JP2015114604A - 画像形成装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】感光体ドラム20に中間転写ベルト11を介して当接する一次転写ニップ形成部材としての一次転写ローラ13は、金属製の芯金132と、この表面上に固定された弾性層としての導電性のスポンジ層131とを具備している。芯金132の径は、二次転写ニップで交流成分と直流成分とを重畳した転写バイアスを印加したときに放電を生じないように、一次転写時のトナーの電荷偏差を抑制できる大きさ(10.4mm以上)に設定されている。すなわち、感光体ドラムへの当接力で軸方向の撓みによるトナーの電荷偏差を抑制できる大きさ(剛性)に設定されている。
【選択図】図4
Description
複数の感光体ドラムが並置されたいわゆるタンデム型の構成では、各感光体ドラム上のトナー像が一次転写手段により中間転写体としての中間転写ベルト上に重ね合わせて転写される。
中間転写ベルト上のトナー像は二次転写ニップで二次転写手段により転写紙等の記録媒体に一括して転写される。
直流電圧に交流電圧を重畳することで二次転写部での転写率を向上させる技術が知られている。
特許文献1には、二次転写部におけるローラ長手方向の転写ムラ、および画像劣化を解消し、転写された画像の画質を一定レベル以上に維持する目的で、二次転写ローラの外径をローラの長手方向両端部にいくほど径が小さくなるテーパ形状にした構成が開示されている。
すなわち、一次転写部におけるトナー電荷分布の偏差により、転写率を上げるための重畳バイアス印加方式の利点を十分に活かすことができなかった。
まず、図1に基づいて、本実施形態に係る画像形成装置としてのカラー画像形成装置の構成の概要を説明する。カラー画像形成装置はタンデム型で中間転写方式の構成を有している。
カラー画像形成装置1には、中間転写体としての中間転写ベルト11を有する転写装置10と、4つの画像ステーションが配置されている。
各画像ステーションは、複数の像担持体としての感光体ドラム20Y、20C、20M、20Bkをそれぞれ有している。
中間転写ベルト11は、支持ローラ12、18、二次転写対向ローラ17間に掛けまわされている。
図示しないが、トナーを補給するトナーボトルが備えられており、ここから図示しない搬送経路によって、所定の補給量だけ各色の現像装置50Y、50C、50M、50Bkにトナーが補給される。
この検出信号でタイミングを取りながら、レジストローラ対83によって転写紙Pを二次転写ベルト15と中間転写ベルト11との二次転写ニップ部(二次転写部ともいう)に搬送する。
これにより、感光体ドラム20Y、20C、20M、20Bk上には、それぞれイエロー(Y)、シアン(C)、マゼンタ(M)、黒(Bk)の静電潜像が作成される。
各静電潜像は、それぞれ各色の現像装置50Y、50C、50M、50Bkにより現像され、感光体ドラム20Y、20C、20M、20Bkの表面にイエロー、シアン、マゼンタ、黒のトナー像が形成される。
一次転写ニップ形成部材としての一次転写ローラ13Y、13C、13M、13Bkに電圧(一次転写バイアス)が印加され、感光体ドラム20Y、20C、20M、20Bk上のトナー像が、中間転写ベルト11上に重ねて転写される。
一次転写ローラ13は、中間転写ベルト11を介して感光体ドラム20に当接し、一次転写ニップを形成する。
具体的には、一次転写ローラ13は、軸方向両端部において図示しない付勢手段(バネ等)によって付勢され、該付勢力で当接している。
各色の作像動作は、各色のトナー像が中間転写ベルト11の同じ位置に重ねて転写されるように、上流側から下流側に向けてタイミングをずらして実行される。
すなわち、中間転写ベルト11上に形成された画像は、二次転写対向ローラ17と二次転写ローラ16との間に所定の電位差が付与されることにより、二次転写ベルト15と中間転写ベルト11との間の二次転写ニップ部に搬送された転写紙に転写される。
二次転写ベルト15は、中間転写ベルト11に当接して二次転写ニップを形成する二次転写ニップ形成部材である。
二次転写ローラ16を二次転写ニップ形成部材として直接中間転写ベルト11に当接させる構成としてもよい。この場合には、二次転写ローラ16が二次転写手段と二次転写ニップ形成部材とを兼ねる。
転写紙Pは、定着装置60に搬送されて、ここで熱及び圧力でトナー像を定着され、排紙ローラ対84で排紙される。
これで、1枚の画像形成ジョブが終了する。
その後、直流に交流成分のバイアスが重畳印加された帯電装置30Y、30C、30M、30Bkによって除電と同時に帯電され、次の作像ジョブに備える。
二次転写後に中間転写ベルト11上に残留したトナーは、中間転写ベルトクリーニング装置14によってクリーニングされ、次の作像ジョブに備える。
2次転写バイアス電源は、転写電界を形成するための2次転写バイアスとして、直流電圧(以下「直流バイアス」という)と、直流電圧に交流電圧を重畳させたもの(以下「重畳バイアス」という)とを、二次転写ローラ16に選択的に印加可能である。
同図においてオフセット電圧Voffは重畳バイアスの直流成分の値であり、ピークツウピーク電圧Vppは重畳バイアスの交流成分のピークツウピーク電圧である。
重畳バイアスは、オフセット電圧Voffとピークツウピーク電圧Vppとを重畳したものであり、その時間平均値はオフセット電圧Voffと同じ値になる。
Vtで示されているのは、それら2つのピーク値のうち2次転写ニップ内でトナーを中間転写ベルト11側から転写紙P側に移動させる方(本実施形態ではマイナス側)のピーク値である。
Vrで示されているのは、トナーを転写紙Pから中間転写ベルト11側に戻す方(本実施形態ではプラス側)のピーク値である。
このようにすることで、トナーを往復移動させつつ相対的には中間転写ベルト11側から転写紙P側に移動させて転写紙P上に転移させることが可能となる。
すなわち、2次転写バイアス電源は、重畳した転写バイアスの1周期内における時間平均電位が1周期内における最大電位と最小電位との中心値よりもトナーを二次転写ニップ内で中間転写ベルト11から転写紙に静電転移させ易くする側にシフトした転写バイアスを出力する。
これにより、二次転写部での転写紙に対するトナーの転写性を向上させることができる。
和紙調の用紙やエンボス加工が施された用紙等、表面の凹凸が大きい転写紙を用いる場合には、重畳バイアスを印加することにより、上述のようにトナーを往復移動させつつ相対的には中間転写ベルト11側から転写紙側に移動させて転写紙上に転移させる。
このようにすることで、用紙凹部への転写性を向上させて転写率の向上や中抜け等の異常画像を改善することができる。
本実施形態では、2次転写バイアスとして直流バイアスを印加して画像転写を行う直流転写モードと、直流に交流を重畳させた重畳バイアスを印加して画像転写を行う重畳転写モードとを有しており、両者を切り替え可能に構成している。
通紙する用紙の種類に応じて転写モードを直流転写モードまたは重畳転写モードに切り替えることで、凹凸の小さい用紙及び凹凸の大きい用紙の何れにも良好な画像転写を行うことができる。
転写モードの切り替えは、用紙種類の設定により自動的にモードが切り替わるようにしてもよく、ユーザが転写モードを設定できるようにしてもよい。
一次転写ローラ13は、金属製の芯金132と、この表面上に固定された弾性層としての導電性のスポンジ層131とを具備している。
一次転写ローラ13の外径は16mmで、芯金132の径dは12mmで構成されている。
芯金132の径dは、二次転写ニップで交流成分と直流成分とを重畳した転写バイアスを印加したときに放電を生じないように、一次転写時のトナーの電荷偏差を抑制できる大きさに設定されている。
具体的には、以下の実験結果から、10.4mm以上であればよい。
このような一次転写ローラ13に対して一次転写バイアスを定電流制御で印加する。
芯金132の軸方向の長さは、A4サイズの用紙を横置きで、あるいはA3サイズの用紙を縦置きで搬送して画像形成が可能な大きさである。
表1に示すように、直流成分だけで二次転写を行った場合、放電は起きない。
しかしながら、重畳バイアスを印加した場合、芯金の径が10.4mm未満では、二次転写部にて放電が起こってしまう。
直流バイアス時には芯金の径の大きさによらず、二次転写部において放電は起きないが、重畳バイアス印加時には芯金の径が10.4mm未満であると、放電がおきてしまう。
一次転写部におけるトナー電荷分布の偏差は、芯金の軸方向における撓みによって生じる。したがって、トナー電荷分布の偏差を抑制できる剛性を有するように芯金の径を設定すればよい。
表1の結果から明らかなように、芯金132の径を10.4mm以上にすることで一次転写部での電荷量の偏差を小さくすることができるので、重畳バイアス印加時でも二次転写部での放電を防ぐことができる。
これにより異常画像の発生を防止することができる。
(F−R)/(F+R)×100≦30
を満たすように設定されている。
すなわち、一次転写ローラ13の軸方向における接触圧偏差を±30%以内としている。
これにより、上記芯金の径の大きさの設定との相乗効果により一次転写部でのトナーの電荷偏差を一層抑制することができる。
また、二次転写部での転写紙に対するトナーの転写性を向上させるために、交流成分のバイアスの周波数をf[Hz]、二次転写ニップにおける中間転写ベルト11の移動方向の長さであるニップ幅をd[mm]、中間転写ベルト11の表面移動速度をv[mm/s]とするとき、
f>(4/d)×v
という条件を具備するようにしてもよい。
すなわち、転写紙の凹部内に十分量のトナーを転移させるためには、二次転写ニップ内で、交番電界を4回以上作用させることが望ましい。
13 一次転写ニップ形成部材としての一次転写ローラ
15 二次転写ニップ形成部材としての二次転写ベルト
20 像担持体としての感光体ドラム
132 芯金
Claims (7)
- 表面にトナー像が形成される複数の像担持体と、
前記像担持体上のトナー像が転写される中間転写体と、
芯金を有し、前記中間転写体を介して前記像担持体に当接し、一次転写ニップを形成する一次転写ニップ形成部材と、
前記中間転写体に当接して二次転写ニップを形成する二次転写ニップ形成部材と、
前記二次転写ニップに転写電界を形成するための転写バイアスを印加する転写バイアス印加手段と、
を備え、
前記転写バイアス印加手段が、交流成分と直流成分とを重畳した転写バイアスを印加する画像形成装置において、
前記一次転写ニップ形成部材の前記芯金の径が、前記二次転写ニップで交流成分と直流成分とを重畳した転写バイアスを印加したときに放電を生じないように、一次転写時のトナーの電荷偏差を抑制できる大きさに設定されていることを特徴とする画像形成装置。 - 請求項1に記載の画像形成装置において、
前記芯金の径が、10.4mm以上であることを特徴とする画像形成装置。 - 請求項1又は2に記載の画像形成装置において、
前記像担持体に対する当接のための前記一次転写ニップ形成部材の両端部における押し当て力をF、Rとするとき、F、Rの値が、
(F−R)/(F+R)×100≦30
を満たすことを特徴とする画像形成装置。 - 請求項1〜3のいずれか1つに記載の画像形成装置において、
前記転写バイアス印加手段は、重畳した転写バイアスの1周期内における時間平均電位が1周期内における最大電位と最小電位との中心値よりもトナーを前記二次転写ニップ内で前記中間転写体から記録媒体に静電転移させ易くする側にシフトした転写バイアスを出力することを特徴とする画像形成装置。 - 請求項1〜3のいずれか1つに画像形成装置において、
前記転写バイアス印加手段は、重畳した転写バイアスの1周期内でプラス極性になる時間であるプラス時間と、マイナス極性になるマイナス時間とのうち、前記二次転写ニップ内における記録媒体表面から前記中間転写体表面へのトナーの逆戻りに寄与する方が0.03[msec]以上である転写バイアスを出力することを特徴とする画像形成装置。 - 請求項1〜4のいずれか1つに記載の画像形成装置において、
前記交流成分のバイアスの周波数をf[Hz]、前記二次転写ニップにおける前記中間転写体の移動方向の長さであるニップ幅をd[mm]、前記中間転写体の表面移動速度をv[mm/s]とするとき、
f>(4/d)×v
という条件を具備することを特徴とする画像形成装置。 - 請求項1〜6のいずれか1つに記載の画像形成装置において、
前記転写バイアス印加手段が、交流成分と直流成分とを重畳した転写バイアスと、直流成分のみの転写バイアスとを選択的に印加することが可能な構成を有していることを特徴とする画像形成装置。
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