JP2004062086A - 画像形成装置 - Google Patents

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JP2004062086A JP2002223959A JP2002223959A JP2004062086A JP 2004062086 A JP2004062086 A JP 2004062086A JP 2002223959 A JP2002223959 A JP 2002223959A JP 2002223959 A JP2002223959 A JP 2002223959A JP 2004062086 A JP2004062086 A JP 2004062086A
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Yoichi Kimura
木村 要一
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Abstract

【課題】温度変化による中間転写体の体積抵抗率の変化に関わらず、画像不良を回避した画像形成装置を提供する。
【解決手段】表面に現像剤像が形成される像担持体1と、現像剤像が転写される中間転写体7aと、二次転写部に二次転写バイアスを印加することによって、中間転写体7aから現像剤像を記録材に転写する二次転写手段7Tと、を有し、中間転写体7aの体積抵抗率は温度依存性を有し、中間転写体7aの温度を検知する温度検知手段91を有し、温度検知手段91による温度検知結果に応じて、二次転写部のインピーダンス検知を行い、二次転写バイアスの印加電圧を制御する。
【選択図】    図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、中間転写体を用いて、電子写真方式又は静電記録方式を利用して、画像を記録材上に形成する複写機、ファクシミリ、プリンタ等の画像形成装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
図7は、カラー画像形成装置の概略図を示している。以下、図7を参照して、従来例を説明する。
【0003】
本例のカラー画像形成装置は像担持体として感光体1の周りに、一次帯電器2、露光装置(図示せず)、回転現像装置4、中間転写体7aが配置されている。
【0004】
回転現像装置4を構成する現像器群は、マゼンタ現像器4m、シアン現像器4c、イエロー現像器4y、及び、ブラック現像器4kを有し、これらの現像器4m、4c、4y、4kはそれぞれマゼンタ、シアン、イエロー、及び、ブラックの色現像剤が供給装置(図示せず)によって所定量充填されている。これらの現像器群4は感光体1の外周面と対向する位置に着脱されて感光体1上に形成された静電潜像の現像を行う。
【0005】
感光体1の下方には、中間転写体である無端の中間転写ベルト7aが、ここでは5本のローラ7bに張架されて配置されている。又、図7では中間転写ベルト7aの右方である、紙等の記録材の搬送方向で中間転写ベルト7aより下流には熱定着器6が配置されている。
【0006】
そして、中間転写ベルト7aは、ローラ7bに張架されて感光体1に表面を近接又は当接させて回転移動するように構成されている。
【0007】
中間転写ベルト7aを挟んで感光体1との対向部には、ローラ状の一次転写帯電器である一次転写ローラ7tが配置されている。一次転写ローラ7tは、不図示の電源に接続され、一次転写ローラ7tの中間転写ベルト7a近接又は当接位置である一次転写部にて一次転写バイアスを印加することによって、感光体1上に形成される現像剤像(トナー像)を中間転写ベルト7a表面に一次転写する一次転写手段を構成している。
【0008】
又、中間転写ベルト7aを巻架するローラ7bのうちひとつと対向して、レジストローラ82によって搬送されてくる記録材を、中間転写ベルト7aと挟持搬送する位置に、ローラ状の二次転写帯電器である二次転写ローラ7Tが配置されている。二次転写ローラ7Tも、一次転写ローラ7tと同様に、不図示の電源に接続され、二次転写ローラ7Tの中間転写ベルト7a近接又は当接位置である二次転写部にて二次転写バイアスを印加する二次転写手段を構成している。二次転写ローラ7Tは、中間転写ベルト7aに一次転写されたトナー像を記録材に転写する。
【0009】
以上のような構成のカラー画像形成装置について、全体の動作を4色フルカラーの画像形成の場合を例にとって簡単に説明する。
【0010】
ここではドラム状である感光体1が回転し、その外周表面を一次帯電器2によって一様に帯電する。次に図示しない原稿の1色目の例えばマゼンタの画像信号によって、変調されたレーザー光Lを感光体1に照射し、感光体1上にマゼンタの静電潜像を形成する。そしてその潜像を予め現像位置に定置したマゼンタ現像器4mによって現像して、感光体1上に1色目のマゼンタトナー像を形成する。
【0011】
一方中間転写ベルト7aは感光体1と同期して回転しており、一次転写部にて、一次転写ローラ7tに一次転写バイアスを印加することにより、感光体1上に形成されたマゼンタトナー像を中間転写ベルト7a上に転写する。中間転写ベルト7aはマゼンタトナー像を担持したまま回転を続けて、次の2色目のシアントナー像の転写に備える。このとき、中間転写ベルト7aの表面にはマゼンタトナー像が担持されているので、二次転写ローラ7T、中間転写ベルトクリーナー7cはそれぞれ、中間転写ベルト7a表面からは離間している。
【0012】
マゼンタのトナー像の転写が終了した感光体1の部分は、クリーニング部材9によって感光体1上の転写残トナーをクリーニングした後、回転現像装置4が回転して、感光体1と対向した2色目のシアン現像器4cの現像を経て、感光体1上にシアントナー像を形成し、一次転写部にてそのシアントナー像を中間転写ベルト7a上にマゼンタトナー像の上から重ねて転写する。
【0013】
同様な画像形成工程を3色目のイエロー、及び、4色目のブラックについても行い、一次転写部では、中間転写ベルト7a上にマゼンタ、シアン、イエロー、及び、ブラックの4色のトナー像を重ね合わせたトナー像を得る。
【0014】
一方、カセット(図示せず)からは記録材が、レジストローラ82等によって二次転写ローラ7Tの位置である二次転写部に、上記4色の複合トナー像と同期して搬送されて、これも4色の複合トナー像と同期して、中間転写ベルト7aに着した二次転写ローラ7Tに二次転写バイアスを印加することによって記録材上にトナー像を転写する。
【0015】
二次転写部にて4色の複合トナー像が転写された記録材は定着器6に搬送され、記録材を熱と圧力によって、トナー像を混色、記録材への固定を行い、機外へと排出する。
【0016】
中間転写ベルト7a上に残留したトナーは、中間転写体清掃手段である中間転写ベルトクリーナー7cによって除去される。中間転写ベルトクリーナー7cは、板状のウレタン樹脂を含む部材を、二次転写残留トナーの部分に同期して、中間転写ベルト7aに押し当てることにより、残留トナーを除去する。残留トナーを清掃された中間転写ベルト7aは次なる画像形成に備えるため、二次転写ローラ7T、中間転写ベルトクリーナー7cが離間状態となる。
【0017】
中間転写ベルト7aとして本例では、体積抵抗率を調整するためにイオン導電性フィラーを分散させたポリフッ化ビニリデン樹脂フィルムをシームレスベルト状に成形したものを用いた。
【0018】
中間転写ベルト7aの材料としては、体積抵抗率が中抵抗(10〜1012Ωcm程度)に調整されたものが好適に用いられる。
【0019】
その理由は、これより低い体積抵抗率では、導体としての振る舞いがみられ、静電気力によるトナー像の担持が困難なことによる画像とびちり、或いは転写帯電器7t、7Tから印加された転写バイアスが他の中間転写ベルト7aを張架するローラ7b類へとリークすることによる転写不良現象等が、発生するからである。
【0020】
又、一方でこれより高い体積抵抗率では、絶縁物としての振る舞いがみられ、転写帯電器7t、7Tによる転写バイアスが中間転写ベルト7aに蓄積し帯電不良を引き起こすチャージアップ現象や、高電圧になることによる異常放電が引き起こす画像不良が発生する。
【0021】
中間転写ベルト7aの体積抵抗率の調整方法としては、絶縁性物質である樹脂やゴム類に電子導電性や上記のようにイオン導電性のフィラーを分散させる方法が一般によく用いられている。
【0022】
電子導電性フィラーの代表的なものは、カーボンブラック等であるが、カーボンブラックは樹脂中等に分散させることそのものが難しく、凝集塊を作りやすいので、凝集塊のある部分では局所的に抵抗が低くなり、転写のバイアス印加に従って絶縁破壊を引き起こし画像不良となることがある。
【0023】
しかし、イオン導電性フィラーを用いた場合には、樹脂やゴム体への分散は比較的易しいものの、環境変動、特に温度による体積抵抗率の変動や、繰り返し帯電による耐久変動が大きいという特徴がある。
【0024】
尚、このような電子導電性フィラーやイオン導電性フィラーの電気的振る舞いは、転写帯電器や感光体を帯電する一次帯電器のような導電性ローラの場合にも同様であり、イオン導電性の導電性ローラの場合では予め、又は、あるタイミングをもって、帯電ローラそのもののインピーダンスを検知することで、帯電バイアスにフィードバックし、使いこなしている例がある。
【0025】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記のようなイオン導電性フィラーの振る舞いと、その使用方法は、中間転写ベルト7aの材料としては、困難な問題を有している。即ち、中間転写ベルト7aのようなベルト体において、イオン導電性フィラーが含まれているものは、ローラ形状と比較して熱容量が低い。
【0026】
そのため、雰囲気温度や画像形成装置本体内部の温度変化に追従しやすく、それが体積抵抗率の急激な変化となって現れる。
【0027】
こうした体積抵抗率の急激な変化を引き起こす、中間転写ベルト7a周囲の急激な温度外乱が生じる状況としては、例えば、熱定着器6が中間転写ベルト7aの近傍にあり、両面画像形成をした場合等に、1面目(表側)を定着した後の高温の記録材が2面目(裏面側)の画像形成のために再給紙され、中間転写ベルト7aに接触するような状況等が想定される。
【0028】
中間転写ベルトの体積抵抗率が変化しやすくなると、上記の適当な値(10〜1012Ωcm)から大きくずれる虞があり、その場合、上記に説明したような低抵抗率によって生じる画像飛び散りや転写不良、若しくは、高抵抗率によって生じるチャージアップ現象や異常放電が引き起こす画像不良等の不都合が生じやすい。
【0029】
従って、本発明の目的は、温度変化による中間転写体の体積抵抗率の変化に関わらず、画像不良を回避した画像形成装置を提供することである。
【0030】
【課題を解決するための手段】
上記目的は本発明に係る画像形成装置にて達成される。要約すれば、第1の本発明は、表面に現像剤像が形成される像担持体と、該現像剤像が転写される中間転写体と、二次転写部に二次転写バイアスを印加することによって、前記中間転写体から前記現像剤像を記録材に転写する二次転写手段と、を有し、
前記中間転写体の体積抵抗率は温度依存性を有し、該中間転写体の温度を検知する温度検知手段を有し、該温度検知手段による温度検知結果に応じて、前記二次転写部のインピーダンス検知を行い、前記二次転写バイアスの印加電圧を制御することを特徴とする画像形成装置を提供する。
【0031】
第1の本発明の一実施態様によると、更に、前記中間転写体の移動方向の位置情報を検知する位置検知手段を有し、該位置情報検知結果と前記温度検知手段による温度検知結果から得られる、前記中間転写体の移動方向の温度分布を基に、前記二次転写部のインピーダンス検知を行い、前記二次転写バイアスの印加電圧を制御する。
【0032】
第1の本発明の他の実施態様によると、更に、一次転写部にて一次転写バイアスが印加され、前記像担持体から前記現像剤像を前記中間転写体に転写する一次転写手段を有し、
前記温度検知手段による温度検知結果に応じて、前記一次転写部のインピーダンス検知を行い、前記一次転写バイアスの印加電圧を制御することが可能である。
【0033】
第2の本発明は、表面に現像剤像が形成される像担持体と、該現像剤像が転写される中間転写体と、一次転写部に一次転写バイアスを印加することによって、前記像担持体から前記中間転写体に前記現像剤像を転写する一次転写手段と、を有し、
前記中間転写体の体積抵抗率は温度依存性を有し、該中間転写体の温度を検知する温度検知手段を有し、該温度検知手段による温度検知結果に応じて、前記一次転写部のインピーダンス検知を行い、前記一次転写バイアスの印加電圧を制御することを特徴とする画像形成装置を提供する。
【0034】
第2の本発明の一実施態様によると、更に、前記中間転写体の移動方向の位置情報を検知する位置検知手段を有し、該位置情報検知結果と前記温度検知手段による温度検知結果から得られる、前記中間転写体の移動方向の温度分布を基に、前記一次転写部のインピーダンス検知を行い、前記一次転写バイアスの印加電圧を制御する。
【0035】
【発明の実施の形態】
以下、本発明に係る画像形成装置を図面に則して更に詳しく説明する。
【0036】
実施例1
図1は、カラー画像形成装置の概略図を示している。以下、図1に従って実施例を説明する。
【0037】
本実施例のカラー画像形成装置は、従来例と同様に、像担持体として感光体1の周りに、一次帯電器2、露光装置(図示せず)、マゼンタ現像器4m、シアン現像器4c、イエロー現像器4y、及び、ブラック現像器4kを搭載して回転現像装置4を構成する現像器群、中間転写体7aが配置されている。
【0038】
そして、ここでも、感光体1の下方に、6本のローラ7bに巻架された無端の中間転写体としての中間転写ベルト7aが配置されて、感光体1に表面を近接又は当接させて回転している。中間転写ベルト7aの図1では右方である、記録材の搬送方向で中間転写ベルト7aの位置より下流には熱定着器6が配置されている。
【0039】
そして、中間転写ベルト7aは、ローラ7bに張架されて感光体1に表面を近接又は当接させて回転移動するように構成されている。感光体1との対向部には、ローラ状の一次転写帯電器である一次転写ローラ7tが配置されている。一次転写ローラ7tは、不図示の電源に接続され、中間転写ベルト7aとの近接又は当接部である一次転写部に一次転写バイアスを印加することによって、感光体1上に形成されていいる現像剤像(トナー像)を中間転写ベルト7a表面に一次転写する一次転写手段を構成している。
【0040】
又、中間転写ベルト7aを巻架するローラ7bのうちひとつと対向して、レジストローラ82によって搬送されてくる記録材を、中間転写ベルト7aと挟持搬送する位置に、二次転写ローラ7Tが配置されている。二次転写ローラ7Tも、一次転写ローラ7tと同様に、不図示の電源に接続され、中間転写ベルト7aとの近接又は当接部である二次転写部に二次転写バイアスを印加する二次転写帯電器であり、二次転写手段を構成している。二次転写ローラ7Tは、中間転写ベルト7aに一次転写されたトナー像を記録材に転写する。
【0041】
このカラー画像形成装置でなされる全体の画像形成動作に関しても、従来例と同様の工程を経て、中間転写ベルト7a上にマゼンタ、シアン、イエロー、及び、ブラックの4色のトナー像を重ね合わせたトナー像を得られる。
【0042】
そして、記録材が、レジストローラ82等によって二次転写ローラ7Tと中間転写ベルト7aとの近接又は当接部である二次転写部に、上記4色のトナー像と同期して搬送されて、これもまた4色の複合トナー像と同期して、中間転写ベルト7aに近接又は近接又は当接した二次転写ローラ7Tに転写バイアスを印加することによって記録材上にトナー像を転写が転写される。
【0043】
そして、従来例と同様に、4色のトナー像が転写された記録材は定着器6に搬送され、記録材を熱と圧力によって、トナー像を混色、記録材への固定を行い、機外へと排出する。中間転写ベルト7a上に残留したトナーは、中間転写体清掃手段である中間転写ベルトクリーナー7cによって除去される。
【0044】
本実施例でも、中間転写ベルト7aとして、体積抵抗率を調整するためにイオン導電性フィラーを分散させたポリフッ化ビニリデン樹脂フィルムをシームレスベルト状に成形したものを用いた。
【0045】
中間転写ベルト7aに使用する樹脂材料としてはポリフッ化ビニリデン樹脂に限らず、ポリエチレンテレフタレート、ポリフッ化ビニリデン、ポリウレタン樹脂などのフィルムやゴム材料が用いられることもある。
【0046】
イオン導電性フィラーによって、体積抵抗率が中抵抗(10〜1012Ωcm程度)に調整されているため、この中間転写体ベルト7aの体積抵抗率の面内一様性は優れているものの、従来例で説明したように、図2で示すように、体積抵抗率は温度上昇に伴って減少することが分かっている。
【0047】
このように、イオン導電性の材質を中間転写ベルト7aに用いた場合では、温度(又は湿度)によって、その体積抵抗率が変化し、それによりバイアスが印加される時のインピーダンスが大きく変わるため、本発明の特徴として、中間転写ベルト7aの外側、定着器6に近い場所に、温度検知手段(温湿度センサー)91を配置しており、常時中間転写ベルト7aの温度をモニターしている。
【0048】
転写バイアスについては、例えば二次転写バイアスを例に説明する。本実施例では、熱定着器6の温度が60℃以下で電源投入がされた場合をもって、初期電源投入とみなす。画像形成装置本体の電源投入時にあたって、本体イニシャライズ動作が開始される。
【0049】
イニシャライズ動作は、紙詰まりの可能性に備えて、残留記録材が有り無し等のエラーチェックと、画像形成装置本体の自動調整と、を実行する動作が含まれる。二次転写バイアスの制御は自動調整項目の一つとして、このイニシャライズ動作中で実行される。
【0050】
その実際のイニシャライズ動作は、以下の工程▲1▼〜▲5▼にて行われる。
【0051】
▲1▼二次転写ローラ7Tを中間転写ベルト7aに近接又は当接させ、中間転写ベルト7aを回転させる。
【0052】
▲2▼二次転写部に所定の電圧V1を印加し、そのときの電流値I1を記録する。
【0053】
▲3▼印加バイアスVをV2、V3と変化させ、▲2▼と同様の記録を行う。
【0054】
▲4▼以上より得られる印加電圧と電流の、図3に示すような比例関係の実測テーブルを得る。
【0055】
▲5▼予め用意された必要転写電流量を出力するための必要電圧を、▲4▼で得られた図3より得られる実測テーブル(表3)から算出する。必要転写電流量は、温湿度環境、カラー/白黒モードで異なり、表1に示すテーブルデータとして画像形成装置内の不図示の記憶装置に記憶されている。
【0056】
▲6▼▲5▼で求めた必要電圧を基に、実際の印刷リクエストで指定された記録材に対応した記録材分担電圧を、画像形成装置内の記憶装置に記憶されている表2に示すような紙種別加算電圧テーブルデータから参照して加算することにより、最終的に印加される転写バイアスが算出される。
【0057】
尚、実際の印刷リクエストで指定された記録材に対応した記録材分担電圧は、記録材の種類である紙種、温室環境によって異なり、表2のようなテーブルデータとして、画像形成装置の設計時において、画像形成装置内の不図示の記憶装置に記憶されている。
【0058】
【表1】
Figure 2004062086
【0059】
【表2】
Figure 2004062086
【0060】
図3を基に解説すれば、表3に示されるように、第1の印加電圧1000Vに対する検出電流値が22μA、第2の印加電圧2000Vに対する検出電流値が45μA、第3の印加電圧3000Vに対する検出電流値が70μAと検知されている。
【0061】
【表3】
Figure 2004062086
【0062】
一方で通常環境であれば、表1から必要転写電流はカラー画像で36μAが必要とされるから、上記検知値の補間により、1600Vの電圧が必要であることがわかる。
【0063】
同様にして、白黒画像時の必要電流14μAに対しては、仮想データ(0V時には、0μA)を用いて、やはり補間することにより、650Vの電圧であることが計算される。これまで記したイニシャル動作においてはここまでの計算を行い、メモリーなどの記憶装置に記憶させる。
【0064】
そして、実際に紙種による印刷リクエストを受信したときには、その印刷リクエストに含まれる紙種によって、表2から紙種固有で必要とされる加算電圧が選択される。例えば、通常環境で厚紙であれば、1000Vが加算され、上記のカラー画像時、白黒画像時の必要印加バイアスに加算され、二次転写バイアスとして、カラー画像では2600Vが、白黒画像では1650Vが印加される。
【0065】
さて、以上のように、二次転写部のインピーダンスを実測し、目標のバイアスを得る制御方法が一次転写でも同様に行われているが、通常は転写帯電器に用いられる転写ローラとしての一次転写帯電器7tや二次転写帯電器7Tがイオン導電材を含むためのものであって、急激な温度変化に対するインピーダンス変動はそれほど考慮する必要がないため、上記したように電源投入時のイニシャライズ動作時や、印刷ジョブのスタート時のわずかな時間を利用してインピーダンス検知、最適バイアス値計算・設定がなされるに留まっている。
【0066】
しかしながら、本例のように体積抵抗率の一様性に優れるイオン導電性の中間転写ベルト7aを用いた場合には、転写帯電器ではなく、中間転写ベルト7aの温度特性により体積抵抗率が変動しやすく、最適なバイアス計算に誤差が生じることがあり、本実施例で、イニシャライズ動作により図3に示すようなデータから求められた二次転写バイアス値は、表1に示される理想的な目標値からずれ、画像不良を引き起こす可能性がある。
【0067】
従って、本発明では、既に紹介した温度検知手段(温度センサ)91により、常時中間転写ベルト7aの温度を検知し、その温度変化に従って、転写部に印加されるバイアスのインピーダンス検知を行い、転写バイアス設定値を補正するようになっている。
【0068】
本実施例では、温度センサ91により、常時中間転写ベルト7aの温度を検知し、その温度変化が5℃以上を検知したときに、強制的に二次転写部に印加されるバイアスのインピーダンス検知を行い、二次転写バイアス設定値を再設定する。
【0069】
具体例を図4、表4に従って説明する。図4では、上記のイニシャライズ動作の▲1▼〜▲4▼の方法で求められた印加電圧−電流データをグラフで示し、表4は数値で示している。
【0070】
【表4】
Figure 2004062086
【0071】
図4で、実線で示されるデータAは図3に示したものと全く同じで画像形成装置本体の電源投入時(初期)のデータを示している。
【0072】
画像形成装置は片面連続のボリュームの大きい(部数の多い)印刷ジョブを開始したとする。印刷ジョブ中しばらくすると、常に中間転写ベルト7aの温度をモニターしていた温度センサ91は、中間転写ベルト7a温度が10℃を越えて上昇したことを検知した。
【0073】
このとき、画像形成装置内の不図示の制御装置は、温度変化量が5℃以上であると判断し、印刷ジョブの中途ではあるが、印刷ジョブを一次中断し、二次転写部に印加されるバイアスのインピーダンス検知を開始する。
【0074】
ちなみにこの場合、温度上昇は熱定着器6が連続通紙に対してフル点灯で対応し、漏れた熱が画像形成装置の機内の平均温度を上昇させたものと思われる。中間転写ベルト7aの温度分布は、画像形成装置が連続印刷中であるので、中間転写ベルト7aは回転中であり、中間転写ベルト7aの温度は周方向でほぼ平均していると考えられる。
【0075】
さて、ジョブ中のインピーダンス検知の結果、図4に点線で示されるインピーダンス検知データBが得られた。図4及び図4のデータを数値で示した表4とより、温度上昇に伴って、中間転写ベルト7aの体積抵抗値がやや下がり、それが転写部に印加されるバイアスにも反映していることが明らかである。
【0076】
このとき表1から得られる目標転写電流に対して必要な電圧値は、初期値データA(実線)に対しては前記のとおり、1600Vであったが、再検知後のデータB(点線)では1400Vであった。
【0077】
このように、ジョブ中であっても、温度変化を常に監視し、その変動量に応じて転写部に印加されるバイアスのインピーダンスの再検知、再設定をすることによって、常に最適な転写バイアスを作用することができ、転写不良に代表される画像不良の発生を回避することが出来た。
【0078】
実施例2
図5に、実施例2を示す。本実施例でも、画像形成装置の概略構成、画像形成動作は実施例1とほぼ同じなので説明を省略する。
【0079】
本実施例においては、中間転写ベルト7aの転写材の位置を検知する位置検知手段として、中間転写ベルト7aの一部画像形成を行わない端部の裏側(内面)等に、中間転写ベルト7aと反射率の異なる部材、ここでは銀色シール93等を添付し、且つ、中間転写ベルト7aの内部側に、このシールを検知する光学センサーである位置検知センサ92等を有することを特徴としている。
【0080】
次に制御・動作について説明する。本例では、上記の銀色シール93や位置検知センサ92のような、中間転写ベルト7aの基準位置を認知する手段を持っていることにより、以下のような動作をすることが可能である。
【0081】
本実施例では、画像形成装置は自動両面印刷機能を備えている。本実施例の画像形成装置は、そもそもA3サイズもしくはLetter(11インチ×17インチ)の長尺紙が印刷可能な構成を取っているので、A4サイズもしくはLetterサイズの用紙は中間転写体1周の間に2画面分の画像を担持することができるようになっている。
【0082】
例えば、白黒画像形成時では、二次転写を終えた用紙は熱定着器6を通過することによって1面目画像を定着するとともに、定着器6の出口で反転し、両面印刷用搬送路81を通って、裏面に画像転写すべく給紙部82に再給紙されてくる。
【0083】
このように反転するパス長が必要となるため、例えば、白黒画像の両面連続印刷では、図6に示すような印刷順番がもっとも効率が良い。
【0084】
尚、本実施例では、銀色シール93は、2枚の記録材が中間転写ベルト7a上に搭載された時に、その2枚の記録材の端と端との間で、記録材が搭載されない位置に設けられているとする。そして、銀色シール93より中間転写ベルト7aの、その回転方向で上流側部分半分を前半71とし、下流側部分半分を後半72とする。
【0085】
図6に示す方法では、中間転写ベルト7aの1周目では前半71で1枚目の1面目、後半72は画像形成を行わず、中間転写ベルト7aの2周目では前半71で2枚目の1面目、後半72は1枚目の2面目を、中間転写ベルト7aの3周目では前半71は画像形成を行わず、後半72は2枚目の2面目を印刷する。このようにすることでスループットの効率をあげられる。
【0086】
しかしながら、この方法では、中間転写ベルト7aのいつも同じ場所、即ち「前半71」で1面目を、「後半72」で2面目を常に印刷することとなる。そうすると、常に2面目を印刷する中間転写ベルト7aの「後半72」部分は直前に熱定着器6を通った記録材が接触することとなり、少なからずの熱量を受けることとなる。
【0087】
このような状況では、「後半72」部分の温度が「前半71」部分に比較して常時高い温度を示し、中間転写ベルト7aの周方向で、温度分布が発生する。
【0088】
従って、画像形成装置の制御機構は、温度上昇の大きい中間転写ベルト7aの「後半72」部分が温度差10℃を検知すると、実施例1と同様に、転写部の再インピーダンス再検知・再設定を行う。
【0089】
本実施例では、位置センサ92より中間転写ベルト7aの周方向の位置を、上記の銀色シール93の位置を検知した時点からの時間差で知ることが出来るため、「前半71」部分、「後半72」部分の各々について別のインピーダンス曲線、計算値を取得することができ、又、各々の部分が一次転写部を通過するタイミング、二次転写部を通過するタイミングが判別できるため、各々別の最適バイアスを選択できるようになっている。
【0090】
尚、中間転写ベルト7aの周方向の位置は、銀色シール93の位置を検知した時点からの時間差で知ることが出来るため、銀色シール93の位置は、中間転写ベルト7aのどこでもよい。
【0091】
又、位置検知手段として、中間転写ベルトに設置される部材は、銀色シールとは限らない。
【0092】
以上のように、中間転写体が周方向に温度分布を持つ場合であっても、常に最適な転写バイアスを作用することができ、転写不良に代表される画像不良の発生を回避することが出来た。
【0093】
尚、実施例1、2では、二次転写部におけるインピーダンス検知結果による二次転写バイアス制御について説明したが、一次転写部においても同様の方法で、一次転写バイアス制御が可能であることはいうまでもない。
【0094】
又、画像形成装置の構成は、中間転写体を備えたものなら、他の構成ものでも、本発明は適用でき、以上に説明した画像形成装置の構成部品の寸法、材質、形状、及びその相対位置等は、特に特定的な記載がない限りは、この発明の範囲をそれらのみに限定する趣旨のものではない。
【0095】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明の画像形成装置は、現像剤像が転写され、体積抵抗率が温度特性を示す中間転写体と、中間転写体の表面温度を検知する温度検知手段を有し、温度検知手段による温度検知結果に応じて、一次又は二次転写部のインピーダンス検知を行い、転写バイアスの印加電圧を制御するので、温度変化による中間転写体の体積抵抗率の変化による画像不良を回避し、好適な画像転写が可能となり、良好な画像を得ることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る画像形成装置の実施例1を示す概略構成図である。
【図2】本発明に係る中間転写体の体積抵抗率と温度変化との関係の一例を示すグラフである。
【図3】本発明に係る二次転写部におけるインピーダンス検知結果の実施例1を示すグラフである。
【図4】本発明に係る二次転写部におけるインピーダンス検知結果の実施例1を示すグラフである。
【図5】本発明に係る画像形成装置の実施例2を示す概略構成図である。
【図6】本発明に係る画像形成装置の実施例2による記録材の印刷順序を示す説明図である。
【図7】従来の画像形成装置の一例を示す概略構成図である。
【符号の説明】
1          感光体(像担持体)
6          定着器
7a         中間転写ベルト(中間転写体)
7t         一次転写ローラ(一次転写手段)
7T         二次転写ローラ(二次転写手段)
71         中間転写ベルト前半部分
72         中間転写ベルト後半部分
91         温度センサ(温度検知手段)
92         位置センサ(位置検知手段)
93         銀色シール(位置検知手段)

Claims (5)

  1. 表面に現像剤像が形成される像担持体と、該現像剤像が転写される中間転写体と、二次転写部に二次転写バイアスを印加することによって、前記中間転写体から前記現像剤像を記録材に転写する二次転写手段と、を有し、前記中間転写体の体積抵抗率は温度依存性を有し、該中間転写体の温度を検知する温度検知手段を有し、該温度検知手段による温度検知結果に応じて、前記二次転写部のインピーダンス検知を行い、前記二次転写バイアスの印加電圧を制御することを特徴とする画像形成装置。
  2. 更に、前記中間転写体の移動方向の位置情報を検知する位置検知手段を有し、該位置情報検知結果と前記温度検知手段による温度検知結果から得られる、前記中間転写体の移動方向の温度分布を基に、前記二次転写部のインピーダンス検知を行い、前記二次転写バイアスの印加電圧を制御することを特徴とする請求項1の画像形成装置。
  3. 更に、一次転写部にて一次転写バイアスが印加され、前記像担持体から前記現像剤像を前記中間転写体に転写する一次転写手段を有し、
    前記温度検知手段による温度検知結果に応じて、前記一次転写部のインピーダンス検知を行い、前記一次転写バイアスの印加電圧を制御することを特徴とする請求項1又は2の画像形成装置。
  4. 表面に現像剤像が形成される像担持体と、該現像剤像が転写される中間転写体と、一次転写部に一次転写バイアスを印加することによって、前記像担持体から前記中間転写体に前記現像剤像を転写する一次転写手段と、を有し、
    前記中間転写体の体積抵抗率は温度依存性を有し、該中間転写体の温度を検知する温度検知手段を有し、該温度検知手段による温度検知結果に応じて、前記一次転写部のインピーダンス検知を行い、前記一次転写バイアスの印加電圧を制御することを特徴とする画像形成装置。
  5. 更に、前記中間転写体の移動方向の位置情報を検知する位置検知手段を有し、該位置情報検知結果と前記温度検知手段による温度検知結果から得られる、前記中間転写体の移動方向の温度分布を基に、前記一次転写部のインピーダンス検知を行い、前記一次転写バイアスの印加電圧を制御することを特徴とする請求項3又4はの画像形成装置。
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