JP2021176010A - 画像形成装置、及び、調整方法 - Google Patents

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Atsushi Nakamoto
成一 小暮
Seiichi Kogure
大輔 濱田
Daisuke Hamada
拓也 秋山
Takuya Akiyama
悠貴 青木
Yuki Aoki
優 後藤
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Abstract

【課題】転写ニップに搬送されるシートの表面に転写するトナー像の画像面積率に関わらず、搬送方向の画像倍率を変化しにくくする。【解決手段】2次転写ニップ(転写ニップ)における中間転写ベルト8に対する2次転写ベルト71の線速差と、2次転写ニップにおける中間転写ベルト8に対する2次転写ベルト71の当接圧と、のうち少なくとも一方を調整する調整手段(モータ92、移動機構94)が設けられている。さらに、2次転写ニップに搬送されるシートPの表面に転写されるトナー像の搬送方向の画像倍率の差に基づいて、画像倍率の差が小さくなるように調整手段(モータ92、移動機構94)を制御する制御部90(制御手段)が設けられている。【選択図】図4

Description

この発明は、複写機、プリンタ、ファクシミリ、又は、それらの複合機等の画像形成装置と、そこでおこなわれる調整方法と、に関するものである。
従来から、複写機やプリンタ等の画像形成装置において、転写ベルトや転写ローラなどの転写回転体を、中間転写ベルトや感光体ドラムなどの像担持体に当接させて転写ニップを形成したものが知られている(例えば、特許文献1参照。)。
詳しくは、特許文献1等における画像形成装置は、複数の感光体ドラムにそれぞれ形成されたトナー像が、中間転写ベルト(像担持体)の表面に重ねて1次転写される。そして、中間転写ベルトに担持されたトナー像は、2次転写ニップ(転写ニップ)の位置に搬送される用紙(シート)に2次転写される。そして、トナー像が2次転写された用紙は、定着装置に向けて搬送されて、定着工程がおこなわれた後に画像形成装置本体から排出される。
一方、特許文献1には、両面印刷時において、オモテ面における画像位置の調整をおこなうとともに、ウラ面における画像位置の調整をおこなう技術が開示されている。
従来の画像形成装置は、像担持体上に形成されたトナー像を、転写ニップに搬送されるシートの表面に転写するときに、その転写するトナー像の画像面積率によって、その転写画像の搬送方向の画像倍率が変化してしまうことがあった。そのため、所定の画像面積率に絞って転写画像の画像倍率が閾値以下になるように転写回転体の回転速度などの特性値を定めても、異なる画像面積率のトナー像がシートに転写されるときには画像倍率が閾値以下にならずに、搬送方向に伸縮した画像が形成されてしまうことがあった。
この発明は、上述のような課題を解決するためになされたもので、転写ニップに搬送されるシートの表面に転写するトナー像の画像面積率に関わらず、搬送方向の画像倍率が変化しにくい、画像形成装置、及び、調整方法を提供することにある。
この発明における画像形成装置は、トナー像が担持される像担持体と、前記像担持体に当接して転写ニップを形成して、前記転写ニップに搬送されるシートに対して前記像担持体上のトナー像を転写するための転写回転体と、前記転写ニップにおける前記像担持体に対する前記転写回転体の相対的な線速差と、前記転写ニップにおける前記像担持体に対する前記転写回転体の相対的な当接圧と、のうち少なくとも一方を調整する調整手段と、前記転写ニップに搬送されるシートの表面に転写されるトナー像の搬送方向の画像倍率の差に基づいて、前記画像倍率の差が小さくなるように前記調整手段を制御する制御手段と、を備えたものである。
本発明によれば、転写ニップに搬送されるシートの表面に転写するトナー像の画像面積率に関わらず、搬送方向の画像倍率が変化しにくい、画像形成装置、及び、調整方法を提供することができる。
この発明の実施の形態における画像形成装置を示す全体構成図である。 作像部の一部を拡大して示す構成図である。 中間転写ベルトとその近傍とを示す概略図である。 2次転写装置を示す構成図である。 調整モード時において、(A)シートのオモテ面に形成された画像を示す図と、(B)シートのウラ面に形成された画像を示す図と、である 調整モード時の制御を示すフローチャートである。 (A)2次転写ニップにおける線速差と画像倍率差との関係を示すグラフと、(B)2次転写ニップにおける当接圧と画像倍率差との関係を示すグラフと、である。 ラインセンサと、階調画像パターンが形成されたシートと、を示す概略上面図である。 変形例1における、調整モード時の制御を示すフローチャートである。 変形例2における、調整モード時の制御を示すフローチャートである。
以下、この発明を実施するための形態について、図面を参照して詳細に説明する。なお、各図中、同一又は相当する部分には同一の符号を付しており、その重複説明は適宜に簡略化ないし省略する。
まず、図1及び図2にて、画像形成装置100における全体の構成・動作について説明する。
図1は画像形成装置としてのプリンタを示す構成図であり、図2はその作像部の一部を示す拡大図である。
図1に示すように、画像形成装置本体100の中央には、像担持体としての中間転写ベルト8(中間転写体)が設置されている。また、中間転写ベルト8に対向するように、各色(イエロー、マゼンタ、シアン、ブラック)に対応した作像部6Y、6M、6C、6Kが並設されている。
図2を参照して、イエローに対応した作像部6Yは、感光体としての感光体ドラム1Yと、感光体ドラム1Yの周囲に配設された帯電部4Y、現像部5Y、クリーニング部2Y、潤滑剤供給装置3、除電部、等で構成されている。そして、感光体ドラム1Y上で、作像プロセス(帯電工程、露光工程、現像工程、転写工程、クリーニング工程、除電工程)がおこなわれて、感光体ドラム1Y上にイエロー画像が形成されることになる。
なお、他の3つの作像部6M、6C、6Kも、使用されるトナーの色が異なる以外は、イエローに対応した作像部6Yとほぼ同様の構成となっていて、それぞれのトナー色に対応した画像が形成される。以下、他の3つの作像部6M、6C、6Kの説明を適宜に省略して、イエローに対応した作像部6Yのみの説明をおこなうことにする。
図2を参照して、感光体ドラム1Yは、駆動モータによって反時計方向に回転駆動される。そして、帯電部4Yの位置で、感光体ドラム1Yの表面が一様に帯電される(帯電工程である。)。
その後、感光体ドラム1Yの表面は、露光部7から発せられたレーザ光Lの照射位置に達して、この位置での幅方向(図1、図2の紙面垂直方向であって、主走査方向である。)の露光走査によってイエローに対応した静電潜像が形成される(露光工程である。)。
その後、感光体ドラム1Yの表面は、現像部5Yとの対向位置に達して、この位置で静電潜像が現像されて、イエローのトナー像が形成される(現像工程である。)。
その後、感光体ドラム1Yの表面は、中間転写ベルト8及び1次転写ローラ9Yとの対向位置に達して、この位置で感光体ドラム1の表面に形成されたトナー像が中間転写ベルト8の表面に1次転写される(1次転写工程である。)。このとき、感光体ドラム1Y上には、僅かながら未転写トナーが残存する。
その後、感光体ドラム1Yの表面は、クリーニング部2Yとの対向位置に達して、この位置で感光体ドラム1Y上に残存した未転写トナーがクリーニングブレード2aによってクリーニング部2Y内に回収される(クリーニング工程である。)。
ここで、クリーニング部2Yの内部には、潤滑剤供給ローラ3a、固形潤滑剤3b、圧縮スプリング3cなどからなる潤滑剤供給装置3(感光体用潤滑剤供給装置)が内設されている。そして、図2の時計方向に回転する潤滑剤供給ローラ3aによって、固形潤滑剤3bから潤滑剤が少量ずつ削られて、潤滑剤供給ローラ3aによって感光体ドラム1Yの表面に潤滑剤が供給されることになる。
最後に、感光体ドラム1Yの表面は、除電部との対向位置に達して、この位置で感光体ドラム1上の残留電位が除去される。
こうして、感光体ドラム1Y上でおこなわれる、一連の作像プロセスが終了する。
なお、上述した作像プロセスは、他の作像部6M、6C、6Kでも、イエロー作像部6Yと同様におこなわれる。すなわち、作像部の上方に配設された露光部7から、画像情報に基づいたレーザ光Lが、各作像部6M、6C、6Kの感光体ドラム1M、1C、1K上に向けて照射される。詳しくは、露光部7は、光源からレーザ光Lを発して、そのレーザ光Lを回転駆動されたポリゴンミラーで走査しながら、複数の光学素子を介して感光体ドラム上に照射する。なお、露光部7として複数のLEDを幅方向に並べて配置したものを用いてもよい。
その後、各現像部5M、5C、5Kによる現像工程を経て各感光体ドラム1M、1C、1K上に形成した各色のトナー像を、中間転写ベルト8上に重ねて1次転写する。こうして、中間転写ベルト8上にカラー画像が形成される。
ここで、像担持体としての中間転写ベルト8は、複数のローラ部材16〜22、80、によって張架・支持されるとともに、駆動モータMt1(図3参照)による1つのローラ部材(駆動ローラ16)の回転駆動によって図3中の矢印方向に無端移動される。
4つの1次転写ローラ9Y、9M、9C、9Kは、それぞれ、中間転写ベルト8を感光体ドラム1Y、1M、1C、1Kとの間に挟み込んで1次転写ニップを形成している。そして、1次転写ローラ9Y、9M、9C、9Kに、トナーの極性とは逆の極性の転写電圧(1次転写バイアス)が印加される。
そして、中間転写ベルト8は、矢印方向に走行して、1次転写ローラ9Y、9M、9C、9Kの1次転写ニップを順次通過する。こうして、感光体ドラム1Y、1M、1C、1K上の各色のトナー像が、中間転写ベルト8の表面に重ねて1次転写される(1次転写工程である。)。
その後、各色のトナー像が重ねて1次転写された中間転写ベルト8は、転写回転体としての2次転写ベルト71との対向位置に達する。この位置では、2次転写対向ローラ80が、2次転写ローラ72との間に中間転写ベルト8と2次転写ベルト71とを挟み込んで2次転写ニップ(転写ニップ)を形成している。そして、中間転写ベルト8上に形成された4色のトナー像は、この2次転写ニップの位置に搬送された用紙等のシートP上に2次転写される(2次転写工程である。)。このとき、中間転写ベルト8には、シートPに転写されなかった未転写トナーが残存する。
その後、中間転写ベルト8は、中間転写クリーニング部10の位置に達する。そして、この位置で、中間転写ベルト8の表面に付着した未転写トナーなどの付着物が除去される。
さらに、中間転写ベルト8は、中間転写潤滑剤供給装置としての潤滑剤供給装置30の位置に達する。そして、この位置で、中間転写ベルト8の表面に潤滑剤が供給される。
こうして、中間転写ベルト8上でおこなわれる、一連の転写プロセスが終了する。
ここで、図1を参照して、2次転写ニップの位置に搬送されるシートPは、装置本体100の下方に配設された給紙部26から、給紙ローラ27やレジストローラ対28等を経由して搬送されるものである。
詳しくは、給紙部26には、転写紙等のシートPが複数枚重ねて収納されている。そして、給紙ローラ27が図1中の反時計方向に回転駆動されると、一番上のシートPが第1搬送経路K1を経由してレジストローラ対28のローラ間に向けて給送される。
レジストローラ対28(タイミングローラ対)に搬送されたシートPは、回転駆動を停止したレジストローラ対28のローラニップの位置で一旦停止する。そして、中間転写ベルト8上のカラー画像にタイミングを合わせて、レジストローラ対28が回転駆動されて、シートPが2次転写ニップに向けて搬送される。こうして、シートP上に、所望のカラー画像が転写される。
その後、2次転写ニップ(転写ニップ)の位置でカラー画像が転写されたシートPは、2次転写ベルト71によって搬送されて、2次転写ベルト71から分離された後に、搬送ベルト60によって定着部50の位置に搬送される。そして、この位置で、定着ベルト及び圧力ローラによる熱と圧力とにより、表面に転写されたカラー画像がシートP上に定着される(定着工程である。)。
その後、シートPは、第2搬送経路K2を経由して、排紙ローラ対によって装置外へと排出される。排紙ローラ対によって装置外に排出されたシートPは、出力画像として、スタック部上に順次スタックされる。
こうして、画像形成装置における、一連の画像形成プロセス(印刷動作)が完了する。
なお、定着部50の下流側であって、第2搬送経路K2と第3搬送経路K3との分岐部の上流側には、調整モード時に用いられるラインセンサ95が設置されているが、これについては後で詳しく説明する。
ここで、図1に示すように、本実施の形態における画像形成装置100には、2次転写ニップ(転写ニップ)でオモテ面にトナー像が転写された後のシートPのウラ面に中間転写ベルト8上のトナー像を転写するために、シートPを2次転写ニップに向けて搬送する両面搬送装置40が設置されている。
具体的に、シートPの両面(オモテ面とウラ面とである。)への印刷をおこなう「両面印刷モード」が選択されている場合には、オモテ面への定着工程が終了したシートPは、上述した「片面印刷モード」が選択されているときのようにそのまま排紙されることなく、両面搬送装置40における第3搬送経路K3に導かれて、その搬送方向が反転された後に、第4搬送経路K4を経由して再び2次転写ニップ(2次転写装置70)の位置に向けて搬送される。そして、2次転写ニップの位置で先に説明したものと同様の画像形成プロセス(画像形成動作)によってシートPのウラ面への画像形成(2次転写)がおこなわれ、その後に定着部50での定着工程を経て、第2搬送経路K2を経由して、画像形成装置本体100から排出される。
次に、図2にて、作像部における現像部5Y(現像装置)の構成・動作について、さらに詳しく説明する。
現像部5Yは、感光体ドラム1Yに対向する現像ローラ51Yと、現像ローラ51Yに対向するドクターブレード52Yと、現像剤収容部内に配設された2つの搬送スクリュ55Yと、現像剤中のトナー濃度を検知する濃度検知センサ56Yと、等で構成される。現像ローラ51Yは、内部に固設されたマグネットや、マグネットの周囲を回転するスリーブ等で構成される。現像剤収容部内には、キャリアとトナーとからなる2成分現像剤Gが収容されている。
このように構成された現像部5Yは、次のように動作する。
現像ローラ51Yのスリーブは、図2の矢印方向に回転している。そして、マグネットにより形成された磁界によって現像ローラ51Y上に担持された現像剤Gは、スリーブの回転にともない現像ローラ51Y上を移動する。ここで、現像部5Y内の現像剤Gは、現像剤G中のトナーの割合(トナー濃度)が所定の範囲内になるように調整される。具体的に、現像部5Yに設置されたトナー濃度センサによってトナー濃度が低い状態が検知されたときには、トナー濃度が所定の範囲内になるように、トナー容器58から現像部5Y内に新品トナーが補給される。
その後、トナー容器58から現像剤収容部内に補給されたトナーは、2つの搬送スクリュ55Yによって、現像剤Gとともに混合・撹拌されながら、隔絶された2つの現像剤収容部を循環する(図2の紙面垂直方向の移動である。)。そして、現像剤G中のトナーは、キャリアとの摩擦帯電によりキャリアに吸着して、現像ローラ51Y上に形成された磁力によりキャリアとともに現像ローラ51Y上に担持される。
現像ローラ51Y上に担持された現像剤Gは、図2中の矢印方向に搬送されて、ドクターブレード52Yの位置に達する。そして、現像ローラ51Y上の現像剤Gは、この位置で現像剤量が適量化された後に、感光体ドラム1Yとの対向位置(現像領域である。)まで搬送される。そして、現像領域に形成された電界によって、感光体ドラム1Y上に形成された潜像にトナーが吸着される。その後、現像ローラ51Y上に残った現像剤Gはスリーブの回転にともない現像剤収容部の上方に達して、この位置で現像ローラ51Yから離脱される。
なお、トナー容器58は、現像部5Y(画像形成装置100)に対して着脱可能(交換可能)に設置されている。そして、トナー容器58は、その内部に収容された新品のトナーが空になると、現像部5Y(画像形成装置100)から取り外されて新品のものに交換されることになる。
次に、図3等を用いて、本実施の形態における中間転写ベルト装置について詳述する。
図3を参照して、中間転写ベルト装置は、像担持体としての中間転写ベルト8、4つの1次転写ローラ9Y、9M、9C、9K 、駆動ローラ16、従動ローラ17、転写前ローラ18、テンションローラ19、クリーニング対向ローラ20、潤滑剤対向ローラ21、バックアップローラ22、中間転写クリーニング部10、中間転写潤滑剤供給装置としての潤滑剤供給装置30、2次転写対向ローラ80、2次転写装置70、等で構成される。
中間転写ベルト8は、各色のトナー像をそれぞれ担持する4つの感光体ドラム1Y、1M、1C、1Kに当接して1次転写ニップを形成している。中間転写ベルト8は、主として8つのローラ部材(駆動ローラ16、従動ローラ17、転写前ローラ18、テンションローラ19、クリーニング対向ローラ20、潤滑剤対向ローラ21、バックアップローラ22、2次転写対向ローラ80、である。)によって張架され支持されている。
本実施の形態において、中間転写ベルト8は、PVDF(フッ化ビニルデン)、ETFE(エチレン−四フッ化エチレン共重合体)、PI(ポリイミド)、PC(ポリカーボネート)、等を単層又は複数層に構成して、カーボンブラック等の導電性材料を分散させたベルト部材である。中間転写ベルト8は、体積抵抗率が106〜1013Ωcm、ベルト裏面側の表面抵抗率が107〜1013Ωcmの範囲となるように調整されている。また、中間転写ベルト8は、厚さが20〜200μmの範囲となるように設定されている。本実施の形態では、中間転写ベルト8の厚さが60μm程度に、体積抵抗率が109Ωcm程度に、設定されている。
ここで、本実施の形態において、中間転写ベルト8には、ゴム材料などからなる弾性層が中間層として設けられている。これにより、表面に凹凸があるシートPが通紙される場合であっても、2次転写ニップにおける転写性が低下しにくくなる。
なお、必要に応じて中間転写ベルト8の表面に離型層をコートすることもできる。その際、コートに用いる材料として、ETFE(エチレン−四フッ化エチレン共重合体)、PTFE(ポリ四フッ化エチレン)、PVDF(フッ化ビニルデン)、PEA(パーフルオロアルコキシフッ素樹脂)、FEP(四フッ化エチレン−六フッ化プロピレン共重合体)、PVF(フッ化ビニル)、等のフッ素樹脂を使用できるが、これに限定されるものではない。
1次転写ローラ9Y、9M、9C、9Kは、それぞれ、中間転写ベルト8を介して対応する感光体ドラム1Y、1M、1C、1Kに当接している。詳しくは、イエロー用の転写ローラ9Yは中間転写ベルト8を介してイエロー用の感光体ドラム1Yに当接して、マゼンタ用の転写ローラ9Mは中間転写ベルト8を介してマゼンタ用の感光体ドラム1Mに当接して、シアン用の転写ローラ9Cは中間転写ベルト8を介してシアン用の感光体ドラム1Cに当接して、ブラック用(黒色用)の転写ローラ9Kは中間転写ベルト8を介してブラック用(黒色用)の感光体ドラム1Kに当接している。1次転写ローラ9Y、9M、9C、9Kは、それぞれ、直径が10mm程度の芯金上に、外径が16mm程度の導電性スポンジ層が形成された弾性ローラであって、体積抵抗が106〜1012Ω(好ましくは、107〜109Ω)の範囲となるように調整されている。
駆動ローラ16は、4つの感光体ドラムに対して中間転写ベルトの走行方向下流側の位置で、中間転写ベルト8が120度程度の巻付角度で巻き付けられた状態で中間転写ベルト8の内周面に当接するように配置されている。駆動ローラ16は、制御部90によって制御される駆動モータMt1によって図3の時計方向に回転駆動される。これにより、中間転写ベルト8は所定の走行方向(図3の時計方向である。)に走行することになる。
従動ローラ17は、4つの感光体ドラムに対して中間転写ベルト8の走行方向上流側の位置で、中間転写ベルト8が180度程度の巻付角度で巻き付けられた状態で中間転写ベルト8の内周面に当接するように配置されている。中間転写ベルト8において、従動ローラ17から駆動ローラ16に至る部分は、ほぼ水平面になるように設定されている。従動ローラ17は、中間転写ベルト8の走行にともない図3の時計方向に従動回転する。
テンションローラ19は、中間転写ベルト8の外周面に当接している。転写前ローラ18、クリーニング対向ローラ20、潤滑剤対向ローラ21、バックアップローラ22、2次転写対向ローラ80は、中間転写ベルト8の内周面に当接している。
2次転写対向ローラ80と潤滑剤対向ローラ21との間には、中間転写ベルト8を介してクリーニング対向ローラ20に当接するように中間転写クリーニング部10(クリーニングブレード)が設置されている。
クリーニング対向ローラ20とテンションローラ19との間には、中間転写ベルト8を介して潤滑剤対向ローラ21に当接するように潤滑剤供給装置30(中間転写潤滑剤供給装置)が設置されている。潤滑剤供給装置30は、感光体ドラム用の潤滑剤供給装置3と同様に、潤滑剤供給ローラ、固形潤滑剤、圧縮スプリングなどからなる。そして、図3の反時計方向に回転する潤滑剤供給ローラによって、固形潤滑剤から潤滑剤が少量ずつ削られて、潤滑剤供給ローラによって中間転写ベルト8の表面に潤滑剤が供給されることになる。
駆動ローラ16を除くローラ部材17〜22、80は、いずれも、中間転写ベルト8の走行にともない従動回転する。
図4を参照して、2次転写対向ローラ80は、中間転写ベルト8と2次転写ベルト71とを介して2次転写ローラ72に当接している。2次転写対向ローラ80は、ステンレス鋼等からなる円筒状の芯金の外周面に、体積抵抗が107〜108Ω程度で、硬度(JIS−A硬度)が48〜58度程度のNBRゴムからなる弾性層83(層厚は5mm程度である。)が形成されたものである。
また、本実施の形態において、2次転写対向ローラ80は、電源部93(バイアス出力手段)に電気的に接続されていて、その電源部93から−5kV程度の高圧電圧となる2次転写バイアスが印加される。この2次転写対向ローラ80に印加される2次転写バイアスは、2次転写ニップに搬送されるシートPに、中間転写ベルト8の表面に1次転写されたトナー像を2次転写するためのものであって、トナーの極性と同じ極性(本実施の形態ではマイナス極性である。)の2次転写バイアス(直流電圧)である。これにより、中間転写ベルト8のトナー担持面(外周面)に担持されたトナーが、2次転写電界によって2次転写対向ローラ80側から2次転写装置70側に向かって静電移動することになる。
図4を参照して、2次転写装置70は、転写回転体としての2次転写ベルト71、2次転写ローラ72、分離ローラ73、テンションローラ74、ブラシ対向ローラ75、ブラシローラ78、第1ブレード対向ローラ76、第1ブレード85、潤滑剤塗布ローラ79、第2ブレード対向ローラ77、第2ブレード86、等で構成される。
2次転写ベルト71(転写回転体)は、6つのローラ(2次転写ローラ72、分離ローラ73、テンションローラ74、ブラシ対向ローラ75、第1ブレード対向ローラ76、第2ブレード対向ローラ77である。)に張架され支持された無端ベルトであって、中間転写ベルト8とほぼ同じ材料で形成されている。2次転写ベルト71(転写回転体)は、中間転写ベルト8(像担持体)に当接して転写ニップとしての2次転写ニップを形成するとともに、2次転写ニップから送出されたシートPを搬送するベルト部材である。
なお、本実施の形態において、2次転写ベルト71に、ゴム材料などからなる弾性層を中間層として設けることもできる。
2次転写ローラ72は、2次転写対向ローラ80との間に中間転写ベルト8と2次転写ベルト71とを挟んで2次転写ニップを形成している。2次転写ローラ72は、ステンレス鋼、アルミニウム等からなる中空状の芯金上に、硬度(アスカーC硬度)が40〜50度程度の弾性層が形成(被覆)されたものである。2次転写ローラ72の弾性層は、ポリウレタン、EPDM、シリコーン等のゴム材料に、カーボン等の導電性フィラーを分散させたり、イオン性の導電材料を含有させたりして、ソリッド状又は発泡スポンジ状に形成することができる。本実施の形態において、弾性層は、転写電流の集中を抑えるために、その体積抵抗が106.5〜107.5Ω程度に設定されている。なお、本実施の形態において、2次転写ローラ72は、接地(アース)されている。
また、2次転写ローラ72は、制御部90によって制御されるモータ92によって図4の反時計方向に回転駆動されて、2次転写ベルト71を図3の反時計方向に回転(走行)させる。それにともない、2次転写ベルト71の内周面に当接するローラ部材73〜77が図3の反時計方向に従動回転して、2次転写ベルト71の外周面に当接するブラシローラ78と潤滑剤塗布ローラ79とが図3の時計方向に従動回転する。
なお、モータ92は、回転数可変型のモータであって、制御部90による制御によって2次転写ローラ72の回転数(2次転写ベルト71の回転速度)を調整できるように構成されている。
また、2次転写ローラ72は、移動機構94によって図4の白矢印方向に移動して、2次転写ニップにおける当接圧(ニップ圧)を調整できるように構成されている。移動機構94としては、2次転写ローラ72の両端軸部を支持するカム機構などを用いることができる。
分離ローラ73は、2次転写ニップに対してシートPの搬送方向下流側の位置に配置されている。2次転写ニップから送出されたシートPは、図4の反時計方向に走行する2次転写ベルト71に沿うように搬送された後に、分離ローラ73の位置で、分離ローラ73の外周に沿うように曲面が形成された2次転写ベルト71によって、2次転写ベルト71から分離(曲率分離)されることになる。
ブラシローラ78は、2次転写ベルト71の表面に付着したトナーを除去するために、トナー極性とは逆極性のクリーニングバイアスが印加されている。
第1ブレード85は、2次転写ベルト71の表面に当接して、2次転写ベルト71の表面に付着したトナーや紙粉などの異物を除去するものである。
潤滑剤塗布ローラ79は、第1ブレード85などの摩耗を低減するために、2次転写ベルト71の表面に潤滑剤を塗布するものである。
第2ブレード86は、2次転写ベルト71の表面に当接して、2次転写ベルト71の表面に塗布された潤滑剤を薄層化するものである。
以下、図3〜図8等を用いて、本実施の形態において特徴的な、画像形成装置100の構成・動作について詳述する。
先に図3、図4等を用いて説明したように、画像形成装置100には、トナー像が担持される像担持体としての中間転写ベルト8に当接して転写ニップ(2次転写ニップ)を形成する転写回転体としての2次転写ベルト71が設置されている。この2次転写ベルト71(転写回転体)は、2次転写ニップに搬送されるシートPに対して中間転写ベルト8上のトナー像を転写するためのものである。
また、画像形成装置100には、2次転写ニップ(転写ニップ)における中間転写ベルト8(像担持体)に対する2次転写ベルト71(転写回転体)の相対的な線速差と、2次転写ニップにおける中間転写ベルト8に対する2次転写ベルト71の相対的な当接圧と、のうち少なくとも一方を調整する調整手段が設けられている。
詳しくは、この調整手段は、2次転写ベルト71(転写回転体)の回転速度(走行速度)と、中間転写ベルト8(像担持体)に対する2次転写ベルト71の当接圧と、のうち少なくとも一方を調整可能に構成されている。
具体的に、本実施の形態における画像形成装置100には、2次転写ローラ72の回転数を調整可能なモータ92(図4参照)が設けられている。このモータ92は、回転数可変型のモータであって、制御部90による制御によって2次転写ローラ72の回転数を調整することで、2次転写ベルト71の回転速度を調整して、2次転写ニップにおける中間転写ベルト8に対する2次転写ベルト71の線速差を調整する調整手段として機能するものである。すなわち、必要に応じて、制御部90による制御によって、2次転写ニップにおける中間転写ベルト8の線速L1と、2次転写ニップにおける2次転写ベルト71の線速L2と、の線速差(L1−L2)が調整されることになる。
また、本実施の形態における画像形成装置100には、2次転写ローラ72を移動可能な移動機構94(図4参照)が設けられている。この移動機構94は、カム機構などであって、制御部90による制御によって2次転写ローラ72の上下方向の位置を調整して、2次転写ニップにおける中間転写ベルト8に対する2次転写ベルト71の当接圧を調整する調整手段として機能するものである。すなわち、必要に応じて、制御部90による制御によって、2次転写ニップにおける当接圧F(ニップ圧)が調整されることになる。
また、本実施の形態における画像形成装置100には、先に図1を用いて説明したように、2次転写ニップでオモテ面にトナー像が転写された後のシートPのウラ面に中間転写ベルト8上のトナー像を転写するために、そのシートPを2次転写ニップに向けて搬送する両面搬送装置40が設置されている。
ここで、本実施の形態における画像形成装置100には、2次転写ニップ(転写ニップ)に搬送されるシートPの表面に転写されるトナー像の搬送方向の画像倍率の差(シートPの表面に転写されるトナー像の画像面積率の差異によって生じるシートP上のトナー像の搬送方向の画像倍率差である。)に基づいて、その画像倍率の差が小さくなるように調整手段(モータ92と移動機構94とのうち少なくとも一方である。)を制御する制御手段としての制御部90が設けられている。
換言すると、本実施の形態における画像形成装置100には、2次転写ニップ(転写ニップ)に搬送されるシートPの表面に転写されるトナー像の画像面積率の差異によって生じるシートPの搬送方向の搬送ズレ量に基づいて、その搬送ズレ量が小さくなるように調整手段(モータ92と移動機構94とのうち少なくとも一方である。)を制御する制御手段としての制御部90が設けられている。
なお、「画像面積率」とは、シートPにおいて単位面積あたり画像部(トナー像が形成された部分)が占める割合である。したがって、シートPが白紙のまま画像がまったく形成されていない場合の画像面積率は0%となり、シートPの全面にベタ画像が形成されている場合の画像面積率は100%となり、シートPの全面にハーフトーン画像が形成されている場合の画像面積率は25%となる。
また、シートPの表面に転写されるトナー像の「搬送方向の画像倍率」とは、像担持体に担持されたトナー像(画像)がシート上に転写される前と後で画像が搬送方向に伸び縮みする割合(画像の搬送方向の長さが変化する割合)である。具体的に、本実施の形態の場合、中間転写ベルト8上に形成された画像に対して、シートP上に2次転写される画像の、搬送方向の長さ(距離)の変化が「搬送方向の画像倍率」の変化になる。したがって、シートPの表面に転写されるトナー像の「搬送方向の画像倍率の差」とは、第1のシート表面における「搬送方向の画像倍率Z1」と、第2のシート表面における「搬送方向の画像倍率Z2」と、の差(Z1−Z2)になる。
詳しくは、図5(A)に示すように、搬送方向(副走査方向)の異なる位置にそれぞれ検知用マークR1、R2(R1´、R2´)が転写されるとともに画像面積率が小さな第1画像パターンMが転写された第1シート(1枚のシートPのオモテ面PAである。)に対して、検知用マークR1、R2(R1´、R2´)の搬送方向の距離を第1距離H1(H1´)として検知手段91、95によって検知する。
また、図5(B)に示すように、第1シート(オモテ面PA)と同じ位置になるように搬送方向の異なる位置にそれぞれ検知用マークR1、R2(R1´、R2´)が転写されるとともに第1画像パターンMに比べて画像面積率が大きな第2画像パターンNが転写された第2シート(1枚のシートPのウラ面PBである。)に対して、検知用マークR1、R2(R1´、R2´)の搬送方向の距離を第2距離H2(H2´)として検知手段91、95によって検知する。
そして、制御部90(制御手段)は、検知手段91、95によって検知した第1距離H1(H1´)と第2距離H2(H2´)との距離差H1−H2(H1´−H2´)が所定値A以下になるように、調整手段92、94を制御することになる。
なお、上述したように図5を用いた制御では、中間転写ベルト8上に形成される画像(検知用マークR1、R2)の搬送方向(副走査方向)の距離(H0)が画像面積率の大きさに関わらず一定であるため、シートP上に2次転写される画像(検知用マークR1、R2)の搬送方向の距離の変化(距離差)を、「搬送方向の画像倍率」の変化(画像倍率差)として用いている。
すなわち、上述した距離差(H1−H2)と、画像倍率差(H1/H0−H2/H0)と、には相関があるため、距離差(H1−H2)に基づいた制御をおこなっている。したがって、上述した制御は、画像倍率差(H1/H0−H2/H0)に基づいたものであると言える。
ここで説明した画像倍率差(H1/H0−H2/H0)と、先に説明した第1のシート表面(オモテ面PA)における「搬送方向の画像倍率Z1」と第2のシート表面(ウラ面PB)における「搬送方向の画像倍率Z2」との差(Z1−Z2)と、の関係は、Z1−Z2=H1/H0−H2/H0(ただし、Z1=H1/H0、Z2=H2/H0)となる。
このような一連の制御は、2次転写ニップでシートP上に形成される画像の画像面積率に関わらず、搬送方向の画像倍率が変化しにくくなるように、2次転写ニップにおける線速差や当接圧を調整するために、通常の印刷動作とは異なるタイミング(例えば、印刷動作前におこなわれるウォーミングアップ時である。)でおこなわれるものである。そして、このような制御を、以下、適宜に「調整モード」と呼ぶことにする。
さらに具体的に、本実施の形態における画像形成装置100には、定着部50の下流側に、幅方向(主走査方向)に延在するようにラインセンサ95(図1参照)が設置されている。ラインセンサは95、幅方向に複数のフォトセンサが並設されたものである。
また、制御部90には、ラインセンサ95によって光学的に検知した検知用マークR1、R2(R1´、R2´)の情報に基づいて、第1距離H1(H1´)や第2距離H2(H2´)を計算する演算部91(図4参照)が設けられている。
すなわち、ラインセンサ95と演算部91とが、第1距離H1(H1´)や第2距離H2(H2´)を検知する検知手段として機能することになる。そして、これらの検知結果に基づいて、シートP上に形成される画像の搬送方向(副走査方向)の画像倍率差(搬送ズレ量)が求められることになる。
図5に示すように、本実施の形態では、第1画像パターンMが形成される第1シートと、第2画像パターンNが形成される第2シートと、は同じ1枚のシートPであって、第1画像パターンMは1枚のシートPのオモテ面PAに形成されて、第2画像パターンNはその1枚のシートPのウラ面PBに形成される。
すなわち、先に図1を用いて説明した両面印刷モードがおこなわれて、1枚のシートPのオモテ面PAに検知用マークR1、R2、R1´、R2´と第1画像パターンMが形成され、そのウラ面PBに検知用マークR1、R2、R1´、R2´と第2画像パターンNが形成されることになる。
以下、調整モードにおける一連の動作について説明する。
なお、その動作説明において、適宜に図6に示すフローチャートとの関係を記載する。
まず、調整モードが実行されると、給紙部26から1枚のシートPが給送されて、2次転写ニップの位置で、そのシートPのオモテ面PAに図5(A)に示す画像(4つの検知用マークR1、R2、R1´、R2´と第1画像パターンMとである。)が形成される。なお、この画像は、先に説明した作像プロセスによって形成されたものである。
4つの検知用マークR1、R2、R1´、R2´は、シート面の4隅にそれぞれ形成された十字状の画像である。また、第1画像パターンMは、第2画像パターンNに比べて画像面積率が低い画像であって、本実施の形態における第1画像パターンMの画像面積率は0%に設定されている。すなわち、オモテ面PAには、4つの検知用マークR1、R2、R1´、R2´のみが形成されていることになる。
そして、オモテ面PAに4つの検知用マークR1、R2、R1´、R2´(及び、第1画像パターンM)が形成されたシートPは、定着工程後にラインセンサ95の位置に達する。そして、ラインセンサ95によって副走査方向(搬送方向)に離れた検知用マークR1、R2(R1´、R2´)が読み取られて、演算部91によって、その読み取り時間差にシートPの搬送速度が掛け算されて、第1距離H1(H1´)が求められる(図6:ステップS1)。なお、最終的に求められる第1距離H1は、主走査方向一端側の検知用マークR1、R2に基づいて求めた第1距離H1と、主走査方向他端側の検知用マークR1´、R2´に基づいて求めた第1距離H1´と、の平均値としている。
その後、オモテ面に4つの検知用マークR1、R2、R1´、R2´(及び、第1画像パターンM)が形成されたシートPは、両面搬送装置40によって再び2次転写ニップの位置に搬送される。そして、2次転写ニップの位置で、そのシートPのウラ面PBに図5(B)に示す画像(4つの検知用マークR1、R2、R1´、R2´と第2画像パターンNとである。)が形成される。なお、この画像は、先に説明した作像プロセスによって形成されたものである。
4つの検知用マークR1、R2、R1´、R2´は、図5(A)のものと同様に、シート面の4隅にそれぞれ形成された十字状の画像である。また、第2画像パターンNは、第1画像パターンMに比べて画像面積率が高い画像であって、本実施の形態における第2画像パターンNの画像面積率は25%以上に設定されている。特に、本実施の形態では、第2画像パターンNは、ハーフトーン画像であって、その画像面積率が25%に設定されている。この第2画像パターンNは、4つの検知用マークR1、R2、R1´、R2´と、その周囲と、を除いた位置に形成されている。
そして、ウラ面PBに4つの検知用マークR1、R2、R1´、R2´(及び、第2画像パターンN)が形成されたシートPは、定着工程後にラインセンサ95の位置に達する。そして、ラインセンサ95によってウラ面PBの副走査方向(搬送方向)に離れた検知用マークR1、R2(R1´、R2´)が読み取られて、演算部91によって、その読み取り時間差にシートPの搬送速度が掛け算されて、第2距離H2(H2´)が求められる(図6:ステップS2)。なお、最終的に求められる第2距離H2は、主走査方向一端側の検知用マークR1、R2に基づいて求めた第2距離H2と、主走査方向他端側の検知用マークR1´、R2´に基づいて求めた第2距離H2´と、の平均値としている。
そして、制御部90によって、第1距離H1と第2距離H2との距離差(|H1−H2|)が所定値A以下であるかが判別される(図6:ステップS3)。なお、この所定値Aは、画像倍率差の許容値に基づいて予め設定された値である。
その結果、図6のステップS3にて、距離差(|H1−H2|)が所定値A以下であるかと判別された場合には、画像面積率の差異によって搬送方向の画像倍率が変化する不具合が生じにくい状態であるものとして、2次転写ベルト71の回転速度や2次転写ニップの当接圧(ニップ圧)の調整はおこなわず(図6:ステップS4)、調整モードを終了する。
これに対して、図6のステップS3にて、距離差(|H1−H2|)が所定値A以下ではないと判別された場合には、画像面積率の差異によって搬送方向の画像倍率が変化する不具合が生じやすい状態であるものとして、2次転写ベルト71の回転速度や2次転写ニップの当接圧(ニップ圧)の調整をおこなう(図6:ステップS5)。そして、ステップS1以降のフローが繰り返される。このとき、ステップS1以降のフローが繰り返されるたびに、給紙部26から別の調整用のシートPが給送される。
なお、調整モードでは、2次転写ベルト71の回転速度のみを調整しても良いし、2次転写ニップの当接圧(ニップ圧)のみを調整しても良いし、それら両方を調整しても良い。
また、本実施の形態では、2次転写ベルト71(転写回転体)の回転速度を調整することで、2次転写ニップにおける中間転写ベルト8(像担持体)に対する2次転写ベルト71の相対的な線速差を調整した。これに対して、中間転写ベルト8の走行速度を調整することで、又は、2次転写ベルト71と中間転写ベルト8との双方の速度を調整することで、2次転写ニップにおける中間転写ベルト8に対する2次転写ベルト71の相対的な線速差を調整することもできる。
以下、2次転写ニップで転写される画像の画像面積率の差異によって搬送方向の画像倍率が変化するメカニズムと、その不具合が調整手段による調整によって解消されるメカニズムと、について説明する。
シートPは、2次転写ニップ(転写ニップ)を通過するときに、中間転写ベルト8(像担持体)と2次転写ベルト71(転写回転他)とのいずれかの速度(線速)に追従しようとする。しかし、そのとき、シートP上に転写される画像面積率によって、シートPの表面の摩擦状態が変化する。そのため、画像面積率によって、2次転写ニップにおけるシートPに対する中間転写ベルト8や2次転写ベルト71の摩擦状態が変化して、シートPの搬送速度(搬送量)のズレが生じて、搬送方向の画像倍率(副走査倍率)に差が生じてしまう。
そして、このような搬送方向の画像倍率差(搬送ズレ)は、2次転写ニップにおける中間転写ベルト8と2次転写ベルト71との当接圧(ニップ圧)や、中間転写ベルト8と2次転写ベルト71との線速差を調整することで軽減することができる。
シートPの搬送速度(搬送量)は、中間転写ベルト8の回転速度(線速)や、2次転写ベルト71の回転速度(線速)や、2次転写ニップにおける当接圧によって変動するためである。
さらに補足して説明すると、2次転写ニップにおいて、シートPと二次転写ベルト71との摩擦力に対して、シートPと中間転写ベルト8との摩擦力の方が大きい場合には、中間転写ベルト8の線速に近い速度でシートPが搬送される。これに対して、シートPと二次転写ベルト71との摩擦力に対して、シートPと中間転写ベルト8との摩擦力の方が小さい場合には、2次転写ベルト71の線速に近い速度でシートPが搬送される。
また、2次転写ニップにおける当接圧(ニップ圧)が大きくなると、2次転写ニップの形状が変化する。例えば、ニップ圧が大きくなると、2次転写ローラ72(2次転写ベルト71)と2次転写対向ローラ80(中間転写ベルト8)とによって形成される2次転写ニップにおいて、それらのローラ部材72、80(又は、柔らかい方のみ)が変形する。そして、そのような変形により、2次転写ニップにおけるシートPの姿勢が変化して、シートPと2次転写ベルト71との摩擦状態や、シートPと中間転写ベルト8との摩擦状態が変化して、シートPの搬送速度が変動する。
また、シートP上にトナーが担持された状態でも、摩擦状態が変化する。シートP上にトナーが担持されると、シート表面の摩擦係数が小さくなり、シートPと中間転写ベルト8との間や、シートPと2次転写ベルト71との間でスリップが発生しやすくなる。したがって、画像が形成されていないシートPと、ベタ画像が担持されたシートPと、では、2次転写ニップにおけるシートPの搬送速度(搬送量)にズレが発生する。そして、このズレが、画像面積率による搬送方向の画像倍率差の原因となる。
図7(A)は、横軸に中間転写ベルト8の線速V1と2次転写ベルト71線速V2との線速差(V1−V2)を示し、縦軸に低画像面積率の画像出力時と高画像面積率の画像出力時との搬送方向の画像倍率差(第1距離H1−第2距離H2)を示したグラフである。このとき、2次転写ニップの当接圧Fは一定である。図7(A)から、線速差(V1−V2)を変化させると、先に説明したように摩擦状態が変化して、画像倍率差(H1−H2)も変化することがわかる。そして、H1>H2なる関係において、線速差(V1−V2)を小さくすると、画像倍率差(H1−H2)が小さくなることがわかる。このような現象は、シートPの厚さに関わらず(薄紙か厚紙かに関わらず)、共通する。
一方、図7(B)は、横軸に2次転写ニップにおける当接圧F(ニップ圧)を示し、縦軸に低画像面積率の画像出力時と高画像面積率の画像出力時との搬送方向の画像倍率差(第1距離H1−第2距離H2)を示したグラフである。このとき、2次転写ニップにおける線速差(V1−V2)は一定である。図7(B)から、当接圧Fを変化させると、先に説明したように摩擦状態が変化して、画像倍率差(H1−H2)も変化することがわかる。そして、H1>H2なる関係において、当接圧Fを大きくすると、画像倍率差(H1−H2)が小さくなることがわかる。このような現象は、シートPの厚さに関わらず(薄紙か厚紙かに関わらず)、共通する。
本実施の形態における調整モードは、これらの現象に基づいておこなわれている。
このように、本実施の形態では、所定のタイミングで調整モードをおこなって、2次転写ニップでシートP上に形成される画像の画像面積率の差異によって生じる画像倍率差(搬送ズレ量)に基づいて、その画像倍率差(搬送ズレ量)が小さくなるように、2次転写ニップにおける線速差や当接圧を調整している。
これにより、2次転写ニップに搬送されるシートPの表面に転写するトナー像の画像面積率に関わらず、搬送方向の画像倍率を適正化することができる。すなわち、所定の画像面積率に絞って転写画像の画像倍率が閾値以下になるように2次転写ベルトの回転速度などを調整する場合に比べて、異なる画像面積率の画像出力時においても画像倍率差(搬送ズレ量)を小さくすることができる。したがって、異なる画像面積率に関わらず、搬送方向に伸縮した画像が形成されてしまう不具合を軽減することができる。
特に、中間転写ベルト8(像担持体)と2次転写ベルト71(転写回転体)とのうち少なくとも一方が、弾性層を有するベルト部材である場合には、異なる画像面積率の画像が転写されるときに画像倍率差(搬送ズレ量)が生じやすくなるため、本発明の構成が有用になる。
また、本実施の形態では、1枚のシートPのオモテ面に低画像面積率の第1画像パターンMを形成して、そのウラ面に高画像面積率の第2画像パターンNを形成して、オモテ面とウラ面との検知用マークR1、R2、R1´、R2´をそれぞれ検知して、調整モードをおこなっている。そのため、低画像面積率の第1画像パターンMを形成するシートP(第1シート)と、高画像面積率の第2画像パターンNを形成するシートP(第2シート)と、を分けて、それぞれのシートPに対して検知用マークR1、R2、R1´、R2´を検知して調整モードをおこなう場合に比べて、シートPの消費を抑えることができる。
また、本実施の形態では、第2画像パターンNの画像面積率は25%に設定している。画像面積率が高くなると、2次転写ニップにおけるシートPのスリップが生じやすくなるが、画像面積率が25%以上では、そのスリップの程度に大きな変化がない(摩擦の影響が飽和する)。そのため、本実施の形態では、大きなスリップが生じやすい状態であって、トナー消費がなるべく少なくなるように、第2画像パターンNの画像面積率を25%に設定している。
ここで、本実施の形態では、調整モードが実行された後に、露光部7における、主走査方向や副走査方向の書込みタイミングと露光分布とが調整される。
詳しくは、先に図6等を用いて説明した調整モードが終了した後に、作像プロセスによって、図8に示すような階調パターンPY、PK、PM、PCをシートP上に形成して、それらの階調パターンPY、PK、PM、PCが形成されたシートPがラインセンサ95の位置に搬送されたときに、ラインセンサ95によって階調パターンPY、PK、PM、PCを読み取る。
ここで、階調パターンPY、PK、PM、PCは、各色(イエロー、マゼンタ、シアン、ブラック)について、主走査方向の画像濃度が同等となり副走査方向の画像濃度が段階的に異なるように形成された画像パターンである。さらに具体的に、イエローで形成した階調画像パターンPYと、ブラックで形成した階調画像パターンPKと、マゼンタで形成した階調画像パターンPMと、シアンで形成した階調画像パターンPCと、が1枚のシートP(調整用シート)に、通常の画像形成動作とは異なるタイミングで形成される。4色の階調画像パターンPY、PK、PM、PCは、いずれも、主走査方向の画像濃度(画像面積率)が同等となるように形成された4つの帯状のパターン(階調部分P1〜P4)が副走査方向に間隔をあけて形成されたものである。また、それぞれの階調部分P1〜P4は、画像濃度(画像面積率)が段階的に異なるように形成されている。具体的に、P1、P2、P3、P4の順に画像濃度(画像面積率)が20%、40%,70%、100%と高くなるように形成されている。
そして、これらの階調画像パターンPY、PK、PM、PCの主走査方向の位置や、副走査方向の位置を、ラインセンサ95で検知して、その検知結果に基づいて、各色の露光部7の主走査方向の書込みタイミングや、露光部7の副走査方向の書込みタイミングが調整される。さらに、階調画像パターンPY、PK、PM、PCの画像濃度をラインセンサ95で検知して、その検知結果に基づいて、各色の露光部7の主走査方向や副走査方向の露光分布が調整される。
なお、これらの調整は、シートPのウラ面に階調画像パターンPY、PK、PM、PCを形成して、ウラ面への印刷時についてもおこなわれる。
このように、本実施の形態における画像形成装置100でおこなわれる調整方法(画像形成装置100における画像形成方法)は、
(1)2次転写ニップ(転写ニップ)に搬送されるシートPのオモテ面PAとウラ面PBとに(又は、転写ニップに搬送される2枚のシートの表面に)、それぞれ画像面積率の異なるトナー像M、Nを転写する工程と、
(2)画像面積率の異なるトナー像M、Nが形成されたオモテ面PAとウラ面PBとにおける(又は、画像面積率の異なるトナー像M、Nが形成された2枚のシートの表面における)、それぞれのトナー像R1、R2,R1´、R2´(検知用マーク)の搬送方向の画像倍率の差に基づいて、その画像倍率の差が小さくなるように調整手段(モータ92、移動機構94)を制御する工程と、
を備えたことを特徴とすることになる。
<変形例1>
変形例1における画像形成装置100において、制御部90(制御手段)は、ラインセンサ95及び演算部91(検知手段)によって検知した第1距離H1と第2距離H2との距離差(|H1−H2|)が所定値Aを超える場合であって、第1距離H1が第2距離H2よりも大きいとき(H1>H2)には、2次転写ベルト71の回転速度と2次転写ニップの当接圧とのうち少なくとも一方が大きくなるように、調整手段(モータ92又は移動機構94)を制御している。
これに対して、制御部90は、ラインセンサ95及び演算部91(検知手段)によって検知した第1距離H1と第2距離H2との距離差(|H1−H2|)が所定値Aを超える場合であって、第1距離H1が第2距離H2よりも小さいとき(H1≦H2)には、2次転写ベルト71の回転速度と2次転写ニップの当接圧とのうち少なくとも一方が小さくなるように、調整手段(モータ92又は移動機構94)を制御している。
このような制御をおこなうことで、調整モードにおいて、第1距離H1と第2距離H2との大小関係に応じたキメの細かい調整をおこなうことができる。
また、変形例1において、制御部90(制御手段)は、距離差(|H1−H2|)に基づいて調整手段92、94を制御する調整モードを所定回数(変形例1では5回である。)おこなっても距離差(|H1−H2|)が所定値A以下にならない場合に、その旨を表示パネル200(図1参照)に警告表示している。具体的には、調整モードを中止するとともに、調整モードが不調に終わった旨のエラー表示を表示パネル200に表示している。
このような制御をおこなうことで、調整モードが無限に続けられてしまう不具合を防止することができる。
図9は、変形例1における調整モード時の制御を示すフローチャートである。
まず、シートPのオモテ面PAに形成された検知用マークR1、R2、R1´、R2´がラインセンサ95によって読み取られて、その情報に基づいて演算部91によって第1距離H1が求められる(ステップS1)。
次に、シートPのウラ面PBに形成された検知用マークR1、R2、R1´、R2´がラインセンサ95によって読み取られて、その情報に基づいて演算部91によって第2距離H2が求められる(ステップS2)。
その後、制御部90のカウンタによって調整モードを繰り返した回数nがカウントアップされると(ステップS10)、その回数nが5回(所定回数)を超えていないかが判別される(ステップS11)。その結果、調整モードの回数nが5回を超えているものと判別された場合には、調整モードが不調に終わったものとして、表示パネル200にエラー表示がされるとともに、距離差(|H1−H2|)が最小となる2次転写ベルト71の回転速度(又は、2次転写ニップの当接圧)の設定値が保存される(ステップS12)。そして、その後におこなわれる印刷動作は、保存された設定値に基づいて実行される。
これに対して、ステップS11にて、調整モードの回数nが5回を超えていないものと判別された場合には、ステップS1、S2の結果から求めた距離差(|H1−H2|)が0.5mm以下であるかが判別される(ステップS13)。その結果、距離差(|H1−H2|)が0.5mm以下であると判別された場合には、画像面積率の差異による画像倍率差が問題ないレベルであるものとして、2次転写ベルト71の回転速度(又は、2次転写ニップの当接圧)の調整はおこなわずに、そのときの2次転写ベルト71の回転速度(又は、2次転写ニップの当接圧)の設定値が保存される(ステップS14)。そして、その後におこなわれる印刷動作は、保存された設定値に基づいて実行される。
これに対して、ステップS13にて、距離差(|H1−H2|)が0.5mmより大きいと判別された場合には、そのときの第1距離H1と第2距離H2とが保存されて(ステップS15)、第1距離H1が第2距離H2よりも大きいかが判別される(ステップS16)。その結果、第1距離H1が第2距離H2よりも大きいものと判別された場合には、画像面積率の差異による画像倍率差が問題あるレベルであって、2次転写ベルト71の線速V2が遅くなっているものとして、2次転写ベルト71の回転速度が0.4%増速されて、そのときの2次転写ベルト71の回転速度の設定値が保存される(ステップS17)。そして、ステップS1以降のフローが繰り返される。
これに対して、ステップS16にて、第1距離H1が第2距離H2よりも大きくないものと判別された場合には、画像面積率の差異による画像倍率差が問題あるレベルであって、2次転写ベルト71の線速V2が速くなっているものとして、2次転写ベルト71の回転速度が0.4%減速されて、そのときの2次転写ベルト71の回転速度の設定値が保存される(ステップS18)。そして、ステップS1以降のフローが繰り返される。
なお、図9の制御フローが繰り返される場合おいて、H1(n)−H2(n)、H1(n+1)−H2(n+1)がどちらもステップS13の条件を満足せず、さらにステップS16の大小関係が逆転してしまうようなときには、2次転写ベルト71の回転速度の調整幅を小さく設定することが好ましい。
<変形例2>
変形例2における画像形成装置100において、制御部90(制御手段)は、モータ92及び移動機構94(調整手段)を制御する場合に、画像倍率差(搬送ズレ量)としての距離差(|H1−H2|)が所定量Bを超えるときには当接圧Fが調整されるように移動機構94(調整手段)を制御して、画像倍率差としての距離差(|H1−H2|)が所定量B以下であるときには2次転写ニップにおける線速差が調整されるようにモータ92(調整手段)を制御している。すなわち、調整モード時に、画像倍率差の粗調整をおこなうときには移動機構94(当接圧)を調整制御して、画像倍率差の微調整をおこなうときにはモータ92(線速差)を調整制御している。
これは、2次転写ニップの当接圧の方が、2次転写ニップにおける線速差に比べて、変化量に対する画像倍率差の調整量が大きいためである。
そして、このように制御することにより、調整モードの効率が向上することになる。
図10は、変形例2における調整モード時の制御を示すフローチャートである。
ステップS1、S2、S10、S11、S12までのフローは、図9のものと同様である。そして、図10に示すように、ステップS11にて、調整モードの回数nが5回を超えていないものと判別された場合には、ステップS1、S2の結果から求めた距離差(|H1−H2|)が0.2mm以下であるかが判別される(ステップS23)。その結果、距離差(|H1−H2|)が0.2mm以下であると判別された場合には、画像面積率の差異による画像倍率差が問題ないレベルであるものとして、2次転写ベルト71の回転速度と2次転写ニップの当接圧との調整はおこなわずに、そのときの2次転写ベルト71の回転速度と2次転写ニップの当接圧との設定値がそれぞれ保存される(ステップS24)。そして、その後におこなわれる印刷動作は、保存された設定値に基づいて実行される。
これに対して、ステップS23にて、距離差(|H1−H2|)が0.2mmより大きいと判別された場合には、そのときの第1距離H1と第2距離H2とが保存されて(ステップS25)、ステップS1、S2の結果から求めた距離差(|H1−H2|)が0.5mm以下であるかが判別される(ステップS26)。その結果、距離差(|H1−H2|)が0.5mm以下であると判別された場合には、第1距離H1が第2距離H2よりも大きいかが判別される(ステップS27)。その結果、第1距離H1が第2距離H2よりも大きいものと判別された場合には、画像面積率の差異による画像倍率差を微調整するのが良くて、2次転写ベルト71の線速V2が遅くなっているものとして、2次転写ベルト71の回転速度が0.3%増速されて、そのときの2次転写ベルト71の回転速度の設定値が保存される(ステップS28)。そして、ステップS1以降のフローが繰り返される。
これに対して、ステップS27にて、第1距離H1が第2距離H2よりも大きくないものと判別された場合には、画像面積率の差異による画像倍率差を微調整するのが良くて、2次転写ベルト71の線速V2が速くなっているものとして、2次転写ベルト71の回転速度が0.3%減速されて、そのときの2次転写ベルト71の回転速度の設定値が保存される(ステップS29)。そして、ステップS1以降のフローが繰り返される。
これに対して、ステップS26にて、距離差(|H1−H2|)が0.5mmより大きいものと判別された場合には、第1距離H1が第2距離H2よりも大きいかが判別される(ステップS30)。その結果、第1距離H1が第2距離H2よりも大きいものと判別された場合には、画像面積率の差異による画像倍率差を粗調整するのが良くて、2次転写ニップの当接圧Fが小さくなっているものとして、2次転写ニップの当接圧Fが50%増加されて、そのときの当接圧Fの設定値が保存される(ステップS31)。そして、ステップS1以降のフローが繰り返される。
これに対して、ステップS30にて、第1距離H1が第2距離H2よりも大きくないものと判別された場合には、画像面積率の差異による画像倍率差を粗調整するのが良くて、2次転写ニップの当接圧Fが大きくなっているものとして、2次転写ニップの当接圧Fが50%減少されて、そのときの当接圧Fの設定値が保存される(ステップS32)。そして、ステップS1以降のフローが繰り返される。
以上説明したように、本実施の形態における画像形成装置100は、トナー像が担持される中間転写ベルト8(像担持体)と、中間転写ベルト8に当接して2次転写ニップ(転写ニップ)を形成して2次転写ニップに搬送されるシートPに対して中間転写ベルト8上のトナー像を転写するための2次転写ベルト71(転写回転体)と、が設けられている。また、2次転写ニップにおける中間転写ベルト8に対する2次転写ベルト71の相対的な線速差と、2次転写ニップにおける中間転写ベルト8に対する2次転写ベルト71の相対的な当接圧と、のうち少なくとも一方を調整する調整手段(モータ92、移動機構94)が設けられている。さらに、2次転写ニップに搬送されるシートPの表面に転写されるトナー像の搬送方向の画像倍率の差に基づいて、その画像倍率の差が小さくなるように調整手段(モータ92、移動機構94)を制御する制御部90(制御手段)が設けられている。
これにより、2次転写ニップに搬送されるシートPの表面に転写するトナー像の画像面積率に関わらず、搬送方向の画像倍率を変化しにくくすることができる。
なお、本実施の形態では、2次転写対向ローラ80に2次転写バイアスを印加するように電源部93が構成された、斥力転写方式の画像形成装置100に対して、本発明を適用した。これに対して、2次転写ローラ72に2次転写バイアスを印加するように電源部が構成された、引力転写方式の画像形成装置に対しても、本発明を適用することができる。その場合、2次転写バイアスは、斥力転写方式のものに対して逆の極性になる。また、斥力転写方式と引力転写方式とが併用された画像形成装置に対しても、本発明を適用することができる。
また、本実施の形態では、転写回転体として2次転写ベルト71を用いた画像形成装置100に対して、本発明を適用した。これに対して、転写回転体として2次転写ローラを用いた画像形成装置に対しても、本発明を適用することができる。
また、本実施の形態では、像担持体としての中間転写ベルト8(中間転写体)と、転写回転体としての2次転写ベルト71と、を用いた画像形成装置100に対して、本発明を適用した。これに対して、中間転写ベルトや中間転写ドラムなどの中間転写体を備えず、像担持体としての感光体ドラム(感光体)と、感光体ドラムに当接して転写ニップを形成して、転写ニップに搬送されるシートに対して感光体ドラム上のトナー像を転写するための転写回転体と、を備えた装置、いわゆる直接転写方式の画像形成装置に対しても、本発明を適用することができる。転写回転体としては、複数のローラに支持された転写ベルトや、転写ローラなどを用いることができる。
また、本実施の形態では、カラー画像を形成する画像形成装置100に対して、本発明を適用した。これに対して、モノクロ画像のみを形成する画像形成装置に対しても本発明を適用することができる。
そして、それらのような場合であっても、本実施の形態のものと同様の効果を得ることができる。
また、本実施の形態では、2次転写ベルト71(転写回転体)の回転速度を調整することで、転写ニップにおける中間転写ベルト8(像担持体)に対する2次転写ベルト71の相対的な線速差を調整するように調整手段を構成した。これに対して、像担持体(又は、像担持体及び転写回転体)の回転速度を調整することで、転写ニップにおける像担持体に対する転写回転体の相対的な線速差を調整するように調整手段を構成することもできる。
また、本実施の形態では、2次転写ベルト71(転写回転体)を移動させることで、転写ニップにおける中間転写ベルト8(像担持体)に対する2次転写ベルト71の相対的な当接圧を調整するように調整手段を構成した。これに対して、像担持体(又は、像担持体及び転写回転体)を移動させることで、転写ニップにおける像担持体に対する転写回転体の相対的な当接圧を調整するように調整手段を構成することもできる。
また、本実施の形態では、検知用マークR1、R2,R1´、R2´をラインセンサ95にて検知したが、検知用マークR1、R2,R1´、R2´を検知するセンサはこれに限定されず、例えば、検知用マークR1、R2,R1´、R2´に対応する幅方向の位置(幅方向両端部である。)にそれぞれ設置されたフォトセンサを用いて、検知用マークR1、R2,R1´、R2´をラインセンサ95にて検知しても良い。
また、本実施の形態では、第1画像パターンMの画像面積率を0%として、第2画像パターンNの画像面積率を25%としたが、これらの画像面積率はこれらの値に限定されず、ある程度の差異があれば良い。
そして、それらのような場合であっても、本実施の形態のものと同様の効果を得ることができる。
また、本実施の形態では、1枚のシートPのオモテ面に低画像面積率の第1画像パターンMを形成して、そのウラ面に高画像面積率の第2画像パターンNを形成して、オモテ面とウラ面との検知用マークR1、R2、R1´、R2´をそれぞれ検知して、調整モードをおこなった。これに対して、低画像面積率の第1画像パターンMを形成するシートP(第1シート)と、高画像面積率の第2画像パターンNを形成するシートP(第2シート)と、を分けて、それぞれのシートPに対して検知用マークR1、R2、R1´、R2´を形成して、それらを検知して調整モードをおこなうこともできる。
また、本実施の形態では、シートPのオモテ面に形成する転写前の検知用マークR1、R2、R1´、R2´の搬送方向の長さH1、H1´と、ウラ面に形成する転写前の検知用マークR1、R2、R1´、R2´の搬送方向の長さH2、H2´と、が一致するように(H1、H1´=H2、H2´)、中間転写ベルト8上にオモテ面用の検知用マークR1、R2、R1´、R2´とウラ面用の検知用マークR1、R2、R1´、R2´とを形成した。これに対して、シートPのオモテ面に形成する転写前の検知用マークR1、R2、R1´、R2´の搬送方向の長さH1、H1´と、ウラ面に形成する転写前の検知用マークR1、R2、R1´、R2´の搬送方向の長さH2、H2´と、が一致しなくても、例えば、予め定められた距離比で形成されている場合(例えば、H1、H1´=2×H2、H2´)であっても、その元々の距離比を考慮してシートP上の検知マークの距離差(|H1−2×H2|)を求めて、画像面積率の差異によって生じる画像の搬送方向の画像倍率差に基づいて調整モードをおこなうこともできる。
そして、それらのような場合であっても、本実施の形態のものと同様の効果を得ることができる。
なお、本発明が本実施の形態に限定されず、本発明の技術思想の範囲内において、本実施の形態の中で示唆した以外にも、本実施の形態は適宜変更され得ることは明らかである。また、前記構成部材の数、位置、形状等は本実施の形態に限定されず、本発明を実施する上で好適な数、位置、形状等にすることができる。
1Y、1M、1C、1K 感光体ドラム(感光体)、
8 中間転写ベルト(像担持体)、
40 両面搬送装置、
70 2次転写装置、
71 2次転写ベルト(転写回転体)、
72 2次転写ローラ、
80 2次転写対向ローラ、
90 制御部(制御手段)、
91 演算部(計算手段)、
92 モータ(調整手段)、
94 移動機構(調整手段)、
100 画像形成装置(画像形成装置本体)、
P シート、 PA オモテ面、 PB ウラ面、
R1、R1´、R2、R2´ 検知用マーク、
M 第1画像パターン、 N 第2画像パターン、
H1、H1´ 第1距離、 H2、H2´ 第2距離。
特開2019−98734号公報

Claims (10)

  1. トナー像が担持される像担持体と、
    前記像担持体に当接して転写ニップを形成して、前記転写ニップに搬送されるシートに対して前記像担持体上のトナー像を転写するための転写回転体と、
    前記転写ニップにおける前記像担持体に対する前記転写回転体の相対的な線速差と、前記転写ニップにおける前記像担持体に対する前記転写回転体の相対的な当接圧と、のうち少なくとも一方を調整する調整手段と、
    前記転写ニップに搬送されるシートの表面に転写されるトナー像の搬送方向の画像倍率の差に基づいて、前記画像倍率の差が小さくなるように前記調整手段を制御する制御手段と、
    を備えたことを特徴とする画像形成装置。
  2. 搬送方向の異なる位置にそれぞれ検知用マークが転写されるとともに画像面積率が小さな第1画像パターンが転写された第1シートに対して、前記検知用マークの搬送方向の距離を第1距離として検知手段によって検知して、
    前記第1シートと同じ位置になるように搬送方向の異なる位置にそれぞれ前記検知用マークが転写されるとともに前記第1画像パターンに比べて画像面積率が大きな第2画像パターンが転写された第2シートに対して、前記検知用マークの搬送方向の距離を第2距離として前記検知手段によって検知して、
    前記制御手段は、前記検知手段によって検知した前記第1距離と前記第2距離との距離差が所定値以下になるように、前記調整手段を制御することを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
  3. 前記第1画像パターンの画像面積率は0%であって、
    前記第2画像パターンの画像面積率は25%以上であることを特徴とする請求項2に記載の画像形成装置。
  4. 前記転写ニップでオモテ面にトナー像が転写された後のシートのウラ面に前記像担持体上のトナー像を転写するために、当該シートを前記転写ニップに向けて搬送する両面搬送装置を備え
    前記第1シートと前記第2シートとは同じ1枚のシートであって、
    前記第1画像パターンは前記1枚のシートのオモテ面に形成されて、前記第2画像パターンは前記1枚のシートのウラ面に形成されることを特徴とする請求項2又は請求項3に記載の画像形成装置。
  5. 前記調整手段は、前記転写回転体の回転速度と、前記像担持体に対する前記転写回転体の当接圧と、のうち少なくとも一方を調整可能に構成され、
    前記制御手段は、
    前記検知手段によって検知した前記第1距離と前記第2距離との距離差が前記所定値を超える場合であって、前記第1距離が前記第2距離よりも大きいときには、前記回転速度と前記当接圧とのうち少なくとも一方が大きくなるように前記調整手段を制御して、
    前記検知手段によって検知した前記第1距離と前記第2距離との距離差が前記所定値を超える場合であって、前記第1距離が前記第2距離よりも小さいときには、前記回転速度と前記当接圧とのうち少なくとも一方が小さくなるように前記調整手段を制御することを特徴とする請求項2〜請求項4のいずれかに記載の画像形成装置。
  6. 前記制御手段は、前記距離差に基づいて前記調整手段を制御する調整モードを所定回数おこなっても前記距離差が前記所定値以下にならない場合に、その旨を警告表示することを特徴とする請求項2〜請求項5のいずれかに記載の画像形成装置。
  7. 前記制御手段は、前記調整手段を制御する場合に、前記画像倍率の差が所定量を超えるときには前記当接圧が調整されるように前記調整手段を制御して、前記画像倍率の差が前記所定量以下であるときには前記線速差が調整されるように前記調整手段を制御することを特徴とする請求項1〜請求項6のいずれかに記載の画像形成装置。
  8. 前記調整手段を制御する調整モードが実行された後に、露光部における主走査方向と副走査方向との書込みタイミングと露光分布とが調整されることを特徴とする請求項1〜請求項7のいずれかに記載の画像形成装置。
  9. 前記像担持体と前記転写回転体とのうち少なくとも一方は、弾性層を有するベルト部材であることを特徴とする請求項1〜請求項8のいずれかに記載の画像形成装置。
  10. トナー像が担持される像担持体と、
    前記像担持体に当接して転写ニップを形成して、前記転写ニップに搬送されるシートに対して前記像担持体上のトナー像を転写するための転写回転体と、
    前記転写ニップにおける前記像担持体に対する前記転写回転体の相対的な線速差と、前記転写ニップにおける前記像担持体に対する前記転写回転体の相対的な当接圧と、のうち少なくとも一方を調整する調整手段と、
    を備えた画像形成装置でおこなわれる調整方法であって、
    前記転写ニップに搬送されるシートのオモテ面とウラ面とに、又は、前記転写ニップに搬送される2枚のシートの表面に、それぞれ画像面積率の異なるトナー像を転写する工程と、
    前記画像面積率の異なるトナー像が形成された前記オモテ面とウラ面とにおける、又は、前記画像面積率の異なるトナー像が形成された前記2枚のシートの表面における、それぞれのトナー像の搬送方向の画像倍率の差に基づいて、前記画像倍率の差が小さくなるように前記調整手段を制御する工程と、
    を備えたことを特徴とする調整方法。
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