JP6780460B2 - 画像形成装置 - Google Patents
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Description
ここで、2次転写ニップは、2次転写ベルトを張架する2次転写ローラと、中間転写ベルトを張架する2次転写対向ローラと、の間に、2次転写ベルトと中間転写ベルトとが挟まれて形成されたものである。また、2次転写ベルトを介して2次転写ローラに当接するように2次転写ブレード(クリーニングブレード)が設置されていて、この2次転写ブレードによって2次転写ベルトに付着したトナーや紙粉などの異物が除去される。
しかし、像担持体の表面に形成されたトナーパターン像(第2トナーパターン像)が、転写回転体の表面に移動してしまうと、そのトナーパターン像をブレードによって完全に除去することができずに、クリーニング不良が生じてしまうことがあった。そして、そのようにクリーニング不良が生じてしまうことにより、転写ニップに搬送される記録媒体の裏面が汚れてしまう不具合(「裏汚れ」という。)が生じてしまっていた。
図1は画像形成装置としてのプリンタを示す構成図であり、図2はその作像部の一部を示す拡大図である。
図1に示すように、画像形成装置本体100の中央には、像担持体としての中間転写ベルト8(中間転写体)が設置されている。また、中間転写ベルト8に対向するように、各色(イエロー、マゼンタ、シアン、ブラック)に対応した作像部6Y、6M、6C、6Kが並設されている。
その後、感光体ドラム1Yの表面は、露光部7から発せられたレーザ光Lの照射位置に達して、この位置での幅方向(図1、図2の紙面垂直方向であって、主走査方向である。)の露光走査によってイエローに対応した静電潜像が形成される(露光工程である。)。
その後、感光体ドラム1Yの表面は、中間転写体としての中間転写ベルト8(ベルト部材)及び1次転写ローラ9Yとの対向位置に達して、この位置で感光体ドラム1の表面に形成されたトナー像が中間転写ベルト8の表面に1次転写される(1次転写工程である。)。このとき、感光体ドラム1Y上には、僅かながら未転写トナーが残存する。
ここで、クリーニング部2Yの内部には、潤滑剤供給ローラ3a、固形潤滑剤3b、圧縮スプリング3c(付勢部材)などからなる潤滑剤供給装置3(感光体用潤滑剤供給装置)が内設されている。そして、図2の時計方向に回転する潤滑剤供給ローラ3aによって、固形潤滑剤3bから潤滑剤が少量ずつ削られて、潤滑剤供給ローラ3aによって感光体ドラム1Yの表面に潤滑剤が供給されることになる。
最後に、感光体ドラム1Yの表面は、除電部との対向位置に達して、この位置で感光体ドラム1上の残留電位が除去される。
こうして、感光体ドラム1Y上でおこなわれる、一連の作像プロセスが終了する。
その後、各現像部5M、5C、5Kによる現像工程を経て各感光体ドラム1M、1C、1K上に形成した各色のトナー像を、中間転写ベルト8上に重ねて1次転写する。こうして、中間転写ベルト8上にカラー画像が形成される。
そして、中間転写ベルト8は、矢印方向に走行して、1次転写ローラ9Y、9M、9C、9Kの1次転写ニップを順次通過する。こうして、感光体ドラム1Y、1M、1C、1K上の各色のトナー像が、中間転写ベルト8の表面に重ねて1次転写される(1次転写工程である。)。
さらに、中間転写ベルト8は、中間転写潤滑剤供給装置としての潤滑剤供給装置30の位置に達する。そして、この位置で、中間転写ベルト8の表面に潤滑剤が供給される。
こうして、中間転写ベルト8上でおこなわれる、一連の転写プロセスが終了する。
詳しくは、給紙部26には、転写紙等の記録媒体Pが複数枚重ねて収納されている。そして、給紙ローラ27が図1中の反時計方向に回転駆動されると、一番上の記録媒体Pが第1搬送経路K1を経由してレジストローラ対28のローラ間に向けて給送される。
その後、記録媒体Pは、第2搬送経路K2を経由して、排紙ローラ対によって装置外へと排出される。排紙ローラ対によって装置外に排出された記録媒体Pは、出力画像として、スタック部上に順次スタックされる。
こうして、画像形成装置における、一連の画像形成プロセスが完了する。
現像部5Yは、感光体ドラム1Yに対向する現像ローラ51Yと、現像ローラ51Yに対向するドクターブレード52Yと、現像剤収容部内に配設された2つの搬送スクリュ55Yと、現像剤中のトナー濃度を検知する濃度検知センサ56Yと、等で構成される。現像ローラ51Yは、内部に固設されたマグネットや、マグネットの周囲を回転するスリーブ等で構成される。現像剤収容部内には、キャリアとトナーとからなる2成分現像剤Gが収容されている。
現像ローラ51Yのスリーブは、図2の矢印方向に回転している。そして、マグネットにより形成された磁界によって現像ローラ51Y上に担持された現像剤Gは、スリーブの回転にともない現像ローラ51Y上を移動する。ここで、現像部5Y内の現像剤Gは、現像剤G中のトナーの割合(トナー濃度)が所定の範囲内になるように調整される。具体的に、現像部5Yに設置されたトナー濃度センサによってトナー濃度が低い状態が検知されたときには、トナー濃度が所定の範囲内になるように、トナー容器58から現像部5Y内に新品トナーが補給される。
その後、トナー容器58から現像剤収容部内に補給されたトナーは、2つの搬送スクリュ55Yによって、現像剤Gとともに混合・撹拌されながら、隔絶された2つの現像剤収容部を循環する(図2の紙面垂直方向の移動である。)。そして、現像剤G中のトナーは、キャリアとの摩擦帯電によりキャリアに吸着して、現像ローラ51Y上に形成された磁力によりキャリアとともに現像ローラ51Y上に担持される。
なお、トナー容器58は、現像部5Y(画像形成装置100)に対して着脱可能(交換可能)に設置されている。そして、トナー容器58は、その内部に収容された新品のトナーが空になると、現像部5Y(画像形成装置100)から取り外されて新品のものに交換されることになる。
図3を参照して、中間転写ベルト装置は、中間転写体としての中間転写ベルト8、4つの1次転写ローラ9Y、9M、9C、9K 、駆動ローラ16、従動ローラ17、転写前ローラ18、テンションローラ19、クリーニング対向ローラ20、潤滑剤対向ローラ21、バックアップローラ22、中間転写クリーニング部10、中間転写潤滑剤供給装置としての潤滑剤供給装置30、2次転写対向ローラ80、2次転写装置70〜73、等で構成される。
なお、必要に応じて中間転写ベルト8の表面に離型層をコートすることもできる。その際、コートに用いる材料として、ETFE(エチレン−四フッ化エチレン共重合体)、PTFE(ポリ四フッ化エチレン)、PVDF(フッ化ビニルデン)、PEA(パーフルオロアルコキシフッ素樹脂)、FEP(四フッ化エチレン−六フッ化プロピレン共重合体)、PVF(フッ化ビニル)、等のフッ素樹脂を使用できるが、これに限定されるものではない。
2次転写対向ローラ80と潤滑剤対向ローラ21との間には、中間転写ベルト8を介してクリーニング対向ローラ20に当接するように中間転写クリーニング部10(クリーニングブレード)が設置されている。
クリーニング対向ローラ20とテンションローラ19との間には、中間転写ベルト8を介して潤滑剤対向ローラ21に当接するように潤滑剤供給装置30(中間転写潤滑剤供給装置)が設置されている。潤滑剤供給装置30は、感光体ドラム用の潤滑剤供給装置3と同様に、潤滑剤供給ローラ、固形潤滑剤、圧縮スプリング(付勢部材)などからなる。そして、図3の反時計方向に回転する潤滑剤供給ローラによって、固形潤滑剤から潤滑剤が少量ずつ削られて、潤滑剤供給ローラによって中間転写ベルト8の表面に潤滑剤が供給されることになる。
駆動ローラ16を除くローラ部材17〜22、80は、いずれも、中間転写ベルト8の走行にともない図3の時計方向に従動回転する。
また、2次転写ローラ70は、制御部90によって制御される駆動モータMt2によって図3の反時計方向に回転駆動されて、2次転写ベルト72を図3の反時計方向に回転(走行)させるとともに、分離ローラ71を図3の反時計方向に従動回転させる。
なお、本実施の形態では、2次転写ローラ70と分離ローラ71との2つのローラによって2次転写ベルト72を張架するように構成したが、3つ以上のローラによって2次転写ベルト72を張架するように構成することもできる。
詳しくは、2次転写対向ローラ80の軸上に設置されたカム機構によって2次転写ローラ70が上下動されることで、中間転写ベルト8に対して2次転写装置70〜73が接離される。
通常の画像形成動作(その前後のタイミングや紙間のタイミングを含む。)や、後述する立ち上げ動作においては、図4(A)に示すように、中間転写ベルト8に対して2次転写装置70〜73が当接した状態になるように制御される。
これに対して、搬送経路K1〜K4においてジャム(紙詰まり)した記録媒体P(用紙)を除去(ジャム処理)するときには、そのジャム処理動作に連動して、図4(B)に示すように、中間転写ベルト8に対して2次転写装置70〜73が離間した状態になるように制御される。
このとき、取っ手121の内壁部に設置されたフォトセンサによって取っ手121が把持された状態が検知されて、2次転写装置70〜73が図4(A)の当接状態から図4(B)の離間状態に自動で可変されるようにカム機構が制御される。また、ジャム処理が終了して、引出しユニット120が手動で押動されて装置本体100に装着されるときには、引出し時の動作と逆の動作がおこなわれて、2次転写装置70〜73が図4(B)の離間状態から図4(A)の当接状態に自動で可変されるようにカム機構が制御されることになる。
先に図3等を用いて説明したように、画像形成装置100には、複数の感光体ドラム1Y、1M、1C、1K(感光体)や、複数の現像部5Y、5M、5C、5Kや、像担持体としての中間転写ベルト8や、転写回転体としての2次転写ベルト72や、ブレードとしての2次転写ブレード73、などが設置されている。
現像部5Y、5M、5C、5Kは、トナーを現像するものである。詳しくは、複数の現像部5Y、5M、5C、5Kは、それぞれ、トナーがそれぞれ収容されていて、複数の感光体ドラム1Y、1M、1C、1Kの表面にそれぞれトナー像を形成するものである。
像担持体としての中間転写ベルト8は、現像部5Y、5M、5C、5Kによって現像されたトナー像が形成されるものである。詳しくは、中間転写ベルト8は、複数の感光体ドラム1Y、1M、1C、1Kの表面にそれぞれ形成されたトナー像が1次転写されるものである。
2次転写ベルト72(転写回転体)は、中間転写ベルト8に当接して転写ニップとしての2次転写ニップを形成して、2次転写ニップに搬送される記録媒体Pに対して中間転写ベルト8の表面に1次転写されたトナー像を2次転写(転写)するためのものである。
ブレードとしての2次転写ブレード73は、2次転写ベルト73(転写回転体)の表面に当接して、2次転写ベルト73の表面に付着したトナーや紙粉などの異物を除去するものである。
また、図6は、連続通紙(連続プリント)がされた場合であって、1枚目の記録媒体P1に形成される画像X(画像部)の前と、1枚目の記録媒体P1に形成される画像X(画像部)と2枚目の記録媒体P2に形成される画像X(画像部)との紙間と、2枚目の記録媒体P2に形成される画像X(画像部)と3枚目の記録媒体P3に形成される画像X(画像部)との紙間と、にそれぞれ第2トナーパターン像B1〜B3が形成された場合を、例示したものである。上述したように、第2トナーパターン像B1〜B3が形成されるタイミングは、通紙パターンや画像パターンによって適宜可変されることになる。
そして、このように2次転写ブレード73のエッジ部に充分な量で留まったトナーは、2次転写ベルト72に対する2次転写ブレード73の摺動抵抗を減ずる潤滑剤として機能することになる。そのため、摺動抵抗の高まりによって2次転写ブレード73のエッジ部が捲れたり破損したりする不具合が軽減されて、2次転写ブレード73のクリーニング性が良好に維持されることになる。
このように第2トナーパターン像B1〜B3が形成される非画像部のタイミングは、2次転写ニップにおいて記録媒体Pが介在されることなく2次転写ベルト72が中間転写ベルト8に直接的に当接した状態である。そのため、中間転写ベルト8の表面に1次転写された第2トナーパターン像B1〜B3の一部は、2次転写ニップの位置で、2次転写ベルト72の表面に移動して、その後に2次転写ブレード73の位置に達することになるが、そのときには上述したように2次転写ブレード73のエッジ部はダム形成状態になっている。したがって、第2トナーパターン像B1〜B3が2次転写ブレード73によって完全に除去することができずにクリーニング不良が生じてしまう不具合が生じないことになる。また、2次転写ブレード73のクリーニング不良により、2次転写ニップに搬送される記録媒体Pの裏面(両面プリントモードにおけるウラ面プリント時にはオモテ面である。)が汚れてしまう不具合(裏汚れ)も生じないことになる。
すなわち、幅方向における第1トナーパターン像Aの形成範囲M1は、幅方向における第2トナーパターン像B(B1〜B3)の形成範囲M2よりも広くなっている。
また、制御部90は、立ち上げ動作が終了した後であって、記録媒体Pに2次転写されるためのトナー像が形成されるタイミングとは別の非画像部のタイミングで、幅方向に延在するように、現像部5Y、5M、5C、5Kによって中間転写ベルト8上に第2トナーパターン像Bを形成するように、画像の形成(すなわち、第2トナーパターン像Bの形成、および、中間転写ベルト8と2次転写ベルト72との駆動)を制御する。
なお、本実施の形態においては、第2トナーパターン像B1〜B3が2次転写位置を通過するときは常に2次転写ベルト72が中間転写ベルト8に直接的に当接する構成を例に説明したが、これに限らない。例えば、第2トナーパターン像B1〜B3のうちの一部または全てが2次転写位置を通過するときに、図4(B)に示すように2次転写ベルト72が中間転写ベルト8から離間する構成としてもよい。このような構成の場合も、2次転写位置では第2トナーパターン像B1〜B3を構成するトナーの一部は2次転写ベルト72へと飛散して、2次転写ベルト72の表面に付着する。この場合も、第1トナーパターン像Aの幅方向の範囲M1が、第2トナーパターン像B(B1〜B3)の幅方向の範囲M2を含むように、充分に広く設定されることで、第2トナーパターン像B(B1〜B3)が入力される2次転写ブレード73の幅方向の範囲には、必ず第1トナーパターン像Aによるダム形成状態が確保される。そのため、第2トナーパターン像B(B1〜B3)が2次転写ブレード73によって幅方向の全域にわたって良好にクリーニングされることになる。
ここで、「最大画像領域」とは、露光部7によって感光体ドラム1Y上に潜像を形成しうる幅方向の最大領域であるとともに、その潜像を現像部5Yによって顕像化しうる幅方向の最大領域であって、「最大書込み領域」とも呼ぶ。なお、図6を参照して、「最大画像領域」は、通紙可能な最大サイズの記録媒体P1〜P3の幅方向の範囲(用紙最大幅)に対して、両端の余白Wの分を差し引いた範囲に設定されている。
このように、最大画像領域に合わせて第1トナーパターン像Aの幅方向の範囲M1を可能な限り広く設定することで、その範囲は第2トナーパターン像B(B1〜B3)の範囲よりも必ず広くなるため、第2トナーパターン像B(B1〜B3)が2次転写ブレード73によって完全に除去されずにクリーニング不良が生じてしまう不具合が生じないことになる。
具体的に、本実施の形態において、2次転写ブレード73(ブレード本体73a)は、センター基準で形成されていて、幅方向の長さM0が341mmになるように設定されている。また、2次転写ブレード73の幅方向の範囲M0において、第1トナーパターン像Aの幅方向の範囲M1から外れる両端部の範囲が、用紙最大幅(本実施の形態では、330mmである。)における余白Wよりも大きくなるように設定されている。
このように2次転写ブレード73の幅方向の範囲M0を広く設定するのは、2次転写ブレード73の両端部が、その他の部分に比べて、捲れが生じやすくて、クリーニング性が低いことによる。すなわち、2次転写ブレード73の幅方向の範囲M0を、第1トナーパターン像Aの幅方向の範囲M1と同じ範囲に設定してしまうと、2次転写ブレード73の両端部では第1トナーパターン像Aをクリーニングしきれずに、そのクリーニングされないトナーが、その後に通紙される記録媒体Pの余白Wやその近傍に裏汚れとして付着してしまう可能性が高くなる。
これに対して、本実施の形態では、2次転写ブレード73の両端部に第1トナーパターン像Aが入力されないように設定しているため、記録媒体Pの幅方向両端部が裏汚れする不具合を軽減することができる。
なお、本実施の形態では、上述した2次転写ブレード73の幅方向の範囲M0に合わせて、2次転写ベルト72の幅方向の範囲が、その範囲M0と同じ範囲に設定されている。
具体的に、本実施の形態では、図7に示すように、ブレード本体73aを片持ち支持により保持するホルダ73bの両端部に、段差部(図7にて、破線で囲んだ部分である。)を設けている。これにより、ブレード本体73aは、両端部における自由長が、その他の部分のものに比べて長い状態で、ホルダ73bに片持ち支持されることになる。そのため、2次転写ベルト72に対する2次転写ブレード73の当接圧は、両端部が、その他の部分に比べて小さくなって、先に説明した両端部の捲れが生じにくくなる。本実施の形態では、2次転写ブレード73において通常の当接圧となる両端部以外の部分(範囲M1)が、最大画像領域と一致するように構成されているので、2次転写ブレード73のクリーニング不良と捲れとの両方を防止することができる。
これに対して、中間転写ベルト8上において非画像部に形成される第2トナーパターン像Bは、先に説明したように、2次転写ブレード73のクリーニング不良の原因となるものであるため、2次転写ニップの位置で、2次転写ベルト72上になるべく移動させたくない。したがって、第2トナーパターン像Bが2次転写ニップの位置を通過する非画像部のタイミングでは、電源部91から2次転写対向ローラ80に向けてプラス極性のバイアスが印加されるように制御している。これにより、通常の2次転写工程とは異なり、中間転写ベルト8上に形成された第2トナーパターン像Bに対して、静電的な引力が作用して、第2トナーパターン像Bが中間転写ベルト8上に留まりやすくなる。しかし、第2トナーパターン像Bを構成するトナーの一部は、中間転写ベルト8と2次転写ベルト72との当接や中間転写ベルト8の回転動作時の振動などによって、2次転写位置で2次転写ベルト72上へと付着する。
したがって、4色の現像部5Y、5M、5C、5Kのうち1色の現像部(例えば、ブラック用の現像部5Yである。)のみがトナーリフレッシュをおこなう条件に該当する場合には、その1色の現像部によって対応する感光体ドラムに第2トナーパターン像Bが形成されて、その第2トナーパターン像Bが中間転写ベルト8に1次転写されることになる。これに対して、4色の現像部5Y、5M、5C、5Kのすべてがトナーリフレッシュをおこなう条件に該当する場合には、4色の現像部5Y、5M、5C、5Kによってそれぞれ4色の感光体ドラム1Y、1M、1C、1Kに第2トナーパターン像Bが形成されて、それらの第2トナーパターン像Bが中間転写ベルト8に重ねて1次転写されることになる。
ここで、本実施の形態では、いずれの色で第2トナーパターン像Bを形成する場合にも、その第2トナーパターン像Bはハーフトーン画像(画像比率が56%程度である。)となるように設定している。したがって、4色の第2トナーパターン像Bが中間転写ベルト8上に重ねて形成された場合には、その画像比率が224%(=56%×4)になる。
このように構成することで、2次転写ブレード73のエッジ部に入力されてダム形成状態化されるトナー量が、2次転写ブレード73のエッジ部に入力される第2トナーパターン像Bのトナー量を上回ることになる。そのため、2次転写ブレード73のクリーニング性が良好に維持されることになる。
このような制御をおこなうのは、2次転写ブレード73が新品の状態のときには、2次転写ブレード73のエッジ部に潤滑剤として機能するトナーがまったくない状態であって、大量のトナーを入力する必要があるためである。
本実施の形態では、2次転写ブレード73が新品の状態のときに、4色の第1トナーパターン像Aを2次転写ブレード73のエッジ部に入力させているため、そのような状態においても2次転写ブレード73のクリーニング不良を抑止することができる。
なお、2次転写ブレード73が新品の状態であることは、サービスマンによる操作パネル92への入力情報によって制御部90で判別することができる。
また、本実施の形態では、いずれの色で第1トナーパターン像Aを形成する場合にも、その第1トナーパターン像Aは、副走査方向の長さH1が75mm程度であって、ハーフトーン画像(画像比率が56%程度である。)となるように設定している。したがって、4色の第1トナーパターン像Aが中間転写ベルト8上に形成された場合には、その画像比率が224%(=56%×4)になる。
このような制御をおこなうのは、ジャム処理がおこなわれるときには、先に図4、図5を用いて説明したように、引出しユニット120の装着動作にともない2次転写装置70〜73の接離動作がおこなわれて、そのときに生じる振動によって2次転写ブレード73のエッジ部に留まったトナーが離間してしまいやすいからである。しかし、ジャム処理がおこなわれた直後の立ち上げ動作時には、2次転写ブレード73が新品の状態のときとは異なり、2次転写ブレード73のエッジ部に潤滑剤として機能するトナーがある程度は残留した状態であって、それほど大量のトナーを入力する必要がないために、第1トナーパターン像Aを1色で形成して、その画像比率を低く設定している。
本実施の形態では、ジャム処理がおこなわれた直後の立ち上げ動作時に、1色の第1トナーパターン像Aを2次転写ブレード73のエッジ部に入力させているため、無駄なトナー消費を抑えて、2次転写ブレード73のクリーニング不良を抑止することができる。
なお、ジャム処理がおこなわれた状態は、記録媒体Pの搬送経路K1〜K4に配置された複数のジャム検知センサ94(光学センサ)による検知結果によって制御部90で判別することができる。
また、本実施の形態では、1色で第1トナーパターン像Aを形成する場合に、その第1トナーパターン像Aは、副走査方向の長さH1が20mm程度であって、ベタ画像(画像比率が100%程度である。)となるように設定している。
このような制御をおこなうのは、主電源がオフされた状態のときには画像形成装置100が移動されたり2次転写装置70〜73のメンテナンスがおこなわれたりする可能性があり、そのときに生じる振動によって2次転写ブレード73のエッジ部に留まったトナーが離間してしまうことが考えられるからである。しかし、そのような可能性があるにしても、主電源がオンされた直後の立ち上げ動作時には、2次転写ブレード73が新品の状態のときとは異なり、2次転写ブレード73のエッジ部に潤滑剤として機能するトナーがある程度は残留した状態であって、それほど大量のトナーを入力する必要がないために、第1トナーパターン像Aを1色で形成して、その画像比率を低く設定している。
本実施の形態では、ジャム処理がおこなわれた直後の立ち上げ動作時に、1色の第1トナーパターン像Aを2次転写ブレード73のエッジ部に入力させているため、無駄なトナー消費を抑えて、2次転写ブレード73のクリーニング不良を抑止することができる。
図8に示すように、まず、主電源がオン直後であるかが判別される(ステップS1〜S2)。その結果、主電源がオン直後でないものと判別された場合には、2次転写ブレード73が新品であるかが判別される(ステップS3)。その結果、2次転写ブレード73が新品であると判別された場合には、2次転写ブレード73のクリーニング不良が最も生じやすい状態であるものとして、その直後におこなわれる立ち上げ動作において第1トナーパターン像Aを4色で形成して(ステップS4)、本フローを終了する(ステップS5)。
これに対して、ステップS3にて、2次転写ブレード73が新品でないと判別された場合には、ジャム処理がおこなわれた直後であるかが判別される(ステップS6)。その結果、ジャム処理がおこなわれた直後であると判別された場合には、2次転写ブレード73のクリーニング不良が生じやすい状態であるものの2次転写ブレード73が新品のときほどではないものとして、その直後におこなわれる立ち上げ動作において第1トナーパターン像Aを1色で形成して(ステップS7)、本フローを終了する(ステップS5)。
これに対して、ステップS6にて、ジャム処理がおこなわれた直後でないと判別された場合には、2次転写ブレード73のクリーニング不良が生じにくい状態であるものとして、第1トナーパターン像Aを形成することなく、そのまま本フローを終了する(ステップS5)。
これに対して、ステップS2にて、主電源がオン直後であるものと判別された場合には、2次転写ブレード73が新品であるかが判別される(ステップS8)。その結果、2次転写ブレード73が新品であると判別された場合には、2次転写ブレード73のクリーニング不良が最も生じやすい状態であるものとして、その直後におこなわれる立ち上げ動作において第1トナーパターン像Aを4色で形成して(ステップS10)、本フローを終了する(ステップS5)。
これに対して、ステップS8にて、2次転写ブレード73が新品でないと判別された場合には、2次転写ブレード73のクリーニング不良が生じやすい状態であるものの2次転写ブレード73が新品のときほどではないものとして、その直後におこなわれる立ち上げ動作において第1トナーパターン像Aを1色で形成して(ステップS9)、本フローを終了する(ステップS5)。
図9は、変形例としての、2次転写ブレード73と、第1トナーパターン像Aと、第2トナーパターン像Bと、の幅方向(主走査方向)の位置関係を示す概略図であって、本実施の形態における図7に相当する図である。
図9に示すように、この変形例において、第1トナーパターン像Aは、幅方向の範囲M1が、第2トナーパターン像Bの幅方向の範囲M2に対して略同じ範囲になるように形成されている。すなわち、幅方向における第1トナーパターン像Aの形成範囲M1は、幅方向における第2トナーパターン像Bの形成範囲M2と略同じになるように形成されている。
そして、第2トナーパターン像Bは、幅方向の両端部BBの画像濃度が、それ以外の部分BAの画像濃度に比べて薄くなるように形成されている。具体的に、本実施の形態では、両端部BBの画像比率が、それ以外の部分BAの画像比率よりも小さくなるように、露光部7を制御して、第2トナーパターン像Bを形成している。
このように構成することで、第1トナーパターン像Aの幅方向の範囲M1が、第2トナーパターン像B(B1〜B3)の幅方向の範囲M2と略同じ範囲であっても、2次転写ブレード73の両端部に入力される第2トナーパターン像Bのトナー量は少なくなるため、第1トナーパターン像Aが入力されてダム形成状態化された2次転写ブレード73によって、良好にクリーニングされることになる。したがって、2次転写ブレード73によって幅方向の全域にわたって良好なクリーニング性を確保することができる。
これにより、経時においてもトナー劣化による異常画像が生じにくく、2次転写ブレード73によるクリーニング不良を生じにくくすることができる。
また、本実施の形態では、転写回転体として2次転写ベルト72を用いた画像形成装置100に対して、本発明を適用した。これに対して、転写回転体として2次転写ローラを用いた画像形成装置(例えば、特許文献2に開示されたものである。)に対しても、本発明を適用することができる。
また、本実施の形態では、像担持体としての中間転写ベルト8(中間転写体)と、転写回転体としての2次転写ベルト72と、を用いた画像形成装置100に対して、本発明を適用した。これに対して、中間転写ベルトや中間転写ドラムなどの中間転写体を備えず、トナーを現像する現像部と、現像部によって現像されたトナー像が形成される像担持体としての感光体ドラム(感光体)と、感光体ドラムに当接して転写ニップを形成して、転写ニップに搬送される記録媒体に対して感光体ドラム上のトナー像を転写するための転写回転体と、を備えた装置、いわゆる直接転写方式の画像形成装置に対しても、本発明を適用することができる。転写回転体としては、複数のローラに支持された搬送ベルトなどを用いることができる。
また、本実施の形態では、カラー画像を形成する画像形成装置100に対して、本発明を適用した。これに対して、モノクロ画像のみを形成する画像形成装置に対しても本発明を適用することができる。
そして、それらのような場合であっても、本実施の形態のものと同様の効果を得ることができる。
5Y、5M、5C、5K 現像部(現像装置)、
8 中間転写ベルト(像担持体)、
70 2次転写ローラ(ローラ)、
71 分離ローラ(ローラ)、
72 2次転写ベルト(転写回転体)、
73 2次転写ブレード(ブレード)、
73a ブレード本体、 73b ホルダ、
80 2次転写対向ローラ(ローラ部材)、
90 制御部、
91 電源部(2次転写電源)、
100 画像形成装置(画像形成装置本体)、
A 第1トナーパターン像(ダム形成用パターン)、
B、B1〜B3 第2トナーパターン像(トナーリフレッシュ用パターン)、
P、P1〜P3 記録媒体。
Claims (11)
- トナーを現像する現像部と、
前記現像部によって現像されたトナー像が形成される像担持体と、
前記像担持体に当接して転写ニップを形成して、前記転写ニップに搬送される記録媒体に対して前記像担持体上のトナー像を転写するための転写回転体と、
前記転写回転体の表面に当接するブレードと、
当該画像形成装置の立ち上げ動作において、前記像担持体の走行方向に対して直交する幅方向に延在するように前記現像部によって前記像担持体上に第1トナーパターン像を形成して、前記第1トナーパターン像を前記転写回転体へと転写して、前記第1トナーパターン像を前記転写回転体の回転にともない前記ブレードの位置を少なくとも2回通過させ、
前記立ち上げ動作が終了した後であって、前記トナー像が形成されるタイミングとは別の非画像部のタイミングで、前記幅方向に延在するように前記現像部によって前記像担持体上に第2トナーパターン像を形成するように、画像の形成を制御する制御部と、
を備え
前記幅方向における前記第1トナーパターン像の形成範囲は、前記幅方向における前記第2トナーパターン像の形成範囲よりも広いことを特徴とする画像形成装置。 - トナーを現像する現像部と、
前記現像部によって現像されたトナー像が形成される像担持体と、
前記像担持体に当接して転写ニップを形成して、前記転写ニップに搬送される記録媒体に対して前記像担持体上のトナー像を転写するための転写回転体と、
前記転写回転体の表面に当接するブレードと、
当該画像形成装置の立ち上げ動作において、前記像担持体の走行方向に対して直交する幅方向に延在するように前記現像部によって前記像担持体上に第1トナーパターン像を形成して、前記第1トナーパターン像を前記転写回転体へと転写して、前記第1トナーパターン像を前記転写回転体の回転にともない前記ブレードの位置を少なくとも2回通過させ、
前記立ち上げ動作が終了した後であって、前記トナー像が形成されるタイミングとは別の非画像部のタイミングで、前記幅方向に延在するように前記現像部によって前記像担持体上に第2トナーパターン像を形成するように、画像の形成を制御する制御部と、
を備え
前記幅方向における前記第1トナーパターン像の形成範囲は、前記幅方向における前記第2トナーパターン像の形成範囲と略同じになるように形成され、
前記第2トナーパターン像は、前記幅方向の両端部の画像濃度がそれ以外の部分の画像濃度に比べて薄いことを特徴とする画像形成装置。 - 前記第1トナーパターン像は、前記幅方向の形成範囲が、最大画像領域に対して略同じ範囲になるように形成されることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の画像形成装置。
- 前記第1トナーパターン像は、前記幅方向の形成範囲が、前記ブレードの前記幅方向の範囲に対して狭い範囲になるように形成されることを特徴とする請求項1〜請求項3のいずれかに記載の画像形成装置。
- 前記第1トナーパターン像は、単位面積当たりのトナー付着量が、前記第2トナーパターン像の単位面積当たりのトナー付着量に対して同等以上になるように形成されることを特徴とする請求項1〜請求項4のいずれかに記載の画像形成装置。
- 前記ブレードは、前記幅方向の両端部の前記転写回転体に対する当接圧が、それ以外の部分の前記転写回転体に対する当接圧に比べて小さくなるように形成されたことを特徴とする請求項1〜請求項5のいずれかに記載の画像形成装置。
- 前記現像部は、複数の感光体の表面にそれぞれトナー像を形成する複数の現像部であって、
前記像担持体は、前記複数の感光体の表面にそれぞれ形成されたトナー像が1次転写される中間転写ベルトであることを特徴とする請求項1〜請求項6のいずれかに記載の画像形成装置。 - 前記第1トナーパターン像は、前記ブレードが新品の状態で前記立ち上げ動作がおこなわれるときに、前記複数の現像部によって前記複数の感光体にそれぞれ形成されて、前記中間転写ベルトの表面に重ねて1次転写されることを特徴とする請求項7に記載の画像形成装置。
- 前記第1トナーパターン像は、ジャム処理がされた後に前記立ち上げ動作がおこなわれるときに、前記複数の現像部のうちの1つの現像部によって前記複数の感光体のうち対応する感光体に形成されて、前記中間転写ベルトの表面に1次転写されることを特徴とする請求項7又は請求項8に記載の画像形成装置。
- 前記第1トナーパターン像は、当該画像形成装置の主電源が投入された後に前記立ち上げ動作がおこなわれるときに、前記複数の現像部のうちの1つの現像部によって前記複数の感光体のうち対応する感光体に形成されて、前記中間転写ベルトの表面に1次転写されることを特徴とする請求項7〜請求項9のいずれかに記載の画像形成装置。
- 前記転写回転体は、2次転写ローラを含む複数のローラに張架された2次転写ベルトであって、
前記2次転写ローラは、前記中間転写ベルトを張架する複数のローラ部材のうちの1つとしての2次転写対向ローラとの間に、前記中間転写ベルトと前記2次転写ベルトとを挟んで前記転写ニップとしての2次転写ニップを形成し、
前記ブレードは、前記2次転写ベルトの回転方向に対してカウンタ方向に当接するように、前記2次転写ベルトを介して前記2次転写ローラに圧接することを特徴とする請求項7〜請求項10のいずれかに記載の画像形成装置。
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