JP5278788B2 - 離間機構及び画像形成装置 - Google Patents
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Description
特許文献1等における画像形成装置は、4つの感光体ドラムが中間転写ベルトに対向するように並設されている。これらの4つの感光体ドラムでは、それぞれ、ブラック(黒色)、イエロー、マゼンタ、シアンのトナー像が形成される。そして、各感光体ドラムで形成された各色のトナー像が、中間転写ベルト上に重ねて転写される。さらに、中間転写ベルト上に担持された複数色のトナー像は、中間転写ベルトと2次転写ローラとの当接位置で、カラー画像として記録媒体上に転写される。
このような画像形成装置では、中間転写ベルトと2次転写ローラとの摺接による磨耗劣化を低減したり、中間転写ベルトと2次転写ローラとの当接位置でジャムした記録媒体を取り除いたりするために、中間転写ベルトに対して2次転写ローラを自動で接離する接離機構が設けられている。
なお、特許文献1等には、2次転写ローラの交換時に中間転写ベルトに対して2次転写ローラを自重で退避させるための回動支点が、上述のローラ加圧レバーの回動支点とは別に設けられている。
また、特許文献3等には、2次転写ローラから離れた位置を回動支点とする2次転写ユニット(加圧部材)によって、2次転写ローラを中間転写ベルトに向けて圧接させる技術が開示されている。特許文献3等では、2次転写ローラの下方に配設されるとともに2次転写ユニットに当接するカムを所定角度回転させることで、中間転写ベルトに対して2次転写ローラを離間させている。
しかし、このような手動離間機構を、自動接離機構における加圧部材やその回動支点をそのまま用いて加圧部材に手動操作可能なカム(手動カム)を当接させる構成とした場合に、手動操作時に大きな力が必要になったり、中間転写ベルトに圧接する2次転写ローラに幅方向の圧力偏差が生じてしまったりする可能性があった。すなわち、離間機構の操作性を向上させるために、2次転写ローラとともに回動する加圧部材の回動支点を2次転写ローラの近傍に配設して、2次転写ローラから離れた位置に手動カムを配設した場合には、2次転写ローラと回動支点(支軸)との平行度の精度が不充分であると、中間転写ベルトに圧接する2次転写ローラの幅方向の圧力偏差が大きくなってしまう。
これに対して、特許文献3等の技術は、2次転写ローラから離れた位置に加圧部材の回動支点が設けられているために、圧接状態時における2次転写ローラの圧力偏差が比較的小さくなる反面、手動でカムを操作する際に大きな力が必要になってしまっていた。
以下、この発明を実施するための最良の形態について、図面を参照して詳細に説明する。なお、各図中、同一又は相当する部分には同一の符号を付しており、その重複説明は適宜に簡略化ないし省略する。
図1は画像形成装置としてのプリンタを示す構成図であり、図2はその作像部を示す拡大図である。また、図3は、中間転写ベルト及び2次転写ローラの近傍を示す構成図である。
図1に示すように、画像形成装置本体100の中央には、中間転写ベルト装置15が設置されている。また、中間転写ベルト装置15の中間転写ベルト8(ベルト部材)に対向するように、各色(イエロー、マゼンタ、シアン、ブラック)に対応した作像部6Y、6M、6C、6Kが並設されている。さらに、中間転写ベルト装置15の中間転写ベルト8(被当接部材)に対向するように、2次転写ローラ19(当接部材)が配設されている。
その後、感光体ドラム1Yの表面は、露光部7から発せられたレーザ光Lの照射位置に達して、この位置での露光走査によってイエローに対応した静電潜像が形成される(露光工程である。)。
その後、感光体ドラム1Yの表面は、中間転写ベルト8(ベルト部材)及び転写ローラ9Y(1次転写ローラ)との対向位置に達して、この位置で感光体ドラム1Y上のトナー像が中間転写ベルト8上に転写される(1次転写工程である。)。このとき、感光体ドラム1Y上には、僅かながら未転写トナーが残存する。
最後に、感光体ドラム1Yの表面は、不図示の除電部との対向位置に達して、この位置で感光体ドラム1上の残留電位が除去される。
こうして、感光体ドラム1Y上でおこなわれる、一連の作像プロセスが終了する。
その後、現像工程を経て各感光体ドラム上に形成した各色のトナー像を、中間転写ベルト8上に重ねて転写する。こうして、中間転写ベルト8上にカラー画像が形成される。
その後、中間転写ベルト8は、中間転写クリーニング部10の位置に達する。そして、この位置で、中間転写ベルト8上の未転写トナーが除去される。
こうして、中間転写ベルト8上でおこなわれる、一連の転写プロセスが終了する。
詳しくは、給紙部26には、転写紙等の記録媒体Pが複数枚重ねて収納されている。そして、給紙ローラ27が図1中の反時計方向に回転駆動されると、一番上の記録媒体Pがレジストローラ対28のローラ間に向けて給送される。
その後、記録媒体Pは、排紙ローラ対(不図示である。)によって装置外へと排出される。排紙ローラ対によって装置外に排出された被転写Pは、出力画像として、スタック部上に順次スタックされる。
こうして、画像形成装置における、一連の画像形成プロセスが完了する。
現像部5Yは、感光体ドラム1Yに対向する現像ローラ51Yと、現像ローラ51Yに対向するドクターブレード52Yと、現像剤収容部内に配設された2つの搬送スクリュ55Yと、現像剤収容部に開口を介して連通するトナー補給経路43Yと、現像剤中のトナー濃度を検知する濃度検知センサ56Yと、等で構成される。現像ローラ51Yは、内部に固設されたマグネットや、マグネットの周囲を回転するスリーブ等で構成される。現像剤収容部内には、キャリアとトナーとからなる2成分現像剤が収容されている。
現像ローラ51Yのスリーブは、図2の矢印方向に回転している。そして、マグネットにより形成された磁界によって現像ローラ51Y上に担持された現像剤は、スリーブの回転にともない現像ローラ51Y上を移動する。ここで、現像装置5Y内の現像剤は、現像剤中のトナーの割合(トナー濃度)が所定の範囲内になるように調整される。
その後、現像剤収容部内に補給されたトナーは、2つの搬送スクリュ55Yによって、現像剤とともに混合・撹拌されながら、隔絶された2つの現像剤収容部を循環する(図2の紙面垂直方向の移動である。)。そして、現像剤中のトナーは、キャリアとの摩擦帯電によりキャリアに吸着して、現像ローラ51Y上に形成された磁力によりキャリアとともに現像ローラ51Y上に担持される。
図3に示すように、中間転写ベルト装置15は、被当接部材としての中間転写ベルト8(像担持体)、4つの1次転写ローラ9Y、9M、9C、9K 、駆動ローラ12A、2次転写対向ローラ12B、テンションローラ12C、補正ローラ12D、中間転写クリーニング部10、等で構成される。中間転写ベルト8は、複数のローラ部材12A〜12Dによって張架・支持されるとともに、1つのローラ部材(駆動ローラ)12Aの回転駆動によって図3中の矢印方向に無端移動される。
そして、中間転写ベルト8は、矢印方向に走行して、1次転写ローラ9Y、9M、9C、9Kの1次転写ニップを順次通過する。こうして、感光体ドラム1Y 、1M 、1C 、1K上の各色のトナー像が、中間転写ベルト8上に重ねて1次転写される。
なお、必要に応じて中間転写ベルト8の表面に離型層をコートすることもできる。その際、コートに用いる材料として、ETFE(エチレン−四フッ化エチレン共重合体)、PTFE(ポリ四フッ化エチレン)、PVDF(フッ化ビニルデン)、PEA(パーフルオロアルコキシフッ素樹脂)、FEP(四フッ化エチレン−六フッ化プロピレン共重合体)、PVF(フッ化ビニル)、等のフッ素樹脂を使用できるが、これに限定されるものではない。
また、中間転写ベルト8の製造方法としては、注型法、遠心成形法、等があり、必要に応じてその表面を研磨する工程がおこなわれる。
具体的に、4つの1次転写ローラ9Y、9M、9C、9Kのうち、カラー用の3つの1次転写ローラ9Y、9M、9Cは、不図示の保持部材に一体的に保持されていて、上下方向に一体的に移動可能に構成されている。また、黒色用の1次転写ローラ9Kは、単独で上下方向に移動可能に構成されている。そして、4つの1次転写ローラ9Y、9M、9C、9Kが図3中の破線の位置に移動することで、中間転写ベルト8が感光体ドラム1Y、1M、1C、1Kから離間する(破線位置への移動である。)。このような中間転写ベルト8を感光体ドラム1Y、1M、1C、1Kから離間させる動作は、中間転写ベルト8の磨耗劣化を軽減するためにおこなわれるものであって、主として非画像形成時におこなわれる。なお、黒色用の1次転写ローラ9Kを単独で上下方向に移動可能に構成したのは、モノクロ画像形成時に、カラー用の3つの1次転写ローラ9Y、9M、9Cを下方に移動してカラー用の感光体ドラム1Y、1M、1Cを中間転写ベルト8から離間させるためである。
転写ローラとしての2次転写対向ローラ12Bは、像担持体としての中間転写ベルト8を介して2次転写ローラ19に当接している。テンションローラ12Cは、中間転写ベルト8の外周面に当接している。2次転写対向ローラ12Bとテンションローラ12Cとの間に、中間転写クリーニング部10(クリーニングブレード)が設置されている。
補正ローラ12Dは、蛇行検知センサ(不図示である。)によって検知された中間転写ベルト8の変位(変位量)に基いて、一端側を固定端として他端側が上下方向に移動するように(回転軸が傾斜するように)構成されている。これにより、中間転写ベルト8の幅方向の変位(蛇行)が補正される。
図4は離間機構としての手動離間・自動接離機構30を示す斜視図であり、図5はその動作を示す概略図である。なお、図4において、自動カム35(第2カム部材)や中間転写ベルト8や他端側の第1スプリング34等の図示は省略している。また、図5では、簡単のため、第1スプリング34を圧縮スプリングとして図示している。
ここで、加圧板31は、手動離間時には2次転写ローラ19の近傍に配設された第2支点N2を回動支点として回動することになり、自動接離時には2次転写ローラ19から離れた位置に配設された第1支点N1を回動支点として回動することになる。これについては、後で図5(A)〜(C)を用いて詳しく説明する。
ここで、手動カム33は、図5を参照して、2次転写ローラ19から離れた位置であって、自動接離動作の回動支点となる第1支点N1の位置で加圧板31に当接するように配設されている。第1支点の位置には、加圧板31を上方に付勢する第2付勢部材としての第2スプリング32が配設されている。
付勢部材(第1付勢部材)としての第1スプリング34は、2次転写ローラ19の近傍に配設されている。第1スプリング34は、加圧板31を上方に付勢して中間転写ベルト8に対して2次転写ローラ19を圧接させるためのものである。
図5(A)を参照して、手動離間・自動接離機構30は、第1スプリング34(付勢部材)の位置を回動支点(第2支点N2)として、第2支点N2を中心に加圧板31を第2転写ローラ19とともに回動させて中間転写ベルト8に対して第2転写ローラ19を手動離間させる。具体的に、ユーザー等の操作者が手動レバーを操作すると、手動カム33が反時計方向に回転して加圧板31を下方に押し下げる。このとき、第1スプリング34によって加圧板31の一端(第2支点N2側である。)は天井面に当接して、加圧板31は第2支点N2を回動支点として回動して、第2スプリング32による付勢力に抗して第1支点N1の位置が下方に可変する。こうして、2次転写ローラ19が手動で離間される。
なお、図5(A)の状態から手動レバーを操作して手動カム33を時計方向に回転させると、加圧板31が第2支点N2を回動支点として回動して、図5(B)(又は、図5(C))の状態(自動接離が可能な状態である。)に復帰する。
すなわち、図5(B)を参照して、自動で2次転写ローラ19を離間させるときには、自動カム35が所定角度回転して加圧板31に位置Rで当接する。これにより、加圧板31は、2次転写ローラ19とともに、第1支点N1を回動支点として第1スプリング34のスプリング力に抗するように反時計方向に回転する。
これに対して、図5(C)を参照して、自動で2次転写ローラ19を当接させるときには、自動カム35が所定角度回転して加圧板31から離間する。これにより、加圧板31は、2次転写ローラ19とともに、第1支点N1を回動支点として第1スプリング34のスプリング力によって時計方向に回転して、2次転写ローラ19と中間転写ベルト8とが2次転写ニップSで当接した状態で静止する。このとき、第1スプリング34が接続された加圧板31の端部Qは天井面に当接していない状態である。
なお、自動カム35は第1支点N1と2次転写ローラ19との間に配設されているために、手動離間・自動接離機構30を比較的小型化することができる。
図6(A)に示すように、手動離間時には手動カム330が反時計方向に回転して加圧スプリング320のスプリング力に抗するように加圧板310を押し下げる。このとき、手動カム330及び加圧スプリング320は、2次転写ローラ19から充分離れた位置に配設されているために、手動離間操作時に必要な力を小さくすることができる。
これに対して、図6(B)及び図6(C)に示すように、自動接離時には、手動カム330が加圧板310に当接しない状態で、自動カム350が加圧板310に対して接離される。これにより、加圧板310が2次転写ローラ19とともに回動支点Kを中心にして回動して、2次転写ローラ19の自動接離がおこなわれる。このとき、2次転写ローラ19の近傍に回動支軸340が配設されているために、2次転写ローラ19と回動支軸340との平行度の精度が低い場合に、中間転写ベルト8に圧接する2次転写ローラ19に大きな圧力偏差が生じてしまうことになる。
12B 2次転写対向ローラ、
19 2次転写ローラ(当接部材、転写ローラ)、
30 離間機構(手動離間・自動接離機構)、
31 加圧板(加圧部材)、
32 第2スプリング(第2付勢部材)、
33 手動カム(カム部材)、
34 第1スプリング(付勢部材)、
35 自動カム(第2カム部材)、
100 画像形成装置本体(装置本体)、
N1 第1支点、 N2 第2支点。
Claims (6)
- 被当接部材に当接する当接部材を離間させる離間機構であって、
第1支点を中心に前記当接部材とともに回動可能に構成されるとともに、第1付勢部材に付勢されて前記被当接部材に対して前記当接部材を接離可能に圧接させる加圧部材と、
前記加圧部材を前記第1支点の位置で付勢する第2付勢部材と、
前記第2付勢部材による付勢力に抗して前記第1支点の位置を可変するカム部材と、
を備え、
手動操作に連動して前記カム部材を回転させることで、前記第1支点の位置を可変するとともに、前記第1付勢部材の付勢力によって前記加圧部材が変位して係止される位置を第2支点として当該第2支点を中心に前記加圧部材を前記当接部材とともに回動させて前記被当接部材に対して前記当接部材を離間させ、
前記当接部材は、前記第1支点と前記第2支点との間に配設され、
前記当接部材から前記第1支点までの距離が、前記当接部材から前記第2支点までの距離よりも長くなるように構成したことを特徴とする離間機構。 - 前記加圧部材が前記第1支点を中心に前記当接部材とともに回動可能な状態で、前記被当接部材に対して前記当接部材を自動で接離する自動接離手段をさらに備えたことを特徴とする請求項1に記載の離間機構。
- 前記自動接離手段は、前記第1支点と前記当接部材との間で前記加圧部材に接離する第2カム部材を具備したことを特徴とする請求項2に記載の離間機構。
- 前記被当接部材に対して前記当接部材を圧接させた状態であるときに、前記加圧部材が前記係止される位置に当接しないように形成されたことを特徴とする請求項1〜請求項3のいずれかに記載の離間機構。
- 前記当接部材は、転写ローラであって、
前記被当接部材は、像担持体であることを特徴とする請求項1〜請求項4のいずれかに記載の離間機構。 - 請求項1〜請求項5のいずれかに記載の離間機構を備えたことを特徴とする画像形成装置。
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