JP2022060702A - 画像形成装置 - Google Patents

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Yuki Aoki
成一 小暮
Seiichi Kogure
篤 中本
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大輔 濱田
Daisuke Hamada
拓也 秋山
Takuya Akiyama
優 後藤
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Abstract

【課題】転写工程において、シートの剛性に関わらず異常画像を発生しにくくする。【解決手段】トナー像を担持する中間転写ベルト8(像担持体)と、中間転写ベルト8との間に形成された2次転写ニップN(転写ニップ)に搬送されるシートPに中間転写ベルト8に担持されたトナー像を転写する2次転写ローラ70及び2次転写ベルト72(転写部材)と、が設けられている。また、2次転写ニップNに搬送されるシートPの剛性に関する情報を取得する操作表示パネル95(情報取得手段)が設けられている。さらに、操作表示パネル95によって取得したシートPの剛性に応じて、2次転写ニップNに搬送されるシートPの搬送速度を調整する第3駆動モータMt3及び制御部90(速度調整手段)が設けられている。【選択図】図3

Description

この発明は、複写機、プリンタ、ファクシミリ、又は、それらの複合機等の画像形成装置に関するものである。
従来から、複写機やプリンタ等の画像形成装置において、中間転写ベルトなどの像担持体と、2次転写ローラなどの転写部材と、を圧接させて転写ニップ(2次転写ニップ)を形成して、転写ニップに搬送されるシート上に、像担持体に担持されたトナー像を転写する技術が知られている(例えば、特許文献1参照。)。
一方、特許文献1には、2次転写工程において濃度ムラや放電画像などの異常画像の発生を防止することを目的として、2次転写ニップに搬送される用紙(シート)の厚みに応じて、直流成分と交流成分とが重畳された2次転写バイアスの出力を調整する技術が開示されている。
従来の画像形成装置は、転写工程において、剛性の異なるシートが転写ニップに搬送されたときに、異常画像が発生してしまうことがあった。
この発明は、上述のような課題を解決するためになされたもので、転写工程において、シートの剛性に関わらず異常画像が発生しにくい、画像形成装置を提供することにある。
この発明における画像形成装置は、トナー像を担持する像担持体と、前記像担持体との間に形成された転写ニップに搬送されるシートに、前記像担持体に担持されたトナー像を転写する転写部材と、前記転写ニップに搬送されるシートの剛性に関する情報を取得する情報取得手段と、前記情報取得手段によって取得したシートの剛性に応じて、前記転写ニップに搬送されるシートの搬送速度を調整する速度調整手段と、を備えたものである。
本発明によれば、転写工程において、シートの剛性に関わらず異常画像が発生しにくい、画像形成装置を提供することができる。
この発明の実施の形態における画像形成装置を示す全体構成図である。 作像部の一部を拡大して示す構成図である。 中間転写ベルトとその近傍とを示す概略図である。 2次転写ニップの近傍を示す拡大図である。 シートの剛性に基づく制御を示すフローチャートである。 シートの剛性とレジストローラ対の速度調整値とを変化させたときの異常画像の発生の程度を示す実験結果である。 シートの剛性に基づくレジストローラ対の速度調整値の設定値の一例を示す表図である。 変形例1としての画像形成装置における、シートの剛性に基づく制御を示すフローチャートである。 シートの剛性と2次転写バイアスとを変化させたときの異常画像の発生の程度を示す実験結果である。 シートの剛性に基づく2次転写バイアスの設定値の一例を示す表図である。 変形例2としての画像形成装置における、シートの剛性と2次転写ニップにおける線速差とを変化させたときの異常画像の発生の程度を示す実験結果である。 シートの剛性に基づく2次転写ニップにおける線速差の設定値の一例を示す表図である。 変形例3としての画像形成装置における、シートの剛性に基づく制御を示すフローチャートである。
以下、この発明を実施するための形態について、図面を参照して詳細に説明する。なお、各図中、同一又は相当する部分には同一の符号を付しており、その重複説明は適宜に簡略化ないし省略する。
まず、図1及び図2にて、画像形成装置100における全体の構成・動作について説明する。
図1は画像形成装置としてのプリンタを示す構成図であり、図2はその作像部の一部を示す拡大図である。
図1に示すように、画像形成装置本体100の中央には、像担持体としての中間転写ベルト8(中間転写体)が設置されている。また、中間転写ベルト8に対向するように、各色(イエロー、マゼンタ、シアン、ブラック)に対応した作像部6Y、6M、6C、6Kが並設されている。
なお、画像形成装置本体100の外装部には、プリント動作(画像形成動作)に関わる情報が表示されたり操作をおこなったりするための操作表示パネル95(情報取得手段)が設置されている。
図2を参照して、イエローに対応した作像部6Yは、感光体ドラム1Yと、感光体ドラム1Y(感光体)の周囲に配設された帯電装置4Y、現像装置5Y、クリーニング装置2Y、潤滑剤供給装置3、除電装置(不図示)、等で構成されている。そして、感光体ドラム1Y上で、作像プロセス(帯電工程、露光工程、現像工程、転写工程、クリーニング工程、除電工程)がおこなわれて、感光体ドラム1Y上にイエロー画像が形成されることになる。
なお、他の3つの作像部6M、6C、6Kも、使用されるトナーの色が異なる以外は、イエローに対応した作像部6Yとほぼ同様の構成となっていて、それぞれのトナー色に対応した画像が形成される。以下、他の3つの作像部6M、6C、6Kの説明を適宜に省略して、イエローに対応した作像部6Yのみの説明をおこなうことにする。
図2を参照して、感光体ドラム1Yは、メインモータによって反時計方向に回転駆動される。そして、帯電装置4Yの位置で、感光体ドラム1Yの表面が一様に帯電される(帯電工程である。)。
その後、感光体ドラム1Yの表面は、露光装置7から発せられたレーザ光Lの照射位置に達して、この位置での幅方向(図1、図2の紙面垂直方向であって、主走査方向である。)の露光走査によってイエローに対応した静電潜像が形成される(露光工程である。)。
その後、感光体ドラム1Yの表面は、現像装置5Yとの対向位置に達して、この位置で静電潜像が現像されて、イエローのトナー像が形成される(現像工程である。)。
その後、感光体ドラム1Yの表面は、中間転写ベルト8及び1次転写ローラ9Yとの対向位置に達して、この位置で感光体ドラム1の表面に形成されたトナー像が中間転写ベルト8の表面に1次転写される(1次転写工程である。)。このとき、感光体ドラム1Y上には、僅かながら未転写トナーが残存する。
その後、感光体ドラム1Yの表面は、クリーニング装置2Yとの対向位置に達して、この位置で感光体ドラム1Y上に残存した未転写トナーがクリーニングブレード2aによってクリーニング装置2Y内に回収される(クリーニング工程である。)。
ここで、クリーニング装置2Yの内部には、潤滑剤供給ローラ3a、固形潤滑剤3b、圧縮スプリング3cなどからなる潤滑剤供給装置3(感光体用潤滑剤供給装置)が内設されている。そして、図2の時計方向に回転する潤滑剤供給ローラ3aによって、固形潤滑剤3bから潤滑剤が少量ずつ削られて、潤滑剤供給ローラ3aによって感光体ドラム1Yの表面に潤滑剤が供給されることになる。
最後に、感光体ドラム1Yの表面は、除電装置(不図示)との対向位置に達して、この位置で感光体ドラム1上の残留電位が除去される。
こうして、感光体ドラム1Y上でおこなわれる、一連の作像プロセスが終了する。
なお、上述した作像プロセスは、他の作像部6M、6C、6Kでも、イエロー作像部6Yと同様におこなわれる。すなわち、作像部の上方に配設された露光装置7から、画像情報に基いたレーザ光Lが、各作像部6M、6C、6Kの感光体ドラム1M、1C、1K上に向けて照射される。詳しくは、露光装置7は、光源からレーザ光Lを発して、そのレーザ光Lを回転駆動されたポリゴンミラーで走査しながら、複数の光学素子を介して感光体ドラム上に照射する。
その後、各現像装置5M、5C、5Kによる現像工程を経て各感光体ドラム1M、1C、1K上に形成した各色のトナー像を、中間転写ベルト8上に重ねて1次転写する。こうして、中間転写ベルト8上にカラー画像が形成される。
ここで、中間転写ベルト8は、複数のローラ部材16~22によって張架・支持されるとともに、駆動モータによる1つのローラ部材(駆動ローラ16)の回転駆動によって図3中の矢印方向に無端移動される。
4つの1次転写ローラ9Y、9M、9C、9Kは、それぞれ、中間転写ベルト8を感光体ドラム1Y、1M、1C、1Kとの間に挟み込んで1次転写ニップを形成している。そして、1次転写ローラ9Y、9M、9C、9Kに、トナーの極性とは逆の極性の転写電圧(1次転写バイアス)が印加される。
そして、中間転写ベルト8は、矢印方向に走行して、1次転写ローラ9Y、9M、9C、9Kの1次転写ニップを順次通過する。こうして、感光体ドラム1Y、1M、1C、1K上の各色のトナー像が、中間転写ベルト8の表面に重ねて1次転写される(1次転写工程である。)。
その後、各色のトナー像が重ねて1次転写された中間転写ベルト8は、転写部材としての2次転写ベルト72(及び、2次転写ローラ70)との対向位置に達する。この位置では、2次転写対向ローラ22が、2次転写ローラ70との間に中間転写ベルト8と2次転写ベルト72とを挟み込んで2次転写ニップ(転写ニップ)を形成している。そして、中間転写ベルト8上に形成された4色のトナー像は、この2次転写ニップの位置に搬送された用紙等のシートP上に2次転写される(2次転写工程である。)。このとき、中間転写ベルト8には、シートPに転写されなかった未転写トナーが残存する。
その後、中間転写ベルト8は、中間転写クリーニング装置10の位置に達する。そして、この位置で、中間転写ベルト8の表面に付着した未転写トナーなどの付着物が除去される。
さらに、中間転写ベルト8は、中間転写潤滑剤供給装置としての潤滑剤供給装置30の位置に達する。そして、この位置で、中間転写ベルト8の表面に潤滑剤が供給される。
こうして、中間転写ベルト8上でおこなわれる、一連の転写プロセスが終了する。
ここで、図1を参照して、転写ニップとしての2次転写ニップの位置に搬送されるシートPは、装置本体100の下方に配設された給紙装置26から、給紙ローラ27やレジストローラ対28等を経由して搬送されるものである。
詳しくは、給紙装置26には、転写紙等のシートPが複数枚重ねて収納されている。そして、給紙ローラ27が図1中の反時計方向に回転駆動されると、一番上のシートPが第1搬送経路K1を経由してレジストローラ対28のローラ間に向けて給送される。
レジストローラ対28(搬送ローラ対)に搬送されたシートPは、回転駆動を停止したレジストローラ対28のローラニップの位置で一旦停止する。そして、中間転写ベルト8上のカラー画像にタイミングを合わせて、レジストローラ対28が回転駆動されて、シートPが2次転写ニップに向けて搬送される。こうして、シートP上に、所望のカラー画像が転写される。
このように、レジストローラ対28は、転写ニップ(2次転写ニップ)に向けてシートPを搬送する搬送手段として機能する。また、レジストローラ対28は、制御部90によって制御される第3駆動モータMt3によって回転駆動される。
その後、2次転写ニップの位置でカラー画像が転写されたシートPは、2次転写ベルト72によって搬送されて、2次転写ベルト72から分離された後に、搬送ベルト60によって定着装置50の位置に搬送される。そして、この位置で、定着ベルト及び圧力ローラによる熱と圧力とにより、表面に転写されたカラー画像がシートP上に定着される(定着工程である。)。
その後、シートPは、第2搬送経路K2を経由して、排紙ローラ対によって装置外へと排出される。排紙ローラ対によって装置外に排出されたシートPは、出力画像として、スタック部上に順次スタックされる。
こうして、画像形成装置における、一連の画像形成動作(プリント動作)が完了する。
なお、シートPの両面(オモテ面とウラ面とである。)へのプリントをおこなう「両面プリントモード」が選択されている場合には、オモテ面への定着工程が終了したシートPは、上述した「片面プリントモード」が選択されているときのようにそのまま排紙されることなく、第3搬送経路K3に導かれて、その搬送方向が反転された後に、第4搬送経路K4を経由して再び2次転写ニップ(2次転写装置69)の位置に向けて搬送される。そして、2次転写ニップの位置で先に説明したものと同様の画像形成プロセス(画像形成動作)によってシートPのウラ面への画像形成がおこなわれ、その後に定着装置50での定着工程を経て、第2搬送経路K2を経由して、画像形成装置本体100から排出される。
次に、図2にて、作像部における現像装置5Yの構成・動作について、さらに詳しく説明する。
現像装置5Yは、感光体ドラム1Yに対向する現像ローラ51Yと、現像ローラ51Yに対向するドクターブレード52Yと、現像剤収容部内に配設された2つの搬送スクリュ55Yと、現像剤中のトナー濃度を検知する濃度検知センサ56Yと、等で構成される。現像ローラ51Yは、内部に固設されたマグネットや、マグネットの周囲を回転するスリーブ等で構成される。現像剤収容部内には、キャリアとトナーとからなる2成分現像剤Gが収容されている。
このように構成された現像装置5Yは、次のように動作する。
現像ローラ51Yのスリーブは、図2の矢印方向に回転している。そして、マグネットにより形成された磁界によって現像ローラ51Y上に担持された現像剤Gは、スリーブの回転にともない現像ローラ51Y上を移動する。ここで、現像装置5Y内の現像剤Gは、現像剤G中のトナーの割合(トナー濃度)が所定の範囲内になるように調整される。具体的に、現像装置5Yに設置されたトナー濃度センサによってトナー濃度が低い状態が検知されたときには、トナー濃度が所定の範囲内になるように、トナー容器58から現像装置5Y内に新品トナーが補給される。
その後、トナー容器58から現像剤収容部内に補給されたトナーは、2つの搬送スクリュ55Yによって、現像剤Gとともに混合・撹拌されながら、隔絶された2つの現像剤収容部を循環する(図2の紙面垂直方向の移動である。)。そして、現像剤G中のトナーは、キャリアとの摩擦帯電によりキャリアに吸着して、現像ローラ51Y上に形成された磁力によりキャリアとともに現像ローラ51Y上に担持される。
現像ローラ51Y上に担持された現像剤Gは、図2中の矢印方向に搬送されて、ドクターブレード52Yの位置に達する。そして、現像ローラ51Y上の現像剤Gは、この位置で現像剤量が適量化された後に、感光体ドラム1Yとの対向位置(現像領域である。)まで搬送される。そして、現像領域に形成された電界によって、感光体ドラム1Y上に形成された潜像にトナーが吸着される。その後、現像ローラ51Y上に残った現像剤Gはスリーブの回転にともない現像剤収容部の上方に達して、この位置で現像ローラ51Yから離脱される。
なお、トナー容器58は、現像装置5Y(画像形成装置100)に対して着脱可能(交換可能)に設置されている。そして、トナー容器58は、その内部に収容された新品のトナーが空になると、現像装置5Y(画像形成装置100)から取り外されて新品のものに交換されることになる。
次に、図3等を用いて、本実施の形態における中間転写ベルト装置について詳述する。
図3を参照して、中間転写ベルト装置は、像担持体としての中間転写ベルト8、4つの1次転写ローラ9Y、9M、9C、9K 、駆動ローラ16、従動ローラ17、転写前ローラ18、テンションローラ19、クリーニング対向ローラ20、潤滑剤対向ローラ21、中間転写クリーニング装置10、潤滑剤供給装置30、転写対向部材としての2次転写対向ローラ22、2次転写装置69、等で構成される。
像担持体としての中間転写ベルト8は、各色のトナー像をそれぞれ担持する4つの感光体ドラム1Y、1M、1C、1Kに当接して1次転写ニップを形成している。中間転写ベルト8は、主として7つのローラ部材(駆動ローラ16、従動ローラ17、転写前ローラ18、テンションローラ19、クリーニング対向ローラ20、潤滑剤対向ローラ21、2次転写対向ローラ22、である。)によって張架され支持されている。
本実施の形態において、中間転写ベルト8は、PVDF(フッ化ビニルデン)、ETFE(エチレン-四フッ化エチレン共重合体)、PI(ポリイミド)、PC(ポリカーボネート)、等を単層又は複数層に構成して、カーボンブラック等の導電性材料を分散させたものである。中間転写ベルト8は、体積抵抗率が106~1013Ωcm、ベルト裏面側の表面抵抗率が107~1013Ωcmの範囲となるように調整されている。また、中間転写ベルト8は、厚さが20~200μmの範囲となるように設定されている。本実施の形態では、中間転写ベルト8の厚さが60μm程度に、体積抵抗率が109Ωcm程度に、設定されている。
なお、必要に応じて中間転写ベルト8の表面に離型層をコートすることもできる。その際、コートに用いる材料として、ETFE(エチレン-四フッ化エチレン共重合体)、PTFE(ポリ四フッ化エチレン)、PVDF(フッ化ビニルデン)、PEA(パーフルオロアルコキシフッ素樹脂)、FEP(四フッ化エチレン-六フッ化プロピレン共重合体)、PVF(フッ化ビニル)、等のフッ素樹脂を使用できるが、これに限定されるものではない。
1次転写ローラ9Y、9M、9C、9Kは、それぞれ、中間転写ベルト8を介して対応する感光体ドラム1Y、1M、1C、1Kに当接している。詳しくは、イエロー用の転写ローラ9Yは中間転写ベルト8を介してイエロー用の感光体ドラム1Yに当接して、マゼンタ用の転写ローラ9Mは中間転写ベルト8を介してマゼンタ用の感光体ドラム1Mに当接して、シアン用の転写ローラ9Cは中間転写ベルト8を介してシアン用の感光体ドラム1Cに当接して、ブラック用(黒色用)の転写ローラ9Kは中間転写ベルト8を介してブラック用(黒色用)の感光体ドラム1Kに当接している。1次転写ローラ9Y、9M、9C、9Kは、それぞれ、芯金上に導電性スポンジ層が形成された弾性ローラであって、体積抵抗が106~1012Ω(好ましくは、107~109Ω)の範囲となるように調整されている。
駆動ローラ16は、4つの感光体ドラムに対して中間転写ベルトの走行方向下流側の位置で、中間転写ベルト8が120度程度の巻付角度で巻き付けられた状態で中間転写ベルト8の内周面に当接するように配置されている。駆動ローラ16は、制御部90によって制御される第1駆動モータMt1によって図3の時計方向に回転駆動される。これにより、中間転写ベルト8は所定の走行方向(図3の時計方向である。)に走行することになる。
従動ローラ17は、4つの感光体ドラムに対して中間転写ベルト8の走行方向上流側の位置で、中間転写ベルト8が180度程度の巻付角度で巻き付けられた状態で中間転写ベルト8の内周面に当接するように配置されている。中間転写ベルト8において、従動ローラ17から駆動ローラ16に至る部分は、ほぼ水平面になるように設定されている。従動ローラ17は、中間転写ベルト8の走行にともない図3の時計方向に従動回転する。
テンションローラ19は、中間転写ベルト8の外周面に当接している。転写前ローラ18、クリーニング対向ローラ20、潤滑剤対向ローラ21、2次転写対向ローラ22は、中間転写ベルト8の内周面に当接している。
2次転写対向ローラ22と潤滑剤対向ローラ21との間には、中間転写ベルト8を介してクリーニング対向ローラ20に当接するように中間転写クリーニング装置10(クリーニングブレード)が設置されている。
クリーニング対向ローラ20とテンションローラ19との間には、中間転写ベルト8を介して潤滑剤対向ローラ21に当接するように潤滑剤供給装置30(中間転写潤滑剤供給装置)が設置されている。潤滑剤供給装置30は、感光体ドラム用の潤滑剤供給装置3と同様に、潤滑剤供給ローラ、固形潤滑剤、圧縮スプリングなどからなる。そして、図3の反時計方向に回転する潤滑剤供給ローラによって、固形潤滑剤から潤滑剤が少量ずつ削られて、潤滑剤供給ローラによって中間転写ベルト8の表面に潤滑剤が供給されることになる。
図3を参照して、転写対向部材としての2次転写対向ローラ22は、中間転写ベルト8と2次転写ベルト72とを介して2次転写ローラ70(転写部材)に当接している。2次転写対向ローラ22は、ステンレス鋼等からなる円筒状の芯金の外周面に、体積抵抗が107~108Ω程度で、硬度(JIS-A硬度)が48~58度程度のNBRゴムからなる弾性層83(層厚は5mm程度である。)が形成されたものである。
次に、図3を用いて、2次転写装置69について詳述する。
図3を参照して、2次転写装置69は、2次転写ベルト72、2次転写ローラ70、分離ローラ71、2次転写ブレード73(クリーニングブレード)、等で構成される。
2次転写ローラ70と2次転写ベルト72とは、中間転写ベルト8(像担持体)との間に形成された転写ニップ(2次転写ニップ)に搬送されるシートPに、中間転写ベルト8に担持されたトナー像を転写する転写部材として機能する。
2次転写ベルト72は、複数のローラ部材(2次転写ローラ70と分離ローラ71とである。)に張架・支持された無端ベルトであって、中間転写ベルト8とほぼ同じ材料で形成されている。2次転写ベルト72は、像担持体としての中間転写ベルト8に当接して2次転写ニップ(転写ニップ)を形成するとともに、2次転写ニップから送出されたシートPを搬送するものである。
2次転写ローラ70は、2次転写対向ローラ22との間に中間転写ベルト8と2次転写ベルト72とを挟んで2次転写ニップを形成している。2次転写ローラ70は、ステンレス鋼、アルミニウム等からなる中空状の芯金上に、硬度(アスカーC硬度)が40~50度程度の弾性層が形成(被覆)されたものである。2次転写ローラ70の弾性層は、ポリウレタン、EPDM、シリコーン等のゴム材料に、カーボン等の導電性フィラーを分散させたり、イオン性の導電材料を含有させたりして、ソリッド状又は発泡スポンジ状に形成することができる。本実施の形態において、弾性層は、転写電流の集中を抑えるために、その体積抵抗が106.5~107.5Ω程度に設定されている。
また、本実施の形態において、2次転写ローラ70は、電源部91(バイアス出力手段)に電気的に接続されていて、その電源部91から直流成分と交流成分とが重畳された2次転写バイアス(高圧電圧)が印加される。この2次転写ローラ70に印加される2次転写バイアスは、2次転写ニップに搬送されるシートPに、中間転写ベルト8の表面に担持(1次転写)されたトナー像を2次転写するためのものであって、トナーの極性と異なる極性(本実施の形態ではプラス極性である。)の直流電圧と、ピーク電圧Vppが4~10kV程度の交流電圧と、が重畳されたものである。これにより、中間転写ベルト8のトナー担持面(外周面)に担持されたトナーが、2次転写電界によって2次転写対向ローラ22側から2次転写装置69側に向かって静電移動することになる。
なお、本実施の形態では、2次転写バイアスを転写部材としての2次転写ローラ70に印加したが、2次転写バイアスを転写対向部材としての2次転写対向ローラ22に印加することもできるし、2次転写バイアスを2次転写ローラ70と2次転写対向ローラ22とにそれぞれ印加することもできる。ただし、直流成分の2次転写バイアスを2次転写対向ローラ22に印加する場合には、トナーの極性と同じ極性(マイナス極性である。)の直流電圧を印加することになる。
また、2次転写ローラ70(転写部材)は、制御部90によって制御される第2駆動モータMt2(駆動手段)によって図3の反時計方向に回転駆動されて、2次転写ベルト72を図3の反時計方向に回転(走行)させるとともに、分離ローラ71を図3の反時計方向に従動回転させる。
分離ローラ71は、2次転写ニップに対してシートPの搬送方向下流側の位置に配置されている。2次転写ニップから送出されたシートPは、図3の反時計方向に走行する2次転写ベルト72に沿うように搬送された後に、分離ローラ71の位置で、分離ローラ71の外周に沿うように曲面が形成された2次転写ベルト72によって、2次転写ベルト72から分離(曲率分離)されることになる。
なお、本実施の形態では、2次転写ローラ70と分離ローラ71との2つのローラ部材によって2次転写ベルト72を張架するように構成したが、3つ以上のローラ部材によって2次転写ベルト72を張架・支持するように構成することもできる。
2次転写ブレード73は、2次転写ベルト72の表面に当接して、2次転写ベルト72の表面に付着したトナーや紙粉などの異物を除去するものである。2次転写ブレード73は、2次転写ベルト72の走行方向に対してカウンタ方向に当接するように、2次転写ベルト72を介して2次転写ローラ70に圧接している。
以下、本実施の形態において特徴的な、画像形成装置100の構成・動作について詳述する。
本実施の形態における画像形成装置100には、転写ニップとしての2次転写ニップN(図4参照)に搬送されるシートPの剛性(曲げ剛性である。)に関する情報を取得する情報取得手段としての操作表示パネル95(図1、図3参照)が設置されている。
なお、本実施の形態では、情報取得手段として操作表示パネル95を用いたが、情報取得手段はこれに限定されることなく、例えば、画像形成装置100の搬送路中においてシートPの剛性を直接的に測定する測定装置や、画像形成装置100の外部に設置したシート種別判別装置(シートの銘柄を自動で判別する装置である。)、などを情報取得手段として用いることもできる。
詳しくは、操作表示パネル95は、画像形成装置100の外装部に設置されていて、プリント動作(画像形成動作)に関わる、種々の情報が表示されたり、種々の操作をおこなったりするためのものである。そして、ユーザーなどの操作者が、操作表示パネル95を操作して、プリント動作をおこなうシートPの種類(銘柄)に関する情報を入力すると、その情報に基づいて制御部90でシートPの剛性(曲げ剛性)が取得される。具体的に、制御部90の記憶部には、シートPの種類(銘柄)と剛性との関係がデータ化されたものが記憶されていて、それに基づいてシートPの剛性が求められる。
ここで、シートPの剛性は、シートPの厚さや坪量にほぼ比例するものであるため、操作者が操作表示パネル95を操作して入力する情報は、シートPの厚さや坪量に関する情報であっても良いし。さらには、シートPの剛性に関する情報を直接的に操作表示パネル95を操作して入力しても良い。
なお、シートPの剛性に関する情報を取得する情報取得手段としては、シートPの剛性を直接的に検知(測定)するものであっても良い。
また、本実施の形態にける画像形成装置100には、情報取得手段としての操作表示パネル95によって取得したシートPの剛性に応じて、2次転写ニップN(転写ニップ)に搬送されるシートPの搬送速度を調整する速度調整手段としての第3駆動モータMt3が設置されている。
詳しくは、第3駆動モータMt3(速度調整手段)は、回転数可変型のモータであって、制御部90による制御によってレジストローラ対28の回転数を可変できるように構成されている。このレジストローラ対28は、先に説明したように、2次転写ニップNに向けてシートPを搬送する搬送手段として機能する搬送ローラ対(2次転写ニップNの上流側に設置された搬送ローラ対)である。
そして、速度調整手段としての第3駆動モータMt3は、制御部90による制御によって、シートPの剛性に応じて、レジストローラ対28(搬送手段)によるシートPの搬送速度を調整することになる。具体的に、シートPの剛性が大きいときには、シートPの剛性が小さいときに比べて、レジストローラ対28によるシートPの搬送速度が遅くなるように調整する(レジストローラ対28の回転数が小さくなるように調整する)。
このような制御をおこなうことで、2次転写工程(転写工程)において、剛性の異なるシートPが2次転写ニップNに搬送されても、シートPの剛性に関わらず異常画像が発生しにくくなる。
詳しくは、剛性(剛度)が高いシートPは、コシが強くて撓みにくい。そのような剛性の高いシートPが2次転写ニップNに搬送されるとき、転写プレニップ量Mが大きくなる。この「転写プレニップ量M」は、図4に示すように、2次転写ニップN(転写ニップ)に対して搬送方向上流側(転写プレニップ部)でシートPが像担持体(中間転写ベルト8である。)に接触する量であって、シートPの剛性によって変化する。
そのため、本実施の形態では、剛性が高いシートPが搬送されるときに、少なくともシートPが2次転写ニップNから送出されるまで、レジストローラ対28の回転速度(回転数)が低下するような制御をおこなっている。
2次転写工程時のシートPは、転写プレニップ量Mが大きすぎると、トナーを転写する2次転写ニップNからの距離が長くなり、転写電流の影響を大きく受けて異常画像が生じやすくなる。そのため、2次転写ニップNに搬送されるときのシートPの搬送速度を低下させることで、2次転写ニップNとレジストローラ対28との間でシートPが引っ張られるような状態になり、転写プレニップ量Mを小さくして、異常画像の発生を軽減することができる。
これに対して、剛性(剛度)が低いシートPは、コシが弱くて撓みやすい。そのような剛性の低いシートPが2次転写ニップNに搬送されるとき、転写プレニップ量Mが小さくなる。
そのため、本実施の形態では、剛性が低いシートPが搬送されるときに、少なくともシートPが2次転写ニップNから送出されるまで、レジストローラ対28の回転速度(回転数)が増加するような制御をおこなっている。これにより、剛性の低いシートPが中間転写ベルト8に沿うようにカールするとともに、転写プレニップ量Mが大きくなる。そのため、中間転写ベルト8とシートPとの空隙が小さくなり、放電が発生する領域が狭くなって、異常画像が発生しにくくなる。
このように構成された画像形成装置100は、換言すると、操作表示パネル95(情報取得手段)によって取得したシートPの剛性に応じて、2次転写ニップNに対して搬送方向上流側でシートPが像担持体(中間転写ベルト8)に接触する転写プレニップ量Mを調整する転写プレニップ調整手段を備えていることになる。
そして、この場合の転写プレニップ調整手段も、レジストローラ対28によるシート搬送速度を調整する第3駆動モータMt3(及び、制御部90)となる。
具体的に、シートPの剛性が大きいときには、シートPの剛性が小さいときに比べて、転写プレニップ量Mが小さくなるように調整する(レジストローラ対28の回転数が小さくなるように調整する)ことになる。
そして、転写プレニップ量Mが小さ過ぎず大き過ぎず、最適化されることで、2次転写工程時の異常画像の発生を軽減することができる。
図5は、シートPの剛性に基づく制御の一例を示すフローチャートである。
図5に示すように、まず、操作表示パネル95に入力されたシートPに関する情報に基づいて、制御部90でシートPの剛性に関する情報が取得される(ステップS1)。
そして、制御部90で、シートPの剛性Aが第1所定値A1以上であるかが判別される(ステップS2)。その結果、シートPの剛性が第1所定値A1以上でないものと判別された場合には、低剛性のシートPであるものとして、レジストローラ対28によるシート搬送速度の調整はおこなわずに、通常搬送モードが実行される(ステップS3)。この「通常搬送モード」は、レジストローラ対28によるデフォルトの搬送モードである。
これに対して、ステップS2にて、シートPの剛性が第1所定値A1以上であるものと判別された場合には、シートPの剛性Aが第2所定値A2(>A1)以上であるかが判別される(ステップS4)。その結果、シートPの剛性が第2所定値A2以上でないものと判別された場合には、中剛性のシートPであるものとして、レジストローラ対28によるシート搬送速度を低下させる低速搬送モードが実行される(ステップS5)。
これに対して、ステップS4にて、シートPの剛性が第2所定値A2以上であるものと判別された場合には、高剛性のシートPであるものとして、レジストローラ対28によるシート搬送速度をさらに低下させる超低速搬送モードが実行される(ステップS6)。
図6は、シートPの剛性とレジストローラ対28の速度調整値とを変化させたときの、2次転写工程時の異常画像の発生の程度を示す実験結果である。
図6において、「レジストローラ速度調整値」は、デフォルト値(±0%)に対する速度比であって、プラスの範囲が増速であって、マイナスの側が減速になる。また、図6において、「○」は異常画像が生じなかった実験結果を示し、「×」は異常画像が生じた実験結果を示す。
図6に示す実験結果からも、シートPの剛性が大きいときには、シートPの剛性が小さいときに比べて、レジストローラ対28によるシートPの搬送速度が遅くなるように調整することで、異常画像の発生が軽減されることがわかる。
なお、図7は、シートPの剛性に基づくレジストローラ対28の速度調整値の設定値の一例を示す表図である。
先に図6等を用いて説明した実験結果に基づいて、図7に示すように、シートPの剛性に応じて、図7にてハッチングで示すような設定値に設定することができる。具体的に、シートPの剛性(曲げ剛度)が、500、2500のときにはレジストローラ速度調整値をデフォルト値(±0%)として、5000のときにはレジストローラ速度調整値を-0.5%として、7000のときにはレジストローラ速度調整値を-1.0%とする。
ここで、本実施の形態において、速度調整手段(又は、転写プレニップ調整手段)は、レジストローラ対28によるシート搬送速度を調整するように構成したが、2次転写ローラ70(転写部材)によるシートPの搬送速度を調整するように構成することもできる。
そのような場合、第2駆動モータMt2を、回転数可変型のモータとして、制御部90による制御によって2次転写ローラ70の回転数を可変する速度調整手段として機能させることになる。
具体的に、シートPの剛性が大きいときには、シートPの剛性が小さいときに比べて、2次転写ローラ70(及び、2次転写ベルト72)によるシートPの搬送速度が速くなるように調整する(2次転写ローラ70の回転数が大きくなるように調整する)。
そして、このような場合であっても、2次転写工程において、シートPの剛性に関わらず異常画像を発生しにくくすることができる。
なお、本実施の形態においておこなわれる、シート剛性の大きさに基づいたシート搬送速度の調整は、2次転写工程時に許容できない画像倍率誤差が生じない範囲でおこなわれるか、画像倍率誤差が生じそうな場合にそれを補正するような制御(例えば、2次転写工程時に中間転写ベルト8の走行速度を調整する制御である。)をおこなうことが好ましい。
<変形例1>
変形例1における画像形成装置100にも、本実施の形態のものと同様に、2次転写ローラ70(転写部材)と、2次転写対向ローラ22(転写部材に像担持体を介して当接する転写対向部材である。)と、のうち少なくとも一方に、交流成分を含む転写バイアスを供給する転写バイアス出力手段としての電源部91が設けられている。
特に、変形例1では、本実施の形態のものと同様に、2次転写ローラ70に直流成分と交流成分とが重畳された2次転写バイアスを印加する電源部91(転写バイアス出力手段)が設けられている。
そして、変形例1では、操作表示パネル95(情報取得手段)によって取得したシートPの剛性に応じて、電源部91(転写バイアス出力手段)によって出力される2次転写バイアス(転写バイアス)の大きさを調整している。具体的に、シートPの剛性が大きいときには、シートPの剛性が小さいときに比べて、2次転写バイアスの絶対値が小さくなるように、電源部91を制御している。
これは、2次転写電流が大きくなるほどトナーが受ける影響が大きくなるとともに、2次転写バイアスの大きさに比例して2次転写ニップN前の空隙に形成される電界が大きくなるためである。
このような制御をおこなうことで、2次転写工程において、シートPの剛性に関わらず異常画像を発生しにくくすることができる。
図8は、変形例1における、シートPの剛性に基づく制御の一例を示すフローチャートである。
図8に示すように、まず、操作表示パネル95に入力されたシートPに関する情報に基づいて、制御部90でシートPの剛性に関する情報が取得される(ステップS1)。
そして、現在設定されている2次転写バイアスが設定可能な範囲の下限に達していないかが判別される(ステップS11)。すなわち、現在の2次転写バイアスの設定値が、一番小さな設定値になっていないかが判別される。
その結果、2次転写バイアスが設定可能な範囲の下限に達している場合には、2次転写バイアスの調整をおこなわずに、そのまま本フローを終了する。これに対して、2次転写バイアスが設定可能な範囲の下限に達していない場合には、ステップS1で取得したシートPの剛性に関する情報に基づいて、2次転写バイアスを調整する(ステップS12)。具体的に、シートPの剛性が大きいときには、シートPの剛性が小さいときに比べて、2次転写バイアス(直流成分の電流の絶対値、又は、交流成分のピーク間の電圧Vpp)が小さくなるように調整する。
なお、異常画像の発生の有無を検出する装置(例えば、2次転写ニップNの下流側に設置された画像解析装置である。)が設置されているような場合には、ステップS12の後に、異常画像の有無を判定して、異常がある場合にステップS11以降のフローを繰り返すこともできる。その場合、異常画像が検出されるたびに、2次転写バイアスを段階的に調整することになる。
また、シートPの剛性に基づいて、変形例1における制御(2次転写バイアスを調整する制御である。)と、本実施の形態における制御(シート搬送速度を調整する制御である。)と、を組み合わせておこなうことが好ましい。さらには、後述する変形例2、3の制御も合わせて、2つ以上の制御を組み合わせておこなっても良い。
図9(A)は、シートPの剛性と2次転写バイアスの直流成分電流とを変化させたときの、2次転写工程時の異常画像の発生の程度を示す実験結果である。また、図9(B)は、シートPの剛性と2次転写バイアスの交流成分のピーク電圧Vppとを変化させたときの、2次転写工程時の異常画像の発生の程度を示す実験結果である。
図9において、「○」は異常画像が生じなかった実験結果を示し、「×」は異常画像が生じた実験結果を示す。
図9に示す実験結果からも、シートPの剛性が大きいときには、シートPの剛性が小さいときに比べて、2次転写バイアス(直流成分の電流の絶対値、又は、交流成分のピーク間の電圧Vpp)が小さくなるように調整することで、異常画像の発生が軽減されることがわかる。
なお、図10は、シートPの剛性に基づく2次転写バイアスの設定値の一例を示す表図である。
先に図9等を用いて説明した実験結果に基づいて、図10(A)、(B)に示すように、シートPの剛性に応じて、図10(A)、(B)にてハッチングで示すような設定値に設定することができる。具体的に、シートPの剛性(曲げ剛度)が、500、2500のときには2次転写バイアスにおける直流成分の転写電流を-120μAとして、5000のときには-109μAとして、7000のときには-98μAとする。また、シートPの剛性(曲げ剛度)が、500、2500、5000のときには2次転写バイアスにおける交流成分のピーク電圧Vppを10kVとして、7000のときには9kVとする。
<変形例2>
変形例2における画像形成装置100は、2次転写ニップ(転写ニップ)における中間転写ベルト8(像担持体)と2次転写ローラ70(転写部材)との線速差を調整する線速差調整手段が設けられている。
このような線速差調整手段としては、中間転写ベルト8の駆動ローラ16を駆動する第1駆動モータMt1と、2次転写ローラ70を駆動する第2駆動モータMt2と、の少なくとも一方の回転速度制御をおこなうものが考えられる。変形例2では、1次転写工程への影響を考慮して、2次転写ローラ70を駆動する第2駆動モータMt2の回転速度制御をおこなって、2次転写ニップNにおける線速差を調整している。
そして、変形例2では、操作表示パネル95(情報取得手段)によって取得したシートPの剛性に応じて、第2駆動モータMt2(線速差調整手段)によって2次転写ニップNにおける線速差を調整している。具体的に、シートPの剛性が大きいときには、シートPの剛性が小さいときに比べて、2次転写ニップNにおける線速差(中間転写ベルト8の線速から2次転写ローラ70の線速を減じた線速差である。)が小さくなるように調整制御している。
これは、2次転写ニップNにおける線速差(中間転写ベルト8の線速から2次転写ローラ70の線速を減じた線速差である。)が小さくなると、転写プレニップ量Mが小さくなるためである。
このような制御をおこなうことで、2次転写工程において、シートPの剛性に関わらず異常画像を発生しにくくすることができる。
図11は、シートPの剛性と2次転写ニップにおける線速差(中間転写ベルト8の線速から2次転写ローラ70の線速を減じた線速差である。)とを変化させたときの、2次転写工程時の異常画像の発生の程度を示す実験結果である。
図11において、「ランク」は異常画像の程度を示すものであって、「ランク5」が異常画像がまったく生じておらず、ランクの数字が小さくなるほど異常画像の程度が悪くなる。ただし、ランク4以上であれば、実使用上問題のない許容レベルである。
図11に示す実験結果からも、シートPの剛性が大きいときには、シートPの剛性が小さいときに比べて、2次転写ニップNにおける線速差が小さくなるように調整することで、異常画像の発生が軽減されることがわかる。
なお、図12は、シートPの剛性に基づく2次転写ニップNにおける線速差の設定値の一例を示す表図である。
先に図11等を用いて説明した実験結果に基づいて、図12に示すように、シートPの剛性に応じて、図12にてハッチングで示すような設定値に設定することができる。具体的に、シートPの剛性(曲げ剛度)が、500、2500、5000、7000のときに、2次転写ニップにおける線速差が0%にしている。ただし、シートPの剛性(曲げ剛度)が、500、2500、5000のときについては、先に図6等を用いて説明した実験結果と合わせて、線速差を大きく設定することもできる。
<変形例3>
変形例3における画像形成装置100には、2次転写ニップ(転写ニップ)におけるニップ圧を調整するニップ圧調整手段をとしての加圧機構97(図3参照)が設けられている。
このような加圧機構97(ニップ圧調整手段)としては、例えば、2次転写対向ローラ22に対する2次転写ローラ70の圧接力を調整可能に、2次転写ローラ70を押動するカム機構などを用いることができる。
そして、変形例3では、操作表示パネル95(情報取得手段)によって取得したシートPの剛性に応じて、加圧機構97(ニップ圧調整手段)によってニップ圧を調整している。具体的に、具体的に、シートPの剛性が大きいときには、シートPの剛性が小さいときに比べて、2次転写ニップNにおけるニップ圧が大きくなるように、加圧機構97を調整制御している。
これは、2次転写ニップNにおけるニップ圧が大きくなると、転写プレニップ量Mが小さくなるためである。
このような制御をおこなうことで、2次転写工程において、シートPの剛性に関わらず異常画像を発生しにくくすることができる。
図13は、変形例3において、シートPの剛性に基づく制御の一例を示すフローチャートである。
図13に示すように、まず、操作表示パネル95に入力されたシートPに関する情報に基づいて、制御部90でシートPの剛性に関する情報が取得される(ステップS1)。
そして、制御部90で、シートPの剛性Aが第1所定値A1以上であるかが判別される(ステップS2)。その結果、シートPの剛性が第1所定値A1以上でないものと判別された場合には、低剛性のシートPであるものとして、ニップ圧が小さくなるように加圧機構97が制御される(ステップS21)。このときのニップ圧は、ニップ圧のデフォルト値として設定されている。
これに対して、ステップS2にて、シートPの剛性が第1所定値A1以上であるものと判別された場合には、シートPの剛性Aが第2所定値A2(>A1)以上であるかが判別される(ステップS4)。その結果、シートPの剛性が第2所定値A2以上でないものと判別された場合には、中剛性のシートPであるものとして、ニップ圧が中程度になるように加圧機構97が制御される(ステップS22)。
これに対して、ステップS4にて、シートPの剛性が第2所定値A2以上であるものと判別された場合には、高剛性のシートPであるものとして、ニップ圧が大きくなるように加圧機構97が制御される(ステップS23)。
以上説明したように、本実施の形態における画像形成装置100は、トナー像を担持する中間転写ベルト8(像担持体)と、中間転写ベルト8との間に形成された2次転写ニップN(転写ニップ)に搬送されるシートPに中間転写ベルト8に担持されたトナー像を転写する2次転写ローラ70及び2次転写ベルト72(転写部材)と、が設けられている。また、2次転写ニップNに搬送されるシートPの剛性に関する情報を取得する操作表示パネル95(情報取得手段)が設けられている。さらに、操作表示パネル95によって取得したシートPの剛性に応じて、2次転写ニップNに搬送されるシートPの搬送速度を調整する第3駆動モータMt3及び制御部90(速度調整手段)が設けられている。
これにより、2次転写工程(転写工程)において、シートPの剛性に関わらず異常画像を発生しにくくすることができる。
なお、本実施の形態では、転写部材としての2次転写ローラ70及び2次転写ベルト72と、像担持体としての中間転写ベルト8(中間転写体)と、を用いた画像形成装置100に対して、本発明を適用した。これに対して、中間転写ベルトや中間転写ドラムなどの中間転写体を備えず、現像装置によって現像されたトナー像が形成される像担持体としての感光体ドラム(感光体)と、感光体ドラムに当接して転写ニップを形成して、転写ニップに搬送されるシートに対して感光体ドラム上のトナー像を転写するための転写部材としての転写ローラ(又は、転写ベルト)と、を備えた装置、いわゆる直接転写方式の画像形成装置に対しても、本発明を適用することができる。
また、本実施の形態では、転写部材としての2次転写ローラ70と2次転写ベルト72とを用いた画像形成装置100に対して本発明を適用したが、本発明の適用はこれに限定されることなく、転写部材としての2次転写ベルトが用いられておらず2次転写ローラのみが用いられた画像形成装置に対しても、本発明を適用することができる。
また、本実施の形態では、カラー画像を形成する画像形成装置100に対して、本発明を適用した。これに対して、モノクロ画像のみを形成する画像形成装置に対しても本発明を適用することができる。
そして、それらのような場合であっても、本実施の形態のものと同様の効果を得ることができる。
なお、本発明が本実施の形態に限定されず、本発明の技術思想の範囲内において、本実施の形態の中で示唆した以外にも、本実施の形態は適宜変更され得ることは明らかである。また、前記構成部材の数、位置、形状等は本実施の形態に限定されず、本発明を実施する上で好適な数、位置、形状等にすることができる。
1Y、1M、1C、1K 感光体ドラム(感光体)、
8 中間転写ベルト(像担持体)、
22 2次転写対向ローラ(転写対向部材)、
28 レジストローラ対(搬送手段、搬送ローラ対)、
70 2次転写ローラ(転写部材)、
72 2次転写ベルト(転写部材)、
90 制御部(制御手段、速度調整手段)、
91 電源部(転写バイアス出力手段)、
95 操作表示パネル(情報取得手段)、
97 加圧機構(ニップ圧調整手段)、
100 画像形成装置(画像形成装置本体)、
Mt2 第2駆動モータ(速度調整手段、転写プレニップ調整手段)、
Mt3 第3駆動モータ(速度調整手段、転写プレニップ調整手段)、
N 2次転写ニップ(転写ニップ)、 M 転写プレニップ。
特開2013-231936号公報

Claims (8)

  1. トナー像を担持する像担持体と、
    前記像担持体との間に形成された転写ニップに搬送されるシートに、前記像担持体に担持されたトナー像を転写する転写部材と、
    前記転写ニップに搬送されるシートの剛性に関する情報を取得する情報取得手段と、
    前記情報取得手段によって取得したシートの剛性に応じて、前記転写ニップに搬送されるシートの搬送速度を調整する速度調整手段と、
    を備えたことを特徴とする画像形成装置。
  2. 前記転写ニップに向けてシートを搬送する搬送手段を備え、
    前記速度調整手段は、前記搬送手段によるシートの搬送速度を調整することを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
  3. 前記速度調整手段は、前記転写部材によるシートの搬送速度を調整することを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の画像形成装置。
  4. トナー像を担持する像担持体と、
    前記像担持体との間に形成された転写ニップに搬送されるシートに、前記像担持体に担持されたトナー像を転写する転写部材と、
    前記転写ニップに搬送されるシートの剛性に関する情報を取得する情報取得手段と、
    前記情報取得手段によって取得したシートの剛性に応じて、前記転写ニップに対して搬送方向上流側でシートが前記像担持体に接触する転写プレニップ量を調整する転写プレニップ調整手段と、
    を備えたことを特徴とする画像形成装置。
  5. 前記転写部材と、前記転写部材に前記像担持体を介して当接する転写対向部材と、のうち少なくとも一方に、交流成分を含む転写バイアスを供給する転写バイアス出力手段を備えたことを特徴とする請求項1~請求項4のいずれかに記載の画像形成装置。
  6. 前記情報取得手段によって取得したシートの剛性に応じて、前記転写バイアス出力手段によって出力される転写バイアスの大きさを調整することを特徴とする請求項5に記載の画像形成装置。
  7. 前記転写ニップにおける前記像担持体と前記転写部材との線速差を調整する線速差調整手段を備え、
    前記情報取得手段によって取得したシートの剛性に応じて、前記線速差調整手段によって前記線速差を調整することを特徴とする請求項1~請求項6のいずれかに記載の画像形成装置。
  8. 前記転写ニップにおけるニップ圧を調整するニップ圧調整手段を備え、
    前記情報取得手段によって取得したシートの剛性に応じて、前記ニップ圧調整手段によって前記ニップ圧を調整することを特徴とする請求項1~請求項7のいずれかに記載の画像形成装置。
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