JP2009204875A - 電子写真機器用現像ロール - Google Patents

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Abstract

【課題】残留電荷の減衰性と耐トナー固着性とを両立させることが可能な電子写真機器用現像ロールを提供すること。
【解決手段】導電性シャフト12の外周にベースゴム層14と中間層16と表層18とがこの順で積層されており、表層18が(A)シリコーングラフトアクリル系ポリマーと(B)エーテル系ポリオール変性ジイソシアネートと(C)イオン導電剤と(D)イソシアネート基と反応する官能基を有する架橋剤とを含有する樹脂組成物により形成された現像ロール10とする。このとき、トナー付着力を100nN以下にし、ロール表面のMD−1硬度を70度以下にすると良い。
【選択図】図1

Description

本発明は、電子写真機器用現像ロールに関するものである。
近年、電子写真方式を採用する複写機、プリンター、ファクシミリなどの電子写真機器が広く使用されるようになってきている。電子写真機器の内部には、通常、感光ドラムが組み込まれており、その周囲には、帯電ロール、現像ロール、転写ロール、トナー供給ロールなどの導電性ロールが配設されている。
この種の電子写真機器では、接触現像方式が主流になってきている。接触現像方式では、例えば摩擦帯電により現像ロールの表面にトナーを静電付着させてトナー層を形成し、このロール表面を、感光ドラム表面に直接接触させ、または、非接触状態にして、感光ドラム表面の潜像にトナーを付着させている。
現像ロールの表層には、トナー帯電性に優れるアクリル系ポリマーが良く用いられている。そして、アクリル系ポリマーにおいてさらにトナー離型性を確保するため、アクリル系ポリマーをシリコーン変性することが行なわれている。例えば特許文献1には、現像ロールの表層に、シリコーン変性したアクリル系ポリマーを用いた現像ロールが開示されている。
一方で、このような電子写真機器においては、高画質なプリント画像が求められているため、地汚れ(カブリ)や濃度ムラなどの画像不具合が問題になっている。例えば現像ロールでは、感光ドラム表面の潜像にトナーを付着させた後の現像ロール上に電荷が多く残留していると、残留電荷により残トナーの掻き取り性が悪くなり、地汚れ(カブリ)や濃度ムラなどの画像不具合に影響する。
従来、現像ロールにおける残留電荷の問題を解消するために、現像ロールの電荷減衰性を改善する試みがなされている。例えば特許文献2には、表層が、エーテル系ポリオールとジイソシアネートとイオン導電剤とを含有する樹脂組成物で形成された現像ロールが開示されている。
特許第3869022号公報 特開2006−251342号公報
しかしながら、特許文献1の現像ロールでは、残留電荷の電荷減衰性が十分ではなかった。また、特許文献2の現像ロールでは、トナーの付着が十分に抑えられていなかった。さらに、シリコーン変性したアクリル系ポリマーと、エーテル系ポリオールと、ジイソシアネートと、イオン導電剤とを含有する導電性組成物の架橋体を表層に用いた現像ロールにおいても、トナー付着を十分に抑えることができなかった。そのため、トナー固着が発生して、地汚れ(カブリ)や濃度ムラなどの画像不具合が生じていた。したがって、良好な電荷減衰性と耐トナー固着性とを両立させるため、現像ロールの表層材料について、さらなる改良を図る必要があった。
本発明が解決しようとする課題は、残留電荷の減衰性と耐トナー固着性とを両立させることが可能な電子写真機器用現像ロールを提供することにある。
上記課題を解決するため本発明に係る電子写真機器用現像ロールは、ロール表層が、(A)シリコーン変性(メタ)アクリル系ポリマーと、(B)エーテル系ポリオール変性ジイソシアネートと、(C)イオン導電剤と、(D)架橋剤とを含有する導電性組成物の架橋体よりなることを要旨とする。
このとき、ロール表面のトナー付着力が100nN以下であると良い。ただし、トナー付着力(nN)は、ロール表面にトナーをまぶし、前記ロール表面にまぶしたトナーに遠心力をかけ、前記ロール表面におけるトナー残存率が50%である時に1個当たりのトナーにかかる遠心力(nN)とする。
また、前記ロール表面のMD−1硬度が70度以下であると良い。
また、前記エーテル系ポリオールは、ポリオキシテトラメチレングリコール(PTMG)であると良い。
そして、前記(D)成分は、2以上の官能基を有し、官能基1個当たりの分子量が1000以下であると良い。
さらに、前記(D)成分は、ポリオールであると良い。
本発明に係る電子写真機器用現像ロールによれば、ロール表面を構成する表層が、(A)シリコーン変性(メタ)アクリル系ポリマーに(B)エーテル系ポリオール変性ジイソシアネートが取り込まれ、(C)イオン導電剤を含み、さらに、(D)架橋剤を取り込んだ導電性組成物の架橋体よりなるため、残留電荷の減衰性と耐トナー固着性とを両立させることができる。これは、(A)成分に(B)成分を取り込んで(C)成分によるイオン導電性を効果的に発揮させるとともに、(A)成分に(B)成分を取り込んだときのイソシアネート残基を(D)成分により架橋して表層中のイソシアネート残基を減少させてこれを起点とするトナー付着を抑えたためと考えられる。
このとき、上記トナー付着力が100nN以下であると、トナーが固着しにくくなり、耐トナー固着性に優れる。
また、前記ロール表面のMD−1硬度が70度以下であると、ロール表面の硬度が低く抑えられているため、また、イオン成分が動きやすくなるため、残留電荷の減衰性を良好にする。
また、前記エーテル系ポリオールが、ポリオキシテトラメチレングリコール(PTMG)であると、高い電荷減衰性を発揮する。
そして、前記(D)成分が、2以上の官能基を有し、官能基1個当たりの分子量が1000以下であると、表層材料中に取り込まれやすく、確実に優れた残留電荷の減衰性と耐トナー固着性とを発揮する。
さらに、前記(D)成分がポリオールであると、表層材料中に取り込まれやすく、確実に優れた残留電荷の減衰性と耐トナー固着性とを発揮する。
次に、本発明の実施形態に係る電子写真機器用現像ロール(以下、現像ロールということがある。)について、図を参照しつつ、詳細に説明する。図1は、一実施形態に係る現像ロールを表す周方向断面図である。
図1に示すように、一実施形態に係る現像ロール10は、軸体を形成する導電性シャフト12の外周面に沿ってベースゴム層14が形成され、その外周面に中間層16が形成され、中間層16の外周に表層18が形成された構成をしている。現像ロール10は、電子写真方式を採用する複写機、プリンター、ファクシミリなどの電子写真機器に組み込まれる現像ロールであり、電子写真機器の内部に組み込まれる感光ドラムの周囲に配設される。
導電性シャフト12は、アルミニウム、ステンレス等の金属製の中実体よりなる芯金、内部を中空にくり抜いた金属製の円筒体、またはこれらにめっきが施されたものなどが挙げられる。必要に応じて、導電性シャフト12の外周面に、接着剤やプライマーなどを塗布して、接着層を形成しても良い。接着剤やプライマーなどには、必要に応じて導電化を行なっても良い。
ベースゴム層14を形成する材料としては、特に限定されるものではない。例えば、シリコーンゴム、ポリウレタン系エラストマー、エチレン−プロピレン−ジエンゴム( EPDM)、スチレン−ブタジエンゴム(SBR)、アクリロニトリル−ブタジエンゴム(NBR)、水素添加アクリロニトリル−ブタジエンゴム(H−NBR)、クロロプレンゴム(CR)等が挙げられる。なかでも、低硬度でへたりが少ないという点から、シリコーンゴムを用いることが好ましい。
ベースゴム層14には、必要に応じて、導電剤、充填剤、増量剤、補強剤、加工助剤、硬化剤、加硫促進剤、架橋剤、架橋助剤、酸化防止剤、可塑剤、紫外線吸収剤、顔料、シリコーンオイル、助剤、界面活性剤などの各種添加剤が適宜添加される。導電剤としては、カーボンブラックなどの電子導電剤や第4級アンモニウム塩などのイオン導電剤など、一般的な導電剤を用いることができる。
ベースゴム層14は、発泡体であっても良いし、中実体であっても良い。ベースゴム層14の厚みは、特に限定されるものではないが、0.1〜10mmの範囲内にあることが好ましい。より好ましくは、1〜5mmの範囲内にすると良い。
ベースゴム層14を形成するには、ベースゴム層14を構成する各成分をニーダー等の混練機で混練して形成材料を調製した後、円筒状金型の中空部に導電性シャフト12をセットし、円筒状金型と導電性シャフト12との空隙部に、形成材料を注型した後、金型に蓋をし、加熱して、形成材料を架橋させる。その後、上記円筒状金型から脱型することにより、導電性シャフト12の外周面にベースゴム層14を形成することができる。
ベースゴム層14の外周に形成される中間層16は、抵抗調整層などとして機能し得る。中間層16の形成材料としては、特に限定されるものではない。例えば、ポリウレタン系エラストマー、アクリロニトリル−ブタジエンゴム(NBR)、水素添加アクリロニトリル−ブタジエンゴム(H−NBR)、クロロプレンゴム(CR)、天然ゴム、ブタジエンゴム(BR)、ブチルゴム(IIR)、ヒドリンゴム(ECO、CO)等のゴム系材料や、ウレタン樹脂等の樹脂系材料が挙げられる。なかでも、接着性および塗工液等の安定性の点から、ポリウレタン系エラストマーやウレタン樹脂、H−NBRが好適に用いられる。
中間層16には、必要に応じて、導電剤(電子導電剤および/またはイオン導電剤)、粗さ形成剤(粗さ形成粒子など)、可塑剤、レベリング剤などの各種添加剤が1種または2種以上含まれていても良い。中間層16の厚さは、特に限定されるものではないが、1〜50μmの範囲内にあることが好ましい。より好ましくは、3〜30μmの範囲内である。
中間層16を形成するには、例えば、中間層16を形成する材料を溶剤に溶解させて塗工液を調製し、これをベースゴム層14の外周面に塗工する方法を用いることができる。この塗工法は、特に制限されるものではなく、ディッピング法、スプレー法、ロールコート法等の従来の方法を適用することができる。塗工後、乾燥および加熱架橋処理すれば、中間層16を形成することができる。
上記溶剤としては、例えば、メチルエチルケトン(MEK)、メタノール、トルエン、イソプロピルアルコール、メチルセロソルブ、ジメチルホルムアミド等があげられる。これらは1種または2種以上併用することができる。特に、材料各成分の溶解性などの観点で、MEKが好ましい。溶剤を用いる場合には、塗工しやすい粘度に調整して塗工性を高めるなどの観点から、溶液濃度を5〜30質量%の範囲内にすることが好ましい。
中間層16の外周に形成される表層18は、ロール表面の保護層として機能し得る。表層18は、上記特定成分を含有する導電性組成物の架橋体よりなる。すなわち、特定成分として、(A)シリコーン変性(メタ)アクリル系ポリマーと、(B)エーテル系ポリオール変性ジイソシアネートと、(C)イオン導電剤と、(D)架橋剤とを含有する導電性組成物の架橋体よりなる。
(A)シリコーン変性(メタ)アクリル系ポリマーは、(メタ)アクリル系ポリマーよりなる主鎖に、シロキサンから誘導される構造部分(シリコーン部分)がグラフトしてなるシリコーングラフト(メタ)アクリル系ポリマーであっても良いし、アクリル−シリコーンのブロック共重合であっても良い。より好ましくは、より一層、トナー離型性、耐トナー付着性に優れるなどの観点から、シリコーングラフト(メタ)アクリル系ポリマーである。
(メタ)アクリル系モノマーとしては、(メタ)アクリル酸およびその誘導体が挙げられる。より具体的には、(メタ)アクリル系モノマーとしては、例えば、(メタ)アクリル酸、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸オクチル、(メタ)アクリル酸ドデシル、(メタ)アクリル酸2−エチルヘキシル、(メタ)アクリル酸プロピル、(メタ)アクリル酸ブチル、(メタ)アクリル酸シクロヘキシル、(メタ)アクリル酸2,2−ジメチルプロピル、(メタ)アクリル酸−2−tert−ブチルフェニル、(メタ)アクリル酸2−ナフチル、(メタ)アクリル酸フェニル、(メタ)アクリル酸4−メトキシフェニル、(メタ)アクリル酸クロロフェニル、(メタ)アクリル酸ベンジル、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシエチル、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシプロピル、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシブチル、(メタ)アクリルアミド、N,N−ジメチル(メタ)アクリルアミド、ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレートなどを例示することができる。これらは、1種または2種以上併用することができる。
シリコーン(ポリシロキサン)のモノマーとしては、例えば、ジメチルシロキサン、ジエチルシロキサン、ジプロピルシロキサンなどのアルキル置換シロキサンなどを例示することができる。なお、ポリシロキサンをアクリル系ポリマーにグラフトさせるためには、ポリシロキサンが、上記アクリル系ポリマーのカルボン酸基、エステル基、アミド基と反応性を有する反応活性基(−OHや−NHなど)を有すると良い。
シリコーン変性量は、1〜20質量%の範囲内にあることが好ましい。シリコーン変性量が1質量%未満では、表層18の離型性が発揮されにくい。一方、シリコーン変性量が20質量%を超えると、遊離したシリコーンオイルがブリードアウトしやすく、また、アクリル系ポリマーの機械的強度が低下しやすい。
(B)エーテル系ポリオール変性ジイソシアネートは、(A)成分を架橋するなどの機能を有する。(B)エーテル系ポリオール変性ジイソシアネートは、エーテル系ポリオールの両末端にそれぞれジイソシアネートがウレタン結合されたものである。
(B)成分を構成するエーテル系ポリオールとしては、比較的低分子量の多価アルコール1種または2種以上にエチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、ブチレンオキサイドなどの1種または2種以上を付加重合させて得られるポリエーテルポリオールや、テトラヒドロフランを開環重合させて得られるポリテトラメチレンエーテルグリコール(PTMEG)などが挙げられる。
エーテル系ポリオールとしては、具体的には、例えば、ポリオキシテトラメチレングリコール(PTMG)、ポリエチレングリコール(PEG)、ポリオキシプロピレングリコール(PPG)などを例示することができる。これらは1種または2種以上併用しても良い。好ましくは、電荷減衰性に優れるなどの観点から、PTMGである。
上記エーテル系ポリオールの官能基1個当たりの分子量(数平均分子量)の範囲としては、好ましくは100〜1500である。より好ましくは、300〜800の範囲内である。上記エーテル系ポリオールの官能基1個当たりの分子量が100未満では、(B)成分中のエーテル系ポリオールの割合が小さくなりすぎて、電荷減衰性を向上させる効果などが低下しやすい。一方、上記エーテル系ポリオールの官能基1個当たりの分子量が1500を超えると、(B)成分中のエーテル系ポリオールの割合が大きくなりすぎて、機械的強度が低下しやすい。
(B)成分を構成するジイソシアネートとしては、例えば、ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)、MDIの多量体であるMDIヌレート、ポリメチレンポリフェニレンポリイソシアネート(ポリメリックMDI)、MDIやポリメリックMDIの混合物であるクルードMDI(c−MDI)、トリレンジイソシアネート(TDI)、TDIの多量体であるTDIヌレート、p−フェニレンジイソシアネート、m−フェニレンジイソシアネート、3,3’−ジメトキシ−4,4’−ビフェニレンジイソシアネート、2,6−ナフタレンジイソシアネート、3,3’−ジメチル−4,4’−ビフェニレンジイソシアネート、4,4’−ジフェニレンジイソシアネート、4,4’−ジイソシアネートジフェニルエーテル、1,5−ナフタレンジイソシアネート、m−キシレンジイソシアネート等の芳香族ジイソシアネート、1,6−ヘキサメチレンジイソシアネート(HDI)、HDIの多量体であるHDIヌレート、イソホロンジイソシアネート、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネートの水添化物のような脂肪族、脂環族ジイソシアネート、またはこれらを尿素化、ビュレット化、アロファネート化、カルボジイミド化、ウレタン化などした変性体などが挙げられる。これらは1種または2種以上併用しても良い。これらのうち、TDI、TDIヌレートまたはTDI変性体が好ましい。
(C)イオン導電剤としては、例えば、下記式(1)で表される4級アンモニウム塩、下記式(2)で表されるホウ酸塩、界面活性剤などが挙げられる。これらは1種または2種以上混合されていても良い。
下記式(1)において、R1、R2、R3、R4は、炭素数1〜18のアルキル基またはアリール基であり、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ヘキシル基、オクチル基、デシル基、フェニル基、キシリル基などを示し、Xn−はn価の陰イオンを示し、nは1〜6の整数を示す。n価の陰イオンとしては、ハロゲンイオン、ClO 、BF 、SO 2−、HSO 、CSO などが挙げられる。
また、下記式(2)において、R1、R2、R3、R4は、炭素数1〜18のアルキル基またはアリール基であり、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ヘキシル基、オクチル基、デシル基、フェニル基、キシリル基などを示し、Mn+はアルカリ金属イオンもしくはアルカリ土類金属イオンであり、リチウムイオン、ナトリウムイオン、カリウムイオン、カルシウムイオンなどを示し、nは1〜2の整数を示す。
Figure 2009204875
Figure 2009204875
(C)イオン導電剤の含有量の下限値は、(B)成分100質量部に対し、好ましくは、0.01質量部以上、より好ましくは、0.1質量部以上であると良い。一方、(C)イオン導電剤の含有量の上限値は、(B)成分100質量部に対し、好ましくは、50質量部以下、より好ましくは、10質量部以下であると良い。
(D)架橋剤は、イソシアネート基と反応する官能基を有する架橋剤である。すなわち、−OH基や−NH基などのイソシアネート基と反応する官能基を有している架橋剤である。表層材料中に取り込まれやすいなどの観点から、より好ましくはポリオールである。
(D)架橋剤は、官能基数が2以上であることが好ましい。また、(D)架橋剤は、官能基1個当たりの分子量が1000以下であることが好ましい。より好ましくは、官能基1個当たりの分子量が500以下である。さらに好ましくは、官能基1個当たりの分子量が50以下である。官能基1個当たりの分子量が1000を超えると、樹脂組成物中における(D)成分の混ざりが悪くなり、遊離した(D)成分がブリードアウトしやすくなる。また、樹脂組成物が硬くなりすぎて、イオン導電剤による電荷減衰性を向上させる機能が発揮されにくくなる。
(D)架橋剤としては、具体的には、例えば、トリメチロールプロパン(TMP)、1,4−ブタンジオール、ポリカプロラクトンジオールなどを例示することができる。より好ましくは、架橋剤がブルーム、ブリードしにくい、架橋度を向上させやすいなどの観点から、TMPである。
上記樹脂組成物により形成される表層18のトナー付着力(ロール表面のトナー付着力)は、100nN以下であることが好ましい。トナー付着力が100nN以下であると、トナーが固着しにくくなり、耐トナー固着性に優れる。より好ましくは、45nN以下である。この範囲内であれば、より一層、トナーが固着しにくくなる。さらに好ましくは、10〜30nNの範囲内である。
本願において、トナーの付着とトナーの固着とは、異なる概念のものとしている。すなわち、トナーの付着とは、単にロールの表面にトナーが付いた状態であり、遠心力によりロール表面からトナーが除去されうる状態のものをいう。一方、トナーの固着とは、潰れたりしてトナーがロール表面にへばりついており、遠心力によってはロール表面からトナーが除去されない状態のものをいう。トナーの付着は、トナーの固着が生じるための前段階にある状態である。
そして、本願では、上述する表層材料において、トナーが所定の付着力以上の力で付着すると、トナー固着の原因となりやすいことをつきとめたため、上記するように、トナー付着力を特定値以下に規定することでトナー固着を回避しやすくするとしている。
このように規定すると良い理由は詳細には分からないが、上記表層材料からなる表面においては、トナーが単に付着しただけでは固着状態になっておらず、ロール表面を汚すことにはならない。しかしながら、特定のトナー付着力以上になると、付着したトナーが脱離しないでそのままロール表面に残留しやすくなり、トナーが堆積しはじめ、ブレードなどの相手側部材によりトナーがロール表面上で押し付けられて、トナー固着が生じるためと考えられる。すなわち、トナー付着力は、トナーの残留しやすさ、堆積しやすさを表す1つの指標として見ることができる。
そして、本願においては、トナー付着力は、ロール表面にトナーをまぶし、ロール表面にまぶしたトナーに遠心力をかけ、ロール表面におけるトナー残存率が50%である時に1個当たりのトナーにかかる遠心力(nN)としている。なお、ここでいうトナーとは、本願に係る現像ロールに用いられるトナーである。
より具体的には、図2(a)に示すように、現像ロール10をカットして治具20に固定し、固定した現像ロール10の表面にトナー22をまぶす。このとき、例えば、トナー22は、ロール表面上に、密度0.5〜2g/mの範囲内でまぶすようにすることが好ましい。次いで、図2(b)に示すように、現像ロール10の表面にまぶしたトナー22の状態を顕微鏡24で観察して、ロール表面上のトナー量を測定する。
次いで、図2(c)に示すように、トナー22をまぶした現像ロール10を回転させて、トナー22に所定の遠心力をかける。このとき、現像ロール10の表面を、遠心力のかかる方向に(外側に)向け、回転装置26により、現像ロール10を回転させるようにすると良い。トナー22に所定の遠心力をかけることにより、この遠心力よりも小さい付着力により現像ロール10の表面に付着されているトナー22が現像ロール10の表面から離れて飛ぶ(脱離する)。次いで、図2(d)に示すように、図2(b)における観察場所と同じ場所を顕微鏡24で観察して、ロール表面上に残存しているトナー量を測定する。
このとき、現像ロール10の表面にトナー22をまぶした直後の、現像ロール10を回転させていない状態(図2(b)の状態)におけるトナー量と、トナー22に所定の遠心力をかけた後のトナー量とを比較することにより、所定の遠心力がかかったときのトナー22の残存率(%)を算出することができる。
次いで、先ほどよりも遠心力を高くして、再び現像ロール10を回転させてトナー22に遠心力をかけた後(再び図2(c))、再びロール表面上に残存しているトナー量を測定する(再び図2(d))。これを繰り返して、トナー22にかかる遠心力と、トナー残存率との関係を求め、図3に示すようなグラフに表す。すなわち、例えば、トナー22にかかる遠心力をx成分とし、トナー残存率をy成分として、図3に示すようなグラフに表す。なお、x成分とy成分とが反対であっても良い。
ここで、1個当たりのトナー22にかかる遠心力は、以下のようにして算出することができる。すなわち、1kg(1000g)の物に1000Gの遠心力がかかる場合、9800Nの力がかかることになる。トナーの粒子径は分布を持っているため、トナー1個当たりの質量も分布を持っている。トナー1個当たりの平均質量は、トナーの平均比重と、トナーの平均粒子径とから算出することができる。トナー1個当たりの平均質量がA(ng)であるとすると、このトナー1個には、9.8A(nN)の遠心力がかかることになる。所定の平均質量に対して、トナーにかかる遠心力を算出し、これを各x成分とする。
以上のようにして、トナー22にかかる遠心力と、トナー残存率との関係を求める。トナー22の粒子径は分布を持っているため、トナー付着力も分布を持っている。したがって、累積で50%の粒子が外れた時の遠心力(トナーの残存率が50%である時にトナーにかかる遠心力)を、トナー付着力とする。
上記するトナー付着力を測定する好適な測定装置としては、例えば、(株)ナノシーズ製の遠心法付着力測定装置「NS−C100」などを挙げることができる。本装置を用いることにより、図2(c)に示すような状態にロールを回転させることが簡便にできる。また、本装置を用いることにより、図2(b)、(d)において、ロール表面におけるトナー量を付属の顕微鏡で観察し、撮影した画像を画像処理することで、容易にロール表面のトナー量を計測することができる。
現像ロール10の表面硬度(MD−1硬度)は、70度以下であることが好ましい。MD−1硬度が70度を超えると、ロール表面の硬度が高くなりすぎて、残留電荷の減衰性が悪化しやすい。より好ましくは、MD−1硬度が40〜65度の範囲内である。この範囲内にあれば、ロール表面が柔軟になりすぎず、トナーの食い込みを抑えるとともに、ロール表面の硬度を低く抑えて、残留電荷の減衰性を良好にする。また、ロール表面と接触する相手部材やトナーのストレスの原因となりにくく、耐久時の画像が悪化するのを抑えることができる。
表層18の配合成分全体において、ポリオールのヒドロキシル基に対するイソシアネートのイソシアネート基の割合(以下、NCOインデックスという。)は、90〜150の範囲内にあることが好ましい。この範囲内にすることにより、残存するイソシアネート基が減少して、トナー付着性が低下し、耐トナー固着性が良好になりやすい。
現像ロール10においては、上記する各物性値(トナー付着力、MD−1硬度、NCOインデックス)になるように、表層18を構成する上記(A)〜(D)成分を配合することが好ましい。なお、MD−1硬度は、ロールの表面硬度であるため、表層18の内側にある中間層16やベースゴム層14などの硬度も考慮すると良い。
表層18には、必要に応じて、導電剤(電子導電剤および/またはイオン導電剤)、粗さ形成剤(粗さ形成粒子など)、可塑剤、レベリング剤などの各種添加剤が1種または2種以上含まれていても良い。表層18の厚さは、特に限定されるものではないが、0.1〜50μmの範囲内にあることが好ましい。より好ましくは、0.5〜30μmの範囲内である。
表層18を形成するには、例えば、表層18を形成する上記材料を溶剤に溶解させて塗工液を調製し、これを中間層16の外周面に塗工する方法を用いることができる。この塗工法は、特に制限されるものではなく、ディッピング法、スプレー法、ロールコート法等の従来の方法を適用することができる。塗工後、乾燥および加熱架橋処理すれば、表層18を形成することができる。
上記溶剤としては、例えば、メチルエチルケトン(MEK)、メタノール、トルエン、イソプロピルアルコール、メチルセロソルブ、ジメチルホルムアミド等があげられる。これらは1種または2種以上併用することができる。特に、材料各成分の溶解性などの観点で、MEKが好ましい。溶剤を用いる場合には、塗工しやすい粘度に調整して塗工性を高めるなどの観点から、溶液濃度を5〜30質量%の範囲内にすることが好ましい。
現像ロール10の表面には、粗さが付与されていることが好ましい。表面に適度な粗さが付与されていると、トナー搬送性を高めることができる。表面に粗さを付与するには、例えば、微細な凹凸形状を有する金型によりベースゴム層14の表面に凹凸形状を転写する方法や、中間層16や表層18中に粗さ形成粒子を含有させる方法などがある。
粗さ形成粒子の平均粒径は、例えば、現像ロール10において、トナー帯電性やトナー搬送性などに優れる観点から、1〜50μmの範囲内にあることが好ましい。平均粒径は、粒度測定器により測定することができる。粒度測定器としては、例えば、日機装(株)製のマイクロトラックUPA−ST150などが挙げられる。粗さ形成粒子の形成材料は、特に限定されるものではないが、例えば、シリカ、ウレタン樹脂、ポリアミド樹脂、フッ素樹脂、アクリル樹脂、尿素樹脂、シリコーン樹脂等があげられる。これらは、1種または2種以上併用することができる。なかでも、現像ロールにおいて、トナーの高帯電化が可能なシリカを好適に用いることができる。
粗さ形成粒子の配合量は、例えば、現像ロールにおいて、トナー帯電性やトナー搬送性などに優れる観点から、中間層16または表層18を形成する材料中のポリマー成分100重量部に対して5〜50重量部とすることが好ましい。
現像ロール10の体積抵抗は、1×10〜1×10Ωの範囲内にあることが好ましい。体積抵抗が1×10Ω未満では、導電剤の体積比率が増大し、十分な耐圧が得られにくい。一方、体積抵抗が1×10Ωを超えると、導電剤の体積比率が低減し、抵抗ムラが生じやすい。
以下、実施例を用いて本発明を詳細に説明する。
(実施例1)
<ベースゴム層組成物(1)の調製>
導電性液状シリコーンゴム(信越化学工業(株)製、「X34−387A/B」)をスタティックミキサにて混合し、ベースゴム層組成物(1)を調製した。
<中間層組成物の調製>
ポリウレタン系エラストマー(坂井化学社製、「UN278」)100質量部と、カーボンブラック(電気化学工業製、「デンカブラック」)20質量部と、架橋剤(日本ポリウレタン社製、「コロネートT−100」)10質量部と、MEK400質量部とを混合して得られるポリマーの溶液に、ウレタン粒子(大日本インキ化学工業社製、「バーノックCFB100」、平均粒径20μm)20質量部を分散して混合、撹拌することにより、中間層組成物を調製した。
<表層組成物の調製>
(エーテル系ポリオール変性ジイソシアネートの調製)
窒素ガスで充分に置換し乾燥させた2Lオートクレーブ中に、ポリエーテルポリオール(BASF社製、「PolyTHF650」、グリセリンPO付加物、水酸基価225mg/KOHg)100質量部と、トリレンジイソシアネート(TDI、日本ポリウレタン社製、「コロネートT−100」)53.5質量部とを仕込み、さらに窒素ガスにて充分に上方置換させた後密閉し、120℃で20時間撹拌・混合し反応させた。その後減圧下で未反応のTDIを除去した後トルエンを加えて不揮発分90質量%のエーテル系ポリオール変性ジイソシアネートを得た。このものはイソシアネート含有量8.4%であった。
(表層組成物の調製)
シリコーングラフトアクリルポリマー(日本油脂社製、「モディパーFS700」)100質量部と、上記エーテル系ポリオール変性ジイソシアネート30質量部と、下記式(3)で示されるイオン導電剤1質量部と、架橋剤(トリメチロールプロパン、広栄化学工業社製、「トリメチロールプロパン」、分子量44.7)2.7質量部と、MEK400質量部とを混合することにより、表層組成物を調製した。
Figure 2009204875
<現像ロールの作製>
外周面に接着剤を塗布した導電性シャフト(φ6mm、長さ270mm)を同軸にセットした円筒状金型内にベースゴム層組成物(1)を注入し、180℃で50分間加熱した後、冷却、脱型した。これにより、導電性シャフトの外周に厚さ3mmのベースゴム層を有するロール体を作製した。このロール体について、ロール体表面のアスカーC硬度を測定したところ、40°であった。アスカーC硬度は、ゴム硬度計(高分子計器社製、「アスカーC」)を用い、JIS K7312に準拠して測定した(荷重500g)。また、アスカーC硬度は、ロール面長の中央において、周方向に等間隔で3箇所につき測定した平均値である。
次いで、ロール体の表面にロールコート法により中間層組成物をコーティングした後、170℃で60分熱処理してベースゴム層の外周に厚さ10μmの中間層を形成した。次いで、中間層の表面にロールコート法により表層組成物をコーティングした後、150℃で60分熱処理して中間層の外周に厚さ1μmの表層を形成した。以上のようにして、実施例1に係る現像ロールを作製した。
(実施例2〜5)
実施例1の表層組成物の調製において、架橋剤の配合量を表1に記載する配合量とした点以外は実施例1と同様にして実施例2〜5に係る現像ロールを作製した。
(実施例6)
実施例1の表層組成物の調製において、架橋剤を、トリメチロールプロパン2.7質量部に代えて、ポリカプロラクトンジオール(ダイセル化学工業社製、「PLACCEL210、官能基1個当たりの分子量500」33質量部とした点以外は実施例1と同様にして実施例6に係る現像ロールを作製した。
(実施例7〜8)
実施例1の表層組成物の調製において、架橋剤を、トリメチロールプロパン2.7質量部に代えて、ポリカプロラクトンジオール(ダイセル化学工業社製、「PLACCEL220」、官能基1個当たりの分子量1000)とし、架橋剤の配合量を表1に記載する配合量とした点以外は実施例1と同様にして実施例7〜8に係る現像ロールを作製した。
(実施例9)
<ベースゴム層組成物(2)の調製>
両末端がトリメチルシロキシ基で封鎖され側鎖にビニル基を有するジメチルポリシロキサンA(重合度1000、ビニル基含有量0.00009mol/g)40質量部、生ゴム状ジメチルポリシロキサンB(重合度8000、ビニル基含有量0.00008mol/g)10質量部、BET法による比表面積が110m/gである疎水化処理されたヒュームドシリカ(R−972、日本アエロジル社製)1質量部、アセチレンブラック(デンカブラックHS−100、電気化学工業社製)3質量部をプラネタリーミキサーに入れ、30分間撹拌を続けた後、3本ロールに1回通した。これをプラネタリーミキサーに戻した後、更にジメチルポリシロキサンBを50質量部加えて、30分間攪拌を継続した。その後、架橋剤として両末端及び側鎖にSi−H基を有するメチルハイドロジェンポリシロキサン(重合度17、Si−H量0.0060mol/g)2.1質量部、反応制御剤としてエチニルシクロヘキサノール0.05質量部、白金触媒(Pt濃度1%)0.1質量部を添加し、15分間撹拌を続けて、導電性液状シリコーンゴムを得た。得られた導電性液状シリコーンゴムを、ベースゴム層組成物(2)とした。
実施例4において、ベースゴム層組成物(1)に代えて、ベースゴム層組成物(2)を用いた点以外は実施例4と同様にして実施例9に係る現像ロールを作製した。このとき、導電性シャフトの外周にベースゴム層を形成してなるロール体について、実施例1と同様に、ロール体表面のアスカーC硬度を測定したところ、30°であった。
(比較例1)
実施例1の表層組成物の調製において、シリコーングラフトアクリルポリマーを配合しなかった点以外は実施例1と同様にして比較例1に係る現像ロールを作製した。
(比較例2)
実施例1の表層組成物の調製において、エーテル系ポリオール変性ジイソシアネートを配合しなかった点以外は実施例1と同様にして比較例2に係る現像ロールを作製した。
(比較例3)
実施例1の表層組成物の調製において、イオン導電剤を配合しなかった点以外は実施例1と同様にして比較例3に係る現像ロールを作製した。
(比較例4)
実施例1の表層組成物の調製において、架橋剤を配合しなかった点以外は実施例1と同様にして比較例4に係る現像ロールを作製した。
(比較例5)
実施例1の表層組成物の調製において、イオン導電剤および架橋剤を配合しなかった点以外は実施例1と同様にして比較例5に係る現像ロールを作製した。
<各現像ロールの評価>
実施例および比較例に係る各現像ロールについて、下記測定方法、評価方法に基づき、トナー付着力、MD−1硬度、残留電位を測定し、耐トナー固着性、残留電荷減衰性を評価した。これらの結果を表1に示す。
(トナー付着力)
(株)ナノシーズ製の遠心法付着力測定装置「NS−C100」を用いて、各現像ロールについてトナー付着力を測定、算出した。すなわち、トナー(ヒューレットパッカード社製、「カラーレーザージェット4700DN」マゼンダトナー、平均比重1.3g/cm、平均粒子径8μm、平均質量0.37μg)をロール表面に密度1g/mでまぶし、図2に示すようにロール表面を外側に向けてロールを回転させて、トナーが付着したロール表面に、2000G、4000G、8000G、16000Gの遠心力を段階的にかけた。ロールを回転させる前のロール表面と、各段階後におけるロール表面とを、装置に付属する顕微鏡で観察し、撮影した画像を画像処理して、ロールを回転させる前のロール表面上のトナー量と、各段階後におけるトナー残存量とをそれぞれ計測した。
各段階後におけるトナー残存量を、初期のロール表面上のトナー量に対する比で表して、これを各段階後におけるトナー残留率(%)とした。そして、ロールにかけた遠心力(2000G、4000G、8000G、16000G)を、トナー(平均質量0.37μg)1個当たりにかかる遠心力に換算した。これらから、トナー1個当たりにかかる遠心力(nN)とトナー残留率(%)との関係をグラフに表し、このグラフから算出されるトナー残留率が50%となるときのトナー1個当たりにかかる遠心力(nN)をトナー付着力(nN)とした。
(MD−1硬度)
各現像ロールの表面硬度を、MD−1硬度計(高分子計器(株)製、「マイクロゴム硬度計MD−1型」)により測定(N=3)した。
(耐トナー固着性)
ロール表面上にトナーを均一にまぶした各現像ロールのロール表面上に先端が角張った荷重(1kg)をのせ、40℃×95%RHの環境で1ヶ月間放置した。その後、各現像ロールを市販のカラーレーザープリンター(キヤノン(株)製、LBP−2510)のカートリッジに組み込み、ハーフトーンの画像出しを15℃×10%RH環境下で行なった。その結果、出力画像にスジ状の画像不具合が全く出ない場合を「◎」、出力画像にスジ状の画像不具合が出たが、3枚画出しするとスジ状の画像不具合が消えた場合を「○」、出力画像にスジ状の画像不具合が出続けて消えない場合を「×」とした。
(残留電荷減衰性)
図4の模式図に示すように、23℃×53%RHの環境下、回転数64rpmで現像ロール30を矢印方向に回転させながら、コロナ放電線32を用いて、100μAのコロナ電流を印加して現像ロール30の表面を帯電した。そして、上記コロナ放電線32から1/4周期分後方の位置に配した表面電位計34により上記現像ロール30表面の残留電位を測定した。測定はロールを回転させたままで行なった。ロール抵抗(製品抵抗)が1×10〜1×10[Ω・cm]の範囲内において、残留電位が80V以下の場合を「◎」、残留電位が80V超150V未満の場合を「○」、残留電位が150V以上の場合を「×」とした。
Figure 2009204875
比較例1では、表層材料にシリコーングラフトアクリルポリマーが配合されていないため、トナー付着が発生しやすくなっている。また、表層材料にシリコーングラフトアクリルポリマーが配合されていないため、エーテル系ポリオール変性ジイソシアネート成分の多くが未架橋になり、残存イソシアネート基が起点となってトナー付着が発生しやすくなっている。そのため、耐トナー固着性に劣っている。
比較例2では、表層材料にエーテル系ポリオール変性ジイソシアネートが配合されていないため、イオン導電剤による導電効果が発揮されにくくなっている。また、表面硬度が高くなっている。そのため、残留電荷減衰性に劣っている。比較例3では、表層材料にイオン導電剤が配合されていないため、イオン導電性がない。そのため、残留電荷減衰性に劣っている。
比較例4では、表層材料に、エーテル系ポリオール変性ジイソシアネートの未架橋部分のイソシアネート基と反応する架橋剤が配合されていない。そのため、残存イソシアネート基が起点となってトナー付着が発生しやすく、耐トナー固着性に劣っている。比較例5では、表層材料にイオン導電剤と架橋剤が配合されていない。そのため、耐トナー固着性と残留電荷減衰性の両方に劣っている。
これに対し、実施例に係る各現像ロールは、上記特定成分をすべて含有しているため、耐トナー固着性と残留電荷減衰性の両方に優れていることが確認できた。特に、トナー付着力が100nN以下、さらに45nN以下であると、より一層、耐トナー固着性に優れていることが確認できた。また、ロール表面のMD−1硬度が70度以下、さらに63度以下であると、より一層、残留電荷減衰性に優れていることが確認できた。
以上、本発明の実施形態について詳細に説明したが、本発明は上記実施例に何ら限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の改変が可能である。
例えば上記実施形態では、現像ロール10は、軸体12の外周に、ベースゴム層14、中間層16、表層18がこの順で積層された構成をしているが、例えば、中間層16がなく、ベースゴム層14と表層18とがこの順で積層された構成であっても良い。また、2層以上の中間層16を有する構成であっても良いのは勿論である。
一実施形態に係る電子写真機器用現像ロールを表す周方向断面図である。 トナー付着力の測定方法を説明する模式図である。 トナーにかかる遠心力とトナー残存率との関係を表す模式的なグラフである。 残留電位の測定方法を説明する模式図である。
符号の説明
10 電子写真機器用現像ロール
12 導電性シャフト
14 ベースゴム層
16 中間層
18 表層

Claims (6)

  1. ロール表層が、下記成分を含有する導電性組成物の架橋体よりなることを特徴とする電子写真機器用現像ロール。
    (A)シリコーン変性(メタ)アクリル系ポリマー
    (B)エーテル系ポリオール変性ジイソシアネート
    (C)イオン導電剤
    (D)架橋剤
  2. ロール表面のトナー付着力が100nN以下であることを特徴とする請求項1に記載の電子写真機器用現像ロール。
    ただし、トナー付着力(nN)は、
    ロール表面にトナーをまぶし、前記ロール表面にまぶしたトナーに遠心力をかけ、前記ロール表面におけるトナー残存率が50%である時に1個当たりのトナーにかかる遠心力(nN)とする。
  3. 前記ロール表面のMD−1硬度が70度以下であることを特徴とする請求項1または2に記載の電子写真機器用現像ロール。
  4. 前記エーテル系ポリオールが、ポリオキシテトラメチレングリコール(PTMG)であることを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載の電子写真機器用現像ロール。
  5. 前記(D)架橋剤が、2以上の官能基を有し、官能基1個当たりの分子量が1000以下であることを特徴とする請求項1から4のいずれかに記載の電子写真機器用現像ロール。
  6. 前記(D)架橋剤が、ポリオールであることを特徴とする請求項1から5のいずれかに記載の電子写真機器用現像ロール。
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