JP5273542B2 - 画像形成装置 - Google Patents

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本発明は、互いに当接して転写ニップを形成している中間転写体とニップ形成部材との間に流れる転写電流の値を所定の制御目標値で安定させるように、電源からの出力電圧を制御する画像形成装置に関するものである。
従来、電子写真方式の画像形成装置において、記録シートに対するトナー像の転写処理を転写ニップ内で行う方式として、直接転写方式や中間転写方式が知られている。
直接転写方式では、像担持体としての感光体と、転写ローラ等のニップ形成部材との当接によって形成した転写ニップに記録シートを通して、感光体上のトナー像を記録シートに直接転写する。転写ニップは、絶縁性の表面を具備する感光体と、ニップ形成部材との当接によって形成されたものである。このような転写ニップでは、たとえニップ形成部材を導電性の材料で構成してそれに転写バイアスを印加しても、絶縁性の表面を具備する感光体と、ニップ形成部材との間に、転写バイアスによる電流が継続的に流れることはない。このため、転写バイアスについては、電源からの出力電圧を所定の目標電圧に一致させるように制御する定電圧制御を行うのが一般的である。但し、転写バイアスを一定の値に制御しているだけでは、安定した転写性を得ることができない。例えば、画像面積の比較的大きな画像を形成した場合、転写ニップ内において、感光体と記録シートとの間に多量の帯電トナーを介在させる。それら多量の帯電トナーを感光体から記録シートに静電移動させるためには、転写バイアスを比較的高くする必要がある。これに対し、画像面積の比較的小さな画像を形成した場合、感光体と記録シートとの間に少量の帯電トナーしか介在させない。にもかかわらず、画像面積の比較的大きい画像の場合と同等の転写バイアスを印加すると、転写チリを発生させるおそれがある。そこで、特許文献1に記載の画像形成装置では、トナー像の面積率に応じて、転写バイアスの制御目標値を補正することで、転写不良や転写チリの発生を抑えている。
一方、中間転写方式では、まず、感光体上のトナー像を中間転写体上に転写する。そして、中間転写体と、転写ローラ等のニップ形成部材との当接によって形成した転写ニップに記録シートを通して、中間転写体上のトナー像を記録シートに転写する。つまり、感光体上のトナー像を、中間転写体を介して記録シートに転写する。このような中間転写方式では、転写ニップにおいて、導電性の中間転写体と、導電性のニップ形成部材との間に流れる転写電流の値を所定の制御目標値に一致させるように、転写バイアス電源からの出力を制御する定電流制御を行うのが一般的である。
直接転写方式、中間転写方式の何れにおいても、記録シートとして、ざら紙などといった表面平滑性に劣る粗面シートを用いると、シート表面の微妙な凹凸に対応する濃度ムラを発生させることがある。このような濃度ムラに対する対策については、直接転写方式よりも中間転写方式の方が有利であると考えられてきた。中間転写方式では、中間転写体として、弾性に富む弾性層を設けたものを用いることで、中間転写体と粗面シートとの密着性を向上させることができるからである。
特開平06−289682号公報
上述した密着不良による濃度ムラは、転写前のトナーと記録シートとの間に非静電的な付着力が作用しないことや、感光体とシートとの間に空隙が形成されているところでは電界が弱くなることが原因であると考えられていた。しかしながら、本発明者らの実験により、それらに加えて、トナーの逆極性化が濃度ムラに大きな影響を及ぼしていることが判明した。更に、その影響が直接記録方式よりも中間転写方式で顕著に現れることも判明した。具体的には、中間転写方式では、上述したように、転写ニップにおいて中間転写体とニップ形成部材との間に転写電流が流れる。記録シートとして電気抵抗の比較的低いものを用いた場合、記録シートを挟み込んだ転写ニップでは、主に、記録シート内に電流が流れ込むことで中間転写体とニップ形成部材との間で転写電流が流れる。これに対し、記録シートとして電気抵抗の比較的高いものを用いた場合、中間転写体の表面と、それに密着せずに微小な間隙を形成しているシート表面凹部との間では、主に微小放電が発生することで転写電流が流れる。このとき、微小放電の経路内に位置していたトナーは、正規の帯電極性とは逆極性に帯電し、シート側から中間転写体側に向けて逆方向に静電移動しようとする挙動をとって画像濃度を低下させる。このことが、シート表面の凹凸パターンに対応する濃度ムラを発生させていた主な原因になっていた。これに対し、直接転写方式では、感光体の表面が絶縁性であり、転写ニップで記録シート内に電流が定常的に流れることがないので、記録シートの電気抵抗が転写電界に影響を与え難い。更に、放電によって感光体表面に付与された電荷も保持されるため、シート表面凹部での微小放電が連続的に起こることもない。以上の理由により、中間転写方式の方が、直接転写方式よりも、シート表面の凹凸パターンに対応する濃度ムラを発生させ易くなっているのである。
なお、本発明者らの実験によれば、記録シートとして粗面シートを用いても、その電気抵抗が比較的低い場合には、凹凸パターンに対応する濃度ムラが発生しなかった。また、記録シートとして電気抵抗が比較的高いものを用いる場合に、比較的低いものを用いる場合に比べて転写電流を低めに設定すると、微小放電の発生を抑えることができた。但し、転写電流を低くし過ぎると、所望の画像濃度が得られなくなった。
そこで、本発明者らは、記録シートとして電気抵抗の比較的高いものを用いて、凹凸パターンに対応する濃度ムラを目立たなくするのに適した転写電流を調べる実験を行った。すると、転写電流の適正値は、形成するトナー像の面積率に応じて大きく異なってくることがわかった。
また、本発明者らは、両面プリント動作を行う画像形成装置では、かなりの確率でシート表面の凹凸パターンに対応する濃度ムラを発生させることを実験によって見出した。両面プリント動作とは、片面にトナー像を形成した記録シートを定着装置から排出した後、その上下を反転させながら転写ニップに再送することで、もう一方の面にもトナー像の転写処理と定着処理とを行う動作である。このような両面プリント動作では、記録シートの片面にトナー像を定着させる際に、加熱によって記録シートの水分を蒸発させて電気抵抗をかなり上昇させてしまうため、その後、他方の面にトナー像を転写する際に濃度ムラを顕著に発生させていたのである。更なる実験を行ったところ、記録シートが紙からなる用紙である場合、定着装置内で水分を蒸発させた後の電気抵抗は、ほぼ所定の範囲内に収まることから、トナー像の面積率さえ加味すれば、2回目の転写の際における適切な転写電流を予測できることがわかった。
本発明は以上の背景に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、次のような画像形成装置を提供することである。即ち、所望の画像濃度を得つつ、記録シートとして粗面シートを用いた場合に生ずるシート表面の凹凸パターンに対応する画像濃度ムラの発生を抑えることができる画像形成装置である。
上記目的を達成するために、請求項1の発明は、トナー像を担持する像担持体と、自らの移動する表面に該像担持体上のトナー像が転写せしめられる中間転写体と、該中間転写体に当接して転写ニップを形成する導電性のニップ形成部材と、該中間転写体と該ニップ形成部材との間に流れる転写電流の値を所定の制御目標値で安定させるように、該転写電流の出力元である電源からの出力電圧を制御する定電流制御手段とを備え、該転写ニップ内に送り込んだ記録シートの表面に、該中間転写体上のトナー像を転写する画像形成装置において、環境センサによって検知される温度及び湿度のうち少なくとも何れか一方に基づいて、上記転写ニップに供給される記録シートの電気抵抗を予測する抵抗予測手段、あるいは、該記録シートの電気抵抗を検知する抵抗検知手段、を設けるとともに、該抵抗予測手段による予測結果、又は該抵抗検知手段による検知結果が、所定の閾値を超えた場合に、該予測結果又は検知結果と、上記トナー像の面積率とに基づいて上記制御目標値を補正する処理を実施するように、上記定電流制御手段を構成したことを特徴とするものである。
また、請求項2の発明は、請求項1の画像形成装置において、上記抵抗予測手段と上記抵抗検知手段とのうち、少なくとも、記録シートの体積抵抗率を検知可能な該抵抗検知手段を設けるとともに、上記閾値として、上記転写ニップの像担持体表面移動方向の長さを、真空の誘電率と、記録シートについて予め記憶している比誘電率と、上記像担持体の表面移動速度との乗算値で除算した値を用いるように、上記定電流制御手段を構成したことを特徴とするものである。
また、請求項3の発明は、請求項2の画像形成装置において、温度及び湿度のうちの少なくとも何れか一方を検知する環境センサを設けるとともに、記録シートについて予め記憶している比誘電率を該環境センサによる検知結果に応じて補正する処理を実施するように、上記定電流制御手段を構成したことを特徴とするものである。
また、請求項4の発明は、トナー像を担持する像担持体と、自らの移動する表面に該像担持体上のトナー像が転写せしめられる中間転写体と、該中間転写体に当接して転写ニップを形成する導電性のニップ形成部材と、該転写ニップ内で該中間転写体上のトナー像を記録シートに転写するために、記録シートを該転写ニップ内に送り込む送込手段と、該中間転写体と該ニップ形成部材との間に流れる転写電流の値を所定の制御目標値で安定させるように、該転写電流の出力元である電源からの出力電圧を制御する定電流制御手段と、該転写ニップを通過した後の記録シートを加熱してその表面にトナー像を定着させる定着手段と、該転写ニップ及び定着手段を経由して第1面だけにトナー像が形成された記録シートの第2面に対してトナー像を形成するために、該定着手段から排出された該記録シートを上下反転させてから該送込手段に再送する再送手段とを備える画像形成装置において、上記転写ニップに対して上記再送手段によって再送した記録シートを送り込む場合には、上記トナー像の面積率に基づいて上記制御目標値を補正する処理を実施するように、上記定電流制御手段を構成したことを特徴とするものである。
また、請求項5の発明は、請求項1乃至の何れかの画像形成装置において、上記面積率と、上記抵抗予測手段による予測結果、又は上記抵抗検知手段による検知結果とに加えて、予め記憶しているトナー帯電量の情報にも基づいて上記制御目標値を補正する処理を実施するように、上記定電流制御手段を構成したことを特徴とするものである。
また、請求項6の発明は、請求項1乃至5の何れかの画像形成装置において、上記像担持体として、所定の形状で張架されて無端移動せしめられる無端状のベルトからなり、且つ引っ張り弾性率が2[GPa]以上である像担持ベルトを用いたことを特徴とするものである。
これらの発明において、請求項1の発明特定事項の全てを備えるものでは、電気抵抗が比較的高いことから、シート表面の凹凸パターンに対応する濃度ムラを引き起こし易くなっている記録シートが用いられる場合に、その記録シートの電気抵抗と、トナー像の面積率とに基づいて転写電流の値を適切に補正することで、所望の画像濃度を得つつ、濃度ムラの発生を抑えることができる。
また、請求項4の発明特定事項の全てを備えるものでは、転写ニップに送り込む記録シートについて、再送手段によって再送した再送シートである場合に、トナー像の面積率に基づいて転写電流の制御目標値を補正する。これにより、1回目の定着処理に伴って電気抵抗を上昇させたことに起因して、シート表面の凹凸に対応する濃度ムラを発生させ易くなっている再送シートに転写を行うときに、転写電流の制御目標値を適切な値に補正して、所望の画像濃度を得つつ、シート表面の凹凸パターンに対応する濃度ムラの発生を抑えることができる。
以下、本発明を画像形成装置としてのタンデム型の画像形成部によってカラー画像を形成するカラープリンタ(以下、単にプリンタという)に適用した実施形態について説明する。
まず、実施形態に係るプリンタの基本的な構成について説明する。
図1は、実施形態に係るプリンタを示す概略構成図である。このプリンタは、図示しない光書込ユニット、タンデム画像形成部10、転写ユニット20、定着装置40、再送装置50などを備えている。タンデム画像形成部10は、Y(イエロー)、M(マゼンタ)、C(シアン)、K(黒)の各色トナー像を形成するための4つの画像形成ユニット1Y,M,C,Kを有している。
転写ユニット20は、無端状の中間転写ベルト21、駆動ローラ22、従動ローラ23、2次転写対向ローラ24、4つの1次転写ローラ25Y,M,C,K、2次転写ローラ26などを有している。像担持体としての無端状の中間転写ベルト21は、側方からの眺めが逆三角形状の形状になる姿勢で、駆動ローラ22、従動ローラ23及び2次転写対向ローラ24に掛け回されている。そして、駆動ローラ22の回転駆動によって図中時計回り方向に無端移動せしめられる。中間転写ベルト20のループ内側には、駆動ローラ22、従動ローラ23、及び2次転写対向ローラ24の他に、4つの1次転写ローラ25Y,M,C,Kも配設されている。なお、1次転写ローラ25Y,M,C,Kや2次転写ローラ26の役割については後述する。
タンデム画像形成部10は、4つの画像形成ユニット1Y,M,C,Kを中間転写ベルト21の上張架面に沿って水平方向に並べる姿勢で、転写ユニット20の上方に配設されている。画像形成ユニット1Y,M,C,Kは、図中反時計回り方向に回転駆動されるドラム状の感光体2Y,M,C,Kと、現像ユニット3Y,M,C,Kと、帯電手段4Y,M,C,Kとを有している。また、図示しないY,M,C,K用のドラムクリーニング装置も有している。感光体2Y,M,C,Kは、それぞれ中間転写ベルト21の上張架面に当接してY,M,C,K用の1次転写ニップを形成しながら、図示しない駆動手段によって図中反時計回り方向に回転駆動せしめられる。現像ユニット3Y,M,C,Kは、感光体2Y,M,C,Kに形成された静電潜像をY,M,C,Kトナーによって現像するものである。また、帯電手段4Y,M,C,Kは、感光体2Y,M,C,Kの表面をトナーの帯電極性と同じ極性に一様帯電せしめるものである。
Y,M,C,K用の1次転写ニップの下方では、中間転写ベルト21のループ内で、1次転写ローラ25Y,M,C,Kが中間転写ベルト21を感光体2Y,M,C,Kに向けて押圧している。これら1次転写ローラ25Y,M,C,Kには、1次転写電源81Y,M,C,Kによって1次転写バイアスが印加される。
タンデム画像形成部10の上方には、図示しない光書込ユニットが配設されている。この光書込ユニットは、帯電手段4Y,M,C,Kによって一様帯電せしめられた感光体2Y,M,C,Kの表面に対し、走査光Lによる光書込処理を施して静電潜像を形成するものである。感光体2Y,M,C,Kに形成された静電潜像は、現像ユニット3Y,M,C,Kによって現像されてY,M,C,Kトナー像になる。これらY,M,C,Kトナー像は、上述したY,M,C,K用の1次転写ニップにて、中間転写ベルト21のおもて面に重ね合わせて1次転写される。これにより、中間転写ベルト21のおもて面には、4色重ね合わせトナー像が形成される。
なお、本プリンタにおいては、帯電手段4Y,M,C,Kとして、帯電バイアス電源80Y,M,C,Kによって帯電バイアスが印加される帯電部材を感光体2Y,M,C,Kに当接又は近接せしめた状態で、帯電部材と感光体2Y,M,C,Kとの間に放電を生じせしめて感光体2Y,M,C,Kを一様帯電させるものを採用している。このような帯電手段4Y,M,C,Kに代えて、スコロトロン帯電器などを採用してもよい。
転写ユニット20は、中間転写ベルト21の下方に2次転写ローラ26を有している。ニップ形成部材としての2次転写ローラ26は、接地された状態で、中間転写ベルト21における2次転写対向ローラ24に対する掛け回し箇所にベルトおもて面側から当接して2次転写ニップを形成している。これに対し、2次転写ニップの上方にて、中間転写ベルト21を掛け回している2次転写対向ローラ24には、2次転写バイアス電源82により、トナーの帯電極性と同極性の2次転写バイアスが印加される。これにより、2次転写対向ローラ24と2次転写ローラ26との間の2次転写ニップには、トナーを2次転写対向ローラ24側から2次転写ローラ26側に静電移動させる2次転写電界が形成される。
2次転写ニップには、記録シートが所定のタイミングで送り込まれる。そして、中間転写ベルト21上の4色重ね合わせトナー像が、ニップ圧や2次転写電界の作用によって記録シートに一括2次転写される。
2次転写ニップで4色重ね合わせトナー像が2次転写された記録シートは、2次転写ニップを出た後、図中反時計回り方向に無端移動せしめられる用紙搬送ベルト39の上張架面に吸着されて定着装置40内に送り込まれる。そして、定着装置40内において、ハロゲンランプ等の発熱源を内包する加熱定着ローラ41と、これに向けて押圧される加圧ローラ42との当接による定着ニップに挟み込まれ、加圧や加熱処理によるトナー像の定着処理が施される。このようにしてトナー像が定着せしめられた記録シートは、図示しない排出ローラ対を経由して機外へと排出される。
定着装置40から排出された記録シートについては、そのまま排紙ローラ対に送る場合と、排紙ローラ対に送らずに、再送装置50に送る場合とがある。具体的には、記録シートの第1面だけに画像を形成する片面モードのプリントジョブを実施する際には、定着装置40から排出された記録シートを例外なく排紙ローラ対に送る。これに対し、記録シートの両面に画像を形成する両面モードのプリントジョブを実施する際において、定着装置40から排出された記録シートが第1面だけにトナー像を担持するものである場合には、それを排紙ローラ対に送らずに、再送装置50に送る。但し、両面モードであっても、定着装置40から排出された記録シートが両面にトナー像を担持するものである場合には、それを排紙ローラ対に送る。定着装置40を通過した後の記録シートを排紙ローラ対に送るのか、再送装置50に送るのかの切り換えは、図示しない切り換え爪によるシート搬送先の切り換えによって行われる。
再送装置50は、定着装置40から送られてくる記録シートをスイッチバック路51でスイッチバック搬送することで、その上下を反転させる。その後、記録シートをスイッチバック路52に送る。スイッチバック路52を通過した記録シートは、記録シートを図示しない給紙カセットから2次転写ニップに搬送するための給紙路の途中に送り込まれる。これにより、上下を反転させた状態で、2次転写ニップに再送される。
なお、給紙路の後半領域では、記録シートは、後述する抵抗測定ローラ対31とレジストローラ対32とを順次通過する。再送装置50は、記録シートを給紙路における抵抗測定ローラ対31よりも上流側の位置に送り込む。よって、記録シートは、給紙カセットから送り出された直後のものであるか、再送値50によって再送されたものであるかにかかわらず、給紙路内において、抵抗測定ローラ対31とレジストローラ対32とを必ず経由することになる。
レジストローラ対32は、2つのローラの回転を停止させた状態で、記録シートの先端が突き当てられることで、記録シートのスキューを矯正する。その後、2つのローラを回転させて記録シートの先端部をレジストニップ内にくわえ込むが、その後すぐにローラの回転を停止させる。そして、記録シートを2次転写ニップでベルト上のトナー像に同期させ得るタイミングで、ローラの回転を再開する。
次に、本発明者らが行った実験について説明する。本発明者らは、図1に示したプリンタと同様の構成のプリンタ試験機を用意した。このプリンタ試験機における諸条件は次に列記する通りである。
(1)中間転写ベルト21
厚さ60[μm]、体積抵抗率が1E9[Ω・cm](三菱化学製ハイレスターUP MCP HT450にて100Vの電圧印加条件で測定した値)のカーボン分散ポリイミドベルト。
(2)トナー
粉砕法によって製造され、母材樹脂がポリエステル系樹脂からなるもの。
(3)2次転写ローラ26
ローラ部の表面に導電性ゴム材料からなる弾性層が被覆され、且つローラ部の体積抵抗率が1E9[Ω・cm]に調整されたもの。
(4)2次転写対向ローラ24
ローラ部の表面に導電性ゴム材料からなる弾性層が被覆され、且つローラ部の体積抵抗率が1E9[Ω・cm]に調整されたもの。
(5)定着装置71
定着温度(加熱定着ローラ71aの表面温度)を165[℃]に設定した。
(6)レジストローラ対32の一方のローラ
ステンレスローラ。
(7)プロセス線速
実験においては、中間転写ベルト21等の線速であるプロセスを280[mm/s]に設定した。
(8)2次転写ニップのベルト移動方向の長さW
3[mm]に設定した。
このようなプリンタ試験機を用いて、テスト画像のプリントテストを行った。記録シートのサイズとしては420[mm]×297[mm]のA3サイズを採用した。トナーとしては、常温常湿における帯電量が約−20[μC/g]となるものを用いた。また、テスト画像としては、図2に示すような、副走査方向(シート搬送方向)に延びる帯状のベタパターンを採用し、長辺方向に沿って搬送しているA3サイズの記録シートに対してそのベタパターンを形成した。ベタパターンの印字率については、5[%]及び100[%]の2通りを採用した。印字率は、主走査方向(搬送方向と直交する方向)における記録シートサイズに対する各色画像サイズの総和の割合を示す数値である。例えば、図2に示したベタパターンは、黒トナーからなる帯状パターンを1つだけ具備するものであり、その主走査方向のサイズが29.7[mm]になっている。これは、主走査方向の記録シートサイズ(297mm)の10[%]に相当するので、図示のベタパターンは10[%]の印字率で形成されていることになる。また例えば、図3に示すベタパターンは、Kトナーからなる帯状パターンBと、Mトナーからなる帯状パターンBとを具備するものであり、主走査方向のサイズがそれぞれ29.7[mm]になっている。この場合、Kの帯状パターン、Mの帯状パターンのそれぞれの印字率が10[%]ずつであることになる。
第1プリントテストでは、A3サイズの記録シートとして、NBSリコー社製の普通紙(マイペーパー)を用いた。2次転写バイアス電源82から出力される2次転写バイアスについては、定電流制御ではなく、定電圧制御を行った。普通紙の含水率を変化させたり、2次転写バイアスの電圧制御値を変化させたり、印字率を変化させたりしながら、それぞれの条件でベタパターンをプリントアウトした。この第1プリントテストにおける2次転写電流と、2次転写バイアスと、記録シートの体積抵抗率と、印字率との関係を図4に示す。
同図に示すように、普通紙として、体積抵抗率が1E9[Ωcm]であるものを用いた場合、印字率が5[%]であっても、100[%]であっても、2次転写電流と2次転写バイアスとの関係(以下、電流−電圧特性という)を示すグラフは、殆ど同じになる。これに対し、普通紙として、体積抵抗率が3E10[Ωcm]であるものや、2E11[Ωcm]であるものを用いた場合、印字率を5[%]にした条件と、印字率を100[%]にした条件とで、電流−電圧特性のグラフが大きく異なってくる。これは次に説明する理由による。即ち、転写ニップ内において、ベルトと普通紙との間にトナーを介在させている領域(以下、介在領域という)と、介在させていない領域(以下、非介在領域という)とでは、前者の方が電流の通りが良いのが一般的である。但し、普通紙の体積抵抗率が1E9[Ωcm]という比較的低い値である場合、転写ニップ内における非介在領域でも電流の通りが比較的良くなるので、印字率の違いによる転写電流の差が生じ難い。これに対し、普通紙の体積抵抗率が3E10[Ωcm]や2E11[Ωcm]といった比較的高い値である場合、転写ニップ内の非介在領域における電流の通りが悪くなるので、介在領域の面積がより大きくなる高印字率の場合の方が、低印字率に比べて転写電流が多くなるからである。
次に、本発明者らは、第2テストプリントを実施した。この第2テストプリントにおいても、記録シートとして、NBSリコー社製の普通紙(マイペーパー)を用いた。但し、2次転写バイアス電源82から出力される2次転写バイアスについては、定電流制御を行った。普通紙の体積抵抗率を加熱等によって変化させたり、2次転写電流の制御目標値を変化させたりしながら、それぞれの条件でベタパターンをプリントアウトした。この第2プリントテストにおける2次転写率と、2次転写電流と、記録シートの体積抵抗率と、印字率との関係を図5に示す。なお、2次転写率は、ベルト表面上のトナー量に対する、記録シートへの転写トナー量の割合を示す数値である。
同図に示すように、印字率を一定にした条件であっても、2次転写電流の制御目標値を比較的小さく設定すると、普通紙の体積抵抗率に応じて2次転写率が大きく異なってくることがわかる。これは、2次転写電流が比較的少ない条件において、普通紙の体積抵抗率に応じて、2次転写ニップ内での微小放電量が大きく変化するためだと考えられる。実験では普通紙を用いたが、粗面紙では、ベルトと紙表面との間に形成される空隙量がもっと増加することから、体積抵抗率の違いによる2次転写率の差がより顕著に生ずる。
次に、本発明者らは、第3テストプリントを実施した。第3テストプリントにおいても、記録シートとして、NBSリコー社製の普通紙(マイペーパー)を用いた。また、2次転写バイアス電源82から出力される2次転写バイアスを定電流制御した。普通紙の体積抵抗率を比較的高い2E11[Ωcm]に調整した条件で、2次転写電流の制御目標値を変化させたり、印字率を変化させたりしながら、ベタパターンをプリントアウトした。この第3プリントテストにおける2次転写率と、2次転写電流と、印字率との関係を図6に示す。
同図に示すように、普通紙の体積抵抗率が比較的高い場合に、90[%]を超える2次転写率を実現するためには、印字率に応じて2次転写電流の制御目標値を変化させなければならないことがわかる。普通紙に代えて、粗面紙を用いた場合、印字率の違いによる2次転写電流の適正値の差は、より顕著になってくる。
次に、本発明者らは、第4テストプリントを実施した。第4テストプリントでは、記録シートとして、表面凹凸の大きなFC和紙タイプの粗面紙(NBSリコー社製の商品名「さざ波」)を用いた。この粗面紙を印字率0[%]の条件で転写ニップと定着装置40とに通して粗面紙の体積抵抗率を上昇させた後、再送装置50による再送で、その粗面紙の第2面に印字率5[%]のベタパターンを形成した。そして、第2面において、表面の凸部の画像濃度と、凹部の画像濃度とを主観評価した。この結果を次の表1に示す。なお、表1において、○、△、×は、良い(十分な画像濃度が得られている)、許容できる(許容範囲内の画像濃度が得られている)、悪い(著しい低画像濃度しか得られない=白抜け)という評価結果を示している。
Figure 0005273542
表1に示すように、体積抵抗率が高い粗面紙を用いた場合、2次転写電流を増加させるにつれて凸部で良好な画像濃度が得られるが、凹部では、逆に画像濃度を低下させてしまうことがわかる。これは、2次転写電流を増加させるにつれて、凹部内での微小放電量を増大させて、逆帯電トナーの発生量を増やしてしまうからである。
以上のことから、記録シートの体積抵抗率が高い場合には、体積抵抗率と印字率とに応じて転写電流の制御目標値を適切に補正する必要があることが判明した。単に、想定された印字率(例えば20%〜50%)で一定の2次転写率を確保できるように制御目標値を決定してしまうと、体積抵抗率によってはシート表面の凹部で微小放電によるトナーの逆帯電を顕著に発生させてしまうおそれがある。
次に、実施形態に係るプリンタの特徴的な構成について説明する。
先に示した図1において、給紙路におけるレジストローラ対32の手前には、抵抗測定ローラ対31が配設されている。図示しない給紙カセットや、上述した再送装置50から、給紙路に送られた記録シートは、この抵抗測定ローラ対31のニップを通過してから、レジストローラ対32に至る。
抵抗測定ローラ対31は、体積抵抗率1E6[Ωcm]の導電性ゴムがローラ表面に被覆された第1ローラ31aと、体積抵抗率1E6[Ωcm]の導電性ゴムがローラ表面に被覆された第2ローラ31bとを当接させて、抵抗測定ニップを形成している。第1ローラ31aには、500[V]の電圧を一定に出力する高圧電源83が接続されている。また、第2ローラ31bは、電流計34を介してアースに接続されている。導電性の第1ローラ31aと第2ローラ31bとの間には電流が流れ、その結果が電流計によって測定される仕組みである。抵抗測定ニップに記録シートが挟み込まれると、ローラ間に流れる電流量は、記録シートの体積抵抗率に応じた分だけ減少する。電流計34の検知結果は、2次転写対向ローラ24と2次転写ローラ26との間に流れる2次転写電流の量を所定の制御目標値に安定化させるように2次転写バイアス電源82からの出力電圧を制御する図示しない定電流制御部に送られる。定電流制御部は、前述した電流の減少分と、記録シートのサイズとに基づいて、記録シートの体積抵抗率を算出する。かかる構成では、抵抗測定ローラ対31、電流計34、高圧電源83、定電流制御部などの組合せが、記録シートの抵抗を検知する抵抗検知手段として機能している。
定電流制御部は、記録シートの体積抵抗率の算出結果について、次の数1によって示される条件が具備される場合には、次の数2の数式に基づいて、2次転写電流の制御目標値Iを算出する。
Figure 0005273542
Figure 0005273542
数2の式において、印字率ηが0〜1になっているが、これは「η×Q」をY,M,C,Kの各色についてそれぞれ計算するからである。
また、数1の数式において、シートの比誘電率εpは、シート素材の種類に応じて異なってくるが、実施形態に係るプリンタでは、デフォルトでは紙の比誘電率を採用することとした。記録シートとして、紙製のものが用いられるケースが殆どだからである。比誘電率については、次のようにして測定することが可能である。即ち、静電容量や誘電率が既知の絶縁体(例えばポリエチレンテレフタレートのシートなど)で被覆した2枚のステンレス板の間にシート挟み込む。そして、DC電源内蔵型ピコアンメータ(ヒューレットパッカード社製HP−4140B)で印加電圧を一定の速度で変化させた際に流れる電流(充電電流)の測定値と、シートの厚さとに基づいて、比誘電率εpを求める。本発明者らは、様々な種類の用紙の比誘電率を測定し、それらの測定結果と、それぞれの用紙のユーザーにおける使用頻度の統計結果とに基づいて、シートの比誘電率εpとして、「7.0」を定電流制御部に予め記憶させた。また、真空の誘電率ε0として、8.854×10−12[A・s・N−1・m−2]を定電流制御部に予め記憶させた。また、2次転写ニップの長さWとして3[mm]を定電流制御部に予め記憶させた。また、ベルト線速(=プロセス線速)vとして280[mm/s]を定電流制御部に予め記憶させた。よって、記録シートとして紙が用いられる場合に、数1の式、数2の式はそれぞれ次のように変形される。
Figure 0005273542
Figure 0005273542
このようにして2次転写電流の制御目標値Iを補正することで、紙面シートを用いた場合でも、印字率によらず、シート表面の凹凸パターンに対応した濃度ムラのない画像を形成することができた。
なお、制御目標値Iの補正のタイミングは、記録シートを1画素分だけ搬送する毎のタイミングとしている。つまり、本プリンタでは、記録シートの各画素ライン(主走査方向に延びる画素ライン)毎に、印字率を求め、その結果に基づいて制御目標値Iを補正している。但し、例えば、数〜数十ライン毎など、補正時間間隔をより広げてもよい。
また、数1のシートの比誘電率εpとして、デフォルトでは紙に対応する「7.0」を採用しているが、ユーザーによるシート材質の入力結果に基づいて、例えば、OHPシートに対応する値、表面コート紙に対応する値などに適宜入れ替えるようになっている。これらの値も、予めの調査によって特定したものを予め記憶させている。また、紙であっても、その種類によっては、「7.0」とは異なる非誘電率εpを採用するようになっている。例えば、記録シートについて、ユーザーによる入力に基づいて、NBSリコー社製の「複写印刷用紙<135>」や、NBSリコー社製の「FCホワイト<220>」などの厚紙であることが判明した場合には、比誘電率の値として「11」を採用するようになっている。
体積抵抗率ρは、記録シートが2次転写ニップを通過する時間(W/v)と記録シートの時定数(ρ×εp×ε0)とから求められる値である。時定数は、定常状態の値(極限値)との差が初めの1/e倍(≒0.37倍)になるまでの時間である。記録シートにトナーを転写するためには、少なくとも、シート表面上に転写されるトナーと等量の逆電荷が必要になる。ここで、シート表面にトナー(マイナス電荷)が存在する場合に、シート裏面にそれと同じ量のプラス電荷が存在すると仮定すると、両者間をRCの並列回路と見なすことができる。この回路の電位(電荷)の減衰時間の尺度である時定数(τ=RC=ρ×εp×ε0)よりも記録シートの電気抵抗が高ければ、転写ニップ内でのトナー電荷の移動(転写)による電流が記録シートを直接流れる電流に比べて多くなると言える。
記録シートの体積抵抗率ρが数1の数式の右辺以下であれば、2次転写ニップ内において、ベルトの無垢の表面とシートとが直接接触している領域(非画像部)を流れる電流と、ベルト表面とシートとの間にトナーを介在させている領域(画像部)を流れる電流とが同程度になるか、前者の方が多くなる。これに対し、記録シートの体積抵抗率ρが数1の数式の右辺を超えると、後者の電流の方が多くなる。従来の画像形成装置においては、中間転写ベルト21、2次転写ローラ26、2次転写対向ローラ24などの体積抵抗率ρをかなり低く設定することで、連続通紙時に,電荷の蓄積、蓄積した電荷の履歴などが画像に現れることを抑えていた。ところが、それらの部材の体積抵抗率ρがそれぞれ記録シート以下であると、記録シートの体積抵抗率ρの影響が大きくなるため、印字率によっては濃度ムラが発生していた。これに対し、本プリンタでは、給紙カセット内での乾燥などによって記録シートの体積抵抗率ρがそれら部材よりも高くなったとしても、転写ニップ内での微小放電の発生を抑えて、濃度ムラのない画像を形成することができる。
なお、記録シートの体積抵抗率ρが数1の数式の右辺よりも低くなると、中間転写ベルト21の体積抵抗率(1E9Ωcm)と同じオーダとなり、例えば1E9Ωcmの場合は、図4のグラフに示したように,電流−電圧特性も印字率に殆ど依存しなくなる。よって、本プリンタでは、記録シートの体積抵抗率ρが式1の右辺よりも低い場合には、印字率に関係なく2次転写電流の制御目標値Iを−30[μA]で統一するようになっている。
記録シートの比誘電率εpの値は、シート材質だけでなく、温湿度によっても異なってくる。そこで、本プリンタの定電流制御部は、環境センサ85による温湿度の検知結果に基づいて、比誘電率εpを補正するようになっている。これにより、温湿度の変化による制御目標値の不適切化を回避することができる。
中間転写ベルト21としては、2.6[GPa]の引張り弾性率を発揮するポリイミドベルトを用いている。このようなベルトは、ベルト速度変動に起因する各色の重ね合わせずれ(色ずれ)の発生を抑えることができる。なお、シート表面の凹凸パターンに対応する濃度ムラについては、ゴム製ベルトよりも発生させ易くなる。従来では、濃度ムラの抑制を優先する場合にはゴム製ベルトを選択する一方で、重ね合わせずれの抑制を優先する場合にはポリイミドベルトを選択していたため、ムラ抑制とずれ抑制とを両立させることが困難であったが、本プリンタでは、ポリイミドベルトであっても濃度ムラの発生を効果的に抑えることができる。よって、ムラ抑制とずれ抑制とを両立させることが可能になった。
数2の数式に示したように、本プリンタでは、各色のトナーの電荷量に基づいて制御目標値Iを求めている。但し、各色のトナーの帯電量にあまり差がない場合や、現像装置内のトナーの帯電量が環境やストレスに対して安定している場合には、印字率だけに基づいて2次転写電流を制御しても、大きな効果が得られる。制御目標値を求める関数も、数2の数式に限られるものではなく、もっと単純な関数を用いてもよい。逆に、温湿度、シートの体積抵抗率、中間転写ベルト21上のトナーの付着量などといった、他の物理量を考慮した、より複雑な関数を用いることも可能である。更に、関数を使わずに、各色トナーの帯電量や印字率に応じて予め定められたテーブルに基づいて、制御目標値を求めてもよい。
上述したように、制御目標値Iを補正することで、特に粗面紙において大きな効果が得られるが、普通紙においても、制御目標値Iを補正しない場合に比べて、2次転写率を数パーセント向上させることができた。
なお、抵抗検知手段に代えて、環境センサ85による温湿度の検知結果や、シート材質などに基づいて、記録シートの体積抵抗率を予測する抵抗予測手段を設け、数1の数式の右辺がその予測結果を上回った場合に、数2に基づいて制御目標値Iを求めるようにしてもよい。
次に、実施形態に係るプリンタの変形例について説明する。
両面プリント動作においては、記録シートを定着装置に対して2回通すことになる(定着ローラ設定温度は165℃)。本発明者らは、紙製の用紙であれば、定着装置を1回通った記録シートは、数3に示した体積抵抗率を必ず上回ることを見出した。つまり、両面プリント動作においては、体積抵抗率を測定するまでもまく、2回目の転写の際には制御目標値Iを補正する必要があることがわかるのである。また、その体積抵抗率は、用紙であれば、所定の範囲内になることもわかった。そこで、変形例に係るプリンタでは、転写ニップに供給する記録シートが再送装置50によって再送したものである場合、即ち、2回目の転写の場合には、必ず、印字率に基づいて制御目標値Iを補正するようになっている。
これまで、トナー像の面積率として、印字率を採用した例について説明したが、画素数など、面積率を反映する他のパラメータを用いてもよい。
以上、実施形態に係るプリンタにおいては、記録シートの体積抵抗率を検知可能な抵抗検知手段を設けるとともに、制御目標値Iを補正するか否かを決定するための閾値(数1の右辺)として、2次転写ニップのベルト表面移動方向の長さWを、真空の誘電率ε0と、記録シートについて予め記憶している比誘電率εpと、ベルト線速vとの乗算値で除算した値を用いている。かかる構成では、既に説明したように、2次転写ニップ内でのトナー電荷の移動(転写)による電流が記録シートを直接流れる電流に比べて多くなることで、画像部で放電が起こり易くなる記録シートを用いた場合に、制御目標値Iの補正を行うことができる。
また、実施形態に係るプリンタでは、温度及び湿度のうちの少なくとも何れか一方を検知する環境センサ85を設けるとともに、記録シートについて予め記憶している比誘電率εpを環境センサ85による検知結果に応じて補正する処理を実施するように、定電流制御部を構成している。かかる構成では、既に説明したように、温湿度の変化による制御目標値の不適切化を回避することができる。
また、実施形態に係るプリンタにおいては、面積率としての印字率と、抵抗検知手段による体積抵抗率ρの検知結果とに加えて、予め記憶しているトナー帯電量ηの情報にも基づいて制御目標値Iを補正する処理を実施するようになっている。かかる構成では、トナー帯電量を加味することで、より適切な値に制御目標値Iを補正することができる。
また、実施形態に係るプリンタにおいては、像担持体として、所定の形状で張架されて無端移動せしめられる無端状のベルトからなり、且つ引っ張り弾性率が2[GPa]以上である像担持ベルトたる中間転写ベルト21を用いている。かかる構成では、既に説明したように、従来では困難であった、シート表面の凹凸パターンに対応した濃度ムラの抑制と、各色の重ね合わせずれの抑制とを両立させることができる。
、実施形態に係るプリンタを示す概略構成図。 ベタパターンの一例を示す模式図。 ベタパターンの他の例を示す模式図。 2次転写電流と、2次転写バイアスと、記録シートの体積抵抗率と、印字率との関係を示すグラフ。 2次転写率と、2次転写電流と、記録シートの体積抵抗率と、印字率との関係を示すグラフ。 2次転写率と、2次転写電流と、印字率との関係を示すグラフ。
符号の説明
2Y,M,C,K:感光体(像担持体)
21:中間転写ベルト(中間転写体)
26:2次転写ローラ(ニップ形成部材)
32:抵抗測定ローラ対(抵抗検知手段の一部)
34:電流計(抵抗検知手段の一部)
50:再送装置(再送手段)
83:高圧電源(抵抗検知手段の一部)
85:環境センサ

Claims (6)

  1. トナー像を担持する像担持体と、自らの移動する表面に該像担持体上のトナー像が転写せしめられる中間転写体と、該中間転写体に当接して転写ニップを形成する導電性のニップ形成部材と、該中間転写体と該ニップ形成部材との間に流れる転写電流の値を所定の制御目標値で安定させるように、該転写電流の出力元である電源からの出力電圧を制御する定電流制御手段とを備え、該転写ニップ内に送り込んだ記録シートの表面に、該中間転写体上のトナー像を転写する画像形成装置において、
    環境センサによって検知される温度及び湿度のうち少なくとも何れか一方に基づいて、上記転写ニップに供給される記録シートの電気抵抗を予測する抵抗予測手段、あるいは、該記録シートの電気抵抗を検知する抵抗検知手段、を設けるとともに、
    該抵抗予測手段による予測結果、又は該抵抗検知手段による検知結果が、所定の閾値を超えた場合に、該予測結果又は検知結果と、上記トナー像の面積率とに基づいて上記制御目標値を補正する処理を実施するように、上記定電流制御手段を構成したことを特徴とする画像形成装置。
  2. 請求項1の画像形成装置において、
    上記抵抗予測手段と上記抵抗検知手段とのうち、少なくとも、記録シートの体積抵抗率を検知可能な該抵抗検知手段を設けるとともに、
    上記閾値として、上記転写ニップの像担持体表面移動方向の長さを、真空の誘電率と、記録シートについて予め記憶している比誘電率と、上記像担持体の表面移動速度との乗算値で除算した値を用いるように、上記定電流制御手段を構成したことを特徴とする画像形成装置。
  3. 請求項2の画像形成装置において、
    温度及び湿度のうちの少なくとも何れか一方を検知する環境センサを設けるとともに、
    記録シートについて予め記憶している比誘電率を該環境センサによる検知結果に応じて補正する処理を実施するように、上記定電流制御手段を構成したことを特徴とする画像形成装置。
  4. トナー像を担持する像担持体と、自らの移動する表面に該像担持体上のトナー像が転写せしめられる中間転写体と、該中間転写体に当接して転写ニップを形成する導電性のニップ形成部材と、該転写ニップ内で該中間転写体上のトナー像を記録シートに転写するために、記録シートを該転写ニップ内に送り込む送込手段と、該中間転写体と該ニップ形成部材との間に流れる転写電流の値を所定の制御目標値で安定させるように、該転写電流の出力元である電源からの出力電圧を制御する定電流制御手段と、該転写ニップを通過した後の記録シートを加熱してその表面にトナー像を定着させる定着手段と、該転写ニップ及び定着手段を経由して第1面だけにトナー像が形成された記録シートの第2面に対してトナー像を形成するために、該定着手段から排出された該記録シートを上下反転させてから該送込手段に再送する再送手段とを備える画像形成装置において、
    上記転写ニップに対して上記再送手段によって再送した記録シートを送り込む場合には、上記トナー像の面積率に基づいて上記制御目標値を補正する処理を実施するように、上記定電流制御手段を構成したことを特徴とする画像形成装置。
  5. 請求項1乃至の何れかの画像形成装置において、
    上記面積率と、上記抵抗予測手段による予測結果、又は上記抵抗検知手段による検知結果とに加えて、予め記憶しているトナー帯電量の情報にも基づいて上記制御目標値を補正する処理を実施するように、上記定電流制御手段を構成したことを特徴とする画像形成装置。
  6. 請求項1乃至5の何れかの画像形成装置において、
    上記像担持体として、所定の形状で張架されて無端移動せしめられる無端状のベルトからなり、且つ引っ張り弾性率が2[GPa]以上である像担持ベルトを用いたことを特徴とする画像形成装置。
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