JP2018036624A - 画像形成装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】 中間転写ベルトの周方向に電流を流すことで1次転写を行う画像形成装置において、中間転写ベルトを構成する層のうち最も厚い層がイオン導電性を有する場合に、良好な1次転写性が得られないおそれがあった。【解決手段】 中間転写ベルト10は、中間転写ベルトの厚さ方向に関して、イオン導電性を有し中間転写ベルト10を構成する複数の層のうち最も厚い層である基層10aと、電子導電性を有し基層10aよりも電気抵抗が低い内面層10bと、を有することを特徴とする画像形成装置。【選択図】 図3
Description
本発明は、複写機やプリンタ等の電子写真方式の画像形成装置に関するものである。
電子写真方式のカラー画像形成装置においては、従来から、各色の画像形成部から中間転写体に順次トナー像を転写し、さらに中間転写体から転写材に一括してトナー像を転写する構成が知られている。
このような画像形成装置では、各色の画像形成部がそれぞれ像担持体としてのドラム状の感光体(以下、感光ドラムと称する)を有している。各画像形成部の感光ドラムに形成されたトナー像は、中間転写ベルトなどの中間転写体を介して感光ドラムに対向して設けられた1次転写部材に1次転写電源から電圧を印加することによって、中間転写体に1次転写される。各色の画像形成部から中間転写体に1次転写された各色のトナー像は、2次転写部において2次転写電源から2次転写部材へ電圧を印加することによって、中間転写体から紙やOHTなどの転写材に一括して2次転写される。転写材に転写された各色のトナー像は、その後、定着手段により転写材に定着される。
特許文献1には、中間転写体として導電性を有する中間転写ベルトを使用し、電流供給部材から供給される電流を中間転写ベルトの周方向に流すことにより、複数の感光ドラムから中間転写ベルトにトナー像を1次転写する構成が開示されている。
しかしながら、特許文献1の構成においては、中間転写ベルトの電気抵抗が変動した場合に良好な1次転写性を確保することが難しくなることが懸念される。電流供給部材から中間転写ベルトの周方向に電流を流して1次転写を行う構成において、電流供給部材から感光ドラムまでの距離が離れていると、1次転写を行うための電流が中間転写ベルトを流れる距離が長くなる。この場合、中間転写ベルトの周方向に流れた電流の分だけ、感光ドラムと中間転写ベルトが接触する1次転写部における電圧(以下、1次転写電圧と称する)が降下するため、1次転写電圧は、中間転写ベルトの電気抵抗の変動による影響を受けやすい。
例えば、中間転写ベルトの厚さ方向に関して、中間転写ベルトを構成する層のうち最も厚い層がイオン導電性を有する層である中間転写ベルトは、周囲環境によって中間転写ベルトの電気抵抗が変動する傾向にある。より詳しくは、高温高湿の環境では中間転写ベルトの電気抵抗が低くなり、低温低湿の環境では中間転写ベルトの電気抵抗が高くなる傾向にある。このような中間転写ベルトを用いて、1次転写電圧が標準環境において1次転写を行うために好適な電圧となるように電流供給部材に電圧を印加する場合を考える。この場合、低温低湿環境における1次転写電圧の降下量は標準環境における1次転写電圧の降下量よりも大きくなることから、感光ドラム上のトナー像を中間転写ベルトに1次転写するために必要な1次転写電圧が不足し、画像不良が発生する可能性がある。また、高温高湿環境における1次転写電圧の降下量は標準環境における1次転写電圧の降下量よりも小さくなることから、感光ドラム上のトナー像を中間転写ベルトに1次転写するために必要な1次転写電圧が過剰となり、画像不良が発生する可能性がある。
そこで本発明は、中間転写ベルトの周方向に電流を流して1次転写を行う画像形成装置において、中間転写ベルトを構成する層のうち最も厚い層がイオン導電性を有する場合においても、良好な1次転写性を確保することを目的とする。
本発明は、トナー像を担持する像担持体と、導電性を有し、複数の層から構成される中間転写ベルトと、前記中間転写ベルトに接触する電流供給部材と、前記電流供給部材に電圧を印加する電源と、を備え、前記電源から前記電流供給部材に電圧を印加することにより、前記中間転写ベルトの周方向に電流を流して前記像担持体から前記中間転写ベルトにトナー像を1次転写する画像形成装置において、前記中間転写ベルトは、前記中間転写ベルトの厚さ方向に関して、イオン導電性を有し前記中間転写ベルトを構成する複数の層のうち最も厚い層である第1の層と、電子導電性を有し前記第1の層よりも電気抵抗が低い第2の層と、を有することを特徴とする。
本発明によれば、中間転写ベルトの周方向に電流を流して1次転写を行う画像形成装置において、中間転写ベルトを構成する層のうち最も厚い層がイオン導電性を有する場合においても、良好な1次転写性を確保することが可能である。
以下、図面を参照して、本発明の好適な実施例を例示的に詳しく説明する。ただし、以下の実施例に記載されている構成部品の寸法、材質、形状、それらの相対配置などは、本発明が適用される装置の構成や各種条件により適宜変更されるべきものである。従って、特に特定的な記載がない限りは、本発明の範囲を限定する趣旨のものではない。
(実施例1)
[画像形成装置の構成]
図1は、本実施例の画像形成装置の構成を示す概略断面図である。なお、本実施例の画像形成装置は、a〜dの複数の画像形成部を設けている、いわゆるタンデム型の画像形成装置である。第1の画像形成部aはイエロー(Y)、第2の画像形成部bはマゼンタ(M)、第3の画像形成部cはシアン(C)、第4の画像形成部dはブラック(Bk)の各色のトナーによって画像を形成する。これら4つの画像形成部は一定の間隔をおいて一列に配置されており、各画像形成部の構成は収容するトナーの色を除いて実質的に共通である部分が多い。したがって、以下、第1の画像形成部aを用いて本実施例の画像形成装置を説明する。
[画像形成装置の構成]
図1は、本実施例の画像形成装置の構成を示す概略断面図である。なお、本実施例の画像形成装置は、a〜dの複数の画像形成部を設けている、いわゆるタンデム型の画像形成装置である。第1の画像形成部aはイエロー(Y)、第2の画像形成部bはマゼンタ(M)、第3の画像形成部cはシアン(C)、第4の画像形成部dはブラック(Bk)の各色のトナーによって画像を形成する。これら4つの画像形成部は一定の間隔をおいて一列に配置されており、各画像形成部の構成は収容するトナーの色を除いて実質的に共通である部分が多い。したがって、以下、第1の画像形成部aを用いて本実施例の画像形成装置を説明する。
第1の画像形成部aは、ドラム状の感光体である感光ドラム1aと、帯電部材である帯電ローラ2aと、現像手段4aと、ドラムクリーニング手段5aと、を有する。
感光ドラム1aは、トナー像を担持する像担持体であり、図示矢印R1方向に所定の周速度(プロセススピード)で回転駆動される。現像手段4aは、イエローのトナーを収容し、感光ドラム1aにイエロートナーを現像する。ドラムクリーニング手段5aは、感光ドラム1aに付着したトナーを回収するための手段である。ドラムクリーニング手段5aは、感光ドラム1aに接触するクリーニングブレードと、クリーニングブレードによって感光ドラム1aから除去されたトナーなどを収容する廃トナーボックスと、を有する。
コントローラ等の制御手段(不図示)が画像信号を受信することによって画像形成動作が開始され、感光ドラム1aは回転駆動される。感光ドラム1aは回転過程で、帯電ローラ2aにより所定の極性(本実施例では負極性)で所定の電圧(帯電電圧)に一様に帯電処理され、露光手段3aにより画像信号に応じて露光される。これにより、感光ドラム1aには目的のカラー画像のイエロー色成分像に対応した静電潜像が形成される。次いで、その静電潜像は現像位置において現像手段4aにより現像され、感光ドラム1aにイエロートナー像として可視化される。ここで、現像手段4aに収容されたトナーの正規の帯電極性は負極性であり、帯電ローラ2aによる感光ドラム1aの帯電極性と同極性に帯電したトナーにより静電潜像を反転現像している。しかし、本発明はこれに限らず、感光ドラム1aの帯電極性とは逆極性に帯電したトナーにより静電潜像を正現像する画像形成装置にも本発明を適用できる。
無端状で回転可能な中間転写ベルト10は、導電性を有し、感光ドラム1aと接触して1次転写部を形成し、感光ドラム1aと略同一の周速度で回転駆動される。また、中間転写ベルト10は、対向部材としての対向ローラ13と、張架部材としての駆動ローラ11及び張架ローラ12とで張架されている。感光ドラム1aに形成されたイエロートナー像は、1次転写部を通過する過程で、感光ドラム1aから中間転写ベルト10に1次転写される。感光ドラム1aの表面に残留した1次転写残トナーは、ドラムクリーニング手段5aにより清掃、除去された後、帯電以下の画像形成プロセスに供せられる。
1次転写時には中間転写ベルト10の外周面に接触する2次転写部材(電流供給部材)としての2次転写ローラ20から導電性の中間転写ベルト10に電流を供給している。2次転写ローラ20から供給される電流が中間転写ベルト10の周方向に流れることにより、感光ドラム1aから中間転写ベルト10にトナー像が1次転写される。本実施例の各1次転写部におけるトナー像の1次転写については、後に詳しく説明する。
以下、同様にして、第2色のマゼンタトナー像、第3色のシアントナー像、第4色のブラックトナー像が形成され、中間転写ベルト10に順次重ねて転写される。これにより、中間転写ベルト10には、目的のカラー画像に対応した4色のトナー像が形成される。その後、中間転写ベルト10に担持された4色のトナー像は、2次転写ローラ20と中間転写ベルト10とが接触して形成する2次転写部を通過する過程で、給紙手段50により給紙された紙やOHPシートなどの転写材Pの表面に一括で2次転写される。
2次転写ローラ20は、外径6mmのニッケルメッキ鋼棒に、体積抵抗率108Ω・cm、厚さ6mmに調整したNBRとエピクロルヒドリンゴムを主成分とする発泡スポンジ体で覆った外径18mmのものを用いている。なお、発泡スポンジ体のゴム硬度はアスカー硬度計C型を用いて測定し、500g荷重時に硬度30°であった。2次転写ローラ20は、中間転写ベルト10の外周面に接触しており、中間転写ベルト10を介して対向部材としての対向ローラ13に対して50Nの加圧力で押圧され、2次転写部を形成している。
2次転写ローラ20は中間転写ベルト10に対して従動回転しており、転写電源21から電圧が印加されることにより、2次転写ローラ20から対向部材としての対向ローラ13に向かって電流が流れる。これにより、中間転写ベルト10に担持されていたトナー像は2次転写部において転写材Pに2次転写される。なお、中間転写ベルト10のトナー像を転写材Pに2次転写している時には、中間転写ベルト10を介して2次転写ローラ20から対向ローラ13に向かって流れる電流が一定になるように、転写電源21から2次転写ローラ20に印加される電圧は制御される。また、2次転写を行うための電流の大きさは、画像形成装置が設置される周囲環境や転写材Pの種類により、予め決定されている。転写電源21は、2次転写ローラ20に接続しており、転写電圧を2次転写ローラ20に印加する。また、転写電源21は、100[V]から4000[V]の範囲の出力が可能である。
2次転写によって4色のトナー像を転写された転写材Pは、その後、定着手段30において加熱および加圧されることにより、4色のトナーが溶融混色して転写材Pに定着される。2次転写後に中間転写ベルト10に残ったトナーは、中間転写ベルト10を介して対向ローラ13に対向して設けられたベルトクリーニング手段16により清掃、除去される。ベルトクリーニング手段16は、中間転写ベルト10の外周面に接触するクリーニングブレードと、クリーニングブレードによって中間転写ベルト10上から除去されたトナー等を収容する廃トナー容器と、を有する。
本実施例の画像形成装置においては、以上の動作により、フルカラーのプリント画像が形成される。
次に、中間転写ベルト10と、駆動ローラ11と、張架ローラ12と、2次転写ローラ20の対向部材としての対向ローラ13と、中間転写ベルト10の内周面に接触する接触部材としての金属ローラ14について説明する。
中間転写ベルト10は、樹脂材料に導電剤を添加して導電性を付与した無端状ベルトであり、駆動ローラ11、張架ローラ12、対向ローラ13の3軸で張架され、張架ローラ12により総圧60Nの張力で張架されている。
対向ローラ13は電圧維持素子としてのツェナーダイオード15を介してアースに接続されている。転写電源21から電圧が印加された2次転写ローラ20が対向ローラ13に電流を供給することにより、対向ローラ13を介してツェナーダイオード15に電流が流れる。電圧維持素子としてのツェナーダイオード15は、電流が流れることにより所定の電圧(以下、ツェナー電圧とする)を維持する素子であり、一定以上の電流が流れた際にカソード側にツェナー電圧が発生する。すなわち、ツェナーダイオード15の一端側(アノード側)はアースに接続され、他端側(カソード側)は対向ローラ13に接続され、転写電源21から2次転写ローラ20に電圧が印加されることにより、対向ローラ13はツェナー電圧に維持される。
本実施例では、ツェナー電圧に維持される対向ローラ13から中間転写ベルト10を介して各感光ドラム1a〜1dに電流が流れることにより、各感光ドラム1a〜1dから中間転写ベルト10にトナー像が1次転写される。このとき、所望の1次転写効率を得るために、本実施例においてはツェナー電圧を300[V]に設定している。
図1に示すように、中間転写ベルト10は、駆動源(不図示)からの駆動力を受けて図示矢印R2方向に回転する駆動ローラ11によって各感光ドラム1a、1b、1c、1dと略同一の周速度で回転駆動される。また、図1に示すように、感光ドラム1bと感光ドラム1cの間には、中間転写ベルト10の内周面に接触する接触部材である金属ローラ14が配置されている。
図2(a)は感光ドラム1bと感光ドラム1cの間を拡大した模式図である。図2(a)に示すように、金属ローラ14は、感光ドラム1bと感光ドラム1cの中間の位置に配置されている。また、金属ローラ14は、感光ドラム1b、1cへの中間転写ベルト10の巻きつき量を確保できるように、感光ドラム1bと感光ドラム1cが中間転写ベルト10と接触する位置を結んだ仮想線TLから感光ドラム側に侵入した位置に配置されている。
金属ローラ14は、外径6mmのストレート形状のニッケルメッキされたSUS丸棒で構成され、中間転写ベルト10の回転に伴い、従動して回転する。金属ローラ14は、中間転写ベルト10の移動方向と直交する長手方向の所定領域に亘って中間転写ベルト10と接触しており、電気的にフロートした状態で配置されている。
金属ローラ14は、外径6mmのストレート形状のニッケルメッキされたSUS丸棒で構成され、中間転写ベルト10の回転に伴い、従動して回転する。金属ローラ14は、中間転写ベルト10の移動方向と直交する長手方向の所定領域に亘って中間転写ベルト10と接触しており、電気的にフロートした状態で配置されている。
ここで、感光ドラム1bの軸中心から感光ドラム1cの軸中心までの距離をW、仮想線TLに対する金属ローラ14の持ち上げ高さをH1と定義する。本実施例においては、W=50mm、H1=2mmである。また、各感光ドラム1a、1b、1c、1dの間の距離全て等しく、距離W=50mmに設定されている。
図2(b)は、本実施例の1次転写部の構成を示す概略断面図である。本実施例では感光ドラム1a、感光ドラム1dに対する中間転写ベルト10の巻きつき量を確保するため、駆動ローラ11、対向ローラ13を図2(b)のように配置している。駆動ローラ11及び対向ローラ13は、各感光ドラム1a、1b、1c、1dと中間転写ベルト10が接触する位置を結んだ仮想線TLよりも感光ドラム側に侵入した位置に配置されている。この時、対向ローラ13の軸中心から感光ドラム1aの軸中心までの距離をD1、駆動ローラ11の軸中心から感光ドラム1dの軸中心までの距離をD2と定義する。また、仮想線TLに対する対向ローラ13の持ち上げ高さをH2、駆動ローラ11の持ち上げ高さをH3と定義し、本実施例においては、D1=D2=50mm、H2=H3=2mmである。
[中間転写ベルトの構成]
図3は、金属ローラ14の軸方向から見たときの、本実施例における中間転写ベルト10の断面を表す模式図である。中間転写ベルト10は、周長700mm、厚み90μmであり、基層10a(第1の層)と内面層10b(第2の層)により形成される。基層10aには、導電剤として多価金属塩や第4級アンモニウム塩などのイオン導電剤を混合した無端状のポリフッ化ビニリデン(PVdF)を用い、内面層10bには、導電剤としてカーボンを混合したアクリル樹脂を用いた。
図3は、金属ローラ14の軸方向から見たときの、本実施例における中間転写ベルト10の断面を表す模式図である。中間転写ベルト10は、周長700mm、厚み90μmであり、基層10a(第1の層)と内面層10b(第2の層)により形成される。基層10aには、導電剤として多価金属塩や第4級アンモニウム塩などのイオン導電剤を混合した無端状のポリフッ化ビニリデン(PVdF)を用い、内面層10bには、導電剤としてカーボンを混合したアクリル樹脂を用いた。
ここで、基層とは、中間転写ベルト10の厚さ方向に関して、中間転写ベルト10を構成する層のうち、最も厚い層であると定義する。また、本実施例においては、内面層10bは中間転写ベルト10の内周面側に形成される層であり、中間転写ベルト10の移動方向と交差する方向である厚さ方向に関して、基層10aは内面層10bよりも各感光ドラム1a〜1dに近い位置に形成される。本実施例においては、基層10aに対してスプレーコーティングを行うことにより、中間転写ベルト10の内面層10bを形成した。なお、基層10aの厚みをt1、内面層10bの厚みをt2と定義すると、t1=87μm、t2=3μmである。
本実施例では、基層10aの材料としてポリフッ化ビニリデン(PVdF)を使用したが、これに限らず、例えば、ポリエステル、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン共重合体(ABS)等の材料及びこれらの混合樹脂を使用しても良い。また本実施例では、内面層10bの材料としてアクリル樹脂を使用したが、他の材料でもよく、例えば、ポリエステル等の材料を使用しても良い。
また、基層10aに添加するイオン導電剤としては、高分子型と低分子型の導電剤を用いる事が可能である。例えば、高分子型では、ノニオン系としてポリエーテルエステルアミドやポリエチレンオキシド−エピクロルヒドリンやポリエーテルエステル、カチオン系として第4級アンモニウム基含有アクリレート重合体、アニオン系としてポリスチレンスルホン酸などを用いる事が可能である。また、低分子型では、ノニオン系としてエーテル基を含む誘導体やエーテルエステルを含む誘導体、カチオン系として第1〜3級アンモニウム塩や第4級アンモニウム塩とそれらの誘導体、アニオン系としてカルボン酸塩、硫酸エステル塩、スルホン酸塩、リン酸エステル塩とそれらの誘導体などを用いる事が可能である。これらの高分子型あるいは低分子型のイオン導電剤は、単独でまたは二種以上組合せて使用することができ、中でも耐熱性や導電性の観点から、第4級アンモニウム塩やスルホン酸塩、ポリエーテルエステルアミドなどが好適に用いられる。
中間転写ベルト10の基層10aは、イオン導電性を有している。イオン導電性を有する中間転写ベルトは、電子導電性の材料から成る中間転写ベルトに比べて、孤立したパッチ状のトナー像(以下、独立パッチパターンと称する)に対する2次転写性が良いという特徴がある。図4(a)〜(b)は独立パッチパターンの2次転写性を説明する模式図である。
例えば、図4(a)に示すような独立パッチパターンは、中間転写ベルトから転写材Pに転写する際に転写不良が発生しやすい。図4(b)で示すように、独立パッチパターンにおいては、トナー像領域Tの電気抵抗に対して非トナー像領域Sの抵抗が低いため、2次転写を行うための電流が非トナー像領域Sに選択的に流れる可能性がある。その結果、独立パッチパターンを転写材に2次転写することが出来ず、転写不良が発生する可能性がある。
電子導電性の中間転写ベルトはその電気的特性により、電流が多く流れると電気抵抗値が下がるため、独立パッチパターンの両端の非トナー像領域Sに流れ込む電流i2が多くなる。一方で、電子導電性の中間転写ベルトに比べると、イオン導電性の中間転写ベルトは、流れる電流の量による電気抵抗の変化が少ない傾向にある。これにより、非トナー像領域Sに電流i2が過剰に流れることを抑制し、トナー像領域Tに電流i1を流すことが出来ることから、2次転写時において転写不良が発生しにくい。中間転写ベルトが複数の層によって構成される場合であっても、中間転写ベルトの表層の近傍にイオン導電層を設けることにより、2次転写不良を軽減する効果が得られる。なお、表層の近傍に電子導電層を有する中間転写ベルトであっても、電子導電層の電気抵抗によっては2次転写不良を軽減することが可能である。
また、本実施例では、基層10aと内面層10bの電気抵抗が異なる中間転写ベルト10を用いており、基層10aと比べて内面層10bの電気抵抗を低く設定している。ここで、中間転写ベルト10に関して、外周面側(基層10a側)から測定した表面抵抗率を基層10aの電気抵抗とし、内周面側(内面層10b側)から測定した表面抵抗率を内面層10bの電気抵抗と定義する。即ち、本実施例の中間転写ベルト10は、外周面側から測定した表面抵抗率と内周面側から測定した表面抵抗率の値が異なり、内周面側から測定される表面抵抗率の方が外周面側から測定される表面抵抗率よりも値が小さい。
更に、本実施例における中間転写ベルト10は、基層10aと内面層10bとの電気抵抗と厚みの関係から、中間転写ベルト10の体積抵抗率は基層10aの電気抵抗を反映する。標準環境(温度23℃湿度50%)において、中間転写ベルト10の外周面側から測定した表面抵抗率は3.2×109Ω/□であり、中間転写ベルト10の内周面側から測定した表面抵抗率は、1.0×106Ω/□であり、体積抵抗率は5×109Ω・cmであった。
中間転写ベルト10の体積抵抗率及び表面抵抗率は、三菱化学株式会社のHiresta−UP(MCP−HT450)を用いて、温度23℃、湿度50%の測定環境のもとで測定した。体積抵抗率の測定は、リングプローブのタイプUR(型式MCP−HTP12)を使用し、中間転写ベルト10の外周面側からプローブを当て、印加電圧100[V]、測定時間10秒の条件で行った。表面抵抗率の測定は、リングプローブのタイプUR100(型式MCP−HTP16)を使用し、印加電圧10[V]、測定時間10秒の条件で行った。中間転写ベルト10の内周面側の表面抵抗率は、内面層10b側にプローブを当てて測定し、中間転写ベルト10の外周面側の表面抵抗率は、基層10a側にプローブを当てて測定した。
以下に、本実施例の作用効果について、比較例1及び比較例2を用いて詳細を説明する。比較例1としては、本実施例の基層10aと材料、形状ともに同一であり、内面層10bを設けていない中間転写ベルトを用いた。比較例1は、ツェナーダイオードのツェナー電圧を300[V]に設定しており、中間転写ベルト10の構成を除いてその他の画像形成装置の構成や各種設定値は本実施例と同じである。また、比較例2は、比較例1と同じ中間転写ベルトを用い、ツェナーダイオードのツェナー電圧を500[V]に設定した。なお、比較例2は、中間転写ベルト10の構成とツェナー電圧を除き、その他の画像形成装置の構成や各種設定値は本実施例と同じである。
図5は、本実施例の中間転写ベルト10と、比較例1及び比較例2の中間転写ベルトの、各測定環境における体積抵抗率と表面抵抗率を説明する表である。図5に示すように、本実施例の中間転写ベルト10と比較例1及び比較例2の中間転写ベルトの体積抵抗率は、各測定環境においてほぼ同じ値である。これは、本実施例の中間転写ベルト10の内面層10bの電気抵抗が基層10aの電気抵抗に比べて十分に低く、本実施例の中間転写ベルト10の体積抵抗率が基層10aの電気抵抗を反映するためである。
一方で、内面層10bを設けることにより、本実施例の中間転写ベルト10の内周面側の表面抵抗率は、比較例1及び比較例2の中間転写ベルトの内周面側の表面抵抗率(以下、単に表面抵抗率と称する)よりも低くなる。このように、本実施例においては、基層10aと内面層10bの電気抵抗が異なる中間転写ベルト10を用い、基層10aと比べて内面層10bの電気抵抗を低く設定している。
また、本実施例の中間転写ベルト10の内面層10bは電子導電性を有することから、中間転写ベルト10の内周面側の表面抵抗率は周囲環境の影響を受けず、各測定環境でほぼ変動しない。これに対し、比較例1及び比較例2の中間転写ベルトは内面層10bを有しておらず、イオン導電性を有する基層のみから構成されるため、高温高湿環境(温度30℃湿度80%)に近づくほど、表面抵抗率が低くなる。
図6は本実施例と比較例1及び比較例2の構成を用いて、各測定環境で画像形成を行った際の、各画像形成部における1次転写性を説明する表である。図6に示す1次転写性の検証には、転写材Pとして、それぞれの測定環境で保管していたレターサイズ(幅216mm)のXerox社のBusiness4200(坪量:75g/m2)を使用し、プリントモードは片面プリントモードで検証を行った。1次転写性を検証する画像としては、各感光ドラム1a〜1dに関して、一部にベタ画像を形成した後にハーフトーン画像を形成した画像と、2色のトナーのベタ画像を重ね合わせた2次色の画像(以下、2次色画像と称する)を用いた。ここで2次色画像とは、レッド(R)、グリーン(G)、ブルー(B)の平均濃度200%の画像のことである。
図6中の○は、画像不良が発生しなかったことを示している。図6中の□は、1次転写部において形成される電圧(以下、1次転写電圧と称する)が高いために、感光ドラムに電流が過剰に流れたことを示しており、図7は、この時に観測された画像不良を説明する模式図である。図6中の△は、1次転写部における1次転写電圧が低いために、感光ドラムに流れる電流が不足したことを示している。
感光ドラム1に過剰な電流が流れ込むと、トナー像を担持している部分(画像部)よりもトナー像を担持していない部分(非画像部)に多く電流が流れ込み、感光ドラムの表面電位に電位差が生じる。感光ドラムを帯電ローラによって帯電した後も、1次転写部を通過する際に感光ドラムに形成された電位差は残り、この電位差によって、感光ドラムにトナー像を現像する際に濃淡差が生じる。即ち、1次転写部を通過する際に感光ドラムに過剰な電流が流れ込むことで形成された電位差により、図7に示すように、感光ドラムの次の周期では、前の周期における画像部が白くなって見える、「ネガゴースト」と呼ばれる画像不良が発生する。
一方で、感光ドラムに流れる電流が不足すると、感光ドラムから中間転写ベルトに1次転写されるトナー像の転写率が低下する。この場合、転写率が低下した画像形成部においける転写抜けや、レッド(R)、グリーン(G)、ブルー(B)の2次色画像を十分に1次転写できないことによる画像不良が発生する。
図6に示すように、比較例1の構成においては、全ての画像形成部で形成した画像に画像不良が見られた。これは、比較例1の中間転写ベルトの周方向に電流が流れることで、各画像形成部a〜dの1次転写電圧が、対向ローラ13におけるツェナー電圧(300[V])よりも降下し、感光ドラム1に流れる電流が不足したためである。
比較例2の構成においては、標準環境(温度23℃湿度50%)にて、画像形成部a及び画像形成部bで形成した画像に画像不良は見られなかったものの、画像形成部c及び画像形成部dで形成した画像に画像不良が見られた。これは、比較例1と同様に、中間転写ベルトの周方向に電流が流れることで、対向ローラ13から距離の離れた画像形成部c及び画像形成部dの1次転写電圧が、対向ローラ13におけるツェナー電圧(500[V])よりも降下してしまうためである。特に、中間転写ベルトの電気抵抗が高くなる低温低湿環境(温度15℃湿度10%)では、中間転写ベルトの周方向に電流が流れることによって降下する電圧が大きくなるため、図6に示すように、全ての画像形成部において画像不良が見られた。
また、比較例2の構成において、中間転写ベルトの電気抵抗が低くなる高温高湿環境(温度30℃湿度80%)では、対向ローラ13から距離の離れた画像形成部c及び画像形成部dで形成した画像に画像不良は見られなかった。一方で、対向ローラ13から距離の近い画像形成部a及び画像形成部bにおいては、ツェナー電圧に対して中間転写ベルトの電気抵抗が低く、画像形成部a及び画像形成部bに電流が過剰に流れることによる画像不良が見られた。
このように、比較例1及び比較例2の構成においては、イオン導電性の中間転写ベルトの電気抵抗が周囲環境によって変動し、各画像形成部において適正な1次転写電圧を得ることが困難な場合があった。
これに対し、図6に示すように、本実施例の構成においては、周囲環境の変動による画像不良は発生しなかった。これは、本実施例の中間転写ベルト10が、内周面側に基層10aよりも電気抵抗が低く、且つ、電子導電性の内面層10bを有していることに因る。以下、中間転写ベルト10を介して各感光ドラム1a〜1dに向かって流れる電流の経路に関して、主に感光ドラム1aに向かって流れる電流を用いて詳しく説明する。図8は本実施例において中間転写ベルト10を介して感光ドラム1aに流れる電流を説明する模式図である。
ツェナー電圧に維持された対向ローラ13から中間転写ベルト10を流れる電流は、図8に示すように、基層10aよりも電気抵抗が低い内面層10bを図示矢印Cd方向(中間転写ベルト10の周方向)に流れる。そして、感光ドラム1aと中間転写ベルト10が接触する1次転写部において、中間転写ベルト10よりも低い電位に帯電された感光ドラム1aに向かって、内面層10bから基層10aの厚さ方向である図示矢印Td方向に電流が流れる。これにより、感光ドラム1aから中間転写ベルト10にトナー像が1次転写される。
内面層10bは電子導電性の電気特性を有しており、その電気抵抗は周囲環境に依らずほぼ変動しない。また、基層10aは、イオン導電性を有するため周囲環境によって電気抵抗が変化するが、本実施例においては、基層10aを流れる電流経路は基層10aの厚み分のみであり、内面層10bを図示矢印Cb方向に流れる電流の距離よりも短い。したがって、本実施例の中間転写ベルト10は、比較例2の中間転写ベルトに比べると、イオン導電性を有する基層10aの電気抵抗の変動による1次転写電圧の変動を抑制することが出来る。これにより、中間転写ベルト10の周方向に電流を流して1次転写を行う本実施例の構成において、各画像形成部で適正な1次転写電圧を得ることができ、画像不良の発生を抑制できる。
本実施例においては、体積抵抗率が1×109〜1×1010Ω・cmの範囲であり、内周面側の表面抵抗率が外周面側の表面抵抗率よりも小さく、且つ、内周面側の表面抵抗率が4.0×106Ω/□以下の範囲の中間転写ベルト10を用いた。内面層10bの厚みが大きいほど、内周面側の表面抵抗率を低くすることができるが、内面層10bの厚みが大きすぎると、中間転写ベルト10の屈曲による割れや、内面層10bの基層10aからの剥離が発生する。これらを勘案し、本実施例では内面層10bの厚みを3μmとしている。
本実施例では、イオン導電性の基層10aと電子導電性の内面層10bの二層によって構成される中間転写ベルト10を用いたが、中間転写ベルト10は二層構成に限らない。例えば、図9に本実施例の変形例として、三層構成の中間転写ベルト110の一例を示す。図9に示すように、変形例の中間転写ベルト110は、基層110a、内面層110bに加えて表面層110c(第3の層)を有している。また、表面層110cは、中間転写ベルト110の厚さ方向に関して、基層110aよりも各感光ドラム1a〜1dに近い位置に形成されている。
表面層110cには、導電剤として金属酸化物等を混合したアクリル樹脂やポリエステル樹脂などが使用でき、図9の例においては、表面層110cとしてアクリル樹脂を用いた。また、表面層110cの厚みをt3と定義すると、図9の例においては、t3=2μmである。
中間転写ベルト110において、外周面側から測定される表面抵抗率は表面層110cの電気抵抗を反映し、変形例において外周面側から測定された表面抵抗率は2.6×1011Ω/□であった。また、内周面側(内面層110b側)から測定した表面抵抗率は4.7×106Ω/□であった。図9の例のように、表面層110cが電子導電性であっても、電気抵抗が高ければ、前述されているような独立パッチパターンの2次転写部における転写不良は発生しにくい。加えて、表面層110cが電子導電性であることにより、周囲環境によって生じるイオン導電性の基層110aの電気抵抗の変動による影響を軽減することができる。なお、三層構成の中間転写ベルト110において基層110aの表面抵抗率を測定する場合においては、表面層110cを削る、若しくは表面層110cを基層110aから剥がした後に、実施例1の中間転写ベルト10の基層10aと同様の測定を行えば良い。
また、本実施例における基層110aのようなイオン導電性を有する材料は、材料中のイオンが移動することにより電気導電性を発揮している。このため、長期の使用によってイオン導電剤の偏りが生じ、イオン導電剤の染み出しが生じる可能性がある。しかし、図9の例のように、イオン導電性の基層110aを電子導電性の表面層110cと内面層110bによって表裏から挟む構成とすることによって、イオン導電剤の染み出しを抑制する効果を得ることが出来る。
なお、本実施例においては電流供給部材として2次転写ローラ20を用いた。しかし、これに限らず、中間転写ベルト10の周方向に電流を流すことができる構成であれば、図10に示すように、2次転写ローラ20とは異なる外接ローラ23を電流供給部材として用いても良い。図10は本実施例のその他の構成としての画像形成装置を説明する概略断面図である。図10に示すように、電源22から外接ローラ23に電圧を印加し、外接ローラ23の対向部材としての駆動ローラ11を介してツェナーダイオード15に電流が流れることで、ツェナーダイオード15のカソード側にツェナー電圧が発生する。これにより、ツェナーダイオード15のカソード側に接続された駆動ローラ11はツェナー電圧に維持され、中間転写ベルト10を介して各感光ドラム1a〜1dに電流が流れ、各感光ドラム1a〜1dから中間転写ベルト10にトナー像が1次転写される。
また、本実施例においては、電圧維持素子としてツェナーダイオード15を用いたが、これに限らず、抵抗素子や、定電圧素子であるバリスタを用いることも可能である。なお、ツェナーダイオード15を用いず、転写電源21から電圧を印加された2次転写ローラ20から中間転写ベルト10を介して各感光ドラム1a〜1dに電流を供給することも可能である。この場合、2次転写ローラ20から流れる電流は、内面層10bに向かって基層10aの厚さ方向を流れた後に内面層10bの周方向を流れ、各1次転写部において内面層10bから各感光ドラム1a〜1dに向かって基層10aの厚さ方向を流れる。
更に、本実施例においては接触部材に金属ローラ14を用いたが、これに限らず、導電弾性層を有するローラ部材や、導電性のシート部材、導電性のブラシ部材などを用いる事も可能である。
(実施例2)
実施例1では、ツェナー電圧に維持される対向ローラ13から中間転写ベルト10の周方向に電流を流し、各感光ドラム1a〜1dから中間転写ベルト10にトナー像を1次転写する構成について説明した。これに対して、図11に示すように、実施例2では、中間転写ベルト210の内周面に接触する各部材(駆動ローラ211、張架ローラ212、対向ローラ213、金属ローラ214)にツェナーダイオード215を接続する構成について説明する。
実施例1では、ツェナー電圧に維持される対向ローラ13から中間転写ベルト10の周方向に電流を流し、各感光ドラム1a〜1dから中間転写ベルト10にトナー像を1次転写する構成について説明した。これに対して、図11に示すように、実施例2では、中間転写ベルト210の内周面に接触する各部材(駆動ローラ211、張架ローラ212、対向ローラ213、金属ローラ214)にツェナーダイオード215を接続する構成について説明する。
なお、中間転写ベルト210は、実施例1の中間転写ベルト10と同様に、イオン導電性の基層210a(第1の層)と電子導電性の内面層210b(第2の層)によって構成される。中間転写ベルト210の構成は、中間転写ベルト210の内周面側の表面抵抗率が1.0×107Ω/□であることを除いて、実施例1と同様である。
以下、本実施例の画像形成装置の構成において、実施例1と同様のものには、同一符号を付し、説明を省略する。
図11は、本実施例における画像形成装置の構成を説明する概略断面図である。図11に示すように、本実施例の構成においては、ツェナーダイオード215の一端側(アノード側)はアースに接続されている。また、ツェナーダイオード215の他端側(カソード側)は張架部材としての駆動ローラ211及び張架ローラ212と、対向部材としての対向ローラ213と、接触部材としての金属ローラ214とにそれぞれ接続されている。この構成においては、感光ドラム201b〜201dに近い位置に配置される駆動ローラ211と金属ローラ214に形成される電圧を、ツェナー電圧に維持することが可能である。
これにより、中間転写ベルト210を介して各感光ドラム201b〜201dに流れる電流の、内面層210bにおける電流経路を実施例1よりも短くすることが出来る。即ち、対向ローラ213から距離の離れた下流の画像形成部に対して、ツェナー電圧に維持される駆動ローラ211及び金属ローラ214から電流を流すことができ、各画像形成部a〜dにおいて良好な1次転写性を得ることが可能である。本実施例の構成によると、実施例1の中間転写ベルト10の内面層側の表面抵抗率よりも高い表面抵抗率を有する中間転写ベルト210を用いても、各画像形成部a〜dにおいて良好な1次転写性を確保することが可能である。
(実施例3)
実施例1では、画像形成部bと画像形成部cの間に接触部材としての金属ローラ14を配置し、ツェナー電圧に維持される対向ローラ13から中間転写ベルト10の周方向に電流を流す構成について説明した。これに対して、図12(a)〜(b)に示すように、実施例3では、ツェナーダイオード315と電気的に接続される複数の金属ローラ314a〜314dを各感光ドラム301a〜301dに対してそれぞれ配置する構成について説明する。なお、本実施例の画像形成装置の構成は、各感光ドラム301a〜301dに対して、ツェナーダイオード315と電気的に接続される複数の金属ローラ314a〜314dをそれぞれ配置する点を除いて実施例1と同様である。したがって、実施例1と共通する部材は実施例1と同一の符号を付して説明を省略する。
実施例1では、画像形成部bと画像形成部cの間に接触部材としての金属ローラ14を配置し、ツェナー電圧に維持される対向ローラ13から中間転写ベルト10の周方向に電流を流す構成について説明した。これに対して、図12(a)〜(b)に示すように、実施例3では、ツェナーダイオード315と電気的に接続される複数の金属ローラ314a〜314dを各感光ドラム301a〜301dに対してそれぞれ配置する構成について説明する。なお、本実施例の画像形成装置の構成は、各感光ドラム301a〜301dに対して、ツェナーダイオード315と電気的に接続される複数の金属ローラ314a〜314dをそれぞれ配置する点を除いて実施例1と同様である。したがって、実施例1と共通する部材は実施例1と同一の符号を付して説明を省略する。
図12(a)は本実施例における画像形成装置の構成を説明する概略断面図である。図12(a)に示すように、本実施例の構成においては、ツェナーダイオード315の一端側(アノード側)はアースに接続されている。また、ツェナーダイオード315の他端側(カソード側)は対向部材としての対向ローラ313と、接触部材としての各金属ローラ314a〜314dとにそれぞれ接続されている。この構成においては、転写電源21から2次転写ローラ20に電圧を印加した際に、対向ローラ313と各金属ローラ314a〜314dに形成される電圧をツェナー電圧に維持することが可能である。
図12(b)は本実施例における、各感光ドラム301a〜301dと各金属ローラ314a〜314dの配置を説明する模式図である。図12(b)に示すように、中間転写ベルト10の移動方向に関して、各金属ローラ314a〜314dはそれぞれが対応する各感光ドラム301a〜301dに対して距離D3だけ下流側に配置されている。ここで、距離D3は各金属ローラ314a〜314dの軸中心から、それぞれが対応する各感光ドラム301a〜301dの軸中心までの距離である。本実施例においては、各感光ドラム301a〜301dの近傍に配置され、ツェナー電圧に維持された各金属ローラ314a〜314dから、中間転写ベルト10を介して各感光ドラム301a〜301dに電流が流れる。これにより、各感光ドラム301a〜301dから中間転写ベルト10にトナー像が1次転写される。
このように、本実施例においても実施例1と同様の効果が得られる。また、各金属ローラ314a〜314dから各感光ドラム301a〜301dまでの距離を等距離とすることにより、各感光ドラム301a〜301dに略同一の大きさの電流を流すことができる。これにより、各画像形成部a〜dに関して、良好な1次転写性を得ることが可能である。
(実施例4)
実施例1では、基層10aと内面層10bとを有する中間転写ベルト10の構成に関して説明した。これに対し、図13(a)〜(b)に示すように、実施例4では、中間転写ベルト10の幅方向に関して、外周面側に保護部材8を設ける構成について説明する。なお、中間転写ベルト10は、基層10a側の端部に保護部材8を設けられていることを除いて、実施例1と同様であり、実施例1と共通する部分に関しては実施例1と同様の符号を付して説明を省略する。
実施例1では、基層10aと内面層10bとを有する中間転写ベルト10の構成に関して説明した。これに対し、図13(a)〜(b)に示すように、実施例4では、中間転写ベルト10の幅方向に関して、外周面側に保護部材8を設ける構成について説明する。なお、中間転写ベルト10は、基層10a側の端部に保護部材8を設けられていることを除いて、実施例1と同様であり、実施例1と共通する部分に関しては実施例1と同様の符号を付して説明を省略する。
[感光ドラムの表面の削れの発生]
図14は、帯電ローラ2と感光ドラム1の間で発生する放電による感光ドラム1の表面の削れを説明する模式図である。この時、中間転写ベルト10から感光ドラム1に流れる電流は、図示矢印iで示すように、帯電ローラ2と感光ドラム1が接触する領域F1の外側である非画像領域にも流れ込む。これにより、感光ドラム1と中間転写ベルト10が接触する領域F2において、感光ドラム1がトナー像を担持することが可能な画像領域のみならず、領域F2の両端側のドラム電位も低下する。
図14は、帯電ローラ2と感光ドラム1の間で発生する放電による感光ドラム1の表面の削れを説明する模式図である。この時、中間転写ベルト10から感光ドラム1に流れる電流は、図示矢印iで示すように、帯電ローラ2と感光ドラム1が接触する領域F1の外側である非画像領域にも流れ込む。これにより、感光ドラム1と中間転写ベルト10が接触する領域F2において、感光ドラム1がトナー像を担持することが可能な画像領域のみならず、領域F2の両端側のドラム電位も低下する。
その後、感光ドラム1は帯電ローラ2と接触する位置において帯電ローラ2からの放電を受けて帯電される。しかしながら、この時、領域F2の両端側のドラム電位が低下していることにより、帯電ローラ2の両端部と感光ドラム1が接触する位置、即ち、領域F1の両端部においては、感光ドラム1の表面が帯電ローラ2の端面Efからも放電を受ける。これにより、領域F1の両端部においては、帯電ローラ2から過剰な放電を受けることから感光ドラム1の表面の劣化及び削れが助長される。感光ドラム1の表面には絶縁性の層が形成されており、表面の削れが進行すると、帯電ローラ2から感光ドラム1の表面が削れた位置に向かって電流がリークしてしまう可能性がある。これにより、帯電ローラ2の帯電電圧が降下してしまい、感光ドラム1の表面を帯電する際に帯電不良を引き起こす可能性がある。
[保護部材]
そこで、本実施例においては、中間転写ベルト10の外周面側に保護部材8を設けることにより、上述した領域F1の両端部における感光ドラム1の表面の削れを抑制している。図13(a)は、本実施例における、中間転写ベルト10の移動方向から見た時の中間転写ベルト10と保護部材8の配置関係を説明する概略断面図である。図13(a)に示すように、中間転写ベルト10の移動方向と交差する方向としての幅方向に関して、中間転写ベルト10の基層10aの両端側には保護部材8が設けられている。また、図13(b)は、本実施例における中間転写ベルト10と保護部材8の構成を説明する模式図であり、図13(b)に示すように、保護部材8は無端状の中間転写ベルト10の外周面側であって、中間転写ベルト10の両端側に一周して設けられている。
そこで、本実施例においては、中間転写ベルト10の外周面側に保護部材8を設けることにより、上述した領域F1の両端部における感光ドラム1の表面の削れを抑制している。図13(a)は、本実施例における、中間転写ベルト10の移動方向から見た時の中間転写ベルト10と保護部材8の配置関係を説明する概略断面図である。図13(a)に示すように、中間転写ベルト10の移動方向と交差する方向としての幅方向に関して、中間転写ベルト10の基層10aの両端側には保護部材8が設けられている。また、図13(b)は、本実施例における中間転写ベルト10と保護部材8の構成を説明する模式図であり、図13(b)に示すように、保護部材8は無端状の中間転写ベルト10の外周面側であって、中間転写ベルト10の両端側に一周して設けられている。
保護部材8としては、ポリエステルフィルムとアクリル系粘着剤で構成された電気絶縁用ポリエステル基材粘着テープを用いており、中間転写ベルト10の厚さ方向に関する膜厚は53μm、幅は8mmである。なお、本実施例では、中間転写ベルト10の外周面の両端側に保護部材8を2重に貼り付けた。
図15は、感光ドラム1の片側の端部を基準とした際の、本実施例における中間転写ベルト10の幅方向に関する感光ドラム1、帯電ローラ2、保護部材8、中間転写ベルト10、及び画像領域の長さと、相対的な位置関係を説明する模式図である。図15に示すように、感光ドラム1、帯電ローラ2、中間転写ベルト10の幅方向の長さは、それぞれ、250mm、228mm、236mmである。保護部材8の幅方向における長さは8mmであり、中間転写ベルト10の両端側にそれぞれ設けられている。
また、帯電ローラ2の端部は、図15に示される11mm及び239mmの位置にあり、保護部材8は、7〜15mm及び235mm〜243mmに設けられている。感光ドラム1と中間転写ベルト10とが直接当接する領域は、画像領域を含む15〜235mmの間である。なお、図15に示すように、帯電ローラ2の両端部と接触する感光ドラム1の領域は、保護部材8と接触する感光ドラム1の領域と重なっている。
保護部材8は絶縁性を有していることから、保護部材8と感光ドラム1が接触する領域に関しては、中間転写ベルト10の内面層10bから感光ドラム1への電流の流れ込みが抑制される。これは、保護部材8の体積抵抗率が中間転写ベルト10の体積抵抗率よりも高く、保護部材8と感光ドラム1が接触する部分には電流が流れにくくなるためである。これにより、感光ドラム1が帯電ローラ2と接触する領域の両端部におけるドラム電位の低下が抑制され、帯電ローラ2からの過剰な放電の発生を抑え、削れの助長を抑制することが可能である。
以上説明したように、本実施例の構成によれば、実施例1と同様の効果が得られるだけでなく、感光ドラム1の表面の削れの助長を抑制して感光ドラム1の帯電不良の発生を抑制することが可能である。なお、本実施例においては、基層10aと内面層10bとを有する中間転写ベルト10に保護部材8を設ける構成について説明したが、これに限らず、実施例1の変形例に示される3層以上の層を有する中間転写ベルト110に保護部材8を設けてもよい。
(実施例5)
実施例4では、内面層10bを有し感光ドラム1と接触する中間転写ベルト10の両端側に絶縁性の保護部材8を設ける構成について説明した。これに対して、図16(a)〜(b)に示すように、実施例5では、中間転写ベルト510の両端側に内面層510bを形成しない構成について説明する。なお、本実施例の構成は、中間転写ベルト510の両端側に内面層510bを形成しない点と保護部材8を用いない点を除いて実施例4と同様である。したがって、実施例4と共通する部材は実施例4と同一の符号を付して説明を省略する。
実施例4では、内面層10bを有し感光ドラム1と接触する中間転写ベルト10の両端側に絶縁性の保護部材8を設ける構成について説明した。これに対して、図16(a)〜(b)に示すように、実施例5では、中間転写ベルト510の両端側に内面層510bを形成しない構成について説明する。なお、本実施例の構成は、中間転写ベルト510の両端側に内面層510bを形成しない点と保護部材8を用いない点を除いて実施例4と同様である。したがって、実施例4と共通する部材は実施例4と同一の符号を付して説明を省略する。
図16(a)は、本実施例における、中間転写ベルト510の移動方向から見た時の中間転写ベルト510の断面を説明する模式図である。図16(a)に示すように、中間転写ベルト510の移動方向と交差する方向としての幅方向に関して、中間転写ベルト510の両端側に内面層510bが形成されていない。本実施例においては、スプレーコーティングによって基層510a(第1の層)に内面層510b(第2の層)を形成する際に基層510aの両端側にマスキングを行うことで、両端側に内面層510bを形成しない中間転写ベルト510を得た。
なお、本実施例においては、中間転写ベルト510の幅方向に関して、中間転写ベルト510の両端部から中間転写ベルト510の中心に向かって、それぞれ8mmの幅の範囲に内面層510bを形成していない。図16(b)は、本実施例における中間転写ベルト510の構成を説明する模式図であり、図16(b)に示すように、中間転写ベルト510の一周に関して、中間転写ベルト510の両端側に内面層510bを形成していない。
図17は、感光ドラム1の片側の端部を基準とした際の、本実施例における中間転写ベルト510の幅方向に関する感光ドラム1、帯電ローラ2、中間転写ベルト510、及び画像領域の長さと、相対的な位置関係を説明する模式図である。図17に示すように、感光ドラム1、帯電ローラ2、中間転写ベルト510の基層510a、内面層510bの幅方向の長さは、それぞれ、250mm、228mm、236mm、220mmである。
帯電ローラ2の端部は、図17に示される11mm及び239mmの位置に配置されている。また、内面層510bは、7〜15mm及び235mm〜243mmには形成されておらず、基層510aに対して15mm〜235mmの間に形成されている。即ち、内面層510bが形成されている部分の中間転写ベルト510と感光ドラム1とが直接当接する領域は、画像領域を含む15〜235mmの間である。なお、図17に示すように、帯電ローラ2の両端部と接触する感光ドラム1の領域は、内面層510bを形成していない中間転写ベルト510の領域と重なっている。
本実施例における中間転写ベルト510は、実施例1の中間転写ベルト10と同様に、基層510aよりも電気抵抗の低い内面層510bを有している。したがって、中間転写ベルト510から感光ドラム1に流れる電流は、内面層510bの周方向に流れた後に、中間転写ベルト510と感光ドラム1が接触する位置において内面層510bから感光ドラム1に向かって基層510aの厚さ方向に流れる。即ち、本実施例の構成においては、中間転写ベルト510の両端側であって内面層510bが形成されていない位置への電流の流れ込みが抑制される。これにより、帯電ローラ2と感光ドラム1が接触する領域の両端部におけるドラム電位の低下が抑制される。その結果、帯電ローラ2からの過剰な放電の発生を抑えることができ、感光ドラム1の表面の削れの助長を抑制することが可能である。
以上説明したように、本実施例の構成においても、実施例4と同様の効果を得ることが可能である。また、本実施例においては、中間転写ベルト510の幅方向に関して、中間転写ベルト510の両端部からそれぞれ8mmの範囲に内面層510bを形成しなかった。しかし、これに限らず、帯電ローラ2からの過剰な放電が発生する恐れのある領域に内面層510bを形成しない中間転写ベルト510であれば、本実施例と同様の効果が得られる。即ち、少なくとも、帯電ローラ2と感光ドラム1が接触する領域の両端部に対応する位置に内面層510bが形成されていなければ良い。
1 感光ドラム(像担持体)
10 中間転写ベルト
10a 基層(第1の層)
10b 内面層(第2の層)
13 対向ローラ(対向部材)
14 金属ローラ(接触部材)
20 2次転写ローラ(電流供給部材)
21 転写電源
10 中間転写ベルト
10a 基層(第1の層)
10b 内面層(第2の層)
13 対向ローラ(対向部材)
14 金属ローラ(接触部材)
20 2次転写ローラ(電流供給部材)
21 転写電源
Claims (20)
- トナー像を担持する像担持体と、導電性を有し、複数の層から構成される中間転写ベルトと、前記中間転写ベルトに接触する電流供給部材と、前記電流供給部材に電圧を印加する電源と、を備え、前記電源から前記電流供給部材に電圧を印加することにより、前記中間転写ベルトの周方向に電流を流して前記像担持体から前記中間転写ベルトにトナー像を1次転写する画像形成装置において、
前記中間転写ベルトは、前記中間転写ベルトの厚さ方向に関して、イオン導電性を有し前記中間転写ベルトを構成する複数の層のうち最も厚い層である第1の層と、電子導電性を有し前記第1の層よりも電気抵抗が低い第2の層と、を有することを特徴とする画像形成装置。 - 前記第1の層は前記像担持体と接触することを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
- 前記中間転写ベルトは、前記第1の層よりも電気抵抗が高い第3の層を有し、前記第3の層は、前記像担持体と接触することを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
- 前記第3の層は電子導電性を有することを特徴とする請求項3に記載の画像形成装置。
- 前記電流供給部材は、前記電源から電圧を印加されることによって前記中間転写ベルトから転写材にトナー像を2次転写する2次転写部材であり、前記中間転写ベルトを介して前記2次転写部材と対向する対向部材を備え、前記厚さ方向に関して、前記第2の層は、前記第1の層よりも前記像担持体から離れた位置に形成され、前記対向部材と接触することを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載の画像形成装置。
- 前記2次転写部材から前記対向部材に向かって電流を流すことにより、前記像担持体から前記中間転写ベルトにトナー像を1次転写し、前記中間転写ベルトに1次転写されたトナー像を転写材に2次転写することを特徴とする請求項5に記載の画像形成装置。
- 前記対向部材から前記像担持体に向かって前記中間転写ベルトの周方向に流れる電流は、前記第2の層を流れた後に、前記第1の層を介して前記像担持体に流れることを特徴とする請求項6に記載の画像形成装置。
- 前記対向部材から電流が供給されることによって所定の電圧を維持することが可能な電圧維持素子を備え、前記電圧維持素子の一端側はアースに接続され、前記電圧維持素子の他端側は前記対向部材と接続されていることを特徴とする請求項5乃至7のいずれか1項に記載の画像形成装置。
- 前記対向部材を介して前記2次転写部材から前記電圧維持素子に電流が流れることにより、前記所定の電圧に維持された前記対向部材から前記像担持体に向かって前記中間転写ベルトの周方向に電流が流れることを特徴とする請求項8に記載の画像形成装置。
- 前記像担持体の近傍に、前記中間転写ベルトの前記第2の層と接触する接触部材を備え、前記電圧維持素子の他端側は、前記対向部材と前記接触部材とに接続されていることを特徴とする請求項8又は9に記載の画像形成装置。
- 前記中間転写ベルトを張架する張架部材を備え、前記電圧維持素子の他端側は、前記張架部材と、前記対向部材と、前記接触部材に接続されることを特徴とする請求項10に記載の画像形成装置。
- 前記像担持体と前記接触部材は、前記中間転写ベルトの移動方向に関してそれぞれ複数設けられており、複数の前記接触部材は、それぞれが複数の前記像担持体に対応して設けられることを特徴とする請求項10又は11に記載の画像形成装置。
- 複数の前記接触部材は、それぞれが、前記中間転写ベルトの移動方向に関して、前記接触部材が対応する前記像担持体と前記中間転写ベルトが接触する位置よりも下流側に配置されることを特徴とする請求項12に記載の画像形成装置。
- 複数の前記像担持体、及び複数の前記接触部材において、それぞれの前記像担持体の軸中心からそれぞれの前記接触部材の軸中心までの距離が等しいことを特徴とする請求項12又は13に記載の画像形成装置。
- 前記接触部材は金属ローラであることを特徴とする請求項10乃至14のいずれか1項に記載の画像形成装置。
- 前記電圧維持素子はツェナーダイオードであることを特徴とする請求項8乃至15のいずれか1項に記載の画像形成装置。
- 前記中間転写ベルトの移動方向と交差する幅方向に関する長さが前記像担持体の長さよりも短く、前記像担持体に接触して前記像担持体を帯電する帯電部材と、前記厚さ方向に関して前記像担持体と前記中間転写ベルトの間に配置され、前記第1の層よりも電気抵抗が高い保護部材と、を備え、
前記保護部材は、前記幅方向に関して、少なくとも、前記帯電部材と前記像担持体が接触する領域の両端部に対応する位置に配置されていることを特徴とする請求項1乃至16のいずれか1項に記載の画像形成装置。 - 前記幅方向に関して、前記保護部材は、前記像担持体がトナー像を担持することが可能
な画像領域の外側であって、少なくとも、前記帯電部材と前記像担持体が接触する領域の両端部から前記中間転写ベルトの両端部まで設けられていることを特徴とする請求項17に記載の画像形成装置。 - 前記中間転写ベルトの移動方向と交差する幅方向に関する長さが前記像担持体の長さよりも短く、前記像担持体に接触して前記像担持体を帯電する帯電部材を備え、
前記幅方向に関して、少なくとも、前記帯電部材と前記像担持体が接触する領域の両端部に対応する位置に前記第2の層が形成されていないことを特徴とする請求項1乃至16のいずれか1項に記載の画像形成装置。 - 前記幅方向に関して、前記像担持体がトナー像を担持することが可能な画像領域の外側であって、少なくとも、前記帯電部材と前記像担持体が接触する領域の両端部から前記中間転写ベルトの両端部まで前記第2の層が形成されていないことを特徴とする請求項19に記載の画像形成装置。
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