JP3198081B2 - 転写方法及び画像形成装置 - Google Patents

転写方法及び画像形成装置

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JP3198081B2 JP27859697A JP27859697A JP3198081B2 JP 3198081 B2 JP3198081 B2 JP 3198081B2 JP 27859697 A JP27859697 A JP 27859697A JP 27859697 A JP27859697 A JP 27859697A JP 3198081 B2 JP3198081 B2 JP 3198081B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は転写方法及び、複写
機、プリンタ、ファクシミリ等の画像形成装置に関す
る。
【0002】
【従来の技術】一般に、電子写真方式を用いる複写機、
プリンタ等の画像形成装置においては、複数色のトナー
画像(トナー像)を重ねて転写することによってカラー
画像を得るようにしたカラー画像形成装置がある。この
カラー画像形成装置は、一方式として、感光体からなる
像担持体の上に異なる色成分毎に形成されるトナー像を
中間転写体上に順次に重ねて転写し、その重ねて転写し
たトナー像を転写紙等に一括して転写することによって
カラー画像を得る方式がある。
【0003】このようにトナー像の転写工程が2回ある
画像形成装置では、トナー像の転写工程が2回あること
により、最終的な出力画像のボケやにじみなどが生ずる
点で不利であった。この画像ボケなどの原因となる転写
工程でのトナー飛び散り(以後、転写チリという)は、
転写電圧値や転写電流値により変化する。
【0004】一般に、トナーの転写効率が最大で、か
つ、転写チリが最小となるように転写電圧値や転写電流
値などの転写条件の初期設定が工場出荷時などに行われ
ている。しかし、トナーの転写効率と転写チリ抑制を完
全に両立させる転写条件の範囲が狭い場合もあり、転写
チリの発生を低減させることは困難であった。また、装
置を使用する環境条件の変化や経時での感光体や中間転
写体の特性変化により、その時点時点での最適な転写条
件が変化してしまう。
【0005】温湿度などの環境条件が変化すると、トナ
ーの帯電量や中間転写体の抵抗値などが変化し、転写条
件が一定のままでは転写効率の低下あるいは転写チリな
どが発生する。特に、中間転写体の抵抗値が低下する
と、相対的に転写電圧値が最適値よりも大きくなり、転
写部での放電などにより転写チリが悪化する。そこで、
環境変化に対しては、装置内に温湿度センサを設けて温
湿度を検知し、その検知結果に応じてあらかじめ実験的
に決定している転写条件に切り替えて補正する等をして
いる。また、樹脂中にカーボンブラックなどの導電性フ
ィラーを分散させた中抵抗材料は、使用時間と共に抵抗
値が低下していく傾向があるが、このような中抵抗材料
からなる中間転写体などの経時劣化に対しては、経験的
な結果から大まかな劣化傾向を予測し、転写条件を変化
させていくことはできる。
【0006】また、特開平4ー45470号公報には、
転写搬送ベルトを用いた画像形成装置において、転写領
域の上流側から記録紙と感光体とを接触させてプレ転写
を防止するようにしたものが記載されている。特開平4
ー186387号公報には、転写ドラムを用いた画像形
成装置において、転写電界形成手段の上流側に転写電界
を遮断する手段を設けてプレ転写を防止するようにした
ものが記載されている。
【0007】更に、中間転写体あるいは転写材担持体で
ある転写体に中抵抗体を用いた場合に転写チリが発生し
やすくなる。像担持体としての感光体と中抵抗のベルト
状中間転写体が接触する接触部(ニップ部)より中間転
写体移動方向下流位置には電位付与手段として例えば絶
対値が800ボルトのバイアスが印加されたベルト転写
バイアスローラを配置している。これとともに、ニップ
部を挟む中間転写体移動方向上流側の位置には接地され
又は所定バイアスが印加された電極としての例えば接地
されたアースローラを配置している。この構成では、中
抵抗という電気的特性を利用し、ニップ部の出口で絶対
値600ボルト、ニップ部の入口で絶対値300ボルト
というように中間転写体上にニップ部下流から上流に向
かう電位勾配を生成し、ニップ部に転写電界を発生させ
ている。
【0008】ところが、中間転写体にこの様な中抵抗の
材料を用いると、中間転写体のニップ部に付与された転
写電荷がニップ部以外の中間転写体上にも移動可能にな
り、ニップ部以外の中間転写体表面にも電位勾配が生成
され電界が発生する。このため、ニップ部以外での電界
に起因して転写トナー像の画像品質に悪影響を与えてい
た。特に、ニップ部入口に発生する電界は、ニップ部前
の位置で像担持体に形成されたトナー像に電界作用を及
ぼし、本来転写されるべきニップ部に達する前の位置で
トナー像の一部を中間転写体へ転写させてしまう、いわ
ゆるプレ転写を起こす。このプレ転写は、トナーが本来
乗るべき位置に転写されず、地汚れのように中間転写体
上で飛散するため、文字、線等の画像ではにじんだよう
に見える等、画質の低下が著しいものとなる。
【0009】また、装置によっては、本来転写されるべ
きニップ部に達する前の位置よりも、該ニップ部より下
流側に生ずる電界の作用で、一旦良好に転写しているト
ナー像を乱して、トナーチリ、濃度ムラ、トナーの抜け
などの上記プレ転写と同様の画像劣化が生じてしまうお
それもある。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】上記のような画像形成
装置では、実験的・経験的な結果に基づく補正を行うの
で、個々のユーザの幅広い使用状況に対応することが困
難であり、必ずしも適正な補正を行っているとは限らな
かった。本発明は、トナー画像転写時の転写チリを少な
くでき、経時変化による転写体の抵抗変化などに対して
常に転写チリの少ない転写条件を維持することができて
常に転写チリの少ない画像を得ることができ、経時での
転写異常を防止することができ、像担持体から中間転写
体上へのトナー転写工程時の転写チリを少なくでき、転
写体裏面の電位値あるいは転写体裏面に流れる電流値の
測定結果から転写条件の制御が可能となり、転写電界を
形成するための電気的操作による影響が像担持体と転写
体の表面部分同士側に及ぶのを抑制することができ、プ
レ転写防止を図ることができ、転写効率低下を回避する
ことができ、転写体と電極との間の接触圧に及ぼす影響
を吸収することができる転写方法及び画像形成装置を提
供することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、請求項1に係る発明は、像担持体と転写体を接触さ
せ、像担持体上の潜像の反転現像により形成された顕像
を転写体又は転写体に担持される転写材に転写する転写
方法において、電気的操作により、上記接触部に転写電
界を形成する工程と、形成された電界を抑制する抑制作
用により上記接触部の少なくとも一部における上記転写
体の電位をゼロ又は上記像担持体の帯電極性と同極性の
電位とする工程とを有し、上記転写体の移動方向に対し
て上記像担持体と上記転写体との接触開始位置を0、上
記像担持体と上記転写体との分離開始位置をLとしたと
き、上記接触部の0≦X≦L/2の範囲内の位置Xにお
ける上記転写体の電位をゼロ又は上記像担持体の帯電極
性と同極性の電位とし、上記転写体が10 〜10 13
Ωcmの体積抵抗値を有する
【0012】請求項2に係る発明は、請求項1記載の転
写方法において、上記電気的操作が転写体に対する電荷
の付与であり、上記抑制操作が転写体からの該電荷の除
去である。
【0013】請求項3に係る発明は、請求項1記載の転
写方法において、上記転写体の電位とは、上記転写体が
上記像担持体と接触する側の面又は上記像担持体と接触
する側とは反対側の面上の電位である。
【0014】請求項4に係る発明は、請求項2記載の転
写方法において、上記転写体への電荷の付与位置は上記
転写体からの電荷の除去位置より上記転写体の移動方向
に対し下流側とする
【0015】請求項5に係る発明は、請求項2記載の転
写方法において、上記転写体からの 電荷の除去位置を、
上記転写体の移動方向に対して上記像担持体と上記転写
体との接触開始位置を0、上記像担持体と上記転写体と
の分離開始位置をLとしたとき、上記接触部の0≦X≦
L/2の範囲内の位置Xとする
【0016】請求項6に係る発明は、請求項1記載の転
写方法において、上記転写体は上記接触部にて上記像担
持体から転写された顕像を一時的に担持し転写材に転写
させる中間転写体である
【0017】請求項7に係る発明は、請求項1記載の転
写方法において、上記転写体は転写材を担持し、この転
写材に上記接触部にて上記像担持体上の顕像を転写させ
た後にこの転写材を次の工程へ搬送する転写材搬送体で
ある
【0018】請求項8に係る発明は、請求項1記載の転
写方法において、上記形成された電界を抑制する抑制操
作に応じて、上記転写電界の強度又は上記接触部の長さ
を調整する
【0019】請求項9に係る発明は、帯電され潜像の反
転現像により形成された顕像を担持する像担持体と、こ
の像担持体に接触し、この接触部に形成される転写電界
により上記像担持体上の顕像を転写材に転写するための
転写体と、上記接触部の少なくとも一部における上記転
写体の電位をゼロ又は上記像担持体の帯電極性と同極性
の電位とする抑制電極を有し、上記転写体の移動方向に
対して上記像担持体と上記転写体との接触開始位置を
0、上記像担持体と上記転写体との分離開始位置をLと
したとき、上記接触部の0≦X≦L/2の範囲内の位置
Xにおける上記転写体の電位をゼロ又は上記像担持体の
帯電極性と同極性の電位とし、上記転写体が10 〜1
13 Ωcmの体積抵抗値を有するものである。
【0020】請求項10に係る発明は、請求項9記載の
画像形成装置において、上記転写電界の形成は転写体に
対する電荷の付与であり、上記転写電界の抑制は転写体
からの該電荷の除去であるものである。
【0021】請求項11に係る発明は、請求項10記載
の画像形成装置において、上記転写体の電位とは、上記
転写体が上記像担持体と接触する側の面又は上記像担持
体と接触する側とは反対側の面上の電位であるものであ
る。
【0022】請求項12に係る発明は、請求項9記載の
画像形成装置において、転写体へ電荷を付与する転写電
極を備え、この電荷の付与位置は、上記抑制電極による
転写体からの電荷の除去位置より、転写体の移動方向に
対し下流側としたものである。
【0023】請求項13に係る発明は、請求項9記載の
画像形成装置において、転写体へ電荷を付与する転写電
極を備え、この電荷の付与位置は、転写体が上記像担持
体に対し接触し離間した転写体の像担持体と接触したの
とは反対側の面としたものである。
【0024】請求項14に係る発明は、請求項9記載の
画像形成装置において、上記抑制電極は、転写体の像担
持体に接触しているのとは反対側の面に接触し電荷を除
去するものである。
【0025】請求項15に係る発明は、請求項14記載
の画像形成装置において、上記転写体から電荷を除去す
る抑制電極を、上記転写体の移動方向に対して上記像担
持体と上記転写体との接触開始位置を0、上記像担持体
と上記転写体との分離開始位置をLとしたとき、上記接
触部の0≦X≦L/2の範囲内の位置Xに配置したもの
である。
【0026】請求項16に係る発明は、請求項14記載
の画像形成装置において、像担持体と転写体を、互いの
表面部分同士が接近していった後に接触し、この接触状
態で所定距離移動し、その後互いに離間するよう移動さ
せ、上記互いの表面部分同士が接触した状態で上記所定
距離より短い所定の距離だけ移動した転写体部分の、
担持体に接触しているのとは反対側の表面に接触するよ
う上記抑制電極を配置したものである。
【0027】請求項17に係る発明は、請求項15記載
の画像形成装置において、上記転写体と上記像担持体が
接触する前の位置であって、上記転写体の上記像担持体
に接触するのとは反対側の面に接触する電極を設けた
のである。
【0028】請求項18に係る発明は、請求項17記載
の画像形成装置において、上記電極が、金属又は導電性
樹脂からなる回転体又は板状部材であるものである。
【0029】請求項19に係る発明は、請求項14記載
の画像形成装置において、上記抑制電極は、接地されて
いるものである。
【0030】請求項20に係る発明は、請求項14記載
の画像形成装置において、上記抑制電極は、少なくとも
転写体に接触する接触部が弾性を有する部材からなる
のである。
【0031】請求項21に係る発明は、請求項20記載
の画像形成装置において、上記抑制電極の上記接触部が
ブラシ状であるものである。
【0032】請求項22に係る発明は、請求項21記載
の画像形成装置において、上記ブラシ状抑制電極は、ア
クリル系樹脂中に炭素微粒子を含有した導電性繊維から
なるものである。
【0033】請求項23に係る発明は、請求項21記載
の画像形成装置において、上記抑制電極の上記接触部が
板状であるものである。
【0034】請求項24に係る発明は、請求項14記載
の画像形成装置において、上記抑制電極は、回転体であ
ものである。
【0035】請求項25に係る発明は、請求項24記載
の画像形成装置において、上記回転体は、表面が弾性層
で形成されたものである。
【0036】請求項26に係る発明は、請求項9記載の
画像形成装置において、上記転写体は上記接触部にて上
記像担持体から転写された顕像を一時的に担持し転写材
に転写させる中間転写体であるものである。
【0037】請求項27に係る発明は、請求項9記載の
画像形成装置において、上記転写体は転写材を担持し、
この転写材に上記接触部にて上記像担持体上の顕像を転
写させた後にこの転写材を次の工程へ搬送する転写材搬
送体であるものである。
【0038】請求項28に係る発明は、請求項9記載の
画像形成装置において、上記転写体が10 〜10 13
Ωcmの体積抵抗値を有するものである。
【0039】請求項29に係る発明は、請求項9記載の
画像形成装置において、上記像担持体と上記転写体の接
触部の電位Vnipを測定する電位測定手段を備えた
のである。
【0040】請求項30に係る発明は、請求項29記載
の画像形成装置において、上記電位測定手段は、転写体
の移動方向に対して、上記像担持体と上記転写体との接
触開始位置を0、上記像担持体と上記転写体との分離開
始位置をLとしたとき、上記転写ニップ部の0≦X≦L
/2の範囲内の位置Xにおける上記転写体の電位Vni
pを測定するものである。
【0041】請求項31に係る発明は、請求項29記載
の画像形成装置において、転写工程時に上記電位測定手
段による測定動作を行わせる動作制御手段と、上記Vn
ipがゼロ又は上記像担持体の帯電極性と同極性の電位
となるように画像形成手段の動作を制御する動作制御手
段を有するものである。
【0042】請求項32に係る発明は、請求項31記載
の画像形成装置において、上記電位測定手段は、転写体
の移動方向に対して、上記像担持体と上記転写体との接
触開始位置を0、上記像担持体と上記転写体との分離開
始位置をLとしたとき、上記転写ニップ部の0≦X≦L
/2の範囲内の位置Xにおける上記転写体の電位Vni
pを測定するものである。
【0043】請求項33に係る発明は、請求項31記載
の画像形成装置において、上記画像形成手段の動作を制
御する手段として転写電源の出力値を制御する電源制御
手段を有するものである。
【0044】請求項1〜33に係る発明によれば、上記
構成により、トナー画像転写時の転写チリを少なくで
き、経時変化による転写体の抵抗変化などに対して常に
転写チリの少ない転写条件を維持することができる。ま
た、トナー画像転写時の転写チリを少なくでき、かつ、
経時での転写異常を防止することができる。さらに、転
写体裏面の電位値あるいは転写体裏面に流れる電流値の
測定結果から転写条件の制御が可能となる。
【0045】本発明においては、転写電界を形成するた
めの所定の電気的操作による影響が、互いに直接的にあ
るいは転写材を介して間接的に接触している像担持体
と、中間転写体あるいは転写材担持体である転写体の両
者の表面部分同士に隣接し、かつ、互いに離間している
両者の表面部分同士側に及ぶのを、抑制操作を行うこと
で抑制する。よって、互いに離間している上記両者の表
面部分同士側に上記影響が及び、該表面部分同士の間で
像担持体から、中間転写体あるいは転写材担持体への顕
像の転写が起こってしまうことを抑制できる。しかも、
上記抑制操作を、両者の表面部分同士が接触している箇
所で行うので、両者の表面部分同士が接触している箇所
に極めて近い両表面部分の離間空隙部分に対しての上記
影響も、該抑制操作を上記両者の表面部分同士が互いに
離間している箇所で行う場合に比して良好に抑制でき
る。
【0046】請求項14に係る発明においては、中間転
写体あるいは転写材担持体である転写体から電荷を除去
する抑制電極を、上記転写体の移動方向に対して上記像
担持体と上記転写体との接触開始位置を0、上記像担持
体と上記転写体との分離開始位置をLとしたとき、上記
接触部の0≦X≦L/2の範囲内の位置Xに配置(転写
ニップ部内に除電手段を配置)することで、転写ニップ
部の開始前位置での電界発生を抑制してプレ転写防止を
図り、かつ、実効的な転写ニップ部の幅をなるべく長く
確保し転写効率低下を回避することができる。
【0047】請求項15に係る発明においては、上記抑
制電極による転写体除電性能は、転写体の時定数、転写
体への移動速度、除電手段の除電機能により異なり、例
えば、転写体としてのベルトの時定数が高い又はベルト
の移動速度が早い又は除電手段の除電機能が経時的に衰
えるような場合、除電位置でのベルトの帯電電位が落ち
きらないこともあり得る。このような場合、転写ニップ
部の開始位置(像担持体と転写体との接触開始点)に除
電手段が配置されているとその位置では、転写電極から
付与された電荷を充分に除電できない場合もあり、その
ような場合には当該電荷が除電位置上流である転写ニッ
プ部前位置に流れ、像担持体と転写体との空隙にプレ転
写の原因となる電界が発生する。実効的な転写ニップ部
の幅を確保し実効的な転写率を得るためには転写ニップ
部開始位置に除電手段を配置するのが望ましいが、上記
理由により、場合によっては、除電性能にある程度の余
裕度を確保することにしておくことも好ましい。このた
め、除電手段である上記電極部材の転写ニップ部接触位
置を転写体移動方向下流側に向かって転写ニップ部接触
位置から所定距離下流にする。除電位置が転写ニップ部
開始点よりも下流側であれば、その位置で十分に除電で
きなくとも除電位置から転写ニップ部開始点の間でベル
ト上の電荷は減衰し、転写ニップ部前においてはプレ転
写を引き起こすような電荷の残留が少なくなる。なお、
除電を一層確実にするため像担持体と転写体との両者の
表面部分同士が接触した状態である程度移動し、上記表
面部分同士が互いに離間している離間空隙から、上記表
面部分同士が接触を開始した箇所に比べてより離れた箇
所において、転写体に接触する抑制電極で電流が除去さ
れる。これによって、除電しきれなかった電荷が上記離
間空隙に及ぼす影響を、上記表面部分同士が接触を開始
した箇所で除電する場合に比して小さくできる。
【0048】請求項16、17に係る発明においては、
なお、転写体の除電をより一層確実なものとするため
に、転写ニップ部前に除電手段を追加して設けてもよ
い。転写ニップ部以外に配置する除電手段は被除電体で
ある転写体と確実に接触し且つ安定した除電作用の得ら
れる所定の硬度を有するローラやブレードを使用するの
が望ましい。転写ニップ部以外の位置であれば除電手段
と像担持体とは直に対向しないので、所定の硬度を有す
るローラやブレードを使用しても像担持体へ影響を及ぼ
さず高い確実な除電ができる。これによって、上記両者
の表面部分同士が接触している箇所でのみ転写体の除電
を行う場合に比して、より完全に転写体の除電を行うこ
とができる。
【0049】請求項19〜24に係る発明においては、
中間転写体もしくは転写材担持体である転写体と電極部
材との接触状態が多少変化したり、装置間でばらついた
りした場合、該接触状態の変化等で転写体と電極部材と
の間の接触圧に及ぼす影響を、電極部材の弾性を有する
接触部の弾性変形によってある程度吸収することができ
る。例えば、電極部材として金属ローラや導電性樹脂ブ
レードなど硬い部材を用いると、ベルトなどの転写体を
挟んでこの硬い部材と像担持体とがある程度の接触圧力
をもって直に対向するため、当該対向部においてベルト
移動により発生する駆動振動が逃げ場を失い像担持体に
伝わり易くなる。特に、転写体を比較的高速で駆動する
場合は駆動振動が大きくなるため注意を要する。このよ
うな振動が像担持体に伝わると、場合によっては、書き
込み位置がずれたりする恐れがある。これに対し、転写
体を比較的高速で駆動する装置などその仕様に応じて、
この発明のように上記電極部材の転写ニップ部への接触
部に弾性体を用いると、電極部材と像担持体との間の接
触圧力は上記硬い部材の場合に比べ大幅に低下するた
め、例えばベルト移動による駆動振動が発生してもその
振動は像担持体に伝わりにくくなり、振動による書き込
みずれなどの不具合は発生しない。
【0050】弾性体としては、導電性樹脂、金属、など
の各種繊維、材料からなるブラシ、表面層が導電性スポ
ンジなどの弾性層で形成されたローラ(芯金は金属、導
電性樹脂などのローラ)、先端部が導電性スポンジなど
の弾性部材で形成されたブレード(基端部は金属、導電
性樹脂などの部材)などが用いられる。
【0051】なお、上記電極部材が硬い部材であって
も、該電極部材の転写体への接触圧力を所定値以下に保
持する機能を設ければ、ある程度の効果が期待される。
例えば、ローラ状の電極部材の場合、回転軸を転写体の
駆動に追随させ揺動自在とする。
【0052】請求項12に係る発明においては、中間転
写体もしくは転写材担持体である転写体の像担持体と接
触したのとは反対側の表面に接触する電極部材によって
転写体に付与した電荷で転写電界を形成する。この電極
部材は、像担持体の表面に対して接触した後に離間した
転写体部分に接触するので、該接触の確実性を高めるた
めに接触圧を高めに設定しても、像担持体と転写体との
間の接触圧を過剰に高める危険性が、像担持体表面に接
触している転写体部分に接触する場合に比して小さい。
さらに、電極部材として転写体を用いても回転の振動が
像担持体に伝わって像担持体上に顕像を形成する工程に
悪影響を及ぼす危険性も比較的小さい。
【0053】
【発明の実施の形態】図1は本発明の一実施形態(実施
形態1)を示す。この実施形態1は、電子写真方式の画
像形成装置の一実施形態であって、一本の感光体からな
る像担持体に対向して複数色、例えば4色の現像器を並
べて配置してあり、感光体上に異なる色成分毎に形成さ
れるトナー像(顕像)を中間転写ベルトからなる転写体
上に順次に重ねて転写し、その重ねて転写したトナー像
を記録紙等に一括して転写することによってカラー画像
を得る1ドラム中間転写方式の画像形成装置の一実施形
態である。
【0054】感光体、例えば感光体ドラム1は、アルミ
ニウム素管上に下引き層、電荷発生層、電荷輸送層を順
次に重ねて製膜した機能分離型の感光層を有している。
この感光層は、厚さが約28μm、静電容量が約90p
F/cmである。感光体ドラム1は、画像形成時に
は、駆動源により矢印方向へ回転駆動され、スコロトロ
ンからなる帯電器2で均一に約−650〜700Vにマ
イナス帯電された後、露光部から画像情報に応じたレー
ザ光3が照射されて−100V〜−500Vの静電潜像
が形成される。この静電潜像は4色分の静電潜像、例え
ば黒、シアン、マゼンタ、黄色の各静電潜像からなる。
【0055】次に、感光体ドラム1の帯電電位や露光部
電位が電位センサ4で検出され、制御装置50(図14
参照)が電位センサ4の検出結果をもとに帯電条件や露
光条件などを制御する。現像部は感光体ドラム1の周囲
に並べて配置された4色の現像器5Bk、5C、5M、
5Yからなり、この現像器5Bk、5C、5M、5Yは
各色毎に感光体ドラム1上の静電潜像を現像して各色の
トナー像とする。現像器5Bk、5C、5M、5Yは、
それぞれ各色の乾式2成分現像剤を用いて感光体ドラム
1上の低電位部にマイナス帯電トナーを付着させる反転
現像方式の現像器である。
【0056】現像器5Bk、5C、5M、5Yは現像バ
イアス電源から約−500〜−550Vの現像バイアス
電圧が印加される。この現像バイアス電圧は交流成分を
重畳させてもよい。次に、感光体ドラム1はセンサ6に
よりトナー付着量が検出される。このセンサ6は感光体
ドラム1の光学的反射率から感光体ドラム1のトナー付
着量を検出するフォトセンサが用いられ、制御装置50
はセンサ6の検出結果をもとにプロセス条件を制御す
る。
【0057】感光体ドラム1上の各色のトナー像は無端
状の中間転写ベルト7上に重ねて転写される。以後、感
光体ドラム1から中間転写ベルト7へのトナー像の転写
をベルト転写という。中間転写ベルト7は、駆動ローラ
8、従動ローラ9、クリーニング装置対向ローラ10、
入口ローラ11及び出口ローラ12に架設され、駆動源
から駆動ローラ8を介して回転駆動され、感光体ドラム
1から転写されたトナー像を担持して次の工程へ搬送す
る。中間転写ベルト7は、入口ローラ11及び出口ロー
ラ12からなる電極との間に架張された部分が接離機構
により感光体ドラム1に接離され、感光体ドラム1と接
触して転写ニップ部を形成する。
【0058】中間転写ベルト7が入口ローラ11と出口
ローラ12との間に架張された部分の長さは36mmと
し、中間転写ベルト7の長手方向の幅は350mmとし
ている。中間転写ベルト7は、フッ素系の樹脂の中にカ
ーボンブラックを分散させた単層の中抵抗体であり、厚
さが約150μm、新品時の表面抵抗値が約5×10
Ω/cm、体積抵抗値が約1×1011Ωcmのもの
を用いている。
【0059】また、中間転写ベルト7の材料としてはポ
リカーボネイトなどの樹脂を用いることもできる。この
実施形態1では、転写電圧間接印加方式を採用してお
り、導電性部材からなる入口ローラ11が導線を介して
接地され、出口ローラ12は転写電源(以下転写バイア
ス電源とも呼ぶ)22(図14参照)に接続されて該転
写バイアス電源からプラス極性の転写電圧Vtが印加さ
れる。転写バイアス電源から出口ローラ12に印加され
る転写電圧Vtは電源制御手段を兼ねた制御装置50に
より制御される。
【0060】転写ニップ部には転写バイアス電源から出
口ローラ12に転写電圧Vtが印加されて中間転写ベル
ト7に電荷が付与されるという電気的操作がなされるこ
とにより転写電界が形成され、出口ローラ12は中間転
写ベルト7に電荷を付与する転写電極を構成する。入口
ローラ11は、金属又は導電性樹脂からなり、回転体と
してのローラであるが、板状部材であってもよい。
【0061】ベルト転写後の感光体ドラム1上の残留ト
ナーはクリーニング前除電器13によって帯電量が制御
され、ドラムクリーニング装置にてクリーニングブラシ
14及びクリーニングブレード15で除去される。感光
体ドラム1上の残留電荷は除電ランプ16で除去され
る。帯電手段としての帯電器2、露光手段としての露光
部、現像手段としての現像器5Bk、5C、5M、5
Y、転写体としての中間転写ベルト7、転写バイアス電
源などは、画像形成手段を構成し、制御装置50により
制御される。
【0062】一色目の作像動作では、感光体ドラム1の
帯電器2による均一な帯電、感光体ドラム1の露光部に
よる露光、現像器5Bkによる現像、ベルト転写が行わ
れて中間転写ベルト7上に一色目のトナー像が形成さ
れ、感光体ドラム1上の残留トナーのクリーニング前除
電器13による帯電量制御及びクリーニングブラシ14
及びクリーニングブレード15による除去、感光体ドラ
ム1上の残留電荷の除電ランプ16による除去が行われ
た後に二色目の作像動作が行われる。
【0063】二色目の作像動作では、感光体ドラム1の
帯電器2による均一な帯電、感光体ドラム1の露光部に
よる露光、現像器5Cによる現像、ベルト転写が行われ
て中間転写ベルト7上に二色目のトナー像が一色目のト
ナー像と重ねて形成され、感光体ドラム1上の残留トナ
ーのクリーニング前除電器13による帯電量制御及びク
リーニングブラシ14及びクリーニングブレード15に
よる除去、感光体ドラム1上の残留電荷の除電ランプ1
6による除去が行われた後に三色目の作像動作が行われ
る。
【0064】三色目の作像動作では、感光体ドラム1の
帯電器2による均一な帯電、感光体ドラム1の露光部に
よる露光、現像器5Mによる現像、ベルト転写が行われ
て中間転写ベルト7上に三色目のトナー像が一色目のト
ナー像、二色目のトナー像と重ねて形成され、感光体ド
ラム1上の残留トナーのクリーニング前除電器13によ
る帯電量制御及びクリーニングブラシ14及びクリーニ
ングブレード15による除去、感光体ドラム1上の残留
電荷の除電ランプ16による除去が行われた後に四色目
の作像動作が行われる。
【0065】四色目の作像動作では、感光体ドラム1の
帯電器2による均一な帯電、感光体ドラム1の露光部に
よる露光、現像器5Yによる現像、ベルト転写が行われ
て中間転写ベルト7上に四色目のトナー像が一色目のト
ナー像、二色目のトナー像、三色目のトナー像と重ねて
形成されることによりフルカラー画像が形成され、感光
体ドラム1上の残留トナーのクリーニング前除電器13
による帯電量制御及びクリーニングブラシ14及びクリ
ーニングブレード15による除去、感光体ドラム1上の
残留電荷の除電ランプ16による除去が行われる。ここ
に、転写バイアス電源22から出口ローラ12に印加さ
れる転写電圧Vtは各色のトナー像がベルト転写される
毎に増加させていってもよい。
【0066】転写材としての記録紙17は給紙装置から
中間転写ベルト7上のフルカラー画像に合わせて中間転
写ベルト7と転写手段を構成する紙転写ローラ18との
間に給送される。この紙転写ローラ18は駆動ローラ8
上で中間転写ベルト7に圧接されて紙転写ローラ18と
中間転写ベルト7との間に転写ニップ部が形成され、紙
転写ローラ18は紙転写バイアス電源からプラス極性の
転写電圧が印加される。
【0067】記録紙17は、紙転写ローラ18と中間転
写ベルト7との間の転写ニップ部で裏側からプラス極性
の転写電圧が印加されて中間転写ベルト7上のフルカラ
ー画像か転写され、図示しない定着装置によりフルカラ
ー画像か定着される。以後、中間転写ベルト7から記録
紙17へのトナー像の転写をペーパー転写という。ベル
トクリーニング装置19はペーパー転写後に中間転写ベ
ルト7上の残留トナーを除去する。
【0068】なお、中間転写体としてベルト形状のもの
を使用すると、画像形成装置本体は、中間転写ベルト廻
りの作像プロセス配置などのレイアウト自由度が大きく
なるため装置を小型化できる利点があるが、中間転写体
はベルト状のものに限らずドラム形状、ローラ形状のも
のを使用することもでき、何れも本発明から得られる効
果は変わらない。
【0069】この実施形態1では、転写部において、転
写ニップ部の少なくとも一部における転写体としての中
間転写ベルト7の裏面(感光体ドラム1と接触しない側
の表面)の電位Vnipがゼロ若しくは感光体ドラム1
の帯電極性と同極性の電位となるように帯電条件や転写
体としての中間転写ベルト7の抵抗値、転写バイアス電
源の出力値などを最適転写条件として設定している。
【0070】但し、中間転写ベルト7の帯電電位として
中間転写ベルト7の裏面電位を測定し設定したのは、本
来ならば中間転写ベルト7の表面電位を中間転写ベルト
7の帯電電位として説明することが望ましいが、中間転
写ベルト7の表面(感光体ドラム1と接触する側の表
面)の転写ニップ部電位が直接測定できないため中間転
写ベルト7の表面電位に代えて中間転写ベルト7の裏面
電位を用いたものである。従って、中間転写ベルト7裏
面と、感光体ドラム1と接触する中間転写ベルト7表面
の転写ニップ部電位についてその関係を説明する。
【0071】図12より、実施形態1における転写体で
ある中間転写ベルト7の抵抗値や転写バイアス値の場
合、転写ニップ部近傍では感光体ドラム1の表面側の方
がマイナス数十V、転写バイアスローラ12付近では感
光体ドラム1側の方がマイナス数百Vに帯電している。
これは、転写バイアスローラ12からの距離が遠くなる
ほど、中間転写ベルト7の表面と裏面までの距離の差が
小さくなるためである。転写ニップ部近傍では、感光体
ドラム1のマイナス電荷の影響で中間転写ベルト7の表
面は中間転写ベルト7の裏面よりもよりマイナス側の電
位を持つ。したがって、中間転写ベルト7の裏面電位が
ゼロ又はマイナス極性ならば、その中間転写ベルト7裏
面に対向する中間転写ベルト7表面は確実にマイナス電
位を持つことになる。よって、転写ニップ部の入口にお
いて転写チリを引き起こす転写電界を抑制できる。転写
体の抵抗値や転写バイアス値が変化しても、実際に転写
が可能な条件では、転写体の表面と裏面の帯電電位の関
係は同様になると推測される。
【0072】転写体としての中間転写ベルト7の裏面の
電位Vnipがゼロ若しくは感光体ドラム1の帯電極性
と同極性の電位となる範囲は、転写ニップ部の幅などの
機械的条件やトナー自体の転写特性によって変化させる
必要がある。この場合、転写ニップ部開始前位置での電
界発生を抑制してプレ転写防止を図り、かつ、実効的な
転写ニップ部の幅をなるべく長く確保して転写効率の低
下を回避するために、好ましくは、転写ニップ部の移動
方向(中間転写ベルト7の移動方向)に対して、感光体
ドラム1と中間転写ベルト7との接触開始位置を0、感
光体ドラム1と中間転写ベルト7との分離開始位置をL
としたとき、転写ニップ部の0≦X≦L/2の範囲内の
位置Xにおける中間転写ベルト7の裏面の電位Vnip
がゼロ若しくは感光体ドラム1の帯電極性と同極性の電
位となるように帯電条件や転写体としての中間転写ベル
ト7の抵抗値、転写バイアス電源の出力値などを最適転
写条件として設定する。なお、これによって実効的な転
写ニップ部の幅をなるべく長く確保し転写効率の低下を
回避することができるが、上記電位Vnipがゼロ若し
くは感光体ドラム1の帯電極性と同極性の電位である領
域が転写ニップ部の0≦X≦L/2の範囲外であること
を妨げるものではなく、各種プロセス条件(プロセスス
ピード、転写条件、感光体ドラム1の帯電条件、現像条
件など)に応じて上記の範囲外であっても本発明を適用
可能である。
【0073】以下、最適転写条件の決定について説明す
る。この実施形態1では、入口ローラ11から上記接触
開始位置までの距離を8mm、転写ニップ部の幅Lを2
0mm、上記分離開始位置から出口ローラ12までの距
離を8mmとした。さらに、感光体ドラム1と中間転写
ベルト7との転写ニップ部の裏面側には電位センサ20
が設けられ、この電位センサ20は感光体ドラム1と中
間転写ベルト7との転写ニップ部の接触部から7mmの
位置を中心として中間転写ベルト7の裏面の電位Vni
pを測定する。電位センサ20の測定範囲は約4mmで
あり、電位センサ20は5mm<X<9mmの範囲の中
間転写ベルト7裏面電位Vnipの平均値を測定するこ
とになる。
【0074】図2は本実施形態1における転写バイアス
電源22から出口ローラ12に印加される転写電圧Vt
に対する中間転写ベルト7裏面電位の測定結果を示す。
これは、感光体ドラム1の帯電部を未露光のまま(白紙
画像と同様)転写工程を通過させた時の中間転写ベルト
7裏面電位を測定した結果である。また、中間転写ベル
ト7の抵抗ムラによって中間転写ベルト7の裏面電位が
変化するため、中間転写ベルト7の裏面電位の測定を中
間転写ベルト7の1周分行い、その平均値を測定結果と
した。この測定結果では、Vt≦800Vの範囲で中間
転写ベルト7の裏面電位Vnipが感光体ドラム1の帯
電極性と同じ電圧、若しくはVnip=0となった。本
実施形態1によれば、そのVt≦800Vの範囲では転
写チリの少ない転写条件が得られる。
【0075】図3は本実施形態1における転写電圧Vt
に対する転写チリと転写効率の変化を示す。ここに、転
写チリのレベルは、中間転写ベルト7上に転写されたト
ナー像(約0.3mm幅のライン画像)を拡大観察し、
ランク付けを行った。このランク付けでは、転写チリが
最も少ない状態をランク5、転写チリが最も悪い状態を
ランク1として評価した。また、転写効率はベタトナー
像の転写前後のトナー付着量を吸引法によって重量測定
して算出した。
【0076】図3に示すように転写チリレベルは転写電
圧Vtの増加と共に悪化する傾向があるが、Vt≦80
0Vの範囲では実用上問題ないランク4以上となった。
また、転写効率は転写電圧Vtの低下と共に減少する
が、約500V以上で実用上問題ない90%以上の転写
効率が得られた。したがって、中間転写ベルト7の裏面
電位VnipをVnip≦0となる条件に設定すること
で、転写チリが低減した。また、好ましくは−100V
≦Vnip≦0となる条件に設定することで、転写チリ
が少なく、かつ、十分な転写効率が得られた。
【0077】本実施形態1では負帯電用の感光体ドラム
1を用いているが、正帯電用の感光体を用いてもよい。
正帯電用感光体の場合は、トナーの帯電極性も正極性と
なり、転写バイアス電源は負極性となる。したがって、
この場合は、転写ニップ部の0≦X≦L/2の範囲内の
位置Xにおける中間転写ベルト7の裏面の電位Vnip
がVnip≧0となる条件に設定することで転写チリが
低減する。また、本実施形態1では、転写バイアス電源
の出力値を電源制御手段により制御して中間転写ベルト
7の裏面電位Vnipを変化させているが、帯電器2の
出力値や中間転写ベルト7の抵抗値を制御して中間転写
ベルト7の裏面電位Vnipを変化させてもよい。
【0078】次に、比較形態1について説明する。比較
形態1は、本実施形態1と装置の概要は同じであるが、
ベルト転写部のローラ11、12の配置を変更して転写
ニップ部の幅のみを本実施形態1と異ならせている。こ
の比較形態1では、入口ローラ11から上記接触開始位
置までの距離を12mm、転写ニップ部の幅Lを10m
m、上記分離開始位置から出口ローラ12までの距離を
14mmとした。電位センサ20の測定範囲は約4mm
であり、電位センサ20は1mm<X≦5mmの範囲の
中間転写ベルト7裏面電位Vnipの平均値を測定する
ことになる。
【0079】図4は比較形態1における出口ローラ12
に印加する転写電圧Vtに対する中間転写ベルト7裏面
電位の測定結果を示す。比較形態1では、中間転写ベル
ト7裏面電位VnipがVnip≦0となる範囲はVt
=0だけであった。図5は比較形態1における転写電圧
Vtに対する転写チリレベルと転写効率の変化を示す。
比較形態1では、転写チリレベルが4以上で、かつ、転
写効率が90%以上となる範囲がなかった。
【0080】次に、本発明の他の実施形態(実施形態
2)を示す。この実施形態2は、転写ニップ部の幅が上
記比較形態1と同じであるが、中間転写ベルト7の抵抗
値が上記比較形態1と異なるものである。この実施形態
2では、上記実施形態1において、中間転写ベルト7
は、新品時の体積抵抗値が約1×1011Ωcmのもの
を用いた。
【0081】なお、本発明に使用可能な転写体の抵抗値
の範囲は、転写電源22の出力や容量で決まる。例え
ば、かなり低抵抗の1×10Ωcm程度の転写体でも
強い電流を流せる電源を用いれば実用に供しえる。一般
的に使用する転写体は数十μA程度の電流が流れるが、
低抵抗の転写体であってもこれを数mAまで上昇させれ
ば画像形成装置として実用に供し得るものとなる。
【0082】また、一般的に使用する転写体には数KV
の転写バイアスを印加しているが、転写体が高抵抗の場
合であっても単層ならば転写バイアスを10KV程度印
加すれば実用に供し得、二層の場合は、転写体全体の厚
み方向の体積抵抗率が1×1013Ωcm程度でも、表
層が1×1013Ωcmで、ベース層が1×1010Ω
cm程度ならば、一般的な範囲の電圧・電流で使える。
従って、本発明は、体積抵抗率の範囲としては、1×1
Ωcmから1×1013Ωcmが使用可能であり、
電源のコストなどから、単層の場合、好ましくは1×1
Ωcmから1×1012Ωcm、積層の場合は、上
限が1×1013Ωcmでも使用可能である。
【0083】図4は本実施形態2における出口ローラ1
2に印加する転写電圧Vtに対する中間転写ベルト7の
裏面電圧Vnipの測定結果を示す。図4に示すように
本実施形態2では、Vt≦1600Vの範囲で中間転写
ベルト7の裏面電圧VnipがVnip≦0となった。
図6は本実施形態2における転写電圧Vtに対する転写
チリレベルと転写効率の変化を示す。
【0084】本実施形態2では、上記実施形態1と同様
に転写チリランクは、転写電圧Vtの増加と共に悪化す
る傾向があるが、Vt≦1600Vの範囲では実用上問
題ないランク4以上となった。また、転写電圧Vtの低
下と共に転写効率が減少するが、約1200V以上の転
写電圧Vtで実用上問題ない90%以上の転写効率が得
られた。したがって、中間転写ベルト7の裏面電圧Vn
ipがVnip≦0となる条件に設定することで、転写
チリが低減した。好ましくは−60V≦Vnip≦0と
なる条件に設定することで、転写チリが少なく、かつ、
十分な転写効率が得られた。
【0085】このように、上記実施形態1、2は、それ
ぞれ本発明の一実施形態であって、画像形成手段とし
て、少なくとも、移動する像担持体としての感光体ドラ
ム1上に潜像を形成する帯電器2及び露光部からなる潜
像形成手段と、上記像担持体1上の潜像を現像してトナ
ー画像とする現像手段としての現像器5Bk、5C、5
M、5Yと、複数本のローラ8〜12に架け渡されて回
動し該複数本のローラ8〜12のうちの2本のローラ1
1、12の間で上記像担持体1と接触して転写ニップ部
を形成し該転写ニップ部で上記像担持体1上のトナー画
像が表面に転写される無端状転写体としての中間転写ベ
ルト7と、上記2本のローラ11、12の少なくとも一
方にトナーの極性と反対極性の電荷を供給する転写バイ
アス電源とを有する画像形成装置において、上記転写ニ
ップ部の少なくとも一部における上記転写体7の裏面の
電位をゼロ若しくは上記像担持体1の帯電極性と同極性
の電位としたので、転写ニップ部の少なくとも一部にお
ける転写電界強度が小さくなり、転写ニップ部の前での
トナーの移動を防止することができ、トナー画像転写時
の転写チリを少なくすることができる。
【0086】また、上記実施形態1、2は、それぞれ本
発明の1つの実施形態であって、転写ニップ部全域の範
囲内の所定の位置又は転写ニップ部の移動方向に対し
て、上記像担持体1と上記転写体7との接触開始位置を
0、上記像担持体1と上記転写体7との分離開始位置を
Lとしたとき、上記転写ニップ部の0≦X≦L/2の範
囲内の位置Xの何れかの位置における上記転写体7の裏
面の電位をゼロ若しくは上記像担持体1の帯電極性と同
極性の電位としたので、転写ニップ部の入口近傍の転写
電界強度が小さくなり、転写ニップ部の前でのトナーの
移動を防止することができ、トナー画像転写時の転写チ
リを少なくすることができる。
【0087】また、上記実施形態1、2は、それぞれ本
発明の1つの実施形態であって、転写ニップ部全域の範
囲内の所定の位置又は上記転写ニップ部の移動方向に対
して、上記像担持体1と上記転写体7との接触開始位置
を0、上記像担持体1と上記転写体7との分離開始位置
をLとしたとき、上記転写ニップ部の0≦X≦L/2の
範囲内の位置Xの何れかの位置における上記転写体7の
裏面の電位Vnipを測定する電位測定手段としての電
位センサ20を備えたので、電位測定手段の測定結果か
ら最適な転写条件の設定が可能となり、トナー画像転写
時の転写チリを少なくすることが可能となる。
【0088】次に、本発明の他の実施形態(実施形態
3)について説明する。この実施形態3では、上記実施
形態1において、制御装置50は機械の電源投入時や一
定枚数の画像形成動作毎に上述した中間転写ベルト7の
裏面電圧Vnipを測定する動作を行わせる。電源投入
時には、帯電条件や現像条件などの最適化設定が行われ
た後で、転写バイアス電源22から中間転写ベルト7に
印加される転写電圧Vtの最適設定動作が行われる。
【0089】図13はその制御動作フローを示す。電源
投入時には、制御装置50による一般的なプロセスコン
トロールとして、帯電条件や現像条件などの最適化設定
が行われる。この最適化設定については、従来技術と同
様であるので、詳しい説明は省略する。その後、転写バ
イアス電源から中間転写ベルト7に印加される転写電圧
Vtの最適設定動作が制御装置50による各部の制御に
より行われる。
【0090】この時、感光体ドラム1は、駆動源により
回転駆動されて帯電器2で約−650Vに帯電された
後、未露光のまま現像器5Bk、5C、5M、5Yを通
過する。現像器5Bk、5C、5M、5Yは、反転現像
方式であるため、現像を行わない。これは、白紙画像の
作像(画像形成)動作と同様である。電位センサ20を
用いて感光体ドラム1の帯電部がベルト転写部を通過す
る時の中間転写ベルト7の裏面電位が測定される。
【0091】この測定動作の終了後、前回の転写電圧の
設定動作からの累積作像枚数がゼロにリセットされ、待
機状態となる。作像動作終了後の累積作像枚数が設定値
以上になった場合、転写電圧設定動作が行われ、待機状
態となる。中間転写ベルト7の抵抗ムラの影響を無くす
ために、上記測定として一つの転写電圧Vtに対して中
間転写ベルト7の1周分の測定が電位センサ20により
行われ、その測定結果の平均値が制御用の値として採用
されることが好ましい。
【0092】図15に示すように、制御装置50は、白
紙画像の作像動作の開始後、転写バイアス電源22から
出口ローラ12へ転写電圧Vtを印加させる。この状態
で中間転写ベルト7の裏面電圧Vnipが電位センサ2
0により測定される。制御装置50は、電位センサ20
の測定結果から、Vnip≦0ならば、まだ転写電圧V
tを大きくできる可能性があるので、転写バイアス電源
22から出口ローラ12への転写電圧Vtを1ステップ
分の電圧値ΔVだけ増加させてVt=Vt+ΔVと再設
定し、再度Vnipを電位センサ20により測定する。
この動作が繰り返され、Vnip>0となった時点で
は、転写電圧Vtが大き過ぎるため、制御装置50は1
ステップ前の電圧値Vt’=Vt−ΔVを最適転写電圧
値として設定する。図2では、転写電圧Vtは、0Vを
初期値とし、200Vのステップで増加させているが、
初期値を数百Vとして設定動作の時間を短縮してもよ
い。また、転写電圧Vtのステップアップの間隔を50
Vの間隔程度に狭めることで、転写電圧Vtの精密な制
御が可能になる。
【0093】転写電圧Vtは、最終的に転写ニップ部の
0≦X≦L/2の範囲内の位置Xにおける中間転写ベル
ト7の裏面の電位VnipがVnip≦0となる条件の
範囲内で最大となる電圧値がその時の最適転写電圧とし
て設定される。この転写電圧Vtの設定は電源制御手段
としての制御装置50により転写バイアス電源の出力値
を転写電圧Vtが最適転写電圧になる如く制御するよう
に設定することで行う。中間転写ベルト7が新品の場
合、上述のようにVt=800Vが最適転写電圧として
設定される。なお、転写条件に応じて上記電圧Vnip
がゼロ若しくは感光体ドラム1の帯電特性と同極性の電
圧である領域が転写ニップ部の0≦X≦L/2の範囲外
であることを妨げるものではなく、上記の範囲外であっ
ても本発明が適用可能であることは先に述べた通りであ
る。
【0094】その後、最適転写電圧の設定動作を全く行
わずに上述のような通常の画像形成動作を5000枚行
ったところ、ハーフトーン部の転写チリランクが3.5
に悪化した。この時、中間転写ベルト7は、表面抵抗値
が約5×10Ω/cm、体積抵抗値が約5×10
Ωcmに低下していた。再び最適転写電圧の設定動作を
制御装置により上述のように行ったところ、図2に黒丸
で示すような特性が得られ、最適転写電圧は600Vと
検出・再設定がなされた。この再設定条件では、ハーフ
トーン部からベタ部まで転写チリの少ない均一な画像を
得ることができた。制御装置50は一定枚数の画像形成
動作毎に定期的に上述のような中間転写ベルト7の裏面
電位測定動作を行わせ、その測定結果により上述のよう
に最適転写電圧の再設定動作が行われる。
【0095】中間転写ベルト7の体積抵抗値が約1×1
Ωcm以下の場合には、中間転写ベルト7中を流れ
る転写バイアス電源22からの電流が大きくなり、中間
転写ベルト7の裏面の電位VnipがVnip≦0とな
る条件が無くなってしまう。この場合、比較形態1と同
様に転写チリランクが4以上で、かつ、転写効率が90
%以上となる範囲はなかった。
【0096】このように、実施形態3は、本発明の一実
施形態であって、上記転写ニップ部の移動方向に対し
て、上記像担持体1と上記転写体7との接触開始位置を
0、上記像担持体1と上記転写体7との分離開始位置を
Lとしたとき、上記転写ニップ部の0≦X≦L/2の範
囲内の位置Xにおける上記転写体7の裏面の電位Vni
pを測定する電位測定手段としての電位センサ20と、
この電位測定手段20に上記転写ニップ部での転写工程
時に測定動作を行わせる動作制御手段としての制御装置
50とを備え、上記Vnipがゼロ若しくは上記像担持
体1の帯電極性と同極性の電位となるように上記画像形
成手段の動作を制御するので、定期的に転写体裏面の電
位Vnipを測定して転写チリが低減するような条件に
設定することにより、経時変化による転写体の抵抗変化
などに対して常に転写チリの少ない転写条件を維持する
ことができて常に転写チリの少ない画像を得ることがで
きる。
【0097】また、実施形態3は、本発明の一実施形態
であって、上記画像形成手段の動作を制御する手段とし
て上記転写バイアス電源の出力値を制御する電源制御手
段としての制御装置50を有するので、経時変化による
転写体の抵抗変化などに対して常に転写チリの少ない転
写条件を維持することができ、常に転写チリの少ない画
像を得ることができる。
【0098】次に、本発明の更に他の実施形態(実施形
態4)について説明する。この実施形態4では、上記実
施形態1において、これと同様に入口ローラ11から上
記接触開始位置までの距離を8mm、転写ニップ部の幅
Lを20mm、上記分離開始位置から出口ローラ12ま
での距離を8mmとした。さらに、図10に示すように
感光体ドラム1と中間転写ベルト7との転写ニップ部の
裏面側には導電性ブラシ21が設けられ、この導電性ブ
ラシ21は感光体ドラム1と中間転写ベルト7との転写
ニップ部の接触部から7mmの位置を中心として中間転
写ベルト7の裏面に接触する。
【0099】導電性ブラシ21の長手方向の幅は340
mm、導電性ブラシ21の中間転写ベルト7移動方向の
幅は約4mmであり、導電性ブラシ21は5mm<X<
9mmの範囲内の中間転写ベルト7裏面位置Xに接触し
ている。すなわち、導電性ブラシ21は転写ニップ部の
0≦X≦L/2の範囲内の位置Xにおける中間転写ベル
ト7裏面に接触している。導電性ブラシ21は、少なく
とも中間転写ベルト7と接触する接触部が弾性を有する
部材で構成することが望ましい。また、導電性ブラシ2
1の中間転写ベルト7と接触する接触部は板状に構成し
てもよく、導電性ブラシ21は表面が弾性層で形成され
た回転体としてもよい。
【0100】入口ローラ11は導線を通して接地され、
出口ローラ12は転写バイアス電源22から転写電圧が
印加される。導電性ブラシ21は、アクリル系樹脂中に
炭素微粒子を含有した導電性繊維としての360デニー
ル/24フィラメントの炭素含有アクリル繊維で、約1
×10Ωcmの抵抗値のものを用いた。導電性ブラシ
21が接地されて中間転写ベルト7から導電性ブラシ2
1を介して接地に電流が流れることにより、転写電界を
抑制して中間転写ベルト7から電荷を除去するという抑
制操作がなされ、導電性ブラシ21は抑制電極を構成す
る。
【0101】機械製造時に転写電圧の設定作業を行う場
合には、図7に示すように、導電性ブラシ21と接地と
の間に電流計23を挿入接続する。この電流計23は導
電性ブラシ21側がプラス極性、接地側がマイナス極性
となるように接続する。そして、転写バイアス電源22
から出口ローラ12に印加される転写電圧を電源制御手
段にて変化させて電流計23により導電性ブラシ21か
ら接地に流れる電流Inipを測定し、この測定結果か
ら最適転写電圧値を決定して転写電圧をその最適転写電
圧値に設定する。
【0102】図8は本実施形態4における出口ローラ1
2に印加する転写電圧Vtに対する導電性ブラシ21か
ら接地への電流値の測定結果を示す。これは、感光体ド
ラム1の帯電部を未露光のまま(白紙画像と同様)転写
工程を通過させた時の導電性ブラシ21から接地に流れ
る電流値を測定した結果である。また、中間転写ベルト
7の抵抗ムラによって導電性ブラシ21から接地への電
流値が変化するため、導電性ブラシ21から接地への電
流値の測定を中間転写ベルト7の1周分行い、その平均
値を測定結果とした。この測定結果では、Vt≦800
Vの範囲で、導電性ブラシ21から接地への電流値In
ipがInip≦0(接地から電性ブラシ21の向きに
電流が流れる、あるいは、導電性ブラシ21から接地へ
電子が流れること)になった。本実施形態4によれば、
そのVt≦800Vの範囲では転写チリの少ない転写条
件が得られる。
【0103】次に、実験データに基づき、上記のIni
pを説明する。 《実験試料》 ベルト1 材質:カーボン分散ETFE(エチレンテトラフルオロ
エチレン)、厚さ:150μm、表面抵抗率:10
1010(Ω/□)、体積抵抗率:1010〜1011
(Ωcm)、比誘電率:11±3 ベルト2 材質:カーボン分散ポリカーボネート、厚さ:150μ
m、表面抵抗率:10〜10(Ω/□)、体積抵抗
率:10〜10(Ωcm) 中間転写ベルト7の低抵抗化による転写チリの悪化を考
察するために、転写工程時に導電性ブラシ21に流れる
電流と入口ローラ11の電位を測定し比較した。図16
は導電性ブラシ21に流れる電流値の比較結果を示す。
バイアス印加構成はニップアース方式のDタイプとし
た。図16において、横軸は転写バイアスの印加電圧
値、縦軸は導電性ブラシ21に流れる電流値を示す。
【0104】図17に示すように導電性ブラシ21には
次の2つの成分の電流が流れると考えられる。出口ロ
ーラ12に印加したプラス極性の転写バイアスによるプ
ラスの向きの電流。感光体ドラム1の非画像部に帯電
したマイナス電荷に向かって流れる逆向きの電流。この
2つの電流成分の大小関係により、測定される電流値I
nipや転写チリレベルが変化する。現状の中間転写ベ
ルト7の場合、転写バイアス値が0〜+800V程度ま
ではの電流成分の方が大きく、導電性ブラシ21に流
れる電流値Inipはマイナスであるが、+800V以
上からはの電流成分が大きくなり電流値Inipはプ
ラスになる。この両者の電流が釣り合って導電性ブラシ
21電流値がゼロになる転写バイアス値が、他の方法か
ら決定した最適転写バイアス値と一致していることが興
味深い。
【0105】電流値Inipがマイナスになる条件で
は、導電性ブラシ21近傍の中間転写ベルト7中にはマ
イナス電荷が多く存在し、転写ニップ部入口付近の転写
電界が抑制されるため、転写チリは減少する。逆に、電
流値Inipがプラスになる条件では、導電性ブラシ2
1近傍の中間転写ベルト7中にはプラス電荷が多く存在
し、転写ニップ部入口付近の転写電界が増加されるた
め、転写チリは増加する。
【0106】現状の中間転写ベルト7と低抵抗の中間転
写ベルトでの最適転写条件での電流値を比較すると、現
状の中間転写ベルト7では前述のように0μAである
が、低抵抗の中間転写ベルトでは約20μAも流れてい
る。これは、中間転写ベルトの抵抗値が小さいことから
の電流成分が大きくなったためと単純に考えられる。
さらに、転写バイアス値が0Vでの電流値を比較する
と、低抵抗の中間転写ベルトの方がプラス側に大きくな
っている。したがって、低抵抗の中間転写ベルトの方が
わずかに転写チリレベルが悪化することが説明できる。
【0107】本実施形態4における転写電圧Vtに対す
る転写チリと転写効率の変化は上記図3に示す実施形態
1における転写電圧Vtに対する転写チリと転写効率の
変化と同様であった。したがって、電性ブラシ21から
接地への電流値InipがInip≦0となる条件に転
写電圧値を電源制御手段で設定することにより、転写チ
リランクが4.0以上得られた。また、好ましくは−3
μA≦Inip≦0となる条件に転写電圧値を設定する
ことで、転写チリランクが4.0以上で、かつ、十分な
転写効率90%以上が得られた。
【0108】本実施形態4では導電性部材としてブラシ
状部材21を用いたが、導電性部材としてローラ状の部
材を用いることもできる。但し、転写ニップ部の機械的
な圧力が大きくなると、文字の中抜けなどの転写不良が
発生するため、導電性部材は中間転写ベルト7に対する
接触圧力を弱くすることが可能なブラシ状部材あるいは
低硬度のローラ部材を用いることが好ましい。また、正
帯電の感光体ドラム1を用いた場合には、導電性ブラシ
21から接地への電流値InipがInip≧0となる
条件に設定する。
【0109】次に比較形態2について説明する。この比
較形態2では、導電性ブラシ21の設置位置を変更した
以外は上記実施形態4と同様とした。導電性ブラシ21
は感光体ドラム1と中間転写ベルト7との転写ニップ部
の接触部から12mmの位置を中心として中間転写ベル
ト7の裏面に接触する。導電性ブラシ21の中間転写ベ
ルト7移動方向の幅は約4mmであり、導電性ブラシ2
1は10mm<X<14mmの範囲内の中間転写ベルト
7裏面位置Xに接触している。
【0110】すなわち、図11に示すように導電性ブラ
シ21は、転写ニップ部のX>L/2の範囲内の位置X
における中間転写ベルト7裏面に接触しており、上記実
施形態のように転写ニップ部の0≦X≦L/2の範囲内
の位置Xにおける中間転写ベルト7の裏面には接触して
いない。この場合、転写電圧VtがVt≦1000V
で、転写チリランク4.0以上が得られたが、十分な転
写電界が作用する実質的な転写ニップ部の幅が減少する
ので、ベタ画像の転写効率が85%程度に低下した。
【0111】このように、本実施形態4は、本発明の一
実施形態であって、上記転写体7の裏面に接触する導電
性部材21を備え、この導電性部材21を接地し、上記
転写ニップ部の移動方向に対して下流側にのみ上記転写
バイアス電源22を接続したので、転写ニップ部の入口
近傍の転写電界強度を小さくすることができて転写ニッ
プ部の前でのトナーの移動を防止でき、トナー画像転写
時の転写チリを少なくできる。
【0112】更に、上記導電性部材21を、上記転写ニ
ップ部の移動方向に対して、上記像担持体1と上記転写
体7との接触開始位置を0、上記像担持体1と上記転写
体7との分離開始位置をLとしたとき、上記転写ニップ
部の0≦X≦L/2の範囲内の位置Xに配置したので、
転写効率の低下を回避し転写チリを少なくできる。
【0113】また、本実施形態4は、本発明の一実施形
態であって、上記導電性部材21から接地に流れる電流
Inipを、上記像担持体1の帯電極性が負極性の場合
にはInip≦0、上記像担持体1の帯電極性が正極性
の場合にはInip≧0とするので、転写ニップ部の前
半部の転写体7裏面に電流が流れ込むような転写条件を
設定することになって転写ニップ部の入口近傍の転写電
界強度を小さくすることができ、転写ニップ部の前での
トナーの移動を防止できてトナー画像転写時の転写チリ
を少なくできる。
【0114】また、本実施形態4は、本発明の一実施形
態であって、上記導電性部材21から接地に流れる電流
Inipを測定する電流測定手段としての電流計23を
備えたので、その測定結果から最適な転写条件を設定す
ることが可能となり、トナー画像転写時の転写チリを少
なくすることが可能となる。
【0115】また、本実施形態4は、本発明の一実施形
態であって、上記導電性部材21はアクリル系樹脂中に
炭素微粒子を含有した導電性繊維からなるブラシ部材で
あるので、長期間にわたってトナー画像転写時の転写チ
リを少なくでき、かつ、経時での転写異常を防止するこ
とができる。
【0116】また、本実施形態4では、アクリル繊維の
樹脂中にカーボンを分散した繊維を用いたが、直径5〜
8μm程度のステンレススチール繊維や、アクリル、ナ
イロン、ポリエステル、レーヨン等の樹脂繊維に金属め
っきを施したもの、樹脂中にカーボン、金属粉等の導電
性微粉を分散した繊維、更には樹脂繊維等を炭化して導
電性を付与した炭素繊維等の導電性又は半導電性の繊維
が使用できる。上記の導電性又は半導電性の繊維は単独
でも混合して使用しても良く、又ブラシ21の強度やブ
ラシ21先端の抵抗等を調整する目的で、これら繊維と
共にアクリル、ナイロン、ポリエステル、レーヨン等の
繊維と組み合わせて使用しても良い。
【0117】次に、本発明の更に他の実施形態(実施形
態5)について説明する。この実施形態5では、上記実
施形態4において、制御装置50は機械の電源投入時や
一定枚数の画像形成動作毎に上述した導電性ブラシ21
から接地への電流値Inipを測定する動作を行わせ
る。電源投入後には、帯電条件や現像条件などの最適化
設定が行われた後で、転写バイアス電源22から中間転
写ベルト7に印加される転写電圧Vtの最適設定動作が
行われる。
【0118】図18はその制御動作フローを示す。電源
投入時には、制御装置50による一般的なプロセスコン
トロールとして、帯電条件や現像条件などの最適化設定
が行われる。この最適化設定については、従来技術と同
様であるので、詳しい説明は省略する。その後、転写バ
イアス電源22から中間転写ベルト7に印加される転写
電圧Vtの最適設定動作が制御装置50による各部の制
御により行われる。
【0119】この時、感光体ドラム1は、駆動源により
回転駆動されて帯電器2で約−650Vに帯電された
後、未露光のまま現像器5Bk、5C、5M、5Yを通
過する。現像器5Bk、5C、5M、5Yは、反転現像
方式であるため、現像を行わない。電流計23は感光体
ドラム1の帯電部がベルト転写部を通過する時の導電性
ブラシ21から接地への電流値Inipを測定する。
【0120】中間転写ベルト7の抵抗ムラの影響を無く
すために、一つの転写電圧Vtに対して中間転写ベルト
7の1周分の電流測定が電流計23により行われ、その
測定結果の平均値が制御用の値として採用されることが
好ましい。図18に示すように、制御装置50は、白紙
画像の作像動作の開始後、転写バイアス電源22から出
口ローラ12へ転写電圧Vtを印加させる。この状態で
中間転写ベルト7の裏面から接地への電流値Inipが
電位センサ20により測定される。制御装置50は、電
位センサ20の測定結果から、Inip≦0ならば、ま
だ転写電圧Vtを大きくできる可能性があるので、転写
バイアス電源22から出口ローラ12への転写電圧Vt
を1ステップ分の電圧値ΔVだけ増加させてVt=Vt
+ΔVと再設定し、再度Inipを電位センサ20によ
り測定する。この動作が繰り返され、Inip>0とな
った時点では、転写電圧Vtが大き過ぎるため、制御装
置50は1ステップ前の電圧値Vt’=Vt−ΔVを最
適転写電圧値として設定する。図8では、転写電圧Vt
は、0Vを初期値とし、200Vのステップで増加させ
ているが、初期値を数百Vとして設定動作の時間を短縮
してもよい。また、転写電圧Vtのステップアップの間
隔を50Vの間隔程度に狭めることで、転写電圧Vtの
精密な制御が可能になる。
【0121】転写電圧Vtは、最終的に導電性ブラシ2
1から接地への電流値InipがInip≦0となる条
件の範囲内で最大となる電圧値がその時の最適転写電圧
として設定される。この転写電圧Vtの設定は電源制御
手段により転写バイアス電源の出力値を転写電圧Vtが
最適転写電圧になる如く制御するように設定することで
行う。中間転写ベルト7が新品の場合、上述のようにV
t=800Vが最適転写電圧として設定される。
【0122】その後、最適転写電圧の設定動作を全く行
わずに上述のような通常の画像形成動作を5000枚行
ったところ、ハーフトーン部の転写チリランクが3.5
に悪化した。この時、中間転写ベルト7は、表面抵抗値
が約5×10Ω/cm、体積抵抗値が約5×10
Ωcmに低下していた。そこで、再び最適転写電圧の設
定動作を制御装置により上述のように行ったところ、図
8に黒丸で示すような特性が得られ、Inip≦0とな
る条件から、最適転写電圧は600Vと検出・再設定が
なされた。この再設定条件では、ハーフトーン部からベ
タ部まで転写チリの少ない均一な画像を得ることができ
た。上記制御装置は一定枚数の画像形成動作毎に定期的
に上述のような導電性ブラシ21から接地への電流値I
nipの測定動作を行わせ、その測定結果により上述の
ように最適転写電圧の再設定動作が行われる。
【0123】次に比較形態3について説明する。この比
較形態3は、導電性ブラシ21を約20μmの太さのS
USブラシとした以外は上記実施形態5と同様にした。
この比較形態3では、初期における転写電圧の設定動作
などは上記実施形態5と同様な結果化が得られたが、数
100枚分の画像形成動作によって中間転写ベルト7の
裏面に傷が発生した。この傷の削り粉がローラ表面など
に付着して凸状の汚れとなり、ベルト転写部やペーパー
転写部での転写不良が発生した。
【0124】このように、実施形態5は、本発明の一つ
の実施形態であって、上記導電性部材21から接地に流
れる電流Inipを測定する電流測定手段としての電流
計23を備え、上記像担持体1の帯電極性が負極性の場
合にはInip≦0、上記像担持体1の帯電極性が正極
性の場合にはInip≧0となるように上記トナー画像
形成手段の動作を制御するので、定期的に転写体の裏面
に流れ込む電流を測定して転写条件を転写チリが低減す
るような条件に再設定することにより、経時変化による
転写体の抵抗変化などに対して常に転写チリの少ない転
写条件を維持することができて常に転写チリの少ない画
像を得ることができる。
【0125】また、本実施形態5は、本発明の一つの実
施形態であって、上記トナー画像形成手段の動作を制御
する手段として上記転写バイアス電源の出力値を制御す
る電源制御手段を有するので、経時変化による転写体の
抵抗変化などに対して常に転写チリの少ない転写条件を
維持することができて常に転写チリの少ない画像を得る
ことができる。
【0126】また、本実施形態5は、本発明の一つの実
施形態であって、上記導電性部材21はアクリル系樹脂
中に炭素微粒子を含有した導電性繊維からなるブラシ部
材であるので、長期間にわたってトナー画像転写時の転
写チリを少なくでき、かつ、経時での転写異常を防止す
ることができる。
【0127】また、上記実施形態1〜5は、それぞれ本
発明の一つの実施形態であって、上記転写体7は上記転
写ニップ部にて上記像担持体1から転写されたトナー画
像を一時的に担持して記録紙に転写させる中間転写ベル
トであるので、小型で像担持体から中間転写ベルト上へ
のトナー転写工程時の転写チリを少なくできて転写チリ
の少ない画像を得ることができる。以上の説明は中間転
写方式を用いた画像形成装置の実施形態について行った
が、本発明は中間転写方式を用いた画像形成装置に限定
されるものではない。
【0128】図9は本発明の更に他の実施形態(実施形
態6)を示す。この実施形態6は記録紙を担持・搬送す
る転写搬送ベルトを用いた画像形成装置の一実施形態で
ある。感光体からなる像担持体、例えば感光体ドラム3
1は、アルミニウム素管上に下引き層、電荷発生層、電
荷輸送層を順次に重ねて製膜した機能分離型の感光層を
有している。この感光層は、厚さが約28μm、静電容
量が約90pF/cmである。感光体ドラム31は、
画像形成時には、駆動源により回転駆動され、スコロト
ロンからなる帯電器32で均一に約−650〜700V
にマイナス帯電された後、露光部から画像情報に応じた
レーザ光33が照射されて−100V〜−500Vの静
電潜像が形成される。
【0129】現像部34は感光体ドラム31上の静電潜
像を現像してトナー像とする。この現像部34は、乾式
2成分現像剤を用いて感光体ドラム31上の低電位部に
マイナス帯電トナーを付着させる反転現像方式の現像器
であり、現像バイアス電源から約−500〜−550V
の現像バイアス電圧が印加される。この現像バイアス電
圧は交流成分を重畳させてもよい。
【0130】転写体としての無端状転写搬送ベルトから
なる転写材搬送体35は、駆動ローラ36と従動ローラ
37に張架され、駆動源から駆動ローラ36を介して回
転駆動される。転写材としての記録紙38は、給紙装置
からレジストローラ39へ給送され、レジストローラ3
9により感光体ドラム31上のトナー像に合わせて転写
搬送ベルト35へ送出される。感光体ドラム31と転写
搬送ベルト35とが接触して形成される転写ニップ部よ
り転写搬送ベルト35の回転方向下流側における転写搬
送ベルト35の裏面には転写電極としてのバイアスロー
ラ40が当接し、転写搬送ベルト35はバイアスローラ
40と従動ローラ37との間の部分が感光体ドラム31
に接触する。
【0131】転写ニップ部の幅は約10mm、転写搬送
ベルト35の長手方向の幅は350mmである。また、
感光体ドラム31と転写搬送ベルト35との接触開始位
置からそれより5mm離れた位置までの間の転写搬送ベ
ルト35の裏面には抑制電極としての導電性ブラシから
なる導電性部材41が接触する。この導電性ブラシ41
は、360デニール/24フィラメントの炭素含有アク
リル繊維で、抵抗値が約1×10Ωcmのものを用い
た。導電性ブラシ41は導線を通して接地される。
【0132】転写搬送ベルト35は、クロロプレンゴム
とEPDMのブレンドゴムの中にカーボンブラックを分
散させた中抵抗体のゴム層の表面にフッ素系のコート層
を設けたものである。この転写搬送ベルト35は、ゴム
層の厚さが約500μmで、新品時の体積抵抗値が約1
×1010Ωcm、コート層の厚さが約10μm、新品
時の表面抵抗値が約1×1011Ω/cmのものを用
いた。
【0133】電極を構成する従動ローラ37と導電性ブ
ラシ41は接地され、バイアスローラ40は転写バイア
ス電源に接続されて該転写バイアス電源からプラス極性
の転写電圧Vtが印加される。転写バイアス電源からバ
イアスローラ40に印加される転写電圧Vtは電源制御
手段を兼ねた制御装置により制御される。なお、電極と
して従動ローラ37の代りに板状部材を用いてもよく、
この電極としての板状部材や従動ローラ37からなる回
転体は金属又は導電性部材で構成される。
【0134】レジストローラ39からの記録紙38は、
転写搬送ベルト35により担持されて搬送され、転写ニ
ップ部で感光体ドラム31上のトナー像が転写される。
記録紙38は、転写ニップ部を通過すると、転写搬送ベ
ルト35の表面に静電的に吸着されているために、感光
体ドラム31との分離が容易になる。したがって、転写
搬送ベルト35を用いると、紙詰りなどのトラブルが減
少する利点がある。
【0135】転写後の感光体ドラム31上の残留トナー
はドラムクリーニング装置にてクリーニングブラシ42
及びクリーニングブレード43で除去され、感光体ドラ
ム31上の残留電荷は除電ランプ44で除去される。ト
ナー像が転写された記録紙38は、駆動ローラ36のと
ころで転写搬送ベルト35から曲率分離された後に、定
着装置45でトナー像が定着される。
【0136】この実施形態6では、転写ニップ部におい
て、その少なくとも一部における転写体としての転写搬
送ベルト35の裏面(感光体ドラム1と接触しない側の
表面)の電位Vnipがゼロ若しくは感光体ドラム31
の帯電極性と同極性の電位となるように帯電条件や転写
体としての転写搬送ベルト35の抵抗値、転写バイアス
電源の出力値などを最適転写条件として設定する。但
し、転写搬送ベルト35の帯電電位として転写搬送ベル
ト35の裏面電位を測定し設定したが、本来ならば転写
搬送ベルト35の表面電位を転写搬送ベルト35の帯電
電位とすることが望ましい。
【0137】転写体としての転写搬送ベルト35の裏面
の電位Vnipがゼロ若しくは感光体ドラム31の帯電
極性と同極性の電位となる範囲は、転写ニップ部の幅な
どの機械的条件やトナー自体の転写特性によって変化さ
せる必要がある。この場合、転写ニップ部開始前位置で
の電界発生を抑制してプレ転写防止を図り、かつ、実効
的な転写ニップ部の幅をなるべく長く確保し転写効率の
低下を回避するために、好ましくは、転写ニップ部の移
動方向(転写搬送ベルト35の移動方向)に対して、感
光体ドラム31と転写搬送ベルト35との接触開始位置
を0、感光体ドラム31と転写搬送ベルト35との分離
開始位置をLとしたとき、転写ニップ部の0≦X≦L/
2の範囲内の位置Xにおける転写搬送ベルト35の裏面
の電位Vnipがゼロ若しくは感光体ドラム31の帯電
極性と同極性の電位となるように帯電条件や転写体とし
ての転写搬送ベルト35の抵抗値、転写バイアス電源の
出力値などを最適転写条件として設定する。なお、これ
によって実効的な転写ニップ部の幅をなるべく長く確保
し転写効率の低下を回避することができるが、上記電位
Vnipがゼロ若しくは感光体ドラム31の帯電極性と
同極性の電位である領域が転写ニップ部の0≦X≦L/
2の範囲外であることを妨げるものではなく、各種プロ
セス条件(プロセススピード、転写条件、感光体ドラム
31の帯電条件、現像条件など)に応じて上記の範囲外
であっても本発明を適用可能である。本実施形態6では
転写搬送ベルト35の裏面電位VnipをVnip≦0
となる条件に設定することで、転写チリが低減する。ま
た、負帯電用の感光体ドラム31を用いているが、正帯
電用の感光体を用いてもよい。正帯電用感光体の場合は
転写ニップ部の0≦X≦L/2の範囲内の位置Xにおけ
る転写搬送ベルト35の裏面の電位VnipがVnip
≧0となる条件に設定することで転写チリが低減する。
【0138】ここに、帯電手段としての帯電器32、露
光手段としての露光部、現像手段としての現像器34、
転写体としての記録紙38、転写搬送ベルト35、転写
バイアス電源などは、画像形成手段を構成する。また、
通常の作像条件では、バイアスローラ40には転写バイ
アス電源から2600Vの転写電圧を印加したとき、転
写バイアス電源の出力電流が約+150μAであった。
この時、転写チリのランクは4.5が得られた。
【0139】このように、この実施形態6では、転写体
35は記録紙38を一時的に担持して該記録紙38に転
写ニップ部にて像担持体としての感光体ドラム31上の
トナー画像を転写させた後に該記録紙38を次の工程へ
搬送する転写搬送ベルトであるので、紙詰りが少なく、
かつ、転写搬送ベルトに担持された記録紙上へのトナー
転写工程時の転写チリを少なくできる。
【0140】また、上記実施形態1〜6は、本発明の一
実施形態であって、上記転写体1が10〜1013Ω
cmの体積抵抗率を有するので、転写体裏面の電位値あ
るいは転写体裏面に流れる電流値の測定結果から転写条
件の制御が可能となる。本発明の実施形態7では、上記
実施形態6において、上記実施形態3と同様に、制御装
置は機械の電源投入時や一定枚数の画像形成動作毎に上
述した転写搬送ベルト35の裏面電圧Vnipを測定す
る動作を行わせる。電源投入時には、帯電条件や現像条
件などの最適化設定が行われた後で、転写バイアス電源
から転写搬送ベルト35に印加される転写電圧Vtの最
適設定動作が行われる。
【0141】この転写電圧Vtの最適設定動作は上記実
施形態3と同様である。この場合、電位センサを用いて
感光体ドラム31の帯電部が転写部を通過する時の転写
搬送ベルト35の裏面電位が測定される。制御装置は、
電位センサの測定結果により、転写バイアス電源からバ
イアスローラ40への転写電圧Vtを最適転写電圧値に
設定する。
【0142】転写電圧Vtは、最終的に転写ニップ部の
0≦X≦L/2の範囲内の位置Xにおける転写搬送ベル
ト35の裏面の電位VnipがVnip≦0となる条件
の範囲内で最大となる電圧値がその時の最適転写電圧と
して設定される。この転写電圧Vtの設定は電源制御手
段としての制御装置により転写バイアス電源の出力値を
転写電圧Vtが最適転写電圧になる如く制御するように
設定することで行う。なお、正帯電用感光体の場合は転
写ニップ部の0≦X≦L/2の範囲内の位置Xにおける
転写搬送ベルト35の裏面の電位VnipがVnip≧
0となる条件で最適転写電圧が設定される。
【0143】本発明の実施形態8では、上記実施形態6
において、上記実施形態4と同様に、感光体ドラム31
と転写搬送ベルト35との転写ニップ部の裏面側には導
電性ブラシが設けられ、この導電性ブラシは転写搬送ベ
ルト35の裏面に接触する。導電性ブラシは、転写ニッ
プ部の移動方向(転写搬送ベルト35の移動方向)に対
して、感光体ドラム31と転写搬送ベルト35との接触
開始位置を0、感光体ドラム31と転写搬送ベルト35
との分離開始位置をLとしたとき、転写ニップ部の0≦
X≦L/2の範囲内の位置Xにおける転写搬送ベルト3
5裏面に接触している。導電性ブラシは、少なくとも転
写搬送ベルト35と接触する接触部が弾性を有する部材
で構成することが望ましい。また、導電性ブラシの転写
搬送ベルト35と接触する接触部は板状に構成してもよ
く、導電性ブラシは表面が弾性層で形成された回転体と
してもよい。
【0144】導電性ブラシが接地されて転写搬送ベルト
35から導電性ブラシを介して接地へ電流が流れること
により、転写電界を抑制して転写搬送ベルト35から電
荷を除去するという抑制操作がなされ、導電性ブラシは
抑制電極を構成する。機械製造時に転写電圧の設定作業
を行う場合には、導電性ブラシと接地との間に電流計か
らなる電流測定手段を挿入接続する。転写バイアス電源
からバイアスローラ40に印加される転写電圧を電源制
御手段としての制御装置にて変化させて電流計により導
電性ブラシから接地に流れる電流Inipを測定し、こ
の測定結果から最適転写電圧値を決定して転写電圧をそ
の最適転写電圧値に設定する。
【0145】この場合、導電性ブラシから接地への電流
値InipがInip≦0になる条件で転写電圧を設定
することにより、転写チリの少ない転写条件が得られ
る。また、正帯電の感光体ドラムを用いた場合には、導
電性ブラシから接地への電流値InipがInip≧0
となる条件で転写電圧を設定することにより、転写チリ
の少ない転写条件が得られる。なお、各請求項に係る発
明は、上記実施形態に限定されるものではなく、例えば
上記実施形態以外の画像形成装置に適用することができ
る。
【0146】
【発明の効果】以上のように本発明によれば、上記構成
により、互いに離間している像担持体と、中間転写体あ
るいは転写材担持体の両者の表面部分同士が接触してい
る箇所に極めて近い両表面部分の離間空隙部分に対して
も、転写電界を形成するための所定の電気的操作による
影響が及ぶことを、上記両者の表面部分同士が互いに離
間している箇所で上記抑制操作を行う場合に比して良好
に抑制できる。よって、上記両者の表面部分同士が互い
に離間している箇所で上記抑制操作を行う場合に比して
良好にプレ転写等による画質の低下を軽減できる。
【0147】本発明によれば、転写ニップ部の移動方向
に対して、上記像担持体と上記転写体との接触開始位置
を0、上記像担持体と上記転写体との分離開始位置をL
としたとき、上記転写ニップ部の0≦X≦L/2の範囲
内の位置Xにおける上記転写体の裏面の電位をゼロ又は
上記像担持体の帯電極性と同極性の電位としたので、実
効的な転写ニップ部の幅をなるべく長く確保し転写効率
低下を回避することができ且つ転写ニップ部の入口近傍
の転写電界強度が小さくなり、転写ニップ部の前でのト
ナーの移動を防止してトナー画像転写時の転写チリを少
なくすることができる。
【0148】本発明によれば、転写体の裏面の電位Vn
ipを測定する電位測定手段を備えたので、電位測定手
段の測定結果から最適な転写条件の設定が可能となり、
トナー画像転写時の転写チリを少なくすることが可能と
なる。
【0149】本発明によれば、転写体の裏面の電位Vn
ipを測定する電位測定手段と、この電位測定手段に上
記転写ニップ部での転写工程時に測定動作を行わせる動
作制御手段とを備え、上記Vnipがゼロ又は上記像担
持体の帯電極性と同極性の電位となるように画像形成手
段の動作を制御するので、経時変化による転写体の抵抗
変化などに対して常に転写チリの少ない転写条件を維持
することができて常に転写チリの少ない画像を得ること
ができる。
【0150】また、転写ニップ部の移動方向に対して、
上記像担持体と上記転写体との接触開始位置を0、上記
像担持体と上記転写体との分離開始位置をLとしたと
き、上記転写ニップ部の0≦X≦L/2の範囲内の位置
Xにおける上記転写ニップ部での転写工程時に測定動作
を行わせる動作制御手段を備えることにより、実効的な
転写ニップ部の幅をなるべく長く確保し転写効率の低下
を回避することができる。
【0151】本発明によれば、画像形成手段の動作を制
御する手段として転写電源の出力値を制御する電源制御
手段を有するので、経時変化による転写体の抵抗変化な
どに対して常に転写チリの少ない転写条件を維持するこ
とができ、常に転写チリの少ない画像を得ることができ
る。
【0152】本発明によれば、上記転写体の裏面に接触
する導電性部材を備え、この導電性部材を接地し、上記
転写ニップ部の移動方向に対して下流側にのみ上記転写
電源を接続したので、転写ニップ部の入口近傍の転写電
界強度を小さくすることができて転写ニップ部の前での
トナーの移動を防止でき、トナー画像転写時の転写チリ
を少なくできる。
【0153】本発明によれば、上記導電性部材はアクリ
ル系樹脂中に炭素微粒子を含有した導電性繊維からなる
ブラシ状部材であるので、長期間にわたってトナー画像
転写時の転写チリを少なくでき、かつ、経時での転写異
常を防止することができる。
【0154】本発明によれば、上記転写体は上記転写ニ
ップ部にて上記像担持体から転写された顕像を一時的に
担持し転写材に転写させる中間転写ベルトであるので、
小型で像担持体から中間転写ベルト上へのトナー画像転
写時の転写チリを少なくできて転写チリの少ない画像を
得ることができる。
【0155】本発明によれば、上記転写体は記録紙を一
時的に担持して該記録紙に上記転写ニップ部にて上記像
担持体上のトナー画像を転写させた後に該記録紙を次の
工程へ搬送する転写搬送ベルトであるので、紙詰りが少
なく、かつ、転写搬送ベルトに担持された記録紙上への
トナー画像転写時の転写チリを少なくできる。
【0156】本発明によれば、上記転写体が10〜1
13Ωcmの体積抵抗値を有するので、転写体裏面の
電位値あるいは転写体裏面に流れる電流値の測定結果か
ら転写条件の制御が可能となる。
【0157】本発明によれば、像担持体表面に接触して
いる中間転写体部分に接触する場合に比し、像担持体と
中間転写体との接触圧を過剰に高める危険性が小さいの
で、該接触圧の過剰による版画画像などの画質低下を抑
えることができる。さらに、電極部材として回転体を用
いても回転の振動が像担持体に伝わって像担持体上に顕
像を形成する工程に悪影響を及ぼす危険性も小さい。
【0158】また、本発明によれば、上記除電のための
電極部材の弾性を有する接触部の弾性変形により、中間
転写体と電極部材との間の接触状態の変化等が両者間の
接触圧に及ぼす影響を吸収するので、電極部材の接触部
が剛体である場合に比して簡単な位置決め機構を用い
て、所望の接触圧が得られるように中間転写体に対して
電極部材を位置決めすることができる。
【0159】また、本発明によれば、電極部材で除電し
きれなかった電荷が上記離間感激に及ぼす影響を、像担
持体と中間転写体の両者の表面部分同士が接触を開始し
た箇所で除電する場合に比して小さくできるので、像担
持体と中間転写体の両者の表面部分同士が接触を開始し
た箇所で除電する場合に比して良好にプレ転写による画
質の低下を軽減できる。
【0160】また、本発明によれば、像担持体と中間転
写体の両者の表面部分同士が接触している箇所でのみ中
間転写体の除電を行う場合に比して、より完全に中間転
写体の除電を行うことができるので、像担持体と中間転
写体の両者の表面部分同士が接触している箇所でのみ中
間転写体の除電を行う場合に比して良好にプレ転写によ
る画質の低下を軽減できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態1を示す概略図である。
【図2】本発明の実施形態1、3における転写バイアス
電源から出口ローラに印加される転写電圧に対する中間
転写ベルト裏面電位の測定結果を示す特性図である。
【図3】同実施形態1における転写電圧に対する転写チ
リと転写効率の変化を示す特性図である。
【図4】比較形態1及び本発明の実施形態2における出
口ローラに印加する転写電圧に対する中間転写ベルト裏
面電位の測定結果を示す特性図である。
【図5】比較形態1における転写電圧に対する転写チリ
レベルと転写効率の変化を示す特性図である。
【図6】本発明の実施形態2における転写電圧に対する
転写チリレベルと転写効率の変化を示す特性図である。
【図7】本発明の実施形態4の転写電圧設定時状態を示
す概略図である。
【図8】本発明の実施形態4、5における出口ローラに
印加する転写電圧に対する導電性ブラシから接地への電
流値の測定結果を示す特性図である。
【図9】本発明の実施形態6を示す概略図である。
【図10】本発明の実施形態4の一部を拡大して示す概
略図である。
【図11】比較形態2の一部を拡大して示す概略図であ
る。
【図12】上記実施形態1における中間転写ベルトの裏
面と表面の転写ニップ部電位の関係を説明するための図
である。
【図13】上記実施形態3の制御動作フローを示すフロ
ーチャートである。
【図14】上記実施形態1の一部を示すブロック図であ
る。
【図15】上記実施形態3の転写電圧最適設定動作フロ
ーを示すフローチャートである。
【図16】上記実施形態4における転写バイアスの印加
電圧値と導電性ブラシに流れる電流値との関係を示す特
性図である。
【図17】上記実施形態4における導電性ブラシに流れ
る電流を説明するための図である。
【図18】上記実施形態5の転写電圧最適設定動作フロ
ーを示すフローチャートである。
【符号の説明】
1、31 感光体ドラム 2、32 帯電器 5Bk、5C、5M、5Y、34 現像器 7 中間転写ベルト 11 入口ローラ 12 出口ローラ 20 電位センサ 21、41 導電性ブラシ 23 電流計 35 転写搬送ベルト 38 記録紙 40 バイアスローラ 50 制御装置

Claims (33)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】像担持体と転写体を接触させ、像担持体上
    潜像の反転現像により形成された顕像を転写体又は転
    写体に担持される転写材に転写する転写方法において、
    電気的操作により、上記接触部に転写電界を形成する工
    程と、形成された電界を抑制する抑制作用により上記接
    触部の少なくとも一部における上記転写体の電位をゼロ
    又は上記像担持体の帯電極性と同極性の電位とする工程
    とを有し、上記転写体の移動方向に対して上記像担持体
    と上記転写体との接触開始位置を0、上記像担持体と上
    記転写体との分離開始位置をLとしたとき、上記接触部
    の0≦X≦L/2の範囲内の位置Xにおける上記転写体
    の電位をゼロ又は上記像担持体の帯電極性と同極性の電
    位とし、上記転写体が10 〜10 13 Ωcmの体積抵
    抗値を有することを特徴とする転写方法。
  2. 【請求項2】請求項1記載の転写方法において、上記電
    気的操作が転写体に対する電荷の付与であり、上記抑制
    操作が転写体からの該電荷の除去であることを特徴とす
    る転写方法。
  3. 【請求項3】請求項1記載の転写方法において、上記転
    写体の電位とは、上記転写体が上記像担持体と接触する
    側の面又は上記像担持体と接触する側とは反対側の面上
    の電位であることを特徴とする転写方法。
  4. 【請求項4】請求項2記載の転写方法において、上記転
    写体への電荷の付与位置は上記転写体からの電荷の除去
    位置より上記転写体の移動方向に対し下流側としたこと
    を特徴とする転写方法。
  5. 【請求項5】請求項2記載の転写方法において、上記転
    写体からの電荷の除去位置を、上記転写体の移動方向に
    対して上記像担持体と上記転写体との接触開始位置を
    0、上 記像担持体と上記転写体との分離開始位置をLと
    したとき、上記接触部の0≦X≦L/2の範囲内の位置
    Xとしたことを特徴とする転写方法。
  6. 【請求項6】請求項1記載の転写方法において、上記転
    写体は上記接触部にて上記像担持体から転写された顕像
    を一時的に担持し転写材に転写させる中間転写体である
    ことを特徴とする転写方法。
  7. 【請求項7】請求項1記載の転写方法において、上記転
    写体は転写材を担持し、この転写材に上記接触部にて上
    記像担持体上の顕像を転写させた後にこの転写材を次の
    工程へ搬送する転写材搬送体であることを特徴とする転
    写方法。
  8. 【請求項8】請求項1記載の転写方法において、上記形
    成された電界を抑制する抑制操作に応じて、上記転写電
    界の強度又は上記接触部の長さを調整することを特徴と
    する転写方法。
  9. 【請求項9】帯電され潜像の反転現像により形成された
    顕像を担持する像担持体と、この像担持体に接触し、こ
    の接触部に形成される転写電界により上記像担持体上の
    顕像を転写材に転写するための転写体と、上記接触部の
    少なくとも一部における上記転写体の電位をゼロ又は上
    記像担持体の帯電極性と同極性の電位とする抑制電極を
    有し、上記転写体の移動方向に対して上記像担持体と上
    記転写体との接触開始位置を0、上記像担持体と上記転
    写体との分離開始位置をLとしたとき、上記接触部の0
    ≦X≦L/2の範囲内の位置Xにおける上記転写体の電
    位をゼロ又は上記像担持体の帯電極性と同極性の電位と
    し、上記転写体が10 〜10 13 Ωcmの体積抵抗値
    を有することを特徴とする画像形成装置。
  10. 【請求項10】請求項9記載の画像形成装置において、
    上記転写電界の形成は転写体に対する電荷の付与であ
    り、上記転写電界の抑制は転写体からの該電荷の除去で
    あることを特徴とする画像形成装置。
  11. 【請求項11】請求項10記載の画像形成装置におい
    て、上記転写体の電位とは、上記転写体が上記像担持体
    と接触する側の面又は上記像担持体と接触する側とは反
    対側の面上の電位であることを特徴とする画像形成装
    置。
  12. 【請求項12】請求項9記載の画像形成装置において、
    転写体へ電荷を付与する転写電極を備え、この電荷の付
    与位置は、上記抑制電極による転写体からの電荷の除去
    位置より、転写体の移動方向に対し下流側としたことを
    特徴とする画像形成装置。
  13. 【請求項13】請求項9記載の画像形成装置において、
    転写体へ電荷を付与する転写電極を備え、この電荷の付
    与位置は、転写体が上記像担持体に対し接触し離間した
    転写体の像担持体と接触したのとは反対側の面とした
    とを特徴とする画像形成装置。
  14. 【請求項14】請求項9記載の画像形成装置において、
    上記抑制電極は、転写体の像担持体に接触しているのと
    は反対側の面に接触し電荷を除去することを特徴とする
    画像形成装置。
  15. 【請求項15】請求項14記載の画像形成装置におい
    て、上記転写体から電荷を除去する抑制電極を、上記転
    写体の移動方向に対して上記像担持体と上記転写体との
    接触開始位置を0、上記像担持体と上記転写体との分離
    開始位置をLとしたとき、上記接触部の0≦X≦L/2
    の範囲内の位置Xに配置したことを特徴とする画像形成
    装置。
  16. 【請求項16】請求項14記載の画像形成装置におい
    て、像担持体と転写体を、互いの表面部分同士が接近し
    ていった後に接触し、この接触状態で所定距離移動し、
    その後互いに離間するよう移動させ、上記互いの表面部
    分同士が接触した状態で上記所定距離より短い所定の距
    離だけ移動した転写体部分の、像担持体に接触している
    のとは反対側の表面に接触するよう上記抑制電極を配置
    したことを特徴とする画像形成装置。
  17. 【請求項17】請求項15記載の画像形成装置におい
    て、上記転写体と上記像担持体が接触する前の位置であ
    って、上記転写体の上記像担持体に接触するのとは反対
    側の面に接触する電極を設けたことを特徴とする画像形
    成装置。
  18. 【請求項18】請求項17記載の画像形成装置におい
    て、上記電極が、金属又は導電性樹脂からなる回転体又
    は板状部材であることを特徴とする画像形成装置。
  19. 【請求項19】請求項14記載の画像形成装置におい
    て、上記抑制電極は、接地されていることを特徴とする
    画像形成装置。
  20. 【請求項20】請求項14記載の画像形成装置におい
    て、上記抑制電極は、少なくとも転写体に接触する接触
    部が弾性を有する部材からなることを特徴とする画像形
    成装置。
  21. 【請求項21】請求項20記載の画像形成装置におい
    て、上記抑制電極の上記接触部がブラシ状であることを
    特徴とする画像形成装置。
  22. 【請求項22】請求項21記載の画像形成装置におい
    て、上記ブラシ状抑制電極は、アクリル系樹脂中に炭素
    微粒子を含有した導電性繊維からなることを特徴とする
    画像形成装置。
  23. 【請求項23】請求項21記載の画像形成装置におい
    て、上記抑制電極の上記接触部が板状であることを特徴
    とする画像形成装置。
  24. 【請求項24】請求項14記載の画像形成装置におい
    て、上記抑制電極は、回転体であることを特徴とする画
    像形成装置。
  25. 【請求項25】請求項24記載の画像形成装置におい
    て、上記回転体は、表面が弾性層で形成されたことを特
    徴とする画像形成装置。
  26. 【請求項26】請求項9記載の画像形成装置において、
    上記転写体は上記接触部にて上記像担持体から転写され
    た顕像を一時的に担持し転写材に転写させる中間転写体
    であることを特徴とする画像形成装置。
  27. 【請求項27】請求項9記載の画像形成装置において、
    上記転写体は転写材を担持し、この転写材に上記接触部
    にて上記像担持体上の顕像を転写させた後にこの転写材
    を次の工程へ搬送する転写材搬送体であることを特徴と
    する画像形成装置。
  28. 【請求項28】請求項9記載の画像形成装置において、
    上記転写体が10 〜10 13 Ωcmの体積抵抗値を有
    することを特徴とする画像形成装置。
  29. 【請求項29】請求項9記載の画像形成装置において、
    上記像担持体と上記転写体の接触部の電位Vnipを測
    定する電位測定手段を備えたことを特徴とする画像形成
    装置。
  30. 【請求項30】請求項29記載の画像形成装置におい
    て、上記電位測定手段は、転写体の移動方向に対して、
    上記像担持体と上記転写体との接触開始位置を0、上記
    像担持体と上記転写体との分離開始位置をLとしたと
    き、上記転写ニップ部の0≦X≦L/2の範囲内の位置
    Xにおける上記転写体の電位Vnipを測定することを
    特徴とする画像形成装置。
  31. 【請求項31】請求項29記載の画像形成装置におい
    て、転写工程時に上記電位測定手段による測定動作を行
    わせる動作制御手段と、上記Vnipがゼロ又は上記像
    担持体の帯電極性と同極性の電位となるように画像形成
    手段の動作を制御する動作制御手段を有することを特徴
    とする画像形成装置。
  32. 【請求項32】請求項31記載の画像形成装置におい
    て、上記電位測定手段は、転写体の移動方向に対して、
    上記像担持体と上記転写体との接触開始位置を0、上記
    像担持体と上記転写体との分離開始位置をLとしたと
    き、上記転写ニップ部の0≦X≦L/2の範囲内の位置
    Xにおける上記転写体の電位Vnipを測定することを
    特徴とする画像形成装置。
  33. 【請求項33】請求項31記載の画像形成装置におい
    て、上記画像形成手段の動作を制御する手段として転写
    電源の出力値を制御する電源制御手段を有することを特
    徴とする画像形成装置。
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JP5267942B2 (ja) * 2009-03-17 2013-08-21 株式会社リコー 画像形成装置

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