JP7059718B2 - 中間転写体及び画像形成装置 - Google Patents

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本発明は、中間転写体及び画像形成装置に関する。
電子写真方式の画像形成装置に用いられる中間転写体としての中間転写ベルトは、電気抵抗の均一性、表面平滑性、機械特性(高屈曲、高弾性、高伸度)、高寸法精度(膜厚、周長)が要求される。特に高機能型の中間転写ベルトは熱硬化性材料(例えばポリイミド、ポリアミドイミド)により構成されることが多く、前記中間転写ベルトは、電子写真方式の画像形成装置の中でも高価格の部品であり、コストダウンが強く要求されている。
前記中間転写ベルトを低コスト化するためには、熱可塑性樹脂を用いて、押出成形又はインフレーション成形できれば、非常に安価に製造できる。例えば、難燃性の熱可塑性樹脂を用いた導電性のシームレスベルトとして、特許文献1ではポリエーテルエーテルケトン(PEEK)と導電性フィラーを配合した半導電性フィルムが提案されている。
しかしながら、熱可塑性樹脂の押出成形によって得られた中間転写ベルトは、ベルトの周方向、あるいは軸方向の電気特性ばらつきが発生する場合も多い。また、導電性フィラーの分散性の不均一から、ベルトの厚み方向の導電パス経路がベルトの周方向や軸方向でばらついてしまい、これにより生じる抵抗ムラや異常放電によって転写性がばらついてしまう。このため、これらに起因して画像ムラ、異常画像が発生してしまう。更に経時での表面層汚染が発生してしまう問題があった。
本発明では、画像ムラや異常画像を抑制し、経時にわたって良好なクリーニング性を有する中間転写体を提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、本発明は、ポリエーテルエーテルケトン及び導電剤を含む導電性の基体と、該基体上に形成され、高分子型イオン導電性材料を含むイオン導電層と、該イオン導電層上に形成され、疎水性合成樹脂を含む保護層を有する中間転写体であって、印加電圧を100V、印加時間を10秒としたときの体積抵抗率が1×10Ω・cm~1×1013.5Ω・cmであり、印加電圧を500V、印加時間を10秒としたときの表面抵抗率が1×10Ω/□~1×1013.5Ω/□であり、前記高分子型イオン導電性材料は、ポリエーテル樹脂と電解質塩からなり、前記電解質塩は、アルカリ金属及びアルカリ土類金属から選ばれる少なくとも1種を含む含フッ素有機アニオン類であることを特徴とする。
本発明によれば、画像ムラや異常画像を抑制し、経時にわたって良好なクリーニング性を有する中間転写体を提供することができる。
画像形成装置の一例における断面概略図である。 プロセスカートリッジの一例における断面概略図である。
以下、本発明に係る中間転写体及び画像形成装置について図面を参照しながら説明する。なお、本発明は以下に示す実施形態に限定されるものではなく、他の実施形態、追加、修正、削除など、当業者が想到することができる範囲内で変更することができ、いずれの態様においても本発明の作用・効果を奏する限り、本発明の範囲に含まれるものである。
(中間転写体)
本発明は、ポリエーテルエーテルケトン及び導電剤を含む導電性の基体と、該基体上に形成され、高分子型イオン導電性材料を含むイオン導電層と、該イオン導電層上に形成され、疎水性合成樹脂を含む保護層を有する中間転写体であって、印加電圧を100V、印加時間を10秒としたときの体積抵抗率が1×10Ω・cm~1×1013.5Ω・cmであり、印加電圧を500V、印加時間を10秒としたときの表面抵抗率が1×10Ω/□~1×1013.5Ω/□であることを特徴とする。
中間転写体において、電気特性を向上させるため、基体に導電剤、例えば導電性のカーボンブラック等を含有させる場合、その分散性等に起因して、導電パスがベルト周方向や軸方向に対して局所的に偏在する箇所が存在するなどの問題がある。導電パスが局所的になると抵抗ムラが生じ、これに起因して異常放電や画像ムラ、異常画像が生じてしまう。
本発明の中間転写体における基体は、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)を含むことにより、優れた耐熱性と機械強度が得られ、導電剤を含むことにより、電気特性を向上させている。しかし、上述のように導電剤の分散性等に起因した導電パスのムラや抵抗ムラが生じることが懸念される。
そこで、本発明では基体上に高分子型イオン導電性材料を含むイオン導電層を形成する。イオン導電層が高分子型イオン導電性材料を含むことで、安定かつ柔軟性をもつ塗膜面を構成でき、優れたイオン導電機構が得られる。これにより、イオン導電層は、下層である導電性の基体に生じた導電パスのムラを解消するという電気抵抗調整層としての機能を果たし、局所的な導電パスを平滑化することができる。
更に、表面層として疎水性合成樹脂を含む保護層を設けることにより、耐トナー汚染余裕度を向上させることができる。このため、クリーニング性が向上し、経時にわたって良好な画像を得ることができる。
また、本発明では、中間転写体の体積抵抗率及び表面抵抗率を所定の範囲としている。所定の範囲とすることで、良好な耐リーク性が得られ、良好な転写機能を有する。また、下地層からの局所的な放電パスの影響を更に低減することができ、転写ムラ、異常画像の不具合を高レベルで抑制することができる。
本発明によれば、導電パスが中間転写体の周方向や軸方向に局所的になることを防ぐことができ、導電パスを平滑化することができる。導電パスが平滑化されることにより、抵抗ムラを抑制することができるため、抵抗ムラに起因して生じる異常放電や画像ムラ、異常画像を抑制することができる。更に経時にわたって良好なクリーニング性を有する中間転写体が得られる。
また、本発明によれば、耐リーク性が良好であることから、プロセス制御電、制御電圧の制御幅を大きく取れるため、プロセス制御余裕度を向上させることができるという優れた効果も得られる。
以下、各層の詳細を説明する。
<基体>
前記基体は、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)及び導電剤を含む導電性の基体であり、更に必要に応じてその他の成分を含有してなる。
ここで、「導電性」とあるのは、ハイレスタUP MCP-HT450型(三菱化学アナリテック社製)を用い、印加電圧を100V、印加時間を10秒として測定したときの体積抵抗率が1×10Ω・cm~1×1012Ω・cmであり、印加電圧を500V、印加時間を10秒として測定したときの表面抵抗率が1×10Ω/□~1×1012.5Ω/□であることを意味する。なお、ここでの体積抵抗率及び表面抵抗率は、任意の5箇所での測定値を平均したものである。
<<ポリエーテルエーテルケトン>>
ポリエーテルエーテルケトンは下記一般式(1)で表される構造を有する結晶性のポリマーであり、優れた耐熱性と機械強度を有している。
Figure 0007059718000001
ポリエーテルエーテルケトンは、上記構造式で示される繰り返し構造単位を有するものに限られず、種々の化合物で変性したものであってもよい。また、ポリエーテルエーテルケトンとしては、1種類のみ用いてもよいし、2種類以上を組み合わせて用いてもよい。
ポリエーテルエーテルケトンの市販品として代表的なものには、例えば、ビクトレックス(Victrex)社製の商品名「ビクトレックスPEEK」シリーズが挙げられる。
<<導電剤>>
導電剤(導電性フィラーなどとも称される)としては、例えば、導電性カーボンブラック、黒鉛粉末、金属粉末、表面を導電処理した酸化金属ウィスカーなどが挙げられる。これらの中でも、体積抵抗率の制御性や機械的性質などの観点から、導電性カーボンブラックが好ましい。
導電性カーボンブラックとしては、例えば、アセチレンブラック、オイルファーネスブラック、サーマルブラック、チャンネルブラック等が挙げられる。これらの中でも、アセチレンブラック、オイルファーネスブラックが好ましい。これらの導電性カーボンブラックは、1種類のみ用いてもよいし、2種類以上を組み合わせて用いてもよい。
導電性カーボンブラックは、比較的安価で環境依存性を受けにくいため、導電性を付与するための導電剤として好適である。カーボンブラックはその製造方法により、ファーネスブラック、チャンネルブラック、アセチレンブラック、ケッチェンブラック等が挙げられ、導電性ベルトには、ファーネスブラックやアセチレンブラック等が使用されることが多い。
本発明では、成形温度が300~400℃と高くなることがあるため、高温で発泡しないように揮発分が小さい材料が好ましい。そのため、揮発分を950℃、7分間加熱した際の揮発(減量)分と規定すると、揮発分が2.0%以下のカーボンブラックが好ましい。
カーボンブラック量を増やせば、抵抗値が低下するが、目標抵抗値を得るための添加量は、カーボンブラックの種類(特にDBP(ジブチルフタレート)量(JISK6221)に依存する)によって異なるため、特に制限されるものではなく、適宜変更することが可能である。
適宜変更することが可能であるが、導電剤の含有量はポリエーテルエーテルケトンに対して20質量%以下にすることが好ましい。20質量%以下にすることにより、光沢度、耐屈曲性などの機械特性低下を防止できる。
電気抵抗の電圧依存性は、電圧により導電パスが異なることにより、発生するものであり、導電性カーボンブラックなどの導電剤の分散均一性が影響する。分散均一性を向上するためには、より多くの粒子を分散させて、導電パスの距離差が少なくすることが良いため、比較的DBP量が小さいファーネスブラックやアセチレンブラックが使用されている。
しかし、導電性カーボンブラックは配合量が少ないほど、機械特性や光沢性では有利である。カーボンの配合量が増えると、機械特性、光沢度、表面平滑性(フィルミングの主要発生要因)が低下する傾向にある。特に耐屈曲性が大きく低下することがある。
なお、カーボンブラックの中では、ケッチェンブラックがDBP値大きいため、少ない量で目標の抵抗値が得られる好適な材料であるが、電気特性の電圧依存性が劣り、再現性が劣ることがある。
<<その他の成分>>
前記その他の成分としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、滑剤、電気抵抗調整剤、酸化防止剤、補強剤、充填剤、加硫促進剤、増量剤、各種顔料、紫外線吸収剤、帯電防止剤、分散剤、中和剤、などが挙げられる。
その他の成分の含有量(合計量)としては、ポリエーテルエーテルケトンに対して25質量%以下であることが好ましく、5質量%以上であることが好ましい。
<<基体の成形方法>>
前記基体は、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)と、導電剤と更に必要に応じてその他の成分とを溶融混練した溶融混練物を、例えば、溶融押出成形法、射出成形法、ブロー成形法、インフレーション成形法などによって成形することができる。
前記溶融混練は、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、一軸押出機、二軸押出機、バンバリーミキサー、ロール、ニーダー等の混練機を用いて行うことができる。
前記基体の厚さとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、30μm~200μmが好ましく、50μm~150μmがより好ましい。前記厚さが30μm以上であると、強度が小さくなることを抑え、ベルトが裂けることを防止できる。200μm以下であると、可撓性が失われてベルト走行性が低下することを防止することができ、ベルトが割れることを防止できる。
前記基体の厚さの測定方法としては、例えば、接触型(指針型)乃至渦電流式の膜厚計、例えば、電子マイクロメーター(アンリツ社製)を用いて測定することができる。
<イオン導電層>
導電性の基体上に形成されるイオン導電層は、高分子型イオン導電性材料を含み、必要に応じてその他の成分を含む。
高分子型イオン導電性材料は、ポリエーテル樹脂と電解質塩からなることが好ましい。この場合、電解質塩がエーテル酸素に配位しながら移動するため、より優れたイオン導電機構が得られる。
高分子型イオン導電性材料としては、分子量1500~3000のポリエーテル樹脂中に電解質塩が3~7.5質量%含まれるものであることが好ましい。
ポリエーテル樹脂としてはエーテル結合を兼ね備えたポリオール樹脂群が好ましい。ポリエーテルポリオール、ポリエーテルアミド、ポリエーテルエステルアミドなどが挙げられる。
電解質塩としては、例えば、無機イオン性導電物質、有機イオン性導電性物質が挙げられる。
無機イオン性導電物質としては、例えば、過塩素酸ナトリウム、過塩素酸リチウム、過塩素酸カルシウム、塩化リチウム等が挙げられる。
有機イオン性導電性物質としては、例えば、エチルトリフェニルホスホニウム・テトラフルオロボレート、テトラフェニルホスホニウム・ブロマイド等の四級ホスホニウム塩、変性脂肪酸ジメチルアンモニウムエトサルファート、ステアリン酸アンモニウムアセテート、ラウリルアンモニウムアセテート等が挙げられる。
有機イオン性導電性物質としては、上記の他にも、アルカリ金属及びアルカリ土類金属から選ばれる少なくとも1種を含む含フッ素有機アニオン類が挙げられ、特に好ましく用いられる。このような含フッ素有機アニオン類としては、例えば、ビス(トリフルオロメタン)スルホニルイミド酸リチウム等が挙げられる。
また、イオン導電層は、架橋されていることが好ましく、中でも比較的低温で架橋硬化可能なイソシアネート系の硬化剤であることが好ましい。架橋硬化することで、例えば機械特性を向上させることができる。イソシアネート系硬化剤はイオン導電層中のポリオールとの比(NCO/OH比)が0.9~1.5で配合されていることが好ましい。
イオン導電層の抵抗率としては、基体の体積抵抗率、表面抵抗率に対して同等からやや大きい抵抗率であることが好ましい。例えば、基体の体積抵抗率の100~120%であることが好ましく、基体の表面抵抗率の100~135%であることが好ましい。
イオン導電層の抵抗率が基体の抵抗率に対して120%以下であると、全体としての電気抵抗が高くなりすぎることを防止し、転写能力の不足を防止することができる。イオン導電層の抵抗率が100%以上であると、電圧集中によるリークの発生を抑制できる。
イオン導電層の厚さは、下層である導電性の基体よりも薄く、上層である保護層よりも厚いことが好ましい。イオン導電層の厚さとしては、特に制限されるものではないが、例えば3~5μmであることが好ましい。この場合、導電パスの局所的なムラをより防ぐことができる。
なお、イオン導電層の厚さは、基体と同様に、例えば、接触型(指針型)乃至渦電流式の膜厚計、例えば、電子マイクロメーター(アンリツ社製)を用いて測定することができる。
<保護層>
保護層は前記イオン導電層上に形成され、疎水性合成樹脂を含む。前記保護層を設けることにより、導電性ベルトの通電パス偏差をより平滑化することができ、更に耐リーク性と耐トナー汚染性を有する中間転写体が得られる。保護層を設けない場合、経時でのクリーニング性が劣ってしまい、中間転写体の汚れによる画像濃度ムラやスジ状の転写不均一が生じてしまう。
前記疎水性合成樹脂としては、例えば、フッ素系樹脂、シリコン系樹脂、ポリアミド樹脂、ポリエステル樹脂等が挙げられる。これらを用いた場合、トナー固着を防止できる保護層が得られる。
これらの中でもトナーの非粘着性から検討を進めた結果、トナーの非粘着性が高い、分子中にアクリル骨格を有するアクリルシリコン系樹脂、アクリルフッ素系樹脂が良好であり、中でもアクリルシリコン系樹脂が特に好ましい。
また、前記疎水性合成樹脂は、保護層中、70~90質量%含まれることが好ましい。
保護層には硬化剤を用いることが好ましく、中でもイソシアネート系の硬化剤を用いることが好ましい。また、本実施形態の保護層は、イソシアネートで架橋された疎水性合成樹脂を含むことが好ましい。イソシアネートで架橋された疎水性合成樹脂としては、例えばポリオールとイソシアネートが架橋して得られるウレタン結合を有するものが好ましい。前記ポリオールとしては、例えばアクリルシリコン系樹脂、アクリルフッ素系樹脂等に存在するものをイソシアネートとの架橋に用いることができる。
また、硬化剤を併用する2液性塗料にすることより、耐環境性、非粘着性、離型性を高めることができる。2液性塗料としては、分子中に水酸基を有する主剤及び、水酸基と架橋反応を起こす、イソシアネート系樹脂を用いることが有効である。イソシアネート系樹脂を用いることにより、100℃以下の比較的低温で架橋・硬化反応が起こる。
保護層の厚さは、0.5μm以上2.0μm以下であることが好ましい。この場合、中間転写体の全体の電気特性に与える影響を低減することができ、更に耐リーク性を良好にすることができる。
保護層の形成は、上記構成材料を有機溶媒に溶解して塗料を作製し、スプレー塗装、ディッピング、ロールコート等の種々のコーティング方法で行うことができる。
<その他の層>
本発明における中間転写体の層構成として、本発明の効果が損なわれない限り、適宜必要に応じて他の層を含んでいてもよい。他の層としては公知の層を設けることができる。
<中間転写体の物性>
本発明の中間転写体は、印加電圧を100V、印加時間を10秒としたときの体積抵抗率が1×10Ω・cm~1×1013.5Ω・cmであり、印加電圧を500V、印加時間を10秒としたときの表面抵抗率が1×10Ω/□~1×1013.5Ω/□である。
体積抵抗率及び表面抵抗率が上記の範囲よりも小さい場合、下地層からの局所的な放電パスの影響により、転写ムラ、異常画像の不具合が生じる。また、抵抗率が上記の範囲よりも大きい場合、良好な転写機能が得られない。
体積抵抗率及び表面抵抗率を上記所望の範囲にするには、適宜変更することが可能であるが、例えば、保護膜の厚みを変える方法、導電剤比率を調整する方法、導電剤の比抵抗率を調整する方法等により行うことができる。
前記体積抵抗率及び前記表面抵抗率は、中間転写体についてハイレスタUP MCP-HT450型(三菱化学アナリテック社製)を用いて測定する。中間転写体の体積抵抗率は周方向4箇所の測定地点の平均値とし、表面抵抗率は周方向25mmピッチ38点の測定地点の平均値としている。
前記体積抵抗率は1×10Ω・cm~1×1013Ω・cmであることが好ましく、1×1011Ω・cm~1×1012Ω・cmであることがより好ましい。
前記表面抵抗率は1×10Ω/□~1×1013Ω/□であることが好ましく、1×1012Ω/□~1×1013Ω/□であることがより好ましい。
また、中間転写体の周方向や軸方向における抵抗率の偏差が小さいことが好ましく、この場合、抵抗ムラをより抑制することができる。例えば、周方向における表面抵抗率を4箇所測定したときに、表面抵抗率のLog値の最大値と最小値の差が1桁以内であることが好ましい。
また、中間転写体の転写面は、入射角20°での光沢度(以下、「20°光沢度」ともいう)が40以上であることが好ましく、70以上90以下であることがより好ましい。光沢度が低すぎると、トナー付着量検知センサのLED発光部への供給電流値が大きくなり、発光部に負荷がかかるのでセンサ寿命が短くなる恐れがある。ここで、転写面の光沢度は、例えば、光沢度計(PG-IIM、日本電色工業社製)などを用いて測定することができる。
また、中間転写体の反射出力電圧Vsg(V)の偏差は、0.5V以下が好ましい。ここで、「反射出力電圧」とは、前記中間転写体の表面に光を照射したときの反射光量を電圧値に変換して測定した電圧値である。前記反射出力電圧は、光量を電圧値に変換可能なフォトセンサにより測定した。また、その平均値としては、中間転写体1周分の反射出力電圧の平均値で表す。反射出力電圧Vsg(V)の偏差が0.5V以下であると、地肌部の反射光量測定の精度が向上し、優れた画像品質を提供可能な中間転写体を提供することができる。
<中間転写体の用途>
本発明の中間転写体は、複写機、プリンター、ファクシミリ等の電子写真方式の画像形成装置に好適に用いられ、像担持体に対して近接配置される中間転写体に用いることができる。また、本発明の中間転写体は、中間転写ベルト方式の画像形成装置(像担持体上に順次形成される複数のカラートナー現像画像を中間転写ベルト上に順次重ね合わせて一次転写を行い、その一次転写画像を被記録媒体に一括して二次転写する方式の装置)における中間転写ベルトとして好適に用いられる。特に無端状のベルトであることが好ましい。
(画像形成装置)
本発明の画像形成装置は、像担持体と、該像担持体上に静電潜像を形成するための静電潜像形成手段と、前記像担持体上に形成された静電潜像にトナーを用いてトナー像とする現像手段と、前記像担持体上のトナー像を中間転写体上に転写する一次転写手段と、前記中間転写体上のトナー像を記録媒体上に転写する二次転写手段とを有し、前記中間転写体が本発明の中間転写体である。更に必要に応じてその他の手段を有してなる。
本発明の画像形成装置では、本発明の中間転写体を用いているため、前記中間転写体の効果が得られる他、高画質の画像を得ることができるとともに、長期にわたって安定した画像を得ることができる。
ここで、図1は、本発明の画像形成装置の一例を示す概略図である。この図1の画像形成装置は、イエロー(以下、「Y」と記す。)、シアン(以下、「C」と記す。)、マゼンタ(以下、「M」と記す。)、ブラック(以下、「K」と記す。)の4色のトナーから、カラー画像を形成するものである。
例示した画像形成装置は、複数の像担持体を備え、これら像担持体を中間転写体の移動方向に並列させる画像形成装置(いわゆる「タンデム型画像形成装置」と称することもある。)であり、その基本的な構成について説明する。
図1に示す画像形成装置は、像担持体として4つの感光体1Y、1C、1M、1Kを備えている。なお、ここではドラム状の感光体を例に挙げているが、ベルト状の感光体を採用することもできる。各感光体1Y、1C、1M、1Kは、それぞれ表面移動部材であり、本発明の中間転写体である中間転写ベルト10に接触しながら回転駆動する。各感光体1Y、1C、1M、1Kは、比較的薄い円筒状の導電性基体上に感光層を形成し、前記感光層上に保護層を形成したものであり、感光層と保護層との間に中間層を設けてもよい。
図2は、感光体を配設するプロセスカートリッジ2の構成の一例を示す概略断面図である。なお、図1のプロセスカートリッジ2Y、2C、2M、2Kにおける各感光体1Y、1C、1M、1K周りの構成はすべて同じであるため、1つのプロセスカートリッジについてのみ図示し、色分け用の符号Y、C、M、Kについては省略してある。
感光体1の周りには、その表面移動方向に沿って、帯電手段としての帯電手段3、現像手段5、感光体1上のトナー像を記録媒体又は中間転写ベルト10に転写する転写手段6、感光体1上の未転写トナーを除去するクリーニング手段7の順に配置されている。帯電手段3と現像手段5との間には、帯電した感光体1の表面を画像情報に基づいて露光し、静電潜像を書き込む露光手段4から発せられる光が感光体1まで通過できるようにスペースが確保されている。
帯電手段3は、感光体1の表面を負極性に帯電する。この帯電手段3は、いわゆる接触・近接帯電方式で帯電処理を行う帯電部材としての帯電ローラ3を備えている。すなわち、この帯電手段3は、帯電ローラ3aを感光体1の表面に接触または近接させ、前記帯電ローラに負極性バイアスを印加することで、感光体1の表面を帯電する。感光体1の表面電位が例えば-500Vとなるような直流の帯電バイアスを帯電ローラ3aに印加している。なお、帯電バイアスとして、直流バイアスに交流バイアスを重畳させたものを利用することもできる。
また、帯電手段3には、帯電ローラ3aの表面をクリーニングするクリーニングブラシを設けてもよい。なお、帯電手段3として、帯電ローラ3aの周面上の軸方向両端部分に薄いフィルムを巻き付け、これを感光体1の表面に当接するように設置してもよい。この構成においては、帯電ローラ3aの表面と感光体1の表面との間は、フィルムの厚さ分だけ離間した極めて近接した状態となる。したがって、帯電ローラ3aに印加される帯電バイアスによって、帯電ローラ3aの表面と感光体の表面との間に放電が発生し、その放電によって感光体の表面が帯電される。
このようにして帯電した感光体1の表面には、露光手段4によって露光されて各色に対応した静電潜像が形成される。この露光手段4は、各色に対応した画像情報に基づき、感光体1に対して各色に対応した静電潜像を書き込む。なお、この例での露光手段4は、レーザ方式のものであるが、LEDアレイと結像手段とからなる他の方式を採用することもできる。
トナーボトル31Y、31C、31M、31Kから現像手段5内に補給されたトナーは、現像剤供給ローラ5bによって搬送され、現像ローラ5a上に担持される。現像ローラ5aの表面は、感光体1と対向する領域(以下、「現像領域」と云うこともある。)において感光体1の表面よりも速い線速度で同方向に移動する。そして、現像ローラ5a上のトナーが感光体1の表面を摺擦して、トナーが感光体1の表面に供給される。このとき、現像ローラ5aには、電源から例えば-300Vの現像バイアスが印加され、これにより現像領域には現像電界が形成される。
そして、感光体1上の静電潜像と現像ローラ5aとの間では、現像ローラ5a上のトナーに静電潜像側に向かう静電力が働くことになる。これにより、現像ローラ5a上のトナーは、感光体1上の静電潜像に付着することになる。この付着によって感光体1上の静電潜像は、それぞれ対応する色のトナー像に現像される。
転写手段6における中間転写ベルト10は本発明の中間転写体であり、3つの支持ローラ11、12、13に張架されていて、図1中矢印の方向に無端移動(回転)する構成となっている。この中間転写ベルト10上には、各感光体1Y、1C、1M、1K上のトナー像が静電転写方式により互いに重なり合うように転写される。
静電転写方式には、転写チャージャを用いた構成もあるが、ここでは転写チリの発生が少ない転写ローラ14を用いた構成を採用している。具体的には、各感光体1Y、1C、1M、1Kと接触する中間転写ベルト10の部分の裏面に、それぞれ一次転写ローラ14Y、14C、14M、14Kを配置している。
ここでは、各一次転写ローラ14Y、14C、14M、14Kにより押圧された中間転写ベルト10の部分と各感光体1Y、1C、1M、1Kとによって、一次転写ニップ部が形成される。そして、各感光体1Y、1C、1M、1K上のトナー像を中間転写ベルト10上に転写する際には、各一次転写ローラ14に正極性のバイアスが印加される。これにより、各一次転写ニップ部には転写電界が形成され、各感光体1Y、1C、1M、1K上のトナー像は、中間転写ベルト10上に静電的に付着し、転写される。
感光体1上に形成されたトナー像を中間転写ベルト10に転写させるときに、中間転写ベルト10は感光体1に圧接されていることが好ましい。このときの圧接力は、例えば10N/m~60N/mの範囲であることが好ましい。
中間転写ベルト10の周りには、その転写面に残留したトナーを除去するためのベルトクリーニング手段15が設けられている。このベルトクリーニング手段15は、中間転写ベルト10の転写面に付着した不要なトナーをクリーニングブレードやファーブラシで回収する構成となっている。
なお、回収した不要なトナーは、ベルトクリーニング手段15内から搬送手段により廃トナータンクまで搬送される。
また、支持ローラ13には中間転写ベルト10を介して二次転写ローラ16が付勢されていて、この中間転写ベルト10と二次転写ローラ16との間には二次転写ニップ部が形成されている。このニップ部分に、所定のタイミングで記録媒体としての転写紙が送り込まれるようになっている。この転写紙は、給紙カセット20内に収容されており、給紙ローラ21、レジストローラ対22等によって、二次転写ニップ部まで搬送される。
そして、中間転写ベルト10上に重ね合わされたトナー像は、二次転写ニップ部において、転写紙上に一括して転写される。この二次転写時には、二次転写ローラ16に正極性のバイアスが印加され、これにより形成される転写電界によって中間転写ベルト10上のトナー像が転写紙上に転写される。
二次転写ニップ部の転写紙搬送方向下流側には、定着手段としての加熱定着装置23が配置されている。この加熱定着装置23は、ヒータを内蔵した加熱ローラ23aと、圧力を加えるための加圧ローラ23bとを備えている。二次転写ニップ部を通過した転写紙は、これらのローラ間に挟み込まれ、熱と圧力を受けることにより、転写紙上に転写されていたトナーが溶融し、トナー像が転写紙に定着される。そして、定着後の転写紙は、排紙ローラ24によって、装置上面の排紙トレイ上に排出される。
現像手段5は、そのケーシングの開口から現像剤担持体としての現像ローラ5aが部分的に露出している。現像手段5は、図1に示したトナーボトル31Y、31C、31M、31Kから、対応する色のトナーの補給を受けてこれを内部に収容している。このトナーボトル31Y、31C、31M、31Kは、それぞれが単体で交換できるように、画像形成装置本体に対して着脱可能に構成されている。このような構成とすることで、トナーエンド時にはトナーボトル31Y、31C、31M、31Kだけを交換すればよい。したがって、トナーエンド時にまだ寿命に達していない他の構成部材はそのまま利用でき、ユーザーの出費を抑えることができる。
現像剤収納器5d中の現像剤(トナー)は、供給ローラ5bで攪拌されながら、感光体1に供給する。このときトナーは、適正な帯電量に制御される。
このような画像形成装置においては、潜像担持体、帯電手段、現像手段等の構成要素のうち、複数のものを上記のようにプロセスカートリッジとして一体に結合して構成し、このプロセスカートリッジを複写機、プリンター等の画像形成装置本体に対して着脱可能に構成することができる。
以下、本発明を実施例により詳細に説明するが、本発明は下記実施例に限定されるものではない。なお、以下「部」とあるのは「質量部」を表す。また、実施例4とあるのは、本発明に含まれない参考例4とする。
(実施例1)
<基体の作製>
ポリエーテルエーテルケトン(380PF、ビクトレックス社製)100質量部、導電剤として導電性カーボンブラック(VULCAN-XC72R、キャボット社製)19質量部をホッパーに送り、二軸混練機(PCM-30、池貝社製)を用いて300℃~400℃の間で温度調整を適宜行った。また、回転数を50rpm~200rpmで適宜調整を行い、溶融混練押出を行った。押し出された樹脂から、ペレタイザー(TSM-125、タナカ社製)によりペレット状の樹脂組成物を得た。
次いで、単軸溶融押出機(YE-40V、山口製作所製)にて直径310mmの円筒状金型を用い、円筒状のフィルムを押出成型により作製した。円筒状フィルムの作製は溶融混練温度及び金型温度を300℃~400℃の範囲で適宜調整しながら行った。得られた円筒状のフィルムの厚みは50μmであった。
次に、得られた円筒状のフィルムを幅374.5mmにカットし、周長973.4mmの導電性の基体を得た。得られた基体について、ハイレスタUP MCP-HT450型(三菱化学アナリテック社製)を用いて体積抵抗率及び表面抵抗率を測定した。印加電圧を100V、印加時間を10秒として5箇所の体積抵抗率を測定して平均値を求めたところ、体積抵抗率の平均値は5.0×1010Ω・cmであった。また、印加電圧500V印加時間を10秒として5箇所の表面抵抗率を測定して平均値を求めたところ、表面抵抗率の平均値は4.5×1011Ω/□であった。
<イオン導電層の作製>
イオン導電層の塗工液として、以下の材料を調合し、酢酸ブチル、MEK(メチルエチルケトン)からなる希釈溶媒で固形分を調整し、基体上にスプレー塗布した。
[イオン導電層の材料]
・ポリエーテルポリオール樹脂(エクセノール540、旭硝子社製) 70部
・イソシアネート系硬化剤(T4、川上塗料社製) 25部
・ビス(トリフルオロメタン)スルホニルイミド酸リチウム酢酸ブチル溶液(三光化学工業社製) 4.5部
・有機塩触媒(U-CAT SA1(1,8-ジアザビシクロ(5,4,0)-ウンデセン-7のフェノール塩)、サンアプロ社製) 0.5部
その後、オーブンで100℃、1.5時間、塗料樹脂を加熱硬化させ、膜厚が5μmのイオン導電層を形成した。
<保護層の作製>
保護層の塗工液として、以下の材料を調合し、酢酸ブチル、MEKからなる希釈溶媒で固形分を調整し、スプレー塗布した。
[保護層の材料]
・アクリル変性シリコン樹脂(3000VH-P、川上塗料社製) 80部
・イソシアネート系硬化剤(T4、川上塗料社製) 20部
その後、オーブンで100℃、1.5時間、塗料樹脂を加熱硬化させ、膜厚が0.5μmの保護層を形成した。
以上のようにして、本実施例の中間転写体を得た。得られた中間転写体はベルト状であった。
(実施例2)
実施例1において、保護層の膜厚を2μmとした以外は実施例1と同様にした。
(実施例3)
実施例1において、保護層のアクリル変性シリコンをアクリル変性フッ素(ZX-001、T&K TOKA社製)に変更した以外は実施例1と同様にした。
(実施例4)
実施例1において、ビス(トリフルオロメタン)スルホニルイミド酸リチウムを過塩素酸リチウム(PEL-20A、日本カーリット社製)に変更した以外は実施例1と同様にした。
(実施例5)
実施例1において、中間転写体の抵抗率が低抵抗側になるように、保護層の膜を0.4μmに変更し、基体の抵抗を変更した以外は実施例1と同様にした。
(実施例6)
実施例1において、中間転写体の抵抗率が高抵抗側になるように、保護層の膜を2.4μmに変更し、基体の抵抗を変更した以外は実施例1と同様にした。
(比較例1)
実施例1において、保護層を設けなかった以外は実施例1と同様にした。
(比較例2)
実施例1において、保護層の膜厚を4μmとした以外は実施例1と同様にした。
(比較例3)
実施例1において、イオン導電層を設けなかった以外は実施例1と同様にした。
(比較例4)
実施例1において、中間転写体の抵抗率が低抵抗側になるように、保護層の膜を0.2μmに変更し、基体の抵抗を変更した以外は実施例1と同様にした。
(測定)
<体積抵抗率及び表面抵抗率>
上記得られた中間転写体について、以下のように体積抵抗率及び表面抵抗率を測定した。体積抵抗率及び表面抵抗率は、ハイレスタUP MCP-HT450型(三菱化学アナリテック社製)を用いて測定した。体積抵抗率及び表面抵抗率は以下のように測定して平均値を求めた。また、表面抵抗率について、周方向4箇所を測定した最大値と最小値の差を求め、表面抵抗率の周方向偏差を求めた。
体積抵抗率:印加電圧100V、印加時間10秒、周方向4箇所(基準、90°、180°、270°)
表面抵抗率:印加電圧500V、印加時間10秒、周方向25mmピッチ38点
<厚み>
各構成の平均厚みの測定方法としては、電子マイクロメーター(アンリツ社製)を用いた。方向25mmピッチ38点について、基体形成後、イオン導電層形成後、保護層形成後それぞれ測定し、差を用いて実測した。
(評価)
<画像ムラ評価>
上記得られた中間転写体をIPSIO C730(リコー社製)に装着させた画像形成装置(図1参照)を使用して、初期の画像評価を行った。評価画像としてはハーフトーンのべた画像をA4サイズ横で数枚出力した。紙全面に転写されたハーフトーン画像において濃度ムラを目視で確認した。下記の評価基準により、「○」を許容可とし、「△」「×」を許容不可とした。
[評価基準]
○:目視上判別できる濃淡ムラが確認できない。
△:目視上判別できる濃淡ムラがピッチで帯状に存在する。
×:目視上判別できる濃淡ムラがランダムに確認できる。
<異常画像評価>
上記得られた中間転写体をMP C3503(リコー社製)に装着し、異常画像評価を行った。評価画像として、チェッカーパターン(30mm×30mmの正方形を横方向30mmおきに5~6個配列したもの)をA4サイズ横で数枚出力するとともに、出力途中で強制停止し、中間転写ベルト表面と印刷紙を目視観察して転写画像(ベタチリ、ドットチリ、白ポチ、ボソツキ)を評価した。下記の評価基準により、「○」を許容可とし、「△」「×」を許容不可とした。
[評価基準]
○:異常画像が中間転写ベルト上にも印刷紙上にも目視で確認できない。
△:容認できないレベルの異常画像が印刷紙上に目視で確認できる。
×:異常画像が中間転写ベルト上にも印刷紙上にも目視で確認できる。
<耐久評価(クリーニング評価)>
上記得られた中間転写体をMP C3503(リコー社製)に装着し、耐久評価を行った。通紙条件として画像面積率5%チャートを3プリント/ジョブで24万枚(A4サイズ横)出力後、中転周り及び出力画像を確認した。下記の評価基準により、「○」を許容可とし、「△」「×」を許容不可とした。なお、「○」の場合、経時にわたりクリーニング性が良好であり、耐久性に優れるといえる。
[評価基準]
○:異常画像が目視で確認できない。
△:容認できないレベルの異常画像が印刷紙上に目視で確認できる。
×:異常画像が中間転写ベルト上にも印刷紙上にも目視で確認できる。
-:評価なし
<総合評価>
各評価項目のいずれかについて、「-」、「×」、「△」があるものは「×」と評価した。それ以外は「○」と評価した。
得られた測定結果及び評価結果を表1に示す。
Figure 0007059718000002
実施例では、画像ムラ、異常画像がなく、耐久性(クリーニング性)も良好であった。
比較例1では、初期はイオン導電層により電気特性が比較的良好であったが、白ポチ状の異常画像、ボソツキ等の異常画像が見られた。また、経時でのクリーニング性評価において中間転写体の汚れによる画像濃度ムラやスジ状の転写不均一が確認された。
比較例2では、絶縁性保護層の膜厚が大きく転写機能自体を損なった。
比較例3では、イオン導電層の効果が得られず、導電性機体のパスの不均一性に起因する画像ムラが生じていた。
比較例4では、中間転写体の抵抗率が低すぎ、転写機能自体を損なった。
1 感光体
2 プロセスカートリッジ
3 帯電手段
4 露光手段
5 現像手段
6 転写手段
7 クリーニング手段
10 中間転写ベルト
特開2005-112942号公報

Claims (7)

  1. ポリエーテルエーテルケトン及び導電剤を含む導電性の基体と、
    該基体上に形成され、高分子型イオン導電性材料を含むイオン導電層と、
    該イオン導電層上に形成され、疎水性合成樹脂を含む保護層を有する中間転写体であって、
    印加電圧を100V、印加時間を10秒としたときの体積抵抗率が1×10Ω・cm~1×1013.5Ω・cmであり、印加電圧を500V、印加時間を10秒としたときの表面抵抗率が1×10Ω/□~1×1013.5Ω/□であり、
    前記高分子型イオン導電性材料は、ポリエーテル樹脂と電解質塩からなり、
    前記電解質塩は、アルカリ金属及びアルカリ土類金属から選ばれる少なくとも1種を含む含フッ素有機アニオン類であることを特徴とする中間転写体。
  2. 前記ポリエーテル樹脂は、ポリエーテルポリオール樹脂であることを特徴とする請求項に記載の中間転写体。
  3. 前記疎水性合成樹脂は、アクリルフッ素系樹脂及びアクリルシリコン系樹脂から選択される少なくとも1種であることを特徴とする請求項1又は2に記載の中間転写体。
  4. 前記保護層は、イソシアネートで架橋された疎水性合成樹脂を含むことを特徴とする請求項1~のいずれかに記載の中間転写体。
  5. 前記保護層の膜厚が0.5μm~2μmであることを特徴とする請求項1~のいずれかに記載の中間転写体。
  6. 前記基体は、印加電圧を100V、印加時間を10秒としたときの体積抵抗率が1×10Ω・cm~1×1011.5Ω・cmであり、印加電圧を500V、印加時間を10秒としたときの表面抵抗率が1×10Ω/□1×1012.5Ω/□であることを特徴とする請求項1~のいずれかに記載の中間転写体。
  7. 像担持体と、該像担持体上に静電潜像を形成するための静電潜像形成手段と、前記像担持体上に形成された静電潜像にトナーを用いてトナー像とする現像手段と、前記像担持体上のトナー像を中間転写体上に転写する一次転写手段と、前記中間転写体上のトナー像を記録媒体上に転写する二次転写手段と、を有し、
    前記中間転写体が、請求項1~のいずれかに記載の中間転写体であることを特徴とする画像形成装置。
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