JP2006178232A - 導電性ベルトおよび導電性ベルトの製造方法 - Google Patents

導電性ベルトおよび導電性ベルトの製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】 表面の凹凸の大きな記録媒体への二次転写性に優れ、凹部分にもきれいに画像を転写することができる導電性ベルトを提供する。
【解決手段】 ベース層、弾性層および表層の少なくとも3層が内周面から外周面に向かって順次積層されている導電性ベルトであって、IRHD硬さ試験マイクロ法により積層状態の前記ベルトの表層側から測定した硬度が60以下であり、前記ベース層は、厚さ50〜150μmで、引張弾性率が2000MPa以上かつ内周面側の表面電気抵抗率が10Ω/□以上1011Ω/□以下で、前記弾性層は、厚さが400〜1500μmで、JIS
A硬度が60以下かつ体積抵抗率が10Ω・cm以上10Ω・cm以下、前記表層は、厚さが3〜30μm、複素弾性率が250MPa以下である。
【選択図】 図1

Description

本発明は、ベース層、弾性層および表層の少なくとも3層が内周面から外周面に向かって順次積層されている導電性ベルト、該導電性ベルトの製造方法および該導電性ベルトを装着している画像形成装置に関する。本発明の導電性ベルトは電子写真方式の画像形成装置における中間転写ベルトとして好適に用いられ、前記画像形成装置においては粉体トナーのみならず液体トナーも使用することができる。
正または負に帯電された感光体等の像保持体の表面を露光することで画像情報に応じた静電潜像を形成し、この潜像を現像装置により帯電したトナーを用いてトナー像として現像し、この可視化されたトナー像を紙などの記録媒体に静電気的に写し取り、トナーを加熱溶融することで記録媒体に定着させて所定の画像を得ることができる電子写真方式の画像形成装置については盛んに開発が行われており、レーザープリンター、複写機およびファクシミリ等に応用されている。
近年では、カラートナーにより感光体等の像保持体上に形成されたトナー像を別途作像された他色のトナー像に中間転写体上で順次重ね合わせ(以下、一次転写と呼ぶ)、中間転写体上に形成されたカラートナー画像を記録媒体に一括転写(以下、二次転写と呼ぶ)することで、所望のカラー画像を得ることができるカラー画像形成装置が多く市販されている。
このようなカラー画像形成装置では、各色のトナー像にズレが生じないように、中間転写体としてポリイミドやポリカーボネートなどの比較的硬質な材料のベルトが使われている。
さらに、近年では種々の中間転写ベルトが開発されている。
例えば、特許第3248455号(特許文献1)には、ヤング率の大きい樹脂材料で構成された基材と、弾性材料層と、非粘着性材料からなり体積抵抗率を特定の範囲に設定した表面層との積層構造を有する中間転写ベルトが記載されている。
特開2001−312159号公報(特許文献2)には、所定の硬度の弾性層を有する中間転写ベルトが記載されている。
特開2002−229345号公報(特許文献3)には、所定の引張弾性率と電子導電性により所定の体積抵抗率を有する樹脂製のベース層と、所定の硬度、電気抵抗値および厚みを有するイオン導電性エラストマー製の中間層と、樹脂製の表面コーティング層とを備えた導電性ベルトが記載されている。
ポリイミドやポリカーボネートの単層ベルトおよび特許文献1〜3に記載のベルトを用いた場合、カラー画像形成にあたりトナー像の重ね合わせ時に懸念される色ズレは起こりにくい。
しかし、電子写真方式の画像形成装置はインクジェット方式のものに比べ、記録媒体として多品種の紙が使用できる特性を有することが一般的に認められており、この特性を生かすことが求められているが、上記ベルトはこの特性を十分に発揮できていない。具体的には、フォックスリバー社(米国)製「キャピタルボンド」、ニーナ社(米国)製「クラシックレイド ライティング」、ストラスモア社(米国)製「ストラスモア ライティング レイド」などに代表される表面の凹凸の大きな紙を記録媒体として用いる場合、中間転写ベルト上に形成されたカラー像を記録媒体に転写する2次転写の際に、紙の凹部にまでトナーが転写されず、白抜けしてしまう現象、いわゆる二次転写不良が見られる。
そこで、本出願人は、ベルトの外表面において厚み方向への適度な柔軟性を持たせることにより、像保持体からのトナー像の転写性および記録媒体への転写性を向上させた導電性ベルトを開発した(特願2003−373640(特許文献4))。
しかし、かかる導電性ベルトにおいても、上記紙種のうち比較的凹凸の小さいフォックスリバー社(米国)製「キャピタルボンド」への二次転写は良好であるが、さらに凹凸の大きなニーナ社(米国)製「クラシックレイド ライティング」およびストラスモア社(米国)製「ストラスモア ライティング レイド」への二次転写は不十分であり、導電性ベルトの二次転写性をさらに向上させる余地があった。
特許第3248455号 特開2001−312159号公報 特開2002−229345号公報 特願2003−373640
前記問題に鑑みて、本発明は表面の凹凸の大きな記録媒体への二次転写性に優れ、凹部分にもきれいに画像を転写することができる導電性ベルト、特に中間転写ベルトとして好適に用いられる導電性ベルトを提供することを課題としている。
前記課題を解決するため、本発明は、ベース層、弾性層および表層の少なくとも3層が内周面から外周面に向かって順次積層されている導電性ベルトであって、
IRHD硬さ試験マイクロ法により積層状態の前記ベルトの表層側から測定した硬度が60以下であり、
さらに、前記ベース層は、厚さ50〜150μmで、引張弾性率が2000MPa以上かつ内周面側の表面電気抵抗率が10Ω/□以上1011Ω/□以下であり、
前記弾性層は、厚さが400〜1500μmで、JIS
A硬度が60以下かつ体積抵抗率が10Ω・cm以上10Ω・cm以下であり、
前記表層は、厚さが3〜30μmで、複素弾性率が250MPa以下であることを特徴とする導電性ベルトを提供している。
本発明者は、ベース層、弾性層および表層の少なくとも3層が内周面から外周面に向かって順次積層されている導電性ベルトにおいて、弾性層の厚さを400〜1500μmと比較的大きくするとともに、弾性層のJIS
A硬度を60以下、IRHD硬さ試験マイクロ法により積層状態の前記ベルトの表層側から測定した硬度を60以下にするという硬度に関する2つの条件を満たすことにより、凹凸の大きな紙を記録媒体として用いても凹部で白抜けが発生するのを抑えることができることを知見した。
前記のように弾性層の厚さを400〜1500μmと比較的大きくする分、転写電圧が高くならないよう、弾性層の体積抵抗率を10Ω・cm以上10Ω・cm以下としている。さらに、一次転写および二次転写における転写性を向上させるために、ベース層の内周面側の表面電気抵抗率を10Ω/□以上1011Ω/□以下としている。
さらに、表層の摩耗または剥離が抑制し、耐久性を向上させるために、表層の複素弾性率を250MPa以下としている。
本発明においては、ベース層、弾性層および表層の少なくとも3層が内周面から外周面に向かって順次積層されている積層状態の導電性ベルトの表層側からIRHD硬さ試験マイクロ法に従って測定した硬度を60以下としている。
前記硬度を60以下とすることにより、2次転写時におけるベルトと記録媒体の間のニップ幅が広がり、ベルト表面と記録媒体とが柔らかく接触するので、凹凸の大きな記録媒体への二次転写性が良好になる。さらに、下記に詳述するように弾性層の厚みを比較的大きくするとベルトを駆動軸に張架した際にベルト表面に発生する歪みは大きくなるが、前記硬度を60以下と低くすることで、追従性を向上させることができ、前記問題点を改善することができる。
IRHD硬さ試験マイクロ法による硬度測定は、積層状態の導電性ベルトから一部を切り取り試験片とし、JIS K 6253に準拠して行う。
また、本発明の導電性ベルトでは、ベース層の引張弾性率が2000Mpa以上となっている。これにより、ベルトの伸びが押さえられ、ベルトスピードの変化を少なくすることが可能となり、ひいては近年の画像形成装置の高速化に十分対応できるとともに、カラープリンターやカラー複写機においては画像の色ずれを防止できる。
ベース層の引張弾性率は、2300MPa以上がより好ましく、上限は特に限定されないが通常8000MPa以下とされる。該引張弾性率はJIS K 7113に従って測定する。
また、本発明の導電性ベルトでは、ベース層の表面電気抵抗率を10Ω/□以上1011Ω/□以下とし、該ベース層の表側に積層される弾性層の体積抵抗率を10Ω・cm以上10Ω・cm以下としている。
前記設定とすることにより、下記に詳述するように弾性層の厚みを比較的大きくしても、中間転写ベルトとして用いた場合に一次転写および二次転写のいずれにおいても優れた転写性を発揮できる適度な導電性を付与することができる。
表面電気抵抗率および体積抵抗率の測定は、株式会社ダイヤインスツルメンツ製「ハイレスタUP MCP−HT450型」を用い、URSプローブにて、印加電圧250V、測定時間10秒の条件で行う。測定環境は温度23℃、相対湿度55%とする。
ベース層の表面電気抵抗率を10Ω/□以上としているのは、10Ω/□未満であるとベルトの帯電特性が悪くなり、帯電したトナーの電荷が移動し易くなり、転写するトナー像に乱れが生じるためである。ベース層の表面電気抵抗率を1011Ω/□以下としているのは、1011Ω/□を越えると1次転写に大きな転写電圧が必要となり転写効率が悪くなる上に、ベルトの除電が困難となり、ベルト上に残留した余分なトナーのクリーニング性が悪くなるためである。より好ましくは、ベース層の表面電気抵抗率は10Ω/□以上1010Ω/□以下である。
弾性層の体積抵抗率を10Ω・cm以上としているのは、10Ω・cm未満であるとベルトの帯電特性が悪くなり、帯電したトナーの電荷が移動し易くなり、転写するトナー像に乱れが生じるためである。弾性層の体積抵抗率を10Ω・cm以下としているのは、10Ω・cmを越えると1次転写に大きな転写電圧が必要となり転写効率が悪くなるためである。
本発明の導電性ベルトでは、ベース層の厚みを50〜150μmとしている。50μm以上とするのは、周方向の伸びを規制するに足る強度を保持してベルトスピードの変動を抑制し良好な画像を得るためである。一方、150μm以下とするのは、ベース層における亀裂の発生を防ぐためである。より好ましくは、ベース層の厚みは70〜110μmである。
ベース層を構成する材料は、上記物性を示すことができれば特に限定されないが、樹脂製であることが好ましい。ベース層を構成し得る樹脂としては、ポリイミド樹脂、ポリアミドイミド樹脂、ポリエーテルイミド樹脂、シリコーンイミド樹脂、ウレタンイミド樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリウレア樹脂、エポキシ樹脂、メラニン樹脂、不飽和ポリエステル樹脂またはビニルエステル樹脂等が挙げられる。なかでもポリイミド樹脂、ポリアミドイミド樹脂、ポリウレタン樹脂またはポリウレア樹脂が好適であり、特にポリイミド樹脂またはポリアミドイミド樹脂が好ましい。
ベース層の構成材料には、表面電気抵抗率を上記一定範囲内とするため電子導電剤が配合されている。電子導電剤としては、ケッチェンブラック、ファーネスブラックもしくはアセチレンブラック等のカーボンブラック、酸化亜鉛、チタン酸カリウム、アンチモンドープ酸化チタン、酸化スズもしくはグラファイト等の導電性金属酸化物またはカーボン繊維等の電子導電剤が使用される。なかでも電子導電剤としてカーボンブラックを用いることが好ましい。電子導電剤の配合量は電子導電剤の種類やベース層を構成する樹脂の種類によるので一概には言えないが、一般的には樹脂固形分100質量部に対して約1〜50質量部程度、さらに好ましくは約3〜40質量部程度である。
本発明の導電性ベルトにおいては、弾性層のJIS A硬度を60以下としている。
JIS A硬度が60を越えると、転写時のニップ幅が十分にとれず、凹凸の大きな紙を記録媒体として用いる場合、紙の凹部で白抜けが発生し得る。硬度が低くなりすぎると弾性層の形状保持性が悪くなるため、下限は25程度とするのが好ましい。JIS
A硬度はJIS K 6253に準拠して測定している。
前記弾性層の厚みは400〜1500μmとしている。弾性層の厚みが400μm未満であると、転写時のニップ幅が十分にとれず、凹凸の大きな紙を記録媒体として用いる場合、紙の凹部で白抜けが発生し得る。一方、弾性層の厚みが1500μmを超えると、ベルトの重量が大きくなりすぎて、駆動時にかかる機械的負担が大きくなりすぎる。弾性層の厚みは500〜1200μmとすることがより好ましい。
前記弾性層はエラストマー製とし、該エラストマーは上記一定範囲の体積抵抗率を示す限り、イオン導電性を有するエラストマーまたは電子導電性を有するエラストマーのいずれであってもよい。しかし電気抵抗の均一性に優れていることから、イオン導電性を有するエラストマーであることが好ましい。
前記イオン導電性を有するエラストマーとしては公知のイオン導電性ゴムが使用でき、イオン導電剤が添加されているエラストマーを用いても良い。イオン導電性ゴムとしては組成物中に極性基を持つゴム材料が挙げられ、具体的にはアクリロニトリルブタジエンゴム、エピハロヒドリンゴム(特にエピクロルヒドリンゴム)、クロロプレンゴム、アクリルゴム、ポリウレタンエラストマー等が挙げられる。イオン導電剤としては、例えば、テトラエチルアンモニウム、テトラブチルアンモニウム、ドデシルトリメチルアンモニウム(例えばラウリルトリメチルアンモニウム等)、オクタデシルトリメチルアンモニウム(例えばステアリルトリメチルアンモニウム等)、ヘキサデシルトリメチルアンモニウム、ベンジルトリメチルアンモニウム、変性脂肪族ジメチルエチルアンモニウム等の過塩素酸塩、塩素酸塩、塩酸塩、臭素酸塩、ヨウ素酸塩、ホウフッ化水素酸塩、硫酸塩、アルキル硫酸塩、カルボン酸塩、スルホン酸塩等;リチウム、ナトリウム、カリウム、カルシウム、マグネシウム等のアルカリ金属またはアルカリ土類金属の過塩素酸塩、塩素酸塩、塩酸塩、臭素酸塩、ヨウ素酸塩、ホウフッ化水素酸塩、硫酸塩、アルキル硫酸塩、カルボン酸塩、トリフルオロメチル硫酸塩、スルホン酸塩、ビストリフルオロメタンスルホニルイミド塩等が挙げられる。これらは単独で用いてもよいし2種以上を組み合わせて用いてもよい。
なかでも、弾性層を構成するエラストマーはポリウレタンエラストマーを50〜100質量部の割合で主成分として含んでいることが好ましい。該ポリウレタンエラストマーとして、ポリプロピレングリコールまたは/および水酸基末端液状ゴムを主成分とするポリオールと芳香族ジイソシアネートとから得られる末端イソシアネートプレポリマーを主剤とし、これを硬化剤である芳香族ジアミンまたは/およびポリオールで硬化させてなるポリウレタンエラストマーを用いることがより好ましい。低硬度を実現しやすく難燃性も付与しやすい上に、比較的低コストで製造することができるからである。
前記水酸基末端液状ゴムとしては、例えば水酸基末端液状ポリブタジエン、水酸基末端液状ポリイソプレン、水酸基末端液状スチレン−ブタジエンゴム、水酸基末端液状アクリロニトリル−ブタジエンゴム、液状ポリ(オキシプロピレン)グリコール、液状ポリ(オキシテトラメチレン)グリコール、液状ポリオレフィングリコールまたは水酸基末端液状シリコーンゴム等が用いられ、中でも水酸基末端液状ポリブタジエンが物性のバランス面から好適に用いられる。
前記ポリオールとしては、物性上の理由によりリン含有ポリオールまたは水酸基末端液状ポリブタジエン等の水酸基末端液状ゴムがより好ましく、1種あるいは複数種を混合して用いることができる。
前記末端イソシアネートプレポリマーは、ポリプロピレングリコールと芳香族ジイソシアネートとの反応物、および、水酸基末端液状ゴムを主成分とするポリオールと芳香族ジイソシアネートとの反応物の2つの反応物を混合してなるものとするのが好ましい。これにより電気抵抗のばらつきをさらに低減することができる。
その他、上記末端イソシアネートプレポリマーは、
(1)ポリプロピレングリコールと芳香族ジイソシアネートとの反応物からなるもののみ、
(2)水酸基末端液状ゴムを主成分とするポリオールと芳香族ジイソシアネートとの反応物からなるもののみ、
(3)ポリプロピレングリコールと水酸基末端液状ゴムを主成分とするポリオールとの混合物を芳香族ジイソシアネートと反応させたもの等とすることもできる。
弾性層にポリウレタンエラストマーを用いるに際して、弾性層のJIS A硬度を本発明が規定するように60以下に下げるためには、末端イソシアネートプレポリマーに長鎖の直鎖状ポリオールを導入したり、プレポリマーに対して架橋硬化反応をする両末端アミン化合物の割合を減らしたりするなどの手法を用いることができる。
前記イオン導電性を有するエラストマーには、電気抵抗のばらつきを生じない範囲内で電子導電性剤により補助的に導電性を付与してもよい。これにより電気抵抗の環境依存性を小さくすることができる。電子導電剤の添加量は適宜選択すればよいが、印加電圧250V、温度23℃、相対湿度55%の条件下における電子導電剤が補助的に付与された弾性層の体積抵抗率をR、同条件下での電子導電性剤を配合していない弾性層の体積抵抗率をR1とし、Log(R)−Log(R1)=Log(R2)とすると、0.1≦Log(R2)≦5程度、好ましくは0.2≦Log(R2)≦3程度、さらに好ましくは0.3≦Log(R2)≦2程度となる条件で補助的に電子導電性剤を配合するのがよい。
前記弾性層を構成するエラストマーに電子導電剤を配合する場合には、前記ベース層と同様に、ケッチェンブラック、ファーネスブラックもしくはアセチレンブラック等のカーボンブラック、酸化亜鉛、チタン酸カリウム、アンチモンドープ酸化チタン、酸化スズもしくはグラファイト等の導電性金属酸化物またはカーボン繊維等の電子導電剤が使用される。
また、弾性層を構成する材料には各種ポリオールや分子量調整のための添加剤、ベルト状に加工する際の加工性を向上させる消泡剤やレベリング剤、硬化剤等を配合することもできる。なかでも難燃性化合物を配合することが好ましい。難燃性化合物としては、リン系化合物、ハロゲン化合物、リン酸エステル系化合物、赤リン系化合物、水酸化マグネシウム系化合物、水酸化アルミニウム系化合物、難燃性ポリマーグラフトポリオール等の難燃剤が挙げられる。特にリン系化合物もしくはハロゲン化合物等の反応性を有する難燃性化合物を用いることが好ましい。このように反応性を有する難燃性化合物を配合することにより、難燃性を付与できるとともに、ブリードによる感光体汚染やトナーの付着等の問題を低減することができる。
一方、本発明の導電性ベルトを画像形成装置内に組み込んで使用する際に、長期使用により感光体をはじめとする他の部材への汚染などの不具合を避けるため、可塑剤のような染み出しやすい物質は弾性層を構成する材料に配合しない方が好ましい。
本発明においては、表層の複素弾性率を250MPa以下、好ましくは200MPa以下、より好ましくは150MPa以下としている。
複素弾性率は、JIS K 7198に基づき、動的歪10Hz、振幅0.2%、初期歪み10%、温度23℃の測定条件下で測定する。表層の複素弾性率を250MPa以下としているのは、これによりクリーニングブレードでの表面クリーニングや転写時の圧力などによる表層のクラック、摩耗または剥離を抑制することができ、導電性ベルトの耐久性を高めることができるからである。なお、表層の複素弾性率は30MPa以上であることが好ましく、これは30MPa未満とするとクリーニング性が悪くなることによる。
前記表層の厚みは3〜30μmとしている。3μm以上としているのは、使用中に表層が摩滅してトナー粒子の離脱性が低減することを防ぐためである。30μm以下としているのは、表層の形成に要する時間と手間を省き、製造コストの低廉化を図るためである。このましくは、表層の厚みは5〜20μmである。
前記表層を構成する材料は、前記一定範囲の複素弾性率を発揮できるものであれば特に限定されないが、フッ素ゴムを用いることが好ましい。トナーとして液体トナーを用いる湿式現像方式の画像形成装置の場合でも、フッ素ゴムは液体トナーの溶媒として用いられるパラフィン系溶媒に対して安定で膨潤しないため、十分な耐久性を保持できる。
フッ素ゴムの種類は特に限定されず、フッ化ビニリデン(VdF)を主成分とするVdFとヘキサフルオロプロピレン(HFP)との共重合体、VdF−クロロトリフルオロエチレン共重合体、VdF−ペンタフルオロプロペン共重合体、VdFとHFPとテトラフルオロエチレン(TFE)との3元共重合体、TFEとプロピレンとの交互共重合体等のフッ素系エラストマーが挙げられる。これらは単独で使用しても、組み合わせて使用しても良く、さらに例えばシリコーンゴムまたはフルオロシリコーンゴム等と混合して用いることもできる。
前記表層はイオン導電性とし、非電子導電性とすることが好ましく、これにより表面電気抵抗の局部的バラツキをなくすことができる。該表層は、トナーの受け渡しを良好とするために、250V印加時における体積電気抵抗率を1010Ω・cm程度以上1015Ω・cm程度以下に調整することが好ましい。なお、表層は絶縁性としてもよい。
本発明は、前記構成からなる導電性ベルトの製造方法として、
円筒状の金型を回転させながらノズルからベース層を構成する材料を金型の外面に連続的に供給し、それと同時にノズルを金型の回転軸方向に移動させて、前記材料を均一に塗布後、硬化させることによりベース層を形成し、
ついで同一の方法でベース層上に弾性層を形成し、
その後、弾性層上に表層を塗装する製造方法を提供している。
以下に、前記製造方法について詳述する。
金型の離型性を良くするため、シリコーンオイル等からなる離型剤を金型表面に塗布してもよく、または金型をセラミックスコーティングしてもよい。セラミックスとしては、ゾルゲル法でコーティングしたシリカ、アルミナ、ジルコニア、窒化ケイ素;溶射法でコーティングしたアルミナ、ジルコニア;あるいはスパッタリング法でコーティングした窒化アルミ等が挙げられる。
ベース層を形成するに際し、ベース層を構成する材料を供給するノズルはその液吐出口を金型に接触させ、かつノズル移動速度V(mm/秒)と筒状金型の回転数R(回転/秒)の関係を下式(1)としている。
(V/R)<1.5(mm/回転)…(1)
上記範囲の条件で塗布を行うことにより、ノズルの液吐出口近傍での液の撹拌効果等により縞模様および凹凸の発生を防止できる。
低コスト化を考えた場合、塗布時間は短いほうが好ましい。金型の回転数を上げることにより塗布時間を短くすることができるが、遠心力により液が飛散しないようにする必要があるため金型の回転数には上限がある。そこで、ノズルの液吐出口を管状でその壁厚を0.3〜3.0mm程度、より好ましくは0.5〜2.0mm程度として、塗布時間を短縮しつつ縞模様および凹凸が発生しないようにしている。
弾性層は、上記ベース層の形成方法と全く同様にして、ベース層上に形成することができる。ベース層上に弾性層を形成した後、弾性層と表層の接着性を向上させるために、弾性層表面にプライマーを塗布しても良い。
弾性層上に表層を構成する材料を塗装する方法としては、ロールコータもしくはバーコートによる塗装、スプレー塗装、静電塗装、ディップ塗装等が挙げられるが、比較的薄く均一に塗布する必要があることから静電塗装が好ましい。塗装の際にはフッ素ゴムエマルジョンを塗料化した水系フッ素ゴム塗料や、有機溶剤にフッ素ゴムを溶解させた溶剤系フッ素ゴム塗料を用いることが好ましい。
前記製造方法によれば、各層の厚さの精度が良好で材料ロスが小さいという利点がある。さらに、ノズルからの材料の供給量やノズルの回転軸方向への移動速度などを調整することにより、軸方向に厚みが変化するベルトを得ることができるという利点もある。さらに、ベース層を構成する材料または弾性層を構成する材料が2液混合タイプの材料である場合、所望の割合で2液を混合し、ノズルに供給することができる装置を用いることができ、これにより生産工程の効率化を図ることができる。
なお、本発明の導電性ベルトの製造方法は前記方法に限定されず、従来公知の方法で製造していもよい。例えば、
(1)表層、弾性層、ベース層の順に遠心成形する方法、
(2)弾性層、ベース層の順に遠心成形し、脱型した後、表層を塗布する方法、
(3)ベース層のみ遠心成形し、脱型した後、弾性層、表層の順に塗布する方法などが挙げられる。
以上、ベース層、弾性層および表層の3層からなる導電性ベルトについて説明してきたが、本発明の導電性ベルトは少なくともベース層、弾性層および表層の3層を有すれば、3層以上の積層構造を有していてもよい。例えば、ベース層と弾性層または/および弾性層と表層の間に他の層が挟まれて存在していても良い。
本発明の導電性ベルトは、レーザービームプリンター、インクジェットプリンター、複写機、ファクシミリまたはATMなどの電子写真方式の画像形成装置における中間転写ベルトとして好適に用いることができる。なかでも、電子写真方式のカラープリンター、カラーコピー機の中間転写体として用いることがより好ましい。前記画像形成装置は粉体トナーを使用する乾式現像方式の画像形成装置または液体トナーを使用する湿式現像方式の画像形成装置のいずれであってもよい。なお、電子写真方式の画像形成装置とは、像担持体上に形成された静電潜像をトナーにより現像し、このトナー像を中間転写ベルトに一次転写し、必要に応じて複数色のトナー像を中間転写ベルト上で重ね合わせた後、紙などの記録媒体に2次転写することで所望の画像を得ることができる装置である。
本発明においては、弾性層の厚さを比較的大きくし、かつ弾性層の硬度およびベルト全体の硬度をやや低めに抑えることにより、2次転写時におけるベルトと記録媒体の間のニップ幅が広がり、凹凸の大きな紙を記録媒体として用いても紙の凹部での白抜けの発生を抑え、良好な画像を得ることができる。
さらに、前記のように弾性層の厚さを比較的大きくする分、転写電圧が高くならないよう、弾性層の体積抵抗率およびベース層の内周面側の表面電気抵抗率が一定範囲内に制御されているので、中間転写ベルトから記録媒体への二次転写のみならず、感光体等の像保持体から中間転写ベルトへの一次転写においても転写性が極めて良好である。
加えて、表層の複素弾性率が250MPa以下であるため、表層の摩耗または剥離が抑制され、耐久性に優れている。湿式現像方式の電子写真装置の場合は、液体トナーの溶媒が導電性ベルトに浸入し、ベース層や弾性層が膨潤して、ベルトの耐久性が著しく悪くなる場合がある。しかし、表層の摩耗または剥離が抑制されれば、液体トナーの溶媒の浸入を抑えることができ、この点からもベルトの耐久性を向上することができる。表層を構成する材料としてフッ素ゴムを用いれば、液体トナーの溶媒の浸入をより効果的に防ぐことができ、ベルトの耐久性は更に向上する。
以下、本発明の実施形態を説明する。
図1は本発明の一実施形態のシームレスベルトからなる導電性ベルト1を示す。この導電性ベルト1の全体形状は略円筒状のシームレスベルトである。該導電性ベルト1は可撓性に富んでいて自重等で自在に変形し得るので、種々の形状となり得る。
上記導電性ベルトは図2に示すように、ベース層3、弾性層5および表層7を順次積層した3層の積層体構造としている。該導電性ベルト1を画像形成装置の中間転写ベルトとして用いる場合、外周面9はトナー等が付着する面であり、内周面11は回転中に駆動軸等と直接接触する面となる。
ベース層3は電子導電性を有する樹脂製の剛性層からなり、ポリアミドイミド樹脂を主成分とし電子導電性剤であるカーボンブラックを配合されている。
弾性層5はイオン導電性を有するエラストマー製の弾性層であり、ポリプロピレングリコールと芳香族ジイソシアネートより得られる末端イソシアネートプレポリマーを主剤とし、ポリプロピレングリコールおよび芳香族ジアミンを硬化剤とする2液硬化型ウレタンゴムからなる。
表層7は水系フッ素ゴム塗料を塗装することにより形成されている。
ベース層3は引張弾性率が2300〜3500Mpa、かつ内周面側の表面電気抵抗率が10Ω/□(1.0×10Ω/□以上9.9×10Ω/□以下)とし、厚さは約70〜90μmとしている。
弾性層5はJIS
A硬度が25〜50、かつ体積抵抗率が10Ω・cm(1.0×10Ω・cm以上9.9×10Ω・cm以下)とし、厚さは600〜1200μmとしている。
表層7は複素弾性率が70〜150MPaとし、厚さを5〜15μmとしている。
積層状態の導電性ベルト1の表層側から、IRHD硬さ試験マイクロ法に従って測定した硬度が40〜60である。
前記導電性ベルト1は図3に示すようなタンデム方式のフルカラー画像形成装置の中間転写ベルト20として使用することができる。
中間転写ベルト20は駆動ローラ24a、24bとの間に架設され、図示しない駆動機構により矢印方向に一定速度で駆動される。それぞれが帯電装置、感光体、露光装置、現像装置を備えたブラック(B)、マゼンタ(M)、シアン(C)、イエロー(Y)の4個の現像ユニット21a、21b、21c、21dが、中間転写ベルト20に沿って一列に配列され、各現像ユニット21a〜dの感光体22a、22b、22c、22dに対向する位置には、中間転写ベルト20を介在させて一次転写ロール23a、23b、23c、23dが配置されている。
中間転写ベルト20の上に形成されたフルカラーのトナー像は、転写位置において2次転写ロール25の動作により、紙に代表される記録媒体26の上に転写され、定着ユニット27で定着処理されて、フルカラーの画像が形成される。
前記導電性ベルト1は図4および図5に示す製造装置により製造している。
図4に示すように円筒状の金型33を周方向に回転させながら、ベース層を構成する材料32をノズル31から連続的に供給すると同時に、ノズル31を金型の回転軸方向に移動させている。これにより、供給したベース層を構成する材料32はらせん状に巻回される。ノズル31の移動速度および金型33の回転速度を調整することにより、らせん状に巻回された液状の材料32は隣接部分が結合して均一な塗布層を形成する。この塗布工程の後、常法により塗布した液状の材料を硬化させ、ベース層を形成する。
前記ベース層を構成する材料32を金型33に塗布するノズル31は、図5に示すように、液吐出口を管状とし、その先端を斜めとし、かつ、壁厚を0.3〜3.0mm程度、より好ましくは0.5〜2.0mm程度としている。また、前記ノズル(液吐出口)の内径は0.5〜5mm、好ましくは1〜3mm程度としている。前記ノズル31の液吐出口の中央部が金型33の外面に接しながら金型の回転軸方向に移動するように設定し、ノズル31の液吐出口と金型33に塗布された材料が接触されている。ノズル移動速度V(mm/秒)と金型の回転数R(回転/秒)とは、0.85<(V/R)<1.5の関係を満たすように設定し、ノズル液吐出口近傍での液の撹拌効果等による縞模様および凹凸の発生を防止している。
ついで、弾性層を構成する材料を、上記ベース層の表面に同一の方法で塗布して、弾性層を形成する。
その後、弾性層の表面に静電塗装にて、水系フッ素ゴムを塗布し、表層を形成する。
(実施例)
下記表1に示す実施例1〜3および比較例1〜4の導電性ベルトを作成した。なお、比較例1の導電性ベルトは、弾性層および表層を有さないベース層のみからなる単層の導電性ベルトである。
Figure 2006178232
ベース層材料
ポリアミドイミドワニス 100質量部
カーボンブラック(ファーネスブラックを使用) 7.0質量部
分散剤 0.1質量部
弾性層材料(表中の数字は質量部を示す。)
Figure 2006178232
・主剤;ポリプロピレングリコールとトリレンジイソシアネートから得られるNCO含
有量6.9%の末端プレポリマー(住化バイエルウレタン株式会社製)
・Acclaimシリーズ;ポリプロピレングリコール(住化バイエルウレタン株式会社製)
・エタキュアー300;ジメチルチオトルエンジアミン(アルベマール社製)
・制電剤;三光化学工業株式会社製「サンコノールPEO-20R」(リチウム−ビス(トリ
フルオロメタンスルホニル)イミドをポリオールに溶解した溶液)
・消泡剤;共栄社化学株式会社製「フローレンAC326F」
表層材料
水系フッ素ゴム塗料(ダイキン工業株式会社製 GLS−213F)
実施例1〜3および比較例1〜4の導電性ベルトは、以下のように作製した。
トリメリット酸とジフェニルメタンジイソシアネートから公知の方法で合成したポリアミドイミドワニス100質量部、カーボンブラック(ファーネスブラックを使用)7.0質量部、分散剤0.1質量部をビーズミルにて均一に混合し、ベース層材料を作成した。
金型として外径20mmφのアルミニウム製円柱の外面にセラミックスをコーティングしたものを使用し、この円柱状金型を回転させながらノズルを金型外面に接触させた。この状態でノズルから上記ベース層材料を定量供給しながら、ノズルを金型の回転軸方向に一定速度で移動させて前記材料の塗布を行った。このとき、ローター回転数6rpm、(V/R)=1.17(mm/回転)(式中、Vは移動速度(mm/秒)、Rは金型の回転数(回転/秒)を示す。)の条件で塗布した。ノズルには、内径2mm、外径4mmのPTFE製チューブを使用した。図5に示すようにノズル31の先端は45度に切り落とし、切り落とした面の中央部が金型33の外面に接しながら金型の軸方向に移動するようにノズル位置を設定した。
次いで、金型を回転させながら400℃まで段階的に加熱し、冷却することにより材料を硬化させ、厚さ80μmのベース層を形成した。
実施例1〜3および比較例2〜4の導電性ベルトについては、さらに以下の工程を行った。
表2に示した硬化剤に含まれる成分を表2の割合でまず混合し、得られた硬化剤と主剤を表2に記載の割合で混合して、弾性層材料1〜4を作成した。かかる材料をベース層作製時と同じ装置を用いてベース層上に塗工し、弾性層を形成した。ついで、ベース層上に弾性層材料を塗工したベルトを150℃で1時間加熱し、弾性層を硬化させた。弾性層の厚さは表1に記載の通りである。
弾性層上に静電塗装にて表層材料を塗布し、厚さ10μmの表層を形成した。
実施例および比較例で作製した導電性ベルトの物性は以下のように測定した。
(1)引張弾性率;JIS K 7113に従って測定した。
(2)表面抵抗率;株式会社ダイヤインスツルメンツ製「ハイレスタUP MCP−HT450型」を用い、URSプローブにて、印加電圧250V、測定時間10秒の条件で測定した。測定環境は温度23℃、相対湿度55%であった。
(3)体積抵抗率;株式会社ダイヤインスツルメンツ製「ハイレスタUP MCP−HT450型」を用い、URSプローブにて、印加電圧250V、測定時間10秒の条件で測定した。測定環境は温度23℃、相対湿度55%であった。
(4)硬度;JIS K 6253(1993)に従って測定し、タイプAを用いた。
(5)複素弾性率;JIS K 7198に基づき、動的歪10Hz、振幅2%、初期歪み10%、温度23℃の測定条件下で測定した。測定装置としてレオロジー社製DVE−V4を用いた。
(6)ベルト硬度;ベルトの一部を切り取り、表層側からIRHD硬さ試験法のマイクロ法に従って測定した。
(ラフ紙へのトナー転写性の評価)
実施例および比較例で作製した導電性ベルトの各々をカラーレーザービームプリンター(パナソニックコミュニケーションズ株式会社製「WORKIO KX−CL500」)に中間転写ベルトとして装着した。
前記プリンターを用いて、黒ベタ画像を2種類の紙に印刷した。用いた紙は、凹凸の比較的小さな紙(フォックスリバー社(米国)製「キャピタルボンド」)(以下、紙種Aとする。)と、凹凸の比較的大きな紙(ストラスモア社(米国)製「ストラスモア ライティング レイド」)(以下、紙種Bとする。)である。
紙に印刷された黒ベタ画像に白抜けが発生しているか否かにより、導電性ベルトのトナー転写性を評価した。すなわち、黒ベタ画像が紙の凹部まで完全に転写されていたものは「○」と、わずかに白抜けが発生していたものは「△」と、白抜けが発生していたものは「×」とした。
[表3]

紙種 実施例1 実施例2 実施例3 比較例1 比較例2 比較例3 比較例4
A ○ ○ ○ × △ ○ △
B ○ ○ ○ × × × ×
比較例1〜4で作製した導電性ベルトを用いた場合は、特に紙種Bにおいて紙の凹部にトナーが転写されず、白抜けが発生したのに対して、実施例1〜3で作製した本発明の導電性ベルトを用いた場合は、紙種Aおよび紙種Bのいずれにおいても紙の凹部まで黒ベタ画像が完全に転写されており、トナー転写性に優れていることがわかった。
本発明の一実施形態にかかる導電性ベルトが示された斜視図である。 上記導電性ベルトの断面図である。 導電性ベルトを中間転写ベルトとして装着したフルカラー画像形成装置が示された模式的正面図である。 本発明の導電性ベルトの製造方法において、ベース層を形成する工程を説明するための図である。 図4におけるノズル先端の形状およびノズルと金型の接触位置の説明図である。
符号の説明
1 導電性ベルト(中間転写ベルト)
3 ベース層
5 弾性層
7 表層
9 外周面
11 内周面
20 中間転写ベルト
21a〜d 現像ユニット
22a〜d 現像ユニット内の感光体
23a〜d 一次転写ロール
24a,b 駆動軸
25 2次転写ロール
26 記録媒体(紙)
27 定着ユニット
31 ノズル
32 ベース層を構成する材料
33 金型

Claims (5)

  1. ベース層、弾性層および表層の少なくとも3層が内周面から外周面に向かって順次積層されている導電性ベルトであって、
    IRHD硬さ試験マイクロ法により積層状態の前記ベルトの表層側から測定した硬度が60以下であり、
    さらに、前記ベース層は、厚さ50〜150μmで、引張弾性率が2000MPa以上かつ内周面側の表面電気抵抗率が10Ω/□以上1011Ω/□以下であり、
    前記弾性層は、厚さが400〜1500μmで、JIS
    A硬度が60以下かつ体積抵抗率が10Ω・cm以上10Ω・cm以下であり、
    前記表層は、厚さが3〜30μmで、複素弾性率が250MPa以下であることを特徴とする導電性ベルト。
  2. 前記ベース層は電子導電剤が配合されたポリイミドまたはポリアミドイミドを含む樹脂からなり、
    前記弾性層はイオン導電性を有するポリウレタンエラストマーからなり、
    前記表層はフッ素ゴムからなる請求項1に記載の導電性ベルト。
  3. 電子写真方式の画像形成装置の中間転写ベルトとして用いられる請求項1または請求項2に記載の導電性ベルト。
  4. 請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載の導電性ベルトを備えている画像形成装置。
  5. 請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載の導電性ベルトの製造方法であって、
    円筒状の金型を回転させながらノズルからベース層を構成する材料を金型の外面に連続的に供給し、同時に前記ノズルを金型の回転軸方向に移動させて、前記材料を均一に塗布した後、硬化させてベース層を形成し、
    ついで、同一の方法でベース層の表面に弾性層を形成し、
    その後、前記弾性層の表面に表層材料を塗装して表層を形成することを特徴とする導電性ベルトの製造方法。
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