JP6222542B2 - 画像形成装置 - Google Patents

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Description

本発明は、像担持体とニップ形成部材との当接による転写ニップに転写電界を形成するための転写バイアスとして、交流バイアスと直流バイアスとを重畳した重畳バイアスからなるものを出力する転写バイアス出力手段を備える画像形成装置に関するものである。
従来、この種の画像形成装置としては、特許文献1に記載のものが知られている。この画像形成装置は、周知の電子写真プロセスによってドラム状の感光体の表面に形成したトナー像を中間転写ベルトに転写した後、ベルトと2次転写ローラとの当接による2次転写ニップで記録シートに2次転写する。かかる構成において、記録シートとして、和紙のような表面凹凸に富んだものを用いると、表面凹凸にならった濃淡パターンを画像中に発生させ易くなる。この濃淡パターンは、紙表面における凹部に対して十分量のトナーが転写されずに、凹部の画像濃度が凸部よりも薄くなることによって生じるものである。そこで、特許文献1に記載の画像形成装置においては、2次転写バイアスとして、交流バイアスと直流バイアスとを重畳した重畳バイアスを2次転写ローラに印加するようになっている。2次転写バイアスとして重畳バイアスを用いることで、記録シート表面の凹部において十分な画像濃度を得て濃淡パターンの発生を抑えることができる。
しかしながら、本発明者らは実験により、2次転写バイアスの交流成分のピークツウピーク電圧値を転写影響要因に応じて適切にコントロールしないと、記録シート表面の凹部で十分な画像濃度が得られずに濃淡パターンを発生させてしまうことを見出した。転写影響要因は、2次転写ニップ内における中間転写ベルトから記録シートへのトナー像の転写性に影響を与える要因であり、温度、湿度、記録シートの厚み、シート表面の凹部の深さ、像担持体の表面上における単位面積あたりのトナー付着量などが挙げられる。また、本発明者らは、次のような構成では、低温低湿環境下において、記録シートの凹部で十分な画像濃度が得られなくなることを見出した。即ち、交流成分のピークツウピーク電圧値を所定の出力目標値と同じ値にするように交流バイアスを定電圧制御又は定電流制御し、その出力目標値を温度などの転写影響要因に応じて変化させ、且つ直流成分を定電流制御又は定電圧制御で出力する構成である。かかる構成においてシート表面の凹部で十分な画像濃度が得られなくなる原因は、次のようなものであることもわかった。即ち、低温低湿環境下では、2次転写バイアスの送りピーク値(図22のVt)が大きくなり過ぎて、2次転写ニップ内の記録シート表面の凹部内で放電によるトナー粒子の逆帯電を引き起こすからである。逆帯電により、画像におけるシート表面の凹部の箇所に白点状の白抜けが発生して、シート表面における凹部上での画像濃度不足の原因になっていたのである。
本発明は、以上の背景に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、環境にかかわらず、記録シートの表面凹凸にならった濃淡パターンの発生を抑えることができる画像形成装置や画像形成方法を提供することである。
上記目的を達成するために、本発明は、自らの表面にトナー像を担持する像担持体と、前記表面に当接して転写ニップを形成するニップ形成部材と、前記像担持体と前記ニップ形成部材との間に交番電界からなる転写電界を形成するための転写バイアスを出力する転写バイアス出力手段とを備え、前記転写ニップに挟み込んだ記録シートに対して前記像担持体の表面上のトナー像を転写し、且つ、前記転写バイアス出力手段が、転写バイアスとして、直流バイアスに交流バイアスを重畳した重畳バイアスからなるものを出力するものである画像形成装置において、温度情報を取得する温度センサを設け、且つ、前記直流バイアスを定電流制御によって出力し、前記温度情報によって示される温度値が低くなるほど、前記交流バイアスのピークツウピーク電圧値の出力目標値を大きく、且つ前記直流バイアスの定電流制御における出力目標値の絶対値を小さくする処理を実施するように前記転写バイアス出力手段を構成したことを特徴とするものである。
本発明においては、交流バイアスのピークツウピーク電圧値の出力目標値を、温湿度などの転写影響要因に応じて変化させつつ、転写ニップ内で像担持体と記録シートとの間に流れる直流電流の量を適切に制御する。
このような制御により、交流バイアスのピークツウピーク電圧値をそれほど大きくする必要のない高温高湿環境下では、転写ニップ内の記録シートの凹部で放電を発生させないほど小さな値にピークツウピーク電圧値を留めつつ、像担持体表面と、記録シート表面の凸部や凹部との間に有効な転写電界を形成する。これにより、記録シート表面の凸部と、凹部との両方において十分な画像濃度を得て、記録シート表面の凹凸にならった画像の濃淡パターンの発生を抑えることができる。
一方、交流バイアスのピークツウピーク電圧値を比較的大きくする必要のある低温低湿環境下では、記録シート表面の凸部と、凹部との両方でそれぞれ十分な画像濃度を得ようとすると、既に述べたように、送りピーク値(Vt)が大きくなり過ぎて放電に起因する白抜けを記録シート表面の凹部上の画像箇所に発生させてしまう。これにより、濃淡パターンを却って目立たせてしまう。そこで、本発明においては、交流バイアスのピークツウピーク電圧値を大きくするにつれて、直流バイアスの出力目標値を小さくすることで、送りピーク値Vtをより小さくするとともに、戻しピーク値(図22のVr)をより大きくする。これにより、放電に起因する白抜けの発生を抑え得る値に送りピーク値(Vt)を留めつつ、記録シート表面の凹部内のトナー粒子を像担持体表面に逆戻りさせ得る戻しピーク値(Vr)を確保する。実験により、ピークツウピーク電圧値を大きくするにつれて、転写ニップ内でトナー粒子を像担持体表面から離脱させるために直流バイアスの値を小さくし得ることがわかった。よって、ピークツウピーク電圧値を大きくするにつれて、直流バイアスの出力目標値を小さくしても、記録シート表面の凸部や凹部で画像濃度不足を引き起こすことはない。直流バイアスの出力目標値を小さくすることで、記録シートに流れる直流電流の量がより少なくなることから、記録シート表面の凹部や凸部の両方で画像濃度が薄くなるが、白抜けや、凸部よりも凹部の画像濃度が薄くなる現象は抑えられる。よって、記録シート表面の凹凸にならった画像の濃淡パターンの発生を抑えることができる。
以上のように、本発明では、環境にかかわらず、記録シートの表面凹凸にならった濃淡パターンの発生を抑えることができる。
実施形態に係るプリンタを示す概略構成図。 同プリンタにおけるK用の画像形成ユニットを拡大して示す拡大構成図。 同プリンタにおける2次転写バイアスの供給形態の第2例を示す拡大構成図。 同プリンタにおける2次転写バイアスの供給形態の第3例を示す拡大構成図。 同プリンタにおける2次転写バイアスの供給形態の第4例を示す拡大構成図。 同プリンタにおける2次転写バイアスの供給形態の第5例を示す拡大構成図。 同プリンタにおける2次転写バイアスの供給形態の第6例を示す拡大構成図。 同プリンタにおける2次転写バイアスの供給形態の第7例を示す拡大構成図。 同プリンタにおける2次転写バイアスの供給形態の第8例を示す拡大構成図。 同プリンタの2次転写バイアス電源から出力される重畳電圧からなる2次転写バイアスの波形を示す波形図。 実験に使用された転写実験装置を示す概略構成図。 2次転写ニップにおける転写初期段階のトナーの挙動を示す拡大模式図。 2次転写ニップにおける転写中期段階のトナーの挙動を示す拡大模式図。 2次転写ニップにおける転写後期段階のトナーの挙動を示す拡大模式図。 凹部のIDmax値と交流成分の周波数fとの関係を示すグラフ。 矩形波からなる交流成分を具備する2次転写バイアスの一例を示す波形図。 実施形態に係るプリンタの電気回路の一部を示すブロック図。 第1変形例に係るプリンタにおける作像ユニット1の一部を示す構成図。 第2変形例に係るプリンタにおける作像ユニット1の一部と、紙搬送ベルトユニットとを示す構成図。 第3変形例に係るプリンタにおける各色の作像ユニットの一部と、転写ユニットとを示す構成図。 第4変形例に係るプリンタの要部を示す要部構成図。
以下、本発明を適用した画像形成装置として、電子写真方式のカラープリンタ(以下、単にプリンタという)の実施形態について説明する前に、本発明を理解する上で参考になる参考形態に係るプリンタについて説明する。
まず、実施形態に係るプリンタの基本的な構成について説明する。図1は、実施形態に係るプリンタを示す概略構成図である。同図において、実施形態に係るプリンタは、イエロー(Y),マゼンダ(M),シアン(C),ブラック(K)のトナー像を形成するための4つの画像形成ユニット1Y,M,C,Kを備えている。また、転写装置としての転写ユニット30、光書込ユニット80、定着装置90、給紙カセット100、レジストローラ対101等も備えている。
4つの画像形成ユニット1Y,M,C,Kは、画像形成物質として、互いに異なる色のY,M,C,Kトナーを用いるが、それ以外は同様の構成になっており、寿命到達時に交換される。Kトナー像を形成するための画像形成ユニット1Kを例にすると、これは、図2に示すように、潜像担持体たるドラム状の感光体2K、ドラムクリーニング装置3K、除電装置(不図示)、帯電装置6K、現像装置8K等を備えている。画像形成ユニット1Y,M,C,Kは、それらの装置を共通の保持体に保持してプリンタ本体に対して一体的に脱着されることで、それらの装置が同時に交換されるようになっている。
感光体2Kは、ドラム基体の表面上に有機感光層が形成された外径60[mm]程度のドラム形状のものであって、図示しない駆動手段によって図中時計回り方向に回転駆動される。帯電装置6Kは、帯電バイアスが印加される帯電ローラ7Kを感光体2Kに接触あるいは近接させながら、帯電ローラ7Kと感光体2Kとの間に放電を発生させることで、感光体2Kの表面を一様帯電せしめる。参考形態では、トナーの正規帯電極性と同じマイナス極性に一様帯電せしめる。帯電バイアスとしては、直流電圧に交流電圧を重畳したものを採用している。帯電ローラ7Kは、金属製の芯金の表面に導電性弾性材料からなる導電性弾性層が被覆されたものである。帯電ローラ等の帯電部材を感光体2Kに接触あるいは近接させる方式に代えて、帯電チャージャーによる方式を採用してもよい。
帯電装置6Kによって一様帯電せしめられた感光体2Kの表面は、後述する光書込ユニットから発せられるレーザー光によって光走査されてK用の静電潜像を担持する。このK用の静電潜像は、図示しないKトナーを用いる現像装置8Kによって現像されてKトナー像になる。そして、後述する中間転写ベルト31上に1次転写される。
ドラムクリーニング装置3Kは、1次転写工程(後述する1次転写ニップ)を経た後の感光体2K表面に付着している転写残トナーを除去する。回転駆動されるクリーニングブラシローラ4K、片持ち支持された状態で自由端を感光体2Kに当接させるクリーニングブレード5Kなどを有している。そして、回転するクリーニングブラシローラ4Kで転写残トナーを感光体2K表面から掻き取ったり、クリーニングブレードで転写残トナーを感光体2K表面から掻き落としたりする。なお、クリーニングブレードについては、その片持ち支持端側を自由端側よりもドラム回転方向下流側に向けるカウンタ方向で感光体2Kに当接させている。
上記除電装置は、ドラムクリーニング装置3Kによってクリーニングされた後の感光体2Kの残留電荷を除電する。この除電により、感光体2Kの表面が初期化されて次の画像形成に備えられる。
現像装置8Kは、現像ロール9Kを内包する現像部12Kと、図示しないK現像剤を撹拌搬送する現像剤搬送部13Kとを有している。そして、現像剤搬送部13Kは、第1スクリュウ部材10Kを収容する第1搬送室と、第2スクリュウ部材11Kを収容する第2搬送室とを有している。それらスクリュウ部材は、それぞれ、軸線方向の両端部がそれぞれ軸受けによって回転自在に支持される回転軸部材と、これの周面に螺旋状に突設せしめられた螺旋羽根とを具備している。
第1スクリュウ部材10Kを収容している第1搬送室と、第2スクリュウ部材11Kを収容している第2搬送室とは、仕切り壁によって仕切られているが、仕切壁におけるスクリュウ軸線方向の両端箇所には、それぞれ両搬送室を連通させる連通口が形成されている。第1スクリュウ部材10Kは、螺旋羽根内に保持している図示しないK現像剤を、回転駆動に伴って回転方向に撹拌しながら、図中の紙面に直交する方向の奥側から手前側に向けて搬送する。第1スクリュウ部材10Kと、後述する現像ロール9Kとは互いに向かい合う姿勢で平行配設されているため、このときのK現像剤の搬送方向は、現像ロール9Kの回転軸線方向に沿った方向でもある。そして、第1スクリュウ部材10Kは、現像ロール9Kの表面に対してK現像剤をその軸線方向に沿って供給していく。
第1スクリュウ部材10Kの図中手前側端部付近まで搬送されたK現像剤は、仕切壁の図中手前側端部付近に設けられた連通開口を通って、第2搬送室内に進入した後、第2スクリュウ部材11Kの螺旋羽根内に保持される。そして、第2スクリュウ部材11Kの回転駆動に伴って、回転方向に撹拌されながら、図中手前側から奥側に向けて搬送されていく。
第2搬送室内において、ケーシングの下壁には図示しないトナー濃度センサが設けられており、第2搬送室内のK現像剤のKトナー濃度を検知する。Kトナー濃度センサとしては、透磁率センサからなるものが用いられている。Kトナーと磁性キャリアとを含有するK現像剤の透磁率は、Kトナー濃度と相関関係があるため、透磁率センサは、Kトナー濃度を検知していることになる。
本プリンタには、Y,M,C,K用の現像装置の第2収容室内にY,M,C,Kトナーをそれぞれ個別に補給するための図示しないY,M,C,Kトナー補給手段が設けられている。そして、プリンタの制御部は、RAMに、Y,M,C,Kトナー濃度検知センサからの出力電圧値の目標値であるY,M,C,K用のVtrefを記憶している。Y,M,C,Kトナー濃度検知センサからの出力電圧値と、Y,M,C,K用のVtrefとの差が所定値を超えた場合には、その差に応じた時間だけY,M,C,Kトナー補給手段を駆動する。これにより、Y,M,C,K用の現像装置における第2搬送室内にY,M,C,Kトナーが補給される。
現像部12K内に収容されている現像ロール9Kは、第1スクリュウ部材10Kに対向しているとともに、ケーシングに設けられた開口を通じて、感光体2Kにも対向している。また、現像ロール9Kは、回転駆動される非磁性パイプからなる筒状の現像スリーブと、これの内部にスリーブと連れ回らないように固定されたマグネットローラとを具備している。そして、第1スクリュウ部材10Kから供給されるK現像剤をマグネットローラの発する磁力によってスリーブ表面に担持しながら、スリーブの回転に伴って、感光体2Kに対向する現像領域に搬送する。
現像スリーブには、トナーと同極性であって、感光体2Kの静電潜像よりも大きく、且つ感光体2Kの一様帯電電位よりも小さな現像バイアスが印加されている。これにより、現像スリーブと感光体2Kの静電潜像との間には、現像スリーブ上のKトナーを静電潜像に向けて静電移動させる現像ポテンシャルが作用する。また、現像スリーブと感光体2Kの地肌部との間には、現像スリーブ上のKトナーをスリーブ表面に向けて移動させる非現像ポテンシャルが作用する。それら現像ポテンシャル及び非現像ポテンシャルの作用により、現像スリーブ上のKトナーが感光体2Kの静電潜像に選択的に転移して、静電潜像をKトナー像に現像する。
先に示した図1において、Y,M,C用の画像形成ユニット1Y,M,Cにおいても、K用の画像形成ユニット1Kと同様にして、感光体2Y,M,C上にY,M,Cトナー像が形成される。
画像形成ユニット1Y,M,C,Kの上方には、潜像書込手段たる光書込ユニット80が配設されている。この光書込ユニット80は、パーソナルコンピュータ等の外部機器から送られてくる画像情報に基づいてレーザーダイオードから発したレーザー光により、感光体2Y,M,C,Kを光走査する。この光走査により、感光体2Y,M,C,K上にY,M,C,K用の静電潜像が形成される。具体的には、感光体2Yの一様帯電した表面の全域のうち、レーザー光が照射された箇所は、電位を減衰せしめる。これにより、レーザー照射箇所の電位が、それ以外の箇所(地肌部)の電位よりも小さい静電潜像となる。なお、光書込ユニット80は、光源から発したレーザー光Lを、図示しないポリゴンモータによって回転駆動したポリゴンミラーで主走査方向に偏光せしめながら、複数の光学レンズやミラーを介して感光体に照射するものである。LEDアレイの複数のLEDから発したLED光によって光書込を行うものを採用してもよい。
画像形成ユニット1Y,M,C,Kの下方には、無端状の中間転写ベルト31を張架しながら図中反時計回り方向に無端移動せしめる転写装置としての転写ユニット30が配設されている。転写ユニット30は、像担持体たる中間転写ベルト31の他に、駆動ローラ32、2次転写裏面ローラ33、クリーニングバックアップローラ34などを有している。また、4つの1次転写ローラ35Y,M,C,K、ニップ形成ローラ36、ベルトクリーニング装置37、電位センサ38なども有している。
中間転写ベルト31は、そのループ内側に配設された駆動ローラ32、2次転写裏面ローラ33、クリーニングバックアップローラ34、及び4つの1次転写ローラ35Y,M,C,Kによって張架されている。そして、図示しない駆動手段によって図中反時計回り方向に回転駆動される駆動ローラ32の回転力により、同方向に無端移動せしめられる。
中間転写ベルト31としては、次のような特性を有するものを用いている。即ち、厚みは20[μm]〜200[μm]、好ましくは60[μm]程度である。また、体積抵抗率は6.0〜13[LogΩcm]、好ましくは7.5〜12.5[LogΩcm]である(三菱化学製ハイレスタ−UP MCP HT450にて、HRSプローブ使用、印加電圧100V、10msec値の条件で測定)。また、表面抵抗は、9.0〜13.0[LogΩ/□]、好ましくは10.0〜12.0[LogΩ/□]である(三菱化学製ハイレスタ−UP MCP HT450にて、HRSプローブ使用、印加電圧500V、10msec値の条件で測定)。
4つの1次転写ローラ35Y,M,C,Kは、無端移動せしめられる中間転写ベルト31を感光体2Y,M,C,Kとの間に挟み込んでいる。これにより、中間転写ベルト31のおもて面と、感光体2Y,M,C,Kとが当接するY,M,C,K用の1次転写ニップが形成されている。1次転写ローラ35Y,M,C,Kには、図示しない転写バイアス電源によってそれぞれ1次転写バイアスが印加されている。これにより、感光体2Y,M,C,K上のY,M,C,Kトナー像と、1次転写ローラ35Y,M,C,Kとの間に転写電界が形成される。Y用の感光体2Y表面に形成されたYトナーは、感光体2Yの回転に伴ってY用の1次転写ニップに進入する。そして、転写電界やニップ圧の作用により、感光体2Y上から中間転写ベルト31上に1次転写される。このようにしてYトナー像が1次転写せしめられた中間転写ベルト31は、その後、M,C,K用の1次転写ニップを順次通過する。そして、感光体2M,C,K上のM,C,Kトナー像が、Yトナー像上に順次重ね合わせて1次転写される。この重ね合わせの1次転写により、中間転写ベルト31上には4色重ね合わせトナー像が形成される。
1次転写ローラ35Y,M,C,Kは、金属製の芯金と、これの表面上に固定された導電性のスポンジ層とを具備している弾性ローラから構成されている。1自転車ローラ35Y,M,C,Kは、感光体2Y,M,C,Kの軸心に対し、それぞれの軸心を約2.5[mm]ずつベルト移動方向下流側にずらした位置に配設されている。このような1次転写ローラ35Y,M,C,Kに対して、1次転写バイアスが定電流制御によって印加される。なお、1次転写ローラ35Y,M,C,Kに代えて、転写チャージャーや転写ブラシなどを採用してもよい。
転写ユニット30のニップ形成ローラ36は、中間転写ベルト31のループ外側に配設されており、ループ内側の2次転写裏面ローラ33との間に中間転写ベルト31を挟み込んでいる。これにより、中間転写ベルト31のおもて面と、ニップ形成ローラ36とが当接する2次転写ニップNが形成されている。ニップ形成ローラ36は接地されているのに対し、2次転写裏面ローラ33には、2次転写バイアス電源39によって2次転写バイアスが印加される。これにより、2次転写裏面ローラ33とニップ形成ローラ36との間に、マイナス極性のトナーを2次転写裏面ローラ33側からニップ形成ローラ36側に向けて静電移動させる2次転写電界が形成される。
転写ユニット31の下方には、記録シートPを複数枚重ねた紙束の状態で収容している給紙カセット100が配設されている。この給紙カセット100は、紙束の一番上の記録シートPに給紙ローラ100aを当接させており、これを所定のタイミングで回転駆動させることで、その記録シートPを給紙路に向けて送り出す。給紙路の末端付近には、レジストローラ対101が配設されている。このレジストローラ対101は、給紙カセット100から送り出された記録シートPをローラ間に挟み込むとすぐに両ローラの回転を停止させる。そして、挟み込んだ記録シートPを2次転写ニップN内で中間転写ベルト31上の4色重ね合わせトナー像に同期させ得るタイミングで回転駆動を再開して、記録シートPを2次転写ニップNに向けて送り出す。2次転写ニップNで記録シートPに密着せしめられた中間転写ベルト31上の4色重ね合わせトナー像は、2次転写電界やニップ圧の作用によって記録シートP上に一括2次転写され、記録シートPの白色と相まってフルカラートナー像となる。このようにして表面にフルカラートナー像が形成された記録シートPは、2次転写ニップNを通過すると、ニップ形成ローラ36や中間転写ベルト31から曲率分離する。
2次転写裏面ローラ33は、芯金と、これの表面に被覆された導電性弾性層とを具備するものである。そして、2次転写裏面ローラ33は、次のような特性を有している。即ち、外径は20〜24[mm]である。また、芯金の径は約16[mm]である。芯金の表面に被覆された導電性弾性層の抵抗Rは1E6[Ω]〜2E7[Ω]である。抵抗Rは、1次転写ローラと同様の方法によって測定された値である。また、2次転写裏面ローラ33の抵抗は、6.0〜12.0[LogΩ]、好ましくは4.0[LogΩ]である。なお、2次転写裏面ローラ33として、導電性弾性層を設けていないステンレスローラを使用してもよい。2次転写裏面ローラ33の抵抗については、次のようにして測定する。即ち、ローラの長手方向の両端部にそれぞれ5[N]の荷重をかけながら、ローラ軸に1[kV]の電圧を印加する。そして、ローラを1分間で1回転させている間に抵抗を複数回測定して平均値を求める。
また、ニップ形成ローラ36は、次のような特性を有している。即ち、外径は約24[mm]である。また、芯金の径は約14[mm]である。芯金の表面には、導電性のNBR系ゴム層が被覆されており、その抵抗Rは1E6Ω以下である。抵抗Rは、1次転写ローラと同様の方法によって測定された値である。また、ニップ形成ローラ36の抵抗は、6.0〜8.0[LogΩ]、好ましくは7.0〜8.0[LogΩ]である。この抵抗は、2次転写裏面ローラ33と同様の方法によって測定されたものである。
2次転写バイアス電源39は、2次転写ニップNに転写電界を形成するための2次転写バイアスを出力するものである。図示の例では、2次転写バイアスとして、直流電圧に交流電圧を重畳せしめた重畳バイアスからなるものを出力するようになっている。2次転写バイアス電源39の出力端子は、2次転写裏面ローラ33の芯金に接続されている。2次転写裏面ローラ33の芯金の電位は、2次転写バイアス電源39からの出力電圧値とほぼ同じ値になる。また、ニップ形成ローラ36については、その芯金を接地(アース接続)している。
2次転写バイアス電源39は、2次転写バイアスの直流電圧として、トナーの帯電極性と同極性のものを出力するようになっており、2次転写バイアス電源39から出力された2次転写バイアスは、2次転写裏面ローラ33の芯金に印加される。2次転写裏面ローラ33とニップ形成ローラ36との間では、中間転写ベルト31上のトナーが2次転写裏面ローラ33側からニップ形成ローラ36側に静電移動して、記録シートPに一括2次転写される。
2次転写バイアスの供給形態は、図1に示される形態に限定されるものではない。例えば図3に示されるように、2次転写バイアス電源39から出力される2次転写バイアスをニップ形成ローラ36の芯金に印加する一方で、2次転写裏面ローラ33を接地してもよい。この場合、2次転写バイアスにおける直流電圧として、その極性がトナーの帯電極性とは逆極性のものを出力させる。図3では、トナーの帯電極性がマイナス極性であり、且つ2次転写バイアスの直流電圧がトナーの帯電極性とは逆の+極性である例を示している。
また、図4に示されるように、2次転写バイアス電源39から出力される交流電圧を2次転写裏面ローラ33の芯金に印加する一方で、2次転写バイアス電源39から出力される直流電圧をニップ形成ローラ36の芯金に印加してもよい。この場合、図3に示される例と同様に、直流電圧として、その極性がトナーの帯電極性とは逆極性のものを2次転写バイアス電源39から出力させる。
また、図5に示されるように、2次転写バイアス電源39から出力される交流電圧をニップ形成ローラ36の芯金に印加する一方で、2次転写バイアス電源39から出力される直流電圧を2次転写裏面ローラ33の芯金に印加してもよい。この場合、直流電圧として、その極性がトナーの帯電極性と同極性のものを2次転写バイアス電源39から出力させる。
また、図6に示されるように、交流電圧に直流電圧を重畳した重畳電圧を出力する回路と、直流電圧だけを出力する回路とを2次転写バイアス電源39に設けて、次のようにしてもよい。即ち、それら2つの回路のうち、何れか一方をスイッチング回路によって選択して2次転写裏面ローラ33に印加するようにしてもよい。この場合、2つの回路における直流電圧としては何れも、トナーの帯電極性と同極性のものを出力させる。
また、図7に示されるように、前述の2つの回路のうち、何れか一方をスイッチング回路によって選択してニップ形成ローラ36に印加するようにしてもよい。この場合、2つの回路における直流電圧としては何れも、トナーの帯電極性とは逆極性のものを出力させる。
このように、2次転写バイアスの供給形態としては様々なものを採用することが可能であるが、記録シートPとして表面凹凸のない普通紙を用いる場合には、直流電圧だけからなる2次転写バイアスを用いても画像濃度ムラを引き起こすことがない。そこで、本プリンタにおいては、2次転写バイアス電源39として、直流電圧だけを出力する第1モードと、直流電圧及び交流電圧の両方を出力する第2モードとを切り替え可能なものを用いている。切り替えのための構成としては、例えば図8や図9に示されるように、直流電圧、交流電圧それぞれについてリレースイッチによって出力のオンオフを制御する構成を例示することができる。
図8に示される例では、2次転写バイアス電源39が、2次転写裏面ローラ33に印加される重畳電圧を出力するための重畳電圧回路と、ニップ形成ローラ36に印加される直流電圧を出力するための直流電圧回路とを有している。2次転写裏面ローラ33に接続されているリレースイッチは、接点の切り替えにより、重畳電圧回路とアースとの何れか一方だけを導通させる。また、ニップ形成ローラ36に接続されているリレースイッチは、接点の切り替えにより、直流電圧回路とアースとの何れか一方だけを導通させる。但し、前者のリレースイッチと後者のリレースイッチとは互いに連動しており、前者のリレースイッチが2次転写裏面ローラ33に対して重畳電圧回路を導通させているときには、後者のリレースイッチがニップ形成ローラ36に対してアースを導通させる。重畳電圧回路が出力する重畳電圧の直流成分は、トナーの帯電極性と同極性のものである。また、前者のリレースイッチが2次転写裏面ローラ33に対してアースを導通させているときには、後者のリレースイッチがニップ形成ローラ36に対して直流電圧回路を導通させる。直流電圧回路から出力される直流電圧は、トナーの帯電極性とは逆極性のものである。
図9に示される例では、2次転写バイアス電源39が、2次転写裏面ローラ33に印加される直流電圧を出力するための直流電圧回路と、ニップ形成ローラ36に印加される重畳電圧を出力するための重畳電圧回路とを有している。2次転写裏面ローラ33に接続されているリレースイッチは、接点の切り替えにより、直流電圧回路とアースとの何れか一方だけを導通させる。また、ニップ形成ローラ36に接続されているリレースイッチは、接点の切り替えにより、重畳電圧回路とアースとの何れか一方だけを導通させる。但し、前者のリレースイッチと後者のリレースイッチとは互いに連動しており、前者のリレースイッチが2次転写裏面ローラ33に対して直流電圧回路を導通させているときには、後者のリレースイッチがニップ形成ローラ36に対してアースを導通させる。直流電圧回路が出力する直流電圧は、トナーの帯電極性と同極性のものである。また、前者のリレースイッチが2次転写裏面ローラ33に対してアースを導通させているときには、後者のリレースイッチがニップ形成ローラ36に対して重畳電圧回路を導通させる。重畳電圧回路から出力される重畳電圧の直流成分は、トナーの帯電極性と同極性のものである。
記録シートPとして、ザラ紙のような表面凹凸の大きなものではなく、普通紙のような表面凹凸の小さなものが用いられる場合には、凹凸パターンにならった濃淡パターンが出現しない。そこで、この場合、2次転写バイアス電源39は、第1モードを実施して、2次転写バイアスとして、直流電圧だけからなるものを出力する。これに対し、記録シートPとして、ザラ紙のような表面凹凸の大きなものが用いられる場合には、第2モードを実施して、2次転写バイアスとして、直流電圧及び交流電圧の両方からなるものを出力する。
2次転写ニップNを通過した後の中間転写ベルト31には、記録シートPに転写されなかった転写残トナーが付着している。これは、中間転写ベルト31のおもて面に当接しているベルトクリーニング装置37によってベルト表面からクリーニングされる。中間転写ベルト31のループ内側に配設されたクリーニングバックアップローラ34は、ベルトクリーニング装置37によるベルトのクリーニングをループ内側からバックアップする。
2次転写ニップNの図中右側方には、定着装置90が配設されている。この定着装置90は、ハロゲンランプ等の発熱源を内包する定着ローラ91と、これに所定の圧力で当接しながら回転する加圧ローラ92とによって定着ニップを形成している。定着装置90内に送り込まれた記録シートPは、その未定着トナー像担持面を定着ローラ91に密着させる姿勢で、定着ニップに挟まれる。そして、加熱や加圧の影響によってトナー像中のトナーが軟化さしめられて、フルカラー画像が定着せしめられる。定着装置90内から排出された記録シートPは、定着後搬送路を経由した後、機外へと排出される。
本プリンタにおいて、モノクロ画像を形成する場合には、転写ユニット30におけるY,M,C用の1次転写ローラ35Y,M,Cを支持している図示しない支持板を移動せしめて、1次転写ローラ35Y,M,C,Kを、感光体2Y,M,Cから遠ざける。これにより、中間転写ベルト31のおもて面を感光体2Y,M,Cから引き離して、中間転写ベルト31をK用の感光体2Kだけに当接させる。この状態で、4つの画像形成ユニット1Y,M,C,Kのうち、K用の画像形成ユニット1Kだけを駆動して、Kトナー像を感光体2K上に形成する。
図10は、2次転写バイアス電源39から出力される重畳電圧からなる2次転写バイアスの波形を示す波形図である。この2次転写バイアスは、2次転写裏面ローラ33の芯金に印加されるものであり、ニップ形成ローラ36は接地されている(図1又は図8の態様)。2次転写裏面ローラの芯金にこの2次転写バイスが印加されると、2次転写裏面ローラ33の芯金と、ニップ形成ローラの芯金との間に、電位差が発生する。
同図において、オフセット電圧Voffは、重畳電圧の直流成分の値である。また、Vppは、重畳電圧の交流成分のピークツウピーク電圧値である。この重畳電圧の波形は正弦波であるため、交流成分のディーティは50[%]である。このため、重畳電圧の時間平均値は、オフセット電圧Voffと同じ値になる。同図では、オフセット電圧Voffがトナーの帯電極性と同じマイナス極性になっている。本プリンタでは、2次転写裏面ローラ33に印加される2次転写バイアスのオフセット電圧Voffの極性がマイナス極性であることから、2次転写ニップN内において、トナー粒子が2次転写裏面ローラ33側からニップ形成ローラ36側に相対的に押し出される。但し、トナーは押し出される一方ではなく、2次転写裏面ローラ33側に引き戻されるときもあるが、時間平均電位がマイナス極性であることから、トナー粒子は相対的にニップ形成ローラ36側に押し出されていく。
同図において、戻り電位ピーク値Vrは、2次転写バイアスにおけるトナーとは逆極性であるプラス側のピーク値を示している。また、送りピーク値Vtは、2次転写バイアスにおけるトナーと同極性であるマイナス側のピーク値を示している。
次に、本発明者らが行った転写実験について説明する。
引用文献1には、2次転写バイアスとして重畳バイアスからなるものを用いることで記録シート表面の凹部において十分な画像濃度が得られるようになる原理については記載されていない。そこで、本発明者らはその原理を解明するための転写実験を行った。そのために、2次転写バイアスとして、2次転写ニップNに交番電界を形成するものを用いた。そして、記録シート表面の凹部で十分な画像濃度を得て紙面凹凸にならった濃淡パターンを目立たなくすることができる原因を明らかにするために、特殊な転写実験装置を作製した。
図11は、その転写実験装置を示す概略構成図である。この転写実験装置は、透明基板210、現像装置231、Zステージ220、照明241、顕微鏡242、高速度カメラ243、パーソナルコンピュータ244などを備えている。透明基板210は、ガラス板211と、これの下面に形成されたITO(Indium Tin Oxide)からなる透明電極212と、透明電極212の上に被覆された透明材料からなる透明絶縁層213とを具備している。この透明基板210は、図示しない基板支持手段によって所定の高さ位置で支持されている。この基板支持手段は、図示しない移動機構によって図中上下左右方向に移動することが可能である。図示の例では、透明基板210が金属版215を載置したZステージ220の上に位置しているが、基板支持手段の移動により、Zステージ220の側方に配設された現像装置231の真上に移動することも可能である。なお、透明基板210の透明電極212は、基板支持手段に固定された電極に接続され、この電極は接地されている。
現像装置231は、参考形態に係るプリンタの現像装置と同様の構成になっており、スクリュウ部材232、現像ロール233、ドクターブレード234などを有している。現像ロール233は、電源235によって現像バイアスが印加された状態で回転駆動される。
透明基板210が基板支持手段の移動により、現像装置231の真上で且つ現像ロール233に対して所定のギャップを介して対向する位置まで所定の速度で移動せしめられると、現像ロール233上のトナーが透明基板210の透明電極212上に転移する。これにより、透明基板210の透明電極212上には所定の厚みのトナー層216が形成される。トナー層216に対する単位面積あたりのトナー付着量は、現像剤のトナー濃度、トナーの帯電量、現像バイアス値、基板210と現像ロール233とのギャップ、透明基板210の移動速度、現像ロール233の回転速度などによって調整することができる。
トナー層216が形成された透明基板210は、平面状の金属板215上に導電性接着剤で貼り付された記録シート214との対向位置まで平行移動せしめられる。金属板215は、加重センサが設けられた基板221上に設置され、基板221はZステージ220上に設置されている。また、金属板215は、電圧増幅器217に接続されている。電圧増幅器217には、波形発生装置218によって直流電圧及び交番電圧からなる転写バイアスが入力され、金属板215には電圧増幅器217によって増幅された転写バイアスが印加される。Zステージ220を駆動制御して金属板215を上昇させると、記録用紙214がトナー層216と接触し始める。金属板215を更に上昇させると、トナー層216に対する圧力が増加するが、加重センサからの出力が所定の値になるように金属板215の上昇を停止させる。圧力を所定値にした状態で、金属板215に転写バイアスを印加してトナーの挙動を観察する。観察後は、Zステージ220を駆動制御して金属板215を下降させて、記録用紙214を透明基板210から離間させる。すると、トナー層216は記録用紙214上に転写されている。
トナーの挙動の観察については、基板210の上方に配設されている顕微鏡242及び高速度カメラ243を用いて行う。基板210は、ガラス板211、透明電極212、及び透明絶縁層213という各層が全て透明材料からなるので、透明電極210の上方から、透明基板210を介して、透明基板210の下側にあるトナーの挙動を観察することができる。
顕微鏡242としては、キーエンス社製のズームレンズVH−Z75からなるものを用いた。また、高速度カメラ243としては、フォトロン社製のFASTCAM−MAX 120KCを用いた。フォトロン社FASTCAM−MAX 120KCは、パーソナルコンピュータ244によって駆動制御される。顕微鏡242及び高速度カメラ243は、図示しないカメラ支持手段によって支持されている。このカメラ支持手段は、顕微鏡242の焦点を調整できるように構成されている。
トナーの挙動については、次のようにして撮影する。即ち、まず、照明241によってトナーの挙動の観察位置に照明光を照射して、顕微鏡242の焦点を調整する。次に、金属板215に転写バイアスを印加して、透明基板210の下面に付着しているトナー層216のトナーを、記録シート214に向けて移動させる。このときのトナーの挙動を、高速度カメラ243で撮影する。
図11に示される転写実験装置と、実施形態に係るプリンタとでは、トナーを記録シートに転写する転写ニップの構造が異なるため、転写バイアスが同じであっても、トナーに作用する転写電界は異なる。適切な観察条件を調べるために、転写実験装置でも、良好な凹部濃度再現性が得られる転写バイアス条件を調べてみた。記録シート214としては、(株)NBSリコー社製のFC和紙タイプ「さざ波」と呼ばれるものを使用した。トナーとしては、平均粒径6.8[μm]のYトナーに、Kトナーを少量混入したものを用いた。転写実験装置では、記録シートの裏面に転写バイアスを印加する構成になっているため、トナーを記録シートに転写し得る転写バイアスの極性が、実施形態に係るプリンタとは逆になっている(即ち、プラス極性)。重畳電圧からなる転写バイアスの交流成分として、波形が正弦波であるものを採用した。交流成分の周波数fを1000[Hz]、直流電圧(本例ではオフセット電圧Voffに該当し、時間平均値を同じ値)を200[V]、ピークツウピーク電圧値Vppを1000[V]に設定した。そして、記録シート214に対して0.4〜0.5[mg/cm]のトナー付着量でトナー層216を転写した。その結果、「さざ波」の表面の凹部上で十分な画像濃度を得ることができた。
そのとき、顕微鏡242の焦点を透明基板210上のトナー層216に合わせて、トナーの挙動を撮影した。すると、次のような現象が観察された。即ち、トナー層216中のトナー粒子は、転写バイアスの交流成分によって形成される交番電界により、透明基板210と記録シート214との間を往復移動するが、その往復移動回数の増加とともに、往復移動するトナー粒子の量が増加した。
具体的には、転写ニップにおいては、転写バイアス(実機では2次転写バイアス)の交流成分の1周期(1/f)が到来する毎に、交番電界が1回作用してトナー粒子が1回往復移動する。初めの1周期では、図12に示されるように、トナー層216のうち、層の表面に存在しているトナー粒子だけが層から離脱する。そして、記録シート214の凹部に進入した後、再びトナー層216に戻ってくる。このとき、戻ったトナー粒子が、トナー層216のトナー粒子に衝突することで、後者のトナー粒子とトナー層216や透明基板210との付着力を弱める。これにより、次の1周期には、図13に示されるように、前の1周期よりも多くのトナー粒子がトナー層216から離脱する。そして、記録シート214の凹部に進入した後、再びトナー層216に戻ってくる。このとき、戻ったトナー粒子が、トナー層216中にまだ残っていたトナー粒子に衝突することで、後者のトナー粒子とトナー層216や透明基板210との付着力を弱める。これにより、更に次の1周期には、図14に示されるように、前の1周期よりも更に多くのトナー粒子がトナー層216から離脱する。このように、トナー粒子は往復移動する毎に、その数を徐々に増やしていく。すると、ニップ通過時間が経過したときには(転写実験装置ではニップ通過時間に相当する時間が経過したとき)、記録シート214の凹部内に十分量のトナーが転移していることがわかった。
次に、直流電圧を200[V]に設定し、且つ交流電圧のピークツウピーク電圧値Vppを800[V]にした条件で、トナーの挙動を撮影したところ、次のような現象が観察された。即ち、トナー層216中のトナー粒子のうち、層の表面に存在しているものが、初めの1周期で層から離脱して記録シートPの凹部内に進入する。ところが、進入したトナー粒子は、その後、トナー層216に向かうことなく、凹部内に留まった。次の1周期が到来したとき、トナー層216から新たに離脱して記録シート214の凹部内に進入したトナー粒子は、ごく僅かであった。よって、ニップ通過時間が経過した時点で、記録シートPの凹部内には少量のトナー粒子しか転移していない状態であった。
本発明者らは、更なる観測実験を行った。そして、初めの1周期で、トナー層216から記録シート214の凹部内に進入したトナー粒子を、再びトナー層216に引き戻すことが可能な戻しピーク値Vrの値は、透明基板210上における単位面積あたりのトナー付着量に左右されることを見出した。透明基板210上におけるトナー付着量が多くなるほど、記録シート214の凹部内のトナー粒子をトナー層216に引き戻すことが可能な戻しピーク値Vrが大きくなるのである。
このように、2次転写バイアスとして、交流成分と直流成分とを具備するものを用いることで、記録シート214の凹部上で十分な画像濃度を得ることができる。しかしながら、2次転写バイアスの交流成分のピークツウピーク電圧値Vppを転写影響要因に応じて適切にコントロールしないと、記録シート214表面の凹部で十分な画像濃度が得られずに濃淡パターンを発生させてしまうこともわかった。転写影響要因は、2次転写ニップ内における中間転写ベルトから記録シートへのトナー像の転写性に影響を与える要因であり、温度、湿度、記録シートの厚み、シート表面の凹部の深さ、ベルト表面上における単位面積あたりのトナー付着量などが挙げられる。
交流成分のピークツウピーク電圧値Vppを転写影響要因に応じて適切にコントロールしなければならないのは、以下に説明する理由による。先に示した図10において、2次転写バイアスは、0Vを中心にしてプラス側、マイナス側にそれぞれ等しい振幅で振れる交流バイアスに対し、トナーの帯電極性とは逆のプラス極性の直流バイアスからなるオフセット電圧Voffが重畳されたものである。交流成分の1周期のうち、2次転写バイアスがプラス極性になっている期間では、2次転写ニップ内でトナー粒子がベルト表面上のトナー層から離脱して記録シートに向けて移動する。そして、2次転写バイアスが送りピーク値Vtになったタイミングで、トナー粒子をベルト表面側から記録シート側に向けて移動させる方向(以下、送り方向という)の電界強度が最大になる。このときの電界強度をある程度大きくしないと、ベルト表面から記録シートに向けてトナー粒子を良好に転移させることができず、記録シート表面の凹部だけでなく、凸部でも十分な画像濃度が得られなくなってしまう。このため、送り方向の電界強度については、少なくとも記録シート表面の凸部において十分な画像濃度が得られる値まで大きくする必要がある(以下、その値を「送り方向必要電界強度」という)。
一方、2次転写バイアスがマイナス極性になっている期間では、トナー粒子が記録シート側からベルト表面側に向けて逆戻りする。そして、2次転写バイアスが戻しピーク値Vrになったタイミングで、トナー粒子を記録シート側から中間転写ベルト側に向けて逆戻りさせる方向(以下、戻り方向という)の電界強度が最大になる。このとき、記録シートの凹部内に転移しているトナー粒子に対して半周期内でトナー層に逆戻りさせるだけの静電気力を付与しないと、凹部内のトナー粒子をトナー層に逆戻りさせることができなくなることから、凹部で十分な画像濃度が得られなくなってしまう。このため、戻し方向の電界強度については、少なくとも、記録シート表面の凹部内に転移したトナー粒子に対して半周期内でトナー層に逆戻りさせる静電気力を付与する値まで大きくする必要がある(以下、その値を「戻し方向必要電界強度」という)。
送り方向の電界強度は送りピーク値Vtに依存し、戻り方向の電界強度は戻しピーク値Vrに依存し、且つ、それらピーク値の合計は交流成分のピークツウピーク電圧値Vppと同じ値である。よって、ピークツウピーク電圧値Vppについては、送り方向の電界の強度をちょうど「送り方向必要電界強度」にしつつ、次のようにする必要がある。即ち、戻し方向の電界の強度をちょうど「戻し方向必要電界強度」にする値と同じか、その値よりも大きくする必要がある(以下、その値を「必要ピークツウピーク」という)。そして、その「必要ピークツウピーク」は、転写影響要因の状態によって異なってくる。例えば、転写影響要因の1つである温度や湿度が低下すると、2次転写バイアスが印加される2次転写ローラの電気抵抗が上昇することから、低温低湿環境下では高温高湿環境下に比べて「必要ピークツウピーク」が大きくなる。
ピークツウピーク電圧値Vppについて、転写影響要因に応じて適切にコントロールしなければならない理由について、転写影響要因の1つである温度を例にして説明したが、湿度などにも応じてピークツウピーク電圧値Vppをコントロールすることが望ましい。
一方、トナー像をベルト表面から記録シートに良好に転写するためには、ベルト表面と記録シートとの間に適切な量の直流電流を流す必要がある。そして、適切な量の直流電流を流すことが可能なオフセット電圧Voffの値は、記録シートの厚みや絶対湿度によって異なってくる。記録シートの厚みが大きくなったり、絶対湿度が低くなったりするほど、記録シートの電気抵抗が高くなって記録シートに直流電流が流れ難くなる。このため、記録シートの厚みが大きくなったり、絶対湿度が低くなったりするほど、オフセット電圧Voffを大きくしないとベルト表面と記録シートとの間に流れる直流電流の量が不足して画像濃度不足を引き起こしてしまう。
そこで、本発明者らは、次のような交流バイアス出力部と、直流バイアス出力部とを転写電源に設けた。即ち、交流バイアスのピークツウピーク電圧値Vppを定電圧制御で出力し、且つその出力目標値を温度などの転写影響要因に応じて変化させる交流バイアス出力部、及び直流バイアスを定電流制御で出力する直流バイアス出力部である。かかる構成においては、交流バイアスのピークツウピーク電圧値Vppを転写影響要因に応じた適切な値に変化させるとともに、直流バイアスを定電流制御で出力して記録シートの電気抵抗にかかわらずベルト表面と記録シートとの間に一定量の直流電流を流す。本発明者らは、かかる構成により、転写影響要因にかかわらず記録シートの表面の凹部で十分な画像濃度が得られるようになると考えていた。
ところが、低温低湿環境下において、記録シートの凹部で十分な画像濃度を得ることができなかった。そして、その原因には、放電によるトナーの逆帯電が関与していることがわかった。具体的には、上述したように、低温低湿環境下では、高温高湿環境下に比べて「必要ピークツウピーク」がより大きくなる。環境が低温低湿側に変化しても、記録シートの電気抵抗が変化しないのであれば、2次転写ローラの電気抵抗の上昇だけが「必要ピークツウピーク」をより大きくする原因になる。しかし、環境が低温低湿側に変化すると、水分蒸発によって記録シートの電気抵抗が高くなることから、定電流制御で出力される直流電圧の値(オフセット電圧Voff)がより大きくなる。このようにオフセット電圧Voffがより大きくなっても、戻し方向の電界について「戻し方向必要電界強度」を確保するためには、交流バイアスのピークツウピーク電圧値もそれに応じて大きな値にしなければならない。このため、環境が低温低湿側に変化することに伴って「必要ピークツウピーク」がより大きくなる原因には、2次転写ローラの電気抵抗が上昇することに加えて、記録シートの電気抵抗が上昇することも関与している。2次転写ローラの電気抵抗によっては、ピークツウピーク電圧値Vppを「必要ピークツウピーク」と同じ値まで大きくすると、送りピーク値Vtが大きくなり過ぎる。そして、2次転写ニップ内の記録シート表面の凹部内で放電を発生させて凹部内のトナー粒子を逆帯電させてしまう。この逆帯電により、画像におけるシート表面の凹部の箇所に白点状の白抜けが発生して、シート表面における凹部上での画像濃度不足の原因になっていたのである。トナーが全く付着していない白点状の白抜けは非常に目立つ現象であるので、凹凸にならった濃淡パターンがより顕著になってしまう。
そこで、本発明者らは、以下のような更なるプリント実験を行った。なお、以下に説明する各種のプリント実験において使用されるプリント試験機は、実施形態に係るプリンタと同様の基本的な構成を備えているものである。また、2次転写バイアス電源39としては、ファンクションジェネレーター(横河電機FG300)で重畳電圧の波形を作り、それをアンプ(Trek High Voltage Amplifir Model10/40)で増幅して出力するものを用いた。
[第1プリント実験]
プリント試験機の各種パラメータを次のように設定した。
・プロセス線速v=282[mm/s]
・2次転写バイアスのオフセット電圧Voff=−1000[V]で定電圧制御
・2次転写バイアスの交流成分のピークツウピーク電圧値Vpp=7[kV]で定電圧制御
・交流成分の周波数f=500[Hz]
記録シートとして、特殊製紙株式会社製のレザック66(商品名) 175kg紙(四六版連量)と、レザック66 215kg紙(四六版連量)とを使用した。レザック66は「さざ波」よりも紙表面の凹凸の度合いが大きい紙である。紙表面の凹部の深さは最大で100[μm]程度である。実験室については、温度=23[℃]、湿度=50[%]に設定した。
以上の条件で、A4サイズの全黒ベタ画像を、レザック66 175kg紙と、レザック66 215kg紙とにそれぞれプリントした。すると、175kg紙では、紙表面における凹部のない平滑部と、凹部とでそれぞれ十分な画像濃度が得られていたのに対し、215kg紙では、平滑部と凹部とでそれぞれ十分な画像濃度が得られなかった。2次転写バイアスのオフセット電圧Voffを単純に定電圧で出力しているだけでは、175kg紙よりも電気抵抗の高い215kg紙に対して2次転写ニップで必要量の直流電流を流すことができなかった。このため、平滑部、凹部の両方で十分な画像濃度が得られなかったと思われる。
[第2プリント実験]
2次転写バイアスの直流電圧を2次転写バイアス電源39から定電流制御で出力させるようにした。2次転写バイアスの直流成分の電流値であるオフセット電流Ioffの出力目標値については、−47.5[μA]に設定した。これらの点の他は、第1プリント実験と同様の条件で、A4サイズの全黒ベタ画像を、レザック66 175kg紙と、レザック66 215kg紙とにそれぞれプリントした。すると、175kg紙、215kg紙の両方においてそれぞれ、紙表面における平滑部と凹部との両方で十分な画像濃度が得られた。175kg紙、これよりも電気抵抗の高い215kg紙の何れにおいても、紙に対して2次転写ニップで必要量の直流電流を流すことができため、平滑部、凹部の両方で十分な画像濃度が得られたのである。
[第3プリント実験]
プリント試験機の各種パラメータを次のように設定した。
・プロセス線速v=176[mm/s]
・2次転写バイアスの交流成分の周波数f=500[Hz]
・2次転写バイアスの交流成分のピークツウピーク電圧値Vppについては、様々な値で定電圧制御
・2次転写バイアスの直流成分のオフセット電流Ioffについては、様々な値で定電流制御
記録シートとしては、レザック66 175kg紙を用いた。また、実験室の環境は、温度=10[℃]、湿度=15[%]に設定した。そして、マゼンタのハーフトーン画像とマゼンタとシアン画像との重ね合わせによる青ベタ画像を、様々なピークツウピーク電圧値Vppや直流成分の条件でそれぞれプリントした。そして、出力されたハーフトーン画像と青ベタ画像とについて、それぞれ、紙表面の凹部へのトナー転写性、平滑部へのトナー転写性、及び凹部における白抜けの発生状況について目視で評価した。
紙表面の平滑部へのトナー転写性は、ベルト表面上のトナー粒子を平滑部に転移させる性能である。平滑部へのトナー転写性については、平滑部に対して十分な画像濃度が得られるほどに良好にトナー粒子を転移させている場合を○として評価した。また、平滑部に対してやや薄いものの許容レベルの画像濃度が得られるほどの量のトナー粒子を転移させている場合を△、平滑部に対して許容レベルを下回るトナー粒子しか転移させていない場合を×として評価した。
また、紙表面の凹部へのトナー転写性は、凹部にトナー粒子を転移させる性能である。凹部へのトナー転写性については、凹部に対して十分な画像濃度が得られるほどに良好にトナー粒子を転移させている場合を○として評価した。また、凹部に対してやや薄いものの、許容レベルの画像濃度が得られるほどの量のトナー粒子を転移させている場合を△、凹部に対して許容レベルを下回るトナー粒子しか転移させていない場合を×として評価した。なお、凹部へのトナー転写性については、白抜けによるトナー粒子の転移不良を除外して評価しているため、白抜けが発生している画像については、凹部上の画像箇所のうち、白抜けのない領域の画像濃度に基づいて評価した。
また、凹部における白抜けの発生状況については、白抜けが全く発生していない場合を○、やや白抜けが発生しているものの許容レベルである場合を△、許容レベルを超える白抜けが発生している場合を×として評価した。
第3プリント実験で採用したピークツウピーク電圧値Vppやオフセット電流Ioffの条件を次の表1に示す。なお、交流バイアスとしては、条件1〜条件7においては、図10に示されるような正弦波状のものを採用した。これに対し、条件8においては、後述する第8プリント実験と同様に、交流バイアスとして、矩形波状のものであって、且つ戻し時間比が40[%]であるものを採用した。
Figure 0006222542
表1からわかるように、条件1では、ピークツウピーク電圧値Vppにかかわらず、オフセット電流Ioffの出力目標値を−40[μA]に固定している。これに対し、条件2〜8ではそれぞれ、ピークツウピーク電圧値Vppを大きくするにつれて、オフセット電流Ioffの出力目標値を小さくしている。
各条件における画像の評価結果を次の表2に示す。
Figure 0006222542
表2において、OKという評価結果は、平滑部へのトナー転写性、凹部へのトナー転写性、及び白抜けの発生状況の3項目が何れも○という評価結果になったことを示している。また、OKという評価結果になっていない欄では、3項目のうち、○という評価結果が得られなかった項目だけについて評価結果が記載されており、欄内に評価結果が記載されていない項目については○という評価結果になっている。例えば、条件2のVpp=4kVにおける青ベタ画像では、凹部へのトナー転写性の評価結果が×になったが、欄内に記載されていない平滑部へのトナー転写性や白抜けの発生状況は、何れも○という評価結果になっている。また、条件2のVpp=10kVにおける青ベタ画像では、白抜けの発生状況の評価結果が△になったが、欄内に記載されていない凹部へのトナー転写性や平滑部へのトナー転写性は、何れも○という評価結果になっている。また、条件7のVpp=10kVにおける青ベタ画像では、平滑部へのトナー転写性の評価結果が△になったが、欄内に記載されていない凹部へのトナー転写性や白抜けの発生状況については、何れも○という評価結果になっている。
表1と表2とを合わせたものを、次の表3に示す。なお、表3では、画質の評価結果が×になった欄には斜線を付している。
Figure 0006222542
表3に示されるように、ピークツウピーク電圧値Vppを大きくするにつれて、オフセット電流Ioffを小さくする構成の方が、オフセット電流Ioffを一定にしている構成に比べて、よい結果が得られている。中でも、条件8が最もよい結果になった。
但し、例えば条件8において、ピークツウピーク電圧値Vppを4[kV]に設定した条件でオフセット電流Ioffを−40[μA]まで大きくしなくても、良い結果が得られるかもしれない。例えばピークツウピーク電圧値Vpp=12[kV]の場合と同様に、−24[μA]でも良い結果が得られるかもしれない。即ち、ピークツウピーク電圧値Vppを大きくするにつれてオフセット電流Ioffを小さくするのではなく、ピークツウピーク電圧値Vppにかかわらず、オフセット電流Ioffを−24[μA]に設定するのである。このようにしても、条件8と同様の良い結果が得られるかもしれない。
そこで、表4に示すように、新たに条件9、条件10、及び条件11を追加して、それぞれの条件で同様のプリント実験を行った。
Figure 0006222542
表4からわかるように、ピークツウピーク電圧値Vppを4[kV]に設定した場合には、オフセット電流Ioffを少なくとも−38[μA]まで高めないと、記録シート表面の平滑部(凸部)で青ベタ画像の画像濃度不足が発生してしまう。よって、ピークツウピーク電圧値Vppにかかわらず、オフセット電流Ioffを一定にした構成では、ピークツウピーク電圧値Vppを比較的大きな値にした場合に、記録シート表面の平滑部で十分が画像濃度が得られなくなってしまうことがわかった。
なお、条件8において、ピークツウピーク電圧値Vppを大きくするにつれて、オフセット電流Ioffを小さくしても、記録シート表面の平滑部で画像濃度不足を発生させていない。これは、ピークツウピーク電圧値Vppを大きくするにつれて、「送り方向必要電界強度」が小さくなることを意味している。このような現象が起こるのは、ピークツウピーク電圧値Vppが大きくなるにつれて、トナー粒子を中間転写ベルト表面から離脱させ易くなるからだと考えられる(ベルト〜トナー粒子の付着力が弱まる)。
また、条件8は、電位条件だけに着目すれば条件5と同じであるが、交流バイアスの波形が異なっている。具体的には、条件5は交流バイアスが正弦波状の波形(図10)であるのに対し、条件8は交流バイアスが矩形波状で且つ戻し時間比が40%である波形(図16)になっている。このことから、同じ電位条件であれば、交流バイアスとして正弦波状のものを採用するよりも、矩形波状であって且つ戻し時間比が50%未満である波形のものを採用する方が、良好な結果が得られることがわかる。なお、戻し時間比については、後述する第8プリント実験で詳しく説明する。
[第4プリント実験]
レザック66においては、四六版連量が大きくなるほど、紙厚が大きくなって紙表面の凹部の深さが大きくなることから、2次転写ニップNにおいて、凹部に転移したトナー粒子とベルト表面との距離が大きくなる。このため、レザック66の四六版連量が大きくなるほど、凹部に転移したトナー粒子をベルト表面に戻すのに必要な戻しピーク値Vrの値が大きくなる。よって、交流電圧のピークツウピーク電圧値Vppについては、環境の低温低湿下に伴って大きくすることに加えて、紙厚の増大化に伴って大きくすることが望ましい。前者は、低温低湿化による2次転写裏面ローラ33の高抵抗化にかかわらず、2次転写裏面ローラ33の表面電位を一定にするための処理であるのに対し、後者は、紙の凹部深さの増大化による戻しピーク値Vrの適正値の増大化に対応するためである。
そこで、実験室の環境を、温度=10[℃]、湿度=15[%](低温低湿)に設定した条件で、様々な四六版連量のレザック66を用いて、それぞれに適切なピークツウピーク電圧値Vppやオフセット電流Ioffを調べる実験を行った。この実験の結果を次の表5に示す。
Figure 0006222542
表5において、条件12では、ピークツウピーク電圧値Vppにかかわらず、オフセット電流Ioffの出力目標値を−40[μA]に固定している。これに対し、条件13、条件14、条件15、条件16ではそれぞれ、ピークツウピーク電圧値Vppを大きくするにつれて、オフセット電流Ioffの出力目標値を小さくしている。
表5からわかるように、記録シートの厚みが厚くなるにつれて(100kg→175kg)、ピークツウピーク電圧値Vppを大きくして平滑部の画像濃度不足を回避する場合にも、次のようにすることで、画質を良好に維持することができた。即ち、ピークツウピーク電圧値Vppを大きくするにつれてオフセット電流Ioffを小さくするのである。具体的には、「送り方向必要電界強度」を維持して平滑部や凹部で十分な画像濃度を実現しつつ、送りピーク値Vtの増大化を抑えて白抜けの発生を抑えることができた。
[第5プリント実験]
環境変動に伴う2次転写裏面ローラ33の抵抗変化に対するピークツウピーク電圧値Vppの適正値の変動を調べるために、実験室の温湿度を変化させながら、テスト画像をプリントした。何れの環境においても、記録シートについては、レザック66 175kg紙を用いた。この実験の結果を次の表6に示す。
Figure 0006222542
表6において、条件17では、ピークツウピーク電圧値Vppにかかわらず、オフセット電流Ioffの出力目標値を−38[μA]に固定している。これに対し、条件18、条件19、条件20、条件21ではそれぞれ、ピークツウピーク電圧値Vppを大きくするにつれて、オフセット電流Ioffの出力目標値を小さくしている。
表6からわかるように、環境が低温低湿化するにつれて(32℃80%→10℃p15%)、ピークツウピーク電圧値Vppを大きくして平滑部の画像濃度不足を回避する場合にも、次のようにすることで、画質を良好に維持することができた。即ち、ピークツウピーク電圧値Vppを大きくするにつれてオフセット電流Ioffを小さくするのである。具体的には、「送り方向必要電界強度」を維持して平滑部や凹部で十分な画像濃度を実現しつつ、送りピーク値Vtの増大化を抑えて白抜けの発生を抑えることができた。
[第6プリント実験]
2次転写ニップN内で、紙表面の凹部内に転移したトナー粒子をベルト表面に有効に戻すことができる戻し時間を調べるためのプリント実験を行った。戻し時間は、重畳電圧からなる2次転写バイアスが交流1周期内において戻し方向の極性になっている時間である。これに対し、送り時間は、2次転写バイアスが交流1周期内において送り方向の極性になっている時間である。戻し時間と送り時間との合計は、交流1周期と同じ値になる。また、戻し時間比は、交流1周期内において戻し時間が占める割合である。戻し時間比を50[%]にし、且つ2次転写バイアスの交流成分の周波数fを適宜変化させて、それぞれの条件で青ベタ画像の凹部上の画像濃度を測定した。この実験によって得られた凹部のIDmax値と交流成分の周波数fとの関係を、図15に示す。
図15から、交流成分の周波数が16000[Hz]を超えると、凹部のIDmax値が急激に低下してしまうことがわかる。これは交流1周期が0.06[msec]を下回ると、凹部のIDmax値が急激に低下してしまうことを意味しており、この実験では戻し時間比=50[%]である。よって、戻し時間が0.03[msec]を下回ると、凹部のIDmax値が急激に低下してしまうことになる。
[第7プリント実験]
交流成分のピークツウピーク電圧Vpp=2500[V]、オフセット電圧Voff=−800[V]、戻し時間比=20[%]にそれぞれ設定した。この条件にて、交流成分の周波数fと、プロセス線速vとを変化させながら、それぞれの周波数f及びプロセス線速vの条件で青ベタ画像を普通紙に出力し、出力された青ベタ画像を目視で観察した。そして、2次転写ニップN内の交番電界の影響と思われる画像濃度ムラ(ピッチムラ)の有無を評価した。すると、同じ周波数fの条件では、プロセス線速vを速くするほどピッチムラを発生させ易くなり、同じプロセス線速vの条件では、周波数fを低くするほどピッチムラを発生させ易くなることがわかった。
この結果は、2次転写ニップN内で、トナーをある程度の回数(以下、ニップ内往復回数Nという)だけ中間転写ベルトと紙表面の凹部との間で往復移動させないと、ピッチムラを発生させてしまうことを示している。プロセス線速v=282[mm/s]且つ周波数f=400[Hz]という条件では、ピッチムラは認められなかったが、プロセス線速V=282[mm/s]で且つ周波数f=300[Hz]という条件ではピッチムラが認められた。2次転写ニップNのベルト移動方向の長さである2次転写ニップN幅dは3[mm]に設定している。よって、ピッチムラは認められなかった条件におけるニップ内往復回数Nは、(3mm×400Hz/282mm/s)=約4回と計算され、この値であればピッチムラをギリギリで回避することができることになる。すなわち、このニップ内往復回数は最低ニップ内往復回数となる。
また、プロセス線速v=141[mm/s]で且つ周波数f=200[Hz]という条件では、ピッチムラは認められなかったが、プロセス線速V=141[mm/s]で且つ周波数f=100[Hz]という条件ではピッチムラが認められた。プロセス線速v=141[mm/s]で且つ周波数f=200[Hz]という条件も、プロセス線速v=282[mm/s]で且つ周波数f=400[Hz]という条件と同様に、ニップ内往復回数Nが(3mm×200Hz/141mm/s)約4回と計算される。よって、「周波数f>(4/d)*v」という最低条件を具備することで、ピッチムラのない画像を得ることができると言える。
[第8プリント実験]
2次転写バイアスの交流成分として、正弦波ではなく、図16に示されるような矩形波のものを2次転写バイアス電源39から出力させるようにした。この矩形波のデューティは50[%]にはなっていない。戻し方向の極性への立ち上がり時間が、送り方向の極性への立ち下がり時間よりも短いことから、戻し時間比が50[%]よりも低くなっている。図示の状態では、直流成分を重畳しているが、矩形波であることから、直流成分を重畳していなくても、戻し時間比が50[%]よりも低くなっている。このように、交流成分だけでも戻し時間比が50[%]よりも低くなる波形の交流成分を採用すると、次のような効果を得ることができた。即ち、正弦波のように、交流成分だけでは戻し時間比が50[%]になる波形の交流成分を採用する場合よりも、より低いピークツウピーク電圧値Vppの条件にて、平滑部、凹部の両方で十分な画像濃度を得ることができた。送り方向の電界が比較的弱くても、送り方向の立ち下がり時間が比較的長ければ、ベルト方面から紙表面の平滑部に十分量のトナー粒子を転移させることが可能になるからである。よって、交流成分だけで戻し時間比が50[%]よりも低くなる波形の交流成分を採用することで、戻し時間比が50[%]になる波形の交流成分を採用する場合に比べて、白点の発生を抑えることができる。
なお、前述した第1プリント実験や第2プリント実験では、図16に示されるような矩形波であって、戻し時間比が40[%]になる波形の交流成分を採用している。また、第3プリント実験においても、条件8だけについては、同様の交流成分を採用している。
[第9プリント実験]
2次転写ニップ内における中間転写ベルト上の単位面積あたりのトナー付着量が変動することによるピークツウピーク電圧値Vppの適正値の変動を調べるために、画像面積の異なる複数のテスト画像をそれぞれ様々な電位条件のもとでプリントした。2次転写ニップ内におけるトナー像の画像面積率は、2次転写ニップ内におけるベルト上の単位面積あたりのトナー付着量と相関関係にある。よって、画像面積率を把握することは、2次転写ニップ内におけるベルト上の単位面積あたりのトナー付着量を把握していることになる。
記録シートとしては、レザック175kg紙を使用した。また、重畳バイアスからなる2次転写バイアスの直流バイアスについては、定電流制御ではなく、定電圧制御によって一定の出力電圧値になるようにした。それぞれの画像面積率で出力されたテスト画像において、平滑部の画像濃度、凹部の画像濃度、白抜けをそれぞれ目視で評価した。この第9プリント実験における電位条件及び評価結果は次の表7に示される通りである。なお、この表7において、Voffは、直流バイアスとしてのオフセット電圧Voffを表している。
Figure 0006222542
ピークツウピーク電圧値Vppを画像面積率にかかわらず一定にしている条件22と、画像面積率に応じて変化させている条件23との比較から、画像面積率の増加に伴って、紙表面の凹部に十分量のトナーを転移させるのに必要なVppが高くなるのがわかる。但し、条件23のように、比較的高い画像面積率の場合に、ピークツウピーク電圧値Vppを比較的高くしているにもかかわらず、直流バイアスを比較的低い画像面積率の場合と同じ値にすると、放電に起因する白抜けを画像に発生させてしまう。そこで、条件24や条件25のように、画像面積率の増加に伴ってピークツウピーク電圧値の出力目標値を高くしつつ、直流バイアスの出力目標値を低くする。これにより、紙表面の凹部で十分な画像濃度を得つつ、白抜けの発生を抑えることができる。なお、画像面積率の増加に伴って、直流バイアスの定電圧制御における出力目標値を低くする例について説明したが、直流バイアスの定電流制御における出力目標値を低くしてもよい。また、画像面積率に応じてピークツウピーク電圧値の出力目標値の設定については、ユーザーが画像面積率に応じて手動で行ってもよいし、画像形成装置が画像面積率に応じて自動で行なってもよい。
次に、実施形態に係るプリンタの特徴的な構成について説明する。
図17は、実施形態に係るプリンタの電気回路の一部を示すブロック図である。同図において、制御部60は、演算手段たるCPU(Central Processing Unit)60a、データ記憶手段たるRAM(Random Access Memory)60c、ROM(Read Only Memory)60b、フラッシュメモリ(FM)60d等を有している。プリンタ全体の制御を司る制御部60には、様々な機器やセンサが接続されているが、同図では、本プリンタの特徴的な構成に関連するものだけを示している。
1次転写電源81Y,M,C,Kは、1次転写ローラ(35Y,M,C,K)に印加するための1次転写バイアスを出力するものである。また、2次転写バイアス電源39は、既に何度も述べているように、2次転写裏面ローラ(33)に印加するための2次転写バイアスを出力するものである。また、オペレーションパネル50は、図示しないタッチパネルや複数のキーボタンなどから構成あれていて、タッチパネルの画面に画像を表示したり、タッチパネルやキーボタンによって操作者による入力操作を受け付けたりすることができる。操作者は、オペレーションパネル50に対する入力操作により、給紙カセット(100)に対してどのような種類の記録シートをセットしたのかを入力することができる。以下、記録シートの種類をシート種という。なお、シート種とは、「さざ波」や「レザック66」などの紙表面の状態に着目した種類に加えて、175kg紙など、シートの厚みに着目した種類をも反映した概念である。
2次転写バイアス電源39は、2次転写バイアスの交流成分のピークツウピーク電圧値Vppを定電圧制御で出力する一方で、直流成分のオフセット電流Ioffを定電流制御で出力するようになっている。なお、定電流制御のためには、オフセット電流Ioffの実際の出力値を電流計によって測定し、その結果を出力目標値と同じ値にするように直流電圧の値を増減する処理を実施する必要がある。オフセット電流Ioffの実際の出力値を電流計によって測定する位置については、図1において、2次転写バイアス電源39の内部であって、2次転写バイアス電源39の出力端子よりも上流側の位置を例示することができる。また、2次転写バイアス電源39の外部であって、2次転写裏面ローラ33の芯金に対して摺擦している電極端子の付近でもよい。
ROM60dは、様々なシート種についてそれぞれ、温湿度環境と、適切なピークツウピーク電圧値Vppの出力目標値及びオフセット電流Ioffの出力目標値の組み合わせとの関係を示すデータテーブルを記憶している。このデータテーブルでは、低温低湿環境であって且つ温度値及び湿度値の組み合わせが同じであれば、シート種がより高い電気抵抗のものになるほど、ピークツウピーク電圧値Vppの出力目標値を大きくする。この一方で、オフセット電流Ioffの出力目標値を小さくするようになっている。
かかる構成では、定電圧制御で出力するピークツウピーク電圧値Vppの出力目標値を、温湿度や記録シートの電気抵抗などの転写影響要因に応じて変化させる。更に、オフセット電流Ioffを定電流制御で出力して転写ニップ内でベルト表面と記録シートとの間に流れる直流電流の量を適切に制御する。このような制御により、交流バイアスのピークツウピーク電圧値Vppをそれほど大きくする必要のない高温高湿環境下では、2次転写ニップ内の記録シートの凹部で放電を発生させないほど小さな値にピークツウピーク電圧値Vppを留める。更に、ベルト表面と、記録シート表面の凸部や凹部との間に有効な2次転写電界を形成する。これにより、記録シート表面の凸部と、凹部との両方において十分な画像濃度を得て、記録シート表面の凹凸にならった画像の濃淡パターンの発生を抑えることができる。
一方、ピークツウピーク電圧値Vppを比較的大きくする必要のある低温低湿環境下では、ピークツウピーク電圧値Vppを大きくするにつれて、オフセット電流Ioffの出力目標値を小さくする。これにより、送りピーク値Vtをより小さくするとともに、戻しピーク値Vrをより大きくする。このようにして、放電に起因する白抜けの発生を抑え得る値に送りピーク値Vtを留めつつ、記録シート表面の凹部内のトナー粒子を像担持体表面に逆戻りさせ得る戻しピーク値Vrを確保する。オフセット電流Ioffの出力目標値を小さくしたことで、記録シートに流れる直流電流の量がより少なくなることから、記録シート表面の凹部や凸部の両方で画像濃度が薄くなるが、白抜けや、凸部よりも凹部の画像濃度が薄くなる現象は抑えられる。よって、記録シート表面の凹凸にならった画像の濃淡パターンの発生を抑えることができる。
以上のように、実施形態に係るプリンタでは、環境にかかわらず、記録シートの表面凹凸にならった濃淡パターンの発生を抑えることができる。なお、環境が低温低湿化するにつれて値が大きくなる基本ピークツウピーク電圧値を選択した上で、シート種の電気抵抗が高くなるにつれて値が大きくなる補正シフト値を選択し、両者の加算値をピークツウピーク電圧値の出力目標値としてもよい。こうすることで、環境だけに基づいてピークツウピーク電圧値を決定する場合に比べて、より適切な値にピークツウピーク電圧値を設定することができる。
なお、交流バイアスを定電圧制御する構成に替えて、交流バイアスを定電流制御する構成を採用してもよい。この場合、情報取得手段による取得結果に応じて、交流バイアスのピークツウピーク電圧値が目標の値となるように、転写バイアス出力手段が出力する交流バイアスの電流の出力目標値を変化させればよい。転写バイアスの電流と電圧の関係は転写部の抵抗によって変化するが、次のようにすることで、抵抗の変化にも対応することが可能である。例えば、転写影響要因である湿度が高湿から低湿まで変化した場合における電流と電圧の関係を予め実験又は計算によって求めておく。そして、高湿時、低湿時それぞれにおいて交流バイアスのピークツウピーク電圧値を目標の値にするように、電流の出力目標値を変化させればよい。
また、転写影響要因としての湿度に応じてバイアス値を変更することに代えて、他の転写影響要因に応じてバイアス値を変更するようにしてもよい。例えば、第9プリント実験で説明したように、転写影響要因たる画像面積率が高くなるにつれて、ピークツウピーク電圧値の出力目標値(の絶対値)を大きくするとともに、直流バイアスの出力目標値(の絶対値)を低くしてもよい。
次に、実施形態に係るプリンタにおける一部の構成を他の構成に変更した各変形例に係るプリンタについて説明する。なお、以下に特筆しない限り、各変形例に係るプリンタの構成は実施形態と同様である。
[第1変形例]
図18は、第1変形例に係るプリンタにおける作像ユニット1の一部を示す構成図である。このプリンタは、単色のトナー像を作像するための作像ユニット1を1つだけ備えている単色機である。同図において、像担持体としての感光体2は、図示しない駆動手段によって図中時計回り方向に回転駆動される。
感光体2の周囲には、実施形態に係るプリンタと同様の構成の図示しない、ドラムクリーニング装置、除電装置、帯電装置、現像装置等が配設されている。また、感光体2の下方には、ニップ形成部材としての転写ローラ235が配設されており、図示しない付勢手段によって感光体2に向けて付勢されながら感光体2に当接して転写ニップを形成している。この転写ニップには、記録シートPが送り込まれる。そして、感光体2上のトナー像が転写ニップで記録シートP上に転写される。
転写ローラ235としては、回転軸部材の周面上に導電性発泡体からなる導電性発泡層が被覆されたものや、芯金上に導電性弾性層が被覆されたものを例示することができる。
転写ニップを通過して第1面にトナー像が形成された記録シートPは、図示しない定着装置を経由して第1面にトナー像が定着せしめられる。そして、必要に応じて、図示しない反転再送装置によって転写ニップに再送されて、第2面にもトナー像が転写及び定着される。
転写ローラ235には、転写バイアス電源240によって転写バイアスが印加される。電位差発生手段としての転写バイアス電源240は、実施形態に係るプリンタの2次転写バイアス電源39と同様に、直流電源と交流電源とを有している。そして、実施形態に係るプリンタの2次転写バイアスと同様に、交流バイアスのピークツウピーク電圧値Vppをそれほど大きくする必要のない高温高湿環境下では、次のような処理を行う。即ち、転写ニップ内の記録シートの凹部で放電を発生させないほど小さな値にピークツウピーク電圧値Vppを留めつつ、感光体表面と、記録シート表面の凸部や凹部との間に有効な転写電界を形成する。これにより、記録シート表面の凸部と、凹部との両方において十分な画像濃度を得て、記録シート表面の凹凸にならった画像の濃淡パターンの発生を抑えることができる。一方、ピークツウピーク電圧値Vppを比較的大きくする必要のある低温低湿環境下では、ピークツウピーク電圧値Vppを大きくするにつれて、オフセット電流Ioffの出力目標値を小さくする。これにより、送りピーク値Vtをより小さくするとともに、戻しピーク値Vrをより大きくする。
実施形態に係るプリンタでは、2次転写バイアスが印加される2次転写裏面ローラ33に対してマイナス極性のトナーを静電的に反発させることで、トナー像を2次転写裏面ローラ33側からニップ形成ローラ36側に静電移動させていた。これに対し、第1変形例に係るプリンタでは、転写バイアスが印加される転写ローラ235に対して、感光体2上のマイナス極性のトナーを静電的に引き寄せることで、トナー像を感光体2側から転写ローラ235側に静電移動させる。このため、転写バイアス電源240は、転写バイアスとして、図22と同様の波形のものを出力するようになっている。
[第2変形例]
図19は、第2変形例に係るプリンタにおける作像ユニット1の一部と、紙搬送ベルトユニット210とを示す構成図である。このプリンタは、単色のトナー像を作像するための作像ユニット1を1つだけ備えている単色機である。同図において、像担持体としての感光体2は、図示しない駆動手段によって図中時計回り方向に回転駆動される。
感光体2の周囲には、第1実施形態に係るプリンタと同様の構成の図示しない、ドラムクリーニング装置、除電装置、帯電装置、現像装置等が配設されている。また、感光体2の下方には、紙搬送ベルトユニット210が配設されている。
紙搬送ベルトユニット210は、無端状の紙搬送ベルト211を、そのループ内側に配設された駆動ローラ212と従動ローラ213とによって張架しながら、駆動ローラ212の回転駆動に伴って図中反時計回りに無端移動せしめる。ニップ形成部材としての紙搬送ベルト211は、感光体2に当接して転写ニップを形成している。転写ニップの付近では、紙搬送ベルト211のループ内側に配設された転写ブラシ215や転写ローラ214がそれぞれ紙搬送ベルト211の裏面に当接している。それら転写ブラシ215や転写ローラ214には、電位差発生手段としての転写バイアス電源240によって転写バイアスが印加される。
感光体2と紙搬送ベルト211との当接による転写ニップには、レジストローラ対102によって記録シートが送り込まれる。そして、感光体2上のトナー像が転写ニップで記録シートP上に転写される。
転写ローラ214としては、回転軸部材の周面上に導電性発泡体からなる導電性発泡層が被覆されたものや、芯金上に導電性弾性層が被覆されたものを例示することができる。また、転写ブラシ215としては、導電性支持体の表面上に複数の導電性繊維の直毛によるブラシ部を設けたものを例示することができる。
転写ニップを通過して第1面にトナー像が形成された記録シートPは、図示しない定着装置を経由して第1面にトナー像が定着せしめられる。そして、必要に応じて、図示しない反転再送装置によって転写ニップに再送されて、第2面にもトナー像が転写及び定着される。
同図では、紙搬送ベルト211の周方向における全域のうち、転写ニップのベルト移動方向の中心よりも下流側にずれた位置であって、且つ感光体2との間にベルトを挟み込む位置に、転写ブラシ215を当接させているが、転写ニップの中心に当接させてもよい。また、転写ブラシ215を転写ローラ214よりもベルト移動方向の上流側に配設しているが、両者の位置関係を逆にしてもよい。また、転写ブラシ215と転写ローラ214とのうち、何れか一方だけを配設してもよい。
転写ブラシ215や転写ローラ214には、転写バイアス電源240によって転写バイアスが印加される。電位差発生手段としての転写バイアス電源240は、実施形態に係るプリンタの2次転写バイアス電源39と同様に、直流電源と交流電源とを有している。そして、転写バイアスとして、直流電圧だけからなる直流バイアスを出力したり、直流電圧に交流電圧を重畳せしめた重畳バイアスを出力したりすることができる。
転写ローラ214には、転写バイアス電源240によって転写バイアスが印加される。転写バイアス電源240は、第1変形例に係るプリンタの2次転写バイアスと同様に、交流バイアスのピークツウピーク電圧値Vppをそれほど大きくする必要のない高温高湿環境下では、次のような処理を行う。即ち、転写ニップ内の記録シートの凹部で放電を発生させないほど小さな値にピークツウピーク電圧値Vppを留めつつ、感光体表面と、記録シート表面の凸部や凹部との間に有効な転写電界を形成する。これにより、記録シート表面の凸部と、凹部との両方において十分な画像濃度を得て、記録シート表面の凹凸にならった画像の濃淡パターンの発生を抑えることができる。一方、ピークツウピーク電圧値Vppを比較的大きくする必要のある低温低湿環境下では、ピークツウピーク電圧値Vppを大きくするにつれて、オフセット電流Ioffの出力目標値を小さくする。これにより、送りピーク値Vtをより小さくするとともに、戻しピーク値Vrをより大きくする。
第2変形例に係るプリンタでは、転写バイアスが印加される転写ローラ214に対して、感光体2上のマイナス極性のトナーを静電的に引き寄せることで、トナー像を感光体2側から転写ローラ235側に静電移動させる。このため、前述した重畳バイアスとしては、第1変形例に係るプリンタと同様の波形のものを採用している。この重畳バイアスは、単位時間あたりにおける平均の絶対値が、上述した直流電圧だけからなる直流バイアスの絶対値よりも小さい値になっている。
[第3変形例]
図20は、第3変形例に係るプリンタにおける各色の作像ユニットの一部と、転写ユニット300とを示す構成図である。同図では、各色について、作像ユニットとして、感光体(2Y,M,C,K)だけを示しているが、感光体の周りには、図2で示されている作像ユニットと同様に、ドラムクリーニング装置、除電装置、帯電装置K、現像装置等が配設されている。
各色の感光体2Y,M,C,Kの下方には、転写ユニット300が配設されている。この転写ユニット300は、無端状の転写搬送ベルト301を、そのループ内側に配設された次の部材によって張架している。即ち、4つの転写ローラ302Y,M,C,K、分離ローラ307、駆動ローラ303、第1従動ローラ304、第2従動ローラ305、入口ローラ306などである。そして、転写搬送ベルト301を駆動ローラ303の回転駆動に伴って図中反時計回り方向に無端移動させる。
転写ローラ302Y,M,C,Kは、感光体2Y,M,C,Kとの間に、転写搬送ベルト301を挟み込んでいる。これにより、ニップ形成部材としての転写搬送ベルト301のおもて面と、感光体2Y,M,C,Kとが当接して、Y,M,C,K用の転写ニップを形成している。
転写搬送ベルト301のループの外では、紙吸着ローラ308が、転写搬送ベルト301における入口ローラ306に対する掛け回し箇所に当接して紙吸着ニップを形成している。また、ベルトクリーニング装置311が、転写搬送ベルト301における駆動ローラ303に対する掛け回し箇所に当接してクリーニングニップを形成している。
転写ローラ302Y,M,C,Kとしては、回転軸部材の周面上に導電性発泡体からなる導電性発泡層が被覆されたものや、芯金上に導電性弾性層が被覆されたものを例示することができる。転写ローラ302Y,M,C,Kには、転写バイアス電源310Y,M,C,Kによって転写バイアスが印加されている。これにより、転写ローラ302Y,M,C,Kと、感光体2Y,M,C,Kにおける静電潜像との間に、トナーを感光体側から転写ローラ側に静電移動させる転写電界が形成される。
また、紙吸着ローラ308には、図示しない吸着バイアス電源により、紙吸着バイアスが印加される。この紙吸着ローラ308の付近には、レジストローラ対102が配設されており、図示しない記録シートを所定のタイミングで紙吸着ニップに向けて送り出す。紙吸着ニップに挟み込まれた記録シートは、静電気力によって転写搬送ベルト301のおもて面に吸着される。そして、転写搬送ベルト301の無端移動に伴って、Y,M,C,K用の転写ニップを順次通過する。これにより、記録シートの第1面に4色重ね合わせトナー像が形成される。
Y,M,C,K用の転写ニップのうち、転写工程が最後になるK用の転写ニップを通過した記録シートは、転写搬送ベルト301の無端移動に伴って、分離ローラ307との対向位置にさしかかる。この対向位置では、転写搬送ベルト301が大きな巻き付き角で分離ローラ307に巻き付いているため、移動方向を急転換させる。転写搬送ベルト301の表面に静電吸着された記録シートは、その急転換に追従することができず、ベルト表面から曲率分離される。
このようにして転写搬送ベルト301から分離された記録シートは、図示しない定着装置を経由して第1面にトナー像が定着せしめられる。そして、必要に応じて、図示しない反転再送装置によってレジストローラ対102に再送されて、第2面にも4色重ね合わせトナー像が転写及び定着される。
電位差発生手段としての転写バイアス電源310Y,M,C,Kは、それぞれ、実施形態に係るプリンタの2次転写バイアス電源39と同様に、直流電源と交流電源とを有している。そして、転写バイアスとして、直流電圧だけからなる直流バイアスを出力したり、直流電圧に交流電圧を重畳せしめた重畳バイアスを出力したりすることができる。
転写バイアス電源310Y,M,C,Kは、実施形態に係るプリンタの2次転写バイアス電源39と同様に、直流電源と交流電源とを有している。そして、実施形態に係るプリンタの2次転写バイアスと同様に、交流バイアスのピークツウピーク電圧値Vppをそれほど大きくする必要のない高温高湿環境下では、次のような処理を実施する。即ち、転写ニップ内の記録シートの凹部で放電を発生させないほど小さな値にピークツウピーク電圧値Vppを留めつつ、感光体表面と、記録シート表面の凸部や凹部との間に有効な転写電界を形成する。これにより、記録シート表面の凸部と、凹部との両方において十分な画像濃度を得て、記録シート表面の凹凸にならった画像の濃淡パターンの発生を抑えることができる。一方、ピークツウピーク電圧値Vppを比較的大きくする必要のある低温低湿環境下では、次のような処理を実施する。即ち、ピークツウピーク電圧値Vppを大きくするにつれて、オフセット電流Ioffの出力目標値を小さくすることで、送りピーク値Vtをより小さくするとともに、戻しピーク値Vrをより大きくする。
第3変形例に係るプリンタにおいても、転写バイアスが印加される転写ローラ302Y,M,C,Kに対して、感光体2Y,M,C,K上のマイナス極性のトナーを静電的に引き寄せる。これにより、トナー像を感光体2Y,M,C,K側から転写ローラ302Y,M,C,K側に静電移動させる。このため、前述した重畳バイアスとしては、第1変形例に係るプリンタと同様の波形のものを採用している。この重畳バイアスは、単位時間あたりにおける平均の絶対値が、上述した直流電圧だけからなる直流バイアスの絶対値よりも小さい値になっている。
[第4変形例]
図21は、第4変形例に係るプリンタの要部を示す要部構成図である。同図において、K用の作像ユニット1Kは、感光体2Kの周りに、除電ランプ14K、ドラムクリーニング装置3K、帯電装置6K、潜像書込ユニット15K、現像装置8Kなどを有している。潜像書込ユニット15Kは、LEDアレイを用いて、感光体2Kの表面に静電潜像を光書込するものである。Y,M,C用の作像ユニット1Y,M,Cも、K用の作像ユニット1Kと同様の構成になっている。
転写ユニット30の中間転写ベルト31は、図中時計回り方向に無端移動せしめられながら、Y,M,C,K用の1次転写ニップを順次通過する。これにより、中間転写ベルト31のおもて面に4色重ね合わせトナー像が形成される。
転写ユニット30の下方には、無端状の紙搬送ベルト401を無端移動させる紙搬送ベルトユニット400が配設されている。紙搬送ベルト401は、そのループ内側に配設された駆動ローラ402と、2次転写押圧ローラ403とによって張架された状態で、駆動ローラ402の回転駆動に伴って、図中反時計回り方向に無端移動せしめられる。紙搬送ベルトユニット400は、紙搬送ベルト401の周方向における全域のうち、2次転写押圧ローラ403に対する掛け回し箇所を、中間転写ベルト31の周方向における全域のうち、2次転写裏面ローラ33に対する掛け回し箇所に当接させている。これにより、中間転写ベルト31のおもて面と、ニップ形成部材たる紙搬送ベルト401のおもて面との当接による2次転写ニップが形成されている。
2次転写裏面ローラ33には、実施形態に係るプリンタと同様の構成の2次転写バイアス電源39により、2次転写バイスが印加される。これに対し、紙搬送ベルトユニット400の2次転写押圧ローラ403は接地されている。これにより、2次転写ニップやその周辺においては、2次転写裏面ローラ33と2次転写押圧ローラ403との間に2次転写電界が形成されている。
レジストローラ対102から2次転写ニップに向けて送り出された記録シートPの第1面には、中間転写ベルト31上の4色重ね合わせトナー像が2次転写される。その後、記録シートPは、紙搬送ベルト401のおもて面に吸着された状態で、紙搬送ベルト401の無端移動に伴って2次転写ニップを通過する。そして、紙搬送ベルト401のループ内側に配設された駆動ローラ402との対向位置にさしかかる。この対向位置では、紙搬送ベルト401が大きな巻き付き角で駆動ローラ402に巻き付いているため、移動方向を急転換させる。紙搬送ベルト401の表面に静電吸着された記録シートPは、その急転換に追従することができず、ベルト表面から曲率分離される。
このようにして紙搬送ベルト401から分離された記録シートPは、図示しない定着装置を経由して第1面にトナー像が定着せしめられる。そして、必要に応じて、図示しない反転再送装置によってレジストローラ対102に再送されて、第2面にも4色重ね合わせトナー像が転写及び定着される。
2次転写バイアス電源39は、実施形態に係るプリンタと同様に、直流電源と交流電源とを有している。そして、交流バイアスのピークツウピーク電圧値Vppをそれほど大きくする必要のない高温高湿環境下では、次のような処理を行う。即ち、転写ニップ内の記録シートの凹部で放電を発生させないほど小さな値にピークツウピーク電圧値Vppを留めつつ、ベルト表面と、記録シート表面の凸部や凹部との間に有効な転写電界を形成する。これにより、記録シート表面の凸部と、凹部との両方において十分な画像濃度を得て、記録シート表面の凹凸にならった画像の濃淡パターンの発生を抑えることができる。一方、ピークツウピーク電圧値Vppを比較的大きくする必要のある低温低湿環境下では、次のような処理を行う。即ち、ピークツウピーク電圧値Vppを大きくするにつれて、オフセット電流Ioffの出力目標値を小さくすることで、送りピーク値Vtをより小さくするとともに、戻しピーク値Vrをより大きくする。
なお、2次転写裏面ローラ33を接地して、2次転写押圧ローラ403に対して2次転写バイアスを印加するようにしてもよい。
以上に説明したものは一例であり、本発明は、次の態様毎に特有の効果を奏する。
[態様A]
態様Aにおいては、自らの表面にトナー像を担持する像担持体(例えば中間転写ベルト31)と、前記表面に当接して転写ニップを形成するニップ形成部材(例えばニップ形成ローラ36)と、前記像担持体と前記ニップ形成部材との間に交番電界からなる転写電界を形成するための転写バイアスを出力する転写バイアス出力手段(例えば2次転写バイアス電源39)とを備え、前記転写ニップに挟み込んだ記録シートに対して前記像担持体の表面上のトナー像を転写し、且つ、前記転写バイアス出力手段が、転写バイアスとして、直流バイアスに交流バイアスを重畳した重畳バイアスからなるものを出力するものである画像形成装置において、前記転写ニップにおける前記像担持体から前記記録シートへのトナー像の転写性に影響を及ぼす要因となる転写影響要因の情報を取得する情報取得手段(例えば、オペレーションパネル50、温度センサ51、湿度センサ52)を設けるとともに、前記情報取得手段による取得結果に応じて前記交流バイアスのピークツウピーク電圧値の出力目標値を変化させ、且つ、前記出力目標値が大きくなるほど、前記直流バイアスの出力目標値を小さくする処理を実施するように前記転写バイアス出力手段(例えば2次転写電源39)を構成したことを特徴とするものである。
[態様B]
態様Bは、態様Aにおいて、前記直流バイアスを定電流制御によって出力し、且つ前記ピークツウピーク電圧値の出力目標値を大きくするほど前記直流バイアスの定電流制御における出力目標値を小さくする処理を実施するように前記転写バイアス出力手段を構成したことを特徴とするものである。かかる構成では、直流バイアスを定電流制御で出力することで、記録シートの電気抵抗が変化しても、記録シートに対して一定の直流電流を流すことができる。
[態様C]
態様Cは、態様Aにおいて、前記直流バイアスを定電圧制御によって出力し、且つ前記ピークツウピーク電圧値の出力目標値を大きくするほど前記直流バイアスの定電圧制御における出力目標値を小さくする処理を実施するように前記転写バイアス出力手段を構成したことを特徴とするものである。
[態様D]
態様Dは、態様B又はCにおいて、前記情報取得手段として、前記転写影響要因の情報たる温度情報を取得するものを用いるとともに、前記温度情報によって示される温度値が低くなるほど前記ピークツウピーク電圧値の出力目標値を大きくする処理を実施するように前記転写バイアス出力手段を構成したことを特徴とするものである。かかる構成では、環境が低温化するのに伴って2次転写裏面ローラ33などの2次転写バイアスが印加される部材の電気抵抗が高抵抗化しても、転写ニップに必要な強度の交番電界を形成することができる。
[態様E]
態様Eは、態様B〜Dの何れかにおいて、前記情報取得手段として、前記転写影響要因の情報たる湿度情報を取得するものを用いるとともに、前記湿度情報によって示される湿度値が低くなるほど前記ピークツウピーク電圧値の出力目標値を大きくする処理を実施するように前記転写バイアス出力手段を構成したことを特徴とするものである。かかる構成では、環境が低湿化するのに伴って2次転写裏面ローラ33などの2次転写バイアスが印加される部材の電気抵抗が高抵抗化しても、転写ニップに必要な強度の交番電界を形成することができる。
[態様F]
態様Fは、態様B〜Eの何れかにおいて、前記情報取得手段として、前記転写影響要因たる前記転写ニップに送り込まれる記録シートの厚み情報を取得するものを用いるとともに、前記厚み情報によって示される厚み値が大きくなるほど前記ピークツウピーク電圧値の出力目標値を大きくする処理を実施するように前記転写バイアス出力手段を構成したことを特徴とするものである。かかる構成では、記録シートの厚みが大きくなるのに伴って記録シートの電気抵抗が大きくなっても、転写ニップに必要な強度の交番電界を形成することができる。
[態様G]
態様Gは、態様B〜Fの何れかにおいて、前記情報取得手段として、前記転写影響要因の情報たる、前記転写ニップに送り込まれる記録シートの表面凹凸における凹部の深さ情報を取得するものを用いるとともに、前記深さ情報によって示される深さ値が大きくなるほど前記ピークツウピーク電圧値の出力目標値を大きくする処理を実施するように前記転写バイアス出力手段を構成したことを特徴とするものである。かかる構成では、記録シートの表面の凹部深さが大きくなるのに伴って戻しピーク値Vrの適正値がより大きくなっても、転写ニップに必要な強度の交番電界を形成することができる。
[態様H]
態様Hは、態様B〜Gの何れかにおいて、前記情報取得手段として、前記転写影響要因の情報たる、前記像担持体の表面上の単位面積あたりにおけるトナー付着量の情報を取得するものを用いるとともに、前記トナー付着量の情報によって示される付着量が多くなるほど前記ピークツウピーク電圧値の出力目標値を大きくする処理を実施するように前記転写バイアス出力手段を構成したことを特徴とするものである。かかる構成では、トナー付着量が大きくなるのに伴って送りピーク値Vtの適正値がより大きくなっても、転写ニップに必要な強度の交番電界を形成することができる。
[態様I]
態様Iは、態様A〜Hにおいて、前記交流バイアスを定電圧制御で出力するように、前記転写バイアス出力手段を構成したことを特徴とするものである。
[態様J]
態様Jは、態様A〜Iの何れかにおいて、前記転写バイアスとして、前記重畳バイアスの1周期内における時間平均電位が1周期内における最大電位と最小電位との中心値よりもトナーを前記転写ニップ内で前記像担持体から記録シートに静電転移させ易くする側にシフトした値であるものを出力させるように、前記転写バイアス出力手段を構成したことを特徴とするものである。重畳バイアスの1周期内における時間平均電位が1周期内における最大電位と最小電位との中心値よりもトナーを前記転写ニップ内で前記像担持体から記録シートに静電転移させ易くする側にシフトした値の重畳バイアスは、交流成分だけの戻し時間比が50[%]を下回るため、戻し時間比が50[%]である場合に比べて、ピークツウピーク電圧値Vppの適正値をより小さくして白抜けの発生を抑えることができる。
[態様K]
態様Kは、態様A〜Jの何れかにおいて、前記転写バイアスとして、前記交流バイアスと前記直流バイアスとを重畳した重畳バイアスからなり、1周期内でプラス極性になる時間であるプラス時間とマイナス極性になるマイナス時間とのうち、前記転写ニップ内における記録シート表面から像担持体表面へのトナーの逆戻りに寄与する方が0.03[msec]以上であるものを出力させるように、前記転写バイアス出力手段を構成したことを特徴とするものである。かかる構成では、紙表面の凹部内に転移したトナー粒子をベルト表面に有効に戻すことで、凹部における画像濃度不足の発生を抑えることができる。
[態様L]
態様Lは、態様A〜Kの何れかにおいて、前記交流バイアスの周波数f[Hz]と、前記転写ニップの像担持体表面移動方向の長さであるニップ幅d[mm]と、前記像担持体の表面移動速度v[mm/s]とについて「f>(4/d)×v」という条件を具備することを特徴とするものである。かかる構成では、既に説明したように、転写ニップ内のシート表面と像担持体表面との間のトナーの往復移動回数が不足することによる周期的な濃度ムラの発生を回避することができる。
[態様M]
態様Mは、自らの表面にトナー像を担持する像担持体と、前記表面に当接して転写ニップを形成するニップ形成部材と、前記像担持体と前記ニップ形成部材との間に交番電界からなる転写電界を形成するための転写バイアスを出力する転写バイアス出力手段とを備え、前記転写ニップに挟み込んだ記録シートに対して前記像担持体の表面上のトナー像を転写し、且つ、前記転写バイアス出力手段が、転写バイアスとして、直流バイアスに交流バイアスを重畳した重畳バイアスからなるものを出力するものである画像形成装置において、温度、湿度、前記転写ニップに送り込まれる記録シートの厚み、前記転写ニップに送り込まれる記録シートの表面凹凸における凹部の深さ、および、前記像担持体の表面上の単位面積あたりにおけるトナー付着量、のうちの少なくとも1つの情報を取得する情報取得手段を設けるとともに、前記情報取得手段による取得結果に応じて前記交流バイアスのピークツウピーク電圧値の出力目標値を変化させ、且つ、前記出力目標値が大きくなるほど、前記直流バイアスの出力目標値を小さくする処理を実施するように前記転写バイアス出力手段を構成したことを特徴とするものである。
[態様N]
態様Nは、態様Mにおいて、前記直流バイアスを定電流制御によって出力し、且つ前記ピークツウピーク電圧値の出力目標値を大きくするほど前記直流バイアスの定電流制御における出力目標値を小さくする処理を実施するように前記転写バイアス出力手段を構成したことを特徴とするものである。
[態様O]
態様Oは、態様Mにおいて、前記直流バイアスを定電圧制御によって出力し、且つ前記ピークツウピーク電圧値の出力目標値を大きくするほど前記直流バイアスの定電圧制御における出力目標値を小さくする処理を実施するように前記転写バイアス出力手段を構成したことを特徴とするものである。
[態様P]
態様Pは、態様M〜Oにおいて、前記交流バイアスを定電圧制御で出力するように、前記転写バイアス出力手段を構成したことを特徴とするものである。
31:中間転写ベルト(像担持体)
36:ニップ形成ローラ(ニップ形成部材)
39:2次転写バイアス電源(転写バイアス出力手段)
50:オペレーションパネル(情報取得手段)
51:温度センサ(情報取得手段)
52:湿度センサ(情報取得手段)
P:記録シート
特開2006−267486号公報

Claims (8)

  1. 自らの表面にトナー像を担持する像担持体と、
    前記表面に当接して転写ニップを形成するニップ形成部材と、
    前記像担持体と前記ニップ形成部材との間に交番電界からなる転写電界を形成するための転写バイアスを出力する転写バイアス出力手段とを備え、
    前記転写ニップに挟み込んだ記録シートに対して前記像担持体の表面上のトナー像を転写し、
    且つ、前記転写バイアス出力手段が、転写バイアスとして、直流バイアスに交流バイアスを重畳した重畳バイアスからなるものを出力するものである画像形成装置において、
    温度情報を取得する温度センサを設け、
    且つ、前記直流バイアスを定電流制御によって出力し、前記温度情報によって示される温度値が低くなるほど、前記交流バイアスのピークツウピーク電圧値の出力目標値を大きく、且つ前記直流バイアスの定電流制御における出力目標値の絶対値を小さくする処理を実施するように前記転写バイアス出力手段を構成したことを特徴とする画像形成装置。
  2. 自らの表面にトナー像を担持する像担持体と、
    前記表面に当接して転写ニップを形成するニップ形成部材と、
    前記像担持体と前記ニップ形成部材との間に交番電界からなる転写電界を形成するための転写バイアスを出力する転写バイアス出力手段とを備え、
    前記転写ニップに挟み込んだ記録シートに対して前記像担持体の表面上のトナー像を転写し、
    且つ、前記転写バイアス出力手段が、転写バイアスとして、直流バイアスに交流バイアスを重畳した重畳バイアスからなるものを出力するものである画像形成装置において、
    湿度情報を取得する湿度センサを設け、
    且つ、前記直流バイアスを定電流制御によって出力し、前記湿度情報によって示される湿度値が低くなるほど、前記交流バイアスのピークツウピーク電圧値の出力目標値を大きく、且つ前記直流バイアスの定電流制御における出力目標値の絶対値を小さくする処理を実施するように前記転写バイアス出力手段を構成したことを特徴とする画像形成装置。
  3. 自らの表面にトナー像を担持する像担持体と、
    前記表面に当接して転写ニップを形成するニップ形成部材と、
    前記像担持体と前記ニップ形成部材との間に交番電界からなる転写電界を形成するための転写バイアスを出力する転写バイアス出力手段とを備え、
    前記転写ニップに挟み込んだ記録シートに対して前記像担持体の表面上のトナー像を転写し、
    且つ、前記転写バイアス出力手段が、転写バイアスとして、直流バイアスに交流バイアスを重畳した重畳バイアスからなるものを出力するものである画像形成装置において、
    温度情報を取得する温度センサを設け、
    且つ、前記直流バイアスを定電圧制御によって出力し、前記温度情報によって示される温度値が低くなるほど、前記交流バイアスのピークツウピーク電圧値の出力目標値を大きく、且つ前記直流バイアスの定電圧制御における出力目標値の絶対値を小さくする処理を実施するように前記転写バイアス出力手段を構成したことを特徴とする画像形成装置。
  4. 自らの表面にトナー像を担持する像担持体と、
    前記表面に当接して転写ニップを形成するニップ形成部材と、
    前記像担持体と前記ニップ形成部材との間に交番電界からなる転写電界を形成するための転写バイアスを出力する転写バイアス出力手段とを備え、
    前記転写ニップに挟み込んだ記録シートに対して前記像担持体の表面上のトナー像を転写し、
    且つ、前記転写バイアス出力手段が、転写バイアスとして、直流バイアスに交流バイアスを重畳した重畳バイアスからなるものを出力するものである画像形成装置において、
    湿度情報を取得する湿度センサを設け、
    且つ、前記直流バイアスを定電圧制御によって出力し、前記湿度情報によって示される湿度値が低くなるほど、前記交流バイアスのピークツウピーク電圧値の出力目標値を大きく、且つ前記直流バイアスの定電圧制御における出力目標値の絶対値を小さくする処理を実施するように前記転写バイアス出力手段を構成したことを特徴とする画像形成装置。
  5. 請求項1乃至4の何れか一項に記載の画像形成装置において、
    前記交流バイアスを定電圧制御で出力するように、前記転写バイアス出力手段を構成したことを特徴とする画像形成装置。
  6. 請求項1乃至5の何れか一項に記載の画像形成装置において、
    前記転写バイアスとして、前記重畳バイアスの1周期内における時間平均電位が1周期内における最大電位と最小電位との中心値よりもトナーを前記転写ニップ内で前記像担持体から記録シートに静電転移させ易くする側にシフトした値であるものを出力させるように、前記転写バイアス出力手段を構成したことを特徴とする画像形成装置。
  7. 請求項1乃至6の何れか一項に記載の画像形成装置において、
    前記転写バイアスとして、前記重畳バイアスの1周期内でプラス極性になる時間であるプラス時間とマイナス極性になるマイナス時間とのうち、前記転写ニップ内における記録シート表面から像担持体表面へのトナーの逆戻りに寄与する方が0.03[msec]以上であるものを出力させるように、前記転写バイアス出力手段を構成したことを特徴とする画像形成装置。
  8. 請求項1乃至7の何れか一項に記載の画像形成装置において、
    前記交流バイアスの周波数f[Hz]と、前記転写ニップの像担持体表面移動方向の長さであるニップ幅d[mm]と、前記像担持体の表面移動速度v[mm/s]とについて「f>(4/d)×v」という条件を具備することを特徴とする画像形成装置。
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