JP3473921B2 - 中間転写体及び中間転写体を備えた画像形成装置 - Google Patents

中間転写体及び中間転写体を備えた画像形成装置

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JP3473921B2
JP3473921B2 JP02115395A JP2115395A JP3473921B2 JP 3473921 B2 JP3473921 B2 JP 3473921B2 JP 02115395 A JP02115395 A JP 02115395A JP 2115395 A JP2115395 A JP 2115395A JP 3473921 B2 JP3473921 B2 JP 3473921B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、複写機、ファクシ
ミリ、プリンター等の電子写真方式を用いた画像形成装
置に係り、詳しくは中間転写ベルト等の中間転写体を介
在させて一、二次転写工程を伴う中間転写方式を用いた
画像形成装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】中間転写体を用いた画像形成装置は、
中間転写体が誘電体で形成されているか、又は少なくと
もトナーが転写される中間転写体表面が誘電体で形成さ
れて成る画像システムと、中間転写体が中抵抗材料で
形成されて成る画像形成システムとの2方式に大別され
る。そして、上記に関しては、中間転写体の表面抵抗
率、中間転写体主材料、及び抵抗制御剤等を規定したも
のが知られている(例えば、特開昭63−311263
号公報、特開昭56−164368号公報、及び特開昭
64−74571号公報参照)。なお、上記公報に記載
又は規定されている中抵抗中間転写体は単層から成るシ
ームレスベルト又はドラムタイプものである。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ところが、これら従来
の中間転写体には、中抵抗で形成される中間転写体内の
抵抗バラツキが約1桁程度と大きいことや、中間転写体
の抵抗が経時で変化すること等から画像品質を低下させ
るという問題点があった。
【0004】また、これら従来の中抵抗中間転写体を用
いた場合には、誘電体中間転写体を用いた場合に比較し
て転写チリ等の異常画像が発生しやすいこという問題点
もあった。
【0005】また、中間転写体のベース樹脂(主にポリ
カーボネート、ポリフッ化ビニリデン、ETFE(エチ
レンテトラフロロエチレン)、ポリイミド等を挙げるこ
とができる。)中にカーボン、金属酸化物等の抵抗制御
剤(フィラー)を分散して中抵抗に制御する場合、フィ
ラーを多く分散することによってベルト表面が悪化し、
その結果、トナーフィルミングが発生したり、トナー帯
電性が変化したり、画像品質が低下したりするという問
題点もあった。
【0006】上記中間転写体内の抵抗バラツキは中間転
写体の製法に纏わる問題であり、約1桁の抵抗バラツキ
は現状技術におけるほぼ限界と考えられる。一方、画像
の均一性の観点からは、転写むらによる画像むらを防止
するため、中間転写体の抵抗は均一であることが望まし
い。特に異常画像等の防止を目的として表面抵抗が10
9Ω/cm2以上の比較的高抵抗の中間転写体を使用する
場合には、中間転写体の任意のベルト抵抗値における最
適一次転写バイアス域が狭くなるため、画像の均一性の
点で抵抗バラツキを一層厳しく抑制する必要がある。す
なわち、現状の約1桁の抵抗バラツキでは、均一画像を
確保し得ないといえる。
【0007】また、上記中間転写体の経時抵抗変化の要
因は使用される転写体材料(樹脂材料)、及び抵抗制御
剤によって異なる。例えば、転写体主材料としてエラス
トマーが使用されている場合は分散されている無機系抵
抗制御剤等の充填剤(以下、フィラーという)のチェー
ン構造が経時的に切断され抵抗増加の傾向を示し、転写
体材料に対しフィラーの分散性が乏しい場合は、経時に
おけるフィラー凝集や転写電界等電気的ハザードによる
フィラーが凝集により、経時的に抵抗低下する傾向を示
す。
【0008】そして、中間転写体の経時抵抗変化に伴う
副作用としては、最適一次転写バイアスのズレによる
画像低下(中間転写体の抵抗変化に伴い最適一次転写バ
イアスも変動する。従って、抵抗変化後の最適一次転写
バイアス域が初期設定値から外れるため、画像低下を招
く。)、画像の均一性低下(中間転写体の経時抵抗変
化のバラツキによる)、文字チリ等の異常画像の発生
(抵抗低下の場合)が挙げられる。
【0009】上記中抵抗中間転写体を用いると誘電体中
間転写体を用いた場合に比較して転写チリの品位が劣る
という問題は、誘電体中間転写体方式におけるトナー転
写のドライビングフォースが電界のみで在るのに対し、
中抵抗中間転写体方式のそれは転写電流と電界の双方が
関与していることに起因している。従って、方式面から
中抵抗中間転写体を用いた場合の方が不利といえるが、
より誘電体中間転写体方式に近い転写チリの品位が望ま
れている。
【0010】本発明は以上の問題点に鑑みなされたもの
であり、その目的とするところは、中間転写体内の抵抗
バラツキを従来に比して小さくすることによって画像の
均一性を確保し、また、中間転写体の経時抵抗変化を抑
えることによって画質向上、異常画像の発生防止を図る
ことのできる中間転写体及び該中間転写体を備えた画像
形成装置を提供することである。
【0011】また、本発明の他の目的とするところは、
中抵抗中間転写体を用いた場合の転写チリの品位を従来
に比して向上させることによって異常画像等の発生を防
止し、また、中間転写体の経時抵抗変化を抑えることに
よって画質向上、異常画像の発生防止を図ることのでき
る中間転写体及び該中間転写体を備えた画像形成装置を
提供することである
【0012】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、請求項1の発明は像担持体上に形成される可視の現
像画像を無端状に走行する中間転写体上に一次転写し、
該中間転写体上の一次転写画像を転写材に二次転写する
中間転写方式の画像形成装置に用いられる該中間転写体
であって、二層以上の複数層からなり、可視の現像画像
が形成される最上部層の比抵抗を該最上部層の下方に位
置する下部層の比抵抗以上にし、上記中間転写体の最上
部層を少なくともポリマー成分、エピクロルヒドリンゴ
ム及び抵抗制御剤で構成し、かつ該抵抗制御剤をカーボ
ンとしたことを特徴とする。請求項2の発明は、像担持
体上に形成される可視の現像画像を無端状に走行する中
間転写体上に一次転写し、該中間転写体上の一次転写画
像を転写材に二次転写する中間転写方式の画像形成装置
に用いられる該中間転写体であって、二層以上の複数層
からなり、可視の現像画像が形成される最上部層の比抵
抗を該最上部層の下方に位置する下部層の比抵抗以上に
し、上記中間転写体の最上部層を少なくともポリマー成
分、エピクロルヒドリンゴム及び抵抗制御剤で構成し、
かつ該抵抗制御剤を金属酸化物又は金属弗化物としたこ
とを特徴とする。請求項3の発明は、像担持体上に形成
される可視の現像画像を無端状に走行する中間転写体上
に一次転写し、該中間転写体上の一次転写画像を転写材
に二次転写する中間転写方式の画像形成装置に用いられ
る該中間転写体であって、それぞれポリマー成分と抵抗
制御剤とから成る複数の層で構成し、可視の現像画像が
形成される表層部のポリマー中に分散された該抵抗制御
剤の平均濃度を、他層の抵抗制御剤平均濃度よりも低濃
度にし、ポリマー中に上記抵抗制御剤が分散して成 る基
体と、該基体と同一のポリマー及び抵抗制御剤が分散さ
れた塗工液を該基体上に塗工、乾燥させて構成される塗
工層とで構成し、上記抵抗制御剤がエピクロルヒドリン
ゴムであることを特徴とする。請求項4の発明は、像担
持体上に形成される可視の現像画像を無端状に走行する
中間転写体上に一次転写し、該中間転写体上の一次転写
画像を転写材に二次転写する中間転写方式の画像形成装
置に用いられる該中間転写体であって、それぞれポリマ
ー成分と抵抗制御剤とから成る複数の層で構成し、可視
の現像画像が形成される表層部のポリマー中に分散され
た該抵抗制御剤の平均濃度を、他層の抵抗制御剤平均濃
度よりも低濃度にし、ポリマー中に上記抵抗制御剤が分
散して成る基体と、該基体と同一のポリマー及び抵抗制
御剤が分散された塗工液を該基体上に塗工、乾燥させて
構成される塗工層とで構成し、上記抵抗制御剤がアルコ
ール可溶性ナイロンであることを特徴とする。請求項5
の発明は、像担持体上に形成される可視の現像画像を無
端状に走行する中間転写体上に一次転写し、該中間転写
体上の一次転写画像を転写材に二次転写する中間転写方
式の画像形成装置に用いられる該中間転写体であって、
それぞれポリマー成分と抵抗制御剤とから成る複数の層
で構成し、可視の現像画像が形成される表層部のポリマ
ー中に分散された該抵抗制御剤の平均濃度を、他層の抵
抗制御剤平均濃度よりも低濃度にし、ポリマー中に上記
抵抗制御剤が分散して成る基体と、該基体と同一のポリ
マー及び抵抗制御剤が分散された塗工液を該基体上に塗
工、乾燥させて構成される塗工層とで構成し、上記抵抗
制御剤がエピクロルヒドリンゴムと無機フィラーである
ことを特徴とする。請求項6の発明は、像担持体上に形
成される可視の現像画像を無端状に走行する中間転写体
上に一次転写し、該中間転写体上の一次転写画像を転写
材に二次転写する中間転写方式の画像形成装置に用いら
れる該中間転写体であって、それぞれポリマー成分と抵
抗制御剤とから成る複数の層で構成し、可視の現像画像
が形成される表層部のポリマー中に分散された該抵抗制
御剤の平均濃度を、他層の抵抗制御剤平均濃度よりも低
濃度にし、ポリマー中に上記抵抗制御剤が分散して成る
基体と、該基体と同一のポリマー及び抵抗制御剤が分散
された塗工液を該基体上に塗工、乾燥させて構成される
塗工層とで構成し、上記抵抗制御剤がアルコー ル可溶性
ナイロンと無機フィラーであることを特徴とする。請求
項7の発明は、像担持体上に形成される可視の現像画像
を無端状に走行する中間転写体上に一次転写し、該中間
転写体上の一次転写画像を転写材に二次転写する中間転
写方式の画像形成装置において、該中間転写体として、
請求項1,2,3,4,5又は6の中間転写体を用いる
ことを特徴とする。
【0013】
【作用】請求項1あるいは2の発明においては、中間転
写体を二層以上の複数層に構成し、可視の現像画像が形
成される最上部層の比抵抗を該最上部層の下方に位置す
る下部層の比抵抗以上にしたので、下部層のバルク抵抗
をR下部層、最上部層のバルク抵抗をR最上部層とし、
かつR最上部層≫R下部層とすると中間転写体のバルク
抵抗(Rbulk)は、 となり、中間転写体のバルク抵抗(Rbulk)は最上部層
のバルク抵抗(R最上部層)により決定されることが判
る。従って、中間転写体の抵抗バラツキも最上部層のバ
ルク抵抗バラツキに依存するといえる。このことから、
最上部層のバルク抵抗バラツキを小さく抑えれば中間転
写体の抵抗バラツキを小さく抑えることができることに
なる。この最上部層はディッピング法、スプレー塗工法
等の方法で下部層上に作成することができる。そして、
これらの工法を採用することにより最上部層の抵抗分布
を±10%以内に制御することが可能となる。従って、
最上部層≫R下部層の場合に該工法で最上部層を作成
し、最上部層の抵抗分布を±10%以内に制御すること
によって、中間転写体の抵抗バラツキを最上部層の抵抗
分布±10%以内に応じた小さな値に抑えることが可能
となる。
【0014】ところで、最上部層のバルク抵抗(R
最上部層)は、 R最上部層=ρ最上部層×t最上部層(ρ最上部層:最
上部層比抵抗,t最上部層:最上部層膜厚) と表すことができ、また下部層のバルク抵抗
(R下部層)は、 R下部層=ρ下部層×t下部層(ρ下部層:下部層比抵
抗,t下部層:下部層膜厚) と表すことができる。従って、上記R最上部層≫R
下部層は、 ρ最上部層×t最上部層≫ρ下部層×t下部層 ………
…(a) を意味することになる。ここで、中間転写体のコストな
らびに製造性(作り易さ)を考慮すると、各層の膜厚
は、 t最上部層:1〜50μm t下部層:70〜250μm が望ましい。従って、上記(1)式は、 ρ最上部層≫(1〜2×102)×ρ下部層 …………
(a)’ となり、該(a)’式を成立させるためには、望ましく
はρ最上部層はρ下部層に対して約2桁以上高い値でな
ければならないことになる。以上のことから、最上部層
比抵抗(ρ最上部層)を下部層比抵抗(ρ下部層)より
大きくする、望ましくは約2桁以上高い値にすることに
よって、中間転写体内抵抗バラツキを抑制することが可
能となる
【0015】そして、請求項の発明においては、上記
中間転写体の最上部層を少なくともポリマー成分、エピ
クロルヒドリンゴム及び抵抗制御剤で構成し、かつ該抵
抗制御剤をカーボンとしたので、エピクロルヒドリンゴ
ムとカーボンとはそれぞれ抵抗制御剤として使用可能な
物質であり、それぞれは一方が他方に対する代替物とな
る性質を有していることから、カーボン添加によりエピ
クロルヒドリンゴムの添加量を抑制できる。また、上述
したフィラー凝集による経時的な抵抗(バルク抵抗)低
下は、中間転写体膜厚方向のフィラーパスが凝集により
何本も形成されることによる。従って、フィラーの含有
率が低下するにしたがってフィラーパスの形成確率は低
下するはずである。よって、この系においては無機フィ
ラーとしてのカーボンの添加量を小量にすれば、上記フ
ィラーパスの形成確率は低下し、従来問題とされた経時
抵抗変化を防止できる。
【0016】また、請求項の発明においては、上記中
間転写体の最上部層を少なくともポリマー成分、エピク
ロルヒドリンゴム及び抵抗制御剤で構成し、かつ該抵抗
制御剤を金属酸化物又は金属弗化物としたので、該抵抗
制御剤がカーボンの場合に比して、該抵抗制御剤をポリ
マー成分中に良好に分散させることができる。
【0017】請求項3乃至6の発明において、中抵抗中
間転写体方式における転写の際には、印加される転写バ
イアスに伴い中間転写体側からトナーと逆極性の電荷が
像担持体に流入する。ここで、ネガポジ現像の場合を想
定して像担持体流入電荷と転写チリの関係を議論する。
まず、像担持体の暗部電位をVD、暗部流入電流をiD
明部電位及び明部流入電流を各々VL、iLとすると、i
D/iLが大きくなった場合、トナーと逆極性の電荷、す
なわち像担持体表面電荷と逆極性の電荷が暗部に多く流
入する訳であるからVDとVLのポテンシャルギャップは
小さくなる。このことは像担持体上のトナー保持力の低
下を意味する。以上のことから、iD/iLが大きくなっ
た場合には転写チリが発生しやすく、また逆の場合には
転写チリが抑制可能であることは容易に理解できる。
【0018】また、ここで中間転写体及び転写材を介し
てトナー及び像担持体明部に流れる系と、トナーを介さ
ず直接像担持体暗部に流入する系との並列等価回路を考
え、この回路における転写バイアスをV、中間転写体バ
ルク抵抗をRB、トナー静電容量をCtとすると、iD
Lと表される。ここで、上記Ct、VD、VL及びVを一定
(Ct、VD、VLは各々トナー材料及び現像工程から決
定される定数)として考えると、中間転写体バルク抵抗
(RB)を大きくすることでiD/iLが小さくなること
が判る()。
【0019】また、一般に中抵抗中間転写体を用いた場
合のメリットとして、トナーを転写クリーニング後、除
電装置を特に設けることなく、中間転写体を電気的に中
性な初期状態にすることができる点にある。そして、こ
の要求機能を満足するためには、中間転写体はクリーニ
ング後、中間転写体中に誘起されているトナーと逆極性
の電荷を次の一次転写工程前にアースローラーに消失し
得なければならない。つまり、中間転写体のε、ρはこ
の時定数を満足するものでなければならない()。
【0020】ここで、本発明者等は種々の検討を行った
ところ、中間転写体の表層部の抵抗制御剤平均濃度を他
層の抵抗制御剤平均濃度よりも低くすることで、上記
、の要求特性を満足できることを見出した。従っ
て、表層部の抵抗制御剤平均濃度が他層の抵抗制御剤平
均濃度よりも低い中間転写体を用いることによって、上
記中間転写体バルク抵抗(RB)を大きくして上記iD
Lを小さくし、これにより転写チリを抑制可能とする
ことができる。また、上記構成の中間転写体を用いるこ
とによって、該中間転写体が中抵抗中間転写体である場
合に、トナーを転写クリーニング後、除電装置を特に設
けることなく、中間転写体を電気的に中性な初期状態に
することができる。
【0021】更に、上記無端状中間転写体を、ポリマー
中に上記抵抗制御剤が分散して成る基体と、該基体と同
一のポリマー及び抵抗制御剤が分散された塗工液を該基
体上に塗工、乾燥させて構成される塗工層とで構成した
ので、基体上に塗工液が塗工されると該塗工液は基体表
面を侵食する。よって、例えば基体と同一のポリマー及
び抵抗制御剤を用いて乾式製膜方法で基体上に層を形成
する場合、該基体が大気及び熱的な履歴を受けているこ
とから、該基体とその上に形成される層との界面におい
て空間電化を持ってしまうが、上記本発明に係る構成の
場合には塗工液が基体表面を侵食することで、上記乾式
製膜方法の場合のような基体とその上層との界面をなく
すことができ、上記空間電荷をゼロ又は最小限に抑える
ことができる。
【0022】そして、請求項の発明においては、上記
抵抗制御剤がエピクロルヒドリンゴムであるので、エピ
クロルヒドリンゴムとこのエピクロルヒドリンゴムが相
溶されるメイン樹脂とを均質系にすることができる。こ
れにより、エピクロルヒドリンゴムがメイン樹脂中に相
溶して均一なネットワーク構造を形成するので、抵抗制
御剤として導電性フィラーが使用される場合と異なり、
経時抵抗変化の発生を防止できる。
【0023】また、請求項の発明においては、上記抵
抗制御剤がアルコール可溶性ナイロンであるので、上記
請求項11におけるのと同一の理由によって、抵抗制御
剤として導電性フィラーが使用される場合と異なり、経
時抵抗変化の発生を防止できる。また、抵抗制御剤とし
てエピクロルヒドリンゴムに比して非粘着性及び耐摩耗
性の点ですぐれたアルコール可溶性ナイロンを使用する
ことによって、抵抗制御剤としてエピクロルヒドリンゴ
ムが使用されている場合に比して、中間転写体の非粘着
性及び耐摩耗性を向上させることができる。
【0024】また、請求項の発明においては、エピク
ロルヒドリンゴムと無機フィラーとはそれぞれ抵抗制御
剤として使用可能な物質であり、それぞれは一方が他方
に対する代替物となりえる性質を有していることから、
無機フィラー添加によりエピクロルヒドリンゴムの添加
量を抑制できる。また、上述したフィラー凝集による経
時的な抵抗(バルク抵抗)低下は、中間転写体膜厚方向
のフィラーパスが凝集により何本も形成されることによ
る。従って、フィラーの含有率が低下するにしたがって
フィラーパスの形成確率は低下するはずである。よっ
て、この系においては無機フィラーが少量だけ添加され
ているため、上記フィラーパスの形成確率は低下し、従
来問題とされた経時抵抗変化を防止できる。
【0025】ところで、例えば比抵抗が約1×1010Ω
・cmのアルコール可溶ナイロンであるアラミンCM8
000(商品名:東レ社製)を用いて150μm膜厚の
中間転写体を形成した場合、中間転写体のバルク抵抗は
1.5×108Ωとなる。つまり、抵抗制御剤100%
でも狙いの中間転写体バルク抵抗の下限領域1×106
〜1.5×108Ωはカバーしきれないことになる。
【0026】ここで、請求項の発明においては上記抵
抗制御剤がアルコール可溶性ナイロンと無機フィラーで
あるので、アルコール可溶性ナイロンと無機フィラーと
はそれぞれ抵抗制御剤として使用可能な物質であり、そ
れぞれは一方が他方に対する代替物となりえる性質を有
していることから、無機フィラー添加によりアルコール
可溶ナイロンの添加量を抑制し、上記中間転写体バルク
抵抗の下限領域1×106〜1.5×108Ωをカバー可
能な中間転写体とすることができる。また、この系にお
いては無機フィラーが少量だけ添加されているため、上
記請求項5におけるのと同一の理由によって、上記フィ
ラーパスの形成確率は低下し、従来問題とされた経時抵
抗変化を防止できる
【0027】
【発明の実施の形態】まず、本発明が適用できる画像形
成装置であるカラー複写装置の一例について説明する。
図1はカラー複写装置の概略構成図、図2は感光体・中
間転写ベルト回りの拡大図である。カラー画像読み取り
装置(以下、カラースキャナーという)1は、原稿3の
画像を照明ランプ4、ミラー群5、及びレンズ6を介し
てカラーセンサー7に結像して、原稿のカラー画像情報
を、例えばブルー(Blue、以下Bという)、グリーン
(Green、以下Gという)、レッド(Red、以下Rとい
う)の色分解光毎に読み取り、電気的な画像信号に変換
する。そして、このカラースキャナー1で得たB、G、
Rの色分解画像信号強度レベルをもとにして、画像処理
部(図示なし)で色変換処理を行ない、ブラック(以
下、Bkという)、シアン( Cyan、以下Cという)、
マゼンタ( Magenta、以下Mという)、イエロー( Y
ellow、以下Yという)のカラー画像データを得る。こ
れを、次に述べるカラー画像記録装置(以下、カラープ
リンターという)2によって、Bk、C、M、Yの顕像
化を行ない、これにより得られたトナー像を重ね合わし
て4色フルカラー画像を形成する。
【0028】カラープリンター2の書き込み光学ユニッ
ト8は、カラースキャナー1からのカラー画像データを
光信号に変換して、原稿画像に対応した光書き込みを行
ない、感光体9に静電潜像を形成する。感光体9は、矢
印の如く反時計方向に回転し、その回りには、感光体ク
リーニングユニット(クリーニング前除電器を含む)1
0、除電ランプ11、帯電器12、電位センサー13、
Bk現像ユニット14、C現像ユニット15、M現像ユ
ニット16、Y現像ユニット17、現像濃度パターン検
出用の光学センサー18、中間転写ベルト19などが配
置されている。
【0029】各現像ユニットは、静電潜像を現像するた
めに現像剤の穂を感光体9の表面に接触させて回転する
現像スリーブ(14a、15a、16a、17a)と、
現像剤を汲み上げ・撹拌するために回転する現像パドル
(14b、15b、16b、17b)、及び現像剤のト
ナー濃度センサー(14c、15c、16c、17c)
などで構成されている。
【0030】以下、現像動作の順序(カラー画像形成順
序)が、Bk、C、M、Yの例でコピー動作の概略を説
明する(ただし、画像形成順序はこれに限定されるもの
ではない)。コピー動作が開始されると、カラースキャ
ナー1で所定のタイミングからBk画像データの読み取
りがスタートし、この画像データに基づきレーザー光に
よる光書き込み、潜像形成が始まる(以下、Bk画像デ
ータによる静電潜像をBk潜像という。C、M、Yにつ
いて、それぞれC潜像、M潜像、Y潜像という)。この
Bk潜像の先端部から現像可能とすべくBk現像ユニッ
ト14の現像位置に潜像先端部が到達する前に、現像ス
リーブ14aを回転開始して、Bk潜像をBkトナーで
現像する。そして以後、Bk潜像領域の現像動作を続
け、潜像後端部がBk現像位置を通過した時点で、現像
不作動状態にする。これは少なくとも、次のC画像デー
タによるC潜像先端部が到達する前に完了させる。
【0031】感光体9に形成したBkトナー像は、感光
体と等速駆動されている中間転写ベルト19の表面に転
写する(以下、感光体から中間転写ベルトへのトナー像
転写をベルト転写という)。ベルト転写は、感光体9と
中間転写ベルト19が接触状態において、転写バイアス
ローラ20aに所定のバイアス電圧を印加することで行
う。なお、中間転写ベルト19には、感光体9に順次形
成するBk、C、M、Yのトナー像を、同ー面に順次位
置合せして、4色重ねのベルト転写画像を形成し、その
後、転写紙にー括転写を行う。この中間転写ベルトユニ
ットについては後述する。
【0032】感光体9側ではBk工程の次にC工程に進
むが、所定のタイミングからカラースキャナー1による
C画像データ読み取りが始まり、その画像データによる
レーザー光書き込みで、C潜像形成を行う。C現像ユニ
ット15はその現像位置に対して、先のBk潜像後端部
が通過した後で、かつC潜像の先端が到達する前に現像
スリーブ15aを回転開始して、C潜像をCトナーで現
像する。以後、C潜像領域の現像を続け、潜像後端部が
通過した時点で、先のBk現像ユニットの場合と同様に
現像不作動状態にする。これもやはり次のM潜像先端部
が到達する前に完了させる。なお、M及びYの各工程に
ついても、それぞれの画像データ読み取り、潜像形成及
び現像の動作が上述のBk、Cの工程と同様に行なわれ
る。
【0033】次に、中間転写ベルトユニットについて説
明する。中間転写ベルト19は、駆動ローラ21、転写
バイアスローラ20a、アースローラ20b、及び従動
ローラ群に張架されており、図示していない駆動モータ
により後述する如く駆動制御される。ベルトクリーニン
グユニット22は、ブラシローラ22a、ゴムブレード
22b、及びベルトからの接離機構22cなどで構成さ
れており、1色目のBk画像をベルト転写した後の、
2、3、4色目をベルト転写している間は、接離機構2
2cによってベルト面から離間させておく。
【0034】紙転写ユニット23は、紙転写バイアスロ
ーラー23a、ローラークリーニングブレード23b、
及びベルトからの接離機構23cなどで構成されてい
る。該バイアスローラー23aは、通常はベルト19面
から離間しているが、中間転写ベルト19面に形成され
た4色の重ね画像を、転写紙にー括転写する時にタイミ
ングを取って接離機構23cで押圧され、該ローラー2
3aに所定のバイアス電圧を印加して紙への転写を行
う。なお、転写紙24は、給紙ローラー25、レジスト
ローラ26によって、中間転写ベルト面の4色重ね画像
の先端部が、紙転写位置に到達するタイミングに合わせ
て給紙される。
【0035】ここで中間転写ベルト19の駆動制御につ
いて説明する。中間転写ベルト19の駆動の仕方として
は、1色目のBkトナー像のベルト転写が端部まで終了
した後の動作方式として次の3方式が考えられ、このな
かの1方式で、又はコピー速度の面からコピーサイズに
応じてこのなかの複数の方式を効率的に組み合わせて、
中間転写ベルト19を駆動する。 (1)まず第1の方式として一定速往動方式について説
明する。Bkトナー像のベルト転写後も、そのまま一
定速度で往動を続ける。そしてベルト19面上のBk
画像先端位置が、再び感光体9との接触部のベルト転写
位置に到達したとき、感光体9側は次のCトナー像の先
端部が丁度その位置にくるように、タイミングを取って
画像形成されている。その結果、C画像はBk画像に正
確に位置合わせして中間転写ベルト19上に重ねてベル
ト転写される。その後も同様の動作によってM,Y画
像工程に進み、4色重ねのベルト転写画像を得る。4
色目のYトナー像ベルト転写工程に引き続きそのまま往
動しながらベルト面上の4色重ねトナー像を、上記のよ
うに転写紙24に一括転写する。 (2)次に第2の方式としてスキップ往動方式について
説明する。Bkトナー像のベルト転写が終了したら、
感光体9面からベルト19を離間させ、そのままの往動
方向に高速スキップさせて所定量を移動したら当初の往
動速度に戻す。また、その後再び感光体9にベルト19
を接触させる。そしてベルト19面上のBk画像先端
位置が再びベルト転写位置に到達したとき、感光体9側
は次のCトナー像の先端頤部が丁度その位置にくるよう
にタイミングを取って画像形成されている。その結果、
Cが像はBk画像に正確に位置合わせして重ねてベルト
転写される。その後も同様の動作によってM,Y画像
工程に進み4色重ねのベルト転写画像を得る。4色目
のYトナー像ベルト転写工程に引き続きそのままの往動
速度で、ベルト19面上の4色重ねトナー像を転写紙2
4に一括転写する。 (3)次に、第3の方式として往復動(クイックリター
ン)方式について説明する。Bkトナー像のベルト転
写が終了したら、感光体9面からベルト19を離間さ
せ、そして往動を停止させると同時に逆方向に高速リタ
ーンさせる。リターンは、ベルト19面上のBk画像先
端位置がベルト転写相当位置を逆方向に通過し、更に予
め設定された距離分を移動した後に停止させて待機状態
にする。次に感光体9側のCトナー像の先端部がベル
ト転写位置より手前の所定位置に到達した時点に、中間
転写ベルト19を再び往動方向にスタートさせる。また
ベルト19を感光体9面に再び接触させる。この場合
も、C画像がベルト19面上でBk画像に正確に重なる
ような条件に制御されてベルト転写される。その後も
同様の動作によってY,M画像工程に進み4色重ねのベ
ルト転写画像を得る。 4色目のYトナー像のベルト
転写工程に引き続き、リターンせずにそのままの速度で
往動して、ベルト19面上の4色重ねトナー像を転写紙
24に一括転写する。
【0036】以上のようにして、中間転写ベルト面から
4色重ねトナー像をー括転写された転写紙24は、紙搬
送ユニット27で定着器28に搬送され、所定温度にコ
ントロールされた定着ローラ28aと加圧ローラー28
bでトナー像を溶融定着してコピートレイ29に搬出さ
れフルカラーコピーを得る。
【0037】なお、ベルト転写後の感光体9は、感光体
クリーニングユニット10(クリーニング前除電器10
a、ブラシローラ10b、ゴムブレード10c)で表面
をクリーニングされ、また、除電ランプ11で均一に除
電される。また、転写紙24にトナー像を転写した後の
中間転写ベルト19は、クリーニングユニット22を再
び接離機構22cで押圧して表面をクリーニングされ
る。
【0038】リピートコピーの時は、カラースキャナ1
の動作及び感光体9への画像形成は、1枚目のY(4色
目)画像工程に引き続き、所定のタイミングで2枚目の
Bk(1色目)画像工程に進む。また、中間転写ベルト
19の方は、1枚目の4色重ね画像の転写紙へのー括転
写工程に引き続き、表面をクリーニングユニット22で
クリーニングされた領域に、2枚目のBkトナー像がベ
ルト転写されるようにする。その後は、1枚目と同様の
動作になる。なお、転写紙カセット30、31、32、
33は、各種サイズの転写紙が収納されており、操作パ
ネル(図示なし)で指定されたサイズ紙の収納カセット
から、タイミングを取ってレジストローラ26方向に給
紙、搬送される。34は、OHP用紙や厚紙などの手差
し給紙トレイである。
【0039】以上は、4色フルカラーを得るコピーモー
ドの説明であったが、3色コピーモード、2色コピーモ
ードの場合は、指定された色と回数の分について、上記
と同様の動作を行うことになる。また、単色コピーモー
ドの場合は、所定枚数が終了するまでの間、その色の現
像ユニットのみを現像作動(剤穂立て)状態にして、中
間転写ベルト19は、感光体9面に接触したまま往動方
向にー定速駆動し、さらに、ベルトクリーナー22もベ
ルト19に接触したままの状態で、コピー動作を行う。
【0040】次に、本実施例に係る中間転写ベルト19
について説明する。図3は中間転写ベルト19の断面図
である。中間転写ベルト19は支持体層191、接着層
192、高抵抗層193から構成される。
【0041】支持体層191は、高抵抗層193の比抵
抗以下の材料から構成される70〜250μmの膜厚の
層であり、押出し成形法等の方法で作成することができ
る。従って、支持体層191は上述したように約1桁程
度の抵抗バラツキを持つこととなる。また、支持体層1
91に使用される材料の比抵抗は高抵抗層比抵抗に比較
してあまり小さいと一次転写の際に要する印加バイアス
が大きな値となり、周辺部材との間で放電を起こす等の
不具合が発生し、また、逆の場合には支持体層191の
抵抗バラツキが後述する中間転写ベルトバルク抵抗のバ
ラツキに影響を与えるため好ましくない。従って、高抵
抗層比抵抗との比較下で所定の比抵抗の材料が用いられ
なければならない。
【0042】接着層192は、支持体層191及び高抵
抗層193間の接着強度が不十分な場合必要に応じてデ
ィッピング法、スプレー法等により設けられる薄層であ
る。従って、接着強度が充分得られる場合は、支持体層
191及び高抵抗層193の2層構成とすることができ
る。
【0043】最上部層、すなわち可視の色画像が形成さ
れる高抵抗層193は、比抵抗が1×1010〜1×10
16Ω・cmの材料から成る約1〜50μmの膜厚の層で
ある。高抵抗層193はディッピング法、スプレー塗工
法等の方法で支持体層191又は接着層192上に作成
することができる。そして、これらの工法を採用するこ
とで高抵抗層193の膜厚分布を±5%以内にコントロ
ールすることが可能となり、ひいては高抵抗層193の
抵抗分布を±10%以内に制御することが可能となる。
【0044】上記のように中間転写ベルト19を複層化
し、かつ最上部層すなわち高抵抗層193の比抵抗を下
層部すなわち支持体層191の比抵抗よりも大きくする
ことのメリットは、従来の中間転写体において問題とさ
れたベルト内抵抗バラツキ(約1桁)を±10%程度に
抑制できる点にある。
【0045】ここで、最適一次転写バイアスとベルトの
膜厚方向の抵抗であるベルト・バルク抵抗との関係を図
4に示す。図4よりベルト・バルク抵抗が1011Ω程度
までほぼ一定であった最適一次転写バイアスが、1012
Ω近傍から急激に立ち上がることがわかる。このことは
最適一次転写バイアス公差が一定であると仮定すると、
ベルト・バルク抵抗が1011Ω程度までは一次転写バイ
アスのベルト・バルク抵抗依存性が乏しいため、ベルト
内抵抗バラツキが転写性バラツキとして顕在化し難く、
一方、ベルト・バルク抵抗が1012Ω以上のベルトを使
用した場合には、抵抗バラツキが転写性バラツキとして
顕在化しやすいことを意味している。つまり、ベルト内
抵抗バラツキが大きい場合には、ベルト・バルク抵抗1
12Ω以上の高抵抗ベルトを事実上使用できないという
ことになる。一方、転写の際に発生する転写チリと呼ば
れるトナーチリはベルト抵抗が高い程発生し難いことが
既に判っている。つまり、ベルト内抵抗バラツキを抑制
することが可能となれば、高抵抗ベルトを使用すること
が可能となり、ひいては転写チリが抑制できることとな
る訳である。
【0046】次に、上記構成とすることで何故ベルト内
抵抗バラツキを小さくできるかについて説明する。な
お、以下においては説明を簡略化するため、支持体層1
91と高抵抗層193との2層構成の場合について支持
体層191及び高抵抗層193の抵抗バラツキとベルト
抵抗バラツキの関係について説明する。まず、支持体層
191の膜厚方向の抵抗であるバルク抵抗をR支持体
高抵抗層193の膜厚方向の抵抗であるバルク抵抗をR
高抵抗とし、かつR高抵抗≫R支持体とすると、中間転
写ベルト19の膜厚方向の抵抗であるバルク抵抗(R
bulk)は、 となり、中間転写ベルト19のバルク抵抗(Rbulk)は
高抵抗層193のバルク抵抗(R高抵抗)により決定さ
れることが判る。従って、ベルトの抵抗バラツキも高抵
抗層193のバルク抵抗バラツキに依存するといえる。
このことから、高抵抗層193のバルク抵抗バラツキを
小さく抑えればベルトの抵抗バラツキを小さく抑えるこ
とができることになる。ここで、高抵抗層193につい
ては上述のようにディッピング法、スプレー塗工法等の
方法で作成することにより抵抗分布を±10%以内に制
御することが可能となるため、R高抵抗≫R支持体の場
合に該工法で高抵抗層193を作成し、高抵抗層193
の抵抗分布を±10%以内に制御することによって、ベ
ルトの抵抗バラツキを高抵抗層193の抵抗分布±10
%以内に応じた小さな値に抑えることが可能となる。と
ころで、高抵抗層193のバルク抵抗(R高抵抗)は、 R高抵抗=ρ高抵抗×t高抵抗(ρ高抵抗:高抵抗層比
抵抗,t高抵抗:高抵抗層膜厚) と表すことができ、また支持体層191のバルク抵抗
(R支持体)は、 R支持体=ρ支持体×t支持体(ρ支持体:支持体層比
抵抗,t支持体:支持体層膜厚) と表すことができる。従って、上記R高抵抗≫R支持体
は、 ρ高抵抗×t高抵抗≫ρ支持体×t支持体 …………
(1) を意味することになる。ここで、中間転写ベルト19の
コストならびに製造性(作り易さ)を考慮すると、各層
の膜厚は、 t高抵抗:1〜50μm t支持体:70〜250μm が望ましい。従って、上記(1)式は、 ρ高抵抗≫(1〜2×102)×ρ支持体 …………
(1)’ となり、該(1)’式を成立させるためには、ρ高抵抗
はρ支持体に対して約2桁以上高い値でなければならな
いことになる。以上のことから、高抵抗層比抵抗(ρ
高抵抗)を支持体層比抵抗(ρ支持体)より大きくす
る、望ましくは約2桁以上高い値にすることによって、
ベルト内抵抗バラツキを±10%程度に抑制できる。
【0047】次いで、下記仕様の中間転写ベルトのバル
ク抵抗バラツキを計算によって求めると、 ベルト仕様 ・高抵抗層:比抵抗 4.5〜5.5×1012Ω・cm 膜厚 50μm ・支持体層:比抵抗 0.5〜50×109Ω・cm 膜厚 100μm Rbulk=2.2505〜2.8×1010Ω=2.525±10.9%×1010Ω となり、ほぼ高抵抗層193の抵抗バラツキ(±10
%)に近い値に収まっていることが判る。
【0048】ところで、中間転写ベルト19の膜厚方向
の抵抗であるバルク抵抗(Rbulk)は、上述のように高
抵抗層193のバルク抵抗(R高抵抗)により決定され
るため、次式すなわち高抵抗層193の比抵抗(ρ
高抵抗)と膜厚(t高抵抗)によって決定される。 Rbulk≒ρ高抵抗×t高抵抗 ………………(2) ここで、中間転写ベルト19のバルク抵抗(Rbulk
は低過ぎると転写チリを生じ、高過ぎると一次転写バイ
アスが高バイアスとなり周辺部材と放電する等の副作用
を生じ実用的でない。また、高抵抗層193の膜厚
(t高抵抗)は薄過ぎると中間転写ベルト19の寿命が
低下し、また膜厚アップはコストアップにつながり、好
ましくは1〜50μmである。
【0049】従って、上記(2)式、及び上記、よ
り高抵抗層比抵抗(ρ高抵抗)の最適域は、ρ高抵抗
1×1010〜1×1016Ω・cm となる。
【0050】ところで、上述したように従来の中間転写
ベルトは、転写ベルト主材料としてエラストマー等の
樹脂が使用されており、これに充填剤としてカーボン等
のフィラー(無機系抵抗制御剤)が分散されている場合
は、フィラーのチェーン構造が経時的に切断されて抵抗
増加の傾向を示し、上記転写ベルト材料に対しフィラ
ーの分散性が乏しい場合は、経時におけるフィラー凝集
又は外部電界により経時的に抵抗が低下する傾向を示す
というように、経時で抵抗が変化するという欠点があっ
た。ここで、上記経時におけるフィラー凝集や外部電界
による経時的な抵抗低下は、単体のフィラー自身が一次
粒子では存在し得ず凝集体の形で存在すること、すなわ
ち凝集体が安定構造であること、及びフィラーが分散さ
れるエラストマー等の樹脂や使用される溶媒との組合せ
により上記傾向が加速されることに起因すると考えられ
ている。
【0051】抵抗変化には上記2タイプがあるが、抵抗
変化の原因を要約すると、上記はエラストマーの経時
疲労とフィラー分散の交互作用が原因であり、また、上
記はフィラー分散そのものに原因があるということに
なり、何れの場合もフィラー分散が関与していることが
判る。
【0052】そこで、上記事項を鑑に本実施例では高抵
抗層193を、比抵抗1×108〜1×1012Ω・cm
の有機系抵抗制御剤としてのエピクロルヒドリンゴムが
所定量相溶した樹脂で構成した。これによりエピクロル
ヒドリンゴムとこのエピクロルヒドリンゴムが相溶され
るメイン樹脂とが均質系のため、エピクロルヒドリンゴ
ムがメイン樹脂中に相溶して均一なネットワーク構造を
形成するので、上記エラストマー等の樹脂中にカーボン
等のフィラー(無機系抵抗制御剤)が分散されている場
合に生じていたの経時抵抗変化は未発生となり、また
エピクロルヒドリンゴムを所定量添加することで樹脂本
来の機械的性質を損なうことなくエラストマーの経時疲
労に伴うの経時抵抗変化をも抑制可能となった。
【0053】上記のように、エピクロルヒドリンゴムと
樹脂とから成る高抵抗層193を有する中間転写ベルト
19においては、経時抵抗変化を抑制可能となるという
効果があるが、この効果はエピクロルヒドリンゴムが樹
脂中に均一に相溶したときに発現される。また、中間転
写ベルト19に対する要求特性であるトナー離型性、環
境安定性は中間転写ベルト19の主成分である樹脂に依
存するところが大きい。
【0054】そこで、相溶性、トナー離型性及び環境安
定性等の観点から、上記樹脂はポリフッ化ビニリデン等
のフッ素樹脂、溶剤可溶型フッ素樹脂(例えば、フルオ
ロオレフィンとビニルエーテル含有オレフィンとの共重
合体)、フッ素ゴム等が望ましい。
【0055】また、耐摩耗性やコストも中間転写ベルト
19に対するプライオリティーの高い要求特性である。
【0056】そこで、エピクロルヒドリンゴムに対する
相溶性、耐摩耗性、コストの観点から、上記樹脂はアク
リル樹脂が望ましい。アクリル樹脂は通常のアクリル酸
及びメタクリル酸の誘導体を重合させて得られる樹脂を
用いることができ、その代表的な例としてメタクリル酸
エステルの例を挙げれば2−ヒドロキシエチルメタクリ
レート(HEMA)、グリシジルメタクリレート(GM
A)、ジメチルアミノメタクリレート(DM)等を挙げ
ることができる。また、カルボキシル基、アミン基等の
側鎖を導入した熱硬化性アクリル樹脂等も用いることが
できる。
【0057】ところで、上記において高抵抗層193の
比抵抗(ρ高抵抗)の最適域が、 ρ高抵抗=1×1010〜1×1016Ω・cm であると述べたが、実際に樹脂とエピクロルヒドリンゴ
ムの2成分系で比抵抗1×1010〜1×1012Ω・cm
の高抵抗層193を形成しようとした場合、高抵抗層1
93に占めるエピクロルヒドリンゴムの重量比は50w
t%〜100wt%となる。この場合、エピクロルヒド
リンゴムのエラストマーとしての性質が高抵抗層193
に発現するため、多色モードの色重ねの際の色ずれの発
生や経時疲労による抵抗変化の発生等の不具合が生じ
【0058】上記色ずれや抵抗変化の発生等の問題は、
高抵抗層193を樹脂、エピクロルヒドリンゴムにカー
ボンを微量添加した3元系とすることで解決することが
できる。これはエピクロルヒドリンゴムとカーボンとは
それぞれ抵抗制御剤として使用可能な物質であり、それ
ぞれは一方が他方に対する代替物となる性質を有してい
るため、カーボン添加によりエピクロルヒドリンゴムの
添加量を抑制できることによる。また、上述したフィラ
ー凝集による経時的な抵抗(バルク抵抗)低下は、ベル
ト膜厚方向のフィラーパスが凝集により何本も形成され
ることによる。従って、フィラーの含有率が低下するに
したがってフィラーパスの形成確率は低下するはずであ
る。よって、この系においてはフィラーとしてのカーボ
ンの添加量を少量にすることによって、上記フィラーパ
スの形成確率は低下し、従来問題とされた経時抵抗変化
等の問題も発生することがない。以上のことから、高抵
抗層193の最適比抵抗が比較的低い(1×1010〜1
×1012Ω・cm)系においては、上層部(高抵抗層1
93)を樹脂、エピクロルヒドリンゴム、カーボンの3
元系とすることで本発明の狙いを達成することができ
る。
【0059】また、上記のような樹脂、エピクロルヒド
リンゴムに少量カーボンを添加した3元系高抵抗層19
3では、カーボンが微量添加のため、樹脂中でカーボン
は比較的凝集体を作り難いものの、樹脂の組合せによっ
てはカーボンの分散性に非常に劣る場合がある。このよ
うな場合には、局部的な抵抗変化の発生によって抵抗バ
ラツキが大きくなったり、局部的に経時抵抗が変動した
りすることは容易に類推される。
【0060】ここで、本発明者等は、このようにカーボ
ンの分散性の悪い樹脂に対し、カーボンに比較して若干
添加量は増えるものの、分散性に優れたSnO2、Sb
ドープSnO2等の金属酸化物又は弗化タングステン等
の金属弗化物をカーボンの代替とし、樹脂、エピクロル
ヒドリンゴム、金属酸化物又は金属弗化物の3元系を高
抵抗材料とすることで上記と同様に本発明の狙いを達成
することができることを見出した。この3元系における
エピクロルヒドリンゴムの役割は、金属酸化物又は金属
弗化物の添加量を低減できることだけでなく、金属酸化
物又は金属弗化物の添加により可撓性の低下した高抵抗
層にエラストマーとして柔軟性を付与し、高抵抗層のク
ラックなどに対する余裕度を向上させのにも寄与してい
る。中間転写体の高抵抗層がクラックに対して余裕度の
あるシステムにおいては、上記3元系からエピクロルヒ
ドリンゴムを削除した樹脂、金属酸化物又は金属弗化物
の2元系を高抵抗材料とすることで本発明の狙いを達成
することができることを見出した。この2元系において
は、エラストマーであるエピクロルヒドリンゴムが含ま
れないため、多色モードの色重ねの際の色ずれの発生に
対してより有利であると言える。
【0061】次に、具体的な実験例及び比較例を説明す
る。本実験例及び比較例においては、まず押出し成形に
よりカーボン含有ポリカーボネート無端ベルトを作成し
た。なお、ベルトの膜厚は150μm、体積抵抗は1.
5×109Ω・cmである(DC10V 1分値)。そ
して、次に表1に示した各材料を上記ベルト表面に、硬
化後の膜厚が15μmになるように、スプレーコーティ
ングし、しかる後硬化、乾燥させて中間転写ベルト19
とし、実験例及び比較例サンプルとした。
【表1】
【0062】そして、本実験例及び比較例においては、
上記のようにして作成された中間転写ベルトサンプルに
対して以下の評価を実施した。 評価項目1:経時抵抗劣化 (OHP300枚フルカラーコピー時のバルク抵抗変動
率 =経時バルク抵抗/初期バルク抵抗×100) 評価項目2:バルク抵抗分布 上記各評価項目についての評価結果を表2に示す。な
お、上記評価項目1についての評価結果は表2中の「抵
抗変動率(%)」に、また上記評価項目2についての評
価結果は「初期抵抗バラツキ(±%)」に示してある。
【表2】
【0063】上記結果より、本実施例に係る中間転写ベ
ルト(実験例)は、従来の中間転写ベルト(比較例)に
比較して、抵抗バラツキや経時抵抗変動特性において大
幅な改善効果があることが認められた。
【0064】次に、他の本実施例に係る中間転写ベルト
19について説明する。図4は中間転写ベルト19の断
面図である。中間転写ベルト19は支持体層191及び
高抵抗層193から構成される。
【0065】本実施例において支持体層191は、ポリ
マー成分と該ポリマー成分中に分散された抵抗制御剤と
から構成される50μmの膜厚の層である。
【0066】可視の色画像が形成される高抵抗層193
は、支持体層191と同様に、ポリマー成分と該ポリマ
ー成分中に分散された抵抗制御剤とから構成される50
μmの膜厚の層である。
【0067】なお、本実施例における中間転写ベルト1
9の上記支持体層191及び高抵抗層193は単層ベル
トにおける膜厚方向(バルク方向)の抵抗制御剤の低濃
度部及び高濃度部を便宜的に名付けたものであり、あく
まで中間転写ベルト19は抵抗制御剤が分散されたメイ
ン樹脂としてのポリマー成分の連続体であり、単に膜厚
方向で抵抗制御剤の濃度分布が異なるだけである。具体
的には、高抵抗層193の抵抗制御剤平均濃度を支持体
層191の抵抗制御剤平均濃度よりも低くなっている。
従って、本実施例における中間転写ベルト19の膜中に
異物質との界面(フィラー/ポリマー成分界面は除く)
は存在しない。
【0068】この中間転写ベルト19は、転写チリを抑
制できる程度の抵抗になるようにされている。また、ク
リーニング後、中間転写体中に誘起されているトナーと
逆極性の電荷を次の一次転写工程前にアースローラ20
bに消失し得なる。つまり、中間転写体の比誘電率
(ε)×比抵抗(ρ)はこの時定数を満足する。よっ
て、トナーを転写クリーニング後、除電装置を特に設け
ることなく、中間転写体を電気的に中性な初期状態にす
ることができる。
【0069】上記構成の中間転写ベルト19を用いて感
光体ドラム9から中間転写ベルト19へのトナーの一次
転写を考えると、中間転写ベルト19側から感光体ドラ
ム9に流れ込む転写電流は転写バイアスに対して閾値を
持たないことが望ましい。このためには支持体層191
と高抵抗層193との界面において、空間電荷を持って
はならない。
【0070】ここで、本実施例における中間転写ベルト
19のように支持体層191及び高抵抗層193が同一
の樹脂、同一の抵抗制御剤を用いて実質上単層ベルトに
構成され、かつ支持体層191及び高抵抗層193が膜
厚方向における抵抗制御剤濃度によって区別されるよう
なものの場合、上記空間電荷をゼロ又は最小限に抑える
ことができる。また、このような構成の中間転写ベルト
19でなくとも、支持体層と同一の樹脂、同一の抵抗制
御剤をスプレーコーティング等の湿式製膜方法で支持体
層上に塗工して、該支持体層上に高抵抗層が形成された
中間転写ベルトであっても上記空間電荷をゼロ又は最小
限に抑えることができる。この理由としては、例えば支
持体層上に高抵抗層を乾式製膜方法で形成する場合は、
支持体層と同一樹脂及び同一抵抗制御剤の高抵抗層であ
っても、大気及び熱的な履歴を支持体層が受けているこ
とから、支持体層と高抵抗層との界面において空間電化
を持ってしまうが、本実施例の中間転写ベルト19の構
成の場合、上記のような支持体層と高抵抗層との界面が
存在しないためと考えられる。また、上記湿式製膜方法
で支持体層上に高抵抗層を形成する場合は、該高抵抗層
を構成する樹脂及び抵抗制御剤が支持体層表面を侵食す
るためと考えられる。従って、同一の樹脂及び同一の抵
抗制御剤を用いて構成された支持体層191と高抵抗層
193とから成る中間転写ベルト19を用いることによ
って、中間転写ベルト19側から感光体ドラム9に流れ
込む転写電流が転写バイアスに対して閾値を持たないよ
うにすることができ、これにより感光体ドラム9から中
間転写ベルト19へのトナーの一次転写を良好に行うこ
とができる。また、中間転写ベルト19の製法面から
も、支持体層191及び高抵抗層193に同一の樹脂、
同一の抵抗制御剤を用いた場合、一回の押出し成型で加
工が可能であるというメリットもある。
【0071】また、本実施例でも前記実施例におけると
同様に、従来の中間転写ベルトと異なり、フィラー(無
機系抵抗制御剤)分散が関与した抵抗変化を回避するた
め、高抵抗層193を、比抵抗1×108〜1×1012
Ω・cmの有機系抵抗制御剤としてのエピクロルヒドリ
ンゴムが所定量相溶した樹脂で構成した。これにより前
記実施例におけると同様の理由で、経時抵抗変化を抑制
可能となった。
【0072】また、抵抗制御剤である上記エピクロルヒ
ドリンゴムの長所として抵抗の環境依存性が小さい点を
挙げることができる。つまり、エピクロルヒドリンゴム
が所定量相溶した樹脂で高抵抗層193を構成すること
によって、環境変動に対して抵抗変動の少ない中間転写
ベルト19とすることができる。
【0073】なお、上記抵抗制御剤であるエピクロルヒ
ドリンゴムとして、例えばエピクロルヒドリンのホモポ
リマー、あるいはエピクロルヒドリンを少なくとも一部
含む共重合体であってもよい。そして、共重合体の例を
挙げるならば、エピクロルヒドリンとアルキレンオキサ
イドとの共重合体、エピクロルヒドリン、アルキレンオ
キサイド、アリルグリシジルエーテルとの3元共重合体
等が挙げられる。
【0074】また、上記抵抗制御剤としてアルコール可
溶性ナイロンを用いることによっても、前述のフィラー
分散性不良による抵抗劣化の防止を図ることができる。
【0075】更に、上記抵抗制御剤としてアルコール可
溶性ナイロンを用いることの他のメリットとしては、ア
ルコール可溶性ナイロンが非粘着質である点及び耐摩耗
性に優れている点を挙げることができる。特に、前者に
関してはエピクロルヒドリンゴムがエラストマーであ
り、色ズレ防止や経時疲労防止のために中間転写ベルト
19が粘着性特性を嫌うことから、大量にエピクロルヒ
ドリンゴムを添加することができないのに対し、アルコ
ール可溶性ナイロンでは全くこのような制約がない。
【0076】なお、上記抵抗制御剤であるアルコール可
溶性ナイロンとしては6ナイロン,66ナイロン,61
0ナイロン等の各ナイロンの3元共重合体、6ナイロ
ン,66ナイロン,610ナイロン,12ナイロン等の
4元共重合体等に代表される低結晶ナイロンや側鎖にア
ルコシキル基等を導入したナイロン等が挙げられる。
【0077】また、本発明者等による種々の検討の結
果、中間転写体のバルク抵抗としては1×106〜1×
1014Ωの範囲が望ましいことが判っている。このバル
ク抵抗範囲において低抵抗側(1×106Ω側)の中間
転写体を形成しようとした場合、中間転写体に占めるエ
ピクロルヒドリンゴムの割合(重量部)が増加するた
め、エピクロルヒドリンゴムのエラストマーとしての性
質が中間転写体に発現する。このため、多色モードの色
重ねの際の色ずれの発生や経時疲労による抵抗変化の発
生等の不具合が生じる。
【0078】上記色ずれや抵抗変化の発生等の問題は、
抵抗制御剤をエピクロルヒドリンゴムと無機フィラーの
2元系とすることで解決することができる。これはエピ
クロルヒドリンゴムと無機フィラーとはそれぞれ抵抗制
御剤として使用可能な物質であり、それぞれは一方が他
方に対する代替物となる性質を有しているため、無機フ
ィラー添加によりエピクロルヒドリンゴムの添加量を抑
制できたことによる。また、前述の実施例と同様、この
系においても無機フィラーの添加量が少量で前述のフィ
ラーパスの形成確率が低く、従来問題とされた経時抵抗
変化等の問題も発生することがない。
【0079】なお、上記抵抗制御剤として使用可能な無
機フィラーとしてはカーボン及び酸化錫、アンチモンド
ープ酸化錫、ITO等の金属酸化物及び弗化タングステ
ン等の金属弗化物が挙げられる。また、この場合使用可
能なエピクロルヒドリンゴムとしては、上記例示化合物
と同一である。
【0080】また、アルコール可溶ナイロンであるアラ
ミンCM8000(商品名:東レ社製)の比抵抗は約1
×1010Ω・cmである。これを用いて150μm膜厚
の中間転写体を形成した場合、中間転写体のバルク抵抗
は1.5×108Ωとなる。つまり、抵抗制御剤100
%でも狙いの中間転写体バルク抵抗の1×106〜1.
5×108Ωまでの範囲はカバーしきれないことにな
る。
【0081】この問題は、抵抗制御剤をアルコール可溶
ナイロンと無機フィラーの2元系とすることで解決する
ことができる。これはアルコール可溶ナイロンと無機フ
ィラーとはそれぞれ抵抗制御剤として使用可能な物質で
あり、それぞれは一方が他方に対する代替物となる性質
を有しているため、無機フィラー添加によりアルコール
可溶ナイロンの添加量を抑制できたことによる。また、
この系においては無機フィラーが少量だけ添加されてい
るため、上記同様、上記フィラーパスの形成確率は低下
し、従来問題とされた経時抵抗変化等の問題も発生する
ことがない。
【0082】なお、上記抵抗制御剤として使用可能な無
機フィラーとしては上記例示のものと同様のものが挙げ
られる。また、この場合使用可能なアルコール可溶ナイ
ロンとしては、上記例示化合物と同一である。
【0083】次に、具体的な実験例及び比較例を説明す
る。本実験例及び比較例においては、まず表3の基体
層、表面層組成に基づき無端ベルトを作成した。ここ
で、支持体層191としての基体層は押出し成型により
150μm膜厚に作製した。次に、表3に示した表面層
材料を上記ベルト表面に、硬化後の膜厚が10μmにな
るように、スプレーコーティングし、しかる後硬化、乾
燥させて中間転写ベルト19とし、実験例及び比較例サ
ンプルとした。なお、基体層、表面層各々の体積抵抗
(単位Ω・cm;DC10V 1分値)は参考のため、
表3末尾に記載した。また、表3における体積抵抗の測
定は以下の条件で行った。 測定機:R8340A(アドバンテスト社製) 電極:R12702A(アドバンテスト社製) 電極加重:4Kgf 印加電圧:500V 抵抗読み取り:10sec値 測定法:JISK6911
【表3】 そして、本実験例及び比較例においては、上記のように
して作成された中間転写ベルトサンプルを用いて画像出
しを行い、転写チリの評価を実施した。評価結果を表4
に示す。なお、この表4における転写チリの評価条件は
以下の通りである。 評価機:PRETER 550((株)リコー社製) 感光体ドラム暗部電位:−550V 感光体ドラム明部電位:−180V 現像バイアス:−400V ベルト線速:180mm/sec VB(一次転写バイアス):1C;1200V 2C;1300V 3C;1400V 1C;1500V VP(二次転写バイアス):1300V
【表4】 上記結果より、本実施例に係る中間転写ベルト(実験
例)は、従来の中間転写ベルト(比較例)に比較して、
転写チリ特性において大幅な改善効果が認められること
が確認された
【0084】
【発明の効果】請求項1あるいはの発明によれば、中
間転写体の抵抗バラツキを抑えることが可能となるの
で、画像の均一性を確保できる。
【0085】特に、請求項の発明によれば、エピクロ
ルヒドリンゴムの添加量を抑制できるので、エピクロル
ヒドリンゴムのエラストマーとしての性質が最上部層に
発現するために生じる多色モードの色重ねの際の色ずれ
や経時疲労による抵抗変化を防止できるとともに、従来
問題とされた経時抵抗変化等の問題も発生することがな
い。
【0086】また、請求項2の発明によれば、抵抗制御
剤がカーボンの場合に比して、該抵抗制御剤をポリマー
成分中に良好に分散させることができるので、局部的な
抵抗変化によって抵抗バラツキが大きくなることや局部
的な経時抵抗変動を防止できる
【0087】求項3乃至6の発明によれば、表層部の
抵抗制御剤平均濃度が他層の抵抗制御剤平均濃度よりも
低い中間転写体を用いることによって、上記中間転写体
バルク抵抗(RB)を大きくして上記iD/iLを小さく
し、これにより転写チリを抑制可能とすることができる
ので、異常画像等の発生を防止できる。また、上記構成
の中間転写体を用いることによって、該中間転写体が中
抵抗中間転写体である場合に、トナーを転写クリーニン
グ後、除電装置を特に設けることなく、中間転写体を電
気的に中性な初期状態にすることができる。
【0088】更に、基体と塗工層との界面における空間
電荷をゼロ又は最小限に抑えることができるので、中間
転写体側から像担持体に流れ込む転写電流が転写バイア
スに対して閾値を持たないようにすることができ、これ
により像担持体から中間転写体へのトナーの一次転写を
良好に行うことができる。
【0089】そして、請求項の発明によれば、中間転
写体主材料中に分散されたフィラーの凝集に起因する経
時抵抗変化の発生を防止できるので、画質低下、画像の
均一性低下及び異常画像(文字チリ等)の発生を防止で
きる。
【0090】また、請求項の発明によれば、中間転写
体主材料中に分散されたフィラーの凝集に起因する経時
抵抗変化の発生を防止できるので、画質低下、画像の均
一性低下及び異常画像(文字チリ等)の発生を防止でき
る。また、中間転写体の非粘着性及び耐摩耗性を向上さ
せることができるので、色ズレ防止や経時疲労防止を図
ることができる。
【0091】また、請求項の発明によれば、エピクロ
ルヒドリンゴムの添加量を抑制できるので、エピクロル
ヒドリンゴムのエラストマーとしての性質が表層部に発
現するために生じる多色モードの色重ねの際の色ずれや
経時疲労による抵抗変化を防止できるとともに、従来問
題とされた経時抵抗変化等の問題も発生することがな
い。
【0092】また、請求項の発明によれば、アルコー
ル可溶性ナイロンの添加量を抑制し、中間転写体バルク
抵抗の下限領域をカバー可能な中間転写体とすることが
できる。また、上記請求項13と同様に、無機フィラー
が少量添加のため、従来問題とされた経時抵抗変化等の
問題も発生することがない
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例に係るカラー複写装置の概略構成図。
【図2】図1中の感光体・中間転写ベルト回りの拡大
図。
【図3】中間転写ベルトの断面図。
【図4】最適一次転写バイアスとベルト抵抗値の関係を
示すグラフ。
【図5】他の実施例に係る中間転写ベルトの断面図。
【符号の説明】
19 中間転写ベルト 191 支持体層 192 接着層 193 高抵抗層
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平3−192282(JP,A) 特開 平1−288877(JP,A) 特開 平5−341627(JP,A) 特開 平4−313757(JP,A) 特開 平3−196067(JP,A) 特開 平3−101766(JP,A) 特開 平4−347874(JP,A) 特開 平5−303293(JP,A) 特開 平5−27551(JP,A) 特開 平4−311972(JP,A) 特開 昭64−66674(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G03G 13/14 - 13/16 G03G 15/14 - 15/16 103 G03G 13/02 G03G 15/02 - 15/02 103

Claims (7)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】像担持体上に形成される可視の現像画像を
    無端状に走行する中間転写体上に一次転写し、該中間転
    写体上の一次転写画像を転写材に二次転写する中間転写
    方式の画像形成装置に用いられる該中間転写体であっ
    て、 二層以上の複数層からなり、可視の現像画像が形成され
    る最上部層の比抵抗を該最上部層の下方に位置する下部
    層の比抵抗以上にし、 上記中間転写体の最上部層を少なくともポリマー成分、
    エピクロルヒドリンゴム及び抵抗制御剤で構成し、かつ
    該抵抗制御剤をカーボンとしたことを特徴とする中間転
    写体。
  2. 【請求項2】像担持体上に形成される可視の現像画像を
    無端状に走行する中間転写体上に一次転写し、該中間転
    写体上の一次転写画像を転写材に二次転写する中間転写
    方式の画像形成装置に用いられる該中間転写体であっ
    て、 二層以上の複数層からなり、可視の現像画像が形成され
    る最上部層の比抵抗を該最上部層の下方に位置する下部
    層の比抵抗以上にし、 上記中間転写体の最上部層を少なくともポリマー成分、
    エピクロルヒドリンゴム及び抵抗制御剤で構成し、かつ
    該抵抗制御剤を金属酸化物又は金属弗化物としたことを
    特徴とする中間転写体。
  3. 【請求項3】像担持体上に形成される可視の現像画像を
    無端状に走行する中間転写体上に一次転写し、該中間転
    写体上の一次転写画像を転写材に二次転写する中間転写
    方式の画像形成装置に用いられる該中間転写体であっ
    て、 それぞれポリマー成分と抵抗制御剤とから成る複数の層
    で構成し、可視の現像画像が形成される表層部のポリマ
    ー中に分散された該抵抗制御剤の平均濃度を、他層の抵
    抗制御剤平均濃度よりも低濃度にし、 ポリマー中に上記抵抗制御剤が分散して成る基体と、該
    基体と同一のポリマー 及び抵抗制御剤が分散された塗工
    液を該基体上に塗工、乾燥させて構成される塗工層とで
    構成し、 上記抵抗制御剤がエピクロルヒドリンゴムであることを
    特徴とする中間転写体。
  4. 【請求項4】像担持体上に形成される可視の現像画像を
    無端状に走行する中間転写体上に一次転写し、該中間転
    写体上の一次転写画像を転写材に二次転写する中間転写
    方式の画像形成装置に用いられる該中間転写体であっ
    て、 それぞれポリマー成分と抵抗制御剤とから成る複数の層
    で構成し、可視の現像画像が形成される表層部のポリマ
    ー中に分散された該抵抗制御剤の平均濃度を、他層の抵
    抗制御剤平均濃度よりも低濃度にし、 ポリマー中に上記抵抗制御剤が分散して成る基体と、該
    基体と同一のポリマー及び抵抗制御剤が分散された塗工
    液を該基体上に塗工、乾燥させて構成される塗工層とで
    構成し、 上記抵抗制御剤がアルコール可溶性ナイロンであること
    を特徴とする中間転写体。
  5. 【請求項5】像担持体上に形成される可視の現像画像を
    無端状に走行する中間転写体上に一次転写し、該中間転
    写体上の一次転写画像を転写材に二次転写する中間転写
    方式の画像形成装置に用いられる該中間転写体であっ
    て、 それぞれポリマー成分と抵抗制御剤とから成る複数の層
    で構成し、可視の現像画像が形成される表層部のポリマ
    ー中に分散された該抵抗制御剤の平均濃度を、他層の抵
    抗制御剤平均濃度よりも低濃度にし、 ポリマー中に上記抵抗制御剤が分散して成る基体と、該
    基体と同一のポリマー及び抵抗制御剤が分散された塗工
    液を該基体上に塗工、乾燥させて構成される塗工層とで
    構成し、 上記抵抗制御剤がエピクロルヒドリンゴムと無機フィラ
    ーであることを特徴とする中間転写体。
  6. 【請求項6】像担持体上に形成される可視の現像画像を
    無端状に走行する中間転写体上に一次転写し、該中間転
    写体上の一次転写画像を転写材に二次転写する中間転写
    方式の画像形成装置に用いられる該中間転写体であっ
    て、 それぞれポリマー成分と抵抗制御剤とから成る複数の層
    で構成し、可視の現像画像が形成される表層部のポリマ
    ー中に分散された該抵抗制御剤の平均濃度を、他層の抵
    抗制御剤平均濃度よりも低濃度にし、 ポリマー中に上記抵抗制御剤が分散して成る基体と、該
    基体と同一のポリマー及び抵抗制御剤が分散された塗工
    液を該基体上に塗工、乾燥させて構成される塗工層とで
    構成し、 上記抵抗制御剤がアルコール可溶性ナイロンと無機フィ
    ラーであることを特徴とする中間転写体。
  7. 【請求項7】像担持体上に形成される可視の現像画像を
    無端状に走行する中間転写体上に一次転写し、該中間転
    写体上の一次転写画像を転写材に二次転写する中間転写
    方式の画像形成装置において、 該中間転写体として、請求項1,2,3,4,5又は6
    の中間転写体を用いることを特徴とする画像形成装置。
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