JP5001095B2 - 画像形成装置 - Google Patents

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Description

この発明は、複写機、プリンタ、ファクシミリ、又はそれらの複合機等の画像形成装置に関するものであって、特に、中間転写ベルト等のベルト部材が像担持体に対して接離自在に移動制御される画像形成装置に関するものである。
従来から、複写機やプリンタ等の画像形成装置において、中間転写ベルト(ベルト部材)を備えたタンデム型のカラー画像形成装置が知られている(例えば、特許文献1参照。)。
詳しくは、4つの感光体ドラム(像担持体)が中間転写ベルト(ベルト部材)に対向するように並設されている。また、4つの感光体ドラムに対して、中間転写ベルトを介して、4つの転写ローラ(転写部材)がそれぞれ圧接している。これらの4つの感光体ドラムでは、それぞれ、ブラック(黒色)、イエロー、マゼンタ、シアンのトナー像が形成される。そして、各感光体ドラムで形成された各色のトナー像が、中間転写ベルト上に重ねて転写される。さらに、中間転写ベルト上に担持された複数色のトナー像は、カラー画像として記録媒体上に転写される。
このような画像形成装置では、操作者がカラーモードと単色モード(モノクロモード)とのうちいずれかを選択できるように構成されているものが多い。
具体的に、特許文献1等では、自動接離機構(接離機構)によって、カラーモード(カラープリントモード)が選択されたときには4つの感光体ドラム(像担持体)のすべてを中間転写ベルトに当接させて、単色モード(単色プリントモード)が選択されたときには4つの感光体ドラム(像担持体)のうち関連する1つの感光体ドラムのみを中間転写ベルトに当接させて他の3つの感光体ドラムから中間転写ベルトを離間させている。このような接離動作をおこなうことで、単色モード時に出力画像上に他の色が混ざる「混色」や、単色モードに関与しない作像部材の磨耗劣化、等を抑止することができる。
特開2007−78754号公報
上述した従来の画像形成装置は、ジャムの発生等によって装置が突然に停止した場合や、停電等によって装置に供給される電力が突然に遮断された場合等に、4つの感光体ドラム(像担持体)に中間転写ベルト(ベルト部材)が当接したままの状態で装置が停止してしまうことがあった。そして、このように、4つの感光体ドラムに中間転写ベルトが当接した状態で、中間転写ベルトや転写ローラ(転写部材)を搭載したベルト装置を画像形成装置本体から引き出してしまうと、中間転写ベルトや感光体ドラムにキズがついてしまい、その後に出力される出力画像上に異常画像が生じてしまうことがあった。
中間転写ベルトや感光体ドラムは、比較的高価な部品であるために、このような問題は特に無視できないものになっていた。
この発明は、上述のような課題を解決するためになされたもので、装置が突然に停止した場合や、装置に供給される電力が突然に遮断された場合等であっても、ベルト部材や像担持体をキズつけることなく、ベルト装置の着脱動作を簡易におこなうことができる、画像形成装置を提供することにある。
この発明の請求項1記載の発明にかかる画像形成装置は、複数のローラ部材に張架されるとともに、上方に並設された複数の像担持体に当接するベルト部材と、前記ベルト部材を介して前記複数の像担持体にそれぞれ圧接する複数の転写部材と、前記複数の像担持体のうち1つの像担持体に対して前記ベルト部材を独立して接離させるために対応する1つの転写部材を自動で移動させるとともに、前記複数の像担持体のうち他の像担持体に対して前記ベルト部材を独立して接離させるために対応する他の転写部材を前記1つの転写部材とは別に自動で移動させる自動接離機構と、前記自動接離機構による前記1つの転写部材に対する移動と前記他の転写部材の移動とが同時にできなくなるように当該自動接離機構の係合を解除するとともに、前記複数の像担持体に対して前記ベルト部材を離間させるために前記複数の転写部材を手動で同時に移動させる手動接離機構と、を備え、前記自動接離機構は、装置に固設されるとともに第1カムを回転させる第1駆動モータと、前記第1カムの回転に連動して水平方向に移動して前記1つの転写部材を上方又は下方に移動させる第1移動部材と、前記第1カムに係合する第1係合部材と、一端が前記第1移動部材に支持されるとともに前記第1係合部材が前記第1カムに係合するように付勢する第1付勢部材と、前記1つの転写部材が上方に移動するように前記第1移動部材を水平方向に付勢する第2付勢部材と、装置に固設されるとともに第2カムを回転させる第2駆動モータと、前記第2カムの回転に連動して水平方向に移動して前記他の転写部材を上方又は下方に移動させる第2移動部材と、前記第2カムに係合する第2係合部材と、一端が前記第2移動部材に支持されるとともに前記第2係合部材が前記第2カムに係合するように付勢する第3付勢部材と、前記他の転写部材が上方に移動するように前記第2移動部材を水平方向に付勢する第4付勢部材と、を具備し、前記手動接離機構は、前記第1移動部材と前記第2移動部材とに同時に係合して、前記1つの転写部材が下方に移動するように前記第1移動部材を水平方向に移動して前記他の転写部材が下方に移動するように前記第2移動部材を水平方向に移動するとともに、前記第1カムと前記第1係合部材との係合を解除して前記第2カムと前記第2係合部材との係合を解除する解除カムと、前記解除カムを手動で回転させるための解除レバーと、を具備したものである。
また、請求項2記載の発明にかかる画像形成装置は、前記請求項1に記載の発明において、前記第1付勢部材の付勢力が前記第2付勢部材の付勢力よりも大きくなるように構成するとともに、前記第3付勢部材の付勢力が前記第4付勢部材の付勢力よりも大きくなるように構成したものである。
また、請求項3記載の発明にかかる画像形成装置は、前記請求項1又は請求項2に記載の発明において、前記解除カムが前記第1移動部材と前記第2移動部材とに係合したときに、前記第1移動部材と前記第2移動部材とが互いに離れる方向に水平移動するように構成されたものである。
また、請求項4記載の発明にかかる画像形成装置は、前記請求項1〜請求項3のいずれかに記載の発明において、前記ベルト部材と前記複数の転写部材とを具備するとともに、装置から着脱自在に構成されたベルト装置を備え、前記手動接離機構は、前記ベルト部材の着脱動作に連動して操作されるように構成されたものである。
また、請求項5記載の発明にかかる画像形成装置は、前記請求項1〜請求項4のいずれかに記載の発明において、前記自動接離機構は、カラー画像を形成するカラーモード時には前記複数の像担持体のすべてに前記ベルト部材を当接させて、単色画像を形成する単色モード時には前記1つの像担持体に前記ベルト部材を当接させて前記他の像担持体から前記ベルト部材を離間させるように制御されるものである。
本発明は、自動接離機構の係合を解除するとともに複数の像担持体に対してベルト部材を離間させるために複数の転写部材を手動で同時に移動させる手動接離機構を設けているために、装置が突然に停止した場合や、装置に供給される電力が突然に遮断された場合等であっても、ベルト部材や像担持体をキズつけることなく、ベルト装置の着脱動作が簡易におこなわれる、画像形成装置を提供することができる。
実施の形態.
以下、この発明を実施するための最良の形態について、図面を参照して詳細に説明する。なお、各図中、同一又は相当する部分には同一の符号を付しており、その重複説明は適宜に簡略化ないし省略する。
まず、図1及び図2にて、画像形成装置全体の構成・動作について説明する。
図1は画像形成装置としてのプリンタを示す構成図であり、図2はその作像部を示す拡大図である。
図1に示すように、画像形成装置本体100の中央には、ベルト装置としての中間転写ベルト装置15が設置されている。また、中間転写ベルト装置15の中間転写ベルト8(ベルト部材)に対向するように、各色(イエロー、マゼンタ、シアン、ブラック)に対応した作像部6Y、6M、6C、6Kが並設されている。
図2を参照して、イエローに対応した作像部6Yは、像担持体としての感光体ドラム1Yと、感光体ドラム1Yの周囲に配設された帯電部4Y、現像部5Y、クリーニング部2Y、除電部(不図示である。)等で構成されている。そして、感光体ドラム1Y上で、作像プロセス(帯電工程、露光工程、現像工程、転写工程、クリーニング工程)がおこなわれて、感光体ドラム1Y上にイエロー画像が形成されることになる。
なお、他の3つの作像部6M、6C、6Kも、使用されるトナーの色が異なる以外は、イエローに対応した作像部6Yとほぼ同様の構成となっていて、それぞれのトナー色に対応した画像が形成される。以下、他の3つの作像部6M、6C、6Kの説明を適宜に省略して、イエローに対応した作像部6Yのみの説明をおこなうことにする。
図2を参照して、感光体ドラム1Yは、不図示の駆動モータによって図2中の反時計方向に回転駆動される。そして、帯電部4Yの位置で、感光体ドラム1Yの表面が一様に帯電される(帯電工程である。)。
その後、感光体ドラム1Yの表面は、露光部7から発せられたレーザ光Lの照射位置に達して、この位置での露光走査によってイエローに対応した静電潜像が形成される(露光工程である。)。
その後、感光体ドラム1Yの表面は、現像部5Yとの対向位置に達して、この位置で静電潜像が現像されて、イエローのトナー像が形成される(現像工程である。)。
その後、感光体ドラム1Yの表面は、中間転写ベルト8(ベルト部材)及び転写ローラ9Y(1次転写ローラ)との対向位置に達して、この位置で感光体ドラム1Y上のトナー像が中間転写ベルト8上に転写される(1次転写工程である。)。このとき、感光体ドラム1Y上には、僅かながら未転写トナーが残存する。
その後、感光体ドラム1Yの表面は、クリーニング部2Yとの対向位置に達して、この位置で感光体ドラム1Y上に残存した未転写トナーがクリーニングブレード2aによってクリーニング部2Y内に回収される(クリーニング工程である。)。
最後に、感光体ドラム1Yの表面は、不図示の除電部との対向位置に達して、この位置で感光体ドラム1上の残留電位が除去される。
こうして、感光体ドラム1Y上でおこなわれる、一連の作像プロセスが終了する。
なお、上述した作像プロセスは、他の作像部6M、6C、6Kでも、イエロー作像部6Yと同様におこなわれる。すなわち、作像部の上方に配設された露光部7から、画像情報に基いたレーザ光Lが、各作像部6M、6C、6Kの感光体ドラム1M、1C、1K上に向けて照射される。詳しくは、露光部7は、光源からレーザ光Lを発して、そのレーザ光Lを回転駆動されたポリゴンミラーで走査しながら、複数の光学素子を介して感光体ドラム上に照射する。
その後、現像工程を経て各感光体ドラム上に形成した各色のトナー像を、中間転写ベルト8上に重ねて転写する。こうして、中間転写ベルト8上にカラー画像が形成される。
ここで、中間転写ベルト装置15(ベルト装置)は、図3を参照して、中間転写ベルト8、4つの転写ローラ9Y、9M、9C、9K (転写部材)、駆動ローラ12A、2次転写対向ローラ12B、テンションローラ12C、補正ローラ13、規制ローラ14、蛇行検知部80、異常検知部88、フォトセンサ90、中間転写クリーニング部10、等で構成される。中間転写ベルト8は、複数のローラ部材12A〜12C、13、14によって張架・支持されるとともに、1つのローラ部材(駆動ローラ)12Aの回転駆動によって図3中の矢印方向に無端移動される。
4つの転写ローラ9Y、9M、9C、9K(1次転写ローラ)は、それぞれ、中間転写ベルト8を感光体ドラム1Y 、1M 、1C 、1K との間に挟み込んで1次転写ニップを形成している。そして、転写ローラ9Y、9M、9C、9Kに、トナーの極性とは逆の高圧電圧(転写バイアス)が印加される。
そして、中間転写ベルト8は、矢印方向に走行して、転写ローラ9Y、9M、9C、9Kの1次転写ニップを順次通過する。こうして、感光体ドラム1Y 、1M 、1C 、1K上の各色のトナー像が、中間転写ベルト8上に重ねて1次転写される。
その後、各色のトナー像が重ねて転写された中間転写ベルト8は、2次転写ローラ19との対向位置に達する。この位置では、2次転写対向ローラ12Bが、2次転写ローラ19との間に中間転写ベルト8を挟み込んで2次転写ニップを形成している。そして、2次転写ローラ19に、トナーの極性とは逆の高圧電圧(2次転写バイアス)が印加される。これにより、中間転写ベルト8上に形成された4色のトナー像は、この2次転写ニップの位置に搬送された転写紙等の記録媒体P上に転写される(2次転写工程である。)。このとき、中間転写ベルト8には、記録媒体Pに転写されなかった未転写トナーが残存する。
その後、中間転写ベルト8は、中間転写クリーニング部10の位置に達する。そして、この位置で、中間転写ベルト8上の未転写トナーが除去される。
こうして、中間転写ベルト8上でおこなわれる、一連の転写プロセスが終了する。なお、ベルト装置としての中間転写ベルト装置15の構成・動作については、後で図3〜図16を用いてさらに詳しく説明する。
ここで、図1を参照して、2次転写ニップの位置に搬送された記録媒体Pは、装置本体100の下方に配設された給紙部26(又は、側方に配設された給紙部)から、給紙ローラ27やレジストローラ対28等を経由して搬送されたものである。
詳しくは、給紙部26には、転写紙等の記録媒体Pが複数枚重ねて収納されている。そして、給紙ローラ27が図1中の反時計方向に回転駆動されると、一番上の記録媒体Pがレジストローラ対28のローラ間に向けて給送される。
レジストローラ対28に搬送された記録媒体Pは、回転駆動を停止したレジストローラ対28のローラニップの位置で一旦停止する。そして、中間転写ベルト8上のカラー画像にタイミングを合わせて、レジストローラ対28が回転駆動されて、記録媒体Pが2次転写ニップに向けて搬送される。こうして、記録媒体P上に、所望のカラー画像が転写される。
その後、2次転写ニップの位置でカラー画像が転写された記録媒体Pは、定着部20の位置に搬送される。そして、この位置で、定着ローラ及び圧力ローラによる熱と圧力とにより、表面に転写されたカラー画像が記録媒体P上に定着される。
その後、記録媒体Pは、排紙ローラ対(不図示である。)によって装置外へと排出される。排紙ローラ対によって装置外に排出された被転写Pは、出力画像として、スタック部上に順次スタックされる。
こうして、画像形成装置における、一連の画像形成プロセスが完了する。
次に、図2にて、作像部における現像部の構成・動作について、さらに詳しく説明する。
現像部5Yは、感光体ドラム1Yに対向する現像ローラ51Yと、現像ローラ51Yに対向するドクターブレード52Yと、現像剤収容部内に配設された2つの搬送スクリュ55Yと、現像剤収容部に開口を介して連通するトナー補給経路43Yと、現像剤中のトナー濃度を検知する濃度検知センサ56Yと、等で構成される。現像ローラ51Yは、内部に固設されたマグネットや、マグネットの周囲を回転するスリーブ等で構成される。現像剤収容部内には、キャリアとトナーとからなる2成分現像剤が収容されている。
このように構成された現像部5Yは、次のように動作する。
現像ローラ51Yのスリーブは、図2の矢印方向に回転している。そして、マグネットにより形成された磁界によって現像ローラ51Y上に担持された現像剤は、スリーブの回転にともない現像ローラ51Y上を移動する。ここで、現像装置5Y内の現像剤は、現像剤中のトナーの割合(トナー濃度)が所定の範囲内になるように調整される。
その後、現像剤収容部内に補給されたトナーは、2つの搬送スクリュ55Yによって、現像剤とともに混合・撹拌されながら、隔絶された2つの現像剤収容部を循環する(図2の紙面垂直方向の移動である。)。そして、現像剤中のトナーは、キャリアとの摩擦帯電によりキャリアに吸着して、現像ローラ51Y上に形成された磁力によりキャリアとともに現像ローラ51Y上に担持される。
現像ローラ51Y上に担持された現像剤は、図2中の矢印方向に搬送されて、ドクターブレード52Yの位置に達する。そして、現像ローラ51Y上の現像剤は、この位置で現像剤量が適量化された後に、感光体ドラム1Yとの対向位置(現像領域である。)まで搬送される。そして、現像領域に形成された電界によって、感光体ドラム1Y上に形成された潜像にトナーが吸着される。その後、現像ローラ51Y上に残った現像剤はスリーブの回転にともない現像剤収容部の上方に達して、この位置で現像ローラ51Yから離脱される。
次に、図3〜図16にて、本実施の形態における中間転写ベルト装置15(ベルト装置)について詳述する。
図3は、ベルト装置としての中間転写ベルト装置15を示す構成図である。図4は、中間転写ベルト装置15の一部を幅方向にみた概略図である。図5は、中間転写ベルト装置15における蛇行検知部80の近傍を示す斜視図である。図6は、中間転写ベルト装置15における異常検知部88の近傍を示す斜視図である。
図3及び図4を参照して、中間転写ベルト装置15(ベルト装置)は、ベルト部材としての中間転写ベルト8、転写部材としての4つの転写ローラ9Y、9M、9C、9K 、駆動ローラ12A、2次転写対向ローラ12B、テンションローラ12C、補正ローラ13、規制ローラ14、蛇行検知部80、異常検知部88、フォトセンサ90、中間転写クリーニング部10、等で構成される。
ベルト部材としての中間転写ベルト8は、各色のトナー像をそれぞれ担持する4つの像担持体としての感光体ドラム1Y、1M、1C、1K(像担持体)に当接するように配設されている。中間転写ベルト8は、主として5つのローラ部材(駆動ローラ12、2次転写対向ローラ12B、テンションローラ12C、補正ローラ13、規制ローラ14である。)によって張架・支持されている。
本実施の形態において、中間転写ベルト8は、PVDF(フッ化ビニルデン)、ETFE(エチレン−四フッ化エチレン共重合体)、PI(ポリイミド)、PC(ポリカーボネート)、等を単層又は複数層に構成して、カーボンブラック等の導電性材料を分散させたものである。中間転写ベルト8は、体積抵抗率が107〜1012Ωcm、ベルト裏面側の表面抵抗率が108〜1012Ωcmの範囲になるように調整されている。また、中間転写ベルト8は、厚さが80〜100μmの範囲となるように設定されている。本実施の形態では、中間転写ベルト8の厚さが90μmに設定されている。また、中間転写ベルト8の周長は、2197.5mmに設定されている。
なお、必要に応じて中間転写ベルト8の表面に離型層をコートすることもできる。その際、コートに用いる材料として、ETFE(エチレン−四フッ化エチレン共重合体)、PTFE(ポリ四フッ化エチレン)、PVDF(フッ化ビニルデン)、PEA(パーフルオロアルコキシフッ素樹脂)、FEP(四フッ化エチレン−六フッ化プロピレン共重合体)、PVF(フッ化ビニル)、等のフッ素樹脂を使用できるが、これに限定されるものではない。
また、中間転写ベルト8の製造方法としては、注型法、遠心成形法、等があり、必要に応じてその表面を研磨する工程がおこなわれる。
転写部材としての転写ローラ9Y、9M、9C、9Kは、それぞれ、中間転写ベルト8を介して対応する感光体ドラム1Y、1M、1C、1Kに圧接している。詳しくは、イエロー用の転写ローラ9Yは中間転写ベルト8を介してイエロー用の感光体ドラム1Yに圧接し、マゼンタ用の転写ローラ9Mは中間転写ベルト8を介してマゼンタ用の感光体ドラム1Mに圧接し、シアン用の転写ローラ9Cは中間転写ベルト8を介してシアン用の感光体ドラム1Cに圧接し、ブラック用(黒色用)の転写ローラ9Kは中間転写ベルト8を介してブラック用(黒色用)の感光体ドラム1Kに圧接している。
4つの転写ローラ9Y、9M、9C、9Kは、自動接離機構によって、中間転写ベルト8を感光体ドラム1Y、1M、1C、1Kから離間させるように構成されている。
具体的に、4つの転写ローラ9Y、9M、9C、9Kのうち、カラー用の3つの転写ローラ9Y、9M、9Cは、上下方向に一体的に移動可能に構成されている。また、黒色用の転写ローラ9Kは、単独で上下方向に移動可能に構成されている。そして、4つの転写ローラ9Y、9M、9C、9Kが図3中の破線の位置に移動することで、中間転写ベルト8が感光体ドラム1Y、1M、1C、1Kから離間する(破線位置への移動であって、図7の状態である。)。このような中間転写ベルト8を感光体ドラム1Y、1M、1C、1Kから離間させる動作は、中間転写ベルト8の磨耗劣化を軽減するためにおこなわれるものであって、主として非画像形成時におこなわれる。また、黒色用の転写ローラ9Kを単独で上下方向に移動可能に構成したのは、単色モード時(モノクロ画像を形成するときである。)に、カラー用の3つの転写ローラ9Y、9M、9Cを下方に移動してカラー用の感光体ドラム1Y、1M、1Cを中間転写ベルト8から離間させるためである(図8の状態である。)。
このように、本実施の形態では、カラーモード(カラー画像を形成するモードである。)が選択されているときには、自動接離機構によって、4つの感光体ドラム1Y、1M、1C、1Kのすべてに中間転写ベルト8が当接するように構成されている(図3の状態である。)。また、単色モード(単色画像を形成するモードである。)が選択されているときには、自動接離機構によって、1つの感光体ドラム1Kのみに中間転写ベルト8が当接して、他の3つの感光体ドラム1Y、1M、1Cが中間転写ベルト8から離間するように構成されている(図8の状態である。)。
なお、本実施の形態における中間転写ベルト装置には、自動で中間転写ベルトの接離動作をおこなう自動接離機構の他に、手動で中間転写ベルトの接離動作をおこなう手動接離機構が設けられているが、これらの構成・動作については後で図11〜図16を用いて詳述する。
駆動ローラ12Aは、駆動モータ70によって回転駆動される。これにより、中間転写ベルト8は所定の走行方向(図3の時計方向である。)に走行することになる。駆動モータ70は、ステッピングモータであって、制御部72に制御されたドライブ71からのドライブ信号(パルス信号)によって稼動する。
2次転写対向ローラ12Bは、中間転写ベルト8を介して2次転写ローラ19に当接している。もう1つのテンションローラ12Cは、中間転写ベルト8の外周面に当接している。2次転写対向ローラ12Bとテンションローラ12Cとの間に、中間転写クリーニング部10(クリーニングブレード)が設置されている。
ここで、本実施の形態における中間転写ベルト装置15には、中間転写ベルト8の幅方向(図3の紙面垂直方向である。)の変位を検知する蛇行検知部80(検知手段)が設置されている。具体的に、蛇行検知部80は、中間転写ベルト8の幅方向の単位時間あたりの変位量(蛇行速度)を検知する。
さらに詳しくは、図5を参照して、蛇行検知部80は、中間転写ベルト8の幅方向端部に当接する揺動部材82、揺動部材82の変位量を検知する測距センサ81、揺動部材82を中間転写ベルト8に当接させる方向に付勢するスプリング83、等で構成されている。
揺動部材82は、第1アーム部82a、回転支軸82b、第2アーム部82c等で構成されている。第1アーム部82aは、一端が中間転写ベルト8の幅方向端部に当接して、他端が回転支軸82bに固設されている。回転支軸82bは、中間転写ベルト装置15の筐体(不図示である。)に回転自在に支持されている。第2アーム部82cは、一端が回転支軸82bに固設されている。第2アーム部82cの中央には、スプリング83の一端が接続されている。スプリング83の他端は筐体に接続されている。
このような構成により、揺動部材82は、中間転写ベルト8の幅方向の変位(図5中の破線両矢印方向のベルト寄りである。)に追従して揺動することになる(図5中の実線両矢印方向の揺動である。)。なお、本実施の形態では、中間転写ベルト8は、通常時に走行方向(図5の矢印方向である。)に440mm/秒で走行するように設定されている。
そして、揺動部材82の第2アーム部82cの他端の上方には、測距センサ81が設置されている(筐体に固設されている。)。測距センサ81は、主として、水平方向に離間して並設された発光素子(赤外発光ダイオード)と位置検出素子(PSD)とで構成されている。発光素子から射出された赤外光は、第2アーム部82c表面にて反射して、反射光となって位置検出素子に入射する。このとき、測距センサ81と第2アーム部82c表面との距離によって、位置検出素子に入射する反射光の入射位置が変化して、それに比例して受光素子(測距センサ81)の出力値が変化する。これにより、中間転写ベルト8の幅方向の変位量(第2アーム部82c表面との距離)を検知することができる。具体的に、測距センサ81の出力値が所定値(電圧V0)よりも小さい場合には中間転写ベルト8は狙いの位置に対してプラス方向に変位(図5の右側への位置ずれである。)していることになり、測距センサ81の出力値が所定値(電圧V0)よりも大きい場合には中間転写ベルト8は狙いの位置に対してマイナス方向に変位(図5の左側への位置ずれである。)に変位していることになる。
また、本実施の形態では、通常の画像形成時(プリント時)等に、蛇行検知部80によって、異常なベルト寄りをも検知(異常検知)する。
詳しくは、狙いの位置(位置ずれ0mm)に対して±0.5mmのベルト寄り(位置ずれ)を許容範囲(プリント許容範囲)として、蛇行検知部80の検知結果に基いて補正ローラ13によるベルト位置ずれ補正をおこなう。そして、中間転写ベルト8のベルト寄り(位置ずれ)が蛇行検知部80の検知範囲(±1mm)外になったときに、比較的大きなベルト寄りが生じているものとして、装置を強制的に停止するとともに、装置本体100の表示部(不図示である。)に異常検知の表示をおこなう。
なお、このような蛇行検知部80による異常検知とは別に、異常検知部88による異常検知もおこなわれる。このようにベルト寄りの異常検知を2重でおこなっているのは、蛇行検知部80の故障や制御ソフトの暴走等が生じても確実に異常検知をおこなうためである。
ここで、蛇行検知部80の近傍には、中間転写ベルト8の幅方向及び走行方向とは異なる方向の変位を規制する規制ローラ14が設置されている。具体的に、規制ローラ14は、揺動部材82(第1アーム部82a)と中間転写ベルト8との当接位置に近接されている(当接位置に対して中間転写ベルト8の走行方向上流側である。)。
このような構成により、蛇行検知部80(揺動部材82と中間転写ベルト8との当接位置)における、中間転写ベルト8の幅方向に直交する方向(図4の紙面垂直方向である。)の変位(振れ)が軽減される。すなわち、中間転写ベルト8は、規制ローラ14によってベルト張力が高められるために、蛇行検知部80の位置の直交方向の変位が規制される。したがって、蛇行検知部80によって、本来的に検知されるべき検知成分(幅方向の検知成分である。)の他に、幅方向及び走行方向とは異なる方向の変位成分も検知されてしまう不具合が軽減される。すなわち、蛇行検知部80による、中間転写ベルト8のベルト寄りに対する検知精度が向上する。
そして、蛇行検知部80によって中間転写ベルト8の変位(蛇行速度)が検知されると、その検知結果に基いて補正ローラ13(補正手段)によって中間転写ベルト8の幅方向の変位が補正される。
ここで、補正ローラ13は、図3を参照して、感光体ドラム1Y、1M、1C、1Kに対して中間転写ベルト8の走行方向上流側であって、中間転写ベルト8の内周面に接するように配設されている。そして、補正ローラ13は、図4を参照して、揺動機構73の駆動カム(不図示である。)が所定角度動作することにより、揺動中心13aを中心にしてX1、X2方向に揺動するように構成されている。
このような構成により、図4において、中間転写ベルト8が右側に変位(ベルト寄り)したときには、その検知結果に基いて、揺動機構73によって補正ローラ13がX2方向に揺動されて中間転写ベルト8の変位補正がおこなわれる。これに対して、中間転写ベルト8が左側に変位したときには、その検知結果に基いて、揺動機構73によって補正ローラ13がX1方向に揺動されて中間転写ベルト8の変位補正がおこなわれる。これにより、中間転写ベルト8が蛇行することによりカラー画像の品質が低下する不具合や、中間転写ベルト8が幅方向に大きく変位(ベルト寄り)して他の部材に接触して中間転写ベルト8が破損する不具合、等が抑止される。
また、本実施の形態における中間転写ベルト装置15は、図4を参照して、中間転写ベルト8の幅方向両端から所定距離離れた位置に、異常検知部88が設置されている。
図6に示すように、異常検知部88は、大きくベルト寄りした中間転写ベルト8に接触するアーム部材90、中間転写ベルト8の接触によるアーム部材の回転支軸90bを中心にした移動を光学的に検知するオーバラン検知センサ89(光学センサ)、アーム部材90の姿勢を維持するためのスプリング91、等で構成されている。
詳しくは、図6を参照して、アーム部材90は、第1アーム部90a、回転支軸90b、第2アーム部90c等で構成されている。第1アーム部90aは、一端が正常位置にある中間転写ベルト8の幅方向端部から5mm離れた位置に配設されていて、他端が回転支軸90bに固設されている。回転支軸90bは、中間転写ベルト装置15の筐体(不図示である。)に回転自在に支持されている。第2アーム部90cは、一端が回転支軸90bに固設され、他端がオーバラン検知センサ89の発光部89aと受光部89bとの間に配設されている。第2アーム部90cの中央には、スプリング91の一端が接続されている。スプリング91の他端は筐体に接続されている。また、図示は省略するが、第2アーム部90cの一部は、スプリング91の付勢力によって筐体の位置決め部に当接している。
このような構成により、アーム部材90は、中間転写ベルト8に5mmを超える大きなベルト寄りが生じたときに、中間転写ベルト8に当接して揺動することになる(図6中の実線矢印方向の揺動である。)。
そして、そのような状態が、オーバラン検知センサ89によって検知される。すなわち、第2アーム部90cの先端が発光部89aと受光部89bとの間から離間する状態を、発光部89aから発光された光が受光部89bで受光されることによって認識する。
そして、このように異常検知部88(オーバラン検知センサ89)によって異常検知がされたときに、中間転写ベルト8(駆動ローラ12A)の駆動の停止、感光体ドラム1Y、1M、1C、1K及び第2転写ローラ19の駆動の停止、感光体ドラム1Y、1M、1C、1K及び第2転写ローラ19に対する中間転写ベルト8の相対的な離間動作、等を強制的におこない、装置本体100の表示部にサービスマン・コールの表示(サービスマンによる修理を要する旨の表示である。)をおこなう。
なお、本実施の形態では、図3を参照して、2次転写ローラ19が中間転写ベルト8に対して接離自在に移動(矢印方向の移動である。)するように構成されている。
また、本実施の形態における中間転写ベルト装置15は、図3及び図4を参照して、フォトセンサ90が設置されている。ここで、フォトセンサ90は、中間転写ベルト8上に担持されるトナー像(パッチパターン)の位置や濃度を検知するものであって、作像条件を最適化するためのものである。具体的に、上述した作像プロセスを経て中間転写ベルト8上に形成した各色のトナー像(パッチパターン)の位置ズレをフォトセンサ90のよって光学的に検知して、その検知結果に基いて露光部7による各感光体ドラム1Y、1M、1C、1Kへの露光タイミングを調整する。さらには、上述した作像プロセスを経て中間転写ベルト8上に形成したトナー像(パッチパターン)の濃度(トナー濃度)をフォトセンサ90のよって光学的に検知して、その検知結果に基いて現像部5内に収容された現像剤のトナー濃度を調整する。
以下、図9及び図10にて、中間転写ベルト装置15(ベルト装置)における中間転写ベルト8(ベルト部材)の交換作業について詳述する。
図9は、画像形成装置100に中間転写ベルト装置15が設置された状態を示す上面図である。図10は、画像形成装置100から中間転写ベルト装置15を引き出した状態を示す上面図である。
図9に示すように、中間転写ベルト装置15は、スライダー140、150を介して、画像形成装置本体100に保持されている。このスライダーは、装置本体100側に固設された保持部140と、保持部140に対してスライド移動可能に設置されたスライダー本体150と、で構成されている。そして、このようなスライダー140、150の構成によって、図10に示すように、ベルト交換時の作業者の操作により、中間転写ベルト装置15は、装置本体100に対して幅方向に引き出された状態で装置本体100に保持されることになる。
図9を参照して、中間転写ベルト装置15のフレーム(筐体)は、後フレーム110、前フレーム115、左右2つの横フレーム130、2つの補強フレーム120、等で構成されている。
前フレーム115は、補強フレーム120を介して後フレーム110に固設されている。後フレーム110は、横フレーム130を介してスライダー(スライダー本体150)に固設されている。また、後フレーム110と前フレーム115とによって、複数のローラ部材12A〜12C、13、14A、14Bの両端軸部が軸受を介して回転自在に支持されている。
なお、固定板160は、ベルト交換をおこなわないときに中間転写ベルト装置15が手前側にスライド移動するのを防止するためのもので、前フレーム115に係合するように装置本体100の手前側に着脱自在に設置されている。
また、前フレーム115の長手方向の長さは駆動ローラ12Aと補正ローラ13とのスパンよりも長く設定されるとともに、前フレーム115と横フレーム130との間には隙間(少なくとも中間転写ベルト8の厚さよりも大きな隙間である。)が設けられている。これにより、装置15に対して中間転写ベルト8を幅方向に着脱することができる。
中間転写ベルト8は、次のような手順で中間転写ベルト装置15から取り出される。
まず、作業者によって、固定板160が装置本体100から取り外される。その後、中間転写ベルト装置15の解除レバー260を回転して、解除レバー260を把持した状態で中間転写ベルト装置15が操作側に引き出される(図10の白矢印方向の移動である。)。このとき、解除レバー260の回転動作に連動して、同軸上に設置された解除カム200が回転して、4つの感光体ドラム1Y、1M、1C、1Kに対して中間転写ベルト8が手動で離間されることになる。これについては、後でさらに詳しく説明する。
そして、中間転写ベルト装置15が引き出されて保持された状態で、テンションローラ12Cの移動によるベルト張力の解除がおこなわれる。その後、中間転写ベルト8が操作側に引き出されて(図10の矢印方向の移動である。)、中間転写ベルト装置15からのベルトの取り出しが完了する。
なお、新品の中間転写ベルト8を中間転写ベルト装置15に装着するときの手順は、上述の取り外し時の手順と逆の手順でおこなわれる。
また、上述した中間転写ベルト装置15の着脱動作は、中間転写ベルト8の交換作業をおこなう場合に限定されることなく、ベルト装置15の近傍でジャムが発生したときにジャム処理をおこなう場合や、中間転写ベルト8以外の構成部品(例えば、駆動モータ70である。)のメンテナンスをおこなう場合等にも、おこなわれる。そして、その場合にも、解除レバー260の操作に連動して、同軸上に設置された解除カム200が回転して、4つの感光体ドラム1Y、1M、1C、1Kに対して中間転写ベルト8が手動で離間されることになる(手動接離機構が動作することになる。)。
以下、図11〜図16にて、本実施の形態における画像形成装置において特徴的な、中間転写ベルト装置15の接離機構(自動接離機構及び手動接離機構)について詳述する。
図11は、自動接離機構及び手動接離機構を示す正面図である。図12は、中間転写ベルト8を離間したときの自動接離機構及び手動接離機構を示す正面図である。図13は、自動接離機構及び手動接離機構の一部を示す斜視図である。図14は、単色モード時の自動接離機構及び手動接離機構を示す正面図である。図15は、手動接離機構が操作されたときの自動接離機構及び手動接離機構を示す正面図である。図16は、自動接離機構及び手動接離機構の動作を簡略化して示す模式図である。
本実施の形態における中間転写ベルト装置15には、黒色用の感光体ドラム1Kに対して中間転写ベルト8を独立して接離させるために黒色用の転写ローラ9Kを自動で移動させるとともに、他の3つの感光体ドラム1Y、1M、1C(他の像担持体)に対して中間転写ベルト8を独立して接離させるために他の3つの転写ローラ9Y、9M、9C(他の転写部材)を黒色用の転写ローラ9Kとは別に自動で移動させる自動接離機構が設けられている。
詳しくは、図11〜図16を参照して、自動接離機構は、黒色用の自動接離機構と、カラー(YMC)用の自動接離機構と、で構成されている。
黒色用の自動接離機構は、中間転写ベルト装置15(又は、装置本体100)に固設されるとともに第1カム241を回転させる第1駆動モータ240A、第1カム241の回転に連動して水平方向に移動して黒色用の転写ローラ9Aを上方又は下方に移動させる第1移動部材210A、第1カム241に係合する第1係合部材250、一端が第1移動部材210Aに支持されるとともに第1係合部材250が第1カム241に係合するように付勢する第1付勢部材としてのスプリング251、黒色用の転写ローラ9Kが上方に移動するように第1移動部材210Aを水平方向に付勢する第2付勢部材としてのスプリング231、等で構成されている。
図11を参照して、黒色用の転写ローラ9Kの両端の軸部9Kaは、軸受222、加圧スプリング223を介して、支持アーム220Kに回転自在に支持されている。支持アーム220Kは、ベルト装置15の側板(不図示である。)に対して、支軸221を中心にして回転自在に支持されている。そして、第1移動部材210Aに設置された揺動板212(スプリング215によって上方に付勢されている。)の起立部212a(図13を参照できる。)が支持アーム220Kに係合して、支持アーム220Kの突起部が感光体ドラム1Kの位置決め部1aに突き当たることで、中間転写ベルト8を介して感光体ドラム1Kに対して転写ローラ9Kが精度よく加圧されることになる。
図13を参照して、第1駆動モータ240Aには、減速ギア列を介して第1カム241(偏芯カム)が設置されている。そして、装置本体100の制御部からの制御信号に基いて第1駆動モータ240Aが稼動されると、第1カム241が所定角度回転して、第1カム241に係合する第1係合部材250が第1カム241の周面位置の変位に追従することになる。
感光体ドラム1Kに対して転写ローラ9K(中間転写ベルト8)を離間させる場合には、第1係合部材250が図11の右方向に変位するように、第1カム241が所定角度回転される。これにより、スプリング251(第1付勢部材)のスプリング力によって、第1移動部材210A(揺動板212)が図11の右方向に水平移動して、揺動板212の起立部212aと支持アーム220Kとの係合が解除される。こうして、支持アーム220Kが支軸221を中心にして回転して、感光体ドラム1Kに対して転写ローラ9K(中間転写ベルト8)が下方に離間する(図12の状態である。)。
これに対して、感光体ドラム1Kに対して転写ローラ9K(中間転写ベルト8)を当接させる場合には、第1係合部材250が図11の左方向に変位するように、第1カム241が所定角度回転される。これにより、スプリング231(第2付勢部材)のスプリング力によって、第1移動部材210A(揺動板212)が図11の左方向に水平移動して、揺動板212の起立部212aと支持アーム220Kとが係合する。こうして、支持アーム220Kが支軸221を中心にして回転して、感光体ドラム1Kに対して転写ローラ9K(中間転写ベルト8)が上方に移動して当接する(図11の状態である。)。このように、第2付勢部材としてのスプリング231を設けることで、第1移動部材210Aを水平移動して支持アーム220Kにて転写ローラ9Kを持ち上げる際の第1駆動モータ240Aの負荷が軽減されることになる。
一方、カラー(YMC)用の自動接離機構は、中間転写ベルト装置15(又は、装置本体100)に固設されるとともに第2カム241を回転させる第2駆動モータ240B、第2カム241の回転に連動して水平方向に移動して3つの転写ローラ9Y、9M、9Cを上方又は下方に移動させる第2移動部材210B、第2カム241に係合する第2係合部材250、一端が第2移動部材210Bに支持されるとともに第2係合部材250が第2カム241に係合するように付勢する第3付勢部材としてのスプリング251、3つの転写部材9Y、9M、9Cが上方に移動するように第2移動部材210Bを水平方向に付勢する第4付勢部材としてのスプリング231、等で構成されている。
図11を参照して、カラー用の転写ローラ9Y、9M、9Cの両端の軸部9Ya、9Ma、9Caは、それぞれ、軸受、加圧スプリングを介して、支持アーム220Y、220M、220Cに回転自在に支持されている。各支持アーム220Y、220M、220Cは、ベルト装置15の側板(不図示である。)に対して、支軸221を中心にして回転自在に支持されている。そして、第2移動部材210Bに設置された各揺動板212(スプリング215によって上方に付勢されている。)の起立部212a(図13を参照できる。)が支持アーム220Y、220M、220Cにそれぞれ係合して、支持アーム220Y、220M、220Cの突起部が各感光体ドラム1Y、1M、1Cの位置決め部1aに突き当たることで、中間転写ベルト8を介して感光体ドラム1Y、1M、1Cに対して転写ローラ9Y、9M、9Cが精度よく加圧されることになる。
図13を参照して、第2駆動モータ240Bには、減速ギア列を介して第2カム241(偏芯カム)が設置されている。そして、装置本体100の制御部からの制御信号に基いて第2駆動モータ240Bが稼動されると、第2カム241が所定角度回転して、第2カム241に係合する第2係合部材250が第2カム241の周面位置の変位に追従することになる。
感光体ドラム1Y、1M、1Cに対して転写ローラ9Y、9M、9C(中間転写ベルト8)を離間させる場合には、第2係合部材250が図11の左方向に変位するように、第2カム241が所定角度回転される。これにより、スプリング251(第3付勢部材)のスプリング力によって、第2移動部材210B(揺動板212)が図11の左方向に水平移動して、揺動板212の起立部212aと支持アーム220Y、220M、220Cとの係合が解除される。こうして、支持アーム220Y、220M、220Cが支軸221を中心にして回転して、感光体ドラム1Y、1M、1Cに対して転写ローラ9Y、9M、9C(中間転写ベルト8)が下方に離間する(図12の状態である。)。
これに対して、感光体ドラム1Y、1M、1Cに対して転写ローラ9Y、9M、9C(中間転写ベルト8)を当接させる場合には、第2係合部材250が図11の右方向に変位するように、第2カム241が所定角度回転される。これにより、スプリング231(第4付勢部材)のスプリング力によって、第2移動部材210B(揺動板212)が図11の右方向に水平移動して、揺動板212の起立部212aと支持アーム220Y、220M、220Cとが係合する。こうして、支持アーム220Y、220M、220Cが支軸221を中心にして回転して、感光体ドラム1Y、1M、1Cに対して転写ローラ9Y、9M、9C(中間転写ベルト8)が上方に移動して当接する(図11の状態である。)。このように、第4付勢部材としてのスプリング231を設けることで、第2移動部材210Bを水平移動して支持アーム220Y、220M、220Cにて転写ローラ9Y、9M、9Cを持ち上げる際の第2駆動モータ240Bの負荷が軽減されることになる。
以上説明したように、黒色用の自動接離機構と、カラー(YMC)用の自動接離機構と、を独立して設けることで、先に図3、図7、図8にて説明した中間転写ベルト8の種々の接離動作をおこなうことができる。
具体的に、図11に示すように、カラーモード時には、黒色用の自動接離機構と、カラー(YMC)用の自動接離機構と、をともにオン状態(当接状態)として、4つの感光体ドラム1Y、1M、1C、1Kのすべてに対して中間転写ベルト8を当接させる(図3の状態である。)。
また、図12に示すように、非画像形成時には、黒色用の自動接離機構と、カラー(YMC)用の自動接離機構と、をともにオフ状態(離間状態)として、4つの感光体ドラム1Y、1M、1C、1Kのすべてに対して中間転写ベルト8を離間させる(図7の状態である。)。
また、図14に示すように、単色モード時には、黒色用の自動接離機構をオン状態として、カラー(YMC)用の自動接離機構をオフ状態として、黒色用の感光体ドラム1Kのみに対して中間転写ベルト8を当接させて、他の3つの感光体ドラム1Y、1M、1Cに対して中間転写ベルト8を離間させる(図8の状態である。)。
ここで、本実施の形態では、黒色用の自動接離機構とカラー(YMC)用の自動接離機構とが同時に機能しなくなるように自動接離機構の係合を解除するとともに、4つの感光体ドラム1Y、1M、1C、1Kに対して中間転写ベルト8を離間させるために4つの転写ローラ9Y、9M、9C、9Kを手動で同時に移動させる手動接離機構が設置されている。
詳しくは、手動接離機構は、解除カム200、解除レバー260等で構成されている。図15を参照して、解除カム200は、上述した解除レバー260(図9を参照できる。)の手動操作により90度回転して、第1移動部材210Aの係合部211と第2移動部材210Bの係合部211とに同時に係合する。
解除カム200が係合部211に係合すると、第1移動部材210A(揺動板212)が水平方向に移動(図15の右方向の移動である。)して、揺動板212の起立部212aと支持アーム220Kとの係合が解除される。こうして、支持アーム220Kが支軸221を中心にして回転して、感光体ドラム1Kに対して黒色用の転写ローラ9K(中間転写ベルト8)が下方に離間する(図15の状態である。)。このとき、第1係合部材250は、第1移動部材210Aの移動に連動して、第1カム241との係合が解除される位置に移動する。
同様に、解除カム200が係合部211に係合すると、第2移動部材210B(揺動板212)が水平方向に移動(図15の左方向の移動である。)して、揺動板212の起立部212aと支持アーム220Y、220M、220Cとの係合が解除される。こうして、各支持アーム220Y、220M、220Cが支軸221を中心にして回転して、感光体ドラム1Y、1M、1Cに対して3つの転写ローラ9Y、9M、9C(中間転写ベルト8)が下方に離間する(図15の状態である。)。このとき、第2係合部材250は、第2移動部材210Bの移動に連動して、第2カム241との係合が解除される位置に移動する。
なお、解除状態から当接状態に戻すときには、上述した解除時の動作と逆の動作が手動接離機構にておこなわれる。すなわち、解除レバー260の操作によって解除カム200と係合部211との係合が解除されてスプリング231のスプリング力によって移動部材210A、210Bが移動して、係合部材250はカム241に係合する位置に移動する。これにより、自動接離機構が機能する状態に復帰する。
このように、手動接離機構(解除レバー260)が操作されたときには、自動接離機構が機能しないようにカム241と係合部材250との係合が解除される。換言すると、図11、図12、図14に示すように、手動接離機構が操作されないときには、解除カム200が自動接離機構の機能を妨げない状態(係合部211を押動しない状態)になっている。
このような構成により、ジャムの発生等によって装置100が突然に停止した場合や、停電等によって装置100に供給される電力が突然に遮断された場合等であっても、中間転写ベルト装置15の着脱操作がおこなわれるときには、その操作に連動して必ず解除レバー260の操作がおこなわれ、解除カム200の回転動作による自動接離機構の解除と中間転写ベルト8の離間動作とがおこなわれるため、中間転写ベルト8や感光体ドラム1Y、1M、1C、1Kにキズがついてしまい、その後に出力される出力画像上に異常画像が生じてしまう不具合を抑止することができる。
ここで、本実施の形態では、第1付勢部材としてのスプリング251の付勢力(スプリング力)が第2付勢部材としてのスプリング231の付勢力よりも大きくなるように構成するとともに、第3付勢部材としてのスプリング251の付勢力が第4付勢部材としてのスプリング231の付勢力よりも大きくなるように構成している。このような構成により、上述した手動接離機構及び自動接離機構の動作が確実なものになる。
また、本実施の形態では、解除カム200が第1移動部材210Aと第2移動部材210Bとに係合したときに、第1移動部材210Aと第2移動部材210Bとが互いに離れる方向に水平移動するように構成している。これにより、解除カム200の構成が簡易になるとともに、解除レバー260を操作するときに必要な力を比較的小さくすることができる。
最後に、図16にて、上述した中間転写ベルト装置15における自動接離機構及び手動接離機構の動作を簡単にまとめて説明する。
図16(A)は、4つの感光体ドラム1Y、1M、1C、1Kのすべてに対して中間転写ベルト8を当接させているときの接離機構の状態を示す模式図である(図3及び図11に対応した図である。)。図16(B)は、自動接離機構を用いて4つの感光体ドラム1Y、1M、1C、1Kのすべてに対して中間転写ベルト8を離間させているときの状態を示す模式図である(図7及び図12に対応した図である。)。図16(C)は、手動接離機構を用いて4つの感光体ドラム1Y、1M、1C、1Kに対して中間転写ベルト8を離間させているときの状態を示す模式図である(図15に対応した図である。)。なお、図16(A)〜(C)において、簡単のため、種々の構成部品の形状や位置等を模式的に図示している。
自動接離機構を用いて、感光体ドラム1Y、1M、1C、1Kに対して中間転写ベルト8を離間させるときには、接離機構は図16(A)の状態から図16(B)の状態に移行する。すなわち、駆動モータの駆動によるカム241の回転に連動して係合部材250とともに移動部材210A、210Bが水平移動して、揺動板212(起立部212a)の係合が解除されて転写ローラ9Kが下方に移動する。
これに対して、手動接離機構を用いて、感光体ドラム1Y、1M、1C、1Kに対して中間転写ベルト8を離間させるときには、接離機構は図16(A)の状態から図16(C)の状態に移行する。すなわち、解除カム200の回転(係合部211との当接)に連動して移動部材210A、210Bが水平移動して、揺動板212(起立部212a)の係合が解除されて転写ローラ9Kが下方に移動する。このとき、移動部材210A、210Bの水平移動に連動して、係合部材250はスプリング251(第1、第3付勢部材)のスプリング力に抗するようにカム241との係合が解除される位置に移動する(自動接離機構が機能しなくなる。)。詳しくは、カム241を挟むように配設された係合部材250の一端(移動部材210A、210Bに固設されている。)は、移動部材210A、210Bの水平移動に連動してカム241から離れる位置に水平移動する。これに対して、カム241を挟むように配設された係合部材250の他端(移動部材210A、210Bに回転自在に固設されている。)は、移動部材210A、210Bの水平移動に連動して、解除カム200によって保持される力に対してスプリング251(第1、第3付勢部材)のスプリング力が抗するように、カム241の姿勢に合わせて回転中心を中心にして傾倒する。
なお、本実施の形態では、カム241を挟むように係合部材250を構成したが、係合部材250の構成はこれに限定されることなく、例えば、カム241の一端側にのみ係合部材が当接するように構成することもできる。
以上説明したように、本実施の形態では、自動接離機構の係合を解除するとともに4つの感光体ドラム1Y、1M、1C、1K(複数の像担持体)に対して中間転写ベルト8(ベルト部材)を離間させるために4つの転写ローラ9Y、9M、9C、9K(複数の転写部材)を手動で同時に移動させる手動接離機構を設けているために、装置100が突然に停止した場合や、装置100に供給される電力が突然に遮断された場合等であっても、中間転写ベルト8や感光体ドラム1Y、1M、1C、1Kをキズつけることなく、中間転写ベルト装置15の着脱動作を簡易におこなうことができる。
なお、本実施の形態では、ベルト部材(当接部材)として中間転写ベルト8を用いたベルト装置(中間転写ベルト装置15)に対して本発明を適用した。これに対して、ベルト部材(当接部材)として転写搬送ベルトを用いたベルト装置(ベルト部材上で記録媒体を搬送しながら記録媒体上に複数色のトナー像を転写するベルト装置である。)に対しても本発明を適用することができる。さらに、ベルト部材(当接部材)として感光体ベルト(本実施の形態における感光体ドラムと同等に機能するものであって、無端ベルト形状の感光体である。)を用いたベルト装置に対しても本発明を適用することができる。これらの場合にも、所定のタイミングで対象物(感光体ドラムや現像ローラ等である。)に対して当接部材を自動で相対的に接離する自動接離機構と、自動接離機構による接離動作が機能しないように自動接離機構の係合を解除するとともに対象物に対して当接部材を手動で相対的に接離する手動接離機構と、を設けることで、装置100が突然に停止した場合や、装置100に供給される電力が突然に遮断された場合等であっても、対象物や当接部材をキズつけることなく、ベルト装置の着脱動作を簡易におこなうことができる。
ここで、手動接離機構による離間時の対象物(感光体等)〜当接部材(ベルト等)のギャップは、自動離間機構による離間時の対象物(感光体等)〜当接部材(ベルト等)のギャップより広くすると良い。手動接離機構を用いて対象物と当接部材とを離間するときには、当接部材や対象物の着脱作業をともなうことが多いため、着脱作業時に当接部材や対象物を傷つけないようにする必要があるからである。離間時の対象物と当接部材とのギャップは2mm以上に設定するとよい。これに対して、自動離間機構を用いて対象物と当接部材とを離間するときには、当接部材や対象物の着脱作業をともなわないため、離間時の対象物と当接部材とのギャップを必要最小限に設定することができる。このように離間時のギャップを狭く設定することにより、接離動作に要する時間を短くすることができるため、カラーモードから単色モードへの切り替え時間(又は、単色モードからカラーモードへの切り替え時間)を短くすることができる。
なお、本発明が本実施の形態に限定されず、本発明の技術思想の範囲内において、本実施の形態の中で示唆した以外にも、本実施の形態は適宜変更され得ることは明らかである。また、前記構成部材の数、位置、形状等は本実施の形態に限定されず、本発明を実施する上で好適な数、位置、形状等にすることができる。
この発明の実施の形態における画像形成装置を示す全体構成図である。 図1の画像形成装置における作像部を示す断面図である。 図1の画像形成装置に設置されるベルト装置を示す構成図である。 ベルト装置の一部を幅方向にみた概略図である。 蛇行検知部を示す斜視図である。 異常検知部を示す斜視図である。 中間転写ベルトを離間したときのベルト装置を示す概略図である。 単色モード時のベルト装置を示す概略図である。 画像形成装置にベルト装置が設置された状態を示す上面図である。 ベルト装置を引き出した状態を示す上面図である。 自動接離機構及び手動接離機構を示す正面図である。 中間転写ベルトを離間したときの自動接離機構及び手動接離機構を示す正面図である。 自動接離機構及び手動接離機構の一部を示す斜視図である。 単色モード時の自動接離機構及び手動接離機構を示す正面図である。 手動接離機構が操作されたときの自動接離機構及び手動接離機構を示す正面図である。 自動接離機構及び手動接離機構の動作を示す模式図である。
符号の説明
1Y、1M、1C、1K 感光体ドラム(像担持体、対象物)、
8 中間転写ベルト(ベルト部材)、
9Y、9M、9C、9K 転写ローラ(転写部材、当接部材)、
12A〜12C ローラ部材、
15 中間転写ベルト装置(ベルト装置)、
100 画像形成装置本体(装置本体)、
200 解除カム、
210A 第1移動部材、 210B 第2移動部材、
231 スプリング(第2、第4付勢部材)、
240A 第1駆動モータ、 240B 第2駆動モータ、
241 第1、第2カム、
250 第1、第2係合部材、
251 スプリング(第1、第3付勢部材)、
260 解除レバー。

Claims (5)

  1. 複数のローラ部材に張架されるとともに、上方に並設された複数の像担持体に当接するベルト部材と、
    前記ベルト部材を介して前記複数の像担持体にそれぞれ圧接する複数の転写部材と、
    前記複数の像担持体のうち1つの像担持体に対して前記ベルト部材を独立して接離させるために対応する1つの転写部材を自動で移動させるとともに、前記複数の像担持体のうち他の像担持体に対して前記ベルト部材を独立して接離させるために対応する他の転写部材を前記1つの転写部材とは別に自動で移動させる自動接離機構と、
    前記自動接離機構による前記1つの転写部材に対する移動と前記他の転写部材の移動とが同時にできなくなるように当該自動接離機構の係合を解除するとともに、前記複数の像担持体に対して前記ベルト部材を離間させるために前記複数の転写部材を手動で同時に移動させる手動接離機構と、
    を備え
    前記自動接離機構は、装置に固設されるとともに第1カムを回転させる第1駆動モータと、前記第1カムの回転に連動して水平方向に移動して前記1つの転写部材を上方又は下方に移動させる第1移動部材と、前記第1カムに係合する第1係合部材と、一端が前記第1移動部材に支持されるとともに前記第1係合部材が前記第1カムに係合するように付勢する第1付勢部材と、前記1つの転写部材が上方に移動するように前記第1移動部材を水平方向に付勢する第2付勢部材と、装置に固設されるとともに第2カムを回転させる第2駆動モータと、前記第2カムの回転に連動して水平方向に移動して前記他の転写部材を上方又は下方に移動させる第2移動部材と、前記第2カムに係合する第2係合部材と、一端が前記第2移動部材に支持されるとともに前記第2係合部材が前記第2カムに係合するように付勢する第3付勢部材と、前記他の転写部材が上方に移動するように前記第2移動部材を水平方向に付勢する第4付勢部材と、を具備し、
    前記手動接離機構は、
    前記第1移動部材と前記第2移動部材とに同時に係合して、前記1つの転写部材が下方に移動するように前記第1移動部材を水平方向に移動して前記他の転写部材が下方に移動するように前記第2移動部材を水平方向に移動するとともに、前記第1カムと前記第1係合部材との係合を解除して前記第2カムと前記第2係合部材との係合を解除する解除カムと、
    前記解除カムを手動で回転させるための解除レバーと、
    を具備したことを特徴とする画像形成装置。
  2. 前記第1付勢部材の付勢力が前記第2付勢部材の付勢力よりも大きくなるように構成するとともに、前記第3付勢部材の付勢力が前記第4付勢部材の付勢力よりも大きくなるように構成したことを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
  3. 前記解除カムが前記第1移動部材と前記第2移動部材とに係合したときに、前記第1移動部材と前記第2移動部材とが互いに離れる方向に水平移動するように構成されたことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の画像形成装置。
  4. 前記ベルト部材と前記複数の転写部材とを具備するとともに、装置から着脱自在に構成されたベルト装置を備え、
    前記手動接離機構は、前記ベルト部材の着脱動作に連動して操作されるように構成されたことを特徴とする請求項1〜請求項3のいずれかに記載の画像形成装置。
  5. 前記自動接離機構は、カラー画像を形成するカラーモード時には前記複数の像担持体のすべてに前記ベルト部材を当接させて、単色画像を形成する単色モード時には前記1つの像担持体に前記ベルト部材を当接させて前記他の像担持体から前記ベルト部材を離間させるように制御されることを特徴とする請求項1〜請求項4のいずれかに記載の画像形成装置。
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