JP2016218152A - 画像形成装置 - Google Patents

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竜也 大杉
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健治 杉浦
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Koichi Ishii
宏一 石井
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Kokichi Haga
浩吉 芳賀
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Yuji Wada
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武英 水谷
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直人 河内
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直洋 熊谷
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成一 小暮
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純平 藤田
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Abstract

【課題】転写バイアスが高Dutyの場合でも転写部でのトナーの過充電による異常画像を防止する。
る異常画像を防止する。
【解決手段】本発明に係る画像形成装置は、トナー像Tが担持される像担持体31と、像担持体と対向配置された転写部材404と、像担持体と転写部材とが接触する転写部Nでトナー像を記録材P転写するために転写バイアスを出力する転写バイアス出力手段39を備え、転写部に供給される転写バイアスは、少なくとも像担持体上のトナー像を記録材へ転写する際に、トナー像を像担持体側から記録材側に転写させる転写方向のバイアスと、転写方向と逆方向のバイアスとが交互に切り替わって周期変動し、転写バイアスの1周期中に占める逆方向へのバイアスが印加される時間が50%よりも大きい重畳バイアスであり、像担持体の線速に応じて、重畳バイアスにおける直流電圧を変更するように転写バイアス出力手段が制御されることを特徴としている。
【選択図】図1

Description

本発明は、画像形成装置に関する。
電子写真方式の画像形成装置では、トナー像が担持されるベルト状の像担持体に対し、これと対向配置された転写部材を接触させることで転写部となる転写ニップを形成し、当該転写ニップで記録材にトナー像を転写する方式がある。転写部での転写に際しては、交流成分である交流電圧と直流成分である直流電圧とを重畳した転写バイアス(重畳バイアスともいう)を転写部に供給することがあるが、像担持体の移動速度である線速を、通常線速よりも遅くする場合、記録材が転写ニップを通過する時間が長くなることになり、転写バイアスの値が通常線速時のままであると、トナーへの充電時間が長くなって過転写になることがある。
そこで、像担持体の線速を遅くする場合、交流電圧と直流電圧とを重畳した転写バイアスにおける交流電圧は変更しないで、直流電圧を下げるようにした構成が、例えば特許文献1に開示されている。
転写バイアスとして重畳バイアスを用いる場合、トナー像を像担持体側から記録材へ転写させる側のピーク電圧の持続時間をA、転写バイアスの交流成分の1周期の時間をBとしたとき、(B−A)/B×100(%)で算出される割合であるDutyを大小変化させることで、トナー像の転写性が変化することが知られている。このDutyが50%以上の場合で、像担持体の線速を低下させる場合に、転写バイアスの値が通常線速時のままであると、特に過転写になる傾向が強くなる。
本発明は、転写バイアスが高Dutyの場合でも転写部でのトナーの過充電による異常画像を防止することを、その目的とする。
上記目的を達成するため、本発明に係る画像形成装置は、トナー像が担持されるベルト状の像担持体と、像担持体と対向配置された転写部材と、像担持体と転写部材とが接触する転写部でトナー像を記録材へ転写するために転写バイアスを出力する転写バイアス出力手段とを備え、転写部に供給される転写バイアスは、少なくとも像担持体上のトナー像を記録材へ転写する際に、トナー像を前記像担持体側から記録材側に転写させる転写方向のバイアスと、転写方向と逆方向のバイアスとが交互に切り替わって周期変動し、1周期中に占める逆方向へのバイアスが印加される時間が50%よりも大きい重畳バイアスであり、像担持体の線速に応じて、重畳バイアスにおける直流電圧を変更するように転写バイアス出力手段が制御されることを特徴としている。
本発明によれば、転写バイアスが高Dutyの場合でも転写部でのトナーに対する過充電を防止でき、異常画像を防止することができる。
本発明に係る画像形成装置の一実施形態を示す概略構成図。 図1に示す画像形成装置における画像形成ユニットの拡大構成図。 ベルト状の像担持体の構成を説明する図であり、(a)は、コート層を備えた弾性ベルトからなる像担持体の部分拡大断面図、(b)は粒子を備えた弾性ベルトからなる像担持体の部分拡大断面図、(c)は図3(b)の部分拡大平面図。 (a)、(b)は転写ニップ前での放電現象を説明する図。 (a)、(b)は転写ニップとプレニップを説明する図。 異なる材質のベルト状の像担持体に対して転写部材のオフセット量を変化させた場合のプレニップ放電の有無についての実験結果を示す図。 プレニップ量を説明する図。 (a)〜(d)はプレニップ量の特定方法を説明する図。 (a)、(b)はプレニップ量の別な特定方法を説明する図。 中間転写ベルトとして、同プリンタのものとは異なり、単層構造のものを用いた構成における二次転写ニップ及びその周囲を示す拡大構成図。 実施形態に係るプリンタにおける二次転写ニップ及びその周囲構成を示す拡大断面図。 (a)は本発明に係る転写バイアス出力手段から出力する理想的な高Dutyの出力波形の一形態を示す図、(b)は(a)で出力した高Dutyの実際の出力波形を示す図。 本発明に係る制御系の一実施形態を示すブロック図。 本発明に係る転写バイアス出力手段の電気回路の要部と、それに係る構成部材の一実施形態を示すブロック図。 (a)〜(c)は、図12(b)の波形を模式的に記載して、Dutyを説明するための図である。 (a)〜(e)は、実験に用いた出力波形を示す図。 図15に示す出力波形を用いた実験1の結果の示す図。 図12(b)に示す出力波形を用いた実験2の結果の示す図。 本発明に係る画像形成装置の別な実施形態を示す概略構成図。 本発明に係る転写バイアス出力手段から出力する高Dutyの出力波形の別形態を示す図。
以下、本発明に係る実施形態について図面を用いて説明する。実施形態において、同一の機能や同一構成を有するものには同一の符号を付し、重複説明は適宜省略する。図面は一部構成の理解を助けるために部分的に省略する場合もある。なお、図中Y、M、C、Kは、イエロー、マゼンタ、シアン、ブラックに対応した構成部材に付す添え字であり、適宜省略する。
本発明に係る画像形成装置としての電子写真方式のカラープリンタ(以下、「プリンタ」という)100の一実施形態について説明する。
プリンタ100の基本的な構成について説明する。図1は、本実施形態に係るプリンタ100を示す概略構成図である。図1において、プリンタ100は、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、ブラック(K)のトナー像を形成するための四つの画像形成ユニット1(Y、M、C、K)を備える。プリンタ100は、転写装置としての転写ユニット30、記録材Pを収納するカセット60、定着装置90、制御部300を備えている。
四つの画像形成ユニット1(Y、M、C、K)は、粉体であり現像剤として、互いに異なる色のY、M、C、Kのトナーを用いるが、それ以外は同様の構成になっており、寿命到達時に交換される。つまり、四つの画像形成ユニット1(Y、M、C、K)は、画像形成装置本体としてのプリンタ本体100Aに対して着脱自在に設けられていて、交換可能とされている。
図2は、四つの画像形成ユニット1(Y、M、C、K)のうちの一つの拡大概略構成図である。四つの画像形成ユニット1(Y、M、C、K)は、使用するトナーの色が異なる以外は、同様の構成を備えている。このため、図2では、使用するトナーの色を示す添え字(Y、M、C、K)は省略している。
画像形成ユニット1は、像担持体たるドラム状の感光体2、ドラムクリーニング装置3、除電装置、帯電装置6、現像装置8等を備えている。画像形成ユニット1は、これら複数の装置が共通の保持体に保持されてプリンタ本体100Aに対して一体的に脱着可能なプロセスカートリッジユニットを構成していて、ユニット単位で交換可能とされている。
感光体2は、ドラム基体の表面上に有機感光層が形成されたドラム形状のものであって、モータ等の駆動手段によって図中反時計回り方向に回転駆動される。帯電装置6は、帯電バイアスが印加される帯電部材となる帯電ローラ7を感光体2に接触あるいは近接させながら、帯電ローラ7と感光体2との間に放電を発生させることで、感光体2の表面を一様帯電させている。帯電ローラ等の帯電部材を感光体2に接触あるいは近接させる方式に代えて、帯電チャージャーによる方式を採用してもよい。
帯電ローラ7で一様帯電された感光体2の表面は、光書込ユニット101から発せられるレーザー光などの露光光によって光走査されて各色用の静電潜像を担持する。この静電潜像は、各色のトナーを用いる現像装置8によって現像されて各色の像としてのトナー像になる。感光体2のトナー像は、無端状のベルト部材からなる中間転写ベルト31のおもて面31a上に一次転写される。
ドラムクリーニング装置3は、一次転写工程(後述する一次転写ニップ)を経た後の感光体2の表面に付着している転写残トナーを除去するものである。ドラムクリーニング装置3は、回転駆動されるクリーニングブラシローラ4、感光体2に当接するクリーニングブレード5などを有している。ドラムクリーニング装置3は、クリーニングブラシローラ4で転写残トナーを感光体2の表面から掻き取り、クリーニングブレード5で転写残トナーを感光体2の表面から掻き落としてクリーニングする。除電装置は、ドラムクリーニング装置3によってクリーニングされた後の感光体2の残留電荷を除電する周知のものである。感光体2の表面は、この除電によって初期化されて次の画像形成に備えられる。
現像装置8は、現像剤担持体となる現像ローラ9を内包する現像部12と、現像剤を撹拌搬送する現像剤搬送部13とを有している。現像剤搬送部13は、第一スクリュー部材10を収容する第一搬送室と、第二スクリュー部材11を収容する第二搬送室とを有している。第一スクリュー部材10及び第二スクリュー部材11は、現像装置8のケースなどに回転自在に支持されていて、回転駆動されることで、現像剤を循環させながら搬送して現像ローラ9に現像剤を供給している。
図1に示すように、画像形成ユニット1(Y、M、C、K)の上方には、潜像書込手段としての光書込ユニット101が配設されている。この光書込ユニット101は、パーソナルコンピュータ等の外部機器から送られてくる画像データに基づいてレーザーダイオードから発したレーザー光により、感光体2(Y、M、C、K)を光走査する。この光走査により、感光体2(Y、M、C、K)上には、Y、M、C、K用の静電潜像がそれぞれ形成される。
画像形成ユニット1(Y、M、C、K)の下方には、中間転写ベルト31を張架しながら図中時計回り方向に無端移動(回転走行)せしめるベルトユニットであり転写装置である転写ユニット30が配設されている。中間転写ベルト31の回転移動方向をベルト移動方向aとする。
転写ユニット30は、ベルト状の像担持体であり中間転写体でもある中間転写ベルト31の他に、複数の回転支持部材としての駆動ローラ32、二次転写裏面ローラ33、クリーニングバックアップローラ34と、四つの一次転写ローラ35(Y、M、C、K)と、押し下げ部材としての転写前ローラ37とを備えている。転写ユニット30は、プリンタ本体100Aに対してユニットごと着脱自在(交換可能)とされている。
中間転写ベルト31は、そのループ内側に配設された駆動ローラ32、二次転写裏面ローラ33、クリーニングバックアップローラ34、四つの一次転写ローラ35(Y、M、C、K)及び転写前ローラ37に巻き掛けられて支持され張架されている。そして、駆動モータなどの駆動手段によって図中時計回り方向に回転駆動される駆動ローラ32の回転力により、同方向に無端移動して搬送される。すなわち、転写ユニット30は、複数の回転体でベルト部材を巻き掛けて支持して搬送するものである。
本実施形態において、中間転写ベルト31は、図3(a)に示すように、少なくとも基層310、弾性層311、表面のコート層312の複数の層が積層された弾性を有する中間転写体である。あるいは、中間転写ベルト31として、図3(b)に示すように、基層310、弾性層311を積層するとともに、弾性層311に多数の粒子313が分散されているものであってもよい。粒子313は自らの一部を弾性層311の表面から突出させた状態で、図3(c)に示すように、ベルト面方向に密集して並んでいる。それら複数の粒子313により、複数の凹凸がベルト面となるおもて面31aに形成されている。
基層310は、ある程度の屈曲性を有し且つ剛性の高い材料からなる無端ベルト状の部材である。弾性層311は、基層310のおもて面上に積層された柔軟性に優れた弾性材料から構成されている。
基層310の材料としては、樹脂中に、電気抵抗を調整するための充填材や添加材などからなる電気抵抗調整材を分散させたものを例示することができる。その樹脂としては、難燃性の観点からすると、例えば、PVDF(ポリフッ化ビニリデン)、ETFE(エチレン・四フッ化エチレン共重合体)などのフッ素系樹脂や、ポリイミド樹脂またはポリアミドイミド樹脂等が好ましい。また、機械強度(高弾性)や耐熱性の観点からすると、特にポリイミド樹脂又はポリアミドイミド樹脂が好適である。
樹脂中に分散せしめる電気抵抗調整材としては、金属酸化物やカーボンブラック、イオン導電剤、導電性高分子材料などを例示することができる。金属酸化物としては、酸化亜鉛、酸化スズ、酸化チタン、酸化ジルコニウム、酸化アルミニウム、酸化珪素等が挙げられる。分散性を向上させるために、前記金属酸化物に予め表面処理を施したものを用いても良い。カーボンブラックとしては、ケッチェンブラック、ファーネスブラック、アセチレンブラック、サーマルブラック、ガスブラック等が挙げられる。また、イオン導電剤としては、テトラアルキルアンモニウム塩、トリアルキルベンジルアンモニウム塩、アルキルスルホン酸塩、アルキルベンゼンスルホン酸塩が挙げられる。アルキルサルフェート、グルセリン脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンアルキルアミン、ポリオキシエチレン脂肪酸アルコールエステル、アルキルベタイン、過塩素酸リチウム等でもよい。それらのイオン導電剤を二種類以上混合して使用してもよい。なお、本発明を適用可能な電気抵抗調整材は、これまで例示したものに限られるものではない。
基層310の前駆体となる塗工液(硬化前の液体の樹脂中に電気抵抗調整材を分散せしめたもの)には、必要に応じて、分散助剤、補強材、潤滑材、熱伝導材、酸化防止剤などを添加してもよい。中間転写ベルト31として好適に装備されるシームレスベルトの基層310に含有される電気抵抗調整材の添加量は、好ましくは表面抵抗で1×10〜1×1013[Ω/□]、体積抵抗で1×10〜1×1012[Ω・cm]となる量とされる。但し、機械強度の観点から、成形膜が脆く割れやすくならない範囲の量を選択して添加することが必要である。つまり、樹脂成分(ポリイミド樹脂前駆体、ポリアミドイミド樹脂前駆体など)と電気抵抗調整材との配合率を適正に調整した塗工液を用いて、電気特性(表面抵抗及び体積抵抗)と機械強度のバランスがとれたシームレスベルトを製造して用いることが好ましい。電気抵抗調整材の含有量は、カーボンブラックの場合には、塗工液中の全固形分の10〜25[wt%]がよく、更に好ましくは15〜20[wt%]である。また、金属酸化物の場合の含有量は、塗工液中の全固形分の150[wt%]がよく、更に好ましくは10〜30[wt%]である。含有量が前述した範囲よりも少ないと十分な効果が得られず、また含有量が前述した範囲よりも多いと中間転写ベルト31(シームレスベルト)の機械強度が著しく低下するので、実使用上好ましくない。
基層310の厚みは、特に制限されるものではなく、状況に応じて適宜選択することができるが、30μm〜150μmが好ましく、40μm〜120μmがより好ましく、50μm〜80μmが特に好ましい。基層310の厚みが、30μm未満であると、亀裂によりベルトが裂けやすくなり、150μmを超えると、曲げによってベルトが割れることがあることがある。一方、基層310の厚みが前述した特に好ましい範囲であると、耐久性の点で有利になる。
ベルト走行安定性を高めるためには、基層310の層厚ムラをできるだけ少なくすることが好ましい。基層310の厚みを調整する方法は、特に制限されるものではなく、状況に応じて適宜選択することができる。例えば、接触式や渦電流式の膜厚計での計測や膜の断面を走査型電子顕微鏡(SEM)で測定する方法が挙げられる。
中間転写ベルト31の弾性層311は、上述したように、分散せしめられた複数の粒子313による凹凸形状を表面に有している。弾性層311を形成するための弾性材料としては、汎用の樹脂・エラストマー・ゴムなどを例示することができる。特に、柔軟性(弾性)に優れた弾性材料を用いることが好ましく、エラストマー材料やゴム材料が好適である。エラストマー材料としては、ポリエステル系、ポリアミド系、ポリエーテル系、ポリウレタン系、ポリオレフィン系、ポリスチレン系、ポリアクリル系、ポリジエン系、シリコーン変性ポリカーボネート系などを例示することができる。フッ素系共重合体系等の熱可塑性エラストマーなどでもよい。また、熱硬化性の樹脂としては、ポリウレタン系、シリコーン変性エポキシ系、シリコーン変性アクリル系の樹脂等を例示することができる。また、ゴム材料としては、イソプレンゴム、スチレンゴム、ブタジエンゴム、ニトリルゴム、エチレンプロピレンゴム、ブチルゴム、シリコーンゴム、クロロプレンゴム、アクリルゴム等を例示することができる。更には、クロロスルホン化ポリエチレン、フッ素ゴム、ウレタンゴム、ヒドリンゴム等を例示することもできる。これまで例示した材料の中から、所望の性能が得られる材料を適宜選択することが可能である。特に、表面に凹凸のある記録シート、例えばレザック紙などの表面凹凸に追従させるためには、できるだけ柔らかい材料を選択することが好ましい。また、粒子313を分散せしめることから、熱可塑性のものよりも熱硬化性のものの方が好ましい。熱硬化性のものの方が、その硬化反応に寄与する官能基の効果により樹脂粒子との密着性に優れ確実に固定化することが可能だからである。加硫ゴムも同様の理由により好ましい材料の1つである。
弾性層311を構成する弾性材料の中でも、耐オゾン性、柔軟性、粒子との接着性、難燃性付与、耐環境安定性などの観点から、アクリルゴムが最も好ましい。アクリルゴムは一般的に市販されているものでよく、特定の製品に限定されるものではない。しかし、アクリルゴムの各種架橋系(エポキシ基、活性塩素基、カルボキシル基)の中ではカルボキシル基架橋系のものがゴム物性(特に圧縮永久歪み)及び加工性の点で優れているので、カルボキシル基架橋系のものを選択することが好ましい。カルボキシル基架橋系のアクリルゴムに用いられる架橋剤としては、アミン化合物が好ましく、多価アミン化合物が最も好ましい。このようなアミン化合物として、具体的には脂肪族多価アミン架橋剤、芳香族多価アミン架橋剤などを例示することができる。更に、脂肪族多価アミン架橋剤としては、ヘキサメチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミンカーバメイト、N,N’−ジシンナミリデン−1,6−ヘキサンジアミンなどを例示することができる。また、芳香族多価アミン架橋剤としては、4,4’−メチレンジアニリン、m−フェニレンジアミン、4,4’−ジアミノジフェニルエーテル、3,4’−ジアミノジフェニルエーテル、4,4’−(m−フェニレンジイソプロピリデン)ジアニリン等が挙げられる。4,4’−(p−フェニレンジイソプロピリデン)ジアニリン、2,2’−ビス〔4−(4−アミノフェノキシ)フェニル〕プロパン、4,4’−ジアミノベンズアニリド等でもよい。更には、4,4’−ビス(4−アミノフェノキシ)ビフェニル、m−キシリレンジアミン、p−キシリレンジアミン、1,3,5−ベンゼントリアミン、1,3,5−ベンゼントリアミノメチル等でもよい。
架橋剤の配合量の適正範囲は、アクリルゴム100重量部に対し、好ましくは0.05〜20重量部、より好ましくは0.1〜5重量部である。架橋剤の配合量が少なすぎると、架橋が十分に行われないため、架橋物の形状維持が困難になる。これに対し、含有量が多すぎると、架橋物が硬くなりすぎて、架橋ゴムとしての弾性などが損なわれる。
弾性層311に用いるアクリルゴムには、上述した架橋剤の架橋反応を促進する狙いで、架橋促進剤を配合してもよい。架橋促進剤の種類は特に限定されるものではないが、前述した多価アミン架橋剤と組み合わせて用いることができるものであることが好ましい。このような架橋促進剤としては、グアニジン化合物、イミダゾール化合物、第四級オニウム塩、第三級ホスフィン化合物、弱酸のアルカリ金属塩などが挙げられる。グアニジン化合物としては、1,3−ジフェニルグアニジン、1,3−ジオルトトリルグアニジンなどが挙げられる。イミダゾール化合物としては、2−メチルイミダゾール、2−フェニルイミダゾールなどが挙げられる。第四級オニウム塩としては、テトラn−ブチルアンモニウムブロマイド、オクタデシルトリ―n−ブチルアンモニウムブロマイドなどが挙げられる。多価第三級アミン化合物としては、トリエチレンジアミン、1,8−ジアザ‐ビシクロ[5.4.0]ウンデセン−7(DBU)などが挙げられる。第三級ホスフィン化合物としては、トリフェニルホスフィン、トリ−p−トリルホスフィンなどが挙げられる。弱酸のアルカリ金属塩としては、ナトリウムまたはカリウムのリン酸塩、炭酸塩などの無機弱酸塩あるいはステアリン酸塩、ラウリル酸塩などの有機弱酸塩が挙げられる。
架橋促進剤の使用量の適正範囲は、アクリルゴム100重量部あたり、好ましくは0.1〜20重量部、より好ましくは0.3〜10重量部である。架橋促進剤が多すぎると、架橋時に架橋速度が早くなりすぎたり、架橋物表面ヘの架橋促進剤のブルームが生じたり、架橋物が硬くなりすぎたりする場合がある。これに対し、架橋促進剤が少なすぎると、架橋物の引張強さが著しく低下したり、熱負荷後の伸び変化または引張強さ変化が大きすぎたりする場合がある。
アクリルゴムの調製にあたっては、ロール混合、バンバリー混合、スクリュー混合、溶液混合などの適宜の混合方法を採用することが可能である。配合順序は特に限定されないが、熱で反応や分解しにくい成分を充分に混合した後、熱で反応しやすい成分あるいは分解しやすい成分として、例えば架橋剤などを、反応や分解が起こらない温度で短時間に混合すればよい。
アクリルゴムは、加熱することによって架橋物とすることができる。好ましい加熱温度は、130〜220℃であり、より好ましくは140℃〜200℃である。また、好ましい架橋時間は、30秒〜5時間である。加熱方法としては、プレス加熱、蒸気加熱、オーブン加熱、熱風加熱などのゴムの架橋に用いられる方法を適宜選択すればよい。また、一度架橋した後に、架橋物の内部まで確実に架橋させるために、後架橋を行ってもよい。後架橋の時間は、加熱方法、架橋温度、形状などによって異なるが、好ましくは1〜48時間である。後架橋を行う際の加熱方法、加熱温度については、適宜選択することが可能である。選択した材料に、電気特性を調整するための電気抵抗調整剤、難燃性を得るための難燃剤、必要に応じて、酸化防止剤、補強剤、充填剤、架橋促進剤などの材料を適宜含有させてもよい。さらに、電気特性を調整するための電気抵抗調整剤として、すでに述べた各種材料を使用することができる。但し、カーボンブラックや金属酸化物などは柔軟性を損なうため、使用量を抑えることが好ましく、イオン導電剤や導電性高分子を用いることも有効である。また、それらを併用しても構わない。
ゴム100重量部に対しは、種々の過塩素酸塩やイオン性液体を0.01部〜3部添加するのが好ましい。イオン導電剤の添加量が0.01部以下であると、抵抗率を下げる効果が得られない。また、添加量が3部以上であると、ベルト表面へ導電剤がブルーム又はブリードする可能性が高くなってしまう。
電気抵抗調整材の添加量については、弾性層311の抵抗値を、表面抵抗で1×10〜1×1013[Ω/□]、体積抵抗で1×10〜1×1012[Ω・cm]の範囲に
するように調整することが好ましい。また、近年の電子写真方式の画像形成装置に求められるような、凹凸シートへの高いトナー転写性を得るために、弾性層311の23℃50%RH環境下でのマイクロゴム硬度値を35以下にするように柔軟性を調整することが好ましい。マルテンス硬度、ビッカース硬度など、いわゆる微小硬度での計測は、測定部位のバルク方向の浅い領域、すなわち表面近傍のごく限られた領域の硬度しか測定していなのでベルト全体としての変形性能は評価できない。このため、例えば中間転写ベルト31全体としての変形性能が低い構成のものに、最表面に柔軟な材料を用いた場合、微小硬度値を低くしてしまう。このような中間転写ベルト31は変形性能が低い、すなわち凹凸シートへの追従性が悪いので、結果として近年の画像形成装置に求められる凹凸シートへの転写性能を十分に発揮することができなくなってしまう。よって、中間転写ベルト31全体の変形性能を評価することが可能なマイクロゴム硬度を測定して中間転写ベルト31の柔軟性を評価することが好ましい。
弾性層311の層厚は、200μm〜2mmが好ましく、400μm〜1000μmがより好ましい。層厚が200μmよりも小さいと、記録シートの表面凹凸への追従性や転写圧力の低減効果を低くしてしまうので好ましくない。また、層厚が2mmよりも大きいと、弾性層311が自重によって撓み易くなって走行性を不安定にしたり、ベルトを張架しているローラへの掛け回しでベルトに亀裂を発生させ易くなったりするので好ましくない。なお、層厚の測定方法としては、断面を走査型顕微鏡(SEM)で観察することによって測定する方法を例示することができる。
中間転写ベルト31のコート層312は、弾性層311の表面をコーティングするためのものであり、平滑性のよい層からなるものである。コート層312に用いられる材料としては、特に制限はないが、一般的に、中間転写ベルト31のおもて面31aへのトナーの付着カを小さくして二次転写性を高める材料が用いられる。例えば、ポリウレタン、ポリエステル、エポキシ樹脂等の1種類あるいは2種類以上、又は、表面エネルギーを小さくし潤滑性を高める材料、例えばフッ素材脂、フッ素化合物等の粒子を1種類あるいは2種類以上、又は必要に応じて粒径を変えたものを分散させて使用することができる。また、フッ素系ゴム材料のように熱処理を行うことで表面にフッ素層を形成させ、表面エネルギーを小さくさせたものを使用することもできる。ただし、上記材料に限定されるものではない。
また、必要に応じて、基層310、弾性層311又はコート層312は、抵抗を調整する目的で、例えば、カーボンブラック、グラファイト、アルミニウムやニッケル等の金属粉末や導電性金属酸化物等を用いることができる。ただし、上記材料に限定されるものではない。
中間転写ベルト31のおもて面31aには、使用するトナーや中間転写ベルトの材質、表面摩擦係数などの関係から、必要に応じて、ベルト表面を保護するために、潤滑剤塗布装置で潤滑剤を塗布するようにしてもよい。潤滑剤としてはステアリン酸亜鉛などが挙げられ、例えばステアリン酸亜鉛の塊などの固形潤滑剤を塗布部材として塗布ブラシローラで掻き取って得た潤滑剤粉末を中間転写ベルト31のおもて面31aに塗布するようにしてもよい。
弾性層311の弾性材料に分散せしめる粒子313としては、平均粒子径が100μm以下であり、真球状の形状をしており、有機溶剤に不溶であり、且つ3%熱分解温度が200℃以上である樹脂粒子を用いる。粒子313の樹脂材料に特に制限はないが、アクリル樹脂、メラミン樹脂、ポリアミド樹脂、ポリエステル樹脂、シリコーン樹脂、フッ素樹脂、ゴムなどを例示することができる。これらの樹脂材料からなる粒子の母体表面を異種材料で表面処理してもよい。ゴムからなる球状の母体粒子の表面に硬い樹脂をコートしてもよい。また、母体粒子として、中空のものや、多孔質のものを用いてもよい。
これまで例示した樹脂材料の中でも、滑性、トナーに対しての離型性、耐磨耗性などに優れているという観点から、シリコーン樹脂粒子が最も好ましい。樹脂材料を重合法などによって球状の形状に仕上げた粒子であることが好ましく、真球に近いものほど好ましい。また、粒子313としては、体積平均粒径が1.0μm〜5.0μmであり、且つ単分散粒子であるものを用いることが望ましい。単分散粒子は、単一粒子径の粒子ではなく、粒度分布が極めてシャープな粒子である。具体的には、±(平均粒径×0.5μm)以下の分布幅の粒子である。粒子313の粒径が1.0μm未満であると、粒子313による転写性能の促進効果が十分に得られなくなる。これに対し、粒径が5.0μmよりも大きいと、粒子間の隙間が大きくなってベルト表面粗さを大きくしてしまうことから、トナーを良好に転写できなくなったり、中間転写ベルト31のクリーニング不良を発生させ易くなったりする。更には、樹脂材料からなる粒子313は一般に絶縁性が高いことから、粒径が大きすぎると粒子313の電荷により、連続プリント時にこの電荷の蓄積による画像乱れを引き起こし易くなる。
粒子313としては、特別に合成したものを用いても良いし、市販品を用いてもよい。粒子313を弾性層311に直接塗布して、ならすことにより容易に均一に整列させることができる。このようにすることで、粒子313同士のベルト厚み方向の重なり合いをほぼなくすことができる。複数の粒子313の弾性層311の表面方向における断面の径は、できるだけ均一であることが望ましく、具体的には、±(平均粒径×0.5μm)以下の分布幅にすることが好ましい。このため、粒子313の粉末として、粒径分布の小さなものを用いることが好ましいが、特定の粒径の粒子313だけを選択的に弾性層311表面に塗布することを実現する方法を採用すれば、粒径分布の比較的大きな粉末を用いることも可能である。なお、粒子313を弾性層311表面に塗布するタイミングは特に限定されず、弾性層311の弾性材料の架橋前、架橋後の何れであってもよい。
粒子313が分散せしめられた弾性層311の表面方向において、粒子31が存在している部分と、弾性層311の表面が露出している部分との投影面積比については、粒子313が存在している部分の投影面積率を60%以上にすることが望ましい。60%に満たない場合には、トナーと弾性層311の無垢の表面とを直接接触させる機会を増加させて良好なトナー転写性が得られなくなったり、ベルト表面からのトナークリーニング性を低下させたり、ベルト表面の耐フィルミング性を低下させたりする。なお、中間転写ベルト31として、弾性層311に粒子313を分散させていないものを用いることも可能である。
四つの一次転写ローラ35(Y、M、C、K)は、無端移動される中間転写ベルト31を感光体2(Y、M、C、K)との間に挟み込んでいて、中間転写ベルト31の像担持面を成すおもて面31aと感光体2(Y、M、C、K)とが当接するY、M、C、K用の転写部となる一次転写ニップを形成している。一次転写ローラ35(Y、M、C、K)には、周知の転写バイアス電源よりそれぞれ一次転写バイアスが印加されている。これにより、感光体2(Y、M、C、K)上のY、M、C、Kのトナー像と、一次転写ローラ35(Y、M、C、K)との間に転写電界が形成される。
イエロー用の感光体2Yの表面に形成されたYトナー像は、イエロー用の感光体2Yの回転に伴ってイエロー用の一次転写ニップに進入する。そして、転写電界やニップ圧の作用により、イエロー用感光体2Y上から中間転写ベルト31上に一次転写される。このようにしてYトナー像が一次転写された中間転写ベルト31は、その後、M、C、K用の一次転写ニップを順次通過する。そして、感光体2(M、C、K)上のM、C、Kトナー像が、Yトナー像上に順次重ね合わせて一次転写される。この重ね合わせの一次転写により、中間転写ベルト31上には四色重ね合わせトナー像が形成される。一次転写部材として、一次転写ローラ35(Y、M、C、K)に代えて、転写チャージャーや転写ブラシなどを採用してもよい。なお、ここまでの画像形成工程では、4色フルカラー画像を形成することを前提として説明した。しかし、イエロー、マゼンタ、シアン、ブラックの何れかの単色トナー像、あるいは前記カラーの内の少なくとも2色のトナーを用いたトナー像を形成して中間転写ベルト31に転写することも可能である。
中間転写ベルト31のループ外側の周囲は、像担持体であり転写部材としての二次転写ベルト404を備えたベルト方式の二次転写ユニット41が配置されている。二次転写ユニット41は、ループ内側の二次転写裏面ローラ33との間に中間転写ベルト31を挟み込み、中間転写ベルト31のおもて面31aと、二次転写ベルト404とが当接する転写部であり転写ニップとなる二次転写ニップNを形成している。
この実施形態では二次転写裏面ローラ33に転写バイアス出力手段としての電源39により二次転写バイアスが印加される。これにより、二次転写裏面ローラ33と二次転写ベルト404との間に、マイナス極性のトナーを二次転写裏面ローラ33側から二次転写ベルト404側に向けて静電移動させる二次転写電界が形成される。
二次転写ユニット41は、支持ユニット40に着脱可能に支持されていて、ユニット単位で交換可能とされている。二次転写ユニット41は、二次転写裏面ローラ33と中間転写ベルト31を介して対向配置された回転体であり転写部材でもある二次転写ローラ36を備えている。二次転写ユニット41は、3つの回転体としてローラ401、402、403と、二次転写ローラ36及びローラ401、402、403に巻き掛けられた二次転写ベルト404とを備えている。つまり、二次転写ユニット41は、転写部材が無端状のベルト部材で構成された二次転写ベルト404を備え、複数の回転体となる二次転写ローラ36及びローラ401、402、403で二次転写ベルト404を巻き掛けて回転移動可能に支持して搬送するベルトユニットである。なお、二次転写ローラ36はニップ形成ローラともいう。
二次転写ローラ36は、中間転写ベルト31のおもて面31aのトナー像を記録材Pに対して二次転写させるものである。すなわち、二次転写ローラ36は、二次転写ベルト404内に設けられていて、二次転写裏面ローラ33と対向配置されている。二次転写ローラ36は、二次転写裏面ローラ33との間に中間転写ベルト31と二次転写ベルト404を挟み込んでいる。二次転写ローラ36は、二次転写ベルト404に対して付勢されることで当接していて、中間転写ベルト31と二次転写ベルト404の間に二次転写ニップNを形成している。
二次転写ベルト404としては、ポリイミド(PI)、ポリアミドイミド(PAI)、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)などの樹脂材質のベルト部材を選択して用いることができる。二次転写ベルト404としては、これら材質ではなく、弾性材質のベルト部材を用いても良い。本実施形態では、厚みが80μmのポリイミド樹脂製のベルト(PIベルト)を用いている。
ローラ401は、静電吸着力によって二次転写ベルト404上に貼り付いた記録材Pを、ローラ401の曲率分離によって二次転写ベルト404上から剥離させるものである。ローラ403は、付勢手段としてのテンションバネ406によって二次転写ベルト404を内側から外側に付勢していてテンションローラを構成している。ローラ403と対向する二次転写ベルト404の外側には、クリーニング部材となるクリーニングブレード405が接触していて、二次転写ベルト404上に残留する紙粉やトナーを掻き取っている。つまり、ローラ403は、クリーニングブレード対向ローラとしても機能している。
二次転写ユニット41は、濃度検出手段としてのパターン検出センサ407がローラ402と対向する二次転写ベルト404の外側に配置されている。パターン検出センサ407は画像濃度調整に用いているものである。
ベルト方式を用いた二次転写ユニット41においては、記録材Pが二次転写ニップNを通過した際、二次転写ベルト404に対しての吸着力が働き、これが中間転写ベルト31への吸着力よりも強いために、中間転写ベルト31から確実に記録材Pを分離できるという利点を有しており、ベルト方式を採用することで、本実施形態では薄紙にも対応できる構成とされている。
本実施形態では、二次転写裏面ローラ33に、二次転写に用いるバイアス(二次転写バイアス)を電源39から印加するように構成しているが、二次転写ローラ36にバイアスを電源39から印加するようにしてもよい。二次転写ローラ36にバイアス(二次転写バイアス)を印加する場合には、トナーとは逆極性の二次転写バイアスを印加し、二次転写裏面ローラ33にバイアスを印加する場合には、トナーと同極性のバイアスを印加する。
本実施形態において、電源39は、二次転写ニップNでトナー像を記録材Pへ転写するために電圧である二次転写バイアスを出力するものである。電源39から二次転写裏面ローラ33に印加される電圧である二次転写バイアスは、直流成分である直流電流と、直流電流に交流成分である交流電流を重畳した重畳バイアスの2種類がある。
つまり転写部に供給される電圧は、少なくとも像担持体上のトナー像を記録材Pへ転写する際に、トナー像を像担持体側から記録材側に転写させる転写方向の電圧と、転写方向の電圧と逆極性の戻し方向の電圧とが交互に切り替わるものであり、電圧の1周期中に占める戻し方向の電圧が印加される時間を50%よりも大きくなるように電源39から出力される二次転写バイアスである。二次転写バイアスについては、後段で詳細に説明する。
二次転写ユニット41の下方には、各種用紙や樹脂シートなどの記録材Pを複数枚重ねた束の状態で収容している収容部となるカセット60が配設されている。このカセット60は、束の一番上の記録材Pにローラ60aを当接させており、これを所定のタイミングで回転駆動させることで、その記録材Pをカセット60から二次転写ニップNの間に形成された搬送路65に向けて送り出す。搬送路65には、搬送ローラ対とレジストローラ対61と、下ガイド部材62が配設されている。このレジストローラ対61は、カセット60から送り出された記録材Pを二次転写ニップN内で中間転写ベルト31のおもて面31a上の四色重ね合わせトナー像に同期させ得るタイミングで回転駆動して、記録材Pを二次転写ニップNに向けて送り出す。
二次転写ニップNで記録材Pに転写された中間転写ベルト31のおもて面31aの四色重ね合わせトナー像は、二次転写電界やニップ圧の作用によって記録材P上に一括二次転写され、記録材Pの白色と相まってフルカラートナー像となる。二次転写ニップNを通過した後の中間転写ベルト31には、記録材Pに転写されなかった転写残トナーが付着している。転写残トナーは、中間転写ベルト31のおもて面31aに当接しているベルトクリーニング装置38によってベルト表面からクリーニングされる。中間転写ベルト31のループ内側に配設されたクリーニングバックアップローラ34は、ベルトクリーニング装置38によるベルトのクリーニングをループ内側からバックアップする。
二次転写ニップNよりも記録材搬送方向bの下流側には、周知の定着装置90が配設されている。定着装置90には、トナー像が転写された記録材Pが送り込まれる。送り込まれた記録材Pは、熱源を内部に備えた定着ローラ91と加圧ローラ92とが接触する定着ニップに挟まれ、加熱と加圧によって、フルカラートナー像中のトナーが軟化して定着される。定着後の記録材Pは、定着装置90内から排出されて機外へと排出される。
このような構成において、プリンタ100のプロセス線速である、感光体2Y、2M、2C、2K及び中間転写ベルト31の移動速度である線速E1、E2は、同一の線速で移動するように構成されている。また、これら線速E1、E2は、所定速度となる標準速度Eaに対して増減可能とされている。例えば、標準画質のプリント物を得る場合、プリンタ100には標準速度Eaが設定され、速度優先画質のプリント物を得る場合には標準速度Eaよりも早い線速+E1、+E2が設定され、標準画質よりも画質が高いプリント物を得る場合、標準速度Eaよりも遅い線速−E1、−E2が設定される。
本実施形態では、二次転写裏面ローラ33に、二次転写に用いるバイアス(二次転写バイアス)を電源39から印加するように構成している。このため、二次転写裏面ローラ33はバイアスが印加されるローラであり、負帯電のトナーに対して負極性の転写バイアスをかけることで、斥力で転写しているため、斥力ローラと呼ぶこともある。二次転写裏面ローラ33は、スポンジローラなどの発泡性を有するローラで構成されている。
二次転写バイアスとしては、二次転写裏面ローラ33ではなく、二次転写ローラ36に電源39から印加供給するようにしてもよい。二次転写ローラ36にバイアス(二次転写バイアスを印加する場合には、トナーとは逆極性の二次転写バイアスを印加し、二次転写裏面ローラ33にバイアスを印加する場合には、トナーと同極性のバイアスを印加する。
記録材Pが二次転写ニップNに突入する際、二次転写バイアスが印加される二次転写裏面ローラ33に巻き付けられている中間転写ベルト31のおもて面31aと記録材Pとの間の空隙で放電が発生することをプレニップ放電と称している。例えば図4(a)に示すように、二次転写ローラ36を二次転写裏面ローラ33との対向する位置から記録材搬送方向bの上流側(図中右方)にオフセットさせていない場合、二次転写ニップの入口側において中間転写ベルト31と記録材Pとの間に入口の空隙Sが形成され、放電が発生する。
一方、図4(b)に示すように、二次転写ローラ36を記録材搬送方向bの上流側にオフセットすると、記録材Pは二次転写ニップNより先に中間転写ベルト31に密着する。このため、二次転写バイアスが印加されて高電界となっている二次転写裏面ローラ33の領域(二次転写ニップN)に到達する時点では空隙Sは小さくなっており、放電を防ぐことができる。
プレニップ放電は、二次転写裏面ローラ33への電圧や中間転写ベルト31、二次転写裏面ローラ33、二次転写ローラ36や二次転写ベルト404の抵抗、材質、記録材Pの種類、搬送の状態などによって発生のしやすさが異なり、中間転写ベルト31が弾性ベルトの場合、特にプレニップ放電が発生し易いことが、本願発明者らによる実験によりわかった。したがって、記録材搬送方向bの上流側への二次転写ローラ36のオフセット量を増やすことで放電を防止することができることが知られている。
ここで、図5(a)、図5(b)を用いて、二次転写ニップNについて説明する。 図5(a)は、二次転写裏面ローラ33と二次転写ローラ36を介して二次転写ベルト404とを一定圧で圧接させた状態で、オフセットしていない状態を示す。
図5(b)は、二次転写裏面ローラ33と二次転写ローラ36を介して二次転写ベルト404とを一定圧で圧接させた状態で、矢印Zで示す記録材搬送方向の上流側へオフセットしたものである。
二次転写裏面ローラ33と二次転写ローラ36の中心間距離が同じであり、両ローラ及び二次転写ベルト404の潰れ方が同じだと仮定した場合、ニップ自体は幾何学的に決まる。図5(a)、図5(b)に示すように、二次転写裏面ローラ33と二次転写ローラ36の2つのローラの間に挟まれている本ニップn1の領域の長さL1は共通である。オフセット方向Zにオフセットしている図5(b)の場合には、中間転写ベルト31が二次転写ベルト404を介して二次転写ローラ36の外周面36aにのみ巻き付いている長さL2のプレニップn2が存在する。
すなわち、プレニップn2があるかどうかの区別は、二次転写裏面ローラ33と二次転写ローラ36の軸心同士を結んだ一点鎖線で示す直線とニップ上流側において中間転写ベルト31が張られる方向との角度α1によって決まる。すなわち、(図5(a)に示すように、一点鎖線下側と上流側の中間転写ベルト31との成す角α1が90度以上ならばプレニップn2はなく、図5(b)に示すように、角度α1が90度より小さければプレニップn2は形成されて存在している。
なお、ここでは転写部材として二次転写ベルト404を用いているが、転写部材として二次転写ローラ36を単独で用いるローラ転写方式の場合は、中間転写ベルト31が二次転写ローラ36の外周面36aにのみ直接巻き付いている長さL2がプレニップn2となる。このため、図5(a)に示すようにオフセット無しの場合、二次転写ニップNの幅Lは本ニップn1の領域の長さL1となり、図5(b)に示すオフセット在りの場合、二次転写ニップNの幅Lは、本ニップn1の領域の長さL1+プレニップn2の長さL2となる。
このようにプレニップn2を有する構成においては、記録紙Pが本ニップn1にあるときに、記録紙Pの裏面はプレニップn2で二次転写ローラ36の外周面36aに接しており、記録材Pの表面Paは本ニップn1で中間転写ベルト31を介して二次転写裏面ローラ33の外周面33aに接している。そのため、二次転写バイアスの転写電流が記録材P(界面)にて表面積方向にも広がりながら流れていく。このとき、オフセットしていない狭い二次転写ニップNの場合よりもトナーへの過充電が起こり易くなる。
二次転写ニップNよりも記録材搬送方向bの上流側での放電や、その余裕度も中間転写ベルト31の種類によって異なる場合がある。例えば、図6は、異なる材質の中間転写ベルトに対して、二次転写ローラ36のオフセット量を変化させた場合のプレニップ放電の有無についての実験結果である。
なお、図6では、オフセットさせることでできる記録材Pと中間転写ベルト31とのニップ前での接触距離をプレニップ量と呼んでいる。オフセットさせることでプレニップは形成されるので、二次転写ローラ36の位置以外を固定すると、オフセット量とプレニップ量は一対一で対応する。すなわち、中間転写ベルト31のニップ前の軌跡やローラ径、硬度などを変えるとそれによってもプレニップ量は変わるので、ここを固定すると一対一で対応することになる。
ここで、本実験におけるプレニップ量について図7を用いて説明する。
図7は、二次転写裏面ローラ33、二次転写ローラ36、弾性ベルトで構成された中間転写ベルト31及び転写前ローラ37を抜き出した図である。このとき、二次転写裏面ローラ33と二次転写ローラ36の中心を結んだ破線と、二次転写ローラ36の中心から中間転写ベルト31への垂線とのなす角度をα[deg]としている。このときプレニップ量は、2π×(二次転写ローラ36の半径)×α/360°と定義する。すなわち、中間転写ベルト31のうち、二次転写ローラ36の外周面36aに対して巻きついている部分をプレニップと定義している。そのため、プレニップ量は、前述のように、二次転写ローラ36の径や中間転写ベルト31の軌跡などによって変化する。しかし、これら変動要素を固定して考えると、二次転写ローラ36のオフセット量で決まる。図6のプレニップ量と放電との関係は、このようにしてオフセット量を変化させてプレニップ量を変えている。
図6は、中間転写ベルト31として弾性ベルト・PIベルトの2種類を用意し、二次転写ローラ36を搬送方向上流側にオフセットすることでプレニップ量を変化させ、各構成における放電余裕度を普通紙と薄紙に対して、二次転写バイアスとして二次転写電流を変化させて確認した結果である。図6中○は放電の異常画像が出ないもの、△は良く見ると僅かながら発生している、×は異常が容易に見つかるとしている。
図6によると、二次転写電流が高いほど二次転写電圧は高くなるため、放電に対して厳しい。そのため、より幅広い電流域で(高電流で)放電が出ないほど余裕がある。また、本実施形態では転写性の観点から設定電流(目標電流A1)として―120[μA]を用いているため、少なくともこの設定において放電が出ないことが必須である。この観点から見た場合、弾性ベルトではプレニップ量として4mm以上が必須であり、PIベルトでは2mm以上が必須である。
なお、この実験結果(の数値)は、本実施形態の構成においてのものであり、一般的にベルト膜厚やローラ径・硬度・プロセス線速など様々な要因により余裕は変わるので、必要なプレニップ量は画像形成装置毎に異なる。また、同じ構成であれば、中間転写ベルト31としてPIベルトを用いる場合の方が、弾性ベルトを用いる場合に比べて放電への余裕度が大きくなる。なお、二次転写裏面ローラ33と二次転写ローラ36とに挟まれている図5で説明した本ニップn1の量(記録材搬送方向bへの幅)は一般に2mm〜5mm程度に設定されることが多い。
さらに詳しく本実施形態について説明をする。
図7に示す構成において、二次転写裏面ローラ33と二次転写ローラ36の直径は同一として、二次転写ローラ36の硬度は70HS(JIS A)、二次転写裏面ローラ33はゴム硬度AskerC50°としている。これは二次転写ローラ36が固い方が、弾性の中間転写ベルト31のゴム性を活かし易いためであるが、硬度の組み合わせ、大小関係は前述の数値・関係に限らず、様々なものを用いてよい。
また、二次転写裏面ローラ33と二次転写ローラ36の直径の関係も異なる数値であっても、大小どちらの組み合わせでも本発明の効果は得られる。
本実施形態では、図7に示すように、二次転写ローラ36を記録材搬送方向bの上流側にオフセットさせることで、記録材Pを二次転写ニップNより手前側で中間転写ベルト31に密着させて運ぶため、ニップ前の中間転写ベルト31と記録材Pとの空隙S(図4(b))をなくすことで放電を防止している。また、電界分布から本実施形態の効果を説明すると、転写電界の分布としては二次転写ニップNが最も強い電界が働いており、徐々に手前側(搬送方向上流側)が弱くなっている。記録材Pが電界分布の強いところで中間転写ベルト31と接触すると、その過程で中間転写ベルト31と記録材Pとの間に空隙Sがあると、空隙で放電が起こる。そのため、電界の弱いニップ上流側(ニップ手前側)で中間転写ベルト31と記録材Pとを接触させることで放電を防ぐことが可能となる。
なお、本実施形態において、電源39から出力される二次転写バイアスは、定電流制御を用いている。これは、中間転写ベルト31と記録材Pの抵抗によらず、二次転写ニップNに対して一定の転写電圧(転写電界)を得られるようにするためである。
次に、プレニップ量の異なる特定方法について、図8、図9を用いて説明する。
図8に示すプレニップ量の特定方法1では、
図8(a)に示すように、本ニップ幅を特定する。この本ニップ幅を特定するには、ニッタ株式会社製の面圧分布測定システムI-SCAN(商品名)にて圧がかかっている部分を推定する。具体的には、ここでは厚分布Aと圧分布Bとに示すような異なるハッチングパターンで示す圧分布が得られるので、予め決めた閾値以上の圧を本ニップ幅と定義する。
次に図8(b)に示すように、本ニップ+プレニップ幅を測定する。この測定には、中間転写ベルト31にある程度の幅(例えば10mm程度)のトナーを付着する。トナーを付着する領域は二次転写ニップNよりも十分広い領域とする。
次に図8(c)に示すように、この状態で中間転写ベルト31に対して二次転写部材の当接と離間の動作を何度も繰り返す。本実施形態では、二次転写ユニット41の当接離間動作を行うとともに、必要に応じて二次転写ユニット41を引き出して清掃した上で、再度当接と離間を繰り返す。二次転写ベルト404を用いずに転写部材としての二次転写ローラ36を用いる場合には、二次転写ローラ36を当接離間動作させる。このような動作を行うと、中間転写ベルト31のトナーが薄くなった領域ができ、この領域が二次転写部材と中間転写ベルト31の接触領域(ニップ+プレニップ)となる。
図8(d)では、接触領域(本ニップ幅+プレニップ幅)の幅を計測し、この幅から本ニップ幅を引くことで、プレニップ幅(プレニップ量)がわかる。
図9に示すようにプレニップ量の特定方法2では、
図9(a)に示すように、 二次転写ローラ36、二次転写裏面ローラ33、中間転写ベルト31を上流側で張っている転写前ローラ37の3つの軸中心G1、G2、G3の座標を特定する。次に二次転写ローラ36と二次転写裏面ローラ33の外径と硬度を測定するとともに、転写前ローラ37の外径を測定する。
図9(b)に示すように、図9(a)で測定した測定結果より硬度の小さい側のみが潰れていると仮定して、3本のローラ位置をスケッチする。スケッチした結果から、二次転写ローラ36のみに巻きついている部分をプレニップn2とする。このような2つの特定方法を用いてプレニップn2を特定することができる。
なお、プレニップはローラ同士に挟まれていない領域で二次転写ローラ36の外周面36aや二次転写ベルト404の外周面にベルト状の像担持体(中間転写ベルト31)が巻き付いている範囲であり、この範囲の長さ(量)としては、概ね2〜5mmである。また、ローラ同士に挟まれた範囲であるニップ量(本ニップ量)は概ね2〜5mmである。
図10は、中間転写ベルト31として、プリンタ100のものとは異なり、単層構造のものを用いた構成における二次転写ニップ及びその周囲を示す拡大構成図である。中間転写ベルト31として図示のような単層構造のものを用いた場合には、二次転写裏面ローラ33と二次転写ローラ36との間において、二次転写電流が次のように流れる。即ち、図中矢印で示されるように、二次転写電流がニップ中心位置(ベルト移動方向の中心位置)に集中して一直線状に流れることから、ニップ入口付近やニップ出口付近では二次転写電流がそれほど流れない。二次転写電流がこのように流れることで、二次転写ニップにおいて、トナーに二次転写電流を作用させている時間は比較的短時間になる。このため、トナーに対して、二次転写電流によって正規極性とは逆極性の電荷を過剰に注入してしまうことは殆どない。
図11は、実施形態に係るプリンタ100における二次転写ニップ及びその周囲構成を示す拡大断面図である。実施形態に係るプリンタにおいては、既に述べたように、中間転写ベルト31として、多層構造のものを用いている。かかる構成では、二次転写裏面ローラ33と二次転写ローラ36との間において、二次転写電流が次のように流れる。即ち、基層310と弾性層311との界面で、二次転写電流がベルト周方向に広がりながら、ベルト厚み方向に流れる。これにより、二次転写電流がニップ中心位置だけでなく、ニップ入口やニップ出口の付近にまで回り込むようになることから、二次転写ニップにおいて、トナーに二次転写電流を作用させる時間が長時間になる。そして、トナーに対して、二次転写電流によって正規極性とは逆極性の電荷を過剰に注入し易くなることで、トナーの正規極性の帯電量を大きく低下させたり、トナーを逆帯電させてしまったりして、二次転写性の低下要因となってしまう。この結果、画像濃度不足を引き起こし易くなってしまうことが解った。なお、本プリンタ100で用いられているような二層構造の中間転写ベルト31に限らず、三層以上の多層構造の中間転写ベルト31においても、同様の二次転写電流の回り込みにより、二次転写電流を阻害してしまうことも解った。すなわち、二次転写時の転写性の低下要因となってしまうことが解った。
(実施形態1)
上述したように、プレニップn2を作ることで放電を防ぐことはできるが、このとき図5(b)に示すように、プレニップn2を増やすことで二次転写ニップNの総量としては増える。このため、転写電流が記録材Pの表面を伝ってから、アースされている二次転写ローラ36側へ流れやすくなる。これにより、トナーが過充電されて二次転写時に転写性の低下要因(転写不良)となる場合がある。
また、多層構造のベルト状の像担持体としての構成された中間転写ベルト31の場合も、二次転写電流の回り込みにより、二次転写電流を阻害してしまうことで、二次転写時の転写性の低下要因となってしまう。
そこで、本実施形態では、電源39から二次転写裏面ローラ33に印加される二次転写バイアスとして、直流成分である直流電圧に交流成分である交流電圧を重畳した重畳バイアスを用いるとともに、高dutyの波形となるように電源39から二次転写バイアスを出力するように構成している。本実施形態において高dutyとは、50%よりも大きい状態を指す。
この高dutyの波形では、図12(a)を参照すると、交流電圧の一周期のうち、中間転写ベルト31(像担持体)側から記録材P側へトナー像を移動させる転写方向へのピーク電圧Vtの持続時間Aを50%未満とし、ピーク電圧Vtよりも弱い電圧もしくはピーク電圧Vtと逆極への電圧のピーク電圧(Vr)(転写方向に対して逆方向のピーク電圧Vrという)の持続時間Cを50%よりも大きくしている。前者である記録材P側へトナー像を移動させる転写方向のピーク電圧Vtによりトナーを記録材Pへ転写させる機能を確保しつつ、ピーク電圧Vtよりも弱い電圧もしくは極性が逆のピーク電圧Vrをピーク電圧Vtよりも長い時間持続させることで、トナー像が二次転写ニップNを通過する際にトナーに対して過充電することを防止することができる。
さらに、本実施形態では、各感光体及び中間転写ベルト31の線速E1、E2を変更する際に、二次転写バイアス(重畳バイアス)中の交流電圧は変更せずに直流電圧のみ変更するようにしている。具体的には、線速E1、E2が基準速度Eaよりも低下して遅い線速−E1、−E2となる場合、交流電圧は変更せずに直流電圧を、基準速度Eaの時よりも低下するように変更する。すなわち、各感光体及び中間転写ベルト31の線速E1、E2に応じて、二次転写バイアス(重畳バイアス)における直流電圧を変更するようにしている。具体的には、転写バイアス出力手段たる電源39を制御して、各感光体及び中間転写ベルト31の線速E1、E2が遅いほど直流電圧の絶対値を小さくするようにしている。
例えば、交流成分のみを小さくすると、トナーと同極性側の電荷も相対的に低減するので、過転写が生じて二次転写時の転写性が低下して転写不良となる。
しかし、本実施形態では、線速E1、E2を低下させて遅い線速−E1、−E2にした際に、交流成分である交流電圧は変更せずに直流成分である直流電圧のみ低下させることで、帯電しているトナーの極性と逆極性側の電荷がトナーに供給されることが抑制される。すなわち、トナーと同極性の電荷がトナーに供給されることで、トナーの極性と逆極性の電荷がトナーから低減されて過充電を抑制することができ、結果、転写バイアスが高Dutyの場合でも二次転写ニッブNでのトナーの過充電による異常画像を防止することができ、転写性を向上することができる。
次にプリンタ100の制御系の構成について図13、図14を用いて説明する。
図13に示すように、制御部300は、演算手段たるCPU(Central Processing Unit)301、不揮発性メモリたるROM(Read Only Memory)302、一時記憶手段たるRAM(Random Access Memory)303を有している。プリンタ全体の制御を司る制御部300には、様々な構成機器やセンサ類が通信可能に信号線を介して接続されているが、図13においては、本プリンタの特徴的な構成に関連する構成機器だけを示している。なお、図13においては、各形態で用いる構成やセンサ類を併記しており、各形態の制御部300として機能するものとして説明する。
制御部300の入力側には、電位検出センサ63、パターン検出センサ407、設定手段としてのオペレーションパネル408が信号線を介して接続されている。制御部300の出力側には、二次転写用の電源39、一次転写用の電源81(Y、M、C、K)、書込みユニットの駆動部304、画像形成ユニットの駆動部305、中間転写ユニットの駆動部306、二次転写ユニットの駆動部307が信号線を介して接続されている。
オペレーションパネル408は、表示部、操作部などを備えたもので、各種情報の入力操作や設定操作がユーザやサービススタッフ等の作業者によって行われるものである。ここで操作内容や設定内容は、制御部300に入力されるとともに、制御部300から送信された内容が表示可能とされている。
1次転写用の電源81(Y、M、C、K)は、1次転写ローラ35Y、35M、35C、35Kに印加するための1次転写バイアスを出力するものである。
電源39は、二次転写裏面ローラ33に印加するための二次転写バイアスを出力する。この電源39は、制御部300によってその出力が制御される。なお、ここでは、電源39の出力制御にプリンタ全体の動作を制御する制御部300を用いているが、制御部の形態としては、プリンタ全体の動作の制御部とは個別に、電源39の出力制御用の制御部300を設けた形態であっても良い。
プリンタ100は、画像濃度を調整する画像調整モードを制御部300に備えている。制御部300は、電位検出センサ63からの検出結果と予め設定された設定値と比較し、設定値に達していない場合には画像調整時期であると判定して画像調整モードを始動する。
本実施形態において、プリンタ100は、作像条件を調整するための画像調整モードを有している。プリンタ100は、画像調整モードにより作像条件を調整する場合、現像バイアスや帯電バイアスを変化させて濃度調整用パターンとなるテストパッチをトナーで作像する。プリンタ100は、そのテストパッチを二次転写ベルト404上に転写して、パターン検出センサ407で濃度を検出し、この検出値に基づいて作像条件の調整を行うように構成されている。この処理は、制御部300によって行われる。本実施形態では、二次転写ベルト404上でテストパッチを検出しているが、中間転写ベルト31上で検出するようにしても良い。
制御部300は、画像調整モードが始動すると、各感光体上にテストパッチを形成するように、書込みユニットの駆動部304と画像形成ユニットの駆動部305を駆動する。制御部300は、テストパッチ(トナー像)を中間転写ベルト31上に転写するように、一次転写用の電源81(Y、M、C、K)と中間転写ユニットの駆動部306を駆動する。制御部300は、中間転写ベルト31上に転写されたテストパッチを二次転写ベルト404上に転写すべく、電源39と二次転写ユニットの駆動部307を駆動する。
図14は、二次転写用の電源39の電気回路の要部を、二次転写裏面ローラ33や二次転写ローラ36などとともに示すブロック図である。電源39は、直流電源110と、交流電源140を備えている。この電源39は、制御部300に接続されていて、制御部300からの指令によって、その出力が制御される。電源39に制御部300と異なる制御部を備えるようにしても良い。
直流電源110は、中間転写ベルト31のおもて面31a上のトナーに対して二次転写ニップN内でベルト側から記録材Pに向かう静電気力を付与するための直流電圧を出力するための電源である。直流電源110は、直流出力制御部111、直流駆動部112、直流電圧用トランス113、直流出力検知部114、出力異常検知部115、電気接続部221を備えている。
交流電源140は、二次転写ニップN内に交流電界を形成するための交流電圧を出力するための電源である。交流電源140は、交流出力制御部141、交流駆動部142、交流電圧用トランス143、交流出力検知部144、出力異常検知部145、電気接続部242と電気接続部243を備えている。
直流出力制御部111には、制御部300から直流電圧の出力の大きさを制御するDC_PWM信号が入力されるとともに、直流出力検知部114によって検知された直流電圧用トランス113の出力値も入力される。直流出力制御部111は、入力されたDC_PWM信号のデューティ比及び直流電圧用トランス113の出力値に基づいて、次のような制御を行う。即ち、直流電圧用トランス113の出力値をDC_PWM信号で指示された出力値にするように、直流駆動部112を介して直流電圧用トランス113の駆動を制御する。
直流駆動部112は、直流出力制御部111からの制御に従って、直流電圧用トランス113を駆動する。直流電圧用トランス113は、直流駆動部112によって駆動され、負極性の直流の高電圧出力を行う。なお、交流電源140が接続されていない場合には、電気接続部221と二次転写裏面ローラ33とがハーネス251によって電気的に接続されるので、直流電圧用トランス113は、ハーネス251を介して二次転写裏面ローラ33に直流電圧を出力(印加)する。一方、交流電源140が接続されている場合、電気接続部221と電気接続部242とがハーネス252によって電気的に接続されるので、直流電圧用トランス113は、ハーネス252を介して交流電源140に直流電圧を出力する。
直流出力検知部114は、直流電圧用トランス113からの直流高電圧の出力値を検知し、直流出力制御部111に出力する。直流出力検知部114は、検知した出力値をFB_DC信号(フィートバック信号)として制御部300に出力する。これは、環境や負荷によって転写性が落ちないように、制御部300においてDC_PWM信号のデューティを制御させるためである。本プリンタでは、電源39の本体に対して交流電源140が着脱可能であるため、交流電源140が接続されている場合と接続されていない場合とで、高電圧出力の出力経路のインピーダンスが変化する。このため、直流電源110が定電圧制御を行って直流電圧を出力した場合、交流電源140の有無に応じて出力経路中のインピーダンスが変化することにより分圧比が変化する。更に、二次転写裏面ローラ33に印加される高電圧が変化してしまうので、交流電源140の有無に応じて転写性が変化してしまう。
そこで、本プリンタ100では、直流電源110が定電流制御を行って直流電圧を出力し、交流電源140の有無に応じて出力電圧を変化させるようになっている。これにより、出力経路中のインピーダンスが変化しても、二次転写裏面ローラ33に印加される高電圧を一定に保つことができ、交流電源140の有無によらず転写性を一定に保つことができる。更に、DC_PWM信号の値を変更せずに交流電源140を着脱することが可能になる。このように本プリンタ100では、直流電源110を定電流制御するようになっているが、次のような構成を採用してもよい。即ち、交流電源140の着脱時にDC_PWM信号の値を変更するなどして、二次転写裏面ローラ33に印加される高電圧を一定に保つことができれば、直流電源110を定電圧制御する構成を採用してもよい。
出力異常検知部115は、直流電源110の出力ライン上に配置されており、電線の地絡等によって出力異常が発生した際には、リークなどの出力異常を示すSC信号を制御部300に出力する。これにより、制御部300による直流電源110からの高圧出力を停止するための制御を実施することが可能になる。
交流出力制御部141には、制御部300から、交流電圧の出力の大きさを制御するAC_PWM信号、交流出力検知部144によって検知された交流電圧用トランス143の出力値が入力される。交流出力制御部141は、入力されたAC_PWM信号のデューティ比、及び交流電圧用トランス143の出力値に基づいて、次のような制御を行う。即ち、交流電圧用トランス143の出力値がAC_PWM信号で指示された出力値となるように、交流駆動部142を介して交流電圧用トランス143の駆動を制御する。
交流駆動部142には、交流電圧の出力周波数を制御するAC_CLK信号が入力される。交流駆動部142は、交流出力制御部141からの制御及びAC_CLK信号に基づいて、交流電圧用トランス143を駆動する。交流駆動部142は、AC_CLK信号に基づいて交流電圧用トランス143を駆動することで、交流電圧用トランス143によって生成される出力波形を、AC_CLK信号で指示された任意の周波数に制御することができる。
交流電圧用トランス143は、交流駆動部142によって駆動されて交流電圧を生成し、生成した交流電圧と直流電圧用トランス113から出力された直流の高電圧とを重畳して重畳電圧を生成する。交流電源140が接続されている場合、即ち、電気接続部243と二次転写裏面ローラ33とがハーネス251で電気的に接続されている場合、交流電圧用トランス143は、生成した重畳電圧を、ハーネス251を介して二次転写裏面ローラ33に印加する。なお、交流電圧用トランス143は、交流電圧を生成しない場合には、直流電圧用トランス113から出力された直流の高電圧を、ハーネス251を介して二次転写裏面ローラ33に出力(印加)する。二次転写裏面ローラ33に出力された電圧(重畳電圧又は直流電圧)は、その後、二次転写ローラ36を介して直流電源110内に帰還する。
交流出力検知部144は、交流電圧用トランス143の交流電圧の出力値を検知して交流出力制御部141に出力する。また、検出した出力値をFB_AC信号(フィードバック信号)として制御部300に出力する。これは、環境や負荷によって転写性を低下させないように、制御部300においてAC_PWM信号のデューティを制御するためである。なお、交流電源140は、定電圧制御を行うものであるが、定電流制御を行うものを用いてもよい。また、交流電圧用トランス143(交流電源140)が生成する交流電圧の波形については、正弦波、矩形波の何れであってもよいが、本プリンタ100では、短パルス状矩形波を採用している。交流電圧の波形を短パルス状矩形波にすることで、より画像品質の向上を図ることが可能になるからである。
次に、本実施形態で用いる二次転写バイアスの特性についてより詳細に説明する。
図12(a)、図12(b)は、電源39から出力される二次転写バイアスの波形の一例である。トナー像を記録材Pに転写させるには、ある一定の大きさの電圧を二次転写ニップNに印加供給する必要がある。しかし、電圧を印加し続けると、ここまでに説明したように、トナーが過充電を起こし、転写不良が生じてしまう。
図12(a)は、二次転写に必要な大きさの電圧を印加するが、Dutyを50%よりも大きく設定することで印加時間を短くし、トナーの過充電を防ぐことで、ハーフトーン出力画像が転写する理想波形である。図12(a)中の記号は、Vr:正の電圧のピーク値(逆極性電圧のピーク値/戻し方向の電圧のピーク値)、Vt:負の電圧のピーク値(転写方向の電圧のピーク値)、Voff:(Vr+Vt)/2、Vpp:Vr−Vt、Vave:Vr×Duty/100+Vt×(1-Duty)/100、A:Vtの持続時間、B:電圧波形1周期の時間、Duty:(B−A)/B×100(%)、C:Vrの持続時間をそれぞれ示す。すなわち、Dutyとは、大まかにいうと、交流電圧の波形1周期中の時間Bに対するVtの持続時間(印加時間)AとVrの持続時間(印加時間)Cの比率であるともにいえ、B−AあるいはA<Cが50%よりよりも大きく(高い)ものを高Dutyと呼ぶ。
図12のVoffとは直流電圧(直流成分)であって、二次転写バイアスの転写方向の電圧のピーク値Vtと、戻し方向の電圧のピーク値Vrと、の中心値である。
図12(b)は、図12(a)の理想波形を狙って実際に電源39から出力された波形である。Vt:−4.8kV、Vr:1.2kV、Voff:−1.8kV、Vave:0.08kV、Vpp:6.0kV、Vtピークの持続時間A:0.10ms、波形の周期B:0.66ms、Duty:85%の波形の交流電圧を印加した。
つまり、二次転写バイアスがトナーの帯電極性とは逆のプラス極性におけるピーク値Vrとになっているときには、中間転写ベルト31側から記録材P側へのトナーの静電移動が抑制される。二次転写バイアスがトナーの帯電極性と同じマイナス極性におけるピーク値Vtになっているときには、中間転写ベルト31側から記録材P側へのトナーの静電移動が促進される。
このような二次転写バイアスを採用すると、交流電圧1周期B内において、トナーに対してその帯電極性とは逆のプラス極性の電荷を注入する可能性のある時間を短くすることになる。そのため、二次転写ニップN内での電荷注入によるトナー帯電量の低下を抑えることが可能になる。これにより、トナー帯電量の低下に起因する二次転写性の低下による画像濃度不足の発生を抑えることができる。
今までの説明で、二次転写バイアスは、トナー像を像担持体側から記録材側に転写させる転写方向のバイアスと、転写方向と逆方向のバイアスとが交互に切り替わる周期変動する交流バイアスを含むものである。そして、二次転写バイアスの1周期中に占める逆方向へのバイアスが印加される時間をDutyとし、Dutyが50%よりも大きいものを高Dutyとして規定した。
図15(a)〜図15(c)は、図12(b)の波形を模式的に記載したものであり、この図を使ってDutyをより説明する。
二次転写バイアス中の交流成分である交流バイアスは、転写方向に向かうバイアスと、転写方向と逆方向に向かうバイアスである。本実施形態において、転写方向とは、マイナス極性に向かう事であり、逆方向とは+極性に向かうことである。このうち、転写方向のバイアスと逆方向のバイアスとは、極性切替基線Jとなる0Vを境にして互いに逆極性のバイアスである。1周期中に占める逆方向へのバイアスが印加される時間とは、図15(a)に示すようにバイアスが0Vよりも逆極性であるプラス極性側である符号P1とP2で示す間の時間Caとすることができる。
1周期中に占める逆方向へのバイアスが印加される時間とは、図15(b)に示すように、バイアスが逆方向のピーク電圧Vrに達した時を示す符号P3から転写方向のピーク電圧Vtに向かって立ち下がり始める時を示す符号P4までの範囲の時間である。図15(b)では、P3とP4で示す間の時間Cbとすることができる。
また、1周期中に占める逆方向へのバイアスが印加される時間とは、図15(c)に示すように、逆方向のピーク電圧Vrから転写方向のピーク電圧Vtに向けて30%の値だけシフトさせた位置を基線J1とする。このときの、この基線J1よりも逆方向側となる時間であり、符号P5と符号P6で示す間の時間Ccとすることができる。
次に、本発明者らが行った幾つかの実験について説明する。
実験1
実験条件
環境:27℃/80%、記録材:Mohawk Color Copy Gloss 270gsm(457mm×305mm)
プロセス線速:630mm/s
出力画像:Bkハーフトーン
二次転写ニップの幅:4mm
記録材には、コート紙の転写時に限らず、普通紙や再生紙の転写時に実施形態で説明した二次転写バイアスを用いても良い。
図16(a)〜図16(e)は、実験1に用いた出力波形であって、図17は、実験1の結果の示す図である。
図16(a)〜図16(e)は、図12(a)の波形の条件で、Dutyを10%から90%までの間で変更した時の出力波形の画像である。これらの波形でハーフトーン画像を出力し、図17に示すように、官能評価のランク付けを行った。ランクは次のようにして評価した。評価ランクは1〜5までの5段階とし、ランクが高い程、高評価とした。
図16(a)〜図16(e)におけるDutyは、図15(b)における(Cb/B)×100(%)で定義する。すなわち、二次転写バイアスの1周期においてバイアスが逆方向のピーク電圧Vrに達した時を示す符号P3から転写方向のピーク電圧Vtに向かって立ち下がり始める時を示す符号P4までの時間Cbの、1周期の長さBに対する割合である。なお、Dutyは、図15(a)における(Ca/B)×100(%)、または、図15(c)における(Cc/B)×100(%)で定義してもよい。
すなわち、十分なハーフトーンの濃度を得られている場合をランク5と評価した。ランク5に比べてやや薄いが、問題のない濃さが得られている場合を、ランク4として評価した。ランク4に比べてさらに薄く、ユーザに提供する画質としては問題となる場合をランク3として評価した。ランク3に比べてさらに薄い場合をランク2とし、全体的に白っぽい場合やそれよりも薄い場合をランク1として評価した。ユーザに提供できる画質の許容レベルとしては、ランク4以上である。
図17の実験1の評価結果によると、Dutyが90%と70%ではランク5であり、50%でランク3、30%と10%でランク1であった。
図16で説明したように、低Dutyの10%(図16e)、30%(図16d)では、負の電圧のピーク値Vtの電圧を印加する時間Aが長く、トナー像が過充電され、転写性が悪くなった。一方、高Dutyの70%(図16b)、90%(図16a)では、負の電圧のピーク値Vtの電圧を印加する時間Aが短く、過充電が防げ、転写性が良くなった。
また、波形において、VrとVtで極性を反転させると、過充電をより確実に防げる。その理由は、記録材Pが帯電している場合でも、0Vをまたぐことで充電を防ぐ向きに電界をつくるからである。
以上のように、本実施形態では、二次転写ニップNの幅が広くなるように、二次転写ローラ36を記録材搬送方向bの上流側にオフセットしていても、二次転写バイアスとして高Dutyの重畳バイアスを使用することで、プレ放電と転写不良の両方を防止して、良好な画像を提供することができる。高Dutyとは、少なくとも50%よりも大きく、より好ましくは70%以上となる。
実験2
この実験は、線速を変更した際に、二次転写バイアス(重畳バイアス)の直流電圧(直流成分)と交流電圧(交流電圧)を変更した際の画像の評価を行ったものである。図18は、その評価結果を示す。図18では、線速E1、E2を標準線速Eaの80%にした遅い線速−E1、−E2としている。
実験条件
環境:27℃/80%、記録材:Mohawk Color Copy Gloss 270gsm(457mm×305mm)
プロセス線速:630mm/s(これが100%の線速(標準線速Ea))
出力画像:シアン(ブルー)のベタ画像とシアン(ブルー)のハーフトーン
二次転写ニップの幅:4mm
環境:27℃/80%RH、記録材:Mohawk Color Copy Gloss 270gsm(457mm×305mm)
実験2では、図12bに記す波形の二次転写バイアスを用いている。
二次転写バイアスの出力が、Vt:−4.8kV、Vr:1.2kV、Voff(DC成分):−1.8kVの場合が、図18のDC成分100%の値となる。
Vave:0.08kV、Vpp(AC成分):6.0kVが、図18中のAC成分100%の値となる。
Vtピークの持続時間A:0.10ms、波形の周期B:0.66msで、この波形のDutyは85%である。
バイアス条件
条件1では、AC成分(交流電圧)とDC成分(直流電圧)を標準線速Ea時と同じ値とした。
条件2では、AC成分(交流電圧)は標準線速Ea時と同じ値とし、DC成分(直流電圧)は線速倍した値とした。
条件3では、AC成分(交流電圧)は線速倍した値、DC成分(直流電圧)は標準線速Ea時と同じ値とした
条件4では、AC成分(交流電圧)DC成分が線速倍した値とした
実験2では、条件1〜条件4における画像の官能評価のランク付けを行った。ランクは次のようにして評価した。評価ランクは◎、○、△、×の4段階とした。
◎: 十分な濃度を得られている。
〇: ◎に比べてやや薄いが、問題のない濃度が得られている。
△: 〇に比べてさらに薄いが、ユーザに提供する画質として許容される。
×: △に比べてさらに薄く、ユーザに提供する画質として許容されない。
評価結果
条件1では、過転写によりハーフトーンの転写性が悪い。
条件2では、ベタとハーフトーンの両方の転写性が良い。
条件3では、過転写によりハーフトーンの転写性が悪い。
条件4では、転写バイアス不足でベタの転写性が悪い。
以上の結果より、プロセス線速を変更した際、AC成分(交流電圧)は標準線速Ea時と同じ値、DC成分(直流電圧)は線速倍した値が最適値であるといえる。
(変形例1)
実験3
次に下記の条件5で、プロセス線速を80%にした際のバイアス設定とその画像評価の実験を行った。
バイアス条件
条件5では、二次転写バイアスのAC成分:100%、二次転写バイアスのDC成分:70%とし、これ以外の条件及び画像の官能評価のランク付けは、実験2と同様である。
評価結果
画像評価 ベタ(ブルー):△、ハーフトーン(ブルー): ◎
変形例1では、プロセス線速を、標準線速Eaよりも遅くした線速−E1、−E2とした場合、記録材Pの各部位が二次転写ニップNを通過する時間(ニップ時間)が長くなる分だけ、トナーへの充電時間が長くなり、過充電すなわち過転写になる。
条件5では、標準線速EaのDC成分(直流電圧)に対する線速が遅い場合DC成分(直流電圧)の割合は(70%)を、実験2で記載した、標準線速Eaに対する遅い線速の割合(80%)よりも小さくした。
このように、標準線速EaのDC成分(直流電圧)に対する線速が遅い場合のDC成分の割合%をより低くすると、ハーフトーンの画像評価が◎となった。このため、線速が遅い場合のDC成分(直流電圧)を、上記のようにより低い設定とすることで、過転写をより確実に防止できる。
なお、線速が遅い場合DC成分(直流電圧)の大きさは、例えばプリンタ100に設けられた図13に記載したオペレーションパネル408等によって作業者が変更可能な構成としてもよい。
オペレーションパネル408(設定手段)によって設定された「線速が遅い場合のDC成分の大きさ」は、ROM302に記憶することが好ましい。制御部300は、ROM302に記憶された「線速が遅い場合のDC成分の大きさ」に基づき、電源39の出力する二次転写バイアスのDC成分(直流電圧)が上記大きさになるように、電源39を制御する。
例えば、ユーザは、ハーフトーン等の濃度の薄い画像を出力する場合、「線速が遅い場合のDC成分の大きさ」を小さめに設定する(例えば70%)。
一方、ベタ等の濃度の濃い画像を出力する場合、「線速が遅い場合のDC成分の大きさ」を大きめに設定する(例えば80%)。
「線速が遅い場合のDC成分の大きさ」を変更可能とすることで、低速でプリントするとき、出力対象の画像濃度に応じた最適なバイアスで画像を転写することができる。
つまり、プリンタ100は、画像濃度に応じて重畳バイアスにおける直流電圧を変更可能とされていて、画像濃度が薄くなるに従い、重畳バイアスにおける直流電圧を低下するように制御部300によって電源39の出力を制御可能とされている。
(変形例2)
上記の実施例(条件2)や変形例1(条件5)ではAC成分(交流分圧)をプロセス線速によらず固定(100%)としたが、線速に応じてDC成分(直流電圧)とAC成分(交流分圧)の大きさをともに可変としてもよい。
この場合、電源39が出力する重畳バイアスの波形は少なくとも以下のような関係を満たせばよい。
条件:遅い線速−E1、−E2(80%など)のときのVrの値は、標準線速Ea(100%)のときのVrの値よりも、転写方向とは逆方向に寄っている。転写方向とは、正規帯電したトナーを中間転写ベルトから用紙へ移動させる方向である。
例えば、図12bの例で標準線速Ea(100%)のときのVrが+1.2kVであるとき、遅い線速−E1、−E2(80%など)のときのVrの値を+1.2kVよりも大きくする。
線速が遅い場合は、標準線速Eaの場合よりもニップ時間が長くなるが、Vrを転写方向とは逆方向に寄った値とすることで、標準線速Eaの場合よりも、トナーに注入された電荷を多めに抜くことができる。これによって、線速が遅い場合のトナーの過充電、過転写をより確実に防止できる。
交流成分(AC成分)の大きさは、上記の条件を満たす範囲であれば、プロセス線速に応じて変更してもよい。例えば、プロセス線速が100%のときのAC成分の大きさ(すなわちピークツウピーク電圧Vppの大きさ)を100%としたとき、プロセス線速が80%のときのAC成分の大きさを90%や95%などに設定してもよい。
(実施形態2)
本実施形態は、記録材Pとして凹凸紙の転写性を確保するために中間転写ベルト31として弾性ベルトを用いている。各色のトナーは、中間転写ベルト31に重ね合わせられる一次転写工程の後に、二次転写ニップNにおいて記録材Pに一括転写する二次転写工程を行なう。この中間転写ベルト31は、例えば、図3(a)に示すように、内側の層(にポリイミドやポリアミドイミドの50μm〜100μm程度の基層310を有しており、その上にアクリルゴムなどを用いた弾性層311を積層され、さらに表層に離形性を付与するためのコーティングによりコート層312などが施されている。弾性層311は100μm〜1mm程度のものが一般的である。この中間転写ベルト31のゴム性に応じて、二次転写では必要な圧を付与することで凹凸を有する記録材Pに対して、凹部にもトナーを良好に転写することができる。中間転写ベルト31には、ポリイミド樹脂製のベルト(PIベルト)を用いている。
このような構成の弾性ベルトを中間転写ベルト31として用いる場合、弾性層311に対して十分な転写圧を与える必要があることから、二次転写に対してはある程度高い転写圧が必要とされる。そのため、例えば二次転写圧力付与手段として加圧機構を複数用意して、記録材Pの種類(凹凸度合や紙厚等)に応じて転写圧を変えるといった構成を用いてもよい。
しかし、何れにしても転写するために必要な転写圧をかけることで、記録材Pは中間転写ベルト31に対して高い密着性を持ち、二次転写ニップNを出ても記録材Pが中間転写ベルト31から分離されずに分離不良を起こすことがある。これは、二次転写ローラ36を用いたようなローラ方式において顕著である。そのため、実施形態1のように二次転写ベルト方式の二次転写ユニット41と組み合わせることで、高い分離性と記録材Pへの転写性を両立させることができるので好ましい。
中間転写ベルト31にPIベルトを用いる場合、経時劣化によってベルト抵抗が下がる傾向となる。しかし、この場合でも、Dutyが50%よりも大きい重畳バイアスを印加する状態で、プロセス線速を変更する際に、直流成分(直流電圧)を変更させる。すなわち、プロセス線速が基準速度Eaよりも低下する場合、交流電圧は変更せずに直流電圧を低下させた二次転写バイアスを電源39から出力することで、過転写を防止できる。
中間転写ベルト31に弾性ベルトを用いる場合、中間転写ベルト31にPIベルトを用いる場合よりもプレ放電に対して弱いことが実験からわかっている。
従って、本実施形態のように、弾性ベルトからなる中間転写ベルト31を用いる場合、プレニップはPIベルトを用いる場合よりも広くする必要がある。このため、本実施形態では、実施形態1−4の構成で設定しているプレニップの長さよりも長い、5.2mmとした。この長さとは、記録材搬送方向bに対するものである。
このように、弾性ベルトを中間転写ベルト31に用いる場合、プレニップが大きくなるので、二次転写ニップNの長さも大きくなり、トナーに対して過充電しやすくなる。このため、弾性ベルトを中間転写ベルト31に用いる場合に、二次転写バイアスとしては高Duty(50%よりも大きい)の重畳バイアスを用いることで、PIベルトを中間転写ベルト31に用いる場合よりも、高い分離性と記録材Pへの転写性を確保しながら、トナーの過充電による異常画像の発生を防止できるので好ましい。
中間転写ベルト31の弾性ベルトとしては、図3(b)、図3(c)に示した粒子313を備えた弾性ベルトを用いることもできる。このような最上層(弾性層311)の素材に粒子313を分散せしめた弾性ベルトを用いると、二次転写ニップN内におけるベルト表面とトナーとの接触面積が低減する。これにより、ベルト表面からのトナー離型性を向上させて、二次転写効率を高めることができる。
しかし、二次転写効率が高める反面、規則的に並ぶ絶縁性の粒子313の粒子間において、集中的に二次転写電流を流すことで、トナーに対して逆極性の電荷が注入し易くなり、過充電となってしまうことがある。このため、二次転写効率を高める狙いで粒子313を分散させているにもかかわらず、却って二次転写効率を悪くしてしまうことになり兼ねない。
このような粒子313を備えた弾性ベルトを中間転写ベルト31として用いる場合でも、高デューティ(50%よりも大きい)の二次転写バイアスを採用することで、粒子313による二次転写効率の向上効果を確実に得ることが可能になる。さらに、Dutyが50%よりも大きい重畳バイアスを印加する状態で、プロセス線速が基準速度Eaよりも低下する場合、交流電圧は変更せずに直流電圧を低下させた二次転写バイアスを電源39から出力することで、過転写を防止できる。
粒子313としては、トナーの正規帯電極性とは逆極性の帯電性能を有するものを用いることができる。本プリンタでは、正帯電性のメラミン樹脂からなる粒子などである。かかる構成では、粒子313の電荷により、粒子間で二次転写電流が集中する現象の発生を抑えて、トナーへの逆電荷の注入量をより低減することができる。
また、粒子313として、トナーの正規帯電極性と同極性の帯電性能を有するものを用いてもよい。本プリンタでは、負帯電性のシリコーン樹脂粒子(商品名:トスパール)などである。
斥力ローラでもある二次転写裏面ローラ33にスポンジローラを用いる場合、ゴムローラに比べて抵抗ムラが生じやすく、過転写になり易い。しかし、この場合でも、Dutyが50%よりも大きい重畳バイアスを印加する状態で、プロセス線速を変更する際に、直流成分(直流電圧)を変更させる。すなわち、プロセス線速が基準速度Eaよりも低下する場合、交流電圧は変更せずに直流電圧を低下させた二次転写バイアスを電源39から出力することで、過転写を防止できる。
実施形態において、二次転写部材である二次転写ベルト404にはPIベルトを用いている。このように二次転写ベルト404にはPIベルトを用いると、転写部材としてのローラである二次転写ローラを用いる場合に比べて、ベルトのフィルミングなどによって抵抗ムラが生じやすく、過転写になりやすい。しかし、この場合でも、Dutyが50%よりも大きい重畳バイアスを印加する状態で、プロセス線速を変更する際に、直流成分(直流電圧)を変更させる。すなわち、プロセス線速が基準速度Eaよりも低下する場合、交流電圧は変更せずに直流電圧を低下させた二次転写バイアスを電源39から出力することで、過転写を防止できる。
上記各実施形態では、転写部材となる二次転写ローラ36と二次転写ベルト404とを備えた二次転写ユニット41を用いているが、ベルト方式ではなく、図19に示すように、二次転写ローラ36を直接、中間転写ベルト31に接離させるローラ方式を用いても良い。この場合、二次転写ローラ36は二次転写対向ローラともいう。二次転写ローラ36は、二次転写裏面ローラ33との間に中間転写ベルト31を挟み込み、中間転写ベルト31のおもて面31aと当接する転写部であり転写ニップとなる二次転写ニップNを形成することになる。この場合でも電源39から出力される二次転写バイアスは二次転写裏面ローラ33に印加することとする。これに対し二次転写ローラ36は接地されている。これにより、二次転写裏面ローラ33と二次転写ローラ36との間である二次転写ニップNに、マイナス極性のトナーを二次転写裏面ローラ33側から二次転写ローラ36側に向けて静電移動させる二次転写電界が形成される。無論、二次転写ローラ36に印加しても良い。また、二次転写ローラ36と定着装置90の間に搬送装置50を配置することで、二次転写を終えた記録材Pを定着装置90に安定して搬送することができる。
ベルト転写の場合、薄紙を分離しやすいという利点があるが、薄紙は放電しやすいので、二次転写ローラ36を記録材搬送方向bの上流側にオフセットすることは、記録材Pとして薄紙を用いる場合にも有効である。
すなわち、中間転写ベルト31上のトナー像を記録材Pへ転写する際に、トナー像を中間転写ベルト31側から記録材P側に転写させる転写方向の電圧と、転写方向の電圧と逆方向である戻し方向の電圧とが交互に電圧切り替わって周期変動する二次転写バイアスを出力する波形は、転写方向の電圧をVr、戻し方向の電圧をVtとしたとき、両者が0Vよりも戻し方向側の極性において、転写方向側と戻し方向側に出力が切り替わる波形であっても良い。
実施形態、変形例1,2では、標準線速Eaと遅い線速−E1、−E2の場合に電源39から二次転写バイアスを出力する際のバイアス波形として、図12、図15、図16に示すような、交流波形が、正の電圧のピーク値Vr側と負の電圧のピーク値Vt側とに0Vを挟んで行き来する波形を例示した。しかし、バイアス波形の形態としては、このような0Vを挟んで行き来する波形に限定するものではない。例えば、図20に示すように、戻り方向のバイアスのピーク値Vrを0Vよりも転写方向側(負のバイアス側)に設定し、0V側よりも負の電圧の領域においてVr側とVt側とに行き来する交流波形の形態であっても良い。この場合においてもDutyは50%よりも大きくすることで、トナーへの過充電による異常画像を防止することができる。
また、標準線速Eaでは、例えば図20に示す極性が交互に切り替わらない転写バイアスを用いるとともに、標準線速Eaよりも遅い線速−E1、−E2では、図12、図15、図16に示すような極性が交互に切り替わる転写バイアスを用いてもよい。
上記各実施形態では、転写部として二次転写ニップNを例示し、二次転写ニップNが記録材搬送方向bの上流側に向かってプレニップによって増大している例を用いて説明した。しかし、二次転写ニップNの拡大によるトナーに対する過電流の影響は、記録材搬送方向bの下流側に二次転写ニップNを拡大した場合でも発生する。このため、転写バイアス(二次転写バイアス)のDutyを50%よりも大きくして印加することは、二次転写ニップNよりも下流側において拡張(増大)されて中間転写ベルト31のおもて面31aが転写部材となる二次転写ローラ36の外周面36aや二次転写ベルト404の外周面404aに沿うように配置された構成にも適用してもよい。この場合でも、トナーに対する過電流を防止することができ、異常画像を防止するという作用効果を得ることができる。
上記各実施形態では中間転写ベルト31から記録材Pへ画像を転写する装置(いわゆる中間転写方式の画像形成装置)を説明した。しかし、これに換えて、感光体ドラムや感光体ベルト等の像担持体から記録材Pへ画像を直接転写する装置(いわゆる直接転写方式の画像形成装置)にも本発明は適用することができる。また、転写部は、転写ニップを形成しない方式の転写装置(チャージャ方式の転写チャージャ)を用いてもよい。
上記各実施形態では、画像形成装置として、転写部(二次転写ニップN)で記録材Pを水平方向に搬送するものを用いて説明したが、転写部で記録材Pを上方、下方、斜め上方向あるいは斜め下方向などへ搬送する構成の画像形成装置に本発明は適用することもできる。
以上本発明の好ましい実施の形態について説明したが、本発明はかかる特定の実施形態に限定されるものではなく、上述の説明で特に限定していない限り、特許請求の範囲に記載された本発明の趣旨の範囲内において、種々の変形・変更が可能である。
例えば、画像形成装置としては、プリンタではなく、複写機、ファクシミリ単体、あるいは、複写機、プリンタ、ファクシミリ、スキャナのうちの少なくとも2つの機能を備えた複合機であってもよい。
本発明の実施の形態に記載された効果は、本発明から生じる最も好適な効果を列挙したに過ぎず、本発明による効果は、本発明の実施の形態に記載されたものに限定されるものではない。
31 ベルト状の像担持体(中間転写体)
31a 像担持体の表面
33 対向部材、発泡性のローラ
36 転写部材、中間転写体、二次転写ローラ
39 転写バイアス出力手段
36a、404a 転写部材の外周面
100 画像形成装置
300 制御部
310、311、312 複数の層
311 弾性層
401〜403、36 複数の回転体
404 転写部材、中間転写体、二次転写ベルト
b 記録材搬送方向
B 転写バイアスの1周期
C、Ca、Cb、Cc 逆方向へのバイアスが印加される時間
Ea 像担持体の線速(所定速度)
J 極性切替基線
J1 基線
N 転写部
P 記録材
T トナー像
Vt 転写方向のバイアス
Vr 記転写方向と逆方向のバイアス
特開2013−231936号公報

Claims (16)

  1. トナー像が担持される像担持体と、
    前記像担持体と対向配置された転写部材と、
    前記像担持体と前記転写部材とが接触する転写部で前記トナー像を記録材へ転写するために転写バイアスを出力する転写バイアス出力手段とを備え、
    前記転写部に供給される転写バイアスは、少なくとも前記像担持体上のトナー像を前記記録材へ転写する際に、前記トナー像を前記像担持体側から記録材側に転写させる転写方向のバイアスと、前記転写方向と逆方向のバイアスとが交互に切り替わって周期変動し、1周期中に占める前記逆方向へのバイアスが印加される時間が50%よりも大きい重畳バイアスであり、
    前記像担持体の線速に応じて、前記重畳バイアスにおける直流電圧を変更するように前記転写バイアス出力手段が制御される画像形成装置。
  2. 前記像担持体の線速を変更する際に、前記重畳バイアスにおける交流電圧は変更せずに前記直流電圧のみ変更する請求項1に記載の画像形成装置。
  3. 前記像担持体の所定速度が遅いほど、前記直流電圧の絶対値を小さくする請求項1又は2に記載の画像形成装置。
  4. 前記所定速度時の直流成分に対する線速が遅い場合の直流成分の割合を、前記所定速度に対する遅い線速の割合よりも小さくした請求項3に記載の画像形成装置。
  5. 前記像担持体は、複数の層が積層されたベルト状の中間転写体である請求項1乃至4の何れか1項に記載の画像形成装置。
  6. 前記像担持体は、弾性層を有するベルト状の中間転写体である請求項1乃至5の何れか1項に記載の画像形成装置。
  7. 前記像担持体は、ポリイミド樹脂製のベルト状の中間転写体である請求項1乃至5の何れか1項に記載の画像形成装置。
  8. 前記転写部において前記像担持体を介して前記転写部材に対向する対向部材を備え、
    前記対向部材は、発泡性のローラである請求項1乃至7の何れか1項に記載の画像形成装置。
  9. 前記転写部材は、複数の回転体に巻き掛けられて回転移動可能に支持されて、前記像担持体に接触する二次転写ベルトである請求項1乃至8の何れか1項に記載の画像形成装置。
  10. 前記二次転写ベルトは、ポリイミド樹脂製である請求項9に記載の画像形成装置。
  11. 前記トナー像の画像濃度に応じて前記重畳バイアスにおける前記直流電圧を変更する請求項1乃至10の何れか1項に記載の画像形成装置。
  12. 前記画像濃度が薄くなるに従い、前記重畳バイアスにおける前記直流電圧の絶対値を小さくする請求項11に記載の画像形成装置。
  13. 前記転写部よりも上流側又は下流側の少なくとも一方において、前記像担持体の表面が前記転写部材の外周面に沿うように配置されている請求項1乃至12の何れか1項に記載の画像形成装置。
  14. 前記転写方向のバイアスと前記逆方向のバイアスとは、極性切替基線を境にして互いに逆極性のバイアスであって、
    前記1周期中に占める前記逆方向へのバイアスが印加される時間は、前記転写バイアスが逆極性である時間である請求項1に記載の画像形成装置。
  15. 前記1周期中に占める前記逆方向へのバイアスが印加される時間は、前記転写バイアスが逆方向のピーク電圧に達した時から転写方向のピーク電圧に向かって立ち下がり始めるまでの範囲の時間である請求項1に記載の画像形成装置。
  16. 前記転写方向のバイアスと前記逆方向のバイアスとは、極性切替基線を境にして互いに逆極性のバイアスであって、
    前記1周期中に占める前記逆方向へのバイアスが印加される時間は、逆方向でのピーク電圧から前記転写方向へのピーク電圧に向けて30%の値だけシフトさせた位置を基線としたとき、前記基線よりも前記逆方向側となる時間である請求項1に記載の画像形成装置。
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