
ポリエステルには、上記の重縮合反応で得られる未変性ポリエステルの他に、ウレア変性のポリエステルが好ましく含有される。ウレア変性のポリエステルは、上記の重縮合反応で得られるポリエステルの末端のカルボキシル基や水酸基等と多価イソシアネート化合物(PIC)とを反応させ、イソシアネート基を有するポリエステルプレポリマー(A)を得、これとアミン類との反応により分子鎖が架橋及び/又は伸長されて得られるものである。多価イソシアネート化合物(PIC)としては、脂肪族多価イソシアネート(テトラメチレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、2,6−イソシアナトメチルカプロエートなど);脂環式ポリイソシアネート(イソホロンジイソシアネート、シクロヘキシルメタンジイソシアネートなど);芳香族ジイソシアネート(トリレンジイソシアネート、ジフェニルメタンジイソシアネートなど);芳香脂肪族ジイソシアネート(α,α,α’,α’−テトラメチルキシリレンジイソシアネートなど);イソシアネート類;前記ポリイソシアネートをフェノール誘導体、オキシム、カプロラクタムなどでブロックしたもの;およびこれら2種以上の併用が挙げられる。多価イソシアネート化合物(PIC)の比率は、イソシアネート基[NCO]と、水酸基を有するポリエステルの水酸基[OH]の当量比[NCO]/[OH]として、通常5/1〜1/1、好ましくは4/1〜1.2/1、さらに好ましくは2.5/1〜1.5/1である。[NCO]/[OH]が5を超えると低温定着性が悪化する。[NCO]のモル比が1未満では、ウレア変性ポリエステルを用いる場合、そのエステル中のウレア含量が低くなり、耐ホットオフセット性が悪化する。イソシアネート基を有するポリエステルプレポリマー(A)中の多価イソシアネート化合物(PIC)構成成分の含有量は、通常0.5〜40wt%、好ましくは1〜30wt%、さらに好ましくは2〜20wt%である。0.5wt%未満では、耐ホットオフセット性が悪化するとともに、耐熱保存性と低温定着性の両立の面で不利になる。また、40wt%を超えると低温定着性が悪化する。イソシアネート基を有するポリエステルプレポリマー(A)中の1分子当たりに含有されるイソシアネート基は、通常1個以上、好ましくは、平均1.5〜3個、さらに好ましくは、平均1.8〜2.5個である。1分子当たり1個未満では、ウレア変性ポリエステルの分子量が低くなり、耐ホットオフセット性が悪化する。
次に、ポリエステルプレポリマー(A)と反応させるアミン類(B)としては、2価アミン化合物(B1)、3価以上の多価アミン化合物(B2)、アミノアルコール(B3)、アミノメルカプタン(B4)、アミノ酸(B5)、およびB1〜B5のアミノ基をブロックしたもの(B6)などが挙げられる。 2価アミン化合物(B1)としては、芳香族ジアミン(フェニレンジアミン、ジエチルトルエンジアミン、4,4’−ジアミノジフェニルメタンなど);脂環式ジアミン(4,4’−ジアミノ−3,3’−ジメチルジシクロヘキシルメタン、ジアミンシクロヘキサン、イソホロンジアミンなど);および脂肪族ジアミン(エチレンジアミン、テトラメチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミンなど)などが挙げられる。3価以上の多価アミン化合物(B2)としては、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミンなどが挙げられる。アミノアルコール(B3)としては、エタノールアミン、ヒドロキシエチルアニリンなどが挙げられる。アミノメルカプタン(B4)としては、アミノエチルメルカプタン、アミノプロピルメルカプタンなどが挙げられる。アミノ酸(B5)としては、アミノプロピオン酸、アミノカプロン酸などが挙げられる。B1〜B5のアミノ基をブロックしたも の(B6)としては、前記B1〜B5のアミン類とケトン類(アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトンなど)から得られるケチミン化合物、オキサゾリジン化合物などが挙げられる。これらアミン類(B)のうち好ましいものは、B1およびB1と少量のB2の混合物である。
アミン類(B)の比率は、イソシアネート基を有するポリエステルプレポリマー(A)中のイソシアネート基[NCO]と、アミン類(B)中のアミノ基[NHx]の当量比[NCO]/[NHx]として、通常1/2〜2/1、好ましくは1.5/1〜1/1.5、さらに好ましくは1.2/1〜1/1.2である。[NCO]/[NHx]が2や、1/2未満では、ウレア変性ポリエステルの分子量が低くなり、耐ホットオフセット性が悪化する。また、ウレア変性ポリエステル中には、ウレア結合と共にウレタン結合を含有していてもよい。ウレア結合含有量とウレタン結合含有量のモル比は、通常100/0〜10/90であり、好ましくは80/20〜20/80、さらに好ましくは、60/40〜30/70である。ウレア結合のモル比が10%未満では、耐ホットオフセット性が悪化する。
ウレア変性ポリエステルは、ワンショット法、などにより製造される。多価アルコール(PO)と多価カルボン酸(PC)を、テトラブトキシチタネート、ジブチルチンオキサイドなど公知のエステル化触媒の存在下、150〜280℃に加熱し、必要により減圧としながら生成する水を留去して、水酸基を有するポリエステルを得る。次いで40〜140℃にて、これに多価イソシアネート(PIC)を反応させ、イソシアネート基を有するポリエステルプレポリマー(A)を得る。さらにこの(A)にアミン類(B)を0〜140℃にて反応させ、ウレア変性ポリエステルを得る。
(PIC)を反応させる際、及び(A)と(B)を反応させる際には、必要により溶剤を用いることもできる。使用可能な溶剤としては、芳香族溶剤(トルエン、キシレンなど);ケトン類(アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトンなど);エステル類(酢酸エチルなど);アミド類(ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミドなど)およびエーテル類(テトラヒドロフランなど)などのイソシアネート(PIC)に対して不活性なものが挙げられる。 また、ポリエステルプレポリマー(A)とアミン類(B)との架橋及び/又は伸長反応には、必要により反応停止剤を用い、得られるウレア変性ポリエステルの分子量を調整することができる。反応停止剤としては、モノアミン(ジエチルアミン、ジブチルアミン、ブチルアミン、ラウリルアミンなど)、およびそれらをブロックしたもの(ケチミン化合物)などが挙げられる。
ウレア変性ポリエステルの重量平均分子量は、通常1万以上、好ましくは2万〜1000万、さらに好ましくは3万〜100万である。1万未満では耐ホットオフセット性が悪化する。ウレア変性ポリエステル等の数平均分子量は、先の未変性ポリエステルを用いる場合は特に限定されるものではなく、前記重量平均分子量とするのに得やすい数平均分子量でよい。ウレア変性ポリエステルを単独で使用する場合は、その数平均分子量は、通常2000〜15000、好ましくは2000〜10000、さらに好ましくは2000〜8000である。20000を超えると低温定着性およびフルカラー装置に用いた場合の光沢性が悪化する。
未変性ポリエステルとウレア変性ポリエステルとを併用することで、低温定着性およびフルカラー画像形成装置100に用いた場合の光沢性が向上するので、ウレア変性ポリエステルを単独で使用するよりも好ましい。尚、未変性ポリエステルはウレア結合以外の化学結合で変性されたポリエステルを含んでも良い。未変性ポリエステルとウレア変性ポリエステルとは、少なくとも一部が相溶していることが低温定着性、耐ホットオフセット性の面で好ましい。従って、未変性ポリエステルとウレア変性ポリエステルとは類似の組成であることが好ましい。
また、未変性ポリエステルとウレア変性ポリエステルとの重量比は、通常20/80〜95/5、好ましくは70/30〜95/5、さらに好ましくは75/25〜95/5、特に好ましくは80/20〜93/7である。ウレア変性ポリエステルの重量比が5%未満では、耐ホットオフセット性が悪化するとともに、耐熱保存性と低温定着性の両立の面で不利になる。 未変性ポリエステルとウレア変性ポリエステルとを含むバインダー樹脂のガラス転移点(Tg)は、通常45〜65℃、好ましくは45〜60℃である。45℃未満ではトナーの耐熱性が悪化し、65℃を超えると低温定着性が不十分となる。また、ウレア変性ポリエステルは、得られるトナー母体粒子の表面に存在しやすいため、公知のポリエステル系トナーと比較して、ガラス転移点が低くても耐熱保存性が良好な傾向を示す。
(着色剤)
着色剤としては、公知の染料及び顔料が全て使用でき、例えば、カーボンブラック、ニグロシン染料、鉄黒、ナフトールイエローS、ハンザイエロー(10G、5G、G)、カドミュウムイエロー、黄色酸化鉄、黄土、黄鉛、チタン黄、ポリアゾイエロー、オイルイエロー、ハンザイエロー(GR、A、RN、R)、ピグメントイエローL、ベンジジンイエロー(G、GR)、パーマネントイエロー(NCG)、バルカンファストイエロー(5G、R)、タートラジンレーキ、キノリンイエローレーキ、アンスラザンイエローBGL、イソインドリノンイエロー、ベンガラ、鉛丹、鉛朱、カドミュウムレッド、カドミュウムマーキュリレッド、アンチモン朱、パーマネントレッド4R、パラレッド、ファイセーレッド、パラクロルオルトニトロアニリンレッド、リソールファストスカーレットG、ブリリアントファストスカーレット、ブリリアントカーンミンBS、パーマネントレッド(F2R、F4R、FRL、FRLL、F4RH)、ファストスカーレットVD、ベルカンファストルビンB、ブリリアントスカーレットG、リソールルビンGX、パーマネントレッドF5R、ブリリアントカーミン6B、ピグメントスカーレット3B、ボルドー5B、トルイジンマルーン、パーマネントボルドーF2K、ヘリオボルドーBL、ボルドー10B、ボンマルーンライト、ボンマルーンメジアム、エオシンレーキ、ローダミンレーキB、ローダミンレーキY、アリザリンレーキ、チオインジゴレッドB、チオインジゴマルーン、オイルレッド、キナクリドンレッド、ピラゾロンレッド、ポリアゾレッド、クロームバーミリオン、ベンジジンオレンジ、ペリノンオレンジ、オイルオレンジ、コバルトブルー、セルリアンブルー、アルカリブルーレーキ、ピーコックブルーレーキ、ビクトリアブルーレーキ、無金属フタロシアニンブルー、フタロシアニンブルー、ファストスカイブルー、インダンスレンブルー(RS、BC)、インジゴ、群青、紺青、アントラキノンブルー、ファストバイオレットB、メチルバイオレットレーキ、コバルト紫、マンガン紫、ジオキサンバイオレット、アントラキノンバイオレット、クロムグリーン、ジンクグリーン、酸化クロム、ピリジアン、エメラルドグリーン、ピグメントグリーンB、ナフトールグリーンB、グリーンゴールド、アシッドグリーンレーキ、マラカイトグリーンレーキ、フタロシアニングリーン、アントラキノングリーン、酸化チタン、亜鉛華、リトボン及びそれらの混合物が使用できる。着色剤の含有量はトナーに対して通常1〜15重量%、好ましくは3〜10重量%である。
着色剤は樹脂と複合化されたマスターバッチとして用いることもできる。マスターバッチの製造、またはマスターバッチとともに混練されるバインダー樹脂としては、ポリスチレン、ポリ−p−クロロスチレン、ポリビニルトルエンなどのスチレン及びその置換体の重合体、あるいはこれらとビニル化合物との共重合体、ポリメチルメタクリレート、ポリブチルメタクリレート、ポリ塩化ビニル、ポリ酢酸ビニル、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエステル、エポキシ樹脂、エポキシポリオール樹脂、ポリウレタン、ポリアミド 、ポリビニルブチラール、ポリアクリル酸樹脂、ロジン、変性ロジン、テルペン樹脂、脂肪族又は脂環族炭化水素樹脂、芳香族系石油樹脂、塩素化パラフィン、パラフィンワックスなどが挙げられ、単独あるいは混合して使用できる。
(荷電制御剤)
荷電制御剤としては公知のものが使用でき、例えばニグロシン系染料、トリフェニルメタン系染料、クロム含有金属錯体染料、モリブデン酸キレート顔料、ローダミン系染料、アルコキシ系アミン、4級アンモニウム塩(フッ素変性4級アンモニウム塩を含む)、アルキルアミド、燐の単体または化合物、タングステンの単体または化合物、フッ素系活性剤、サリチル酸金属塩及び、サリチル酸誘導体の金属塩等である。具体的にはニグロシン系染料のボントロン03、4級アンモニウム塩のボントロンP−51、含金属アゾ染料のボントロンS−34、オキシナフトエ酸系金属錯体のE−82、サリチル酸系金属錯体のE−84、フェノール系縮合物のE−89(以上、オリエント化学工業社製)、4級アンモニウム塩モリブデン錯体のTP−302、TP−415(以上、保土谷化学工業社製)、4級アンモニウム塩のコピーチャージPSYVP2038、トリフェニルメタン誘導体のコピーブルーPR、4級アンモニウム塩のコピーチャージNEG VP2036、コピーチャージ NX VP434(以上、ヘキスト社製)、LRA−901、ホウ素錯体であるLR−147(日本カーリット社製)、銅フタロシアニン、ペリレン、キナクリドン、アゾ系顔料、その他スルホン酸基、カルボキシル基、4級アンモニウム塩等の官能基を有する高分子系の化合物が挙げられる。このうち、特にトナーを負極性に制御する物質が好ましく使用される。
荷電制御剤の使用量は、バインダー樹脂の種類、必要に応じて使用される添加剤の有無、分散方法を含めたトナー製造方法によって決定されるもので、一義的に限定されるものではないが、好ましくはバインダー樹脂100重量部に対して、0.1〜10重量部の範囲で用いられる。好ましくは、0.2〜5重量部の範囲がよい。10重量部を超える場合にはトナーの帯電性が大きすぎ、荷電制御剤の効果を減退させ、現像ローラとの静電的吸引力が増大し、現像剤の流動性低下や、画像濃度の低下を招く。
(離型剤)
離型剤としては、融点が50〜120℃の低融点のワックスが、バインダー樹脂との分散の中でより離型剤として効果的に定着ローラとトナー界面との間で働き、これにより定着ローラにオイルの如き離型剤を塗布することなく高温オフセットに対し効果を示す。このようなワックス成分としては、以下のものが挙げられる。ロウ類及びワックス類としては、カルナバワックス、綿ロウ、木ロウ、ライスワックス等の植物系ワックス、ミツロウ、ラノリン等の動物系ワックス、オゾケライト、セルシン等の鉱物系ワックス、及びおよびパラフィン、マイクロクリスタリン、ペトロラタム等の石油ワックス等が挙げられる。また、これら天然ワックスの外に、フィッシャー・トロプシュワックス、ポリエチレンワックス等の合成炭化水素ワックス、エステル、ケトン、エーテル等の合成ワックス等が挙げられる。さらに、12−ヒドロキシステアリン酸アミド、ステアリン酸アミド、無水フタル酸イミド、塩素化炭化水素等の脂肪酸アミド及び、低分子量の結晶性高分子樹脂である、ポリ−n−ステアリルメタクリレート、ポリ−n−ラウリルメタクリレート等のポリアクリレートのホモ重合体あるいは共重合体(例えば、n−ステアリルアクリレート−エチルメタクリレートの共重合体等)等、側鎖に長いアルキル基を有する結晶性高分子等も用いることができる。
荷電制御剤、離型剤はマスターバッチ、バインダー樹脂とともに溶融混練することもできるし、もちろん有機溶剤に溶解、分散する際に加えても良い。
(外添剤)
トナー粒子の流動性や現像性、帯電性を補助するための外添剤として、無機微粒子が好ましく用いられる。この無機微粒子の一次粒子径は、5×10−3〜2μmであることが 好ましく、特に5×10−3〜0.5μmであることが好ましい。また、BET法による比表面積は、20〜500m/gであることが好ましい。この無機微粒子の使用割合は、トナーの0.01〜5wt%であることが好ましく、特に0.01〜2.0wt%であることが好ましい。無機微粒子の具体例としては、例えばシリカ、アルミナ、酸化チタン、チタン酸バリウム、チタン酸マグネシウム、チタン酸カルシウム、チタン酸ストロンチウム、酸化亜鉛、酸化スズ、ケイ砂、クレー、雲母、ケイ灰石、ケイソウ土、酸化クロム、酸化セリウム、ベンガラ、三酸化アンチモン、酸化マグネシウム、酸化ジルコニウム、硫酸バリウム、炭酸バリウム、炭酸カルシウム、炭化ケイ素、窒化ケイ素などを挙げることができる。中でも、流動性付与剤としては、疎水性シリカ微粒子と疎水性酸化チタン微粒子を併用するのが好ましい。特に両微粒子の平均粒径が5×10−4μm以下のものを使用して攪拌混合を行った場合、トナーとの静電力、ファンデルワールス力は格段に向上することより、所望の帯電レベルを得るために行われる現像装置内部の攪拌混合によっても、トナーから流動性付与剤が脱離することなく、ホタルなどが発生しない良好な画像品質が得られて、さらに転写残トナーの低減が図られる。酸化チタン微粒子は、環境安定性、画像濃度安定性に優れている反面、帯電立ち上がり特性の悪化傾向にあることより、酸化チタン微粒子添加量がシリカ微粒子添加量よりも多くなると、この副作用の影響が大きくなることが考えられる。しかし、疎水性シリカ微粒子及び疎水性酸化チタン微粒子の添加量が0.3〜1.5wt%の範囲では、帯電立ち上がり特性が大きく損なわれず、所望の帯電立ち上がり特性が得られ、すなわち、コピーの繰り返しを行っても、安定した画像品質が得られる。
次に、トナーの製造方法について説明する。ここでは、好ましい製造方法について示すが、これに限られるものではない。
(トナーの製造方法)
1)着色剤、未変性ポリエステル、イソシアネート基を有するポリエステルプレポリマー、離型剤を有機溶媒中に分散させトナー材料液を作る。
有機溶媒は、沸点が100℃未満の揮発性であることが、トナー母体粒子形成後の除去が容易である点から好ましい。具体的には、トルエン、キシレン、ベンゼン、四塩化炭素、塩化メチレン、1,2−ジクロロエタン、1,1,2−トリクロロエタン、トリクロロエチレン、クロロホルム、モノクロロベンゼン、ジクロロエチリデン、酢酸メチル、酢酸エチル、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトンなどを単独あるいは2種以上組合せて用いることができる。特に、トルエン、キシレン等の芳香族系溶媒および塩化メチレン、1,2−ジクロロエタン、クロロホルム、四塩化炭素等のハロゲン化炭化水素が好ましい。有機溶媒の使用量は、ポリエステルプレポリマー100重量部に対し、通常0〜300重量部、好ましくは0〜100重量部、さらに好ましくは25〜70重量部である。
2)トナー材料液を界面活性剤、樹脂微粒子の存在下、水系媒体中で乳化させる。
水系媒体は、水単独でも良いし、アルコール(メタノール、イソプロピルアルコール、エチレングリコールなど)、ジメチルホルムアミド、テトラヒドロフラン、セルソルブ類(メチルセルソルブなど)、低級ケトン類(アセトン、メチルエチルケトンなど)などの有機溶媒を含むものであってもよい。
トナー材料液100重量部に対する水系媒体の使用量は、通常50〜2000重量部、好ましくは100〜1000重量部である。50重量部未満ではトナー材料液の分散状態が悪く、所定の粒径のトナー粒子が得られない。20000重量部を超えると経済的でない。
また、水系媒体中の分散を良好にするために、界面活性剤、樹脂微粒子等の分散剤を適宜加える。 界面活性剤としては、アルキルベンゼンスルホン酸塩、α−オレフィンスルホン酸塩、リン酸エステルなどのアニオン性界面活性剤、アルキルアミン塩、アミノアルコール脂肪 酸誘導体、ポリアミン脂肪酸誘導体、イミダゾリンなどのアミン塩型や、アルキルトリメチルアンモニム塩、ジアルキルジメチルアンモニウム塩、アルキルジメチルベンジルアンモニウム塩、ピリジニウム塩、アルキルイソキノリニウム塩、塩化ベンゼトニウムなどの4級アンモニウム塩型のカチオン性界面活性剤、脂肪酸アミド誘導体、多価アルコール誘導体などの非イオン界面活性剤、例えばアラニン、ドデシルジ(アミノエチル)グリシン、ジ(オクチルアミノエチル)グリシンやN−アルキル−N,N−ジメチルアンモニウムベタインなどの両性界面活性剤が挙げられる。
また、フルオロアルキル基を有する界面活性剤を用いることにより、非常に少量でその効果をあげることができる。好ましく用いられるフルオロアルキル基を有するアニオン性界面活性剤としては、炭素数2〜10のフルオロアルキルカルボン酸及びその金属塩、パーフルオロオクタンスルホニルグルタミン酸ジナトリウム、3−[ω−フルオロアルキル(C6〜C11)オキシ]−1−アルキル(C3〜C4)スルホン酸ナトリウム、3−[ω−フルオロアルカノイル(C6〜C8)−N−エチルアミノ]−1−プロパンスルホン酸ナトリウム、フルオロアルキル(C11〜C20)カルボン酸及び金属塩、パーフルオロアルキルカルボン酸(C7〜C13)及びその金属塩、パーフルオロアルキル(C4〜C12)スルホン酸及びその金属塩、パーフルオロオクタンスルホン酸ジエタノールアミド、N−プロピル−N−(2−ヒドロキシエチル)パーフルオロオクタンスルホンアミド、パーフルオロアルキル(C6〜C10)スルホンアミドプロピルトリメチルアンモニウム塩、パーフルオロアルキル(C6〜C10)−N−エチルスルホニルグリシン塩、モノパーフルオロアルキル(C6〜C16)エチルリン酸エステルなどが挙げられる。商品名としては、サーフロンS−111、S−112、S−113(旭硝子社製)、フロラードFC−93、FC−95、FC−98、FC−129(住友3M社製)、ユニダインDS−101、DS−102(ダイキン工業社製)、メガファックF−110、F−120、F−113、F−191、F−812、F−833(大日本インキ社製)、エクトップEF−102、103、104、105、112、123A、123B、306A、501、201、204、(トーケムプロダクツ社製)、フタージェントF−100、F150(ネオス社製)などが挙げられる。
また、カチオン性界面活性剤としては、フルオロアルキル基を有する脂肪族1級、2級もしくは2級アミン酸、パーフルオロアルキル(C6−C10)スルホンアミドプロピルトリメチルアンモニウム塩などの脂肪族4級アンモニウム塩、ベンザルコニウム塩、塩化ベンゼトニウム、ピリジニウム塩、イミダゾリニウム塩、商品名としてはサーフロンS−121(旭硝子社製)、フロラードFC−135(住友3M社製)、ユニダインDS−202(ダイキンエ業杜製)、メガファックF−150、F−824(大日本インキ社製)、エクトップEF−132(トーケムプロダクツ社製)、フタージェントF−300(ネオス社製)などが挙げられる。
樹脂微粒子は、水系媒体中で形成されるトナー母体粒子を安定化させるために加えられる。このために、トナー母体粒子の表面上に存在する被覆率が10〜90%の範囲になるように加えられることが好ましい。例えば、ポリメタクリル酸メチル微粒子1μm、及び3μm、ポリスチレン微粒子0.5μm、及び、2μm、ポリ(スチレン―アクリロニトリル)微粒子1μm、商品名では、PB−200H(花王社製)、SGP(総研社製)、テクノポリマーSB(積水化成品工業社製)、SGP−3G(総研社製)、ミクロパール(積水ファインケミカル社製)等がある。また、リン酸三カルシウム、炭酸カルシウム、酸化チタン、コロイダルシリカ、ヒドロキシアパタイト等の無機化合物分散剤も用いることができる。
上記樹脂微粒子や無機化合物分散剤などと併用可能な分散剤として、高分子系保護コロイドにより分散液滴を安定化させても良い。例えばアクリル酸、メタクリル酸、α −シアノアクリル酸、α−シアノメタクリル酸、イタコン酸、クロトン酸、フマール酸、マレイン酸または無水マレイン酸などの酸類、あるいは水酸基を含有する(メタ)アクリル系単量体、例えばアクリル酸−β−ヒドロキシエチル、メタクリル酸−β−ヒドロキシエチル、アクリル酸−β−ヒドロキシプロビル、メタクリル酸−β−ヒドロキシプロピル、アクリル酸−γ−ヒドロキシプロピル、メタクリル酸−γ−ヒドロキシプロピル、アクリル酸−3−クロロ2−ヒドロキシプロビル、メタクリル酸−3−クロロ−2−ヒドロキシプロピル、ジエチレングリコールモノアクリル酸エステル、ジエチレングリコールモノメタクリル酸エステル、グリセリンモノアクリル酸エステル、グリセリンモノメタクリル酸エステル、N−メチロールアクリルアミド、N−メチロールメタクリルアミドなど、ビニルアルコールまたはビニルアルコールとのエーテル類、例えばビニルメチルエーテル、ビニルエチルエーテル、ビニルプロピルエーテルなど、またはビニルアルコールとカルボキシル基を含有する化合物のエステル類、例えば酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、酪酸ビニルなど、アクリルアミド、メタクリルアミド、ジアセトンアクリルアミドあるいはこれらのメチロール化合物、アクリル酸クロライド、メタクリル酸クロライドなどの酸クロライド類、ビニルピリジン、ビニルピロリドン、ビニルイミダゾール、エチレンイミンなどの含窒素化合物、またはその複素環を有するものなどのホモポリマーまたは共重合体、ポリオキシエチレン、ポリオキシプロピレン、ポリオキシエチレンアルキルアミン、ポリオキシプロピレンアルキルアミン、ポリオキシエチレンアルキルアミド、ポリオキシプロピレンアルキルアミド、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンラウリルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンステアリルフェニルエステル、ポリオキシエチレンノニルフェニルエステルなどのポリオキシエチレン系、メチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロースなどのセルロース類などが使用できる。
分散の方法としては特に限定されるものではないが、低速せん断式、高速せん断式、摩擦式、高圧ジェット式、超音波などの公知の設備が適用できる。この中でも、分散体の粒径を2〜20μmにするために高速せん断式が好ましい。高速せん断式分散機を使用した場合、回転数は特に限定はないが、通常1000〜30000rpm、好ましくは5000〜20000rpmである。分散時間は特に限定はないが、バッチ方式の場合は、通常0.1〜5分である。分散時の温度としては、通常、0〜150℃(加圧下)、好ましくは40〜98℃である。
3)乳化液の作製と同時に、アミン類(B)を添加し、イソシアネート基を有するポリエステルプレポリマー(A)との反応を行わせる。 この反応は、分子鎖の架橋及び/又は伸長を伴う。反応時間は、ポリエステルプレポリマー(A)の有するイソシアネート基構造とアミン類(B)との反応性により選択されるが、通常10分〜40時間、好ましくは2〜24時間である。反応温度は、通常、0〜150℃、好ましくは40〜98℃である。また、必要に応じて公知の触媒を使用することができる。具体的にはジブチルチンラウレート、ジオクチルチンラウレートなどが挙げられる。
4)反応終了後、乳化分散体(反応物)から有機溶媒を除去し、洗浄、乾燥してトナー母体粒子を得る。 有機溶媒を除去するためには、系全体を徐々に層流の攪拌状態で昇温し、一定の温度域で強い攪拌を与えた後、脱溶媒を行うことで紡錘形のトナー母体粒子が作製できる。また、分散安定剤としてリン酸カルシウム塩などの酸、アルカリに溶解可能な物を用いた場合は、塩酸等の酸により、リン酸カルシウム塩を溶解した後、水洗するなどの方法によって、トナー母体粒子からリン酸カルシウム塩を除去する。その他酵素による分解などの操作によっても除去できる。
5)上記で得られたトナー母体粒子に、荷電制御剤を打ち込み、ついで、シリカ微粒子、酸化チタン微粒子等の無機微粒子を外添させ、トナーを得る。荷電制御剤の打ち込み、及び無機微粒子の外添は、ミキサー等を用いた公知の方法によって行われる。 これにより、小粒径であって、粒径分布のシャープなトナーを容易に得ることができる。さらに、有機溶媒を除去する工程で強い攪拌を与えることで、真球状からラクビーボール状の間の形状を制御することができ、さらに、表面のモフォロジーも滑らかなものから梅干形状の間で制御することができる。
またトナーの形状は略球形状であり、以下の形状規定によって表すことができる。即ち、図16(a)、(b)、(c)に示すように、略球形状のトナーを長軸r1、短軸r2、厚さr3(但し、r1≧r2≧r3とする。)で規定する。そして、トナーは、長軸と短軸との比(r2/r1)(図18(b)参照)が0.5〜1.0で、厚さと短軸との比(r3/r2)(図16(c)参照)が0.7〜1.0の範囲にあることが好ましい。長軸と短軸との比(r2/r1)が0.5未満では、真球形状から離れるためにドット再現性及び転写効率が劣り、高品位な画質が得られなくなる。また、厚さと短軸との比(r3/r2)が0.7未満では、扁平形状に近くなり、球形トナーのような高転写率は得られなくなる。特に、厚さと短軸との比(r3/r2)が1.0では、長軸を回転軸とする回転体となり、トナーの流動性を向上させることができる。なお、r1、r2、r3は、走査型電子顕微鏡(SEM)で、視野の角度を変えて写真を撮り、観察しながら測定した。
なお、トナーQ/M(トナーの単位重量あたりの電荷量)、トナー帯電量分布の測定方法は以下のとおりである。また、極性制御率は以下で定義した。
<トナーQ/M>
トナーパッチパターンを感光体上に作像し、現像、転写、極性制御後などの各プロセス終了後に複写機本体のメインスイッチを強制的にOFFにし、作像途中で機械を止める。感光体や転写ベルト上に形成されたトナー像を吸引治具を用いてエアーポンプで吸引しながら、そのトナーのクーロン量をクーロンメータ(ケスレー製エレクトロメータ617)により測定し、吸引治具により吸引したトナーの重量とクーロン量から単位重量あたりのトナー電荷量(μC/g)を算出する。
<トナー帯電量分布>
ホソカワミクロン製 E−SPARTアナライザで測定する。感光体上に付着したトナーをエアーで吹き飛ばして測定部に落下させ、トナー1個ずつの粒径と電荷量を測定し、X軸に「電荷量/トナー粒径」、Y軸に「頻度(%)=予め設定した「電荷量/トナー粒径」のヒストグラムの帯の範囲にある数(個)/サンプル全数(個)×100」を算出しグラフ化した。
<極性制御率>
上述のトナー帯電量分布の測定データをもとに算出する。極性制御率[%]=制御したい極性のトナーの数(個)/サンプル全数(個)×100。なお、制御したい極性とは、感光体表面電位を比較対象としたときの、極性制御部材に印加している電圧の相対的な極性である。例えば、感光体表面電位が−100Vで、極性制御部材印加電圧がー700Vの場合は、「トナーを−極性に制御したい」とする。本方式のようなトナー極性制御+単一極性印加ブラシによる静電クリーニング方式では、クリーニングブラシに入力するトナーの極性が揃っていることが重要になる。言い換えると、極性制御率が高いことが重要となる。
以上、実施形態や変形例に係るプリンタにおいては、電流計(441、541)によって検知される電流値が閾値を超えた場合、あるいは、閾値以上になった場合に、掻き取り電圧を回収電圧と同じ値にする処理を実施するように、ブレード用電源(433、533)の電圧制御回路を構成している。かかる構成では、掻き取りブレードと回収ローラとの電位差を無くして、リーク電流をほぼ無くすことができる。
また、変形例に係るプリンタにおいては、搬送体として、複数の張架ローラに張架された状態で無端移動せしめれながら、自らの表面上に保持した転写紙Pを無端移動に伴って搬送する無端状の搬送ベルトとしての紙搬送ベルト31を用いるとともに、クリーニング手段としての搬送ベルトクリーニング装置10Aによって紙搬送ベルト31の表面上のトナー汚れをクリーニングさせるようにしている。かかる構成では、紙搬送ベルト31のクリーニング不良の発生を抑えることができる。
また、実施形態や変形例に係るプリンタにおいては、トナーとして、体積平均粒径が3[μm]以上、6[μm]以下であり、且つ、体積平均粒径を個数平均粒径で除算した値が1.00以上、1.40以下であるもの、を用いることで、均一なの帯電量分布を発揮して、地肌かぶりの少ない高品位な画像を得つつ、転写率を高くすることができる。
また、実施形態や変形例に係るプリンタにおいては、トナーとして、形状係数SF−1が100以上、180以下であり、且つ、形状係数SF−2が100以上、180以下であるもの、を用いることで、転写率を高くして高品位な画像を得ることができる。更には、中間転写ベルト8に弾性をもたせることにより、転写材との接触性を高めて、転写率を高くして高品位な画像を得ることができる。
また、実施形態に係るプリンタにおいては、像担持体として、複数の張架ローラに張架された状態で無端移動せしめられる無端状の像担持ベルトとしての中間転写ベルト8を用いている。かかる構成では、中間転写ベルト8のクリーニング不良の発生を抑えることができる。
1:感光体(像担持体)
8:中間転写ベルト(像担持ベルト)
31:紙搬送ベルト(搬送ベルト)
421:クリーニングブラシ(クリーニング部材)
422:回収ローラ(回収部材)
423:掻き取りブレード(掻き取り部材)
433:ブレード用電源(電源及び電圧制御手段)
521:クリーニングブラシ(クリーニング部材)
522:回収ローラ(回収部材)
523:掻き取りブレード(掻き取り部材)
533:ブレード用電源(電源及び電圧制御手段)
P:転写紙(記録部材)

Claims (6)

  1. 自らの移動する表面にトナー像を担持する像担持体と、画像形成対象となる記録部材を自らの表面に伴って搬送する搬送体と、該像担持体又は搬送体の表面上に付着したトナーをクリーニングするクリーニング手段とを備えるとともに、トナーの正規帯電極性とは逆極性のクリーニング電圧が印加された状態で該像担持体又は搬送体の表面上のトナーを自らに転移させるクリーニング部材と、クリーニング電圧よりも該逆極性側に大きな値の回収電圧が印加された状態で該クリーニング部材上のトナーを自らの絶縁性の表面上に回収する回収部材と、該回収部材の表面上のトナーを掻き取る掻き取り部材とを、クリーニング手段に具備する画像形成装置において、
    上記掻き取り部材に対して上記逆極性の掻き取り電圧を供給する電源と、該電源からの出力電流を検知する電流検知手段と、該電流検知手段によって検知される電流値が所定の閾値を超えた場合、あるいは、所定の閾値以上になった場合に、該電源からの該掻き取り電圧の出力を標準値よりも小さくする制御を実施する電圧制御手段とを設けたことを特徴とする画像形成装置。
  2. 請求項1の画像形成装置において、
    上記電流値が上記閾値を超えた場合、あるいは、上記閾値以上になった場合に、上記掻き取り電圧を上記回収電圧と同じ値にする処理を実施するように、上記電圧制御手段を構成したことを特徴とする画像形成装置。
  3. 請求項1又は2の画像形成装置において、
    上記搬送体として、複数の張架部材に張架された状態で無端移動せしめれながら、自らの表面上に保持した記録部材を無端移動に伴って搬送する無端状の搬送ベルトを用いるとともに、
    上記クリーニング手段によって該搬送ベルトの表面上のトナー汚れをクリーニングさせるようにしたことを特徴とする画像形成装置。
  4. 請求項1乃至3の何れかの画像形成装置において、
    上記トナーとして、体積平均粒径が3[μm]以上、6[μm]以下であり、且つ、体積平均粒径を個数平均粒径で除算した値が1.00以上、1.40以下であるもの、を用いることを特徴とする画像形成装置。
  5. 請求項4の画像形成装置において、
    上記トナーとして、形状係数SF−1が100以上、180以下であり、且つ、形状係数SF−2が100以上、180以下であるもの、を用いることを特徴とする画像形成装置。
  6. 請求項1乃至5の何れかの画像形成装置において、
    上記像担持体として、複数の張架部材に張架された状態で無端移動せしめられる無端状の像担持ベルトを用いたことを特徴とする画像形成装置。
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