JP6160908B2 - 画像形成装置及び画像形成方法 - Google Patents

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本発明は、像担持体の表面に形成した有色トナーからなるトナー像を、像担持体とニップ形成部材との当接による転写ニップで記録シートの表面に転写する画像形成装置や画像形成方法に関するものである。
従来、この種の画像形成装置として、特許文献1に記載のものが知られている。この画像形成装置は、周知の電子写真プロセスにより、ドラム状の感光体の表面にトナー像を形成する。感光体には、像担持体としての無端状の中間転写ベルトを当接させて1次転写ニップを形成している。そして、1次転写ニップにおいて、感光体上のトナー像を中間転写ベルトに1次転写する。中間転写ベルトに対しては、ニップ形成部材としての2次転写ローラを当接させて2次転写ニップを形成している。また、中間転写ベルトのループ内には、2次転写対向ローラを配設しており、この2次転写対向ローラと、前述した2次転写ローラとの間に中間転写ベルトを挟み込んでいる。ベルトループ内側の2次転写対向ローラに対してはアースを接続しているのに対し、ループ外側の2次転写ローラに対しては2次転写バイアスを印加している。これにより、2次転写対向ローラと2次転写ローラとの間に転写電界を形成している。そして、2次転写ニップ内に送り込んだ記録シートに対して、中間転写ベルト上のトナー像を2次転写する。
かかる構成において、記録シートとして、和紙のような表面凹凸に富んだものを用いると、表面凹凸にならった濃淡パターンを画像中に発生させ易くなる。この濃淡パターンは、紙表面における凹部に対して十分量のトナーが転写されずに、凹部の画像濃度が凸部よりも薄くなることによって生じるものである。特許文献1に記載の画像形成装置においては、2次転写バイアスとして、直流電圧だけからなるものではなく、交流電圧に対して直流電圧を重畳した重畳バイアスを印加する。特許文献1によれば、このような重畳バイアスを採用することで、紙表面の凹部で十分な画像濃度を得ることができるとしている。
しかしながら、本発明者らが実験を行ったところ、重畳バイアスの中でも、特に、トナーに対する交番電界を2次転写ニップ内に形成し得る条件のものを印加しないと、紙表面の凹部で十分な画像濃度を得ることができないことを見出した。
図1は、本発明者らが行った転写実験装置の転写ニップにおける転写初期段階のトナーの挙動を示す拡大模式図である。同図において、記録シート214は、おもて面に微妙な凹凸を具備している。この記録シート214のおもて面には、マイナス極性に帯電したトナー粒子の集合からなるトナー層216を担持している透明基板210が密着している。また、記録シート214の裏面には、図示しない金属板が密着している。この金属板を接地した状態で、透明基板210に対して、図2に示される転写バイアスを印加した。
図2の転写バイアスは、ピークツウピーク電圧Vppの交流電圧に、オフセット電圧Voffの直流電圧が重畳されることによって得られるものである。オフセット電圧Voffは、正弦波状の転写バイアスにおける山側のピーク値と谷側のピークとの間の中心値と同じ値になり、図示の例ではマイナス極性になっている。また、波形がデューティ比50[%]の正弦波であるので、1周期における平均電位はオフセット電圧Voffと同じ値になっている。このような2次転写バイアスを、図1における透明基板210に印加すると、トナー層216を形成しているトナー粒子の一部がトナー層216と、記録シート214の凹部内との間で往復移動する。
トナー粒子の往復移動周期は、転写バイアスの交流電圧の周期と同期している。そして、初めの1周期では、まず、図示のように、トナー層216を形成しているトナー粒子のうち、トナー層216の表面側に存在しているトナー粒子だけがトナー層216から離脱する。そして、記録シート214の凹部に進入した後、再びトナー層216に戻ってくる。このとき、戻ったトナー粒子が、トナー層216のトナー粒子に衝突することで、トナー層216のトナー粒子のトナー層216からの離脱が促される。これにより、往復移動の次の1周期では、図3に示されるように、前の1周期よりも多くのトナー粒子がトナー層216から離脱する。そして、記録シート214の凹部に進入した後、再びトナー層216に戻ってくる。このとき、戻ったトナー粒子が、トナー層216中にまだ残っていたトナー粒子に衝突することで、後者のトナー粒子のトナー層216からの離脱を促す。これにより、更に次の1周期では、図4に示されるように、前の1周期よりも更に多くのトナー粒子がトナー層216から離脱する。このように、トナー粒子を往復移動させる毎に、記録シート214の凹部内に転移させるトナー粒子の数を増やしていくことで、記録シート214の凹部において十分な画像濃度が得られていることがわかった。
先に説明したように、図1において、記録シート214の裏面に密着している図示しない金属板は接地されている。これに対し、記録シート214のおもて面との間にトナー層216を挟み込んでいる透明基板210には、図2に波形が示されている重畳バイアスが印加されている。この重畳バイアスの極性がプラスになっている期間(Tr)には、マイナス帯電性のトナー粒子に対して前述の前述の金属板側から透明基板210側に向かう静電気力を付与する電界が転写ニップ内に形成される。これに対し、重畳バイアスの極性がマイナスになっている期間(Tt)には、マイナス帯電性のトナー粒子に対して透明基板210側から前述の金属板側に向かう静電気力を付与する電界が転写ニップ内に形成される。このように、トナー粒子の移動方向を周期的に反転させる電界、即ち、トナーに対する交番電界を形成しなければ、トナー粒子を前述のように往復移動させることができないので、紙表面の凹部で十分な画像濃度を得ることができない。図示の転写実験装置では、重畳バイアスとして、交流電圧に対して交流電圧の振幅よりも小さな絶対値の直流電圧(Voff)を重畳したものを用いていることで、重畳バイアスの極性を周期的に反転させてトナーに対する交番電界を形成することができている。
このように、トナーに対する交番電界を転写ニップに形成することで、トナー粒子を転写ニップ内で往復移動させて、エンボス紙のような表面凹凸の富んだ記録紙であっても、紙表面の凹部で十分な画像濃度を得ることができる。ところが、転写ニップ内でトナー粒子を何度も往復移動させている過程で、一部のトナー粒子が紙面方向に広がって、文字画像や線画像のエッジをぼかしてしまうという新たな問題が発生してしまった。
本発明は、以上の背景に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、次のような画像形成装置及び画像形成方法を提供することである。即ち、記録シートとして表面凹凸に富んだものを用いる場合であっても、シート表面の凹部で十分な画像濃度を得るとともに、文字画像や線画像のエッジのぼやけを抑えることができる画像形成装置等である。
上記目的を達成するために、本発明は、像担持体と、前記像担持体の表面に有色トナーからなるトナー像を形成するトナー像形成手段と、前記像担持体に当接して転写ニップを形成するニップ形成部材と、前記像担持体と前記ニップ形成部材との間に転写電界を形成する転写電界形成手段とを備え、前記転写ニップ内に挟み込んだ記録シートに対して前記像担持体上のトナー像を転写する画像形成装置において、前記転写電界として、トナーに対して像担持体側からニップ形成部材側に向かう静電気力を付与する電界と、トナーに対してニップ形成部材側から像担持体側に向かう静電気力を付与する電界とを交互に出現させる交番電界からなるものを形成するように前記転写電界形成手段を構成し、且つ、前記像担持体の表面のうち、少なくとも、前記転写ニップに進入する前の領域であって、且つ前記トナー像を構成する有色トナーを付着させない領域における有色トナー像の周囲領域だけに対して透明トナー層を形成する透明トナー層形成手段を設けたことを特徴とするものである。
また、本発明は、像担持体の表面に有色トナーからなるトナー像を形成するトナー像形成工程と、前記像担持体にニップ形成部材を当接させて転写ニップを形成するニップ形成工程と、前記像担持体と前記ニップ形成部材との間に転写電界を形成する転写電界形成工程と、前記転写ニップ内に挟み込んだ記録シートに対して前記像担持体上のトナー像を転写する転写工程とを実施して記録シートに画像を形成する画像形成方法において、前記転写電界形成工程にて、前記転写電界として、トナーに対して像担持体側からニップ形成部材側に向かう静電気力を付与する電界と、トナーに対してニップ形成部材側から像担持体側に向かう静電気力を付与する電界とを交互に出現させる交番電界からなるものを形成し、且つ、前記像担持体の表面のうち、少なくとも、前記転写ニップに進入する前の領域であって、且つ前記トナー像を構成する有色トナーを付着させない領域における有色トナー像の周囲領域だけに対して透明トナー層を形成する透明トナー層形成工程を実施することを特徴とするものである。
本発明においては、転写電界としてトナーに対する交番電界を転写ニップに形成することで、転写ニップ内でトナー粒子を記録シート表面と像担持体表面との間で往復移動させる。これにより、記録シートとして表面凹凸に富んだものを用いる場合であっても、シート表面の凹部で十分な画像濃度を得ることができる。
また、本発明においては、像担持体の表面上で文字画像や線画像を構成している有色トナー粒子を転写ニップ内で記録シート表面と像担持体表面との間で繰り返し往復移動させるのに伴って、有色トナー粒子が文字画像や線画像の真上から周囲の非画像部に拡散しようとしても、非画像部の真上で往復移動している透明トナー粒子によってその拡散が遮られる。このように、文字画像や線画像を構成している有色トナー粒子の画像周囲への拡散を画像周囲に存在している透明トナー粒子によって抑えることで、文字画像や線画像のエッジのぼやけを抑えることができる。
本発明者らが行った実験に用いられた転写実験装置の転写ニップにおける転写初期段階のトナーの挙動を示す拡大模式図。模式図。 正弦波状の重畳バイアスからなる転写バイアスの波形を示す波形図。 同転写ニップにおける転写中期段階のトナーの挙動を示す拡大模式図。 同転写ニップにおける転写後期段階のトナーの挙動を示す拡大模式図。 実施形態に係るプリンタを示す概略構成図。 同プリンタのK用の画像形成ユニットを示す拡大構成図。 同転写実験装置を示す概略構成図。 1周期波形が立ち下がり矩形パルス及び立ち上がり矩形パルスからなり、且つ送り時間Ttを戻し時間Trよりも長くした矩形波状の転写バイアスの波形を示す波形図。 2次転写バイアスとして、正弦波からなるものを採用した場合における凹部濃度再現性、凸部濃度再現性、及び白点抑制性の評価結果を示す表。 2次転写バイアスとして、戻し時間比が50%未満である矩形波からなるものを採用した場合における凹部濃度再現性、凸部濃度再現性、及び白点抑制性の評価結果を示す表。 エッジがぼやけている状態の線画像を示す拡大図。
以下、本発明を画像形成装置としてのタンデム型の画像形成部によってカラー画像を形成するカラープリンタ(以下、単にプリンタという)に適用した実施形態について説明する。
まず、実施形態に係るプリンタの基本的な構成について説明する。図5は、実施形態に係るプリンタを示す概略構成図である。同図において、実施形態に係るプリンタは、透明(T),イエロー(Y),マゼンダ(M),シアン(C),ブラック(K)のトナー像を形成するための5つの画像形成ユニット1T,Y,M,C,Kを備えている。また、転写装置としての転写ユニット20、図示しない光書込ユニット、タンデム画像形成部10、転写ユニット20、紙搬送ユニット39、定着装置40、再送装置50なども備えている。
5つの画像形成ユニット1T,Y,M,C,Kは、画像形成物質として、互いに異なる色のT,Y,M,C,Kトナーを用いるが、それ以外は同様の構成になっており、寿命到達時に交換される。Kトナー像を形成するための画像形成ユニット1Kを例にすると、これは、図6に示されるように、潜像担持体たるドラム状の感光体2K、ドラムクリーニング装置5K、除電装置(不図示)、帯電装置4K、現像装置4K等を備えている。これらの装置が共通の保持体に保持されてプリンタ本体に対して一体的に脱着することで、それらを同時に交換できるようになっている。
感光体2Kは、ドラム基体の表面上に有機感光層が形成された外径60[mm]程度のドラム形状のものであって、図示しない駆動手段によって図中反時計回り方向に回転駆動される。帯電装置4Kは、帯電バイアスが印加される帯電ローラを感光体2Kに接触あるいは近接させながら、帯電ローラと感光体2Kとの間に放電を発生させることで、感光体2Kの表面を一様帯電せしめる。実施形態では、トナーの正規帯電極性と同じマイナス極性に一様帯電せしめる。帯電バイアスとしては、直流電圧に交流電圧を重畳したものを採用している。帯電ローラは、金属製の芯金の表面に導電性弾性材料からなる導電性弾性層が被覆されたものである。帯電ローラ等の帯電部材を感光体2Kに接触あるいは近接させる方式に代えて、帯電チャージャーによる方式を採用してもよい。
一様帯電せしめられた感光体2Kの表面は、光書込ユニット(図5の80)から発せられるレーザー光によって光走査されてK用の静電潜像を担持する。このK用の静電潜像は、図示しないKトナーを用いる現像装置3Kによって現像されてKトナー像になる。そして、後述する中間転写ベルト21上に1次転写される。
ドラムクリーニング装置5Kは、1次転写工程(後述する1次転写ニップ)を経た後の感光体2K表面に付着している転写残トナーを除去する。回転駆動されるクリーニングブラシローラ、片持ち支持された状態で自由端を感光体2Kに当接させるクリーニングブレードなどを有している。回転するクリーニングブラシローラで転写残トナーを感光体2K表面から掻き取ったり、クリーニングブレードで転写残トナーを感光体2K表面から掻き落としたりする。なお、クリーニングブレードについては、その片持ち支持端側を自由端側よりもドラム回転方向下流側に向けるカウンタ方向で感光体2Kに当接させている。
上記除電装置は、ドラムクリーニング装置5Kによってクリーニングされた後の感光体2Kの残留電荷を除電する。この除電により、感光体2Kの表面が初期化されて次の画像形成に備えられる。
現像装置3Kは、感光体2Kに対向する現像ロール3aKを内包する現像部と、図示しないK現像剤を撹拌搬送するための第1スクリュウ部材3bK、及び第2スクリュウ部材3cKを内包する現像剤搬送部とを有している。そして、現像剤搬送部は、第1スクリュウ部材3bKを収容する第1搬送室と、第2スクリュウ部材3cKを収容する第2搬送室とを有している。それらスクリュウ部材は、それぞれ、軸線方向の両端部がそれぞれ軸受けによって回転自在に支持される回転軸部材と、これの周面に螺旋状に突設せしめられた螺旋羽根とを具備している。
第1スクリュウ部材3bKを収容している第1搬送室と、第2スクリュウ部材3cKを収容している第2搬送室とは、仕切り壁によって仕切られているが、仕切壁におけるスクリュウ軸線方向の両端箇所には、それぞれ両搬送室を連通させる連通口が形成されている。第1スクリュウ部材3bKは、螺旋羽根内に保持している図示しないK現像剤を、回転駆動に伴って回転方向に撹拌しながら、図中の紙面に直交する方向の奥側から手前側に向けて搬送する。第1スクリュウ部材3bKと、現像ロール3aKとは互いに向かい合う姿勢で平行配設されているため、このときのK現像剤の搬送方向は、現像ロール3aKの回転軸線方向に沿った方向でもある。そして、第1スクリュウ部材3bKは、現像ロール3aKの表面に対してK現像剤をその軸線方向に沿って供給していく。
第1スクリュウ部材3bKの図中手前側端部付近まで搬送されたK現像剤は、仕切壁の図中手前側端部付近に設けられた連通開口を通って、第2搬送室内に進入した後、第2スクリュウ部材3cKの螺旋羽根内に保持される。そして、第2スクリュウ部材3cKの回転駆動に伴って、回転方向に撹拌されながら、図中手前側から奥側に向けて搬送されていく。
第2搬送室内において、ケーシングの下壁には図示しないトナー濃度センサが設けられており、第2搬送室内のK現像剤のKトナー濃度を検知する。Kトナー濃度センサとしては、透磁率センサからなるものが用いられている。Kトナーと磁性キャリアとを含有するK現像剤の透磁率は、Kトナー濃度と相関関係があるため、透磁率センサは、Kトナー濃度を検知していることになる。
本プリンタには、T,Y,M,C,K用の現像装置の第2収容室内にT,Y,M,C,Kトナーをそれぞれ個別に補給するための図示しないT,Y,M,C,Kトナー補給手段が設けられている。そして、プリンタの制御部は、データ記憶手段としてのRAMに、T,Y,M,C,Kトナー濃度検知センサからの出力電圧値の目標値であるT,Y,M,C,K用のVtrefを記憶している。T,Y,M,C,Kトナー濃度検知センサからの出力電圧値と、T,Y,M,C,K用のVtrefとの差が所定値を超えた場合には、その差に応じた時間だけT,Y,M,C,Kトナー補給手段を駆動する。これにより、T,Y,M,C,K用の現像装置における第2搬送室内にT,Y,M,C,Kトナーが補給される。
K用の現像装置1Kの現像部内に収容されている現像ロール3aKは、第1スクリュウ部材3bKに対向しているとともに、ケーシングに設けられた開口を通じて、感光体2Kにも対向している。また、現像ロール3aKは、回転駆動される非磁性パイプからなる筒状の現像スリーブと、これの内部にスリーブと連れ回らないように固定されたマグネットローラとを具備している。そして、第1スクリュウ部材3bKから供給されるK現像剤をマグネットローラの発する磁力によってスリーブ表面に担持しながら、スリーブの回転に伴って、感光体2Kに対向する現像領域に搬送する。
現像スリーブには、トナーと同極性であって、感光体2Kの静電潜像よりも大きく、且つ感光体2Kの一様帯電電位よりも小さな現像バイアスが印加されている。これにより、現像スリーブと感光体2Kの静電潜像との間には、現像スリーブ上のKトナーを静電潜像に向けて静電移動させる現像ポテンシャルが作用する。また、現像スリーブと感光体2Kの地肌部との間には、現像スリーブ上のKトナーをスリーブ表面に向けて移動させる非現像ポテンシャルが作用する。それら現像ポテンシャル及び非現像ポテンシャルの作用により、現像スリーブ上のKトナーが感光体2Kの静電潜像に選択的に転移して、静電潜像をKトナー像に現像する。
図5におけるY,M,C用の画像形成ユニットY,M,Cにおいても、K用の画像形成ユニット1Kと同様にして、感光体2Y,M,C上にY,M,Cトナー像が形成される。また、T用の画像形成ユニット1Tにおいては、K用の画像形成ユニット1Kと同様にして、感光体2T上に透明トナー層が形成される。この透明トナー層については、後に詳述する。
画像形成ユニット1T,Y,M,C,Kの上方には、潜像書込手段たる光書込ユニット80が配設されている。この光書込ユニットは、パーソナルコンピュータ等の外部機器から送られてくる画像情報に基づいてレーザーダイオードから発したレーザー光により、感光体2T,Y,M,C,Kを光走査する。この光走査により、感光体2T,Y,M,C,K上にT,Y,M,C,K用の静電潜像が形成される。例えば、K用の感光体2Kの一様帯電した表面の全域のうち、レーザー光が照射された箇所は、電位を減衰せしめる。これにより、レーザー照射箇所の電位が、それ以外の箇所(地肌部)の電位よりも小さい静電潜像となる。
なお、光書込ユニット80は、光源から発したレーザー光Lを、図示しないポリゴンモータによって回転駆動したポリゴンミラーで主走査方向に偏光せしめながら、複数の光学レンズやミラーを介して感光体に照射するものである。LEDアレイの複数のLEDから発したLED光によって光書込を行うものを採用してもよい。
画像形成ユニット1T,Y,M,C,Kの下方には、無端状の中間転写ベルト21を張架しながら図中反時計回り方向に無端移動せしめる転写装置としての転写ユニット20が配設されている。転写ユニット20は、像担持体たる中間転写ベルト21の他に、駆動ローラ22、従動ローラ23、2次転写対向ローラ24、5つの1次転写ローラ25T,Y,M,C,K、ニップ形成部材たる2次転写ローラ26などを有している。また、図示しないベルトクリーニング装置なども有している。
中間転写ベルト21は、そのループ内側に配設された駆動ローラ22、従動ローラ23、2次転写対向ローラ24、及び5つの1次転写ローラ25T,Y,M,C,Kなどによって張架されている。そして、図示しない駆動手段によって図中時計回り方向に回転駆動される駆動ローラ22の回転力により、同方向に無端移動せしめられる。
中間転写ベルト21としては、次のような特性を有するものを用いている。即ち、厚みは20[μm]〜200[μm]、好ましくは60[μm]程度である。また、体積抵抗率は1e6[Ωcm]〜1e12[Ωcm]、好ましくは約1e9[Ωcm]程度である(三菱化学製ハイレスタ−UP MCP HT45にて、印加電圧100Vの条件で測定)。また、材料は、カーボン分散ポリイミド樹脂からなる。
5つの1次転写ローラ25T,Y,M,C,Kは、無端移動せしめられる中間転写ベルト21を感光体2T,Y,M,C,Kとの間に挟み込んでいる。これにより、中間転写ベルト21のおもて面と、感光体2T,Y,M,C,Kとが当接するT,Y,M,C,K用の1次転写ニップが形成されている。1次転写ローラ25T,Y,M,C,Kには、それぞれ図示しない1次転写電源により、トナーの帯電極性とは逆極性の1次転写バイアスが印加される。これにより、感光体2T上の透明トナー層と、T用の1次転写ローラ25Tとの間に1次転写電界が形成される。また、Y,M,C,K上のY,M,C,Kトナー像と、1次転写ローラ25Y,M,C,Kとの間にも1次転写電界が形成される。
T用の感光体2T表面に形成された透明トナー層は、感光体2Tの回転に伴ってT用の1次転写ニップに進入する。そして、転写電界やニップ圧の作用により、感光体2T上から中間転写ベルト21上に1次転写される。このようにして透明トナー層が1次転写せしめられた中間転写ベルト21は、その後、Y,M,C,K用の1次転写ニップを順次通過する。そして、感光体2Y,M,C,K上のY,M,C,Kトナー像が順次重ね合わせて1次転写される。この重ね合わせの1次転写により、中間転写ベルト21上には重ね合わせトナー像が形成される。
1次転写ローラ25T,Y,M,C,Kは、金属製の芯金と、これの表面上に固定された導電性のスポンジ層とを具備している弾性ローラからなり、次のような特性を有している。即ち、外形は16[mm]である。また、心金の径は10[mm]である。また、スポンジ層の抵抗Rは、約3e7[Ω]である。この抵抗Rは、接地された外径30[mm]の金属ローラを10[N]の力でスポンジ層に押し当てた状態で、1次転写ローラ心金に1000[V]の電圧を印加したときに流れる電流Iから、オームの法則(R=V/I)に基づいて算出したものである。このような1次転写ローラ25T,Y,M,C,Kに対して、それぞれ図示しない1次転写電源から定電流制御で出力される1次転写バイアスが印加される。1次転写ローラ35T、Y,M,C,Kに代えて、転写チャージャーや転写ブラシなどを採用してもよい。
転写ユニット20の2次転写ローラ26は、中間転写ベルト21のループ外側に配設されており、ループ内側の2次転写対向ローラ24との間に中間転写ベルト21を挟み込んでいる。これにより、中間転写ベルト21のおもて面と、ニップ形成部材たる2次転写ローラ26とが当接する2次転写ニップが形成されている。2次転写ローラ26は接地されているのに対し、2次転写対向ローラ24には、2次転写電源82によって2次転写バイアスが印加される。これにより、2次転写対向ローラ24と2次転写ローラ26との間に、マイナス極性のトナーを2次転写対向ローラ24側から2次転写ローラ26側に向けて静電移動させる2次転写電界が形成される。
本プリンタは、図示しない給紙カセットを備えている。この給紙カセット内には、記録シートとしての記録シートが複数枚重ねられた紙束の状態で収容されており、一番上の記録シートには、給紙ローラが当接している。給紙ローラが図示しない駆動手段によって回転駆動すると、給紙カセット内の一番上の記録シートが、給紙路に向けて送り出される。
給紙路の末端には、レジストローラ対32が配設されている。レジストローラ対32は、記録シートをローラ間に挟み込むとすぐに、両ローラの回転を一旦停止させる。そして、記録シートを中間転写ベルト21上の重ね合わせトナー像に同期させ得るタイミングで2次転写ニップに向けて送り出す。中間転写ベルト21上の重ね合わせトナー像は、2次転写バイアスやニップ圧の作用により、2次転写ニップ内で記録シートPに一括して2次転写される。このようにして表面に重ね合わせトナー像が形成された記録シートは、2次転写ニップを通過すると、2次転写ローラ26や中間転写ベルト21から曲率分離する。
2次転写対向ローラ24は、次のような特性を有している。即ち、外径は約24[mm]である。また、芯金の径は約16[mm]である。芯金の表面には、導電性のNBR系ゴム層が被覆されており、その抵抗Rは1e6[Ω]〜1e12[Ω]、好ましくは約4e7[Ω]である。抵抗Rは、1次転写ローラと同様の方法によって測定された値である。
また、2次転写ローラ26は、次のような特性を有している。即ち、外径は約24[mm]である。また、芯金の径は約14[mm]である。芯金の表面には、導電性のNBR系ゴム層が被覆されており、その抵抗Rは1e6[Ω]以下である。抵抗Rは、1次転写ローラと同様の方法によって測定された値である。
2次転写電源82は、直流電源と交流電源とを有しており、2次転写バイアスとして、直流電圧に交流電圧を重畳せしめたものを出力することができる。2次転写電源82の出力端子は、2次転写対向ローラ24の芯金に接続されている。2次転写対向ローラ24の芯金の電位は、2次転写電源82からの出力電圧値とほぼ同じ値になる。また、2次転写ローラ26については、その芯金を接地(アース接続)している。
なお、2次転写電源82、2次転写対向ローラ24の芯金、2次転写ローラ26の芯金などは、転写ニップたる2次転写ニップに転写電界を形成する転写電界形成手段として機能している。
また、重畳バイアスを2次転写対向ローラ24の芯金に印加しつつ、2次転写ローラ26の芯金を接地する代わりに、重畳バイアスを2次転写ローラ26の芯金に印加しつつ、2次転写対向ローラ24の芯金を接地してもよい。この場合、直流電圧の極性を異ならせる。
具体的には、図示のように、マイナス極性のトナーを用い且つ2次転写ローラ26を接地した条件で、2次転写対向ローラ24に重畳バイアスを印加したとする。この場合には、直流電圧としてトナーと同じマイナス極性のものを用いて、重畳バイアスの時間平均の電位をトナーと同じマイナス極性にする。これに対し、2次転写対向ローラ24を接地し、且つ重畳バイアスを2次転写ローラ26に印加する場合には、直流電圧としてトナーとは逆のプラス極性のものを用いて、重畳バイアスの時間平均の電位をトナーとは逆のプラス極性にする。重畳バイアスを2次転写対向ローラ24や2次転写ローラ26に印加する代わりに、直流電圧を何れか一方のローラに印加するとともに、交流電圧を他方のローラに印加してもよい。交流電圧としては、正弦波状の波形のものを採用しているが、後述するような非正弦波を用いてもよい。
2次転写ニップを通過した後の中間転写ベルト21には、記録シートに転写されなかった転写残トナーが付着している。これは、ベルトクリーニング装置27によってクリーニングされる。なお、ベルトクリーニング装置27は、中間転写ベルト21に当接させているクリーニングブレードによって転写残トナーをベルト表面から掻き落とすものである。
2次転写ニップの出口の近くには、紙搬送ユニット39が配設されている。この紙搬送ユニット39は、無端状の紙搬送ベルト39aを、駆動ローラ39bと従動ローラ39cとによって水平方向に延在する横長の姿勢で張架しながら、駆動ローラ39bの回転駆動に伴って図中反時計回り方向に無端移動させる。2次転写ニップを通過した記録シートは、紙搬送ベルト39aの表面に吸着された状態で、ベルトの移動に伴って図中右側から左側に向けて搬送される。そして、駆動ローラ39bによるベルト掛け回し領域に到達すると、ローラ周面に沿って進むベルトに追従することなく、ベルトから分離されて、定着装置40に受け渡される。
定着装置40内では、記録シートが、ハロゲンランプ等の発熱源を内包する加熱定着ローラ41と、これに向けて押圧される加圧ローラ42との当接による定着ニップに挟み込まれる。そして、定着ニップ内で加圧や加熱によるトナー像の定着処理が施される。このとき、加熱定着ローラ41の表面温度である定着温度が概ね165[℃]で一定になるように、前記発熱源への電源供給がオンオフ制御される。定着装置40によってトナー像が定着せしめられた記録シートは、図示しない排出ローラ対を経由して機外へと排出される。
定着装置40から排出された記録シートについては、そのまま排紙ローラ対に送る場合と、排紙ローラ対に送らずに、再送装置50に送る場合とがある。具体的には、記録シートの第1面だけに画像を形成する片面モードのプリントジョブを実施する際には、定着装置40から排出された記録シートを例外なく排紙ローラ対に送る。これに対し、記録シートの両面に画像を形成する両面モードのプリントジョブを実施する際において、定着装置40から排出された記録シートが第1面だけにトナー像を担持するものである場合には、それを排紙ローラ対に送らずに、再送装置50に送る。但し、両面モードであっても、定着装置40から排出された記録シートが両面にトナー像を担持するものである場合には、それを排紙ローラ対に送る。定着装置40を通過した後の記録シートを排紙ローラ対に送るのか、再送装置50に送るのかの切り換えは、図示しない切り換え爪による記録シート搬送先の切り換えによって行われる。
再送装置50は、定着装置40から送られてくる記録シートをスイッチバック路51でスイッチバック搬送することで、その上下を反転させる。その後、記録シートを再送路52に送る。再送路52を通過した記録シートは、図示しない給紙カセットから2次転写ニップに搬送するための給紙路の途中に送り込まれる。これにより、記録シートは、上下を反転させた状態で、2次転写ニップに再送される。
定着装置40内から排出された記録シートは、片面プリントの場合や、両面プリントにおける両面転写後の場合には、図示されないフィニッシャによって画像面が下向きになるような形で排紙トレイに排出される。フィニッシャによって画像面を下向きにするのは、セキュリティやプライバシに対する配慮からである。
モノクロ画像を形成する場合には、転写ユニット20におけるY,M,C用の1次転写ローラ25Y,M,Cを支持している図示しない支持板を移動せしめて、1次転写ローラ25Y,M,C,Kを、感光体2Y,M,Cから遠ざける。これにより、中間転写ベルト21のおもて面を感光体2Y,M,Cから引き離して、中間転写ベルト21をT用の感光体2T及びK用の感光体2Kだけに当接させる。この状態で、5つの画像形成ユニット1T,Y,M,C,Kのうち、T用の画像形成ユニット1T及びK用の画像形成ユニット1Kだけを駆動する。
次に、本発明者らが行った実験について説明する。
本発明者らは、5つの画像形成ユニット1T,Y,M,C,Kのうち、4つの画像形成ユニット1Y,M,C,Kだけを備える点の他は、実施形態に係るプリンタと同様の構成のプリンタ試験機を用意した。このプリンタ試験機における2次転写電源82としては、次のようなものを用いた。即ち、直流電圧のみならず、様々な波形の繰り返しパルスも出力可能とするように、トレック社製交直両用アンプリファイア(10/40a)、とエヌエフ回路ブロック社製任意波形発生装置(WF1974)110Bとを組み合わせたものを用いた。
実験においては、現像剤として、平均粒径が6.8[μm]である一般的な不定形トナー粒子(ポリエステル系)からなるマイナス帯電性のトナーと、平均粒径が55[μm]であるキャリア粒子からなるキャリアとを混合したものを使用した。また、記録シートとしては、特殊製紙株式会社製の「レザック66」260kg紙(凹凸差の最大値が約150μm)を使用した。感光体2K,C,M,Yや、中間転写ベルト21の線速であるプロセス線速については、282[mm/s]に設定した。
[第1プリントテスト]
2次転写バイアスとして、直流電圧だけからなるものを2次転写裏面ローラ33に印加しながら、黒ベタ画像を出力した。マイナス極性の直流電圧の値(絶対値)を徐々に大きくしていきながら、それぞれの電圧値の条件で出力した黒ベタ画像の画像濃度を測定した。すると、直流電圧を大きくしていくに従って画像濃度も増加した。画像濃度は、直流電圧−2500[V]まで上げた時点で最大になった。このようにして直流電圧を徐々に上げていく過程で、直流電圧を大きくし過ぎると、2次転写ニップ内で激しい放電が発生して画像が得られなくなった。また、得られた黒ベタ画像は、何れもシート表面の凸部は黒く視認できるものの、凹部には殆どトナーが付着していなかった。つまり、シート表面の凹部において著しい画像濃度不足が認められた。
[第2プリントテスト]
次に、2次転写バイアスとして、図2に示されるような正弦波状の波形が得られる重畳バイアスからなるものを2次転写バイアス電源から出力しながら、黒ベタ画像を形成した。重畳バイアスの直流成分であるオフセット電圧Voffについては、−2000[V]に設定した。また、交流成分の周波数については、500[Hz]に設定した。また、ピークツウピーク電圧Vppについては、1000、2000、3000、4000[V]の4通りを採用した。何れの場合においても、オフセット電圧Voffが−2000[V]であることから、転写バイアスの1周期内において、極性がプラスになることはない。転写バイアスの値は、マイナス極性の値であるか、あるいは0になる。このような2次転写バイアスでは、2次転写ニップのトナー粒子に対して、ベルト側からシート表面側に向かう静電気力のみを付与し、シート表面側からベルト側に向かう静電気力を付与することはない。
それぞれのピークツウピーク電圧Vppの条件で黒ベタ画像を出力したが、何れにおいても、シート表面の凹部における画像濃度不足はほとんど改善されなかった。
[第3プリントテスト]
2次転写バイアスの波形や周波数については、第2プリントテストと同様に設定した。オフセット電圧Voffについては、第2プリントテストよりも小さい−1000[V]に設定した。また、ピークツウピーク電圧については、3000、4000、5000、6000、7000、8000、9000、10000[V]の8通りを採用した。何れの場合においても、ピーク値の絶対値よりもオフセット電圧Voffの絶対値(1000)が小さいことから、1周期内において、2次転写バイアスの値がマイナス極性とプラス極性とで切り替わる。よって、1周期内において、2次転写ニップのトナー粒子に対して、ベルト側からシート表面側に向かう静電気力と、シート表面側からベルト側に向かう静電気力との両方を切り替えて付与することになる。1周期内における平均電位は、オフセット電圧Voffと同じ−1000になり、これはマイナス極性の値であることから、1周期全体としては、トナーに対して、ベルト側からシート表面側に向かう静電気力を付与する。これにより、トナー粒子がベルト表面からシート表面に転移する。
それぞれのピークツウピーク電圧の条件で黒ベタ画像を出力したところ、ピークツウピーク電圧Vppを5000[V]以下に設定した条件では、シート表面の凹部が画像濃度不足となった。これに対し、ピークツウピーク電圧Vppを6000、7000[V]に設定した条件では、シート表面の凹部において十分な画像濃度が得られた。但し、ピークツウピーク電圧Vppを8000、9000、10000[V]に設定した条件では、凹部内で十分な画像濃度が得られるものの、2次転写ニップ内で局所的な放電を発生させることに起因する白点(局所放電痕)を発生させてしまった。
図2において、Vrは、2次転写ニップ内でシート表面の凹部内のトナー粒子を凹部内からベルト表面に逆戻りさせる方向の電界が形成されているときの2次転写バイアスのピーク値である戻しピーク値を示している。また、Vtは、2次転写ニップ内でシート表面の凹部内のトナー粒子をベルト表面側からシート表面の凹部に向けて送る方向の電界が形成されているときの2次転写バイアスのピーク値である送りピーク値を示している。シート表面の凹部で画像濃度不足を引き起こしたピークツウピーク電圧Vpp=5000[V]という条件では、戻しピーク値Vr=1500[V]、送りピーク値Vt=−3500[V]になる。そして、シート表面の凸部では十分な画像濃度が得られていることから、−3500[V]という送りピーク値Vtであっても、トナー粒子をベルト側からシート側に移動させる電界の強度は十分であることになる。
一方、シート表面の凹部で十分な画像濃度が得られたピークツウピーク電圧Vpp=6000[V]という条件では、戻しピーク値Vr=2000[V]、送りピーク値Vt=−4000[V]になる。Vpp=5000[V]の場合と比較すると、戻しピーク値Vrが500[V]だけプラス側にシフトし、且つ送りピーク値Vtが500[V]だけマイナス側にシフトしている。2つのシフトのうち、少なくとも何れか一方が、凹部濃度再現性に有利に働いたことになる。
先の第2プリントテストに着目すると、ピークツウピーク電圧Vppを4000[V]に設定した条件では、送りピーク値Vtを−4000[V]にしている。この条件でもシート表面の凹部で十分な画像濃度が得られなかった。このため、第3プリントテストにおいて、戻しピーク値Vrが1500[V]から2000[V]に500[V]だけプラス側にシフトしたことが、凹部で十分な画像濃度が得られた原因になっていることになる。つまり、シート表面の凹部で十分な画像濃度を得るためには、戻しピーク値Vrをある程度大きくしなければならないことがわかった。
[転写実験]
本発明者らは、特殊な転写実験装置を作製した。図7は、この転写実験装置を示す概略構成図である。同図において、転写実験装置は、透明基板210、現像装置231、Zステージ220、照明241、顕微鏡242、高速度カメラ243、パーソナルコンピュータ244などを備えている。透明基板210は、ガラス板211と、これの下面に形成されたITO(Indium Tin Oxide)からなる透明電極212と、透明電極212の上に被覆された透明材料からなる透明絶縁層213とを具備している。この透明基板210は、図示しない基板支持手段によって所定の高さ位置で支持されている。この基板支持手段は、図示しない移動機構によって図中上下左右方向に移動することが可能である。図示の例では、透明基板210が金属版215を載置したZステージ220の上に位置しているが、基板支持手段の移動により、Zステージ220の側方に配設された現像装置231の真上に移動することも可能である。なお、透明基板212の透明電極212は、基板支持手段に固定された電極に接続され、この電極は接地されている。
現像装置231は、実施形態に係るプリンタの現像装置と同様の構成になっており、スクリュウ部材232、現像ロール233、ドクターブレード234などを有している。現像ロール233は、電源235によって現像バイアスが印加された状態で回転駆動される。
透明基板210が基板支持手段の移動により、現像装置231の真上で且つ現像ロール233に対して所定のギャップを介して対向する位置まで所定の速度で移動せしめられると、現像ロール233上のトナーが透明基板210の透明電極212上に転移する。これにより、透明基板210の透明電極212上には所定の厚みのトナー層216が形成される。トナー層216に対する単位面積あたりのトナー付着量は、現像剤のトナー濃度、トナーの帯電量、現像バイアス値、基板210と現像ロール233とのギャップ、透明基板210の移動速度、現像ロール233の回転速度などによって調整することができる。
トナー層216が形成された透明基板210は、平面状の金属板215上に導電性接着剤で貼り付された記録シート214との対向位置まで平行移動せしめられる。金属板215は、加重センサが設けられた基板221上に設置され、基板221はZステージ220上に設置されている。また、金属板215は、電圧増幅器217に接続されている。電圧増幅器217には、波形発生装置218によって直流電圧及び交番電圧からなる転写バイアスが入力され、金属板215には電圧増幅器217によって増幅された転写バイアスが印加される。Zステージ220を駆動制御して金属板215を上昇させると、記録シート214がトナー層216と接触し始める。金属板215を更に上昇させると、トナー層216に対する圧力が増加するが、加重センサからの出力が所定の値になるように金属板215の上昇を停止させる。圧力を所定値にした状態で、金属板215に転写バイアスを印加してトナーの挙動を観察する。観察後は、Zステージ220を駆動制御して金属板215を下降させて、記録シート214を透明基板210から離間させる。すると、トナー層216は記録シート214上に転写されている。
トナーの挙動の観察については、基板210の上方に配設されている顕微鏡242及び高速度カメラ243を用いて行う。基板210は、ガラス板211、透明電極212、及び透明絶縁層213という各層が全て透明材料からなるので、透明電極210の上方から、透明基板210を介して、透明基板210の下側にあるトナーの挙動を観察することができる。
顕微鏡242としては、キーエンス社製のズームレンズVH−Z75からなるものを用いた。また、高速度カメラ243としては、フォトロン社製のFASTCAM−MAX 120KCを用いた。フォトロン社FASTCAM−MAX 120KCは、パーソナルコンピュータ244によって駆動制御される。顕微鏡242及び高速度カメラ243は、図示しないカメラ支持手段によって支持されている。このカメラ支持手段は、顕微鏡242の焦点を調整できるように構成されている。
トナーの挙動については、次のようにして撮影する。即ち、まず、照明241によってトナーの挙動の観察位置に照明光を照射して、顕微鏡242の焦点を調整する。次に、金属板215に転写バイアスを印加して、透明基板210の下面に付着しているトナー層216のトナーを、記録シート214に向けて移動させる。このときのトナーの挙動を、高速度カメラ243で撮影する。
図7に示される転写実験装置と、実施形態に係るプリンタとでは、トナーを記録シートに転写する転写ニップの構造が異なるため、転写バイアスが同じであっても、トナーに作用する転写電界は異なる。適切な観察条件を調べるために、転写実験装置でも、シート表面の凹部で十分な画像濃度が得られる転写バイアス条件を調べてみた。トナーとしては、平均粒径6.8[μm]のYトナーで、Kトナーを少量混入したものを用いた。記録シート214としては、特殊製紙株式会社製のレザック66(商品名) 260kg紙(四六版連量)を使用した。
転写実験装置では、記録シート214の裏面に当接している金属板215に対して転写バイアスを印加しているため、トナー粒子をシート表面に転移させるバイアス極性が、実施形態に係るプリンタとは逆のプラス極性になる。
転写バイアスの直流成分であるオフセット電圧Voffを200[V]に設定した。また、正弦波状の波形の交流成分における周波数を500[Hz]に設定した。交流成分のピークツウピーク電圧Vppを、400〜2600[V]の範囲において、200[V]ずつシフトさせた。それぞれのピークツウピーク電圧Vppの条件で、トナー付着量=0.4〜0.5[mg/cm]のベタ画像を記録シート214に転写した。すると、ピークツウピーク電圧Vppを1000[V]未満に設定した条件では、シート表面の凹部において画像濃度不足が生じた。これに対し、ピークツウピーク電圧Vppを1000〜2200[V]に設定した条件では、シート表面の凹部で十分な画像濃度が得られた。また、ピークツウピーク電圧を2400[V]以上に設定した条件では、局所放電による白点が発生してしまった。
シート表面の凹部で十分な画像濃度が得られ、且つ白点が発生しないピークツウピーク電圧Vpp=1600[V]の条件において、顕微鏡242の焦点をガラス基板211上のトナーに合わせ、記録シート214の表面の凹部におけるトナーの挙動を観察した。すると、図1に示されるように、交流成分の1周期目において、交番電界がトナー粒子を透明基板210側から記録シート214側に静電移動させる向きになると、トナー層216からシート表面の凹部に少量のトナー粒子が転移した。
次に、交番電界がシート表面の凹部内のトナー粒子を透明基板210側に逆戻りさせる向きになると、図3に示されるように、凹部内のトナー粒子が透明基板210上のトナー層216にぶつかる。その後、交流成分の2周期目において、交番電界がトナー粒子を透明基板210側から記録シート214側に静電移動させる向きになると、図4に示されるように、1周目よりも多くのトナー粒子がトナー層216からシート表面の凹部内に転移する。同様にして、トナー粒子の往復移動が繰り返される毎にシート表面の凹部内に転移するトナー粒子の量が増加していく。
ピークツウピーク電圧Vppを1600[V]よりも大きな値に設定した条件についても、トナーの挙動を同様にして観察した。すると、同様にして、トナー粒子がシート表面の凹部内とトナー層216との間で往復移動を繰り返す毎に、凹部内に転移するトナー粒子が増加していく現象が確認された。白点が発生するほどピークツウピーク電圧Vppを大きくした条件でも同様であった。これに対し、ピークツウピーク電圧Vppを1000[V]未満に設定した条件では、シート表面の凹部とトナー層216との間でのトナー粒子の往復移動が観察されなかった。
このことから、シート表面の凹部とトナー層216との間でトナー粒子を往復移動させることが、凹部で十分な画像濃度を得るための条件になっていることがわかった。往復移動を繰り返す毎に、凹部内に転移するトナー粒子の数が増加するのは、次に説明する理由によるものと考えられる。即ち、まず、トナー層216からシート表面の凹部に少量のトナー粒子が転移する。その後、交番電界の向きの反転により、凹部内のトナー粒子がトナー層216上に戻り、トナー層216中のトナー粒子に対して衝突やファンデルワールス力や静電気力を変化させる作用を及ぼす。これにより、そのトナー粒子をトナー層216中に拘束する力が弱まる。その後、交番電界の向きが更に反転したときに、拘束力の低下したトナーがトナー層216中から離脱してシート表面の凹部内に転移する。その後、交番電界の向きが更に反転すると、先の周期よりも多くのトナー粒子が凹部内からトナー層216に逆戻りする。そして、それぞれがトナー層216中のトナー粒子に対してトナー層216中に拘束する力を弱めるため、その後に交番電界が更に反転すると、更に多くのトナー粒子がトナー層216中からシート表面の凹部に転移する。このように、シート表面の凹部とトナー層216との間をトナー粒子が往復移動する毎に、凹部内に転写するトナー粒子の数が増えていく。実機においても、同様の原理で、ベルト表面とシート表面の凹部との間でトナー粒子が往復移動する毎に、凹部内に転移するトナー粒子の数が増加していると考えられる。
このようにしてシート表面の凹部で十分な画像濃度を得るためには、シート表面の凹部内に転移したトナー粒子をトナー層216に戻す必要がある。そして、そのためには、戻しピーク値Vrをある程度大きな値にしなければならない。第3プリントテストにおいて、戻しピーク値Vrを1500[V]以下に設定した条件では、シート表面の凹部内のトナー粒子をベルト表面のトナー層に戻すことができていなかったのである。
これに対し、第3プリントテストにおいて、ピークツウピーク電圧Vppを8000[V]以上に設定した場合、即ち、送りピーク値Vtの絶対値を5000[V]以上に設定した場合には、シート表面の凹部内に十分量のトナー粒子を転移させない。その代わりに、2次転写裏面ローラ33とニップ形成ローラ36との間で5000[V]以上という高い電位差を発生させたことで、シート表面とベルト表面との間で局所放電を引き起こして白点を発生させてしまったのである。
[第4プリントテスト]
2次転写バイアスとして直流電圧だけからなるものを採用した第1プリントテストでは、次のような現象が認められた。即ち、マイナス極性の直流電圧の絶対値を徐々に大きくしていく過程で、絶対値を2000まで大きくした時点で(直流電圧=−2000V)、シート表面の凸部の画像濃度が許容レベルまで上昇した。これは、シート表面の凸部で十分な画像濃度を得るためには、直流電圧の絶対値を2000[V]以上にする必要があったことを意味する。これに対し、2次転写バイアスとして重畳バイアスを採用した第3プリントテストでは、次のような現象が認められた。即ち、直流成分であるオフセット電圧Voffの絶対値を2000[V]の半分である1000[V](Voff=−1000V)にした条件であっても、シート表面の凸部で十分な画像濃度が得られた。これは、シート表面の凸部においても、トナー粒子の往復移動に伴ってトナー層から凸部に転移するトナー粒子の数が増加していくからだと考えられる。
重畳バイアスを採用した場合に、凸部で十分な画像濃度が得られる最小限のオフセット電位Voffの値を調べるために、第4プリントテストでは、ピークツウピーク電圧Vppを一定にした条件で、オフセット電圧Voffを変化させた。具体的には、ピークツウピーク電圧Vppを7000[V]に設定した。また、オフセット電圧Voffを、0〜−2000[V]の範囲で−250[V]ずつ変化させた。それぞれのオフセット電圧Voffの条件で、黒ベタ画像を出力してシート表面の凸部の画像濃度を測定した。
すると、オフセット電圧Voffを0〜−750[V]に設定した条件では、シート表面の凸部で十分な画像濃度が得られなかった。また、オフセット電圧Voffを−1000〜−1500[V]に設定した条件では、シート表面の凸部で十分な画像濃度が得られた。また、オフセット電圧Voffを−1500〜−2000[V]に設定した条件でも、シート表面の凸部で十分な画像濃度が得られた。但し、シート表面の凹部では十分な画像濃度が得られなかった。戻しピーク値Vrが小さくなったことから、トナー粒子をシート表面の凹部とベルト上のトナー層との間で往復移動させることができなくなったせいだと考えられる。より詳しくは、ピークツウピーク電圧Vpp=7000[V]で、オフセット電圧Voffを−1500[V]から−2000[V]にすると、戻しピーク値Vrが2000[V]から1500[V]に減少する。これにより、トナー粒子の往復移動が発生しなくなったのである。
以上の実験から、シート表面の凸部及び凹部の両方で十分な画像濃度を得つつ、白点の発生を抑えるためには、次に列記する条件を具備させる必要があることがわかった。
(1)シート表面の凸部で十分な画像濃度を得るために、オフセット電圧Voffの絶対値をある程度大きくする。
(2)シート表面の凹部で十分な画像濃度を得るために、戻しピーク値Vrの絶対値をある程度大きくする。
(3)送りピーク値Vtの絶対値を、白点を発生させない程度の小さな値にする。
[第5プリントテスト]
これまで説明してきた第1プリントテスト〜第4プリントテストは、中温中湿環境(温度23℃、湿度50%)で行ったが、第5プリントテストは、低温低湿環境(温度10℃、湿度15%)で行った。第4プリントテストと同様に、シート表面の凸部で十分な画像濃度が得られるオフセット電圧Voffを調べた。具体的には、ピークツウピーク電圧Vppを7000Vに設定した。また、オフセット電圧Voffを、0〜−6000[V]の範囲で、−500[V]ずつ変化させ、それぞれの条件で黒ベタ画像を出力してその画像濃度を測定した。
すると、オフセット電圧Voffを0〜−4500[V]に設定した条件では、シート表面の凸部で十分な画像濃度が得られなかった。また、オフセット電圧Voffを−5000〜−7000[V]に設定した条件では、シート表面の凸部で十分な画像濃度が得られたが、シート表面の凹部の画像濃度が不足し、且つ白点が発生した。
次に、オフセット電圧Voffをシート表面の凸部で十分な画像濃度が得られた値のうちの最小値である−5000[V]に設定した。そして、ピークツウピーク電圧Vppを7000〜15000[V]の範囲で、1000[V]ずつ変化させ、それぞれの条件で黒ベタ画像を出力し、その画像濃度を調べた。すると、ピークツウピーク電圧Vppを14000[V]以上にした条件で、シート表面の凹部で十分な画像濃度が得られたが、白点が発生してしまった。つまり、低温低湿環境下では、図2に示されるような正弦波状の2次転写バイアスを採用しても、凹部濃度再現性と白点抑制性とを両立させることができないのである。これは、正弦波状の2次転写バイアスでは、低温低湿環境下において、シート表面の凸部や凹部でそれぞれ十分な画像濃度を得るために上記(1)及び(2)の条件を具備させると、上記(3)の条件を具備させることができなくなることを意味している。
[第6プリントテスト]
そこで、本発明者らは、2次転写バイアスとして、図8のような矩形波を採用してみた。この矩形波は、立ち上がり矩形パルスと、これの立ち上がり量と同じ立ち下がり量で立ち下がる立ち下がり矩形パルスとからなる交流成分に対して、直流成分であるオフセット電圧Voffを重畳することによって得られたものである。立ち上がり及び立ち下がりの組み合わせからなる1周期における立ち下がり矩形パルスのデューティ比が50[%]を超えていることから、50[%]の場合とは異なり、オフセット電圧Voffは、1周期における平均電位にはならない。平均電位Vaveは、オフセット電圧Voffよりも、マイナス極性側にシフトしている。デューティ比が50[%]を超える立ち下がり矩形パルスの極性がマイナス極性だからである。
トナー粒子をシート表面からベルト表面に戻す立ち上がり矩形パルスの出現時間である戻し時間Trが、1周期Tに対して占める割合(戻し比率[%])が小さくなるほど、平均電位Vaveの絶対値が大きくなる。このような矩形波では、戻しピーク値Vrや送りピーク値Vtを変化させることなく、送り時間Ttと戻し時間Trとの比率の調整により、ベルト表面からシート表面へのトナー粒子の転写性を変化させることができる。このような特性の波形としては、図5に示される矩形波に限らず、様々な波形がある。例えば、三角波や台形波などでも、送り時間Ttと戻し時間Trとの比率の調整により、ベルト表面からシート表面へのトナー粒子の転写性を変化させることができる。なお、同転写性は、厳密には、送り時間Ttと戻し時間Trとの比率よりも、0[V]を境にしたプラス側波形箇所の面積と、マイナス側波形箇所の面積との比率に対して良好な相関を示す。
低温低湿環境下(10℃15%)において、プリンタ試験機のプロセス線速を173[mm/s]に設定した。また、交流の周波数を500[Hz]に設定した。記録シートとしては、特殊製紙株式会社製の「レザック66」175Kg紙(凹凸差の最大値が約100μm)を使用した。マゼンタベタ画像とシアンベタ画像を重ね合わせた青ベタ画像を、次のようにして出力した。即ち、オフセット電圧Voff、ピークツウピーク電圧Vpp、及び平均電位Vaveの組み合わせを様々に変化させながら、それぞれの条件でマゼンタベタ画像とシアンベタ画像を重ね合わせた。そして、青ベタ画像の凸部の画像濃度、凹部の画像濃度、及び白点を、○:問題ない、△:やや問題がある、×:問題があるの3段階で評価した。
2次転写バイアスとして、正弦波からなるものを採用した場合と、図8に示される矩形波からなるものを採用した場合とで、前述のような評価をそれぞれ行った。正弦波を採用した場合の評価結果を、図9に示す。また、矩形波を採用した場合の評価結果を、図10に示す。なお、これらの図における電圧の単位は[kV]である。また、矩形波としては、戻し時間比を40[%]に設定したものを用いた。
図9に示されるように、低温低湿環境下において、正弦波からなる2次転写バイアスを採用した場合には、次のような条件を満たすピークツウピーク電圧Vppと平均電位Vaveとの組み合わせが、ごく僅かな組み合わせに限られてしまう。即ち、凸部及び凹部の両方で十分な画像濃度が得られ、且つ、白点を許容範囲に留め得るという条件である。
これに対し、図8の矩形波からなる2次転写バイアスを採用した場合には、図10に示されるように、凸部及び凹部の両方で十分な画像濃度が得られ、且つ白点を許容範囲に留め得る、ピークツウピーク電圧Vppと平均電位Vaveとの組み合わせが、非常に多くなる。このように、低温低湿環境下であっても、図8の矩形波を用いれば、凸部及び凹部の両方で十分な画像濃度を得つつ、白点の発生を抑えることができる。
しかし、この交番電圧によって、ベタ画像ではなく線や文字等を含んだ画像を凹凸のある記録用紙に転写したところ、図11に示されるように凹部で線や文字がにじんでしまう現象が見られた。そこで、凹部で画像がにじんでしまう現象のメカニズムを明らかにするために、転写モデル実験装置を用いてトナー挙動を観察した。
透明基板210の透明電極212として、幅100[μm]のライン画像部電極と、ライン画像部電極の周囲に幅1mmの非画像部電極とを設けた電極パターンを用いた。そして、ライン画像部電極を接地した。また、非画像部電極に直流電源を接続して非画像部電極を一定の非画像部電位にした。そして、透明基板210の表面上にライントナー像を形成した。
次に、表面に導電性接着剤で貼り付けられた記録シート214を搭載している平面状の金属板215が搭載されたステージを上昇させ、加重センサからの出力を所定の値にするようにZステージ220を制御した。この状態で、非画像部電極の電位をライン画像部電極とを同じ電位にした。現像の際には、非画像部電極の電位を一定の値に設定する必要があるが、この実験では中間転写ベルト21からのトナー像の転写を想定しているので、ライン画像部電極と非画像部電極とを同電位にした。
先の実験で判明している凹部濃度再現性に適した条件の2次転写バイアスを金属板215に印加して、記録シート214表面の凹部でのトナー挙動を観察した。なお、2次転写バイアスについては、次の条件を具備するものを採用した。即ち、交流成分波形=正弦波、周波数=500[Hz]、直流電圧であるオフセット電圧Voff=200[V]、交流電圧のピークツウピーク値Vpp=1600[V]という条件である。
この条件で、トナーの挙動を観察したところ、ベタ画像での挙動と同様に、トナー粒子の往復移動回数が増加する毎に、往復移動するトナー粒子の数が増加した。但し、往復移動するトナー粒子の増加とともに、往復移動に伴ってライン画像部電極の上から非画像部電極の上に拡散するトナー粒子の数も増加した。トナー粒子が往復移動する際には、互いに同じ極性に帯電しているトナー粒子間の静電反発力によってトナー粒子同士にはシート面に沿った方向の力も作用する。この力により、往復移動している最中のトナー粒子が、往復方向だけでなく、シート面方向にも動いてしまい、画像部周囲の非画像部に拡散して文字画像や線画像のエッジのぼやけを発生させていると考えられる。
本発明者らは、トナー粒子同士に働く静電反発力に着目した。シート面上の画像部のみならず、非画像部でもトナー粒子が往復移動していれば、画像部で往復移動しているトナー粒子が非画像部に移動しようとしても、非画像部で往復移動しているトナー粒子によってその移動が阻止されるかもしれないと考えたのである。非画像部に有色トナーが存在していると、非画像部ではなくなってしまうが、透明トナーを用いれば、非画像部の状態を維持したまま、非画像部で多量のトナー粒子を往復移動させることが可能である。
[第7プリントテスト]
そこで、本発明者らは、図5に示される実施形態に係るプリンタと同様に、4つの画像形成ユニット1Y,M,C,Kに加えて、T用の画像形成ユニット1Tを具備するプリンタ試験機を用意した。そして、このプリンタ試験機を用いて、非画像部に透明トナー層を形成した場合と、形成しない場合とで、線画像のエッジのぼやけ度合いを比較した。
まず、2次転写バイアスの交流成分として、正弦波状のものを採用してプリントテストを実施した。各色の現像剤としては、平均粒径が6.8[μm]である一般的な不定形のトナーと、平均粒径が55[μm]である樹脂キャリアとを混合したものを用いた。また、記録シートとしては、「レザック66」の260kg紙を用いた。また、プロセス線速については、282[mm/s]に設定した。この条件では、K用の画像形成ユニット1Kで感光体2K上に文字画像や線画像を含んだ黒トナー像を形成し、それを、中間転写ベルト21を介してレザック66の260kg紙に2次転写した。このとき、2次転写バイアスとして、周波数=500[Hz]、オフセット電圧Voff(直流電圧)=−1000[V]、交流成分のピークツウピーク値Vpp=6000[V]という条件のものを印加した。すると、レザック66の260kg氏の表面凹部の文字画像や線画像において、エッジのぼやけが目立った画像になってしまった。
[第8プリントテスト]
次に、T用の画像形成ユニット1Tにより、感光体2T表面における非画像部のほぼ全域に透明トナー層を形成し、これを、中間転写ベルト21上に1次転写した。また、K用の画像形成ユニット1Kで感光体2K表面にKトナー像を形成し、これを透明トナー層が形成された中間転写ベルト21上に転写した。そして、第7プリントテストと同様の2次転写条件で、中間転写ベルト21上のKトナー像及び透明トナー層をレザック66の260kg紙に2次転写した。すると、レザック66の260kg紙の凹部においても、文字画像や線画像のエッジにぼけが全くない画像が得られた。
[第9プリントテスト]
次に、T用の画像形成ユニット1Tにより、感光体2T表面の非画像部における全域のうち、文字画像や線画像を含むKトナー像の周囲領域にだけに透明トナー層を形成し、これを、中間転写ベルト21上に1次転写した。また、K用の画像形成ユニット1Kで感光体2K表面にKトナー像を形成し、これを透明トナー層が形成された中間転写ベルト21上に転写した。そして、第7プリントテストと同様の2次転写条件で、中間転写ベルト21上のKトナー像及び透明トナー層をレザック66の260kg紙に2次転写した。この場合も第8プリントテストと同様に、レザック66の260kg紙の凹部においても、文字画像や線画像のエッジにぼけが全くない画像が得られた。このように、非画像部の全域のうち、有色トナー画像の周囲のみに透明トナー層を形成すると、特に文字画像や線画像等、画像占有面積率の低い画像の場合は、透明トナー層を非画像部全面に形成する場合に比べて、透明トナーの消費量を低減することができる。
[第10プリントテスト]
次に、2次転写バイアスの交流成分として、図8のような矩形波のものを用いてプリントテストを行った。具体的には、実験室の環境を低温低湿環(10℃15%)に設定した。プリンタ試験機のプロセス線速=173[mm/s]、2次転写バイアスの周波数=500[Hz]に設定した。記録シートとしては、特殊製紙株式会社製の「レザック66」175[kg]紙を用いた。M用の画像形成ユニット1Mで感光体1M上に文字や線を含んだMトナー像を形成し、Mトナー像を中間転写ベルト21上に転写した。また、C用の画像形成ユニット1Cで感光体2C上にMトナー像と同じ形状のCトナー像を形成し、中間転写ベルト21のMトナー像の上にCトナー像を転写して青トナー像を形成した。そして、この青トナー像を2次転写ニップでレザック66の175kg紙に2次転写した。このとき、2次転写バイアスとしては、交流成分の波形=矩形波、周波数=500[Hz]、戻し比率(1周期内でプラス極性になっている割合)=40[%]、平均電位Vave=−5[kV]、交流成分のピークツウピーク値Vpp=12[kV]のものを用いた。すると、レザック66の175kg紙の表面凹部上の文字画像や線画像においてエッジのぼやけの目立つ画像になってしまった。
[第11プリントテスト]
次に、T用の画像形成ユニット1Tにて、中間転写ベルト21上に青トナー像の非画像部に対応する透明トナー層を形成した点の他は、第9プリントテストと同様にして青トナー像をレザック66の175kg紙に形成した。すると、レザック66の175kg紙の凹部においても文字画像や線画像のエッジにぼやけのない良好な画像が得られた。
良好な凹部濃度再現性が得られる条件の範囲内で2次転写バイアスの条件を様々に変更してみたが、何れの条件においても、文字画像や線画像のエッジにぼやけのない良好な画像が得られた。また、中間転写ベルト21上に透明トナー層を形成する順序は各色のうちの最初である必要はなく、有色トナー像を形成した後でも良いこともわかった。このため、T用の画像形成ユニット1Tについては、他の画像形成ユニット1Y,M,C,Kに対して、どのような順序で配設してもよい。
次に、実施形態に係るプリンタの特徴的な構成について説明する。
以上の実験結果に鑑みて、実施形態に係るプリンタにおいては、2次転写電源82として、トナーに対する交番電界を2次転写ニップに形成し得る条件の重畳バイアスからなる2次転写バイアスを出力するものを採用している。かかる構成では、既に何度も説明したように、2次転写ニップ内でトナー粒子を記録シート表面とベルト表面との間で往復移動させることで、記録シートとして表面凹凸に富んだものを用いる場合であっても、シート表面の凹部で十分な画像濃度を得ることができる。
また、実施形態に係るプリンタにおいては、透明トナー層形成手段たるT用の画像形成ユニット1Tを設けている。そして、この画像形成ユニット1Tにより、中間転写ベルト21の表面における全域のうち、次の領域に透明トナー層を形成する。即ち、2次転写ニップを通過した後、再び2次転写ニップに進入する前の領域であって、且つY,M,C,Kトナー像を構成するY,M,C,Kトナーを付着させない領域である。以下、かかる領域を「全領域中の非画像領域」という。
かかる構成において、中間転写ベルト21の表面上で文字画像や線画像を構成しているY,M,C,Kトナー粒子は、2次転写ニップ内で記録シート表面と像担持体表面との間で繰り返し往復移動する。この往復移動に伴って、Y,M,C,Kトナー粒子が文字画像や線画像の真上から周囲の「全領域中の非画像領域」に拡散しようとしても、「全領域中の非画像領域」の真上で往復移動している透明トナー粒子によってその拡散が遮られる。このように、文字画像や線画像を構成しているY,M,C,Kトナー粒子の画像周囲への拡散を画像周囲に存在している透明トナー粒子によって抑えることで、文字画像や線画像のエッジのぼやけを抑えることができる。
少なくとも「全領域中の非画像領域」に透明トナー層を形成する方法としては、全領域に一様に広がるベタの透明トナー層を形成する方法が挙げられる。また、「全領域」の中でも、特に、Y,M,C,Kの各色のトナー像が形成される領域の周囲領域だけに透明トナー層を形成してもよい。このとき、周囲領域に加えて、トナー像が形成される領域にも透明トナー層を形成してもよい。
以上のように、記録シートとして、表面凹凸に富んだものを用いる場合は、表面凹部上の文字画像や線画像においてエッジのぼやけを抑えるために、非画像部に透明トナー層を設けるが、次のようなケースでは、かかるぼやけが生じ難い。即ち、表面凹凸が小さい記録シート、または表面をコートした記録シートを用いるケースである。かかるケースでは、非画像部に透明トナー層を設けなくてもよい。表面凹凸の大きな記録シートを用いる場合には非画像部に透明トナー層を設ける一方で、表面凹凸の大きな記録シートを用いる場合には非画像部に透明トナー層を設けないように制御することにより、透明トナーの消費量を抑制することができる。
透明トナー層の形成の有無については、記録シートの種類に応じて透明トナー層形成の有無を設定した設定情報に基づいて行えばよい。また、画像形成装置内に記録シートの表面凹凸検知手段を設け、検知情報に応じて透明トナー層の形成の有無を決定してもよい。表面凹凸検知手段としては、光電方式や超音波方式のセンサーを用いることができる。
2次転写バイアスとしては、交流電圧として図8に示される矩形波からなるものを出力させるように、2次転写電源82を構成している。
以上に説明したものは一例であり、本発明は、次の態様毎に特有の効果を奏する。
[態様A]
像担持体(例えば中間転写ベルト21)と、前記像担持体の表面に有色トナーからなるトナー像を形成するトナー像形成手段(例えば画像形成ユニット1T,Y,M,C,Kや転写ユニット20)と、前記像担持体に当接して転写ニップを形成するニップ形成部材(例えば2次転写ローラ26)と、前記像担持体と前記ニップ形成部材との間に転写電界を形成する転写電界形成手段(例えば2次転写電源82など)とを備え、前記転写ニップ内に挟み込んだ記録シートに対して前記像担持体上のトナー像を転写する画像形成装置において、前記転写電界として、トナーに対して像担持体側からニップ形成部材側に向かう静電気力を付与する電界と、トナーに対してニップ形成部材側から像担持体側に向かう静電気力を付与する電界とを交互に出現させる交番電界からなるものを形成するように前記転写電界形成手段を構成し、且つ、前記像担持体の表面のうち、少なくとも、前記転写ニップに進入する前の領域であって、且つ前記トナー像を構成する有色トナーを付着させない領域、に対して透明トナー層を形成する透明トナー層形成手段(例えば画像形成ユニット1Tや転写ユニット20)を設けたことを特徴とするものである。
[態様B]
態様Bは、態様Aにおいて、ディーティ比の異なる非正弦波状の出力特性を有する交流バイアスと、直流バイアスとをそれぞれ前記転写ニップの近傍に導くことで前記転写ニップに前記交番電界を形成するように前記転写電界形成手段を構成したことを特徴とするものである。かかる構成では、既に説明したように、低温低湿環境下であっても、記録シート表面の凸部及び凹部の両方で十分な画像濃度を得つつ、白点の発生を抑えることができる。
[態様C]
態様Cは、態様A又はBにおいて、前記像担持体における有色トナー像を付着させない領域のうち、有色トナー像の周囲領域だけに前記透明トナー層を形成する処理を実施するように、前記透明トナー層形成手段を構成したことを特徴とするものである。かかる構成では、有色トナー像を付着させる領域の全てに透明トナー層を形成する場合に比べて、透明トナーの消費量を減らして低コスト化を図ることができる。
[態様D]
態様Dは、態様A〜Cにおいて、使用される記録シートの種類情報を取得する情報取得手段を設け、前記情報取得手段による取得結果に基づいて、前記透明トナー層を形成するか否か決定する処理を実施するように、前記トナー層形成手段を構成したことを特徴とするものである。かかる構成では、使用される記録シートが、文字画像や線画像のエッジのぼやけを発生させ難い種類のものである場合に、透明トナー層の形成を省略することで、透明トナー層の不要な消費を回避することができる、なお、情報取得手段としては、例えばユーザーからの入力操作を受け付けるテンキー等からなる操作部などが挙げられる。
[態様E]
態様Eは、態様Dにおいて、前記情報取得手段として、前記転写ニップに送り込まれる前の記録シートの表面凹凸性を検知する表面凹凸性検知手段を用いたことを特徴とするものである。かかる構成では、記録シートの種類情報をユーザーに入力してもらうことなく、表面凹凸性検知手段による検知結果に基づいて、使用される記録シートについてエッジのぼやけを引き起こし易い種類であるか否かを把握することができる。
[態様F]
態様Fは、像担持体の表面に有色トナーからなるトナー像を形成するトナー像形成工程と、前記像担持体にニップ形成部材を当接させて転写ニップを形成するニップ形成工程と、前記像担持体と前記ニップ形成部材との間に転写電界を形成する転写電界形成工程と、前記転写ニップ内に挟み込んだ記録シートに対して前記像担持体上のトナー像を転写する転写工程とを実施して記録シートに画像を形成する画像形成方法において、前記転写電界形成工程にて、前記転写電界として、トナーに対して像担持体側からニップ形成部材側に向かう静電気力を付与する電界と、トナーに対してニップ形成部材側から像担持体側に向かう静電気力を付与する電界とを交互に出現させる交番電界からなるものを形成し、且つ、前記像担持体の表面のうち、少なくとも、前記転写ニップに進入する前の領域であって、且つ前記トナー像を構成する有色トナーを付着させない領域に対して透明トナー層を形成する透明トナー層形成工程を実施することを特徴とするものである。
1Y,M,C,K:画像形成ユニット(トナー像形成手段の一部)
1T:画像形成ユニット(透明トナー層形成手段の一部)
2T,Y,M,C,K:感光体
20:転写ユニット(トナー像形成手段や透明トナー層形成手段の一部)
21:中間転写ベルト(像担持体)
24:2次転写対向ローラ(転写電界形成手段の一部)
26:2次転写ローラ(ニップ形成部材、転写電界形成手段の一部)
82:2次転写電源(転写電界形成手段の一部)
特開2006−267486号公報

Claims (6)

  1. 像担持体と、前記像担持体の表面に有色トナーからなるトナー像を形成するトナー像形成手段と、前記像担持体に当接して転写ニップを形成するニップ形成部材と、前記像担持体と前記ニップ形成部材との間に転写電界を形成する転写電界形成手段とを備え、前記転写ニップ内に挟み込んだ記録シートに対して前記像担持体上のトナー像を転写する画像形成装置において、
    前記転写電界として、トナーに対して像担持体側からニップ形成部材側に向かう静電気力を付与する電界と、トナーに対してニップ形成部材側から像担持体側に向かう静電気力を付与する電界とを交互に出現させる交番電界からなるものを形成するように前記転写電界形成手段を構成し、
    且つ、前記像担持体の表面のうち、少なくとも、前記転写ニップに進入する前の領域であって、且つ前記トナー像を構成する有色トナーを付着させない領域における有色トナー像の周囲領域だけに対して透明トナー層を形成する透明トナー層形成手段を設けたことを特徴とする画像形成装置。
  2. 像担持体と、前記像担持体の表面に有色トナーからなるトナー像を形成するトナー像形成手段と、前記像担持体に当接して転写ニップを形成するニップ形成部材と、前記像担持体と前記ニップ形成部材との間に転写電界を形成する転写電界形成手段とを備え、前記転写ニップ内に挟み込んだ記録シートに対して前記像担持体上のトナー像を転写する画像形成装置において、
    前記転写電界として、トナーに対して像担持体側からニップ形成部材側に向かう静電気力を付与する電界と、トナーに対してニップ形成部材側から像担持体側に向かう静電気力を付与する電界とを交互に出現させる交番電界からなるものを形成するように前記転写電界形成手段を構成し、
    使用される記録シートの種類情報を取得する情報取得手段を設け、
    且つ、前記情報取得手段による取得結果に基づいて、透明トナー層を形成するか否かを判定し、形成するという決定をした場合に、前記像担持体の表面のうち、少なくとも、前記転写ニップに進入する前の領域であって、且つ前記トナー像を構成する有色トナーを付着させない領域、に対して前記透明トナー層を形成する透明トナー層形成手段を設けたことを特徴とする画像形成装置。
  3. 請求項の画像形成装置において、
    前記情報取得手段として、前記転写ニップに送り込まれる前の記録シートの表面凹凸性を検知する表面凹凸性検知手段を用いたことを特徴とする画像形成装置。
  4. 請求項1乃至3の何れか一項に記載の画像形成装置において、
    デューティ比の異なる非正弦波状の出力特性を有する交流バイアスと、直流バイアスとをそれぞれ前記転写ニップの近傍に導くことで前記転写ニップに前記交番電界を形成するように前記転写電界形成手段を構成したことを特徴とする画像形成装置。
  5. 像担持体の表面に有色トナーからなるトナー像を形成するトナー像形成工程と、前記像担持体にニップ形成部材を当接させて転写ニップを形成するニップ形成工程と、前記像担持体と前記ニップ形成部材との間に転写電界を形成する転写電界形成工程と、前記転写ニップ内に挟み込んだ記録シートに対して前記像担持体上のトナー像を転写する転写工程とを実施して記録シートに画像を形成する画像形成方法において、
    前記転写電界形成工程にて、前記転写電界として、トナーに対して像担持体側からニップ形成部材側に向かう静電気力を付与する電界と、トナーに対してニップ形成部材側から像担持体側に向かう静電気力を付与する電界とを交互に出現させる交番電界からなるものを形成し、
    且つ、前記像担持体の表面のうち、少なくとも、前記転写ニップに進入する前の領域であって、且つ前記トナー像を構成する有色トナーを付着させない領域における有色トナー像の周囲領域だけに対して透明トナー層を形成する透明トナー層形成工程を実施することを特徴とする画像形成方法。
  6. 像担持体の表面に有色トナーからなるトナー像を形成するトナー像形成工程と、前記像担持体にニップ形成部材を当接させて転写ニップを形成するニップ形成工程と、前記像担持体と前記ニップ形成部材との間に転写電界を形成する転写電界形成工程と、前記転写ニップ内に挟み込んだ記録シートに対して前記像担持体上のトナー像を転写する転写工程とを実施して記録シートに画像を形成する画像形成方法において、
    前記転写電界形成工程にて、前記転写電界として、トナーに対して像担持体側からニップ形成部材側に向かう静電気力を付与する電界と、トナーに対してニップ形成部材側から像担持体側に向かう静電気力を付与する電界とを交互に出現させる交番電界からなるものを形成し、
    使用される記録シートの種類情報を取得する情報取得工程を設け、
    且つ、前記種類情報の取得結果に基づいて、透明トナー層を形成するか否かを判定し、形成するという決定をした場合に、前記像担持体の表面のうち、少なくとも、前記転写ニップに進入する前の領域であって、且つ前記トナー像を構成する有色トナーを付着させない領域における有色トナー像の周囲領域だけに対して透明トナー層を形成する透明トナー層形成工程を実施することを特徴とする画像形成方法。
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