以下、本発明を適用した画像形成装置として、電子写真方式のカラープリンタ(以下、単にプリンタという)の第一実施形態について説明する。
まず、第一実施形態に係るプリンタの基本的な構成について説明する。図1は、第一実施形態に係るプリンタを示す概略構成図である。同図において、第一実施形態に係るプリンタは、Y,M,C,Kのトナー像を形成するための4つのトナー像形成ユニット1Y,1M,1C,1Kを備えている。また、転写ユニット30、光書込ユニット80、定着装置90、給送カセット100、レジストローラ対101なども備えている。
4つのトナー像形成ユニット1Y,1M,1C,1Kは、画像形成物質として、互いに異なる色のY,M,C,Kトナーを用いるが、それ以外は同様の構成になっており、寿命到達時に交換される。Kトナー像を形成するためのトナー像形成ユニット1Kを例にすると、これは、図2に示されるように、像担持体たるドラム状の感光体2K、ドラムクリーニング装置3K、除電装置、帯電装置6K、現像装置8K等を備えている。これらの装置が共通の保持体に保持されてプリンタ本体に対して一体的に脱着することで、それらを同時に交換できるようになっている。
感光体2Kは、ドラム基体の表面上に有機感光層が形成されたものであって、駆動手段によって図中時計回り方向に回転駆動される。帯電装置6Kは、帯電バイアスが印加される帯電ローラ7Kを感光体2Kに接触あるいは近接させながら、帯電ローラ7Kと感光体2Kとの間に放電を発生させることで、感光体2Kの表面を一様帯電せしめる。第一実施形態に係るプリンタでは、トナーの正規帯電極性と同じマイナス極性に一様帯電せしめる。帯電バイアスとしては、直流電圧に交流電圧を重畳したものを採用している。帯電ローラ7Kは、金属製の芯金の表面に導電性弾性材料からなる導電性弾性層が被覆されたものである。帯電ローラ等の帯電部材を感光体2Kに接触あるいは近接させる方式に代えて、帯電チャージャーによる方式を採用してもよい。
一様帯電せしめられた感光体2Kの表面は、後述する光書込ユニットから発せられるレーザー光によって光走査されてK用の静電潜像を担持する。このK用の静電潜像は、Kトナーを用いる現像装置8Kによって現像されてKトナー像になる。そして、後述する中間転写ベルト31上に一次転写される。
ドラムクリーニング装置3Kは、一次転写工程(後述する一次転写ニップ)を経た後の感光体2K表面に付着している転写残トナーを除去する。回転駆動されるクリーニングブラシローラ4K、片持ち支持された状態で自由端を感光体2Kに当接させるクリーニングブレード5Kなどを有している。回転するクリーニングブラシローラ4Kで転写残トナーを感光体2K表面から掻き取ったり、クリーニングブレードで転写残トナーを感光体2K表面から掻き落としたりする。
上記除電装置は、ドラムクリーニング装置3Kによってクリーニングされた後の感光体2Kの残留電荷を除電する。この除電により、感光体2Kの表面が初期化されて次の画像形成に備えられる。
現像装置8Kは、現像剤担持体たる現像ロール9Kを内包する現像部12Kと、K現像剤を撹拌搬送する現像剤搬送部13Kとを有している。そして、現像剤搬送部13Kは、第1スクリュー部材10Kを収容する第1搬送室と、第2スクリュー部材11Kを収容する第2搬送室とを有している。それらスクリュー部材は、それぞれ、軸線方向の両端部がそれぞれ軸受けによって回転自在に支持される回転軸部材と、これの周面に螺旋状に突設せしめられた螺旋羽根とを具備している。
第1スクリュー部材10Kを収容している第1搬送室と、第2スクリュー部材11Kを収容している第2搬送室とは、仕切り壁によって仕切られているが、仕切壁におけるスクリュー軸線方向の両端箇所には、それぞれ両搬送室を連通させる連通口が形成されている。第1スクリュー部材10Kは、螺旋羽根内に保持しているK現像剤を、回転駆動に伴って回転方向に撹拌しながら、図中の紙面に直交する方向の奥側から手前側に向けて搬送する。第1スクリュー部材10Kと、後述する現像ロール9Kとは互いに向かい合う姿勢で平行配設されているため、このときのK現像剤の搬送方向は、現像ロール9Kの回転軸線方向に沿った方向でもある。そして、第1スクリュー部材10Kは、現像ロール9Kの表面に対してK現像剤をその軸線方向に沿って供給していく。
第1スクリュー部材10Kの図中手前側端部付近まで搬送されたK現像剤は、仕切壁の図中手前側端部付近に設けられた連通開口を通って、第2搬送室内に進入した後、第2スクリュー部材11Kの螺旋羽根内に保持される。そして、第2スクリュー部材11Kの回転駆動に伴って、回転方向に撹拌されながら、図中手前側から奥側に向けて搬送されていく。
第2搬送室内において、ケーシングの下壁にはトナー濃度センサーが設けられており、第2搬送室内のK現像剤のKトナー濃度を検知する。Kトナー濃度センサーとしては、透磁率センサーからなるものが用いられている。Kトナーと磁性キャリアとを含有するK現像剤の透磁率は、Kトナー濃度と相関関係があるため、透磁率センサーは、Kトナー濃度を検知していることになる。
第一実施形態に係るプリンタには、Y,M,C,K用の現像装置の第2収容室内にY,M,C,Kトナーをそれぞれ個別に補給するためのY,M,C,Kトナー補給手段が設けられている。そして、プリンタの制御部は、RAMに、Y,M,C,Kトナー濃度検知センサーからの出力電圧値の目標値であるY,M,C,K用のVtrefを記憶している。Y,M,C,Kトナー濃度検知センサーからの出力電圧値と、Y,M,C,K用のVtrefとの差が所定値を超えた場合には、その差に応じた時間だけY,M,C,Kトナー補給手段を駆動する。これにより、Y,M,C,K用の現像装置における第2搬送室内にY,M,C,Kトナーが補給される。
現像部12K内に収容されている現像ロール9Kは、第1スクリュー部材10Kに対向しているとともに、ケーシングに設けられた開口を通じて、感光体2Kにも対向している。また、現像ロール9Kは、回転駆動される非磁性パイプからなる筒状の現像スリーブと、これの内部にスリーブと連れ回らないように固定されたマグネットローラとを具備している。そして、第1スクリュー部材10Kから供給されるK現像剤をマグネットローラの発する磁力によってスリーブ表面に担持しながら、スリーブの回転に伴って、感光体2Kに対向する現像領域に搬送する。
現像スリーブには、トナーと同極性であって、感光体2Kの静電潜像の電位よりも絶対値が大きく、且つ感光体2Kの一様帯電電位よりも絶対値が小さな現像バイアスが印加されている。これにより、現像スリーブと感光体2Kの静電潜像との間には、現像スリーブ上のKトナーを静電潜像に向けて静電移動させる現像ポテンシャルが作用する。また、現像スリーブと感光体2Kの地肌部との間には、現像スリーブ上のKトナーをスリーブ表面に向けて移動させる非現像ポテンシャルが作用する。それら現像ポテンシャル及び非現像ポテンシャルの作用により、現像スリーブ上のKトナーが感光体2Kの静電潜像に選択的に転移して、静電潜像をKトナー像に現像する。
図1において、Y,M,C用のトナー像形成ユニット1Y,1M,1Cにおいても、K用のトナー像形成ユニット1Kと同様にして、感光体2Y,1M,1C上にY,M,Cトナー像が形成される。トナー像形成ユニット1Y,1M,1C,1Kの上方には、潜像書込手段たる光書込ユニット80が配設されている。この光書込ユニット80は、パーソナルコンピュータ等の外部機器から送られてくる画像情報に基づいてレーザーダイオードから発したレーザー光により、感光体2Y,2M,2C,2Kを光走査する。この光走査により、感光体2Y,2M,2C,2K上にY,M,C,K用の静電潜像が形成される。なお、光書込ユニット80は、光源から発したレーザー光Lを、ポリゴンモータによって回転駆動したポリゴンミラーで主走査方向に偏光せしめながら、複数の光学レンズやミラーを介して感光体に照射するものである。LEDアレイの複数のLEDから発したLED光によって光書込を行うものを採用してもよい。
トナー像形成ユニット1Y,1M,1C,1Kの下方には、無端状の中間転写ベルト31を張架しながら図中反時計回り方向に無端移動せしめる転写装置としての転写ユニット30が配設されている。転写ユニット30は、像担持体たる中間転写ベルト31の他に、駆動ローラ32、二次転写裏面ローラ33、クリーニングバックアップローラ34、4つの一次転写ローラ35Y,35M,35C,35Kなどを有している。また、ベルトクリーニング装置37、濃度センサー40なども有している。
中間転写ベルト31は、そのループ内側に配設された駆動ローラ32、二次転写裏面ローラ33、クリーニングバックアップローラ34、及び4つの一次転写ローラ35Y,35M,35C,35Kによって張架されている。そして、駆動手段によって図中反時計回り方向に回転駆動される駆動ローラ32の回転力により、同方向に無端移動せしめられる。
4つの一次転写ローラ35Y,35M,35C,35Kは、無端移動せしめられる中間転写ベルト31を感光体2Y,2M,2C,2Kとの間に挟み込んでいる。これにより、中間転写ベルト31のおもて面と、感光体2Y,2M,2C,2Kとが当接するY,M,C,K用の一次転写ニップが形成されている。一次転写ローラ35Y,35M,35C,35Kには、一次転写電源によってそれぞれ一次転写バイアスが印加されている。これにより、感光体2Y,2M,2C,2K上のY,M,C,Kトナー像と、一次転写ローラ35Y,35M,35C,35Kとの間に一次転写電界が形成される。Y用の感光体2Y表面に形成されたYトナーは、感光体2Yの回転に伴ってY用の一次転写ニップに進入する。そして、一次転写電界やニップ圧の作用により、感光体2Y上から中間転写ベルト31上に一次転写される。このようにしてYトナー像が一次転写せしめられた中間転写ベルト31は、その後、M,C,K用の一次転写ニップを順次通過する。そして、感光体2M,2C,2K上のM,C,Kトナー像が、Yトナー像上に順次重ね合わせて一次転写される。この重ね合わせの一次転写により、中間転写ベルト31上には4色重ね合わせトナー像が形成される。なお、一次転写ローラ35Y,35M,35C,35Kに代えて、転写チャージャーや転写ブラシなどを採用してもよい。
転写ユニット30の下方には、二次転写ニップおもてローラ36、シート搬送ベルト(一般的には二次転写ベルトや転写部材などとも呼称される)41などを具備するシート搬送ユニット38が配設されている。無端状のシート搬送ベルト41は、そのループ内側に配設された二次転写ニップおもてローラ36などの複数のローラによって張架された状態で、二次転写ニップおもてローラ36の回転駆動によって図中時計回り方向に回転せしめられる。そして、二次転写ニップおもてローラ36により、中間転写ベルト31の周方向における全域のうち、二次転写裏面ローラ33に対する掛け回し領域に当接して二次転写ニップを形成している。つまり、転写ユニット30の二次転写裏面ローラ33と、シート搬送ユニット38の二次転写ニップおもてローラ36とは、互いの間に中間転写ベルト31及びシート搬送ベルト41を挟み込んでいる。これにより、中間転写ベルト31のおもて面と、ニップ形成部材たるシート搬送ベルト41のおもて面とが当接する二次転写ニップが形成されている。シート搬送ベルト41のループ内に配設された二次転写ニップおもてローラ36は接地されているのに対し、中間転写ベルト31のループ内に配設された二次転写裏面ローラ33には、二次転写電源39によって二次転写バイアスが印加される。これにより、二次転写裏面ローラ33と、二次転写ニップおもてローラ36との間に、マイナス極性のトナーを二次転写裏面ローラ33側から二次転写ニップおもてローラ36側に向けて静電移動させる二次転写電界が形成される。なお、ニップ形成部材として、シート搬送ベルト41の代わりに、二次転写ローラを用い、これを中間転写ベルト31に直接当接させてもよい。
転写ユニット31の下方には、記録シートPを複数枚重ねた紙束の状態で収容している給送カセット100が配設されている。この給送カセット100は、紙束の一番上の記録シートPに給紙ローラ100aを当接させており、これを所定のタイミングで回転駆動させることで、その記録シートPを給送路に向けて送り出す。給送路の末端付近には、レジストローラ対101が配設されている。このレジストローラ対101は、給送カセット100から送り出された記録シートPをローラ間に挟み込むとすぐに両ローラの回転を停止させる。そして、挟み込んだ記録シートPを二次転写ニップ内で中間転写ベルト31上の4色重ね合わせトナー像に同期させ得るタイミングで回転駆動を再開して、記録シートPを二次転写ニップに向けて送り出す。二次転写ニップで記録シートPに密着せしめられた中間転写ベルト31上の4色重ね合わせトナー像は、二次転写電界やニップ圧の作用によって記録シートP上に一括二次転写されてフルカラートナー像となる。このようにして表面にフルカラートナー像が形成された記録シートPは、二次転写ニップを通過すると、中間転写ベルト31から曲率分離する。更に、シート搬送ベルト41を掛け回している分離ローラ42の曲率によってシート搬送ベルト41から曲率分離する。
なお、ニップ形成部材たるシート搬送ベルト41を中間転写ベルト31に当接させて二次転写ニップを形成する構成に代えて、次のような構成を採用してもよい。即ち、ニップ形成部材たるニップ形成ローラを中間転写ベルト31に当接させて二次転写ニップを形成する構成である。
二次転写ニップを通過した後の中間転写ベルト31には、記録シートPに転写されなかった転写残トナーが付着している。これは、中間転写ベルト31のおもて面に当接しているベルトクリーニング装置37によってベルト表面からクリーニングされる。中間転写ベルト31のループ内側に配設されたクリーニングバックアップローラ34は、ベルトクリーニング装置37によるベルトのクリーニングをループ内側からバックアップする。
濃度センサー40は、中間転写ベルト31のループ外側に配設されている。そして、中間転写ベルト31の周方向における全域のうち、駆動ローラ32に対する掛け回し箇所に対して、所定の間隙を介して対向している。この状態で、中間転写ベルト31上に一次転写されたトナー像が自らとの対向位置に進入した際に、そのトナー像の単位面積あたりのトナー付着量(画像濃度)を測定する。
二次転写ニップよりもシート搬送方向の下流側には、定着装置90が配設されている。この定着装置90は、ハロゲンランプ等の発熱源を内包する定着ローラ91と、これに所定の圧力で当接しながら回転する加圧ローラ92とによって定着ニップを形成している。定着装置90内に送り込まれた記録シートPは、その未定着トナー像担持面を定着ローラ91に密着させる姿勢で、定着ニップに挟まれる。そして、加熱や加圧の影響によってトナー像中のトナーが軟化さしめられて、フルカラー画像が定着せしめられる。定着装置90内から排出された記録シートPは、定着後搬送路を経由した後、機外へと排出される。
第一実施形態に係るプリンタは、モノクロ画像を形成する場合に、転写ユニット30におけるY,M,C用の一次転写ローラ35(Y,M,C)を支持している支持板の姿勢をソレノイド等の駆動によって変化させる。これにより、Y,M,C用の一次転写ローラ35(Y,M,C)を、感光体2(Y,M,C)から遠ざけて、中間転写ベルト31のおもて面を感光体2(Y,M,C)から離間させる。このようにして、中間転写ベルト31をブラック用の感光体2Kだけに当接させた状態で、4つのトナー像形成ユニット1(Y,M,C,K)のうち、黒用の画像形成ユニット1Kだけを駆動して、Kトナー像を黒用の感光体2K上に形成する。
図3は、中間転写ベルト31の横断面を部分的に示す拡大断面図である。中間転写ベルト31は、ある程度の屈曲性を有し且つ剛性の高い材料からなる無端ベルト状の基層31aと、これのおもて面上に積層された柔軟性に優れた弾性材料からなる弾性層31bとを具備している。弾性層31bには、粒子31cが分散せしめられていて、それらの粒子cが自らの一部を弾性層31bの表面から突出させた状態で、図4に示されるように、ベルト面方向に密集して並んでいる。それら複数の粒子31cにより、複数の凹凸がベルト面に形成されている。
基層31aの材料としては、樹脂中に、電気抵抗を調整するための充填材や添加材などからなる電気抵抗調整材を分散させたものを例示することができる。その樹脂としては、難燃性の観点からすると、例えば、PVDF(ポリフッ化ビニリデン)、ETFE(エチレン・四フッ化エチレン共重合体)などのフッ素系樹脂や、ポリイミド樹脂またはポリアミドイミド樹脂等が好ましい。また、機械強度(高弾性)や耐熱性の観点からすると、特にポリイミド樹脂又はポリアミドイミド樹脂が好適である。
樹脂中に分散せしめる電気抵抗調整材としては、金属酸化物やカーボンブラック、イオン導電剤、導電性高分子材料などを例示することができる。金属酸化物としては、酸化亜鉛、酸化スズ、酸化チタン、酸化ジルコニウム、酸化アルミニウム、酸化珪素等が挙げられる。分散性を向上させるために、前記金属酸化物に予め表面処理を施したものを用いても良い。カーボンブラックとしては、ケッチェンブラック、ファーネスブラック、アセチレンブラック、サーマルブラック、ガスブラック等が挙げられる。また、イオン導電剤としては、テトラアルキルアンモニウム塩、トリアルキルベンジルアンモニウム塩、アルキルスルホン酸塩、アルキルベンゼンスルホン酸塩が挙げられる。アルキルサルフェート、グルセリン脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンアルキルアミン、ポリオキシエチレン脂肪酸アルコールエステル、アルキルベタイン、過塩素酸リチウム等でもよい。それらのイオン導電剤を二種類以上混合して使用してもよい。なお、本発明を適用可能な電気抵抗調整材は、これまで例示したものに限られるものではない。
基層31aの前駆体となる塗工液(硬化前の液体の樹脂中に電気抵抗調整材を分散せしめたもの)には、必要に応じて、分散助剤、補強材、潤滑材、熱伝導材、酸化防止剤などを添加してもよい。中間転写ベルト31として好適に装備されるシームレスベルトの基層31aに含有される電気抵抗調整材の添加量は、好ましくは表面抵抗で1×108〜1×1013[Ω/□]、体積抵抗で1×106〜1×1012[Ω・cm]となる量とされる。但し、機械強度の観点から、成形膜が脆く割れやすくならない範囲の量を選択して添加することが必要である。つまり、樹脂成分(ポリイミド樹脂前駆体、ポリアミドイミド樹脂前駆体など)と電気抵抗調整材との配合率を適正に調整した塗工液を用いて、電気特性(表面抵抗及び体積抵抗)と機械強度のバランスがとれたシームレスベルトを製造して用いることが好ましい。電気抵抗調整材の含有量は、カーボンブラックの場合には、塗工液中の全固形分の10〜25[wt%]がよく、更に好ましくは15〜20[wt%]である。また、金属酸化物の場合の含有量は、塗工液中の全固形分の150[wt%]がよく、更に好ましくは10〜30[wt%]である。含有量が前述した範囲よりも少ないと十分な効果が得られず、また含有量が前述した範囲よりも多いと中間転写ベルト31(シームレスベルト)の機械強度が著しく低下するので、実使用上好ましくない。
基層31aの厚みは、特に制限されるものではなく、状況に応じて適宜選択することができるが、30μm〜150μmが好ましく、40μm〜120μmがより好ましく、50μm〜80μmが特に好ましい。基層31aの厚みが、30μm未満であると、亀裂によりベルトが裂けやすくなり、150μmを超えると、曲げによってベルトが割れることがあることがある。一方、基層31aの厚みが前述した特に好ましい範囲であると、耐久性の点で有利になる。
ベルト走行安定性を高めるためには、基層31aの層厚ムラをできるだけ少なくすることが好ましい。基層31aの厚みを調整する方法は、特に制限されるものではなく、状況に応じて適宜選択することができる。例えば、接触式や渦電流式の膜厚計での計測や膜の断面を走査型電子顕微鏡(SEM)で測定する方法が挙げられる。
中間転写ベルト31の弾性層31bは、上述したように、分散せしめられた複数の粒子31cによる凹凸形状を表面に有している。弾性層31bを形成するための弾性材料としては、汎用の樹脂・エラストマー・ゴムなどを例示することができる。特に、柔軟性(弾性)に優れた弾性材料を用いることが好ましく、エラストマー材料やゴム材料が好適である。エラストマー材料としては、ポリエステル系、ポリアミド系、ポリエーテル系、ポリウレタン系、ポリオレフィン系、ポリスチレン系、ポリアクリル系、ポリジエン系、シリコーン変性ポリカーボネート系などを例示することができる。フッ素系共重合体系等の熱可塑性エラストマーなどでもよい。また、熱硬化性の樹脂としては、ポリウレタン系、シリコーン変性エポキシ系、シリコーン変性アクリル系の樹脂等を例示することができる。また、ゴム材料としては、イソプレンゴム、スチレンゴム、ブタジエンゴム、ニトリルゴム、エチレンプロピレンゴム、ブチルゴム、シリコーンゴム、クロロプレンゴム、アクリルゴム等を例示することができる。更には、クロロスルホン化ポリエチレン、フッ素ゴム、ウレタンゴム、ヒドリンゴム等を例示することもできる。これまで例示した材料の中から、所望の性能が得られる材料を適宜選択することが可能である。特に、表面に凹凸のある記録シート、例えばレザック紙などの表面凹凸に追従させるためには、できるだけ柔らかい材料を選択することが好ましい。また、粒子31cを分散せしめることから、熱可塑性のものよりも熱硬化性のものの方が好ましい。熱硬化性のものの方が、その硬化反応に寄与する官能基の効果により樹脂粒子との密着性に優れ確実に固定化することが可能だからである。加硫ゴムも同様の理由により好ましい材料の1つである。
弾性層31bを構成する弾性材料の中でも、耐オゾン性、柔軟性、粒子との接着性、難燃性付与、耐環境安定性などの観点から、アクリルゴムが最も好ましい。アクリルゴムは一般的に市販されているものでよく、特定の製品に限定されるものではない。しかし、アクリルゴムの各種架橋系(エポキシ基、活性塩素基、カルボキシル基)の中ではカルボキシル基架橋系のものがゴム物性(特に圧縮永久歪み)及び加工性の点で優れているので、カルボキシル基架橋系のものを選択することが好ましい。カルボキシル基架橋系のアクリルゴムに用いられる架橋剤としては、アミン化合物が好ましく、多価アミン化合物が最も好ましい。このようなアミン化合物として、具体的には脂肪族多価アミン架橋剤、芳香族多価アミン架橋剤などを例示することができる。更に、脂肪族多価アミン架橋剤としては、ヘキサメチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミンカーバメイト、N,N’−ジシンナミリデン−1,6−ヘキサンジアミンなどを例示することができる。また、芳香族多価アミン架橋剤としては、4,4’−メチレンジアニリン、m−フェニレンジアミン、4,4’−ジアミノジフェニルエーテル、3,4’−ジアミノジフェニルエーテル、4,4’−(m−フェニレンジイソプロピリデン)ジアニリン等が挙げられる。4,4’−(p−フェニレンジイソプロピリデン)ジアニリン、2,2’−ビス〔4−(4−アミノフェノキシ)フェニル〕プロパン、4,4’−ジアミノベンズアニリド等でもよい。更には、4,4’−ビス(4−アミノフェノキシ)ビフェニル、m−キシリレンジアミン、p−キシリレンジアミン、1,3,5−ベンゼントリアミン、1,3,5−ベンゼントリアミノメチル等でもよい。
架橋剤の配合量の適正範囲は、アクリルゴム100重量部に対し、好ましくは0.05〜20重量部、より好ましくは0.1〜5重量部である。架橋剤の配合量が少なすぎると、架橋が十分に行われないため、架橋物の形状維持が困難になる。これに対し、含有量が多すぎると、架橋物が硬くなりすぎて、架橋ゴムとしての弾性などが損なわれる。
弾性層31bに用いるアクリルゴムには、上述した架橋剤の架橋反応を促進する狙いで、架橋促進剤を配合してもよい。架橋促進剤の種類は特に限定されるものではないが、前述した多価アミン架橋剤と組み合わせて用いることができるものであることが好ましい。このような架橋促進剤としては、グアニジン化合物、イミダゾール化合物、第四級オニウム塩、第三級ホスフィン化合物、弱酸のアルカリ金属塩などが挙げられる。グアニジン化合物としては、1,3−ジフェニルグアニジン、1,3−ジオルトトリルグアニジンなどが挙げられる。イミダゾール化合物としては、2−メチルイミダゾール、2−フェニルイミダゾールなどが挙げられる。第四級オニウム塩としては、テトラn−ブチルアンモニウムブロマイド、オクタデシルトリ―n−ブチルアンモニウムブロマイドなどが挙げられる。多価第三級アミン化合物としては、トリエチレンジアミン、1,8−ジアザ‐ビシクロ[5.4.0]ウンデセン−7(DBU)などが挙げられる。第三級ホスフィン化合物としては、トリフェニルホスフィン、トリ−p−トリルホスフィンなどが挙げられる。弱酸のアルカリ金属塩としては、ナトリウムまたはカリウムのリン酸塩、炭酸塩などの無機弱酸塩あるいはステアリン酸塩、ラウリル酸塩などの有機弱酸塩が挙げられる。
架橋促進剤の使用量の適正範囲は、アクリルゴム100重量部あたり、好ましくは0.1〜20重量部、より好ましくは0.3〜10重量部である。架橋促進剤が多すぎると、架橋時に架橋速度が早くなりすぎたり、架橋物表面ヘの架橋促進剤のブルームが生じたり、架橋物が硬くなりすぎたりする場合がある。これに対し、架橋促進剤が少なすぎると、架橋物の引張強さが著しく低下したり、熱負荷後の伸び変化または引張強さ変化が大きすぎたりする場合がある。
アクリルゴムの調製にあたっては、ロール混合、バンバリー混合、スクリュー混合、溶液混合などの適宜の混合方法を採用することが可能である。配合順序は特に限定されないが、熱で反応や分解しにくい成分を充分に混合した後、熱で反応しやすい成分あるいは分解しやすい成分として、例えば架橋剤などを、反応や分解が起こらない温度で短時間に混合すればよい。
アクリルゴムは、加熱することによって架橋物とすることができる。好ましい加熱温度は、130〜220℃であり、より好ましくは140℃〜200℃である。また、好ましい架橋時間は、30秒〜5時間である。加熱方法としては、プレス加熱、蒸気加熱、オーブン加熱、熱風加熱などのゴムの架橋に用いられる方法を適宜選択すればよい。また、一度架橋した後に、架橋物の内部まで確実に架橋させるために、後架橋を行ってもよい。後架橋の時間は、加熱方法、架橋温度、形状などによって異なるが、好ましくは1〜48時間である。後架橋を行う際の加熱方法、加熱温度については、適宜選択することが可能である。選択した材料に、電気特性を調整するための電気抵抗調整剤、難燃性を得るための難燃剤、必要に応じて、酸化防止剤、補強剤、充填剤、架橋促進剤などの材料を適宜含有させてもよい。さらに、電気特性を調整するための電気抵抗調整剤として、すでに述べた各種材料を使用することができる。但し、カーボンブラックや金属酸化物などは柔軟性を損なうため、使用量を抑えることが好ましく、イオン導電剤や導電性高分子を用いることも有効である。また、それらを併用しても構わない。
ゴム100重量部に対しは、種々の過塩素酸塩やイオン性液体を0.01部〜3部添加するのが好ましい。イオン導電剤の添加量が0.01部以下であると、抵抗率を下げる効果が得られない。また、添加量が3部以上であると、ベルト表面へ導電剤がブルーム又はブリードする可能性が高くなってしまう。
電気抵抗調整材の添加量については、弾性層31bの抵抗値を、表面抵抗で1×108〜1×1013[Ω/□]、体積抵抗で1×106〜1×1012[Ω・cm]の範囲にするように調整することが好ましい。また、近年の電子写真方式の画像形成装置に求められるような、凹凸シートへの高いトナー転写性を得るために、弾性層31bの23℃50%RH環境下でのマイクロゴム硬度値を35以下にするように柔軟性を調整することが好ましい。マルテンス硬度、ビッカース硬度など、いわゆる微小硬度での計測は、測定部位のバルク方向の浅い領域、すなわち表面近傍のごく限られた領域の硬度しか測定していなのでベルト全体としての変形性能は評価できない。このため、例えば中間転写ベルト31全体としての変形性能が低い構成のものに、最表面に柔軟な材料を用いた場合、微小硬度値を低くしてしまう。このような中間転写ベルト31は変形性能が低い、すなわち凹凸シートへの追従性が悪いので、結果として近年の画像形成装置に求められる凹凸シートへの転写性能を十分に発揮することができなくなってしまう。よって、中間転写ベルト31全体の変形性能を評価することが可能なマイクロゴム硬度を測定して中間転写ベルト31の柔軟性を評価することが好ましい。
弾性層31bの層厚は、200μm〜2mmが好ましく、400μm〜1000μmがより好ましい。層厚が200μmよりも小さいと、記録シートの表面凹凸への追従性や転写圧力の低減効果を低くしてしまうので好ましくない。また、層厚が2mmよりも大きいと、弾性層31bが自重によって撓み易くなって走行性を不安定にしたり、ベルトを張架しているローラへの掛け回しでベルトに亀裂を発生させ易くなったりするので好ましくない。なお、層厚の測定方法としては、断面を走査型顕微鏡(SEM)で観察することによって測定する方法を例示することができる。
弾性層31bの弾性材料に分散せしめる粒子31cとしては、平均粒子径が100μm以下であり、真球状の形状をしており、有機溶剤に不溶であり、且つ3%熱分解温度が200℃以上である樹脂粒子を用いる。粒子31cの樹脂材料に特に制限はないが、アクリル樹脂、メラミン樹脂、ポリアミド樹脂、ポリエステル樹脂、シリコーン樹脂、フッ素樹脂、ゴムなどを例示することができる。これらの樹脂材料からなる粒子の母体表面を異種材料で表面処理してもよい。ゴムからなる球状の母体粒子の表面に硬い樹脂をコートしてもよい。また、母体粒子として、中空のものや、多孔質のものを用いてもよい。
これまで例示した樹脂材料の中でも、滑性、トナーに対しての離型性、耐磨耗性などに優れているという観点から、シリコーン樹脂粒子が最も好ましい。樹脂材料を重合法などによって球状の形状に仕上げた粒子であることが好ましく、真球に近いものほど好ましい。また、粒子31cとしては、体積平均粒径が1.0μm〜5.0μmであり、且つ単分散粒子であるものを用いることが望ましい。単分散粒子は、単一粒子径の粒子ではなく、粒度分布が極めてシャープな粒子である。具体的には、±(平均粒径×0.5μm)以下の分布幅の粒子である。粒子31cの粒径が1.0μm未満であると、粒子31cによる転写性能の促進効果が十分に得られなくなる。これに対し、粒径が5.0μmよりも大きいと、粒子間の隙間が大きくなってベルト表面粗さを大きくしてしまうことから、トナーを良好に転写できなくなったり、中間転写ベルト31のクリーニング不良を発生させ易くなったりする。更には、樹脂材料からなる粒子31cは一般に絶縁性が高いことから、粒径が大きすぎると粒子31cの電荷により、連続プリント時にこの電荷の蓄積による画像乱れを引き起こし易くなる。
粒子31cとしては、特別に合成したものを用いても良いし、市販品を用いてもよい。粒子31cを弾性層31bに直接塗布して、ならすことにより容易に均一に整列させることができる。このようにすることで、粒子31c同士のベルト厚み方向の重なり合いをほぼなくすことができる。複数の粒子31cの弾性層31bの表面方向における断面の径は、できるだけ均一であることが望ましく、具体的には、±(平均粒径×0.5μm)以下の分布幅にすることが好ましい。このため、粒子31cの粉末として、粒径分布の小さなものを用いることが好ましいが、特定の粒径の粒子31cだけを選択的に弾性層31b表面に塗布することを実現する方法を採用すれば、粒径分布の比較的大きな粉末を用いることも可能である。なお、粒子31cを弾性層31b表面に塗布するタイミングは特に限定されず、弾性層31bの弾性材料の架橋前、架橋後の何れであってもよい。
粒子31cが分散せしめられた弾性層31bの表面方向において、粒子31が存在している部分と、弾性層31bの表面が露出している部分との投影面積比については、粒子31cが存在している部分の投影面積率を60%以上にすることが望ましい。60%に満たない場合には、トナーと弾性層31bの無垢の表面とを直接接触させる機会を増加させて良好なトナー転写性が得られなくなったり、ベルト表面からのトナークリーニング性を低下させたり、ベルト表面の耐フィルミング性を低下させたりする。なお、中間転写ベルト31として、弾性層31bに粒子31cを分散させていないものを用いることも可能である。
図5は、二次転写電源の電気回路の要部を、二次転写裏面ローラ33や二次転写ニップおもてローラ36などともに示すブロック図である。二次転写電源39は、直流電源110、着脱可能に構成された交流電源140、電源制御部200などを有している。直流電源110は、中間転写ベルト31の表面上のトナーに対して二次転写ニップ内でベルト側から記録シート側に向かう静電気力を付与するための直流電圧を出力するための電源である。そして、直流出力制御部111、直流駆動部112、直流電圧用トランス113、直流出力検知部114、出力異常検知部115、電気接続部221などを具備している。
交流電源140は、前述した直流電圧に重畳するための交流電圧を出力する電源である。そして、交流出力制御部141、交流駆動部142、交流電圧用トランス143、交流出力検知部144、除去部145、出力異常検知部146、電気接続部242と、電気接続部243などを具備している。
電源制御部200は、直流電源110及び交流電源140を制御するものであり、CPU(Central Processing Unit)、ROM(Read Only Memory)、及びRAM(Random Access Memory)などを有する制御装置からなる。直流出力制御部111には、電源制御部200から、直流電圧の出力の大きさを制御するDC_PWM信号が入力される。更に、直流出力検知部114によって検知された直流電圧用トランス113の出力値も入力される。そして、直流出力制御部111は、入力されたDC_PWM信号のデューティ比及び直流電圧用トランス113の出力値に基づいて、次のような制御を行う。即ち、直流電圧用トランス113の出力値をDC_PWM信号で指示された出力値にするように、直流駆動部112を介して直流電圧用トランス113の駆動を制御する。
直流駆動部112は、直流出力制御部111からの制御に従って、直流電圧用トランス113を駆動する。また、直流電圧用トランス113は、直流駆動部112によって駆動され、負極性の直流の高電圧出力を行う。なお、交流電源140が接続されていない場合には、電気接続部221と二次転写裏面ローラ33とがハーネス301によって電気的に接続されるので、直流電圧用トランス113は、ハーネス301を介して二次転写裏面ローラ33に直流電圧を出力(印加)する。一方、交流電源140が接続されている場合、電気接続部221と電気接続部242とがハーネス302によって電気的に接続されるので、直流電圧用トランス113は、ハーネス302を介して交流電源140に直流電圧を出力する。
直流出力検知部114は、直流電圧用トランス113からの直流高電圧の出力値を検知し、直流出力制御部111に出力する。また、直流出力検知部114は、検知した出力値をFB_DC信号(フィードバック信号)として電源制御部200に出力する。これは、環境や負荷によって転写性が落ちないように、電源制御部200においてDC_PWM信号のデューティを制御させるためである。本プリンタでは、二次転写電源39の本体に対して交流電源140が着脱可能であるため、交流電源140が接続されている場合と接続されていない場合とで、高電圧出力の出力経路のインピーダンスが変化する。このため、直流電源110が定電圧制御を行って直流電圧を出力した場合、交流電源140の有無に応じて出力経路中のインピーダンスが変化することにより分圧比が変化する。更に、二次転写裏面ローラ33に印加される高電圧が変化してしまうので、交流電源140の有無に応じて転写性が変化してしまう。
そこで、本プリンタでは、直流電源110が定電流制御を行って直流電圧を出力し、交流電源140の有無に応じて出力電圧を変化させるようになっている。これにより、出力経路中のインピーダンスが変化しても、二次転写裏面ローラ33に印加される高電圧を一定に保つことができ、交流電源140の有無によらず転写性を一定に保つことができる。更に、DC_PWM信号の値を変更せずに交流電源140を着脱することが可能になる。このように本プリンタでは、直流電源110を定電流制御するようになっているが、次のような構成を採用してもよい。即ち、交流電源140の着脱時にDC_PWM信号の値を変更するなどして、二次転写裏面ローラ33に印加される高電圧を一定に保つことができれば、直流電源110を定電圧制御する構成を採用してもよい。
出力異常検知部115は、直流電源110の出力ライン上に配置されており、電線の地絡等によって出力異常が発生した際には、リークなどの出力異常を示すSC信号を電源制御部200に出力する。これにより、電源制御部200による直流電源110からの高圧出力を停止するための制御を実施することが可能になる。
交流出力制御部141には、電源制御部200から、交流電圧の出力の大きさを制御するAC_PWM信号や、交流出力検知部144によって検知された交流電圧用トランス143の出力値が入力される。そして、交流出力制御部141は、入力されたAC_PWM信号のデューティ比、及び交流電圧用トランス143の出力値に基づいて、次のような制御を行う。即ち、交流電圧用トランス143の出力値がAC_PWM信号で指示された出力値となるように、交流駆動部142を介して交流電圧用トランス143の駆動を制御する。
交流駆動部142には、交流電圧の出力周波数を制御するAC_CLK信号が入力される。そして、交流駆動部142は、交流出力制御部141からの制御及びAC_CLK信号に基づいて、交流電圧用トランス143を駆動する。交流駆動部142は、AC_CLK信号に基づいて交流電圧用トランス143を駆動することで、交流電圧用トランス143によって生成される出力波形を、AC_CLK信号で指示された任意の周波数に制御することができる。
交流電圧用トランス143は、交流駆動部142によって駆動されて交流電圧を生成し、生成した交流電圧と直流電圧用トランス113から出力された直流の高電圧とを重畳して重畳電圧を生成する。交流電源140が接続されている場合、即ち、電気接続部243と二次転写裏面ローラ33とがハーネス301で電気的に接続されている場合、交流電圧用トランス143は、生成した重畳電圧を、ハーネス301を介して二次転写裏面ローラ33に印加する。なお、交流電圧用トランス143は、交流電圧を生成しない場合には、直流電圧用トランス113から出力された直流の高電圧を、ハーネス301を介して二次転写裏面ローラ33に出力(印加)する。二次転写裏面ローラ33に出力された電圧(重畳電圧又は直流電圧)は、その後、二次転写ニップおもてローラ36を介して直流電源110内に帰還する。
交流出力検知部144は、交流電圧用トランス143の交流電圧の出力値を検知して交流出力制御部141に出力する。また、検出した出力値をFB_AC信号(フィードバック信号)として電源制御部200に出力する。これは、環境や負荷によって転写性を低下させないように、電源制御部200においてAC_PWM信号のデューティを制御するためである。なお、交流電源140は、定電圧制御を行うものであるが、定電流制御を行うものを用いてもよい。また、交流電圧用トランス143(交流電源140)が生成する交流電圧の波形については、正弦波、矩形波の何れであってもよいが、本プリンタでは、短パルス状矩形波を採用している。交流電圧の波形を短パルス状矩形波にすることで、より画像品質の向上を図ることが可能になるからである。
第一実施形態に係るプリンタにおいては、Kトナーとして、カーボンブラックを含有するものを用いるようになっている。そして、Kトナー像だけでなく、他色のトナー像も形成するカラープリントモードにおいて、図6に示される特性の二次転写バイアスを転写バイアス部材としての二次転写裏面ローラ33に印加するようになっている。本プリンタでは、二次転写バイアスを中間転写ベルト31のループ内側に存在する二次転写裏面ローラ33に印加するようになっている。かかる構成では、二次転写バイアスをトナーと同極性のマイナス極性の値にしているときに、二次転写ニップ内でトナーをベルト側から記録シート側に静電移動させることになる。これに対し、本プリンタとは異なり、特許文献1に記載の画像形成装置のように、二次転写バイアスを中間転写ベルト31のループ外側にある二次転写ニップおもてローラ36に印加する構成にしたとする。かかる構成では、二次転写バイアスをトナーと逆極性のプラス極性の値にしているときに、二次転写ニップ内でトナーをベルト側から記録シート側に静電移動させることになる。
図6において、Vppは、重畳バイアスからなる二次転写バイアスの交流成分のピークツウピーク値である。また、第一ピーク値V1は、二次転写バイアスのピークツウピークにおける第一ピーク値と第二ピーク値とのうち、二次転写ニップ内でトナーを中間転写ベルト31側から記録シート側に向けて移動させる静電気力をより大きくする前記第一ピーク値である。また、第二ピーク値V2は、二次転写バイアスの第一ピーク値と第二ピーク値とのうち、二次転写ニップ内でトナーを中間転写ベルト31側から記録シート側に向けて移動させる静電気力をより大きくする前記第二ピーク値である。カラープリントモードにおいては、図示のように、第一ピーク値V1、第二ピーク値V2がともに、二次転写ニップでトナーをベルト側から記録シート側に移動させる転写方向の静電気力を発揮するマイナス極性である二次転写バイアスを印加する。第一ピーク値V1の値は例えば−7.0[kV]であり、第二ピーク値V2の値は例えば−0.6[kV]である。かかる構成では、−7.0[kV]の直流バイアスだけからなる二次転写バイアスを印加する構成に比べて、二次転写ニップにおけるトナーへの逆電荷(本例ではプラス電荷)の注入量を低減して、トナー像の二次転写不良の発生を抑えることができる。
以上が第一実施形態に係るプリンタの基本的な構成である。
次に、第一実施形態に係るプリンタの特徴的な構成について説明する。
本発明者らは、二次転写バイアスとして図6に示される特性のものを二次転写裏面ローラ33に印加する構成のプリンタ試験機を用意した。このプリンタ試験機の電源制御部200は、交流電源140及び直流電源110等からなる二次転写電源に対し、次のような特性の二次転写バイアスを出力させるようになっている。
・ピークツウピーク値Vpp:6.4[kV]
・第一ピーク値V1:−7.0[kV]
・第二ピーク値V2:−0.6[kV]
・直流バイアス(オフセット電圧Voff):−3.8[kV]
・平均電位Vave:−2.0[kV]
・交流成分の周期:0.66[ms]
・阻害側電位の持続時間tx:0.56[ms]
・デューティ:85%
なお、上記基線は、交流成分のピークツウピーク値における30[%]の電位の分だけ第二ピーク値V2を第一ピーク値V1側にシフトさせた値の位置で時間軸方向い延びる線である。例えば、図6においては、−2.52[kV]の位置で時間軸方向に延びているのが基線である。
また、上記ディーティは、次のような特性値である。即ち、一般に、重畳バイアスからなる二次転写バイアスの波形は、綺麗な矩形波にはならない。このため、電位が一方のピーク値(例えば第二ピーク値V2)から他方のピーク値(例えば第一ピーク値V1)まで立ち上がるまでや、電位が他方のピーク値から一方のピーク値に立ち上がるまでに、少しだけ時間を要する(ゼロでない)。このような波形の二次転写バイアスの波形において、ピークツウピークにおける一方のピーク値と他方のピーク値とのうち、二次転写ニップでベルト側から記録シート側へのトナーの静電移動をより阻害する方を阻害ピーク値と定義する。すると、第一実施形態では第二ピーク値V2が阻害ピーク値である。前述したように、阻害ピーク値を他方のピーク値に向けてピークツウピーク値の30%の値だけシフトさせた位置が波形の基線である。また、上記阻害側電位の持続時間txは、電位が基線よりも阻害ピーク値側の値になっている時間である。そして、波形の一周期における阻害側電位の持続時間txの割合がディーディである。
[第一テストプリント]
かかる構成のプリンタ試験機を用いてテストプリントを実施した。具体的には、プリンタ試験機の運転条件として、プロセス線速(感光体や中間転写ベルトの線速)を630[mm/s]に設定し、且つ、二次転写ニップ幅(ベルト移動方向のニップ長さ)を4[mm]に設定した。そして、温度23[℃]、湿度50[%]の環境下において、記録シートとして「OK特アート 279gsm(SRA3)」を用いて、黒ベタ画像をプリントした。また、Yベタ画像、Mベタ画像、Cベタ画像のそれぞれを互いに異なる用紙にプリンタした。この際、プリントジョブ中にジョブを一時停止させて二次転写ニップに進入する直前のベルト上のトナー付着量を測定したところ、次に列記する通りであった。
・Yトナー付着量:0.38[mg/cm2]
・Mトナー付着量:0.41[mg/cm2]
・Cトナー付着量:0.36[mg/cm2]
・Kトナー付着量:0.38[mg/cm2]
[第二テストプリント]
第一テストプリントと同じ条件で、黒ベタ画像をプリントした。また、Cベタ画像とMベタ画像との重ね合わせによる青ベタ画像を黒ベタ画像とは別の用紙にプリントした。そして、用紙上のベタ画像の転写性についてランクを視覚評価した。具体的には、用紙上で十分な画像濃度が得られている状態をランク5と評価した。また、ランク5に比べてやや薄いが、許容範囲の濃さが得られている状態をランク4として評価した。また、ランク4に比べてさらに薄く、ユーザーに提供する画質としては許容範囲を超える画像濃度の薄さになってしまう状態をランク3として評価した。また、ランク3に比べてさらに薄い状態をランク2として評価した。また、全体的に白っぽい場合やそれよりも薄い状態をランク1として評価した。ユーザーに提供できる画質の許容レベルは、ランク4以上である。
この結果、用紙上の青ベタ画像ではランク5という評価になったのに対し、別の用紙上の黒ベタ画像はランク3という評価になってしまった。二次転写ニップに進入する直前の中間転写ベルト31上では十分なKトナー付着量になっているので、黒ベタ画像では二次転写不良によって用紙上の画像濃度が不足したことになる。
このように、黒ベタ画像だけを用紙(記録シート)に二次転写する場合に二次転写不良が発生する原因について鋭意研究したところ、次のようなことを見出した。即ち、二次転写ニップに進入する直前における中間転写ベルト31上のトナーの帯電量Q/M[μC/g]が、Kトナーだけ著しく小さくなっていた。
図7は、二次転写ニップに進入する直前の中間転写ベルト31上のトナー像におけるトナー帯電量と、トナーの色との関係を示すグラフである。図示のように、黒ベタ画像のKトナーの帯電量Q/Mが、Cベタ画像のCトナーの帯電量Q/Mよりも小さくなっている。図示を省略したが、Mベタ画像のMトナーの帯電量Q/Mは、Cトナーの帯電量Q/Mよりも少しだけ大きくなり、Yベタ画像のYトナーの帯電量Q/Mは、Mトナーと同じか、あるいはMよりも少しだけ大きくなった。
Kトナーの帯電量Q/Mが他色のトナーの帯電量Q/Mよりも小さくなる理由は、主に二つあることが解った。一つ目の理由は、Yトナー像,Cトナー像,Mトナー像,Kトナー像のうち、一次転写工程が最後になるKトナー像だけ、他色用の一次転写ニップを通過しないことから、他色用の一次転写ニップを通過する際のチャージアップが生じないからである。Yトナー像,Mトナー像,Cトナー像は何れも、他色用の一次転写ニップを通過する際にチャージアップする。Yトナー像のYトナーの帯電量が各色トナー像の中で最も大きくなるのは、他色用の一次転写ニップでのチャージアップ量(通過回数)が最も多くなるからである。以下、他色用の転写工程を経ないことによってチャージアップしないこと起因して他色のトナーよりも帯電量Q/Mが低くなる現象を「無チャージアップ起因の低帯電量」という。
二つ目の理由は、Yトナー,Mトナー,Cトナー,Kトナーのうち、Kトナーだけカーボンブラックを含有していることから、摩擦帯電し難くなっていることである。図9は、一次転写ニップに進入する前の感光体2表面上における各色トナー像の帯電量Q/Mを示すグラフである。同図に帯電量Q/Mが示されるトナーは何れの色も一次転写ニップ進入前であることから、多色の一次転写ニップを通過することによるチャージアップを引き起こしていない。図示のように、前記チャージアップを引き起こす前においても、各色トナーのうち、Kトナーの帯電量Q/Mが最も小さくなっている。これは、Kトナーだけ、カーボンを含有しているからである。以下、カーボンを含有することによって帯電量が比較的低くなる現象を「カーボン起因の低帯電量」という。
[第三テストプリント]
二次転写バイアスの特性を変更した点の他は、第二テストプリントと同様の条件で、黒ベタ画像を用紙にプリントした。図8は、第三テストプリントで採用した二次転写バイアスの特性を示すグラフである。この二次転写バイアスの特性の具体的な内容は次の通りである。
・ピークツウピーク値Vpp:6.4[kV]
・第一ピーク値V1:−5.5[kV]
・第二ピーク値V2:0.9[kV]
・直流バイアス(オフセット電圧Voff):−2.3[kV]
・平均電位Vave:−0.5[kV]
・交流成分の周期:0.66[ms]
・阻害側電位の持続時間tx:0.56[ms]
・デューティ:85%
図6に示される二次転写バイスと異なる点は、直流バイアスの絶対値をより小さくしたことにより、第一ピーク値V1の絶対値をより小さくするとともに、第二ピーク値V2の極性をプラスにしている点である。かかる特性の二次転写バイアスの条件で用紙にプリントした黒ベタ画像の転写性についてランクを視覚評価したところ、結果はランク5であり、非常に良い結果が得られた。このように、第二テストプリントに比べて黒ベタ画像の二次転写性を向上させることができたのは、次に説明する理由による。即ち、第二ピーク値V2の極性をプラスにして二次転写バイアスの平均電位Vaveの絶対値をより小さくしたことで、二次転写ニップ内におけるKトナーへの逆電荷の注入量を低減して、逆電荷の注入に起因する二次転写不良の発生を抑えることができたのである。具体的には、モノクロモードでは、Yトナー,Mトナー,Cトナーの重ね合わせがないので、二次転写ニップに進入するトナー量がフルカラーモードに比べて少なくなる。このようなモノクロモードにおいて、フルカラーモードと同様の二次転写バイアスを採用すると、二次転写ニップ内でトナー粒子一個あたりにおける逆電荷の注入量がフルカラーモードに比べて増加する。これにより、トナーの正規極性の帯電量が非常に低下したり、トナーが逆帯電したりし易くなって、二次転写不良による画像濃度不足が発生し易くなってしまうのである。
そこで、第一実施形態に係るプリンタにおいては、二次転写バイアスを次のように制御するように、電源制御部200を構成している。即ち、各色トナー像のうち、少なくともYトナー像、Mトナー像及びCトナー像の何れか一つを記録シートに二次転写する場合には、第二ピーク値V2がトナーを転写方向に移動させるマイナス極性であるか、あるいはゼロである二次転写バイアスを出力する。つまり、カラープリントモードの場合には、第二ピーク値V2がトナーを転写方向に移動させるマイナス極性であるか、あるいはゼロである二次転写バイアスを出力する。これに対し、Kトナー像だけを記録シートに転写する場合には、第二ピーク値V2がゼロであるかあるいはトナーを転写方向とは逆方向に移動させるプラス極性である二次転写バイアスを出力する。つまり、モノクロプリントモードの場合には、第二ピーク値V2がゼロであるかあるいはトナーを転写方向とは逆方向に移動させるプラス極性である二次転写バイアスを出力する。
より詳しくは、フルカラーモードの場合には、第二ピーク値V2がトナーを転写方向に移動させるマイナス極性であるか、あるいはゼロである二次転写バイアスを出力する。これに対し、モノクロモードの場合には、第二ピーク値V2がゼロであるかあるいはトナーを転写方向とは逆方向に移動させるプラス極性である二次転写バイアスを出力する。
かかる構成では、第三テストプリントで立証されたように、各色トナー像のうち、トナーの正規極性の帯電量が最も小さくなるKトナー像だけを記録シートに二次転写する場合における転写不良の発生を抑えることができる。
なお、図6と図8との比較から明らかなように、第一ピーク値V1については、次のように制御する必要がある。即ち、モノクロプリントモードの場合には、カラープリントモードに比べて転写方向の静電気力をより小さくする値にする必要がある。より詳細な条件としては、電圧と時間との関係を示すグラフ波形において、転写方向の静電気力を発揮するマイナス極性側の面積について、モノクロプリントモードにおける面積をカラープリントモードにおける面積よりも小さくする必要がある。
特許文献1においては、出力画像の画像面積率に応じて二次転写バイアスの特性を異ならせるようになっており、二次転写ニップに進入するトナー量に応じて二次転写バイアスの特性を変化させる技術的思想が示唆されている。しかしながら、本発明は、トナー量に応じて二次転写バイアスの特性を変化させるという技術的思想に基づくものではない。図7のグラフから明らかなように、たとえ二次転写ニップに進入するトナー量が同じであっても、帯電量Q/Mの違いから、Cトナー像とKトナー像とで二次転写性が異なって、同じ特性の二次転写バイアスではKトナー像の二次転写不良が発生してしまう。本発明の技術的思想は、「カーボン起因の低帯電量」や「無チャージアップ起因の低帯電量」による転写不良の発生を抑えるというものである。
また、「カーボン起因の低帯電量」を「無チャージアップ起因の低帯電量」よりも顕著に発生させる仕様である場合には、Kトナー像の一次転写工程を最後にしていなくても、各色のうち、Kトナー像だけで二次転写不良を発生させる場合がある。例えば、K用のトナー像形成ユニット1Kを各色の最上流の位置に配設して、中間転写ベルト31に一次転写したKトナー像に対してY,M,C用の一次転写ニップを順次通過させるようにしたとする。かかる構成でも、二次転写ニップ進入直前のKトナーの帯電量Q/Mが各色のうちで最も小さくなることがある。このような場合にも、第一実施形態に係るプリンタのようにモノクロプリントモードとカラープリントモードとで二次転写バイアスの特性を異ならせることで、モノクロモードにおけるKトナー像の二次転写不良の発生を抑えることができる。
二次転写電源39が出力する二次転写バイアスは、モードに応じて次のおうに制御されるとよい。即ち、Kトナーだけを二次転写するとき(モノクロモード時)には、Kトナーの二次転写に適した値にする。具体的には、図8のグラフで示されるように、第二ピーク値V2がゼロであるがあるいはトナーを転写方向とは逆方向に移動させるプラス極性である二次転写バイアスを出力する。一方、Kトナー以外のトナーを含むトナー像を二次転写するとき(例えばY,M,C,Kトナーを用いるフルカラーモード時)には、次のようにする。即ち、帯電量の比較的高いYトナー,Mトナー,Cトナーの二次転写性と、帯電量の比較的低いKトナーの二次転写性との両立を図り得る値にする。より詳しくは、図6のグラフで示されるように、第二ピーク値V2がトナーを転写方向に移動させるマイナス極性であるかあるいはゼロである二次転写バイアスを出力する。
中間転写ベルト31として、本プリンタのように、最上層(弾性層31b)の素材に粒子31cを分散せしめたものを用いと、二次転写ニップ内におけるベルト表面とトナーとの接触面積を低減する。これにより、ベルト表面からのトナー離型性を向上させて、二次転写効率を高めることができる。しかしながら、規則的に並ぶ絶縁性の粒子31cの粒子間において、集中的に二次転写電流を流すことで、トナーに対して逆極性の電荷を注入し易くなる。このため、二次転写効率を高める狙いで粒子31cを分散させているにもかかわらず、却って二次転写効率を悪くしてしまうことになり兼ねない。そこで、モノクロモードの場合には、図6のグラフに示される特性に代えて、図8のグラフに示される特性の二次転写バイアスを出力して、逆電荷の注入によるKトナー像の二次転写不良の発生を抑えるという効果を確実に得ることが可能になる。
粒子31cとしては、トナーの正規帯電極性とは逆極性の帯電性能を有するものを用いることができる。本プリンタでは、正帯電性のメラミン樹脂からなる粒子などである。かかる構成では、粒子31cの電荷により、粒子間で二次転写電流が集中する現象の発生を抑えて、トナーへの逆電荷の注入量をより低減することができる。
また、粒子31cとして、トナーの正規帯電極性と同極性の帯電性能を有するものを用いてもよい。本プリンタでは、負帯電性のシリコーン樹脂粒子(商品名:トスパール)などである。
中間転写ベルト31として、最上層としてウレタンやテフロン(登録商標)などからなる表面層を設けたものを用いてもよい。また、ポリイミドやポリアミドイミドなどの樹脂からなる層を複数積層したものを用いてもよい。何れのベルトを用いる場合であっても、高デューティの二次転写バイアスを採用することで、画像濃度不足の発生を抑えることができる。
なお、フルカラープリントモードでは、一般に、記録シートに対する単位面積あたりのトナー付着量が多くなるので、フルカラーモードにおいても図8に示される特性の二次転写バイアスを採用すると、転写不良を引き起こし易くなってしまう。
また、従来、二次転写バイアスとしては、プリントモードにかかわらず、図8に示されるように、第一ピーク値V1と第二ピーク値V2とを互いに逆極性にしたものを採用していた。しかしながら、第一実施形態に係るプリンタでは、カラープリントモードにおいては、図6に示されるように、二つのピーク値を互いに同極性にしたものを採用している。極性を反転させないことで、中間転写ベルト31や二次転写裏面ローラ33などの放電に伴う劣化を抑えることができる。
次に、第一実施形態に係るプリンタにおける一部の構成を他の構成に変形した第1−1変形形態のプリンタについて説明する。なお、以下に特筆しない限り、第1−1変形形態に係るプリンタの構成は、第一実施形態と同様である。
第1−1変形形態に係るプリンタにおいては、Kトナーとして、カーボンブラックを含有しないものを用いるようになっていることから、「カーボン起因の低帯電量」が発生しない。また、K用のトナー像形成ユニット1Kを最上流側の位置に配設しているのに対し、C用のトナー像形成ユニット1Cを最下流側の位置に配設している。つまり、中間転写ベルト31に二次転写したCトナー像(最下流トナー像)については、他色用の一次転写ニップに通さないので、「無チャージアップ起因の低帯電量」を引き起こす。そして、二次転写ニップに進入する直前の各色トナーのうち、Cトナーの帯電量Q/Mが最も小さくなる。
そこで、第1−1変形形態に係るプリンタにおいては、二次転写バイアスを次のように制御するように、電源制御部200を構成している。即ち、最上流像担持体としてのK用の感光体2Kに担持したKトナー像を記録シートに二次転写する場合には、第二ピーク値V2がトナーを転写方向に移動させるマイナス極性であるかあるいはゼロである二次転写バイアスを出力する。これに対し、最下流像担持体としてのC用の感光体2Cに担持したCトナー像だけを記録シートに二次転写する場合には、第二ピーク値V2がゼロであるかあるいはトナーを転写方向とは逆方向に移動させるプラス極性である二次転写バイアスを出力する。より詳しくは、Kトナー像を記録シートに二次転写する場合には、図6のグラフで示される特性の二次転写バイアスを出力する一方で、Cトナー像だけを記録シートに二次転写する場合には、図8のグラフで示される特性の二次転写バイアスを出力する。かかる構成においては、Cトナー像だけを記録シートに二次転写する際におけるCトナー像の二次転写不良の発生を抑えることができる。
二次転写電源39が出力する二次園写バイアスは、モードに応じて次のように制御されるとよい。即ち、最下流像担持体としてのC用の感光体2Cに担持したCトナー像だけを二次転写するとき(第一モードのとき)には、Cトナーの二次転写に適した値にする。具体的には、図8のグラフで示されるように、第二ピーク値V2がゼロであるかあるいはトナーを転写方向とは逆方向に移動させるプラス極性である二次転写バイアスを出力する。一方、Cトナー以外のトナーを含むトナー像を二次転写するとき(例えばY,M,C,Kトナーを用いる第二モード時)には、次のようにする。即ち、帯電量の比較的高いYトナー,Mトナー,Kトナーの二次転写性と、帯電量の比較的低いCトナーの二次転写性との両立を図り得る値にする。具体的には、図6のグラフで示されるように、第二ピーク値V2がトナーを転写方向に移動させるマイナス極性であるかあるいはゼロである二次転写バイアスを出力する。
なお、第1−1変形形態に係るプリンタにおいて、Kトナー像は最上流トナー像である。また、第一ピーク値V1については、次のように制御する必要がある。即ち、Kトナー像を二次転写する場合には、Cトナー像だけを二次転写する場合に比べて転写方向の静電気力をより小さくする値にする必要がある。より詳細な条件としては、電圧と時間との関係を示すグラフ波形にて、転写方向の静電気力を発揮するマイナス極性側の面積について、Cトナー像だけを二次転写する場合における面積を、Kトナー像を二次転写する場合における面積よりも小さくする必要がある。
次に、第1−2変形形態に係るプリンタについて説明する。以下に特筆しない限り、第1−2変形形態に係るプリンタの構成は第一実施形態と同様である。
第1−2変形形態に係るプリンタにおいても、Kトナーとして、カーボンブラックを含有しないものを用いるようになっていることから、「カーボン起因の低帯電量」が発生しない。各色のトナー像形成ユニットの配設順序は、第一実施形態と同じY,M,C,Kという順であり、Kが最下流側になっている。各色トナーの特性や配設位置に起因して、中間転写ベルト31にそれぞれ単独で二次転写された各色トナー像のうち、Cトナー像のCトナーの帯電量Q/Mが最も小さくなる。
そこで、第1−2変形形態に係るプリンタにおいては、二次転写バイアスを次のように制御するように、電源制御部200を構成している。即ち、各色トナー像のうち、記録シートに二次転写される直前のトナーの帯電量Q/Mが最も大きくなる最大帯電量トナー像であるYトナー像を記録シートに二次転写する場合には、二次転写バイアスとして、次のような特性のものを出力する。第二ピーク値V2がトナーを転写方向に移動させるマイナス極性であるかあるいはゼロであるという特性である。これに対し、記録シートに二次転写される直前のトナーの帯電量Q/Mが最も小さくなる最小帯電量トナー像であるCトナー像だけを記録シートに二次転写する場合には、二次転写バイアスとして、次のような特性のものを出力する。第二ピーク値V2がゼロであるかあるいはトナーを転写方向とは逆方向に移動させるプラス極性であるという特性である。より詳しくは、Yトナー像を記録シートに二次転写する場合には、図6のグラフで示される特性の二次転写バイアスを出力する一方で、Cトナー像だけを記録シートに二次転写する場合には、図8のグラフで示される特性の二次転写バイアスを出力する。かかる構成においては、Cトナー像だけを記録シートに二次転写する際におけるCトナー像の二次転写不良の発生を抑えることができる。
二次転写電源39が出力する二次転写バイアスは、モードに応じて次のように制御されるとよい。即ち、記録シートに二次転写される直前のトナーの帯電量Q/Mが最も小さくなる最小帯電量トナー像であるCトナー像だけを二次転写するとき(第一モードのとき)には、Cトナーの二次転写性に適した値にする。具体的には、図8のグラフで示されるように、第二ピーク値V2がゼロであるかあるいはトナーを転写方向とは逆方向に移動させるプラス極性である二次転写バイアスを出力する。一方、Cトナー以外のトナーを含むトナー像を二次転写するとき(例えばY,M,C,Kトナーを用いる第二モードのとき)には、帯電量の比較的高いYトナー,Mトナー,Kトナーの二次転写性と、帯電量の比較的低いCトナーの二次転写性との両立を図り得る値にする。具体的には、図6のグラフで示されるように、第二ピーク値V2がトナーを転写方向に移動させるマイナス極性であるかあるいはゼロである二次転写バイアスを出力する。
なお、第一ピーク値V1については、次のように制御する必要がある。即ち、Yトナー像を二次転写する場合には、Cトナー像だけを二次転写する場合に比べて転写方向の静電気力をより小さくする値にする必要がある。より詳細な条件としては、電圧と時間との関係を示すグラフ波形において、転写方向の静電気力を発揮するマイナス極性側の面積について、Cトナー像だけを二次転写する場合における面積を、Yトナー像を二次転写する場合における面積よりも小さくする必要がある。
また、二次転写ニップに進入する直前のトナー像におけるトナーの帯電量Q/Mについては、次のようにして測定することが可能である。即ち、まず、帯電量測定用のベタトナー像を形成して中間転写ベルト31上に転写したら、それを二次転写ニップに進入させる前にプリンタを停止させる。そして、中間転写ベルト31上のベタトナー像のトナーをサックイン・ノズルによって吸引する。この吸引に先立って空のサックイン・ノズルの重量を電子天秤(Sartorius RC210S、METTLER TOLEDO AG285)によって測定しておく。そして、吸引後のサックイン・ノズルの重量を電子天秤によって測定し、ノズル重量変化分をトナー重量Mとする。エレクトロメータ(KEITHLEY 617、又はKEITHLEY 6517)により、電荷測定レンジを0.01〜1000[μC]に拡張した条件で電荷量Cを測定する。その後、算術によってトナー帯電量Q/Mを求める。
次に、本発明を適用したプリンタの第二実施形態について説明する。なお、第二実施形態に係るプリンタの基本的な構成については、第一実施形態に係るプリンタの基本的な構成と同じであるので、説明を省略する。
第一実施形態に係るプリンタにおいては、プリンタが置かれている部屋の環境が温度=23[℃]、湿度=50[%]RHのまま変化しないことを前提にしているが、プリンタが置かれている部屋の環境が変化する場合もある。そこで、本発明者らは、一次転写ニップに進入する前の感光体2表面上における各色トナー像の帯電量Q/Mと、環境との関係を調べる実験を行った。この結果を図10に示す。
同図において、MMは、中温中湿の環境を示しており、例えば温度=23[℃]、湿度=50[%](絶対湿度で8.6g/m3相当)の環境である。また、HHは、高温高湿の環境を示しており、例えば温度=27[℃]、湿度=80[%](絶対湿度で20.6g/m3相当)の環境である。また、LLは、低温低湿の環境を示しており、例えば温度=10[℃]、湿度=15[%](絶対湿度で1.4g/m3相当)の環境である。LLはMMやHHに比べてトナーの摩擦帯電量を多くする環境である。また、MMはHHに比べてトナーの摩擦帯電量を多くする環境である。また、HHはMMやLLに比べてトナーの摩擦帯電量を少なくする環境である。また、MMはLLに比べてトナーの摩擦帯電量を少なくする環境である。
同図に示されるように、HHでは、Y,M,C,Kの全ての色において、トナーの帯電量Q/MがMMにおけるKトナーの帯電量よりも少なくなっている。このため、HHにおいては、たとえフルカラーモードであっても、二次転写バイアスとして、一周期内で極性を反転させるものを用いないと、トナーに対する逆電荷の注入に起因する二次転写不良による画像濃度不足を発生させてしまう。
一方、LLでは、Y,M,C,Kの全ての色において、トナーの帯電量Q/MがMMにおけるトナーの帯電量よりも多くなっている。このため、LLにおいては、たとえモノクロモードであっても、二次転写バイアスとして、極性を反転させず、マイナス側の極性だけでピークツウピークを推移させるものを用いないと、二次転写電界の不足による画像濃度不足を発生させてしまう。
なお、MMでは、第一実施形態と同様に、モノクロモードにおいて一周期内で極性を反転させる二次転写バイアスを用いないと、トナーに対する逆電荷の注入に起因する二次転写不良による画像濃度不足を発生させてしまう。これに対し、カラーモードにおいて極性を反転させず、マイナス側の極性だけでピークツウピークを推移させるものを用いないと、二次転写電界の不足による画像濃度不足を発生させてしまう。
図11は、第二実施形態に係るプリンタにおける二次転写電源の電気回路の要部を、二次転写裏面ローラ33や二次転写ニップおもてローラ36などともに示すブロック図である。図示のように、電源制御部200には、機内温度を測定する温度センサー210と、機内湿度を測定する湿度センサー211とが接続されている。電源制御部200は、温度センサー210からの出力に基づいて機内温度を把握したり、湿度センサー211からの出力に基づいて機内湿度を把握したりすることができる。そして、それらの把握結果に基づいて、機内の環境について、HH、MM、LLの何れであるのかを把握する。例えば、温度及び湿度に基づいて算出される絶対湿度が14.6[g/m3]以上である場合をHHとし、5[g/m3]以上、14.6[g/m3]未満である場合をMMとし、5[g/m3]未満である場合をLLとする。
次に示す表1は、第二実施形態に係るプリンタにおける環境と二次転写バイアスの特性とプリントモードとの関係を示すグラフである。
表1に示されるように、電源制御部200は、環境がトナーの帯電量を比較的少なくするHHである場合には、カラーモード、及びモノクロモードのそれぞれで、周期的に極性を反転させる二次転写バイアスを二次転写電源39から出力させる。より詳しくは、環境がHHであり且つフルカラーモードの場合には、図12に示される特性の二次転写バイアスを二次転写電源39から出力させる。また、環境がHHであり且つモノクロモードの場合には、図13に示される特性の二次転写バイアスを二次転写電源39から出力させる。何れの二次転写バイアスも一周期内で極性を反転させる特性のものであるが、カラーモードで用いられる二次転写バイアスでは、モノクロモードで用いられる二次転写バイアスに比べて、第二ピーク値V2(プラス側のピーク値)が低くなっている。これにより、モノクロモードで用いられる二次転写バイアスに比べて、転写方向の電界強度を強くしている。
また、電源制御部200は、環境がMMである場合や、LLである場合であって、且つフルカラーモードの場合には、極性を反転させずにマイナス側だけで推移する二次転写バイアスを二次転写電源39から出力させる。より詳しくは、環境がMMであって且つフルカラーモードの場合には、図6に示される特性の二次転写バイアスを二次転写電源39から出力させる。また、環境がLLであって且つフルカラーモードの場合には、図14で示される特性の二次転写バイアスを二次転写電源39から出力させる。何れの二次転写バイアスもマイナス側の極性だけで推移する特性のものであるが、MMの場合にはLLの場合に比べて第二ピーク値V2の絶対値が低くなっている。これにより、LLの場合に比べてトナーに対する逆電荷の注入を抑えている。
また、電源制御部200は、環境がMMであって且つモノクロモードの場合には、図8に示される特性の二次転写バイアスを二次転写電源39から出力させる。一周期内で極性を反転させる特性の二次転写バイアスであるので、トナーに対する逆電荷の注入による画像濃度不足の発生を抑えることができる。
また、電源制御部200は、環境がLLであって且つモノクロモードの場合には、図15に示される特性の二次転写バイアスを二次転写電源39から出力させる。この二次転写バイアスは、図14に示される二次転写バイアスと同様にマイナス側の極性だけで推移するものであるが、図14に示される二次転写バイアスに比べて第二ピーク値V2の絶対値が低くなっている。これにより、トナーに対する逆電荷の注入をより抑えている。
かかる構成においては、環境にかかわらず、トナーに対する逆電荷の注入に起因する画像濃度不足の発生を抑えつつ、二次転写電界の不足による画像濃度不足の発生を抑えることができる。
なお、トナーの種類によっては、図10のグラフとは異なり、HHにおいて、Y,M,Cのうちの少なくとも一部で、トナーの帯電量Q/MがMMにおけるKトナーの帯電量よりも多くなる場合もあり得る。また、LLにおいて、Y,M,Cのうちの少なくとも一部で、トナーの帯電量Q/MがMMにおけるトナーの帯電量よりも少なくなる場合もあり得る。それらの場合には、例えば次の表2〜表5で示されるような関係で二次転写バイアスの特性を選択してもよい。表1〜表5の特性において共通する事項は、HHでは、フルカラーモード、モノクロモードの両方で極性を反転させるのに対し、LLにおけるフルカラーモードでは、マイナス側だけで推移させる点である。
また、それぞれの特性の二次転写バイアスにおいて、ピークツウピークVppやデューティを一定にした例について説明したが、それぞれの特性の二次転写バイアスにおいて、ピークツウピーク値やデューティを異ならせてもよい。また、マイナス側だけで推移する特性の二次転写バイアスにおいては、重畳電圧ではなくて直流電圧だけからなるものを採用してもよい。また、環境として、温度及び湿度の両方を検知する例について説明したが、温度だけ又は湿度だけを検知した結果に基づいて二次転写バイアスを制御するようにしてもよい。
次に、第二実施形態に係るプリンタにおける一部の構成を他の構成に変形した第2−1変形形態のプリンタについて説明する。なお、以下に特筆しない限り、第2−1変形形態に係るプリンタの構成は、第二実施形態と同様である。
第2−1変形形態に係るプリンタにおいては、Kトナーとして、カーボンブラックを含有しないものを用いるようになっていることから、「カーボン起因の低帯電量」が発生しない。また、K用のトナー像形成ユニット1Kを最上流側の位置に配設しているのに対し、C用のトナー像形成ユニット1Cを最下流側の位置に配設している。かかる構成では、第1−2変形形態に係るプリンタと同様に、二次転写ニップに進入する直前の各色トナーのうち、Cトナーの帯電量Q/Mが最も小さくなる。
第2−1変形形態に係るプリンタにおいては、二次転写バイアスを次の表6のように制御するように、電源制御部200を構成している。
表6に示されるように、電源制御部200は、環境がトナーの帯電量を比較的少なくするHHである場合には、次のような二次転写バイアスを二次転写電源39から出力させる。即ち、最上流像担持体としてのK用の感光体2Kに担持したKトナー像を二次転写する場合、最下流像担持体としてのC用の感光体2Cに担持したCトナー像だけを二次転写する場合のそれぞれで、周期的に極性を反転させる二次転写バイアスを用いる。より詳しくは、環境がHHであり且つKトナー像を二次転写する場合には、図12に示される特性の二次転写バイアスを二次転写電源39から出力させる。また、環境がHHであり且つC単色のトナー像を二次転写する場合には、図13に示される特性の二次転写バイアスを二次転写電源39から出力させる。何れの二次転写バイアスも一周期内で極性を反転させる特性のものである。但し、Kトナー像を二次転写する際に用いられる二次転写バイアスでは、C単色トナー像を二次転写する際に用いられる二次転写バイアスに比べて、第二ピーク値V
2(プラス側のピーク値)が低くなっている。これにより、C単色トナー像を形成する場合に比べて、転写方向の電界強度を強くしている。
また、電源制御部200は、環境がMMである場合や、LLである場合であって、且つKトナー像を二次転写する場合には、極性を反転させずにマイナス側だけで推移する二次転写バイアスを二次転写電源39から出力させる。より詳しくは、環境がMMであって且つKトナー像を二次転写する場合には、図6に示される特性の二次転写バイアスを二次転写電源39から出力させる。また、環境がLLであって且つKトナー像を二次転写する場合には、図14で示される特性の二次転写バイアスを二次転写電源39から出力させる。何れの二次転写バイアスもマイナス側の極性だけで推移する特性のものであるが、MMの場合にはLLの場合に比べて第二ピーク値V2の絶対値が低くなっている。これにより、LLの場合に比べてトナーに対する逆電荷の注入を抑えている。
また、電源制御部200は、環境がMMであって且つC単色トナー像を二次転写する場合には、図8に示される特性の二次転写バイアスを二次転写電源39から出力させる。一周期内で極性を反転させる特性の二次転写バイアスであるので、トナーに対する逆電荷の注入による画像濃度不足の発生を抑えることができる。
また、電源制御部200は、環境がLLであって且つC単色トナー像を二次転写する場合には、図15に示される特性の二次転写バイアスを二次転写電源39から出力させる。この二次転写バイアスは、図14に示される二次転写バイアスと同様にマイナス側の極性だけで推移するものであるが、図14に示される二次転写バイアスに比べて第二ピーク値V2の絶対値が低くなっている。これにより、トナーに対する逆電荷の注入をより抑えている。
かかる構成においても、環境にかかわらず、トナーに対する逆電荷の注入に起因する画像濃度不足の発生を抑えつつ、二次転写電界の不足による画像濃度不足の発生を抑えることができる。
なお、トナーの種類によっては、例えば次の表7〜表10で示されるような関係で二次転写バイアスの特性を選択してもよい。表6〜表10の特性において共通する事項は、HHでは、Kトナー像を二次転写する場合、C単色トナー像を二次転写する場合の両方で極性を反転させるのに対し、LLでKトナー像を二次転写する場合には、マイナス側だけで推移させる点である。
次に、第2−2変形形態に係るプリンタについて説明する。以下に特筆しない限り、第2−2変形形態に係るプリンタの構成は第二実施形態と同様である。
第2−2変形形態に係るプリンタにおいても、Kトナーとして、カーボンブラックを含有しないものを用いるようになっていることから、「カーボン起因の低帯電量」が発生しない。各色のトナー像形成ユニットの配設順序は、第二実施形態と同じY,M,C,Kという順であり、Kが最下流側になっている。各色トナーの特性や配設位置に起因して、中間転写ベルト31にそれぞれ単独で二次転写された各色トナー像のうち、Cトナー像のCトナーの帯電量Q/Mが最も小さくなる。
第2−2変形形態に係るプリンタにおいては、二次転写バイアスを次の表11のように制御するように、電源制御部200を構成している。
表11に示されるように、電源制御部200は、環境がトナーの帯電量を比較的少なくするHHである場合には、次のような二次転写バイアスを二次転写電源39から出力させる。二次転写前の帯電量Q/Mが最も大きくなる最大帯電量トナー像であるYトナー像を二次転写する場合、二次転写前の帯電量Q/Mが最も小さくなる最小帯電量トナー像であるCトナー像だけを二次転写する場合の何れでも同様の特性の二次転写バイアスを用いる。周期的に極性を反転させる特性の二次転写バイアスである。より詳しくは、環境がHHであり且つYトナー像を二次転写する場合には、図12に示される特性の二次転写バイアスを二次転写電源39から出力させる。また、環境がHHであり且つC単色のトナー像を二次転写する場合には、図13に示される特性の二次転写バイアスを二次転写電源39から出力させる。何れの二次転写バイアスも一周期内で極性を反転させる特性のものである。但し、Yトナー像を二次転写する際に用いられる二次転写バイアスでは、C単色トナー像を二次転写する際に用いられる二次転写バイアスに比べて、第二ピーク値V2(プラス側のピーク値)が低くなっている。これにより、C単色トナー像を形成する場合に比べて、転写方向の電界強度を強くしている。
また、電源制御部200は、環境がMMである場合や、LLである場合であって、且つYトナー像を二次転写する場合には、極性を反転させずにマイナス側だけで推移する二次転写バイアスを二次転写電源39から出力させる。より詳しくは、環境がMMであって且つYトナー像を二次転写する場合には、図6に示される特性の二次転写バイアスを二次転写電源39から出力させる。また、環境がLLであって且つYトナー像を二次転写する場合には、図14で示される特性の二次転写バイアスを二次転写電源39から出力させる。何れの二次転写バイアスもマイナス側の極性だけで推移する特性のものであるが、MMの場合にはLLの場合に比べて第二ピーク値V2の絶対値が低くなっている。これにより、LLの場合に比べてトナーに対する逆電荷の注入を抑えている。
また、電源制御部200は、環境がMMであって且つC単色トナー像を二次転写する場合には、図8に示される特性の二次転写バイアスを二次転写電源39から出力させる。一周期内で極性を反転させる特性の二次転写バイアスであるので、トナーに対する逆電荷の注入による画像濃度不足の発生を抑えることができる。
また、電源制御部200は、環境がLLであって且つC単色トナー像を二次転写する場合には、図15に示される特性の二次転写バイアスを二次転写電源39から出力させる。この二次転写バイアスは、図14に示される二次転写バイアスと同様にマイナス側の極性だけで推移するものであるが、図14に示される二次転写バイアスに比べて第二ピーク値V2の絶対値が低くなっている。これにより、トナーに対する逆電荷の注入をより抑えている。
かかる構成においても、環境にかかわらず、トナーに対する逆電荷の注入に起因する画像濃度不足の発生を抑えつつ、二次転写電界の不足による画像濃度不足の発生を抑えることができる。
なお、トナーの種類によっては、例えば次の表12〜表15で示されるような関係で二次転写バイアスの特性を選択してもよい。表11〜表15の特性において共通する事項は、HHでは、Yトナー像を二次転写する場合、C単色トナー像を二次転写する場合の両方で極性を反転させるのに対し、LLでYトナー像を二次転写する場合には、マイナス側だけで推移させる点である。
次に、本発明を適用したプリンタの第三実施形態について説明する。なお、第三実施形態に係るプリンタの基本的な構成については、第一実施形態に係るプリンタの基本的な構成と同じであるので、説明を省略する。
第三実施形態に係るプリンタは、第二実施形態に係るプリンタと同様に、機内温度を測定する温度センサー210と、機内湿度を測定する湿度センサー211とを有している。電源制御部200は、それらの検知結果に基づいて、機内の環境について、HH、MM、LLの何れであるのかを把握する。例えば、温度及び湿度に基づいて算出される絶対湿度が14.6[g/m3]以上である場合をHHとし、5[g/m3]以上、14.6[g/m3]未満である場合をMMとし、5[g/m3]未満である場合をLLとする。
次に示す表16は、第三実施形態に係るプリンタにおける環境と二次転写バイアスの特性とプリントモードとの関係を示すグラフである。
表16に示されるように、電源制御部200は、環境がトナーの帯電量を比較的少なくするHHである場合には、カラーモード、及びモノクロモードのそれぞれで、周期的に極性を反転させる二次転写バイアスを二次転写電源39から出力させる。より詳しくは、環境がHHであり且つフルカラーモードの場合には、図12に示される特性の二次転写バイアスを二次転写電源39から出力させる。また、環境がHHであり且つモノクロモードの場合には、図13に示される特性の二次転写バイアスを二次転写電源39から出力させる。何れの二次転写バイアスも一周期内で極性を反転させる特性のものであるが、カラーモードで用いられる二次転写バイアスでは、モノクロモードで用いられる二次転写バイアスに比べて、第二ピーク値V2(プラス側のピーク値)が低くなっている。これにより、モノクロモードで用いられる二次転写バイアスに比べて、転写方向の電界強度を強くしている。
また、電源制御部200は、環境がMMである場合にも、カラーモード、及びモノクロモードのそれぞれで、周期的に極性を反転させる二次転写バイアスを二次転写電源39から出力させる。より詳しくは、環境がMMであり且つフルカラーモードの場合には、図12に示される特性の二次転写バイアスを二次転写電源39から出力させる。また、環境がMMであり且つモノクロモードの場合には、図13に示される特性の二次転写バイアスを二次転写電源39から出力させる。何れの二次転写バイアスも一周期内で極性を反転させる特性のものである。
また、電源制御部200は、環境がトナーの帯電量を比較的多くするLLである場合には、カラーモード、及びモノクロモードのそれぞれで、マイナス側だけで推移する二次転写バイアスを用いる。より詳しくは、環境がLLであって且つフルカラーモードの場合には、図14で示される特性の二次転写バイアスを二次転写電源39から出力させる。また、環境がLLであって且つモノクロモードの場合には、図15に示される特性の二次転写バイアスを二次転写電源39から出力させる。この二次転写バイアスは、図14に示される二次転写バイアスと同様にマイナス側の極性だけで推移するものであるが、図14に示される二次転写バイアスに比べて第二ピーク値V2の絶対値が低くなっている。これにより、トナーに対する逆電荷の注入をより抑えている。
かかる構成においても、環境にかかわらず、トナーに対する逆電荷の注入に起因する画像濃度不足の発生を抑えつつ、二次転写電界の不足による画像濃度不足の発生を抑えることができる。
なお、トナーの種類によっては、例えば次の表17〜表19で示されるような関係で二次転写バイアスの特性を選択してもよい。表16〜表19の特性において共通する事項は、LLでは、フルカラーモード、モノクロモードの両方でマイナス側だけで推移する二次転写バイアスを用い、HH又はMMにおけるモノクロモードでは、極性を反転させる二次転写バイアスを用いる点である。
また、それぞれの特性の二次転写バイアスにおいて、ピークツウピークVppやデューティを一定にした例について説明したが、それぞれの特性の二次転写バイアスにおいて、ピークツウピーク値やデューティを異ならせてもよい。また、マイナス側だけで推移する特性の二次転写バイアスにおいては、重畳電圧ではなくて直流電圧だけからなるものを採用してもよい。
次に、第三実施形態に係るプリンタにおける一部の構成を他の構成に変形した第3−1変形形態のプリンタについて説明する。なお、以下に特筆しない限り、第3−1変形形態に係るプリンタの構成は、第三実施形態と同様である。
第3−1変形形態に係るプリンタにおいては、Kトナーとして、カーボンブラックを含有しないものを用いるようになっていることから、「カーボン起因の低帯電量」が発生しない。また、K用のトナー像形成ユニット1Kを最上流側の位置に配設しているのに対し、C用のトナー像形成ユニット1Cを最下流側の位置に配設している。かかる構成では、第1−2変形形態に係るプリンタと同様に、二次転写ニップに進入する直前の各色トナーのうち、Cトナーの帯電量Q/Mが最も小さくなる。
第3−1変形形態に係るプリンタにおいては、二次転写バイアスを次の表20のように制御するように、電源制御部200を構成している。
表20に示されるように、電源制御部200は、環境がトナーの帯電量を比較的少なくするHHである場合には、次のような二次転写バイアスを二次転写電源39から出力させる。即ち、最上流像担持体としてのK用の感光体2Kに担持したKトナー像を二次転写する場合、最下流像担持体としてのC用の感光体2Cに担持したCトナー像だけを二次転写する場合のそれぞれで、周期的に極性を反転させる二次転写バイアスを用いる。より詳しくは、環境がHHであり且つKトナー像を二次転写する場合には、図12に示される特性の二次転写バイアスを二次転写電源39から出力させる。また、環境がHHであり且つC単色のトナー像を二次転写する場合には、図13に示される特性の二次転写バイアスを二次転写電源39から出力させる。何れの二次転写バイアスも一周期内で極性を反転させる特性のものである。但し、Kトナー像を二次転写する際に用いられる二次転写バイアスでは、C単色トナー像を二次転写する際に用いられる二次転写バイアスに比べて、第二ピーク値V
2(プラス側のピーク値)が低くなっている。これにより、C単色トナー像を形成する場合に比べて、転写方向の電界強度を強くしている。
また、電源制御部200は、環境がMMである場合にも、Kトナー像を二次転写する場合、C単色トナー像を二次転写する場合のそれぞれで、周期的に極性を反転させる二次転写バイアスを用いる。より詳しくは、環境がMMであり且つKトナー像を二次転写する場合には、図12に示される特性の二次転写バイアスを二次転写電源39から出力させる。また、環境がMMであり且つC単色のトナー像を二次転写する場合には、図13に示される特性の二次転写バイアスを二次転写電源39から出力させる。何れの二次転写バイアスも一周期内で極性を反転させる特性のものである。
また、電源制御部200は、環境がLLである場合には、Kトナー像を二次転写する場合、C単色トナー像を二次転写する場合のそれぞれで、マイナス側だけで推移する二次転写バイアスを用いる。より詳しくは、環境がLLであって且つKトナー像を二次転写する場合には、図14で示される特性の二次転写バイアスを二次転写電源39から出力させる。また、環境がLLであって且つC単色トナー像を二次転写する場合には、図15に示される特性の二次転写バイアスを二次転写電源39から出力させる。この二次転写バイアスは、図14に示される二次転写バイアスと同様にマイナス側の極性だけで推移するものであるが、図14に示される二次転写バイアスに比べて第二ピーク値V2の絶対値が低くなっている。これにより、トナーに対する逆電荷の注入をより抑えている。
かかる構成においても、環境にかかわらず、トナーに対する逆電荷の注入に起因する画像濃度不足の発生を抑えつつ、二次転写電界の不足による画像濃度不足の発生を抑えることができる。
なお、トナーの種類によっては、例えば次の表21〜表23で示されるような関係で二次転写バイアスの特性を選択してもよい。表20〜表23の特性において共通する事項は、LLでは、Kトナー像を二次転写する場合、C単色トナー像を二次転写する場合の両方でマイナス側だけで推移する二次転写バイアスを用いる点である。また、HH又はMMでKトナー像を二次転写する場合には、極性を反転させる二次転写バイアスを用いる点も共通する。
次に、第3−2変形形態に係るプリンタについて説明する。以下に特筆しない限り、第3−2変形形態に係るプリンタの構成は第三実施形態と同様である。
第3−2変形形態に係るプリンタにおいても、Kトナーとして、カーボンブラックを含有しないものを用いるようになっていることから、「カーボン起因の低帯電量」が発生しない。各色のトナー像形成ユニットの配設順序は、第三実施形態と同じY,M,C,Kという順であり、Kが最下流側になっている。各色トナーの特性や配設位置に起因して、中間転写ベルト31にそれぞれ単独で二次転写された各色トナー像のうち、Cトナー像のCトナーの帯電量Q/Mが最も小さくなる。
第3−2変形形態に係るプリンタにおいては、二次転写バイアスを次の表24のように制御するように、電源制御部200を構成している。
表24に示されるように、電源制御部200は、環境がトナーの帯電量を比較的少なくするHHである場合には、次のような二次転写バイアスを二次転写電源39から出力させる。二次転写前の帯電量Q/Mが最も大きくなる最大帯電量トナー像であるYトナー像を二次転写する場合、二次転写前の帯電量Q/Mが最も小さくなる最小帯電量トナー像であるCトナー像だけを二次転写する場合の何れでも同様の特性の二次転写バイアスを用いる。周期的に極性を反転させる特性の二次転写バイアスである。より詳しくは、環境がHHであり且つYトナー像を二次転写する場合には、図12に示される特性の二次転写バイアスを二次転写電源39から出力させる。また、環境がHHであり且つC単色のトナー像を二次転写する場合には、図13に示される特性の二次転写バイアスを二次転写電源39から出力させる。何れの二次転写バイアスも一周期内で極性を反転させる特性のものである。但し、Yトナー像を二次転写する際に用いられる二次転写バイアスでは、C単色トナー像を二次転写する際に用いられる二次転写バイアスに比べて、第二ピーク値V2(プラス側のピーク値)が低くなっている。これにより、C単色トナー像を形成する場合に比べて、転写方向の電界強度を強くしている。
また、電源制御部200は、環境がMMである場合にも、次のような二次転写バイアスを二次転写電源39から出力させる。二次転写前の帯電量Q/Mが最も大きくなる最大帯電量トナー像であるYトナー像を二次転写する場合、二次転写前の帯電量Q/Mが最も小さくなる最小帯電量トナー像であるCトナー像だけを二次転写する場合の何れでも同様の特性の二次転写バイアスを用いる。周期的に極性を反転させる特性の二次転写バイアスである。より詳しくは、環境がMMであり且つYトナー像を二次転写する場合には、図12に示される特性の二次転写バイアスを二次転写電源39から出力させる。また、環境がMMであり且つC単色のトナー像を二次転写する場合には、図13に示される特性の二次転写バイアスを二次転写電源39から出力させる。何れの二次転写バイアスも一周期内で極性を反転させる特性のものである。
また、電源制御部200は、環境がLLである場合には、次のような二次転写バイアスを二次転写電源39から出力させる。二次転写前の帯電量Q/Mが最も大きくなる最大帯電量トナー像であるYトナー像を二次転写する場合、二次転写前の帯電量Q/Mが最も小さくなる最小帯電量トナー像であるCトナー像だけを二次転写する場合の何れでも同様の特性の二次転写バイアスを用いる。マイナス側だけで推移する二次転写バイアスである。より詳しくは、環境がLLであって且つYトナー像を二次転写する場合には、図14で示される特性の二次転写バイアスを二次転写電源39から出力させる。また、環境がLLであって且つC単色トナー像を二次転写する場合には、図15に示される特性の二次転写バイアスを二次転写電源39から出力させる。この二次転写バイアスは、図14に示される二次転写バイアスと同様にマイナス側の極性だけで推移するものであるが、図14に示される二次転写バイアスに比べて第二ピーク値V2の絶対値が低くなっている。これにより、トナーに対する逆電荷の注入をより抑えている。
かかる構成においても、環境にかかわらず、トナーに対する逆電荷の注入に起因する画像濃度不足の発生を抑えつつ、二次転写電界の不足による画像濃度不足の発生を抑えることができる。
なお、トナーの種類によっては、例えば次の表25〜表27で示されるような関係で二次転写バイアスの特性を選択してもよい。表24〜表27の特性において共通する事項は、LLでは、Kトナー像を二次転写する場合、C単色トナー像を二次転写する場合の両方でマイナス側だけで推移する二次転写バイアスを用いる点である。また、HH又はMMでKトナー像を二次転写する場合には、極性を反転させる二次転写バイアスを用いる点も共通する。
これまで、各色トナー像を中間転写ベルトに一次転写してから記録シートに二次転写する構成の画像形成装置に本発明を提供した形態について説明してきたが、次のような構成の画像形成装置にも本発明の適用が可能である。即ち、各色トナー像を搬送ベルトなどによって搬送される記録シートに直接重ね合わせて転写する構成である。また、K以外の色のトナー(非Kトナー)として、透明トナーや白色トナーを用いる形態にも、本発明の適用が可能である。
以上に説明したものは一例であり、本発明は、次の態様毎に特有の効果を奏する。
[態様A]
態様Aは、複数の像担持体(例えば感光体2)のそれぞれに担持した互いに異なる色のトナー像を、直接あるいは中間転写体(例えば中間転写ベルト31)を介して記録シートに転写し、記録シートにトナー像に転写するために交流成分を含む転写バイアス(例えば二次転写バイアス)を転写バイアス部材(例えば二次転写裏面ローラ33)に印加し、且つ、複数色のトナー像のうち、黒とは異なる色の非黒トナー像を記録シートに転写したり、黒トナー像だけを記録シートに転写したりする画像形成装置において、前記非黒トナー像を記録シートに転写する場合には、前記転写バイアスのピークツウピークにおける一対のピーク値とのうち、トナーを前記像担持体又は前記中間転写体から記録シートに向けて移動させる静電気力をより小さくする方である第二ピーク値(例えば第二ピーク値V2)がトナーを前記像担持体又は前記中間転写体から記録シートに向けて移動させる転写方向の静電気力を発揮する極性であるかあるいはゼロである前記転写バイアスを印加するのに対し、前記黒トナー像だけを記録シートに転写する場合には、前記第二ピーク値がゼロであるかあるいは転写方向とは逆方向の静電気力を発揮する極性である前記転写バイアスを印加することを特徴とするものである。
かかる構成においては、非黒トナー像を転写する場合に、第二ピーク値が転写方向の極性であるかゼロである転写バイアスを用いるのに対し、黒トナー像だけを転写する場合に、第二ピーク値がゼロであるか逆方向の極性である転写バイアスを用いる。これにより、後者の場合において、前者の場合に比べて転写工程における黒トナーへの逆電荷の注入量を抑える。よって、複数の像担持体に形成されるトナー像のうち、トナーの正規極性の帯電量が最も小さくなる黒トナー像だけを記録シートに転写する場合における転写不良の発生を抑えることができる。
[態様B]
態様Bは、複数の像担持体のそれぞれに担持したトナー像を、直接あるいは中間転写体を介して記録シートに転写し、記録シートにトナー像に転写するために交流成分を含む転写バイアスを転写バイアス部材に印加し、且つ、複数の前記像担持体のうち、トナー像の転写工程が最初になる最上流像担持体に担持した最上流トナー像を記録シートに転写したり、トナー像の転写工程が最後になる最下流像担持体に担持した最下流トナー像を記録シートに転写したりする画像形成装置において、前記最上流トナー像を記録シートに転写する場合には、前記転写バイアスのピークツウピークにおける一対のピーク値のうち、トナーを前記像担持体又は前記中間転写体から記録シートに向けて移動させる静電気力をより小さくする方である第二ピーク値がトナーを前記像担持体又は前記中間転写体から記録シートに向けて移動させる転写方向の静電気力を発揮する極性であるかあるいはゼロである前記転写バイアスを印加するのに対し、前記最下流トナー像だけを記録シートに転写する場合には、前記第二ピーク値がゼロであるかあるいは転写方向とは逆方向の静電気力を発揮する極性である前記転写バイアスを印加することを特徴とするものである。
かかる構成においては、最上流トナー像を転写する場合に、第二ピーク値が転写方向の極性であるかゼロである転写バイアスを用いのに対し、最下流トナー像だけを転写する場合には、第二ピーク値がゼロであるか逆方向の極性である転写バイアスを用いる。これにより、後者の場合において、前者の場合に比べて転写工程におけるトナーへの逆電荷の注入量を抑える。よって、複数の像担持体に形成されるトナー像のうち、トナーの正規極性の帯電量が最も小さくなる最下流トナー像だけを記録シートに転写する場合における転写不良の発生を抑えることができる。
[態様C]
態様Cは、複数の像担持体のそれぞれに担持したトナー像を、直接あるいは中間転写体を介して記録シートに転写し、記録シートにトナー像に転写するために交流成分を含む転写バイアスを転写バイアス部材に印加し、且つ、複数の前記像担持体にそれぞれ担持されたトナー像のうち、記録シートに転写される直前のトナー帯電量が最も大きくなる最大帯電量トナー像を記録シートに転写したり、前記トナー帯電量が最も小さくなる最小帯電量トナー像だけを記録シートに転写したりする画像形成装置において、前記最大帯電量トナー像を記録シートに転写する場合には、前記転写バイアスのピークツウピークにおける一対のピーク値のうち、トナーを前記像担持体又は前記中間転写体から記録シートに向けて移動させる静電気力をより小さくする方である第二ピーク値がトナーを前記像担持体又は前記中間転写体から記録シートに向けて移動させる転写方向の静電気力を発揮する極性であるかあるいはゼロである前記転写バイアスを印加するのに対し、前記最小帯電量トナー像だけを記録シートに転写する場合には、前記第二ピーク値がゼロであるかあるいは転写方向とは逆方向の静電気力を発揮する極性である前記転写バイアスを印加することを特徴とするものである。
かかる構成においては、複数の像担持体に担持される複数のトナー像のうち、最大帯電量トナー像を記録シートに転写する場合に、第二ピーク値が転写方向の極性であるかゼロである転写バイアスを用いる。これに対し、最小帯電量トナー像だけを転写する場合には、第二ピーク値がゼロであるか逆方向の極性である転写バイアスを用いる。これにより、後者の場合において、前者の場合に比べて転写工程におけるトナーへの逆電荷の注入量を抑える。よって、複数の像担持体に形成されるトナー像のうち、トナーの正規極性の帯電量が最も小さくなる最小帯電量トナー像だけを記録シートに転写する場合における転写不良の発生を抑えることができる。
[態様D]
態様Dは、態様Aにおいて、黒トナー像だけを記録シートに転写する場合には、前記転写バイアスとして、前記一対のピーク値のもう一方である第一ピーク値の絶対値を、前記非黒トナー像を記録シートに転写する場合における前記第一ピーク値の絶対値よりも小さくしたものを印加することを特徴とするものである。
[態様E]
態様Eは、態様Bにおいて、前記最下流トナー像だけを記録シートに転写する場合には、前記転写バイアスとして、前記一対のピーク値のもう一方である第一ピーク値の絶対値を、前記最上流トナー像を記録シートに転写する場合における前記第一ピーク値の絶対値よりも小さくしたものを印加することを特徴とするものである。
[態様F]
態様Fは、態様Cにおいて、前記最小帯電量トナー像だけを記録シートに転写する場合には、前記転写バイアスとして、前記一対のピーク値のもう一方である第一ピーク値の絶対値を、前記最大帯電量トナー像を記録シートに転写する場合における前記第一ピーク値の絶対値よりも小さくしたものを印加することを特徴とするものである。
[態様G]
態様Gは、態様Dにおいて、前記非黒トナー像を記録シートに転写する場合と、黒トナー像だけを記録シートに転写する場合とで、前記第二ピーク値の極性を互いに逆極性にすることを特徴とするものである。
[態様H]
態様Hは、態様Eにおいて、請求項5の画像形成装置において、前記最上流トナー像を記録シートに転写する場合と、前記最下流トナー像だけを記録シートに転写する場合とで、前記第二ピーク値の極性を互いに逆極性にすることを特徴とするものである。
[態様I]
態様Iは、態様Fにおいて、前記最大帯電量トナー像を記録シートに転写する場合と、前記最小帯電量トナー像だけを記録シートに転写する場合とで、前記第二ピーク値の極性を互いに逆極性にすることを特徴とするものである。
[態様J]
態様Jは、複数の像担持体のそれぞれに担持した互いに異なる色のトナー像を、直接あるいは中間転写体を介して記録シートに転写し、記録シートにトナー像に転写するために交流成分を含む転写バイアスを転写バイアス部材に印加する画像形成装置において、前記転写バイアスとして、ピークツウピークにおける一対のピーク値の極性が何れも、トナーを前記像担持体又は前記中間転写体から記録シートに向けて移動させる転写方向の静電気力を発揮する極性であるものを印加することを特徴とするものである。
[態様K]
態様Kは、それぞれに互いに異なる色のトナー像を担持する複数の像担持体と、前記複数の像担持体上のトナー像が転写される中間転写体と、前記中間転写体上の前記トナー像を記録シートに転写するために交流成分を含む転写バイアスを出力する電源と、を備え、前記転写バイアスは、トナーを前記中間転写体から記録シートに向けて移動させる転写方向寄りのピークである第一ピーク値と、前記第一ピーク値とは別の第二ピーク値と、を有し、黒のみからなる黒トナー像を記録シートに転写するモノクロモードと、黒以外の色を含むカラートナー像を記録シートに転写するカラーモードと、を有し、前記カラーモード時は、前記第二ピーク値が前記第一ピーク値と同じ極性あるいはゼロである前記転写バイアスを出力する一方、前記モノクロモード時は、前記第二ピーク値がゼロあるいは前記第一ピーク値とは逆の極性である前記転写バイアスを出力することを特徴とするものである。
[態様L]
態様Lは、それぞれにトナー像を担持する複数の像担持体と、前記複数の像担持体上のトナー像が転写される中間転写体と、前記中間転写体上の前記トナー像を記録シートに転写するために交流成分を含む転写バイアスを出力する電源と、を備え、前記転写バイアスは、トナーを前記中間転写体から記録シートに向けて移動させる転写方向寄りのピークである第一ピーク値と、前記第一ピーク値とは別の第二ピーク値と、を有し、前記複数の像担持体のうち最下流の像担持体上のトナーのみからなるトナー像を記録シートに転写する第一モードと、前記最下流の像担持体以外の像担持体上のトナーを含むトナー像を記録シートに転写する第二モードと、を有し、前記第二モード時は、前記第二ピーク値が前記第一ピーク値と同じ極性あるいはゼロである前記転写バイアスを出力する一方、前記第一モード時は、前記第二ピーク値がゼロあるいは前記第一ピーク値とは逆の極性である前記転写バイアスを出力することを特徴とするものである。
[態様M]
態様Mは、それぞれにトナー像を担持する複数の像担持体と、前記複数の像担持体上のトナー像が転写される中間転写体と、前記中間転写体上の前記トナー像を記録シートに転写するために交流成分を含む転写バイアスを出力する電源と、を備え、前記転写バイアスは、トナーを前記中間転写体から記録シートに向けて移動させる転写方向寄りのピークである第一ピーク値と、前記第一ピーク値とは別の第二ピーク値と、を有し、前記複数の像担持体上のトナー像のうちで記録シートに転写される直前のトナー帯電量が最も小さくなる最小帯電量トナー像だけを記録シートに転写する第一モードと、前記最小帯電量トナー像以外を含むトナー像を記録シートに転写する第二モードと、を有し、前記第二モード時は、前記第二ピーク値が前記第一ピーク値と同じ極性あるいはゼロである前記転写バイアスを出力する一方、前記第一モード時は、前記第二ピーク値がゼロあるいは前記第一ピーク値とは逆の極性である前記転写バイアスを出力することを特徴とするものである。
[態様N]
態様Nは、複数の像担持体(例えば感光体2)のそれぞれに担持した互いに異なる色のトナー像を、直接あるいは中間転写体(例えば中間転写ベルト31)を介して記録シートに転写し、記録シートにトナー像に転写するために交流成分を含む転写バイアスを転写バイアス部材(例えば二次転写裏面ローラ33)に印加し、且つ、複数色のトナー像のうち、黒とは異なる色の非黒トナー像を記録シートに転写したり、黒トナー像だけを記録シートに転写したりする画像形成装置において、トナーの摩擦帯電量を比較的少なくする環境下では、前記非黒トナー像を記録シートに転写する場合、及び前記黒トナー像だけを記録シートに転写する場合のそれぞれで、周期的に極性を反転させる前記転写バイアスを印加するのに対し、トナーの摩擦帯電量を比較的多くする環境下で前記非黒トナー像を記録シートに転写する場合には、トナーを前記像担持体又は前記中間転写体から記録シートに向けて移動させる静電気力を発揮する極性のみでピークツウピークを推移させる前記転写バイアスを印加することを特徴とするものである。かかる構成では、第二実施形態で説明したように、環境にかかわらず、トナーに対する逆電荷の注入に起因する画像濃度不足の発生を抑えつつ、二次転写電界の不足による画像濃度不足の発生を抑えることができる。
[態様O]
態様Oは、それぞれに互いに異なる色のトナー像を担持する複数の像担持体のそれぞれに担持したトナー像を、直接あるいは中間転写体を介して記録シートに転写し、記録シートにトナー像に転写するために交流成分を含む転写バイアスを転写バイアス部材に印加し、且つ、複数の前記像担持体のうち、トナー像の転写工程が最初になる最上流像担持体に担持した最上流トナー像を記録シートに転写したり、トナー像の転写工程が最後になる最下流像担持体に担持した最下流トナー像だけを記録シートに転写したりする画像形成装置において、トナーの摩擦帯電量を比較的少なくする環境下では、前記最上流トナー像を記録シートに転写する場合、及び前記最下流トナー像だけを記録シートに転写する場合のそれぞれで、周期的に極性を反転させる前記転写バイアスを印加するのに対し、トナーの摩擦帯電量を比較的多くする環境下で前記最上流トナー像を記録シートに転写する場合には、トナーを前記像担持体又は前記中間転写体から記録シートに向けて移動させる静電気力を発揮する極性のみでピークツウピークを推移させる前記転写バイアスを印加することを特徴とするものである。かかる構成では、第2−1変形形態で説明したように、環境にかかわらず、トナーに対する逆電荷の注入に起因する画像濃度不足の発生を抑えつつ、二次転写電界の不足による画像濃度不足の発生を抑えることができる。
[態様P]
態様Pは、複数の像担持体のそれぞれに担持したトナー像を、直接あるいは中間転写体を介して記録シートに転写し、記録シートにトナー像に転写するために交流成分を含む転写バイアスを転写バイアス部材に印加し、且つ、複数の前記像担持体にそれぞれ担持されたトナー像のうち、記録シートに転写される直前のトナー帯電量が最も大きくなる最大帯電量トナー像を記録シートに転写したり、前記トナー帯電量が最も小さくなる最小帯電量トナー像だけを記録シートに転写したりする画像形成装置において、トナーの摩擦帯電量を比較的少なくする環境下では、前記最大帯電量トナー像を記録シートに転写する場合、及び前記最小帯電量トナー像だけを記録シートに転写する場合のそれぞれで、周期的に極性を反転させる前記転写バイアスを印加するのに対し、トナーの摩擦帯電量を比較的多くする環境下で前記最大帯電量トナー像を記録シートに転写する場合には、トナーを前記像担持体又は前記中間転写体から記録シートに向けて移動させる静電気力を発揮する極性のみでピークツウピークを推移させる前記転写バイアスを印加することを特徴とするものである。かかる構成では、第2−2変形形態で説明したように、環境にかかわらず、トナーに対する逆電荷の注入に起因する画像濃度不足の発生を抑えつつ、二次転写電界の不足による画像濃度不足の発生を抑えることができる。
[態様Q]
態様Qは、複数の像担持体のそれぞれに担持した互いに異なる色のトナー像を、直接あるいは中間転写体を介して記録シートに転写し、記録シートにトナー像に転写するために交流成分を含む転写バイアスを転写バイアス部材に印加し、且つ、複数色のトナー像のうち、黒とは異なる色の非黒トナー像を記録シートに転写したり、黒トナー像だけを記録シートに転写したりする画像形成装置において、トナーの摩擦帯電量を比較的多くする環境下では、前記非黒トナー像を記録シートに転写する場合、及び前記黒トナー像だけを記録シートに転写する場合のそれぞれで、トナーを前記像担持体又は前記中間転写体から記録シートに向けて移動させる静電気力を発揮する極性のみでピークツウピークを推移させる前記転写バイアスを印加するのに対し、トナーの摩擦帯電量を比較的少なくする環境下で前記黒トナー像だけを記録シートに転写する場合には、周期的に極性を反転させる前記転写バイアスを印加することを特徴とするものである。かかる構成では、第三実施形態で説明したように、環境にかかわらず、トナーに対する逆電荷の注入に起因する画像濃度不足の発生を抑えつつ、二次転写電界の不足による画像濃度不足の発生を抑えることができる。
[態様R]
態様Rは、それぞれに互いに異なる色のトナー像を担持する複数の像担持体のそれぞれに担持したトナー像を、直接あるいは中間転写体を介して記録シートに転写し、記録シートにトナー像に転写するために交流成分を含む転写バイアスを転写バイアス部材に印加し、且つ、複数の前記像担持体のうち、トナー像の転写工程が最初になる最上流像担持体に担持した最上流トナー像を記録シートに転写したり、トナー像の転写工程が最後になる最下流像担持体に担持した最下流トナー像だけを記録シートに転写したりする画像形成装置において、トナーの摩擦帯電量を比較的多くする環境下では、前記最上流トナー像を記録シートに転写する場合、及び前記最下流トナー像だけを記録シートに転写する場合のそれぞれで、トナーを前記像担持体又は前記中間転写体から記録シートに向けて移動させる静電気力を発揮する極性のみでピークツウピークを推移させる前記転写バイアスを印加するのに対し、トナーの摩擦帯電量を比較的少なくする環境下で前記最下流トナー像だけを記録シートに転写する場合には、周期的に極性を反転させる前記転写バイアスを印加することを特徴とするものである。かかる構成では、第3−1変形形態で説明したように、環境にかかわらず、トナーに対する逆電荷の注入に起因する画像濃度不足の発生を抑えつつ、二次転写電界の不足による画像濃度不足の発生を抑えることができる。
[態様S]
態様Sは、複数の像担持体のそれぞれに担持したトナー像を、直接あるいは中間転写体を介して記録シートに転写し、記録シートにトナー像に転写するために交流成分を含む転写バイアスを転写バイアス部材に印加し、且つ、複数の前記像担持体にそれぞれ担持されたトナー像のうち、記録シートに転写される直前のトナー帯電量が最も大きくなる最大帯電量トナー像を記録シートに転写したり、前記トナー帯電量が最も小さくなる最小帯電量トナー像だけを記録シートに転写したりする画像形成装置において、トナーの摩擦帯電量を比較的多くする環境下では、前記最大帯電量トナー像を記録シートに転写する場合、及び前記最小帯電量トナー像だけを記録シートに転写する場合のそれぞれで、トナーを前記像担持体又は前記中間転写体から記録シートに向けて移動させる静電気力を発揮する極性のみでピークツウピークを推移させる前記転写バイアスを印加するのに対し、トナーの摩擦帯電量を比較的少なくする環境下で前記最小帯電量トナー像だけを記録シートに転写する場合には、周期的に極性を反転させる前記転写バイアスを印加することを特徴とするものである。かかる構成では、第3−2変形形態で説明したように、環境にかかわらず、トナーに対する逆電荷の注入に起因する画像濃度不足の発生を抑えつつ、二次転写電界の不足による画像濃度不足の発生を抑えることができる。