以下、本発明画像形成装置について、図面を参照しながら説明する。なお、本発明の画像形成装置は、以下の記述に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において適宜変更可能である。
[実施の形態1]
図1は、本発明の画像形成装置1の構成を示す図であり、図2は、実施の形態1で説明する画像形成装置1の構造を示す図である。画像形成装置1は、ホストコンピュータとの物理的階層のインタフェースを担い通信を行なうホストインタフェース部50と、ホストコンピュータからのコマンド及び画像データを解釈しあるいはビットマップデータへ展開するコマンド/画像処理部51と、コマンド/画像処理部51からの画像データをLEDヘッド3のインタフェースに合わせデータを加工するLEDヘッドインタフェース部52と、コマンド/画像処理部51からの指令に従いセンサを監視してモータ制御および印刷制御などを行なう転写制御部としての機構制御部53とから構成される。
更に、画像形成装置1は、各種の状況を検出するセンサ群と制御出力のための複数のアクチュエータを備え、これらは、機構制御部53に接続され、機構制御部53により統括制御されている。センサ群は、記録媒体Pを検出するためのセンサ21および22と、後述する搬送ベルト12からの分離した記録媒体Pを検出するセンサ23と、色ずれを検出する色ずれ検出センサ24と、後述する定着機構におけるジャムやヒートローラ25への記録媒体Pの巻き付きを監視する排出センサ27と、ヒートローラ25の温度を監視するサーミスタ28と、装置の雰囲気温度と相対湿度とを測定する環境温度センサ34とで構成されている。
また、アクチュエータとして、ホッピングローラ16を駆動するホッピングモータ54と、レジストローラ17を駆動するレジストモータ55と、搬送ベルト12を移動させるため駆動ローラ13を駆動するベルトモータ56と、ヒートローラ25を駆動するヒータモータ57と、感光ドラムを駆動するドラムモータ58と、ヒートローラ25の中に配置されるヒータ59と、マイクロプロセッサあるいはカスタムLSI(large scale integrated)で構成され、各印刷機構へ供給するチャージ(帯電)電圧や現像バイアスや転写電圧などを生成するための制御信号を発生する高圧制御部60と、各印刷機構へのチャージ電圧の供給を行なうCH発生部61と、各印刷機構への現像バイアスの供給を行なうDB発生部62と、各印刷機構の転写ローラに対し転写電圧の供給を行なう転写電圧印加部としてのTR発生部63などがある。
この機構制御部53は、記録媒体Pの比誘電率を測定する測定部101と接続され、上述のセンサ群とアクチュエータと同様に制御する。この測定部101は、記録媒体Pの厚みを測定する厚み測定部と、記録媒体Pの抵抗値を測定する抵抗測定部とを兼ねている。
更に、画像形成装置1は、記憶部80を備えている。記憶部80は、測定部101で測定された記録媒体Pの厚み、比誘電率及び抵抗値から導き出せる体積抵抗率とを記憶する。
画像形成装置1は、シアン(C)、マゼンタ(M)、イエロー(Y)、ブラック(K)の4色の現像剤としてのトナーのそれぞれに対応する4つの印刷機構2K、2Y、2M、2Cを、この順序で記録媒体Pの挿入側から排出側へ向かう搬送路に沿って並設している。印刷機構2K、2Y、2M、2Cは、それぞれ搬送路に搬送されてくる記録媒体Pに対して各色のトナーを用いてカラー画像を記録するための電子写真式LEDプリントユニットである。
具体的には、印刷機構2K、2Y、2M、2Cは、それぞれ静電潜像担持体としての感光ドラム6K、6Y、6M、6Cと、これら感光ドラム6K、6Y、6M、6Cのそれぞれの表面に帯電させる帯電ローラ5K、5Y、5M、5Cと、入力された画像データに基づいて感光ドラム6K、6Y、6M、6Cのそれぞれを露光して静電潜像を形成するLEDヘッド3K、3Y、3M、3Cと、感光ドラム6K、6Y、6M、6Cのそれぞれの表面に形成された静電潜像をトナーによって現像する現像ローラ7K、7Y、7M、7Cと、現像ローラ7K、7Y、7M、7Cの表面に形成されるトナーの層を均一に規制する現像ブレード8K、8Y、8M、8Cと、現像ローラ7K、7Y、7M、7Cにトナーを供給するスポンジローラ9K、9Y、9M、9Cと、各色のトナーを収容するトナーカートリッジ10K、10Y、10M、10Cとを有する。
印刷機構2K、2Y、2M、2Cの感光ドラム6K、6Y、6M、6Cの下方には、それぞれ、感光ドラム6K、6Y、6M、6Cに現像されたトナー画像を搬送ベルト12によって搬送される記録媒体Pに転写する転写部としての転写ローラ4K、4Y、4M、4Cが備えられている。この転写ローラ4K、4Y、4M、4Cと感光ドラム6K、6Y、6M、6Cとの間に搬送ベルト12が移動可能に配置されている。この搬送ベルト12は、継ぎ目なしのベルト状の構造に形成されており、駆動ローラ13と従動ローラ14とに掛け渡されている。そして、その材料は、高抵抗の半導電性プラスチックフィルムである。駆動ローラ13は、ベルトモータ56に接続され、このベルトモータ56により駆動ローラ13は矢印g方向に回転する。従動ローラ14は、搬送ベルトが弛むことがないように、矢印f方向に搬送ベルト12を引っ張っている。
また、画像形成装置1には、搬送路に用紙を供給するための給紙機構が設けられている。この給紙機構は、ホッピングローラ16とレジストローラ17と記録媒体カセット19とガイド20から構成されている。この記録媒体カセット19に収容されている記録媒体Pが、図示しない弁別手段により1枚ずつ選択されホッピングローラ16により繰り出されて、ガイド20で案内されてレジストローラ17に達する。
記録媒体Pが不正な姿勢で繰り出されたとき、例えば、記録媒体Pが斜め送りされた場合、レジストローラ17と相対するピンチローラ18とによって記録媒体Pの姿勢が修正される。その後、記録媒体Pはレジストローラ17から吸着ローラ15と搬送ベルト12との間へ導かれる。吸着ローラ15は、記録媒体Pを従動ローラ14に圧接させるとともに帯電させる。搬送ベルト12は、その上面にこの帯電した記録媒体Pを静電吸着する。
センサ21、22は、それぞれレジストローラ17の前後に配置されており、記録媒体Pを検出する。搬送ベルト12の記録媒体Pの搬送方向下流側には、センサ23が設けられる。このセンサ23は、搬送ベルト12からの分離した記録媒体Pを検出するためのものであり、記録媒体Pの後端位置を検出する。
搬送ベルト12から分離された記録媒体Pは、定着機構へ導かれる。この定着機構は、ヒートローラ25と記録媒体Pを加圧する加圧ローラ26とから構成される。ヒートローラ25は、ヒータモータ57により駆動され、加圧ローラ26はヒートローラ25に連れ周りしている。
定着機構は、センサ23の記録媒体Pの搬送方向のさらに下流側に配置され、記録媒体P上のトナーに熱を加え、溶融し、記録媒体Pにトナー画像を定着させる。ヒートローラ25の表面近傍にサーミスタ28と、ヒートローラ25の記録媒体Pの搬送方向のさらに下流側には、排出センサ27が設けられ、定着機構におけるジャムや記録媒体Pのヒートローラ25への巻き付きを監視している。サーミスタ28は、ヒートローラ25の温度を監視する。排出センサ27の記録媒体Pの搬送方向下流側に、記録媒体Pを排出スタッカ30へと搬送するガイド29が設けられ、印刷済みの記録媒体Pを排出スタッカ30へ排出するべく案内する。
搬送ベルト12の下部には、クリーニングブレード32と廃トナータンク33とからなるクリーニング機構がある。クリーニングブレード32は、搬送ベルト12の下半部12bを介して、従動ローラ14に対向する位置に設けられ、可撓性のゴム材又はプラスチック材からなる。そして、このクリーニングブレード32は、搬送ベルト12の上半部12aにおいて、表面に付着残留したトナーを廃トナーとして掻き落とす。廃トナータンク33は、クリーニングブレード32の近傍に備えれられ、クリーニングブレード32によって掻き落とされた廃トナーを溜めることができる。
画像形成装置1は、ガイド20による媒体搬送路中に測定部101が設置されている。図3は、この測定部の構成を示す模式図である。測定部101は、接触部材としての電極121と電極122とにより構成され、電極121と電極122とでガイド20に沿って搬送される記録媒体Pを挟むような位置に配置されている。
電極121は、ジョイント125を中心に回転可能に設置されたレバー124の一端と接続されている。このレバー124の電極121が接続された一端側にテンションスプリング123が備えられており、このテンションスプリング123によって所定の圧力で電極121を電極122の方法に押圧している。
レバー124の他端側にはカム127が備えられている。このカム127が回転することで、レバー124が電極121と一体となって上下方向に可動な構造となっている。このカム127は、記録媒体Pが測定部101に到達するときに電極121を持ち上げるように、記録媒体Pの搬送にあわせて回転し、電極121と電極122との間に記録媒体Pを挟むことができる。
このレバー124のテンションスプリング123が備えられた一端とは反対側の他端近傍には、変位センサ126が設けられている。この変位センサ126は、反射型フォトセンサで構成され、レバー124の他端との距離を測定する。その電圧出力がA/D変換されて、機構制御部53で検出される。測定部101は、変位センサ126とレバー124の他端との距離から記録媒体Pの厚みを測定することができる。
この測定部101では、記録媒体Pの厚みの他に、記録媒体Pの比誘電率及び抵抗値を測定することができる。図4は、測定部によって比誘電率及び抵抗値を測定するための回路結線図である。測定部101の電極122には、スイッチ135が接続されており、このスイッチ135によって、接地されているAC電源131、又は、接地されているDC電源132と選択的に接続可能となっている。
電極121には、スイッチ136が接続されており、このスイッチ136によって、負荷抵抗133、又は、可変の負荷抵抗134と選択的に接続可能となっている。そして、AC電源131及びDC電源132は、負荷抵抗133と可変の負荷抵抗134と共にグランドへ接続されている。スイッチ135とスイッチ136は、連動して動作し、電極122がAC電源131と接続された場合、負荷抵抗133と電極121とを接続させ、電極122がDC電源132と接続された場合、可変の負荷抵抗134と電極121とを接続させる。このスイッチ135及びスイッチ136の制御は、機構制御部53で制御される。
そして、この測定部101は、電極121とスイッチ136との間に端子137を有し、電極122とスイッチ135との間に端子138を有している。この端子137及び端子138からの出力を機構制御部53で監視できるようになっている。
機構制御部53は、端子137及び端子138の出力電圧から、AC電源131と負荷抵抗133による電圧降下の位相差から電極121、122と記録媒体Pによって形成されるコンデンサの容量を算出することができる。この容量に基づいて記録媒体Pの比誘電率を導き出すことができる。
また、機構制御部53は、可変の負荷抵抗134の抵抗値と、DC電源132の出力から、記録媒体Pに流れる電流値を算出することできる。算出された電流値と記録媒体Pの電圧降下とから、記録媒体Pの抵抗値が導き出せ、体積抵抗率が算出できる。
このように、測定部101は、厚み測定部、誘電率測定部及び抵抗測定部として機能するが、記録媒体Pと接触する電極121及び電極122は共通している。これにより、記録媒体Pの厚み、比誘電率及び抵抗値を測定するために、記録媒体Pを搬送路上で何度も止める必要がなくなる。
このような構成を有する本発明の画像形成装置1は、以下のように動作する。画像形成装置1は、上位装置、即ちホストコンピュータから送信されてきた印刷データをホストインタフェース部50経由で受信すると、コマンド/画像処理部51は、機構制御部53に印刷の指示を出す。機構制御部53は、印刷の指示を受けると、ヒータ59を暖めるように制御を開始する。このとき、機構制御部53は環境温度センサ34を参照し、記憶部80に記憶されている最適な定着温度を読み出す。そして、サーミスタ28の温度検出値を監視しながら、最適な定着温度に維持するようにヒータ59をON/OFF制御する。画像処理部51に内臓されているメモリに記録媒体P上に印刷される1ページ分の画像データが格納され、サーミスタ28の温度検出値が最適温度に到達すると印刷処理へ入る。
次に、記録媒体カセット19に収納されている記録媒体Pに印刷データを印刷する処理について説明する。印刷処理が可能となる条件が整った後、コマンド/画像処理部51は機構制御部53に対して印刷開始の指令を出す。機構制御部53は、印刷開始の指令を受けると、ベルトモータ56およびドラムモータ58を駆動し、駆動ローラ13を回転させ、搬送ベルト12を駆動させる。そして、各印刷機構2K、2Y、2M、2Cを駆動させる。印刷機構2K内のトナーは、スポンジローラ9Kと現像ローラ7Kに強く擦られて摩擦帯電する。その後、機構制御部53は、ホッピングモータ54を駆動し、ホッピングローラ16を回転させ、記録媒体カセット19の記録媒体Pを1枚だけガイド20へ送る。記録媒体Pの先端がレジストローラ17とピンチローラ18の間に到達すると、ホッピングモータ54は停止する。
そして、レジストローラ17およびヒートローラ25をそれぞれ回転させる。これと同時に、機構制御部53は、図示しない吸着帯電電源をONにして、吸着ローラ15へ電力を供給する。記録媒体Pは、レジストローラ17によって搬送され、その先端が吸着ローラ15と搬送ベルト12との間に達する。この時点で、記録媒体Pの先端は、吸着ローラ15と従動ローラ14との間の静電力により搬送ベルト12に吸着される。さらに、レジストローラ17が回転すると、記録媒体Pは搬送ベルト12に吸引されながら図中矢印e方向に搬送される。
機構制御部53は、帯電ローラ5K及び現像ローラ7Kへの電力供給を行うために、高圧制御部60に指令を出し、帯電用電源(CH発生部61)とDBバイアス電源(DB発生部62)をONにする。これにより、帯電ローラ5Kの帯電により、印刷機構2Kの感光ドラム6Kの表面は均一に帯電する。そして、現像ローラ7Kも所定の高電圧に帯電し、帯電しているトナーは、現像ブレード8Kにより現像ローラ7Kの表面に均一な厚さで付着する。印刷機構2Y、2M、2Cも同様に動作し、各色のトナーは、現像ローラ7Y、7M、7Cの表面に均一な厚さで付着する。
画像処理部51は、記録媒体Pが所定の位置に到達したことを機構制御部53から通報されると、ブラックの画像データが記憶されているメモリから、1ライン分のブラックの画像データをLEDヘッドインタフェース部52へ送信する。LEDヘッドインタフェース部52は、受信した画像データをLEDヘッド3Kへ送信できるフォーマットに変換した後、LEDヘッド3Kへ送信する。LEDヘッド3Kは、送信されてきた画像データに基づいてLED素子を点灯させ、帯電した感光ドラム6Kの表面に画像データに応じた1ライン分の静電潜像を形成する。
同様に、1ライン毎にメモリから送られてくるブラックの画像データは、1ページを満たすまで次々と回転する感光ドラム6Kの表面に静電潜像化される。静電潜像が形成された感光ドラム6Kの表面には、帯電した現像ローラ7Kからブラックトナーが付着する。感光ドラム6Kを回転することにより、静電潜像が次々とブラックトナーにより現像される。記録媒体Pの先端が感光ドラム6Kと転写ローラ4Kとの間に到達した時点で、機構制御部53は、高圧制御部60へ指令を出し、ブラックの転写用電源(TR発生部63)をONする。これにより感光ドラム6Kの表面のトナー画像は、転写ローラ4Kにより記録媒体P上に電気的に転写される。感光ドラム6Kの回転により、トナー画像は次々と記録媒体P上に転写され、1ページ分のブラック画像が記録媒体Pに転写される。以上により、印刷機構2Kによる記録媒体Pへのブラックのトナー画像の転写が終了する。
搬送ベルト12は引き続き移動し、記録媒体Pは印刷機構2Kから印刷機構2Yへ移り、印刷機構2Yによるイエローのトナー画像の転写が行われる。イエローのトナー画像形成の動作は、ブラックのトナー画像形成の動作と同様である。これに続いて、マゼンタ、シアンと連続してトナー画像が記録媒体Pに転写され、各色のトナー画像が記録媒体P上に重ねて転写される。その後、記録媒体Pは、搬送ベルト12によりヒートローラ25と加圧ローラ26とで構成される定着機構へ搬送される。
記録媒体Pが定着機構に到達すると、既に定着可能な温度に達しているヒートローラ25と、これに圧接する加圧ローラ26により、トナー画像が記録媒体Pに熱定着する。定着が終了すると、記録媒体Pは排出スタッカ30へ排出される。この排出工程では、排出センサ27が記録媒体Pの後端を検出し、検出した旨を機構制御部53へ通知する。排出終了の通知を受けると、機構制御部53は、全てのモータを停止する。なお、各印刷機構2K、2Y、2M、2Cにおいて、トナーの転写が終了した時点で転写用電源(TR発生部63)はOFFにされ、帯電用電源(CH発生部61)とDBバイアス電源(DB発生部62)は感光ドラム6K、6Y、6M、6Cの回転が停止したときにOFFになる。以上のようにして、記録媒体カセット19から繰り出された記録媒体Pにカラー画像が記録される。
次に、画像形成装置1のトナー画像の記録媒体Pへの転写時における転写条件としての転写電圧の制御動作について説明する。
画像形成装置1の測定部101は、記録媒体Pの厚みd、比誘電率εr、及び、抵抗値R1を測定することができる。まず、測定部101における記録媒体Pの厚みdの測定について説明する。
機構制御部53は、ホッピングモータ54を制御してホッピングローラ16を駆動させて、記録媒体Pを測定部101に送り出す。このとき、機構制御部53は、カム127を回転させて、レバー124を介して電極121を上方向に動かして電極122から離し、電極121と電極122との間にガイド20に沿って搬送される記録媒体Pを挟むことができる状態とする。
ホッピングローラ16は、機構制御部53により制御されたホッピングモータ54により駆動し、測定部101に記録媒体Pが到達すると停止する。記録媒体Pの送り量は、機構制御部53がホッピングモータ54の回転量を監視することで制御される。記録媒体Pが測定部101に到達して停止すると、機構制御部53は、カム127を回転させて記録媒体Pを電極121と電極122の間に挟み込む。
記録媒体Pが電極121と電極122とに挟み込まれると、機構制御部53は、フォトセンサで構成される変位センサ126の出力からレバー124のテンションスプリング123が備えられた一端とは反対側の他端の変位を検出し、変位センサ126とレバー124との距離を測定する。これにより、変位センサ126とレバー124との距離と、レバー124の寸法から電極121の変位量、すなわち記録媒体Pの厚みdを測定することができる。このように測定部101で測定された記録媒体Pの厚みdは、記憶部80に記憶される。
次に、測定部101における記録媒体Pの比誘電率εrの測定について説明する。カム127の回転により、記録媒体Pが電極121と電極122とに挟み込まれると、機構制御部53は、スイッチ135とスイッチ136とを同時に駆動させ、電極122をAC電源131に接続させ、電極121を負荷抵抗133に接続させる。これにより、AC電源131からAC電圧の供給が開始され、機構制御部53は、機構制御部53内に備えられた図示されないADコンバータによって、端子137及び端子138の電圧値を検出する。
AC電源131から出力されるAC電圧の振幅及び周波数は、例えば振幅V0=5[V]、周波数f=1000[Hz]といったように、電極121、電極122の面積を考慮して決定される。端子137及び端子138の電圧の検出は、このAC電源131の周波数よりも十分に速い、例えば1000[Hz]の100倍の周波数105[Hz]で行われ、検出された電圧値は、少なくともAC電源周期の1周期に渡って記憶部80に記憶される。
図4に示される回路において、測定部101の電極121及び電極122と記録媒体Pとはコンデンサの役割を果たす。そのため、比誘電率を測定する際、測定部101は、負荷抵抗133とコンデンサからなる直列交流回路となる。そして、AC電源131と回路を流れる電流の間には、下記式(1)のような位相差φが発生する。
上記式(1)中のRは、負荷抵抗133の抵抗値で、例えば107[Ω]、Cは、電極121及び電極122と記録媒体Pで構成されるコンデンサの静電容量、ωは、AC電源131の出力周波数fに対応する角振動数で、ω[rad/s]=2πfで示される。
機構制御部53が端子137及び端子138の出力電圧値を検出すると例えば図5のようになる。図4の測定部101の回路から、端子137の出力は負荷抵抗133の電圧に相当し、端子138の出力はAC電源131の電圧に相当する。この回路を流れる電流の位相は負荷抵抗133の電圧と同じ位相であるため、図5のように、端子137の出力ピーク値と端子138の出力ピーク値とがずれた時間Δtを測定することで、下記式(2)から位相差φが算出できる。
なお、図4で示される回路では、インダクタンスはほぼ0であるため、電流の位相に相当する端子137の位相は、常にAC電源131の電圧の位相である端子138の位相よりも進んでいる。上記式(1)により、位相差φは常に電流の位相が遅れる方向が正であるため、この回路では常に位相差φは負となる。
端子137と端子138の出力電圧から位相差φが算出されたことで、上記式(1)から導き出せる下記式(3)からコンデンサの静電容量Cを算出することができる。
この電極121及び電極122と記録媒体Pとで構成されるコンデンサの静電容量Cは、比誘電率εr、記録媒体Pの厚みd、電極121及び電極122の面積S、真空の誘電率ε0(8.85418782×1012[F/m])を用いて下記式(4)のようにも表すことができる。
式(3)から算出されたコンデンサの静電容量Cを用いて、上記式(4)から導き出せる下記式(5)によって記録媒体Pの比誘電率εrを導き出すことができる。
なお、比誘電率εrは、真空の誘電率ε0と誘電率εとの比であり、下記式(6)によって表すことができる。そして、比誘電率εrを求めることは、誘電率εを求めることと同等である。
上記式(5)中の電極121及び電極122の面積Sは既知であり、その一例として0.0004[m]である。例えば、測定部101で記録媒体Pの厚みdが0.0001[m]、上記式(2)で算出された位相差φが−π/4ラジアンである場合、記録媒体Pの比誘電率εrは、式(5)から、εr=dC/ε0S=2.27となる。このように測定部101で測定された比誘電率εrは、記憶部80に記憶される。
そして、測定部101における記録媒体Pの抵抗値の測定について説明する。測定部101で比誘電率εrを測定した後、機構制御部53は、スイッチ135とスイッチ136とを同時に駆動させ、電極122をDC電源132に接続させ、電極121を可変の負荷抵抗134に接続させる。これにより、DC電源132から所定の電圧VDCが印加され、機構制御部53は、端子137の電圧が所定の範囲内となるように、可変の負荷抵抗134を制御し、可変の負荷抵抗134と端子137の電位を測定する。可変の負荷抵抗134の抵抗値RVと端子137の電位VRVから可変の負荷抵抗134に流れる電流IDCは、下記式(7)により算出できる。
キルヒホッフの法則により、可変の負荷抵抗134に流れる電流IDCと測定部101の電極121と電極122の間に挟まれる記録媒体Pを貫通して流れる電流とは等しくなる。したがって、記録媒体Pの面積あたりの抵抗値R1は、可変の負荷抵抗134に流れる電流値と端子137の電圧値から下記式(8)を用いて導き出せる。
上記式(8)中、電極121及び電極122の面積Sは既知である。したがって、測定部101で測定された記録媒体Pの厚みdと抵抗値R1とによって、記録媒体Pの体積抵抗率ρを下記式(9)によって算出できる。
例えば、DC電源132からの印加電圧VDCが5[V]、端子137の電位VRVが1[V]、可変の負荷抵抗134の抵抗値RVが5×107[Ω]である場合、上記式(7)、式(8)、式(9)からρ=8×108[Ω・m]となる。このように測定部101で算出された記録媒体Pの体積抵抗率ρは、記憶部80に記憶される。
記憶部80に記憶された記録媒体Pの厚みd、比誘電率εr、及び、体積抵抗率ρに基づいて転写条件の制御が行われる。機構制御部53は、記憶部80に記憶された記録媒体Pの厚みdと、比誘電率εrとから誘電厚みDを算出する。誘電厚みDは、下記式(10)のように、記録媒体Pの厚みdを記録媒体Pの比誘電率εrで除算したものとして表すことができる。
このとき、機構制御部53は、記憶部80に記憶された記録媒体Pの比誘電率εrと、体積抵抗率ρとから緩和時間τを算出する。緩和時間τは、下記式(11)のように、比誘電率εrと真空の誘電率ε0と体積抵抗率ρとの積で表すことができる。
算出された記録媒体Pの誘電厚みD及び緩和時間τは、記憶部80に記憶される。
以上のように、誘電厚みDと緩和時間τが算出された後、機構制御部53は、転写電圧制御テーブルを参照する。転写電圧制御テーブルは、TR発生部63が転写ローラ4K、4Y、4M、4Cのそれぞれに印加する電圧を示すテーブルで、記憶部80に記憶されている。この転写電圧制御テーブルは、図6のように、1色目転写電圧制御テーブルと、1色目転写電圧と2色目転写電圧の差分テーブルと、2色目転写電圧と3色目転写電圧との差分テーブルと、3色目転写電圧と4色目転写電圧の差分テーブルにより構成されている。
転写電圧制御テーブルの1色目転写電圧制御テーブルは、誘電厚みDに依存して決定されている。図7は、記録媒体の誘電厚みと転写電圧との関係を説明する図である。1色目のトナー画像の転写動作時において、転写電圧の電圧降下は、記録媒体Pの誘電厚みDが厚くなるのに応じて大きくなる。誘電厚みDの厚い記録媒体と感光ドラム6との間の空隙内の電圧が、誘電厚みDの薄い記録媒体と感光ドラム6との間の空隙内の電圧と同じとなるためには、誘電厚みDの薄い記録媒体の際に転写ローラ4のシャフトに印加した転写電圧設定値2よりも大きな転写電圧設定値1を印加する必要がある。したがって、転写が行われる感光ドラム6と記録媒体Pの間の空隙内の電界強度が、誘電率及び厚みの異なる記録媒体Pに依存せずに記録媒体Pの表面の電圧が一定となるようにするために、機構制御部53は、誘電厚みDによる電圧降下の差を考慮して転写ローラ4のシャフトに電圧を印加するように制御する。
1色目転写電圧と2色目転写電圧の差分テーブルと、2色目転写電圧と3色目転写電圧との差分テーブルと、3色目転写電圧と4色目転写電圧の差分テーブルとは、誘電厚みDと緩和時間τとに依存して決定される。1色目のトナー画像の転写時、記録媒体Pの表面は帯電していないが、1色目のトナー画像の転写が行われると記録媒体の表面及び裏面に電荷が付着してしまう。したがって、2色目以降は、この電荷の付着を考慮しなければならない。図8は、記録媒体の帯電と転写電圧との関係を説明する図である。感光ドラム6上に現像された負帯電のトナーは、正の電圧を転写ローラ4に印加して記録媒体P上に写し取る。しかしながら、この記録媒体Pと感光ドラム6との接触や、搬送ベルト12内を流れる電流などによって、記録媒体Pの感光ドラム6側の表面には負の電荷が蓄積し、その裏面には正の電荷が蓄積する。すなわち、1色目以降のトナー画像の転写時における記録媒体Pと感光ドラム6との間の空隙内の電圧が、1色目のトナー画像の転写時における記録媒体Pと感光ドラム6との間の空隙内の電圧と同じとなるためには、1色目のトナー画像の転写時に転写ローラ4のシャフトに印加した電圧よりも高い電圧を印加しなければならない。これは、記録媒体Pの表面に残量した電荷量は、転写の回数に応じて多くなるため、記録媒体Pの下流側にある転写ローラ4には、転写電圧を高くする必要がある。
上述で算出した記録媒体の緩和時間τは、物質に帯電した電荷が消失する時間を表す目安となり、緩和時間τが経過すると、物質に帯電した電荷はおよそ1/3となる。すなわち、この記録媒体Pの表面の電荷の消費量は、記録媒体Pの緩和時間τに比例している。したがって、特に2色目以降のトナー画像の転写時において、転写が行われる感光ドラム6と記録媒体Pの間の空隙内の電界強度が、誘電率及び厚みの異なる記録媒体Pに依存せずに記録媒体Pの表面の電圧が一定となるようにするために、機構制御部53は、誘電厚みDだけではなく、緩和時間τを考慮して転写ローラ4のシャフトに電圧を印加するように制御する。
機構制御部53は、記録媒体Pへのトナー画像の転写動作が開始されると、記憶部80に記憶された記録媒体Pの誘電厚みDと、緩和時間とτを読み込み、この誘電厚みDと緩和時間τに基づいて、転写電圧制御テーブルを参照する。これにより、機構制御部53は、記録媒体Pの搬送方向上流側から1色目、2色目、3色目、4色目の転写電圧を決定する。このとき、転写電圧制御テーブルにある2色目以降の転写電圧は、その上流側にある転写ローラに印加した電圧との差分として示されているため、2色目以降の転写ローラには、その上流側の転写ローラに印加した電圧にテーブルに示されている差分を加えた値を転写電圧とする。そして、機構制御部53は、決定した転写電圧をそれぞれの転写ローラ4に印加する。
上述のようの本発明の画像形成装置1は、記録媒体Pの厚みd、比誘電率εr、体積抵抗率ρを測定部101で測定し、測定した結果から誘電厚みDと緩和時間τを算出する。この誘電厚みDと緩和時間τに基づいて、転写ローラ4に印加する転写電圧を決定することで、記録媒体Pの電圧降下及び電荷の減衰量を考慮して、より最適な転写条件を決定することができる。これにより、トナー画像のより最適な転写が可能となり、高画質の画像を形成することができる。
実施の形態1で説明した画像形成装置1は、測定部101で記録媒体Pの厚みd、比誘電率εr及び体積抵抗率ρを測定し、これらの値から誘電厚みDと緩和時間τを算出していたが、本発明はこれに限定するものではない。記録媒体Pの誘電厚みDは、上記式(5)から導き出せる下記式(12)より算出することもできる。
真空の誘電率ε0及び電極121及び電極122の面積Sは既知であるため、電極121、電極122及び記録媒体Pから構成されるコンデンサの静電容量Cを実測することで、測定部101で記録媒体Pの厚みdを測定しなくても誘電厚みDを導き出すことができる。
また、緩和時間τは、上記式(4)、式(9)及び式(11)から導き出せる下記式(13)より算出することもできる。
コンデンサの静電容量Cを実測し、記録媒体Pの電極の面積あたりの抵抗値R1を求めることで、測定部101で記録媒体のPの比誘電率εrを測定しなくても緩和時間τを算出することができる。そのため、上述したように、最適な転写条件を決定することができる。
このとき、測定部101は、記録媒体Pの誘電厚みDを測定する誘電厚み測定部と、記録媒体Pの抵抗値を測定する抵抗測定部として機能する。この場合、誘電厚み測定部でもある測定部101は、電極121、電極122及び記録媒体Pから構成されるコンデンサの静電容量Cを上述したように式(3)等から実測することができる。
[実施の形態2]
実施の形態2で説明する画像形成装置は、実施の形態1で説明した画像形成装置の測定部の回路の構成が異なるものである。以下、図9を参照して説明するが、実施の形態1の説明と重複する部材は同じ番号を付して説明を省略する。
測定部101は、実施の形態1と同様に、記録媒体Pを挟む電極121と電極122とを有している。電極122は、接地されていると共に、DC電源132と接続されている。また、電極121には、可変の負荷抵抗134が接続されている。そして、その可変の負荷抵抗134は、スイッチ145と接続されており、このスイッチ145によって、DC電源132と接続するか、電極122に短絡させるかを選択可能となっている。
そして、この測定部101は、電極121と可変の負荷抵抗134との間に端子147を有している。この端子147からの出力を機構制御部53で監視できるようになっている。
このような回路構成を有する測定部101は、記録媒体Pの静電容量を測定する静電容量測定部としての機能と、記録媒体Pの抵抗値を測定する抵抗測定部としての機能とを有している。まず、記録媒体Pの静電容量Cの測定について説明する。
まず、機構制御部53は、ホッピングモータ54を制御してホッピングローラ16を駆動させて、記録媒体Pを測定部101に送り出す。このとき、機構制御部53は、カム127を回転させて、レバー124を介して電極121を上方向に動かして電極122から離し、電極121と電極122との間にガイド20に沿って搬送される記録媒体Pを挟むことができる状態とする。
ホッピングローラ16は、機構制御部53により制御されたホッピングモータ54により駆動し、測定部101に記録媒体Pが到達すると停止する。記録媒体Pの送り量は、機構制御部53がホッピングモータ54の回転量を監視することで制御される。記録媒体Pが測定部101に到達して停止すると、機構制御部53は、カム127を回転させて記録媒体Pを電極121と電極122の間に挟み込む。
カム127の回転により、記録媒体Pが電極121と電極122とに挟み込まれると、機構制御部53は、スイッチ145を駆動させ、可変の負荷抵抗134をDC電源132に接続させる。これにより、DC電源132から例えば5[V]といった電圧がDC電圧の供給が開始され、機構制御部53は、機構制御部53内に備えられた図示されないADコンバータによって、端子147の電圧値を検出する。
DC電源132と可変の負荷抵抗134とが接続されてから所定の時間経過後、機構制御部53は、スイッチ145を駆動させてスイッチ145を接地側に接続し、電極121及び電極122と記録媒体Pとで構成されたコンデンサを放電させる。このとき、機構制御部53は、端子147の電圧値を測定し、スイッチ145を接地側に接続してから、スイッチ145を接地側に接続する直前の端子147の電圧値の1/e倍になるまでの時間τ2を測定する。このeは、自然対数の底であり、1/eは約0.37である。
この時間τ2は、電極121及び電極122と記録媒体Pとによって構成されるコンデンサ、並びに、可変の負荷抵抗134によって形成される回路の緩和時間である。したがって、電極121及び電極122と記録媒体Pによって構成されるコンデンサの静電容量Cは、可変の負荷抵抗134の抵抗値をRVとすると、下記式(14)によって導き出せる。
例えば、緩和時間τ2が0.0001[sec]、可変の負荷抵抗134の抵抗値RVが、1[MΩ]である場合、電極121及び電極122と記録媒体Pによって構成されるコンデンサの静電容量Cは、上記式(14)より、C=0.0001/1000000=10−10[F]となる。
このように、電極121及び電極122と記録媒体Pによって構成されるコンデンサの静電容量Cが測定できる。このように、測定部101で測定された静電容量Cは、記憶部80に記憶される。
次に、記録媒体Pの面積あたりの抵抗値R1の測定について説明する。この記録媒体Pの面積あたりの抵抗値R1は、端子147の電圧V147と、DC電源132の電圧VDCと、可変の負荷抵抗134の抵抗値RVとによって、実施の形態1と同様に、上記式(7)及び式(8)によって導き出すことができる。このように、測定部101で測定された抵抗値R1は、記憶部80に記憶される。
記憶部80に記憶された記録媒体Pの静電容量C及び抵抗値R1に基づいて、転写条件の制御が行われる。機構制御部53は、記憶部80に記憶された記録媒体Pの静電容量Cから誘電厚みDを算出する。真空の誘電率ε0及び電極121及び電極122の面積Sは既知であるため、記録媒体Pの誘電厚みDを上記式(12)に従って算出することができる。算出された記録媒体Pの誘電厚みDは、記憶部80に記憶される。
また、機構制御部53は、記憶部80に記憶された記録媒体Pのと静電容量Cと抵抗値R1とから、上記式(13)によって、記録媒体Pの緩和時間τを算出することができる。例えば、抵抗値R1が1010[Ω]である場合、式(12)より、τ=10−10×1010=1[sec]となる。算出された記録媒体Pの緩和時間τは、記憶部80に記憶される。
機構制御部53は、記録媒体Pへのトナー画像の転写動作が開始されると、記憶部80に記憶された記録媒体Pの誘電厚みDと緩和時間τに基づいて、実施の形態1と同様に、転写電圧制御テーブルを参照する。これにより、機構制御部53は、実施の形態1と同様に、記録媒体Pの搬送方向上流側から1色目、2色目、3色目、4色目の転写電圧を決定する。
このように、測定部101で、電極121及び電極122と記録媒体Pによって構成されるコンデンサの静電容量Cと、記録媒体Pの抵抗値R1を測定することで、記録媒体Pの誘電厚みDと緩和時間τとを算出することができる。算出された記録媒体Pの誘電厚みDと緩和時間τとに基づいて、転写ローラ4に印加する転写電圧を決定することで、記録媒体Pの電圧降下及び電荷の減衰量を考慮して、より最適な転写条件を決定することができる。これにより、トナー画像のより最適な転写が可能となり、高画質の画像を形成することができる。また、実施の形態1で説明した測定部101の回路構成に比べて、より単純でローコストな回路構成であり、記録媒体Pに適した転写制御を行うことができる。
本発明の画像形成装置は、静電潜像を形成するためにLEDヘッドを使用したが、レーザ光源を使用してもよい。また、本発明の画像形成装置は、静電潜像を形成する媒体を感光ドラムとしたが、ベルト状の部材に感光剤が塗布された感光ベルトであってもよい。さらに、本発明の画像形成装置は、印刷媒体の搬送状の上流からブラック、イエロー、マゼンタ、シアンの順に並設している場合について説明したが、多色のトナーを有し、複数の印刷機構を有する場合において、印刷機構の並設する順番は限定されるものではない。例えば、シアンが最も上流となるように備えられていてもよい。また、印刷機構の数が4つの例について説明したが、印刷機構の数を限定するものではなく、本発明は、印刷機構が多数であっても単数であっても適用可能である。例えば、ブラックのトナーを有する印刷機構のみであっても適用することができる。さらにまた、本発明の画像形成装置は、直接転写方式の電子写真画像形成装置に適用したが、間接転写方式の画像形成装置であっても適用可能であることは言うまでもない。