JP5001095B2 - 画像形成装置 - Google Patents
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Description
詳しくは、4つの感光体ドラム(像担持体)が中間転写ベルト(ベルト部材)に対向するように並設されている。また、4つの感光体ドラムに対して、中間転写ベルトを介して、4つの転写ローラ(転写部材)がそれぞれ圧接している。これらの4つの感光体ドラムでは、それぞれ、ブラック(黒色)、イエロー、マゼンタ、シアンのトナー像が形成される。そして、各感光体ドラムで形成された各色のトナー像が、中間転写ベルト上に重ねて転写される。さらに、中間転写ベルト上に担持された複数色のトナー像は、カラー画像として記録媒体上に転写される。
具体的に、特許文献1等では、自動接離機構(接離機構)によって、カラーモード(カラープリントモード)が選択されたときには4つの感光体ドラム(像担持体)のすべてを中間転写ベルトに当接させて、単色モード(単色プリントモード)が選択されたときには4つの感光体ドラム(像担持体)のうち関連する1つの感光体ドラムのみを中間転写ベルトに当接させて他の3つの感光体ドラムから中間転写ベルトを離間させている。このような接離動作をおこなうことで、単色モード時に出力画像上に他の色が混ざる「混色」や、単色モードに関与しない作像部材の磨耗劣化、等を抑止することができる。
中間転写ベルトや感光体ドラムは、比較的高価な部品であるために、このような問題は特に無視できないものになっていた。
以下、この発明を実施するための最良の形態について、図面を参照して詳細に説明する。なお、各図中、同一又は相当する部分には同一の符号を付しており、その重複説明は適宜に簡略化ないし省略する。
図1は画像形成装置としてのプリンタを示す構成図であり、図2はその作像部を示す拡大図である。
図1に示すように、画像形成装置本体100の中央には、ベルト装置としての中間転写ベルト装置15が設置されている。また、中間転写ベルト装置15の中間転写ベルト8(ベルト部材)に対向するように、各色(イエロー、マゼンタ、シアン、ブラック)に対応した作像部6Y、6M、6C、6Kが並設されている。
その後、感光体ドラム1Yの表面は、露光部7から発せられたレーザ光Lの照射位置に達して、この位置での露光走査によってイエローに対応した静電潜像が形成される(露光工程である。)。
その後、感光体ドラム1Yの表面は、中間転写ベルト8(ベルト部材)及び転写ローラ9Y(1次転写ローラ)との対向位置に達して、この位置で感光体ドラム1Y上のトナー像が中間転写ベルト8上に転写される(1次転写工程である。)。このとき、感光体ドラム1Y上には、僅かながら未転写トナーが残存する。
最後に、感光体ドラム1Yの表面は、不図示の除電部との対向位置に達して、この位置で感光体ドラム1上の残留電位が除去される。
こうして、感光体ドラム1Y上でおこなわれる、一連の作像プロセスが終了する。
その後、現像工程を経て各感光体ドラム上に形成した各色のトナー像を、中間転写ベルト8上に重ねて転写する。こうして、中間転写ベルト8上にカラー画像が形成される。
そして、中間転写ベルト8は、矢印方向に走行して、転写ローラ9Y、9M、9C、9Kの1次転写ニップを順次通過する。こうして、感光体ドラム1Y 、1M 、1C 、1K上の各色のトナー像が、中間転写ベルト8上に重ねて1次転写される。
こうして、中間転写ベルト8上でおこなわれる、一連の転写プロセスが終了する。なお、ベルト装置としての中間転写ベルト装置15の構成・動作については、後で図3〜図16を用いてさらに詳しく説明する。
詳しくは、給紙部26には、転写紙等の記録媒体Pが複数枚重ねて収納されている。そして、給紙ローラ27が図1中の反時計方向に回転駆動されると、一番上の記録媒体Pがレジストローラ対28のローラ間に向けて給送される。
その後、記録媒体Pは、排紙ローラ対(不図示である。)によって装置外へと排出される。排紙ローラ対によって装置外に排出された被転写Pは、出力画像として、スタック部上に順次スタックされる。
こうして、画像形成装置における、一連の画像形成プロセスが完了する。
現像部5Yは、感光体ドラム1Yに対向する現像ローラ51Yと、現像ローラ51Yに対向するドクターブレード52Yと、現像剤収容部内に配設された2つの搬送スクリュ55Yと、現像剤収容部に開口を介して連通するトナー補給経路43Yと、現像剤中のトナー濃度を検知する濃度検知センサ56Yと、等で構成される。現像ローラ51Yは、内部に固設されたマグネットや、マグネットの周囲を回転するスリーブ等で構成される。現像剤収容部内には、キャリアとトナーとからなる2成分現像剤が収容されている。
現像ローラ51Yのスリーブは、図2の矢印方向に回転している。そして、マグネットにより形成された磁界によって現像ローラ51Y上に担持された現像剤は、スリーブの回転にともない現像ローラ51Y上を移動する。ここで、現像装置5Y内の現像剤は、現像剤中のトナーの割合(トナー濃度)が所定の範囲内になるように調整される。
その後、現像剤収容部内に補給されたトナーは、2つの搬送スクリュ55Yによって、現像剤とともに混合・撹拌されながら、隔絶された2つの現像剤収容部を循環する(図2の紙面垂直方向の移動である。)。そして、現像剤中のトナーは、キャリアとの摩擦帯電によりキャリアに吸着して、現像ローラ51Y上に形成された磁力によりキャリアとともに現像ローラ51Y上に担持される。
図3は、ベルト装置としての中間転写ベルト装置15を示す構成図である。図4は、中間転写ベルト装置15の一部を幅方向にみた概略図である。図5は、中間転写ベルト装置15における蛇行検知部80の近傍を示す斜視図である。図6は、中間転写ベルト装置15における異常検知部88の近傍を示す斜視図である。
なお、必要に応じて中間転写ベルト8の表面に離型層をコートすることもできる。その際、コートに用いる材料として、ETFE(エチレン−四フッ化エチレン共重合体)、PTFE(ポリ四フッ化エチレン)、PVDF(フッ化ビニルデン)、PEA(パーフルオロアルコキシフッ素樹脂)、FEP(四フッ化エチレン−六フッ化プロピレン共重合体)、PVF(フッ化ビニル)、等のフッ素樹脂を使用できるが、これに限定されるものではない。
また、中間転写ベルト8の製造方法としては、注型法、遠心成形法、等があり、必要に応じてその表面を研磨する工程がおこなわれる。
具体的に、4つの転写ローラ9Y、9M、9C、9Kのうち、カラー用の3つの転写ローラ9Y、9M、9Cは、上下方向に一体的に移動可能に構成されている。また、黒色用の転写ローラ9Kは、単独で上下方向に移動可能に構成されている。そして、4つの転写ローラ9Y、9M、9C、9Kが図3中の破線の位置に移動することで、中間転写ベルト8が感光体ドラム1Y、1M、1C、1Kから離間する(破線位置への移動であって、図7の状態である。)。このような中間転写ベルト8を感光体ドラム1Y、1M、1C、1Kから離間させる動作は、中間転写ベルト8の磨耗劣化を軽減するためにおこなわれるものであって、主として非画像形成時におこなわれる。また、黒色用の転写ローラ9Kを単独で上下方向に移動可能に構成したのは、単色モード時(モノクロ画像を形成するときである。)に、カラー用の3つの転写ローラ9Y、9M、9Cを下方に移動してカラー用の感光体ドラム1Y、1M、1Cを中間転写ベルト8から離間させるためである(図8の状態である。)。
なお、本実施の形態における中間転写ベルト装置には、自動で中間転写ベルトの接離動作をおこなう自動接離機構の他に、手動で中間転写ベルトの接離動作をおこなう手動接離機構が設けられているが、これらの構成・動作については後で図11〜図16を用いて詳述する。
2次転写対向ローラ12Bは、中間転写ベルト8を介して2次転写ローラ19に当接している。もう1つのテンションローラ12Cは、中間転写ベルト8の外周面に当接している。2次転写対向ローラ12Bとテンションローラ12Cとの間に、中間転写クリーニング部10(クリーニングブレード)が設置されている。
さらに詳しくは、図5を参照して、蛇行検知部80は、中間転写ベルト8の幅方向端部に当接する揺動部材82、揺動部材82の変位量を検知する測距センサ81、揺動部材82を中間転写ベルト8に当接させる方向に付勢するスプリング83、等で構成されている。
このような構成により、揺動部材82は、中間転写ベルト8の幅方向の変位(図5中の破線両矢印方向のベルト寄りである。)に追従して揺動することになる(図5中の実線両矢印方向の揺動である。)。なお、本実施の形態では、中間転写ベルト8は、通常時に走行方向(図5の矢印方向である。)に440mm/秒で走行するように設定されている。
詳しくは、狙いの位置(位置ずれ0mm)に対して±0.5mmのベルト寄り(位置ずれ)を許容範囲(プリント許容範囲)として、蛇行検知部80の検知結果に基いて補正ローラ13によるベルト位置ずれ補正をおこなう。そして、中間転写ベルト8のベルト寄り(位置ずれ)が蛇行検知部80の検知範囲(±1mm)外になったときに、比較的大きなベルト寄りが生じているものとして、装置を強制的に停止するとともに、装置本体100の表示部(不図示である。)に異常検知の表示をおこなう。
なお、このような蛇行検知部80による異常検知とは別に、異常検知部88による異常検知もおこなわれる。このようにベルト寄りの異常検知を2重でおこなっているのは、蛇行検知部80の故障や制御ソフトの暴走等が生じても確実に異常検知をおこなうためである。
このような構成により、蛇行検知部80(揺動部材82と中間転写ベルト8との当接位置)における、中間転写ベルト8の幅方向に直交する方向(図4の紙面垂直方向である。)の変位(振れ)が軽減される。すなわち、中間転写ベルト8は、規制ローラ14によってベルト張力が高められるために、蛇行検知部80の位置の直交方向の変位が規制される。したがって、蛇行検知部80によって、本来的に検知されるべき検知成分(幅方向の検知成分である。)の他に、幅方向及び走行方向とは異なる方向の変位成分も検知されてしまう不具合が軽減される。すなわち、蛇行検知部80による、中間転写ベルト8のベルト寄りに対する検知精度が向上する。
ここで、補正ローラ13は、図3を参照して、感光体ドラム1Y、1M、1C、1Kに対して中間転写ベルト8の走行方向上流側であって、中間転写ベルト8の内周面に接するように配設されている。そして、補正ローラ13は、図4を参照して、揺動機構73の駆動カム(不図示である。)が所定角度動作することにより、揺動中心13aを中心にしてX1、X2方向に揺動するように構成されている。
このような構成により、図4において、中間転写ベルト8が右側に変位(ベルト寄り)したときには、その検知結果に基いて、揺動機構73によって補正ローラ13がX2方向に揺動されて中間転写ベルト8の変位補正がおこなわれる。これに対して、中間転写ベルト8が左側に変位したときには、その検知結果に基いて、揺動機構73によって補正ローラ13がX1方向に揺動されて中間転写ベルト8の変位補正がおこなわれる。これにより、中間転写ベルト8が蛇行することによりカラー画像の品質が低下する不具合や、中間転写ベルト8が幅方向に大きく変位(ベルト寄り)して他の部材に接触して中間転写ベルト8が破損する不具合、等が抑止される。
図6に示すように、異常検知部88は、大きくベルト寄りした中間転写ベルト8に接触するアーム部材90、中間転写ベルト8の接触によるアーム部材の回転支軸90bを中心にした移動を光学的に検知するオーバラン検知センサ89(光学センサ)、アーム部材90の姿勢を維持するためのスプリング91、等で構成されている。
そして、そのような状態が、オーバラン検知センサ89によって検知される。すなわち、第2アーム部90cの先端が発光部89aと受光部89bとの間から離間する状態を、発光部89aから発光された光が受光部89bで受光されることによって認識する。
そして、このように異常検知部88(オーバラン検知センサ89)によって異常検知がされたときに、中間転写ベルト8(駆動ローラ12A)の駆動の停止、感光体ドラム1Y、1M、1C、1K及び第2転写ローラ19の駆動の停止、感光体ドラム1Y、1M、1C、1K及び第2転写ローラ19に対する中間転写ベルト8の相対的な離間動作、等を強制的におこない、装置本体100の表示部にサービスマン・コールの表示(サービスマンによる修理を要する旨の表示である。)をおこなう。
なお、本実施の形態では、図3を参照して、2次転写ローラ19が中間転写ベルト8に対して接離自在に移動(矢印方向の移動である。)するように構成されている。
図9は、画像形成装置100に中間転写ベルト装置15が設置された状態を示す上面図である。図10は、画像形成装置100から中間転写ベルト装置15を引き出した状態を示す上面図である。
前フレーム115は、補強フレーム120を介して後フレーム110に固設されている。後フレーム110は、横フレーム130を介してスライダー(スライダー本体150)に固設されている。また、後フレーム110と前フレーム115とによって、複数のローラ部材12A〜12C、13、14A、14Bの両端軸部が軸受を介して回転自在に支持されている。
また、前フレーム115の長手方向の長さは駆動ローラ12Aと補正ローラ13とのスパンよりも長く設定されるとともに、前フレーム115と横フレーム130との間には隙間(少なくとも中間転写ベルト8の厚さよりも大きな隙間である。)が設けられている。これにより、装置15に対して中間転写ベルト8を幅方向に着脱することができる。
まず、作業者によって、固定板160が装置本体100から取り外される。その後、中間転写ベルト装置15の解除レバー260を回転して、解除レバー260を把持した状態で中間転写ベルト装置15が操作側に引き出される(図10の白矢印方向の移動である。)。このとき、解除レバー260の回転動作に連動して、同軸上に設置された解除カム200が回転して、4つの感光体ドラム1Y、1M、1C、1Kに対して中間転写ベルト8が手動で離間されることになる。これについては、後でさらに詳しく説明する。
そして、中間転写ベルト装置15が引き出されて保持された状態で、テンションローラ12Cの移動によるベルト張力の解除がおこなわれる。その後、中間転写ベルト8が操作側に引き出されて(図10の矢印方向の移動である。)、中間転写ベルト装置15からのベルトの取り出しが完了する。
また、上述した中間転写ベルト装置15の着脱動作は、中間転写ベルト8の交換作業をおこなう場合に限定されることなく、ベルト装置15の近傍でジャムが発生したときにジャム処理をおこなう場合や、中間転写ベルト8以外の構成部品(例えば、駆動モータ70である。)のメンテナンスをおこなう場合等にも、おこなわれる。そして、その場合にも、解除レバー260の操作に連動して、同軸上に設置された解除カム200が回転して、4つの感光体ドラム1Y、1M、1C、1Kに対して中間転写ベルト8が手動で離間されることになる(手動接離機構が動作することになる。)。
図11は、自動接離機構及び手動接離機構を示す正面図である。図12は、中間転写ベルト8を離間したときの自動接離機構及び手動接離機構を示す正面図である。図13は、自動接離機構及び手動接離機構の一部を示す斜視図である。図14は、単色モード時の自動接離機構及び手動接離機構を示す正面図である。図15は、手動接離機構が操作されたときの自動接離機構及び手動接離機構を示す正面図である。図16は、自動接離機構及び手動接離機構の動作を簡略化して示す模式図である。
黒色用の自動接離機構は、中間転写ベルト装置15(又は、装置本体100)に固設されるとともに第1カム241を回転させる第1駆動モータ240A、第1カム241の回転に連動して水平方向に移動して黒色用の転写ローラ9Aを上方又は下方に移動させる第1移動部材210A、第1カム241に係合する第1係合部材250、一端が第1移動部材210Aに支持されるとともに第1係合部材250が第1カム241に係合するように付勢する第1付勢部材としてのスプリング251、黒色用の転写ローラ9Kが上方に移動するように第1移動部材210Aを水平方向に付勢する第2付勢部材としてのスプリング231、等で構成されている。
感光体ドラム1Kに対して転写ローラ9K(中間転写ベルト8)を離間させる場合には、第1係合部材250が図11の右方向に変位するように、第1カム241が所定角度回転される。これにより、スプリング251(第1付勢部材)のスプリング力によって、第1移動部材210A(揺動板212)が図11の右方向に水平移動して、揺動板212の起立部212aと支持アーム220Kとの係合が解除される。こうして、支持アーム220Kが支軸221を中心にして回転して、感光体ドラム1Kに対して転写ローラ9K(中間転写ベルト8)が下方に離間する(図12の状態である。)。
これに対して、感光体ドラム1Kに対して転写ローラ9K(中間転写ベルト8)を当接させる場合には、第1係合部材250が図11の左方向に変位するように、第1カム241が所定角度回転される。これにより、スプリング231(第2付勢部材)のスプリング力によって、第1移動部材210A(揺動板212)が図11の左方向に水平移動して、揺動板212の起立部212aと支持アーム220Kとが係合する。こうして、支持アーム220Kが支軸221を中心にして回転して、感光体ドラム1Kに対して転写ローラ9K(中間転写ベルト8)が上方に移動して当接する(図11の状態である。)。このように、第2付勢部材としてのスプリング231を設けることで、第1移動部材210Aを水平移動して支持アーム220Kにて転写ローラ9Kを持ち上げる際の第1駆動モータ240Aの負荷が軽減されることになる。
感光体ドラム1Y、1M、1Cに対して転写ローラ9Y、9M、9C(中間転写ベルト8)を離間させる場合には、第2係合部材250が図11の左方向に変位するように、第2カム241が所定角度回転される。これにより、スプリング251(第3付勢部材)のスプリング力によって、第2移動部材210B(揺動板212)が図11の左方向に水平移動して、揺動板212の起立部212aと支持アーム220Y、220M、220Cとの係合が解除される。こうして、支持アーム220Y、220M、220Cが支軸221を中心にして回転して、感光体ドラム1Y、1M、1Cに対して転写ローラ9Y、9M、9C(中間転写ベルト8)が下方に離間する(図12の状態である。)。
これに対して、感光体ドラム1Y、1M、1Cに対して転写ローラ9Y、9M、9C(中間転写ベルト8)を当接させる場合には、第2係合部材250が図11の右方向に変位するように、第2カム241が所定角度回転される。これにより、スプリング231(第4付勢部材)のスプリング力によって、第2移動部材210B(揺動板212)が図11の右方向に水平移動して、揺動板212の起立部212aと支持アーム220Y、220M、220Cとが係合する。こうして、支持アーム220Y、220M、220Cが支軸221を中心にして回転して、感光体ドラム1Y、1M、1Cに対して転写ローラ9Y、9M、9C(中間転写ベルト8)が上方に移動して当接する(図11の状態である。)。このように、第4付勢部材としてのスプリング231を設けることで、第2移動部材210Bを水平移動して支持アーム220Y、220M、220Cにて転写ローラ9Y、9M、9Cを持ち上げる際の第2駆動モータ240Bの負荷が軽減されることになる。
具体的に、図11に示すように、カラーモード時には、黒色用の自動接離機構と、カラー(YMC)用の自動接離機構と、をともにオン状態(当接状態)として、4つの感光体ドラム1Y、1M、1C、1Kのすべてに対して中間転写ベルト8を当接させる(図3の状態である。)。
また、図12に示すように、非画像形成時には、黒色用の自動接離機構と、カラー(YMC)用の自動接離機構と、をともにオフ状態(離間状態)として、4つの感光体ドラム1Y、1M、1C、1Kのすべてに対して中間転写ベルト8を離間させる(図7の状態である。)。
また、図14に示すように、単色モード時には、黒色用の自動接離機構をオン状態として、カラー(YMC)用の自動接離機構をオフ状態として、黒色用の感光体ドラム1Kのみに対して中間転写ベルト8を当接させて、他の3つの感光体ドラム1Y、1M、1Cに対して中間転写ベルト8を離間させる(図8の状態である。)。
解除カム200が係合部211に係合すると、第1移動部材210A(揺動板212)が水平方向に移動(図15の右方向の移動である。)して、揺動板212の起立部212aと支持アーム220Kとの係合が解除される。こうして、支持アーム220Kが支軸221を中心にして回転して、感光体ドラム1Kに対して黒色用の転写ローラ9K(中間転写ベルト8)が下方に離間する(図15の状態である。)。このとき、第1係合部材250は、第1移動部材210Aの移動に連動して、第1カム241との係合が解除される位置に移動する。
同様に、解除カム200が係合部211に係合すると、第2移動部材210B(揺動板212)が水平方向に移動(図15の左方向の移動である。)して、揺動板212の起立部212aと支持アーム220Y、220M、220Cとの係合が解除される。こうして、各支持アーム220Y、220M、220Cが支軸221を中心にして回転して、感光体ドラム1Y、1M、1Cに対して3つの転写ローラ9Y、9M、9C(中間転写ベルト8)が下方に離間する(図15の状態である。)。このとき、第2係合部材250は、第2移動部材210Bの移動に連動して、第2カム241との係合が解除される位置に移動する。
このような構成により、ジャムの発生等によって装置100が突然に停止した場合や、停電等によって装置100に供給される電力が突然に遮断された場合等であっても、中間転写ベルト装置15の着脱操作がおこなわれるときには、その操作に連動して必ず解除レバー260の操作がおこなわれ、解除カム200の回転動作による自動接離機構の解除と中間転写ベルト8の離間動作とがおこなわれるため、中間転写ベルト8や感光体ドラム1Y、1M、1C、1Kにキズがついてしまい、その後に出力される出力画像上に異常画像が生じてしまう不具合を抑止することができる。
図16(A)は、4つの感光体ドラム1Y、1M、1C、1Kのすべてに対して中間転写ベルト8を当接させているときの接離機構の状態を示す模式図である(図3及び図11に対応した図である。)。図16(B)は、自動接離機構を用いて4つの感光体ドラム1Y、1M、1C、1Kのすべてに対して中間転写ベルト8を離間させているときの状態を示す模式図である(図7及び図12に対応した図である。)。図16(C)は、手動接離機構を用いて4つの感光体ドラム1Y、1M、1C、1Kに対して中間転写ベルト8を離間させているときの状態を示す模式図である(図15に対応した図である。)。なお、図16(A)〜(C)において、簡単のため、種々の構成部品の形状や位置等を模式的に図示している。
これに対して、手動接離機構を用いて、感光体ドラム1Y、1M、1C、1Kに対して中間転写ベルト8を離間させるときには、接離機構は図16(A)の状態から図16(C)の状態に移行する。すなわち、解除カム200の回転(係合部211との当接)に連動して移動部材210A、210Bが水平移動して、揺動板212(起立部212a)の係合が解除されて転写ローラ9Kが下方に移動する。このとき、移動部材210A、210Bの水平移動に連動して、係合部材250はスプリング251(第1、第3付勢部材)のスプリング力に抗するようにカム241との係合が解除される位置に移動する(自動接離機構が機能しなくなる。)。詳しくは、カム241を挟むように配設された係合部材250の一端(移動部材210A、210Bに固設されている。)は、移動部材210A、210Bの水平移動に連動してカム241から離れる位置に水平移動する。これに対して、カム241を挟むように配設された係合部材250の他端(移動部材210A、210Bに回転自在に固設されている。)は、移動部材210A、210Bの水平移動に連動して、解除カム200によって保持される力に対してスプリング251(第1、第3付勢部材)のスプリング力が抗するように、カム241の姿勢に合わせて回転中心を中心にして傾倒する。
なお、本実施の形態では、カム241を挟むように係合部材250を構成したが、係合部材250の構成はこれに限定されることなく、例えば、カム241の一端側にのみ係合部材が当接するように構成することもできる。
8 中間転写ベルト(ベルト部材)、
9Y、9M、9C、9K 転写ローラ(転写部材、当接部材)、
12A〜12C ローラ部材、
15 中間転写ベルト装置(ベルト装置)、
100 画像形成装置本体(装置本体)、
200 解除カム、
210A 第1移動部材、 210B 第2移動部材、
231 スプリング(第2、第4付勢部材)、
240A 第1駆動モータ、 240B 第2駆動モータ、
241 第1、第2カム、
250 第1、第2係合部材、
251 スプリング(第1、第3付勢部材)、
260 解除レバー。
Claims (5)
- 複数のローラ部材に張架されるとともに、上方に並設された複数の像担持体に当接するベルト部材と、
前記ベルト部材を介して前記複数の像担持体にそれぞれ圧接する複数の転写部材と、
前記複数の像担持体のうち1つの像担持体に対して前記ベルト部材を独立して接離させるために対応する1つの転写部材を自動で移動させるとともに、前記複数の像担持体のうち他の像担持体に対して前記ベルト部材を独立して接離させるために対応する他の転写部材を前記1つの転写部材とは別に自動で移動させる自動接離機構と、
前記自動接離機構による前記1つの転写部材に対する移動と前記他の転写部材の移動とが同時にできなくなるように当該自動接離機構の係合を解除するとともに、前記複数の像担持体に対して前記ベルト部材を離間させるために前記複数の転写部材を手動で同時に移動させる手動接離機構と、
を備え、
前記自動接離機構は、装置に固設されるとともに第1カムを回転させる第1駆動モータと、前記第1カムの回転に連動して水平方向に移動して前記1つの転写部材を上方又は下方に移動させる第1移動部材と、前記第1カムに係合する第1係合部材と、一端が前記第1移動部材に支持されるとともに前記第1係合部材が前記第1カムに係合するように付勢する第1付勢部材と、前記1つの転写部材が上方に移動するように前記第1移動部材を水平方向に付勢する第2付勢部材と、装置に固設されるとともに第2カムを回転させる第2駆動モータと、前記第2カムの回転に連動して水平方向に移動して前記他の転写部材を上方又は下方に移動させる第2移動部材と、前記第2カムに係合する第2係合部材と、一端が前記第2移動部材に支持されるとともに前記第2係合部材が前記第2カムに係合するように付勢する第3付勢部材と、前記他の転写部材が上方に移動するように前記第2移動部材を水平方向に付勢する第4付勢部材と、を具備し、
前記手動接離機構は、
前記第1移動部材と前記第2移動部材とに同時に係合して、前記1つの転写部材が下方に移動するように前記第1移動部材を水平方向に移動して前記他の転写部材が下方に移動するように前記第2移動部材を水平方向に移動するとともに、前記第1カムと前記第1係合部材との係合を解除して前記第2カムと前記第2係合部材との係合を解除する解除カムと、
前記解除カムを手動で回転させるための解除レバーと、
を具備したことを特徴とする画像形成装置。 - 前記第1付勢部材の付勢力が前記第2付勢部材の付勢力よりも大きくなるように構成するとともに、前記第3付勢部材の付勢力が前記第4付勢部材の付勢力よりも大きくなるように構成したことを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
- 前記解除カムが前記第1移動部材と前記第2移動部材とに係合したときに、前記第1移動部材と前記第2移動部材とが互いに離れる方向に水平移動するように構成されたことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の画像形成装置。
- 前記ベルト部材と前記複数の転写部材とを具備するとともに、装置から着脱自在に構成されたベルト装置を備え、
前記手動接離機構は、前記ベルト部材の着脱動作に連動して操作されるように構成されたことを特徴とする請求項1〜請求項3のいずれかに記載の画像形成装置。 - 前記自動接離機構は、カラー画像を形成するカラーモード時には前記複数の像担持体のすべてに前記ベルト部材を当接させて、単色画像を形成する単色モード時には前記1つの像担持体に前記ベルト部材を当接させて前記他の像担持体から前記ベルト部材を離間させるように制御されることを特徴とする請求項1〜請求項4のいずれかに記載の画像形成装置。
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