JPWO2011096471A1 - 電子写真機器用現像ロール - Google Patents

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Abstract

長期にわたって高いトナー搬送性を維持するとともに、型転写によりゴム弾性層の表面に形成した凸部が破損するのを抑制できる電子写真機器用現像ロールを提供すること。(A)数平均分子量が50000〜200000の範囲内にある熱可塑性ウレタンと、(B)数平均分子量が500〜4000の範囲内にあるポリオールと、(C)硬化剤と、を含有し、(A)〜(C)成分の質量比率a〜cが、a+b+c=100、40≦a≦75、5≦b≦20、20≦cの関係を満たす塗料を用いて、ゴム弾性層14の外周に被覆層16を形成する。

Description

本発明は、電子写真機器用現像ロールに関するものである。
従来より、電子写真方式を採用する複写機、プリンター、ファクシミリなどの電子写真機器が知られている。電子写真機器の内部には、通常、感光ドラムが組み込まれており、感光ドラムの周囲には、現像ロール、帯電ロール、転写ロール、トナー供給ロールなどの導電性ロールが配設されている。
この種の電子写真機器の現像ロールとしては、種々の構成のものがあり、例えば、軸体と、軸体の外周に形成されたゴム弾性層と、ゴム弾性層の外周に形成された被覆層と、を備えたものが知られている。現像ロールの表面には、高いトナー搬送性を確保して画像の高画質化を図るなどの目的で、凹凸形状が形成されることがある。
現像ロールの表面に凹凸形状を形成する方法としては、例えば、被覆層中にウレタン樹脂などの樹脂からなる樹脂粒子を分散させる方法や、内周面に多数の凹部を有する円筒形状の成形型を用いてゴム弾性層の表面に凹凸形状を型転写する方法などが知られている。
例えば特許文献1には、型転写によりゴム弾性層の表面に凹凸形状を形成する方法が開示されている。このゴム弾性層の外周には、被覆層(中間層)が形成されており、この被覆層を形成する目的で、熱可塑性ウレタンとポリオールと硬化剤とを含有する塗料が用いられている。
特開2009−186658号公報
型転写により形成したゴム弾性層の凸部は柔軟であるため、層形成ブレードなどの相手部材とゴム弾性層の凸部側面(斜面)との擦れなどにより、ゴム弾性層の凸部は破損しやすい。例えば特許文献1の現像ロールでは、耐久時にゴム弾性層の凸部の破損を招いていた。
このように、ゴム弾性層の凸部が破損すると、ロール表面にゴム弾性層が露出し、ゴム弾性層が露出した部分ではゴム弾性層が感光体に接触する。ゴム弾性層と感光体とが接触した状態にあると、露出表面にブリードしたゴム弾性層の含有成分が感光体に移行して感光体が汚染され、画像不具合が発生するという問題があった。
本発明が解決しようとする課題は、長期にわたって高いトナー搬送性を維持するとともに、型転写によりゴム弾性層の表面に形成した凸部が破損するのを抑制できる電子写真機器用現像ロールを提供することにある。
上記課題を解決するため本発明に係る電子写真機器用現像ロールは、軸体と、前記軸体の外周に型成形され、型転写により外周表面に多数の凸部が形成されたゴム弾性層と、前記ゴム弾性層の外周に形成された被覆層と、を備え、前記被覆層は、(A)数平均分子量が50000〜200000の範囲内にある熱可塑性ウレタンと、(B)数平均分子量が500〜4000の範囲内にあるポリオールと、(C)硬化剤と、を含有する塗料の硬化体よりなり、前記塗料中の(A)〜(C)成分の質量比率a〜cが下記の式(1)〜(4)を満たすことを要旨とするものである。
a+b+c=100 ・・・(1)
40≦a≦75 ・・・(2)
5≦b≦20 ・・・(3)
20≦c ・・・(4)
この際、前記ゴム弾性層の凸部を覆う被覆層の厚みは1.5μm以上であることが好ましい。また、ロール表面の凹凸高さは1〜25μmの範囲内であることが好ましい。さらに、前記ゴム弾性層の凸部の高さは2〜50μmの範囲内であることが好ましい。
本発明に係る電子写真機器用現像ロールによれば、型転写により外周表面に多数の凸部が形成されたゴム弾性層の外周に被覆層を形成するための塗料が、(A)特定の熱可塑性ウレタンと、(B)特定のポリオールと、(C)硬化剤とを含有し、塗料中の(A)〜(C)成分の質量比率a〜cが特定の関係を満たすため、塗料のチクソ性が高く、ゴム弾性層の外周に塗布した際に、ゴム弾性層の凸部の斜面を覆う被覆層の膜厚が薄くなるのを抑制できる。また、塗料中の(A)〜(C)成分の質量比率a〜cが特定の関係にあることから、(B)成分と比較して(C)成分の配合量が多くなるため、ゴム弾性層と被覆層との間の密着性を向上できる。
そして、これにより、型転写でゴム弾性層の表面に形成した凸部が層形成ブレードなどの相手部材により破損するのを抑制できる。また、長期にわたってゴム弾性層の表面の凹凸形状が維持できるため、長期にわたって高いトナー搬送性を維持できる。
このとき、ゴム弾性層の凸部を覆う被覆層の厚みが1.5μm以上であると、凸部の側面(斜面)を覆う被覆層の厚みは十分に確保されるため、ゴム弾性層の凸部の破損防止の効果が高い。
また、このときのロール表面の凹凸高さが1〜25μmの範囲内であると、特にトナー搬送性に優れる。そして、このようにトナー搬送性に優れる凹凸形状を破損させることなく長期にわたって維持できるため、長期にわたって高いトナー搬送性を維持できる。
さらに、このときのゴム弾性層の凸部の高さが2〜50μmの範囲内であると、ロール表面の凹凸高さを特定範囲内にできるため、トナー搬送性に優れる。そして、このようにトナー搬送性に優れる凹凸形状を破損させることなく長期にわたって維持できるため、長期にわたって高いトナー搬送性を維持できる。
本発明の電子写真機器用現像ロールを表す周方向断面図である。 電子写真機器用現像ロールのロール表面を拡大して表した断面図である。 被覆層を形成する塗料中における(A)〜(C)成分の質量比率の範囲を示す三角グラフである。 電子写真機器用現像ロールのロール表面を図2よりもさらに拡大して表した断面図である。 実施例および比較例における塗料中の(A)〜(C)成分の質量比率をプロットした三角グラフである。
次に、本発明の電子写真機器用現像ロール(以下、現像ロールということがある。)について、図を参照しつつ、詳細に説明する。電子写真機器用現像ロールは、電子写真方式を採用する複写機、プリンター、ファクシミリなどの電子写真機器に組み込まれる現像ロールであり、電子写真機器の内部に組み込まれる感光ドラムの周囲に配設されるものである。
図1は、一実施形態に係る現像ロール10を表す周方向断面図である。図1に示すように、現像ロール10は、軸体12と、軸体12の外周に形成されたゴム弾性層14と、ゴム弾性層14の外周に形成された被覆層16とを備えている。
軸体12としては、導電性シャフトを挙げることができる。導電性シャフトとしては、金属製の中実体、金属製の円筒体、あるいは、これらにめっきが施されたものなどを挙げることができる。金属の種類としては、アルミニウム、ステンレスなどを挙げることができる。軸体12の外周面には、ゴム弾性層14との間の接着性を向上させるなどの目的で、接着剤やプライマなどを塗布しても良い。接着剤やプライマなどには、必要に応じて、導電化を行うことができる。
ゴム弾性層14は、現像ロール10のベース層となる。図2には、ロール表面の拡大図を示す。図2を用いて、ゴム弾性層14の詳細について説明する。ゴム弾性層14は、その外周面に多数の凸部14aを有している。凸部14aと凸部14aとの間には、平坦部14bを有している。平坦部14bは、軸体12の外周面に略平行な面よりなり、凸部14aは、平坦部14bから現像ロール10の径方向の外側に突出している。このように、ゴム弾性層14は、凸部14aと平坦部14bとからなる凹凸形状をその外周表面に有している。
ゴム弾性層14は、円筒形状の成形型を用いて軸体12の外周に型成形されたものである。その成形型の内周面(成形時にゴム弾性層14の外周面が接する面)には多数の凹部が予め形成されている。成形型の凹部と凹部との間には、軸体12の外周面と略平行な面となる成形型の平坦部を有している。成形型の内周面は、この凹部と平坦部とからなる凹凸形状をその内周面に有している。したがって、ゴム弾性層14の型成形時には、成形型の内周面の凹凸形状がゴム弾性層14の外周面に転写される。このように、成形型の型転写により、ゴム弾性層14の外周表面に凸部14aが多数形成される。
ゴム弾性層14のゴム材料としては、具体的には、シリコーンゴム、ウレタンゴム、ブタジエンゴム、ヒドリンゴムなどを例示することができる。このうち、層形成ブレードや感光体などの相手部材の押圧による弾性変形の回復に優れる(耐ヘタリ性が良好である)などの観点から、シリコーンゴム、ウレタンゴムが好ましい。また、シリコーンゴムは、温度変化や湿度変化などの環境変化に対して体積変化しにくく、環境変化によるロールの外径変動が小さい利点も有するため、特に好ましい。
ゴム弾性層14には、必要に応じて、導電剤、充填剤、増量剤、補強剤、加工助剤、硬化剤、加硫促進剤、架橋剤、架橋助剤、酸化防止剤、可塑剤、紫外線吸収剤、顔料、シリコーンオイル、助剤、界面活性剤などの各種添加剤が適宜添加されていても良い。導電剤としては、カーボンブラックなどの電子導電剤や第4級アンモニウム塩などのイオン導電剤など、一般的な導電剤を挙げることができる。
ゴム弾性層14は、発泡体であっても良いし、中実体であっても良い。ゴム弾性層14の厚みは、0.1〜10mmの範囲内にあることが好ましい。より好ましくは、1〜5mmの範囲内である。
被覆層16は、(A)熱可塑性ウレタンと、(B)ポリオールと、(C)硬化剤と、を含有する塗料の硬化体よりなる。(B)成分と(C)成分とが反応することにより熱硬化性ウレタンが形成され、硬化体が得られる。このように、被覆層16は、熱可塑性ウレタンと熱硬化性ウレタンとを含む材料により形成されるため、ヘタリにくさ(硬さ)と硬化収縮の低減とが両立される。
(A)熱可塑性ウレタンは、塗料の塗布しやすさなどの観点から、数平均分子量が50000〜200000の範囲内にあるものが良い。熱可塑性ウレタンとしては、カプロラクタム型やアジペート型、エーテル型などを挙げることができる。このうち、高い機械的強度や弾性回復性を確保するなどの観点から、カプロラクトン型が好ましい。これにより、低硬度ながら高い機械的強度を得ることができる。熱可塑性ウレタンの数平均分子量は、ポリスチレン検量線によるゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)法によって測定される。
(B)ポリオールは、塗料のチクソ性をより高めるなどの観点から、数平均分子量が500〜4000の範囲内にあるものが良い。ポリオールとしては、エーテル系ポリオール、カプロラクトン系ポリオール、エステル系ポリオールなどを挙げることができる。このうち、低抵抗にするなどの観点から、エーテル系ポリオールが好ましい。低抵抗であると、画像の残像特性が良好になる。ポリオールの数平均分子量は、ポリスチレン検量線によるゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)法によって測定される。
エーテル系ポリオールとしては、比較的低分子量の多価アルコール1種または2種以上にエチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、ブチレンオキサイドなどの1種または2種以上を付加重合させて得られるポリエーテルポリオールや、テトラヒドロフランを開環重合させて得られるポリテトラメチレンエーテルグリコール(PTMEG)などを挙げることができる。
多価アルコールとしては、エチレングリコール、プロピレングリコール、1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,2−プロピレングリコール、1,3−プロピレングリコール、1,3−ブチレングリコール、2,3−ブチレングリコール、2,2−ジメチル−1,3−プロパンジオール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、2,2−ジメチル−3−ヒドロキシプロピル−2’,2’−ジメチル−3−ヒドロキシプロパネート、2,2−ジエチル−1,3−プロパンジオール等の脂肪族系グリコール、1,3−ビス(ヒドロキシメチル)シクロヘキサン、1,4−ビス(ヒドロキシメチル)シクロヘキサン、1,4−ビス(ヒドロキシエチル)シクロヘキサン、1,4−ビス(ヒドロキシプロピル)シクロヘキサン、1,4−ビス(ヒドロキシメトキシ)シクロヘキサン、1,4−ビス(ヒドロキシエトキシ)シクロヘキサン、2,2−ビス(4−ヒドロキシメトキシシクロヘキシル)プロパン、2,2−ビス(4−ヒドロキシエトキシシクロヘキシル)プロパン、ビス(4−ヒドロキシシクロヘキシル)メタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシシクロヘキシル)プロパン、3(4),8(9),トリシクロ[5.2.1.02,6]デカンジメタノール等の脂環族系グリコールなどを挙げることができる。このうち、特に、エチレングリコール、2,2−ジメチル−1,3−プロパンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,4−ビス(ヒドロキシメチル)シクロヘキサンが好ましい。
エステル系ポリオールの酸成分としては、コハク酸、アジピン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ドデカンジカルボン酸、ドデシルコハク酸等の脂肪族系二塩基酸、1,2−シクロヘキサンジカルボン酸、1,3−シクロヘキサンジカルボン酸、1,4−シクロヘキサンジカルボン酸、4−メチル−1,2−シクロヘキサンジカルボン酸、1,2−ビス(4−カルボキシシクロヘキシル)メタン、2,2−ビス(4−カルボキシシクロヘキシル)プロパン等の脂環族系二塩基酸、あるいは、テレフタル酸、イソフタル酸、オルソフタル酸、1,6−ナフタレンジカルボン酸等の芳香族系二塩基酸などを挙げることができる。脂環族系二塩基酸、芳香族系二塩基酸は、樹脂の凝集力を向上させ、一方、脂肪族系二塩基酸は、樹脂の柔軟性を向上させやすい。
(C)硬化剤としては、イソシアネートを挙げることができる。イソシアネートとしては、分子中にイソシアネート基を1個有するイソシアネート、分子中にイソシアネート基を2個有するジイソシアネート、分子中にイソシアネート基を3個以上有するイソシアネートを挙げることができる。具体的には、2,4−トリレンジイソシアネート、2,6−トリレンジイソシアネート、p−フェニレンジイソシアネート、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)、m−フェニレンジイソシアネート、3,3’−ジメトキシ−4,4’−ビフェニレンジイソシアネート、2,6−ナフタレンジイソシアネート、3,3’−ジメチル−4,4’−ビフェニレンジイソシアネート、4,4’−ジフェニレンジイソシアネート、4,4’−ジイソシアネートジフェニルエーテル、1,5−ナフタレンジイソシアネート、m−キシレンジイソシアネート、等の芳香族ジイソシアネート、1,6−ヘキサンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネートの水添化物のような脂肪族、脂環族ジイソシアネートなどを挙げることができる。このうち、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)が特に好ましい。
硬化剤として用いるイソシアネートは、(B)ポリオールと反応できるイソシアネート基が1つ以上あれば良いため、分子中にイソシアネート基を2個以上有するイソシアネートは、(B)ポリオールの反応に用いるイソシアネート基を1個以上残して、イソシアネート基が変性されていても良い。変性イソシアネートとしては、ポリプロピレングリコール変性MDI(PPG変性MDI)などを挙げることができる。
ここで、上記塗料中における(A)〜(C)成分の配合比率は、次の通りである。すなわち、(A)成分の質量比率をa、(B)成分の質量比率をb、(C)成分の質量比率をcとしたとき、質量比率a〜cは、下記の式(1)〜(4)を満たすものである。
a+b+c=100 ・・・(1)
40≦a≦75 ・・・(2)
5≦b≦20 ・・・(3)
20≦c ・・・(4)
この関係を三角グラフで表すと、図3のようになる。したがって、質量比率a〜cは、三角グラフ上の点(60,20,20)、(75,5,20)、(40,5,55)、(40,20,40)の4点を結ぶ線に囲まれた範囲内(図3中の斜線で示す範囲内)にある。ただし、上記三角グラフ上の点は、(a,b,c)で表すものとする。
塗料中における(A)〜(C)成分の質量比率a〜cがこのような特定範囲内にあることによって、塗料のチクソ性が高くなり、ゴム弾性層の外周に塗布した際に、ゴム弾性層の凸部の斜面を覆う被覆層の膜厚が薄くなるのを抑制できる。また、塗料中の(A)〜(C)成分の質量比率a〜cがこのような特定の関係にあることによって、(B)成分と比較して(C)成分の配合量が多くなるため、ゴム弾性層と被覆層との間の密着性が向上する。これにより、層形成ブレードなどの相手部材で被覆層が削られるのを抑制できるため、型転写でゴム弾性層の表面に形成した凸部が相手部材により破損するのを抑制できる。また、これにより、長期にわたってゴム弾性層の表面の凹凸形状が維持できるため、長期にわたって高いトナー搬送性を維持できる。
上記塗料中には、本発明の効果を阻害しない範囲において、必要に応じて、(A)〜(C)成分以外の他の成分が含まれていても良い。他の成分としては、溶剤、導電剤、可塑剤、レベリング剤などを挙げることができる。溶剤としては、メチルエチルケトン(MEK)、メタノール、トルエン、イソプロピルアルコール、メチルセロソルブ、ジメチルホルムアミド等を挙げることができる。
塗料中に溶剤を含む場合には、塗料のチクソ性に影響を与えない範囲内で、塗料の塗工性を高めるように、また、溶剤の種類に応じて、溶剤量を適宜設定することができる。溶剤量の範囲としては、塗料中の(A)〜(C)成分の合計量100質量部に対し、10質量部以上、50質量部以上、100質量部以上の範囲を例示することができる。また、溶剤量の範囲としては、塗料中の(A)〜(C)成分の合計量100質量部に対し、1000質量部以下、800質量部以下、500質量部以下の範囲を例示することができる。
塗料の粘度としては、特に限定されるものではないが、500mPa・s以下、300mPa・s以下、100mPa・s以下の範囲を例示することができる。また、10mPa・s以上の範囲を例示することができる。塗料の粘度は、粘度計(例えばB型粘度計)を用いて測定することができる。
このような塗料の硬化体よりなる被覆層16で覆われたロール表面には、ゴム弾性層14の凸部14aに起因する凹凸形状が形成されている。この凹凸形状は、高いトナー搬送性を確保するなどの観点から、特定の凹凸形状であることが好ましい。より具体的には、ロール表面の凹凸形状の凹凸高さは1〜25μmの範囲内にあることが好ましい。より好ましくは、3〜20μmの範囲内である。ロール表面の凹凸高さは、図4に示すように、ロール表面の凸部と凹部の高低差(h2)で表すことができる。
そして、このような塗料の硬化体よりなる被覆層16の厚みとしては、ゴム弾性層14の凸部14aを覆う部分の厚み(d1)は1.5μm以上であることが好ましい。より好ましくは2.5μm以上、さらに好ましくは3.5μm以上である。この部分の厚み(d1)が1.5μm以上であれば、凸部14aの側面(斜面)を覆う被覆層16の厚みが十分に確保されるため、ゴム弾性層14の凸部14aの破損防止の効果が高い。一方、この部分の厚み(d1)が厚すぎると、ゴム弾性層14の凸部14aに起因する凹凸形状がロール表面に現れにくくなる。したがって、トナー搬送性を確保するなどの観点から、この部分の厚み(d1)は7μm以下であることが好ましい。より好ましくは5μm以下である。
また、ゴム弾性層14の平坦部14bを覆う部分の厚み(d2)は8〜16μmの範囲内にあることが好ましい。より好ましくは10〜14μmの範囲内である。この部分の厚み(d2)が8μm以上であれば、凸部14aを覆う部分の厚み(d1)を十分に確保できる。一方、この部分の厚み(d2)が16μm以下であれば、ゴム弾性層14の凸部14aに起因する凹凸形状を十分に確保できる。
そして、ゴム弾性層14の凸部14aの高さ(h1)は、2〜50μmの範囲内にあることが好ましい。より好ましくは、5〜30μmの範囲内である。凸部14aの高さ(h1)が2〜50μmの範囲内であると、ロール表面の凹凸高さを特定範囲内にできるため、トナー搬送性に優れる。なお、ゴム弾性層14の凸部14aの高さ(h1)は、平坦部14bの高さと凸部14aの頂点の高さとの差で表すことができる。
ゴム弾性層14の凸部14aを覆う被覆層16の厚み(d1)、平坦部14bを覆う被覆層16の厚み(d2)、ロール表面の凹凸高さ(h2)、ゴム弾性層14の凸部14aの高さ(h1)などは、図4に示すような現像ロール10を周方向に切断した断面を観察できるレーザー顕微鏡(例えば、(株)キーエンス製、VK−9510)を用いて測定することができる。
また、ゴム弾性層14の外周面内における凸部14aの数密度は、トナー搬送性を確保するとともに画像のきめ細かさを向上させるなどの観点から、50〜1000個/mmの範囲内にあることが好ましい。凸部14aの数密度は、現像ロール10のゴム弾性層14の外周面を観察できるレーザー顕微鏡(例えば、(株)キーエンス製、VK−9510)を用いて測定することができる。
次に、現像ロール10の製造方法について説明する。
まず、軸体12の外周にゴム弾性層14を形成する。より具体的には、例えば、円筒状金型の中空部に軸体12をセットし、円筒状金型と軸体12との間の空隙部にゴム材料を注型して加熱架橋させた後、円筒状金型から脱型することにより、軸体12の外周にゴム弾性層14を形成する。この際用いる円筒状金型には、内周面に多数の凹部が形成された金型を用いる。この円筒状金型を用いてゴム弾性層14を型成形することにより、円筒状金型の内面の凹凸形状をゴム弾性層14の外周面に転写する。
次いで、ゴム弾性層14の外周に被覆層16を形成する。より具体的には、(A)熱可塑性ウレタンと(B)ポリオールと(C)硬化剤とを含有する塗料をゴム弾性層14の外周面に塗布する。その後、塗布した塗料を乾燥し、加熱架橋処理することにより、ゴム弾性層14の外周に被覆層16を形成する。以上により、現像ロール10が得られる。
円筒状金型の内周面に多数の凹部を形成する方法としては、例えば、円筒状金型の内周面をショットブラスト処理する方法や、円筒状金型の内周面を放電加工する方法、円筒状金型の内周面に無電解複合めっきし、その無電解複合めっき層の表面にピット(めっきの欠陥)を形成させる方法などがある。これらのうち、無電解複合めっき層の表面にピットを形成させる方法は、凹部を深くすることができ、ゴム弾性層14の凸部14aをより大きくすることができる点で好ましい。
無電解複合めっき層の表面にピット(めっきの欠陥)を形成させるには、意図的に不良の無電解複合めっきを行なう。このピットの形成は、めっき反応中に発生する水素ガスが、析出しためっきの表面に吸着し、その吸着した部分で、めっきのさらなる析出が阻害されることによるものである。そして、各ピットの凹形状は、通常、略球面の一部からなる曲面状(例えば半球状)に形成される。
無電解複合めっきにおけるめっき金属としては、ニッケル、コバルト、銅、錫、パラジウム、金、またはこれらの合金などが挙げられる。これらのうち、ピットの形成容易性の観点から、ニッケルまたはニッケル合金が好ましい。
無電解複合めっきとしては、ピットの分布密度をより均一にしやすい観点から、粒子分散型の無電解複合めっきが好ましい。その分散粒子としては、平均粒径が0.1〜5μmの範囲内にあることが好ましい。これにより、分散粒子のめっき浴における均一分散性および無電解複合めっき層における均一共析性が向上し、無電解複合めっき層の表面をより均一な粗面に形成することができる。
上記分散粒子の形成材料としては、炭化ケイ素(SiC)、酸化アルミニウム(Al)、酸化ジルコニウム(ZrO)、酸化チタン(TiO)、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、窒化ホウ素(BN)等が挙げられる。これらのうち、注型するゴム材料との離型性に優れる観点から、PTFEが好ましい。
めっき浴には、めっき反応中に発生する水素ガスをより表面吸着しやすくし、ピットの形成をより簡単にできる観点から、炭化水素系のカチオン性界面活性剤または両性界面活性剤を含有させることが好ましい。
本発明においては、被覆層16中に、さらに、ロール表面の粗さを形成する粗さ形成用粒子を含んでいても良い。このような粗さ形成用粒子としては、ポリウレタンビーズなどを挙げることができる。ポリウレタンビーズは、柔軟なものが好ましい。
また、本発明においては、被覆層16の外周に、さらに、ロール表面を保護するなどの目的で、表面保護層を備えていても良い。表面保護層の厚みは1〜20μmの範囲内にあることが好ましい。表面保護層の厚みがこの範囲内にある場合には、ロール表面を保護する機能を十分に発揮できるとともに、ゴム弾性層14の凸部14aに起因する凹凸形状の確保もできる。なお、被覆層16の外周面に表面保護層を備える場合には、現像ロールの最外層は表面保護層になるため、表面保護層の表面(外周面)がロール表面となる。
表面保護層の材料としては、ウレタン樹脂、アクリル樹脂、シリコーン変性ウレタン樹脂、シリコーン変性アクリル樹脂などを挙げることができる。表面保護層を形成する材料中には、導電剤(電子導電剤および/またはイオン導電剤)、可塑剤、レベリング剤などの各種添加剤が1種または2種以上含まれていても良い。表面保護層の材料は、必要に応じてMEKなどの溶剤を用いて調製された液状のものが好ましい。溶剤量としては、特に限定されるものではないが、塗工しやすさなどの観点から、ウレタン樹脂などの主材料100質量部に対し、好ましくは10〜1000質量部、より好ましくは100〜800質量部の範囲内である。
表面保護層を形成するには、例えば、被覆層の外周面に表面保護層の材料を塗工するなどすれば良い。塗工方法は、特に制限されるものではなく、ディッピング法、スプレー法、ロールコート法などの一般的な方法を適用することができる。表面保護層の材料を塗工後、必要に応じて、乾燥、加熱架橋処理などを行うことにより、表面保護層を形成できる。
また、本発明においては、被覆層16の外周に表面保護層を形成することに代えて、被覆層16の表面を改質しても良い。被覆層16の表面改質方法としては、1)紫外線照射による表面改質、2)トリクロロイソシアヌル酸を含有する表面改質剤を用いた表面改質、3)トリチオシアヌル酸などのチオール基を2つ以上有する化合物を含有する表面改質剤を用いた表面改質、4)ハロゲン化による表面改質、などを挙げることができる。
1)の表面改質を行う場合、紫外線照射装置としては、従来より公知の紫外線照射装置であって、本発明の目的に応じたものであれば、如何なるものであっても使用可能である。具体的には、アイグラフィックス株式会社製のUB031−2A/BM(商品名)等を例示することが出来る。紫外線の照射条件は、用いる紫外線照射装置の種類等に応じて適宜、決定されるが、一般には、照射強度:20〜150mW/cm程度、紫外線の光源と弾性層表面との距離:20〜80mm程度、照射時間:5〜360秒程度の条件が採用される。
4)の表面改質は、アルキルハイポハライド、次亜塩素酸塩、酸イミドハロゲン化合物、イソシアヌル酸ハライド、ハロゲン化ヒダントインなどの化合物とBFとを接触させることにより行うことができる。
以下に本発明を実施例により具体的に説明するが、本発明はこれらによって限定されるものではない。
(実施例1)
<ゴム弾性層組成物の調製>
導電性液状シリコーンゴム(信越化学工業(株)製、「X34−264A/B」)をスタティックミキサにて混合し、ゴム弾性層組成物を調製した。
<被覆層組成物の調製>
熱可塑性ウレタンエラストマー(熱可塑性ウレタン成分、BASFジャパン社製、「エラストラン」、数平均分子量100000)64質量部と、エーテル系ポリオール(ポリオール成分、三洋化成社製、「PPG2000」、数平均分子量2000)16質量部と、イソシアネート(硬化剤成分、大日本インキ化学工業製、「ミリオネートMT」、MDI)20質量部と、電子導電剤(電気化学工業製、「デンカブラック」)30質量部と、イオン導電剤(4級アンモニウム塩)1質量部とをボールミルにより混練した後、MEK400質量部を加えて混合、攪拌することにより、被覆層組成物(塗料)を調製した。
<円筒状金型の作製>
硫酸ニッケル6水和物を20g/リットル、次亜リン酸ナトリウム1水和物(還元剤)を25g/リットル、乳酸(錯化剤)を27g/リットル、プロピオン酸(錯化剤)を2.5g/リットル、PTFE製分散粒子(平均粒径0.2μm)を5g/リットル、ラウリルトリメチルアンモニウムクロライド(カチオン性界面活性剤)を0.1g/リットル配合して、pH4.8のめっき浴を調製した。
上記めっき浴に円筒状金型基材を浸漬することにより、円筒状金型基材の内面に、不良の無電解複合めっきを行ない、多数のピットが均一に分布形成された無電解複合めっき層の表面を型面とする円筒状金型(内径12mm)を得た。このとき、めっき浴の温度を90℃、めっき時間を120分間とし、無電解複合めっき層を厚み22μmに形成した。この無電解複合めっき層の表面の十点平均粗さ(Rz)は10μmであった。なお、十点平均粗さ(Rz)は、表面粗さ計(東京精密社製、サーフコム1400D)を用いて測定した。
<現像ロールの作製>
作製した円筒状金型内に導電性シャフト(φ6mm、長さ270mm)を同軸にセットして、金型内に調製したゴム弾性層組成物を注入し、150℃で30分間加熱した後、冷却、脱型した。これにより、導電性シャフトの外周に厚さ3mmのゴム弾性層を有するロール体を作製した。形成したゴム弾性層の外周面には、円筒状金型の内面に形成された多数の凹部に対応する多数の凸部が型転写により形成されている。次いで、ロール体の表面にロールコート法により調製した被覆層組成物をコーティングした後、170℃で60分熱処理して厚さ12μmの被覆層を形成した。以上のようにして、実施例1に係る現像ロールを作製した。
(実施例2〜7)
実施例1の被覆層組成物の調製において、熱可塑性ウレタンとポリオールとイソシアネートの配合割合を表1に記載する配合割合とした点以外は実施例1と同様にして実施例2〜7に係る現像ロールを作製した。
(実施例8〜9)
実施例2の被覆層組成物と同じ配合割合とし、被覆層組成物(塗料)の塗布量を調整してロール表面の凹凸高さを変更した点以外は実施例2と同様にして実施例8〜9に係る現像ロールを作製した。
(比較例1〜3)
実施例1の被覆層組成物の調製において、熱可塑性ウレタンとポリオールとイソシアネートの配合割合を表1に記載する配合割合とした点以外は実施例1と同様にして比較例1〜3に係る現像ロールを作製した。
(実施例10〜11)
被覆層組成物の調製において、数平均分子量の異なる熱可塑性ウレタンエラストマーに変更した以外は実施例2と同様にして、実施例10〜11に係る現像ロールを作製した。用いた熱可塑性ウレタン成分は下記の通りである。
実施例10:BASFジャパン社製、「エラストラン」、数平均分子量50000
実施例11:BASFジャパン社製、「エラストラン」、数平均分子量200000
(実施例12〜13)
被覆層組成物の調製において、数平均分子量の異なるポリオールに変更した以外は実施例2と同様にして、実施例12〜13に係る現像ロールを作製した。用いたポリオール成分は下記の通りである。
実施例12:三洋化成社製、「PPG500」、数平均分子量500
実施例13:三洋化成社製、「PPG4000」、数平均分子量4000
(実施例14)
<表面保護層組成物の調製>
ガラス転移温度Tg=20℃の熱可塑性ウレタン系樹脂Xおよびガラス転移温度Tg=100℃の熱可塑性ウレタン系樹脂Y(いずれも東洋紡績(株)製「バイロンURシリーズ」)を、X/Y混合比(質量比)が50/50となるように配合するとともに、熱可塑性ウレタン系樹脂の混合物100質量部に対し、さらに電子導電剤(電気化学工業製「デンカブラック」)20質量部およびイオン導電剤(第四級アンモニウム塩)1質量部を加えてボールミルにより混練した。次いで、この混練物にMEK400質量部を加えて混合、攪拌することにより、表面保護層組成物を調製した。得られた表面保護層組成物の引張貯蔵弾性率E’は、10℃において7.0×10Paであり、50℃において2.0×10Paであった。なお、熱可塑性ウレタン系樹脂のガラス転移温度Tgは、JIS K7121「プラスチックの転移温度測定方法」に準拠して測定した。また、表面保護層組成物の引張貯蔵弾性率E’は、JIS K7244−4「プラスチック−動的機械特性の試験方法−第4部:引張振動−非共振法」に準拠して測定した。
<現像ロールの作製>
実施例2と同じ構成の現像ロールの被覆層の表面に、表面保護層組成物をロールコート法によりコーティングした後、170℃で60分熱処理して厚さ9μmの表面保護層を形成した。これにより、実施例14の現像ロールを作製した。
(実施例15)
実施例2と同じ構成の現像ロールの被覆層の表面に、紫外線による表面改質を行った以外は実施例2と同様にして、実施例15に係る現像ロールを作製した。ただし、紫外線による表面改質は、アイグラフィックス株式会社製の紫外線照射機「UB031−2A/BM」(水銀ランプ形式)を用い、周速:570〜590mm/secでロール体を回転させながら、照射強度:120mW/cm2 、紫外線照射機の光源と弾性層の表面との距離:40mm、照射時間:180秒の条件にて行った。
得られた各現像ロールについて、周方向の断面を観察し、ゴム弾性層の凸部を覆う被覆層の厚み(d1)、ゴム弾性層の平坦部を覆う被覆層の厚み(d2)、ゴム弾性層の凸部の高さ(h1)、ロール表面の凹凸高さ(h2)を、(株)キーエンス社製レーザー顕微鏡「VK−9510」を用いてそれぞれ測定した。
また、得られた各現像ロールについて、ゴム弾性層と被覆層との間の密着性と、現像ロールの感光体への汚染性と、を評価した。評価方法は以下の通りである。
(密着性)
JIS K5400に準拠して、ナイフで、ロール表面に1mm×1mmピッチで切り込みを入れ(25マス以上)、切り込みを入れたところにセロハン粘着テープを貼り付けてそのテープを剥がす碁盤目試験を行った。剥がしたテープに1マスも付着しない場合を「○」とし、1マス以上5マス以下の範囲で付着した場合を「△」とし、5マス以上付着した場合を「×」とした。
(汚染性)
現像ロールを市販のカラーレーザープリンター(キヤノン製、LBP−2510)に組み込み、32.5℃×85%RHの環境下で画像出しを通紙10000枚(A4サイズ)行い(耐久試験を行い)、そのまま1週間放置した。その後、一旦カートリッジを分解し、現像ロールのロール表面が当接している感光体部位にマーキングをした。その後、再度カートリッジを組み付け、ベタ画像を印字した。マーキング位置において、画像に全く白抜けが発生しなかった場合を「○」とし、画像の両端部のみ薄く白抜けが発生した場合を「△」とし、画像に白抜けが発生した場合を「×」とした。
さらに、得られた各現像ロールの性能評価を行った。具体的には、初期および耐久後におけるトナー搬送性を評価した。評価方法は以下の通りである。
(初期トナー搬送性)
いわゆる吸引式ファラデーゲージ法を用いて、ロール表面に付着したトナー量を測定した。すなわち、各現像ロールを市販のカラーレーザープリンター(キヤノン(株)製、「LBP−2510」)に組み込み、HH環境下(32.5℃×85%RH)でベタ黒画像出し中にプリンターを停止した。次いで、ファラデーゲージを用いて、ロール表面に付着したトナーを吸引し、吸込み面積(A)と吸込み量(M)よりトナー搬送量(M/A)を算出した。トナー搬送量(M/A)が4〜7g/mの範囲内にある場合を合格「○」とし、トナー搬送量(M/A)が4〜7g/mの範囲から外れた場合を不合格「×」とした。
(耐久後トナー搬送性)
HH環境下(32.5℃×85%RH)で画像出しを10000枚(A4)サイズ)行なった後、HH環境下でベタ黒画像出し中にプリンターを停止した点以外は、上記初期トナー搬送性評価と同様にして、トナー搬送量(M/A)を算出した。トナー搬送量(M/A)が4〜7g/mの範囲内にある場合を合格「○」とし、トナー搬送量(M/A)が4〜7g/mの範囲から外れた場合を不合格「×」とした。
各実施例および各比較例についての被覆層組成物(塗料)の成分の配合割合と評価結果とを表1、2に示した。各成分の配合割合は質量部で表している。また、各実施例および各比較例の熱可塑性ウレタン成分と、ポリオール成分と、イソシアネート成分の3成分の合計を100としたときの配合割合を、三角グラフに示した。これを図5に示す。なお、実施例10〜15は、実施例2と同じ配合割合である。
Figure 2011096471
Figure 2011096471
比較例では、被覆層を形成する塗料中の熱可塑性ウレタンとポリオールとイソシアネートの配合割合が特定範囲内にないため、ゴム弾性層と被覆層の密着性に劣っている。また、耐久後にはゴム弾性層の凸部が破損しており、耐久後のベタ画像の印字において画像に白抜けが生じる画像不具合が発生した。したがって、比較例では、耐久後には感光体への汚染が大きいことが分かった。
これに対し、実施例では、塗料中の熱可塑性ウレタンとポリオールとイソシアネートの配合割合が特定範囲内にあるため、チクソ性が高く、ゴム弾性層の上に塗布した後、すぐに粘性が高くなって、ゴム弾性層の凸部の頂点および凸部の斜面において被覆層の膜厚が薄くなるのが抑制されていることが確認できた。具体的には、ゴム弾性層の凸部を覆う被覆層の膜厚が1.5μm以上であった。また、ゴム弾性層と被覆層の密着性が優れていることが確認できた。さらに、耐久後においてゴム弾性層の凸部の破損は確認されず、耐久後のベタ画像の印字において画像に白抜けが生じる画像不具合は発生しなかった。したがって、実施例では、耐久後の感光体への汚染がないことが確認できた。また、実施例の現像ロールによれば、初期および耐久後のトナー搬送性にも優れていることが確認できた。
また、図5においては、「●」が実施例であり、「▲」が比較例である。図5によれば、実施例は、三角グラフ上の点(60,20,20)、(75,5,20)、(40,5,55)、(40,20,40)の4点を結ぶ線に囲まれた範囲内(斜線の範囲内)にあり、比較例は、斜線の範囲の外にあることが確認できた。
以上、本発明の実施の形態について詳細に説明したが、本発明は上記実施の形態に何ら限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の改変が可能である。
上記課題を解決するため本発明に係る電子写真機器用現像ロールは、軸体と、前記軸体の外周に型成形され、型転写により外周表面に多数の凸部が形成されたゴム弾性層と、前記ゴム弾性層の外周に形成された被覆層と、を備え、前記被覆層は、(A)数平均分子量が50000〜200000の範囲内にある熱可塑性ウレタンと、(B)数平均分子量が2000〜4000の範囲内にあるポリオールと、(C)硬化剤と、を含有する塗料の硬化体よりなり、前記塗料中の(A)〜(C)成分の質量比率a〜cが下記の式(1)〜(4)を満たすことを要旨とするものである。
a+b+c=100 ・・・(1)
40≦a≦75 ・・・(2)
5≦b≦20 ・・・(3)
20≦c ・・・(4)

Claims (4)

  1. 軸体と、前記軸体の外周に型成形され、型転写により外周表面に多数の凸部が形成されたゴム弾性層と、前記ゴム弾性層の外周に形成された被覆層と、を備え、
    前記被覆層は、
    (A)数平均分子量が50000〜200000の範囲内にある熱可塑性ウレタンと、
    (B)数平均分子量が500〜4000の範囲内にあるポリオールと、
    (C)硬化剤と、を含有する塗料の硬化体よりなり、
    前記塗料中の(A)〜(C)成分の質量比率a〜cが下記の式(1)〜(4)を満たすことを特徴とする電子写真機器用現像ロール。
    a+b+c=100 ・・・(1)
    40≦a≦75 ・・・(2)
    5≦b≦20 ・・・(3)
    20≦c ・・・(4)
  2. 前記ゴム弾性層の凸部を覆う被覆層の厚みは1.5μm以上であることを特徴とする請求項1に記載の電子写真機器用現像ロール。
  3. ロール表面の凹凸高さは1〜25μmの範囲内であることを特徴とする請求項1または2に記載の電子写真機器用現像ロール。
  4. 前記ゴム弾性層の凸部の高さは2〜50μmの範囲内であることを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載の電子写真機器用現像ロール。
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