JP6492956B2 - 画像形成装置 - Google Patents
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Description
本発明は、転写バイアスが高Dutyの場合でも記録材先端側での画像濃度低下を防止することを、その目的とする。
プリンタ100の基本的な構成について説明する。図1は、本実施形態に係るプリンタ100を示す概略構成図である。図1において、プリンタ100は、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、ブラック(K)のトナー像を形成するための四つの画像形成ユニット1(Y、M、C、K)を備える。プリンタ100は、転写装置としての転写ユニット30、記録材Pを収納するカセット60、定着装置90、制御部300を備えている。
四つの画像形成ユニット1(Y、M、C、K)は、粉体であり現像剤として、互いに異なる色のY、M、C、Kのトナーを用いるが、それ以外は同様の構成になっており、寿命到達時に交換される。つまり、四つの画像形成ユニット1(Y、M、C、K)は、画像形成装置本体としてのプリンタ本体100Aに対して着脱自在に設けられていて、交換可能とされている。
画像形成ユニット1は、像担持体たるドラム状の感光体2、ドラムクリーニング装置3、除電装置、帯電装置6、現像装置8等を備えている。画像形成ユニット1は、これら複数の装置が共通の保持体に保持されてプリンタ本体100Aに対して一体的に脱着可能なプロセスカートリッジユニットを構成していて、ユニット単位で交換可能とされている。
転写ユニット30は、ベルト状の像担持体であり中間転写体でもある中間転写ベルト31の他に、複数の回転支持部材としての駆動ローラ32、二次転写裏面ローラ33、クリーニングバックアップローラ34と、四つの一次転写ローラ35(Y、M、C、K)と、押し下げ部材としての転写前ローラ37とを備えている。転写ユニット30は、プリンタ本体100Aに対してユニットごと着脱自在(交換可能)とされている。
基層310は、ある程度の屈曲性を有し且つ剛性の高い材料からなる無端ベルト状の部材である。弾性層311は、基層310のおもて面上に積層された柔軟性に優れた弾性材料から構成されている。
この実施形態では二次転写裏面ローラ33に転写バイアス出力手段としての電源39により二次転写バイアスが印加される。これにより、二次転写裏面ローラ33と二次転写ベルト404との間に、マイナス極性のトナーを二次転写裏面ローラ33側から二次転写ベルト404側に向けて静電移動させる二次転写電界が形成される。
二次転写ユニット41は、支持ユニット40に着脱可能に支持されていて、ユニット単位で交換可能とされている。二次転写ユニット41は、二次転写裏面ローラ33と中間転写ベルト31を介して対向配置された回転体であり転写部材でもある二次転写ローラ36を備えている。二次転写ユニット41は、3つの回転体としてローラ401、402、403と、二次転写ローラ36及びローラ401、402、403に巻き掛けられた二次転写ベルト404とを備えている。つまり、二次転写ユニット41は、転写部材が無端状のベルト部材で構成された二次転写ベルト404を備え、複数の回転体となる二次転写ローラ36及びローラ401、402、403で二次転写ベルト404を巻き掛けて回転移動可能に支持して搬送するベルトユニットである。なお、二次転写ローラ36はニップ形成ローラともいう。
二次転写ベルト404としては、ポリイミド(PI)、ポリアミドイミド(PAI)、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)などの樹脂材質のベルト部材を選択して用いることができる。二次転写ベルト404としては、これら材質ではなく、弾性材質のベルト部材を用いても良い。本実施形態では、厚みが80μmのポリイミド製のベルト(PIベルト)を用いている。
二次転写ユニット41は、濃度検出手段としてのパターン検出センサ407がローラ402と対向する二次転写ベルト404の外側に配置されている。パターン検出センサ407は画像濃度調整に用いているものである。
本実施形態では、二次転写裏面ローラ33に、二次転写に用いるバイアス(二次転写バイアス)を電源39から印加するように構成しているが、二次転写ローラ36にバイアスを電源39から印加するようにしてもよい。二次転写ローラ36にバイアス(二次転写バイアス)を印加する場合には、トナーとは逆極性の二次転写バイアスを印加し、二次転写裏面ローラ33にバイアスを印加する場合には、トナーと同極性のバイアスを印加する。
つまり、転写部に供給される電圧は、少なくとも像担持体上のトナー像を記録材Pへ転写する際に、トナー像を像担持体側から記録材側に転写させる転写方向の電圧と、転写方向の電圧と逆極性の戻し方向の電圧とが交互に切り替わって周期変動するものであり、電圧の1周期中に占める戻し方向の電圧が印加される時間を50%よりも大きくなるように電源39から出力される二次転写バイアスである。二次転写バイアスについては、後段で詳細に説明する。
二次転写バイアスとしては、二次転写裏面ローラ33ではなく、二次転写ローラ36に電源39から印加供給するようにしてもよい。二次転写ローラ36にバイアス(二次転写バイアスを印加する場合には、トナーとは逆極性の二次転写バイアスを印加し、二次転写裏面ローラ33にバイアスを印加する場合には、トナーと同極性のバイアスを印加する。
一方、図4(b)に示すように、二次転写ローラ36を記録材搬送方向bの上流側にオフセットすると、記録材Pは二次転写ニップNより先に中間転写ベルト31に密着する。このため、二次転写バイアスが印加されて高電界となっている二次転写裏面ローラ33の領域(二次転写ニップN)に到達する時点では空隙Sは小さくなっており、放電を防ぐことができる。
図5(b)は、二次転写裏面ローラ33と二次転写ローラ36を介して二次転写ベルト404とを一定圧で圧接させた状態で、矢印Zで示す記録材搬送方向bの上流側へオフセットしたものである。
二次転写裏面ローラ33と二次転写ローラ36の中心間距離が同じであり、両ローラ及び二次転写ベルト404の潰れ方が同じだと仮定した場合、ニップ自体は幾何学的に決まる。図5(a)、図5(b)に示すように、二次転写裏面ローラ33と二次転写ローラ36の2つのローラの間に挟まれている本ニップn1の領域の長さL1は共通である。オフセット方向Zにオフセットしている図5(b)の場合には、中間転写ベルト31が二次転写ベルト404を介して二次転写ローラ36の外周面36aにのみ巻き付いている長さL2のプレニップn2が存在する。
なお、ここでは転写部材として二次転写ベルト404を用いているが、転写部材として二次転写ローラ36を単独で用いるローラ転写方式の場合は、中間転写ベルト31が二次転写ローラ36の外周面36aにのみ直接巻き付いている長さL2がプレニップn2となる。このため、図5(a)に示すようにオフセット無しの場合、二次転写ニップNの幅Lは本ニップn1の領域の長さL1となり、図5(b)に示すオフセット在りの場合、二次転写ニップNの幅Lは、本ニップn1の領域の長さL1+プレニップn2の長さL2となる。
なお、図6では、オフセットさせることでできる記録材Pと中間転写ベルト31とのニップ前での接触距離をプレニップ量と呼んでいる。オフセットさせることでプレニップは形成されるので、二次転写ローラ36の位置以外を固定すると、オフセット量とプレニップ量は一対一で対応する。すなわち、中間転写ベルト31のニップ前の軌跡やローラ径、硬度などを変えるとそれによってもプレニップ量は変わるので、ここを固定とすると一対一で対応することになる。
ここで、本実験におけるプレニップ量について図7を用いて説明する。
図7は、二次転写裏面ローラ33、二次転写ローラ36、弾性ベルトで構成された中間転写ベルト31及び転写前ローラ37を抜き出した模式図である。このとき、二次転写裏面ローラ33と二次転写ローラ36の中心を結んだ破線と、二次転写ローラ36の中心から中間転写ベルト31への垂線とのなす角度をα[deg]としている。このときプレニップ量は、2π×(二次転写ローラ36の半径)×α/360°と定義する。すなわち、中間転写ベルト31のうち、二次転写ローラ36の外周面36aに対して巻きついている部分をプレニップと定義している。そのため、プレニップ量は、前述のように、二次転写ローラ36の径や中間転写ベルト31の軌跡などによって変化する。しかし、これら変動要素を固定して考えると、二次転写ローラ36のオフセット量で決まる。図6のプレニップ量と放電との関係は、このようにしてオフセット量を変化させてプレニップ量を変えている。
図6によると、二次転写電流が高いほど二次転写電圧は高くなるため、放電に対して厳しい。そのため、より幅広い電流域で(高電流で)放電が出ないほど余裕がある。また、本実施形態では転写性の観点から設定電流(目標電流A1)として―120[μA]を用いているため、少なくともこの設定において放電が出ないことが必須である。この観点から見た場合、弾性ベルトではプレニップ量として4mm以上が必須であり、PIベルトでは2mm以上が必須である。
なお、この実験結果(の数値)は、本実施形態の構成においてのものであり、一般的にベルト膜厚やローラ径・硬度・プロセス線速など様々な要因により余裕は変わるので、必要なプレニップ量は画像形成装置毎に異なる。また、同じ構成であれば、中間転写ベルト31としてPIベルトを用いる場合の方が、弾性ベルトを用いる場合に比べて放電への余裕度が大きくなる。なお、二次転写裏面ローラ33と二次転写ローラ36とに挟まれている図5で説明した本ニップn1の量(記録材搬送方向bへの幅)は一般に2mm〜5mm程度に設定されることが多い。
また、二次転写裏面ローラ33と二次転写ローラ36の直径の関係も異なる数値であっても、大小どちらの組み合わせでも本発明の効果は得られる。
本実施形態では、図7に示すように、二次転写ローラ36を記録材搬送方向bの上流側にオフセットさせることで、記録材Pを二次転写ニップNより手前側で中間転写ベルト31に密着させて運ぶため、ニップ前の中間転写ベルト31と記録材Pとの空隙S(図4(b))をなくすことで放電を防止している。また、電界分布から本実施形態の効果を説明すると、転写電界の分布としては二次転写ニップNが最も強い電界が働いており、徐々に手前側(搬送方向上流側)が弱くなっている。記録材Pが電界分布の強いところで中間転写ベルト31と接触すると、その過程で中間転写ベルト31と記録材Pとの間に空隙Sがあると、空隙で放電が起こる。そのため、電界の弱いニップ上流側(ニップ手前側)で中間転写ベルト31と記録材Pとを接触させることで放電を防ぐことが可能となる。
なお、本実施形態において、電源39から出力される二次転写バイアスは、定電流制御を用いている。これは、中間転写ベルト31と記録材Pの抵抗によらず、二次転写ニップNに対して一定の転写電圧(転写電界)を得られるようにするためである。
図8に示すプレニップ量の特定方法1では、
図8(a)に示すように、本ニップ幅を特定する。この本ニップ幅を特定するには、ニッタ株式会社製の面圧分布測定システムI-SCAN(商品名)にて圧がかかっている部分を推定する。具体的には、ここでは厚分布Aと圧分布Bとに示すような異なるハッチングパターンで示す圧分布が得られるので、予め決めた閾値以上の圧を本ニップ幅と定義する。
次に図8(b)に示すように、本ニップ+プレニップ幅を測定する。この測定には、中間転写ベルト31にある程度の幅(例えば10mm程度)のトナーを付着する。トナーを付着する領域は二次転写ニップNよりも十分広い領域とする。
次に図8(c)に示すように、この状態で中間転写ベルト31に対して二次転写部材の当接と離間の動作を何度も繰り返す。本実施形態では、二次転写ユニット41の当接離間動作を行うとともに、必要に応じて二次転写ユニット41を引き出して清掃した上で、再度当接と離間を繰り返す。二次転写ベルト404を用いずに転写部材としての二次転写ローラ36を用いる場合には、二次転写ローラ36を当接離間動作させる。このような動作を行うと、中間転写ベルト31のトナーが薄くなった領域ができ、この領域が二次転写部材と中間転写ベルト31の接触領域(ニップ+プレニップ)となる。
図8(d)では、接触領域(本ニップ幅+プレニップ幅)の幅を計測し、この幅から本ニップ幅を引くことで、プレニップ幅(プレニップ量)がわかる。
図9(a)に示すように、 二次転写ローラ36、二次転写裏面ローラ33、中間転写ベルト31を上流側で張っている転写前ローラ37の3つの軸中心G1、G2、G3の座標を特定する。次に二次転写ローラ36と二次転写裏面ローラ33の外径と硬度を測定するとともに、転写前ローラ37の外径を測定する。
図9(b)に示すように、図9(a)で測定した測定結果より硬度の小さい側のみが潰れていると仮定して、3本のローラ位置をスケッチする。スケッチした結果から、二次転写ローラ36のみに巻きついている部分をプレニップn2とする。このような2つの特定方法を用いてプレニップn2を特定することができる。
なお、プレニップはローラ同士に挟まれていない領域で二次転写ローラ36の外周面36aや二次転写ベルト404の外周面にベルト状の像担持体(中間転写ベルト31)が巻き付いている範囲であり、この範囲の長さ(量)としては、概ね2〜5mmである。また、ローラ同士に挟まれた範囲であるニップ量(本ニップ量)は概ね2〜5mmである。
図12に示すように、制御部300は、演算手段たるCPU(Central Processing Unit)301、不揮発性メモリたるROM(Read Only Memory)302、一時記憶手段たるRAM(Random Access Memory)303を有している。プリンタ全体の制御を司る制御部300には、様々な構成機器やセンサ類が通信可能に信号線を介して接続されているが、図12においては、プリンタ100の特徴的な構成に関連する構成機器だけを示している。なお、図12においては、各形態で用いる構成やセンサ類を併記しており、各形態の制御部300として機能するものとして説明する。
制御部300の出力側には、二次転写用の電源39、一次転写用の電源81(Y、M、C、K)、書込みユニットの駆動部304、画像形成ユニットの駆動部305、中間転写ユニットの駆動部306、二次転写ユニットの駆動部307が信号線を介して接続されている。
1次転写用の電源81(Y、M、C、K)は、1次転写ローラ35Y、35M、35C、35Kに印加するための1次転写バイアスを出力するものである。
電源39は、二次転写裏面ローラ33に印加するための二次転写バイアスを出力する。この電源39は、制御部300によってその出力が制御される。
なお、ここでは、電源39の出力制御にプリンタ全体の動作を制御する制御部300を用いているが、制御部の形態としては、プリンタ全体の動作の制御部とは個別に、電源39の出力制御用の制御部300を設けた形態であっても良い。
本実施形態において、プリンタ100は、作像条件を調整するための画像調整モードを有している。プリンタ100は、画像調整モードにより作像条件を調整する場合、現像バイアスや帯電バイアスを変化させて濃度調整用パターンとなるテストパッチをトナーで作像し、そのテストパッチを二次転写ベルト404上に転写して、パターン検出センサ407で濃度を検出し、この検出値に基づいて作像条件の調整を行うように構成されている。この処理は制御部300によって行われる。本実施形態では、二次転写ベルト404上でテストパッチを検出しているが、中間転写ベルト31上で検出するようにしても良い。
制御部300は、画像調整モードが始動すると、各感光体上にテストパッチを形成するように、書込みユニットの駆動部304と画像形成ユニットの駆動部305を駆動する。制御部300は、テストパッチ(トナー像)を中間転写ベルト31上に転写するように、一次転写用の電源81(Y、M、C、K)と中間転写ユニットの駆動部306(駆動モータ)を駆動する。制御部300は、中間転写ベルト31上に転写されたテストパッチを二次転写ベルト404上に転写すべく、電源39と二次転写ユニットの駆動部307を駆動する。
直流電源110は、中間転写ベルト31のおもて面31a上のトナーに対して二次転写ニップN内でベルト側から記録材Pに向かう静電気力を付与するための直流電圧を出力するための電源である。直流電源110は、直流出力制御部111、直流駆動部112、直流電圧用トランス113、直流出力検知部114、出力異常検知部115、電気接続部221を備えている。
交流電源140は、二次転写ニップN内に交流電界を形成するための交流電圧を出力するための電源である。交流電源140は、交流出力制御部141、交流駆動部142、交流電圧用トランス143、交流出力検知部144、出力異常検知部145、電気接続部242と電気接続部243を備えている。
出力異常検知部115は、直流電源110の出力ライン上に配置されており、電線の地絡等によって出力異常が発生した際には、リークなどの出力異常を示すSC信号を制御部300に出力する。これにより、制御部300による直流電源110からの高圧出力を停止するための制御を実施することが可能になる。
交流駆動部142には、交流電圧の出力周波数を制御するAC_CLK信号が入力される。交流駆動部142は、交流出力制御部141からの制御及びAC_CLK信号に基づいて、交流電圧用トランス143を駆動する。交流駆動部142は、AC_CLK信号に基づいて交流電圧用トランス143を駆動することで、交流電圧用トランス143によって生成される出力波形を、AC_CLK信号で指示された任意の周波数に制御することができる。
交流出力検知部144は、交流電圧用トランス143の交流電圧の出力値を検知して交流出力制御部141に出力する。また、検出した出力値をFB_AC信号(フィードバック信号)として制御部300に出力する。これは、環境や負荷によって転写性を低下させないように、制御部300においてAC_PWM信号のデューティを制御するためである。なお、交流電源140は、定電圧制御を行うものであるが、定電流制御を行うものを用いてもよい。また、交流電圧用トランス143(交流電源140)が生成する交流電圧の波形については、正弦波、矩形波の何れであってもよいが、プリンタ100では、短パルス状矩形波を採用している。交流電圧の波形を短パルス状矩形波にすることで、より画像品質の向上を図ることが可能になるからである。
例えばカセット60の上方に記録材Pの種類を検出する検出手段を設置し、当該検出手段と制御部300とを信号線を介して接続し、検出手段で検出された情報と予めROM302に記憶させた記録材情報テーブルとを比較し、御部300で記録材Pの種類(厚さ)を判定するようにしてもよい。別な手法としては、記録材Pの種類(厚さ)を設定する記録材厚さ設定手段409を図12に示すように、制御部300と信号線を介してプリンタ100に設け、当該記録材厚さ設定手段409をユーザやサービススタッフ等の作業者が操作して記録材Pを任意に選択し、設定された記録材情報を制御部300に送信するようにしても良い。
図14は、電源39から出力される二次転写バイアスの波形の一例である。トナー像を記録材Pに転写させるには、ある一定の大きさの電圧を二次転写ニップNに印加供給する必要がある。しかし、電圧を印加し続けると、ここまでに説明したように、トナーが過充電を起こし、転写不良が生じてしまう。
図14は、二次転写に必要な大きさの電圧を印加するが、Dutyを50%よりも大きく設定することで印加時間を短くし、トナーの過充電を防ぐ波形である。図14中の記号は、Vr:正の電圧のピーク値(逆極性電圧のピーク値/戻し方向の電圧のピーク値)、Vt:負の電圧のピーク値(転写方向の電圧のピーク値)、Voff:(Vr+Vt)/2、Vpp:Vr−Vt、Vave:Vr×Duty/100+Vt×(1-Duty)/100、A:Vtの持続時間、B:電圧波形1周期の時間、Duty:(B−A)/B×100(%)、C:Vrの持続時間をそれぞれ示す。すなわち、Dutyとは、大まかにいうと、交流電圧の波形1周期中の時間Bに対するVtの持続時間(印加時間)AとVrの持続時間(印加時間)Cの比率であるともいえ、B−AあるいはA<Cが50%よりよりも大きく(高い)ものを高Dutyと呼ぶ。
転写バイアスとして重畳バイアスを用いる場合、トナー像を中間転写ベルト31(像担持体)側から記録材Pへ転写させる側のピーク電圧の持続時間をA、転写バイアスの交流成分の1周期の時間をBとしたとき、(B−A)/B×100(%)で算出される割合であるDutyが50%よりも大きいものを高Dutyとする。この場合、転写バイアスの平均は、トナーの帯電極性と逆極性のプラス寄り(重心が戻し方向)となるので、記録材Pの二次転写ニップNへの挿入時に転写バイアスが不足しやすい。
これは、図15に示すように、記録材搬送方向b側に位置する記録材Pの先端部Pbや後端部Pcは、符号Pzで示す画像部とは異なりトナー像が転写されない。このため、特にトナー像が記録材Pに転写される前に、二次転写ニップNに進入する記録材Pの先端部Pbが二次転写ニップNに進入する際の電気的抵抗が大きく、抵抗が急激に変化する。このため、記録材Pにと転写させるために必要な二次転写バイアスが不足しやすい。
また、記録材Pに転写されるトナー像は、単色の場合や異なる色のトナー像を積層して転写されるので、2色以上のトナー像を重ねたトナー像のように、トナー層が厚く電気的抵抗が高い場合、転写バイアス不足になりやすく、画像先端側で画像の濃度が低下しやすい傾向となる。
さらに、記録材Pには、様々な厚さPtがあり、厚さPtによって、その電気的抵抗も異なってくるため、記録材Ptの厚さによっても、必要とされる転写バイアスは異なってくる。
具体的には、制御領域R外となる画像部Pzで供給される重畳バイアスの直流成分である直流電圧(直流電流)に対する、制御領域R内で供給される重畳バイアスの直流電圧(直流電流)の比率は、画像部Pzで供給される重畳バイアスの交流成分である交流電圧(交流電流)に対する、制御領域R内で供給される重畳バイアスの交流電圧(交流電流)分の比率よりも大きくなるように、転写バイアス出力手段となる電源39から出力される二次転写バイアスを制御部300で制御するようにしている。すなわち、電源39は、制御領域R内と画像部Pzとにおいて、その出力内容が切り換えられるように構成されていて、制御領域R内で出力する二次転写バイアスと画像部Pzで出力する二次転写バイアスの交流電圧(交流成分)と直流電圧(直流成分)の割合が変更されるように制御される。
また、制御領域Rは、記録材Pの搬送速度から予め算出された時間値として求められていて、搬送速度と関連付けられたテーブルとしてROM302に記憶されている。制御部300は、記録材Pの搬送速度が設定されると、この搬送速度に応じた制御領域(所定の長さの範囲)R相当の時間値をROM302から読み出し、電源39から出力される二次転写バイアスの出力タイミングと、バイアス切替タイミングを制御する。
図16は、二次転写バイアスとして重畳バイアスにおける交流成分(AC成分と表記)と直流成分(DC成分と表記)の割合を変えたときの画像評価を示す。この画像評価に用いた二次転写バイアスの波形は、図14に示す波形パターンである。二次転写バイアスの直流電圧は、電圧の時間平均値(Vave)、すなわち、直流成分の直流電圧の時間平均電圧値(時間平均値Vave)と同じ値である。この時間平均値(Vave)とは、電圧波形の1周期にわたる積分値を、1周期の長さで割った値である。実施形態1では、以下の数値の波形の二次転写バイアスを電源39から出力して二次転写ニップNに供給した。
Vt:−7.0kV
Vr:−0.6kV
Voff:−3.8kV
Vave:−2.0kV
Vpp:6.4kV
Vtピークの持続時間A:0.10ms
波形の周期B:0.66ms
Duty:85%(高Duty)
先端部PbでのAC成分である転写バイアス[kV]=画像部PzのVpp[kV]×AC先端補正係数[%]/100
先端部PbでのDC成分である転写バイアス[μA]=画像部Pzでの転写電流[μA]×DC先端補正係数[%]/100
この補正されたAC成分とDC成分は、制御領域Rで適用される。
この実験によると、AC成分及びDC成分ともに画像部Pzと同じ出力値(100%)である場合、先端部Pbの画像濃度不足となった。DC成分は変更しないでAC成分のみをDC成分の出力100%より高い120%とした場合や、AC成分及びDC成分の出力を、ともに120%とした場合も画像濃度不足が発生した。これは、相対的なAC成分が大きくなることで、トナーと逆極性の電位であるプラス側の電界が増えるので、転写方向のバイアスが十分でなくなり、濃度低下が発生したものである。
これらに対し、AC成分は変更しないでDC成分のみを、AC成分の出力100%より高い120%とした場合、記録材Pの先端部Pb側での濃度低下が解消された。これは、DC成分の出力のみを高めたことで、転写方向(マイナス側)への電界を大きくできるためである。この結果、二次転写ニップNに記録材Pが進入して電気的抵抗が上昇しても十分な転写バイアス量を供給することができ、二次転写バイアスが高Dutyの場合でも記録材先端側での画像濃度低下を防止することができる。
すなわち、画像部Pzの転写方向の電界に対し、先端部Pbの転写方向の電界の比率を高めることで、先端部Pbの転写バイアス不足による濃度低下を抑制しつつ、画像部Pzでの転写バイアス過多による濃度低下の防止が期待できる。その際、重畳バイアスの交流成分の比率を高めると、重畳バイアスが高Dutyであるため、転写方向のマイナス方向の電界の増加分に対し、トナーと逆極性であるプラス方向の電界の増加分の方が大きくなるため、濃度低下を防ぎにくくなる。そのため、転写方向のマイナス方向の電界のみから成る重畳バイアスの直流成分の比率を、交流成分の比率よりも高くすることで、高Dutyの場合でも、記録材Pの先端部Pb側での画像濃度低下を防止することができる。
なお、記録材Pの先端部PbでのDC成分の出力を高めるとともに、画像濃度に影響しない範囲でAC成分の出力を変更してもよい。たとえば、記録材Pの先端部PbでのDC成分の出力を120%にするとともに、AC成分の出力を95%や105%などにしてもよい。
図18は、記録材Pの先端部Pbからの一定長さの範囲Rを変化させ、官能評価した結果を示す。画像濃度の「×」は画像濃度が不足していること、「△」は画像濃度がやや不足していること、「○」は画像濃度が十分であることをそれぞれ示す。
この実験2で用いた記録材Pは坪量80gの普通紙で、実験環境は気温23℃、湿度50%である。また、二次転写バイアス(重畳バイアス)のうち、AC成分は100%で、DC成分は120%とした。記録材Pの先端部Pbからの長さ、すなわち制御領域Rの長さは、5mmから30mmの間で変更した。
この実験によると、先端部Pbからの制御領域Rの長さが10mm以下の場合、画像濃度不足が観察された。これは、先端部Pbからの制御領域Rの長さが十分ではなく、記録材Pが進入する際の電気的抵抗の変化に対して二次転写バイアスが十分でなく、先端部Pb側の画像濃度が低下したものである。これに対し、先端部Pbからの制御領域Rの長さが、20mm、30mmの場合、先端部Pb側の画像濃度不足は観察されず、良好な結果を得られた。これは、少なくとも先端部Pbからの制御領域Rの長さが20mmまでは、二次転写バイアスの出力を、AC成分よりもDC成分を多くするバイアス先端補正を適用することで、記録材Pの先端部Pb側での濃度低下を解消できたものと推察される。
図19は、記録材Pの先端部Pbからの制御領域Rの長さを一定とし、バイアス先端補正をする際の二次転写バイアス(重畳バイアス)のうち、AC成分は100%で、DC成分のみを変化させて、トナー像を1色、2色、3色の画像に変化させたときの官能評価した結果を示す。トナー像は、色が増えるごとに積層されるものとし、トナー像の層厚が増えるものとする。画像濃度の「×」は画像濃度が不足していること、「△」は画像濃度がやや不足していること、「○」は画像濃度が十分であることをそれぞれ示す。
この実験3で用いた記録材Pは坪量80gの普通紙で、実験環境は気温23℃、湿度50%である。また、二次転写バイアス(重畳バイアス)のうち、AC成分は100%である。記録材Pの先端部Pbからの制御領域Rの長さは20mmの一定値とした。
この実験によると、形成するトナー画像が1色で構成される場合、DC成分はDC成分と同等の100%でも転写できるが、2色以上である場合、トナー層が厚くなり抵抗が上昇するため、必要な二次転写バイアスが大きくなる。DC成分を120%より高くすることで、3色のトナー画像であっても、濃度低下が生じなくなっている。DC成分を130%よりも高い場合、トナー画像が1色の場合に画像濃度不足となった。これは、トナー画像が1色の場合、二次転写バイアスが過多となり画像濃度不足が発生したものである。
このため、二次転写バイアスの出力を、AC成分よりもDC成分を多くしてバイアス先端補正をする場合、DC成分の最適値は、AC成分100%に対し、120%、すなわち、1.2倍が最適であるといえる。
バイアス先端補正を行う制御領域Rとなる必要な記録材Pの先端部Pbからの長さも、記録材Pの厚さPd(坪量)が増えるに従い段階的に長くなるように設定している。
また、温湿度が低温、低湿になるほど、二次転写ニップNを形成するとともに記録材Pに接触する中間転写ベルト31や二次転写ベルト404、およびこれらと接触する二次転写ローラ36や二次転写裏面ローラ33の電気的抵抗や、記録材Pの電気的抵抗が高くなる。このため、バイアス先端補正における、二次転写バイアスのAC成分に対するDC成分の補正値(補正係数%)も温湿度が低くなるに従い段階的に高くなるように設定している。
このように、記録材Pの電気的抵抗に相関する記録材Pの厚さPtや環境情報となる温湿度情報に応じて、二次転写バイアスのAC成分に対するDC成分の補正値(補正係数%)を変更することで、記録材Pの先端部Pb側でのトナー画像の濃度低下を防ぎ、良好な画像が得ることができる。
制御部300は、これら温湿度検出センサ408で検出される温湿度情報tと、記録材厚さ設定手段409で設定された厚さPtの情報を取り込む。そして、図20のデータテーブルから、画像部転写電流と、バイアス先端補正に用いる二次転写バイアスのDC成分の値と、制御領域Rの長さとなる用紙先端からの長さと、補正係数(%)とを選択し、電源39から出力される二次転写バイアスを制御する。なお、ここで記載した補正係数とは、記録材Pの厚さPt(坪量)に応じて変化する各画像部転写電流を100%としたときの補正係数であり、例えば坪量80の時の100%の値は114[μA]であるが、坪量324の時の100%の値は124[μA]となる。
このような構成とすることで、記録材Pの厚さPtや環境条件である温湿度に応じて、最適なバイアス先端補正時の二次転写バイアスと制御領域Rを設定することができるので、記録材Pの先端部Pb側での画像濃度の低下を防止することができる。
このため、画像部Pzにおいては、切り替えられた二次転写バイアスによって、トナーの帯電極性とは逆のプラス極性におけるピーク値Vrになっているときには、中間転写ベルト31側から記録材P側へのトナーの静電移動が抑制される。二次転写バイアスがトナーの帯電極性と同じマイナス極性におけるピーク値Vtになっているときには、中間転写ベルト31側から記録材P側へのトナーの静電移動が促進される。このような二次転写バイアスを採用すると、交流電圧の1周期B内において、トナーに対してその帯電極性とは逆のプラス極性の電荷を注入する可能性のある時間を短くすることから、二次転写ニップN内での電荷注入によるトナー帯電量の低下を抑えることが可能になる。これにより、トナー帯電量の低下に起因する二次転写性の低下による画像濃度不足の発生を抑えることができる。
なお、本実施形態において、制御領域Rは、図15に示す例では画像部Pzと重ならない範囲として例示しているが、このような形態に限定するものではない。すなわち、本実施形態において、制御領域Rの先端部Pbからの長さ(全長)はある範囲で変更される。また、画像部Pzの記録材Pの先端側Pb側の位置も、印刷余白の設定によって画像部Pzの面積が変更されることで変化する。
このため、制御領域Rの長さと印刷余白の設定によっては、所定の長さの範囲外となる画像部Pzと所定の長さの範囲内となる制御領域Rとが記録材Pの先端部Pb側で重なる場合も発生するが、本実施形態では、このような領域の場合でも先端バイアス補正を実行する。
例えば、印刷余白が小さい、もしくは無い場合においても、同様に先端部PbのバイアスのDC成分を、AC成分よりも高めることで、先端部Pbの濃度低下を防ぐことができる。
例えば、図21に示すように、波形が矩形波であって、交流波形が、正の電圧のピーク値Vr側と負の電圧のピーク値Vt側とに0Vを挟んで行き来する波形のものであってもよい。この場合でもDutyは50%よりも大きいものを用いる。
二次転写バイアス中の交流成分である交流バイアスは、転写方向に向かうバイアスと、転写方向と逆方向に向かうバイアスである。本実施形態において、転写方向とは、マイナス極性に向かうことであり、逆方向とは+極性に向かうことである。このうち、転写方向のバイアスと逆方向のバイアスとは、極性切替基線Jとなる0Vを境にして互いに逆極性のバイアスであって、1周期B中に占める逆方向へのバイアスが印加される時間とは、図22(a)に示すようにバイアスが0Vよりも逆極性であるプラス極性側である符号P1とP2で示す間の時間Caとすることができる。
1周期B中に占める逆方向へのバイアスが印加される時間とは、図22(b)に示すように、バイアスが逆方向のピーク電圧Vrに達した時を示す符号P3から転写方向のピーク電圧Vtに向かって立ち下がり始めるまで範囲の時間であり、図22(b)では、P3とP4で示す間の時間Cbとすることができる。
また、1周期B中に占める逆方向へのバイアスが印加される時間とは、図22(c)に示すように、逆方向のピーク電圧Vrから転写方向のピーク電圧Vtに向けて30%の値だけシフトさせた位置を基線J1としたとき、この基線J1よりも逆方向側となる時間であり、符号P5と符号P6で示す間の時間Ccとすることができる。
しかし、何れにしても転写するために必要な転写圧をかけることで、記録材Pは中間転写ベルト31に対して高い密着性を持ち、二次転写ニップNを出ても記録材Pが中間転写ベルト31から分離されずに分離不良を起こすことがある。これは、二次転写ローラ36を用いたようなローラ方式において顕著である。そのため、実施形態1のように二次転写ベルト方式の二次転写ユニット41と組み合わせることで、高い分離性と記録材Pへの転写性を両立させることができるので好ましい。
従って、本実施形態のように、弾性ベルトからなる中間転写ベルト31を用いる場合、プレニップはPIベルトを用いる場合よりも広くする必要がある。このため、本実施形態では、実施形態1の構成で設定しているプレニップの長さよりも長い、5.2mmとした。この長さとは、記録材搬送方向bに対するものである。
このように、弾性ベルトを中間転写ベルト31に用いる場合、プレニップが大きくなるので、二次転写ニップNの長さも大きくなり、トナーに対して過充電しやすくなる。このため、弾性ベルトを二次転写ベルト31に用いる場合に、二次転写バイアスとしては高Duty(50%よりも大きい)の重畳バイアスを用いることで、PIベルトを中間転写ベルト31に用いる場合よりも、高い分離性と記録材Pへの転写性を確保しながら、トナーの過充電による異常画像の発生を防止できるので好ましい。
しかし、二次転写効率が高める反面、規則的に並ぶ絶縁性の粒子313の粒子間において、集中的に二次転写電流を流すことで、トナーに対して逆極性の電荷が注入され易くなり、過充電となってしまうことがある。このため、二次転写効率を高める狙いで粒子313を分散させているにもかかわらず、却って二次転写効率を悪くしてしまうことになり兼ねない。
このような粒子313を備えた弾性ベルトを中間転写ベルト31として用いる場合でも、高Duty(50%よりも大きい)の二次転写バイアスを採用することで、粒子313による二次転写効率の向上効果を確実に得ることが可能になる。
すなわち、中間転写ベルト31上のトナー像を記録材Pへ転写する際に、トナー像を中間転写ベルト31側から記録材P側に転写させる転写方向の電圧と、転写方向の電圧と逆方向である戻し方向の電圧とが交互に電圧切り替わって周期変動する二次転写バイアスを出力する波形は、転写方向の電圧をVr、戻し方向の電圧をVtとしたとき、両者が0Vよりも戻し方向側の極性において、転写方向側と戻し方向側に出力が切り替わる波形であっても良い。
しかし、本実施形態のように、電源39から二次転写裏面ローラ33に印加される二次転写バイアスとして、直流成分である直流電圧に交流成分である交流電圧を重畳した重畳バイアスを用いる。そして、50%よりも大きい高dutyの波形となるように電源39から二次転写バイアスを出力するように構成することで、次のようなメリットもある。つまり、記録材P側へトナー像を移動させる転写方向のピーク電圧Vtによりトナーを記録材Pへ転写させる機能を確保しつつ、ピーク電圧Vtよりも弱い電圧もしくは極性が逆のピーク電圧Vrをピーク電圧Vtよりも長い時間持続させることで、トナー像が二次転写ニップNを通過する際にトナーに対して過充電することを防止することができる。
上記実施形態では、画像形成装置として、転写部(二次転写ニップN)で記録材Pを水平方向に搬送するものを用いて説明したが、転写部で記録材Pを上方、下方、斜め上方向あるいは斜め下方向などへ搬送する構成の画像形成装置に本発明は適用することもできる。
例えば、画像形成装置としては、プリンタではなく、複写機、ファクシミリ単体、あるいは、複写機、プリンタ、ファクシミリ、スキャナのうちの少なくとも2つの機能を備えた複合機であってもよい。
本発明の実施の形態に記載された効果は、本発明から生じる最も好適な効果を列挙したに過ぎず、本発明による効果は、本発明の実施の形態に記載されたものに限定されるものではない。
33 対向部材、発砲性のローラ
36 転写部材、中間転写体、二次転写ローラ
39 転写バイアス出力手段
36a、404a 転写部材の外周面
100 画像形成装置
300 制御部
310、311、312 複数の層
311 弾性層
401〜403、36 複数の回転体
404 転写部材、中間転写体、二次転写ベルト
b 記録材搬送方向
A 転写方向のバイアスが印加される時間
B 転写バイアスの1周期
C 逆方向へのバイアスが印加される時間
N 転写部
P 記録材
R 所定の長さの範囲(制御領域)
Pb 記録材の先端部
Pt 記録材の厚さ
Pt1 所定の厚さ
T トナー像
t 装置の環境情報(温湿度情報)
Vt 転写方向のバイアス
Vr 記転写方向と逆方向のバイアス
Claims (9)
- トナー像が担持される像担持体と、
転写部材と、
前記像担持体と前記転写部材とが接触する転写部で前記トナー像を記録材へ転写するために転写バイアスを出力する転写バイアス出力手段とを備え、
前記転写部に供給される転写バイアスは、前記像担持体上のトナー像を前記記録材へ転写する際に、前記トナー像を前記像担持体側から記録材側に転写させる転写方向のバイアスと前記転写方向とは逆方向のバイアスとが交互に切り替わって周期変動する交流成分と、直流成分とが重畳されていて、交流成分における1周期中に占める前記逆方向へのバイアスが印加される時間が50%よりも大きい重畳バイアスであり、
前記記録材の先端部から所定の長さの範囲外で供給される前記重畳バイアスの直流成分に対する、前記所定の長さの範囲内で供給される前記重畳バイアスの直流成分の比率は、前記所定の長さの範囲外で供給される前記重畳バイアスの前記交流成分に対する、前記所定の長さの範囲内で供給される前記重畳バイアスの交流成分の比率よりも大きくなるように、前記転写バイアス出力手段が制御され、
前記所定の長さの範囲は、前記記録材の厚さに応じて変更される画像形成装置。 - 前記所定の長さの範囲は、前記記録材の厚さが厚くなるほど長くなるように変更されて出力される請求項1に記載の画像形成装置。
- 前記所定の長さの範囲内で供給される重畳バイアスにおける直流成分は、前記記録材の厚さに応じて変更される請求項1に記載の画像形成装置。
- 前記所定の長さの範囲内で供給される重畳バイアスにおける直流成分は、前記記録材の厚さが厚くなるほど高くなるように変更されて出力される請求項3に記載の画像形成装置。
- 前記所定の長さの範囲内で供給される重畳バイアスにおける直流成分は、装置の環境情報に応じて変更される請求項1に記載の画像形成装置。
- 前記装置の環境情報は、温湿度情報であり、
前記所定の長さの範囲内で供給される重畳バイアスにおける直流成分は、前記温湿度情報が低くなるほど高くなるように変更されて出力される請求項5に記載の画像形成装置。 - 前記像担持体は、弾性層を有する中間転写体である請求項1乃至6の何れか1項に記載の画像形成装置。
- 前記転写部材は、複数の回転体に巻き掛けられて回転移動可能に支持されて、前記像担持体に接触する二次転写ベルトである請求項1乃至7の何れか1項に記載の画像形成装置。
- 前記転写部において前記像担持体を介して前記転写部材に対向する対向部材を備えている請求項1乃至8の何れか1項に記載の画像形成装置。
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