JP2006178232A - 導電性ベルトおよび導電性ベルトの製造方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 ベース層、弾性層および表層の少なくとも3層が内周面から外周面に向かって順次積層されている導電性ベルトであって、IRHD硬さ試験マイクロ法により積層状態の前記ベルトの表層側から測定した硬度が60以下であり、前記ベース層は、厚さ50〜150μmで、引張弾性率が2000MPa以上かつ内周面側の表面電気抵抗率が106Ω/□以上1011Ω/□以下で、前記弾性層は、厚さが400〜1500μmで、JIS
A硬度が60以下かつ体積抵抗率が106Ω・cm以上108Ω・cm以下、前記表層は、厚さが3〜30μm、複素弾性率が250MPa以下である。
【選択図】 図1
Description
近年では、カラートナーにより感光体等の像保持体上に形成されたトナー像を別途作像された他色のトナー像に中間転写体上で順次重ね合わせ(以下、一次転写と呼ぶ)、中間転写体上に形成されたカラートナー画像を記録媒体に一括転写(以下、二次転写と呼ぶ)することで、所望のカラー画像を得ることができるカラー画像形成装置が多く市販されている。
さらに、近年では種々の中間転写ベルトが開発されている。
例えば、特許第3248455号(特許文献1)には、ヤング率の大きい樹脂材料で構成された基材と、弾性材料層と、非粘着性材料からなり体積抵抗率を特定の範囲に設定した表面層との積層構造を有する中間転写ベルトが記載されている。
特開2001−312159号公報(特許文献2)には、所定の硬度の弾性層を有する中間転写ベルトが記載されている。
特開2002−229345号公報(特許文献3)には、所定の引張弾性率と電子導電性により所定の体積抵抗率を有する樹脂製のベース層と、所定の硬度、電気抵抗値および厚みを有するイオン導電性エラストマー製の中間層と、樹脂製の表面コーティング層とを備えた導電性ベルトが記載されている。
しかし、電子写真方式の画像形成装置はインクジェット方式のものに比べ、記録媒体として多品種の紙が使用できる特性を有することが一般的に認められており、この特性を生かすことが求められているが、上記ベルトはこの特性を十分に発揮できていない。具体的には、フォックスリバー社(米国)製「キャピタルボンド」、ニーナ社(米国)製「クラシックレイド ライティング」、ストラスモア社(米国)製「ストラスモア ライティング レイド」などに代表される表面の凹凸の大きな紙を記録媒体として用いる場合、中間転写ベルト上に形成されたカラー像を記録媒体に転写する2次転写の際に、紙の凹部にまでトナーが転写されず、白抜けしてしまう現象、いわゆる二次転写不良が見られる。
しかし、かかる導電性ベルトにおいても、上記紙種のうち比較的凹凸の小さいフォックスリバー社(米国)製「キャピタルボンド」への二次転写は良好であるが、さらに凹凸の大きなニーナ社(米国)製「クラシックレイド ライティング」およびストラスモア社(米国)製「ストラスモア ライティング レイド」への二次転写は不十分であり、導電性ベルトの二次転写性をさらに向上させる余地があった。
IRHD硬さ試験マイクロ法により積層状態の前記ベルトの表層側から測定した硬度が60以下であり、
さらに、前記ベース層は、厚さ50〜150μmで、引張弾性率が2000MPa以上かつ内周面側の表面電気抵抗率が106Ω/□以上1011Ω/□以下であり、
前記弾性層は、厚さが400〜1500μmで、JIS
A硬度が60以下かつ体積抵抗率が106Ω・cm以上108Ω・cm以下であり、
前記表層は、厚さが3〜30μmで、複素弾性率が250MPa以下であることを特徴とする導電性ベルトを提供している。
A硬度を60以下、IRHD硬さ試験マイクロ法により積層状態の前記ベルトの表層側から測定した硬度を60以下にするという硬度に関する2つの条件を満たすことにより、凹凸の大きな紙を記録媒体として用いても凹部で白抜けが発生するのを抑えることができることを知見した。
前記のように弾性層の厚さを400〜1500μmと比較的大きくする分、転写電圧が高くならないよう、弾性層の体積抵抗率を106Ω・cm以上108Ω・cm以下としている。さらに、一次転写および二次転写における転写性を向上させるために、ベース層の内周面側の表面電気抵抗率を106Ω/□以上1011Ω/□以下としている。
さらに、表層の摩耗または剥離が抑制し、耐久性を向上させるために、表層の複素弾性率を250MPa以下としている。
前記硬度を60以下とすることにより、2次転写時におけるベルトと記録媒体の間のニップ幅が広がり、ベルト表面と記録媒体とが柔らかく接触するので、凹凸の大きな記録媒体への二次転写性が良好になる。さらに、下記に詳述するように弾性層の厚みを比較的大きくするとベルトを駆動軸に張架した際にベルト表面に発生する歪みは大きくなるが、前記硬度を60以下と低くすることで、追従性を向上させることができ、前記問題点を改善することができる。
IRHD硬さ試験マイクロ法による硬度測定は、積層状態の導電性ベルトから一部を切り取り試験片とし、JIS K 6253に準拠して行う。
ベース層の引張弾性率は、2300MPa以上がより好ましく、上限は特に限定されないが通常8000MPa以下とされる。該引張弾性率はJIS K 7113に従って測定する。
前記設定とすることにより、下記に詳述するように弾性層の厚みを比較的大きくしても、中間転写ベルトとして用いた場合に一次転写および二次転写のいずれにおいても優れた転写性を発揮できる適度な導電性を付与することができる。
表面電気抵抗率および体積抵抗率の測定は、株式会社ダイヤインスツルメンツ製「ハイレスタUP MCP−HT450型」を用い、URSプローブにて、印加電圧250V、測定時間10秒の条件で行う。測定環境は温度23℃、相対湿度55%とする。
弾性層の体積抵抗率を106Ω・cm以上としているのは、106Ω・cm未満であるとベルトの帯電特性が悪くなり、帯電したトナーの電荷が移動し易くなり、転写するトナー像に乱れが生じるためである。弾性層の体積抵抗率を108Ω・cm以下としているのは、108Ω・cmを越えると1次転写に大きな転写電圧が必要となり転写効率が悪くなるためである。
JIS A硬度が60を越えると、転写時のニップ幅が十分にとれず、凹凸の大きな紙を記録媒体として用いる場合、紙の凹部で白抜けが発生し得る。硬度が低くなりすぎると弾性層の形状保持性が悪くなるため、下限は25程度とするのが好ましい。JIS
A硬度はJIS K 6253に準拠して測定している。
前記イオン導電性を有するエラストマーとしては公知のイオン導電性ゴムが使用でき、イオン導電剤が添加されているエラストマーを用いても良い。イオン導電性ゴムとしては組成物中に極性基を持つゴム材料が挙げられ、具体的にはアクリロニトリルブタジエンゴム、エピハロヒドリンゴム(特にエピクロルヒドリンゴム)、クロロプレンゴム、アクリルゴム、ポリウレタンエラストマー等が挙げられる。イオン導電剤としては、例えば、テトラエチルアンモニウム、テトラブチルアンモニウム、ドデシルトリメチルアンモニウム(例えばラウリルトリメチルアンモニウム等)、オクタデシルトリメチルアンモニウム(例えばステアリルトリメチルアンモニウム等)、ヘキサデシルトリメチルアンモニウム、ベンジルトリメチルアンモニウム、変性脂肪族ジメチルエチルアンモニウム等の過塩素酸塩、塩素酸塩、塩酸塩、臭素酸塩、ヨウ素酸塩、ホウフッ化水素酸塩、硫酸塩、アルキル硫酸塩、カルボン酸塩、スルホン酸塩等;リチウム、ナトリウム、カリウム、カルシウム、マグネシウム等のアルカリ金属またはアルカリ土類金属の過塩素酸塩、塩素酸塩、塩酸塩、臭素酸塩、ヨウ素酸塩、ホウフッ化水素酸塩、硫酸塩、アルキル硫酸塩、カルボン酸塩、トリフルオロメチル硫酸塩、スルホン酸塩、ビストリフルオロメタンスルホニルイミド塩等が挙げられる。これらは単独で用いてもよいし2種以上を組み合わせて用いてもよい。
前記ポリオールとしては、物性上の理由によりリン含有ポリオールまたは水酸基末端液状ポリブタジエン等の水酸基末端液状ゴムがより好ましく、1種あるいは複数種を混合して用いることができる。
その他、上記末端イソシアネートプレポリマーは、
(1)ポリプロピレングリコールと芳香族ジイソシアネートとの反応物からなるもののみ、
(2)水酸基末端液状ゴムを主成分とするポリオールと芳香族ジイソシアネートとの反応物からなるもののみ、
(3)ポリプロピレングリコールと水酸基末端液状ゴムを主成分とするポリオールとの混合物を芳香族ジイソシアネートと反応させたもの等とすることもできる。
一方、本発明の導電性ベルトを画像形成装置内に組み込んで使用する際に、長期使用により感光体をはじめとする他の部材への汚染などの不具合を避けるため、可塑剤のような染み出しやすい物質は弾性層を構成する材料に配合しない方が好ましい。
複素弾性率は、JIS K 7198に基づき、動的歪10Hz、振幅0.2%、初期歪み10%、温度23℃の測定条件下で測定する。表層の複素弾性率を250MPa以下としているのは、これによりクリーニングブレードでの表面クリーニングや転写時の圧力などによる表層のクラック、摩耗または剥離を抑制することができ、導電性ベルトの耐久性を高めることができるからである。なお、表層の複素弾性率は30MPa以上であることが好ましく、これは30MPa未満とするとクリーニング性が悪くなることによる。
フッ素ゴムの種類は特に限定されず、フッ化ビニリデン(VdF)を主成分とするVdFとヘキサフルオロプロピレン(HFP)との共重合体、VdF−クロロトリフルオロエチレン共重合体、VdF−ペンタフルオロプロペン共重合体、VdFとHFPとテトラフルオロエチレン(TFE)との3元共重合体、TFEとプロピレンとの交互共重合体等のフッ素系エラストマーが挙げられる。これらは単独で使用しても、組み合わせて使用しても良く、さらに例えばシリコーンゴムまたはフルオロシリコーンゴム等と混合して用いることもできる。
円筒状の金型を回転させながらノズルからベース層を構成する材料を金型の外面に連続的に供給し、それと同時にノズルを金型の回転軸方向に移動させて、前記材料を均一に塗布後、硬化させることによりベース層を形成し、
ついで同一の方法でベース層上に弾性層を形成し、
その後、弾性層上に表層を塗装する製造方法を提供している。
金型の離型性を良くするため、シリコーンオイル等からなる離型剤を金型表面に塗布してもよく、または金型をセラミックスコーティングしてもよい。セラミックスとしては、ゾルゲル法でコーティングしたシリカ、アルミナ、ジルコニア、窒化ケイ素;溶射法でコーティングしたアルミナ、ジルコニア;あるいはスパッタリング法でコーティングした窒化アルミ等が挙げられる。
(V/R)<1.5(mm/回転)…(1)
上記範囲の条件で塗布を行うことにより、ノズルの液吐出口近傍での液の撹拌効果等により縞模様および凹凸の発生を防止できる。
(1)表層、弾性層、ベース層の順に遠心成形する方法、
(2)弾性層、ベース層の順に遠心成形し、脱型した後、表層を塗布する方法、
(3)ベース層のみ遠心成形し、脱型した後、弾性層、表層の順に塗布する方法などが挙げられる。
さらに、前記のように弾性層の厚さを比較的大きくする分、転写電圧が高くならないよう、弾性層の体積抵抗率およびベース層の内周面側の表面電気抵抗率が一定範囲内に制御されているので、中間転写ベルトから記録媒体への二次転写のみならず、感光体等の像保持体から中間転写ベルトへの一次転写においても転写性が極めて良好である。
加えて、表層の複素弾性率が250MPa以下であるため、表層の摩耗または剥離が抑制され、耐久性に優れている。湿式現像方式の電子写真装置の場合は、液体トナーの溶媒が導電性ベルトに浸入し、ベース層や弾性層が膨潤して、ベルトの耐久性が著しく悪くなる場合がある。しかし、表層の摩耗または剥離が抑制されれば、液体トナーの溶媒の浸入を抑えることができ、この点からもベルトの耐久性を向上することができる。表層を構成する材料としてフッ素ゴムを用いれば、液体トナーの溶媒の浸入をより効果的に防ぐことができ、ベルトの耐久性は更に向上する。
図1は本発明の一実施形態のシームレスベルトからなる導電性ベルト1を示す。この導電性ベルト1の全体形状は略円筒状のシームレスベルトである。該導電性ベルト1は可撓性に富んでいて自重等で自在に変形し得るので、種々の形状となり得る。
上記導電性ベルトは図2に示すように、ベース層3、弾性層5および表層7を順次積層した3層の積層体構造としている。該導電性ベルト1を画像形成装置の中間転写ベルトとして用いる場合、外周面9はトナー等が付着する面であり、内周面11は回転中に駆動軸等と直接接触する面となる。
弾性層5はイオン導電性を有するエラストマー製の弾性層であり、ポリプロピレングリコールと芳香族ジイソシアネートより得られる末端イソシアネートプレポリマーを主剤とし、ポリプロピレングリコールおよび芳香族ジアミンを硬化剤とする2液硬化型ウレタンゴムからなる。
表層7は水系フッ素ゴム塗料を塗装することにより形成されている。
弾性層5はJIS
A硬度が25〜50、かつ体積抵抗率が107Ω・cm(1.0×107Ω・cm以上9.9×107Ω・cm以下)とし、厚さは600〜1200μmとしている。
表層7は複素弾性率が70〜150MPaとし、厚さを5〜15μmとしている。
積層状態の導電性ベルト1の表層側から、IRHD硬さ試験マイクロ法に従って測定した硬度が40〜60である。
中間転写ベルト20は駆動ローラ24a、24bとの間に架設され、図示しない駆動機構により矢印方向に一定速度で駆動される。それぞれが帯電装置、感光体、露光装置、現像装置を備えたブラック(B)、マゼンタ(M)、シアン(C)、イエロー(Y)の4個の現像ユニット21a、21b、21c、21dが、中間転写ベルト20に沿って一列に配列され、各現像ユニット21a〜dの感光体22a、22b、22c、22dに対向する位置には、中間転写ベルト20を介在させて一次転写ロール23a、23b、23c、23dが配置されている。
中間転写ベルト20の上に形成されたフルカラーのトナー像は、転写位置において2次転写ロール25の動作により、紙に代表される記録媒体26の上に転写され、定着ユニット27で定着処理されて、フルカラーの画像が形成される。
図4に示すように円筒状の金型33を周方向に回転させながら、ベース層を構成する材料32をノズル31から連続的に供給すると同時に、ノズル31を金型の回転軸方向に移動させている。これにより、供給したベース層を構成する材料32はらせん状に巻回される。ノズル31の移動速度および金型33の回転速度を調整することにより、らせん状に巻回された液状の材料32は隣接部分が結合して均一な塗布層を形成する。この塗布工程の後、常法により塗布した液状の材料を硬化させ、ベース層を形成する。
その後、弾性層の表面に静電塗装にて、水系フッ素ゴムを塗布し、表層を形成する。
ポリアミドイミドワニス 100質量部
カーボンブラック(ファーネスブラックを使用) 7.0質量部
分散剤 0.1質量部
有量6.9%の末端プレポリマー(住化バイエルウレタン株式会社製)
・Acclaimシリーズ;ポリプロピレングリコール(住化バイエルウレタン株式会社製)
・エタキュアー300;ジメチルチオトルエンジアミン(アルベマール社製)
・制電剤;三光化学工業株式会社製「サンコノールPEO-20R」(リチウム−ビス(トリ
フルオロメタンスルホニル)イミドをポリオールに溶解した溶液)
・消泡剤;共栄社化学株式会社製「フローレンAC326F」
水系フッ素ゴム塗料(ダイキン工業株式会社製 GLS−213F)
トリメリット酸とジフェニルメタンジイソシアネートから公知の方法で合成したポリアミドイミドワニス100質量部、カーボンブラック(ファーネスブラックを使用)7.0質量部、分散剤0.1質量部をビーズミルにて均一に混合し、ベース層材料を作成した。
金型として外径20mmφのアルミニウム製円柱の外面にセラミックスをコーティングしたものを使用し、この円柱状金型を回転させながらノズルを金型外面に接触させた。この状態でノズルから上記ベース層材料を定量供給しながら、ノズルを金型の回転軸方向に一定速度で移動させて前記材料の塗布を行った。このとき、ローター回転数6rpm、(V/R)=1.17(mm/回転)(式中、Vは移動速度(mm/秒)、Rは金型の回転数(回転/秒)を示す。)の条件で塗布した。ノズルには、内径2mm、外径4mmのPTFE製チューブを使用した。図5に示すようにノズル31の先端は45度に切り落とし、切り落とした面の中央部が金型33の外面に接しながら金型の軸方向に移動するようにノズル位置を設定した。
次いで、金型を回転させながら400℃まで段階的に加熱し、冷却することにより材料を硬化させ、厚さ80μmのベース層を形成した。
表2に示した硬化剤に含まれる成分を表2の割合でまず混合し、得られた硬化剤と主剤を表2に記載の割合で混合して、弾性層材料1〜4を作成した。かかる材料をベース層作製時と同じ装置を用いてベース層上に塗工し、弾性層を形成した。ついで、ベース層上に弾性層材料を塗工したベルトを150℃で1時間加熱し、弾性層を硬化させた。弾性層の厚さは表1に記載の通りである。
弾性層上に静電塗装にて表層材料を塗布し、厚さ10μmの表層を形成した。
(1)引張弾性率;JIS K 7113に従って測定した。
(2)表面抵抗率;株式会社ダイヤインスツルメンツ製「ハイレスタUP MCP−HT450型」を用い、URSプローブにて、印加電圧250V、測定時間10秒の条件で測定した。測定環境は温度23℃、相対湿度55%であった。
(3)体積抵抗率;株式会社ダイヤインスツルメンツ製「ハイレスタUP MCP−HT450型」を用い、URSプローブにて、印加電圧250V、測定時間10秒の条件で測定した。測定環境は温度23℃、相対湿度55%であった。
(4)硬度;JIS K 6253(1993)に従って測定し、タイプAを用いた。
(5)複素弾性率;JIS K 7198に基づき、動的歪10Hz、振幅2%、初期歪み10%、温度23℃の測定条件下で測定した。測定装置としてレオロジー社製DVE−V4を用いた。
(6)ベルト硬度;ベルトの一部を切り取り、表層側からIRHD硬さ試験法のマイクロ法に従って測定した。
実施例および比較例で作製した導電性ベルトの各々をカラーレーザービームプリンター(パナソニックコミュニケーションズ株式会社製「WORKIO KX−CL500」)に中間転写ベルトとして装着した。
前記プリンターを用いて、黒ベタ画像を2種類の紙に印刷した。用いた紙は、凹凸の比較的小さな紙(フォックスリバー社(米国)製「キャピタルボンド」)(以下、紙種Aとする。)と、凹凸の比較的大きな紙(ストラスモア社(米国)製「ストラスモア ライティング レイド」)(以下、紙種Bとする。)である。
紙に印刷された黒ベタ画像に白抜けが発生しているか否かにより、導電性ベルトのトナー転写性を評価した。すなわち、黒ベタ画像が紙の凹部まで完全に転写されていたものは「○」と、わずかに白抜けが発生していたものは「△」と、白抜けが発生していたものは「×」とした。
紙種 実施例1 実施例2 実施例3 比較例1 比較例2 比較例3 比較例4
A ○ ○ ○ × △ ○ △
B ○ ○ ○ × × × ×
3 ベース層
5 弾性層
7 表層
9 外周面
11 内周面
20 中間転写ベルト
21a〜d 現像ユニット
22a〜d 現像ユニット内の感光体
23a〜d 一次転写ロール
24a,b 駆動軸
25 2次転写ロール
26 記録媒体(紙)
27 定着ユニット
31 ノズル
32 ベース層を構成する材料
33 金型
Claims (5)
- ベース層、弾性層および表層の少なくとも3層が内周面から外周面に向かって順次積層されている導電性ベルトであって、
IRHD硬さ試験マイクロ法により積層状態の前記ベルトの表層側から測定した硬度が60以下であり、
さらに、前記ベース層は、厚さ50〜150μmで、引張弾性率が2000MPa以上かつ内周面側の表面電気抵抗率が106Ω/□以上1011Ω/□以下であり、
前記弾性層は、厚さが400〜1500μmで、JIS
A硬度が60以下かつ体積抵抗率が106Ω・cm以上108Ω・cm以下であり、
前記表層は、厚さが3〜30μmで、複素弾性率が250MPa以下であることを特徴とする導電性ベルト。 - 前記ベース層は電子導電剤が配合されたポリイミドまたはポリアミドイミドを含む樹脂からなり、
前記弾性層はイオン導電性を有するポリウレタンエラストマーからなり、
前記表層はフッ素ゴムからなる請求項1に記載の導電性ベルト。 - 電子写真方式の画像形成装置の中間転写ベルトとして用いられる請求項1または請求項2に記載の導電性ベルト。
- 請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載の導電性ベルトを備えている画像形成装置。
- 請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載の導電性ベルトの製造方法であって、
円筒状の金型を回転させながらノズルからベース層を構成する材料を金型の外面に連続的に供給し、同時に前記ノズルを金型の回転軸方向に移動させて、前記材料を均一に塗布した後、硬化させてベース層を形成し、
ついで、同一の方法でベース層の表面に弾性層を形成し、
その後、前記弾性層の表面に表層材料を塗装して表層を形成することを特徴とする導電性ベルトの製造方法。
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