以下、本発明の実施の形態について図面を参照しながら詳細に説明する。
図1は本発明の第1の実施の形態における画像形成装置の構成を示す概略図、図2は本発明の第1の実施の形態における現像装置の構成を示す概略図である。
図において、20は本実施の形態における画像形成装置であり、例えば、プリンタ、ファクシミリ機、複写機、各種の機能を併せ持つ複合機等であるが、いかなる種類のものであってもよい。ここでは、前記画像形成装置20が、電子写真方式によって画像を形成する電子写真式プリンタであるものとして説明する。なお、前記画像形成装置20は、モノクロ画像を形成するものであってもよく、カラー画像を形成するものであってもよいが、本実施の形態においては、カラー画像を形成するカラープリンタであるものとして説明する。
この場合、ブラック(B)、イエロー(Y)、マゼンタ(M)及びシアン(C)の各色に対応する4つの現像装置10B、10Y、10M及び10Cが媒体としての記録用紙22の搬送路に沿って、搬送方向(図1における右から左へ向かう方向)に順次並ぶように配設される。
なお、4つの現像装置10B、10Y、10M及び10Cは、基本的に同一の構造を有するので、ここでは、そのうちの1つについて、現像装置10として説明する。また、他の部材についても、ブラック、イエロー、マゼンタ及びシアンの各色に対応するものとして識別する必要がある場合にはB、Y、M及びCの符号を付与して説明し、そうでない場合にはそのうちの1つについて、B、Y、M及びCの符号を付与せずに、説明する。
前記画像形成装置20の内部には、4つの現像装置10B、10Y、10M及び10Cに加えて、図1に示されるように、記録用紙22を収容するトレイ26及び定着器24が配設されている。なお、28は記録用紙22を搬送するためのレジストローラである。また、現像装置10の下方には、中間転写体としての転写ベルト23及び転写ローラ12が配設されている。
そして、トレイ26内に積層されてセットされた記録用紙22は、1枚ずつ分離された状態で給紙された後、レジストローラ28によって所定のタイミングで送り出され、各現像装置10によって形成されたトナー像が転写される。そして、記録用紙22が定着器24に送り込まれると、該定着器24の定着ローラ24aと加圧ローラ24bとによって定着プロセスが行われ、高温で加熱されて融解し、圧接されたトナー像が記録用紙22上に定着される。続いて、トナー像が定着された記録用紙22は、画像形成装置20内から排出され、排紙トレー27上に載置される。
なお、給紙不良等によって記録用紙22が供給されず、転写べルト23上にトナーが付着した場合には、該トナーは転写べルトクリーニング装置29によって除去されて回収される。
各現像装置10は、図2に示されるように、ドラム状に形成され、表面に有機感光体を用いた静電潜像担持体としての感光体ドラム11、並びに、該感光体ドラム11の周囲に配設され感光体ドラム11の表面を帯電させる回転可能な帯電ローラ15、感光体ドラム11の表面を露光する露光装置19、トナーを感光体ドラム11の表面に供給する現像剤担持体としての回転可能な現像ローラ13、及び、感光体ドラム11の表面のトナー像を記録用紙22に転写する転写ローラ12を有する。なお、前記帯電ローラ15、現像ローラ13及び転写ローラ12は、感光体ドラム11の表面に接触又は圧接するように配設されている。
また、クリーニングブレード17が、感光体ドラム11の表面に残留しているかぶりトナー、転写残トナー等の廃トナーを掻(か)き取って処理するために、感光体ドラム11の表面に接触して設けられている。クリーニングブレード17の周囲には掻き落とされた廃トナーを収容するスペースが形成され、前記廃トナーは図示されない廃トナー回収器に搬送される。
そして、前記露光装置19は、例えば、LED(Light Emitting Diode)ヘッドを備え、画像信号に対応した光を感光体ドラム11の表面に照射し、該表面に静電潜像を形成する。
また、前記現像装置10は、トナーカートリッジ18から補充された現像剤としてのトナーを帯電させ、現像ローラ13に供給する現像剤供給部材としての回転可能なトナー供給ローラ14と、現像ローラ13の表面に接触してトナー供給ローラ14から供給されたトナーを薄層化する層規制部材としての層規制ブレード16とを有する。なお、図2において、21はトナーカートリッジ18から補充されたトナーを示している。
そして、現像ローラ13は感光体ドラム11に対し0.1〔mm〕押し込んでいるように配設されている。また、トナー供給ローラ14と現像ローラ13との芯(しん)金中心間距離は14.75〔mm〕に設定されている。さらに、感光体ドラム11、現像ローラ13、トナー供給ローラ14及び帯電ローラ15は、それぞれ、図に示される矢印方向に回転する。なお、帯電ローラ15は連れ回りで回転している。
各感光体ドラム11には、転写ベルト23が接触するように配設され、該転写ベルト23を介して、各感光体ドラム11の表面から記録用紙22上にトナー像が直接転写される。
次に、前記現像ローラ13の構成について詳細に説明する。
図3は本発明の第1の実施の形態における現像ローラの概略図である。
本実施の形態における現像ローラ13は、ステンレス鋼(SUS)又はアルミニウムから成る軸体としての芯金13aの外周面に沿って形成された弾性層13b、該弾性層13bの外周面に形成された中間層13c、及び、該中間層13cの外周面に形成された表層13dを有する。なお、芯金13aと弾性層13bとの接着性を高めるため、必要に応じて、接着剤、プライマー等を塗布してもよく、また、前記接着剤、プライマー等を必要に応じて導電化してもよい。また、芯金13aの外径は10〔mm〕とし、現像ローラ13の外径は16〔mm〕とした。
そして、前記弾性層13bは、例えば、エチレン−プロピレン−ジエンゴム(EPDM)、スチレン−ブタジエンゴム(SBR)、シリコーンゴム、ポリウレタン系エラストマー等の材料から成る。該材料には、導電剤、シリコーンオイル等の各種の添加剤が適宜に配合される。導電剤としては、カーボンブラック、グラファイト、チタン酸カリウム、酸化鉄、TiO2 、ZnO、SnO2 等を使用することができる。
また、前記中間層13cは、例えば、ポリウレタン系エラストマー、アクリロニトリル−ブタジエンゴム、水素添加アクリロニトリル−ブタジエンゴム、クロロプレンゴム(CR)、天然ゴム、ブタジエンゴム(BR)、ブチルゴム(IIR)、ヒドリンゴム(ECO、CO)、ナイロン等の材料から成る。なお、表面粗さを持たせるため、中間層13cの材料に表面粗さ形成用の粒子を分散することもできる。該粒子の形成材料は、シリカ、ウレタン樹脂、ポリアミド樹脂、フッ素樹脂、アクリル樹脂、シリコーン樹脂等である。また、前記粒子の平均粒径は、5〜15〔μm〕であることが好ましく、分散割合は前記中間層13c用の材料100重量部に対して10〜40部であることが好ましい。
さらに、前記表層13dは、アクリル樹脂、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、ポリエステル樹脂、ポリアミド樹脂、シリコーン樹脂、ウレタン樹脂等の樹脂成分を含む材料から成る。これらの樹脂成分は、変性、グラフト化又はブロック重合を施して、単独又は併せて用いることができる。また、前記樹脂成分には、導電剤、帯電制御剤等を適宜に添加してもよい。該帯電制御剤としては、四級アンモニウム塩、ホウ酸塩、アジン系(ニグロシン系)化合物、アゾ化合物、オキシナフトエ酸金属錯体、界面活性剤(アニオン系、カチオン系、ノニオン系)等を用いることができる。また、必要に応じて、安定剤、紫外線吸収剤、帯電防止剤、補強剤、滑剤、離型剤、染料、顔料、難燃剤等を適宜に添加してもよい。
次に、前記トナー供給ローラ14の構成について詳細に説明する。
図4は本発明の第1の実施の形態における供給ローラの概略図である。
本実施の形態におけるトナー供給ローラ14は、ステンレス鋼から成る芯金14aの外周面に沿って形成され、導電性が付与された弾性発泡層14bを有する。前記芯金14aの外径は6〔mm〕とし、トナー供給ローラ14の外径は15.5〔mm〕とした。
前記弾性発泡層14bは、ポリオール成分、ポリイソシアネート、発泡剤及び触媒から成る原料を撹拌(かくはん)し、混合し、発泡させて硬化させることによって得られる軟質フォームから成る。
前記ポリオール成分としては、ポリマーポリオールを含有するポリエーテルポリオール、ポリエステルポリオール等を使用する。前記ポリマーポリオールは、重合鎖を有するとともに、末端等に複数の水酸基を有する化合物であって、例えば、ポリエーテルポリオールにアクリロニトリル、スチレン、メチルメタアクリレート等のエチレン性不飽和結合を有する化合物をグラフト重合させたものである。
また、前記ポリイソシアネートとしては、芳香族系、脂肪族系及び脂環族系の各種ポリイソシアネートを使用することができる。ここで、芳香族ポリイソシアネートとしては、トリレンジイソシアネート(TDI)、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)、1,5−ナフタレンジイソシアネート、パラフェニレンジイソシアネート、m−キシレンジイソシアネート等を使用することができる。また、脂肪族ポリイソシアネートとしては、1,6−ヘキサメチレンジイソシアネート(HDI)、2,2,4−トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、2,4,4−トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート等を使用することができる。さらに、脂環族ポリイソシアネートとしては、イソホロンジイソシアネート、4,4’−ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート、水添MDI等を使用することができる。これらは、単独で使用してもよいし、2種以上を混合して使用してもよい。この場合、芳香族系、脂肪族系及び脂環族系のいずれかの混合物、変性物等が使用される。
さらに、前記発泡剤としては、主に水を使用するが、塩化メチレン、ペンタン、シクロペンタン、ヘキサン、シクロヘキサン、ジクロロメタン、フロン系化合物、炭酸ガス等を併用することもできる。
さらに、前記触媒としては、アミン系触媒、特に、三級アミン(トリエチレンジアミン、ジメチルエタノールアミン、N,N’,N’−トリメチルアミノエチルピペラジン等)とオクチル酸スズ(スズオクトエート)等の有機金属化合物等を併用する場合がある。
なお、整泡剤として、オルガノシロキサンーポリオキシアルキレン共重合体、シリコーン−グリース共重合体等のシリコーン化合物から成る非イオン系界面活性剤、又は、それらの混合物、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム、ラウリル硫酸ナトリウム等のアニオン系界面活性剤、フェノール系化合物等が使用される。
そして、前記弾性発泡層14bに電子導電機構による導電性を付与するための導電剤としては、ファーネスブラック、サーマルブラック、チャンネルブラック、アセチレンブラック、ケッチェンブラック、カラーブラック等のカーボンブラック及びグラファイト等の粉末若しくは繊維状物質、銅、ニッケル、銀等の金属粉末若しくは繊維状物質、酸化スズ、酸化チタン、酸化インジウム等の金属酸化物、又は、ポリアセチレン、ポリピロール、ポリアニリン等の有機系の導電性微粉末等を使用することができる。
また、前記弾性発泡層14bにイオン導電機構による導電性を付与するための導電剤としては、LiCF3 SO3 、NaClO4 、LiClO4 、LiAsF6 、LiBF4 、NaSCN、KSCN、NaCl等のLi+ 、Na+ 、K+ 等の周期率表第1族の金属塩、NH4 +の塩等の電解質、又は、Ca(ClO4 )2 等のCa++、Ba++等の周期率表第2族の金属塩と、1.4ブタンジオール、エチレングリコール、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、ポリエチレングリコール等の多価アルコール及びその誘導体等の錯体、又は、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル等のモノオールとの錯体を使用することができる。
次に、前記トナーについて詳細に説明する。
本実施の形態におけるトナーは、平均粒径5.5〔μm〕の非磁性一成分の負帯電性粉砕トナーであり、樹脂成分としてポリエステル樹脂を使用したものである。前記トナーの飽和帯電量は−44〔μC/g〕である。該飽和帯電量は、トナー4〔wt%〕と、シリコーンコートフェライトキャリア(関東電化工業社製、平均粒子径:90〔μm〕)96〔wt%〕とを1分間ボートミルにて混合し、「Q/MMeter Model 210HS」(Trek製)を用いて測定した。
次に、前記層規制ブレード16の構成について詳細に説明する。
本実施の形態における層規制ブレード16は、ステンレス鋼から成り、板厚0.08〔mm〕の板部材である。そして、現像ローラ13との接触部には曲げ加工が施されており、曲げ部の曲率半径Rは0.5〔mm〕である。また、層規制ブレード16の表面粗度の値は、十点平均粗度がRz=0.6〔μm〕である。
次に、本実施の形態における評価実験に使用する現像ローラ13の製造方法について説明する。本実施の形態においては、現像ローラ13として現像ローラDv1〜6を実際に製造し、これら現像ローラDv1〜6を使用して評価実験を行った。
まず、現像ローラDv1の製造方法について説明する。
アクリル樹脂(根上工業社製、バラクロンW−248E)100部と、アクリルシリコーン樹脂(数平均分子量Mn:5000、東亞合成社製、アロンJ20)40部と、カーボンブラック(エボニックデグサジャパン社製、PrintexL6:一次粒子の平均粒子径18〔nm〕、導電性指数81、BET比表面積265〔m2/g〕)25部と、トリレンジイソシアネート(TDI)(日本ポリウレタン工業社製、コロネートT−65)100部と、高分子系分散剤(日本ルーブリゾール社製、ソルスパース24000)15部とを配合して、メチルエチルケトン(MEK)に溶解させて濃度20〔重量%〕に調整して表層13d用の溶液を作成した。
また、ポリウレタン系エラストマー(坂井化学社製、UN278)100部と、カーボンブラック30部と、架橋剤イソシアネート(MDI)10部とを混合し、メチルエチルケトンに溶解させて濃度20〔重量%〕に調整した溶液に、平均粒径10〔μm〕のウレタン樹脂から成る粒子(大日本インキ化学工業社製、バーノックCFB100)20部を分散して混合及び撹拌することによって、中間層13c用の溶液を作成した。
さらに、アルミニウム製の直径12〔mm〕の円柱を準備し、該円柱の外周面に接着剤を塗布した。そして、導電剤が配合された液状シリコーンゴム(信越化学工業社製、X−34−264A)を、成形用金型を用いて加熱成形(190〔℃〕×30分)した後、脱型することによって、直径16〔mm〕の弾性層13b付きの芯金13a(ベースロール)を作成した。
そして、前記弾性層13b付きの芯金13aの外周面に前記中間層13c用の溶液を塗工した後、乾燥及び加熱処理を行い、弾性層13bの外周面に中間層13cを形成した。さらに、該中間層13cの外周面に、前記表層13d用の溶液をロールコート法によって塗工した後、乾燥及び加熱処理を行い、中間層13cの外周面に表層13dを形成した。このようにして、図3に示す三層構造の現像ローラ13としての現像ローラDv1を製造した。
該現像ローラDv1において、弾性層13bの厚さは3〔mm〕であり、中間層13cの厚さは15〔μm〕であり、表層13dの厚さは3〔μm〕であり、表面粗度はRaが1.1〔μm〕、Rzが5.3〔μm〕である。
次に、現像ローラDv2の製造方法について説明する。
まず、表層13d用の溶液は、カーボンブラックを20部とした以外は、前記現像ローラDv1の場合と同一の成分及び配合で、アクリル樹脂と、アクリルシリコーン樹脂と、カーボンブラックと、トリレンジイソシアネートと、高分子系分散剤とを配合し、メチルエチルケトンに溶解させて濃度20〔重量%〕に調整して作成した。
また、中間層13c用の溶液及び弾性層13b付きの芯金13aの作成方法は、前記現像ローラDv1の場合と同一である。さらに、中間層13c及び表層13dの形成方法も、前記現像ローラDv1の場合と同一である。
このようにして製造した現像ローラDv2において、弾性層13bの厚さは3〔mm〕であり、中間層13cの厚さは15〔μm〕であり、表層13dの厚さは3〔μm〕であり、表面粗度はRaが1.2〔μm〕、Rzが5.8〔μm〕である。
次に、現像ローラDv3の製造方法について説明する。
まず、表層13d用の溶液は、トリレンジイソシアネートを120部とした以外は、前記現像ローラDv2の場合と同一の成分及び配合で、アクリル樹脂と、アクリルシリコーン樹脂と、カーボンブラックと、トリレンジイソシアネートと、高分子系分散剤とを配合し、メチルエチルケトンに溶解させて濃度20〔重量%〕に調整して作成した。
また、中間層13c用の溶液及び弾性層13b付きの芯金13aの作成方法は、前記現像ローラDv2の場合と同一である。さらに、中間層13c及び表層13dの形成方法も、前記現像ローラDv2の場合と同一である。
このようにして製造した現像ローラDv3において、弾性層13bの厚さは3〔mm〕であり、中間層13cの厚さは15〔μm〕であり、表層13dの厚さは3〔μm〕であり、表面粗度はRaが1.0〔μm〕、Rzが5.2〔μm〕である。
次に、現像ローラDv4の製造方法について説明する。
メラミン樹脂(大日本インキ化学工業社製、スーパーベッカミンP−138)25部と、トリレンジイソシアネート(TDI)(日本ポリウレタン工業社製、コロネートL)10部と、シリコーン変性アクリル樹脂(信越化学工業社製、X−24−798A)60部と、カーボンブラック(電気化学工業社製、デンカブラックHS−100)10部とを配合して、メチルエチルケトンに溶解させて濃度20〔重量%〕に調整して表層13d用の溶液を作成した。
なお、中間層13c用の溶液及び弾性層13b付きの芯金13aの作成方法は、前記現像ローラDv3の場合と同一である。さらに、中間層13c及び表層13dの形成方法も、前記現像ローラDv3の場合と同一である。
このようにして製造した現像ローラDv4において、弾性層13bの厚さは3〔mm〕であり、中間層13cの厚さは15〔μm〕であり、表層13dの厚さは3〔μm〕であり、表面粗度はRaが0.9〔μm〕、Rzが5.2〔μm〕である。
次に、現像ローラDv5の製造方法について説明する。
まず、表層13d用の溶液は、トリレンジイソシアネートを20部とし、シリコーン変性アクリル樹脂を50部とした以外は、前記現像ローラDv4の場合と同一の成分及び配合で、メラミン樹脂と、トリレンジイソシアネートと、シリコーン変性アクリル樹脂と、カーボンブラックとを配合して、メチルエチルケトンに溶解させて濃度20〔重量%〕に調整して表層13d用の溶液を作成した。
また、中間層13c用の溶液及び弾性層13b付きの芯金13aの作成方法は、前記現像ローラDv4の場合と同一である。さらに、中間層13c及び表層13dの形成方法も、前記現像ローラDv4の場合と同一である。
このようにして製造した現像ローラDv5において、弾性層13bの厚さは3〔mm〕であり、中間層13cの厚さは15〔μm〕であり、表層13dの厚さは3〔μm〕であり、表面粗度はRaが1.0〔μm〕、Rzが5.4〔μm〕である。
次に、現像ローラDv6の製造方法について説明する。
まず、表層13d用の溶液は、トリレンジイソシアネートを30部とした以外は、前記現像ローラDv5の場合と同一の成分及び配合で、メラミン樹脂と、トリレンジイソシアネートと、シリコーン変性アクリル樹脂と、カーボンブラックとを配合して、メチルエチルケトンに溶解させて濃度20〔重量%〕に調整して表層13d用の溶液を作成した。
また、中間層13c用の溶液及び弾性層13b付きの芯金13aの作成方法は、前記現像ローラDv5の場合と同一である。さらに、中間層13c及び表層13dの形成方法も、前記現像ローラDv5の場合と同一である。
このようにして製造した現像ローラDv6において、弾性層13bの厚さは3〔mm〕であり、中間層13cの厚さは15〔μm〕であり、表層13dの厚さは3〔μm〕であり、表面粗度はRaが1.0〔μm〕、Rzが5.1〔μm〕である。
次に、本実施の形態における評価実験に使用するトナー供給ローラ14の製造方法について説明する。本実施の形態においては、トナー供給ローラ14としてトナー供給ローラSp0−I〜3−Iを実際に製造し、これらトナー供給ローラSp0−I〜3−Iを使用して評価実験を行った。
まず、トナー供給ローラSp0−Iの製造方法について説明する。
ポリエーテルポリオール(三洋化成工業社製、GP−3050)50部と、アクリロニトリル−スチレングラフトポリマーポリオール(旭硝子社製、エクセノール941)50部と、トリレンジイソシアネート(三井武田社製、TDI−80(2,4−トリレンジイソシアネート80〔質量%〕と2,6−トリレンジイソシアネート20〔質量%〕との混合物)110部と、純水1.7部と、アミン触媒(花王社製、カオライザーNo.31)0.3部と、他のアミン触媒(花王社製、カオライザーNo.22)0.2部と、整泡剤としてのシリコーン系界面活性剤(ゴールドシュミット社製、B8110)2.2部と、イオン導電剤(関東化学社製、無水過塩素酸リチウム)4.2部とを混合した。
そして、これら材料の混合物を縦、横及び深さが各500〔mm〕の発泡容器内に注入し、常温及び大気圧下で発泡させた後、加熱炉を通過させて加熱、反応及び硬化させることによって軟質フォームを得た。該軟質フォームの抵抗率は、9.6×109 〔Ω・cm〕であった。
続いて、前記軟質フォームから、縦400〔mm〕、横400〔mm〕及び高さ25〔mm〕の直方体を切り出した。そして、カーボンブラック分散液(山陽色素社製、エマコールブラック、固形分36〔%〕)をアクリル樹脂エマルジョン(日本ゼオン社製、Nipol851、固形分45〔%〕)に34〔重量%〕添加し、撹拌して得た導電処理液に、直方体の軟質フォームを20〔℃〕で5分間浸漬した。
その後、水、カーボンブラック及びアクリル樹脂がその気泡内に含浸された前記直方体の軟質フォームを、間隔0.2〔mm〕に設定された一対のロール間を通過させ、これにより、前記直方体の軟質フォームから余分な分散液を除去した。
次いで、前記直方体の軟質フォームを100〔℃〕に設定された熱風循環式オーブン中で60分間加熱して乾燥させた。このように、水分を除去してアクリル樹脂を架橋させることによって気泡壁面にカーボンブラックを強固に固着させ、発泡弾性層14bに用いる直方体の導電性フォームを作成した。
続いて、前記直方体の導電性フォームから断面25〔mm〕角及び長さ300〔mm〕の角柱体を切り出し、断面中心部に、軸方向に芯金14aを挿通するための直径5〔mm〕の貫通孔(こう)を設けた。
続いて、表面に接着剤を塗布したステンレス鋼製の芯金14a(外径6〔mm〕、長さ272〔mm〕)を前記貫通孔に挿通して接着した。その後、研磨して外径を15.5〔mm〕に仕上げることで、トナー供給ローラSp0−Iを製造した。
該トナー供給ローラSp0−Iにおいて、ローラ抵抗値は8.9×103 〔Ω〕であった。
次に、トナー供給ローラSp1−Iの製造方法について説明する。
まず、イオン導電剤を0.08部とした以外は、前記トナー供給ローラSp0−Iと同一の成分及び配合で、ポリエーテルポリオールと、アクリロニトリル−スチレングラフトポリマーポリオールと、トリレンジイソシアネートと、純水と、アミン触媒と、他のアミン触媒と、シリコーン系界面活性剤と、イオン導電剤とを混合した。さらに、これら材料の混合物から、前記トナー供給ローラSp0−Iと同一の方法で軟質フォームを得た。該軟質フォームの抵抗率は、1.04×1012〔Ω・cm〕であった。
続いて、前記トナー供給ローラSp0−Iと同様に、直方体の導電性フォームを切り出した。カーボンブラック分散液(山陽色素社製、エマコールブラック、固形分36〔%〕)をアクリル樹脂エマルジョン(日本ゼオン社製、Nipol851、固形分45〔%〕)に26〔重量%〕添加し、撹拌して得た導電処理液に、直方体の導電性フォームを20〔℃〕で5分間浸漬した。
その後、前記トナー供給ローラSp0−Iと同様の工程によって、ステンレス鋼製の芯金14a(外径6〔mm〕、長さ272〔mm〕)に接着して、外径15.5〔mm〕のトナー供給ローラSp1−Iを製造した。
該トナー供給ローラSp1−Iにおいて、ローラ抵抗値は7.6×107 〔Ω〕であった。
次に、トナー供給ローラSp2−Iの製造方法について説明する。
まず、イオン導電剤を1.0部とした以外は、前記トナー供給ローラSp0−Iと同一の成分及び配合で、ポリエーテルポリオールと、アクリロニトリル−スチレングラフトポリマーポリオールと、トリレンジイソシアネートと、純水と、アミン触媒と、他のアミン触媒と、シリコーン系界面活性剤と、イオン導電剤とを混合した。さらに、これら材料の混合物から、前記トナー供給ローラSp0−Iと同一の方法で軟質フォームを得た。該軟質フォームの抵抗率は、3.16×1010〔Ω・cm〕であった。
続いて、前記トナー供給ローラSp0−Iと同様に、直方体の導電性フォームを切り出した。カーボンブラック分散液(山陽色素社製、エマコールブラック、固形分36〔%〕)をアクリル樹脂エマルジョン(日本ゼオン社製、Nipol851、固形分45〔%〕)に26〔重量%〕添加し、撹拌して得た導電処理液に、直方体の導電性フォームを20〔℃〕で5分間浸漬した。
その後、前記トナー供給ローラSp0−Iと同様の工程によって、ステンレス鋼製の芯金14a(外径6〔mm〕、長さ272〔mm〕)に接着して、外径15.5〔mm〕のトナー供給ローラSp2−Iを製造した。
該トナー供給ローラSp2−Iにおいて、ローラ抵抗値は8.3×105 〔Ω〕であった。
次に、トナー供給ローラSp3−Iの製造方法について説明する。
まず、イオン導電剤を1.0部とした以外は、前記トナー供給ローラSp0−Iと同一の成分及び配合で、ポリエーテルポリオールと、アクリロニトリル−スチレングラフトポリマーポリオールと、トリレンジイソシアネートと、純水と、アミン触媒と、他のアミン触媒と、シリコーン系界面活性剤と、イオン導電剤とを混合した。さらに、これら材料の混合物から、前記トナー供給ローラSp0−Iと同一の方法で軟質フォームを得た。該軟質フォームの抵抗率は、1.26×1010〔Ω・cm〕であった。
続いて、前記トナー供給ローラSp0−Iと同様に、直方体の導電性フォームを切り出した。カーボンブラック分散液(山陽色素社製、エマコールブラック、固形分36〔%〕)をアクリル樹脂エマルジョン(日本ゼオン社製、Nipol851 、固形分45〔%〕)に34〔重量%〕添加し、撹拌して得た導電処理液に、直方体の導電性フォームを20〔℃〕で5分間浸漬した。
その後、前記トナー供給ローラSp0−Iと同様の工程によって、ステンレス鋼製の芯金14a(外径6〔mm〕、長さ272〔mm〕)に接着して、外径15.5〔mm〕のトナー供給ローラSp3−Iを製造した。
該トナー供給ローラSp3−Iにおいて、ローラ抵抗値は1.2×104 〔Ω〕であった。
次に、本実施の形態における評価実験で使用した各部材の物性値の測定方法について説明する。
図5は本発明の第1の実施の形態におけるローラの電気抵抗値の測定方法を示す図、図6は本発明の第1の実施の形態における発泡フォームの電気抵抗値の測定方法を示す図、図7は本発明の第1の実施の形態における現像ローラの残留電位の測定方法を示す図である。
まず、現像ローラ13及びトナー供給ローラ14の電気抵抗値の測定方法について説明する。
この場合、図5に示されるように、外径30〔mm〕のステンレス鋼製の金属製円筒51に、現像ローラ13又はトナー供給ローラ14を押し込みながら、金属製円筒51を速度62.5〔rpm〕で回転させる。電源の電極を、現像ローラ13の芯金13a又はトナー供給ローラ14の芯金14aと金属製円筒51とに当接し、両者間に電圧を印加する。電圧印加及び計測値の読み取りには、「ハイレジスタンスメータ 4339A」(ヒューレットパッカード製)を用いた。
次に、トナー供給ローラ14の弾性発泡層14bの体積抵抗率の測定方法について説明する。
まず、トナー供給ローラ14の芯金14aの外径を6〔mm〕に加工し、弾性発泡層14bの外径を15.5〔mm〕に加工する。そして、図6(a)に示されるように、前記弾性発泡層14bにステンレス鋼から成る円筒状の金属製パイプ61を被覆する。
続いて、図6(b)に示されるように、電源の電極をトナー供給ローラ14の芯金14aと金属製パイプ61とに当接し、両者間に電圧を印加する。電圧印加及び計測値の読み取りは、「ウルトラハイレジスタンスメータ 8340A」(ADCMT製)を用いた。弾性発泡層14bの体積抵抗率は、金属製パイプ61の長さ及び内径と、トナー供給ローラ14の弾性発泡層14bの内径とから計算して導出した。
次に、現像ローラ13の残留電位の測定方法について説明する。
図7に示されるように、計測ヘッド71は、コロナ放電器71a及び表面電位計71bを備え、現像ローラ13の長手方向に移動可能に配設された。なお、コロナ放電器71a及び表面電位計71bと現像ローラ13の表面との間隔は、1〔mm〕に設定された。そして、計測ヘッド71を矢印の方向に移動させながら、コロナ放電器71aで現像ローラ13の表面を放電帯電させて、0.1秒後にその場所の電位を表面電位計71bで計測して残留電位の値とした。残留電位の値が大きいほど、残留電荷が大きく、誘電的性質が強いことを意味する。
次に、本実施の形態における評価実験で使用した画像評価の方法について説明する。
まず、画像形成としての印字方法について説明する。
本実施の形態における評価実験では、画像形成装置20として、光学LES方式カラー電子写真プリンタであるMICROLINE5900dn(解像度600〔DPI〕、株式会社沖データ製)を使用した。また、トナーとしては、平均粒径5.5〔μm〕の非磁性一成分の負帯電製粉砕トナーを使用した。なお、印字を行った環境は、温度が23〔℃〕であり、湿度が45〔%RH〕であった。
次に、印字かすれ評価(現像ローラ13へのトナー供給能力)について説明する。
記録用紙22に100〔%〕濃度パターンを印刷し、印刷された濃度パターンの濃度が薄くなっているか否かを判定した。この場合、分光色彩濃度計X−Rite528(X−Rite社製)を使用して、1枚の記録用紙22の上及び下の濃度をそれぞれ測定した。そして、上と下との濃度差が5未満の場合は○、5以上の場合は×と判定した。
次に、白地かぶり評価について説明する。
白紙画像の現像中に画像形成装置20の動作を停止させ、現像後転写前の感光体ドラム11上のトナーを粘着テープ(住友スリーエム社製、スコッチテープ)側に付着した後に白紙の記録用紙22に貼(は)り付けた。そして、粘着テープだけを記録用紙22に貼り付けた場合との色差ΔEを分光測色計(コニカミノルタ社製、CM−2600d)によって測定した。色差ΔEの値が小さいとき、かぶりトナーが少ないことを示している。
そして、かぶりトナーが目視で認識されない色差であるΔE≦2.0のときは「○」、かぶりトナーが目視で認識することができる色差であるΔE>2.0のときは「×」と判定し、記載した。
次に、実験結果について説明する。
図8は本発明の第1の実施の形態における評価実験の結果を一覧表示した図、図9は本発明の第1の実施の形態における評価実験の結果をグラフ表示した図である。
図8及び9には、実験例1〜12、比較例1及び2の結果が記載されている。なお、図8においてかすれとかぶりとの両方が「○」となった場合は図9において「○」、図8においてかすれとかぶりのどちらか一方が「×」となった場合は図9において「×」として示されている。
実験例1〜12は、現像ローラ13として現像ローラDv1〜4を使用したものである。そして、前記実験例1〜12において、トナー供給ローラ14として電気抵抗値の低いトナー供給ローラSp0−Iを使用した場合、すなわち、現像ローラDv1〜4とトナー供給ローラSp0−Iとを組み合わせて使用した場合には、濃度むら(印字かすれ)についての結果は良好であったが、かぶりについての結果は不良であった。
しかし、トナー供給ローラ14として電気抵抗値が中程度のトナー供給ローラSp1−I〜Sp3−Iを使用した場合、すなわち、現像ローラDv1〜4とトナー供給ローラSp1−I〜Sp3−Iとを組み合わせて使用した場合には、濃度むら及びかぶりを両立することが可能となった。
また、比較例1及び2は、現像ローラ13として現像ローラDv5及び6を使用したものである。前記比較例1及び2においては、トナー供給ローラ14として電気抵抗値の低いトナー供給ローラSp0−Iを使用した場合も電気抵抗値が中程度のトナー供給ローラSp1−I〜Sp3−Iを使用した場合も、すなわち、現像ローラDv5及び6とトナー供給ローラSp0−I〜Sp3−Iとを組み合わせて使用したいずれの場合も、かぶりについての結果は良好であったが、濃度むらについての結果は不良であった。
現像ローラDv5及び6は、残留電位が大きく、電荷を蓄電する性質が強いので、帯電したトナーの電荷を逃がさない効果を備えるため、かぶりについては良好である。しかしながら、高速回転している現像ローラ13においては、トナー供給ローラ14との接触部(ニップ部)での電界の形成を遅らせるため、安定な供給電界が形成されなくなり、トナー供給力が劣るために、濃度むらが発生したと考えられる。
これに対し、実験例1〜12で使用した現像ローラDv1〜4は、残留電位が小さく、高速回転している現像ローラ13に使用しても、トナー供給ローラ14とのニップ部での供給電界が安定に形成されるので、トナー供給力が常に安定し、濃度が安定する。そして、中抵抗のトナー供給ローラSp1−I〜Sp3−Iと組み合わせることによって、トナー電荷が供給電界によって放電したり、トナー電荷がトナー供給ローラ14へリークして、トナーの帯電が低くなってしまう状態を回避することが可能になるため、かぶりを良好に保つことが可能になった。
このように、本実施の形態においては、実験によって、抵抗値が1.2×104 〜7.6×107 〔Ω〕である弾性発泡層14bを備えるトナー供給ローラ14を使用すると、濃度むら及びかぶりの両方について良好な結果を示す現像装置10を得られることが明らかとなった。
本実施の形態における現像ローラ13の残留電位については、44〔V〕が、通常、残留電位として残留させることができる電位の上限である。また、残留電位が44〔V〕の現像ローラ13と組み合わせるトナー供給ローラ14が前記残留電位に対応可能であり、また、同性能であり、複数製造可能となる上限値である。なお、前記残留電位の上限値以上の範囲は、図9において、NG1で示される領域に相当する。
また、現像ローラ13の残留電位については、1〔V〕が下限値となる。これは、1〔V〕未満の電位の場合、残留電位として制御するには値が小さく、制御が困難であるためである。
一方、トナー供給ローラ14の抵抗値が1×108 〔Ω〕を超える場合、現像ローラ13とトナー供給ローラ14との間の電界強度が小さくなり、現像ローラ13へのトナーの供給能力が大きく低下し、印字かすれの評価結果が悪化する。そのため、トナー供給ローラ14の抵抗値は、1×108 〔Ω〕以下に設定する必要がある。トナー供給ローラ14の抵抗値の上限値以上の範囲は、図9において、NG2で示される領域に相当する。
次に、本発明の第2の実施の形態について説明する。なお、第1の実施の形態と同じ構造を有するものについては、同じ符号を付与することによって、その説明を省略する。また、前記第1の実施の形態と同じ動作及び同じ効果についても、その説明を省略する。
図10は本発明の第2の実施の形態における評価実験の結果を一覧表示した図、図11は本発明の第2の実施の形態における評価実験の結果をグラフ表示した図である。
まず、本実施の形態における評価実験に使用するトナー供給ローラ14の製造方法について説明する。なお、その他の点の構成については、前記第1の実施の形態と同様であるので、その説明を省略する。
トナー供給ローラSp0−Cの製造方法について説明する。
ポリエーテルポリオール(三洋化成工業社製、GP−3050)50部と、アクリロニトリル−スチレングラフトポリマーポリオール(旭硝子社製、エクセノール941)50部と、トリレンジイソシアネート(三井武田社製、TDI−80(2,4−トリレンジイソシアネート80〔質量%〕と2,6−トリレンジイソシアネート20〔質量%〕の混合物))110部と、純水1.7部と、アミン触媒(花王社製、カオライザーNo.31)0.3部と、他のアミン触媒(花王社製、カオライザーNo.22)0.2部と、整泡剤としてのシリコーン系界面活性剤(ゴールドシュミット社製、B8110)1.0部と、カーボンブラック(ライオン社製、ケッチェンブラックEC600JD)2.0部とを混合した。
そして、これら材料の混合物を縦、横及び深さが各500〔mm〕の発泡容器内に注入し、常温、大気圧下で発泡させた後、加熱炉を通過させて加熱、反応及び硬化させることによって軟質フォームを得た。
続いて、該軟質フォームから、縦400〔mm〕、横400〔mm〕及び高さ25〔mm〕の直方体を切り出した。そして、カーボンブラック分散液(山陽色素社製、エマコールブラック、固形分36〔%〕)をアクリル樹脂エマルジョン(日本ゼオン社製、Nipol851、固形分45〔%〕)に34〔重量%〕添加し、撹拌して得た導電処理液に、直方体の軟質フォームを20〔℃〕で5分間浸漬した。
その後、水、カーボンブラック及びアクリル樹脂がその気泡内に含浸された前記直方体の軟質フォームを、間隔0.2〔mm〕に設定された一対のロール間を通過させ、これにより、前記直方体の軟質フォームから余分な分散液を除去した。
次いで、前記直方体の軟質フォームを100〔℃〕に設定された熱風循環式オーブン中で60分間加熱して乾燥させた。このように、水分を除去してアクリル樹脂を架橋させることによって気泡壁面にカーボンブラックを強固に固着させ、発泡弾性層14bに用いる直方体の導電性フォームを作成した。
続いて、前記直方体の導電性フォームから断面25〔mm〕角及び長さ300〔mm〕の角柱体を切り出し、断面中心部に、軸方向に芯金14aを挿通するための直径5〔mm〕の貫通孔を設けた。
続いて、表面に接着剤を塗布したステンレス鋼製の芯金14a(外径6〔mm〕、長さ272〔mm〕)を前記貫通孔に挿通して接着した。その後、研磨して外径を15.5〔mm〕に仕上げることで、トナー供給ローラSp0−Cを製造した。
該トナー供給ローラSp0−Cにおいて、ローラ抵抗値は1.8×103 〔Ω〕であった。
次に、トナー供給ローラSp1−Cの製造方法について説明する。
まず、カーボンブラックを0.5部とした以外は、前記トナー供給ローラSp0−Cと同一の成分及び配合で、ポリエーテルポリオールと、アクリロニトリル−スチレングラフトポリマーポリオールと、トリレンジイソシアネートと、純水と、アミン触媒と、他のアミン触媒と、シリコーン系界面活性剤と、カーボンブラックとを混合した。さらに、これら材料の混合物から、前記トナー供給ローラSp0−Cと同一の方法で軟質フォームを得た。該軟質フォームの抵抗率は、8.51×1011〔Ω・cm〕であった。
続いて、前記トナー供給ローラSp0−Cと同様に、直方体の導電性フォームを切り出した。カーボンブラック分散液(山陽色素社製、エマコールブラック、固形分36〔%〕)をアクリル樹脂エマルジョン(日本ゼオン社製、Nipol851、固形分45〔%〕)に26〔重量%〕添加し、撹拌して得た導電処理液に、直方体の導電性フォームを20〔℃〕で5分間浸漬した。
その後、前記トナー供給ローラSp0−Cと同様の工程によって、ステンレス鋼製の芯金14a(外径6〔mm〕、長さ272〔mm〕)に接着して、外径15.5〔mm〕のトナー供給ローラSp1−Cを製造した。
該トナー供給ローラSp1−Cにおいて、ローラ抵抗値は8.8×107 〔Ω〕であった。
次に、トナー供給ローラSp2−Cの製造方法について説明する。
まず、カーボンブラックを1.5部とした以外は、前記トナー供給ローラSp0−Cと同一の成分及び配合で、ポリエーテルポリオールと、アクリロニトリル−スチレングラフトポリマーポリオールと、トリレンジイソシアネートと、純水と、アミン触媒と、他のアミン触媒と、シリコーン系界面活性剤と、カーボンブラックとを混合した。さらに、これら材料の混合物から、前記トナー供給ローラSp0−Cと同一の方法で軟質フォームを得た。該軟質フォームの抵抗率は、6.31×109 〔Ω・cm〕であった。
続いて、前記トナー供給ローラSp0−Cと同様に、直方体の導電性フォームを切り出した。カーボンブラック分散液(山陽色素社製、エマコールブラック、固形分36〔%〕)をアクリル樹脂エマルジョン(日本ゼオン社製、Nipol851、固形分45〔%〕)に26〔重量%〕添加し、撹拌して得た導電処理液に、直方体の導電性フォームを20〔℃〕で5分間浸漬した。
その後、前記トナー供給ローラSp0−Cと同様の工程によって、ステンレス鋼製の芯金14a(外径6〔mm〕、長さ272〔mm〕)に接着して、外径15.5〔mm〕のトナー供給ローラSp2−Cを製造した。
該トナー供給ローラSp2−Cにおいて、ローラ抵抗値は7.6×105 〔Ω〕であった。
次に、トナー供給ローラSp3−Cの製造方法について説明する。
前記トナー供給ローラSp0−Cを製造するために作成した軟質フォームから、立方体を切り出した。そして、カーボンブラック分散液(山陽色素社製、エマコールブラック、固形分36〔%〕)をアクリル樹脂エマルジョン(日本ゼオン社製、Nipol851、固形分45〔%〕)に31〔重量%〕添加し、撹拌して得た導電処理液に、立方体の軟質フォームを20〔℃〕で5分間浸漬した。
その後、前記トナー供給ローラSp0−Cと同様の工程によって、ステンレス鋼製の芯金14a(外径6〔mm〕、長さ272〔mm〕)に接着して、外径15.5〔mm〕のトナー供給ローラSp3−Cを製造した。
該トナー供給ローラSp3−Cにおいて、ローラ抵抗値は1.9×104 〔Ω〕であった。
次に、本実施の形態における実験結果について説明する。なお、物性値の測定方法及び画像評価の方法は、前記第1の実施の形態と同様であるので、その説明を省略する。
実験例13〜24は、現像ローラ13として現像ローラDv1〜4を使用したものである。そして、前記実験例13〜24において、トナー供給ローラ14として電気抵抗値の低いトナー供給ローラSp0−Cを使用した場合、すなわち、現像ローラDv1〜4とトナー供給ローラSp0−Cとを組み合わせて使用した場合には、濃度むらについての結果は良好であったが、かぶりについての結果は不良であった。
しかし、トナー供給ローラ14として電気抵抗値が中程度のトナー供給ローラSp1−C〜Sp3−Cを使用した場合、すなわち、現像ローラDv1〜4とトナー供給ローラSp1−C〜Sp3−Cとを組み合わせて使用した場合には、濃度むら及びかぶりを両立することが可能となった。
また、比較例3及び4は、現像ローラ13として現像ローラDv5及び6を使用したものである。前記比較例3及び4においては、トナー供給ローラ14として電気抵抗値の低いトナー供給ローラSp0−Cを使用した場合も電気抵抗値が中程度のトナー供給ローラSp1−C〜Sp3−Cを使用した場合も、すなわち、現像ローラDv5及び6とトナー供給ローラSp0−C〜Sp3−Cとを組み合わせて使用したいずれの場合も、かぶりについての結果は良好であったが、濃度むらについての結果は不良であった。
比較例3及び4で使用した現像ローラDv5及び6は、残留電位が大きく、電荷を蓄電する性質が強いので、帯電したトナーの電荷を逃がさない効果を備えるため、かぶりについては良好である。しかしながら、高速回転している現像ローラ13においては、トナー供給ローラ14とのニップ部での電界の形成を遅らせるため、安定な供給電界が形成されなくなり、トナー供給力が劣るために、濃度むらが発生したと考えられる。
これに対し、実験例13〜24で使用した現像ローラDv1〜4は、残留電位が小さく、高速回転している現像ローラ13に使用しても、トナー供給ローラ14とのニップ部での供給電界が安定に形成されるので、トナー供給力が常に安定し、濃度が安定する。そして、中抵抗のトナー供給ローラSp1−C〜Sp3−Cと組み合わせることによって、トナー電荷が供給電界によって放電したり、トナー電荷がトナー供給ローラ14へリークして、トナーの帯電が低くなってしまう状態を回避することが可能になるため、かぶりを良好に保つことが可能になった。
また、トナー供給ローラSp0−C〜Sp3−Cは、軟質フォームにカーボンブラックが微量であるが配合してあるため、周辺部材に押し当てた状態で長期間保管した場合であっても、カーボンブラックが補強剤的に機能して、塑性変形を防止する効果もある。
このように、本実施の形態においては、実験によって、抵抗値が1.9×104 〜8.8×107 〔Ω〕である弾性発泡層14bを備えるトナー供給ローラ14を使用すると、濃度むら及びかぶりの両方について良好な結果を示す現像装置10を得られることが明らかとなった。
なお、本発明は、前記実施の形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨に基づいて種々変形させることが可能であり、それらを本発明の範囲から排除するものではない。