[実施形態1]
以下、本発明を適用した画像形成装置として、電子写真方式のカラープリンタ(以下、単にプリンタという)の実施形態について説明する。まず、実施形態に係るプリンタの基本的な構成について説明する。図2は、実施形態に係るプリンタを示す概略構成図である。同図において、実施形態に係るプリンタは、イエロー(Y),マゼンダ(M),シアン(C),ブラック(K)のトナー像を形成するための4つのトナー像形成ユニット1Y,1M,1C,1Kを備えている。また、転写ユニット30、光書込ユニット80、定着装置90、給送カセット100、レジストローラ対101なども備えている。
4つのトナー像形成ユニット1Y,1M,1C,1Kは、画像形成物質として、互いに異なる色のY,M,C,Kトナーを用いるが、それ以外は同様の構成になっており、寿命到達時に交換される。Kトナー像を形成するためのトナー像形成ユニット1Kを例にすると、これは、図3に示されるように、潜像担持体たるドラム状の感光体2K、ドラムクリーニング装置3K、除電装置、帯電装置6K、現像装置8K等を備えている。これらの装置が共通の保持体に保持されてプリンタ本体に対して一体的に脱着することで、それらを同時に交換できるようになっている。
感光体2Kは、ドラム基体の表面上に有機感光層が形成されたものであって、駆動手段によって図中時計回り方向に回転駆動される。帯電装置6Kは、帯電バイアスが印加される帯電ローラ7Kを感光体2Kに接触あるいは近接させながら、帯電ローラ7Kと感光体2Kとの間に放電を発生させることで、感光体2Kの表面を一様帯電せしめる。実施形態では、トナーの正規帯電極性と同じマイナス極性に一様帯電せしめる。なお、ここで言う、トナーの正規帯電極性とは、現像装置8内の現像剤中におけるトナーの帯電極性を言う。帯電バイアスとしては、直流バイアスに交流バイアスを重畳したものを採用している。帯電ローラ7Kは、金属製の芯金の表面に導電性弾性材料からなる導電性弾性層が被覆されたものである。帯電ローラ等の帯電部材を感光体2Kに接触あるいは近接させる方式に代えて、帯電チャージャーによる方式を採用してもよい。
一様帯電せしめられた感光体2Kの表面は、後述する光書込ユニットから発せられるレーザー光によって光走査されてK用の静電潜像を担持する。このK用の静電潜像は、Kトナーを用いる現像装置8Kによって現像されてKトナー像になる。そして、後述する中間転写ベルト31上に一次転写される。
ドラムクリーニング装置3Kは、一次転写工程(後述する一次転写ニップ)を経た後の感光体2K表面に付着している転写残トナーを除去する。回転駆動されるクリーニングブラシローラ4K、片持ち支持された状態で自由端を感光体2Kに当接させるクリーニングブレード5Kなどを有している。回転するクリーニングブラシローラ4Kで転写残トナーを感光体2K表面から掻き取ったり、クリーニングブレードで転写残トナーを感光体2K表面から掻き落としたりする。
上記除電装置は、ドラムクリーニング装置3Kによってクリーニングされた後の感光体2Kの残留電荷を除電する。この除電により、感光体2Kの表面が初期化されて次の画像形成に備えられる。
現像装置8Kは、現像剤担持体たる現像ロール9Kを内包する現像部12Kと、K現像剤を撹拌搬送する現像剤搬送部13Kとを有している。そして、現像剤搬送部13Kは、第1スクリュー部材10Kを収容する第1搬送室と、第2スクリュー部材11Kを収容する第2搬送室とを有している。それらスクリュー部材は、それぞれ、軸線方向の両端部がそれぞれ軸受けによって回転自在に支持される回転軸部材と、これの周面に螺旋状に突設せしめられた螺旋羽根とを具備している。
第1スクリュー部材10Kを収容している第1搬送室と、第2スクリュー部材11Kを収容している第2搬送室とは、仕切り壁によって仕切られているが、仕切壁におけるスクリュー軸線方向の両端箇所には、それぞれ両搬送室を連通させる連通口が形成されている。第1スクリュー部材10Kは、螺旋羽根内に保持しているK現像剤を、回転駆動に伴って回転方向に撹拌しながら、図中の紙面に直交する方向の奥側から手前側に向けて搬送する。第1スクリュー部材10Kと、後述する現像ロール9Kとは互いに向かい合う姿勢で平行配設されているため、このときのK現像剤の搬送方向は、現像ロール9Kの回転軸線方向に沿った方向でもある。そして、第1スクリュー部材10Kは、現像ロール9Kの表面に対してK現像剤をその軸線方向に沿って供給していく。
第1スクリュー部材10Kの図中手前側端部付近まで搬送されたK現像剤は、仕切壁の図中手前側端部付近に設けられた連通開口を通って、第2搬送室内に進入した後、第2スクリュー部材11Kの螺旋羽根内に保持される。そして、第2スクリュー部材11Kの回転駆動に伴って、回転方向に撹拌されながら、図中手前側から奥側に向けて搬送されていく。
第2搬送室内において、ケーシングの下壁にはトナー濃度センサが設けられており、第2搬送室内のK現像剤のKトナー濃度を検知する。Kトナー濃度センサとしては、透磁率センサからなるものが用いられている。Kトナーと磁性キャリアとを含有するK現像剤の透磁率は、Kトナー濃度と相関関係があるため、透磁率センサは、Kトナー濃度を検知していることになる。
本プリンタには、Y,M,C,K用の現像装置の第2収容室内にY,M,C,Kトナーをそれぞれ個別に補給するためのY,M,C,Kトナー補給手段が設けられている。そして、プリンタの制御部は、RAMに、Y,M,C,Kトナー濃度検知センサからの出力電圧値の目標値であるY,M,C,K用のVtrefを記憶している。Y,M,C,Kトナー濃度検知センサからの出力電圧値と、Y,M,C,K用のVtrefとの差が所定値を超えた場合には、その差に応じた時間だけY,M,C,Kトナー補給手段を駆動する。これにより、Y,M,C,K用の現像装置における第2搬送室内にY,M,C,Kトナーが補給される。
現像部12K内に収容されている現像ロール9Kは、第1スクリュー部材10Kに対向しているとともに、ケーシングに設けられた開口を通じて、感光体2Kにも対向している。また、現像ロール9Kは、回転駆動される非磁性パイプからなる筒状の現像スリーブと、これの内部にスリーブと連れ回らないように固定されたマグネットローラとを具備している。そして、第1スクリュー部材10Kから供給されるK現像剤をマグネットローラの発する磁力によってスリーブ表面に担持しながら、スリーブの回転に伴って、感光体2Kに対向する現像領域に搬送する。
現像スリーブには、トナーと同極性であって、感光体2Kの静電潜像の電位よりも絶対値が大きく、且つ感光体2Kの一様帯電電位よりも絶対値が小さな現像バイアスが印加されている。これにより、現像スリーブと感光体2Kの静電潜像との間には、現像スリーブ上のKトナーを静電潜像に向けて静電移動させる現像ポテンシャルが作用する。また、現像スリーブと感光体2Kの地肌部との間には、現像スリーブ上のKトナーをスリーブ表面に向けて移動させる非現像ポテンシャルが作用する。それら現像ポテンシャル及び非現像ポテンシャルの作用により、現像スリーブ上のKトナーが感光体2Kの静電潜像に選択的に転移して、静電潜像をKトナー像に現像する。
図2において、Y,M,C用のトナー像形成ユニット1Y,1M,1Cにおいても、K用のトナー像形成ユニット1Kと同様にして、感光体2Y,2M,2C上にY,M,Cトナー像が形成される。トナー像形成ユニット1Y,M,C,Kの上方には、潜像書込手段たる光書込ユニット80が配設されている。この光書込ユニット80は、パーソナルコンピュータ等の外部機器から送られてくる画像情報に基づいてレーザーダイオードから発したレーザー光により、感光体2Y,2M,2C,2Kを光走査する。この光走査により、感光体2Y,2M,2C,2K上にY,M,C,K用の静電潜像が形成される。なお、光書込ユニット80は、光源から発したレーザー光Lを、ポリゴンモータによって回転駆動したポリゴンミラーで主走査方向に偏光せしめながら、複数の光学レンズやミラーを介して感光体に照射するものである。LEDアレイの複数のLEDから発したLED光によって光書込を行うものを採用してもよい。
トナー像形成ユニット1Y,1M,1C,1Kの下方には、無端状の中間転写ベルト31を張架しながら図中反時計回り方向に無端移動せしめる転写装置としての転写ユニット30が配設されている。転写ユニット30は、像担持体たる中間転写ベルト31の他に、駆動ローラ32、二次転写対向ローラ33、クリーニングバックアップローラ34、4つの一次転写ローラ35Y,35M,35C,35Kなどを有している。また、ベルトクリーニング装置37なども有している。
中間転写ベルト31は、そのループ内側に配設された駆動ローラ32、二次転写対向ローラ33、クリーニングバックアップローラ34、及び4つの一次転写ローラ35Y,35M,35C,35Kによって張架されている。そして、駆動手段によって図中反時計回り方向に回転駆動される駆動ローラ32の回転力により、同方向に無端移動せしめられる。
4つの一次転写ローラ35Y,35M,35C,35Kは、無端移動せしめられる中間転写ベルト31を感光体2Y,2M,2C,2Kとの間に挟み込んでいる。これにより、中間転写ベルト31のおもて面と、感光体2Y,2M,2C,2Kとが当接するY,M,C,K用の一次転写ニップが形成されている。一次転写ローラ35Y,35M,35C,35Kには、一次転写電源によってそれぞれ一次転写バイアスが印加されている。これにより、感光体2Y,2M,2C,2K上のY,M,C,Kトナー像と、一次転写ローラ35Y,5M,5C,5Kとの間に転写電界が形成される。Y用の感光体表面に形成されたYトナーは、感光体2Yの回転に伴ってY用の一次転写ニップに進入する。そして、転写電界やニップ圧の作用により、感光体2Y上から中間転写ベルト31上に一次転写される。このようにしてYトナー像が一次転写せしめられた中間転写ベルト31は、その後、M,C,K用の一次転写ニップを順次通過する。そして、感光体2M,2C,2K上のM,C,Kトナー像が、Yトナー像上に順次重ね合わせて一次転写される。この重ね合わせの一次転写により、中間転写ベルト31上には四色重ね合わせトナー像が形成される。なお、一次転写ローラ35Y,35M,35C,35Kに代えて、転写チャージャーや転写ブラシなどを採用してもよい。
転写ユニット30の下方には、二次転写ローラ36、二次転写ベルト41などを具備するシート搬送ユニット38が配設されている。無端状の二次転写ベルト41は、そのループ内側に配設された二次転写ローラ36などの複数のローラによって張架された状態で、二次転写ローラ36の回転駆動によって図中時計回り方向に回転せしめられる。そして、二次転写ローラ36により、中間転写ベルト31の周方向における全域のうち、二次転写対向ローラ33に対する掛け回し領域に当接して二次転写ニップを形成している。つまり、転写ユニット30の二次転写対向ローラ33と、シート搬送ユニット38の二次転写ローラ36とは、互いの間に中間転写ベルト31及び二次転写ベルト41を挟み込んでいる。これにより、中間転写ベルト31のおもて面と、転写体たる二次転写ベルト41のおもて面とが当接する二次転写ニップが形成されている。二次転写ベルト41のループ内に配設された二次転写ローラ36は接地されている。これに対して、中間転写ベルト31のループ内に配設された二次転写対向ローラ33には、二次転写電源39によって直流バイアスと交流バイアスとを重畳した二次転写バイアスが印加される。これにより、二次転写対向ローラ33と、二次転写ローラ36との間に、マイナス極性のトナーを二次転写対向ローラ33側から二次転写ローラ36側に向けて静電移動させる二次転写電界が形成される。なお、交流バイアスを重畳せず、直流バイアスのみで二次転写バイアスとしても良い。
シート搬送ユニット38の下方には、用紙Pを複数枚重ねた紙束の状態で収容している給送カセット100が配設されている。この給送カセット100は、紙束の一番上の用紙Pに給紙ローラ100aを当接させており、これを所定のタイミングで回転駆動させることで、その用紙Pを給送路に向けて送り出す。給送路の末端付近には、レジストローラ対101が配設されている。このレジストローラ対101は、給送カセット100から送り出された用紙Pをローラ間に挟み込むとすぐに両ローラの回転を停止させる。そして、挟み込んだ用紙Pを二次転写ニップ内で中間転写ベルト31上の四色重ね合わせトナー像に同期させ得るタイミングで回転駆動を再開して、用紙Pを二次転写ニップに向けて送り出す。
二次転写ニップで用紙Pに密着せしめられた中間転写ベルト31上の四色重ね合わせトナー像は、二次転写電界やニップ圧の作用によって用紙P上に一括二次転写されてフルカラートナー像となる。このようにして表面にフルカラートナー像が形成された用紙Pは、二次転写ベルト41により担持搬送されて二次転写ニップを通過すると、中間転写ベルト31から曲率分離する。更に、二次転写ベルト41を掛け回している分離ローラ42の曲率によって二次転写ベルト41から曲率分離する。また、二次転写ベルト41上に用紙Pを担持して搬送することで、薄紙など剛性の低い用紙Pに対して皺などを生じさせたり、搬送不良によりジャムを引き起こしたりすることなく、安定して二次転写ニップを通過させることができる。
二次転写ニップを通過した後の中間転写ベルト31には、用紙Pに転写されなかった転写残トナーが付着している。これは、中間転写ベルト31のおもて面に当接しているベルトクリーニング装置37によってベルト表面からクリーニングされる。中間転写ベルト31のループ内側に配設されたクリーニングバックアップローラ34は、ベルトクリーニング装置37によるベルトのクリーニングをループ内側からバックアップする。
二次転写ニップよりもシート搬送方向の下流側には、定着装置90が配設されている。この定着装置90は、ハロゲンランプ等の発熱源を内包する定着ローラ91と、これに所定の圧力で当接しながら回転する加圧ローラ92とによって定着ニップを形成している。定着装置90内に送り込まれた用紙Pは、その未定着トナー像担持面を定着ローラ91に密着させる姿勢で、定着ニップに挟まれる。そして、加熱や加圧の影響によってトナー像中のトナーが軟化さしめられて、フルカラー画像が定着せしめられる。定着装置90内から排出された用紙Pは、定着後搬送路を経由した後、機外へと排出される。
実施形態に係るプリンタは、モノクロ画像を形成する場合に、転写ユニット30におけるY,M,C用の一次転写ローラ35Y,35M,35Cを支持している支持板の姿勢をソレノイド等の駆動によって変化させる。これにより、Y,M,C用の一次転写ローラ35Y,M,Cを、感光体2Y,2M,2Cから遠ざけて、中間転写ベルト31のおもて面を感光体2Y,M,Cから離間させる。このようにして、中間転写ベルト31をブラック用の感光体2Kだけに当接させた状態で、4つのトナー像形成ユニット1Y,1M,1C,1Kのうち、ブラック用のトナー像形成ユニット1Kだけを駆動して、Kトナー像をブラック用の感光体2K上に形成する。なお、本発明は、カラー画像を形成する画像形成装置に限らず、モノクロ画像だけを形成する画像形成装置にも適用が可能である。
図4は、中間転写ベルト31の横断面を部分的に示す拡大断面図である。中間転写ベルト31は、ある程度の屈曲性を有し且つ剛性の高い材料からなる無端ベルト状の基層31aと、これのおもて面上に積層された柔軟性に優れた弾性材料からなる弾性層31bとを具備している。弾性層31bには、粒子31cが分散せしめられていて、それらの粒子31cが自らの一部を弾性層31bの表面から突出させた状態で、図5に示されるように、ベルト面方向に密集して並んでいる。それら複数の粒子31cにより、複数の凹凸がベルト面に形成されている。
基層31aの材料としては、樹脂中に、電気抵抗を調整するための充填材や添加材などからなる電気抵抗調整材を分散させたものを例示することができる。その樹脂としては、難燃性の観点からすると、例えば、PVDF(ポリフッ化ビニリデン)、ETFE(エチレン・四フッ化エチレン共重合体)などのフッ素系樹脂や、ポリイミド樹脂またはポリアミドイミド樹脂等が好ましい。また、機械強度(高弾性)や耐熱性の観点からすると、特にポリイミド樹脂又はポリアミドイミド樹脂が好適である。
樹脂中に分散せしめる電気抵抗調整材としては、金属酸化物やカーボンブラック、イオン導電剤、導電性高分子材料などを例示することができる。金属酸化物としては、酸化亜鉛、酸化スズ、酸化チタン、酸化ジルコニウム、酸化アルミニウム、酸化珪素等が挙げられる。分散性を向上させるために、前記金属酸化物に予め表面処理を施したものを用いても良い。カーボンブラックとしては、ケッチェンブラック、ファーネスブラック、アセチレンブラック、サーマルブラック、ガスブラック等が挙げられる。また、イオン導電剤としては、テトラアルキルアンモニウム塩、トリアルキルベンジルアンモニウム塩、アルキルスルホン酸塩、アルキルベンゼンスルホン酸塩が挙げられる。アルキルサルフェート、グルセリン脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンアルキルアミン、ポリオキシエチレン脂肪酸アルコールエステル、アルキルベタイン、過塩素酸リチウム等でもよい。それらのイオン導電剤を二種類以上混合して使用してもよい。なお、本発明を適用可能な電気抵抗調整材は、これまで例示したものに限られるものではない。
基層31aの前駆体となる塗工液(硬化前の液体の樹脂中に電気抵抗調整材を分散せしめたもの)には、必要に応じて、分散助剤、補強材、潤滑材、熱伝導材、酸化防止剤などを添加してもよい。中間転写ベルト31の基層31aに含有される電気抵抗調整材の添加量は、好ましくは表面抵抗で1×108〜1×1013[Ω/□]、体積抵抗で1×106〜1×1012[Ω・cm]となる量とされる。但し、機械強度の観点から、成形膜が脆く割れやすくならない範囲の量を選択して添加することが必要である。つまり、樹脂成分(ポリイミド樹脂前駆体、ポリアミドイミド樹脂前駆体など)と電気抵抗調整材との配合率を適正に調整した塗工液を用いて、電気特性(表面抵抗及び体積抵抗)と機械強度のバランスがとれたシームレスベルトを製造して用いることが好ましい。電気抵抗調整材の含有量は、カーボンブラックの場合には、塗工液中の全固形分の10〜25[wt%]がよく、更に好ましくは15〜20[wt%]である。また、金属酸化物の場合の含有量は、塗工液中の全固形分の150[wt%]がよく、更に好ましくは10〜30[wt%]である。含有量が前述した範囲よりも少ないと十分な効果が得られず、また含有量が前述した範囲よりも多いと中間転写ベルト31(シームレスベルト)の機械強度が著しく低下するので、実使用上好ましくない。
基層31aの厚みは、特に制限されるものではなく、状況に応じて適宜選択することができるが、30[μm]〜150[μm]が好ましく、40[μm]〜120[μm]がより好ましく、50[μm]〜80[μm]が特に好ましい。基層31aの厚みが、30[μm]未満であると、亀裂によりベルトが裂けやすくなり、150[μm]を超えると、曲げによってベルトが割れることがあることがある。一方、基層31aの厚みが前述した特に好ましい範囲であると、耐久性の点で有利になる。
ベルト走行安定性を高めるためには、基層31aの層厚ムラをできるだけ少なくすることが好ましい。基層31aの厚みを調整する方法は、特に制限されるものではなく、状況に応じて適宜選択することができる。例えば、接触式や渦電流式の膜厚計での計測や膜の断面を走査型電子顕微鏡(SEM)で測定する方法が挙げられる。
中間転写ベルト31の弾性層31bは、上述したように、分散せしめられた複数の粒子31cによる凹凸形状を表面に有している。弾性層31bを形成するための弾性材料としては、汎用の樹脂・エラストマー・ゴムなどを例示することができる。特に、柔軟性(弾性)に優れた弾性材料を用いることが好ましく、エラストマー材料やゴム材料が好適である。エラストマー材料としては、ポリエステル系、ポリアミド系、ポリエーテル系、ポリウレタン系、ポリオレフィン系、ポリスチレン系、ポリアクリル系、ポリジエン系、シリコーン変性ポリカーボネート系などを例示することができる。フッ素系共重合体系等の熱可塑性エラストマーなどでもよい。また、熱硬化性の樹脂としては、ポリウレタン系、シリコーン変性エポキシ系、シリコーン変性アクリル系の樹脂等を例示することができる。
また、ゴム材料としては、イソプレンゴム、スチレンゴム、ブタジエンゴム、ニトリルゴム、エチレンプロピレンゴム、ブチルゴム、シリコーンゴム、クロロプレンゴム、アクリルゴム等を例示することができる。更には、クロロスルホン化ポリエチレン、フッ素ゴム、ウレタンゴム、ヒドリンゴム等を例示することもできる。これまで例示した材料の中から、所望の性能が得られる材料を適宜選択することが可能である。特に、表面に凹凸のある記録シート、例えばレザック紙などの表面凹凸に追従させるためには、できるだけ柔らかい材料を選択することが好ましい。また、粒子31cを分散せしめることから、熱可塑性のものよりも熱硬化性のものの方が好ましい。熱硬化性のものの方が、その硬化反応に寄与する官能基の効果により樹脂粒子との密着性に優れ確実に固定化することが可能だからである。加硫ゴムも同様の理由により好ましい材料の1つである。
弾性層31bを構成する弾性材料の中でも、耐オゾン性、柔軟性、粒子との接着性、難燃性付与、耐環境安定性などの観点から、アクリルゴムが最も好ましい。アクリルゴムは一般的に市販されているものでよく、特定の製品に限定されるものではない。しかし、アクリルゴムの各種架橋系(エポキシ基、活性塩素基、カルボキシル基)の中ではカルボキシル基架橋系のものがゴム物性(特に圧縮永久歪み)及び加工性の点で優れているので、カルボキシル基架橋系のものを選択することが好ましい。カルボキシル基架橋系のアクリルゴムに用いられる架橋剤としては、アミン化合物が好ましく、多価アミン化合物が最も好ましい。このようなアミン化合物として、具体的には脂肪族多価アミン架橋剤、芳香族多価アミン架橋剤などを例示することができる。更に、脂肪族多価アミン架橋剤としては、ヘキサメチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミンカーバメイト、N,N’−ジシンナミリデン−1,6−ヘキサンジアミンなどを例示することができる。また、芳香族多価アミン架橋剤としては、4,4’−メチレンジアニリン、m−フェニレンジアミン、4,4’−ジアミノジフェニルエーテル、3,4’−ジアミノジフェニルエーテル、4,4’−(m−フェニレンジイソプロピリデン)ジアニリン等が挙げられる。4,4’−(p−フェニレンジイソプロピリデン)ジアニリン、2,2’−ビス〔4−(4−アミノフェノキシ)フェニル〕プロパン、4,4’−ジアミノベンズアニリド等でもよい。更には、4,4’−ビス(4−アミノフェノキシ)ビフェニル、m−キシリレンジアミン、p−キシリレンジアミン、1,3,5−ベンゼントリアミン、1,3,5−ベンゼントリアミノメチル等でもよい。
架橋剤の配合量の適正範囲は、アクリルゴム100重量部に対し、好ましくは0.05〜20重量部、より好ましくは0.1〜5重量部である。架橋剤の配合量が少なすぎると、架橋が十分に行われないため、架橋物の形状維持が困難になる。これに対し、含有量が多すぎると、架橋物が硬くなりすぎて、架橋ゴムとしての弾性などが損なわれる。
弾性層31bに用いるアクリルゴムには、上述した架橋剤の架橋反応を促進する狙いで、架橋促進剤を配合してもよい。架橋促進剤の種類は特に限定されるものではないが、前述した多価アミン架橋剤と組み合わせて用いることができるものであることが好ましい。このような架橋促進剤としては、グアニジン化合物、イミダゾール化合物、第四級オニウム塩、第三級ホスフィン化合物、弱酸のアルカリ金属塩などが挙げられる。グアニジン化合物としては、1,3−ジフェニルグアニジン、1,3−ジオルトトリルグアニジンなどが挙げられる。イミダゾール化合物としては、2−メチルイミダゾール、2−フェニルイミダゾールなどが挙げられる。第四級オニウム塩としては、テトラn−ブチルアンモニウムブロマイド、オクタデシルトリ―n−ブチルアンモニウムブロマイドなどが挙げられる。多価第三級アミン化合物としては、トリエチレンジアミン、1,8−ジアザ‐ビシクロ[5.4.0]ウンデセン−7(DBU)などが挙げられる。第三級ホスフィン化合物としては、トリフェニルホスフィン、トリ−p−トリルホスフィンなどが挙げられる。弱酸のアルカリ金属塩としては、ナトリウムまたはカリウムのリン酸塩、炭酸塩などの無機弱酸塩あるいはステアリン酸塩、ラウリル酸塩などの有機弱酸塩が挙げられる。
架橋促進剤の使用量の適正範囲は、アクリルゴム100重量部あたり、好ましくは0.1〜20重量部、より好ましくは0.3〜10重量部である。架橋促進剤が多すぎると、架橋時に架橋速度が早くなりすぎたり、架橋物表面ヘの架橋促進剤のブルームが生じたり、架橋物が硬くなりすぎたりする場合がある。これに対し、架橋促進剤が少なすぎると、架橋物の引張強さが著しく低下したり、熱負荷後の伸び変化または引張強さ変化が大きすぎたりする場合がある。
アクリルゴムの調製にあたっては、ロール混合、バンバリー混合、スクリュー混合、溶液混合などの適宜の混合方法を採用することが可能である。配合順序は特に限定されないが、熱で反応や分解しにくい成分を充分に混合した後、熱で反応しやすい成分あるいは分解しやすい成分として、例えば架橋剤などを、反応や分解が起こらない温度で短時間に混合すればよい。
アクリルゴムは、加熱することによって架橋物とすることができる。好ましい加熱温度は、130[℃]〜220[℃]であり、より好ましくは140[℃]〜200[℃]である。また、好ましい架橋時間は、30秒〜5時間である。加熱方法としては、プレス加熱、蒸気加熱、オーブン加熱、熱風加熱などのゴムの架橋に用いられる方法を適宜選択すればよい。また、一度架橋した後に、架橋物の内部まで確実に架橋させるために、後架橋を行ってもよい。後架橋の時間は、加熱方法、架橋温度、形状などによって異なるが、好ましくは1〜48時間である。後架橋を行う際の加熱方法、加熱温度については、適宜選択することが可能である。選択した材料に、電気特性を調整するための電気抵抗調整剤、難燃性を得るための難燃剤、必要に応じて、酸化防止剤、補強剤、充填剤、架橋促進剤などの材料を適宜含有させてもよい。さらに、電気特性を調整するための電気抵抗調整剤として、すでに述べた各種材料を使用することができる。但し、カーボンブラックや金属酸化物などは柔軟性を損なうため、使用量を抑えることが好ましく、イオン導電剤や導電性高分子を用いることも有効である。また、それらを併用しても構わない。
ゴム100重量部に対しは、種々の過塩素酸塩やイオン性液体を0.01部〜3部添加するのが好ましい。イオン導電剤の添加量が0.01部以下であると、抵抗率を下げる効果が得られない。また、添加量が3部以上であると、ベルト表面へ導電剤がブルーム又はブリードする可能性が高くなってしまう。
電気抵抗調整材の添加量については、弾性層31bの抵抗値を、表面抵抗で1×108〜1×1013[Ω/□]、体積抵抗で1×106〜1×1012[Ω・cm]の範囲にするように調整することが好ましい。また、近年の電子写真方式の画像形成装置に求められるような、凹凸シートへの高いトナー転写性を得るために、弾性層31bの23[℃]50[%]RH環境下でのマイクロゴム硬度値を35以下にするように柔軟性を調整することが好ましい。マルテンス硬度、ビッカース硬度など、いわゆる微小硬度での計測は、測定部位のバルク方向の浅い領域、すなわち表面近傍のごく限られた領域の硬度しか測定していなのでベルト全体としての変形性能は評価できない。このため、例えば中間転写ベルト31全体としての変形性能が低い構成のものに、最表面に柔軟な材料を用いた場合、微小硬度値を低くしてしまう。このような中間転写ベルト31は変形性能が低い、すなわち凹凸シートへの追従性が悪いので、結果として近年の画像形成装置に求められる凹凸シートへの転写性能を十分に発揮することができなくなってしまう。よって、中間転写ベルト31全体の変形性能を評価することが可能なマイクロゴム硬度を測定して中間転写ベルト31の柔軟性を評価することが好ましい。
弾性層31bの層厚は、200[μm]〜2[mm]が好ましく、400[μm]〜1000[μm]がより好ましい。層厚が200[μm]よりも小さいと、記録シートの表面凹凸への追従性や転写圧力の低減効果を低くしてしまうので好ましくない。また、層厚が2[mm]よりも大きいと、弾性層31bが自重によって撓み易くなって走行性を不安定にしたり、ベルトを張架しているローラへの掛け回しでベルトに亀裂を発生させ易くなったりするので好ましくない。なお、層厚の測定方法としては、断面を走査型顕微鏡(SEM)で観察することによって測定する方法を例示することができる。
弾性層31bの弾性材料に分散せしめる粒子31cとしては、平均粒子径が100[μm]以下であり、真球状の形状をしており、有機溶剤に不溶であり、且つ、3[%]熱分解温度が200[℃]以上である樹脂粒子を用いる。粒子31cの樹脂材料に特に制限はないが、アクリル樹脂、メラミン樹脂、ポリアミド樹脂、ポリエステル樹脂、シリコーン樹脂、フッ素樹脂、ゴムなどを例示することができる。これらの樹脂材料からなる粒子の母体表面を異種材料で表面処理してもよい。ゴムからなる球状の母体粒子の表面に硬い樹脂をコートしてもよい。また、母体粒子として、中空のものや、多孔質のものを用いてもよい。例えば、粒子31cとして、トナーの正規帯電極性とは逆極性の帯電性能を有するものを用いることができる。本プリンタでは、正帯電性のメラミン樹脂からなる粒子などである。かかる構成では、粒子31cの電荷により、マイナス要素の大きい転写バイアスと打ち消しあい、粒子間で二次転写電流が集中する現象の発生を抑えて、トナーへの逆電荷の注入量をより低減することができる。
これまで例示した樹脂材料の中でも、滑性、トナーに対しての離型性、耐磨耗性などに優れているという観点から、シリコーン樹脂粒子が最も好ましい。樹脂材料を重合法などによって球状の形状に仕上げた粒子であることが好ましく、真球に近いものほど好ましい。また、粒子31cとしては、体積平均粒径が1.0[μm]〜5.0[μm]であり、且つ単分散粒子であるものを用いることが望ましい。単分散粒子は、単一粒子径の粒子ではなく、粒度分布が極めてシャープな粒子である。具体的には、±(平均粒径×0.5[μm])以下の分布幅の粒子である。粒子31cの粒径が1.0[μm]未満であると、粒子31cによる転写性能の促進効果が十分に得られなくなる。これに対し、粒径が5.0[μm]よりも大きいと、粒子間の隙間が大きくなってベルト表面粗さを大きくしてしまうことから、トナーを良好に転写できなくなったり、中間転写ベルト31のクリーニング不良を発生させ易くなったりする。更には、樹脂材料からなる粒子31cは一般に絶縁性が高いことから、粒径が大きすぎると粒子31cの電荷により、連続プリント時にこの電荷の蓄積による画像乱れを引き起こし易くなる。
粒子31cとしては、特別に合成したものを用いても良いし、市販品を用いてもよい。 粒子31cを弾性層31bに直接塗布して、ならすことにより容易に均一に整列させることができる。このようにすることで、粒子31c同士のベルト厚み方向の重なり合いをほぼなくすことができる。複数の粒子31cの弾性層31bの表面方向における断面の径は、できるだけ均一であることが望ましく、具体的には、±(平均粒径×0.5[μm])以下の分布幅にすることが好ましい。このため、粒子31cの粉末として、粒径分布の小さなものを用いることが好ましいが、特定の粒径の粒子31cだけを選択的に弾性層31b表面に塗布することを実現する方法を採用すれば、粒径分布の比較的大きな粉末を用いることも可能である。なお、粒子31cを弾性層31b表面に塗布するタイミングは特に限定されず、弾性層31bの弾性材料の架橋前、架橋後の何れであってもよい。
粒子31cが分散せしめられた弾性層31bの表面方向において、粒子31cが存在している部分と、弾性層31bの表面が露出している部分との投影面積比については、粒子31cが存在している部分の投影面積率を60[%]以上にすることが望ましい。60[%]に満たない場合には、トナーと弾性層31bの無垢の表面とを直接接触させる機会を増加させて良好なトナー転写性が得られなくなったり、ベルト表面からのトナークリーニング性を低下させたり、ベルト表面の耐フィルミング性を低下させたりする。なお、中間転写ベルト31として、弾性層31bに粒子31cを分散させていないものを用いることも可能である。
本実施形態に係るプリンタにおいては、二次転写ベルト41の表面に対向させて光学センサ20を設けており、光学センサ20よりも二次転写ベルト表面移動方向下流側に、二次転写ベルト41の表面をクリーニングするクリーニングブレード60を設けている。さらに、クリーニングブレード60よりも二次転写ベルト表面移動方向下流側には、二次転写ベルト41の表面に潤滑剤71を塗布する潤滑剤塗布ローラ70が配置されている。
感光体2の表面上に形成された画質調整用トナーパターンは、中間転写ベルト31上に一次転写され、用紙Pが二次転写部に存在しない紙間などのタイミングで、中間転写ベルト31から二次転写ベルト41に転写される。そして、二次転写ベルト41上に転写されたトナーパターンの二次転写ベルト41の表面上における画像濃度(トナー付着量を)IDを、光学センサ20を用いて検出する。二次転写ベルト41の表面上の光学センサ20との対向部を通過した画質調整用トナーパターンは、クリーニングブレード60によって二次転写ベルト41上から除去される。そして、このようにクリーニングブレード60によって画質調整用トナーパターンが除去された後、潤滑剤塗布ローラ70によって二次転写ベルト41の表面に潤滑剤71が塗布される。
ここで、画質調整制御(プロセスコントロール)について説明する。画質調整制御では、テストパターンを作成して、このテストパターンの画像濃度や作像位置を検出した結果に基づいて、画像濃度制御と位置ずれ制御とを行う。画像濃度制御は、例えば、所定のパターン潜像を現像して得られる濃度制御用トナーパターン(画質調整用トナーパターンの一種)のトナー付着量(画像濃度)を検出する。そして、このトナー付着量の検出結果に応じて、現像装置8内の現像剤中のトナー濃度、光書込ユニット80の書き込み条件(露光パワー等)、帯電バイアスや現像バイアスなどの設定値を変更する。位置ずれ制御は、例えば、位置ずれ制御用トナーパターン(画質調整用トナーパターンの一種)の検出タイミングにより各色トナー像の潜像書き込みタイミングを調整する。
画質調整制御(プロセスコントロール)は、一般には、電源ON時、印刷ジョブ(画像形成動作)の開始前や終了後、所定枚数の画像形成ごとなどの画像形成動作期間以外の非画像形成動作期間で行われる。ただし、さらなる画質安定化のため、画像形成動作期間中においても、画像領域(一枚の記録シートへ転写される画像部)と画像領域との間の非画像領域である記録シート間に画質調整用パターンを作成して、これを検出して画質調整制御を実施してもよい。
濃度制御用トナーパターンについては、感光体2の径が小さい場合に、画像濃度検出センサの設置スペースの関係から感光体2上で検出することが困難となるが、二次転写ベルト41上では問題なく検出することができる。一方、位置ずれ制御用トナーパターンについては、感光体間距離のバラツキや、各色潜像の書き込みタイミングによる位置ずれなどに起因した各色トナー像間における位置ずれを観測する必要がある。本実施形態では、中間転写ベルト31上で位置ずれが生じたトナー像の転写を二次転写ベルト41上で受けるため、各色トナー像間における位置ずれを観測することができる。そのため、本実施形態では、濃度制御用トナーパターンと位置ずれ制御用トナーパターンとの両方を、光学センサ20により二次転写ベルト41上で検出可能にしている。
また、低画像面積の画像形成動作が続くと、現像装置8内に長時間とどまりつづける古いトナーが増えてくるため、トナー帯電特性等が劣化した劣化トナーの量が増えていき、現像能力低下、転写性低下等を引き起こし、画像品質の悪化につながる。このような劣化トナーが現像装置8内に滞留しないように、所定のタイミングで、現像装置8からトナーを感光体2上の画像間(紙間)に対応する非画像領域へ強制的に吐き出させるトナー強制消費制御であるリフレッシュモードを実行する。このトナーの強制吐き出しによってトナー濃度が低下した現像装置8には、新しいトナーが補給され、これにより、現像装置8内の劣化トナーが新しいトナーと入れ替えられる。
リフレッシュモードが実行されると、感光体2上の画像間(記録シート間)に対応する非画像領域にリフレッシュトナーパターン(トナー消費パターン)が作成され、そのリフレッシュトナーパターンを形成する際に現像装置8がトナーを消費する。このようにして形成されたリフレッシュトナーパターンは、感光体2から中間転写ベルト31に転写され、さらに中間転写ベルト31から二次転写ベルト41に転写されて、クリーニングブレード60により二次転写ベルト41上から除去される。
図6は二次転写ベルト41上に形成された各色の画質調整用トナーパターン400を説明する拡大斜視図である。図7は、画質調整用トナーパターン400を検出し、トナーパターン間隔計測を行う際のタイミングチャートである。本実施形態に係るプリンタにおいては、各色のトナー像形成ユニット1Y,1M,1C,1Kで個別にトナー像が形成された後に、各色のトナー像が順次、中間転写ベルト31上で重ね合わされる。そのため、各色のトナー像に位置ずれがあると、中間転写ベルト31上で重ね合わせたトナー像に色ずれが生じ、画像品質を低下させるおそれがある。
このような色ずれを改善するために実施する色ずれ補正は、画像形成動作に先だって行われるものである。例えば、画像形成装置の立ち上がり時(主電源スイッチの投入による主電源オンの直後)、復帰時(省電力のための省エネルギーモードから印刷動作が可能なスタンバイモードに復帰した直後)において行われる。また、画質調整用トナーパターン400の形成と、この画質調整用トナーパターン400に基づく補正量算出は一連の動作として行われる。また、この一連の動作は、所定以上の温度変化を検出した場合や、所定時間の経過を検出した場合や、所定枚数を印刷した場合等にも行うことも好ましい。また、前記温度、タイマーやカウンタによる所定枚数時には、印刷動作を止めることなく用紙Pと用紙Pの間である紙間に画質調整用トナーパターン400を形成する。
次に、正反射光による色ずれ量の算出について説明する。まず、感光体2Y,2M,2C,2K上に形成された画質調整用トナーパターン400である各色の横線トナーパターン400Y1,400M1,400C1,400K1を、中間転写ベルト31の表面移動方向で異なった位置に転写する。同様に、感光体2Y,2M,2C,2K上に形成された画質調整用トナーパターン400である各色の斜線トナーパターン400Y2,400M2,400C2,400K2を、中間転写ベルト31の表面移動方向で異なった位置に転写する。その後、図6に示すように、中間転写ベルト31に転写された画質調整用トナーパターン400を二次転写ベルト41に転写し、光学センサ20(光学センサ20a,20b,20c)によって二次転写ベルト41上の画質調整用トナーパターン400を検出する。
例えば、ある特定色、ここでは黒の横線トナーパターン400K1の検出信号と、他の各色Y,M,Cの横線トナーパターン400Y1,400M1,400C1の検出信号との、それぞれの時間間隔を測定する。その相対時間差によって、図2に示す光書込ユニット80から照射され感光体2の表面を露光するレーザー光の感光体2に対する副走査位置(円周方向の位置)を制御することで、相対的時間差を目標の相対的時間差になるようにする。二次転写ベルト41に対する黒色Kの作像位置から、他色M,C,Yの目標のピッチ間隔となるように作像位置を合わせる。図7に示すように、横線トナーパターン400Y1,400M1,400C1,400K1によって、二次転写ベルト表面移動方向yである副走査方向のレジスト位置を合わせる。二次転写ベルト表面移動方向と直交するベルト幅方向である主走査方向xのレジスト位置合せは、横線トナーパターンと斜線トナーパターンとの時間間隔差によって位置合せを実行する。
上記例では、画質調整用トナーパターン400(横線トナーパターン4001及び斜線トナーパターン4002)を二次転写ベルト41上に一回形成する場合で説明したが、これに限るものではない。実際はメカニカルな速度変動要因により、測定時の誤差が発生するため、副走査方向に同じような画質調整用トナーパターン400を二次転写ベルト41上に複数回形成する。そして、上述したのと同様に、レジスト調整値を計算し、その平均値を算出することで、メカニカルな周期性の誤差を小さくする。
図6に示すように、画質調整用トナーパターン400は、二次転写ベルト41上に主走査方向xで3箇所に形成されている。二次転写ベルト41上の主走査方向両端に形成された2つの画質調整用トナーパターン400は、書き込み領域の主走査方向両端に形成される。そして、二次転写ベルト41上の残りの1箇所である主走査方向中央部に形成された画質調整用トナーパターン400は、書き込み領域の主走査方向中央部に形成される。ここで、「書き込み領域」とは、用紙P上にトナー像を転写できる範囲である。上記調整値の設定では、書き込み領域内の3箇所の画質調整用トナーパターン400を用いて、主走査方向x及び副走査方向yのレジスト調整値の他に、走査線のスキューの調整値、走査幅の調整値を決定することが可能である。
光学センサ20a,20b,20cのそれぞれには、発光素子と受光素子とが設けられており、発光素子から照射された光が二次転写ベルト41で正反射されて受光素子に至る。二次転写ベルト41上に画質調整用トナーパターン400があると、受光素子の受光量が変化し、図7に示すような光学センサ20の出力として、画質調整用トナーパターン400に対応する検出信号が得られる。この検出信号と閾値レベルとを比較し、トナーパターン検出時のパルス出力波形が、図7に示すように出力される。そして、図中のSTARTからトナーパターン検出時のパルスまでのクロック数をカウントしたカウント数から時間を換算し、STARTからの時間T1、時間T2、時間T3、時間T4が得られる。この結果からトナーパターン検出時の中央位置情報として、例えば、横線トナーパターン400K1では、TK=(T1+T2)/2が得られ、横線トナーパターン400C1では、TC=(T3+T4)/2の値が得られる。同様に横線トナーパターン400M1,400Y1、及び、斜線トナーパターン400Y2,400M2,400C2,400K2も算出する。そして、図6に示す横線トナーパターン400K1と横線トナーパターン400C1とのパッチ間隔Pc1=(TC−TK)が算出される。この算出方法と同様に、パッチ間隔Pm1、Py、Pc2、Pm2、Py2も算出される。
図1は、用紙Pと二次転写ベルト41への二次転写率を示す図である。二次転写率の測定環境は、温度が23[℃]で相対湿度が50[%]の常温常湿環境(MM環境)である。そして、一色ベタトナー像と二色重ねトナー像それぞれを、中間転写ベルト31から二次転写ベルト41に転写するベルト転写時と用紙Pに転写する用紙転写モードとで、二次転写電流に対する二次転写率をプロットしている。
図1から、用紙転写モードには、一色ベタトナー像と二色重ねトナー像とのうちトナー量が多いほうである二色重ねトナー像の二次転写率が最も高くなるような二次転写電流I1が設定されている。一方で、ベルト転写時に二次転写率が最も高くなるような二次転写電流I2は、用紙転写モードの二次転写電流I1と異なっており、ベルト転写時の二次転写電流I2は、用紙転写モードの二次転写電流I1よりも絶対値で小さいことがわかる。
二次転写電流に対する二次転写率は、中間転写ベルト31から用紙Pに転写する用紙転写モードと、中間転写ベルト31から二次転写ベルト41に転写するベルト転写時とで異なる。これは転写時の抵抗が用紙Pの有無で変化するためである。そのため、用紙転写モードの二次転写率が高くなるような二次転写電流I1に設定すると、ベルト転写時に二次転写ニップを流れる電流が過剰となり、用紙転写モードと比較してベルト転写時の二次転写率が低下する。また、二次転写率カーブが急峻に変化する領域であるため、使用環境の変化や現像剤の劣化状態の変化に対し、転写率の変動が大きくなってしまう。二次転写率が変動することにより、中間転写ベルト31上から二次転写ベルト41上に転写される、画質調整用パターンや濃度制御用パターンやリフレッシュトナーパターンなどの二次転写率が低くなると、中間転写ベルト31上の転写残トナー量が多くなる。そのため、中間転写ベルト31をクリーニングするベルトクリーニング装置37のクリーニング負荷が大きくなって、クリーニング不良が生じるおそれがある。
本実施形態に係るプリンタにおいては、中間転写ベルト31上から用紙Pにトナー像を転写する用紙転写モードと、用紙転写モードと転写条件が異なった、中間転写ベルト31上から二次転写ベルト41上にトナー像を転写するベルト転写モードとを有している。そして、前記転写条件として、ベルト転写モードでの二次転写電流I2の絶対値を、図1に示すように用紙転写モードでの二次転写電流I1の絶対値よりも小さくしている。図1では、用紙転写モードでの二次転写電流I1を−105[μA]とし、ベルト転写モードでの二次転写電流I2を−93[μA]としている。これにより、二次転写率が高く安定している領域の二次転写電流I2で、画質調整用トナーパターンや濃度制御用トナーパターンやリフレッシュトナーパターンなどを中間転写ベルト31上から二次転写ベルト41上に転写することができる。そして、ベルト転写モードでは、図1からわかるように二次転写電流I2のほうが二次転写電流I1よりも二次転写率が高いため、その分、中間転写ベルト31上の転写残トナー量を少なくすることができる。よって、ベルトクリーニング装置37のクリーニング負荷が低減され、クリーニング不良の発生を抑制することができる。
また、ベルト転写モードに二次転写電流I2となるような二次転写バイアスの設定値としては、用紙転写モードに二次転写電流I1となるような二次転写バイアスの設定値に対して、70[%]以上100[%]未満の大きさに設定するのが良い。より好ましくは、80[%]程度の大きさに設定するのが良い。
また、プリンタ内の温度湿度環境が変化すると、用紙Pや中間転写ベルト31や二次転写ベルト41などの抵抗が変化するため、用紙転写モードの二次転写電流I1と、ベルト転写モードの二次転写電流I2とを温度湿度環境によって変化させる。表1に、低温低湿環境(LL環境)と、常温常湿環境(MM環境)と、高温高湿環境(HH環境)とにおける、用紙転写モードとベルト転写モードそれぞれの二次転写電流I1,I2の設定値の一例を示す。
なお、各温度湿度環境は、温度と相対湿度とがそれぞれ、低温低湿環境(LL環境)が10[℃]15[%]、常温常湿環境(MM環境)が23[℃]50[%]、高温高湿環境(HH環境)が27[℃]80[%]の場合である。また、MM環境及びHH環境では、二次転写バイアスとして直流バイアスと交流バイアスとを重畳した重畳バイアスを二次転写対向ローラ33に印加しており、二次転写電流I1,I2の設定値は二次転写バイアスの直流成分の出力値である。一方、LL環境では、二次転写バイアスとして交流バイアスを出力せず直流バイアスのみを二次転写対向ローラ33に印加しており、二次転写電流I1,I2の設定値は直流バイアスの出力値である。
このように、温度湿度環境に応じて、用紙転写モードの二次転写電流I1と、ベルト転写モードの二次転写電流I2とを変化させることにより、温度湿度環境によらず常に良好な転写率を得られるようにすることができる。
[実施形態2]
本発明を適用した画像形成装置の第二の実施形態(以下、実施形態2という)について説明する。なお、実施形態2に係る画像形成装置であるプリンタの基本的な構成は、実施形態1に係るプリンタの構成と同様なので、その説明は省略する。
本実施形態に係るプリンタにおいても、実施形態1に係るプリンタと同様に、現像装置8内の現像剤をリフレッシュするリフレッシュモードが実行可能となっている。このリフレッシュモードでは、古いトナーが現像装置8内に滞留しないように一定のタイミングで感光体2の非画像領域に現像装置8からトナーを吐き出し、強制的に現像装置8内のトナーを消費するトナー強制消費制御を実施する。そして、現像装置8内からトナーを吐き出し後に、トナー濃度が低下した現像装置8に新しいトナーを補給するトナー補給制御を実施する。このようなリフレッシュモードを実行することにより、現像装置8内のトナーをリフレッシュして画像品質を改善する。
リフレッシュモードは、例えば、画像面積率2.5[%]以下の画像形成が行われた場合に実施する。そして、画像面積率2.5[%]の画像形成が行われた場合と同等量のトナーが消費されるように、紙間やジョブエンドのタイミングでリフレッシュトナーパターン(トナー消費パターン)を形成する。感光体2の紙間に対応する非画像形成領域に形成されたリフレッシュトナーパターンは、感光体2から中間転写ベルト31に一次転写された後、中間転写ベルト31から二次転写ベルト41に二次転写され、クリーニングブレード60で除去される。
ここで、中間転写ベルト31から二次転写ベルト41へのリフレッシュトナーパターンの転写率が低いと、中間転写ベルト31上に残留する転写残トナーが多くなり、ベルトクリーニング装置37のクリーニング負荷が大きくなる。本願発明者らが鋭意研究を重ねた結果、中間転写ベルト31から二次転写ベルト41にトナー像を転写する場合には、ハーフトーントナー像の転写率が、ベタパターントナー像の転写率よりも悪くなることが判った。また、中間転写ベルト31から二次転写ベルト41に転写するトナー像としては、濃度制御用トナーパターンや位置ずれ制御用トナーパターンやリフレッシュトナーパターンなどがあるが、このなかで、リフレッシュトナーパターンのトナー量が最も多くなる。そのため、リフレッシュトナーパターンをハーフトーントナー像で形成すると、前記クリーニング負荷が大きくなるのがより顕著となる。
そのため、本実施形態に係るプリンタにおいては、リフレッシュトナーパターンをベタパターントナー像で形成する。これにより、中間転写ベルト31から二次転写ベルト41へのリフレッシュトナーパターンの転写率が、リフレッシュトナーパターンをハーフトーントナー像で形成した場合よりも向上し、中間転写ベルト31上に残留する転写残トナーを低減させることができる。よって、ベルトクリーニング装置37に入力される転写残トナーが少なくなるため、その分、ベルトクリーニング装置37のクリーニング負荷を小さくすることができる。
表2は、ハーフトーントナー像及びベタトナー像の転写率と転写残トナー量とを示したものである。
なお、ハーフトーントナー像の画像面積率は50[%]であり、ベタトナー像の画像面積率は100[%]である。また、表中の「一色」は一色のトナー像を単体で、「二色重ね」は二色のトナー像を重ね合せて、「三色重ね」は三色のトナー像を重ね合わせて、「四色重ね」は四色のトナー像を重ね合わせて、中間転写ベルト31上に形成した場合をそれぞれ示している。
表2からわかるように、「一色」、「二色重ね」、「三色重ね」、「四色重ね」のいずれの場合でも、ベタトナー像のほうがハーフトーントナー像よりも転写率が高く、中間転写ベルト31上の転写残トナー量が少なくなることがわかる。また、二色重ねのハーフトーントナー像と一色のベタトナー像とは、画像面積率が同じ100[%]であるが、一色のベタトナー像のほうが二色重ねのハーフトーントナー像よりも転写率が高く、中間転写ベルト31上の転写残トナー量が少ない。同様に、四色重ねのハーフトーントナー像と二色重ねのベタトナー像とは、画像面積率が同じ200[%]であるが、二色重ねのベタトナー像のほうが四色重ねのハーフトーントナー像よりも転写率が高く、中間転写ベルト31上の転写残トナー量が少ない。これにより、画像面積率が同じであっても、ハーフトーントナー像を重ね合わせるより、ベタトナー像のほうが中間転写ベルト31上の転写残トナー量が少なくなる分、ベルトクリーニング装置37のクリーニング負荷を小さくすることができる。
表3は、リフレッシュトナーパターンを、ハーフトーントナー像で形成した場合とベタトナー像で形成した場合それぞれでのトナー落ち発生枚数を示したものである。
表3からわかるように、リフレッシュトナーパターンをハーフトーントナー像で形成した場合には、上述したように転写率が悪く中間転写ベルト31上の転写残トナー量が多くなり、ベルトクリーニング装置37に入力されるトナー量が多くなる。そのため、ベルトクリーニング装置37で一旦回収されたトナーが、中間転写ベルト31上に落ちてしまうトナー落ちが発生している。一方、リフレッシュトナーパターンをベタトナー像で形成した場合には、上述したように転写率が良く中間転写ベルト31上の転写残トナー量が少なくなり、ベルトクリーニング装置37に入力されるトナー量が少なくなる。そのため、ベルトクリーニング装置37で一旦回収されたトナーが、中間転写ベルト31上に落ちることがなく、トナー落ちが発生していない。
次に、紙間に形成するリフレッシュトナーパターンの形状について説明する。Y,M,C,Kの四色の各リフレッシュトナーパターンそれぞれを、中間転写ベルト移動方向に位置をずらして重なり合わないように形成すると、四色全てのリフレッシュトナーパターンが収まるように紙間の中間転写ベルト移動方向の幅を大きくする必要がある。そのため、連続画像形成時の生産性が低下してしまう。一方、四色全てのリフレッシュトナーパターンを同じ場所で重ね合わせることで、紙間の中間転写ベルト移動方向の幅を大きくしなくても、四色重ね合わせリフレッシュトナーパターンを紙間に形成することができる。ところが、リフレッシュトナーパターンをベタトナー像で形成する場合には、四色全てのリフレッシュトナーパターンを重ねるとトナー量が多すぎて転写率が低下し、中間転写ベルト31上の転写残トナー量が多くなってしまう。
そのため、本実施形態に係るプリンタにおいては、紙間に形成するベタトナー像からなるリフレッシュトナーパターンを、最大二色まで重ね合わせるようにしている。これにより、紙間の中間転写ベルト移動方向の幅が大きくなり連続画像形成時の生産性が低下するのを抑えつつ、転写率が低下して中間転写ベルト31上の転写残トナー量が多くなってしまうのを抑制することができる。
図8は、リフレッシュトナーパターンの形状の一例を示す模式図である。図8は、Y,M,Cの三色のリフレッシュトナーパターンを紙間に形成する場合での各色のリフレッシュトナーパターンの形状を示している。なお、図8は、現像剤のリフレッシュのために吐き出すトナー量が、現像装置8M,8Cに比べて現像装置8が多い場合に紙間に形成する、各色のリフレッシュトナーパターンの形状を示している。
まず、中間転写ベルト31上にY色リフレッシュトナーパターンを形成する。そして、そのY色リフレッシュトナーパターン上にM色リフレッシュトナーパターンとC色リフレッシュトナーパターンとを、中間転写ベルト表面移動方向と直交する中間転写ベルト幅方向に並べて形成する。これにより、紙間の中間転写ベルト表面移動方向の幅が大きくなるのを抑えられ、連続画像形成時の生産性が低下するのを抑制できる。
また、表2から、Y色の上に形成されたM色の上にさらにC色を形成し三色重ねにする場合よりも、Y色とM色との二色重ねや、Y色とC色との二色重ねとするほうが転写率が高くなるため、中間転写ベルト31上の転写残トナー量を少なくすることができる。そのため、三色のリフレッシュトナーパターンを紙間に形成する場合には、図8に示すように、最大二色までリフレッシュトナーパターンが重なり合うように、各色リフレッシュトナーパターンを形成するのが好ましい。
図9は、リフレッシュトナーパターンの形状の他例を示す模式図である。なお、図9においても図8と同様に、現像剤のリフレッシュのために吐き出すトナー量が、現像装置8M,8Cに比べて現像装置8が多い場合に紙間に形成する、各色のリフレッシュトナーパターンの形状を示している。
ここで、M色とC色それぞれのリフレッシュトナーパターンを、中間転写ベルト31上にベルト幅方向で並べて形成するためには、感光体2M,2Cの表面上における中間転写ベルト幅方向(感光体軸線方向)中央よりも片側に形成することになる。そのため、感光体2M,2Cの表面上における中間転写ベルト幅方向(感光体軸線方向)で、リフレッシュトナーパターンが形成される側と形成されない側とでは、ドラムクリーニング装置3による感光体表面の削れ方が異なり偏摩耗するなどの不具合が生じ得る。
そこで、図9においては、中間転写ベルト31上に形成したY色リフレッシュトナーパターン上にM色リフレッシュトナーパターンとC色リフレッシュトナーパターンとを、中間転写ベルト表面移動方向に並べて形成する。これにより、感光体2M,2Cの表面上における中間転写ベルト幅方向(感光体軸線方向)で中央よりも片側だけにリフレッシュトナーパターンを形成することで、感光体表面が偏摩耗するなどの不具合が生じるのを抑制できる。
また、本実施形態に係るプリンタにおいても、実施形態1係るプリンタと同様に、リフレッシュモードにおけるベルト転写モードの二次転写バイアスの絶対値を、用紙転写モードの二次転写バイアスの絶対値よりも小さくする制御を行ってもよい。その際、用紙転写モードの二次転写電流I1と、ベルト転写モードの二次転写電流I2とを、実施形態1の表1に示すように温度湿度環境によって変化させるのが好ましい。このように、温度湿度環境に応じて、用紙転写モードの二次転写電流I1と、ベルト転写モードの二次転写電流I2とを変化させることにより、温度湿度環境によらず常に良好な転写率を得られるようにすることができる。
図10は、温度湿度環境を変化させて、ハーフトーントナー像からなるリフレッシュトナーパターンと、ベタトナー像からなるリフレッシュトナーパターンそれぞれにおける転写残トナー量を評価した結果である。温度湿度環境は、温度と相対湿度とがそれぞれ、低温低湿環境(LL環境)が10[℃]15[%]、常温常湿環境(MM環境)が23[℃]50[%]、高温高湿環境(HH環境)が27[℃]80[%]の場合である。また、図中のΔIDは、中間転写ベルト31上の転写残トナーが残留する領域と、転写残トナーがない領域との画像濃度差のことである。したがって、ΔIDが0に近いほど、中間転写ベルト31上の転写残トナーが少ないことになる。
図10に示すように、いずれの温度湿度環境においても、リフレッシュトナーパターンをハーフトーントナー像で形成よりもベタトナー像で形成したほうが、ΔIDが小さくなり、中間転写ベルト31上の転写残トナーが少なくなることがわかる。また、用紙転写モードよりもベルト転写モードの二次転写電流を絶対値で小さくすることで、ベルト転写モードにおけるリフレッシュトナーパターンの二次転写率が低下するのを抑えられる。これにより、ΔIDがより小さくなり、中間転写ベルト31上の転写残トナー量をより低減できる。よって、リフレッシュトナーモードで、ベルトクリーニング装置37に入力される転写残トナーが少なくなりクリーニング負荷が小さくなるので、クリーニング不良やトナー落ちによる異常画像の発生を抑制することができる。また、温度湿度環境に応じて、用紙転写モードとベルト転写モード(リフレッシュモード時)との二次転写電流I1,I2を設定することにより、温度湿度環境によらず良好な二次転写率を確保することができる。
[実施形態3]
本発明を適用した画像形成装置の第三の実施形態(以下、実施形態3という)について説明する。なお、実施形態3に係る画像形成装置であるプリンタの基本的な構成は、実施形態1に係るプリンタの構成と同様なので、その説明は省略する。
図11は、用紙Pと二次転写ベルト41への二次転写率を示す図である。図11から、用紙転写モードには、一色ベタトナー像と二色重ねトナー像とのうちトナー量が多いほうである二色重ねトナー像の二次転写率が最も高くなるような二次転写電流I1が設定されている。一方で、一色ベタトナー像のベルト転写時に二次転写率が最も高くなるような二次転写電流I2は、用紙転写モードの二次転写電流I1と異なっており、ベルト転写時の二次転写電流I2は、用紙転写モードの二次転写電流I1よりも絶対値で小さいことがわかる。
二次転写電流に対する二次転写率は、中間転写ベルト31から用紙Pに転写する用紙転写モードと、中間転写ベルト31から二次転写ベルト41に転写するベルト転写時とで異なる。これは転写時の抵抗が用紙Pの有無で変化するためである。そのため、用紙転写モードの二次転写率が高くなるような二次転写電流I1に設定すると、ベルト転写時に二次転写ニップを流れる電流が過剰となり、用紙転写モードと比較してベルト転写時の二次転写率が低下する。また、二次転写率カーブが急峻に変化する領域であるため、使用環境の変化や現像剤の劣化状態の変化に対し、二次転写率の変動が大きくなってしまう。二次転写率が変動することで、中間転写ベルト31上から二次転写ベルト41上に転写される濃度制御用トナーパターンの画像濃度がばらつき、画質調整制御(プロセスコントロール)である画像濃度制御の精度が悪化して、画像濃度変動が生じやすくなってしまう。
そこで、本実施形態においては、図11に示すように、画像濃度制御におけるベルト転写モードの二次転写電流I2の絶対値を、用紙転写モードの二次転写電流I1の絶対値よりも小さくする。これにより、二次転写率が高く安定している領域の二次転写電流I2で、濃度制御用トナーパターンを中間転写ベルト31上から二次転写ベルト41上に転写することができる。よって、二次転写ベルト41上に転写された濃度制御用トナーパターンの画像濃度がばらつくのを抑えられ、光学センサ20による濃度制御用トナーパターンの検知結果に基づいて実行される画像濃度制御の精度を高めることができる。また、図11からわかるように、ベルト転写モードでは、二次転写電流I2のほうが二次転写電流I1よりも二次転写率が高いため、その分、中間転写ベルト31上の転写残トナーを少なくすることができる。よって、ベルトクリーニング装置37に入力される転写残トナーが少なくなりクリーニング負荷が小さくなるので、クリーニング不良やトナー落ちによる異常画像の発生を抑制することができる。
図12は、低温低湿環境(LL環境)における濃度制御用トナーパターンの二次転写率を示す図である。図13は、常温常湿環境(MM環境)における濃度制御用トナーパターンの二次転写率を示す図である。図14は、高温高湿環境(HH環境)における濃度制御用トナーパターンの二次転写率を示す図である。図12、図13及び図14に、実験環境を変化させ、濃度制御用トナーパターンの二次転写率を計測した結果を示す。実験環境は、温度と相対湿度とがそれぞれ、低温低湿環境(LL環境)が10[℃]15[%]、常温常湿環境(MM環境)が23[℃]50[%]、高温高湿環境(HH環境)が27[℃]80[%]の場合である。各色の濃度制御用トナーパターンとしては、Y,M,C色に関しては単色のベタ画像を用いており、K色に関しては単色のハーフトーン画像を用いている。本実施形態においては、濃度制御用トナーパターンの画像濃度検出結果に基づき、現像装置8の現像剤中のトナー濃度、光書込ユニット80の書き込み条件、帯電バイアスや現像バイアスなどの設定値を変更する画像濃度調整制御を行っている。
表4に、低温低湿環境(LL環境)と、常温常湿環境(MM環境)と、高温高湿環境(HH環境)とにおける、用紙転写モードとベルト転写モード(画像濃度制御時)それぞれの二次転写電流I1,I2の設定値の一例を示す。
なお、MM環境及びHH環境では、二次転写バイアスとして直流バイアスと交流バイアスとを重畳した重畳バイアスを二次転写対向ローラ33に印加しており、二次転写電流I1,I2の設定値は二次転写バイアスの直流成分の出力値である。一方、LL環境では、二次転写バイアスとして交流バイアスを出力せず直流バイアスのみを二次転写対向ローラ33に印加しており、二次転写電流I1,I2の設定値は直流バイアスの出力値である。
図12、図13及び図14に示したように、いずれの温度湿度環境においても、ベルト転写モードでの二次転写電流I2の絶対値を、用紙転写モードでの二次転写電流I1の絶対値よりも小さくすることにより、濃度制御用トナーパターンの二次転写率が高くなる。特に、K色は他色よりもトナーの帯電量が低いため過転写状態になりやすく、ベルト転写モード(画像濃度制御時)での二次転写電流I2の絶対値を、用紙転写モードでの二次転写電流I1の絶対値よりも小さくすることで二次転写率が他色よりも大きく改善される。
また、表6に示すように、各温度湿度環境により、用紙転写モードとベルト転写モード(画像濃度制御時)の二次転写電流I1,I2を設定することで、温度湿度環境によらず良好な二次転写率を確保することができる。そのため、画像濃度制御の精度を高めることができる。
[実施形態4]
本発明を適用した画像形成装置の第四の実施形態(以下、実施形態4という)について説明する。なお、実施形態4に係る画像形成装置であるプリンタの基本的な構成は、実施形態1に係るプリンタの構成と同様なので、その説明は省略する。
光学センサ20による各色の位置ずれ制御用トナーパターン(画質調整用トナーパターン)である色ずれ補正用トナーパターンの検知結果に基づいて、各色のトナー像間の位置ずれである色ずれの補正を行う際には、次のような問題が生じ得る。すなわち、反射型光学センサである光学センサ20のセンサ出力の立ち下がり又は立ち上がりの勾配は、受光素子の受光領域全体に占める色ずれ補正用トナーパターンのエッジ部からの光を受光している箇所の面積比率が刻々と変化するために生じる。そのため、二次転写率が色ずれ補正用トナーパターンごとに変動し、各色ずれ補正用トナーパターンのトナー付着量が異なると、色ずれ補正用トナーパターンのエッジ部を検知した受光量が異なり、前記勾配も異なるものとなる。このため、光学センサ20のセンサ出力が閾値レベルに達するまでの時間にバラつきが生じ、各色ずれ補正用トナーパターンの位置を正確に検知できず、色ずれが発生してしまう。
そこで、本実施形態においては、色ずれ補正時におけるベルト転写モードの二次転写電流I2の絶対値を、用紙転写モードの二次転写電流I1の絶対値よりも小さくする。これにより、二次転写率が高く安定している領域の二次転写電流I2で、色ずれ補正用トナーパターンを中間転写ベルト31上から二次転写ベルト41上に転写することができる。よって、二次転写ベルト41上に転写された色ずれ補正用トナーパターンのトナー付着量の変動が小さくなり、各色の色ずれ補正用トナーパターンのエッジ部における形状再現性が良好になる。そのため、色ずれ補正用トナーパターンのセンサ出力タイミングの精度が向上し、センサ出力のバラツキを抑制できる。したがって、光学センサ20により色ずれ補正用トナーパターンの位置を正確に検知することができ、複数色重ねトナー像の色ずれを十分に低減することができる。
また、本実施形態においても、色ずれ補正時におけるベルト転写モードでは、二次転写電流I2のほうが二次転写電流I1よりも二次転写率が高いため、その分、中間転写ベルト31上の転写残トナーを少なくすることができる。よって、ベルトクリーニング装置37に入力される転写残トナーが少なくなりクリーニング負荷が小さくなるので、クリーニング不良やトナー落ちによる異常画像の発生を抑制することができる。
以上に説明したものは一例であり、本発明は、次の態様毎に特有の効果を奏する。
(態様A)
画像形成装置において、中間転写ベルト31などの像担持体と、前記像担持体上にトナー像を形成するトナー像形成ユニット1などのトナー像形成手段と、前記像担持体の表面に当接して転写ニップを形成する二次転写ベルト41などの転写体と、前記像担持体と前記転写体との間に転写バイアスを印加して転写電界を形成する二次転写電源39などの転写電界形成手段とを備えており、前記像担持体上に形成されたトナー像を前記転写ニップで用紙Pなどの記録媒体に転写する用紙転写モードなどの第一転写モードと、前記第一転写モードと転写条件が異なった、前記像担持体上に形成されたトナー像を前記転写ニップで前記転写体に転写するベルト転写モードなどの第二転写モードとを有する。
(態様A)においては、前記第一転写モードと前記第二転写モードとで、転写条件を異ならせることで、上記実施形態について説明したように、第二転写モードで転写後の像担持体上に残留する転写残トナーの量を低減させることができる。
(態様B)
(態様A)において、前記第二転写モードでの前記転写バイアスの絶対値を、前記第一転写モードでの前記転写バイアスの絶対値よりも小さくする。
像担持体から用紙にトナー像を転写する第一転写モードと、像担持体から転写体にトナー像を転写する第二転写モードとでは、転写ニップに用紙などの記録媒体が有るか無いかによって転写時の抵抗が変化する。そのため、第二転写モードでの転写バイアスが、第一転写モードで転写率が高くなるような転写バイアスと同じであると、転写ニップを流れる転写電流が過剰となり転写率が低下するおそれがある。
(態様B)においては、第二転写モードでの転写バイアスの絶対値を、第一転写モードでの転写バイアスの絶対値よりも小さくするので、第二転写モードで転写ニップを流れる転写電流が過剰となるのを抑制することができる。これにより、転写ニップを流れる転写電流が過剰となる場合よりも、第二転写モードでの転写率を高めることが可能となる。よって、その分、第二転写モードで転写後の像担持体上に残留する転写残トナーの量を低減させることができる。
(態様C)
(態様B)において、前記第二転写モードでの前記転写バイアスを、前記第一転写モードでの前記転写バイアスに対して70[%]以上100[%]未満の大きさに設定する。これによれば、上記実施形態について説明したように、第二転写モードで良好な転写率を確保することができる。
(態様D)
(態様B)または(態様C)のいずれかにおいて、前記第二転写モードでの前記転写バイアスを、温度湿度環境に応じて変更する。これによれば、上記実施形態について説明したように、温度湿度環境の変化によらず第二転写モードで良好な転写率を確保することができる。
(態様E)
(態様A)乃至(態様D)のいずれかにおいて、前記転写体上のトナー像を検知する光学センサ20などのトナー像検知手段を有しており、前記トナー像形成手段により形成した濃度制御用トナーパターンなどの画像濃度調整用のトナー像を前記トナー像検知手段によって検知し、当該トナー像検知手段の検知結果に基づいて画像濃度を調整する画像濃度制御などの画像濃度調整制御が実行可能であり、前記画像濃度調整制御の実行時に、前記第二転写モードで前記画像濃度調整用のトナー像を前記像担持体から前記転写体に転写する。これによれば、上記実施形態について説明したように、画像濃度調整制御の精度を高めることができる。
(態様F)
(態様A)乃至(態様D)のいずれかにおいて、前記転写体上のトナー像を検知する光学センサ20などのトナー像検知手段を有しており、前記トナー像形成手段により形成した色ずれ補正用トナーパターンなどの色ずれ補正用のトナー像を前記トナー像検知手段によって検知し、当該トナー像検知手段の検知結果に基づいて色ずれを補正する色ずれ補正制御が実行可能であり、前記色ずれ補正制御の実行時に、前記第二転写モードで前記色ずれ補正用のトナー像を前記像担持体から前記転写体に転写する。これによれば、上記実施形態について説明したように、色ずれ補正制御の精度を高めることができる。
(態様G)
(態様A)乃至(態様D)のいずれかにおいて、所定のトナー強制消費制御実施条件が満たされたときに、前記第二転写モードで、前記トナー像形成手段が有するトナーを強制的に消費するためのベタトナー像を前記像担持体上に形成する。これによれば、上記実施形態について説明したように、トナー像形成手段が有するトナーを強制的に消費する際に、ハーフトーントナー像を像担持体上に形成する場合よりも、転写体への転写率を高めることができる。
(態様H)
(態様G)において、前記トナー像形成手段を複数有しており、前記第二転写モードで前記像担持体上に形成する前記ベタトナー像は、二つの前記トナー像形成手段それぞれにより形成したトナー像を前記像担持体上で重ねて形成するか、一つの前記トナー像形成手段により形成する。これによれば、上記実施形態について説明したように、転写率が低下して像担持体上の転写残トナー量が多くなってしまうのを抑制することができる。
(態様I)
(態様H)において、異なる色のトナーを用いてトナー像を形成する3つ以上の前記トナー像形成手段を有しており、前記第二転写モードで、一色のベタトナー像の上に、該一色のベタトナー像よりも小さな残りの二色のベタトナー像を像担持体表面移動方向と直交する方向に並べて形成する。これによれば、上記実施形態について説明したように、連続画像形成時の生産性が低下するのを抑えつつ、転写率が低下して像担持体上の転写残トナー量が多くなってしまうのを抑制することができる。
(態様J)
(態様H)において、異なる色のトナーを用いてトナー像を形成する3つ以上の前記トナー像形成手段を有しており、前記第二転写モードで、一色のベタトナー像の上に、該一色のベタトナー像よりも小さな残りの二色のベタトナー像を像担持体表面移動方向に並べて形成する。これによれば、上記実施形態について説明したように、連続画像形成時の生産性が低下するのを抑えつつ、転写率が低下して像担持体上の転写残トナー量が多くなってしまうのを抑制することができる。また、トナー像形成手段に設けられた感光体の表面が偏摩耗するのを抑制できる。
(態様K)
(態様A)乃至(態様J)のいずれかにおいて、前記像担持体は、弾性を有するベルト部材である。これによれば、上記実施形態について説明したように、表面凹凸シートに対するトナー像の転写性を向上させることができる。
(態様L)
(態様A)乃至(態様J)のいずれかにおいて、前記像担持体は、複数層を具備する多層構造のベルト部材であり、前記複数層は、基層31aなどの基層と、前記基層の上に形成された弾性層31bなどの弾性層とを含む。これによれば、上記実施形態について説明したように、表面凹凸形状の記録媒体に対するトナー像の転写性を向上させることができる。
(態様M)
(態様L)において、前記弾性層の表面に複数の粒子31cなどの粒子を分散させる。これによれば、上記実施形態について説明したように、像担持体表面からのトナー離型性を高めて転写効率を向上させることができる。また、像担持体からの記録媒体の分離性を高めることができる。
(態様N)
(態様M)において、前記粒子として、トナーの正規帯電極性とは逆極性の帯電性能を有するものを用いる。これによれば、上記実施形態について説明したように、トナーへの逆電荷の注入量をより低減することができる。
(態様O)
(態様A)乃至(態様N)のいずれかにおいて、前記転写体は、複数の張架部材によって回転可能に設けられたベルト部材である。これによれば、上記実施形態について説明したように、転写体上に記録媒体を担持して転写ニップに記録媒体を搬送することができ、記録媒体に皺などが生じたり、記録媒体が詰まったりするのを抑制することができる。