JP5920649B2 - 画像形成装置 - Google Patents

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Description

本発明は、複数の像担持体の表面にそれぞれ担持したトナー像を中間転写体の表面に重ね合わせて転写した後、中間転写体とニップ形成部材との当接による転写ニップ内に挟み込んだ記録シートに転写する画像形成装置に関するものである。
従来、この種の画像形成装置としては、特許文献1に記載のものが知られている。この画像形成装置は、周知の電子写真プロセスにより、イエロー(Y),マゼンタ(M),シアン(C),黒(K)用の感光体にY,M,C,Kトナー像を形成して中間転写ベルトに重ね合わせて1次転写してカラートナー像を得る。そして、このカラートナー像を、中間転写ベルトと紙搬送ベルトとの当接による2次転写ニップに挟み込んだ記録シートに2次転写する。
また、この画像形成装置は、Y,M,C,K用の4つの感光体の他に、透明トナー像を形成するための感光体を備えている。この透明用の感光体には、上述したカラートナー像の全域のうち、光沢性の付与対象となる領域に重ね合わせるための透明ベタトナー像を形成する。そして、中間転写ベルトに対し、その透明ベタトナー像を1次転写してから、Y,M,C,Kトナー像を重ね合わせて1次転写する。それらのトナー像の2次転写によって記録シート上に得られたカラートナー像のうち、光沢性の付与対象となる領域には、透明ベタトナー像が最上層に重ね合わされており、その下のカラー画像部分の光沢性を向上させる。
色彩表現のより一層の多様化が進められる近年においては、透明トナー像をベタ状に形成して画像におけるベタ状の領域の光沢性を向上させるだけでなく、透明トナーによって細線、画像輪郭、文字などを表現することが求められるようになってきた。そこで、本発明者らは、Y,M,C,Kのうちの1色又は2色以上の重ね合わせによって得られた一様な色のベタ背景画像部の上に、透明トナーによる細線画像や文字画像を形成するテストを行った。すると、図1や図2に示されるように、ベタ背景画像部の全域のうち、透明トナーによる細線画像や文字画像の周囲領域の画像濃度を著しく低下させてしまった(以下、この現象を「線部周囲白抜け」という)。この「線部周囲白抜け」は、ベタ背景画像部における細線画像や文字画像の周囲領域と、記録シートとの密着不良によって発生するものであることがわかった。具体的には、ベタ背景画像部の全域のうち、透明トナーによる細線画像や文字画像が重ねられている領域と、その他の領域との間には、細線画像や文字画像の厚みによる段差が形成される。この段差により、ベタ背景画像部における細線周囲領域や文字周囲領域では、記録シートとの密着が不十分になって、有色トナーが中間転写ベルト上から記録シートに良好に転移しなくなることから、「線部周囲白抜け」が発生してしまうのである。
本発明者らは、かかる「線部周囲白抜け」の発生を抑える対策について鋭意研究したところ、2次転写ニップに転写電界を形成するための2次転写バイアスとして、直流成分に交流成分を重畳した重畳バイアスを採用することが有効であることを見出した。重畳バイアスを採用することで「線部周囲白抜け」を抑えることができるのは、次に説明する理由による。即ち、図3は、転写実験装置の転写ニップにおける転写初期段階のトナーの挙動を示す拡大模式図である。同図において、中間転写体たるポリイミドベルト214は、そのおもて面にカラートナー像を担持している。このカラートナー像は、Yトナー粒子Tyによって構成される細線画像と、Cトナー粒子Tcによって構成されるベタ背景画像部とを重ねたものである。実機を用いた実験では、透明トナーからなる細線画像の周囲に「線部周囲白抜け」が発生したが、透明トナーは非常に見難いため、この転写実験装置では、透明トナー粒子の代わりにYトナー粒子Tyを用いて細線画像を形成している。Yトナー粒子Ty、Cトナー粒子Tcは何れも、マイナス帯電性のトナー粒子である。
Cトナー粒子Tcによって構成されるベタ背景画像部と、Yトナー粒子Tyによって構成される細線画像との重ね合わせによるカラートナー像には、透明基板210が密着している。この透明基板210は、実機では記録シートに相当するものである。図示のように、ベタ背景画像部の全域のうち、細線画像に重なっている領域では、ベタ背景画像部を構成しているCトナー粒子Tcの層が透明基板210に良好に密着している。これに対し、ベタ背景画像部の全域のうち、細線画像に重なっていない領域では、ベタ背景画像部を構成しているCトナー粒子Tcの層と、透明基板210との間に間隙が介在している。
この状態で、ポリイミドベルト214に対し、交流成分にプラス極性の直流成分を重畳した重畳バイアスからなる2次転写バイアスを印加すると、透明基板210に密着していなかったCトナー粒子Tcの層(以下、Cトナー層という)から、一部のCトナー粒子Tcが離脱して、Cトナー層と透明基板210との間を往復移動する。この往復移動の周期は、2次転写バイアスの交流成分の周期と同期している。そして、初めの1周期では、まず、図示のように、Cトナー層を形成しているCトナー粒子Tcのうち、ごく少量のCトナー粒子TcだけがCトナー層から離脱する。そして、Cトナー層と透明基板210との間を一往復する。このとき、Cトナー層に戻ったCトナー粒子Tcが、図4に示されるようにCトナー層のCトナー粒子Tcに衝突することで、Cトナー層からのCトナー粒子Tcの離脱を促す。すると、次の1周期では、図5に示されるように、前の1周期よりも多くのCトナー粒子TcがCトナー層から離脱する。そして、Cトナー層と透明基板210との間を一往復して再びCトナー層に戻ってきて、Cトナー層中にまだ留まっているCトナー粒子Tcに衝突することで、Cトナー層からのCトナー粒子の離脱を更に促す。これにより、次の1周期では、更に多くのCトナー粒子TcがCトナー層から離脱する。このように、Cトナー粒子Tcが往復移動する毎に、Cトナー層から離脱するCトナー粒子Tcの数を増やしていくことで、最終的に透明基板210(実機では記録シート)に対して十分量のCトナー粒子Tcが転移する。これにより、ベタ背景画像における細線周囲の領域でも十分な画像濃度が得られていることがわかった。
なお、本発明者らは、従来のように、カラートナー像における任意の領域にベタ状の透明トナー像を重ね合わせることでその領域の光沢性を向上させる場合においても、ベタ状の透明トナー像の周囲で白抜けを引き起こすことを実験によって見出した。しかしながら、ベタ状の透明トナー像が形成される領域の周囲は、トナーが存在しない非画像部であったり、発生した白抜けが目立ち難い写真画像のような色彩に富んだ画像部であったりすることが多い。このため、ベタ状の透明トナー像の周囲における白抜けが問題視されることは殆どなかった。「線部周囲白抜け」は、細線画像や文字画像などの細い画像からなる前景と、一様な色のベタ背景画像部との重ね合わせによる線ベタ重ね合わせ部において特に目立って発生する現象である。そして、透明トナーによる細線画像や文字画像に限らず、有色トナーによる細線画像や文字画像を一様な色のベタ背景画像部に形成する場合にも、「線部周囲白抜け」は発生する。
また、本発明者らは、2次転写バイアスとして重畳バイアスからなるものを用いることで、「線部周囲白抜け」の発生を有効に抑えることができる代わりに、転写散りを発生させ易くなることも実験によって見出した。この転写散りは、2次転写ニップ内でトナー粒子を中間転写ベルトと記録シートとの間で繰り返し往復移動させる過程で、記録シートの非画像部上にトナー粒子をチリ状に付着させてしまう現象である。「線部周囲白抜け」は転写チリに比べて画像の外観を大きく損ねるものであるため、転写チリよりも優先して対策を講ずるべきものである。しかし、「線部周囲白抜け」が目立たない画像、即ち、線ベタ重ね合わせ部を具備しない画像を形成する場合にも、「線部周囲白抜け」の抑制のために重畳バイアスからなる2次転写バイアスを採用すると、転写チリを無駄に発生させてしまうことになる。
本発明は、以上の背景に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、「線部周囲白抜け」の発生を抑えつつ、無駄な転写チリの発生を抑えることができる画像形成装置を提供することである。
上記目的を達成するために、本発明は、自らの表面にトナー像を担持する複数の像担持体と、それら像担持体の表面にそれぞれ担持されるトナー像が自らの表面に重ね合わせて転写される中間転写体と、前記中間転写体に当接して転写ニップを形成するニップ形成部材と、前記転写ニップに転写電界を形成するための転写バイアスを出力する転写バイアス電源とを備え、前記中間転写体上の重ね合わせトナー像を前記転写ニップに挟み込んだ記録シートに転写する画像形成装置において、前記重ね合わせトナー像として、複数の像担持体のうち、イエロー、マゼンタ、シアン、黒の4色とは異なる色の特色トナー像を担持する特定の像担持体に形成された前記特色トナー像を含むものを前記転写ニップで記録シートに転写する際には、前記転写バイアスとして、交流成分に直流成分を重畳し且つ極性が正極性と負極性とで交互に切り替わる重畳バイアスからなるものを出力する一方で、前記重ね合わせトナー像として、前記特色トナー像を含まないものを前記転写ニップで記録シートに転写する際には、前記転写バイアスとして、前記重畳バイアスよりも交流成分のピークツウピーク値が小さい重畳バイアスからなるもの、あるいは、直流成分だけからなるものを出力するよに前記転写バイアス電源を制御する制御部を有することを特徴とするものである。
本発明においては、次に説明する理由により、「線部周囲白抜け」の発生を抑えつつ、転写チリの発生を無駄に助長してしまうことを回避することができる。即ち、「線部周囲白抜け」の発生が特に目立ってしまう線ベタ重ね合わせ部の前景である細線画像や文字画像は、例えば、透明トナーや金属色トナーなど、特定の色のトナーによって形成されることが多い。このため、重ね合わせトナー像が特定の像担持体に形成される特定トナー像を含むものである場合に、その重ね合わせトナー像に「線部周囲白抜け」を発生させる可能性が高くなる。そこで、特定トナー像を含む重ね合わせトナー像を転写する際には、重畳バイアスからなる転写バイアスを転写バイアス出力手段から出力する。これにより、「線部周囲白抜け」の発生を抑えることができる。一方、特定トナー像を含まない重ね合わせトナー像は、線ベタ重ね合わせ部を含んでいないことが多い。このため、特定トナー像を含まない重ね合わせトナー像を転写する際に、重畳バイアスからなる転写バイアスを転写バイアス出力手段から出力すると、転写チリの発生を無駄に助長してしまう可能性が高くなる。そこで、特定トナー像を含まない重ね合わせトナー像を転写する際には、転写バイアスとして、特定トナー像を含む重ね合わせトナー像を転写する場合の重畳バイアスよりも交流成分のピークツウピーク値が小さい重畳バイアスからなるもの、あるいは、直流成分だけからなるものを転写バイアス出力手段から出力する。交流成分のピークツウピーク値が小さくなるほど、転写ニップ内でトナー粒子を中間転写体と記録シートとの間で往復移動させる際の移動力が小さくなって、転写チリが発生し難くなる。よって、交流成分のピークツウピーク値を小さくするか、あるいは交流成分を含まない直流成分だけにすることで、無駄な転写チリの発生を抑えることができる。
透明細線パターンの透明細線の周囲に発生した「線部周囲白抜け」を示す写真画像図。 透明文字の周囲に発生した「線部周囲白抜け」を示す写真画像図。 転写実験装置の転写ニップにおける転写初期段階のトナーの挙動を示す拡大模式図。 同転写ニップにおける転写中期段階のトナーの挙動を示す拡大模式図。 同転写ニップにおける転写後期段階のトナーの挙動を示す拡大模式図。 実施形態に係るプリンタを示す概略構成図。 同プリンタにおけるK用の画像形成ユニットを示す拡大構成図。 同プリンタの2次転写電源から出力される重畳バイアスからなる2次転写バイアスの波形を示す波形図。 各ランクの「線部周囲白抜け」の状態を示す写真画像図。 転写実験装置を示す概略構成図。 転写実験で形成したYラインパターン画像を示す写真画像図。 実施形態に係るプリンタにおける電気回路の一部を示すブロック図。 オフセット電圧Voffよりも平均電位Vaveをトナー転写極性側にシフトさせた転写バイアスの第1例の波形を示すグラフ。 オフセット電圧Voffよりも平均電位Vaveをトナー転写極性側にシフトさせた転写バイアスの第2例の波形を示すグラフ。 オフセット電圧Voffよりも平均電位Vaveをトナー転写極性側にシフトさせた転写バイアスの第3例の波形を示すグラフ。 オフセット電圧Voffよりも平均電位Vaveをトナー転写極性側にシフトさせた転写バイアスの第4例の波形を示すグラフ。 オフセット電圧Voffよりも平均電位Vaveをトナー転写極性側にシフトさせた転写バイアスの第5例の波形を示すグラフ。 オフセット電圧Voffよりも平均電位Vaveをトナー転写極性側にシフトさせた転写バイアスの第6例の波形を示すグラフ。 オフセット電圧Voffよりも平均電位Vaveをトナー転写極性側にシフトさせた転写バイアスの第7例の波形を示すグラフ。
以下、本発明を画像形成装置としてのタンデム型の画像形成部によってカラー画像を形成するカラープリンタ(以下、単にプリンタという)に適用した実施形態について説明する。
まず、実施形態に係るプリンタの基本的な構成について説明する。図6は、実施形態に係るプリンタを示す概略構成図である。同図において、実施形態に係るプリンタは、透明(T),イエロー(Y),マゼンダ(M),シアン(C),ブラック(K)のトナー像を形成するための5つの画像形成ユニット1T,Y,M,C,K、転写装置としての転写ユニット20、図示しない光書込ユニット、タンデム画像形成部10、転写ユニット20、紙搬送ユニット39、定着装置40、再送装置50などを備えている。
5つの画像形成ユニット1T,Y,M,C,Kは、画像形成物質として、互いに異なる色のT,Y,M,C,Kトナーを用いるが、それ以外は同様の構成になっており、寿命到達時に交換される。Kトナー像を形成するための画像形成ユニット1Kを例にすると、これは、図7に示されるように、潜像担持体たるドラム状の感光体2K、ドラムクリーニング装置5K、除電装置(不図示)、帯電装置4K、現像装置4K等を備えている。これらの装置が共通の保持体に保持されてプリンタ本体に対して一体的に脱着することで、それらを同時に交換できるようになっている。
感光体2Kは、ドラム基体の表面上に有機感光層が形成された外径60[mm]程度のドラム形状のものであって、図示しない駆動手段によって図中反時計回り方向に回転駆動される。帯電装置4Kは、帯電バイアスが印加される帯電ローラを感光体2Kに接触あるいは近接させながら、帯電ローラと感光体2Kとの間に放電を発生させることで、感光体2Kの表面を一様帯電せしめる。実施形態では、トナーの正規帯電極性と同じマイナス極性に一様帯電せしめる。帯電バイアスとしては、直流電圧に交流電圧を重畳したものを採用している。帯電ローラは、金属製の芯金の表面に導電性弾性材料からなる導電性弾性層が被覆されたものである。帯電ローラ等の帯電部材を感光体2Kに接触あるいは近接させる方式に代えて、帯電チャージャーによる方式を採用してもよい。
一様帯電せしめられた感光体2Kの表面は、光書込ユニット(図1の80)から発せられるレーザー光によって光走査されてK用の静電潜像を担持する。このK用の静電潜像は、図示しないKトナーを用いる現像装置3Kによって現像されてKトナー像になる。そして、後述する中間転写ベルト21上に1次転写される。
ドラムクリーニング装置5Kは、1次転写工程(後述する1次転写ニップ)を経た後の感光体2K表面に付着している転写残トナーを除去する。回転駆動されるクリーニングブラシローラ、片持ち支持された状態で自由端を感光体2Kに当接させるクリーニングブレードなどを有している。回転するクリーニングブラシローラで転写残トナーを感光体2K表面から掻き取ったり、クリーニングブレードで転写残トナーを感光体2K表面から掻き落としたりする。なお、クリーニングブレードについては、その片持ち支持端側を自由端側よりもドラム回転方向下流側に向けるカウンタ方向で感光体2Kに当接させている。
上記除電装置は、ドラムクリーニング装置5Kによってクリーニングされた後の感光体2Kの残留電荷を除電する。この除電により、感光体2Kの表面が初期化されて次の画像形成に備えられる。
現像装置3Kは、感光体2Kに対向する現像ロール3aKを内包する現像部と、図示しないK現像剤を撹拌搬送するための第1スクリュウ部材3bK、及び第2スクリュウ部材3cKを内包する現像剤搬送部とを有している。そして、現像剤搬送部は、第1スクリュウ部材3bKを収容する第1搬送室と、第2スクリュウ部材3cKを収容する第2搬送室とを有している。それらスクリュウ部材は、それぞれ、軸線方向の両端部がそれぞれ軸受けによって回転自在に支持される回転軸部材と、これの周面に螺旋状に突設せしめられた螺旋羽根とを具備している。
第1スクリュウ部材3bKを収容している第1搬送室と、第2スクリュウ部材3cKを収容している第2搬送室とは、仕切り壁によって仕切られているが、仕切壁におけるスクリュウ軸線方向の両端箇所には、それぞれ両搬送室を連通させる連通口が形成されている。第1スクリュウ部材3bKは、螺旋羽根内に保持している図示しないK現像剤を、回転駆動に伴って回転方向に撹拌しながら、図中の紙面に直交する方向の奥側から手前側に向けて搬送する。第1スクリュウ部材3bKと、現像ロール3aKとは互いに向かい合う姿勢で平行配設されているため、このときのK現像剤の搬送方向は、現像ロール3aKの回転軸線方向に沿った方向でもある。そして、第1スクリュウ部材3bKは、現像ロール3aKの表面に対してK現像剤をその軸線方向に沿って供給していく。
第1スクリュウ部材3bKの図中手前側端部付近まで搬送されたK現像剤は、仕切壁の図中手前側端部付近に設けられた連通開口を通って、第2搬送室内に進入した後、第2スクリュウ部材3cKの螺旋羽根内に保持される。そして、第2スクリュウ部材3cKの回転駆動に伴って、回転方向に撹拌されながら、図中手前側から奥側に向けて搬送されていく。
第2搬送室内において、ケーシングの下壁には図示しないトナー濃度センサが設けられており、第2搬送室内のK現像剤のKトナー濃度を検知する。Kトナー濃度センサとしては、透磁率センサからなるものが用いられている。Kトナーと磁性キャリアとを含有するK現像剤の透磁率は、Kトナー濃度と相関関係があるため、透磁率センサは、Kトナー濃度を検知していることになる。
本プリンタには、T,Y,M,C,K用の現像装置の第2収容室内にT,Y,M,C,Kトナーをそれぞれ個別に補給するための図示しないT,Y,M,C,Kトナー補給手段が設けられている。そして、プリンタの制御部は、データ記憶手段としてのRAMに、T,Y,M,C,Kトナー濃度検知センサからの出力電圧値の目標値であるT,Y,M,C,K用のVtrefを記憶している。T,Y,M,C,Kトナー濃度検知センサからの出力電圧値と、T,Y,M,C,K用のVtrefとの差が所定値を超えた場合には、その差に応じた時間だけT,Y,M,C,Kトナー補給手段を駆動する。これにより、T,Y,M,C,K用の現像装置における第2搬送室内にT,Y,M,C,Kトナーが補給される。
K用の現像装置1Kの現像部内に収容されている現像ロール3aKは、第1スクリュウ部材3bKに対向しているとともに、ケーシングに設けられた開口を通じて、感光体2Kにも対向している。また、現像ロール3aKは、回転駆動される非磁性パイプからなる筒状の現像スリーブと、これの内部にスリーブと連れ回らないように固定されたマグネットローラとを具備している。そして、第1スクリュウ部材3bKから供給されるK現像剤をマグネットローラの発する磁力によってスリーブ表面に担持しながら、スリーブの回転に伴って、感光体2Kに対向する現像領域に搬送する。
現像スリーブには、トナーと同極性であって、感光体2Kの静電潜像よりも大きく、且つ感光体2Kの一様帯電電位よりも小さな現像バイアスが印加されている。これにより、現像スリーブと感光体2Kの静電潜像との間には、現像スリーブ上のKトナーを静電潜像に向けて静電移動させる現像ポテンシャルが作用する。また、現像スリーブと感光体2Kの地肌部との間には、現像スリーブ上のKトナーをスリーブ表面に向けて移動させる非現像ポテンシャルが作用する。それら現像ポテンシャル及び非現像ポテンシャルの作用により、現像スリーブ上のKトナーが感光体2Kの静電潜像に選択的に転移して、静電潜像をKトナー像に現像する。
図6において、T,Y,M,C用の画像形成ユニット1T,Y,M,Cにおいても、K用の画像形成ユニット1Kと同様にして、感光体2T,Y,M,C上にT,Y,M,Cトナー像が形成される。
画像形成ユニット1T,Y,M,C,Kの上方には、潜像書込手段たる光書込ユニット80が配設されている。この光書込ユニットは、パーソナルコンピュータ等の外部機器から送られてくる画像情報に基づいてレーザーダイオードから発したレーザー光により、感光体2T,Y,M,C,Kを光走査する。この光走査により、感光体2T,Y,M,C,K上にT,Y,M,C,K用の静電潜像が形成される。例えば、K用の感光体2Kの一様帯電した表面の全域のうち、レーザー光が照射された箇所は、電位を減衰せしめる。これにより、レーザー照射箇所の電位が、それ以外の箇所(地肌部)の電位よりも小さい静電潜像となる。
なお、光書込ユニット80は、光源から発したレーザー光Lを、図示しないポリゴンモータによって回転駆動したポリゴンミラーで主走査方向に偏光せしめながら、複数の光学レンズやミラーを介して感光体に照射するものである。LEDアレイの複数のLEDから発したLED光によって光書込を行うものを採用してもよい。
画像形成ユニット1T,Y,M,C,Kの下方には、無端状の中間転写ベルト21を張架しながら図中反時計回り方向に無端移動せしめる転写装置としての転写ユニット20が配設されている。転写ユニット21は、像担持体たる中間転写ベルト21の他に、駆動ローラ22、従動ローラ23、2次転写対向ローラ24、5つの1次転写ローラ25T,Y,M,C,K、ニップ形成部材たる2次転写ローラ26、図示しないベルトクリーニング装置などを有している。
中間転写ベルト21は、そのループ内側に配設された駆動ローラ22、従動ローラ23、2次転写対向ローラ24、及び5つの1次転写ローラ25T,Y,M,C,Kなどによって張架されている。そして、図示しない駆動手段によって図中時計回り方向に回転駆動される駆動ローラ22の回転力により、同方向に無端移動せしめられる。
中間転写ベルト21としては、次のような特性を有するものを用いている。即ち、厚みは20[μm]〜200[μm]、好ましくは60[μm]程度である。また、体積抵抗率は1E6[Ωcm]〜1e12[Ωcm]、好ましくは約1E9[Ωcm]程度である(三菱化学製ハイレスタ−UP MCP HT45にて、印加電圧100Vの条件で測定)。また、材料は、カーボン分散ポリイミド樹脂からなる。
5つの1次転写ローラ25T,Y,M,C,Kは、無端移動せしめられる中間転写ベルト21を感光体2T,Y,M,C,Kとの間に挟み込んでいる。これにより、中間転写ベルト21のおもて面と、感光体2T,Y,M,C,Kとが当接するT,Y,M,C,K用の1次転写ニップが形成されている。1次転写ローラ25T,Y,M,C,Kには、それぞれ図示しない1次転写電源により、トナーの帯電極性とは逆極性の1次転写バイアスが印加される。これにより、感光体2T,Y,M,C,K上のT,Y,M,C,Kトナー像と、1次転写ローラ25T,Y,M,C,Kとの間に1次転写電界が形成される。T用の感光体2T表面に形成されたTトナー像は、感光体2Tの回転に伴ってT用の1次転写ニップに進入する。そして、転写電界やニップ圧の作用により、感光体2T上から中間転写ベルト21上に1次転写される。このようにしてTトナー像が1次転写せしめられた中間転写ベルト21は、その後、Y,M,C,K用の1次転写ニップを順次通過する。そして、感光体2Y,M,C,K上のY,M,C,Kトナー像が、Tトナー像上に順次重ね合わせて1次転写される。この重ね合わせの1次転写により、中間転写ベルト21上にはカラートナー像と透明トナー像とを具備する重ね合わせトナー像が形成される。
1次転写ローラ25T,Y,M,C,Kは、金属製の芯金と、これの表面上に固定された導電性のスポンジ層とを具備している弾性ローラからなり、次のような特性を有している。即ち、外形は16[mm]である。また、心金の径は10[mm]である。また、接地された外径30[mm]の金属ローラを10[N]の力でスポンジ層に押し当てた状態で、1次転写ローラ心金に1000[V]の電圧を印加したときに流れる電流Iから、オームの法則(R=V/I)に基づいて算出したスポンジ層の抵抗Rは、約3E7[Ω]である。このような1次転写ローラ25T,Y,M,C,Kに対して、それぞれ図示しない1次転写電源から定電流制御で出力される1次転写バイアスが印加される。1次転写ローラ35T、Y,M,C,Kに代えて、転写チャージャーや転写ブラシなどを採用してもよい。
転写ユニット20の2次転写ローラ26は、中間転写ベルト21のループ外側に配設されており、ループ内側の2次転写対向ローラ24との間に中間転写ベルト21を挟み込んでいる。これにより、中間転写ベルト21のおもて面と、ニップ形成部材たる2次転写ローラ26とが当接する2次転写ニップが形成されている。2次転写ローラ26は接地されているのに対し、2次転写対向ローラ24には、2次転写電源82によって2次転写バイアスが印加される。これにより、2次転写対向ローラ24と2次転写ローラ26との間に、マイナス極性のトナーを2次転写対向ローラ24側から2次転写ローラ26側に向けて静電移動させる2次転写電界が形成される。
本プリンタは、図示しない給紙カセットを備えている。この給紙カセット内には、記録シートとしての記録シートが複数枚重ねられた紙束の状態で収容されており、一番上の記録シートには、給紙ローラが当接している。給紙ローラが図示しない駆動手段によって回転駆動すると、給紙カセット内の一番上の記録シートが、給紙路に向けて送り出される。
給紙路の末端には、レジストローラ対32が配設されている。レジストローラ対32は、記録シートをローラ間に挟み込むとすぐに、両ローラの回転を一旦停止させる。そして、記録シートを中間転写ベルト21上の重ね合わせトナー像に同期させ得るタイミングで2次転写ニップに向けて送り出す。中間転写ベルト21上の重ね合わせトナー像は、2次転写バイアスやニップ圧の作用により、2次転写ニップ内で記録シートPに一括して2次転写される。このようにして表面に重ね合わせトナー像が形成された記録シートは、2次転写ニップを通過すると、2次転写ローラ26や中間転写ベルト21から曲率分離する。
2次転写対向ローラ24は、次のような特性を有している。即ち、外径は約24[mm]である。また、芯金の径は約16[mm]である。芯金の表面には、導電性のNBR系ゴム層が被覆されており、その抵抗Rは1E6[Ω]〜1E12[Ω]、好ましくは約4E7[Ω]である。抵抗Rは、1次転写ローラと同様の方法によって測定された値である。
また、2次転写ローラ26は、次のような特性を有している。即ち、外径は約24[mm]である。また、芯金の径は約14[mm]である。芯金の表面には、導電性のNBR系ゴム層が被覆されており、その抵抗Rは1E6Ω以下である。抵抗Rは、1次転写ローラと同様の方法によって測定された値である。
2次転写電源82は、直流電源と交流電源とを有しており、2次転写バイアスとして、直流電圧に交流電圧を重畳せしめたものを出力することができる。2次転写電源82の出力端子は、2次転写対向ローラ24の芯金に接続されている。2次転写対向ローラ24の芯金の電位は、2次転写電源82からの出力電圧値とほぼ同じ値になる。また、2次転写ローラ26については、その芯金を接地(アース接続)している。なお、重畳バイアスを2次転写対向ローラ26の芯金に印加しつつ、2次転写ローラ26の芯金を接地する代わりに、重畳バイアスを2次転写ローラ26の芯金に印加しつつ、2次転写対向ローラ24の芯金を接地してもよい。この場合、直流電圧の極性を異ならせる。
具体的には、図示のように、マイナス極性のトナーを用い且つ2次転写ローラ26を接地した条件で、2次転写対向ローラ24に重畳バイアスを印加する場合には、直流電圧としてトナーと同じマイナス極性のものを用いて、重畳バイアスの時間平均の電位をトナーと同じマイナス極性にする。これに対し、2次転写対向ローラ24を接地し、且つ重畳バイアスを2次転写ローラ26に印加する場合には、直流電圧としてトナーとは逆のプラス極性のものを用いて、重畳バイアスの時間平均の電位をトナーとは逆のプラス極性にする。重畳バイアスを2次転写対向ローラ24や2次転写ローラ26に印加する代わりに、直流電圧を何れか一方のローラに印加するとともに、交流電圧を他方のローラに印加してもよい。交流電圧としては、正弦波状の波形のものを採用しているが、後述するような非正弦波を用いてもよい。
2次転写ニップを通過した後の中間転写ベルト21には、記録シートに転写されなかった転写残トナーが付着している。これは、ベルトクリーニング装置27によってクリーニングされる。なお、ベルトクリーニング装置27は、中間転写ベルト21に当接させているクリーニングブレードによって転写残トナーをベルト表面から掻き落とすものである。
2次転写ニップの出口の近くには、無端状の紙搬送ベルト39aを、駆動ローラ39bと従動ローラ39cとによって水平方向に延在する横長の姿勢で張架しながら、駆動ローラ39bの回転駆動に伴って図中反時計回り方向に無端移動させる紙搬送ユニット39が配設されている。2次転写ニップを通過した記録シートは、紙搬送ベルト39aの表面に吸着された状態で、ベルトの移動に伴って図中右側から左側に向けて搬送される。そして、駆動ローラ39bによるベルト掛け回し領域に到達すると、ローラ周面に沿って進むベルトに追従することなく、ベルトから分離されて、定着装置40に受け渡される。
定着装置40内では、記録シートが、ハロゲンランプ等の発熱源を内包する加熱定着ローラ41と、これに向けて押圧される加圧ローラ42との当接による定着ニップに挟み込まれる。そして、定着ニップ内で加圧や加熱によるトナー像の定着処理が施される。このとき、加熱定着ローラ41の表面温度である定着温度が概ね165[℃]で一定になるように、前記発熱源への電源供給がオンオフ制御される。定着装置40によってトナー像が定着せしめられた記録シートは、図示しない排出ローラ対を経由して機外へと排出される。
定着装置40から排出された記録シートについては、そのまま排紙ローラ対に送る場合と、排紙ローラ対に送らずに、再送装置50に送る場合とがある。具体的には、記録シートの第1面だけに画像を形成する片面モードのプリントジョブを実施する際には、定着装置40から排出された記録シートを例外なく排紙ローラ対に送る。これに対し、記録シートの両面に画像を形成する両面モードのプリントジョブを実施する際において、定着装置40から排出された記録シートが第1面だけにトナー像を担持するものである場合には、それを排紙ローラ対に送らずに、再送装置50に送る。但し、両面モードであっても、定着装置40から排出された記録シートが両面にトナー像を担持するものである場合には、それを排紙ローラ対に送る。定着装置40を通過した後の記録シートを排紙ローラ対に送るのか、再送装置50に送るのかの切り換えは、図示しない切り換え爪による記録シート搬送先の切り換えによって行われる。
再送装置50は、定着装置40から送られてくる記録シートをスイッチバック路51でスイッチバック搬送することで、その上下を反転させる。その後、記録シートをスイッチバック路52に送る。スイッチバック路52を通過した記録シートは、図示しない給紙カセットから2次転写ニップに搬送するための給紙路の途中に送り込まれる。これにより、記録シートは、上下を反転させた状態で、2次転写ニップに再送される。
定着装置40内から排出された記録シートは、片面プリントの場合や、両面プリントにおける両面転写後の場合には、図示されないフィニッシャによって画像面が下向きになるような形で排紙トレイに排出される。フィニッシャによって画像面を下向きにするのは、セキュリティやプライバシに対する配慮からである。
図8は、2次転写電源82から出力される重畳バイアスからなる2次転写バイアスの波形を示す波形図である。同図において、2次転写バイアスは、上述したように、2次転写対向ローラ(24)の芯金に印加される。2次転写対向ローラの芯金に2次転写バイスが印加されると、2次転写対向ローラの芯金と、ニップ形成部材たる2次転写ローラ(26)の芯金との間に、電位差が発生する。なお、電位差は、絶対値として取り扱われることが一般的であるが、本稿では、極性付きの値として取り扱うものとする。より詳しくは、2次転写対向ローラ(24)の芯金の電位から、2次転写ローラ(26)の芯金の電位を差し引いた値を、電位差として取り扱うことにする。かかる電位差の時間平均値は、トナーとしてマイナス極性のものを用いる構成では、その極性がマイナスになった場合に、2次転写対向ローラの電位を2次転写ローラの電位よりもトナーの帯電極性側(本例ではマイナス側)に大きくすることになる。よって、トナーを2次転写対向ローラ側から2次転写ローラ側に静電移動させることになる。
同図において、オフセット電圧Voffは、2次転写バイアスの直流成分の値である。また、ピークツウピーク値Vppは、2次転写バイアスの交流成分のピークツウピーク値である。図示の2次転写バイアスは、オフセット電圧Voffとピークツウピーク値Vppとを重畳したものであり、その時間平均値はオフセット電圧Voffと同じ値になる。2次転写対向ローラ(24)の芯金の電位は、そのまま両芯金の電位差となる。そして、両芯金の電位差は、オフセット電圧Voffと同じ値の直流成分(Eoff)と、ピークツウピーク値Vppと同じ値の交流成分(Epp)とから構成される。
同図において、オフセット電圧Voffの極性はマイナス極性である。オフセット電圧Voffの極性がマイナスであることで、2次転写ニップ内において、マイナス極性のトナーが2次転写対向ローラ24側から2次転写ローラ26側に相対的に静電移動する。2次転写バイスの極性がトナーと同じマイナス極性になっているときには、2次転写ニップ内において、マイナス極性のトナーが2次転写対向ローラ24側から2次転写ローラ26側に静電的に押される。これにより、中間転写ベルト21上のトナーが記録シート上に転移する。一方、2次転写バイアスの極性がトナーとは逆のプラス極性になっているときには、2次転写ニップ内において、マイナス極性のトナーが2次転写ローラ26側から2次転写対向ローラ24側に向けて静電的に引き寄せられる。これにより、記録シートに転移したトナーが中間転写ベルト21側に再び引き寄せられる。但し、2次転写バイアスの時間平均値(本例ではオフセット電圧Voffと同じ値)がマイナス極性であるので、相対的には、トナーは2次転写対向ローラ24側から2次転写ローラ26側に静電的に押されていく。なお、同図において、戻り電位ピーク値Vrは、トナーとは逆極性であるプラス側のピーク値を示している。また、オフセット電圧Voffは、重畳バイアスの最大値と最小値との中心値と同じ値になる。
次に、実施形態に係るプリンタの特徴的な構成について説明する。
まず、本発明者らが行った実験について説明する。本発明者らは、実施形態に係るプリンタと同様の構成のプリント試験機を用意した。そして、このプリント試験機を用いて、種々のプリントテストを実施した。各種のプリントテストにおいては、現像剤としては、平均粒径が6.8[μm]であるポリエステル系の粉砕法によるトナーと、平均粒径が55[μm]である表面に樹脂層を被覆した磁性キャリアとからなるものを使用した。
[第1プリントテスト]
オフセット電圧Voffとして、−1.5[kV]を採用した。具体的には、プリントテストでは、2次転写ローラ26を接地しているので、重畳バイアスからなる2次転写バイアスの直流成分を−1.5[kV]に設定した。また、交流成分として、周波数が400[Hz]であるものを用いた。交流成分のピークツウピーク値Vppについては、1.0、2.0、3.0、4.0、5.0、6.0、7.0、8.0、9.0[kV]の9通りを採用した。これら9通りの条件でそれぞれテスト画像をプリントした。ブルーのベタ背景部と、これに重なる複数の細線パターンとを具備するものであり、細線パターンは透明トナーによって形成されたものである。実験室の環境については、温度22[℃]、相対湿度50[%]に設定した。また、記録シートついては、株式会社NBSリコー社製のマイペーパーと呼ばれる普通紙(厚み=約90[μm])を用いた。また、中間転写ベルトや各色感光体の線速であるプロセス線速については、282[mm/s]に設定した。
プリントされたテスト画像における細線パターンの各細線の周囲に発生した「線部周囲白抜け」について、視観評価によって1〜5の5段階にランク分けした。図9に示され得るように、白抜けの度合いが低くなるほど、ランクの数値が大きくなる。ランク3以上が許容レベルである。第1プリントテストの結果を次の表1に示す。
表1に示されるように、交流成分のピークツウピーク値Vppを大きくするほど、「線部周囲白抜け」のランクを向上させる傾向にある。また、本発明者らが行った別の実験では、オフセット電位Voffの絶対値を小さくするほど、ランクを向上させる傾向にあった。
ピークツウピーク値Vppを大きくするほど、図8の送りピーク値Vtを大きくすることが、「線部周囲白抜け」のランクを向上させる原因であると考えられる。具体的には、実験では、マイナス帯電性のトナーを用い、且つ、2次転写バイアスを2次転写対向ローラ24に印加して、2次転写ニップ内でマイナス帯電性のトナーをマイナス極性のバイアスによって2次転写対向ローラ24に対して反発させることで、ベルト側からシート側に静電移動させている。つまり、2次転写バイアスがマイナス極性になっているときに、2次転写ニップ内のトナーがベルト側からシート側に送られる。そして、送りピーク値Vtが大きくなるほど、トナーをベルト側からシート側に移動させる静電力が大きくなるため、「線部周囲白抜け」のランクが向上すると考えられる。
但し、送りピーク値Vtが大きくなり過ぎると、アース接続された2次転写ローラ26と2次転写対向ローラ24との電位差である送りピーク値Vtが両者間での放電開始電圧を上回って、両者間で放電が発生する。そして、この放電により、2次転写ニップ内のトナーが逆帯電してシート表面に転写されなくなり、白点状の放電痕を発生させてしまう。第1プリントテストでは、表1に示されるように、ピークツウピーク値Vppを9.0[kV]まで大きくすると、白点状の放電痕が発生してしまう。
また、表1に示されるように、ピークツウピーク値Vppを6.0[kV]以上にすることで、「線部周囲白抜け」のランクを許容レベルの3以上にできることがわかった。オフセット電圧Voffは−1.5[kV]であるので、「1/4×Vpp>|Voff|」という条件を満たす2次転写バイアスを採用することで、「線部周囲白抜け」のランクを許容レベルにすることができることになる。なお、「線部周囲白抜け」を目立たなくするという観点からすれば、オフセットVoffとピークツウピーク値Vppとの関係は、より好ましくは、「1/5×Vpp>|Voff|」である。
なお、既に説明しているように、プリンタ試験機においては、2次転写対向ローラ24の芯金に対して2次転写バイアスを印加するとともに、2次転写ローラ26の芯金を接地しているので、両ローラ間における電位差の時間平均値である直流成分電位差Eoffが、2次転写バイアスの直流成分であるオフセット電圧Voffと同じ値になる。2次転写ローラ26の芯金を接地する代わりに、ニップ形成ーラ36の芯金に直流電圧を印加した場合、2次転写対向ローラ24の芯金に印加する直流電圧と、2次転写ローラ26の芯金に印加する直流電圧との重畳値を、オフセット電圧Voffとして取り扱うものとする。つまり、2次転写ローラ26の芯金を接地する代わりに、ニップ形成ーラ36の芯金に直流電圧を印加した場合であっても、Eoffとオフセット電圧Voffとは同じ値になる。
また、プリントテストや実施形態に係るプリンタのように、交流バイアスとして正弦波からなるものを用いる場合には、オフセット電圧Voffが、重畳バイアスからなる2次転写バイアスの単位時間あたりの平均電位Vaveと同じ値になる。
2次転写ローラ26等のニップ形成部材と、2次転写対向ローラ24等の電極部材との間に、直流成分と交流成分とを含む電位差を発生させる方法としては、次の6通りを例示することができる。
(1)ニップ形成部材に重畳バイアスを印加し、且つ、電極部材をアース接続する。
(2)ニップ形成部材に重畳バイアスを印加し、且つ、電極部材に直流バイアスを印加する。
(3)ニップ形成部材に交流成分だけからなる交流バイアスを印加し、且つ、電極部材に直流バイアスを印加する。
(4)ニップ形成部材をアース接続し、且つ、電極部材に重畳バイアスを印加する。
(5)ニップ形成部材に直流バイアスを印加し、且つ、電極部材に重畳バイアスを印加する。
(6)ニップ形成部材に直流バイアスを印加し、且つ、電極部材に交流成分だけからなる交流バイアスを印加する。
[第2プリントテスト]
オフセット電圧Voff=−1.5[kV]、ピークツウピーク値Vpp=7.0[kV]、周波数=400[kV]の条件下で、第1プリントテストと同様にしてテスト画像を出力した。但し、プロセス線速を282[mm/s]から徐々に上げていき、それぞれのプロセス線速の条件で「線部周囲白抜け」のランクを評価した。すると、プロセス線速をある程度まで下げると、「線部周囲白抜け」のランクが2以下になった。また、プロセス線速を一定にした条件で、周波数を徐々に下げていっても、同様に、周波数をある程度まで下げると、「線部周囲白抜け」のランクが2以下になった。これらのことから、2次転写ニップ内において、トナーを交番電界によってある程度の数だけ往復移動させないと、トナーをベルト表面からシート表面に十分に転移させることができなくなると言える。本発明者らの実験によれば、2次転写ニップ内でトナーを少なくとも2回往復移動させる必要があった。
次に、本発明者らが行った転写実験について説明する。
本発明者らは、「1/4×Vpp>|Voff|」という条件にすることで、「線部周囲白抜け」のランクを許容レベル以上にすることができた原因を明らかにするために、特殊な転写実験装置を作製した。
図10は、転写実験装置を示す概略構成図である。この転写実験装置は、透明基板210、現像装置231、Zステージ220、照明241、顕微鏡242、高速度カメラ243、パーソナルコンピュータ244などを備えている。透明基板210は、ガラス板211と、これの下面に形成されたITO(Indium Tin Oxide)からなる透明電極212と、透明電極212の上に被覆された透明材料からなる透明絶縁層213とを具備している。この透明基板210は、図示しない基板支持手段によって所定の高さ位置で支持されている。
なお、透明基板210としては、透明電極212の全面が1つの電極になっているものと、透明電極212に500[μm]幅の電極と1[mm]幅の電極とを櫛歯状に配設したものと2種類を用意し、目的に応じてそれらのうち、1種類だけを選択して転写実験装置に搭載している。
透明基板210を支持する基板支持手段は、図示しない移動機構によって図中上下左右方向に移動することが可能である。図示の例では、透明基板210が金属版215を載置したZステージ220の上に位置しているが、基板支持手段の移動により、Zステージ220の側方に配設された現像装置231の真上に移動することも可能である。なお、透明基板212の透明電極212は、基板支持手段に固定された電極に接続され、この電極は接地されている。
現像装置231は、実施形態に係るプリンタの現像装置と同様の構成になっており、スクリュウ部材232、現像ロール233、ドクターブレード234などを有している。現像ロール233は、電源235によって現像バイアスが印加された状態で回転駆動される。
透明基板210が基板支持手段の移動により、現像装置231の真上で且つ現像ロール233に対して所定のギャップを介して対向する位置まで所定の速度で移動せしめられると、現像ロール233上のトナーが透明基板210の透明電極212上に転移する。これにより、透明基板210の透明電極212上には所定の厚みのトナー層216が形成される。トナー層216に対する単位面積あたりのトナー付着量は、現像剤のトナー濃度、トナーの帯電量、現像バイアス値、基板210と現像ロール233とのギャップ、透明基板210の移動速度、現像ロール233の回転速度などによって調整することができる。
トナー層216が形成された透明基板210は、平面状の金属板215上に導電性接着剤で貼り付されたポリイミドベルト214との対向位置まで平行移動せしめられる。金属板215は、加重センサが設けられた基板221上に設置され、基板221はZステージ220上に設置されている。また、金属板215は、電圧増幅器217に接続されている。電圧増幅器217には、波形発生装置218によって直流電圧及び交番電圧からなる転写バイアスが入力され、金属板215には電圧増幅器217によって増幅された転写バイアスが印加される。Zステージ220を駆動制御して金属板215を上昇させると、ポリイミドベルト214がトナー層216と接触し始める。金属板215を更に上昇させると、トナー層216に対する圧力が増加するが、加重センサからの出力が所定の値になるように金属板215の上昇を停止させる。
この転写実験装置に、透明基板210として、透明電極212に500[μm]幅の電極と1[mm]幅の電極とを櫛歯状に配設したものを搭載した。図11に示されるように、500[μm]幅の電極の上だけにYトナーを付着させて、Yラインパターン画像を形成した。このYトナーは、視認し難い透明トナーの代わりに使用されたものである。Yトナーの平均粒径は6.8[μm]であり、Yラインパターン画像においては、電極上におけるYトナー付着量が0.7[mg/cm]に調整されている。
Yラインパターン画像を透明基板210とポリイミドベルト214との間に挟み込んで、圧力を所定値にした状態で、金属板215に直流のバイアスを印加してYラインパターン画像を透明基板210からポリイミドベルト214上に転写した。次に、ポリイミドベルト214と透明基板210とを離間させて、透明基板210を、透明電極212の全面が1つの電極であるものに交換した。そして、1つの大きな透明電極212の上に、Cトナーを0.8[mg/cm2]の付着量で付着させて、C全面ベタ画像を形成した後、Yラインパターン画像と同様にして、C全面ベタ画像をポリイミドベルト214の表面上に転写した。
その後、ポリイミドベルト214と透明基板210とを再び離間させ、透明電極212の全面が1つの電極になっている透明基板210上に、記録シート(マイペーパー)を導電性両面テープで貼り付けた。そして、透明基板210を再びポリイミドベルト214に当接させた状態で、金属板215に重畳バイアスからなる転写バイアスを印加して、ポリイミドベルト214上のC全面ベタ画像及びYラインパターン画像を記録シートに転写した。
次に、透明基板210をポリイミドベルト214から離間させ、ポリイミドベルト214上のYラインパターン画像のライン間に残ったCトナーの量(以下、転写残Cトナー量という)を5段階で主観評価した。ランク1からランク5にかけて、ランクの番号が大きくなっていくにつれて、転写残Cトナー量が少なくなる。
なお、この転写実験装置では、ポリイミドベルト214の裏面に転写バイアスを印加する構成になっているため、透明基板210上からポリイミドベルト214上にトナーを転写する際には、実施形態に係るプリンタとは逆の極性(即ち、プラス極性)の電圧を印加した。これに対し、ポリイミドベルト214上のトナーを透明基板210表面の記録シートに転写する際には、重畳バイアスの送りピーク値Vtの極性をトナーと同じマイナス極性にした。
ポリイミドベルト214上のC全面ベタ画像及びYラインパターン画像を記録シートに転写する際には、重畳バイアスからなる転写バイアスの交流成分として、波形が正弦波であるものを採用した。交流成分の周波数fを500[Hz]、直流電圧(本例ではオフセット電圧Voffに該当)を−200[V]に設定した。また、ピークツウピーク値Vppについては、400[V]から100[V]単位で徐々に高くしていき、それぞれのピーク条件下で実験を個別に行った。
この結果、ピークツウピーク値Vppを800[V]以下に設定した条件では、転写残Cトナー量のランクは4未満であった。これに対し、ピークツウピーク値Vppを900[V]以上に設定した条件では、転写残Cトナー量のランクを4以上にすることができた。転写試験装置でも、プリンタ試験機と同様に、「1/4×Vpp>Voff」という条件で、白抜けを許容レベルまで良好にすることができたのである。
次に、記録シートを透明基板210から剥がして、同様の実験を行った。転写バイアスとしては、−150[V]の直流電圧にピークツウピーク値Vpp=800[V]の正弦波交流電圧を重畳したものを採用した。これは、「1/4×Vpp>|Voff|」という条件を具備する転写バイアスである。
転写バイアスを印加しているときに、顕微鏡242の焦点を透明基板210表面に合わせて、トナーの挙動を撮影した。トナーの挙動の観察については、基板210の上方に配設されている顕微鏡242及び高速度カメラ243を用いて行う。基板210は、ガラス板211、透明電極212、及び透明絶縁層213という各層が全て透明材料からなるので、透明電極210の上方から、透明基板210を介して、透明基板210の下側にあるトナーの挙動を観察することができる。
顕微鏡242としては、キーエンス社製のズームレンズVH−Z75からなるものを用いた。また、高速度カメラ243としては、フォトロン社製のFASTCAM−MAX 120KCを用いた。フォトロン社FASTCAM−MAX 120KCは、パーソナルコンピュータ244によって駆動制御される。顕微鏡242及び高速度カメラ243は、図示しないカメラ支持手段によって支持されている。このカメラ支持手段は、顕微鏡242の焦点を調整できるように構成されている。
トナーの挙動については、次のようにして撮影する。即ち、まず、照明241によってトナーの挙動の観察位置に照明光を照射して、顕微鏡242の焦点を調整する。次に、金属板215に転写バイアスを印加して、ポリイミドベルト214上に付着しているトナー層216(C全面ベタ画像及びYラインパターン画像)のトナーを、透明基板210に向けて移動させる。このときのトナーの挙動を、高速度カメラ243で撮影する。
すると、次のような現象が観察された。即ち、Yラインパターン画像のライン間に一するCトナー粒子は、転写バイアスの交流成分によって形成される交番電界により、透明基板210とポリイミドベルト214との間を往復移動する。その往復移動回数の増加とともに、往復移動するCトナー粒子の数が増加していく。具体的には、転写実験装置の転写ニップにおいて、転写バイアスの交流成分の1周期(1/f)が到来する毎に、交番電界が1回作用してトナー粒子が1回往復移動する。初めの1周期では、図3に示されるように、ライン間のCトナー粒子Tcのうち、Cトナー層の表面に存在しているCトナー粒子Tcだけが層から離脱する。そして、透明基板210の表面に到達した後、再びライン間のCトナー層に戻ってくる。このとき、戻ったCトナー粒子Tcが、Cトナー層内のCトナー粒子Tcに衝突することで、後者のCトナー粒子TcとCトナー層やポリイミドベルト214との付着力を弱める。これにより、次の1周期には、図4に示されるように、前の1周期よりも多くのCトナー粒子TcがCトナー層から離脱する。このように、Cトナー粒子Tcは往復移動する毎に、Cトナー層からの離脱数を徐々に増やしていく。すると、ニップ通過時間(トナーがベルトとともに移動して2次転写ニップを通過するのに要する時間)が経過したときには(転写実験装置ではニップ通過時間に相当する時間が経過したとき)、ライン間にトナーが記録シートに十分量転移することがわかった。
なお、図3〜図5に示される現象を生起せしめるためには、転写ニップ内で最低でもトナー粒子を2往復させる必要がある。このため、ニップ通過時間については、交流成分の周期の2倍以上に設定する必要がある。
[第3プリントテスト]
本発明者らが使用したプリンタ試験機では、プロセス線速vを282[mm/s]に設定した条件で、2次転写バイアスの交流成分の周波数fを400[Hz]以上に設定することで、記録シートに転写されるトナー像の周期濃度ムラの発生を回避し得ることがわかっている。中間転写ベルト21と2次転写ローラ24との直接当接による2次転写ニップのローラ表面移動方向の長さであるニップ幅Wは、3[mm]である。このため、400[Hz]の条件では、トナーを2次転写ニップに通す過程で、トナーに対して交流成分を約4.26周期(3×400/282)作用させることになる。よって、2次転写ニップ通過中に交番電界を約4回作用させることで、周期濃度ムラのない良好な画像を得ることができることになる。これは、周期濃度ムラのない良好な画像を得るためには、「4<W×f/v」という条件が必要になることを意味している。
なお、2次転写ニップ内におけるトナーの往復運動回数を増やすにつれて、「線部周囲白抜け」をより効果的に抑えることができるため、「線部周囲白抜け」だけに着目すれば、周波数fは高い方がよい。しかし、周波数fを高くし過ぎると、トナーチリを顕著に引き起こしてしまうため、周波数fをある程度の値に留める必要がある。
図12は、実施形態に係るプリンタにおける電気回路の一部を示すブロック図である。同図において、制御手段たる制御部200は,演算手段たるCPU200a(Central Processing Unit)、不揮発性メモリたるRAM200c(Random Access Memory)、一時記憶手段たるROM200b(Read Only Memory)等を有している。制御部200は,装置全体の制御を司るものである。制御部200は、RAM200cやROM200b内に記憶している制御プログラムに基づいて、各機器の駆動を制御する。また、2次転写電源82に対して2次転写バイアスを制御するための制御信号を出力する。2次転写電源82は、制御信号に応じた値の2次転写バイアスを出力する。かかる構成においては、制御部200と2次転写電源82との組み合わせが、2次転写電界を形成するための2次転写バイアスを出力する転写バイアス出力手段として機能している。
制御部200は、次のような制御を実施するように構成されている。即ち、中間転写ベルト21上で重ね合わせる重ね合わせトナー像として、透明用の感光体2T上に形成された特定トナー像としての透明トナー像を含むものを2次転写ニップで記録シートに2次転写する際には、2次転写バイアスとして、交流成分に直流成分を重畳した重畳バイアスからなるものを2次転写電源82から出力させる。これに対し、重ね合わせトナー像として、透明トナー像を含まないものを2次転写ニップで記録シートに2次転写する際には、2次転写バイアスとして、直流電圧だけからなるものを2次転写電源82から出力させる。
実施形態に係るプリンタにおいて、「線部周囲白抜け」の発生が特に目立ってしまう線ベタ重ね合わせ部の前景である細線画像や文字画像は、透明トナーによって形成されることが多い。このため、重ね合わせトナー像が特色トナー像としての透明トナー像を含むものである場合に、「線部周囲白抜け」を発生させる可能性が高くなる。そこで、制御部200は、透明トナー像を含む重ね合わせトナー像を2次転写する際には、重畳バイアスからなる2次転写バイアスを2次転写電源82から出力させるのである。これにより、「線部周囲白抜け」の発生を抑えることができる。
一方、透明トナー像を含まない重ね合わせトナー像は、線ベタ重ね合わせ部を含んでいないことが多い。にもかかわらず、透明トナー像を含まない重ね合わせトナー像を2次転写する際に、重畳バイアスからなる転写バイアスを転写バイアス出力手段から出力すると、転写チリの発生を無駄に助長してしまう可能性が高くなる。そこで、制御部200は、透明トナー像を含まない重ね合わせトナー像を2次転写する際には、2次転写バイアスとして、直流成分だけからなるものを2次転写電源82から出力させる。これにより、無駄な転写チリの発生を抑えることができる。
なお、2次転写バイアスの交流成分のピークツウピーク値Vppが小さくなるほど、2次転写ニップ内でトナー粒子を中間転写ベルト21と記録シートとの間で往復移動させる際の移動力が小さくなって、転写チリが発生し難くなる。よって、直流電圧だけからなる2次転写バイアスを出力することに代えて、透明トナー像を含む重ね合わせトナー像を転写する場合に比べて、交流成分のピークツウピーク値Vppを小さくしても、無駄な転写チリの発生を抑えることができる。
2次転写バイアスの交流成分としては、正弦波からなるものであって、且つ、「1/4×Vpp>|Voff|」という条件を満たすものを出力させるように、2次転写電源82を構成している。かかる構成では、上述したように、「線部周囲白抜け」のランクを許容レベルの3以上にすることができる。
実施形態に係るプリンタにおいては、透明トナー像を具備する重ね合わせトナー像を2次転写ニップで記録シートに2次転写する際の2次転写バイアスとして、次のようなものを出力させるように、2次転写電源81を構成している。即ち、図8に示されるように、交流成分の1周期内にて2次転写ニップ内のトナーをベルト側から2次転写ローラ26側に静電移動させる極性であるマイナス極性になる時間が、トナーを2次転写ローラ24側からベルト側に静電移動させる極性であるプラス極性になる時間よりも長い2次転写バイアスである。このような2次転写バイアスを出力することにより、2次転写ニップ内の交番電界のもとでトナーをベルト表面と記録シートとの間で往復移動させながら、相対的にベルト側から記録シート側に移動させることができる。
また、実施形態に係るプリンタにおいては、透明トナー像を具備する重ね合わせトナー像を2次転写ニップで記録シートに2次転写する際の2次転写バイアスとして、次のようなものを出力させるように、2次転写電源81を構成している。即ち、交流成分の周波数をf[Hz]、2次転写ニップのベルト移動方向の長さであるニップ幅をw[mm]、プロセス線速をv[mm/sec]で表した式である「f>2/(w/v)」という関係を具備する2次転写バイアスである。このような2次転写バイアスを出力することで、2次転写ニップ内でトナーをベルト表面と記録シートとの間で2往復以上させて、ベルト側からシート表面の線部周囲に転移するトナーの量を確実に増加させることができる。
制御部200は、2次転写電源82から出力させる2次転写バイアスとして、重畳バイアスからなるものにするのか、あるいは、直流バイアスだけからなるものにするのかを、印刷ページ毎に判断するのではなく、2次転写ニップ内に進入している画像部の状況に応じて判断している。具体的には、中間転写ベルト21上の重ね合わせトナー像のベルト移動方向における全域のうち、透明トナー像が存在する領域を2次転写ニップに位置させているときには、2次転写バイアスとして、「線部周囲白抜け」の発生を抑えるための重畳バイアスからなるものを2次転写電源82から出力させる。これに対し、透明トナー像が存在する領域を2次転写ニップに位置させていないときには、2次転写バイアスとして、直流成分だけからなるものを2次転写電源82から出力させる。
透明トナー像が存在する領域を2次転写ニップに位置させているか否かについては、印刷ページ毎に設定される所定の基準タイミングからの経過時間に基づいて判断する。具体的には、実施形態に係るプリンタでは、基準タイミングTsから所定の遅延時間t1が経過した時点で、中間転写ベルト21における全域のうち、ページ先頭の主走査方向画素群(以下、1行目の画素行という)に対応する領域が2次転写ニップ内に進入する。そして、「Ts+t1+ニップ通過時間」というタイミングで1行目の画素行が2次転写ニップから排出される。1行目の画素行の中に、透明トナー像のドットを形成する画素が含まれている場合には、「Ts+t1」から「Ts+t1+ニップ通過時間」までの間、重畳バイアスからなる2次転写バイアスを出力させる。そして、「Ts+t1+ニップ通過時間」の時点で、2次転写ニップの入口に進入した画素行について、透明トナー像のドットを形成する画素が含まれているか否かを判断し、含まれている場合には、更に、その時点から「ニップ通過時間」が経過するまでの間、重畳バイアスからなる2次転写バイアスを引き続き出力させる。また、「Ts+t1+ニップ通過時間」の時点で、透明トナー像のドットを形成する画素が含まれていない場合には、透明トナー像のドットを形成する画素を含む画素が2次転写ニップ入口に進入するタイミングまで、直流バイアスだけからなる2次転写バイアスを2次転写電源82から出力させる。
また、1行目の画素行の中に、透明トナー像のドットを形成する画素が含まれていない場合にも、透明トナー像のドットを形成する画素を含む画素が2次転写ニップ入口に進入するタイミングまで、直流バイアスだけからなる2次転写バイアスを2次転写電源82から出力させる。そして、前記タイミングが到来すると、そのタイミングからニップ通過時間が経過するまで、重畳バイアスからなる2次転写バイアスを2次転写電源82から出力させる。そして、ニップ通過時間が通過した時点で、2次転写ニップの入口に進入した画素行について、透明トナー像のドットを形成する画素が含まれているか否かを判断し、含まれている場合には、更に、その時点から「ニップ通過時間」が経過するまでの間、重畳バイアスからなる2次転写バイアスを引き続き出力させる。また、「Ts+t1+ニップ通過時間」の時点で、透明トナー像のドットを形成する画素が含まれていない場合には、透明トナー像のドットを形成する画素を含む画素が2次転写ニップ入口に進入するタイミングまで、直流バイアスだけからなる2次転写バイアスを2次転写電源82から出力させる。以降、同様の制御を繰り返す。
かかる構成では、出力頁毎に、重畳バイアスからなる転写バイアスにするのか、直流バイアスだけからなる転写バイアスにするのかを出力頁毎に判断する場合に比べて、転写チリの発生を抑えることができる。
なお、なお、重畳バイアスからなるものにするのか、あるいは、直流バイアスだけからなるものにするのかを、印刷ページ毎に判断させるようにしてもよい。また、透明トナー像については、記録シート上における単位面積あたりのトナー付着量が、0.5[mg/cm]以上になるように、透明用のプロセスユニット1Tの各種作像条件を設定している。
交流成分として、正弦波であるものを用いる場合、重畳バイアスの1周期における平均電位Vaveは、オフセット電圧Voffと同じになる。交流成分として、正弦波でないものであって、平均電位Vaveを、重畳バイアスの最大値と最小値との中心値であるオフセット電圧Voffよりもトナー転写極性側にシフトさせた値にするものを用いる場合には、「1/4×Vpp>|Voff|」という条件を満たす必要は必ずしもない。このような重畳バイアスとしては、図13〜図19に示される波形のものを例示することができる。
何れの波形も、平均電位Vaveの極性が、2次転写ニップ内でトナーをベルト側から2次転写ローラ24側に静電移動させる極性(本例ではマイナス)であり、且つ、平均電位Vaveが、最大〜最小の中心値であるオフセット電圧Voffよりもトナーをベルト側から2次転写ローラ24側に静電移動させ易い値になっている。かかる条件を具備する波形は、具備しない波形に比べて送り時間が長くなる。送り時間は、1周期内においてトナー転写極性になっている時間であり、1周期から戻し時間を減じた値である。また、戻し時間は、1周期内において、反対極性(本例ではプラス極性)になっている時間である。送り時間内には、上述した送りピーク値Vt(図8参照)が発生する。この送りピーク値Vtは、1周期内において0Vとの電位差が最大になる値であり、このときに、放電による白点が発生し易い。送りピーク値Vtを小さくするほど、白点の発生を抑えることが可能になる。上記比を50[%]よりも高くして送り時間を長くすると、より低い送りピーク値Vtで「線部周囲白抜け」を許容レベルに留めることができることから、白点状の放電痕の発生をより抑えることが可能になる。
中間転写ベルト21としては、優れた耐久性を得る狙いから、引っ張り弾性率が2[GPa]以上であるものを用いている。本発明者らの実験によれば、このような中間転写ベルト21は、特に白抜けが発生し易かったが、本発明を適用することで、白抜けの発生を有効に抑えることができた。つまり、引っ張り弾性率を2[GPa]以上にして本発明を適用することで、優れた耐久性を実現しつつ、白抜けの発生を有効に抑えることができる。
以上に説明したものは一例であり、本発明は、次の態様毎に特有の効果を奏する。
[態様A]
態様Aは、自らの表面にトナー像を担持する複数の像担持体(例えば感光体2T,Y,M,C,K)と、それら像担持体の表面にそれぞれ担持されるトナー像が自らの表面に重ね合わせて転写される中間転写体(例えば中間転写ベルト21)と、中間転写体に当接して転写ニップを形成するニップ形成部材(例えば2次転写ローラ26)と、転写ニップに転写電界を形成するための転写バイアスを出力する転写バイアス出力手段(例えば2次転写電源82及び制御部200)とを備え、中間転写体上の重ね合わせトナー像を転写ニップに挟み込んだ記録シートに転写する画像形成装置において、前記重ね合わせトナー像として、複数の像担持体のうち、特定の像担持体に形成されたトナー像である特定トナー像を含むものを転写ニップで記録シートに転写する際には、転写バイアスとして、交流成分に直流成分を重畳した重畳バイアスからなるものを出力する一方で、重ね合わせトナー像として、特定トナー像を含まないものを転写ニップで記録シートに転写する際には、転写バイアスとして、重畳バイアスよりも交流成分のピークツウピーク値が小さい重畳バイアスからなるもの、あるいは、直流成分だけからなるものを出力する処理を実施するように、転写バイアス出力手段を構成したことを特徴とするものである。
[態様B]
態様Bは、態様Aであって、特定の像担持体が、イエロー、マゼンタ、シアン、黒の4色とは異なる色の特色トナー像を担持するものであり、且つ特定トナー像が特色トナー像であることを特徴とするものである。かかる構成では、「線部周囲白抜け」を発生させる可能性が高い特定トナー像の形成時に、転写バイアスとして重畳バイアスからなるものを採用することで、「線部周囲白抜け」の発生を抑えることができる。
[態様C]
態様Cは、態様A又はBにおいて、特定トナー像を具備する重ね合わせトナー像を転写ニップで記録シートに転写する際には、転写バイアスとして、交流成分のピークツウピーク値の絶対値が直流成分の絶対値の4倍以上であるものを出力する処理を実施するように、転写バイアス出力手段を構成したことを特徴とするものである。かかる構成では、既に説明したように、正弦波状の交流成分を採用する場合に、「線部周囲白抜け」を許容レベルに留めることができる。
[態様D]
態様Dは、態様A〜Cの何れかにおいて、特定トナー像を具備する重ね合わせトナー像を転写ニップで記録シートに転写する際には、転写バイアスとして、前記重畳バイアスの交流1周期あたりの平均電位の極性が、前記転写ニップ内でトナーを中間転写体側からニップ形成部材側に静電移動させる極性であり、且つ、前記平均電位が、前記重畳バイアスの最大値と最小値との中心値よりもトナーを中間転写体側からニップ形成部材側に静電移動させ易い値であるもの、を出力する処理を実施するように、前記転写バイアス出力手段を構成したことを特徴とするものである。かかる構成では、既に説明したように、転写ニップ内の交番電界のもとでトナーを中間転写体表面と記録シートとの間で往復移動させながら、相対的に中間転写体側から記録シート側に移動させることができる。
[態様E]
態様Eは、態様A〜Dの何れかにおいて、特定トナー像を具備する重ね合わせトナー像を転写ニップで記録シートに転写する際には、転写バイアスとして、交流成分の周波数をf[Hz]、前記転写ニップの中間転写体表面移動方向の長さであるニップ幅をw[mm]、前記中間転写体の表面の線速をv[mm/sec]で表した式である「f>2/(w/v)」という関係を具備するものを出力する処理を実施するように、転写バイアス出力手段を構成したことを特徴とするものである。かかる構成では、既に説明したように、転写ニップ内でトナーを中間転写体表面と記録シートとの間で2往復以上させて、中間転写体側からシート表面の線部周囲に転移するトナーの量を確実に増加させることができる。
[態様F]
態様Fは、態様A〜Eの何れかにおいて、重ね合わせトナー像として、特定トナー像を含まないものを転写ニップで記録シートに転写する際には、転写バイアスとして、直流成分だけからなるものを出力する処理を実施するように、転写バイアス出力手段を構成したことを特徴とするものである。かかる構成では、重ね合わせトナー像として、特定トナー像を含まないものを転写ニップで記録シートに転写する際には、転写ニップ内でトナーを中間転写体表面と記録シートとの間で往復移動させないことで、往復移動に起因する転写チリの発生を回避することができる。
[態様G]
態様Gは、態様A〜Fの何れかにおいて、重ね合わせトナー像の中間転写体表面移動方向における全域のうち、特定トナー像が存在する領域を転写ニップの出口に位置させているときには、転写バイアスとして、交流成分に直流成分を重畳した重畳バイアスからなるものを出力する一方で、前記領域を転写ニップ内や前記出口に位置させていないときには、転写バイアスとして、直流成分だけからなるものを出力する処理を実施するように、転写バイアス出力手段を構成したことを特徴とするものである。かかる構成では、既に説明したように、転写ニップ内で特定トナー像を中間転写体から記録シートに転写していないときに、転写バイアスとして、直流バイアスだけからなるものを出力して、トナーを中間転写体と記録シートとの間で往復移動させないことで、往復移動させることに起因する転写チリの発生を回避することができる。これにより、出力頁毎に、重畳バイアスからなる転写バイアスにするのか、直流バイアスだけからなる転写バイアスにするのかを出力頁毎に判断する場合に比べて、転写チリの発生を抑えることができる。
[態様H]
態様A〜Gの何れかにおいて、中間転写体として、引っ張り弾性率が2[GPa]以上である無端状の中間転写ベルト(例えば21)を用いたことを特徴とするものである。かかる構成では、既に説明したように、中間転写ベルトに優れた耐久性を発揮させつつ、白抜けの発生を有効に抑えることができる。
2T,Y,M,C,K:感光体(像担持体)
21:中間転写ベルト(中間転写体)
24:2次転写ローラ(ニップ形成部材)
82:2次転写電源(転写バイアス出力手段の一部)
200:転写バイアス出力手段の一部
特開2011−197319号公報

Claims (9)

  1. 自らの表面にトナー像を担持する複数の像担持体と、それら像担持体の表面にそれぞれ担持されるトナー像が自らの表面に重ね合わせて転写される中間転写体と、前記中間転写体に当接して転写ニップを形成するニップ形成部材と、前記転写ニップに転写電界を形成するための転写バイアスを出力する転写バイアス電源とを備え、
    前記中間転写体上の重ね合わせトナー像を前記転写ニップに挟み込んだ記録シートに転写する画像形成装置において、
    前記重ね合わせトナー像として、複数の像担持体のうち、イエロー、マゼンタ、シアン、黒の4色とは異なる色の特色トナー像を担持する特定の像担持体に形成された前記特色トナー像を含むものを前記転写ニップで記録シートに転写する際には、前記転写バイアスとして、交流成分に直流成分を重畳し且つ極性が正極性と負極性とで交互に切り替わる重畳バイアスからなるものを出力する一方で、前記重ね合わせトナー像として、前記特色トナー像を含まないものを前記転写ニップで記録シートに転写する際には、前記転写バイアスとして、前記重畳バイアスよりも交流成分のピークツウピーク値が小さい重畳バイアスからなるもの、あるいは、直流成分だけからなるものを出力するよに前記転写バイアス電源を制御する制御部を有することを特徴とする画像形成装置。
  2. 請求項1の画像形成装置であって、
    前記特色トナー像が、前記特色トナー像とは異なる色のベタ状のトナー像によって形成された背景画像部の上に重ね合わせて転写される前景画像部であることを特徴とする画像形成装置。
  3. 請求項1又は2の画像形成装置において、
    前記特色トナー像を具備する前記重ね合わせトナー像を前記転写ニップで記録シートに転写する際には、前記転写バイアスとして、前記交流成分のピークツウピーク値の絶対値が前記直流成分の絶対値の4倍以上であるものを出力するように、前記制御部を構成したことを特徴とする画像形成装置。
  4. 請求項1乃至3の何れかの画像形成装置において、
    前記特色トナー像を具備する前記重ね合わせトナー像を前記転写ニップで記録シートに転写する際には、前記転写バイアスとして、前記重畳バイアスの交流1周期あたりの平均電位の極性が、前記転写ニップ内でトナーを中間転写体側からニップ形成部材側に静電移動させる極性であり、且つ、前記平均電位が、前記重畳バイアスの最大値と最小値との中心値よりもトナーを中間転写体側からニップ形成部材側に静電移動させ易い値であるもの、を出力するように、前記制御部を構成したことを特徴とする画像形成装置。
  5. 請求項1乃至4の何れかの画像形成装置において、
    前記特色トナー像を具備する前記重ね合わせトナー像を前記転写ニップで記録シートに転写する際には、前記転写バイアスとして、交流成分の周波数をf[Hz]、前記転写ニップの中間転写体表面移動方向の長さであるニップ幅をw[mm]、前記中間転写体の表面の線速をv[mm/sec]で表した式である「f>2/(w/v)」という関係を具備するものを出力するように、前記制御部を構成したことを特徴とする画像形成装置。
  6. 請求項1乃至5の何れかの画像形成装置において、
    前記重ね合わせトナー像として、前記特色トナー像を含まないものを前記転写ニップで記録シートに転写する際には、前記転写バイアスとして、直流成分だけからなるものを出力するように、前記制御部を構成したことを特徴とする画像形成装置。
  7. 請求項1乃至6の何れかの画像形成装置において、
    前記重ね合わせトナー像の中間転写体表面移動方向における全域のうち、前記特色トナー像が存在する領域を前記転写ニップに位置させているときには、前記転写バイアスとして、交流成分に直流成分を重畳した重畳バイアスからなるものを出力する一方で、前記領域を前記転写ニップに位置させていないときには、前記転写バイアスとして、直流成分だけからなるものを出力するように、前記制御部を構成したことを特徴とする画像形成装置。
  8. 請求項1乃至7の何れかの画像形成装置であって、
    前記特色トナー像の前記記録シート上における単位面積あたりのトナー付着量が、0.5[mg/cm]以上であることを特徴とする画像形成装置。
  9. 請求項1乃至8の何れかの画像形成装置において、
    前記中間転写体として、引っ張り弾性率が2[GPa]以上である無端状の中間転写ベルトを用いたことを特徴とする画像形成装置。
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