JP2004045903A - 画像形成装置 - Google Patents

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Naoto Watanabe
渡辺 直人
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Abstract

【課題】感光体ドラム上に種々の周期の画像濃度ムラが発生しても、精度の高い画像濃度の調整ができる画像形成装置を提供する。
【解決手段】像担持体200上に形成される第1画像部R1、R2の濃度を検出する第1センサ205と、像担持体200上に形成される第2画像部Qの濃度ムラを検出する第2センサ206とを備える。そして、第2センサ206の検出結果に基づき、第1センサ205の検出結果を補正して、濃度制御する。
【選択図】    図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、電子写真方式の複写機、プリンタ、ファクシミリ、又は、それらの複合機等の画像形成装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来から、電子写真方式の画像形成装置では、使用環境によって、又は、経時において、現像剤や感光体ドラム等の作像プロセスに係わる部材に特性の変化が生じた場合であっても、高い画像品質を維持するための制御(プロセスコントロールという。)がおこなわれている。
【0003】
特に、カラー複写機等のように極めて高い画像品質が要求される画像形成装置においては、感光体ドラム上にパッチパターンを作像して、転写紙上の画像濃度を目標のものに維持するための制御がおこなわれている。
詳しくは、Pセンサ(光学センサ)で検出したパッチパターンの画像濃度のデータと、電位センサで検出したパッチパターンの電位のデータとに基づいて、現像ポテンシャル(現像能力)を算出する。そして、算出した現像能力に基づいて、帯電電圧、現像電圧、露光量等の作像条件を調整する。このように、感光体ドラム上の画像が一定の画像濃度になるように作像条件を調整することで、転写紙上において所望の画像濃度を維持している。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
上記従来の画像形成装置においては、感光体ドラム上に作成したパッチパターンに濃度ムラが生じた場合に、画像濃度を正確に制御できないという問題があった。
すなわち、濃度ムラのあるパッチパターンを検出したPセンサによる画像濃度のデータは、濃度ムラの生じていないパッチパターンを検出した画像濃度のデータと異なるものである。したがって、この不正確なデータに基づいて調整された作像条件は低い精度になり、最終的に制御される画像濃度が目標のものからずれてしまう。
【0005】
このような問題を解決することを目的として、例えば、特開2000−122356号公報等では、感光体ドラム等の像担持体上の濃度ムラを検出した後に、濃度ムラのデータに基づいて補正係数を算出して、所望の画像濃度を維持する技術が開示されている。
詳しくは、感光体ドラムの一周にわたり基準パターンを作像して、この基準パターンの画像濃度をPセンサにて複数点測定する。このとき、感光体ドラム端部に設置されたエンコーダによって、Pセンサによる測定箇所と、感光体ドラムの回転角度との対応がとられる。こうして、感光体ドラムの1周分に対応した感光体ドラム上の濃度ムラが検出されて、このデータに基づいて作像条件が制御される。
【0006】
ところが、感光体ドラム上に発生する濃度ムラには、感光体ドラムの回転周期で発生するもののほかに、別の周期で発生する濃度ムラも存在する。
別の周期の濃度ムラとしては、例えば、感光体ドラムに対向する現像装置の現像ローラの回転周期で発生するものや、感光体ドラム周りの種々の部材を駆動するギアのピッチで発生するもの等がある。
【0007】
このような感光体ドラムの回転周期の濃度ムラと、それ以外の周期の濃度ムラとを含む基準パターンを、上述のように感光体ドラムの1周分で検出した後に、それに対する補正を感光体ドラムの回転に同期させておこなっても、正確な濃度制御はできない。すなわち、感光体ドラムの回転周期以外の濃度ムラを、感光体ドラムの回転と同期させて補正することはできない。
【0008】
この発明は、上述のような課題を解決するためになされたもので、感光体ドラム上に種々の周期の画像濃度ムラが発生しても、精度の高い画像濃度の調整ができる画像形成装置を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】
この発明の請求項1記載の発明にかかる画像形成装置は、像担持体上に形成される第1画像部の濃度を検出する第1センサと、前記像担持体上に形成される第2画像部の濃度ムラを検出する第2センサと、前記第2センサの検出結果に基づき、前記第1センサの検出結果を補正する制御部とを備えたものである。
【0010】
また、請求項2記載の発明にかかる画像形成装置は、上記請求項1記載の発明において、前記第1画像部と前記第2画像部とは、前記像担持体の動方向に対して並列に形成されるものである。
【0011】
また、請求項3記載の発明にかかる画像形成装置は、上記請求項1又は請求項2に記載の発明において、前記第1画像部は、段階的に濃度が異なるように形成される複数のパッチパターンであり、前記第2画像部は、一定の濃度となるように形成されるパッチパターンであり、前記第1センサ及び前記第2センサによる検出は、前記複数のパッチパターンの数に対応して複数回おこなうものである。
【0012】
また、請求項4記載の発明にかかる画像形成装置は、上記請求項1〜請求項3のいずれかに記載の発明において、メッセージを表示する表示部を備え、前記制御部は、前記第2センサによる濃度ムラの検出結果が所定の範囲を超えた場合に、それに対応したメッセージを表示するように前記表示部を制御するものである。
【0013】
また、請求項5記載の発明にかかる画像形成装置は、上記請求項1〜請求項4のいずれかに記載の発明において、前記制御部は、前記第2センサによる濃度ムラの検出結果が所定の範囲を超えた場合に、前記第1センサの検出結果に基づいて濃度調整するものである。
【0014】
また、請求項6記載の発明にかかる画像形成装置は、上記請求項1〜請求項3のいずれかに記載の発明において、前記制御部は、前記第2センサの動作不良を検出した場合に、前記第1センサの検出結果に基づいて濃度調整するものである。
【0015】
また、請求項7記載の発明にかかる画像形成装置は、上記請求項1〜請求項3のいずれかに記載の発明において、前記制御部は、前記第1センサの動作不良を検出した場合に、前記像担持体上に第3画像部を形成して、前記第2センサによる前記第3画像部の画像濃度の検出結果に基づいて濃度調整するものである。
【0016】
また、請求項8記載の発明にかかる画像形成装置は、上記請求項7に記載の発明において、前記第3画像部は、段階的に濃度が異なるように形成される複数のパッチパターンであり、前記第2センサによる検出は、前記複数のパッチパターンの数に対応して複数回おこなうものである。
【0017】
また、請求項9記載の発明にかかる画像形成装置は、上記請求項1〜請求項8のいずれかに記載の発明において、メッセージを表示する表示部を備え、前記制御部は、前記第1センサ又は/及び前記第2センサの動作不良を検出した場合に、それに対応したメッセージを表示するように前記表示部を制御するものである。
【0018】
また、請求項10記載の発明にかかる画像形成装置は、上記請求項1〜請求項9のいずれかに記載の発明において、前記制御部は、前記第1センサの検出結果を補正した補正値に基づいて、帯電電圧と、現像電圧と、露光電圧とを制御して濃度調整するものである。
【0019】
【発明の実施の形態】
以下、この発明の実施の形態について、図面を参照して詳細に説明する。なお、各図中、同一又は相当する部分には同一の符号を付しており、その重複説明は適宜に簡略化ないし省略する。
【0020】
実施の形態.
図1、図2にて、この発明の実施の形態における画像形成装置の作像部について説明する。図1は画像形成装置の感光体ドラム近傍を示す概略斜視図であり、図2は感光体ドラム近傍を示す概略断面図である。
なお、本実施の形態の画像形成装置はカラー複写機であり、図1及び図2に示す作像部はカラー複写機におけるカラー画像記録装置の要部である。
【0021】
図1、図2において、200は像担持体としての感光体ドラム、201は中間転写ユニットに転写されない感光体ドラム200上の未転写トナーを回収する感光体クリーニング装置、202は感光体ドラム200上の電位をリセットする除電ランプ、203は感光体ドラム200表面を一様に帯電する帯電器、204は感光体ドラム200上の電位を検出する電位センサ、205は感光体ドラム200上に形成された第1画像部の濃度を検出する第1Pセンサ(第1センサ)、206は感光体ドラム200上に形成された第2画像部の濃度ムラを検出する第2Pセンサ(第2センサ)を示す。
【0022】
また、230は4色の現像器231K、231Y,231M、231Cを搭載したリボルバ現像ユニット、500は感光体ドラム200上で形成された各色の画像を重ね合わせるための中間転写ユニット、600は中間転写ユニット500で形成されたカラー画像を転写紙に転写するための2次転写ユニット、650は転写紙を2次転写ユニット600に向けてタイミングを合わせて搬送するレジストローラ対を示す。
また、R1、R2は段階的に濃度が異なるように感光体ドラム200上に形成された第1画像部としての複数の濃度検知用パッチパターン、Qは一定の濃度となるように感光体ドラム200上に形成された第2画像部としての濃度ムラ検知用パッチパターンを示す。
【0023】
ここで、第1Pセンサ205、第2Pセンサ206は、いずれも、発光部と受光部とをもつ反射型光学センサである。そして、発光部から感光体ドラム200表面に向けて光を照射して、そこで反射した光を受光部で検出することで、感光体ドラム200表面に形成された画像の濃度を検知する。
また、第1Pセンサ205及び第2Pセンサ206は、図1に示すように、感光体ドラム200の動方向に対して並列に設置されている。すなわち、第1Pセンサ205及び第2Pセンサ206は、感光体ドラム200の回転軸方向に直列に設置されている。
【0024】
また、濃度検知用パッチパターンR1、R2は、図1に示すように、第1Pセンサ205に対向する感光体ドラム200上の領域(第1Pセンサ領域)に、矩形状に複数(例えば、12個である。)形成されたものである。そして、後述するように、第1Pセンサ205は、段階的に形成された複数階調の濃度検知用パッチパターンR1、R2の画像濃度を、濃度検知用パッチパターンR1、R2ごとに検出することになる。
【0025】
他方、濃度ムラ検知用パッチパターンQは、図1に示すように、第2Pセンサ206に対向する感光体ドラム200上の領域(第2Pセンサ領域)に、帯状に単数形成されたものである。すなわち、複数の濃度検知用パッチパターンR1、R2と、濃度ムラ検知用パッチパターンQとは、感光体ドラム200の動方向に対して並列するように形成されている。換言すると、複数の濃度検知用パッチパターンR1、R2と、濃度ムラ検知用パッチパターンQとは、感光体ドラム200上に同時に形成されたものである。
そして、後述するように、第2Pセンサ206は、濃度ムラ検知用パッチパターンQの画像濃度を、第1Pセンサ205による検出タイミングと同期をとって複数箇所検知することで、複数の濃度検知用パッチパターンR1、R2のそれぞれの位置に対応した画像濃度ムラを検出する。すなわち、濃度検知用パッチパターンR1、R2の数だけ、第2Pセンサ206による濃度ムラ検知用パッチパターンQの濃度検知がおこなわれて、それに基づいた濃度ムラが検出される。
【0026】
また、電位センサ204は、濃度検知用パッチパターンR1、R2が形成される感光体ドラム200上の領域と対向するように設置されている。すなわち、電位センサ204は、感光体ドラム200の周面において、第1Pセンサ205に対応する位置に設置されている。
【0027】
次に、上述のように構成された画像形成装置の作像部の動作について説明する。
まず、原稿台に載置されたカラー原稿のカラー画像情報が、後述するカラー画像読取装置により読み取られる。そして、そのカラー画像情報は、画像処理部で、ブラック、シアン、マゼンタ、イエローの4色のカラー画像情報に色変換処理される。そして、この4色のカラー画像情報が、作像部としてのカラー画像記録装置の、書き込み光学ユニットに転送される。
【0028】
そして、書き込み光学ユニットからは、まず、カラー画像情報のうちいずれかの色に対応したレーザー光Lが、帯電器203によって一様に帯電された感光体ドラム200表面に向けて、照射される。そして、感光体ドラム200表面に、ブラック、シアン、マゼンタ、イエローのうちのいずれかの静電潜像を形成する。
なお、書き込み光学ユニットは、光源としての半導体レーザー、レーザー発光駆動制御部、ポリゴンミラーとその回転用モータ、f/θレンズ、反射ミラー等で構成されている。さらに、書き込み光学ユニットは、図示せぬレーザー発光駆動部によって、レーザー光Lの光量を調整できるようになっている。
また、感光体ドラム200表面を帯電する帯電器203は、図示せぬ帯電制御駆動部によって、その帯電量を調整できるようになっている。
【0029】
一方、感光体ドラム200は、図2中の矢印方向に回転している。そして、感光体ドラム200表面は、その周りに配設された、帯電器203、電位センサ204、リボルバ現像ユニット230の選択された現像器231C、第1Pセンサ205及び第2Pセンサ206、中間転写ユニット500、感光体クリーニング装置201、除電ランプ202を順次通過していく。
なお、図2において、第2Pセンサ206は、第1Pセンサ205に対して紙面奥側(複写機本体の駆動側である。)に配設されている。
【0030】
ここで、リボルバ現像ユニット230は、ブラック現像器231K、シアン現像器231C、マゼンタ現像器231M、イエロー現像器231Yと、各現像器を図2中の矢印方向に回転させるリボルバ回転駆動部等で構成されている。
各現像器231K、231C、231M、231Yは、それぞれ、現像剤の穂を感光体ドラム200の表面に接触させて静電潜像を現像する現像スリーブと、現像剤を汲み上げて撹拌する現像剤パドル等で構成されている。
各現像器231K、231C、231M、231Y内のトナーは、フェライトキャリアとの撹拌によって負極性に帯電される。また、各現像スリーブには、図示せぬ現像電圧制御駆動部の現像電圧電源によって、負の直流電圧に交流電圧が重畳された現像電圧が印加される。これによって、現像スリーブと感光体ドラム200表面との間に、所望の電界が形成される。
【0031】
リボルバ現像ユニット230における各現像器の動作を、ブラック現像器231Kを例にとって説明する。
ブラック現像器231Kは、まず、コピー開始前の待機状態では、感光体ドラム200と対向する現像位置よりも上流側に位置するように、リボルバ回転駆動部により調整される。そして、コピー動作が開始されて、書き込み光学ユニットによるブラック画像データに対応したレーザー光Lが、感光体ドラム200上に照射されるのに合わせて、リボルバ回転駆動部により、ブラック現像器231Kが現像位置まで回転駆動される。詳しくは、レーザー光Lによる静電潜像が、現像位置に到達する前に、ブラック現像器231Kの現像位置への移動が完了する。
【0032】
こうして、感光体ドラム200上の、ブラック画像情報に対応した静電潜像が現像される。
なお、その他の色に対応した静電潜像の現像に関しても、上述のブラック現像器231Kと同様に、リボルバ回転駆動部により、対応する現像器をタイミングよく現像位置に移動することで達成する。
【0033】
その後、静電潜像が現像された感光体ドラム200表面は、中間転写ユニット500との対向部に達する。
中間転写ユニット500は、複数のローラに張架された中間転写ベルト501等で構成されている。中問転写ベルト501の外周には、2次転写ユニット600、ベルトクリーニングブレード504、潤滑剤塗布ブラシ505等が配設されている。他方、中間転写ベルト501の内周には、1次転写バイアスローラ507、ベルト駆動ローラ508、ベルトテンションローラ509、2次転写対向ローラ510、クリーニング対向ローラ511、アースローラ512が配設されており、これらのローラに中間転写ベルト501は張架されている。なお、各ローラは導電性材料で形成され、1次転写バイアスローラ507以外の各ローラは接地されている。
【0034】
そして、1次転写バイアスローラ507には、定電流又は定電圧に制御された1次転写電源801により、トナー画像の重ね合わせ数に応じて、所定の電流又は電圧に制御された転写電圧が印可されている。また、ベルト駆動ローラ508の図中矢印方向の回転駆動により、中間転写ベルト501は矢印方向に駆動される。
このような中間転写ユニット500において、感光体ドラム200上に形成されたトナー画像が、中間転写ベルト501上に転写される。
【0035】
一方、中間転写ユニット500を通過した後の感光体ドラム200表面は、感光体クリーニング装置201との対向部に達する。そして、感光体クリーニング装置201によって、感光体ドラム200上の未転写トナーが回収された後に、除電ランプ202の位置に達する。そして、ここで、感光体ドラム200表面の電位がクリアされた後に、感光体ドラム200表面は、帯電器203の位置に達する。
このような一連の作像プロセスが、ブラック、シアン、マゼンタ、イエローの各色ごとにおこなわれることになる。
【0036】
そして、上述の中間転写ユニット500では、感光体ドラム200上の各色に対応したトナー画像が、順次、中間転写ベルト501上に重ねて転写される。そして、カラー原稿に対応したカラー画像が、中間転写ベルト501上で形成される。
【0037】
この中間転写ベルト501上に形成された4色重ね合わせたカラー画像は、次に、2次転写ユニット600にて、転写紙G上に転写されることになる。
ここで、2次転写ユニット600は、3つの支持ローラ602〜604に張架された2次転写ベルト601等で構成される。そして、2つの支持ローラ602、603の間の2次転写ベルト601のベルト部分が、2次転写対向ローラ510に対して接離自在となるように、支持ローラ602は移動制御される。
【0038】
また、2次転写バイアスローラ605には、定電流制御された2次転写電源802によって所定電流の転写電圧が印加される。他方、2次転写ベルト601は、図2中の矢印方向に駆動される。
このように構成された2次転写ユニット600によって、2次転写ベルト601上に搬送された転写紙Gに、中間転写ベルト501上の4色カラー画像が転写される。詳しくは、転写紙Gは、レジストローラ対650によって、2次転写バイアスローラ605と2次転写対向ローラ510との間に向けて、所定のタイミングで搬送される。そして、転写紙Gは、2次転写バイアスローラ605の電圧によって、中間転写ベルト501上のトナーを吸着する。
【0039】
その後、カラー画像が転写された転写紙Gは、2次転写ベルト601によって、転写紙除電チャージャ606の位置に達する。そして、ここで2次転写ベルト601との静電的な吸着を解かれた転写紙Gは、2次転写ベルト601から分離されて、後述する定着装置に向けて搬送される。
他方、転写紙Gを分離した後の2次転写ベルト601表面は、ベルト除電チャージャ607、クリーニングブレード608の位置を順次通過する。
【0040】
次に、図3にて、本実施の形態における制御部の構成について説明する。
制御部48は、主として、演算制御処理をおこなうCPU45と、演算制御処理のための基礎プログラムやその処理のためのデータを蓄積したROM46と、種々のセンサ、カウンタ、タイマー等のデータを取り込むためのRAM47とからなる。
また、制御部48は、I/Oインターフェイス49を備えている。そして、このI/Oインターフェイス49を介して、電位センサ204等の入力装置から入力信号を制御部48内に取り込むとともに、表示部60等の出力装置に出力信号(制御信号)を転送する。
【0041】
ここで、図1で説明した第1Pセンサ205、第2Pセンサ206、電位センサ204等は、入力装置としてI/Oインターフェイス49に、電気的に接続されている。また、図2で説明した現像電圧制御駆動部53、帯電制御駆動部54、レーザー発光駆動部56、リボルバ回転駆動部58や、後述する表示部60等は、出力装置としてI/Oインターフェイス49に、電気的に接続されている。
【0042】
次に、図4〜図7にて、本実施の形態における画像濃度の調整方法について詳述する。
ここで、図4は、本実施の形態における画像濃度調整の制御を示すフローチャートである。さらに、図5は、図1の感光体ドラムにおいて、第1Pセンサ領域及び第2Pセンサ領域に濃度検知用パッチパターンを作成した状態を示す概略斜視図である。また、図6は、図4のフローチャートにおける現像ポテンシャル算出の過程を示すグラフである。さらに、図7は、図4のフローチャートで用いられる電位テーブルを示す表である。
【0043】
図4を参照して、まず、感光体ドラム200表面の地肌領域に対する、第1Pセンサ205及び第2Pセンサ206の反射光量出力値Vsgの調整をおこなう(ステップS1)。
詳しくは、帯電器203によって帯電された感光体ドラム200表面であってレーザー光Lの照射を受けていない地肌領域に対して、第1Pセンサ205及び第2Pセンサ206にて、それぞれ、発光して反射してくる光量を検出する。そして、その反射光量に対応した変換電圧(反射光量出力値Vsgである。)が、所定の範囲内、例えば、4.0±0.1ボルトとなるように、第1Pセンサ205及び第2Pセンサ206におけるLED等の発光素子の発光量を調整する。
【0044】
そして、第1Pセンサ205の反射光量出力値Vsgの調整の成否を、制御部48にて判断する(ステップS2)。
その結果、第1Pセンサ205の反射光量出力値Vsgの調整が成功した場合には、制御プログラムにおける第1Pセンサ検知フラグf1をオンにする(ステップS3)。他方、第1Pセンサ205の反射光量出力値Vsgの調整が失敗した場合には、制御プログラムにおける第1Pセンサ検知フラグf1をオフにする(ステップS4)。
【0045】
同様に、第2Pセンサ206の反射光量出力値Vsgの調整の成否を判断する(ステップS5)。
その結果、第2Pセンサ206の反射光量出力値Vsgの調整が成功した場合には、制御プログラムにおける第2Pセンサ検知フラグf2をオンにする(ステップS6)。他方、第2Pセンサ206の反射光量出力値Vsgの調整が失敗した場合には、制御プログラムにおける第2Pセンサ検知フラグf2をオフにする(ステップS7)。
【0046】
次に、第1Pセンサ検知フラグf1と第2Pセンサ検知フラグf2との、オン・オフの状態を制御部48にて判断する(ステップS8)。
その結果、第1Pセンサ検知フラグf1と第2Pセンサ検知フラグf2との双方の検知フラグがオフとなっている場合には、表示部60にサービスマンコールを表示するように制御する(ステップS9)。ここで、表示部60に表示されるサービスマンコールとは、第1Pセンサ205及び第2Pセンサ206の、修理を促す表示である。
【0047】
これに対して、第1Pセンサ検知フラグf1と第2Pセンサ検知フラグf2とのうち、少なくとも一方の検知フラグがオンである場合には、次に、第1Pセンサ検知フラグf1がオンであるかを判断する(ステップS10)。
その結果、第1Pセンサ検知フラグf1がオンである場合には、第1Pセンサ205の反射光量出力値Vsgの平均値Vsgaveが検知される(ステップS11)。他方、第1Pセンサ検知フラグf1がオフである場合には、第1Pセンサ205の反射光量出力値Vsgの平均値Vsgaveは検知されずに、次のステップにスキップする。
【0048】
同様に、第2Pセンサ検知フラグf2がオンであるかを判断する(ステップS12)。
その結果、第2Pセンサ検知フラグf2がオンである場合には、第2Pセンサ206の反射光量出力値Vsgの平均値Vsgaveが検知される(ステップS13)。他方、第2Pセンサ検知フラグf2がオフである場合には、第2Pセンサ206の反射光量出力値Vsgの平均値Vsgaveは検知されずに、次のステップにスキップする。
【0049】
なお、第1Pセンサ205及び第2Pセンサ206による反射光量出力値Vsgの平均値Vsgaveは、感光体ドラム200の1周に対して複数箇所測定して、それを平均したものである。そして、この平均値Vsgaveが、地肌領域の反射光量に対応したものとして、その後の種々の制御に用いられることになる。
【0050】
次に、第1Pセンサ検知フラグf1と第2Pセンサ検知フラグf2との双方が、オンであるかを判断する(ステップS14)。
その結果、双方の検知フラグf1、f2が、オンである場合、すなわち、双方のPセンサ205、206に異常がない場合、図1を参照して、感光体ドラム200上の第1Pセンサ領域に濃度検知用パッチパターンR1、R2が作成され、第2Pセンサ領域に濃度ムラ検知用パッチパターンQが作成される(ステップS15)。
【0051】
これに対して、双方の検知フラグf1、f2が、オンでない場合、図5を参照して、感光体ドラム200上の第1Pセンサ領域に濃度検知用パッチパターンR1、R2が作成され、第2Pセンサ領域にも濃度検知用パッチパターンQ1、Q2(第3画像部)が作成される(ステップS16)。
なお、濃度検知用パッチパターンR1、R2、Q1、Q2や、濃度ムラ検知用パッチパターンQの感光体ドラム200上への作成は、第1Pセンサ領域及び第2Pセンサ領域に、所望の光量のレーザー光が照射されるように、上述の書き込み光学ユニットによるレーザー光出力を制御しておこなう。具体的には、濃度検知用パッチパターンR1、R2、Q1、Q2を作成する場合には、複数のパッチパターンごとに、レーザー出力を段階的に変更して作成する。他方、濃度ムラ検知用パッチパターンQを作成する場合には、パターン部にレーザー光Lを照射する際のレーザー出力を一定にして作成する。
【0052】
次に、電位センサ204によって、第1Pセンサ領域に対応する位置の、各パッチパターン上の露光電位を検出する(ステップS17)。この電位センサ204で検出した電位データは、制御部48のRAM47に転送され保持される。
なお、パッチパターン上の露光電位とは、レーザー光の照射された感光体ドラム200表面の電位である。
【0053】
次に、第1Pセンサ検知フラグf1と第2Pセンサ検知フラグf2との双方が、オンであるかを再度判断する(ステップS18)。
その結果、双方の検知フラグf1、f2が、オンである場合、すなわち、ステップS15で、第1Pセンサ領域に濃度検知用パッチパターンR1、R2が作成され、第2Pセンサ領域に濃度ムラ検知用パッチパターンQが作成された場合、第1Pセンサ205では濃度検知用パッチパターンR1、R2を用いて画像濃度検知がおこなわれ、第2Pセンサ206では濃度ムラ検知用パッチパターンQを用いて画像濃度ムラ検知がおこなわれる(ステップS19)。
【0054】
詳しくは、第1Pセンサ領域では、複数の濃度検知用パッチパターンR1、R2が、それぞれ、リボルバ現像ユニット230で顕像化される。そして、第1Pセンサ205との対向位置に達した複数の濃度検知用パッチパターンR1、R2は、それぞれ、第1Pセンサ205により反射光量が検出される。このときの濃度検出用パッチパターンR1、R2の数に対応したN個の検出値は、N個のセンサ出力値Vspi(i=1〜N)としてRAM47に転送され保持される。
【0055】
他方、第2Pセンサ領域では、濃度ムラ検知用パッチパターンQが、リボルバ現像ユニット230で顕像化される。そして、第2Pセンサ206との対向位置に達した濃度ムラ検知用パッチパターンQは、第2Pセンサ206により、複数箇所の反射光量が検出される。
ここで、反射光量の検出タイミングは、上述の第1Pセンサ205による検出タイミングと同期している。すなわち、第1Pセンサ205によって検出された個々の濃度検出用パッチパターンの位置に対応する、濃度ムラ検出用パッチパターンQの部分の反射光量が、第2Pセンサ206にて検出される。
【0056】
そして、第2Pセンサ206によるN個の検出値は、N個のセンサ出力値Vspdi(i=1〜N)としてRAM47に転送され保持される。
その後、制御部48では、RAM47に格納されたN個のセンサ出力値Vspdi(i=1〜N)に基づいて、標準偏差Vspdstdvが、算出される(ステップS20)。
【0057】
そして、第2Pセンサ206の出力値の標準偏差Vspdstdvが、所定値Kより大きいかを判断する(ステップS21)。
その結果、標準偏差Vspdstdvが、所定値Kより小さい場合には、RAM47に格納した第1Pセンサ205の出力値Vspi(i=1〜N)を補正する(ステップS23)。
【0058】
なお、第1Pセンサ205の出力値Vspi(i=1〜N)の補正は、次のような演算によりおこなわれる。
まず、式(1)で補正係数r(i=1〜N)を求める。
=Vspdave/Vspdi(i=1〜N)   …式(1)
ここで、Vspdaveは、第2Pセンサ206の出力値Vspdi(i=1〜N)の平均値である。
そして、この値を式(2)に代入して、出力値の補正値Vsprevi(i=1〜N)を求める。
sprevi=Vspi×r(i=1〜N)   …式(2)
【0059】
上式による補正は、感光体ドラム200上に形成される画像濃度検知用パッチパターンR1、R2に、種々の周期の濃度ムラや、さらには、周期をもたない突発的な濃度ムラが生じても、精度よく画像濃度を検知するものである。
すなわち、第1Pセンサ205で検出したi番目の画像濃度検知用パッチパターンが濃度ムラを有する場合であっても、第2Pセンサ206でi番目の画像濃度検知用パッチパターンに相当する部分の濃度ムラ発生とその程度とを検出して、その検出値に基づいてi番目の画像濃度検知用パッチパターンの検出値を補正している。
【0060】
したがって、その後の演算処理による作像条件の設定は、画像濃度検知用パッチパターンにおいてイレギュラーで発生した濃度ムラの要素を除外することができて、精度の高いものとなる。
そして、第1Pセンサ205の出力値Vspiの補正が完了すると、その補正値Vspreviに基づいて、トナー付着量の算出がおこなわれる(ステップS24)
【0061】
これに対して、第2Pセンサ206の出力値の標準偏差Vspdstdvが、所定値Kより大きいかを判断した結果(ステップS21)、標準偏差Vspdstdvが、所定値Kより大きい場合には、複写機本体に設けられた表示部60に、画像濃度ムラが生じている旨のメッセージを表示する(ステップS22)。
なお、ここで表示されるメッセージは、コード表示でもよいし、図形表示又は文章表示等でもよい。これによって、複写機のメンテナンスをおこなうサービスマンは、早期に画像濃度ムラの発生を知り、それに対処することになる。
【0062】
その後、ステップS19にてRAM47に格納した第1Pセンサ205の出力値Vspiに基づいて、トナー付着量の算出がおこなわれる(ステップS24)
なお、このとき複写機におけるコピー動作は中断されない。そして、上述の補正をおこなわずに、第1Pセンサ205の出力値Vspiのみによる作像条件の設定がされる。
【0063】
そして、トナー付着量の算出(ステップS24)は、次のようにおこなわれる。
まず、ステップS23による第1センサ205の補正値Vsprevi、又は、ステップS22を経た第1センサ205の出力値Vspiに基づき、ROM46内に予め格納されている感光体ドラム200上におけるトナー付着量に係わるデータとの比較がおこなわれる。このトナー付着量に係わるデータは、Pセンサの出力の規格化値とトナー付着量との関係をテーブル化したものであり、このテーブルより単位面積当たりのトナー付着量に換算して、そのデータをRAM47に格納する。
【0064】
次に、電位ポテンシャルとトナー付着量との関係を示す近似直線方程式が算出される(ステップS25)。
詳しくは、ステップS24でRAM47に格納したトナー付着量のデータと、ステップS17でRAM47に格納した露光電位VLのデータとから、図6に示す近似直線方程式(Y=A×X+B)を算出する。ここで、図6を参照して、X軸は、露光電位VLから、そのときに印加した現像電圧VBを減じた値、すなわち、電位ポテンシャル(VL−VB)を示す。Y軸は、単位面積当たりのトナー付着量を示す。
【0065】
そして、RAM47に格納された上述のデータに基づき、パッチパターンの数に対応した数だけ、X−Y平面上にデータがプロットされる。そして、そのプロットされた複数のデータから、直線近似をおこなうX−Y平面上の区間を決定する。その後、その区間内で、最小自乗法をおこなって近似直線方程式(Y=A×X+B)を得る。
【0066】
次に、ステップS25で求めた近似直線方程式に基づいて、現像ポテンシャルが算出される(ステップS26)。
詳しくは、図6を参照して、ステップ25で求めた近似直線を用いて、Y値に必要最大付着量Mmaxを代入したときのX値Vmaxを求める。このX値Vmaxが、制御すべき現像ポテンシャルとなる。ここで、必要最大付着量Mmaxとは、転写紙G上の画像濃度を満足するために必要且つ充分な感光体ドラム200上のトナー付着量である。したがって、これに対応したX値Vmax、すなわち、現像ポテンシャルを設定することで、必要な画像濃度を確保することができる。
【0067】
なお、X値Vmaxの算出は、次の式(3)によりおこなわれる。
max=(Mmax−B)/A   …式(3)
ここで、最終的に制御すべき現像電圧VB及び露光電圧VLと、現像ポテンシャルVmaxとは、次の式(4)であらわすことができる。
max=VB−VL   …式(4)
【0068】
次に、電位テーブルを用いて、制御すべき帯電電圧VD、現像電圧VB、露光電圧VLを決定する(ステップS27)。
詳しくは、図7を参照して、まず、ステップS26の式(3)で算出した現像ポテンシャルVmaxと、図7に示す電位テーブルにおける現像ポテンシャルVmaxとを比較する。そして、算出した現像ポテンシャルVmaxに最も近い現像ポテンシャルVmaxを電位テーブル上で選択する。そして、その選択した現像ポテンシャルVmaxに基づいて、電位テーブルから、制御すべき帯電電圧VD、現像電圧VB、露光電圧VLを決定する。
【0069】
例えば、式(3)で算出した現像ポテンシャルVmaxが200ボルトのとき、電位テーブルからその値に最も近い現像ポテンシャルVmaxの204ボルトを選択する(電位テーブルのNo.4である。)。
そして、電位テーブルで選択した現像ポテンシャルVmaxの204ボルトを選択したことにより、制御すべき帯電電圧VD、現像電圧VB、露光電圧VLは、それぞれ、−486ボルト、−337ボルト、−133ボルトと決定される。
なお、電位テーブルにおける現像電圧VBと露光電圧VLとには、上述の式(4)の関係が成り立つ。
【0070】
次に、感光体ドラム200上の残留電位を検出して、先のステップで決定した帯電電圧VD、現像電圧VB、露光電圧VLを補正するための目標電位VL0を算出する(ステップS28)。
詳しくは、まず、感光体ドラム200上にレーザー光Lを最大光量で照射して、そのときの感光体ドラム200上の残留電位を検出する。その結果、残留電位が基準値を超えて検出された場合には、先のステップで決定した帯電電圧VD、現像電圧VB、露光電圧VLについて、残留電位分の補正をおこなう。
【0071】
なお、残留電位分の補正をおこなうための目標電位VL0は、次の式(5)で求めることができる。
L0=V−VRref(V>VRref)   …式(5)
ここで、Vは電位センサ204で検出した残留電位の実測値であり、VRrefは予め定めた残留電位の基準値である。
【0072】
具体的には、式(5)で算出した目標電位VL0を、先のステップで決定した帯電電圧VD、現像電圧VB、露光電圧VLに、それぞれ加算して補正する。これにより、各電位差を維持しつつ、残留電位の発生による不具合をなくすことができる。
なお、検出した残留電位が基準値の範囲内であった場合には(V<VRref)、先のステップで決定した帯電電圧VD、現像電圧VB、露光電圧VLについての補正はおこなわない。
【0073】
次に、ステップS28で最終的に決定された帯電電圧VD、現像電圧VB、露光電圧VLに基づいて、各電圧を制御する(ステップS29)。
詳しくは、まず、制御部48から帯電制御駆動部54に制御信号を転送して、帯電器203の帯電電圧VDが目標値となるように調整する。そして、制御すべき帯電電圧VDが得られたら、レーザー発光駆動部56に制御信号を転送して、書き込み光学ユニットのレーザー出力を制御することで、露光電圧VLが目標値となるように調整する。同様に、現像電圧制御駆動部53に制御信号を転送して、現像電圧VBが目標値となるように調整する。
以上のように画像形成装置を制御することで、感光体ドラム200上に種々の濃度ムラが発生しても、高い精度で作像条件を決定することができる。
【0074】
以下、図4のステップS18において、第1Pセンサ検知フラグf1と第2Pセンサ検知フラグf2との双方が、オンでないと判断された場合のフローについて説明する。
双方の検知フラグf1、f2が、オンでない場合、すなわち、ステップS16で、第1Pセンサ領域に濃度検知用パッチパターンR1、R2が作成され、第2Pセンサ領域にも濃度検知用パッチパターンQ1、Q2が作成された場合、まず、第1Pセンサ検知フラグf1がオンであるかが判断される(ステップS30)。
【0075】
その結果、第1Pセンサ検知フラグf1がオンである場合、すなわち、第1Pセンサ205が動作正常であり、第2Pセンサ206が動作不良と判断された場合、第1Pセンサ205による濃度検知用パッチパターンR1、R2を用いた画像濃度検知がおこなわれる(ステップS31)。
このときの濃度検出用パッチパターンR1、R2の数に対応したN個の検出値は、N個のセンサ出力値Vspi(i=1〜N)としてRAM47に格納される。これに対して、第1Pセンサ検知フラグf1がオフである場合、ステップS31をスキップする。
【0076】
このとき、図4への図示は省略するが、表示部60を制御して、第2Pセンサ206に動作不良がある旨のメッセージを表示する。このとき、メッセージは、図4に示す制御がすべて完了した後にコード表示等でおこなうとともに、メッセージ表示後もユーザーによるコピー作業が継続しておこなえるように制御する。
【0077】
次に、第2Pセンサ検知フラグf2がオンであるかが判断される(ステップS32)。
その結果、第2Pセンサ検知フラグf2がオンである場合、すなわち、第2Pセンサ206が動作正常であり、第1Pセンサ205が動作不良と判断された場合、第2Pセンサ206による濃度検知用パッチパターンQ1、Q2を用いた画像濃度検知がおこなわれる(ステップS33)。
このときの濃度検出用パッチパターンQ1、Q2の数に対応したN個の検出値は、N個のセンサ出力値Vspi(i=1〜N)としてRAM47に格納される。
これに対して、第2Pセンサ検知フラグf2がオフである場合、ステップS33をスキップする。
【0078】
このとき、図4への図示は省略するが、表示部60を制御して、第1Pセンサ205に動作不良がある旨のメッセージを表示する。このとき、メッセージは、図4に示す制御がすべて完了した後にコード表示等でおこなうとともに、メッセージ表示後もユーザーによるコピー作業が継続しておこなえるように制御する。
【0079】
その後、RAM47に格納した第1Pセンサ205又は第2Pセンサ206の出力値Vspiに基づいて(ステップS31、S33)、それらの補正をおこなわずに、トナー付着量の算出がおこなわれる(ステップS24)。
なお、ステップS24以降のステップは、上述した内容と同様なので、その説明を省略する。
【0080】
以上のように、本実施の形態においては、第1Pセンサ205と第2Pセンサ206とのうち、いずれか一方のPセンサが動作不良となっても、他方の動作正常のPセンサを用いて濃度調整制御をおこなうことができる。したがって、コピー作業を中断することなく、高い画像品質を維持することができる。
【0081】
なお、以上説明した図4の制御は、ブラック、シアン、マゼンタ、イエローの各色ごとにおこなわれるものである。
これによって、各色において、それぞれ、高い精度の作像条件を設定することができて、最終的に高い品質のカラー画像を得ることになる。
【0082】
以下、図8にて、本実施の形態における画像形成装置全体について説明する。
図8は、画像形成装置としてのカラー複写機全体を示す概略斜視図である。
カラー複写機は、主として、カラー画像読取装置1、カラー画像記録装置2、給紙バンク3等で構成されている。
カラー画像読取装置1は、コンタクトガラス121上に載置されたカラー原稿4の画像を、照明ランプ122、ミラー群123a〜123c、レンズ124を介して、カラーセンサー125に結像する。ここで、原稿4のカラー画像情報は、例えば、レッド、グリーン、ブルーの色分解光ごとに読み取られ、電気的な画像信号に変換されたものである。
【0083】
そして、カラー画像読取装置1で得た色分解画像信号に基づいて、図示せぬ画像処理部で色変換処理をおこなって、上述のブラック、シアン、マゼンタ、イエローのカラー画像データを得る。
その後、カラー画像記録装置2において、書き込み光学ユニット220は、カラー画像読取装置1からのカラー画像データを光信号に変換した後に、原稿4の画像に対応した光書き込みをおこなう。すなわち、図1にて説明したように、ブラック、シアン、マゼンタ、イエローの各色ごとに、レーザー光Lを感光体ドラム200上に照射して、感光体ドラム200上に静電潜像を形成する。
【0084】
その後、図2で説明したように、中間転写ユニット500上に4色の画像を重ね合わせて、最終的な4色フルカラー画像を形成する。さらに、2次転写ユニット600にて、転写紙G上に4色フルカラー画像を転写する。
なお、2次転写ユニット600に搬送された転写紙Gは、給紙バンク3の給紙部300a〜300cから搬送経路、レジストローラ対650等を経て給送されたものである。なお、レジストローラ対650では、図1にて説明したように、中間転写ベルト501上のトナー像の先端と、転写紙Gの先端とが一致するようにタイミングを合わせて、転写紙Gを搬送する。
【0085】
その後、カラー画像が転写された転写紙Gは、2次転写ユニット600から分離されて、定着装置270に向けて搬送される。
定着装置270に搬送された転写紙Gは、定着上ローラ271と定着下ローラ272とのニップ部で、トナー像が溶融定着される。
その後、定着装置270を通過した転写紙Gは、排出ローラ対212によって、装置本体外に向けて排出される。
このようにして、一連のフルカラーコピー動作が完了する。
【0086】
以上説明したように、本実施の形態においては、感光体ドラム200上に種々の周期の画像濃度ムラが発生しても、精度の高い画像濃度の調整をおこない、高品質のフルカラーコピーを得ることができる。
また、第1Pセンサ205及び第2Pセンサ206のいずれか一方に、異常が発生した場合であっても、サービスマンに異常を知らせるとともに、ユーザーのコピー作業を中断することなく、正常なPセンサのみを用いて画像濃度調整をおこなうことができる。
さらに、画像濃度ムラが発生したときに、その状態をサービスマンにいち早く知らせることができる。
【0087】
なお、本実施の形態においては、像担持体としての感光体ドラム200に本発明を適用した。しかし、本発明は、これに限定されることなく、例えば、感光体ベルトのようなベルト状の像担持体であっても適用可能である。
さらには、中間転写ユニット500のように2次的な像担持体についても、本発明を適用することができる。その場合、中間転写ベルト501上の、濃度を検知する第1センサと、濃度ムラを検知する第2センサとが、中間転写ベルト501の周りに設置されて、第2センサの検出結果に基づいて、第1センサの検出結果が補正されることになる。
【0088】
また、本実施の形態では、画像濃度を検出するために段階的に濃度が異なる複数のパッチパターンR1、R2を形成した。しかし、本発明はこれに限定されることなく、画像濃度を検出するために感光体ドラム200上に形成する画像は、単数のパッチパターンとすることもできる。
さらに、本実施の形態では、第1Pセンサ領域のパッチパターンR1、R2と、第2Pセンサ領域のパッチパターンQとを、分離して形成した。しかし、本発明はこれに限定されることなく、双方のパッチパターンの境界部分を接触させて形成することもできる。
【0089】
また、本実施の形態では、第1Pセンサ205及び第2Pセンサ206を、感光体ドラム200の動方向に対して並列に設置した。しかし、第1Pセンサ205及び第2Pセンサ206を、感光体ドラム200の動方向に対してずらして設置した場合であっても、本発明を適用することができる。
すなわち、第1画像部としての複数の濃度検知用パッチパターンR1、R2と、第2画像部としての濃度ムラ検知用パッチパターンQとは、感光体ドラム200上に同時に作像されたものであるために、一方のパターンに画像ムラがある場合には必ず他方のパターンにも画像ムラがあることになる。したがって、それぞれのセンサ205、206による検出は必ずしも同一タイミングでおこなうことを要さずに、対応するパターンを別のタイミングで検出してもよいことになる。そして、本実施の形態と同様の濃度調整をおこなうことになる。
【0090】
また、本実施の形態では、第1センサ205の出力値Vspiの補正値Vspreviに基づいて、最終的に帯電電圧VD、現像電圧VB、露光電圧VLの調整をおこなった。しかし、第1センサ205の補正値Vspreviの作像条件への適用は、これに限定されることはない。例えば、第1センサ205の補正値Vspreviに基づいて、リボルバ現像ユニット230の各現像器のトナー補給量を調整することもできる。この場合、現像器内における現像剤のトナーの比率を常に精度よく維持できるために、安定した画像濃度のコピー画像を提供することができる。
【0091】
また、本実施の形態では、本発明をカラー複写機に適用した。しかし、本発明の適用はこれに限定されることなく、モノカラー複写機、レーザープリンタ、ファクシミリ、又は、それらの複合機に関しても、当然に適用することができる。
特に、アナログ複写機に本発明を適用する場合には、近似直線にて求める現像ポテンシャルは、現像電圧と帯電電圧との差分となる。
【0092】
なお、本発明が上記実施の形態に限定されず、本発明の技術思想の範囲内において、実施の形態の中で示唆した以外にも、実施の形態は適宜変更され得ることは明らかである。また、上記構成部材の数、位置、形状等は上記実施の形態に限定されず、本発明を実施する上で好適な数、位置、形状等にすることができる。
【0093】
【発明の効果】
本発明は以上のように構成されているので、像担持体上に種々の画像濃度ムラが発生しても、精度の高い画像濃度の調整ができる画像形成装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の実施の形態における画像形成装置の感光体ドラム近傍を示す概略斜視図である。
【図2】この発明の実施の形態における画像形成装置の感光体ドラム近傍を示す概略断面図である。
【図3】この発明の実施の形態における画像形成装置の制御部を示す概略構成図である。
【図4】この発明の実施の形態における画像形成装置の制御を示すフローチャートである。
【図5】図1の感光体ドラムにおいて、第1Pセンサ領域及び第2Pセンサ領域に濃度検知用パッチパターンを作成した状態を示す概略斜視図である。
【図6】図4のフローチャートにおける現像ポテンシャル算出の過程を示すグラフである。
【図7】図4のフローチャートで用いられる電位テーブルを示す表である。
【図8】この発明の実施の形態における画像形成装置全体を示す概略断面図である。
【符号の説明】
1 カラー画像読取装置、 2 カラー画像記録装置、 3 給紙バンク、
45 CPU、 46 ROM、 47 RAM、 48 制御部、
49 I/Oインターフェース、 60 表示部、
200 感光体ドラム(像担持体)、 201 感光体クリーニング装置、
202 除電ランプ、 203 帯電器、 204 電位センサ、
205 第1Pセンサ(第1センサ)、 206 第2Pセンサ(第2センサ)、
230 リボルバ現像ユニット、 500 中間転写ユニット、
600 2次転写ユニット、 650 レジストローラ対、
R1、R2 濃度検知用パッチパターン(第1画像部)、
Q 濃度ムラ検知用パッチパターン(第2画像部)、
Q1、Q2 濃度検知用パッチパターン(第3画像部)。

Claims (10)

  1. 像担持体上に形成される第1画像部の濃度を検出する第1センサと、
    前記像担持体上に形成される第2画像部の濃度ムラを検出する第2センサと、
    前記第2センサの検出結果に基づき、前記第1センサの検出結果を補正する制御部とを備えたことを特徴とする画像形成装置。
  2. 前記第1画像部と前記第2画像部とは、前記像担持体の動方向に対して並列に形成されることを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
  3. 前記第1画像部は、段階的に濃度が異なるように形成される複数のパッチパターンであり、
    前記第2画像部は、一定の濃度となるように形成されるパッチパターンであり、
    前記第1センサ及び前記第2センサによる検出は、前記複数のパッチパターンの数に対応して複数回おこなうことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の画像形成装置。
  4. メッセージを表示する表示部を備え、
    前記制御部は、前記第2センサによる濃度ムラの検出結果が所定の範囲を超えた場合に、それに対応したメッセージを表示するように前記表示部を制御することを特徴とする請求項1〜請求項3のいずれかに記載の画像形成装置。
  5. 前記制御部は、前記第2センサによる濃度ムラの検出結果が所定の範囲を超えた場合に、前記第1センサの検出結果に基づいて濃度調整することを特徴とする請求項1〜請求項4のいずれかに記載の画像形成装置。
  6. 前記制御部は、前記第2センサの動作不良を検出した場合に、前記第1センサの検出結果に基づいて濃度調整することを特徴とする請求項1〜請求項3のいずれかに記載の画像形成装置。
  7. 前記制御部は、前記第1センサの動作不良を検出した場合に、前記像担持体上に第3画像部を形成して、前記第2センサによる前記第3画像部の画像濃度の検出結果に基づいて濃度調整することを特徴とする請求項1〜請求項3のいずれかに記載の画像形成装置。
  8. 前記第3画像部は、段階的に濃度が異なるように形成される複数のパッチパターンであり、
    前記第2センサによる検出は、前記複数のパッチパターンの数に対応して複数回おこなうことを特徴とする請求項7に記載の画像形成装置。
  9. メッセージを表示する表示部を備え、
    前記制御部は、前記第1センサ又は/及び前記第2センサの動作不良を検出した場合に、それに対応したメッセージを表示するように前記表示部を制御することを特徴とする請求項1〜請求項8のいずれかに記載の画像形成装置。
  10. 前記制御部は、前記第1センサの検出結果を補正した補正値に基づいて、帯電電圧と、現像電圧と、露光電圧とを制御して濃度調整することを特徴とする請求項1〜請求項9のいずれかに記載の画像形成装置。
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