JP5095133B2 - 転写装置の製造方法 - Google Patents
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Description
また、特許文献2には、中間転写ベルトとして、電圧印加と接地除電を1000回繰り返す抵抗測定方法によって所定の条件で測定したとき、1回目と1000回目の表面抵抗測定値の対数の差の絶対値が、0.5[log(Ω/□)]以下であるものを用いた画像形成装置が記載されている。このような中間転写ベルトを用いることで、中間転写ベルトの経時での電気抵抗の上昇を抑制することができる。
また、請求項2の発明は、請求項1の転写装置の製造方法において、前記転写部材として、イオン導電剤を含有したイオン導電性部材を用いたことを特徴とするものである。
また、請求項3の発明は、中間転写体と、前記中間転写体の裏面に当接してマイナス極性の2次転写バイアスが印加される2次転写部材と、前記中間転写体の表面に当接して、前記2次転写部材とで2次転写ニップを形成する対向部材とを有し、前記中間転写体上に中間転写されたトナー像を前記2次転写ニップにて転写紙に2次転写する転写装置の製造方法において、前記中間転写体と前記2次転写部材との合成体積抵抗率を、前記2次転写部材に電圧−1kVを60sec印加し、10sec除電することを300回繰り返す測定方法で測定したとき、1回目と300回目との測定値の対数の差の絶対値が、0.5[logΩ・cm]以下となる中間転写体と2次転写部材とを組み合わせたものを用いることを特徴とするものである。
また、請求項4の発明は、請求項3の転写装置の製造方法において、前記対向部材の電気抵抗値よりも高い電気抵抗値の2次転写部材を用いることを特徴とするものである。
また、請求項5の発明は、請求項4の転写装置の製造方法において、前記対向部材の電気抵抗値よりも1桁以上高い電気抵抗値の2次転写部材を用いることを特徴とするものである。
また、請求項6の発明は、請求項3乃至5いずれかの転写装置の製造方法において、前記2次転写部材として、イオン導電剤を含有したイオン導電性部材を用いることを特徴とするものである。
中間転写体と転写部材との合成体積抵抗率を、トナーと逆極性の電圧を絶対値で1kVを60sec印加、10sec除電を300回繰り返した後の中間転写体と転写部材との合成体積抵抗率の変化量が、20万〜30万枚プリントした後の中間転写体と転写部材との合成体積抵抗率の変化量に相当することが本発明者らの実験によって確認されている。よって、トナーと逆極性の電圧を絶対値で1kVを60sec印加、10sec除電を300回繰り返す測定方法で測定したときの1回目と300回目との測定値の対数の差の絶対値を求めることで、中間転写体と転写部材との合成電気抵抗の経時の変化量を知ることができる。
また、転写電圧上昇による異常放電などの問題は、転写電圧が約7kVを超えると発生しやすくなることが一般的に知られている。すなわち、転写電圧が7kV以下となるように、中間転写体と転写部材との合成体積抵抗率の経時変化を抑える必要がある。一般的に、初期時の転写電圧は、1kVとしているので、電圧変化率を7倍以下にする必要がある。
図1は、体積抵抗率変化量と電圧変化比率との関係を示したグラフである。図を見ると、中間転写体と転写部材との合成体積抵抗率の変化量(体積抵抗変化量)が0.8[logΩ・cm]のとき、電圧変化比率が6.31倍となる。すなわち、中間転写体と転写部材との合成体積抵抗率が経時で0.8[logΩ・cm]変化すると、1kVから6.31kVに上昇することになる。その結果、中間転写体と転写部材との合成体積抵抗率の経時変化を0.8[logΩ・cm]以下にすることで、異常放電が発生し易くなる7kVに対して、約700V以上の余裕度をもつことができる。よって、0.8[logΩ・cm]以下であれば、確実に転写電圧上昇による放電異常などの問題を抑制することができる。
また、電気抵抗の経時変動が一定の範囲に収まるような抵抗公差を転写部材、中間転写体それぞれに設定して、転写部材、中間転写体個々に管理する必要がなくなり、管理コストを下げることができ装置のコストダウンを図ることができる。
2次転写は、転写紙の抵抗に応じて電圧が変化するため、7kVに対する余裕度を大きく取っておく必要がある。また、初期時の2次転写電圧は、転写紙の抵抗を考慮して、1.5kVに設定している。先の図1を見ると、中間転写体と2次転写部材との合成体積抵抗率の変化量(体積抵抗変化量)が0.5[logΩ・cm]のとき、電圧変化比率が3.16となる。すなわち、中間転写体と2次転写部材との合成体積抵抗率が0.5[logΩ・cm]変化すると、2次転写電圧が、1.5kVから4.7kVに上昇する。よって、中間転写体と2次転写部材との合成体積抵抗率の変化量を0.5[logΩ・cm]以下とすることで、余裕度を2.3kV以上とることができ、転写紙の抵抗が大きくても、転写電圧が7kVを超えることがない。その結果、確実に転写電圧上昇による放電異常などの問題を抑制することができる。
また、2次転写バイアスをマイナス極性にすることで、プラス極性の2次転写バイアスを印加したときに比べて、中間転写体と2次転写部材との合成体積抵抗率の経時での変化量を少なくすることができることを、本発明者らは実験によって確認した。よって、2次転写バイアスをマイナス極性にすることで、転写電圧の上昇を抑制することができる。
まず、この複写機の基本的な構成について説明する。図2は、本実施形態に係る画像形成装置の概略構成図である。この画像形成装置は、プリンタ部100、給紙部200、プリンタ部100の上部に固定されたスキャナ部300、これに取り付けられた原稿自動搬送装置(以下、ADFという)400などを備えている。また、複写機内の各装置の動作を制御する図示しない制御部も備えている。
転写装置29は、上述したとおり、中間転写ベルト10の他、ベルトクリーニングユニット17、4つの中間転写ローラ62Y,C,M,K、2次転写ローラ16、対向ローラ22を備えている。4つの中間転写ローラ62Y,C,M,Kには、それぞれ初期時には1kVの一次転写電圧が印加されており、2次転写ローラには、初期時には−1.5kVの2次転写バイアスが印加されている。
一次転写バイアスは、定電流制御または定電圧制御されている。一次転写バイアスを定電流制御することで、中間転写ローラ62と中間転写ローラとの合成体積抵抗率が上昇しても、一次転写ニップに一定の転写電流を流すことができ、転写性の低下を抑制することができる。一次転写バイアスを定電圧制御した場合は、トナーの画像面積比率に応じて、電流の流れ易さが変化しても一定の電圧を維持することができ、トナー画像面積比率による転写性の変化をなくすことができる。しかし、中間転写ベルトと中間転写ローラ62との合成体積抵抗率が増加すると、一次転写電流が低下し転写性が低下する。よって、定電圧制御を行う場合は、通紙枚数、電圧印加時間などの所定のタイミングで一次転写電流値と一次転写電圧値とを測定して初期時の転写電流となるように、一次転写電圧を変更する制御を行う。これにより、中間転写ベルトと中間転写ローラとの合成体積抵抗率が増加しても、一次転写電流の低下が抑制され、転写性の低下を抑制することができる。また、使用方法、中間転写ローラ、中間転写ベルトのばらつきなどに応じて、一次転写電圧の補正タイミングを決定する。また、電圧制御方法は、これに限らず様々な制御法を採用することができる。
ポリイミドは、一般的には芳香族多価カルボン酸無水物或いはその誘導体と芳香族ジアミンとの縮合反応によって得られる。しかし、その剛直な主鎖構造により不溶、不融の性質を持つため、酸無水物と芳香族ジアミンからまず有機溶媒に可溶なポリアミック酸(又はポリアミド酸〜ポリイミド前駆体)を合成し、この段階で様々な方法で成型加工が行われ、その後加熱若しくは化学的な方法で脱水環化(イミド化)することでポリイミドが得られる。
例えば芳香族多価カルボン酸無水物を具体的に挙げるなら
エチレンテトラカルボン酸二無水物、シクロペンタンテトラカルボン酸二無水物、ピロメリット酸二無水物、3、3’、4、4’−ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物、3、3’、4、4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物等が挙げられる。これらは単独あるいは2種以上混合して用いられる。
ポリアミック酸の重合反応に使用される有機極性溶媒としては、ポリアミック酸を溶解するものであれば特に限定されないが、N、N−ジメチルアセトアミド、N−メチル−2−ピロリドンが特に好ましい。
それらは例えば、トレニース(東レ社製)、U−ワニス(宇部興産社製)、リカコート(新日本理化社製)、オプトマー(JSR社製)、SE812(日産化学社製)、CRC8000(住友ベークライト社製)等を代表的に挙げることが出来る。
なお、連続通電における表面抵抗率の上昇量は導電剤の分散状態で変化し、分散性を向上させることで上昇量を低減することが出来る。
なお、連続通電における表面抵抗率の上昇量は導電剤の分散状態で変化し、分散性を向上させることで上昇量を低減することが出来るが一般的に高価格となる。
熱溶融成形方法については、特に限定されるものではないが、例えば、連続溶融押出成形法、射出成形法、ブロー成形法、あるいはインフレーション成形法など公知の方法を採用して得ることができるが、シームレスベルトの成形方法として望ましいのは、連続溶融押出成形法である。
熱溶融による押し出し成形に使用される熱可塑性樹脂として特に制限はないが、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン,PBT(ポリブチレンテレフタレート)、PET(ポリエチレンテレフタレート)、PC(ポリカーボネート),ETFE(エチレンテトラフルオロエチレン)、PVdF(ポリ塩化ビニリデン)等がある。
導電剤に多くはカーボンブラックを使用し、混練によりカーボンブラックの分散を行うため、遠心成型に使用される溶液系より導電剤の分散性は劣り抵抗変動は大きくなる傾向にある。
上記芯金に被覆する弾性体としては、エピクロロヒドリンゴム、ウレタンゴム、ニトリルブタジエンゴム、アクリルゴム、クロロプレンゴム、フッ素ゴム、ニトリルゴム、ノルボルネンゴム、等のイオン導電性を有するゴムの他、天然ゴム(NR)、ブタジエンゴム、イソプレンゴム、スチレン−ブタジエンゴム(SBR)、エチレン−プロピレン−ジエン共重合ゴム(EPDM)、ブチルゴム、シリコンゴム、等を用いることができる。これらは単独でも2種以上の混合物として用いても良い。エピクロロヒドリンゴムは良好なイオン導電性および物性を有する点で好適に用いられる。
加硫剤としては、硫黄、テトラアルキルチウラム−ジサルファイド、モルホリン−ジサルファイド、アルキル−フェノール−ジサルファイドなどの硫黄系有機化合物などがあるが、安価で加硫作用も大きい点で、硫黄が好ましい。
エピクロロヒドリンゴムとNBRをニーダー機で素練りし、導電剤としてラウリルトリメチルアンモニウム、加硫促進剤にジベンゾチアゾリルジサルファイド、加硫剤に硫黄を順にニーダー機に投入、混練してゴムコンパウンドを得る。これを円筒形に押出し成形し、4kgf/cm2の荷重で、140℃、50分間蒸気加硫し、ステンレス製の芯金に挿入後、ゴム表面を研磨して中間転写ローラおよび2次転写ローラを得る。なお、エピクロロヒドリンゴムは、エチレンオキサイド、アリルグリシジルエーテル、およびエピクロロヒドリンの3種類の共重合体である。また、NBRは、低ニトリルNBRである。
図に示す測定装置は、対向金属ローラ110、高圧電源111、電流計112などを備えている。対向金属ローラ110はφ30ステンレスからなり軸受けに固定されている。対向金属ローラ110と一次転写ローラ62間に中間転写ベルト10を挟み、転写ローラ62を50gf/cmで対向金属ローラ110に加圧する。対向金属ローラ110と中間転写ローラ62軸間に高圧電源(トレック610D)にて電圧印加して、電流計(ケスレー 6514)にて流れる電流を測定して一次転写ローラと中間転写ベルトとの合成体積抵抗率値を求める(計算する)。
高圧電源、電流計は限定されるものではなく、また、手動計測が可能であるがパソコンを介してデータ取り込み、処理の自動計測がより好ましい。
印加電圧:+1000V
サイクル:60sec印加→除電時間10sec
サイクル回数:300回
データの取り込みは、各サイクルの10sec経過後のデータを取り込む。取り込んだデータから、一次転写ローラと中間転写ベルトとの合成体積抵抗率の変化を測定する。すなわち、300回目に取り込んだデータから求めた合成体積抵抗率値から、1回目に取り込んだデータから求めた合成体積抵抗率値を引くことで合成体積抵抗率の変化を求めることができる。そして、この合成体積抵抗率の変化量から、中間転写ローラおよび中間転写ベルトを評価する。
合成体積抵抗率測定は、22℃55%RHにて行い、測定環境が異なる場合は絶対湿度による補正を行う。また、中間転写ローラは、イオン導電ローラであるので、温湿度環境による変動が大きい。このため5時間以上の調湿後測定を行う。また、中間転写ベルトは中間転写ローラと対向金属ローラの接触を防止できる大きさで有れば良いが、中間転写ローラ端部からの流れ込みを防止するために5mm以上の余裕を設けた中間転写シートであることが好ましい。また、上記サイクル回数300回は、実機通紙評価の20万〜30万枚に相当する。
しかし、放電点を2次転写ニップ出口との空間距離を1kV/mm以下にすると、リークとか雷放電とかと呼ばれる異常放電が発生するので、近くするにも限界はある。そこで、除電針64と対向ローラ22との近接位置に絶縁部材65を置いて空間距離をcからbに遠くすることで、異常放電が起きない様にしている。
また、対向ローラ22の抵抗が低すぎると、除電電流が対向ローラ22に流れ込み過ぎて、転写紙の除電効率を下げてしまうため、対向ローラ22の体積抵抗率は、4[logΩ・cm]/10V以上が好ましい。
印加電圧:−1000V
サイクル:60sec印加→除電時間10sec
サイクル回数:300回
実施例1の転写装置の中間転写ローラは、外径φ16mm、芯金φ8mm、アスカーC硬度45℃のNBR発泡イオン導電ローラを用いている。
この中間転写ローラを図6に示すように、対向金属ローラ110と中間転写ローラ62間に中間転写ベルト10を挟まずに抵抗変化について調べた。なお、測定条件は、以下に示すとおりである。
印加電圧:+1000V
サイクル:60sec印加→除電時間10sec
サイクル回数:300回
そして、各サイクルの10sec経過後のデータを取り込んだ。その結果を、図7に示す。
図7に示すように、中間転写ローラの測定終了時の抵抗が、初期時の抵抗よりも約0.75桁上昇した。
印加電圧:+200V
サイクル:60sec印加→除電時間10sec
サイクル回数:300回
そして、各サイクルの10sec経過後のデータを取り込んだ。その結果を図8に示す
図8に示すように、中間転写ベルトの測定終了時の抵抗が、初期時の抵抗よりも約1.5桁と大幅に上昇していた。
図9に示すように、合成体積抵抗率は、約0.5桁しか上昇しておらず、中間転写ベルトおよび中間転写ローラ単体のものに比べて、抵抗変化が少なかった。
これは、中間転写ベルトと中間転写ローラとの合成体積抵抗率は、中間転写ベルト、中間転写ローラ個々の抵抗値の他に中間転写ローラの弾性体の厚み、中間転写ベルトの厚みなどの影響を受ける。このような影響によって、中間転写ベルトと中間転写ローラとの合成体積抵抗率の変化が、中間転写ベルトの抵抗変化や中間転写ローラの抵抗変化よりも低くなったと考えられる。また、このように抵抗変化が大きい中間転写ベルトや中間転写ローラを使用しても、中間転写ベルトと中間転写ローラとの組み合わせによって合成体積抵抗率の変化が0.8桁以下となるならば、使用することができる。よって、中間転写ローラ、中間転写ベルト個々に抵抗変化の規定をしていたものに比べて、使用できる中間転写ベルト、転写ローラを増やすことができる。すなわち、従来では、中間転写ローラの抵抗変化が大きく変動して使用できないとされていたものでも、中間転写ローラとの組み合わせで合成体積抵抗率の変化が0.8logΩ・cm以下であれば、使用することができる。
このように、初期時から20万枚通紙後の中間転写ローラと中間転写ベルトとの合成体積抵抗率の変化量は、0.45桁であり、印加電圧:+1000V、サイクル:60sec印加→除電時間10sec、サイクル回数:300回の条件で測定した測定初期時から測定終了時までの合成体積抵抗率の変化量(約0.5桁)とほぼ同程度の変化となった。よって、トナーと逆極性の電圧を絶対値で1kVを60sec印加、10sec除電を300回繰り返した後の中間転写ベルトと中間転写ローラと合成体積抵抗率の変化量が、20万〜30万枚画像評価試験終了後の合成体積抵抗率の変化量と同等の結果を示すことがわかる。
実施例2の転写装置の2次転写ローラとして、外径φ24mm、芯金径φ12、ローラ硬度JIS−A50度のNBRソリッドローラを用いた。他の構成は、実施例1と同じである。
先の図4に示した測定装置において、下記条件で、一次転写ローラをこの2次転写ローラに変更して2次転写ローラと中間転写ベルトとの合成体積抵抗率の通電による変化を調べた。
印加電圧:1000V
サイクル:60sec印加→除電時間10sec
サイクル回数:300回
そして、各サイクルの10sec経過後のデータを取り込んだ。その結果を、図10に示す。
次に、印加する電圧をトナーと同極性の−1000Vに変更して、2次転写ローラと中間転写ベルトとの合成体積抵抗率の通電による変化を調べた。その結果を図11に示す。
図10、図11に示すように、印加する電圧をプラス極性とした場合の合成体積抵抗率の変化量は、約0.9桁上昇したのに対し、印加する電圧をマイナス極性とした場合の合成体積抵抗率の変化量は、約0.3桁とプラス極性を印加したものに比べて、変化量が少ないことがわかる。そして、先の図4に示すように、合成体積抵抗率の変化量が0.9桁上昇すると、電圧が7.94倍と極めて大きく上昇してしまい、初期に印加する標準の2次転写電圧は、1.5kVであるので、転写電圧上昇による放電やリークなどの問題が発生しやすくなる7kVを裕に越えてしまう。一方、印加する電圧をマイナス極性とした場合の合成体積抵抗率の変化量は、約0.3桁であり、電圧変化比率を2倍とすることができ、プラス極性を印加した場合に比べて、電圧変化比率を約(1/4)にすることができる。よって、マイナス極性の電圧を印加することで、経時での電圧上昇を3kVに抑えることができ、転写電圧上昇による放電やリークなどを抑制することができる。また、余裕度も4kVと大きく取れているので、抵抗の高い紙がきても、転写電圧を7kV以下に抑えることができ、放電やリークなどを抑制することができる。
実施例3の転写装置の対向ローラとして、外径φ18mm、芯金φ10、アスカーC硬度45度のNBR発泡イオン導電ローラを用いた。対向ローラの体積抵抗率は、5.0(LogΩ・cm)/50Vとした。
2次転写ローラとして、外径φ24mm、芯金径φ12、ローラ硬度JIS−A50度のNBRソリッドローラを用いた。2次転写ローラの体積抵抗7.15(LogΩ・cm)/1kVとした。なお、上記/50Vや、/1kVは、体積抵抗率測定時に印加した電圧値である。このように、体積抵抗測定時の印加電圧は、異なっているが、対向ローラと2次転写ローラとの体積抵抗率は、2桁以上異なっている。
2次転写ローラと対向ローラとの体積抵抗率を同一の電圧で測定できないのは、対向ローラは、抵抗が低いため、対向ローラに1kVの電圧を印加すると、電流が流れ過ぎて、測定装置の電源の電源容量をオーバしてしまい一定電圧を維持することができなくなる。つまりアンダーにより測定不可となる。このため、対向ローラの体積抵抗率は、50Vと低い電圧で測定している。
また、実施例3の転写装置は、先の図5に示すように、2次転写ローラによりトナー像を転写された記録媒体の進行方向に関して下流に、中間転写ベルト10から紙を分離するための除電機構60を設けた。除電針64は、1mmピッチの櫛歯からなり、除電針64には、ピーク間電圧8kVの交流バイアスを印加した。
まず、対向ローラに2次転写バイアスを印加して画像評価試験を行った。すると、転写特性が低下してしまった。これは、除電針からの除電電流が対向ローラに流れ込み、2次転写電流と干渉して、中間転写ベルトと対向ローラとの間に十分な転写電流が流れ込まなくなり、転写性が低下したと考えられる。次に、2次転写ローラ16(中間転写ベルトの張架ローラ)に2次転写バイアスを印加して画像評価試験を行った。すると、良好な転写性が得られた。これは、間転写ベルトの張架ローラである2次転写ローラは、対向ローラに比べて除電針との距離が遠いため、除電針からの除電電流の干渉を対向ローラに比べて受けにくい。このため、除電電流による干渉を抑制することができ、良好な転写性を得ることができた。また、紙を良好に除電することができ、転写ニップ出口でのトナーチリや用紙ジャムなどの問題が発生しなかった。
また、2次転写バイアスをマイナス極性とすることで、プラス極性としたものに比べて、合成体積抵抗率の変化量を少なくすることができ、2次転写電圧が異常放電を起こし易くなる7kV以上に上昇するのをより抑制することができる。
16 2次転写ローラ
18C,M,Y,B 画像形成手段
20 タンデム画像形成部
22 対向ローラ
25 定着装置
26 定着ローラ
27 加圧ローラ
29 転写装置
40Y,C,M,K 感光体
60 除電機構
62Y、M、C、K 中間転写ローラ
Claims (6)
- 像担持体の表面に当接するように配置され表面移動する中間転写体と、前記中間転写体に当接して転写バイアスが印加される転写部材とを有する転写装置の製造方法において、
前記中間転写体と前記転写部材との合成体積抵抗率を、前記転写部材にトナーと逆極性の電圧1kVを60sec印加し、10sec除電することを300回繰り返す測定方法で測定したとき、1回目と300回目との測定値の対数の差の絶対値が、0.8[logΩ・cm]以下となる中間転写体と転写部材とを組み合わせたものを用いることを特徴とする転写装置の製造方法。 - 請求項1の転写装置の製造方法において、
前記転写部材として、イオン導電剤を含有したイオン導電性部材を用いたことを特徴とする転写装置の製造方法。 - 中間転写体と、前記中間転写体の裏面に当接してマイナス極性の2次転写バイアスが印加される2次転写部材と、前記中間転写体の表面に当接して、前記2次転写部材とで2次転写ニップを形成する対向部材とを有し、前記中間転写体上に中間転写されたトナー像を前記2次転写ニップにて転写紙に2次転写する転写装置の製造方法において、
前記中間転写体と前記2次転写部材との合成体積抵抗率を、前記2次転写部材に電圧−1kVを60sec印加し、10sec除電することを300回繰り返す測定方法で測定したとき、1回目と300回目との測定値の対数の差の絶対値が、0.5[logΩ・cm]以下となる中間転写体と2次転写部材とを組み合わせたものを用いることを特徴とする転写装置の製造方法。 - 請求項3の転写装置の製造方法において、
前記対向部材の電気抵抗値よりも高い電気抵抗値の2次転写部材を用いることを特徴とする転写装置の製造方法。 - 請求項4の転写装置の製造方法において、
前記対向部材の電気抵抗値よりも1桁以上高い電気抵抗値の2次転写部材を用いることを特徴とする転写装置の製造方法。 - 請求項3乃至5いずれかの転写装置の製造方法において、
前記2次転写部材として、イオン導電剤を含有したイオン導電性部材を用いることを特徴とする転写装置の製造方法。
Priority Applications (4)
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