JP6390950B2 - 加圧装置、転写装置及び画像形成装置 - Google Patents

加圧装置、転写装置及び画像形成装置 Download PDF

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Description

本発明は、像担持体等の被加圧部材に対してニップ形成部材等の加圧部材を加圧する加圧装置、並びにこの加圧装置を備えた転写装置及び画像形成装置に関するものである。
電子写真方式の画像形成装置においては、一様に帯電された像担持体上に光学的な画像情報を形成することによって得た帯電潜像を、現像装置からのトナーによって可視化し、この可視像を記録紙(記録材)上に転写、定着することによって画像形成を行っている。この種の画像形成装置としては、特許文献1に記載のものが知られている。
特許文献1の画像形成装置は、周知の電子写真プロセスにより、ドラム状の感光体の表面にトナー像を形成する。感光体には、無端状の中間転写ベルトを当接させて一次転写ニップを形成している。そして、一次転写ニップにおいて、感光体上のトナー像を中間転写ベルトに一次転写する。中間転写ベルトに対しては、ニップ形成部材としての二次転写ローラを当接させて二次転写ニップを形成している。また、中間転写ベルトのループ内には、二次転写対向ローラを配設しており、この二次転写対向ローラと、前述した二次転写ローラとの間に中間転写ベルトを挟み込んでいる。
ループ内側の二次転写対向ローラはアースに接続(接地)しているのに対し、ループ外側の二次転写ローラに対しては二次転写バイアスを印加している。これにより、二次転写対向ローラと二次転写ローラとの間に、トナー像を前者側から後者側に静電移動させる二次転写電界を形成している。そして、中間転写ベルト上のトナー像に同期させるタイミングで二次転写ニップ内に送り込んだ記録紙に対して、二次転写電界の作用により、中間転写ベルト上のトナー像を二次転写する。
近年、記録紙として、和紙のような表面凹凸に富んだものを用いる場合が増えており、この場合、表面凹凸にならった濃淡パターンが画像中に発生しやすい。この濃淡パターンは、紙表面における凹部に対して十分量のトナーが転写されずに、凹部の画像濃度が凸部よりも薄くなることによって生じるものである。
このような濃淡パターンの発生を抑制することができる構成として、中間転写ベルトに弾性層を備えた弾性ベルトを使用し、表面凹凸に富んだ記録紙に転写するときに、平滑な記録紙に転写するときよりも二次転写ニップでのニップ圧を高くする構成が挙げられる。ニップ圧を高くすることで、弾性層を有する中間転写ベルトの表面が記録紙の表面の凹凸に追従するように変形し、記録紙の表面上の凹部への転写性が向上する。
中間転写ベルトに対して二次転写ローラを当接させる構成としては、二次転写ローラの軸方向両端部を支持する加圧構造体と、この加圧構造体に対して付勢力を作用させるバネ部材等の付勢部材とを有する加圧装置を備える構成が一般的である。この種の加圧装置を備えた構成では、付勢部材が加圧構造体を中間転写ベルトに向けて付勢することで加圧構造体に支持された二次転写ローラが中間転写ベルトに当接する。このような構成では、付勢部材として付勢力が大きなものを用いることで、二次転写ニップのニップ圧を高くすることができるが、付勢力の大きな付勢部材を用いた場合、加圧構造体が大きな付勢力に耐え得る強度を備える必要がある。
従来の加圧装置では、樹脂材料からなる加圧構造体に付勢部材が付勢力を作用させる構成が一般的である。しかし、表面凹凸に富んだ記録紙の凹部への転写性が向上できるニップ圧を得ることができる付勢力をさせようとすると、樹脂材料からなる加圧構造体では強度が足りず破損するおそれがあった。
そこで本発明者らは、図22及び図23に示す転写加圧装置40を作成した。転写加圧装置40は、加圧構造体である加圧台42と、付勢部材である引張バネ44及び圧縮バネ45とを備える。加圧台42は、二次転写ローラであるニップ形成ローラ36の軸方向両端部をそれぞれ支持する二つの側板(421、422)と、二つの側板のそれぞれに連結され、二つの側板の軸方向の相対的な移動を規制する二つのステー部材(423、424)とを有する。二つの側板及び二つのステー部材は樹脂材料よりも高強度の鉄によって作成し、二つのステー部材と二つの側板との連結部は、ネジによる締結や溶着によって固定されている。
加圧台42は、加圧台回動軸43によって装置本体に対して回動可能に支持され、引張バネ44によって引張作用部44aが上方に引っ張られ、圧縮バネ45によって加圧側上ステー部材423が上方に押し上げられる。付勢である引張バネ44及び圧縮バネ45が加圧台42に対して上方に向かう付勢力を作用させることで、加圧台42が加圧台回動軸43を中心に回動し、加圧台42が支持するニップ形成ローラ36を上方に配置された不図示の中間転写ベルトに当接させる。また、前側板421は前側板軸受部36aでニップ形成ローラ36を回転可能に支持し、後側板422は後側板軸受部36bでニップ形成ローラ36を回転可能に支持している。
本発明者らが、図22及び図23に示す加圧機構40を用いて、表面凹凸に富んだ記録紙の凹部への転写性が向上できるニップ圧を得ることができる付勢力を引張バネ44及び圧縮バネ45によって作用させたところ経時に渡って加圧台42に破損は生じなかった。また、ニップ形成ローラ36を支持する二つの側板に大きな付勢力を作用させると、破損は生じなくても二つの側板が互いに軸方向の内側に倒れ込む内倒れが生じることがある。この内倒れが生じる側板が傾斜することでニップ形成ローラ36の中間転写ベルトに対する位置が低くなり、転写ニップのニップ圧の低下に繋がる。これに対して、図22及び図23に示す加圧台42では二つのステー部材(423、424)が二つの側板(421、422)の軸方向の相対的な移動を規制するため、軸方向の内側に倒れ込む内倒れが生じることを防止できる。
しかし、図22及び図23に示す転写加圧装置40を備える画像形成装置を用いて画像形成を行ったところ、ニップ形成ローラ36の軸方向(図中Y軸方向)の位置によってニップ圧のバラツキが生じた。これは以下の理由によるものと考えられる。
すなわち、部品の製造誤差や組み付け誤差によって、前側板421と後側板422との相対的な位置関係が歪んでしまい、加圧台回動軸43に対する位置が、前側板軸受部36aと後側板軸受部36bとで異なることがある。前側板軸受部36aと後側板軸受部36bとで加圧台回動軸43に対する位置が異なっていると、加圧台42に付勢力を加えて加圧を行ったときにニップ形成ローラ36が中間転写ベルトに対して傾いた状態で当接する。このように傾いた状態で当接すると、ニップ形成ローラ36の軸方向における一方のみが先に当接し始める片当たりが生じる。この片当たりが生じるような傾きのまま、ニップ形成ローラ36の中間転写ベルトに対する当接が完了すると、ニップ形成ローラ36の軸方向(図中Y軸方向)の位置によって二次転写ニップのニップ圧にバラツキが生じる状態となる。
以上の問題は、トナー像担持体である中間転写ベルトとニップ形成部材である二次転写ローラとの間の二次転写ニップ圧を大きく設定する場合を例に挙げて説明したが、転写ニップ圧を大きく設定する画像形成装置においては同様に生じ得る問題である。
また、上述の説明では、転写ニップにおけるニップ圧のバラツキが生じる問題について説明したが同様の問題は、定着装置の定着ニップ等、転写ニップに限らず生じ得る問題である。さらに、転写ニップや定着ニップなどのニップを形成する装置に限らるものではない。ニップ形成部材等の加圧部材を被加圧部材に突き当てて加圧し、加圧部材が被加圧部材に突き当たる突き当て部に作用させる力を大きく設定する加圧装置であれば同様の問題は生じ得る。
本発明は以上の問題点に鑑みなされたものであり、その目的は、次の通りである。すなわち、加圧部材が被加圧部材に突き当たる突き当て部に作用させる力を大きく設定することが可能で、突き当て部における圧力のバラツキを抑制できる加圧装置並びにこれを備えた転写装置及び画像形成装置を提供することである。
上記目的を達成するために、本願請求項1の発明は、表面移動するトナー像担持体に当接して転写ニップを形成するニップ形成部材を備えた加圧装置において、上記ニップ形成部材の長手方向両端部をそれぞれ支持する二つの側板と、該二つの側板のそれぞれに連結され、該二つの側板同士の該長手方向の相対的な移動を規制する複数の規制手段と、該二つの側板、または、該複数の規制手段の少なくともひとつに付勢力を作用させて該ニップ形成部材を上記トナー像担持体に向けて加圧する付勢手段とを備え、複数の規制手段の少なくとも一つは、連結される二つの側板に対して加圧方向の相対的な位置が変化可能となるように該二つの側板に繋がれた変位可能規制手段であり、前記変位可能規制手段の長手方向両端部には、直角に折り曲げられて側板と対向して上記二つの側板を補強する補強部が設けられており、前記変位可能規制手段の前記補強部が、上記二つの側板に設けられた該加圧方向に長尺な長孔に対して段付ネジにより該二つの側板にそれぞれ連結されている特徴とするものである。
本発明によれば、加圧部材が被加圧部材に突き当たる突き当て部に作用させる力を大きく設定することが可能で、突き当て部における圧力のバラツキを抑制できるという優れた効果がある。
実施形態に係るプリンタを示す概略構成図。 同プリンタにおけるK用の画像形成ユニットを拡大して示す拡大構成図。 高二次転写ニップ圧時(圧縮バネ加圧状態)における転写加圧装置のニップ形成ローラ軸方向一端部側の構成を示す模式図。 低二次転写ニップ圧時(退避状態)における、転写加圧装置のニップ形成ローラ軸方向一端部側の構成を示す模式図。 ニップ形成ローラが離間位置に位置するときの転写加圧装置のニップ形成ローラ軸方向一端部側の構成を示す模式図。 実施形態における二次転写ニップ圧を変更する制御の流れを示すフローチャート。 実施例1の転写加圧装置の斜視説明図。 実施例1の転写加圧装置の圧縮バネ加圧状態における正面図。 実施例1の転写加圧装置の退避状態における正面図。 実施例1の転写加圧装置が備える加圧台の加圧側上ステー部材近傍の斜視説明図。 実施例1の転写加圧装置が備える加圧台の加圧側上ステー部材の手前側端部近傍の拡大斜視図。 実施例1の転写加圧装置が備える加圧台の加圧側上ステー部材の手前側端部近傍を図10中の矢印D方向から見た拡大側面図。 二つの側板の上下方向の位置が一致していない加圧台に、圧縮バネによる加圧力を作用させるときの加圧側上ステー部材と段付ネジと長孔との位置関係の変化を模式的に示す説明図。 加圧ステーが傾いた状態で上昇し、圧縮バネによる加圧力を加圧台に作用させるときの加圧側上ステー部材と段付ネジと長孔との位置関係の変化を模式的に示す説明図。 実施例2の転写加圧装置が備える加圧台の加圧側上ステー部材近傍の斜視説明図。 実施例3の転写加圧装置の斜視説明図。 実施例3の転写加圧装置を図16とは異なる方向から見た斜視説明図。 実施例3の転写加圧装置で二次転写ベルトを備える構成の斜視説明図。 実施例4の転写加圧装置の斜視説明図。 実施例4の転写加圧装置が備える加圧台の連結板近傍の拡大斜視図。 実施例4の転写加圧装置で二次転写ベルトを備える構成の斜視説明図。 比較例の転写加圧装置の斜視説明図。 比較例の転写加圧装置を図22とは異なる方向から見たの斜視説明図。 実施例5の転写加圧装置の正面説明図。 実施例5の転写加圧装置の斜視説明図。 図25の図中Gの部分の拡大説明図。 図24の図中Fの部分の拡大説明図。 実施例6の転写加圧装置の斜視説明図。 図28の図中Hの部分の拡大斜視説明図。 図28の図中Hの部分の拡大正面図。 面倒れ防止板の変形例を示す図。
以下、本発明を適用した画像形成装置として、電子写真方式のカラープリンタ(以下、「プリンタ500」という。)の一実施形態について説明する。
まず、プリンタ500の基本的な構成について説明する。図1は、本実施形態に係るプリンタ500を示す概略構成図である。図1において、プリンタ500は、イエロー(Y),マゼンダ(M),シアン(C),ブラック(K)のトナー像を形成するための四つの画像形成ユニット1(Y,M,C,K)を備える。さらに、プリンタ500は、転写装置としての転写ユニット30と、光書込ユニット80と、定着装置90と、給紙カセット100と、レジストローラ対101とを備えている。
四つの画像形成ユニット1(Y,M,C,K)は、画像形成物質として、互いに異なる色のY,M,C,Kトナーを用いるが、それ以外は同様の構成になっており、寿命到達時に交換される。
図2は、四つの画像形成ユニット1(Y,M,C,K)のうちの一つの拡大概略構成図である。四つの画像形成ユニット1(Y,M,C,K)は、使用するトナーの色が異なる点以外は、同様の構成を備えているため、使用するトナーの色を示す添え字(Y,M,C,K)は適宜省略して説明する。
画像形成ユニット1潜像担持体たるドラム状の感光体2、ドラムクリーニング装置3、除電装置(不図示)、帯電装置6、現像装置8等を備えている。これらの装置が共通の保持体に保持されてプリンタ500本体に対して一体的に脱着することで、それらを同時に交換できるようになっている。
感光体2は、ドラム基体の表面上に有機感光層が形成された外径60[mm]程度のドラム形状のものであって、図示しない駆動手段によって図中時計回り方向に回転駆動される。帯電装置6は、帯電バイアスが印加される帯電ローラ7を感光体2に接触あるいは近接させながら、帯電ローラ7と感光体2との間に放電を発生させることで、感光体2の表面を一様帯電せしめる。
本実施形態では、トナーの正規帯電極性と同じマイナス極性に一様帯電せしめる。帯電バイアスとしては、直流電圧に交流電圧を重畳したものを採用している。帯電ローラ7は、金属製の芯金の表面に導電性弾性材料からなる導電性弾性層が被覆されたものである。帯電ローラ等の帯電部材を感光体2に接触あるいは近接させる方式に代えて、帯電チャージャーによる方式を採用してもよい。
一様帯電せしめられた感光体2の表面は、後述する光書込ユニット80から発せられるレーザー光によって光走査されて各色用の静電潜像を担持する。この静電潜像は、図示しない各色トナーを用いる現像装置8によって現像されて各色のトナー像になる。そして、後述する中間転写ベルト31上に一次転写される。
ドラムクリーニング装置3は、一次転写工程(後述する一次転写ニップ)を経た後の感光体2表面に付着している転写残トナーを除去する。回転駆動されるクリーニングブラシローラ4、片持ち支持された状態で自由端を感光体2に当接させるクリーニングブレード5などを有している。回転するクリーニングブラシローラ4で転写残トナーを感光体2表面から掻き取ったり、クリーニングブレードで転写残トナーを感光体2表面から掻き落としたりする。なお、クリーニングブレードについては、その片持ち支持端側を自由端側よりもドラム回転方向下流側に向けるカウンタ方向で感光体2に当接させている。
除電装置は、ドラムクリーニング装置3によってクリーニングされた後の感光体2の残留電荷を除電する。この除電により、感光体2の表面が初期化されて次の画像形成に備えられる。
現像装置8は、現像ローラ9を内包する現像部12と、図示しない現像剤を撹拌搬送する現像剤搬送部13とを有している。そして、現像剤搬送部13は、第一スクリュー部材10を収容する第一搬送室と、第二スクリュー部材11を収容する第二搬送室とを有している。それらスクリュー部材は、それぞれ、軸線方向の両端部がそれぞれ軸受けによって回転自在に支持される回転軸部材と、これの周面に螺旋状に突設せしめられた螺旋羽根とを具備している。
第一スクリュー部材10を収容している第一搬送室と、第二スクリュー部材11を収容している第二搬送室とは、仕切り壁によって仕切られているが、仕切壁におけるスクリュー軸線方向の両端箇所には、それぞれ両搬送室を連通させる連通口が形成されている。第一スクリュー部材10は、螺旋羽根内に保持している図示しない現像剤を、回転駆動に伴って回転方向に撹拌しながら、図中の紙面に直交する方向の奥側から手前側に向けて搬送する。第一スクリュー部材10と、後述する現像ローラ9とは互いに向かい合う姿勢で平行配設されているため、このときの現像剤の搬送方向は、現像ローラ9の回転軸線方向に沿った方向でもある。そして、第一スクリュー部材10は、現像ローラ9の表面に対して現像剤をその軸線方向に沿って供給していく。
第一スクリュー部材10の図中手前側端部付近まで搬送された現像剤は、仕切壁の図中手前側端部付近に設けられた連通開口を通って、第二搬送室内に進入した後、第二スクリュー部材11の螺旋羽根内に保持される。そして、第二スクリュー部材11の回転駆動に伴って、回転方向に撹拌されながら、図中手前側から奥側に向けて搬送されていく。
第二搬送室内において、ケーシングの下壁には図示しないトナー濃度センサが設けられており、第二搬送室内の現像剤のトナー濃度を検知する。トナー濃度センサとしては、透磁率センサからなるものが用いられている。トナーと磁性キャリアとを含有する現像剤の透磁率は、トナー濃度と相関関係があるため、透磁率センサは、トナー濃度を検知していることになる。
プリンタ500には、Y,M,C,K用の現像装置8の第二収容室内にY,M,C,Kトナーをそれぞれ個別に補給するための図示しないY,M,C,Kトナー補給手段が設けられている。そして、プリンタ500の制御部は、RAMに、Y,M,C,Kトナー濃度検知センサからの出力電圧値の目標値であるY,M,C,K用のVtrefを記憶している。Y,M,C,Kトナー濃度検知センサからの出力電圧値と、Y,M,C,K用のVtrefとの差が所定値を超えた場合には、その差に応じた時間だけY,M,C,Kトナー補給手段を駆動する。これにより、Y,M,C,K用の現像装置における第二搬送室内にY,M,C,Kトナーが補給される。
現像部12内に収容されている現像ローラ9は、第一スクリュー部材10に対向しているとともに、ケーシングに設けられた開口を通じて、感光体2にも対向している。また、現像ローラ9は、回転駆動される非磁性パイプからなる筒状の現像スリーブと、これの内部にスリーブと連れ回らないように固定されたマグネットローラとを具備している。そして、第一スクリュー部材10から供給される現像剤をマグネットローラの発する磁力によってスリーブ表面に担持しながら、スリーブの回転に伴って、感光体2に対向する現像領域に搬送する。
現像スリーブには、トナーと同極性であって、感光体2の静電潜像よりも大きく、且つ感光体2の一様帯電電位よりも小さな現像バイアスが印加されている。これにより、現像スリーブと感光体2の静電潜像との間には、現像スリーブ上のトナーを静電潜像に向けて静電移動させる現像ポテンシャルが作用する。また、現像スリーブと感光体2の地肌部との間には、現像スリーブ上のトナーをスリーブ表面に向けて移動させる非現像ポテンシャルが作用する。それら現像ポテンシャル及び非現像ポテンシャルの作用により、現像スリーブ上のトナーが感光体2の静電潜像に選択的に転移して、静電潜像をトナー像に現像する。
画像形成ユニット1(Y,M,C,K)の上方には、潜像書込手段たる光書込ユニット80が配設されている。この光書込ユニット80は、パーソナルコンピュータ等の外部機器から送られてくる画像情報に基づいてレーザーダイオードから発したレーザー光により、感光体2(Y,M,C,K)を光走査する。この光走査により、感光体2(Y,M,C,K)上にY,M,C,K用の静電潜像が形成される。
具体的には、イエロー用感光体2Yの一様帯電した表面の全域のうち、レーザー光が照射された箇所は、電位を減衰せしめる。これにより、レーザー照射箇所の電位が、それ以外の箇所(地肌部)の電位よりも小さい静電潜像となる。なお、光書込ユニット80は、光源から発したレーザー光を、図示しないポリゴンモータによって回転駆動したポリゴンミラーで主走査方向に偏光せしめながら、複数の光学レンズやミラーを介して感光体2に照射するものである。潜像書込手段としては、LEDアレイの複数のLEDから発したLED光によって光書込を行うものを採用してもよい。
画像形成ユニット1(Y,M,C,K)の下方には、無端状の中間転写ベルト31を張架しながら図中反時計回り方向に無端移動せしめる転写装置としての転写ユニット30が配設されている。転写ユニット30は、像担持体たる中間転写ベルト31の他に、駆動ローラ32、二次転写裏面ローラ33、クリーニングバックアップローラ34、四つの一次転写ローラ35(Y,M,C,K)を有している。さらに、ニップ形成ローラ36(二次転写ローラ)、ベルトクリーニング装置37、電位センサ38などを有している。
中間転写ベルト31は、そのループ内側に配設された駆動ローラ32、二次転写裏面ローラ33、クリーニングバックアップローラ34、及び四つの一次転写ローラ35(Y,M,C,K)によって張架されている。そして、図示しない駆動手段によって図中反時計回り方向に回転駆動される駆動ローラ32の回転力により、同方向に無端移動せしめられる。中間転写ベルト31としては、次のような特性を有するものを用いている。即ち、厚みは20[μm]〜200[μm]、好ましくは60[μm]程度である。また、体積抵抗率は1.0×10[Ωcm]〜1.0×1012[Ωcm]、好ましくは約1.0×10[Ωcm]程度である(三菱化学製ハイレスタ−UP MCP HT45にて、印加電圧100[V]の条件で測定)。また、材料は、カーボン分散ポリイミド樹脂からなる。
四つの一次転写ローラ35(Y,M,C,K)は、無端移動せしめられる中間転写ベルト31を感光体2(Y,M,C,K)との間に挟み込んでいる。これにより、中間転写ベルト31のおもて面と、感光体2(Y,M,C,K)とが当接するY,M,C,K用の一次転写ニップが形成されている。一次転写ローラ35(Y,M,C,K)には、図示しない転写バイアス電源によってそれぞれ一次転写バイアスが印加されている。これにより、感光体2(Y,M,C,K)上のY,M,C,Kトナー像と、一次転写ローラ35(Y,M,C,K)との間に転写電界が形成される。
イエロー用感光体2Y表面に形成されたYトナー像は、イエロー用感光体2Yの回転に伴ってイエロー用の一次転写ニップに進入する。そして、転写電界やニップ圧の作用により、イエロー用感光体2Y上から中間転写ベルト31上に一次転写される。このようにしてYトナー像が一次転写せしめられた中間転写ベルト31は、その後、M,C,K用の一次転写ニップを順次通過する。そして、感光体2(M,C,K)上のM,C,Kトナー像が、Yトナー像上に順次重ね合わせて一次転写される。この重ね合わせの一次転写により、中間転写ベルト31上には四色重ね合わせトナー像が形成される。
一次転写ローラ35(Y,M,C,K)は、金属製の芯金と、これの表面上に固定された導電性のスポンジ層とを具備している弾性ローラからなり、次のような特性を有している。すなわち、外形は16[mm]である。また、芯金の径は10[mm]である。
また、接地された外径30[mm]の金属ローラを10[N]の力でスポンジ層に押し当てた状態で、一次転写ローラ35の芯金に1000[V]の電圧を印加したときに流れる電流Iから、オームの法則(R=V/I)に基づいてスポンジ層の抵抗Rを算出した。このときのスポンジ層の抵抗Rは、約3.0×10[Ω]であった。このような一次転写ローラ35(Y,M,C,K)に対して、一次転写バイアスを定電流制御で印加する。なお、一次転写ローラ35(Y,M,C,K)に代えて、転写チャージャーや転写ブラシなどを採用してもよい。
転写ユニット30のニップ形成ローラ36は、中間転写ベルト31のループ外側に配設されており、ループ内側の二次転写裏面ローラ33との間に中間転写ベルト31を挟み込んでいる。これにより、中間転写ベルト31のおもて面と、ニップ形成ローラ36とが当接する二次転写ニップが形成されている。ニップ形成ローラ36は接地されているのに対し、二次転写裏面ローラ33には、二次転写バイアス電源39によって二次転写バイアスが印加される。これにより、二次転写裏面ローラ33とニップ形成ローラ36との間に、マイナス極性のトナーを二次転写裏面ローラ33側からニップ形成ローラ36側に向けて静電移動させる二次転写電界が形成される。
転写ユニット30の下方には、記録紙Pを複数枚重ねた紙束の状態で収容している給紙カセット100が配設されている。この給紙カセット100は、紙束の一番上の記録紙Pに給紙ローラ100aを当接させており、これを所定のタイミングで回転駆動させることで、その記録紙Pを給紙路に向けて送り出す。給紙路の末端付近には、レジストローラ対101が配設されている。このレジストローラ対101は、給紙カセット100から送り出された記録紙Pをローラ間に挟み込むとすぐに両ローラの回転を停止させる。そして、挟み込んだ記録紙Pを二次転写ニップ内で中間転写ベルト31上の四色重ね合わせトナー像に同期させ得るタイミングで回転駆動を再開して、記録紙Pを二次転写ニップに向けて送り出す。
二次転写ニップで記録紙Pに密着せしめられた中間転写ベルト31上の四色重ね合わせトナー像は、二次転写電界やニップ圧の作用によって記録紙P上に一括二次転写され、記録紙Pの白色と相まってフルカラートナー像となる。このようにして表面にフルカラートナー像が形成された記録紙Pは、二次転写ニップを通過すると、ニップ形成ローラ36や中間転写ベルト31から曲率分離する。
二次転写裏面ローラ33は、次のような特性を有している。すなわち、外径は約24[mm]である。また、芯金の径は約16[mm]である。芯金の表面には、導電性のNBR系ゴム層が被覆されており、その抵抗Rは1.0×10[Ω]〜1.0×1012[Ω]、好ましくは約4.0×10[Ω]である。抵抗Rは、一次転写ローラと同様の方法によって測定された値である。
また、ニップ形成ローラ36は、次のような特性を有している。すなわち、外径は約24[mm]である。また、芯金の径は約14[mm]である。芯金の表面には、導電性のNBR系ゴム層が被覆されており、その抵抗Rは1.0×10[Ω]以下である。抵抗Rは、一次転写ローラと同様の方法によって測定された値である。
二次転写バイアス電源39は、直流電源と交流電源とを有しており、二次転写バイアスとして、直流電圧に交流電圧を重畳せしめたものを出力することができる。二次転写バイアス電源39の出力端子は、二次転写裏面ローラ33の芯金に接続されている。二次転写裏面ローラ33の芯金の電位は、二次転写バイアス電源39からの出力電圧値とほぼ同じ値になる。また、ニップ形成ローラ36については、その芯金を接地(アース接続)している。なお、重畳バイアスを二次転写裏面ローラ33の芯金に印加しつつ、ニップ形成ローラ36の芯金を接地する代わりに、重畳バイアスをニップ形成ローラ36の芯金に印加しつつ、二次転写裏面ローラ33の芯金を接地してもよい。
この場合、直流電圧の極性を異ならせる。具体的には、図示のように、マイナス極性のトナーを用い且つニップ形成ローラ36を接地した条件で、二次転写裏面ローラ33に重畳バイアスを印加する場合には、直流電圧としてトナーと同じマイナス極性のものを用いる。そして、重畳バイアスの時間平均の電位をトナーと同じマイナス極性にする。これに対し、二次転写裏面ローラ33を接地し、且つ重畳バイアスをニップ形成ローラ36に印加する場合には、直流電圧としてトナーとは逆のプラス極性のものを用いて、重畳バイアスの時間平均の電位をトナーとは逆のプラス極性にする。
重畳バイアスを二次転写裏面ローラ33やニップ形成ローラ36に印加する代わりに、直流電圧を何れか一方のローラに印加するとともに、交流電圧を他方のローラに印加するようにしてもよい。交流電圧としては、正弦波状の波形のものを採用しているが、矩形波状の波形のものを用いてもよい。記録紙Pとして、ザラ紙のような表面凹凸の大きなものを用いずに、普通紙のような表面凹凸の小さなものを用いる場合には、凹凸パターンにならった濃淡パターンが出現しないので、転写バイアスとして、直流電圧だけからなるものを印加するようにしてもよい。但し、ザラ紙のような表面凹凸の大きなものを用いるときには、転写バイアスを、直流電圧だけからなるものから、重畳バイアスに切り替える必要がある。
二次転写ニップを通過した後の中間転写ベルト31には、記録紙Pに転写されなかった転写残トナーが付着している。これは、中間転写ベルト31のおもて面に当接しているベルトクリーニング装置37によってベルト表面からクリーニングされる。中間転写ベルト31のループ内側に配設されたクリーニングバックアップローラ34は、ベルトクリーニング装置37によるベルトのクリーニングをループ内側からバックアップする。
電位センサ38は、中間転写ベルト31のループ外側に配設されている。そして、中間転写ベルト31の周方向における全域のうち、接地された駆動ローラ32に対する掛け回し箇所に対して、約4[mm]の間隙を介して対向している。そして、中間転写ベルト31上に一次転写されたトナー像が自らとの対向位置に進入した際に、そのトナー像の表面電位を測定する。なお、電位センサ38としては、TDK(株)社製のEFS−22Dを用いている。
二次転写ニップの図中右側方には、定着装置90が配設されている。この定着装置90は、ハロゲンランプ等の発熱源を内包する定着ローラ91と、これに所定の圧力で当接しながら回転する加圧ローラ92とによって定着ニップを形成している。定着装置90内に送り込まれた記録紙Pは、その未定着トナー像担持面を定着ローラ91に密着させる姿勢で、定着ニップに挟まれる。そして、加熱や加圧の影響によってトナー像中のトナーが軟化さしめられて、フルカラー画像が定着せしめられる。定着装置90内から排出された記録紙Pは、定着後搬送路を経由した後、機外へと排出される。
モノクロ画像を形成する場合には、転写ユニット30におけるY,M,C用の一次転写ローラ35(Y,M,C)を支持している図示しない支持板を移動せしめて、一次転写ローラ35(Y,M,C)を、感光体2(Y,M,C)から遠ざける。これにより、中間転写ベルト31のおもて面を感光体2(Y,M,C)から引き離して、中間転写ベルト31をブラック用感光体2Kだけに当接させる。この状態で、四つの画像形成ユニット1(Y,M,C,K)のうち、ブラック用画像形成ユニット1Kだけを駆動して、Kトナー像をブラック用感光体2K上に形成する。
次に、本実施形態における中間転写ベルト31について説明する。
本実施形態における中間転写ベルト31は、少なくとも、基層、弾性層、表面コート層を有する無端ベルト状の部材で構成されている。
中間転写ベルト31の弾性層に用いられる材料としては、弾性材ゴム、エラストマー等の弾性部材が挙げられ、具体的には、ブチルゴム、フッ素系ゴム、アクリルゴム、EPDM、NBR、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレンゴム、天然ゴム、イソプレンゴム、スチレン−ブタジエンゴム、ブタジエンゴム、ウレタンゴム、シンジオタクチック1、2−ポリブタジエン、エピクロロヒドリン系ゴム、多硫化ゴム、ポリノルボルネンゴム、熱可塑性エラストマー(例えばポリスチレン系、ポリオレフィン系、ポリ塩化ビニル系、ポリウレタン系、ポリアミド系、ポリウレア、ポリエステル系、フッ素樹脂系)等からなる群より選ばれる一種類あるいは二種類以上を使用することができる。ただし、上記材料に限定されるものではない。
弾性層の厚さは、硬度及び層構成にもよるが、0.07[mm]以上0.5[mm]以下の範囲が好ましい。さらに好ましくは0.25[mm]以上0.5[mm]以下の範囲がよい。また、中間転写ベルト31の厚さが0.07[mm]以下と薄いと、二次転写ニップ部で中間転写ベルト31上のトナーに対する圧力が高くなり、転写中抜けが発生しやすくなり、さらに、トナーの転写率が低下する。
また、弾性層の硬度は、10[°]≦HS≦65[°](JIS−A)であることが好ましい。中間転写ベルト31の層厚によって最適な硬度は異なるものの、硬度が10[°]JIS−Aより低いと転写中抜けが生じやすい。これに対して硬度が65[°]JIS−Aより高いものは、ローラヘの張架が困難となり、また、長期の張架によって延伸するために耐久性が無く早期の交換が必要になる。
中間転写ベルト31の基層は、伸びの少ない樹脂で構成している。具体的に、基層に用いられる材料としては、ポリカーボネート、フッ素樹脂(ETFE、PVDF等)、ポリスチレン、クロロポリスチレン、ポリ−α−メチルスチレン、スチレン−ブタジエン共重合体、スチレン−塩化ビニル共重合体、スチレン−酢酸ビニル共重合体、スチレン−マレイン酸共重合体、スチレン−アクリル酸エステル共重合体(スチレン−アクリル酸メチル共重合体、スチレン−アクリル酸エチル共重合体、スチレン−アクリル酸ブチル共重合体、スチレン−アクリル酸オクチル共重合体及びスチレン−アクリル酸フェニル共重合体等)、スチレン−メタクリル酸エステル共重合体(スチレン−メタクリル酸メチル共重合体、スチレン−メタクリル酸エチル共重合体、スチレン−メタクリル酸フェニル共重合体等)、スチレン−α−クロルアクリル酸メチル共重合体、スチレン−アクリロニトリル−アクリル酸エステル共重合体等のスチレン系樹脂(スチレンまたはスチレン置換体を含む単重合体または共重合体)、メタクリル酸メチル樹脂、メタクリル酸ブチル樹脂、アクリル酸エチル樹脂、アクリル酸ブチル樹脂、変性アクリル樹脂(シリコーン変性アクリル樹脂、塩化ビニル樹脂変性アクリル樹脂、アクリル・ウレタン樹脂等)、塩化ビニル樹脂、スチレン−酢酸ビニル共重合体、塩化ピニル−酢酸ビニル共重合体、ロジン変性マレイン酸樹脂、フェノール樹脂、エポキシ樹脂、ポリエステル樹脂、ポリエステルポリウレタン樹脂、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブタジエン、ポリ塩化ビニリデン、アイオノマー樹脂、ポリウレタン樹脂、シリコーン樹脂、ケトン樹脂、エチレン−エチルアクリレート共重合体、キシレン樹脂及びポリビニルブチラール樹脂、ポリアミド樹脂、変性ポリフェニレンオキサイド樹脂等からなる群より選ばれる一種類あるいは二種類以上を使用することができる。ただし、上記材料に限定されるものではない。
また、伸びの大きなゴム材料などからなる弾性層の伸びを防止するために、基層と弾性層との間に帆布などの材料で構成された芯体層を設けてもよい。芯体層に用いられる伸びを防止する材料としては、例えば、綿、絹、などの天然繊維、ポリエステル繊維、ナイロン繊維、アクリル繊維、ポリオレフィン繊維、ポリビニルアルコール繊維、ポリ塩化ビニル繊維、ポリ塩化ビニリデン繊維、ポリウレタン繊維、ポリアセタール繊維、ポリフロロエチレン繊維、フェノール繊維などの合成繊維、炭素繊維、ガラス繊維等の無機繊維、鉄繊維、銅繊維等の金属繊維からなる群より選ばれる一種あるいは二種以上を用い、糸状あるいは織布状のものを使用することができる。
もちろん、上記材料に限定されるものではない。上記の糸は一本または複数のフィラメントを撚ったもの、片撚糸、諸撚糸、双糸等、どのような撚り方であってもよい。また、例えば上記材料群から選択された材質の繊維を混紡してもよい。もちろん糸に適当な導電処理を施して使用することもできる。一方織布は、メリヤス織り等どのような織り方の織布でも使用可能であり、もちろん交織した織布も使用可能であり、導電処理を施すことも可能である。
中間転写ベルト31の表面コート層は、弾性層の表面をコーティングするためのものであり、平滑性のよい層からなるものである。コート層に用いられる材料としては、特に制限はないが、一般に、中間転写ベルト31の表面へのトナーの付着力を小さくして二次転写性を高める材料が用いられる。例えば、ポリウレタン、ポリエステル、エポキシ樹脂等の一種類あるいは二種類以上、又は、表面エネルギーを小さくし潤滑性を高める材料、たとえばフッ素材脂、フッ素化合物、フッ化炭素、酸化チタン、シリコンカーバイド等の粒子を一種類あるいは二種類以上、又は必要に応じて粒径を変えたものを分散させて使用することができる。また、フッ素系ゴム材料のように熱処理を行うことで表面にフッ素層を形成させ、表面エネルギーを小さくさせたものを使用することもできる。
また、必要に応じて、基層、弾性層又はコート層は、抵抗を調整する目的で、例えば、カーボンブラック、グラファイト、アルミニウムやニッケル等の金属粉末、酸化錫、酸化チタン、酸化アンチモン、酸化インジウム、チタン酸カリウム、酸化アンチモン−酸化錫複合酸化物(ATO)、酸化インジウム−酸化錫複合酸化物(ITO)等の導電性金属酸化物等を用いることができる。ここで、導電性金属酸化物は、硫酸バリウム、ケイ酸マグネシウム、炭酸カルシウム等の絶縁性微粒子を被覆したものでもよい。ただし、上記材料に限定されるものではない。
なお、中間転写ベルト31の表面を保護する目的等のため、中間転写ベルト31の表面に潤滑剤を塗布するようにしてもよい。この場合、その潤滑剤塗布装置としては、次のようなものを用いることができる。すなわち、ステアリン酸亜鉛塊などの固形潤滑剤と、固形潤滑剤と当接し、回転によって固形潤滑剤から掻き取って得た潤滑剤粉末を中間転写ベルト31の表面に塗布する塗布部材たる塗布ブラシローラとを備えたものを用いることができる。もちろん、使用するトナーや中間転写ベルト31の材質、表面摩擦係数等の条件によっては、潤滑剤の塗布を必要としない場合もあり、必ずしも潤滑剤を塗布しなければならないものではない。
次に、ニップ形成ローラ36の加圧手段である転写加圧装置40について説明する。
弾性部材としてバネ部材である引張バネを用いてニップ形成ローラ36の両軸端部をそれぞれ加圧する転写加圧装置を用いる従来構成において、転写加圧力を60[N]と240[N]との間で切り替えようとした場合、次のような問題がある。すなわち、ニップ形成ローラ36の一端部に設けられる引張バネで、当該一端部を加圧する加圧力を30[N]と120[N]との間で切り替える必要がある。この場合、例えば、一つの引張バネでニップ形成ローラ36の各端部をそれぞれ加圧する場合、一つの引張バネで最大で120[N]の加圧力を得る必要がある。そのため、仮にバネ定数が1[N/mm]である場合、120[mm]という広い伸び縮み範囲でも、塑性変形せずに弾性変形を維持できるような引張バネが必要となる。
一方、塑性変形せずに弾性変形を維持できる範囲が10[mm]である引張バネを用いる場合、その引張バネに必要なバネ定数は最低でも12[N/mm]もの大きな値が必要となる。この場合、引張バネの引張量に対する加圧力の感度が高く、ニップ形成ローラ36の両端部における引張バネ間の引張量のズレ等により、ニップ形成ローラ36の軸方向におけるニップ圧のバラツキが大きくなり易くなる。その結果、用紙幅方向(主走査方向)における画像濃度ムラを生じやすくなる。
図3は、本実施形態の転写ユニット30が備える転写加圧装置40におけるニップ形成ローラ軸方向一端部側の構成を示す模式図である。
この転写加圧装置40は、ニップ形成ローラ36を中間転写ベルト31の二次転写裏面ローラ33に巻き付いているベルト部分へ当接させるための加圧力をニップ形成ローラ36に付与するものである。転写加圧装置40は、ニップ形成ローラ36の回転軸両端部を回転自在に支持する二次転写ユニット41を保持する加圧台42を備えている。この加圧台42は、ニップ形成ローラ36の回転軸に平行な加圧台回動軸43を中心にして回動可能に構成されている。
加圧台42は、加圧台回動軸43よりもニップ形成ローラ36が配置されている側(図中右側)において、弾性部材としてのバネ部材である引張バネ44及び圧縮バネ45の付勢力を受けて、加圧台回動軸43回りの回転力が生じる構成となっている。この回転力により、ニップ形成ローラ36が中間転写ベルト31に当接し、ニップ形成ローラ36と中間転写ベルト31との間に転写ニップ圧を生じさせる。
第一加圧手段である引張バネ44は、加圧台42を上方から引っ張るように配置されており、加圧台42に対して常時ほぼ一定の付勢力を作用させるものである。一方、第二加圧手段である圧縮バネ45は、加圧台42を下方から押し上げるように配置されており、圧縮バネ45の下端位置が、加圧アーム246の回動角度によって上下方向に変位可能に構成されている。この加圧アーム246は、回動駆動源248によって加圧アーム回動軸247を中心に回動駆動するものであり、図示しない制御部により回動駆動源248を制御することで、加圧アーム246が停止する回動角度位置を切り替えることができる。
本実施形態では、ニップ形成ローラ36の軸方向の一端側に設けられる一組の引張バネ44及び圧縮バネ45の付勢力で、当該一端側の加圧力を30[N]と120[N]との間で切り替える必要がある。本実施形態では、引張バネ44の付勢力によって30[N]の加圧力が常時付与されるように構成されている。圧縮バネ45の下端には、加圧ステー249が取り付けられており、加圧アーム246が加圧ステー249を上方に押し上げることで、圧縮バネ45による付勢力が加圧台42に作用する構成となっている。
転写加圧装置40では、加圧アーム246を図4に示すような回動角度位置(第二回動角度)で停止させた退避状態とすることで、加圧アーム246が圧縮バネ45の下端に取り付けられた加圧ステー249から離れ、圧縮バネ45の圧縮量がゼロ(自然長)となる。このとき、圧縮バネ45の付勢力は加圧台42に作用しないので、当該一端側の加圧力は、引張バネ44のみの付勢力による30[N]となる。特に、本実施形態では、加圧アーム246を図4に示すような第二回動角度で停止させたときの当該一端側の加圧力は、単位圧縮量または単位引張量に対する復元力の変化率が圧縮バネ45よりも小さい引張バネ44による付勢力のみで実現される。そのため、目標の加圧力(30[N])に設定しやすく、目標の転写ニップ圧を得やすい。
一方、加圧アーム246を図3に示すような回動角度位置(第一回動角度)で停止させた圧縮バネ加圧状態においては、加圧アーム246が圧縮バネ45の下端に取り付けられた加圧ステー249を押し上げる。これにより、圧縮バネ45が圧縮され、圧縮バネ45の付勢力が加圧台42に作用する。このとき、圧縮バネ45の付勢力によって90[N]の加圧力が加圧台42に付与される。したがって、ニップ形成ローラ36の一端側に生じる加圧力は、引張バネ44の付勢力による30[N]に圧縮バネ45の付勢力による90[N]を加算した120[N]となる。
本実施形態の引張バネ44としては、例えば、1.3[N/mm]のバネ定数をもつバネ部材を用いることができる。また、本実施形態の圧縮バネ45としては、例えば、2.6[N/mm]のバネ定数をもつバネ部材を用いることができる。
本実施形態によれば、レザック紙のような表面凹凸の大きな記録紙Pへ画像形成を行う場合には、ニップ形成ローラ36の幅方向に並べるように配置された二つの加圧アーム246を図3に示す第一回動角度にする。これにより、240[N]の転写加圧力でニップ形成ローラ36を中間転写ベルト31へ当接させることができ、良好な凹部濃度再現性が得られ、表面凹凸にならった濃淡パターンの少ない良好な画像が得られる。本実施形態の中間転写ベルト31は弾性層を有する弾性ベルトであるため、転写加圧力を高めたときに記録紙Pの表面の凹凸に対する中間転写ベルト31表面の追従性が高まり、凹部への転写性が向上する。
また、中間転写ベルト31に弾性ベルトを用いた構成で、表面凹凸の小さな記録紙Pに対して画像形成を行う際に、二次転写ニップでの加圧力が高すぎると記録紙P上でのドットが乱れるドット再現性の低下が生じる。本実施形態のプリンタ500では、表面凹凸の小さな記録紙Pに対して画像形成を行う際に、二次転写ニップでの転写加圧力が120[N]以上となる場合は、ドット再現性を十分に得ることが出来なかった。よって、OKトップコート紙のような表面凹凸の小さな記録紙Pへ画像形成を行う場合には、二つの加圧アーム246を図4に示す第二回動角度にする。これにより、60[N]の転写加圧力でニップ形成ローラ36を中間転写ベルト31へ当接させることができ、良好なドット再現性が得られる。
本実施形態においては、ニップ形成ローラ36を、中間転写ベルト31の表面に対して当接する当接位置から、中間転写ベルト31の表面に対して離間する離間位置へ移動させる移動手段として、離間アーム251が設けられている。この離間アーム251は、図示しない離間レバーの操作に連動して、離間アーム回動軸252を中心に回動するものである。したがって、離間レバーの操作により、離間アーム251が停止する回動角度位置を切り替えることができる。
離間アーム251は、その自由端部側部分が加圧台42の上面側に位置するように配置されている。画像形成動作時においては、図3や図4に示すように、離間アーム251の自由端部側部分が加圧台42を押し下げない回動角度位置で、離間アーム251が停止している。このとき、ニップ形成ローラ36は中間転写ベルト31に当接する当接位置をとる。
一方、二次転写ユニット41の交換等のメンテナンス処理時やジャム処理時には、作業者が不図示の離間レバーを操作することで、離間アーム251が図5に示す回動角度位置をとる。このとき、離間アーム251の自由端部側部分が加圧台42の上面に当接し、引張バネ44の付勢力に抗して加圧台42を押し下げる。これにより、加圧台42が加圧台回動軸43回りで回動し、図5に示すように、ニップ形成ローラ36が中間転写ベルト31から離間した離間位置をとる。これにより、中間転写ベルト31に対してニップ形成ローラ36を大きく離間させることができ、メンテナンス処理やジャム処理の作業が行い易くなる。
本実施形態では、上述したとおり、不図示の離間レバーを操作してニップ形成ローラ36を当接位置から離間位置へ移動させる際、加圧アーム246が退避状態となっている。加圧アーム246が退避状態であるとき、加圧アーム246は、離間レバーに連動した離間アーム251により加圧台回動軸43回りで回動する加圧台42の回動範囲(移動経路)外に位置している。ここでいう加圧台42の回動範囲とは、図中符号Aで示す回動範囲内を加圧台42が回動するときに加圧台42が通るスペースを意味する。加圧アーム246が加圧台42の回動範囲外に位置していることによって、加圧アーム246に邪魔されることなく、ニップ形成ローラ36を当接位置から離間位置へ移動させることができる。
図6は、本実施形態における二次転写ニップ圧を変更する制御の流れを示すフローチャートである。
まず、ユーザーが図示しない操作パネルを操作して画像出力指示を行う(S1)。この画像出力指示でユーザーが凹部濃度再現性を優先する旨の指示を行うと(S2で「Yes」)、転写加圧装置40の加圧アーム246の回動角度位置を図3に示す第一回動角度にするように加圧アーム246の回動駆動源248が制御される(S3)。これにより、ニップ形成ローラ36は240[N]の転写加圧力で中間転写ベルト31へ当接し、高い二次転写ニップ圧が得られる。その後、画像形成動作が開始され(S5)、レザック紙のような表面凹凸の大きな記録紙Pに対して、表面凹凸にならった濃淡パターンの少ない良好な画像を形成することができる。
一方、画像出力指示でユーザーが凹部濃度再現性を優先しない旨の指示を行うと(S2で「No」)、転写加圧装置40の加圧アーム246の回動角度位置を図4に示す第二回動角度にするように加圧アーム246の回動駆動源248が制御される(S4)。これにより、ニップ形成ローラ36は60[N]の転写加圧力で中間転写ベルト31へ当接し、低い二次転写ニップ圧が得られる。その後、画像形成動作が開始され(S5)、表面凹凸の小さな平滑紙に対して、ドット再現性の高い良好な画像を形成することができる。
なお、画像出力指示でユーザーが紙種を指示する場合には、その紙種が凹凸紙であれば凹部濃度再現性を優先し(S2で「Yes」)、その紙種が平滑紙であれば凹部濃度再現性を優先しない(S2で「No」)というように制御してもよい。
本実施形態では、転写加圧装置40で用いる弾性部材が、引張バネ44と圧縮バネ45とを用いているので、両方を同じ引張バネで構成したり圧縮バネで構成したりする場合よりも、転写加圧装置40のレイアウトの自由度を得やすい。
図3に示すように転写加圧装置40では、引張バネ44の付勢力が作用する加圧台42上の点(引張作用部44a)と加圧台回動軸43との距離L1よりも、圧縮バネ45の付勢力が作用する加圧台42上の点と加圧台回動軸43との距離L2を長く設定している。
転写加圧装置40により付与する加圧力を調整する場合、引張バネ44及び圧縮バネ45のバネ定数や引張量または圧縮量のほか、距離L1またはL2を調整することによっても、行うことができる。そして、本実施形態のように、引張バネ44及び圧縮バネ45における加圧台回動軸43との距離L1及び距離L2が互いに異なる構成では、これらの距離が同じ構成と比較して、引張バネ44の加圧力と圧縮バネ45の加圧力とを個別に調整することが可能となる。よって、L1とL2との長さを異なるように設定している本実施形態によれば、加圧力調整の自由度が高まる。
特に、本実施形態では、二次転写ニップ圧を変更するために付勢力が変更される圧縮バネ45の加圧台回動軸43からの距離L2を、常時ほぼ一定の付勢力を付与する引張バネ44の加圧台回動軸43からの距離L1よりも長くしている。加圧台回動軸43からの距離が遠いほど、付勢力の変化量に対する加圧力の変化率が大きくなるので、圧縮バネ45について、より少ない圧縮量の変化範囲で、より広い二次転写ニップ圧の切り替え幅を実現できる。したがって、より適切な圧縮バネ45を比較的簡単に得ることが可能となる。
また、本実施形態では、加圧時の引張バネ44が引張作用部44aに作用させる付勢力は、一つで44[N]となる設定とし、二つの引張バネ44で88[N]となる設定である。一方、加圧時の圧縮バネ45が加圧台42に作用させる付勢力は、一つで66[N]となる設定とし、二つの圧縮バネ45で132[N]となる設定である。これらの付勢力の総和は220[N]となり、本実施形態の転写加圧力の最大値である240[N]よりも小さい値である。しかし、本実施形態では、「てこの原理」における「力点」となる加圧台42における圧縮バネ45の加圧力が作用する部分が、「作用点」となるニップ形成ローラ36よりも「支点」となる加圧台回動軸43から離れた位置となる配置となっている。このような配置により、付勢手段である引張バネ44及び圧縮バネ45が作用させる付勢力の総和(220[N])よりも大きな転写加圧力(240[N])を作用させることができる。
本実施形態のプリンタ500は、トナー像担持体である中間転写ベルト31の表面に当接して二次転写ニップを形成するニップ形成部材であるニップ形成ローラ36を備える。また、弾性部材を弾性変形させたときの復元力に応じた当接圧力をニップ形成ローラ36と中間転写ベルト31との間に生じさせる転写加圧装置40を備える。また、弾性部材の弾性変形量を少なくとも二段階で切り替えて二次転写ニップのニップ圧を変更するニップ圧変更手段である加圧アーム246を備える。
プリンタ500の転写加圧装置40は、複数の弾性部材として引張バネ44及び圧縮バネ45等を有する。そして、ニップ圧変更手段である加圧アーム246は、複数の弾性部材のうちの一部の弾性部材である引張バネ44による当接圧力を生じさせたまま、別の弾性部材である圧縮バネ45の弾性変形量(圧縮量)を切り替える。この切り替えにより、二次転写ニップのニップ圧を変更する。
ここで、例えば、転写加圧装置による加圧力を30[N]から120[N]へ切り替えることで転写ニップ圧を変更する場合を考える。従来のように、一つの弾性部材の弾性変形量を変更して転写ニップ圧を変更する一般的な構成においては、次のようにして転写ニップ圧を変更する。すなわち、当該弾性部材の弾性変形によって発生する復元力により30[N]の加圧力を生じさせている状態から、その弾性部材の弾性変形量を更に大きくして、120[N]の加圧力に切り替えることになる。この構成においては、0[N]から120[N]までの加圧力の範囲で弾性変形できる弾性部材が必要となる。
これに対し、本実施形態のプリンタ500では、30[N]の加圧力のうちの一部又は全部が、一部の弾性部材(引張バネ44)の弾性変形によって発生する復元力により得られている状態から、別の弾性部材(圧縮バネ45)の弾性変形量を切り替える。この切り替えにより、当該別の弾性部材の復元力と上記一部の弾性部材の復元力との組み合わせで120[N]の加圧力を得る。このとき、一部の弾性部材として必要となる弾性変形範囲の条件は、0[N]から最大でも30[N]までの加圧力の範囲を実現できる条件であればよい。
また、上記別の弾性部材として必要となる弾性変形範囲の条件は、0[N]から、上記一部の弾性部材によって賄われる加圧力(最大30[N])を120[N]から差し引いた加圧力までの範囲を実現できる条件であればよい。すなわち、転写ニップ圧を変更するために弾性変形量が切り替えられる当該別の弾性部材に要求される弾性変形範囲は、従来構成における弾性部材に要求される弾性変形範囲よりも狭くて済む。その結果、弾性部材の弾性変形量に対する転写ニップ圧の感度を適正範囲内とするために制限される範囲内の弾性率をもった弾性部材を用いて、転写ニップ圧を大きく変更する場合でも、目標の転写ニップ圧を安定して得ることが可能となる。
なお、従来構成においても、一つの弾性部材の復元力では目標の転写ニップ圧が得られない場合に二つ以上の弾性部材からなる弾性部材セットを用い、それらの弾性部材の復元力を組み合わせて目標の転写ニップ圧が得ることが行われることがある。しかしながら、このような従来構成で転写ニップ圧を変更する場合には、その弾性部材セットに含まれる各弾性部材の弾性変形量を同時にかつ同程度変更して転写ニップ圧を変更することになる。したがって、当該弾性部材セットは、結局、一つの弾性部材と等価の機能を果たすものである。したがって、本実施形態でも、上記別の弾性部材として弾性部材セットを用いれば、このような従来技術に対しても、上記別の弾性部材(弾性部材セット)に要求される弾性変形範囲は、従来構成における弾性部材セットに要求される弾性変形範囲よりも狭くて済む。
このように本実施形態のプリンタ500では、転写ニップ圧を変更する構成において、弾性変形範囲が比較的狭い弾性部材を用いて目標の転写ニップ圧を安定して得ることが可能となる。
〔実施例1〕
次に、転写加圧装置40を構成する加圧台42の一つ目の実施例(以下、実施例1という)について説明する。
図7は、実施例1の転写加圧装置40の斜視説明図である。図8は、実施例1転写加圧装置40について、図3で模式的に示した状態の詳細を示す正面図であり、図9は、実施例1の転写加圧装置40について図5で模式的に示した状態の詳細を示す正面図である。
図8及び図9に示すように、実施例1の加圧台42を備えるプリンタ500では、二次転写ニップで中間転写ベルト31に接触する無端移動体として二次転写ベルト360を備える。二次転写ベルト360は、ニップ形成ローラ36、二次転写第一張架ローラ361、二次転写第二張架ローラ362及び二次転写第三張架ローラ363の四つの張架ローラによって支持されている。これらの四つの張架ローラは、上述した二次転写ユニット41に支持されており、二次転写ユニット41を加圧台42から取り外すことで、四つの張架ローラとともに二次転写ベルト360を加圧台42から取り外すことができる構成となっている。
加圧台42は、ニップ形成ローラ36の軸方向(図中Y軸方向)両端をそれぞれ支持し、ニップ形成ローラ36の加圧台42に対する位置を位置決めする前側板421と後側板422とを備える。二つの側板(421、422)は、図中のY軸方向に延在する規制手段としての回動軸側ステー部材424と変位可能規制手段としての加圧側上ステー部材423との二つのステー部材を介して繋がっている。加圧台42は、前側板421と、後側板422と、回動軸側ステー部材424と、加圧側上ステー部材423とによって上方から見ると(図中のX−Y平面で)略長方形状となる構造体を形成している。前側板421は、前側板軸受部36aでニップ形成ローラ36の軸方向の手前側端部を回転可能に支持し、後側板422は、後側板軸受部36bでニップ形成ローラ36の軸方向の奥側端部を回転可能に支持する。
図7に示すように、回動軸側ステー部材424は板金からなり、軸方向(Y軸方向)両端付近が直角に折り曲げられて、それぞれ側板421、422に対向する対向面が形成されている。これら対向面を、それぞれ側板421,422に固定することで、各側板の回転軸側が、回動軸側ステー部材424により側板同士の軸方向(Y軸方向)の相対的な移動が規制される。また、回動軸側ステー部材424の軸方向両端部の側板421,422に対向する対向面を側板421,422に固定することで、各側板が補強される。このように、回動軸側ステー部材424の軸方向両端部の側板421,422に対向する対向面が、各側板421,422を補強する補強部として機能する。
図10は、実施例1の転写加圧装置40が備える加圧台42の加圧側上ステー部材423近傍の斜視説明図であり、図11は、実施例1の転写加圧装置40が備える加圧台42の加圧側上ステー部材423の手前側端部近傍の拡大斜視図である。図12は、実施例1の転写加圧装置40が備える加圧台42の加圧側上ステー部材423の手前側端部近傍を図10中の矢印D方向から見た拡大側面図である。
なお、図10及び図11は、前側板421及び後側板422に設けられた、手前バネカバー板421b及び奥バネカバー板422bを取り外した状態である。
実施例1の転写加圧装置40が備える加圧台42は、プリンタ500本体に固定された加圧台回動軸43を加圧台回動軸受部43aに通すことで、プリンタ500本体に対して加圧台回動軸43を中心に回動自在に支持される。
前側板421及び後側板422の加圧側上ステー部材423との連結部は、ニップ形成ローラ36の軸方向(Y軸方向)について、ニップ形成ローラ36の端部を支持する部分よりも軸方向内側に折り曲げた形状を備える。以下、この折り曲げた内側に位置する部分を前側板ステー連結部421a及び後側板ステー連結部422aともいう。
図10に示すように、加圧側上ステー部材423の軸方向(Y軸方向)両端部近傍に上下方向に貫通する結合孔423aが設けられており、加圧ステー249の軸方向両端部近傍に設けられた結合突起249aが結合孔423aに結合する。結合孔423aに結合突起249aが結合し、図10に示すように加圧側上ステー部材423の上部に結合突起249aの先端が突き出した状態で、結合突起249aに結合ナット423bを取り付ける。結合ナット423bの径は結合孔423aの径よりも大きく、結合ナット423bは結合孔423aを通過できない形状となっている。このため、加圧ステー249が加圧アーム246によって押し上げられていない状態では、加圧ステー249が加圧側上ステー部材423に対してぶら下がった状態となる。なお、図10では、結合ナット423bの記載を省略している。
結合突起249aには、圧縮バネ45が取り付けられており、結合突起249aが圧縮バネ45の中心軸を通るように配置されている。これにより、加圧ステー249と加圧側上ステー部材423との間に圧縮バネ45を配置した構成となる。
実施例1では、回動駆動源248を駆動することで、駆動伝達軸248a、駆動出力ギア248b、タイミングベルト250、駆動入力ギア247aを介して、加圧アーム回動軸247に駆動が伝達され、加圧アーム246が回動する。
加圧アーム246が回動して、加圧ステー249を下方から押し上げると、加圧側上ステー部材423に対する結合突起249aの突き出し量が大きくなり、圧縮バネ45が加圧ステー249の上面と加圧側上ステー部材423の下面とに突き当たる。この状態からさらに加圧ステー249を押し上げることで、圧縮バネ45が自然長よりも短くなり、加圧側上ステー部材423に圧縮バネ45の付勢力が作用する状態となる。図7、図11及び図12中の矢印E方向が圧縮バネ45の付勢力が作用する方向であり、実施例1では垂直上方向である。
図12に示すように、加圧側上ステー部材423のY軸方向手前側端部は、直角に折れ曲がって下方に延在する形状であり、この軸方向手前側端部の折れ曲がった部分が前側板421の連結部と対向する。また、加圧側上ステー部材423のY軸方向奥側端部も同様であり、加圧側上ステー部材423の軸方向奥側端部の折れ曲がった部分が後側板422の連結部と対向する。
前側板421及び後側板422における加圧側上ステー部材423との連結部には、加圧方向に長い長孔451が設けられており、加圧側上ステー部材423に固定された段付ネジ450が長孔451に係合している。段付ネジ450は長孔451に係合することで、図中X軸方向の移動が規制され、図中Z軸方向は長孔451の長手方向の範囲で移動可能となる。
また、段付ネジ450によって加圧側上ステー部材423が、前側板421及び後側板422に連結されることで、加圧側上ステー部材423は前側板421及び後側板422に対して図中のY軸方向に段付ネジ450の段部の範囲で移動可能となる。実施例1では、加圧側上ステー部材423は前側板421及び後側板422に対して図中のY軸方向に約0.3[mm]の範囲で移動可能となっており、Y軸方向のガタを有する構成となっている。
このような段付ネジ450と長孔451とからなる連結部によって加圧側上ステー部材423は前側板421及び後側板422に対してX軸方向の移動が規制され、Z軸方向及びY軸方向には一定の範囲で移動可能となっている。
また、加圧側上ステー部材423の軸方向両端部を折り曲げてそれぞれ、側板421,422の連結部と対向させている。段付ネジ450により加圧側上ステー部材423を、前側板421及び後側板422に連結させたとき、加圧側上ステー部材423の軸方向両端部の側板421,422の連結部と対向する面が、それぞれ側板421,422に当接し、側板421,422を補強する。このように、加圧側上ステー部材423の軸方向両端部の側板421,422の連結部と対向する面が、各側板421,422を補強する補強部として機能する。
このように、加圧側上ステー部材423は、前側板421及び後側板422に対してZ軸方向に一定の範囲で移動可能に連結されている。このため、加圧側上ステー部材423の前側板421側の連結部と後側板422側の連結部との相対的な位置はZ軸方向に一定の範囲内で変化可能となる。
引張バネ44及び圧縮バネ45の付勢力が作用する付勢方向は鉛直上方であり、この付勢力によって加圧台42がニップ形成ローラ36を中間転写ベルト31に向けて加圧する加圧方向も鉛直上方、すなわち、Z軸に平行な方向である。よって、Z軸方向に一定の範囲内で変化可能な加圧側上ステー部材423の前側板421側の連結部と後側板422側の連結部との相対的な位置は、加圧方向に一定の範囲で変化可能となっている。
加圧台42を構成する前側板421、後側板422、回動軸側ステー部材424及び加圧側上ステー部材423は、アルミニウム合金、SECC(電気亜鉛メッキ鋼板)、SUS(ステンレス鋼)等の金属製の部材である。加圧台42に剛性が高い金属製の部材を用いているのは、プリンタ500が、転写加圧力として最大で240[N]という比較的大きな圧力を作用させる構成となっているからである。
従来の転写加圧力の小さい構成として、ニップ形成ローラを樹脂製の二次転写ユニットが支持し、この二次転写ユニットにバネ部材等の付勢手段によって付勢力を加えることで、ニップ形成ローラを中間転写ベルトに加圧当接させるものがある。このような樹脂製の二次転写ユニットに付勢力を加える構成で、240[N]の転写加圧力を作用させるように付勢力を加えると、比較的剛性の低い樹脂製の二次転写ユニットでは付勢力を加える部分の近傍が部分的に大きく変形する。このように付勢力をニップ形成ローラに伝達する部材が部分的に大きく変形すると、変形によって付勢手段による付勢力が吸収されてしまい、転写加圧力として所望の加圧力を作用させることが出来なくなる。
このような付勢力を伝達する部材が部分的に大きく変形する不具合は、樹脂製に二次転写ユニットに付勢力を加える構成に限らず、本実施形態の加圧台42として樹脂製のものを用いた場合であっても生じ得る不具合である。また、付勢力を伝達する部材が樹脂製の部材であると、240[N]の転写加圧力を作用させるように付勢力を加えたときに割れてしまう等の破損が生じるおそれもある。
一方、ニップ形成ローラ36を支持し、バネ部材による付勢力がかかる加圧台42が剛性の高い金属製である本実施形態の構成であれば、付勢力をニップ形成ローラ36に伝達する部材である加圧台42が部分的に大きく変形することを防止できる。よって金属製の部材からなる加圧台42では、変形によって付勢手段による付勢力が吸収されることを防止でき、転写加圧力として所望の加圧力を作用させることができる。
なお、高い転写加圧力を作用させることが可能な構成として、加圧台42と同様の機能を備えた金属製の筐体を有する二次転写ユニットを作成し、装置本体に対して着脱自在に構成し、この二次転写ユニットに対して付勢部材で付勢する構成も考えられる。しかし、金属製の筐体を有する二次転写ユニットでは重量が重くなり、交換性が悪化する。また、二次転写ベルト360や四つの張架ローラ等の本実施形態の二次転写ユニット41を構成する部材の部品寿命は八十万枚前後であるが、加圧台42自体の部品寿命は一千万枚以上である。このような部品寿命の長い加圧台42を、比較的部品寿命の短い二次転写ユニット41を構成する他の部品とともに一体として、定期交換部品とすることは加圧台42の無用な消費となり、コスト面および環境面の観点から適切ではない。
本実施形態では、ニップ形成ローラ36と他の部材とを一体的に支持して装置本体に対して着脱可能な二次転写ユニット41と、ニップ形成ローラ36に付勢部材の付勢力を伝達する加圧台42とを別体とし、二次転写ユニット41のみを定期交換部品としている。このような構成により、重量が大きい加圧台42は定期交換部品に含まれないため、金属製の加圧台42によって高い転写加圧力を作用させることができる構成で、二次転写ユニット41の交換性を維持することができる。また、部品寿命の長い加圧台42を定期交換部品に含まないことで、製造コストやランニングコストの低減、及び、環境負荷の低減を図ることができる。
上述したように、実施例1の転写加圧装置40が備える加圧台42では、加圧側上ステー部材423は前側板421及び後側板422に対してX軸方向の移動が規制され、Z軸方向及びY軸方向には一定の範囲で移動可能となっている。以下、図22及び図23を用いて、加圧側上ステー部材423が前側板421及び後側板422に対して固定された構成の加圧台42について説明する。
図22及び図23は、前側板421と、後側板422と、回動軸側ステー部材424と、加圧側上ステー部材423とのそれぞれの連結部で互い変位が生じないように固定した比較例の転写加圧装置40の斜視説明図である。図7等に示す実施例1の転写加圧装置40が備える加圧台42では、回動軸側ステー部材424として板部材を折り曲げたものを用いているが、比較例の転写加圧装置40が備える加圧台42では、回動軸側ステー部材424としてパイプ状の部材を用いている。また、比較例の転写加圧装置40が備える加圧台42では、回動軸側ステー部材424及び加圧側上ステー部材423が前側板421及び後側板422に対して、ネジによる締結や溶着によって固定されている。
また、図22及び図23では、図示を省略しているが、比較例の加圧台42も実施例1の加圧台42と同様に、結合孔423a、結合突起249a及び結合ナット423bによって加圧ステー249と加圧側上ステー部材423とは連結している。
本発明者らが、比較例の転写加圧装置40を用いて、引張バネ44及び圧縮バネ45の付勢力を加えてニップ形成ローラ36による加圧を行ったところ、ニップ形成ローラ36の軸方向(図中Y軸方向)の位置によってニップ圧にバラツキが生じた。これは以下の理由によるものと考えられる。
すなわち、部品の製造誤差や組み付け誤差によって、前側板421と後側板422との相対的な位置関係が歪んでしまい、加圧台回動軸43に対する位置が、前側板軸受部36aと後側板軸受部36bとで異なることがある。部品の製造誤差としては、前側板421における加圧台回動軸43から前側板軸受部36aまでの距離と、後側板422における加圧台回動軸43から後側板軸受部36bまでの距離とが異なるような部品の製造誤差が考えられる。組み付け誤差としては、前側板421と後側板422とで加圧台回動軸43回りの組み付け角度が異なることで加圧台回動軸43に対する位置が、前側板軸受部36aと後側板軸受部36bとで異なる状態となる組み付け誤差が考えられる。
前側板軸受部36aと後側板軸受部36bとで加圧台回動軸43に対する位置が異なっていると、加圧台42に付勢力を作用させて加圧を行ったときにニップ形成ローラ36が二次転写裏面ローラ33に対して傾いた状態で当接する。なお、ニップ形成ローラ36は二次転写裏面ローラ33に対して、二次転写ベルト360と中間転写ベルト31とを挟んで当接する。
ニップ形成ローラ36が二次転写裏面ローラ33に対して傾いて当接すると、ニップ形成ローラ36の軸方向において二次転写裏面ローラ33に対して先に当接し始めた側ほど当接圧が高くなるように二次転写ニップでの転写ニップ圧にバラツキが生じる。ここで、当接前のニップ形成ローラ36と二次転写裏面ローラ33とが傾いていても、前側板軸受部36aと後側板軸受部36bとの加圧方向の相対的な位置が変化するように加圧台42が変形することが出来れば、転写ニップ圧のバラツキを低減できる。
例えば、ニップ形成ローラ36の軸方向における手前側が奥側よりも上方となるようにニップ形成ローラ36が二次転写裏面ローラ33に対して傾いている場合、ニップ形成ローラ36の手前側が二次転写裏面ローラ33に対して先に当接し始める。この接触し始めた状態のまま、前側板軸受部36aと後側板軸受部36bとの相対的な位置が変化しない場合、次の不具合が生じる。すなわち、加圧アーム246が第一回動角度で停止して当接が完了したときに、二次転写ニップにおける手前側の転写ニップ圧が大きくなるニップ圧のバラツキが生じるという不具合である。
これに対して、二次転写裏面ローラ33に対して前側板軸受部36aの位置が離れる方向に変化し、後側板軸受部36bの位置が近付く方向に変化するように加圧台42を変形させることが出来ればニップ圧のバラツキを軽減できる。これにより、ニップ形成ローラ36の軸方向における手前側が二次転写裏面ローラ33に対して先に当接し始めるような傾きが生じていても、その傾きが生じた状態のまま加圧台42が変形せずに加圧する場合に比べて上述した転写ニップ圧のバラツキを低減できる。
しかし、比較例の加圧台42のように、二つのステー部材(424、423)と二つの側板(421、422)との各部材の連結部を固定してしまうと、加圧台42は四角く閉ざされた形状となる。この形状では、前側板軸受部36aと後側板軸受部36bとの加圧方向の相対的な位置が変化するような加圧台42のねじれるような変形に対するねじれ剛性が高くなり、上述した転写ニップ圧のバラツキを低減できるような加圧台42の変形が生じ難い。転写ニップ圧のバラツキを低減できるような加圧台42の変形が生じ難いと、ニップ形成ローラ36の二次転写裏面ローラ33に対する傾きに起因する転写ニップ圧の偏差を低減できず、軸方向の位置によってニップ圧にバラツキが生じる。
ニップ圧にバラツキが生じると、ニップ圧の高いところと低いところとで転写率に差が生じ、画像濃度にバラツキが生じてしまう。
比較例の加圧台42のねじれ剛性を低減させる構成として、加圧側上ステー部材423を金属材料よりも剛性の低い樹脂材料からなる部材を用いることが考えられる。しかし、圧縮バネ45による付勢力の力点となる加圧側上ステー部材423に、樹脂材料のような剛性の低い材料からなる部材を用いると、圧縮バネ45の加圧力によって加圧側上ステー部材423が撓んでしまう。加圧側上ステー部材423が撓むと、加圧ステー249と加圧側上ステー部材423との距離が広がってしまい、加圧ステー249の上昇量に対する圧縮バネ45の縮み量が小さくなってしまい、所望の転写加圧力を得られなくなる。
一方、実施例1の加圧台42では、段付ネジ450と長孔451とを用いた構成により、加圧側上ステー部材423は前側板421及び後側板422に対してX軸方向の移動が規制され、Z軸方向及びY軸方向には一定の範囲で移動可能となっている。
本発明者らが、実施例1の加圧台42を用いて、引張バネ44及び圧縮バネ45の付勢力を加えてニップ形成ローラ36による加圧を行ったところ、ニップ形成ローラ36の軸方向(図中Y軸方向)の位置によるニップ圧のバラツキがほとんど生じなかった。これは、以下の理由によるものと考えられる。
すなわち、加圧側上ステー部材423が前側板421及び後側板422に対して移動可能な範囲では、加圧側上ステー部材423は、前側板421と後側板422との相対的な位置の拘束には寄与しない。このため、前側板421と後側板422との相対的な位置は、回動軸側ステー部材424が固定された加圧台回動軸43側でのみ拘束され、加圧台42を上方から見ると略長方形状となる筐体の一辺が除かれた三辺のみからなる構造体のようになる。このような三辺のみからなる構造体状の加圧台42は、一辺を挟んで対向する二つの辺を形成する前側板421と後側板422との相対的な位置が、四角く閉ざされた長方形の構造体からなる比較例の加圧台42よりも容易に変化する。よって、前側板421の一部である前側板軸受部36aと後側板422の一部である後側板軸受部36bとの相対的な位置を変化させることが可能となり、上述した転写ニップ圧の偏差を低減できるような加圧台42の変形を生じさせることができる。これにより、ニップ形成ローラ36の軸方向(図中Y軸方向)の位置によるニップ圧のバラツキがほとんど生じなかったと考えられる。
ニップ形成ローラ36の軸方向(図中Y軸方向)の位置によるニップ圧のバラツキを抑制することで、ニップ圧のバラツキに起因する画像濃度のバラツキを抑制できる。
実施例1の加圧台42は、前側板421と後側板422との加圧台回動軸43側の端部は回動軸側ステー部材424を介して固定されており、その相対的な位置が変化可能な範囲は回動軸側ステー部材424が変形する範囲である。このため、前側板421と後側板422との加圧台回動軸43側の端部の相対的な位置の変化量は比較的小さくなる。一方、前側板421と後側板422との加圧側の端部は固定されておらず、その相対的な位置の変化可能な範囲は、前側板421と回動軸側ステー部材424と後側板422との三つの部材の変形量の総和の範囲である。このため、前側板421と後側板422との加圧側の端部の相対的な位置の変化量は比較的大きくなる。よって、転写ニップ圧の偏差を低減できる実施例1の加圧台42の変形は、前側板421と後側板422との加圧台回動軸43側の端部の相対的な位置の変化量は小さく、加圧側の端部は大きくなるように、加圧台42がねじれるような変形となると考えられる。
次に加圧台42に圧縮バネ45による加圧力を作用させるときの加圧側上ステー部材423と段付ネジ450と長孔451との位置関係の変化について説明する。
図13は、前側板421と後側板422との上下方向の位置が一致していない加圧台42に、圧縮バネ45による加圧力を作用させるときの加圧側上ステー部材423と段付ネジ450と長孔451との位置関係の変化を模式的に示す説明図である。図13中の中央の図面が加圧台42のY−Z平面の模式図であり、左側の図面が前側板421のZ−X平面の模式図、右側の図面が後側板422のZ−X平面の模式図である。図13(a)は加圧開始前の説明図、図13(b)は加圧初期の説明図、図13(c)は加圧途中の説明図である。なお、図13に示す例では、二本の加圧アーム246の先端を結んだ仮想直線は水平面に平行な状態を保っており、二つの圧縮バネ45の付勢力にバラツキは無いものとする。
加圧アーム246が加圧ステー249を押し上げていない状態では、図13(a)のように、長孔451の下端部に段付ネジ450が位置する。この状態では、加圧ステー249が加圧側上ステー部材423を上方に押し上げる力は作用していないため、加圧側上ステー部材423は長孔451の下端部に位置する段付ネジ450を介して前側板421及び後側板422に支持された状態となる。図13に示す加圧台42では、前側板421が後側板422よりも高い位置にあり、前側板421と後側板422との上下方向の位置が一致していないため、加圧側上ステー部材423は後側板422側が下方となるように斜めなっている。また、加圧ステー249は、結合突起249aに取り付けられた結合ナット423bによって加圧側上ステー部材423にぶら下がった状態となる。
図示しない制御部が回動駆動源248を駆動させる制御を行うと、加圧アーム246が回転し、その先端が加圧ステー249の下面に接触し、上方に押し上げ始める。このとき、加圧アーム246の先端を結んだ仮想直線は水平であり、圧縮バネ45の付勢力にバラツキはないため、図13(a)の状態では斜めになっていた加圧側上ステー部材423と加圧ステー249とが水平な状態となって上昇する。
加圧側上ステー部材423が水平な状態で上昇すると、前側板421と後側板422とのうち下方に位置する後側板422側のみの長孔451の上端に段付ネジ450が突き当たる。このとき、前側板421側の長孔451の上端には段付ネジ450が突き当たらず、図13(b)の状態となる。
図13(b)の状態から加圧側上ステー部材423がさらに上昇すると、前側板421と後側板422とのうち長孔451の上端に段付ネジ450が突き当たった後側板422のみが上昇し始める。後側板422にのみ上昇する加圧力が加えられた加圧台42は、前側板421に対する後側板422の相対的な位置が上方に変化するように変形する。
詳しくは、後側板422にのみ上昇する加圧力が加えられた加圧台42では、回動軸側ステー部材424を介して前側板421にも上昇する力が作用する。しかし、モーメントの支点となる加圧台回動軸43から回動軸側ステー部材424までの距離が短いため、前側板421の加圧側の端部を上昇させるように作用するモーメントは小さい。また、金属製の前側板421はある程度の重量があり、自重によって前側板421の加圧側の端部を下降させるように作用するモーメントは大きい。このため、回動軸側ステー部材424を介して作用する上昇する力では前側板421の加圧側はほとんど上昇しない。後側板422の加圧側の端部には加圧力によって上昇するモーメントが作用し、前側板421の加圧側には自重によって下降するモーメントが作用する。これにより、前側板421の加圧側端部に対する後側板422の加圧側端部の相対的な位置が上方に変化するように、前側板421、後側板422及び回動軸側ステー部材424によって形成される三辺のみからなる構造体は、ねじれるように変形する。
加圧台42が変形しながら後側板422が持ち上がり、後側板422が前側板421と同じ高さとなると、図13(c)に示すように、前側板421側の長孔451の上端にも段付ネジ450が突き当たる。
図13(c)の状態から加圧側上ステー部材423がさらに上昇すると、後側板422及び前側板421が同じ高さを維持した状態で上昇する。そして、加圧アーム246が最終位置(第一回動角度となる位置)に到達すると、加圧側上ステー部材423とともに上昇した後側板422及び前側板421に支持されるニップ形成ローラ36が二次転写裏面ローラ33に当接する。このとき、ニップ形成ローラ36と二次転写裏面ローラ33との軸方向が平行となっていないと、軸方向の一端側のみが先に接触する片当たりの状態となる。ニップ形成ローラ36に軸方向における片当たりで先に接触した側は二次転写裏面ローラ33からの反力で押され、押された側の側板(前側板421または後側板422)の他方の側板に対する相対的な位置が下がるように加圧台42が変形する。これにより、当接が完了した状態では、ニップ形成ローラ36と二次転写裏面ローラ33との軸方向が平行になり、二次転写ニップにおける転写ニップ圧が均等になる。
図14は、二本の加圧アーム246の先端を結んだ仮想直線が傾いた転写加圧装置40で、圧縮バネ45による加圧力を加圧台42に作用させるときの加圧側上ステー部材423と段付ネジ450と長孔451との位置関係の変化を模式的に示す説明図である。図13と同様に、図14中の中央の図面が加圧台42のY−Z平面の模式図であり、左側の図面が前側板421のZ−X平面の模式図、右側の図面が後側板422のZ−X平面の模式図である。図14(a)は加圧開始前の説明図、図14(b)は加圧初期の説明図、図14(c)は加圧途中の説明図、図14(d)は加圧完了時の説明図である。なお、図14に示す例では、加圧台42の前側板421と後側板422との上下方向の位置は一致しているものとする。
加圧アーム246が加圧ステー249を押し上げていない状態では、図14(a)のように、長孔451の下端部に段付ネジ450が位置する。この状態では、加圧ステー249が加圧側上ステー部材423を上方に押し上げる力は作用していないため、加圧側上ステー部材423は長孔451の下端部に位置する段付ネジ450を介して前側板421及び後側板422に支持された状態となる。図14に示す加圧台42では、前側板421と後側板422との上下方向の位置が一致しているため、加圧側上ステー部材423は水平になっている。また、加圧ステー249は、結合突起249aに取り付けられた結合ナット423bによって加圧側上ステー部材423にぶら下がった状態となる。
図示しない制御部が回動駆動源248を駆動させる制御を行うと、加圧アーム246が回転し、その先端が加圧ステー249の下面に接触し、上方に押し上げ始める。このとき、加圧アーム246の先端を結んだ仮想直線が傾いているため、図14(a)の状態では水平になっていた加圧側上ステー部材423と加圧ステー249とが傾斜した状態となって上昇する。なお、図14に示す例では、手前側の加圧アーム246の先端が奥側の加圧アーム246の先端よりも上方に位置する場合を示している。
加圧側上ステー部材423が傾斜した状態で上昇すると、前側板421と後側板422とのうち加圧側上ステー部材423が上方に位置する側の前側板421のみの長孔451の上端に段付ネジ450が突き当たり、図14(b)の状態となる。図14(b)の状態では、後側板422の長孔451の上端には段付ネジ450が突き当たらない状態である。
図14(b)の状態から加圧側上ステー部材423がさらに上昇すると、前側板421と後側板422とのうち長孔451の上端に段付ネジ450が突き当たった前側板421のみが上昇し始める。前側板421にのみ上昇する加圧力が加えられた加圧台42は、後側板422に対する前側板421の相対的な位置が上方に変化するように変形する。その後、傾斜した状態で上昇した加圧側上ステー部材423の奥側の段付ネジ450が後側板422の長孔451の上端に突き当たると図14(c)の状態となる。図14(c)の状態では、前側板421が後側板422よりも上方に位置するため、ニップ形成ローラ36は前側板421に支持される軸方向手前側が上方となるように傾斜した状態となる。
図14(c)の状態から加圧側上ステー部材423がさらに上昇すると、傾斜したニップ形成ローラ36の手前側端部のみが先に二次転写裏面ローラ33に当接する片当たりの状態となる。片当たりの状態から加圧側上ステー部材423がさらに上昇すると、ニップ形成ローラ36に軸方向の手前側は二次転写裏面ローラ33からの反力で押される。この反力によって前側板421の後側板422に対する相対的な位置が下がるように加圧台42が変形する。これにより、当接が完了すると図14(d)に示す状態となり、ニップ形成ローラ36と二次転写裏面ローラ33との軸方向が平行になり、二次転写ニップにおける転写ニップ圧が均等にすることができる。
図14を用いた上述の説明では、二本の加圧アーム246の先端を結んだ仮想直線が傾いている場合について説明したが、二つの圧縮バネ45の付勢力にバラツキがある場合も上述した説明と同様に二次転写ニップにおける転写ニップ圧を均等にすることができる。
図13及び図14を用いて説明したように、加圧側上ステー部材423を上昇させたときに、加圧側上ステー部材423に固定された段付ネジ450が、二つの側板のうちの一方のみの長孔451の上端と突き当たると、当該一方の側板のみを上昇させる。一方の側板のみを上昇させることで、当該一方の側板における加圧側上ステー部材423の連結部と、他方の側板における加圧側上ステー部材423の連結部との相対的な位置が変化するように加圧台42を変形させることができる。
実施例1の加圧台42では、前側板421における加圧側上ステー部材423の連結部と、後側板422における加圧側上ステー部材423の連結部との相対的な位置関係がずれることを許容する構造となっている。そして、この相対的な位置関係がずれることを許容する範囲は、段付ネジ450が一方の側板の長孔の上端に突き当たってから、両方の側板の長孔の上端に段付ネジ450が突き当たるまでの範囲である。
実施例1の加圧台42は、三辺のみからなる構造体であるため、長方形状で四角く閉ざされた構造体からなる比較例の加圧台42に比べて簡単に撓む。このため、前側板421と後側板422とのうち、長孔451の上端に対して先に段付ネジ450が突き当たった側の側板の相対的な位置が多少上方に変化するように加圧台42が変形し、二つの側板の長孔451の上端に対して段付ネジ450が突き当たる。そして、前側板421と後側板422との両方の長孔451の上端に対して段付ネジ450が突き当たった状態で加圧台42の加圧側の端部が上方に移動する。
実施例1の加圧台42の前側板421及び後側板422に設けた長孔451は、圧縮バネ45の加圧方向である鉛直方向に長尺な長孔451となっている。これにより、二つの側板のうちの一方の側板の長孔451に段付ネジ450が突き当たった後に、他方の側板の長孔451に段付ネジ450が突き当たるまで加圧台42を変形させることができる。これにより、加圧方向における加圧側上ステー部材423に対する前側板421と後側板422との相対的な位置の偏差を吸収することができる。また、当接が完了した状態では、前側板421及び後側板422の両方の側板の長孔451の上端に段付ネジ450が突き当たる。このため加圧側上ステー部材423が前側板421及び後側板422に対してZ軸方向に移動可能な構成であっても圧縮バネ45の付勢力を前側板421及び後側板422を介してニップ形成ローラ36に作用させることができる。
図13を用いて説明した前側板421と後側板422との上下方向の位置が一致していない加圧台42は、加圧台42における誤差によって加圧台回動軸43に対する位置が、前側板軸受部36aと後側板軸受部36bとで異なるものである。加圧台42に誤差が無い場合であっても、加圧台回動軸43に対する二次転写裏面ローラ33の回転軸が傾斜していると、加圧台42に付勢力を加えて加圧を行ったときにニップ形成ローラ36が二次転写裏面ローラ33に対して傾いた状態で当接する。傾いた状態で当接すると軸方向の位置端部のみが先に接触する片当たりの状態となり、転写ニップ圧の偏差が生じる原因となる。加圧台回動軸43に対する二次転写裏面ローラ33の回転軸が傾斜することで片当たりが生じる場合でも、実施例1のように、片当たりの状態から転写ニップ圧が均等になるように加圧台42が変形する構成であれば転写ニップ圧の偏差少なくすることができる。
二次転写ニップで均等な転写ニップ圧を実現するためには、ニップ形成ローラ36の回転軸と、二次転写裏面ローラ33の回転軸と、加圧台回動軸43との三つの軸が平行であることが望ましい。そして、この三つの軸のうちの一つでも他の軸に対して傾斜した状態となっていると加圧台42に付勢力を加えて加圧を行ったときにニップ形成ローラ36が二次転写裏面ローラ33に対して傾いた状態で当接し、片当たりが生じた状態となる。これに対して、実施例1の加圧台42を備える構成であれば、転写ニップ圧の偏差少なくするように加圧台42が変形するため、上記三つの軸のうちの一つが他の軸に対して傾斜していても二次転写ニップでの転写ニップ圧を均等にすることができる。
実施例1では、加圧台42に対して、第一加圧手段である引張バネ44と第二加圧手段である圧縮バネ45との二つの加圧手段で、転写ニップ圧を作用させている。加圧手段としては、引張バネ44または圧縮バネ45の何れか一方のみで加圧する構成であっても、実施例1の加圧台42のように、加圧側上ステー部材423を前側板421及び後側板422に対してZ軸方向に移動可能とする構成は適用可能である。
引張バネ44のように前側板421及び後側板422に付勢力を作用させる加圧手段のみを備える構成であれば、加圧側上ステー部材423及び回動軸側ステー部材424というようなステー部材が不要となるとも考えられる。そして、ステー部材を備えない構成であれば、前側板421と後側板422との相対的な位置を拘束する拘束力が弱くなり、転写ニップ圧の偏差少なくするように加圧台42を変形させることができるとも考えられる。また、ステー部材を備えない構成では、実施例1の加圧台42のように、加圧側のステー部材を前側板421及び後側板422に対してZ軸方向に移動可能とする構成を適用することはできない。
しかし、ステー部材を備えない構成では、前側板421と後側板422との相対的な位置の変化可能な範囲が広くなり過ぎる。詳しくは、前側板421と後側板422とは、加圧台回動軸受部43aに加圧台回動軸43を通し、この加圧台回動軸43を支点として回動する構成である。このような構成でステー部材が無いと前側板421と後側板422との軸方向への位置の変化が自由になってしまうので、前側板421と後側板422との配置のバラツキが大きくなる。配置がばらつくと、加圧台回動軸43を通した支点の位置から側板が内側に曲がってしまう場合や、逆に外側に反ってしまう場合がある。
このような構成に、プリンタ500のように240[N]という大きな転写加圧力を作用させると、前側板421と後側板422との上部が内側に倒れ込む側板の内倒れが発生する。このような内倒れは実施例1の加圧台42のように、付勢力の作用点(引張作用部44a)が前側板421及び後側板422における下部に位置する構成では特に生じ易い。側板の内倒れが発生すると、前側板421と後側板422との間の空間が狭くなり二次転写ユニット41を設置することが出来なくなるおそれがある。さらに、側板の内倒れが発生すると、前側板421と後側板422とが斜めになることで、前側板軸受部36aと後側板軸受部36bとの位置が所望の位置よりも低くなり、二次転写ニップのニップ圧の低下が発生するおそれがある。
ステー部材として、回動軸側ステー部材424を備え、加圧側上ステー部材423のような加圧側のステー部材を備えない構成も考えられる。この構成では、前側板421と後側板422との回動軸側の端部の相対的な位置の変動を抑制できるため、回動軸側ステー部材424を備えない構成に比べて内倒れの発生を抑制することが可能である。しかし、前側板421と後側板422との加圧側の端部の相対的な位置の変動範囲は広く、内倒れの発生を十分に抑制することはできない。
一方、実施例1の加圧台42は、回動軸側ステー部材424と加圧側上ステー部材423とを備え、加圧側上ステー部材423は前側板421及び後側板422に対して一定の範囲を超える移動は規制する構成となっている。詳しくは、Y軸方向には段付ネジ450の段部の範囲で移動可能となっており、Z軸方向については長孔451の長尺方向の範囲で移動可能となっており、この移動可能な範囲を超える移動は規制されている。このため、前側板421と後側板422との相対的な位置の変化可能な範囲が広くなり過ぎることを防止している。特に、上述した内倒れが生じるように前側板421及び後側板422の位置が変化しようとすると、前側板421及び後側板422の内側の面が加圧側上ステー部材423に突き当たり、内倒れとなることが防止できる。
また、上述したように、実施例1の加圧台42は、加圧側上ステー部材423は前側板421及び後側板422に対して、Z軸方向及びY軸方向には一定の範囲で移動可能な構成となっている。このため、製造上の誤差等によって前側板421と後側板422との相対的な位置関係が歪んでいる場合でも、前側板421、回動軸側ステー部材424及び後側板422という三辺からなる構造体の全体が歪みを補正するように少しずつ変形する。このような構成により、転写ニップ圧の偏差を低減できるような加圧台42の変形を生じさせることができる。すなわち、実施例1の加圧台42を備えた構成では、大きな転写加圧力を作用させる構成で内倒れの発生を防止しつつ、転写ニップ圧の偏差を低減できる。
実施例1の加圧台42は、比較例の加圧台42と同様に面倒れ方向の剛性を確保したまま、前側板軸受部36aと後側板軸受部36bとの加圧方向の相対的な位置が変化するような加圧台42のねじれるような変形に対するねじれ剛性を下げることができる。面倒れ方向の剛性を確保することで、転写ニップ圧を大きく設定することが可能となる。また、ねじれ剛性を下げることで前側板軸受部36aと後側板軸受部36bとの加圧方向の相対的な位置が変化することを許容し、転写ニップ圧の偏差を低減できるような加圧台42の変形を生じさせることができる。これにより、ニップ圧のバラツキを抑制することができる。
本発明における二つの側板と第一ステー部材との連結部は、加圧力が作用した際に、第一ステー部材と側板との間に加圧方向の力が作用する側板上における部分である。そして、実施例1では、この側板上における部分が、二つの側板(421、422)のそれぞれにおける段付ネジ450が当たるべき箇所である長孔451の上端である。実施例1の転写加圧装置40では、二つの側板(421、422)における長孔451の上端同士の相対的な加圧方向の位置が変化可能である。このため、加圧力が作用した際に、第一ステー部材と側板との間に加圧方向の力が作用する側板上における部分同士の相対的な位置が変化可能となっている。
また、上述した前側板421及び後側板422に付勢力を作用させる加圧手段のみを備える構成では、加圧力が作用した際に、二つの側板(421、422)のそれぞれにおける段付ネジ450が当たるべき箇所は、長孔451の下端となる。これは、第一ステー部材に付勢力を作用させない構成では、第一ステー部材は二つの側板に支持された状態となるためである。第一ステー部材に付勢力を作用させる付勢部材を備えていない点以外は実施例1と同様の構成であれば、二つの側板(421、422)における長孔451の上端同士と同様に下端同士の相対的な加圧方向の位置も変化可能である。このため、前側板421及び後側板422に付勢力を作用させる加圧手段のみを備える構成であっても、加圧力が作用した際に、第一ステー部材と側板との間に加圧方向の力が作用する側板上における部分同士の相対的な位置が変化可能とすることができる。
〔実施例2〕
次に、転写加圧装置40の二つ目の実施例(以下、実施例2という)について説明する。
実施例2の転写加圧装置40は、加圧台42の加圧側上ステー部材423の構成が異なる点以外は、実施例1の転写加圧装置40と共通する。よって、共通する点についての説明は省略し、相違点についてのみ説明する。
図15は、実施例2の転写加圧装置40が備える加圧台42の加圧側上ステー部材423近傍の斜視説明図であり、実施例1の転写加圧装置40の説明図における図10に対応する図面である。
図15に示すように、実施例2の転写加圧装置40が備える加圧台42は、実施例1で一体物だった加圧側上ステー部材423をY軸方向で二つとなるように分割した構成である。
加圧側上ステー部材423は分割されているが二つの加圧側上ステー部材423は、加圧ステー249を介して繋がっている。加圧ステー249は、結合突起249aによって加圧側上ステー部材423と連結している。そして、圧縮バネ45の付勢力が作用していない状態では、結合突起249aに取り付けられた結合ナット423bによって加圧側上ステー部材423にぶら下がった状態となっている。加圧ステー249に固定された結合突起249aが加圧側上ステー部材423の結合孔423aに係合することで、図中のX軸方向及びY軸方向についての加圧ステー249と加圧側上ステー部材423との相対的位置の変化が規制される。
また、加圧ステー249と加圧側上ステー部材423とのZ軸方向に遠ざかる方向の相対的位置は、結合突起249aに取り付けられた結合ナット423bの下端部の加圧側上ステー部材423の上面に対する突き当たりによって規制される。また、加圧ステー249と加圧側上ステー部材423とのZ軸方向に近付く方向の相対的位置は、加圧ステー249と加圧側上ステー部材423との間に配置された圧縮バネ45に加圧ステー249と加圧側上ステー部材423とが突き当たることで規制される。このため、加圧ステー249と加圧側上ステー部材423とのZ軸方向の相対的な位置は、一定の範囲で変化可能となっている。
また、二つ分割された加圧側上ステー部材423と二つの側板との連結部は、実施例1と同様に、段付ネジ450と長孔451とによって連結されている。このような連結部によって、加圧側上ステー部材423は前側板421及び後側板422に対してX軸方向の移動が規制され、Z軸方向及びY軸方向には一定の範囲で移動可能となっている。
実施例2の加圧台42は、実施例1と同様に加圧側上ステー部材423は前側板421及び後側板422に対してY軸方向には段付ネジ450の段部の範囲で移動可能となっており、この移動可能な範囲を超える移動は規制されている。このため、前側板421及び後側板422の面倒れ方向の変形のし難さは実施例1と同様である。よって、内倒れが生じるように前側板421及び後側板422の位置が変化しようとすると、前側板421及び後側板422の内側の面が加圧側上ステー部材423に突き当たり、内倒れとなることが防止できる。
また、加圧ステー249と加圧側上ステー部材423とのZ軸方向の相対的な位置が、一定の範囲で変化可能となっている。このため、加圧ステー249を介して連結される二つの加圧側上ステー部材423同士のZ軸方向の相対的な位置も、一定の範囲で変化可能となる。よって、前側板421における加圧側上ステー部材423の連結部と後側板422における加圧側上ステー部材423の連結部との相対的な位置は、実施例1の加圧台42よりも変化し易い構成となっている。加圧方向であるZ軸方向について、前側板421と後側板422との相対的な位置が変化し易いため、転写ニップ圧の偏差を低減できるような加圧台42の変形が実施例1よりも生じ易くなる。よって、実施例2の加圧台42を備えた構成でも、大きな転写加圧力を作用させる構成で内倒れの発生を防止しつつ、転写ニップ圧の偏差を低減できる。
実施例2では、加圧台42における付勢力を受ける加圧側上ステー部材423が、分割されていてかつ別部材で連結されることで、付勢される部分である加圧側上ステー部材423のたわみ剛性が、加圧台42のねじれ剛性へ寄与しないようにすることができる。
また、実施例2では、分割された加圧側上ステー部材423が、段付ネジ450と長孔451とによって二つの側板に連結されている。しかし、分割された加圧側上ステー部材423同士のZ軸方向の相対的な位置が変化可能な構成であれば、二つの加圧側上ステー部材423の二つの側板に対する連結部は固定としてもよい。分割された加圧側上ステー部材423同士のZ軸方向の相対的な位置が変化可能であるため、前側板421における加圧側上ステー部材423の連結部と後側板422における加圧側上ステー部材423の連結部とのZ軸方向の相対的な位置は変化可能となる。よって、二つの加圧側上ステー部材423の二つの側板に対する連結部が固定であっても、転写ニップ圧の偏差を低減できるような加圧台42の変形を生じさせることができ、転写ニップ圧の偏差を低減できる。
しかし、分割された加圧側上ステー部材423同士のZ軸方向の相対的な位置が変化可能な構成で、加圧側上ステー部材423が、段付ネジ450と長孔451とによって二つの側板に連結されている実施例2であれば、加圧台42はさらに変形し易くなる。よって、分割された加圧側上ステー部材423同士のZ軸方向の相対的な位置が変化可能な構成であっても、加圧側上ステー部材423と側板との相対的な位置が変化可能であることがより好ましい。
実施例2の加圧台42は、比較例の加圧台42と同様に面倒れ方向の剛性を確保したまま、前側板軸受部36aと後側板軸受部36bとの加圧方向の相対的な位置が変化するような加圧台42のねじれるような変形に対するねじれ剛性を下げることができる。面倒れ方向の剛性を確保することで、転写ニップ圧を大きく設定することが可能となる。また、ねじれ剛性を下げることで前側板軸受部36aと後側板軸受部36bとの加圧方向の相対的な位置が変化することを許容し、転写ニップ圧の偏差を低減できるような加圧台42の変形を生じさせることができる。これにより、ニップ圧のバラツキを抑制することができる。
なお、実施例2のように、加圧側上ステー部材423を切ってしまうと、二つの圧縮バネ45の付勢力が二つの側板にそれぞれ独立して作用する。このとき、二つの圧縮バネ45の付勢力にバラツキがあると、付勢力の差分がそのまま二つの側板に作用する付勢力の差となり、ニップ形成ローラ36の軸方向手前側と奥側とでの圧力偏差の原因となる。これに対して、実施例1では、一体物である加圧側上ステー部材423に対して二つの圧縮バネ45の付勢力を作用させ、この加圧側上ステー部材423を介して二つの側板に付勢力を作用させる構成となっている。実施例1の構成であれば、二つの圧縮バネ45の付勢力にバラツキがあっても、その合力が加圧側上ステー部材423を介して二つの側板に作用するため、付勢力の差分がそのまま二つの側板に作用する付勢力の差となることを抑制できる。
本発明における二つの側板と第一ステー部材との連結部は、加圧力が作用した際に、第一ステー部材と側板との間に加圧方向の力が作用する側板上における部分である。そして、実施例2では、この側板上における部分が、二つの側板のそれぞれにおける段付ネジ450が当たるべき箇所である長孔451の上端である。実施例2の転写加圧装置40では、二つの側板における長孔451の上端同士の相対的な加圧方向の位置が変化可能である。このため、加圧力が作用した際に、第一ステー部材と側板との間に加圧方向の力が作用する側板上における部分同士の相対的な位置が変化可能となっている。
〔実施例3〕
次に、転写加圧装置40の三つ目の実施例(以下、実施例3という)について説明する。
実施例3の転写加圧装置40は、加圧台42の加圧側上ステー部材423の構成が異なる点以外は、実施例1の転写加圧装置40と共通する。よって、共通する点についての説明は省略し、相違点についてのみ説明する。
図16は、実施例3の転写加圧装置40の斜視説明図であり、図17は、実施例3の転写加圧装置40を図16とは異なる方向から見た斜視説明図である。
図16及び図17に示すように、実施例3の転写加圧装置40が備える加圧台42は、実施例1で一体物だった加圧側上ステー部材423をY軸方向で二つとなるように分割し、分割した二つの加圧側上ステー部材423を板バネ550で連結した構成である。また、実施例3の加圧台42の加圧側上ステー部材423と前側板421や後側板422との連結部は、ネジによる締結や溶着によって固定されている。
なお、図16及び図17では、図示を省略しているが、実施例3の加圧台42も実施例1の加圧台42と同様に、結合孔423a、結合突起249a及び結合ナット423bによって加圧ステー249と加圧側上ステー部材423とは連結している。
板バネ550は、加圧方向である上下方向には撓み易く、二つの側板の面倒れ方向には撓みが生じ難い部材である。加圧台42における付勢力を受ける加圧側上ステー部材423が分割されていて、且つ、板バネ550で連結されることで、付勢される部分である加圧側上ステー部材423のたわみ剛性が、加圧台42のねじれ剛性へ寄与しないようにすることができる。板バネ550は、二つの側板の面倒れ方向には撓みが生じ難い部材であるため、比較例の転写加圧装置40が備える加圧台42と同様に面倒れ方向の剛性を確保することができる。
実施例3の加圧台42は、比較例の加圧台42と同様に面倒れ方向の剛性を確保したまま、前側板軸受部36aと後側板軸受部36bとの加圧方向の相対的な位置が変化するような加圧台42のねじれるような変形に対するねじれ剛性を下げることができる。面倒れ方向の剛性を確保することで、転写ニップ圧を大きく設定することが可能となる。また、ねじれ剛性を下げることで前側板軸受部36aと後側板軸受部36bとの加圧方向の相対的な位置が変化することを許容し、転写ニップ圧の偏差を低減できるような加圧台42の変形を生じさせることができる。これにより、ニップ圧のバラツキを抑制することができる。
図18は、実施例3の転写加圧装置40で二次転写ベルト360を備える構成の斜視説明図である。実施例3の加圧台42を用いる転写装置としては、図16に示すように、ニップ形成ローラ36が中間転写ベルト31に直接接触する構成でも良い。また、図18に示すように、ニップ形成ローラ36が二次転写ベルト360を介して中間転写ベルト31に接触する構成でも良い。
本発明における二つの側板と第一ステー部材との連結部は、加圧力が作用した際に、第一ステー部材と側板との間に加圧方向の力が作用する側板上における部分である。そして、実施例3では、この側板上における部分が、二つの側板(421、422)のそれぞれにおける加圧側上ステー部材423がネジによる締結や溶着によって固定されている固定部である。実施例3の転写加圧装置40では、二つの側板における加圧側上ステー部材423の固定部同士の相対的な加圧方向の位置が変化可能である。このため、加圧力が作用した際に、第一ステー部材と側板との間に加圧方向の力が作用する側板上における部分同士の相対的な位置が変化可能となっている。
〔実施例4〕
次に、転写加圧装置40の四つ目の実施例(以下、実施例4という)について説明する。
実施例4の転写加圧装置40が備える加圧台42は、分割された加圧側上ステー部材423を連結する部材の構成が異なる点以外は、実施例3の転写加圧装置40が備える加圧台42と共通する。よって、共通する点についての説明は省略し、相違点についてのみ説明する。
図19は、実施例4の転写加圧装置40の斜視説明図であり、図20は、実施例4の転写加圧装置40が備える加圧台42の分割された加圧側上ステー部材423を連結する部材である連結板56近傍の拡大斜視図である。
実施例4の加圧台42は、分割した二つの加圧側上ステー部材423を連結板56で連結し、二つの加圧側上ステー部材423と連結板56との連結部は、上下方向に自由度のある上下方向段付ネジ565によって連結した構成である。また、実施例4の加圧台42の加圧側上ステー部材423と前側板421や後側板422との連結部は、ネジによる締結や溶着によって固定されている。
なお、図19では、図示を省略しているが、実施例4の加圧台42も実施例1の加圧台42と同様に、結合孔423a、結合突起249a及び結合ナット423bによって加圧ステー249と加圧側上ステー部材423とは連結している。
連結板56は撓みが生じ難い板部材であり、連結板56と加圧側上ステー部材423との連結部を上下方向段付ネジ565で連結することで、連結板56と加圧側上ステー部材423との上下方向の相対的な位置を変化可能に構成している。このため、連結板56を介して連結される二つの加圧側上ステー部材423同士の上下方向(Z軸方向)の相対的な位置も、一定の範囲で変化可能となる。このように、実施例4では、連結板56と上下方向段付ネジ565とによって、分割された二つの加圧側上ステー部材423が加圧方向には自由度をもったまま連結される。このため、前側板軸受部36aと後側板軸受部36bとの加圧方向の相対的な位置が変化するような加圧台42のねじれるような変形に対するねじれ剛性が、加圧側上ステー部材423を設けることに起因して高くなることを抑制することができる。
連結板56は、撓みが生じ難い部材であり、上下方向段付ネジ565による連結は、連結板56と加圧側上ステー部材423とのY軸方向の相対的な位置の変化を許容しない。このため、実施例4の加圧台42は、比較例の加圧台42と同様に二つの側板の面倒れ方向の剛性を確保することができる。
実施例4の加圧台42は、比較例の加圧台42と同様に面倒れ方向の剛性を確保したまま、前側板軸受部36aと後側板軸受部36bとの加圧方向の相対的な位置が変化するような加圧台42のねじれるような変形に対するねじれ剛性を下げることができる。面倒れ方向の剛性を確保することで、転写ニップ圧を大きく設定することが可能となる。また、ねじれ剛性を下げることで前側板軸受部36aと後側板軸受部36bとの加圧方向の相対的な位置が変化することを許容し、転写ニップ圧の偏差を低減できるような加圧台42の変形を生じさせることができる。これにより、ニップ圧のバラツキを抑制することができる。
図21は、実施例4の転写加圧装置40で二次転写ベルト360を備える構成の斜視説明図である。実施例4の加圧台42を用いる転写装置としては、図19に示すように、ニップ形成ローラ36が中間転写ベルト31に直接接触する構成でも良い。また、図21に示すように、ニップ形成ローラ36が二次転写ベルト360を介して中間転写ベルト31に接触する構成でも良い。
本発明における二つの側板と変位可能規制手段たる加圧側上ステー部材423との連結部は、加圧力が作用した際に、加圧側上ステー部材423と側板との間に加圧方向の力が作用する側板上における部分である。そして、実施例4では、この側板上における部分が、二つの側板(421、422)のそれぞれにおける加圧側上ステー部材423がネジによる締結や溶着によって固定されている固定部である。実施例4の転写加圧装置40では、二つの側板における加圧側上ステー部材423の固定部同士の相対的な加圧方向の位置が変化可能である。このため、加圧力が作用した際に、第一ステー部材と側板との間に加圧方向の力が作用する側板上における部分同士の相対的な位置が変化可能となっている。
〔実施例5〕
次に、転写加圧装置40の五つ目の実施例(以下、実施例5という)について説明する。
実施例5の転写加圧装置40は、回転軸側の構成が異なる点以外は、実施例1の転写加圧装置40と共通する。よって、共通する点についての説明は省略し、相違点についてのみ説明する。
図24は、実施例5の転写加圧装置40の正面説明図であり、図25は、実施例5の転写加圧装置40の斜視説明図である。また、図26は、図25の図中Gの部分の拡大説明図であり、図27は、図24の図中Fの部分の拡大説明図である。
前側板421と後側板422に回転軸431が貫通しており、側板421,422は、Eリング432により回転軸431に対して回転自在に支持される。具体的には、Eリング432は、回転軸431の軸方向両端に付近に形成された不図示の環状の溝と、各側版421,422の回転軸431が貫通する貫通孔とにそれぞれはめ込めれる。これにより、各側板421,422は、回転軸431に回転自在に支持されるとともに、回転軸431を介してEリング432によって長手方向への移動が規制される。この実施例5では、一対のEリング432が、規制手段として機能する。
〔実施例6〕
次に、転写加圧装置40の六つ目の実施例(以下、実施例6という)について説明する。
実施例6の転写加圧装置40は、対向部材たるを面倒れ防止板461を設けた以外は、実施例5の転写加圧装置40と共通する。よって、共通する点についての説明は省略し、相違点についてのみ説明する。
図28は、実施例6の転写加圧装置40の斜視説明図であり、図29は、図28の図中Hの部分の拡大斜視説明図であり、図30は、図28の図中Hの部分の拡大正面図である。
各Eリング432の外周面にそれぞれ面倒れ防止板461が嵌合しており、それぞれ側板421,422の内面と接触している。側板の面倒れ防止板461との対向する部分が、面倒れ防止板461により長手方向への移動が規制される。これにより、側板の回転軸側が、広範囲で長手方向への移動が規制され、実施例5に比べて、回転軸側の内倒れをより一層防止することができる。
さらに、面倒れ防止板461を外側にも配置して、各側板421,422の外面と接触させ、各側板の回転軸側の外倒れを防止してもよい。
また、図28〜図30に示す面倒れ防止板461は、略中央部にEリング432が嵌合する嵌合穴のみ設けた構成であるが、図31に示すように、嵌合穴461aに連通する切り欠き部461bを設けてもよい。上記図28〜図30に示す面倒れ防止板461においては、まず、面倒れ防止板461を回転軸431に通してから、回転軸431を各側板421,422の貫通孔に通す。そして、Eリング432を回転軸431の不図示の溝と各側板421,422の貫通孔とにはめ込んだ後、面倒れ防止板461を軸方向にスライドさせてEリング432にはめ込むことになる。このように、上記図28〜図30に示す面倒れ防止板461においては、最初に面倒れ防止板461を回転軸431に通しておく必要がある。一方、図31に示す面倒れ防止板461においては、面倒れ防止板461をEリング432にはめ込む際に、面倒れ防止板461の切り欠き部461bを介して、側板421,422に支持された回転軸431を嵌合穴461aに挿入する。そして、面倒れ防止板461を軸方向にスライドさせてEリング432にはめ込む。このように、図31に示す面倒れ防止板461においては、予め面倒れ防止板461の嵌合穴461aに回転軸431を通しておく必要がない。よって、回転軸431を各側板421,422に支持するときに、面倒れ防止板461が作業の邪魔となるのを防止することができる。
また、面倒れ防止板461をネジなどにより側板に固定してもよい。これにより、面倒れ防止板461により側板を補強することもできる。
上述した実施例1〜4では、規制手段としての加圧側上ステー部材423を、二つの側板に対する連結部の相対的な位置が変化可能な変位可能規制手段とした構成について説明した。しかし、規制手段としての回動軸側ステー部材424を、二つの側板に対する連結部の相対的な位置が変化可能な変位可能規制手段としてもよい。これにより、二つの側板に対する回動軸側ステー部材424の連結部が固定された構成よりも前側板421と後側板422との相対的な位置が変化し易くなり、転写ニップ圧の偏差を低減でき、加圧台42の変形が生じ易くすることができる。
しかし、上述した実施例1〜4の加圧台42では、回動軸側ステー部材424とは別部材の加圧台回動軸43が前側板421の加圧台回動軸受部43aと後側板422の加圧台回動軸受部43aとの相対的な位置が変化することを妨げる。このため、回動軸側ステー部材424を、二つの側板に対する連結部の相対的な位置が変化可能な変位可能規制手段とするよりも、実施例1〜4のように加圧側上ステー部材423を、二つの側板に対する連結部の相対的な位置が変化可能な変位可能規制手段とする方が加圧台42の変形が生じ易い。加圧台42の変形が生じ易いことで転写ニップ圧の偏差を低減し易くなる。
また、上述した実施例5、6において、規制手段としての一対のEリング432を二つの側板に対する連結部の相対的な位置が変化可能な変位可能規制手段としてもよい。この場合は、各側板421,422の回転軸431が貫通する貫通孔を加圧方向に延びる長孔とし、その長孔にEリング432をはめ込む。これにより、Eリング432が長孔内を移動でき、二つの側板に対するEリング432の連結部(側板の回転軸が貫通する貫通穴)の前側板421と後側板422との相対的な位置を変化させることができる。
また、側板の長手方向の移動を規制する規制手段は、3つ以上であってもよい。この場合、二つの側板に対する連結部の相対的な位置が変化可能な変位可能規制手段を複数を設けてもよい。
上述した各実施例では、中間転写ベルトから記録媒体にトナー像を転写する中間転写方式の転写装置に本発明を適用したものについて説明した。しかし、特許文献5のように感光体上のトナー像を記録媒体に直接転写する直接転写方式の転写装置であっても本発明は適用可能である。
以上に説明したものは一例であり、本発明は、次の態様毎に特有の効果を奏する。
(態様A)
中間転写ベルト31等の被加圧部材に突き当たるニップ形成ローラ36等の加圧部材を備える転写加圧装置40等の加圧装置において、加圧部材の長手方向両端部をそれぞれ支持する前側板421及び後側板422等の二つの側板と、二つの側板のそれぞれに連結され、二つの側板同士の長手方向の相対的な移動を規制する複数の規制手段(回動軸側ステー部材424及び加圧側上ステー部材423等)と、該二つの側板、または、該複数の規制手段の少なくともひとつに付勢力を作用させて加圧部材を被加圧部材に向けて加圧する引張バネ44及び圧縮バネ45等の付勢手段とを備え、複数の規制手段の少なくとも一つは、該二つの側板のうちの一方の側板との連結部が、他方の側板との連結部に対して加圧方向の相対的な位置が変化可能となるように二つの側板を繋ぐ加圧側上ステー部材423等の変位可能規制手段である。
これによれば、上記各実施例について説明したように、複数の規制手段が、二つの側板の長手方向の相対的な移動を規制するため、二つの側板が長手方向の内側に倒れ込む内倒れが生じることを防止できる。内倒れが生じることを防止できるため、転写加圧力等の突き当て部に作用させる力を大きく設定することが可能となる。また、二つの側板のうちの一方の側板の変位可能規制手段との連結部(前側板421の長孔451の上端)が、他方の側板の変位可能規制手段との連結部(後側板422の長孔451の上端)に対して加圧方向の相対的な位置が変化可能である。このため、二つの側板の加圧方向の相対的な位置が変化するように加圧構造体を変形させることができる。加圧構造体の部品誤差等により、加圧部材が被加圧部材に対して傾いた状態で当接すると、加圧部材の長手方向における一方のみが先に当接し始める片当たりが生じる。片当たりが生じると、先に当接し始めた側は被加圧部材側からの反力を受ける。このとき、先に当接し始めた側の側板が、被加圧部材側からの反力によって他方の側板との加圧方向の相対的な位置が被加圧部材から離れるように加圧構造体が変形することが出来るため加圧部材の被加圧部材に対する傾きが軽減される。このように傾きが軽減されることにより、転写ニップ等の突き当て部におけるニップ圧等の圧力のバラツキを抑制することができる。よって、本態様Aにおいては、加圧部材が被加圧部材に突き当たる突き当て部に作用させる力を大きく設定することが可能で、突き当て部における圧力のバラツキを抑制できる。
(態様B)
態様Aにおいて、上記複数の規制手段の少なくとも一つは、上記二つの側板を補強する補強部(加圧側上ステー部材423および回動軸側ステー部材424の軸方向両端部の側板421,422と対向する面)を有する。
これによれば、補強部で各側板を補強することにより、内倒れが生じるのをより一層防止することができる。
(態様C)
態様AまたはBにおいて、上記二つの側板を回転可能に支持する回転軸431を備え、上記変位可能規制手段を除く規制手段の一つは、該二つの側板を該回転軸431に上記長手方向に移動不能に連結する。
これによれば、実施例5および実施例6を用いて説明したように、回転軸431を利用して、各側板の長手方向の移動を規制することができる。
(態様D)
(態様C)において、上記二つの側板を上記回転軸に上記長手方向に移動不能に連結するEリング432などの規制手段は、側板と対向する面倒れ防止板461などの対向部材を有する。
これによれば、実施例6で説明したように、対向部材により、側板の広い面積の長手方向の移動を規制でき、内倒れが生じるのをより一層防止することができる。
(態様E)
態様A乃至Dの何れかの態様において、加圧側上ステー部材423等の変位可能規制手段は複数の部材を有し、変位可能規制手段を構成する複数の部材同士の上記加圧方向の相対的な位置が変化可能となるように構成する。
これによれば、上記実施例2乃至4について説明したように、変位可能規制手段を構成する複数の部材の加圧方向の相対的な位置が変化可能であることで、それぞれ変位可能規制手段と連結する側板における連結部同士も加圧方向の相対的な位置が変化可能となる。これにより、前側板421及び後側板422等の二つの側板のうちの一方の側板の変位可能規制手段との連結部が、他方の側板の変位可能規制手段との連結部に対して加圧方向の相対的な位置が変化可能となる構成を実現できる。
(態様F)
態様Eにおいて、上記変位可能規制手段は、上記一方の側板に連結される第一部材と、上記他方の側板に連結される第二部材と、これら部材同士を連結する板バネ550や連結板56等の部材間連結部材とを備え、第一部材の該部材間連結部材との連結部が、第二部材の該部材間連結部材との連結部に対して上記加圧方向の相対的な位置が変化可能となるように構成する。
これによれば、上記実施例3及び4について説明したように、変位可能規制手段を構成する複数の部材同士の上記加圧方向の相対的な位置の加圧方向の相対的な位置が変化可能となる構成を実現できる。
(態様G)
態様Eにおいて、上記部材間連結部材は、加圧方向には撓み易く、軸方向等の長手方向には撓みが生じ難い板バネ550等の板バネである。
これによれば、上記実施例3について説明したように、板バネが加圧方向に撓むことで、板バネが変位可能規制手段を構成する複数の部材のそれぞれと連結する連結部同士の加圧方向の相対的な位置が変化する。このため、第一部材の該部材間連結部材との連結部が、第二部材の該部材間連結部材との連結部に対して上記加圧方向の相対的な位置が変化可能となる構成を実現できる。
(態様H)
態様Eにおいて、上記部材間連結部材は撓みが生じ難い連結板56等の板部材であり、少なくとも該部材間連結部材と上記第一部材との連結部を上下方向段付ネジ565等の段付ネジで連結することで、該第一部材の該部材間連結部材との連結部が、該第二部材の該部材間連結部材との連結部に対して上記加圧方向の相対的な位置が変化可能とした。
これによれば、上記実施例4について説明したように、段付ネジによる連結部で板部材と第一部材との加圧方向の相対的な位置が変化すると、板部材が第二部材と連結する連結部同士の加圧方向の相対的な位置が変化する。このため、該第一部材の該部材間連結部材との連結部が、該第二部材の該部材間連結部材との連結部に対して上記加圧方向の相対的な位置が変化可能となる構成を実現できる。
(態様I)
態様A乃至Hの何れかの態様において、加圧側上ステー部材423等の変位可能規規制手段は前側板421及び後側板422等の二つの側板に設けられた加圧方向に長尺な長孔451等の長孔に対して段付ネジ450等の段付ネジを係合させることで、二つの側板にそれぞれ連結されている。
これによれば、上記実施例1について説明したように、段付ネジが長孔内を加圧方向に移動可能であるため、変位可能規規制手段の二つの側板に対する加圧方向の相対的な位置が変化可能となる。変位可能規規制手段の二つの側板に対する加圧方向の相対的な位置がそれぞれ変化可能であることで、二つの側板における変位可能規規制手段との連結部同士も加圧方向の相対的な位置が変化可能となる。これにより、二つの側板のうちの一方の側板の第一ステー部材との連結部が、他方の側板の第一ステー部材との連結部に対して加圧方向の相対的な位置が変化可能となる構成を実現できる。
(態様J)
態様A乃至Iの何れかの態様において、回動軸側ステー部材424及び加圧側上ステー部材423等の複数の規規制手段の少なくとも一つに圧縮バネ45等の付勢手段による付勢力を作用させる。
これによれば、上記実施例1について説明したように、加圧台42等の加圧構造体に付勢力を作用させてニップ形成ローラ36等の加圧部材を中間転写ベルト31等の被加圧部材に向けて加圧する構成を実現することができる。
(態様K)
態様Jにおいて、加圧側上ステー部材423等の変位可能規規制手段の少なくとも一つに、上記付勢手段による付勢力を作用させる
これによれば、上記実施形態について説明したように、加圧台回動軸43等の別部材が前側板421及び後側板422等の二つの側板におけるそれぞれの変位可能規規制手段との連結部同士の位置の相対的な変化を妨げることがない。これにより、加圧台42等の加圧構造体の変形が生じ易くなり、転写ニップ圧等の突き当て部における圧力のバラツキを低減し易くなる。
(態様L)
態様Jにおいて、加圧側上ステー部材423等の変位可能規制手段を除く規制手段の少なくとも一つに上記付勢手段による付勢力を作用させる。
これによれば、上記実施形態について説明したように、二つの側板に対する連結部が固定された規制手段に付勢力が作用しない構成よりも、二つの側板の相対的な位置が変化し易くなる。これにより、転写ニップ圧等の突き当て部における圧力の偏差を低減できるような加圧台42等の加圧構造体の変形が生じ易くなり、突き当て部における圧力のバラツキを低減し易くなる。
(態様M)
表面移動する中間転写ベルト31等のトナー像担持体の表面における表面移動方向と直交する幅方向の全域でトナー像担持体に当接して転写ニップを形成するニップ形成ローラ36等のニップ形成部材を、加圧手段によってトナー像担持体に向けて加圧する転写ユニット30等の転写装置において、加圧手段として、被加圧部材としてのトナー像担持体に、加圧部材としてのニップ形成部材を突き当てて加圧する態様A乃至Lの何れかの態様に係る加圧装置を用いる。
これによれば、上記実施形態について説明したように、突き当て部である転写ニップにおける圧力である転写ニップ圧のバラツキを抑制することができる。
(態様N)
態様Mにおいて、ニップ形成ローラ36等のニップ形成部材は、無端移動する二次転写ベルト360等の転写搬送ベルトの内側に配置され、転写搬送ベルトを介して、中間転写ベルト31等のトナー像担持体に当接する。
これによれば、上記実施形態について説明したように、転写搬送ベルトをトナー像担持体に接触させる構成においても転写ニップ圧のバラツキを低減できる。
(態様O)
中間転写ベルト31等のトナー像担持体の表面に形成した画像を、転写ユニット30等の転写手段を用いて、最終的に転写紙等の記録材へ転写することにより記録材上に画像を形成するプリンタ500等の画像形成装置において、転写手段として、態様MまたはNの何れかの態様に係る転写装置を用いる。
これによれば、上記実施形態について説明したように、転写ニップ圧のバラツキに起因する画像濃度のバラツキを抑制できる。
(態様P)
態様Oにおいて、トナー像担持体は、中間転写ベルト31等の中間転写体である。
これによれば、上記実施形態について説明したように、二次転写ニップにおけるニップ圧のバラツキに起因する画像濃度のバラツキを抑制できる。
また、本発明は少なくとも以下の態様も含む。
(その他の態様1)
中間転写ベルト31等の像担持体と、ニップ形成ローラ36等の転写部材と、上記転写部材の両端をそれぞれ支持する前側板421等の第一フレームおよび後側板422等の第二フレームと、上記転写部材を上記像担持体へ加圧する引張バネ44及び圧縮バネ45等のバネと、上記バネの加圧方向に延びる長孔451と該長孔451に係合する段付ネジ450などのピンとを介して、前記第一フレームと前記第二フレームとを繋ぐ加圧側上ステー部材423等のステーと、を備える画像形成装置。
(その他の態様2)
中間転写ベルト31等の像担持体と、ニップ形成ローラ36等の転写部材と、上記転写部材の両端をそれぞれ支持する前側板421等の第一フレームおよび後側板422等の第二フレームと、前記転写部材を前記像担持体へ加圧する引張バネ44及び圧縮バネ45等のバネと、前記バネの加圧方向に変形可能な板バネ550を介して、前記第一フレームと前記第二フレームとを繋ぐ加圧側上ステー部材423等のステーと、を備える画像形成装置。
(その他の態様3)
中間転写ベルト31等の像担持体と、ニップ形成ローラ36等の転写部材と、上記転写部材の両端をそれぞれ支持する前側板421等の第一フレームおよび後側板422等の第二フレームと、前記転写部材を前記像担持体へ加圧する引張バネ44及び圧縮バネ45等のバネと、上下方向段付ネジ565等の段ネジと該段ネジに対して前記バネの加圧方向に移動可能な連結板56とを介して、前記第一のフレームと前記第二のフレームとを繋ぐ加圧側上ステー部材423等のステーと、を備える画像形成装置。
(その他の態様4)
その他の態様1から3のいずれかに記載の画像形成装置において、前側板421等の第一のフレームと後側板422等の第二のフレームとを繋ぐ回動軸側ステー部材424等の第二ステーを備えることを特徴とする画像形成装置。
(その他の態様5)
その他の態様1から4のいずれかに記載の画像形成装置において、前側板421等の第一のフレームと後側板422等の第二のフレームとを回転可能に支持する加圧台回動軸等の回転軸を備えることを特徴とする画像形成装置。
(その他の態様6)
その他の態様1から5のいずれかに記載の画像形成装置において、引張バネ44等のバネは、前側板421等の第一フレームおよび前記後側板422等の第二フレームに突き当たることによりニップ形成ローラ36等の転写部材を中間転写ベルト31等の像担持体へ加圧することを特徴とする画像形成装置。
(その他の態様7)
その他の態様1から5のいずれかに記載の画像形成装置において、圧縮バネ45等のバネは、加圧側上ステー部材423等のステーに突き当たることによりニップ形成ローラ36等の転写部材を中間転写ベルト31等の像担持体へ加圧することを特徴とする画像形成装置。
1 画像形成ユニット
1K ブラック用画像形成ユニット
2 感光体
2Y イエロー用感光体
2K ブラック用感光体
3 ドラムクリーニング装置
4 クリーニングブラシローラ
5 クリーニングブレード
6 帯電装置
7 帯電ローラ
8 現像装置
9 現像ローラ
10 第一スクリュー部材
11 第二スクリュー部材
12 現像部
13 現像剤搬送部
30 転写ユニット
31 中間転写ベルト
32 駆動ローラ
33 二次転写裏面ローラ
34 クリーニングバックアップローラ
35 一次転写ローラ
36 ニップ形成ローラ
36a 前側板軸受部
36b 後側板軸受部
37 ベルトクリーニング装置
38 電位センサ
39 二次転写バイアス電源
40 転写加圧装置
41 二次転写ユニット
42 加圧台
43 加圧台回動軸
43a 加圧台回動軸受部
44 引張バネ
44a 引張作用部
45 圧縮バネ
56 連結板
80 光書込ユニット
90 定着装置
91 定着ローラ
92 加圧ローラ
100 給紙カセット
100a 給紙ローラ
101 レジストローラ対
246 加圧アーム
247 加圧アーム回動軸
247a 駆動入力ギア
248 回動駆動源
248a 駆動伝達軸
248b 駆動出力ギア
249 加圧ステー
249a 結合突起
250 タイミングベルト
251 離間アーム
252 離間アーム回動軸
360 二次転写ベルト
361 二次転写第一張架ローラ
362 二次転写第二張架ローラ
363 二次転写第三張架ローラ
421 前側板
421a 前側板ステー連結部
421b 手前バネカバー板
422 後側板
422a 後側板ステー連結部
422b 奥バネカバー板
423 加圧側上ステー部材
423a 結合孔
423b 結合ナット
424 回動軸側ステー部材
431 回転軸
432 Eリング
461 面倒れ防止板
450 段付ネジ
451 長孔
500 プリンタ
550 板バネ
565 上下方向段付ネジ
P 記録紙
特許第4040611号公報 特開2012−128229号公報 特開2011−248270号公報 特開2010−048915号公報 特開平06−035338号公報

Claims (15)

  1. 表面移動するトナー像担持体に当接して転写ニップを形成するニップ形成部材を備えた加圧装置において、
    上記ニップ形成部材の長手方向両端部をそれぞれ支持する二つの側板と、該二つの側板のそれぞれに連結され、該二つの側板同士の該長手方向の相対的な移動を規制する複数の規制手段と、
    該二つの側板、または、該複数の規制手段の少なくともひとつに付勢力を作用させて該ニップ形成部材を上記トナー像担持体に向けて加圧する付勢手段とを備え、
    複数の規制手段の少なくとも一つは、連結される二つの側板に対して加圧方向の相対的な位置が変化可能となるように該二つの側板に繋がれた変位可能規制手段であり、
    前記変位可能規制手段の長手方向両端部には、直角に折り曲げられて側板と対向して上記二つの側板を補強する補強部が設けられており、
    前記変位可能規制手段の前記補強部が、上記二つの側板に設けられた該加圧方向に長尺な長孔に対して段付ネジにより該二つの側板にそれぞれ連結されていることを特徴とする加圧装置。
  2. 請求項1に記載の加圧装置において、
    上記変位可能規制手段を除く規制手段の少なくとも一つは、上記二つの側板を補強する補強部を有することを特徴とする加圧装置。
  3. 請求項1または2に記載の加圧装置において、
    上記二つの側板を回転可能に支持する回転軸を備え、
    上記変位可能規制手段を除く規制手段の一つは、該二つの側板を該回転軸に上記長手方向に移動不能に連結することを特徴とする加圧装置。
  4. 請求項3に記載の加圧装置において、
    上記二つの側板を上記回転軸に上記長手方向に移動不能に連結する規制手段は、側板と対向する対向部材を有することを特徴とする加圧装置。
  5. 請求項1乃至4何れかに記載の加圧装置において、
    上記変位可能規制手段は複数の部材を有し、
    該変位可能規制手段を構成する複数の部材同士の上記加圧方向の相対的な位置が変化可能となるように構成することを特徴とする加圧装置。
  6. 請求項5に記載の加圧装置において、
    上記変位可能規制手段は、上記二つの側板の一方に連結される第一部材と、上記二つの側板の他方に連結される第二部材と、これら部材同士を連結する部材間連結部材とを備え、
    該第一部材の該部材間連結部材との連結部が、該第二部材の該部材間連結部材との連結部に対して上記加圧方向の相対的な位置が変化可能となるように構成することを特徴とする加圧装置。
  7. 請求項6に記載の加圧装置において、
    上記部材間連結部材は、上記加圧方向には撓み易く、上記長手方向には撓みが生じ難い板バネであることを特徴とする加圧装置。
  8. 請求項6に記載の加圧装置において、
    上記部材間連結部材は撓みが生じ難い板部材であり、少なくとも該部材間連結部材と上記第一部材との連結部を段付ネジで連結することで、該第一部材の該部材間連結部材との連結部が、該第二部材の該部材間連結部材との連結部に対して上記加圧方向の相対的な位置が変化可能としたことを特徴とする加圧装置。
  9. 請求項1乃至8の何れかに記載の加圧装置において、
    上記複数の規制手段の少なくとも一つに上記付勢手段による付勢力を作用させることを特徴とする加圧装置。
  10. 請求項9に記載の加圧装置において、
    上記変位可能規制手段の少なくとも一つに、上記付勢手段による付勢力を作用させることを特徴とする加圧装置。
  11. 請求項9に記載の加圧装置において、
    上記変位可能規制手段を除く規制手段の少なくとも一つに、上記付勢手段による付勢力を作用させることを特徴とする加圧装置。
  12. 表面移動するトナー像担持体の表面における表面移動方向と直交する幅方向の全域で該トナー像担持体に当接して転写ニップを形成するニップ形成部材を、加圧手段によって該トナー像担持体に向けて加圧する転写装置において、
    上記加圧手段として、請求項1乃至11の何れかに記載の加圧装置を用いることを特徴とする転写装置。
  13. 請求項12に記載の転写装置において、
    上記ニップ形成部材は、無端移動する転写搬送ベルトの内側に配置され、該転写搬送ベルトを介して、上記トナー像担持体に当接することを特徴とする転写装置。
  14. トナー像担持体の表面に形成した画像を、転写手段を用いて、最終的に記録材へ転写することにより記録材上に画像を形成する画像形成装置において、
    上記転写手段として、請求項12または13に記載の転写装置を用いることを特徴とする画像形成装置。
  15. 請求項14に記載の画像形成装置において、
    上記トナー像担持体は、中間転写体であることを特徴とする画像形成装置。
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