JP2021051111A - 現像ローラ - Google Patents

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祐輔 藤沢
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Abstract

【課題】成層ブレードと現像ローラとの間、及び感光体と現像ローラとの間にそれぞれ発生する応力によるトナー・ダメージを減少させ、その結果、経時使用による印字でのトナー搬送量の過上昇が抑制される現像ローラ、並びに前記現像ローラを使用する画像形成装置を提供する。【解決手段】シャフト1と、該シャフト1の半径方向外周部に、基層2、及び表層5が順次形成されてなる現像ローラ26であって、1)基層2と表層5の間に低反発層4を配設し、2)温度23℃、振幅±20μm、周波数6Hzの条件で測定した場合、低反発層4の損失正接tanδ値が、基層2、及び表層5の何れの層の損失正接tanδ値よりも大きく、3)以下の式(1)で規定する、現像ローラ26のアスカーC硬度・肉厚値が500以下である、現像ローラ26。現像ローラ26のアスカーC硬度・肉厚値=現像ローラ26のアスカーC硬度×(現像ローラ26の肉厚+6)・・・(1)。【選択図】図2

Description

本発明は、現像ローラに関する。
コピー機、レーザービームプリンター等に代表される画像形成装置では、
1) 感光体の表面を一様に帯電させる(帯電)、
2) 被写体の映像を光学系で読み取り、この映像情報を光として前記感光体に投射し(露光)、前記光の当たった感光体部分の帯電を消去することによって潜像を形成させる(静電潜像形成)、
3) 静電潜像が形成された感光体にトナーを付着させ、静電潜像からトナー像を形成させる(現像)、
4) 紙等の記録媒体にトナー像を重ね、固定させる(転写・定着)、
5) 感光体に残ったトナーを取り除く(感光体のクリーニング)、
6) 感光体の表面の帯電を全て取り除く(除電)、
といった一連プロセスにより画像形成・印刷が行われ、更にこれら一連のプロセスがサイクルとして繰り返される。
この画像形成・印刷の一連のプロセス中、「現像」に係る工程を、図1を参照して更に詳細に説明をする。画像形成技術における着色材料であるトナー24は、トナー収容部21からトナー供給ローラ25によって現像ローラ26の表面に供給され、成層ブレード27によって現像ローラ26の表面上で均一な薄層に整えられると共に摩擦帯電される。そしてこの均一な薄層で摩擦帯電されたトナー24は、次に、現像ローラ26によって感光体23に搬送され、感光体23の表面上に保持された静電潜像上に付着し、トナー像が形成される。
前記トナー24が成層ブレード27によって現像ローラ26の表面上で均一な薄層に整えられると共に摩擦帯電される局面においては、この目的のために成層ブレード27と現像ローラ26との間に発生する応力によって、又、前記トナー24が現像ローラ26によって感光体23に搬送され、感光体23の表面上に保持された静電潜像上に付着し、トナー像が形成される局面においては、この目的のために感光体23と現像ローラ26との間に発生する応力によって、しばしば現像ローラ26表面上のトナーが物理的なダメージ(トナー・ダメージ)を受ける。このトナー・ダメージは、トナー帯電不良、トナー付着不良、トナー融解固着によるフィルミング・トナー塊形成等を引き起こし、何れも、現像ローラによるトナー搬送量の過上昇という結果をもたらして、画像形成・印刷の品質低下という問題として顕在化する。特に近年、画像形成装置に対して、高速化、画像の微細性の向上、及びカラー画像化等の要求が高まってきており、トナー・ダメージによる現像ローラのトナー搬送量の過上昇は益々大きな問題となってきている。
このような中、長期間、安定して良好な画像形成・印刷の品質を得るために、トナー・ダメージを抑制することが求められ、トナーを改良することも行われてきているが、現像ローラ側からの対策としても、その設計思想が重要となってきている。
本発明は、かかる状況を鑑みて成されたものであり、成層ブレードと現像ローラとの間、及び感光体と現像ローラとの間にそれぞれ発生する応力によるトナー・ダメージを減少させ、その結果、経時使用による印字でのトナー搬送量の過上昇が抑制される現像ローラを提供するものである。又、本発明は、前記現像ローラを使用する画像形成装置を提供するものである。
本発明者らは、シャフトと、該シャフトの半径方向外周部に、基層、及び表層が順次形成されてなる現像ローラについて、上記課題を解決するべく、前記現像ローラの各層の設計について様々な検討を行った。その結果、1) 前記基層と前記表層の間に低反発層を配設し、2) 前記低反発層の損失正接 tanδ 値が、基層、及び表層の何れの層の損失正接 tanδ 値よりも大きく、3) アスカー C 硬度・肉厚値が 500 以下である、現像ローラで、経時使用による印字でのトナー搬送量の過上昇を抑制できることを見出し、本発明を完成させるに至った。
即ち、本発明の現像ローラは、
[項1]: シャフトと、該シャフトの半径方向外周部に、基層、及び表層が順次形成されてなる現像ローラであって、
1) 前記基層と前記表層の間に低反発層を配設し、
2) 温度 23℃、振幅±20 μm、周波数 6 Hz の条件で測定した場合、前記低反発層の損失正接 tanδ 値が、前記基層、及び前記表層の何れの層の損失正接 tanδ 値よりも大きく、
3) 以下の式(1)で規定する、現像ローラのアスカー C 硬度・肉厚値が 500 以下である、
現像ローラ。
現像ローラのアスカー C 硬度・肉厚値
=現像ローラのアスカー C 硬度×(現像ローラの肉厚+6)・・・(1)、
現像ローラのアスカー C 硬度:1 kg 荷重での測定値、
現像ローラの肉厚:前記シャフトの半径方向の、現像ローラの前記シャフトの表面から前記表層の表面までの距離(単位は mm)、
である。
かかる現像ローラは、低反発及び低硬度であることから、成層ブレードと現像ローラとの間、及び感光体と現像ローラとの間にそれぞれ発生する応力によるトナー・ダメージが減少し、その結果、トナー搬送量の過上昇が抑制される。
又、本発明の現像ローラは、
[項2]: 前記現像ローラの CIT クリープ率が 5.0 % 以上である、項1に記載の現像ローラ、
であることが好ましい。
かかる現像ローラは、より低反発であり、及びより低硬度であることから、成層ブレードと現像ローラとの間、及び感光体と現像ローラとの間にそれぞれ発生する応力によるトナー・ダメージがより減少し、その結果、トナー搬送量の過上昇がより抑制される。
更に、本発明の現像ローラは、
[項3]: 前記低反発層が、水系ウレタン樹脂を含有する、項1又は2に記載の現像ローラ、
であることが好ましい。
水系ウレタン樹脂は、損失正接 tanδ 値を大きくすることでより低反発にしやすく、及びより低硬度であることから、成層ブレードと現像ローラとの間、及び感光体と現像ローラとの間にそれぞれ発生する応力によるトナー・ダメージがより減少し、その結果、トナー搬送量の過上昇がより抑制される。又、かかる現像ローラは、製造し易く、環境にやさしく、低製造コストである。
又更に、本発明の現像ローラは、
[項4]: 前記表層が、ウレタン樹脂の粒子を含有する、項1から3の何れか一項に記載の現像ローラ、
であることが好ましい。
かかる現像ローラは、現像ローラ表面へのトナーの付着性を高めるため、及び現像ローラ表面と成層ブレードとの間に空間部分を確保するための凹凸構造が形成され、且つより低硬度である。成層ブレードと現像ローラとの間、及び感光体と現像ローラとの間にそれぞれ発生する応力によるトナー・ダメージがより減少し、その結果、トナー搬送量の過上昇がより抑制される。
加えて、本発明の現像ローラは、
[項5]: 前記低反発層の厚さが、40 μm 以上である、項1から4の何れか一項に記載の現像ローラ、
であることが好ましい。
かかる現像ローラは、より低反発であり、及びより低硬度であることから、成層ブレードと現像ローラとの間、及び感光体と現像ローラとの間にそれぞれ発生する応力によるトナー・ダメージがより減少し、その結果、トナー搬送量の過上昇がより抑制される。
又加えて、本発明の画像形成装置は、
[項6]: 項1から5の何れか一項に記載の現像ローラを使用する画像形成装置、
である。
かかる画像形成装置は、画像形成・印刷の品質が良好で、その良好な状態がより長期間持続する。
本発明によれば、現像ローラの低反発化及び低硬度化によって、成層ブレードと現像ローラとの間、及び感光体と現像ローラとの間にそれぞれ発生する応力によるトナー・ダメージを減少させ、その結果、経時使用による印字でのトナー搬送量の過上昇が抑制される現像ローラが提供される。又、本発明によれば、前記現像ローラを使用する画像形成装置も提供される。
画像形成装置の一例を模式的に示した部分断面図である。 本発明の現像ローラの一実施形態を、模式的に示した断面図である。 図2の枠内部分を拡大した図である。 本発明の現像ローラの別の一実施形態を、模式的に示した断面図である。 従来の現像ローラで、成層ブレードと現像ローラとの間に発生する応力によるトナー・ダメージが発生する様子を、模式的に示した図である。 一実施形態としての本発明の現像ローラで、低反発化及び低硬度化により、成層ブレードと現像ローラとの間に発生する応力によるトナー・ダメージが減少する様子を、模式的に示した図である。
以下に、本発明の実施形態について具体的に説明する。これらの記載は、本発明の例示を目的とするものであり、本発明を何ら限定するものではない。
以下、本発明の現像ローラの各構成部材について説明する。
本発明の現像ローラの構造は、図2の本発明の現像ローラの一実施形態として示すように、シャフト1を備え、該シャフトの半径方向外周部に、基層2、及び表層5が順次形成されてなる現像ローラ26であって、前記基層2と前記表層5の間に低反発層4が配設される、ものである。
(シャフト)
本発明の現像ローラに係る前記シャフトとしては、良好な導電性を有するものである限り特に制限はなく、例えば、鉄、ステンレススチール、アルミニウム等の金属製の中実体からなる芯金や、内部を中空にくりぬいた金属製円筒体等の金属製シャフト、良導電性のプラスチック製シャフト等を用いることができる。
(基層)
本発明の現像ローラに係る前記基層は、典型的には、前記シャフトの半径方向外周部に形成される各層の中で最もシャフト寄りの層であることがあり、典型的には、シャフトの半径方向外周部に前記シャフトと直接隣接して形成されることがある。又、本発明の現像ローラに係る基層は、典型的には、前記シャフトの半径方向外周部に形成される各層の中で最も厚い層であることがある。前記基層は、前記現像ローラの形状、弾性、硬度に主として寄与するものである。
前記基層は、現像ローラが均一な現像ニップを得るために、一定の弾性を持つことが一つの重要な特性になっており、その観点から、発泡体から形成することができる。具体的には、例えば、ポリウレタン、シリコーンゴム、エチレン−プロピレン−ジエンゴム(EPDM)、アクリロニトリル−ブタジエンゴム(NBR)、天然ゴム、スチレン−ブタジエンゴム(SBR)、ブタジエンゴム、イソプレンゴム、ポリノルボルネンゴム、ブチルゴム、クロロプレンゴム、アクリルゴム、エピクロロヒドリンゴム(ECO)、エチレン−酢酸ビニル共重合体(EVA)及びこれらの混合物等のエラストマーにより形成できる。
本発明の現像ローラに係る基層は、低硬度の基層であることが好ましい。現像ローラの後述するアスカー C 硬度・肉厚値がより小さくなり、感光体及び成層ブレードそれぞれからの応力をより分散させることができるようになるからである。この観点から、本発明の現像ローラに係る前記基層は、前記エラストマーの中でも、ポリウレタンを用いることが好ましい。前記基層を構成する発泡体は、上記エラストマーを、発泡剤を用いて化学的に発泡させたり、ポリウレタンフォームのように空気を機械的に巻き込んで発泡させるなどすることにより、形成できる。ここで、前記基層を構成する発泡体の発泡倍率は、1.2 倍以上、50 倍以下の範囲が好ましい。1.2 倍以上であれば、製造上金型から取り出しやすいからである。又、50 倍以下であれば、発泡の際の泡の径が安定するからである。更に、前記基層を構成する発泡体の密度は、0.05 g/cm3 以上、0.9 g/cm3 以下の範囲が好ましい。0,05 g/cm3 以上であれば、発泡の際の泡の径が安定するからである。又、0.9 g/cm3 以下であれば、製造上金型から取り出しやすいからである。
又、前記基層を構成する発泡体の気泡を独立気泡とすることで、圧縮永久歪性能が向上するため(即ち、変形しても元の形状に復元しやすい)、前記発泡体中の気泡は独立気泡であることが好適である。ここで、発泡体の気泡を独立気泡とするには、上記エラストマーの原料を機械的撹拌により発泡させて発泡体とする手法が好適に採用される。
前記基層は、導電剤を配合して、導電性を調整することができる。前記基層に用いる導電剤としては、電子導電剤及びイオン導電剤を挙げることができる。このうち前記電子導電剤の配合量は、前記基層を構成する樹脂成分 100 質量部に対して、1 質量部以上、50 質量部以下であることが好ましく、5 質量部以上、40 質量部以下であることがより好ましい。又、前記イオン導電剤の配合量は、前記基層を構成する樹脂成分 100 質量部に対して、0.01 質量部以上、10 質量部以下であることが好ましく、0.05 質量部以上、5 質量部以下であることがより好ましい。前記基層は、前記導電剤の配合により、その抵抗値を、1×103 Ωcm 以上、1×1010 Ωcm 以下とすることが好ましく、1×104 Ωcm 以上、1×108 Ωcm 以下とすることがより好ましい。前記基層の抵抗値が 1×103 Ωcm 以上では、電荷が感光ドラム等にリークしたり、電圧により現像ローラ自体が破壊される場合があるというリスクを減少できるからである。又、1×1010 Ωcm 以下であれば、地かぶりが発生しにくくなるからである。
前記基層には、エラストマーをゴム状物質とするために、必要に応じて、有機過酸化物等の架橋剤や硫黄等の加硫剤を含有させてもよく、又、加硫助剤、加硫促進剤、加硫促進助剤、加硫遅延剤等を含有させてもよい。更に、基層には、充填剤、しゃく解剤、発泡剤、可塑剤、軟化剤、粘着付与剤、粘着防止剤、分離剤、離型剤、増量剤、着色剤等の各種ゴム用配合剤を含有させてもよい。
前記基層において、その厚さは、限定されるものではないが、1 mm 以上であることが好ましい。1 mm 以上であれば、十分なゴム弾性を得ることができるからである。又、3 mm 以下であることが好ましい。3 mm 以下であれば、コスト上の観点から薄肉厚が求められることも満たされるからである。
(表層)
本発明の現像ローラに係る前記表層は、前記現像ローラの一番外側に配設される、表面を成す層である。現像ローラの表層は、一般的に、トナーに対する帯電性や付着性の制御、感光体及び成層ブレード等との摩擦力低減、研削・摩耗に対する耐久性等の特性が求められる。本発明の現像ローラに係る表層は、更に低硬度な表層であることが好ましい。現像ローラの後述する CIT クリープ率がより大きくなり、感光体及び成層ブレードそれぞれからの応力をより軽減してトナー・ダメージをより抑制できるようになるからである。
本発明の現像ローラに係る前記表層について、本発明の現像ローラの一実施形態を模式的に示した図2の枠内部分を拡大した図である図3を参照しながら説明をする。本発明の現像ローラは、基層2、低反発層4及び表層5が順に積層されているが、前記表層5は、好ましくは、表層形成樹脂6を主成分、樹脂の表層微粒子7を副成分として含む塗料組成物を用いて形成する。樹脂の表層微粒子7を含むことによって、前記表層5に凹凸構造が形成され、その結果、現像ローラの表層の表面と成層ブレードとの間に空間部分が確保されるとともに、現像ローラ表面へのトナーの付着性が高まる。
本発明の現像ローラに係る前記表層について、前記塗料組成物の主成分である前記表層形成樹脂は、ポリオール及びイソシアネートを含むことが好ましい。前記表層形成樹脂成分のガラス転移温度(Tg)は、0 ℃以下であることが好ましく、-10 ℃ 以下であることがより好ましい。Tg が低い、即ち、低硬度の樹脂成分を含む水系塗料を用いることで、形成される表層とトナーとの間の摩擦がより低減して、これによるトナーの劣化がより低減される、高品質の現像ローラを得ることが可能となるからである。但し、Tg が -20 ℃よりも低いと表面の硬度が著しく低下し、カートリッジに組み付けた状態での高温高湿下放置試験においてブレードセット痕が発生してしまうため、好ましくない。
かかる表層形成樹脂成分としては、具体的には例えば、ラクトン変性ポリオールを、少なくともイソホロンジイソシアネートを含む 2 種類以上のポリイソシアネートで架橋したウレタン樹脂を、好適に用いることができる。ラクトン変性ポリオールは、ポリオールの末端をε−カプロラクトン等のラクトンで変性して製造することができ、市販品を利用することもできる。又、現像ローラに適用した際の圧縮永久歪性能と耐トナー融着性とを両立させる観点から、ラクトン変性ポリオールは、ゲルパーミエーションクロマトグラフィーで測定したポリスチレン換算の数平均分子量(Mn)が、1000 以上、5000 以下であることが好ましく、1000 以上、3000 以下であることがより好ましく、又、ゲルパーミエーション クロマトグラフィーで測定したポリスチレン換算の重量平均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)との比で表される分子量分布(Mw/Mn)が、2.5 以下であることが好ましく、2.0 以下であることがより好ましい。
ラクトンで変性されるポリオールとしては、グリセリン等にエチレンオキシドやプロピレンオキサイド等のアルキレンオキサイドを付加重合させたポリエーテルポリオール、ポリテトラメチレングリコール、グリセリン、エチレングリコール、プロピレングリコール、ブタンジオール、ペンタンジオール、ヘキサンジオール、オクタンジオール、ポリブタジエンポリオール、ポリイソプレンポリオール、ポリエステルポリオール等が挙げられる。
又、ラクトン変性ポリオールを架橋するポリイソシアネートは、少なくともイソホロンジイソシアネートを含む 2 種類以上のポリイソシアネートであることが好ましく、イソホロンジイソシアネートを使用することによって、前記塗料組成物を現像ローラに適用した際の、長期間使用時における耐トナー融着性を向上できる。上記 2 種類以上のポリイソシアネートのうちイソホロンジイソシアネート(IPDI)以外のポリイソシアネートとしては、トリレンジイソシアネート(TDI)、ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)、粗製ジフェニルメタンジイソシアネート(クルード MDI)、水素添加ジフェニルメタンジイソシアネート、水素添加トリレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート(HDI)、ヌレート変性ヘキサメチレンジイソシアネート等が挙げられる。なお、前記塗料組成物により形成される前記表層の低硬度化と圧縮永久歪性能とを両立させる観点から、上記ラクトン変性ポリオールの架橋に用いる 2 種類以上のポリイソシアネートは、イソホロンジイソシアネートとヘキサメチレンジイソシアネートであることが好ましく、イソホロンジイソシアネートとヘキサメチレンジイソシアネートとのモル比が 3:1 から 1:3 であることがより好ましい。
前記塗料組成物中には、更に、ラクトン変性ポリオールと 2 種類以上のポリイソシアネートとの架橋反応を促進するための触媒を含有させることができる。かかる触媒としては、例えば、ジブチルスズジラウレート、ジブチルスズジアセテート、ジブチルスズチオカルボキシレート、ジブチルスズジマレエート、ジオクチルスズチオカルボキシレート、オクテン酸スズ等の有機スズ化合物;オクテン酸鉛等の有機鉛化合物;トリエチルアミン、ジメチルシクロヘキシルアミン等のモノアミン類;テトラメチルエチレンジアミン、テトラメチルプロパンジアミン、テトラメチルヘキサンジアミン等のジアミン類;ペンタメチルジエチレントリアミン、ペンタメチルジプロピレントリアミン、テトラメチルグアニジン等のトリアミン類;トリエチレンジアミン、ジメチルピペラジン、メチルエチルピペラジン、メチルモルホリン、ジメチルアミノエチルモルホリン、ジメチルイミダゾール等の環状アミン類;ジメチルアミノエタノール、ジメチルアミノエトキシエタノール、トリメチルアミノエチルエタノールアミン、メチルヒドロキシエチルピペラジン、ヒドロキシエチルモルホリン等のアルコールアミン類;ビス(ジメチルアミノエチル)エーテル、エチレングリコールビス(ジメチル)アミノプロピルエーテル等のエーテルアミン類等が挙げられる。これら触媒の中でも、有機スズ化合物が好ましい。これら触媒は、一種を単独で用いてもよく、二種以上を組み合わせて用いてもよい。上記触媒の使用量は、ポリオール 100 質量部に対して 0.001 質量部以上、2.0 質量部以下の範囲が好ましい。
本発明の現像ローラに係る表層について、前記塗料組成物の副成分である前記樹脂の表層微粒子は、そのガラス転移温度(Tg)が、-10 ℃以下であることが好ましく、-13 ℃以下であることがより好ましく、-30 ℃以下であることが更により好ましい。前記塗料組成物中に、Tg が低い、即ち、低硬度の表層微粒子が含有されることで、この塗料組成物を用いて現像ローラの表層を形成した場合に、当該現像ローラと他部材、例えば成層ブレード、との間における摩擦をより低減することができる。即ち、前記表層微粒子がより柔軟であるほど、前記現像ローラ表面の凹凸中の凸の部分がより柔軟となるので、成層ブレードとの間でトナーが擦られる際に、トナー・ダメージをより低減することができるものと考えられる。そして、耐久印字時におけるトナー・ダメージをより低減することができるので、現像ローラ及び/又は成層ブレードに対するトナー融着に起因する画像不具合の発生を、より抑制することが可能となる。
前記表層を主に構成する前記表層形成樹脂成分は、低硬度であるほど、トナー劣化の低減に有効であるが、当該表層中に含有させる表層微粒子の硬度が高いと、その有用性が活かされない。本発明の現像ローラに係る表層おいては、低硬度な表層形成樹脂成分を用いた上で、更に、低硬度な表層微粒子を組み合わせることで、より大きなトナー劣化低減効果が得られるものである。本発明の現像ローラに係る表層において、かかる表層微粒子としては、押込み深さ 1 μm でのユニバーサル硬度が 2.0 以下、例えば、0.6 以上、1.8 以下の範囲の低硬度のものを用いることが好ましい。前記表層微粒子の硬度が大きくなると、トナー・ダメージが大きくなり、感光体及び成層ブレードと表層微粒子との間でトナーが潰れて、ブレードへのトナー融着が起こり易くなると考えられ、現像スジの発生要因となってしまうからである。前記表層微粒子の硬度は前記 Tg の値にほぼ比例し、前記 Tg が低いほど小さいが、具体的な硬度としては、上記範囲が好適である。なお、本発明において、表層微粒子のユニバーサル硬度は、本発明の現像ローラの表層を形成した際における前記表層中の前記表層微粒子部分を、フィッシャー硬度計を用いて測定することにより、得ることができる。
かかる表層微粒子の材質については、上記 Tg の値を満足するものであれば特に制限はなく、例えば、メラミン樹脂やアクリル樹脂などよりも低硬度であるウレタン樹脂を好適に用いることができる。
又、かかる表層微粒子の粒径も重要であり、好適には、平均粒径が 10 μm 以上の表層微粒子を用いる。表層微粒子の粒径をある程度大きくすることで、現像ローラの表層の表面と成層ブレードとの間に空間部分をより確保でき、これによりトナー搬送性をより適切なものにするとともに、トナー劣化の低減効果をより得ることができる。一方で、前記表層微粒子の粒径を大きくし過ぎると画像ムラが発生してしまうので、より好適には平均粒径 10 μm 以上、16 μm 以下、更に好適には 12 μm 以上、14 μm 以下の表層微粒子を用いる。16 μm以下の粒径の表層微粒子を用いることで、画像ムラの発生をより抑制することができる。
かかる表層微粒子の含有量としては、ポリオール成分 100 質量部に対し、好適には 1.5 質量部以上、6.0 質量部以下、より好適には 2.0 質量部以上、4.5 質量部以下である。表層微粒子の配合量が少ないと、塗料組成物を用いて形成された表層と成層ブレードとの間の空間の量が不十分となり、表層微粒子の配合量が多いと、表層微粒子とトナーとの間の摩擦の影響が大きくなる。表層微粒子の配合量を上記範囲とすることで、適度なトナー搬送性を確保しつつ、トナー劣化の低減効果をより確実に得ることができる。
又、本発明の現像ローラに係る前記表層の塗料組成物中には、電子導電剤やイオン導電剤等の導電剤を配合して、導電性を調整することができる。前記電子導電剤としては、ケッチェンブラック、アセチレンブラック等の導電性カーボン、SAF、ISAF、HAF、FEF、GPF、SRF、FT、MT 等のゴム用カーボンブラック、酸化処理等を施したカラー用カーボンブラック、熱分解カーボンブラック、天然グラファイト、人造グラファイト、アンチモンドープ酸化スズ、ITO、酸化スズ、酸化チタン、酸化亜鉛等の金属酸化物、ニッケル、銅、銀、ゲルマニウム等の金属、ポリアニリン、ポリピロール、ポリアセチレン等の導電性ポリマー、カーボンウィスカー、黒鉛ウィスカー、炭化チタンウィスカー、導電性チタン酸カリウムウィスカー、導電性チタン酸バリウムウィスカー、導電性酸化チタンウィスカー、導電性酸化亜鉛ウィスカー等の導電性ウィスカー等が挙げられる。
又、前記イオン導電剤としては、テトラエチルアンモニウム、テトラブチルアンモニウム、ドデシルトリメチルアンモニウム、ヘキサデシルトリメチルアンモニウム、ベンジルトリメチルアンモニウム、変性脂肪酸ジメチルエチルアンモニウム等の過塩素酸塩、塩素酸塩、塩酸塩、臭素酸塩、ヨウ素酸塩、ホウフッ化水素酸塩、硫酸塩、エチル硫酸塩、カルボン酸塩、スルホン酸塩等のアンモニウム塩;リチウム、ナトリウム、カリウム、カルシウム、マグネシウム等のアルカリ金属、アルカリ土類金属の過塩素酸塩、塩素酸塩、塩酸塩、臭素酸塩、ヨウ素酸塩、ホウフッ化水素酸塩、硫酸塩、トリフルオロメチル硫酸塩、スルホン酸塩等が挙げられる。上記導電剤は、1 種単独で用いてもよいし、2 種以上を組み合わせて用いてもよく、前記電子導電剤と前記イオン導電剤とを組み合わせてもよい。
前記塗料組成物における前記導電剤の配合量は、前記イオン導電剤の場合には、前記表層形成樹脂成分 100 質量部に対し 20 質量部以下が好ましく、0.01 質量部以上、20 質量部以下の範囲がより好ましく、1 質量部以上、10 質量部以下の範囲が更に好ましい。一方、前記電子導電剤の場合には、樹脂成分 100 質量部に対し 1 質量部以上、70 質量部以下の範囲が好ましく、5 質量部以上、50 質量部以下の範囲がより好ましい。前記塗料組成物を用いて形成される層の体積抵抗値は、上記導電剤の添加により、1×103 Ωcm 以上、1×1010 Ωcm 以下になるように調整されることが好ましく、1×104 Ωcm 以上、1×108 Ωcm 以下になるように調整されることがより好ましい。
前記表層の厚みは、特に制限されるものではないが、30 μm 以下であることが好ましく、1 μm 以上、15 μm 以下であることがより好ましい。表層の厚みが 30 μm 以下であれば、より適度な凹凸構造が形成されるとともに、トナー・ダメージをより抑制する低硬度性も得ることができるからである。前記表層の厚みが 1 μm 以上であれば、低硬度性、トナーに対する帯電性や付着性がより良好になるとともに、前記表層の耐久性もより向上するからである。
(低反発層)
本発明の現像ローラに係る前記低反発層は、温度 23℃、振幅±20 μm、周波数 6 Hz の条件で測定した場合、その損失正接 tanδ 値が、前記基層、及び前記表層の何れの層の損失正接 tanδ 値よりも大きい層である。そして前記低反発層を、前記基層と前記表層の間に配設する。前記基層を低反発化すると、基層には相応の厚みがあることから圧縮永久歪みの不具合が想定される。又、前記表層を低反発化すると、表面が高タックとなり、トナー付着等の不具合が想定される。そこで、前記基層と前記表層の間に前記低反発層を配設すると、これらの想定される不具合を回避しつつ、前記低反発層によって、前記成層ブレードと前記現像ローラとの間、及び前記感光体と前記現像ローラとの間にそれぞれ発生する応力による衝撃が吸収されるようになると考えられる。そして、前記低反発層を導入した現像ローラは、その CIT クリープ率がより大きくなり、トナー・ダメージをより抑制できるようになる。
ここで、前記損失正接 tanδ 値とは、
損失正接 tanδ = 粘性を表す損失弾性率/弾性を表す貯蔵弾性率・・・(2)
によって求められるように、ある粘弾性体の変形において、粘性の性質と弾性の性質のどちらが強くでるかを評価する指標である。例えば、前記損失正接 tanδ 値は、動的粘弾性測定装置を使って、サンプルを固定したプローブが正弦波力を与えるように上下振動する事により、サンプルを変形させる歪を与える事で弾性率を測定して、得られる。本発明において、損失正接 tanδ 値は、動的粘弾性自動測定器(RHEOVIBRON DDV-01GP、(株)エー・アンド・デイ)を使って、温度 23 ℃、振幅±20 μm、周波数 6 Hz(今回の測定に用いたプリンタ内での現像ローラ回転速度から算出される振動数)の条件にて測定したもの、とする。
前記低反発層は、その物性としては、損失正接 tanδ 値が、前記基層、及び前記表層の何れの層の損失正接 tanδ 値よりも大きい、低反発の物性を有すること以外は特に限定されるものではないが、前記低反発層は水系塗料で形成することが好ましい。前記水系塗料は、損失正接 tanδ 値をより大きくさせて低反発化をより実現しやすく、又、環境にやさしく、低製造コストで低硬度な層をより形成しやすいからである。前記水系塗料としては、特に限定されず、ローラ等の材料として公知のゴムや樹脂を用いることができる。前記樹脂としては、例えば、ウレタン変性アクリル樹脂、ウレタン樹脂、アクリル樹脂、アクリルシリコン樹脂、ポリアミド樹脂、及びフッ素樹脂等が例示され、これらの 1 種又は 2 種以上を混合して用いることができる。前記ゴム系の水系塗料としては、天然ゴム(NR)やクロロプレンゴム(CR)、ニトリルゴム(NBR)、スチレンブタジエンゴム(SBR)等のラテックス、前記ウレタン樹脂系としては、エーテル系やエステル系等のエマルジョンやディスパージョン、前記アクリル樹脂系としては、アクリルやアクリルスチレン等のエマルジョン、前記フッ素樹脂系としては、ポリテトラフルオロエチレンやテトラフルオロエチレン−パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体、テトラフルオロエチレン−エチレン共重合体、ポリクロロトリフルオロエチレン、クロロトリフルオロエチレン−エチレン共重合体、テトラフルオロエチレン−ビニリデンフルオライド共重合体、ポリビニリデンフルオライド、ポリビニルフルオライド等を好適に用いることができる。本発明の現像ローラに係る前記低反発層には、上記のうちでも、水系ウレタン樹脂を用いることが好ましい。水系ウレタン樹脂は、損失正接 tanδ 値をより大きくさせて低反発化をより実現しやすく、高い塗工性、低硬度性等の好ましい性質をより備えるからである。
前記低反発層の損失正接 tanδ 値は、前記基層、及び前記表層の何れの層の損失正接 tanδ 値よりも大きい値であれば特に限定されるものではないが、0.5 以上、0.7 以下であることが好ましい。低反発層の tanδ が 0.5 以上であれば、感光体及び成層ブレードそれぞれからの応力をより効率よく吸収することができるからである。又、0.7 以下であれば高粘性による製造時の取扱いの煩わしさをより回避することができるからである。損失正接 tanδ 値を大きくするための方法としては、限定されるものではないが、例えば、ソフトセグメント、ハードセグメントからなるウレタン骨格中でハードセグメントの割合を減らす、或いは結晶性を持つ構造を導入する等が挙げられる。又、所望の損失正接 tanδ 値は、限定されるものではないが、例えば、損失正接 tanδ 値の低い材料と高い材料を混合し、その混合割合を調節することによって得ることができる。
本発明の現像ローラに係る前記低反発層を形成する前記水系塗料中には、特に限定されるものではないが、導電剤を添加して、導電性(電気抵抗)を付与又は調整することができる。この場合に用いる導電剤としては、特に制限はなく、前述した基層に用いられるのと同様の各種電子導電剤や各種イオン導電剤の 1 種又は 2 種以上を適宜選択して用いることができる。これら導電剤の配合量は、組成物の種類に応じて適宜選定され、通常、前記低反発層の体積抵抗率が、1×104 Ωcm 以上、1×1012 Ωcm 以下、好適には 1×106 Ωcm 以上、1×108 Ωcm 以下となるように調整される。又、前記低反発層を形成する前記水系塗料中には、更に、フィラー等の導電剤以外の添加剤を配合することも可能である。
前記低反発層の厚みは、後述する中層に必要な厚みとの兼ね合いや現像ローラの硬度等の他の特性を好適にするために、40 μm 以上であることが好ましい。50 μm 以上であればより好ましく、70 μm 以上であると更により好ましい。前記低反発層の厚さが厚くなれば、前記成層ブレードと前記現像ローラとの間、及び前記感光体と前記現像ローラとの間にそれぞれ発生する応力をより吸収できるようになり、トナー・ダメージをより減少させることから、トナー搬送量の過上昇がより抑制された現像ローラとすることができるからである。又、150 μm 以下であることが好ましく、100 μm 以下であることがより好ましい。前記低反発層の厚さを 150 μm 以下にすれば、低反発性により変形した形状の、復元が悪くなるといった問題が発生するリスクを減少させることができるからである。又、製造コストもより低下させることができるからである。
前記低反発層は、その配設位置としては、帯電ローラの半径方向で前記基層と前記表層の間であれば、特に限定されるものではない。
(中層)
本発明の現像ローラは、図3の本発明の現像ローラの別の一実施形態として示すように、任意に、基層2と低反発層4との間に、別の層としての中層3を配設することがある。別の実施形態では、本発明の現像ローラは、基層2と低反発層4との間に、2 層以上の別の層としての中層を配設することがある。又、別の実施形態では、本発明の現像ローラは、基層2と低反発層4との間に、別の層としての中層を配設せずに、基層2と低反発層4とが直接隣接することもある。更に、別の実施形態では、本発明の現像ローラは、低反発層4と表層5との間に、1 層以上の別の層としての中層を配設することがある。又更に、別の実施形態では、本発明の現像ローラは、低反発層4と表層5との間に、別の層としての中層を配設せずに、低反発層4と表層5とが直接隣接することもある。前記中層が配設された場合においても、前記低反発層の損失正接 tanδ 値は、何れの前記中層の損失正接 tanδ 値よりも大きいことが好ましい。前記中層は、例えば現像ローラの硬度を下げる目的で、低硬度なものとすることがある。この場合、前記低反発層の厚さと前記中層の厚さの割合を調整することによって、現像ローラの低硬度性と低反発性のバランスをより好適なものにすることができ、現像ローラの低反発化及び低硬度化によって、成層ブレードと現像ローラとの間、及び感光体と現像ローラとの間にそれぞれ発生する応力によるトナー・ダメージをより減少させ、その結果、経時使用による印字でのトナー搬送量の過上昇をより好適に抑制することができる。
本発明の現像ローラに係る前記中層は、その配設は任意選択的なものではあるが、環境にやさしく、低製造コストで低硬度な層をより形成しやすいことから水系塗料を用いることが好ましい。又、前記中層は、乳化剤を含まない水系塗料を用いることにより、現像ローラの帯電性を調節するために基層に添加することがあるオイル等が、当該基層からブリード(bleed)して、感光体を汚染すること、に起因する画像不具合(白抜け)を防止する役割も果たすことができる。
前記中層に用いる前記水系塗料としては、特に限定されず、ローラ等の材料として公知のゴムや樹脂を用いることができる。前記樹脂としては、例えば、ウレタン変性アクリル樹脂、ウレタン樹脂、アクリル樹脂、アクリルシリコン樹脂、ポリアミド樹脂、及びフッ素樹脂等が例示され、これらの 1 種又は 2 種以上を混合して用いることができる。前記ゴム系の水系塗料としては、天然ゴム(NR)やクロロプレンゴム(CR)、ニトリルゴム(NBR)、スチレンブタジエンゴム(SBR)等のラテックス、前記ウレタン樹脂系としては、エーテル系やエステル系等のエマルジョンやディスパージョン、前記アクリル樹脂系としては、アクリルやアクリルスチレン等のエマルジョン、前記フッ素樹脂系としては、ポリテトラフルオロエチレンやテトラフルオロエチレン−パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体、テトラフルオロエチレン−エチレン共重合体、ポリクロロトリフルオロエチレン、クロロトリフルオロエチレン−エチレン共重合体、テトラフルオロエチレン−ビニリデンフルオライド共重合体、ポリビニリデンフルオライド、ポリビニルフルオライド等を好適に用いることができる。本発明の現像ローラに係る前記中層には、上記のうちでも、水系ウレタン樹脂を用いることが好ましい。水系ウレタン樹脂は、高い塗工性、低硬度性等の好ましい性質をより備えるからである。
本発明の現像ローラに係る前記中層を形成する前記水系塗料中には、特に限定されるものではないが、導電剤を添加して、導電性(電気抵抗)を付与又は調整することができる。この場合に用いる導電剤としては、特に制限はなく、前述した基層に用いられるのと同様の各種電子導電剤や各種イオン導電剤の 1 種又は 2 種以上を適宜選択して用いることができる。これら導電剤の配合量は、組成物の種類に応じて適宜選定され、通常、前記中層の体積抵抗率が、1×104 Ωcm 以上、1×1012 Ωcm 以下、好適には 1×106 Ωcm 以上、1×108 Ωcm 以下となるように調整される。又、前記中層を形成する前記水系塗料中には、更に、フィラー等の導電剤以外の添加剤を配合することも可能である。
本発明の現像ローラに係る前記中層は、その配設は任意選択的なものであるが、その厚みは、低反発層に必要な厚みとの兼ね合いや現像ローラの硬度等の他の特性を好適にするために、20 μm 以上であることが好ましく、30 μm 以上であることがより好ましい。又、150 μm 以下であることが好ましく、120 μm 以下であることがより好ましい。前記中層の厚みが 20 μm 以上あれば、低硬度性のバランスをより好適にとることができるからである。又、150 μm 以下であれば、低反発層導入の効果をより引き出しやすいからである。
(アスカー C 硬度・肉厚値)
アスカー C とは、SRIS0101(日本ゴム協会標準規格)に規定されたデュロメータ(スプリング式硬度計)の一つで、硬さを測定するための測定器である。この測定器で測定された値をアスカー C 硬度という。又、本発明の現像ローラにおける現像ローラの肉厚とは、前記シャフトの半径方向の、現像ローラの前記シャフトの表面から前記表層の表面までの距離のことを言う。本発明の現像ローラは、低硬度であることが好ましいので、現像ローラのアスカー C 硬度は小さいことが好ましい。しかし、測定される現像ローラのアスカー C 硬度は、前記シャフトの外周部に形成される各層の組成処方が同じであっても、現像ローラの肉厚によって影響を受ける(例えば、現像ローラの肉厚が大きくなると現像ローラのアスカー C 硬度が小さくなる)ため、前記アスカー C 硬度をそのまま使うのでは、現像ローラのアスカー C 硬度と現像ローラの肉厚の兼ね合いで決まる本発明の現像ローラの効果を好適に引き出す技術的特徴、及び条件を表現し難い。そこで、本発明では、アスカー C 硬度に対する現像ローラの肉厚による影響を加味し、その補正として、現像ローラのアスカー C 硬度・肉厚値を下記の式(1)のように規定する。
現像ローラのアスカー C 硬度・肉厚値
=現像ローラのアスカー C 硬度×(現像ローラの肉厚+6)・・・(1)、
現像ローラのアスカー C 硬度:1 kg 荷重での測定値、
現像ローラの肉厚:前記シャフトの半径方向の、現像ローラの前記シャフトの表面から前記表層の表面までの距離(単位は mm)。
本発明の現像ローラのアスカー C 硬度・肉厚値は、500 以下であれば、主に感光体と現像ローラとの間に発生する応力によるトナー・ダメージを減少させることができ、特に限定されるものではないが、400 以上であることが好ましい。400 以上であれば変形した形状の、復元が悪くなるといった問題が発生するリスクを減少させることができるからである。
(CIT クリープ率)
本発明の現像ローラの硬さ、反発性、塑性変形性を、例えばフィッシャー社の H100C 硬度計によって測定することができる。そして、本発明の現像ローラの硬さ、反発性、塑性変形性は、当該硬度計で、前記現像ローラの表面に圧子を一定速度で 30 秒で 30 μm(h1) まで押し込み、30 秒間クリープさせた際の圧子の押し込み深さ(h2)を測定した時、以下の式(3)に従って計算される CIT クリープ率(%)として表すことができる。
CIT クリープ率= (h2−h1)/h1×100・・・(3)
前記硬度計による測定の概要は以下の通りである。現像ローラ表面の上に圧子を置き、所定の荷重まで徐々に圧子の押し込み荷重を増加させて圧子を現像ローラ表面に押し込む。一定荷重環境を一定時間保持し、しかる後に圧子の荷重を減少させることにより、現像ローラ表面の変形における残差(クリープ値)を求めることができる。即ち、仮に被測定物が完全弾性体であれば、荷重を増加させて圧子を被測定物表面に押し込んだ後、圧子の荷重を減少させて取り除くと、被測定物表面 は元の状態に回復するので、圧子は元の位置、即ち押し込み深さ 0 の位置まで戻ることになる。逆に被測定物が完全塑性体であれば、同様に圧子を押し込んだ後に荷重を取り除いても、被測定物表面は圧子を押し込んだ状態のままとなり、圧子は元の位置に戻ることはない。このことを利用して測定開始時と終了時の位置の差違から現像ローラの塑性変形量を任意の測定条件下という規格化した条件下で求めることができる。
本発明の現像ローラは、その CIT クリープ率が 5.0 % 以上であることが好ましい。現像ローラの CIT クリープ量が 5.0 % 以上であれば、トナー・ダメージをより抑制できる低硬度・低反発の現像ローラになるからである。又、前記現像ローラの CIT クリープ率は 11 % 以下であることが好ましい。前記現像ローラの低硬度性・低反発性によって、成層ブレード及び感光体それぞれからの応力を十分に吸収してトナー・ダメージを抑制しつつ、前記現像ローラの塑性変形により生じうる隙間へのトナー塊の侵入や前記隙間からのトナー漏れを防ぐことができるからである。
(トナー・ダメージが発生する様子と減少する様子について)
トナー・ダメージが発生する様子と減少する様子について、何ら制約を受けるものではないが、図5と図6を参照しながら説明をする。
図5は、従来の現像ローラ40で、成層ブレード27と従来の現像ローラ40との間に発生する応力によるトナー・ダメージが発生する様子を、模式的に示した図である。図5に示した従来の現像ローラ40では、基層2と表層5(表層5には表層形成樹脂6と表層微粒子7が含まれている)との間に中層3が配設されている。画像形成・印刷の一連のプロセス中、「現像」に係る工程で、成層ブレード27と従来の現像ローラ40とが当接し、その間に発生する応力によって、従来の現像ローラ40の表層5の表面にあるトナーは、トナー・ダメージを大きく受けたトナー41となる。その結果、従来の現像ローラ40は、経時使用による印字でのトナー搬送量が過上昇する。
一方、図6は、一実施形態としての本発明の現像ローラ42で、成層ブレード27と本発明の現像ローラ42との間に発生する応力によるトナー・ダメージが減少する様子を、模式的に示した図である。図6に示した一実施形態としての本発明の現像ローラ42では、基層2と表層5(表層5には表層形成樹脂6と表層微粒子7が含まれている)との間に低反発層4が配設されている。そして、低反発層4の損失正接 tanδ 値は、基層2及び表層5の何れの層の損失正接 tanδ 値よりも大きく、本発明の現像ローラ42のアスカー C 硬度・肉厚値は 500 以下である。画像形成・印刷の一連のプロセス中、「現像」に係る工程で、成層ブレード27と本発明の現像ローラ42とが当接し、その間に応力が発生しうるものの、本発明の現像ローラ42は、前述のように、低反発層4が導入され、アスカー C 硬度・肉厚値が 500 以下であることから、前記応力は吸収、分散されると考えられる。そしてその結果、本発明の現像ローラ42の表層5の表面にあるトナーは、トナー・ダメージが抑制されたトナー43となる。その結果、本発明の現像ローラ42は、経時使用による印字でのトナー搬送量の過上昇が抑制されたものとなる。
(画像形成装置)
本発明の現像ローラは、図1に示すような、従来のコピー機、レーザービームプリンター等の画像形成装置による画像形成・印刷の一連のプロセスにおいて、従来の現像ローラと同様に使用することができる。本発明の現像ローラは、低反発化及び低硬度化によって、成層ブレードと現像ローラとの間、及び感光体と現像ローラとの間にそれぞれ発生する応力によるトナー・ダメージが減少した現像ローラであり、当該現像ローラを搭載した画像形成装置は、画像形成・印刷の品質が良好で、その良好な状態がより長期間持続する。
以下に、実施例を挙げて本発明を更に詳しく説明するが、本発明は下記の実施例に何ら限定されるものではない。
(供試現像ローラの作製)
<基層の形成>
トリレンジイソシアネート(TDI)とポリエーテルポリオールとから合成したウレタンプレポリマー 100 質量部と、アセチレンブラック 2 質量部とを混合して、アセチレンブラックが分散したウレタンプレポリマーを調製し、これを A 成分とした。一方、ポリエーテルポリオール 30 質量部と、過塩素酸ナトリウム(NaClO4)0.1 質量部とを 70 ℃ に加熱しながら混合し、更にポリエーテル変性シリコーンオイル(整泡剤)4.5 質量部と、ジブチルスズジラウレート(触媒)0.2 質量部とを混合して混合物を調製し、これを B 成分とした。次に、前記 A 成分と B 成分とをメカニカルフロス法により発泡させて、更に、シャフトになる芯金をセットした円筒形状の金型に注入し、RIM 成形によって、発泡ポリウレタンからなる基層をシャフト外周部に形成した。
なお、前記基層の形成の際の発泡工程を調節することにより、下記 2 種類の密度の異なる基層をそれぞれ形成させた。
従来基層 :0.75 g/cm3
低硬度基層 :0.5 g/cm3
<中層の形成>
ウレタン・エマルジョン(E4800、第一工業製薬(株))を、その組成において、ウレタン結合量を減らして低モジュラス化したもの 100 質量部、導電剤としてリチウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド(EF-N115、三菱マテリアル電子化成(株))を 4 質量部を配合した水系塗料組成物を調製し、これを前記シャフト外周部に形成した基層の上に、所定の厚さになるようにディッピング塗布した。そして、室温で 30 分間、110 ℃で 20 分間乾燥させることで、中層を形成した。なお、この組成の中層は、従来の現像ローラで、当該現像ローラを低硬度なものとするために、基層と表層の間に配設されてきたものであるので、以下当該中層を従来中層と呼ぶことにする。
<低反発層の形成>
中層と表層の間に低反発層を配設させた現像ローラについては、アニオン性高分子量ポリウレタン分散体(ディスパコール U42、住化バイエルウレタン(株))100質量部、導電剤としてリチウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド(EF-N115、三菱マテリアル電子化成(株))を 4 質量部を配合した水系塗料組成物を調製し、当該塗料を前記形成した中層の上に、所定の厚さになるようにディッピング塗布した。これを、室温で 30 分間、110 ℃で 20 分間乾燥させることで、低反発層を形成した。
<表層の形成>
表層として、下記 2 種類の硬度の異なる表層をそれぞれ形成した。
[従来表層]
ポリオール(プラクセル 220EB、ダイセル化学工業(株))100 質量部に対しポリイソシアネート(エクセルハードナー HX、亜細亜工業(株))50 質量部を配合した表層形成樹脂成分(Tg: -8℃)に、表層微粒子としてウレタン粒子(アートパール JB800T、根上工業(株))15 質量部から 35 質量部の範囲で粗さが同じになるように調整し、シリコン系ブロックコポリマー(モディパー FS710、日油(株))5 質量部、を加え、更にカーボンブラックを加えることで抵抗を調整して、塗料組成物を調製した。得られた塗料組成物を、前記形成した中層又は低反発層の上に、所定の厚さになるように塗布し、115 ℃で 60 分で加熱して硬化させることにより、従来表層を形成した。
[低硬度表層]
ポリオール(プラクセル 220EB、ダイセル化学工業(株))100 質量部に対しヘキサメチレンジイソシアネート 2.5 質量部を反応させてプレポリマーを得た。このプレポリマー 100 質量部に対しポリイソシアネート(エクセルハードナー HX、亜細亜工業(株))25 質量部を配合した表層形成樹脂成分(Tg: -17℃)に、表層微粒子としてウレタン粒子(アートパール JB800T、根上工業(株))15 質量部から 35 質量部の範囲で粗さが同じになるように調整し、シリコン系ブロックコポリマー(モディパー FS710、日油(株))5 質量部、を加え、更にカーボンブラックを加えることで抵抗を調整して、塗料組成物を調製した。得られた塗料組成物を、前記形成した中層又は低反発層の上に、所定の厚さになるように塗布し、115 ℃で 60 分で加熱して硬化させることにより、低硬度表層を形成した。
(損失正接 tanδ 値の測定)
上記作製した供試現像ローラの各層の損失正接 tanδ 値は、動的粘弾性自動測定器(RHEOVIBRON DDV-01GP、(株)エー・アンド・デイ)を使って、温度 23 ℃、振幅±20 μm、周波数 6 Hz(今回の測定に用いたプリンタ内での現像ローラ回転速度から算出される振動数)の条件にて測定した。
(現像ローラの CIT クリープ率の測定)
上記作製した各供試現像ローラの CIT クリープ率を、フィッシャー社の H100C 硬度計を用いて、当該硬度計の圧子を各供試現像ローラの表面に、一定速度で 30 秒で 30 μm(h1) まで押し込み、30 秒間クリープさせた際の圧子の押し込み深さ(h2)を測定し、h1 と h2 の数値を以下の式(3)に代入することで算出した。
CIT クリープ率= (h2−h1)/h1×100・・・(3)
(現像ローラのアスカー C 硬度の測定)
上記作製した各供試現像ローラのアスカー C 硬度を、自動ゴム硬度計 P1-C センサ(高分子計器(株))を用いて、1 kg 荷重の条件で測定した。又、各供試現像ローラの肉厚は、レーザー寸法測定器を用いて前記現像ローラの外径及び当該現像ローラのシャフトの外径をそれぞれ測定し、以下の式(4)に代入することで算出した(単位は mm)。
現像ローラの肉厚
=((現像ローラの外径)−(現像ローラのシャフトの外径))/2・・・(4)
そして、この測定・算出した各供試現像ローラのアスカー C 硬度の値と各供試現像ローラの肉厚の値(単位は mm)とから、現像ローラのアスカー C 硬度・肉厚値を下記の式(1)を使って算出した。
現像ローラのアスカー C 硬度・肉厚値
=現像ローラのアスカー C 硬度×(現像ローラの肉厚+6)・・・(1)
(現像ローラのトナー搬送量の測定)
温度 23℃、湿度 53 % の環境下、各供試現像ローラを、市販のプリンタ(キヤノン社製 LBP651C)に組み込んだ後、プリンタ内で空回転をさせて現像ローラ表面に均一なトナーの薄層を形成した。このトナーの薄層を吸引してファラデーゲージ内に導入し、吸引されたトナーの重量を測定するとともに、現像ローラ表面のうち、吸引してトナーが除去された部分の面積を測定し、単位面積当たりのトナー重量を算出して、トナー搬送量を求めた。そして、数枚印字後の各供試現像ローラのトナー搬送量を基準として、6K 枚印字後の各供試現像ローラのトナー搬送量の上昇が、
0.03mg/cm2 未満 :◎、
0.03 mg/cm2 以上 0.06 mg/cm2 未満 :〇、
0.06 mg/cm2 以上 :×、
として、経時使用による印字でのトナー搬送量変化スコアを規定した。
(測定結果)
前記供試現像ローラに使用した各層の損失正接 tanδ の測定値を下記表に示す。
Figure 2021051111
前記供試現像ローラで使用した低反発層が、従来基層、低硬度基層、従来中層、従来表層及び低硬度表層の何れの層の損失正接 tanδ 値よりも大きいことが確認された。
前記各供試現像ローラにおいて、配設した層の構成、CIT クリープ率、アスカー C 硬度・肉厚値、トナー搬送量変化スコアを下記表に示す。
Figure 2021051111
従来中層の列: 数値は従来中層の厚さを示す。(単位はμm)
低反発層の列: − は、従来中層と表層の間に低反発層を配設しなかったことを意味する。
導入 は、従来中層と表層の間に低反発層を配設したことを意味する。
( ) 内の数値は、厚さ(単位はμm)を示す。
何れの例においても、従来中層と低反発層を合わせた層の厚さは一定(120 μm)になるようにした。
基層、及び表層の何れの層の損失正接 tanδ 値よりも大きい低反発層を基層と表層の間に配設し、アスカー C 硬度・肉厚値が 500 以下である、本発明の現像ローラに係る実施例1−3は、トナー搬送量変化スコアが〇又は◎である良好な結果を示した。
本発明によれば、現像ローラの低反発化及び低硬度化によって、成層ブレードと現像ローラとの間、及び感光体と現像ローラとの間にそれぞれ発生する応力によるトナー・ダメージを減少させ、その結果、経時使用による印字でのトナー搬送量の過上昇が抑制される現像ローラが提供される。本発明により提供される現像ローラは、画像形成・印刷の品質が良好で、その良好な状態がより長期間持続する、コピー機、レーザービームプリンター等の画像形成装置に利用することが可能である。
1 シャフト
2 基層
3 中層
4 低反発層
5 表層
6 表層形成樹脂
7 表層微粒子
21 トナー収容部
23 感光体
24 トナー
25 トナー供給ローラ
26 現像ローラ
27 成層ブレード
40 従来の現像ローラ
41 トナー・ダメージを大きく受けたトナー
42 本発明の現像ローラ
43 トナー・ダメージが抑制されたトナー

Claims (6)

  1. シャフトと、該シャフトの半径方向外周部に、基層、及び表層が順次形成されてなる現像ローラであって、
    1) 前記基層と前記表層の間に低反発層を配設し、
    2) 温度 23℃、振幅±20 μm、周波数 6 Hz の条件で測定した場合、前記低反発層の損失正接 tanδ 値が、前記基層、及び前記表層の何れの層の損失正接 tanδ 値よりも大きく、
    3) 以下の式(1)で規定する、現像ローラのアスカー C 硬度・肉厚値が 500 以下である、
    現像ローラ。
    現像ローラのアスカー C 硬度・肉厚値
    =現像ローラのアスカー C 硬度×(現像ローラの肉厚+6)・・・(1)、
    現像ローラのアスカー C 硬度:1 kg 荷重での測定値、
    現像ローラの肉厚:前記シャフトの半径方向の、現像ローラの前記シャフトの表面から前記表層の表面までの距離(単位は mm)
  2. 前記現像ローラの CIT クリープ率が 5.0 % 以上である、請求項1に記載の現像ローラ。
  3. 前記低反発層が、水系ウレタン樹脂を含有する、請求項1又は2に記載の現像ローラ。
  4. 前記表層が、ウレタン樹脂の粒子を含有する、請求項1から3の何れか一項に記載の現像ローラ。
  5. 前記低反発層の厚さが、40 μm 以上である、請求項1から4の何れか一項に記載の現像ローラ。
  6. 請求項1から5の何れか一項に記載の現像ローラを使用する画像形成装置。
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