JP2011090116A - 画像形成装置及び画像形成方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】複写機、プリンタ、ファクシミリ等の画像形成装置に備えられた感光体等の像担持体に形成した基準トナー像のトナー量に基づいて、かかる像担持体にトナー像を形成する条件を制御するかかる画像形成装置及び画像形成方法であって、基準トナー像の前に形成された画像による影響をも考慮してかかる制御を行なうかかる画像形成装置及び画像形成方法の提供。
【解決手段】像担持体20Y、20M、20C、20BKに形成した基準トナー像のトナー量を検知するトナー量検知手段90と、トナー量検知手段90によって検知されたトナー量を、基準トナー像を形成する前に形成された画像に応じて補正した補正トナー量を算出する補正トナー量算出手段64とを用い、補正トナー量算出手段64によって算出された補正トナー量に基づいて像担持体20Y、20M、20C、20BKにトナー像を形成する条件を制御可能とした。
【選択図】図1

Description

本発明は、複写機、プリンタ、ファクシミリ等の画像形成装置に備えられた感光体等の像担持体に形成した基準トナー像のトナー量に基づいて、かかる像担持体にトナー像を形成する条件を制御するかかる画像形成装置及び画像形成方法に関する。
従来より、複写機、プリンタ、ファクシミリ等の画像形成装置として、像担持体としての感光体を帯電させ、帯電した感光体を光像で露光してその露光部の電位を変化させ、これにより静電潜像を形成し、この静電潜像に所定の電荷をもったトナーを静電吸着させてトナー像を形成し、このトナー像を転写材に転写して画像を形成する画像形成方法を行うものが知られている(たとえば、〔特許文献1〕、〔特許文献2〕参照)。なお、このような画像形成方法においては、かかる転写を行う転写プロセスにおいて、トナー像を一旦、中間転写体に移し、この工程を色毎に複数回繰り返して中間転写体表面に複数色のカラートナーによる重ねトナー像を形成し、この重ねトナー像を転写材にー括転写して転写材にカラー像を形成する画像形成方法、中間転写体を設けず、感光体上に単色のカラートナー像を形成して同一の転写材に転写する工程を異なる色のトナー毎に複数回繰り返し、転写材にカラートナー像を形成する画像形成方法、中間転写体を設けず、感光体上に互いに異なる色の単色の力ラートナー像を繰り返し形成してから一挙に転写材にカラートナー像を形成する画像形成方法等が知られている。
かかる画像形成方法を行う画像形成装置においては、常に一定の画像濃度を保つためにさまざまな工夫が施されている。たとえば、予め定められた画素パターンからなる基準トナー像を所定のタイミングで形成し、その基準トナー像に対する単位面積あたりのトナー付着量の検知結果に基づいて作像能力を調整する画像形成装置が知られている(たとえば、〔特許文献1〕、〔特許文献2〕参照)。この種の画像形成装置によれば、環境変動や経時使用に伴って作像能力が変動した場合に、検知結果として得られるトナー付着量の変動に基づいてその作像能力の変動を検知し、像担持体の一様帯電電位、像担持体に対する潜像書込強度、現像バイアス、現像剤のトナー濃度などを補正することで作像条件を制御し、作像能力を元通りに復帰させる。このような作像条件の制御により、作像能力の変動に起因する画像濃度の変動が抑えられる。
かかる制御を行う画像形成装置、画像形成方法においては、基準トナー像は、制御因子である像担持体の一様帯電電位、像担持体に対する潜像書込強度、現像バイアス、現像剤のトナー濃度などが一定であるときに一定のトナー付着量であることが望まれるにもかかわらず、基準トナー像のトナー量は直前に形成された画像によって影響を受けることがわかってきた。
すなわち、基準トナー像の直前に形成された画像によらず、単に基準トナー像のトナー量によって作像条件を制御したのでは、画像濃度の安定性に問題が生じる可能性がある。
本発明は、複写機、プリンタ、ファクシミリ等の画像形成装置に備えられた感光体等の像担持体に形成した基準トナー像のトナー量に基づいて、かかる像担持体にトナー像を形成する条件を制御するかかる画像形成装置及び画像形成方法であって、基準トナー像の前に形成された画像による影響をも考慮してかかる制御を行なうかかる画像形成装置及び画像形成方法を提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、請求項1記載の発明は、像担持体に形成した基準トナー像のトナー量を検知するトナー量検知手段と、前記トナー量検知手段によって検知された前記トナー量を、前記基準トナー像を形成する前に形成された画像に応じて補正した補正トナー量を算出する補正トナー量算出手段とを有し、前記補正トナー量算出手段によって算出された前記補正トナー量に基づいて像担持体にトナー像を形成する条件を制御可能な画像形成装置にある。
請求項2記載の発明は、請求項1記載の画像形成装置において、前記補正トナー量算出手段は、前記画像の画像面積率に応じて、前記トナー量検知手段によって検知された前記トナー量を補正した補正トナー量を算出することを特徴とする。
請求項3記載の発明は、請求項1または2記載の画像形成装置において、像担持体にトナー像を形成するためにトナーを担持する、回転する無端状のトナー担持体を有し、前記画像は、前記基準トナー像が形成される直前の、前記トナー担持体の1周長に対応した部分の像担持体に形成した画像であることを特徴とする。
請求項4記載の発明は、請求項1または2記載の画像形成装置において、像担持体にトナー像を形成するためにトナーを担持する、回転する無端状のトナー担持体を有し、前記画像は、前記基準トナー像が形成される直前の、前記トナー担持体の1周長の整数倍に対応した各部分の像担持体に形成した各画像であることを特徴とする。
請求項5記載の発明は、請求項2ないし4の何れか1つに記載の画像形成装置であって、前記補正トナー量算出手段は、前記画像の画像面積率に応じて、前記トナー量検知手段によって検知された前記トナー量を補正した補正トナー量を算出する画像形成装置において、前記補正トナー量算出手段は、前記画像面積率が大きいほど前記補正トナー量を多くなるように算出することを特徴とする。
請求項6記載の発明は、請求項2ないし5の何れか1つに記載の画像形成装置であって、前記補正トナー量算出手段は、前記画像の画像面積率に応じて、前記トナー量検知手段によって検知された前記トナー量を補正した補正トナー量を算出する画像形成装置において、前記補正トナー量算出手段は、前記画像面積率が小さいほど前記補正トナー量を少なくなるように算出することを特徴とする。
請求項7記載の発明は、像担持体に形成した基準トナー像のトナー量を検知するトナー量検知手段と、前記トナー量検知手段によって検知された前記トナー量を、前記基準トナー像を形成する前に形成された画像に応じて補正した補正トナー量を算出する補正トナー量算出手段とを用い、前記補正トナー量算出手段によって算出された前記補正トナー量に基づいて像担持体にトナー像を形成する条件を制御可能な画像形成方法にある。
本発明は、像担持体に形成した基準トナー像のトナー量を検知するトナー量検知手段と、前記トナー量検知手段によって検知された前記トナー量を、前記基準トナー像を形成する前に形成された画像に応じて補正した補正トナー量を算出する補正トナー量算出手段とを有し、前記補正トナー量算出手段によって算出された前記補正トナー量に基づいて像担持体にトナー像を形成する条件を制御可能な画像形成装置にあるので、基準トナー像の前に形成された画像による影響を考慮してかかる条件の制御を行なうことで、経時的に安定した濃度の画像を形成可能な画像形成装置を提供することができる。
前記補正トナー量算出手段は、前記画像の画像面積率に応じて、前記トナー量検知手段によって検知された前記トナー量を補正した補正トナー量を算出することとすれば、基準トナー像の前に形成された画像による影響をかかる画像の画像面積率に基づいて考慮してかかる条件の制御を行なうことで、経時的に安定した濃度の画像を形成可能な画像形成装置を提供することができる。
像担持体にトナー像を形成するためにトナーを担持する、回転する無端状のトナー担持体を有し、前記画像は、前記基準トナー像が形成される直前の、前記トナー担持体の1周長に対応した部分の像担持体に形成した画像であることとすれば、基準トナー像の前にトナー担持体の1周長に対応して形成された画像による影響を考慮してかかる条件の制御を行なうことで、経時的に安定した濃度の画像を形成可能な画像形成装置を提供することができる。
像担持体にトナー像を形成するためにトナーを担持する、回転する無端状のトナー担持体を有し、前記画像は、前記基準トナー像が形成される直前の、前記トナー担持体の1周長の整数倍に対応した各部分の像担持体に形成した各画像であることとすれば、基準トナー像の前に形成されたトナー担持体の整数倍長に対応して形成された画像による影響を考慮してかかる条件の制御を行なうことで、経時的に安定した濃度の画像を形成可能な画像形成装置を提供することができる。
前記補正トナー量算出手段は、前記画像の画像面積率に応じて、前記トナー量検知手段によって検知された前記トナー量を補正した補正トナー量を算出する画像形成装置において、前記補正トナー量算出手段は、前記画像面積率が大きいほど前記補正トナー量を少なくなるように算出することとすれば、基準トナー像の前に形成された画像による影響をかかる画像の画像面積率が大きいほど補正トナー量が多くなるように算出するようにしてかかる条件の制御を行なうことで、経時的に安定した濃度の画像を形成可能な画像形成装置を提供することができる。
前記補正トナー量算出手段は、前記画像の画像面積率に応じて、前記トナー量検知手段によって検知された前記トナー量を補正した補正トナー量を算出する画像形成装置において、前記補正トナー量算出手段は、前記画像面積率が小さいほど前記補正トナー量を多くなるように算出することとすれば、基準トナー像の前に形成された画像による影響をかかる画像の画像面積率が小さいほど補正トナー量が少なくなるように算出するようにしてかかる条件の制御を行なうことで、経時的に安定した濃度の画像を形成可能な画像形成装置を提供することができる。
本発明は、像担持体に形成した基準トナー像のトナー量を検知するトナー量検知手段と、前記トナー量検知手段によって検知された前記トナー量を、前記基準トナー像を形成する前に形成された画像に応じて補正した補正トナー量を算出する補正トナー量算出手段とを用い、前記補正トナー量算出手段によって算出された前記補正トナー量に基づいて像担持体にトナー像を形成する条件を制御可能な画像形成方法にあるので、基準トナー像の前に形成された画像による影響を考慮してかかる条件の制御を行なうことで、経時的に安定した濃度の画像を形成可能な画像形成方法を提供することができる。
本発明を適用した画像形成装置の概略正面図である。 図1に示した画像形成装置に備えられた現像装置の構成の一部を示した概略正面図である。 図1に示した画像形成装置に備えられた現像装置によって現像が行われる原理を示した概念図である。 画像濃度がトナー担持体の周長方向に沿って変化する様子を示した概念図である。 トナー担持体のトナー濃度とトナー担持体の電位との相関関係を示した相関図である。
図1に本発明を適用した画像形成装置の概略を示す。画像形成装置100は、カラーレーザプリンタであるが、他のタイプのプリンタ、ファクシミリ、複写機、複写機とプリンタとの複合機等、他の画像形成装置であっても良い。画像形成装置100は、外部から受信した画像情報に対応する画像信号に基づき画像形成処理を行なう。画像形成装置100は、一般にコピー等に用いられる普通紙の他、OHPシートや、カード、ハガキ等の厚紙や、封筒等の何れをもシート状の記録媒体として画像形成を行なうことが可能である。
画像形成装置100は、イエロー、マゼンタ、シアン、ブラックの各色に色分解された色にそれぞれ対応する像としての画像を形成可能な第1の像担持体としての潜像担持体である感光体ドラム20Y、20M、20C、20BKを平行配設したタンデム構造、言い換えるとタンデム方式を採用している。
表面移動部材たる感光体ドラム20Y、20M、20C、20BKは、画像形成装置100の本体99の図示しないフレームに回転自在に支持され、第2の像担持体としての中間転写体である転写ベルト11の移動方向であって図1において時計回り方向であるA1方向の上流側からこの順で並んでいる。各符号の数字の後に付されたY、M、C、BKは、イエロー、マゼンタ、シアン、黒用の部材であることを示している。
各感光体ドラム20Y、20M、20C、20BKはそれぞれ、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、ブラック(BK)の画像を形成するための画像形成ユニット画像形成ユニット60Y、60M、60C、60BKに備えられている。
感光体ドラム20Y、20M、20C、20BKは、本体99の内部のほぼ中央部に配設された無端のベルトとして構成された転写ベルト11の外周面側すなわち作像面側に位置している。
転写ベルト11は、各感光体ドラム20Y、20M、20C、20BKに対峙しながら矢印A1方向に移動可能となっている。各感光体ドラム20Y、20M、20C、20BKに形成された可視像すなわちトナー像は、矢印A1方向に移動する転写ベルト11に対しそれぞれ重畳転写され、その後、記録媒体である転写紙Sに一括転写されるようになっている。よって画像形成装置100は中間転写方式の画像形成装置となっている。
転写ベルト11は、その上側の部分が各感光体ドラム20Y、20M、20C、20BKに対向しており、この対向した部分が、各感光体ドラム20Y、20M、20C、20BK上のトナー像を転写ベルト11に転写する1次転写部58を形成している。
転写ベルト11に対する重畳転写は、転写ベルト11がA1方向に移動する過程において、各感光体ドラム20Y、20M、20C、20BKに形成されたトナー像が、転写ベルト11の同じ位置に重ねて転写されるよう、転写ベルト11を挟んで各感光体ドラム20Y、20M、20C、20BKに対向する位置に配設された1次転写装置としての1次転写ローラ12Y、12M、12C、12BKによる電圧印加によって、A1方向上流側から下流側に向けてタイミングをずらして行われる。
転写ベルト11は、ベース層を伸びの少ない材質で構成し、ベース層の表面を平滑性の良い材質によって覆ったコート層とし、ベース層にコート層を重ねて形成した多層構造となっている。ベース層の材質としては、たとえばフッ素樹脂、PVDシート、ポリイミド系樹脂が挙げられる。コート層の材質としては、たとえばフッ素系樹脂等が挙げられる。
転写ベルト11は、その縁部にそれぞれ、寄り止め部材としての図示しない寄り止めガイドを有している。寄り止めガイドは、転写ベルト11がA1方向に回転するときに、図1における紙面と垂直な何れかの方向に偏倚することを防止するために配設されている。寄り止めガイドは、ウレタンゴム製であるが、その他、シリコンゴムなど各種ゴム材料により構成することができる。
画像形成装置100は、本体99内に、4つの画像形成ユニット60Y、60M、60C、60BKと、各感光体ドラム20Y、20M、20C、20BKの下方に対向して配設され、転写ベルト11を備えた中間転写ユニットとしての転写ベルトユニット10と、図1における転写ベルト11の下側において転写ベルト11に対向して配設された2次転写装置5と、画像形成ユニット60Y、60Mの上方と画像形成ユニット60C、60BKの上方とにそれぞれ対向して配設された潜像形成手段としての光書込みユニット光書き込み装置としてのである露光装置たる光走査装置8とを有している。
画像形成装置100はまた、本体99内に、転写ベルト11と2次転写装置5との間の2次転写部57に向けて搬送される転写紙Sを多数枚積載可能な給紙カセットとしてのシート給送装置61と、シート給送装置61から搬送されてきた記録紙Sを、画像形成ユニット60Y、60M、60C、60BKによるトナー像の形成タイミングに合わせた所定のタイミングで、2次転写部57に向けて繰り出すレジストローラ対4と、転写紙Sの先端がレジストローラ対4に到達したことを検知する図示しないセンサとを有している。
画像形成装置100はまた、本体99内に、トナー像を転写された転写紙Sに同トナー像を定着させるためのベルト定着方式の定着ユニットとしての定着装置6と、2次転写部57を経た記録紙Sを定着装置6に搬送するベルト搬送装置87と、定着済みの転写紙Sを本体99の外部に排出する排出ローラである排紙ローラ対としての排紙ローラ7と、本排出ローラ7により本体99の外部に排出された転写紙Sを積載する排紙部としての排紙トレイ17と、本体99の上部に配設され、イエロー、シアン、マゼンタ、ブラックの各色のトナーを充填されたトナーボトル9Y、9M、9C、9BKとを有している。
画像形成装置100はまた、転写ベルト11に対向して配設され転写ベルト11上に形成された各色のトナー像のトナー量としてトナー濃度を検知するトナー量検知手段であるトナー濃度検知手段としてのトナー付着量検知手段である付着量検知手段たるトナーセンサ90と、各感光体ドラム20Y、20M、20C、20BKを回転駆動する図示しない駆動装置と、画像形成装置100の動作全般を制御する図示しないCPU、メモリ等を含む制御手段64とを有している。
転写ベルトユニット10は、転写ベルト11の他に、1次転写バイアスローラとしての1次転写ローラ12Y、12M、12C、12BKと、転写ベルト11を巻き掛けられた、駆動部材である駆動ローラ72と、張架ローラとしてのクリーニング対向ローラ74と、駆動ローラ72及びクリーニング対向ローラ74とともに転写ベルト11を張架する支持ローラとしての張架ローラ33、66、67、75と、転写ベルト11に対向して配設され転写ベルト11表面をクリーニングする中間転写体クリーニング装置であるベルトクリーニング装置としてのクリーニング装置13とを有している。
転写ベルトユニット10はまた、駆動ローラ72を回転駆動する図示しない駆動系と、1次転写ローラ12Y、12M、12C、12BKに1次転写バイアスを印加する図示しないバイアス印加手段としての電源及びバイアス制御手段とを有している。
クリーニング対向ローラ74、張架ローラ33、66、67、75は、駆動ローラ72によって回転駆動される転写ベルト11に連れ回りする従動ローラとなっている。1次転写ローラ12Y、12M、12C、12BKは、転写ベルト11をその裏面から感光体ドラム20Y、20M、20C、20BKに向けて押圧してそれぞれ1次転写ニップを形成する。この1次転写ニップは、転写ベルト11の、張架ローラ75相互間に張り渡した部分において形成されている。張架ローラ75は、1次転写ニップを安定化する機能を有する。
各1次転写ニップには、1次転写バイアスの影響により、感光体ドラム20Y、20M、20C、20BKと1次転写ローラ12Y、12M、12C、12BKとの間に1次転写電界が形成される。感光体ドラム20Y、20M、20C、20BK上に形成された各色のトナー像は、この1次転写電界やニップ圧の影響によって転写ベルト11上に1次転写される。
張架ローラ33は、転写ベルト11を介して2次転写装置5を当接されており、2次転写部57を形成している。
張架ローラ66は、転写ベルト11に、転写に適した所定の張力を与える加圧部材としてのテンションローラたる機能を有している。
転写ベルト11の寿命は、感光体ドラム20Y、20M、20C、20BKの寿命の略整数倍となっている。転写ベルト11の寿命によりこれを交換する場合において、感光体ドラム20Y、20M、20C、20BKも寿命に達している場合には、感光体ドラム20Y、20M、20C、20BKについても交換を行う。このように、転写ベルト11の寿命を、感光体ドラム20Y、20M、20C、20BKの寿命の略整数倍とすることで、転写ベルト11と感光体ドラム20Y、20M、20C、20BKとを同時に交換することが可能となり、メンテナンス性が向上する他、寿命に達した感光体ドラム20Y、20M、20C、20BKを放置した場合における感光体ドラム20Y、20M、20C、20BKの摩擦係数上昇に起因する転写率低下、中抜け画像の発生が抑制ないし防止される。
ただし、転写ベルト11の寿命を、感光体ドラム20Y、20M、20C、20BKの寿命の略整数倍としなくとも、転写ベルト11の寿命によりこれを交換する場合において、感光体ドラム20Y、20M、20C、20BKが寿命に達している場合、あるいは寿命に近づいている場合に、感光体ドラム20Y、20M、20C、20BKについても交換を行うようにすれば、同様に、メンテナンス性の向上、転写率低下、中抜け画像の発生が抑制ないし防止されといった利点がある。
クリーニング装置13は、クリーニング対向ローラ74に対向する位置で転写ベルト11に当接するように配設されたクリーニングブレード76と、A1方向においてクリーニングブレード76より上流側においてクリーニング対向ローラ74に対向する転写ベルト11に対向して配設されたブラシローラ68と、クリーニングブレード76及びブラシローラ68をその内部に収容したケース77とを有している。
クリーニング装置13は、転写ベルト11上の残留トナー等の異物をブラシローラ68及びクリーニングブレード76で掻き取り、除去して、転写ベルト11をクリーニングする。クリーニング装置13は、後述するプロセスコントロール時に画像形成ユニット60BK、60Y、60M、60Cにおいて形成され転写ベルト11上に転写された各色の基準パターンである基準トナー像もクリーニングするようになっている。
シート給送装置61は、転写紙Sを複数枚重ねた転写紙束の状態で収容するものであり、本体99の下部において光走査装置8の下方に多段で配設されている。多段のシート給送装置61により、本体99の底部にペーパーバンク31が形成されている。
シート給送装置61は、最上位の転写紙Sの上面に押圧される給紙ローラとしての給送ローラ3を有しており、給送ローラ3が所定のタイミングで反時計回り方向に回転駆動されることにより、最上位の転写紙Sをレジストローラ対4に向けて給送するようになっている。
シート給送装置61から送り出された転写紙Sは、給紙路32を経てレジストローラ対4に至り、レジストローラ対4のローラ間に挟まれる。
2次転写装置5は、張架ローラ33に対向して配置されている。2次転写装置5は、張架ローラ33との間で転写ベルト11を挟むようにして配設された2次転写ローラ69と、2次転写ローラ69を回転駆動する図示しない駆動手段と、2次転写ローラ69に電圧を印加する図示しない電源とを有している。2次転写ローラ69は、後述するプロセスコントロール時においては転写ベルト11から離間するようになっている。
定着装置6は、熱源を内部に有する加熱ローラ91と、加熱ローラ91に巻き掛けられた定着ベルト92と、加熱ローラ91とともに定着ベルト92を巻き掛けた定着ローラ93及び補助ローラ95と、定着ローラ93との間で定着ベルト92を圧接する加圧ローラ94とを有しており、トナー像を担持したシートを定着ベルト92と加圧ローラ94との圧接部である定着部に通すことで、熱と圧力との作用により、担持したトナー像をシートの表面に定着するようになっている。
光走査装置8は、画像形成装置100の外部から入力される画像情報に従ってレーザ光を感光体ドラム20Y、20M、20C、20BKに照射する。なお、画像形成装置100が複写機である場合には、光走査装置8は、その複写機に備えられた原稿読取装置におけるコンタクトガラス上にセット等された原稿が、コピースイッチの押下などをトリガーとして、光学的に読み取られ、これによって生成された画像情報に従って、レーザ光を感光体ドラム20Y、20M、20C、20BKに照射する。
トナーボトル9Y、9M、9C、9BK内のイエロー、シアン、マゼンタ、ブラックの各色のトナーは、重合トナーであって、図示しない搬送経路を経て、所定の補給量だけ、画像形成ユニット60Y、60M、60C、60BKに備えられた現像装置80Y、80M、80C、80BKに補給される。
トナーセンサ90は、後述するプロセスコントロール時に画像形成ユニット60BK、60Y、60M、60Cにおいて形成され転写ベルト11上に転写された各色の基準トナー像のトナー濃度ないしトナー付着量を光学的に検知する光学センサを有している。
トナーセンサ90で検知された各色の基準トナー像のトナー濃度ないしトナー付着量は、制御手段64に備えられているメモリに記憶される。この点、このメモリないし制御手段64は、トナー濃度記憶手段、トナー付着量記憶手段、トナー量記憶手段として機能する。
制御手段64は、光走査装置8においてレーザ光を射出するのに用いる画像情報に基づいて画像面積率を算出するとともに、算出した画像面積率をメモリに記憶する。この点、制御手段64は、画像面積率算出手段として機能するとともに、制御手段64ないしメモリは、画像面積率記憶手段として機能する。
画像形成ユニット60BK、60Y、60M、60Cについて、そのうちの一つの、感光体ドラム20Yを備えた画像形成ユニット60Yの構成を代表して構成を説明する。なお、他の画像形成ユニットの構成に関しても実質的に同一であるので、以下の説明においては、便宜上、画像形成ユニット60BKの構成に付した符号に対応する符号を、他の画像形成ユニットの構成に付し、また詳細な説明については適宜省略することとし、符号の末尾にBK、Y、M、Cが付されたものはそれぞれ、ブラック、イエロー、マゼンタ、シアンの画像形成を行うための構成であることを示すこととする。
画像形成ユニット60Yは、感光体ドラム20Yの周囲に、図1中時計方向であるその回転方向B1に沿って、1次転写ローラ12Yと、クリーニング手段としてのクリーニング装置71Yと、除電手段としての図示しない除電装置と、AC帯電を行なう帯電手段としての帯電装置79Yと、2成分現像剤により現像を行う現像手段としての現像装置80Yとを有している。
感光体ドラム20Yは、B1方向に所定の周速度で回転する。
クリーニング装置71Yは感光体ドラム20Yに当接した図示しないクリーニングブレードを備えており、1次転写ローラ12Yによる1次転写後に感光体ドラム20Y上に残留しているトナーをクリーニングブレードによって感光体ドラム20Yから掻き落として除去し感光体ドラム20Yをクリーニングする。
除電装置は、クリーニング装置71Yによりクリーニングされた感光体ドラム20Y表面に残留している電荷を除去して感光体ドラム20Yの表面電位を初期化する除電ランプを備えている。
帯電装置79Yは、除電装置によって除電された感光体ドラム20Y表面を一様に帯電させる。
図2に示すように、現像装置80Yは、感光体ドラム20Yに対向して配設され、正規帯電極性がマイナス極性のトナーとキャリアとを含む2成分現像剤である現像剤を担持し、担持した現像剤中に含まれるトナーを用いて感光体ドラム20Yにトナー像を形成するトナー担持体としての2つの現像ローラ81aY、81bYと、現像ローラ81aYと現像ローラ81bYとの間に配設されたドクターブレード82Yと、現像ローラ81aY、81bYを回転駆動する駆動源としての図示しない現像ローラ駆動用モータと、現像ローラ81aY、81bYに現像バイアスを印加する図示しない高圧電源とを有している。
現像ローラ81aY、81bYはこの順で、感光体ドラム20Yの回転方向であるB1方向の上流側から下流側に向けて配設されている。現像ローラ81aY、81bYは何れも、現像ローラ駆動用モータによって回転駆動され現像剤を担持する現像スリーブ81a1Y、81b1Yと、現像スリーブ81a1Y、81b1Y内に配設され現像スリーブ81a1Y、81b1Yを回転可能に支持し現像スリーブ81a1Y、81b1Yに現像剤を磁気ブラシ状に担持させるための同図中に図示した複数の磁極を有するマグネットローラ81a2Y、81b2Yとを有している。
現像ローラ81aYは、その現像スリーブ81a1Yが、現像ローラ駆動用モータにより、感光体ドラム20Yとの対向領域であり担持した現像剤中に含まれるトナーを感光体ドラム20Yに供給する領域である現像ニップとしての現像領域においてB1方向と逆方向に回転駆動されるようになっており、逆回転現像ローラとなっている。現像ローラ81bYは、その現像スリーブ81b1Yが、現像ローラ駆動用モータにより、感光体ドラム20Yとの対向領域であり担持した現像剤中に含まれるトナーを感光体ドラム20Yに供給する領域である現像ニップとしての現像領域においてB1方向と同じ方向に回転駆動されるようになっており、順回転現像ローラとなっている。
ドクターブレード82Yは、両刃となっており、現像ローラ81aY、81bYの表面上すなわち現像スリーブ表面に保持された現像剤の磁気ブラシを穂切りし、現像領域に搬送される現像剤を適正量に規制する。
このような構成の現像装置80Yは、通常、噴水型現像装置と呼ばれるものである。この噴水型現像装置は、現像能力が高く、且つ、現像ローラの回転方向に起因して生じる画像の後端欠け、先端欠け等が発生しにくく、また、ドクターブレードが両刃のものを一つ有していれば良いため、コンパクトになるという利点がある。したがって、画像形成装置100のような、高速カラー画像形成が可能なタンデム型の画像形成装置においては、噴水型現像装置が有利である。
以上の構成の現像装置80Yでは、ドクターブレード82Yにて所定量に規制された現像剤は、現像ローラ81aY、81bYの回転によって搬送されて現像領域に運ばれ、現像領域において現像ローラ81aY、81bY上の現像剤を感光体ドラム20Yに接触させて静電潜像を現像する。現像ローラ81aY、81bYには、感光体ドラム20Y表面において静電潜像を構成する非画像部と画像形成部のうち、画像形成部にのみトナーを導入し供給するためのバイアス電圧が高圧電源により印加されており、これにより感光体ドラム20Y表面の画像形成部にトナー像が形成される。
現像ローラ81a1Y、81b1Y上のトナーが画像形成部にのみ導入される原理について説明する。なお、各電位の値は一例であり、制御手段64の制御や環境変動によって変化し得る。
現像装置80Yは、ネガ・ポジ・プロセスを採用している。図3に示すように、感光体ドラム20Yの非露光部である非画像部すなわち地肌部の電位は−950Vであり、感光体ドラム20Yの露光部である画像形成部すなわち画像部の電位はほぼ−100Vである。これは、感光体ドラム20Yは、帯電装置79Yにより均一に−950Vに帯電された表面に光走査装置8によりレーザ光を照射されると、地肌部の電位は−950Vに維持される一方で、レーザ光を照射された領域である画像部の電位は変化してほぼ−100Vとなるためである。現像スリーブ81a1Y、81b1Yには高圧電源によりトナーの正規帯電極性と同極性の−600V電圧が印加される。
このため、現像スリーブ81a1Y、81b1Yと画像部との間の電界は、電位が−100Vの画像部から電位が−600Vの現像スリーブへ向かうので、マイナスに帯電しているトナーは画像部に付着する。一方、現像スリーブ81a1Y、81b1Yと地肌部との間の電界は、電位が−600Vの現像スリーブから電位が−950Vの地肌部に向かうので、マイナスに帯電しているトナーは地肌部に向かうことがなく、地肌部に付着しない。
このように、現像スリーブ81a1Y、81b1Yと感光体ドラム20Yとの間の電位差により、帯電したトナーは感光体ドラム20Yの地肌部には行かない。
ただし、現像スリーブ81a1Y、81b1Y上のトナーは、現像スリーブ81a1Y、81b1Yの側に引っ張られる、言い換えると現像スリーブ81a1Y、81b1Yに押し付けられる向きの静電気力を受ける。
このような構成の画像形成装置100において、カラー画像を形成すべき旨の信号が入力されると、駆動ローラ72が駆動され、転写ベルト11、クリーニング対向ローラ74、張架ローラ33、66、67、75が従動回転するとともに、感光体ドラム20Y、20M、20C、20BKがB1方向に回転駆動される。
感光体ドラム20Y、20M、20C、20BKはそれぞれ、B1方向への回転に伴い、帯電装置79Y、79M、79C、79BKにより表面を一様に帯電され、光走査装置8からのレーザ光の露光走査によりイエロー、マゼンタ、シアン、ブラックの各色に対応した静電潜像を形成され、この静電潜像を現像装置80Y、80M、80C、80BKによりイエロー、マゼンタ、シアン、ブラックの各色のトナーにより現像され、マゼンタ、シアン、ブラックの各色のトナー像によって構成された単色画像が形成される。
現像により得られたイエロー、マゼンタ、シアン、ブラックの各色のトナー像は、順次、1次転写ローラ12Y、12M、12C、12BKによって、A1方向に回転している転写ベルト11上の同じ位置に転写され、転写ベルト11上には合成カラー画像が形成される。
一方、カラー画像を形成すべき旨の信号の入力、あるいは画像形成装置100が複写機である場合にはコピースイッチの押下等に伴い、ペーパーバンク31に備えられたシート給送装置61のいずれかが選択され、選択されたシート給送装置61に備えられた給送ローラ3が回転して転写紙Sを繰り出すとともに1枚ずつ分離して給紙路32に送り込み、給紙路32に送り込まれた転写紙Sは図示しない搬送ローラでさらに搬送されレジストローラ対4に突き当てられた状態で停止する。
転写ベルト11上に重ね合わされた合成カラー画像が転写ベルト11のA1方向の回転に伴って2次転写部57まで移動するタイミングに合わせて、レジストローラ対4が回転し、2次転写部57では、合成カラー画像が、2次転写部57に送り込まれた転写紙Sに密着し、ニップ圧の作用によって転写紙Sに2次転写され、記録される。
転写紙Sはベルト搬送装置87によって定着装置6に送り込まれ、定着装置6において定着ベルト92と加圧ローラ94との間の定着部を通過する際、熱と圧力との作用により、担持したトナー像すなわち合成カラー画像を定着される。
定着装置6を通過した、合成カラー画像を定着済みの転写紙Sは、排紙ローラ7を経て本体99外に排出され、本体99の上部の排紙トレイ17上にスタックされる。
感光体ドラム20Y、20M、20C、20BKは、転写後に残留した転写残トナーをクリーニング装置71Y、71M、71C、71BKにより除去され、除電装置によって除電され、帯電装置79Y、79M、79C、79BKによる次の帯電に供される。
2次転写を終えた2次転写部57通過後の転写ベルト11は、クリーニング装置13に備えられたクリーニングブレード76によってその表面をクリーニングされ、次の転写に備える。
一方、画像形成装置100においては、ユーザ指定の画像形成のほかに、いわゆるプロセスコントロール時における基準トナー像の画像形成が行われる。プロセスコントロールは、画像形成装置100の各部の経時的変化等による画像形成性能の変化を是正して、経時的に均一な画像を形成するために、感光体ドラム20Y、20M、20C、20BKにトナー像を形成する条件、言い換えると画像形成条件、すなわちたとえば帯電装置79Y、79M、79C、79BKによる感光体ドラム20Y、20M、20C、20BKの帯電電位、現像装置80Y、80M、80C、80BKにおける現像バイアス等、トナー濃度等による現像性能、光走査装置8におけるレーザ光の強度言い換えると潜像書込強度による画像形成部の電位等を制御するものである。
この画像形成条件の制御は、たとえば、画像濃度が、事前に設定され制御手段64のメモリに記憶された目標の画像濃度すなわち目標画像濃度である基準画像濃度としての目標付着量となるように行われる。この制御は、制御手段64によって行われる。この点、制御手段64は、画像形成条件制御手段、画像形成条件設定手段として機能するとともに、制御手段64ないしメモリは、目標画像濃度記憶手段として機能する。
基準トナー像は、かかる画像形成性能の変化を検出するために、画像形成装置100の電源投入時、所定回数の画像形成終了時等に各画像形成ユニット60BK、60Y、60M、60Cにおいて、転写ベルト11上の異なる位置ないし同じ位置に形成される。
トナーセンサ90は、各色の基準トナー像のトナー濃度ないしトナー付着量を検知する。制御手段64は、これに基づいて、その後に形成する画像のトナー濃度ないしトナー付着量が良好な画像を構成するように、上述した画像形成条件である帯電装置79Y、79M、79C、79BKによる感光体ドラム20Y、20M、20C、20BKの帯電電位、現像装置80Y、80M、80C、80BKにおける現像バイアス等、トナー濃度等による現像性能、光走査装置8におけるレーザ光の強度言い換えると潜像書込強度による画像形成部の電位等を調整する。
なお、トナーセンサ90は、各色のトナー像の、転写ベルト11上における位置合わせを行うために、各色のトナー像の転写ベルト11上における位置を検出する、画像形成位置検知手段として機能するようにしても良い。
ここで、図4に、全面を非画像部とした画像を形成した直後に全面ベタ画像を形成したときの、画像先端から後端までの画像濃度を測定結果を示す。同図において、用紙長さすなわち転写紙Sの長さ方向は、現像ローラ81aY、81bY、現像スリーブ81a1Y、81b1Yの周長方向すなわち回転方向に一致している。
同図から、画像先端から一定長さ部分とそれ以外の部分との画像濃度が異なり、画像先端から一定長さ部分の画像濃度がそれ以外の部分の画像濃度より濃くなっていることが分かる。この先端部分の画像濃度と後端部分の画像濃度との濃度差は、約0.1であった。なお、カラーで作像する場合に、2色のベタ画像を重ねる場合など、複数の色の画像を重ねると、かかる濃度差はより明確となるという問題がある。
かかる一定長さ部分について検討したところ、かかる一定長さは、現像ローラ81aY、81bYの一周長言い換えると現像スリーブ81a1Y、81b1Yの一周長に一致していた。
このような事情から、現像スリーブ81a1Y、81b1Yに付着したトナーが現像バイアスと同極性に帯電していることに起因して、かりに現像バイアスが印加されていない状態であっても、現像スリーブ81a1Y、81b1Yにトナーが付着している場合には、現像スリーブの表面に現像バイアスがかかっているのと同一視される状態となってしまっていることが判明した。
図5に、一般的な現像スリーブに、トナーが付着、または固着したときの、現像スリーブ表面のトナー濃度言い換えると現像スリーブに付着したトナーの量と、現像スリーブ表面の電位との関係を示す。ここで、現像スリーブ表面のトナー濃度は、ベタ画像形成後に現像スリーブからキャリアを引き離したときの現像スリーブ表面のトナー濃度を反射濃度計によって測定した値である。トナー濃度の測定時にはバイアス電圧は非印加である。同図から、トナーの付着が少ないと測定値は小さくなり、トナーの付着やトナーの固着までが生じた状態では測定値が高くなること、現像スリーブへのトナーの付着量や固着量が増えるに従い、現像スリーブの表面電位も上昇することがわかった。現像スリーブの表面電位の上昇はたとえば、図5に示した、現像スリーブ表面の電位の分、生じる。また、かかるトナーの付着やトナーの固着の量の増減は、その画像を形成する前に形成した画像である前画像の画像面積率の増減と同様の傾向を示す。
図4及び図5から、画像濃度は、その画像を形成する前に形成した画像である前画像の画像面積率によって影響を受けることが分かる。より具体的には、たとえば、前画像の画像面積率が低く前画像形成後に現像スリーブ上に残留しているトナーの量が多い場合には、この残留しているトナーにより現像スリーブの実効バイアスが高くなり、次の画像の画像濃度が、少なくとも現像スリーブの1周長分、高くなることが分かる。
この点についてさらに説明すると、図4に示したように、画像先端から現像スリーブ1周分に対応する長さだけベタ画像の画像濃度が濃い現象は、全面が非画像部の前画像を形成後の現像スリーブ表面にはトナーが多く付着した状態であり、実効の現像バイアスが高くなっているために、現像に用いられるトナーの量が多くなることによって生じる。その後、現像スリーブが1回転し、この間にベタ画像の現像を行うと、現像スリーブ上に付着していたトナーの多くは現像によって現像スリーブから静電的に離れてしまう。よって、現像スリーブの2回転目の実効の現像バイアスは実際に現像スリーブに印加している現像バイアス程度にまで低くなり、現像スリーブ2回転目以降において現像に用いられるトナーの量は、1周目よりも少なくなるため、濃度差が発生する。
このような現象は、プロセスコントロール時にも生じる。このような現象がプロセスコントロール時に生じると、トナーセンサ90によって検知された基準トナー像のトナー量が、基準トナー像形成直前の画像面積率によって左右され得る。よって、プロセスコントロールをトナーセンサ90によって検知された基準トナー像のトナー量に基づいて行うと、基準トナー像形成直前の画像面積率によって、その後の画像濃度が適正範囲から外れる可能性がある。すなわち、たとえば、基準トナー像形成直前の画像面積率が低いとともに、基準トナー像が形成された位置が、直前に画像が形成された位置から、現像スリーブ1周長以内に対応している場合には、トナーセンサ90によって検知される基準トナー像のトナー量が、実際に検知されるべきトナー量より多くなるため、プロセスコントロールが、適正な画像濃度よりも低い画像濃度となる側に行われることとなる。
そこで、画像形成装置100では、トナーセンサ90によって検知された基準トナー像のトナー量を、次に示す補正式で、基準トナー像を形成する前に形成された画像、具体的にはこの画像の画像面積率に応じて補正し、この補正によって算出された補正トナー量に基づいて、画像形成条件制御手段、画像形成条件設定手段として機能する制御手段64により、プロセスコントロールを行うようにしている。
M’[mg/cm]
=M[mg/cm]
−M[mg/cm]×α(1−A[%]/100)・・・(1)
M’:補正後基準トナー像付着量(補正トナー量)[mg/cm]
M:補正前基準トナー像付着量(基準トナー像検知量)[mg/cm]
α:定数(0<α<1)
A:基準トナー像の現像剤担持体1周前の画像面積率[%]
補正式(1)は、制御手段64によって実行され、制御手段64によって補正トナー量が算出される。この点、制御手段64は、補正トナー量算出手段として機能する。
このような補正を行うことで、画像面積率Aが大きいほど補正トナー量が大きく算出されてその後の画像濃度が過剰に高くなることが防止ないし抑制されるとともに、画像面積率Aが小さいほど補正トナー量が小さく算出されてその後の画像濃度が過剰に低くなることが防止ないし抑制される。したがって、プロセスコントロールによって安定した画像濃度を経時的に維持することが可能となる。
ここで、αは実験等で前もって決められた値であるが、ある所定のタイミングで縦帯のベタ画像パターンを作成し、実際に現像スリーブ1周前の画像面積率が0[%]の時のトナー付着量測定結果と100[%]の時のトナー付着量測定結果から随時更新してもよい。
補正式(1)は1次式で表されているが、高次式で表してもよい。
たとえば、補正式(1)では、基準トナー像が形成される直前の、現像スリーブ1周長に対応した部分の感光体ドラム20Y、20M、20C、20BKに形成した画像の画像面積率を用いているが、基準トナー像が形成される直前の、現像スリーブ1周長の整数倍に対応した各部分の感光体ドラム20Y、20M、20C、20BKに形成した各画像の画像面積率を用いる場合である。
この場合は、補正トナー量算出手段として機能する制御手段64において実行される、補正トナー量算出のために実行される補正式は次のようにすることが可能であり、このような補正式(2)を用いることによって、現像スリーブの複数回の回転に対応した画像面積率を考慮したプロセスコントロールが行われる。
M’[mg/cm]
=M[mg/cm]
−M[mg/cm]×α(1−A[%]/100)
−M[mg/cm]×α(1−A[%]/100)
−・・・
−M[mg/cm]×α(1−A[%]/100)・・・(1)
M’:補正後基準トナー像付着量(補正トナー量)[mg/cm]
M:補正前基準トナー像付着量(基準トナー像検知量)[mg/cm]
α:定数(0<α<・・・<α<α<1)
:基準トナー像の現像剤担持体i周前の画像面積率[%]
このような補正を行うことで、画像面積率Aが大きいほど補正トナー量が大きく算出されてその後の画像濃度が過剰に高くなることが防止ないし抑制されるとともに、画像面積率Aが小さいほど補正トナー量が小さく算出されてその後の画像濃度が過剰に低くなることが防止ないし抑制される。したがって、プロセスコントロールによってより安定した画像濃度を経時的に維持することが可能となる。
この場合も、αは実験等で前もって決められた値であるが、ある所定のタイミングで縦帯のベタ画像パターンを作成し、実際に現像スリーブ1周前の画像面積率が0[%]の時のトナー付着量測定結果と100[%]の時のトナー付着量測定結果から随時更新してもよい。
画像面積率算出手段として機能する制御手段64は、かかる補正式(1)、(2)の実行に供するために、画像面積率を、現像スリーブの1回転毎に算出する。
画像面積率記憶手段として機能する制御手段64またはメモリは、算出された画像面積率のすべてを記憶するようにしても良いが、画像面積率の記憶に必要なメモリ容量低減の観点から、補正式(1)を実行する場合には、新たな画像面積率が算出されるたびにこれを前回算出された画像面積率に上書きし、1つの画像面積率を記憶するようにしても良く、また、補正式(2)を実行する場合には、この実行に必要なN個の画像面積率を記憶するようにして、不要な画像面積率を消去するようにしても良い。さらに、プロセスコントロール終了時に、記憶している画像面積率を消去してメモリをリセットするようにしても良い。
制御手段64は、メモリに、以上述べた、補正トナー量算出手段によって算出された補正トナー量に基づいて感光体ドラム20Y、20M、20C、20BKにトナー像を形成する条件を制御可能な画像形成方法を実行するための画像形成制御プログラムを記憶している。この点、制御手段64ないしメモリは、画像形成制御プログラム記憶手段として機能している。かかる画像形成制御プログラムは、制御手段64に備えられたメモリのみならず、半導体媒体(たとえば、ROM、不揮発性メモリ等)、光媒体(たとえば、DVD、MO、MD、CD−R等)、磁気媒体(たとえば、ハードディスク、磁気テープ、フレキシブルディスク等)その他の記憶媒体に記憶可能であり、かかるメモリ、他の記憶媒体は、かかる画像形成制御プログラムを記憶した場合に、かかる画像形成制御プログラムを記憶したコンピュータ読取可能な記録媒体を構成する。
以上本発明の好ましい実施の形態について説明したが、本発明はかかる特定の実施形態に限定されるものではなく、上述の説明で特に限定していない限り、特許請求の範囲に記載された本発明の趣旨の範囲内において、種々の変形・変更が可能である。
たとえば、トナー量検知手段は、像担持体に形成した基準トナー像のトナー量を検知するものであれば、像担持体に担持された状態での基準トナー像のトナー量を検知するものであっても良いし、上記の構成例において感光体ドラム20Y、20M、20C、20BKから転写ベルト11に転写された基準トナー像を検知するように、かかる像担持体から転写された基準トナー像のトナー量を検知するものであっても良く、たとえば転写紙Sのような記録媒体に転写された基準トナー像のトナー量を検知するものとすることも可能である。
画像形成装置100は、補正トナー量に基づいてトナー像を形成する条件を制御可能であれば良く、プロセスコントロールに補正トナー量を用いるか、補正トナー量を用いずトナー量検知手段によって検知されたトナー量を用いるかを、切り換えるようにしても良い。
トナー担持体は、回転する無端状の部材であって1周長が規定される部材であればよく、円筒状に限らず、ベルト状をなしていても良い。
以上述べた形態においては、2成分現像剤を用いているが、現像剤は、1成分現像剤であってもよい。また、本発明は、画像形成装置100のようないわゆるタンデム方式の画像形成装置ではなく、1つの感光体ドラム上に順次各色のトナー像を形成して各色トナー像を順次重ね合わせてカラー画像を得るいわゆる1ドラム方式の画像形成装置にも同様に適用することができ、また、カラー画像形成装置でなく、モノクロ画像形成装置にも適用することができる。いずれのタイプの画像形成装置でも、中間転写体を用いず、各色のトナー像を転写紙等に直接転写しても良い。
本発明の実施の形態に記載された効果は、本発明から生じる最も好適な効果を列挙したに過ぎず、本発明による効果は、本発明の実施の形態に記載されたものに限定されるものではない。
20Y、20M、20C、20BK 像担持体
64 補正トナー量算出手段
81aY、81bY トナー担持体
90 トナー量検知手段
100 画像形成装置
特開平9−211911号公報 特開2006−234862号公報

Claims (7)

  1. 像担持体に形成した基準トナー像のトナー量を検知するトナー量検知手段と、
    前記トナー量検知手段によって検知された前記トナー量を、前記基準トナー像を形成する前に形成された画像に応じて補正した補正トナー量を算出する補正トナー量算出手段とを有し、
    前記補正トナー量算出手段によって算出された前記補正トナー量に基づいて像担持体にトナー像を形成する条件を制御可能な画像形成装置。
  2. 請求項1記載の画像形成装置において、
    前記補正トナー量算出手段は、前記画像の画像面積率に応じて、前記トナー量検知手段によって検知された前記トナー量を補正した補正トナー量を算出することを特徴とする画像形成装置。
  3. 請求項1または2記載の画像形成装置において、
    像担持体にトナー像を形成するためにトナーを担持する、回転する無端状のトナー担持体を有し、
    前記画像は、前記基準トナー像が形成される直前の、前記トナー担持体の1周長に対応した部分の像担持体に形成した画像であることを特徴とする画像形成装置。
  4. 請求項1または2記載の画像形成装置において、
    像担持体にトナー像を形成するためにトナーを担持する、回転する無端状のトナー担持体を有し、
    前記画像は、前記基準トナー像が形成される直前の、前記トナー担持体の1周長の整数倍に対応した各部分の像担持体に形成した各画像であることを特徴とする画像形成装置。
  5. 請求項2ないし4の何れか1つに記載の画像形成装置であって、前記補正トナー量算出手段は、前記画像の画像面積率に応じて、前記トナー量検知手段によって検知された前記トナー量を補正した補正トナー量を算出する画像形成装置において、
    前記補正トナー量算出手段は、前記画像面積率が大きいほど前記補正トナー量を多くなるように算出することを特徴とする画像形成装置。
  6. 請求項2ないし5の何れか1つに記載の画像形成装置であって、前記補正トナー量算出手段は、前記画像の画像面積率に応じて、前記トナー量検知手段によって検知された前記トナー量を補正した補正トナー量を算出する画像形成装置において、
    前記補正トナー量算出手段は、前記画像面積率が小さいほど前記補正トナー量を少なくなるように算出することを特徴とする画像形成装置。
  7. 像担持体に形成した基準トナー像のトナー量を検知するトナー量検知手段と、
    前記トナー量検知手段によって検知された前記トナー量を、前記基準トナー像を形成する前に形成された画像に応じて補正した補正トナー量を算出する補正トナー量算出手段とを用い、
    前記補正トナー量算出手段によって算出された前記補正トナー量に基づいて像担持体にトナー像を形成する条件を制御可能な画像形成方法。
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