JP5936109B2 - 転写装置及びこれを用いる画像形成装置 - Google Patents

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Description

本発明は、像担持体とニップ形成部材との当接による転写ニップ内に挟み込んだ記録材に対して像担持体の表面上のトナー像を転写する転写装置、及びこれを用いる画像形成装置に関するものである。
この種の画像形成装置としては、特許文献1に記載のものが知られている。この画像形成装置は、周知の電子写真プロセスにより、ドラム状の感光体の表面にトナー像を形成する。感光体には、像担持体としての無端状の中間転写ベルトを当接させて1次転写ニップを形成している。そして、1次転写ニップにおいて、感光体上のトナー像を中間転写ベルトに1次転写する。中間転写ベルトに対しては、ニップ形成部材としての2次転写ローラを当接させて2次転写ニップを形成している。また、中間転写ベルトのループ内には、2次転写対向ローラを配設しており、この2次転写対向ローラと、前述した2次転写ローラとの間に中間転写ベルトを挟み込んでいる。ループ内側の2次転写対向ローラに対してはアースを接続しているのに対し、ループ外の2次転写ローラに対しては2次転写電圧を印加している。これにより、2次転写対向ローラと2次転写ローラとの間に、トナー像を2次転写対向ローラ側から2次転写ローラ側に静電移動させる2次転写電界を形成している。そして、中間転写ベルト上のトナー像に同期させるタイミングで2次転写ニップ内に送り込んだ記録紙に対して、2次転写電界やニップ圧の作用により、中間転写ベルト上のトナー像を2次転写する。
かかる構成において、記録紙として、和紙のような表面凹凸に富んだものを用いると、表面凹凸にならった濃淡パターンを画像中に発生させ易くなる。この濃淡パターンは、紙表面における凹部に対して十分量のトナーが転写されずに、凹部の画像濃度が凸部よりも薄くなることによって生じるものである。
そこで、特許文献1に記載の画像形成装置においては、2次転写電圧として、直流成分だけからなるものではなく、直流成分に交流成分を重畳させた交流電圧を印加するようになっている。特許文献1によれば、具体的な理由は開示されていないものの、このような2次転写電圧を用いることで、記録材の表面凹部と像担持体との間でトナーが往復運動し、記録材の表面凹部にトナーが接触することができるようになり、記録材の表面凹部へのトナーの転写不良を抑制できるとしている。また、特許文献1には、このような2次転写電圧を印加することで、直流電圧だけからなる2次転写電圧を印加する場合に比べて、濃淡パターンの発生を抑え得ることを示す実験結果が記載されている。
しかしながら、本発明者らは実験により、上記特許文献1に開示の構成では、記録紙表面の凹部において十分な画像濃度を得ることができない場合があることが判明した。そこで、本発明者らは、その原因について鋭意研究を行ったところ、次のようなことがわかってきた。以下、図面を参照して詳述する。
図1は、2次転写ニップの一例を示す拡大構成図である。
同図において、中間転写ベルト531は、その裏面に当接している2次転写対向ローラ533により、2次転写ローラ536に向けて押圧されている。この押圧により、中間転写ベルト531のおもて面と2次転写ローラ536とが当接する2次転写ニップが形成されている。2次転写ニップに送り込まれた記録紙Pには、中間転写ベルト531上のトナー像が2次転写せしめられる。トナー像を2次転写するための2次転写電圧は、2次転写対向ローラ533及び2次転写ローラ536のうちのいずれか一方に印加され、他方のローラは接地されている。どちらのローラに転写電圧を印加しても、トナー像を記録紙Pに転写することが可能であるが、2次転写対向ローラ533に2次転写電圧を印加する場合であって、かつ、トナーとしてマイナス極性のものを用いる場合を例にして説明する。この場合、2次転写ニップ内のトナーを2次転写対向ローラ533側から2次転写ローラ536側に移動させるためには、交番電圧である2次転写電圧として、その時間平均値がトナーの極性と同じマイナス極性となるものを印加する。
図2は、2次転写対向ローラ533に印加される2次転写電圧の波形の一例を示す波形図である。
2次転写電圧の波形は、図示のように正弦波であり、図中符号「Vave」は2次転写電圧の時間平均値を表している。また、図中符号「Vt」は、2次転写ニップ内でトナーを中間転写ベルト531側から記録紙P側に転写させる転写方向の極性(プラス極性)をもった電圧(以下「送り電圧」という。)のピーク値である。また、図中符号「Vr」は、2次転写ニップ内でトナーを記録紙P側から中間転写ベルト531側へ戻す方向の極性(マイナス極性)をもった電圧(以下「戻し電圧」という。)のピーク値である。
仮に、2次転写電圧として、直流成分を含まない交流成分だけの交流電圧を用いた場合、2次転写ニップ内において、トナーを中間転写ベルト531と記録紙との間で往復移動させることは可能である。しかしながら、直流成分を含まない交流電圧では、トナーを単に往復移動させるだけで、記録紙P上に転移させることはできない。そのため、2次転写電圧としては、直流成分に交流電圧を重畳させた電圧を用い、その時間平均値Vaveがトナーを中間転写ベルト531側から記録紙P側に転写させる転写方向の極性(マイナス極性)に設定されることが必要となる。これにより、中間転写ベルト531と記録紙との間でトナーを往復移動させつつ、2次転写ニップを抜けたときにはトナーを記録紙P側に転移させた状態にすることが可能になる。
本発明者らは、その往復移動の様子を実験装置で観測したところ、次のようなことを見出した。
2次転写電圧の印加を開始すると、まず始めに、送り電圧印加時の電界の作用で、中間転写ベルト531上でトナー層の表面に存在しているごく僅かなトナー粒子だけがトナー層から離脱して、記録紙表面の凹部内へ向かって移動する。この時点では、トナー層中の殆どのトナー粒子がトナー層中に留まったままである。トナー層から離脱したごく僅かなトナー粒子は、記録紙表面の凹部内に進入した後、今度は、戻し電圧印加時の電界の作用で、凹部内からトナー層へ逆戻りする。このとき、逆戻りしたトナー粒子は、トナー層中に留まっていたトナー粒子に衝突して、トナー層中のトナー粒子の付着力が弱まる。すると、次に、送り電圧が印加されたときには、最初よりも多くのトナー粒子がトナー層中から離脱して、記録紙表面の凹部に向かうことができる。このような一連の挙動が繰り返されることで、トナー層中から離脱して記録紙Pの表面凹部内に進入するトナー粒子の数を徐々に増やしていく。その結果、記録紙Pの表面凹部内に十分量のトナー粒子が転移し、記録紙Pの表面凹凸にならった濃淡パターンが画像中に発生するのを抑制できていることを見出した。
更に、本発明者らは、種々の記録材を用いて実験を行った結果、凹部への転写性は戻り電圧のピーク値Vrとの相関関係が高いことを見出した。すなわち、凹部でも十分な画像濃度を得ようとする場合、戻り電圧のピーク値Vrがある程度大きい値でないと、戻り電圧のピーク値Vrを印加する時間を長くとるなどの他の工夫を施しても、凹部に対する十分な転写性が得られず、凹部の画像濃度が不十分となる。その理由は、以下のとおりである。
凹部で高い転写性を得るには、記録材側に移動したトナーを戻り電圧で像担持体側へ逆戻りさせるだけでは不十分で、逆戻りしたトナーを像担持体上のトナー層に衝突させてトナー層内のトナーの付着力を弱める必要がある。そうでないと、同じトナー粒子が往復移動するだけで、トナー層中から離脱して記録材の表面凹部内に進入できるトナー粒子の数を徐々に増やしていくことができないからである。すなわち、凹部で高い転写性を得るのに重要なのは、記録材から逆戻りさせるトナーで像担持体上のトナー層内のトナーの付着力を弱めることができるほどの衝突を発生させることである。そして、その衝突の大きさは、戻り電圧のピーク値Vrに依存し、戻り電圧のピーク値Vrがある程度大きくものでないと、そのような衝突を発生させることができない。
以上の理由は、上述した往復移動の様子を実験装置で観測して初めて判明したものである。
本出願人は、特願2010−183301号(以下「先願」という。)において、2次転写電圧の交流成分のピークツウピーク電圧を、直流成分の絶対値の4倍よりも大きな値とする発明を提案した。このような2次転写電圧であれば、戻り電圧のピーク値Vrが十分に大きくなるので、記録材上の凹部に対しても十分な転写性が得られ、凹部の画像濃度を十分に高めることができる。
ところが、本発明者らの更なる研究の結果、上述した先願に開示の構成では、記録材上に形成された画像に複数の白点を発生させる場合があるが判明した。本発明者らは、白点を発生させる原因について鋭意研究を行ったところ、以下のことがわかった。
表面に凹凸がある記録材に対して高い画質の画像を形成するには、凹部と凸部の両方の箇所で十分な転写性を得ることが必要である。凸部の転写性は、直流成分に交流成分を重畳させた2次転写電圧を用いる場合、その2次転写電圧の時間平均値Vaveに依存することがわかっている。すなわち、2次転写電圧の時間平均値Vaveの絶対値を大きくして、トナーを像担持体側から記録材側に転写させる極性側へ十分に大きく設定しないと、凸部に対する高い転写性を得ることができず、凸部で十分な画像濃度が得られない。
一方、上記先願に開示の構成によれば、凹部での高い転写性を得るために、2次転写電圧の交流成分のピークツウピーク電圧を直流成分の絶対値の4倍よりも大きな値とする。この構成で用いている2次転写電圧の波形は正弦波であるため、2次転写電圧の直流成分は2次転写電圧の時間平均値Vaveに一致する。したがって、上記先願に開示の構成においては、凸部で高い転写性を得るために2次転写電圧の時間平均値Vaveの絶対値(直流成分の絶対値)を大きく設定すると、これに応じて、交流成分のピークツウピーク電圧も大きくなる。
ここで、交流成分のピークツウピーク電圧は、送り電圧のピーク値Vtと戻り電圧のピーク値Vrとの差分値と一致するので、このピークツウピーク電圧が大きくなれば、戻り電圧のピーク値Vrが十分に大きな値となり、凹部での高い転写性を得ることはできる。しかしながら、ピークツウピーク電圧が大きくなるほど、送り電圧のピーク値Vtも大きなものとなる。特に、上記先願に開示の構成のように2次転写電圧が直流成分に正弦波からなる交流成分を重畳させたものである場合、送り電圧のピーク値Vtは、交流成分のピークツウピーク電圧を1/2にした値と直流成分の絶対値との和である。そのため、直流成分の絶対値を大きくし、これに応じて交流成分のピークツウピーク電圧も大きくして、十分に大きな戻り電圧のピーク値Vrを得ようとすると、送り電圧のピーク値Vtの絶対値が非常に大きな値を示すことになる。
送り電圧のピーク値Vtの絶対値が大きな値を示すと、その送り電圧の印加期間中に転写ニップ内で放電が発生してしまう。このような放電が発生した場合、その放電発生箇所では、放電を受けたトナーが正規帯電極性とは逆極性に帯電する等の原因で、記録材上にトナーが付着しないので、その箇所に対応する画像上では白点となって現れる。したがって、上記先願に開示の構成では、記録材上の凸部と凹部の両方で十分な画像濃度を得ることが難しいという問題がある。
本発明は、以上の問題に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、表面凹凸に富んだ記録材に画像を形成する際、画像中に白点(白抜け)を発生させることなく、その記録材表面の凹部と凸部の両方で十分な画像濃度を得ることができる転写装置及び画像形成装置を提供することである。
上記目的を達成するために、本発明は、像担持体のトナー像を担持しているおもて面に当接して転写ニップを形成するニップ形成部材と、前記転写ニップ内に挟み込んだ記録材に対して前記像担持体上のトナー像を転写するために直流成分と交流成分とを含む転写電圧を転写ニップに印加する転写電圧印加手段とを有する転写装置において、前記転写電圧は、記録材に対して像担持体上のトナー像を転写する際に、該トナー像を該像担持体側から該記録材側に転写させる転写方向の極性をもった送り電圧と該送り電圧とは逆極性の戻し電圧とが交互に切り替わる交番電圧であり、前記転写電圧の時間平均値(Vave)は、トナー像を像担持体側から記録材側に転写させる転写方向の極性に設定され、かつ、該転写電圧の最大値と最小値の中心値(Voff)よりも送り電圧のピーク値(Vt)寄りに設定されたものであり、前記戻し電圧のピーク値(Vr)の絶対値は、前記時間平均値(Vave)の絶対値よりも大きく設定されていることを特徴とする。
本発明者らの実験の結果、戻し電圧のピーク値(Vr)の絶対値が少なくとも時間平均値(Vave)の絶対値よりも大きく設定されていれば、上記先願に開示の構成と同様、記録材の凹部に対して十分な転写性が得られる。少なくとも、時間平均値(Vave)の絶対値を大きくする分だけ、戻し電圧のピーク値(Vr)の絶対値も大きくすれば、記録材の凹部に対する十分な転写性が確保される。これは、次の理由による。すなわち、転写電圧の時間平均値(Vave)は、トナー像を像担持体側から記録材側に転写させる転写方向の極性に設定されているので、転写ニップを抜けるまでの間、トナーには、像担持体側へ移動する戻り側の電界よりも、記録材側へ移動する送り側の電界の方が、相対的に大きく作用することになる。そのため、仮に、戻し電圧のピーク値(Vr)の絶対値を維持したまま、時間平均値(Vave)の絶対値だけを大きくすると、像担持体側へ移動する戻り側の電界の作用と記録材側へ移動する送り側の電界の作用との格差が広がり、記録材側へ移動したトナーを像担持体上のトナー層に対して十分に衝突させることが困難となり、記録材の凹部に対する十分な転写性が得られないおそれがある。本発明のように、戻し電圧のピーク値(Vr)の絶対値が時間平均値(Vave)の絶対値よりも大きく設定される構成であれば、時間平均値(Vave)の絶対値を大きくするにつれて戻し電圧のピーク値(Vr)の絶対値も大きくなるので、時間平均値(Vave)の絶対値を大きくしても記録材の凹部に対する十分な転写性を確保できる。その結果、本発明によれば、記録材の凸部に対して十分な転写性を得るために時間平均値(Vave)の絶対値を大きく設定しても、凹部に対する十分な転写性を確保できる。よって、記録材の凸部と凹部の両方で高い画像濃度を得ることができる。
しかも、本発明においては、転写電圧の時間平均値(Vave)が、当該転写電圧の最大値と最小値の中心値(Voff)(以下「オフセット電圧」という。)よりも送り電圧のピーク値(Vt)寄りに設定されている。これにより、記録材の凸部に対して十分な転写性を得るために時間平均値(Vave)の絶対値を大きく設定する際、送り電圧のピーク値(Vt)を所定の上限値以下に制限した状態で、戻し電圧のピーク値(Vr)の絶対値を大きくすることができる。その結果、送り電圧のピーク値(Vt)の上限値を、放電が発生させる放電開始電圧値に応じて適切に設定することで、放電を発生させずに、戻し電圧のピーク値(Vr)の絶対値を大きくすることができる。よって、本発明によれば、時間平均値(Vave)の絶対値及び戻し電圧のピーク値(Vr)の絶対値の両方を大きく設定して、記録材の凸部と凹部の両方で高い画像濃度を得ることを実現しつつ、送り電圧のピーク値(Vt)の絶対値の大きさを抑えて放電の発生を阻止し、放電による白点(白抜け)の発生を抑制できる。
以上より、本発明によれば、表面凹凸に富んだ記録材に画像を形成する際、画像中に白点(白抜け)を発生させることなく、その記録材表面の凹部と凸部の両方で十分な画像濃度を得ることができるという優れた効果が得られる。
2次転写ニップの一例を示す拡大構成図である。 直流成分に交流成分を重畳させた転写電圧の波形の一例を示す波形図である。 実施形態に係るプリンタを示す概略構成図である。 同プリンタにおけるK用の画像形成ユニットを拡大して示す拡大構成図である。 実験に使用された観測実験装置を示す概略構成図である。 2次転写ニップにおける転写初期段階のトナーの挙動を示す拡大模式図である。 2次転写ニップにおける転写中期段階のトナーの挙動を示す拡大模式図である。 2次転写ニップにおける転写後期段階のトナーの挙動を示す拡大模式図である。 同プリンタの電気回路の一部を示すブロック図である。 同プリンタの2次転写電源から出力される2次転写電圧の電圧波形を示す波形図である。 (a)は、戻し時間比が50[%]、周波数が500[Hz]、ピークツウピーク電圧Vppが8[kV]である2次転写電圧を用いて、その時間平均値Vaveを変化させたときの凸部の画像濃度(ID)をランク評価した結果を示すグラフである。(b)は、(a)における凹部の画像濃度(ID)をランク評価した結果を示すグラフである。 (a)は、戻し時間比が16[%]、周波数が500[Hz]、ピークツウピーク電圧Vppが10[kV]である2次転写電圧を用いて、その時間平均値Vaveを変化させたときの凸部の画像濃度(ID)をランク評価した結果を示すグラフである。(b)は、(a)における凹部の画像濃度(ID)をランク評価した結果を示すグラフである。 (a)は、戻し時間比が32[%]、周波数が500[Hz]、ピークツウピーク電圧Vppが10[kV]である2次転写電圧を用いて、その時間平均値Vaveを変化させたときの凸部の画像濃度(ID)をランク評価した結果を示すグラフである。(b)は、(a)における凹部の画像濃度(ID)をランク評価した結果を示すグラフである。 戻し時間比が50[%]である2次転写電圧を用いたときの2次転写電圧の交流成分の周波数fと最大画像濃度IDmaxとの関係を示すグラフである。 オーバーシュートやアンダーシュートを引き起こしている2次転写電圧の電圧波形を示す波形図である。 オーバーシュートやアンダーシュートを改善し得る2次転写電圧の電圧波形を示す波形図である。 波形例1における2次転写電圧の波形を示すグラフである。 波形例2における2次転写電圧の波形を示すグラフである。 波形例3における2次転写電圧の波形を示すグラフである。 波形例4における2次転写電圧の波形を示すグラフである。 波形例5における2次転写電圧の波形を示すグラフである。 波形例6における2次転写電圧の波形を示すグラフである。 波形例7における2次転写電圧の波形を示すグラフである。 波形例8における2次転写電圧の波形を示すグラフである。 波形例9における2次転写電圧の波形を示すグラフである。 波形例10における2次転写電圧の波形を示すグラフである。
以下、本発明を適用した画像形成装置として、電子写真方式のカラープリンタ(以下、単にプリンタという)の実施形態について説明する。
まず、実施形態に係るプリンタの基本的な構成について説明する。
図3は、実施形態に係るプリンタを示す概略構成図である。
同図において、実施形態に係るプリンタは、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、ブラック(K)のトナー像を形成するための4つの画像形成ユニット1Y,1M,1C,1Kと、転写装置としての転写ユニット30と、光書込ユニット80と、定着装置90と、給紙カセット100と、レジストローラ対101とを備えている。
4つの画像形成ユニット1Y,1M,1C,1Kは、画像形成物質として、互いに異なる色のY、M、C、Kトナーを用いるが、それ以外は同様の構成になっており、寿命到達時に交換される。Kトナー像を形成するための画像形成ユニット1Kを例にすると、これは、図4に示すように、潜像担持体たるドラム状の感光体2K、ドラムクリーニング装置3K、除電装置(不図示)、帯電装置6K、現像装置8K等を備えている。これらの装置が共通の保持体に保持されてプリンタ本体に対して一体的に脱着することで、それらを同時に交換できるようになっている。
感光体2Kは、ドラム状の基体の表面上に有機感光層が形成されたものであって、図示しない駆動手段によって図中時計回り方向に回転駆動される。帯電装置6Kは、帯電バイアスが印加される帯電ローラ7Kを感光体2Kに接触あるいは近接させながら、帯電ローラ7Kと感光体2Kとの間に放電を発生させることで、感光体2Kの表面を一様帯電せしめる。本プリンタでは、トナーの正規帯電極性と同じマイナス極性に一様帯電せしめる。より詳しくは、約−650[V]に一様に帯電せしめる。帯電バイアスとしては、直流電圧に交流電圧を重畳したものを採用している。帯電ローラ7Kは、金属製の芯金の表面に導電性弾性材料からなる導電性弾性層が被覆されたものである。帯電ローラ等の帯電部材を感光体2Kに接触あるいは近接させる方式に代えて、帯電チャージャーによる方式を採用してもよい。
一様帯電せしめられた感光体2Kの表面は、後述する光書込ユニットから発せられるレーザー光によって光走査されてK用の静電潜像を担持する。K用の静電潜像の電位は約−100[V]である。このK用の静電潜像は、図示しないKトナーを用いる現像装置8Kによって現像されてKトナー像になる。そして、後述する中間転写ベルト31上に1次転写される。
ドラムクリーニング装置3Kは、1次転写工程(後述する1次転写ニップ)を経た後の感光体2K表面に付着している転写残トナーを除去する。回転駆動されるクリーニングブラシローラ4K、片持ち支持された状態で自由端を感光体2Kに当接させるクリーニングブレード5Kなどを有している。回転するクリーニングブラシローラ4Kで転写残トナーを感光体2K表面から掻き取ったり、クリーニングブレードで転写残トナーを感光体2K表面から掻き落としたりする。なお、クリーニングブレードについては、その片持ち支持端側を自由端側よりもドラム回転方向下流側に向けるカウンタ方向で感光体2Kに当接させている。
前記除電装置は、ドラムクリーニング装置3Kによってクリーニングされた後の感光体2Kの残留電荷を除電する。この除電により、感光体2Kの表面が初期化されて次の画像形成に備えられる。
現像装置8Kは、現像ロール9Kを内包する現像部12Kと、図示しないK現像剤を撹拌搬送する現像剤搬送部13Kとを有している。そして、現像剤搬送部13Kは、第1スクリュー部材10Kを収容する第1搬送室と、第2スクリュー部材11Kを収容する第2搬送室とを有している。それらスクリュー部材は、それぞれ、軸線方向の両端部がそれぞれ軸受けによって回転自在に支持される回転軸部材と、これの周面に螺旋状に突設せしめられた螺旋羽根とを具備している。
第1スクリュー部材10Kを収容している第1搬送室と、第2スクリュー部材11Kを収容している第2搬送室とは、仕切り壁によって仕切られているが、仕切壁におけるスクリュー軸線方向の両端箇所には、それぞれ両搬送室を連通させる連通口が形成されている。第1スクリュー部材10Kは、螺旋羽根内に保持している図示しないK現像剤を、回転駆動に伴って回転方向に撹拌しながら、図中の紙面に直交する方向の奥側から手前側に向けて搬送する。第1スクリュー部材10Kと、後述する現像ロール9Kとは互いに向かい合う姿勢で平行配設されているため、このときのK現像剤の搬送方向は、現像ロール9Kの回転軸線方向に沿った方向でもある。そして、第1スクリュー部材10Kは、現像ロール9Kの表面に対してK現像剤をその軸線方向に沿って供給していく。
第1スクリュー部材10Kの図中手前側端部付近まで搬送されたK現像剤は、仕切壁の図中手前側端部付近に設けられた連通開口を通って、第2搬送室内に進入した後、第2スクリュー部材11Kの螺旋羽根内に保持される。そして、第2スクリュー部材11Kの回転駆動に伴って、回転方向に撹拌されながら、図中手前側から奥側に向けて搬送されていく。
第2搬送室内において、ケーシングの下壁には図示しないトナー濃度センサが設けられており、第2搬送室内のK現像剤のKトナー濃度を検知する。Kトナー濃度センサとしては、透磁率センサからなるものが用いられている。Kトナーと磁性キャリアとを含有するK現像剤の透磁率は、Kトナー濃度と相関関係があるため、透磁率センサは、Kトナー濃度を検知していることになる。
本プリンタには、Y、M、C、K用の現像装置の第2収容室内にY、M、C、Kトナーをそれぞれ個別に補給するための図示しないY、M、C、Kトナー補給手段が設けられている。そして、プリンタの制御部は、RAMに、Y、M、C、Kトナー濃度検知センサからの出力電圧値の目標値であるY、M、C、K用のVtrefを記憶している。Y、M、C、Kトナー濃度検知センサからの出力電圧値と、Y、M、C、K用のVtrefとの差が所定値を超えた場合には、その差に応じた時間だけY、M、C、Kトナー補給手段を駆動する。これにより、Y、M、C、K用の現像装置における第2搬送室内にY、M、C、Kトナーが補給される。
現像部12K内に収容されている現像ロール9Kは、第1スクリュー部材10Kに対向しているとともに、ケーシングに設けられた開口を通じて、感光体2Kにも対向している。また、現像ロール9Kは、回転駆動される非磁性パイプからなる筒状の現像スリーブと、これの内部にスリーブと連れ回らないように固定されたマグネットローラとを具備している。そして、第1スクリュー部材10Kから供給されるK現像剤をマグネットローラの発する磁力によってスリーブ表面に担持しながら、スリーブの回転に伴って、感光体2Kに対向する現像領域に搬送する。
現像スリーブには、トナーと同極性であって、感光体2Kの静電潜像よりも大きく、かつ感光体2Kの一様帯電電位よりも小さな現像バイアスが印加されている。これにより、現像スリーブと感光体2Kの静電潜像との間には、現像スリーブ上のKトナーを静電潜像に向けて静電移動させる現像ポテンシャルが作用する。また、現像スリーブと感光体2Kの地肌部との間には、現像スリーブ上のKトナーをスリーブ表面に向けて移動させる非現像ポテンシャルが作用する。それら現像ポテンシャル及び非現像ポテンシャルの作用により、現像スリーブ上のKトナーが感光体2Kの静電潜像に選択的に転移して、静電潜像をKトナー像に現像する。
先に示した図3において、Y、M、C用の画像形成ユニット1Y,1M,1Cにおいても、K用の画像形成ユニット1Kと同様にして、感光体2Y,2M,2C上にY、M、Cトナー像が形成される。
画像形成ユニット1Y,1M,1C,1Kの上方には、潜像書込手段たる光書込ユニット80が配設されている。この光書込ユニット80は、パーソナルコンピュータ等の外部機器から送られてくる画像情報に基づいてレーザーダイオードから発したレーザー光により、感光体2Y,2M,2C,2Kを光走査する。この光走査により、感光体2Y,2M,2C,2K上にY、M、C、K用の静電潜像が形成される。具体的には、感光体2Yの一様帯電した表面の全域のうち、レーザー光が照射された箇所は、電位を減衰せしめる。これにより、レーザー照射箇所の電位が、それ以外の箇所(地肌部)の電位よりも小さい静電潜像となる。なお、光書込ユニット80は、光源から発したレーザー光Lを、図示しないポリゴンモータによって回転駆動したポリゴンミラーで主走査方向に偏光せしめながら、複数の光学レンズやミラーを介して感光体に照射するものである。LEDアレイの複数のLEDから発したLED光によって光書込を行うものを採用してもよい。
画像形成ユニット1Y,1M,1C,1Kの下方には、無端状の中間転写ベルト31を張架しながら図中反時計回り方向に無端移動せしめる転写装置としての転写ユニット30が配設されている。転写ユニット30は、像担持体たる中間転写ベルト31の他に、駆動ローラ32、2次転写対向ローラ33、クリーニングバックアップローラ34、4つの1次転写ローラ35Y,35M,35C,35K、2次転写ローラ36、ベルトクリーニング装置37などを有している。
中間転写ベルト31は、そのループ内側に配設された駆動ローラ32、2次転写対向ローラ33、クリーニングバックアップローラ34、及び4つの1次転写ローラ35Y,35M,35C,35Kによって張架されている。そして、図示しない駆動手段によって図中反時計回り方向に回転駆動される駆動ローラ32の回転力により、同方向に無端移動せしめられる。
4つの1次転写ローラ35Y,35M,35C,35Kは、無端移動せしめられる中間転写ベルト31を感光体2Y,2M,2C,2Kとの間に挟み込んでいる。これにより、中間転写ベルト31のおもて面と、感光体2Y,2M,2C,2Kとが当接するY、M、C、K用の1次転写ニップが形成されている。1次転写ローラ35Y,35M,35C,35Kには、図示しない転写電圧電源によってそれぞれ1次転写電圧が印加されている。これにより、感光体2Y,2M,2C,2K上のY、M、C、Kトナー像と、1次転写ローラ35Y,35M,35C,35Kとの間に転写電界が形成される。Y用の感光体2Y表面に形成されたYトナーは、感光体2Yの回転に伴ってY用の1次転写ニップに進入する。そして、転写電界やニップ圧の作用により、感光体2Y上から中間転写ベルト31上に1次転写される。このようにしてYトナー像が1次転写せしめられた中間転写ベルト31は、その後、M、C、K用の1次転写ニップを順次通過する。そして、感光体2M,2C,2K上のM、C、Kトナー像が、Yトナー像上に順次重ね合わせて1次転写される。この重ね合わせの1次転写により、中間転写ベルト31上には4色重ね合わせトナー像が形成される。
1次転写ローラ35Y,35M,35C,35Kは、金属製の芯金と、これの表面上に固定された導電性のスポンジ層とを具備している弾性ローラからなる。感光体2Y,2M,2C,2Kの軸心に対し、1次転写ローラ35Y,35M,35C,35Kの軸心を約2.5[mm]ずつベルト移動方向下流側にずらした位置にするように、1次転写ローラ35Y,35M,35C,35Kを配設している。このような1次転写ローラ35Y,35M,35C,35Kに対して、1次転写電圧を定電流制御で印加する。なお、1次転写ローラ35Y,35M,35C,35Kに代えて、転写チャージャーや転写ブラシなどを採用してもよい。
転写ユニット30の2次転写ローラ36は、中間転写ベルト31のループ外側に配設されており、ループ内側の2次転写対向ローラ33との間に中間転写ベルト31を挟み込んでいる。これにより、中間転写ベルト31のおもて面と、2次転写ローラ36とが当接する2次転写ニップが形成されている。2次転写ローラ36は接地されているのに対し、2次転写対向ローラ33には、2次転写電源39によって2次転写電圧が印加される。これにより、2次転写対向ローラ33と2次転写ローラ36との間に、マイナス極性のトナーを2次転写対向ローラ33側から2次転写ローラ36側に向けて静電移動させる2次転写電界が形成される。
転写ユニット30の下方には、記録紙Pを複数枚重ねた紙束の状態で収容している給紙カセット100が配設されている。この給紙カセット100は、紙束の一番上の記録紙Pに給紙ローラ100aを当接させており、これを所定のタイミングで回転駆動させることで、その記録紙Pを給紙路に向けて送り出す。給紙路の末端付近には、レジストローラ対101が配設されている。このレジストローラ対101は、給紙カセット100から送り出された記録紙Pをローラ間に挟み込むとすぐに両ローラの回転を停止させる。そして、挟み込んだ記録紙Pを2次転写ニップ内で中間転写ベルト31上の4色重ね合わせトナー像に同期させ得るタイミングで回転駆動を再開して、記録紙Pを2次転写ニップに向けて送り出す。2次転写ニップで記録紙Pに密着せしめられた中間転写ベルト31上の4色重ね合わせトナー像は、2次転写電界やニップ圧の作用によって記録紙P上に一括2次転写され、記録紙Pの白色と相まってフルカラートナー像となる。このようにして表面にフルカラートナー像が形成された記録紙Pは、2次転写ニップを通過すると、2次転写ローラ36や中間転写ベルト31から曲率分離する。
2次転写対向ローラ33は、芯金と、これの表面に被覆された導電性のNBR系ゴム層とを具備するものである。また、2次転写ローラ36も、芯金と、これの表面に被覆された導電性のNBR系ゴム層とを具備するものである。転写電圧印加手段としての2次転写電源39は、直流電源と交流電源とを有しており、2次転写電圧として、直流電圧(直流成分)に交流電圧(交流成分)を重畳せしめた交番電圧を2次転写ニップに印加することができる。
このような交番電圧からなる2次転写電圧を2次転写対向ローラ33に印加し、かつ、2次転写ローラ36を接地するという構成に代えて、交番電圧からなる2次転写電圧を2次転写ローラ36に印加し、かつ、2次転写対向ローラ33を接地するという構成を採用してもよい。この場合、直流電圧の極性を異ならせる。具体的には、図示のように、マイナス極性のトナーを用いかつ2次転写ローラ36を接地した条件で、2次転写対向ローラ33に2次転写電圧を印加する場合には、直流電圧としてトナーと同じマイナス極性のものを用いて、2次転写電圧の時間平均値をトナーと同じマイナス極性にする。これに対し、2次転写対向ローラ33を接地し、かつ2次転写電圧を2次転写ローラ36に印加する場合には、直流電圧としてトナーとは逆のプラス極性のものを用いて、2次転写電圧の時間平均値をトナーとは逆のプラス極性にする。
また、このような交番電圧からなる2次転写電圧を2次転写対向ローラ33や2次転写ローラ36のいずれか一方に印加する代わりに、直流電圧をいずれか一方のローラに印加するとともに、交流電圧を他方のローラに印加するという構成を採用してもよい。
なお、記録紙Pとして、ザラ紙のような表面凹凸の大きなものを用いずに、普通紙のような表面凹凸の小さなものを用いる場合には、凹凸パターンにならった濃淡パターンが出現しないので、転写電圧として、直流電圧だけからなるものを印加してもよい。但し、ザラ紙のような表面凹凸の大きなものを用いるときには、2次転写電圧を、直流電圧だけからなるものから、上述した交番電圧に切り替える必要がある。
2次転写ニップを通過した後の中間転写ベルト31には、記録紙Pに転写されなかった転写残トナーが付着している。これは、中間転写ベルト31のおもて面に当接しているベルトクリーニング装置37によってベルト表面からクリーニングされる。中間転写ベルト31のループ内側に配設されたクリーニングバックアップローラ34は、ベルトクリーニング装置37によるベルトのクリーニングをループ内側からバックアップする。
2次転写ニップの図中右側方には、定着装置90が配設されている。この定着装置90は、ハロゲンランプ等の発熱源を内包する定着ローラ91と、これに所定の圧力で当接しながら回転する加圧ローラ92とによって定着ニップを形成している。定着装置90内に送り込まれた記録紙Pは、その未定着トナー像担持面を定着ローラ91に密着させる姿勢で、定着ニップに挟まれる。そして、加熱や加圧の影響によってトナー像中のトナーが軟化さしめられて、フルカラー画像が定着せしめられる。定着装置90内から排出された記録紙Pは、定着後搬送路を経由した後、機外へと排出される。
本プリンタにおいて、標準モードにおけるプロセス線速(感光体や中間転写ベルトの線速)は、約280[mm/s]である。但し、プリント速度よりも高画質化を優先する高画質モードにおけるプロセス線速は、標準モードよりも遅い値に設定されている。また、画質よりもプリント速度を優先する高速モードにおけるプロセス線速は、標準モードよりも速い値に設定されている。標準モード、高画質モード、高速モードの切り替えは、ユーザーの操作パネルに対するキー操作、あるいはパーソナルコンピュータにおけるプリンタプロパティメニューによって行われる。
モノクロ画像を形成する場合には、転写ユニット30におけるY、M、C用の1次転写ローラ35Y,35M,35Cを支持している図示しない支持板を移動せしめて、1次転写ローラ35Y,35M,35Cを、感光体2Y,2M,2Cから遠ざける。これにより、中間転写ベルト31のおもて面を感光体2Y,2M,2Cから引き離して、中間転写ベルト31をK用の感光体2Kだけに当接させる。この状態で、4つの画像形成ユニット1Y,1M,1C,1Kのうち、K用の画像形成ユニット1Kだけを駆動して、Kトナー像を感光体2K上に形成する。
本プリンタにおいて、2次転写電圧は、記録紙Pに対して中間転写ベルト31上のトナー像を2次転写する際に、当該トナー像を中間転写ベルト31側から記録紙P側に転写させる転写方向の極性(マイナス極性)をもった送り電圧と、当該送り電圧とは逆極性(プラス極性)の戻し電圧とが交互に切り替わる交番電圧である。この2次転写電圧の時間平均値Vaveは、トナー像を中間転写ベルト31側から記録紙P側に転写させる転写方向の極性(マイナス極性)に設定されている。本実施形態においては、このような2次転写電圧が印加されることで、2次転写電圧の極性がトナーと同じマイナス極性になっているとき(すなわち送り電圧が印加されているとき)には、2次転写ニップ内において、マイナス極性のトナーを2次転写対向ローラ33側から2次転写ローラ36側に静電的に押し出す。これにより、中間転写ベルト31上のトナーを記録紙P上に転移させる。一方、2次転写電圧の極性がトナーとは逆のプラス極性になっているとき(すなわち戻し電圧が印加されているとき)には、2次転写ニップ内において、マイナス極性のトナーを2次転写ローラ36側から2次転写対向ローラ33側に向けて静電的に引き寄せる。これにより、記録紙Pに転移させたトナーを中間転写ベルト31側に再び引き寄せる。
次に、本発明者らが行った観測実験について説明する。
本発明者らは、2次転写ニップ内におけるトナーの挙動を観測するために、特殊な観測実験装置を製造した。
図5は、その観測実験装置を示す概略構成図である。
この観測実験装置は、透明基板210、現像装置231、Zステージ220、照明241、顕微鏡242、高速度カメラ243、パーソナルコンピュータ244などを備えている。透明基板210は、ガラス板211と、これの下面に形成されたITO(Indium Tin Oxide)からなる透明電極212と、透明電極212の上に被覆された透明材料からなる透明絶縁層213とを具備している。この透明基板210は、図示しない基板支持手段によって所定の高さ位置で支持されている。この基板支持手段は、図示しない移動機構によって図中上下左右方向に移動することが可能である。図示の例では、透明基板210が金属板215を載置したZステージ220の上に位置しているが、基板支持手段の移動により、Zステージ220の側方に配設された現像装置231の真上に移動することも可能である。なお、透明基板210の透明電極212は、基板支持手段に固定された電極に接続され、この電極は接地されている。
現像装置231は、実施形態に係るプリンタの現像装置と同様の構成になっており、スクリュー部材232、現像ロール233、ドクターブレード234などを有している。現像ロール233は、電源235によって現像バイアスが印加された状態で回転駆動される。
透明基板210が基板支持手段の移動により、現像装置231の真上でかつ現像ロール233に対して所定のギャップを介して対向する位置まで所定の速度で移動せしめられると、現像ロール233上のトナーが透明基板210の透明電極212上に転移する。これにより、透明基板210の透明電極212上には所定の厚みのトナー層216が形成される。トナー層216に対する単位面積あたりのトナー付着量は、現像剤のトナー濃度、トナーの帯電量、現像バイアス値、基板210と現像ロール233とのギャップ、透明基板210の移動速度、現像ロール233の回転速度などによって調整することができる。
トナー層216が形成された透明基板210は、平面状の金属板215上に導電性接着剤で貼り付された記録紙214との対向位置まで平行移動せしめられる。金属板215は、加重センサが設けられた基板221上に設置され、基板221はZステージ220上に設置されている。また、金属板215は、電圧増幅器217に接続されている。電圧増幅器217には、波形発生装置218によって直流電圧及び交番電圧からなる転写電圧が入力され、金属板215には電圧増幅器217によって増幅された転写電圧が印加される。Zステージ220を駆動制御して金属板215を上昇させると、記録紙214がトナー層216と接触し始める。金属板215を更に上昇させると、トナー層216に対する圧力が増加するが、加重センサからの出力が所定の値になるように金属板215の上昇を停止させる。圧力を所定値にした状態で、金属板215に転写電圧を印加してトナーの挙動を観察する。観察後は、Zステージ220を駆動制御して金属板215を下降させて、記録紙214を透明基板210から離間させる。すると、トナー層216は記録紙214上に転写されている。
トナーの挙動の観察については、基板210の上方に配設されている顕微鏡242及び高速度カメラ243を用いて行う。基板210は、ガラス板211、透明電極212、及び透明絶縁層213という各層が全て透明材料からなるので、透明電極212の上方から、透明基板210を介して、透明基板210の下側にあるトナーの挙動を観察することができる。
顕微鏡242としては、キーエンス社製のズームレンズVH−Z75からなるものを用いた。また、高速度カメラ243としては、フォトロン社製のFASTCAM−MAX 120KCを用いた。フォトロン社FASTCAM−MAX 120KCは、パーソナルコンピュータ244によって駆動制御される。顕微鏡242及び高速度カメラ243は、図示しないカメラ支持手段によって支持されている。このカメラ支持手段は、顕微鏡242の焦点を調整できるように構成されている。
透明基板210上におけるトナーの挙動を、次のようにして撮影した。すなわち、まず、照明241によってトナーの挙動の観察位置に照明光を照射して、顕微鏡242の焦点を調整する。次に、金属板215に転写電圧を印加して、透明基板210の下面に付着しているトナー層216のトナーを、記録紙214に向けて移動させる。このときのトナーの挙動を、高速度カメラ243で撮影した。
図5に示した観測実験装置と、実施形態に係るプリンタとでは、トナーを記録紙に転写する転写ニップの構造が異なるため、転写電圧が同じであっても、トナーに作用する転写電界は異なる。適切な観察条件を調べるために、観測実験装置でも、良好な凹部濃度再現性が得られる転写電圧条件を調べてみた。記録紙214としては、(株)NBSリコー社製のFC和紙タイプ「さざ波」と呼ばれるものを使用した。トナーとしては、平均粒径6.8[μm]のYトナーに、Kトナーを少量混入したものを用いた。観測実験装置では、記録紙(さざ波)の裏面に転写電圧を印加する構成になっているため、トナーを記録紙に転写し得る転写電圧の極性が、実施形態に係るプリンタとは逆になっている(すなわち、プラス極性)。2次転写電圧からなる転写電圧の交流成分として、後述の図10に示す波形のものを採用した。交流成分の周波数fを1000[Hz]、直流成分(本例では時間平均値Vaveに相当する。)を200[V]、ピークツウピーク電圧Vppを1000[V]に設定し、記録紙214に対して0.4〜0.5[mg/cm2]のトナー付着量でトナー層216を転写した。その結果、「さざ波」の表面の凹部上で十分な画像濃度を得ることができた。
そのとき、顕微鏡242の焦点を透明基板210上のトナー層216に合わせ、トナーの挙動を撮影した。すると、次のような現象が観察された。すなわち、トナー層216中のトナー粒子は、転写電圧によって形成される交番電界により、透明基板210と記録紙214との間を往復移動するが、その往復移動回数の増加とともに、往復移動するトナー粒子の量が増加した。具体的には、転写ニップにおいては、転写電圧の交流成分の1周期(1/f)が到来する毎に、交番電界が1回作用してトナー粒子が1回往復移動する。
初めの1周期では、図6に示すように、トナー層216のうち、層の表面に存在しているトナー粒子だけが層から離脱する。そして、記録紙214の凹部に進入した後、再びトナー層216に戻ってくる。このとき、戻ったトナー粒子が、トナー層216のトナー粒子に衝突することで、後者のトナー粒子とトナー層216や透明基板210との付着力を弱める。これにより、次の1周期には、図7に示すように、前の1周期よりも多くのトナー粒子がトナー層216から離脱する。そして、記録紙214の凹部に進入した後、再びトナー層216に戻ってくる。このとき、戻ったトナー粒子が、トナー層216中にまだ残っていたトナー粒子に衝突することで、後者のトナー粒子とトナー層216や透明基板210との付着力を弱める。これにより、更に次の1周期には、図8に示すように、前の1周期よりも更に多くのトナー粒子がトナー層216から離脱する。このように、トナー粒子は往復移動する毎に、その数を徐々に増やしていく。すると、ニップ通過時間が経過したときには(観測実験装置ではニップ通過時間に相当する時間が経過したとき)、記録紙Pの凹部内に十分量のトナーが転移していることがわかった。
このときの転写電圧の時間平均値Vaveは−200[V]であり、戻り電圧Vrは+300[V]であるので、前記戻し電圧のピーク値Vrの絶対値は、時間平均値Vaveの絶対値よりも大きく設定されている。すなわち、|Vr|>|Vave|の条件を満たしている。
次に、直流電圧(本例では時間平均値Vaveに相当する。)を200[V]に設定し、かつ、ピークツウピーク電圧Vppを800[V]にした条件で、トナーの挙動を撮影したところ、次のような現象が観察された。すなわち、トナー層216中のトナー粒子のうち、層の表面に存在しているものが、初めの1周期で層から離脱して記録紙Pの凹部内に進入する。ところが、進入したトナー粒子は、その後、トナー層216に向かうことなく、凹部内に留まった。次の1周期が到来したとき、トナー層216から新たに離脱して記録紙Pの凹部内に進入したトナー粒子は、ごく僅かであった。よって、ニップ通過時間が経過した時点で、記録紙Pの凹部内には少量のトナー粒子しか転移していない状態であった。
このときの転写電圧の時間平均値Vaveは−200[V]であり、戻り電圧Vrは+200[V]であるので、前記戻し電圧のピーク値Vrの絶対値は、時間平均値Vaveの絶対値と一致しており、|Vr|>|Vave|の条件を満たしていない。
次に、本プリンタの特徴的な構成について説明する。
図9は、本プリンタの電気回路の一部を示すブロック図である。
同図において、転写電圧印加手段の一部を構成する制御部60は、演算手段たるCPU60a(Central Processing Unit),不揮発性メモリたるRAM60c(Random Access Memory),一時記憶手段たるROM60b(Read Only Memory)、フラッシュメモリ60d等を有している。装置全体の制御を司る制御部60には、様々な機器やセンサが接続されているが、本プリンタの特徴的な構成に関連する機器やセンサだけを示している。
1次転写電源81Y,81M,81C,81Kは、1次転写ローラ35Y,35M,35C,35Kに印加するための1次転写電圧を出力するものである。また、2次転写電源39は、2次転写対向ローラ33を介して2次転写電圧を2次転写ニップに印加するものであり、制御部60とともに転写電圧印加手段を構成している。また、オペレーションパネル50は、図示しないタッチパネルや複数のキーボタンなどから構成され、タッチパネルの画面に画像を表示したり、タッチパネルやキーボタンによって操作者による入力操作を受け付けたりする。制御部60から送られてくる制御信号に基づいて、タッチパネルに画像を表示することができる。
図10は、本実施形態における2次転写電源39から出力される2次転写電圧の電圧波形を示す波形図である。
本実施形態の2次転写電圧は、図示のような矩形波で構成され、その時間平均値Vaveは、当該2次転写電圧の最大値(すなわち戻り電圧のピーク値Vr)と最小値(すなわち送り電圧のピーク値Vt)の中心値であるオフセット電圧Voffよりも送り電圧のピーク値Vt寄りに設定されている。2次転写電圧の送り電圧印加期間t2は、正規極性(本例ではマイナス極性)に帯電しているトナーを中間転写ベルト31側から記録紙P側に移動させる転写方向に作用する電界が2次転写ニップ内に形成される。これに対し、2次転写電圧の戻り電圧印加期間t1は、マイナス極性に帯電しているトナーを記録紙P側から中間転写ベルト31側に戻す方向に作用する電界が2次転写ニップ内に形成される。図示の2次転写電圧は、その交流成分として、戻し電圧印加期間t1が送り電圧印加期間t2よりも短くなるようにデューティ比を設定した矩形波の交流成分を採用することで、2次転写電圧の時間平均値Vaveをオフセット電圧Voffよりも送り電圧のピーク値Vt寄りに設定している。
2次転写電圧の波形は、図10に示すような矩形波でなくてもよく、2次転写電圧の時間平均値Vaveがオフセット電圧Voffよりも送り電圧のピーク値Vt寄りに設定されるような非対称波形であれば、三角波でも、台形波でもよい。特に、2次転写電圧が図10に示すような矩形波の場合、プラス極性側に立ち上がった瞬間にプラス極性側のピーク値に達し、また、マイナス極性側に立ち上がった瞬間にマイナス極性側のピーク値に達する。このような波形では、瞬間的に大きな電流が流れ、このときに白点を生じさせる放電が発生しやすいことが発明者らの実験でわかった。このため、できるだけ瞬間的に大電流が流れにくいような波形(正弦波を崩した波形、三角波、台形波等)を用いることが好ましい。
また、本プリンタにおいては、2次転写電圧の時間平均値Vaveがオフセット電圧Voffよりも送り電圧のピーク値Vt寄りに設定される必要があり、本実施形態では、そのような非対称波形を得るために、対称な矩形波のデューティ比を変更して、送り電圧の印加期間t2が戻し電圧の印加期間t1よりも長くなるようにしている。このような非対称波形は、両時間t1,t2を互いに同じに設定したままでも得ることは可能であるが、送り電圧の印加期間t2が戻し電圧の印加期間t1よりも長くなるように両時間t1,t2を調整することで、両時間t1,t2を互いに同じに設定する場合に比べて、送りピーク値Vtをより低くすることができる。
本実施形態においては、表面凹凸に富んだ記録紙Pに対して画像形成するときに交番電圧からなる2次転写電圧を用いることで凹凸にならった濃淡が生じるのを抑制する際、その時間平均値Vaveを高く設定して記録紙P上の凸部に対する十分な画像濃度を確保するとともに、戻り電圧のピーク値Vtの絶対値を時間平均値Vaveの絶対値よりも大きいという十分な大きさの値に設定することで、記録紙P上の凹部に対しても十分な画像濃度を確保できる。
しかも、2次転写電圧の時間平均値Vaveはオフセット電圧Voffよりも送り電圧のピーク値Vt寄りに設定されていることから、記録紙P上の凸部に対する十分な画像濃度を確保するために時間平均値Vaveを大きく設定し、かつ、これに合わせて戻り電圧のピーク値Vtの絶対値も大きく設定しても、送り電圧Vtのピーク値の絶対値を過剰に大きく設定せずに済む。その結果、送り電圧Vtの印加期間t2において2次転写ニップ中に放電開始電圧以上の大きな電圧が印加されるのを回避することができる。よって、2次転写ニップ中に放電が発生することによる画像中の白点(白抜け)の発生を抑制できる。
その結果、本実施形態によれば、表面凹凸に富んだ記録紙Pに対して画像形成する際、凹凸にならった濃淡が抑制され、かつ、白点(白抜け)の発生も抑制された高い濃度の高品質画像を形成することができる。
次に、本発明者らが行った実験について説明する。
〔実験1〕
本発明者らは、上述した実施形態に係るプリンタと同様の構成のプリント試験機を用意した。そして、このプリント試験機を用いて各種のプリントテストを行った。感光体や中間転写ベルト31の線速であるプロセス線速については、173[mm/s]に設定した。また、2次転写電圧の交流成分の周波数fは1000[Hz]に設定した。また、記録紙Pとしては、特殊製紙株式会社製の「レザック66」(商品名)175kg紙(四六版連量)を使用した。この「レザック66」は、上述した「さざ波」よりも紙表面の凹凸の度合いが大きい紙である。紙表面の凹部の深さは最大で100[μm]程度である。M色のベタ画像とC色のベタ画像との重ね合わせによる青ベタ画像を、様々な2次転写電圧の条件で、それぞれレザック66に出力した。そして、出力された青ベタ画像のM成分の画像濃度(ID)と、C成分の画像濃度(ID)とを、それぞれX−Rite社製X−Rite938によって測定した。なお、本実験1における温湿度条件は、27℃、80%である。そして、それら2つの画像濃度の和を、青色の画像濃度として求めた。青色は、画像濃度(ID)が2.7以上で、殆どの観察者が十分な色合いであると認識する。そこで、青色の画像濃度(ID)の目標値を2.7以上とした。すると、青色の画像濃度を目標の2.7以上にすることができる2次転写電圧の条件は、比較的限られてしまうことがわかった。
本実験1では、2次転写電圧の交流成分における一周期中の戻し電圧の印加期間t1の割合(以下「戻し時間比」という。)を、8[%]、12[%]、16[%]、32[%]、40[%]、45[%]、50[%]とした7通りの条件について、それぞれ、青色の画像濃度が目標濃度(2.7以上)になるように、2次転写電圧の直流成分の値(すなわち)を調整した。この結果、これら7通りの条件について、青色の画像濃度を目標濃度(2.7以上)にすることができる直流成分の値は、これらの条件間で大きく異なることがわかった。
〔実験2〕
次に、上記実験1の結果を踏まえて行った実験2について説明する。
戻し時間比が8[%]、12[%]、16[%]、32[%]、40[%]、45[%]、50[%]である7通りの条件において、それぞれ、上記実験1のテストプリントで最も高い画像濃度(青色のID)を得ることができた直流成分を用いたときの2次転写電圧の時間平均値Vaveを中心にして、その時間平均値Vaveを1[kV]までの範囲内で細かく変化させ、それぞれの条件で青ベタ画像を出力した。本実験2における温湿度条件も、27℃、80%である。そして、上記実験1と同様に、それぞれの青ベタ画像について青色の画像濃度(ID)を測定した。このときの測定では、紙表面の凸部上での画像濃度と、凹部上での画像濃度とをそれぞれ測定した。
本実験2では、青ベタ画像の紙表面の凹部および凸部における画像濃度を、次のようにして評価した。ランク5が理想であるが、ランク3.5以上であれば許容できる。
ランク5 :凸部、凹部内が完全にムラのない青色になっている。
ランク4.5:凸部、凹部内がほぼ均一な青色になっているが、凹部の深さが大きい箇所では僅かに凸部よりも薄い青色になっている。
ランク4 :凸部、凹部内がほぼ均一な青色になっているが、凹部の深さが大きい箇所および凸部でも一部、僅かに薄い青色になっている箇所がある。
ランク3.5:凸部、凹部内ともに、一部わずかに薄い青色になっているところがランク4より多くあるが、全体としてはほぼ均一な青色になっており、許容できる限界レベル。
ランク3 :凹部の深さが大きい箇所で明らかに紙の地肌が見える。
ランク2 :ランク3より悪く、かつ、後述するランク1よりは良い。
ランク1 :凹部にトナーが全く付着していない。
本実験2を行った結果、各戻し時間比の条件において、もっとも評価ランクが良かったときの2次転写条件及び評価ランクを表1に示す。なお、表1中、「1Cランク」とは、単色トナーについての評価ランクであり、「2Cランク」とは、2色重ねトナーについての評価ランクである。
Figure 0005936109
上記表1の結果において、凸部と凹部の両方の青色画像濃度を目標濃度の2.7以上にすることができる2次転写電圧の条件は、すべての場合において、|Vr|>|Vave|を満たしていることがわかる。
図11(a)は、戻し時間比が50[%]、周波数が500[Hz]、ピークツウピーク電圧Vppが8[kV]である2次転写電圧を用いて、その時間平均値Vaveを変化させたときの凸部の画像濃度(ID)をランク評価した結果を示すグラフである。
図11(b)は、図11(a)における凹部の画像濃度(ID)をランク評価した結果を示すグラフである。
各グラフには、戻り電圧のピーク値Vrの絶対値も合わせて表示してある。
時間平均値Vaveの絶対値と画像濃度IDとの関係を見ると、凸部については、図11(a)に示すように、時間平均値Vaveが−1[kV]付近以上である場合(時間平均値Vaveの絶対値が1[kV]付近以下である場合)、画像濃度(ID)が目標濃度(2.7)に達せず、画像濃度不足である。ただし、時間平均値Vaveの絶対値が1.2[kV]付近以上であれば、十分な転写性が得られ、画像濃度(ID)が目標濃度(2.7)に達している。この結果、凸部においては、時間平均値Vaveの絶対値が1[kV]付近以下では小さすぎて十分な転写性が得られず、時間平均値Vaveの絶対値が1.2[kV]付近以上であれば十分な転写性が得られることがわかる。
一方、凹部については、図11(b)に示すように、時間平均値Vaveの絶対値が1[kV]付近以下である場合、凸部と同様、画像濃度(ID)が目標濃度(2.7)に達せず、画像濃度不足である。時間平均値Vaveの絶対値が1[kV]付近以下では、凹部より転写性が得やすい凸部であっても図11(a)に示すように画像濃度が不足していたので、凹部でも、凸部と同じく、時間平均値Vaveの絶対値が小さすぎて十分な転写性が得られない。
また、凹部については、図11(b)に示すように、時間平均値Vaveの絶対値が1.2[kV]付近であれば、画像濃度(ID)が目標濃度(2.7)に達しているが、−1.4[kV]付近以上になると、再び画像濃度(ID)が目標濃度(2.7)を下回り、時間平均値Vaveの絶対値が大きくなるにつれて画像濃度(ID)が低下する傾向を示す。このように、時間平均値Vaveの絶対値が凸部で十分な転写性が得られる十分な大きさの値に設定しても、凹部では、十分な転写性が得られず、画像濃度が不十分となる場合がある。
ここで、図11(b)において、戻り電圧のピーク値Vrと画像濃度(ID)との関係を見ると、時間平均値Vaveの絶対値を凸部で十分な転写性が得られる十分な大きさに設定した場合(すなわち、時間平均値Vaveの絶対値が1.4[kV]付近以上である場合)、戻り電圧のピーク値Vrが大きくなるほど、画像濃度(ID)が高くなるという傾向が見て取れる。
図12(a)は、戻し時間比が16[%]、周波数が500[Hz]、ピークツウピーク電圧Vppが10[kV]である2次転写電圧を用いて、その時間平均値Vaveを変化させたときの凸部の画像濃度(ID)をランク評価した結果を示すグラフである。
図12(b)は、図12(a)における凹部の画像濃度(ID)をランク評価した結果を示すグラフである。
各グラフには、戻り電圧のピーク値Vrの絶対値も合わせて表示してある。
凸部については、図12(a)に示すように、時間平均値Vaveの絶対値が1.7[kV]付近以下である場合、画像濃度(ID)が目標濃度(2.7)に達せず、画像濃度が不足しているが、時間平均値Vaveの絶対値が1.8[kV]付近以上であれば、十分な転写性が得られ、画像濃度(ID)が目標濃度(2.7)に達している。
凹部についても、図12(b)に示すように、時間平均値Vaveの絶対値が1.7[kV]付近以下である場合には、凸部と同様、画像濃度(ID)が目標濃度(2.7)に達せず、画像濃度不足である。また、時間平均値Vaveの絶対値が2.2[kV]付近以上の範囲を見ると、時間平均値Vaveの絶対値が大きくなるにつれて画像濃度(ID)が低下する傾向が見て取れる。一方、この範囲について、戻り電圧のピーク値Vrと画像濃度(ID)との関係を見ると、図12(b)に示すように、戻り電圧のピーク値Vrが大きくなるほど、画像濃度(ID)が高くなるという傾向が見て取れる。すなわち、図12に示す例でも、時間平均値Vaveの絶対値を凸部で十分な転写性が得られる十分な大きさに設定した場合には、戻り電圧のピーク値Vrが大きくなるほど、画像濃度(ID)が高くなるという傾向が現れる。
図13(a)は、戻し時間比が32[%]、周波数が500[Hz]、ピークツウピーク電圧Vppが10[kV]である2次転写電圧を用いて、その時間平均値Vaveを変化させたときの凸部の画像濃度(ID)をランク評価した結果を示すグラフである。
図13(b)は、図13(a)における凹部の画像濃度(ID)をランク評価した結果を示すグラフである。
図13の例でも、図12の例とほぼ同様の傾向が見て取れる。
また、図11に示した戻し時間比が50[%]の例と、図12及び図13に示した戻し時間比が16[%]及び32[%]の例とを比較すると、凹部上の画像濃度と凸部上の画像濃度の両方がともに目標濃度(2.7)以上となる時間平均電位Vaveの範囲は、戻し時間比が低いほど広くなることがわかる。戻し時間比が8[%]の条件についても同様の実験を行ったが、凹部上の画像濃度と凸部上の画像濃度の両方がともに目標濃度(2.7)以上となる時間平均電位Vaveの範囲は、更に広くなった。ただし、戻し時間比が6[%]になると、紙表面の凹部内に進入させたトナーを良好に中間転写ベルト側に戻すことができなくなることから、凹部上で十分な画像濃度が得られなくなった。
以上より、本実施形態のプリンタにおいて、戻し時間比が少なくとも8[%]以上で50[%]以下の範囲内で設定された2次転写電圧を用いるのが好ましい。
下記の表2は、温湿度条件を、23℃、50%に変更して同様の実験を行ったときの実験結果を示す表である。ただし、この実験で用いた戻し時間比の条件は、4[%]、8[%]、12[%]、16[%]、20[%]、32[%]、50[%]の7通りである。
Figure 0005936109
上記表2に示すように、23℃、50%の温湿度条件下においても、凸部と凹部の両方で青色の画像濃度を目標ランクの3.5以上にすることができる2次転写電圧の条件は、すべての場合において、|Vr|>|Vave|を満たしていることがわかる。
下記の表3は、温湿度条件を、10℃、15%に変更して同様の実験を行ったときの実験結果を示す表である。ただし、この実験で用いた戻し時間比の条件は、8[%]、12[%]、16[%]、24[%]、32[%]、50[%]の6通りである。
Figure 0005936109
上記表3に示すように、10℃、15%の温湿度条件下においては、凸部と凹部の両方で青色の画像濃度を目標ランクの3.5以上にすることができる2次転写電圧の条件は、戻し時間比が8[%]、12[%]、16[%]、24[%]の条件のときであり、これらの条件のときには|Vr|>|Vave|を満たしていることがわかる。戻し時間比が32[%]、50[%]の条件では、ランクが3以下となり、求める画質を満足することができていない。このときの戻し電圧のピーク値Vrの絶対値と時間平均値Vaveの絶対値との関係は、|Vr|≦|Vave|となっている。
〔実験3〕
本発明者らは、2次転写ニップ内で、紙表面の凹部内に進入したトナーを中間転写ベルト上に有効に戻すことができる戻し電圧の印加期間t1の最小値を調べる実験を行った。具体的には、戻し時間比が50[%]の条件にて、それぞれ、2次転写電圧の交流成分の周波数f、時間平均値Vave及びピークツウピーク電圧Vppをそれぞれ適宜変化させて、それぞれの条件における青ベタ画像の凹部上の画像濃度(ID)を測定した。この実験によって得られた最大画像濃度IDmaxの値と交流成分の周波数fとの関係を、図14に示す。
周波数fが15000[Hz]付近よりも高くなると、図14に示すように、最大画像濃度IDmaxは、目標の画像濃度(ID)である2.7よりも大幅に小さい値になっている。これは戻し時間が余りにも小さいため、トナーの往復運動が行なわれなくなっているためだと考えられる。このときの戻し電圧印加期間t1は、0.033[ms](=1/15000[Hz]×50[%])であるため、少なくとも戻し電圧印加期間t1が0.03[ms]以上であることが必要である。
〔実験4〕
2次転写電圧の交流成分のピークツウピーク電圧Vppが2500[V]であり、オフセット電圧Voffが−800[V]であり、戻し時間比が20[%]である条件にて、交流成分の周波数fとプロセス線速vとを変化させながら、それぞれの条件で青ベタ画像を普通紙に出力した。出力されたベタ画像を目視で観察した。そして、2次転写ニップ内の交番電界の影響と思われる画像濃度ムラ(ピッチムラ)の有無を評価した。すると、同じ周波数fの条件では、プロセス線速vを速くするほどピッチムラが発生し易くなり、同じプロセス線速vの条件では、周波数fを低くするほどピッチムラが発生し易くなることがわかった。この実験の結果は、2次転写ニップ内で、トナーをある程度の回数(以下「ニップ内往復回数」という。)以上、中間転写ベルトと紙表面との間で往復移動させないと、交番電圧である2次転写電圧によって生じる交番電界の影響によるピッチムラを発生させてしまうことがわかる。
詳しく見ると、プロセス線速vが282[mm/s]で、かつ、周波数fが400[Hz]という条件では、ピッチムラが認められなかった。しかしながら、プロセス線速vが282[mm/s]で、かつ、周波数fが300[Hz]という条件ではピッチムラが認められた。本実施形態における2次転写ニップの中間転写ベルト移動方向長さである2次転写ニップ幅dは3[mm]である。よって、前記条件におけるニップ内往復回数は約4回(=3[mm]×400[Hz]/282[mm/s])と計算され、ニップ内往復回数がこの回数以上であれば、ピッチムラをギリギリで回避することができることになる。
また、プロセス線速vが141[mm/s]で、かつ、周波数fが200[Hz]という条件では、ピッチムラは認められなかったが、プロセス線速vが141[mm/s]で、かつ、周波数fが100[Hz]という条件ではピッチムラが認められた。プロセス線速vが141[mm/s]で、かつ、周波数fが200[Hz]という条件も、上述したプロセス線速vが282[mm/s]で、かつ、周波数fが400[Hz]という条件の場合と同様に、ニップ内往復回数は約4回(3[mm]×200[Hz]/141[mm/s])と計算される。
以上より、「周波数f>(4/2次転写ニップ幅d)×プロセス線速v」という条件を具備することで、2次転写電圧として交番電圧を採用しても、2次転写ニップ内の交番電界の影響に起因したピッチムラが発生しない画像を得ることができる。
なお、かかる条件を具備させるために、本プリンタにおいては、情報取得手段たるオペレーションパネル50や、外部から送られてくるプリンタドライバ設定情報を通信によって取得する通信手段を具備しており、それらによって取得した情報に基づいて、高速モード、標準モード、低速モードのいずれでプリント動作を行うのかを把握する。そして、その把握結果に基づいて、プロセス線速vを把握している。
〔実験5〕
2次転写ニップにおいては、記録紙Pに対してある程度の転写電流が流れないと、トナーを良好に転写することができない。そして、当然ながら、厚紙に対しては、一般的な厚みの紙よりも転写電流が流れ難い。普通の厚みの和紙に対しても、肉厚の和紙に対しても、紙表面の凸部や凹部にそれぞれトナーを良好に付着させることが望ましい。2次転写電圧をどのように制御すれば、それを実現するのに有利であるのかを調べるために、実験5を行った。
本実験5では、2次転写電源39として、交流成分のピークツウピーク電圧Vppと直流成分の両方をそれぞれ定電圧制御で出力するものを用いた。その他の各種条件は次の通りである。
・プロセス線速v=282[mm/s]。
・記録紙:レザック66の175kg紙。
・テスト画像:A4版サイズの黒ベタ画像。
・戻し時間比=40[%]。
・直流成分:800〜1800[V]
・交流成分のピークツウピーク電圧Vpp:3〜8[kV]
・交流成分の周波数f=500[Hz]
以上の条件で出力した黒ベタ画像の紙表面の凹部上おける画像濃度を、次のようにして評価した。
ランク5:凹部内が完全にトナーで埋まっている。
ランク4:凹部内がほぼトナーで埋まっているが、凹部における深さの大きい箇所では僅かに紙地肌が見える
ランク3:凹部における深さの大きい箇所で明らかに紙地肌が見える。
ランク2:ランク3より悪く、かつ後述するランク1より良い。
ランク1:凹部にトナーが全く付着していない。
また、黒ベタ画像の紙表面の凸部上における画像濃度を次のようにして評価した。
ランク5:濃度ムラが全くなく、良好な画像濃度が得られている。
ランク4:僅かに濃度ムラがあるものの、薄い箇所でも問題ない画像濃度が得られている。
ランク3:濃度ムラがあり、薄い箇所の画像濃度が許容レベルを超えて不足している。
ランク2より悪く、かつ後述するランク1より良い。
ランク1:全体的に画像濃度不足。
そして、次のようにして、凹部上における画像濃度の評価結果と、凸部上における画像濃度の評価結果とを統合した。
ランクA:凹部、凸部の画像濃度の評価結果がいずれもランク5以上。
ランクB:凹部、凸部の画像濃度の評価結果がいずれもランク4以上。
ランクC:凹部の画像濃度の評価結果だけがランク3以下。
ランクD:凸部の画像濃度の評価結果だけがランク3以下。
ランクE:凹部、凸部の画像濃度の評価結果がいずれもランク3以下。
また、記録紙Pを、レザック66の175kg紙ではなく、それよりも厚いレザック66の215kg紙に代えて、同様の実験を行った。そして、直流成分と交流成分のピークツウピーク電圧Vppとの組み合わせについて、実験に適用したすべての組み合わせの中から、レザック66(175kg紙)とレザック66(215kg紙)との両方で、ランクA(凹部、凸部の画像濃度の評価結果がいずれもランク5以上)という結果が得られたものと、ランクB(凹部、凸部の画像濃度の評価結果がいずれもランク4以上)という結果が得られたものを抽出した。その結果、両方の紙でランクAという結果が得られる組み合わせは存在しなかったが、両方の紙でランクBという結果は、交流成分のピークツウピーク電圧Vppが6[kV]で、直流成分の値が−1100±100[V](中心値±9%)の組み合わせで得られた。
〔実験6〕
本実験6では、2次転写電源39として、2次転写電圧の直流成分を定電流制御で出力するものを用いた。その出力の目標値(オフセット電流Ioff)については、−30〜−60μAに設定した。これ以外の条件は、実験5と同様にして実験を行った。この結果、凹部、凸部の画像濃度の評価結果がいずれもランク5以上というランクAは、ピークツウピーク電圧Vppが7[kV]でオフセット電流Ioffが−42.5±7.5[μA](中心値±18%)という組み合わせで得られた。また、両方の紙でランクBという結果が得られた組み合わせは、ピークツウピーク電圧Vppが7[kV]で、オフセット電流Ioffが−47.5±12.5[μA](中心値±26%)であった。
このように、実験5では、両方の紙でランクAという結果が得られた組み合わせが存在しなかったのに対し、実験6では、両方の紙でランクAという結果が得られた組み合わせが存在した。しかも、ランクBという結果が得られた組み合わせに着目すると、実験5では、直流成分が−1100±100[V](中心値±9%)であるのに対し、実験6では、オフセット電流Ioffが−47.5±12.5[μA](中心値±26%)であり、後者の方が明らかに中心値からの数値範囲が広くなっている。これらの実験結果は、直流成分を定電圧制御する場合に比べて、定電流制御する場合の方が、一般の厚みの紙から厚紙までに対応可能な制御目標値の設定の余裕度を大きくし得ることを意味している。
そこで、実施形態に係るプリンタにおいては、2次転写電源39として、直流成分を定電流制御で出力するものが好ましい。なお、2次転写電源39は、交流成分のピークツウピーク電圧を定電流制御で出力するようにしてもよい。これにより、環境変動にかかわらず、ピークツウピーク電流を一定にすることで、有効な戻しピーク電流や送りピーク電流を確実に生起せしめることができる。
なお、2次転写電圧の電圧波形に、図15に示すようなオーバーシュートやアンダーシュートを発生させると、一瞬だけ、戻し電圧のピーク値Vrや送り電圧のピーク値Vt(定電流制御の場合には戻し電流のピーク値Irや送り電流のピーク値It)が本来よりも大きくなってしまう。これにより、オーバーシュートやアンダーシュート時に放電が発生して僅かな白点を発生させるおそれがある。そこで、図16に示すような、矩形の角を面取りしたような波形を出力させるように、2次転写電源39を構成することが好ましい。このようにすることで、たとえオーバーシュートやアンダーシュートを引き起こしたとしても、戻し電圧のピーク値や送り電圧のピーク値を、放電を生じさせる値よりも低く抑えることができるからである。なお、本明細書において、矩形波とは、戻し電圧や送り電圧の印加期間中において、それぞれピーク値になっている期間が全体の60[%]以上である波形をもったものを意味する。
〔2次転写電圧の波形例1〕
2次転写電圧の波形は、図10に示したものに限らず、種々の波形のものが採用できる。
図17は、波形例1における2次転写電圧の波形を示すグラフである。
この2次転写電圧の波形は、戻し電圧の立ち上がり及び立ち下がりの傾きを、送り電圧の立ち上がり及び立ち下がりの傾きよりも小さくした台形波形状である。
〔2次転写電圧の波形例2〕
図18は、波形例2における2次転写電圧の波形を示すグラフである。
この2次転写電圧は、図10に示した実施形態の波形と同様、交流成分のオフセット電圧Voffを挟んでマイナス極性側の面積よりも、プラス極性側の面積の方が小さいパルス波である。別の言い方をすれば、戻し電圧印加期間t1が送り電圧印加期間t2よりも短いパルス波である。この波形例2は、図10に示した実施形態の波形よりも、戻し時間比が小さいものである。
〔2次転写電圧の波形例3〕
図19は、波形例3における2次転写電圧の波形を示すグラフである。
この2次転写電圧の波形は、図17に示した波形例1の波形と同様に台形波形状であるが、交流成分のオフセット電圧Voffを挟んでマイナス極性側の期間Aよりも、プラス極性側の期間Bの方が短いものである。なお、上記波形例1の波形は、交流成分のオフセット電圧Voffを挟んでマイナス極性側の期間Aとプラス極性側の期間Bとが同じ長さであった。本波形例3は、1周期(期間A+期間B)中における期間Bの割合が45%である。
〔2次転写電圧の波形例4〕
図20は、波形例4における2次転写電圧の波形を示すグラフである。
この2次転写電圧の波形は、上記波形例3と同様、交流成分のオフセット電圧Voffを挟んでマイナス極性側の期間Aよりも、プラス極性側の期間Bの方が短い台形波形状である。ただし、本波形例4は、1周期(期間A+期間B)中における期間Bの割合が40%である。
〔2次転写電圧の波形例5〕
図21は、波形例5における2次転写電圧の波形を示すグラフである。
この2次転写電圧の波形は、交流成分のオフセット電圧Voffを挟んでマイナス極性側の期間Aよりもプラス極性側の期間Bの方が短い形状であり、マイナス極性側の期間Aの波形が三角波形状であり、プラス極性側の期間Bの波形が台形波形状である。本波形例5は、1周期(期間A+期間B)中における期間Bの割合が32%である。
〔2次転写電圧の波形例6〕
図22は、波形例6における2次転写電圧の波形を示すグラフである。
この2次転写電圧の波形は、上記波形例5と同様の波形であるが、1周期(期間A+期間B)中における期間Bの割合が16%である。
〔2次転写電圧の波形例7〕
図23は、波形例7における2次転写電圧の波形を示すグラフである。
この2次転写電圧の波形は、上記波形例5及び6と同様の波形であるが、1周期(期間A+期間B)中における期間Bの割合が8%である。
〔2次転写電圧の波形例8〕
図24は、波形例8における2次転写電圧の波形を示すグラフである。
この2次転写電圧の波形は、交流成分のオフセット電圧Voffを挟んでマイナス極性側の期間Aよりもプラス極性側の期間Bの方が短い形状であり、その波形を丸くしたものである。なお、本波形例8では、1周期(期間A+期間B)中における期間Bの割合が16%である。
〔2次転写電圧の波形例9〕
2次転写ニップ内の記録紙Pの厚さや材質が異なったり、中間転写ベルト31、2次転写対向ローラ33、2次転写ローラ36の抵抗値が経時的に変化するなどして、2次転写ニップにおける電気的容量が変化した場合、2次転写電圧の波形が変化することが考えられる。例えば、2次転写ニップの電気的容量が小さい場合、一旦印加した電荷が漏れ出すことで電圧降下が発生する。この場合を想定し、最大出力電流が低い電源で、2次転写ニップの電気的容量が低い場合と高い場合を想定して計算した電圧波形を求めるのが好ましい。
図25は、波形例9における2次転写電圧の波形を示すグラフである。
この2次転写電圧の波形は、2次転写ニップNの電気的容量(静電容量)を170[pF]、抵抗値を17[MΩ]と想定して得た電圧波形である。本波形例9では、戻し時間比が12%であった。
〔2次転写電圧の波形例10〕
図26は、波形例10における2次転写電圧の波形を示すグラフである。
この2次転写電圧の波形は、2次転写ニップNの電気的容量(静電容量)を120[pF]、抵抗値を15[MΩ]と想定して得たものである。本波形例10では、戻し時間比が12%であった。
以上に説明したものは一例であり、本発明は、次の態様毎に特有の効果を奏する。
(態様A)
中間転写ベルト31等の像担持体のトナー像を担持しているおもて面に当接して2次転写ニップ等の転写ニップを形成する2次転写ローラ36等のニップ形成部材と、前記転写ニップ内に挟み込んだ記録紙P等の記録材に対して前記像担持体上のトナー像を転写するために直流成分と交流成分とを含む2次転写電圧等の転写電圧を転写ニップに印加する2次転写電源39等の転写電圧印加手段とを有する転写装置において、前記転写電圧は、記録材に対して像担持体上のトナー像を転写する際に、該トナー像を該像担持体側から該記録材側に転写させる転写方向の極性(マイナス極性)をもった送り電圧と該送り電圧とは逆極性(プラス極性)の戻し電圧とが交互に切り替わる交番電圧であり、前記転写電圧の時間平均値Vaveは、トナー像を像担持体側から記録材側に転写させる転写方向の極性(マイナス極性)に設定され、かつ、該転写電圧の最大値と最小値の中心値であるオフセット電圧Voffよりも送り電圧のピーク値Vt寄りに設定されたものであり、前記戻し電圧のピーク値Vrの絶対値は、前記時間平均値Vaveの絶対値よりも大きく設定されていることを特徴とする。
これによれば、表面凹凸に富んだ記録材に画像を形成する際、画像中に白点(白抜け)を発生させることなく、その記録材表面の凹部と凸部の両方で十分な転写性を得ることができる。
(態様B)
上記態様Aにおいて、前記転写電圧は、一周期中における前記送り電圧の印加期間t2が一周期中における前記戻し電圧の印加期間t1と同じか又は長くなるように設定されていることを特徴とする。
これによれば、一周期中における前記送り電圧の印加期間t2が一周期中における前記戻し電圧の印加期間t1よりも短い場合と比較して、送り電圧のピーク値Vtの絶対値を低く抑えることができる。よって、転写ニップ内で放電が発生するのを抑制しやすくなり、放電による画像中に白点(白抜け)の発生を効果的に抑制できる。
(態様C)
上記態様Bにおいて、前記転写電圧は、一周期中における前記戻し電圧の印加期間t1の割合(戻し時間比)が8[%]以上となるように設定されていることを特徴とする。
上記実験2において述べたように、少なくとも戻し時間比を8[%]以上とすることで、紙表面の凹部内に進入させたトナーを良好に中間転写ベルト側に戻すことが可能となり、凹部上で十分な画像濃度を得やすくなる。
(態様D)
上記態様Cにおいて、前記転写電圧は、一周期中における前記戻し電圧の印加期間t1が0.03[ms]以上となるように設定されていることを特徴とする。
上記実験3において述べたように、少なくとも戻し電圧の印加期間t1を0.03[ms]以上とすることで、戻し電圧の印加期間t1が短すぎることに起因する紙表面の凹部上での画像濃度不足の発生を回避することができる。
(態様E)
上記態様B〜Dのいずれかの態様において、前記転写電圧は、一周期中における前記戻し電圧の印加期間t1の割合(戻し時間比)が24[%]以下となるように設定されていることを特徴とする。
これによれば、上記表3に示したように、最も厳しい温湿度条件(10℃、15%)下においても、上述したランク3.5以上の評価を得ることが可能となる。
(態様F)
上記態様A〜Eのいずれかの態様において、前記転写電圧は、前記交流成分の周波数f[Hz]と、前記転写ニップの像担持体表面移動方向長さであるニップ幅d[mm]と、前記像担持体の表面移動速度v[mm/s]との関係が、「f>(4/d)×v」の関係を満たすように、設定されていることを特徴とする。
これによれば、上記実験4で述べたように、2次転写電圧として交番電圧を採用しても、2次転写ニップ内の交番電界の影響に起因したピッチムラが発生しない画像を得ることができる。
(態様G)
上記態様A〜Fのいずれかの態様において、前記転写電圧印加手段は、前記直流成分を定電流制御で出力することを特徴とする。
これによれば、既に説明したように、直流成分を定電圧制御する場合に比べて、一般の厚みの紙から厚紙までに対応可能な制御目標値の設定の余裕度を大きくすることができる。
(態様H)
像担持体とニップ形成部材との当接による転写ニップ内に挟み込んだ記録材に対して、該像担持体の表面に担持されるトナー像を転写する転写手段を備えた画像形成装置において、前記転写手段として、上記態様A〜Gのいずれかの態様に係る転写装置を用いたことを特徴とする。
これによれば、表面凹凸に富んだ記録材に画像を形成する際、画像中に白点(白抜け)を発生させることなく、その記録材表面の凹部と凸部の両方で十分な画像濃度を得ることができる。
1Y,1M,1C,1K 画像形成ユニット
2Y,2M,2C,2K 感光体
30 転写ユニット
31 中間転写ベルト
33 2次転写対向ローラ
35Y,35M,35C,35K 1次転写ローラ
36 2次転写ローラ
100 給紙カセット
531 中間転写ベルト
533 2次転写対向ローラ
536 2次転写ローラ
特開2006−267486号公報

Claims (14)

  1. 像担持体のトナー像を担持しているおもて面に当接して転写ニップを形成するニップ形成部材と、前記転写ニップ内に挟み込んだ記録材に対して前記像担持体上のトナー像を転写するために直流成分と交流成分とを含む転写電圧を転写ニップに印加する転写電圧印加手段とを有する転写装置において、
    前記転写電圧は、記録材に対して像担持体上のトナー像を転写する際に、該トナー像を該像担持体側から該記録材側に転写させる転写方向の極性をもった送り電圧と該送り電圧とは逆極性の戻し電圧とが交互に切り替わる交番電圧であり、
    前記転写電圧の時間平均値(Vave)は、トナー像を像担持体側から記録材側に転写させる転写方向の極性に設定され、かつ、該転写電圧の最大値と最小値の中心値(Voff)よりも送り電圧のピーク値(Vt)寄りに設定されたものであり、
    前記戻し電圧のピーク値(Vr)の絶対値は、前記時間平均値(Vave)の絶対値よりも大きく設定されていることを特徴とする転写装置。
  2. 請求項1の転写装置において、
    前記転写電圧は、一周期中における前記送り電圧の印加期間が一周期中における前記戻し電圧の印加期間と同じか又は長くなるように設定されていることを特徴とする転写装置。
  3. 請求項2の転写装置において、
    前記転写電圧は、一周期中における前記戻し電圧の印加期間の割合が8[%]以上
    となるように設定されていることを特徴とする転写装置。
  4. 請求項3の転写装置において、
    前記転写電圧は、一周期中における前記戻し電圧の印加期間が0.03[ms]以上となるように設定されていることを特徴とする転写装置。
  5. 請求項2乃至4のいずれか1項に記載の転写装置において、
    前記転写電圧は、一周期中における前記戻し電圧の印加期間の割合が24[%]以下となるように設定されていることを特徴とする転写装置。
  6. 請求項1の転写装置において、
    前記転写電圧は、一周期のなかで、前記中心値(Voff)を挟んで前記転写方向側とは逆方向側の電圧となる期間(B)の割合が8[%]以上となるように設定されていることを特徴とする転写装置。
  7. 請求項1の転写装置において、
    前記転写電圧は、一周期のなかで、前記中心値(Voff)を挟んで前記転写方向側とは逆方向側の電圧となる期間(B)の割合が12[%]以上となるように設定されていることを特徴とする転写装置。
  8. 請求項1の転写装置において、
    前記転写電圧は、一周期のなかで、前記中心値(Voff)を挟んで前記転写方向側とは逆方向側の電圧となる期間(B)の割合が16[%]以上となるように設定されていることを特徴とする転写装置。
  9. 請求項1、6、7又は8のいずれか1項に記載の転写装置において、
    前記転写電圧は、一周期のなかで、前記中心値(Voff)を挟んで前記転写方向側とは逆方向側の電圧となる期間(B)の割合が45[%]以下となるように設定されていることを特徴とする転写装置。
  10. 請求項1、6、7又は8のいずれか1項に記載の転写装置において、
    前記転写電圧は、一周期のなかで、前記中心値(Voff)を挟んで前記転写方向側とは逆方向側の電圧となる期間(B)の割合が40[%]以下となるように設定されていることを特徴とする転写装置。
  11. 請求項1、6、7又は8のいずれか1項に記載の転写装置において、
    前記転写電圧は、一周期のなかで、前記中心値(Voff)を挟んで前記転写方向側とは逆方向側の電圧となる期間(B)の割合が32[%]以下となるように設定されていることを特徴とする転写装置。
  12. 請求項1乃至11のいずれか1項に記載の転写装置において、
    前記転写電圧は、前記交流成分の周波数f[Hz]と、前記転写ニップの像担持体表面移動方向長さであるニップ幅d[mm]と、前記像担持体の表面移動速度v[mm/s]との関係が、下記の式(1)の関係を満たすように、設定されていることを特徴とする転写装置。
    f > (4/d)×v ・・・(1)
  13. 請求項1乃至12のいずれか1項に記載の転写装置において、
    前記転写電圧印加手段は、前記直流成分を定電流制御で出力することを特徴とする転写装置。
  14. 像担持体とニップ形成部材との当接による転写ニップ内に挟み込んだ記録材に対して、該像担持体の表面に担持されるトナー像を転写する転写手段を備えた画像形成装置において、
    前記転写手段として、請求項1乃至13のいずれか1項に記載の転写装置を用いたことを特徴とする画像形成装置。
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