JP2009109716A - 画像形成装置 - Google Patents

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聡 西田
Toshiki Hayamizu
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Abstract

【課題】安定したカラー画像を形成する画像形成装置を提供すること。
【解決手段】複数の感光体と、各感光体上にトナー像を形成する画像形成手段と、前記トナー像を中間転写体に転写する転写手段と、前記中間転写体上のトナー像の濃度を検知する濃度検知手段と、を有する画像形成装置において、各転写手段の転写出力を決定するに当たり、各感光体上に複数個のトナーパッチを形成し、転写出力決定に係わる転写手段の転写出力を変化させ、他の転写手段の転写出力は変化させないで、前記感光体上のトナーパッチを単色と複数色重ね合わせのトナーパッチとして前記中間転写体上に転写し、前記濃度検知手段にて検知された単色と複数重ね合わせのトナーパッチの画像濃度に基づいて、前記転写出力決定に係わる転写手段の転写出力を決定する制御手段を有することを特徴とする画像形成装置。
【選択図】図2

Description

本発明は、電子写真方式の複写機やプリンタ等に用いられる画像形成装置に関し、特に複数の各色の画像形成手段をタンデム方式で配置してなる画像形成装置に関する。
従来、電子写真方式の複写機やプリンタ等に用いられる画像形成装置において、複数の感光体上にそれぞれ異なる色に対応する静電潜像を形成し、これらの静電潜像をそれぞれの色で現像して各感光体上に各色のトナー像を形成し、それらの各色のトナー像を所定の方向に回転する中間転写体上に順次重ね合わせる様にして1次転写し、その1次転写されたトナー像を所定の記録媒体に2次転写し、定着することにより記録媒体上に画像を記録する、いわゆる中間転写方式の画像形成装置が知られている。
画像形成装置は、常に同一条件にて画像を再生、つまり画像形成を行うと、徐々に画質が劣化していく。この画質の劣化は、経時的な変化、例えば、画像形成回数に応じて、感光体の帯電性、現像剤の劣化等が変化することで初期の画像濃度が得られなくなることに基づく。
特に、カラー画像形成装置においては、上記の感光体、現像剤等の劣化に伴って、それぞれの色を転写体に転写する際の転写出力がその都度最適値から乖離するために、転写されたトナー像が期待した色味と異なったものとなり易い。また、ベタ/ハーフトーン画像形成の場合に粗大トナー粒子周辺の転写ヌケや、トナー量と転写電荷量の不均衡による放電ノイズ等が発生しやすくなる問題が生じる。
これらの問題は転写出力が正確に制御できれば回避でき、あるいは転写出力設定値を変更することで回避できる。
転写手段の出力方法としては定電圧制御方式と定電流方式がある。
従来は、転写手段である転写ローラに電流を流すか、あるいは電圧を印加して、電流値の場合には電圧値を、電圧印加の場合はには電流値をモニターして転写出力を決定している。
公知例として、形成されるカラー画像の画質を常に一定条件に保つために、転写出力を決定し、転写体にトナーパッチを安定して形成できる領域を選定する方法がある。例えばパターン像(トナーパターン)を形成するための領域を選定するために、現像装置の現像バイアス電圧を制御しながら、転写体(ドラム)の全周に一定条件でトナーパッチを形成し、当該トナーパッチの濃度を濃度検知センサにて検出し、検出結果からCPUにて安定したトナーパッチを形成する最良な領域を選定することによって画像補償制御をより向上させる方法がある(例えば、特許文献1参照)。
特開平11ー212315号公報
しかしながら、上記公知例は、単色のトナーパッチのみからプロセス条件である現像バイアスあるいは転写出力を制御しており、単色を重ね合せたカラー画像の場合は、単色のトナーパッチのみからの情報でプロセス条件を制御するだけでは、複数色重ね合わせ(以下、「複数色」を省略する。)のカラー画像を形成に当たり、適正な転写出力を設定することが難しく、期待した色味が得られないことが多い。
本発明は、単色トナーパッチと重ね合わせトナーパッチとからの転写出力情報も取り入れ、より適正な転写出力を設定し、安定したカラー画像を形成する画像形成装置を提供することを目的とする。
上記目的は、下記の構成によって達成される。
(1)複数の感光体と、各感光体上にトナー像を形成する画像形成手段と、前記トナー像を中間転写体に転写する転写手段と、前記中間転写体上のトナー像の濃度を検知する濃度検知手段と、を有する画像形成装置において、各転写手段の転写出力を決定するに当たり、各感光体上に複数個のトナーパッチを形成し、転写出力決定に係わる転写手段の転写出力を変化させ、他の転写手段の転写出力は変化させないで、前記感光体上のトナーパッチを単色と複数色重ね合わせのトナーパッチとして前記中間転写体上に転写し、前記濃度検知手段にて検知された単色と複数重ね合わせのトナーパッチの画像濃度に基づいて、前記転写出力決定に係わる転写手段の転写出力を決定する制御手段を有することを特徴とする画像形成装置。
(2)複数の感光体と、各感光体上にトナー像を形成する画像形成手段と、前記トナー像を回動する用紙搬送ベルトで送られた用紙に転写する転写手段と、転写されたトナー像の濃度を検知する濃度検知手段と、を有する画像形成装置において、各感光体上に複数のトナーパッチを作成し、転写出力決定に係わる転写手段の転写出力は段階的に変化させ、他の転写手段の転写出力は変化させないで、前記感光体上のトナーパッチを単色と複数重ね合わせのトナーパッチとして前記用紙搬送ベルト上に転写し、前記濃度検知手段にて検知された単色と複数色重ね合わせのトナーパッチの画像濃度に基づいて、前記転写出力決定に係わる転写手段の転写出力を決定する制御手段を有することを特徴とする画像形成装置。
単色トナーパッチおよび重ね合わせトナーパッチからの情報で、より適正な転写出力を設定できるので、安定したカラー画像を提供することができる。
はじめに、本発明の画像形成装置について図1を基に説明する。
本発明の実施の形態における説明では、本明細書に用いる用語により技術範囲が限定されることはない。
図1は画像形成装置の全体構成の一例を示す模式図である。
図1において、10は像担持体である感光体、11は帯電手段であるスコロトロン帯電器、12はデジタル式像露光手段である書込装置、13は現像手段である現像器、14は感光体10の表面を清掃するためのクリーニング装置、15は感光体10のクリーニング用のブレード、16は現像スリーブ、20は中間転写体である中間転写ベルトを示す。
画像形成手段1は感光体10、スコロトロン帯電器11、現像器13、およびクリーニング装置14等からなっており、各色毎の画像形成手段1の機械的な構成は同じであるので、図1ではY(イエロー)系列のみの構成について参照符号を付けており、M(マゼンタ)、C(シアン)およびK(黒)の構成要素については参照符号を省略した。
各色毎の画像形成手段1の配置は中間転写ベルト20の走行方向に対して、Y、M、C、Kの順になっており、各感光体10は中間転写ベルト20の張設面に接触し、接触点で中間転写ベルト20の走行方向と同方向、かつ、同線速度で回転する。
中間転写ベルト20は駆動ローラ21、アースローラ22、テンションローラ23、除電ローラ27、従動ローラ24に張架され、これらのローラと中間転写ベルト20、転写手段である(1次転写)転写ローラ25、クリーニング手段であるクリーニング装置28等でベルトユニット3を構成する。なお、前記アースローラ(バックアップローラ)22は、アルミ地肌のままの導電性アルミローラで、接地されている。
感光体10は、例えばアルミ材によって形成される円筒状の金属基体の外周に導電層、a−Si層あるいは有機感光体(OPC)等の感光層を形成したものであり、導電層を接地した状態で図1の矢印で示す反時計方向に回転する。
読み取り装置80からの画像データに対応する電気信号は、不図示の画像形成レーザで光信号に変換され、書込装置12によって感光体10上に投光される。
現像器13は、感光体10の周面に対し所定の間隔を保ち、感光体10の回転方向と逆方向に回転する円筒状の非磁性ステンレスあるいはアルミ材で形成された現像スリーブ16を有している。
中間転写ベルト20の走行は不図示の駆動モータによる駆動ローラ21の回転によって行われる。当該中間転写ベルト20の材質は、体積抵抗率106〜1012Ω・cmの無端ベルトであり、例えば変性ポリイミド、熱硬化ポリイミド、エチレンテトラフルオロエチレン共重合体、ポリフッ化ビニリデン、ナイロンアロイ等のエンジニアリングプラスチックに導電材料を分散した、厚さ0.04〜0.10mmの半導電性フィルム基体の外側に、好ましくはトナーフィルミング防止層として厚さ5〜50μmのフッ素コーティングを行った、2層構成のシームレスベルトである。ベルトの基体としては、この他に、シリコンゴム或いはウレタンゴム等に導電材料を分散した厚さ0.5〜2.0mmの半導電性ゴムベルトを使用することもできる。
転写ローラ25には、トナーと逆極性の直流電圧が印加され、感光体10上に形成されたトナー像を中間転写ベルト20上に(1次)転写させる機能を有する。後述するが、本発明においては、当該転写ローラ25に印加される各色の転写出力を自動的に決定することによって安定したカラー画像を形成することができる。
26は(2次転写)転写ローラで、表面がコート層で覆われた導電性のソリッドゴムからなり、トナーと逆極性バイアス電圧が印加されいる(または、アースローラ22にトナーと同極性の電圧を印加し、転写ローラ26はアースでもよい。)。また、当該転写ローラ26は、ベルトを介して不図示の圧着機構によってアースローラ22から当接および当接解除可能な構造で、当接時に、アースローラ22とで形成されたニップ部Sで、中間転写ベルト20上に形成されたトナー像を転写材Pに再転写(2次転写)する。
除電ローラ27には、トナーと同極性または逆極性の直流電圧を重畳した交流電圧が印加され、トナー像を転写材Pに転写後、中間転写ベルト20に残留するトナーの電荷を弱めている。
4は定着手段である定着装置で、加熱ローラ41と圧着ローラ42を有している。
前記加熱ローラ41は薄手のアルミから形成された円筒状のもので、内側から所定の温度まで加熱するハロゲンヒータ47等を有し、その温度は、前記加熱ローラ41に設置された不図示の接触温度センサにより検出され、制御手段である制御部B1によって制御される。
70は紙送り出しローラ、71はタイミングローラ、72は紙カセット、73は搬送ローラである。81は排紙ローラで、定着された用紙Pを排紙皿82へ排出する。
制御部B1は、転写出力制御等の画像形成プロセス制御、定着温度制御、転写材搬送制御等を行う。
次に、図1に基づいて画像形成プロセスを説明する。
画像記録のスタートと同時に不図示の感光体駆動モータの始動により色信号Yの感光体10は矢印で示す反時計方向に回転され、同時にスコロトロン帯電器11の帯電作用により感光体10に電位の付与が開始される。
感光体10は電位を付与されたあと、書込装置12によってYの画像データに対応する画像の書込みが開始され、感光体10の表面に原稿画像のYの画像に対応する静電潜像が形成される。
前記静電潜像はYの現像器13により非接触の状態で反転現像され、感光体10の回転に応じYのトナー像が感光体10上に形成される。
当該感光体10上に形成されたYのトナー像は、Yの転写極25の作用により、中間転写ベルト20上に1次転写される。
その後、前記感光体10はクリーニングのブレード15によって残留トナーが清掃され、次の画像形成サイクルにはいる(以下、M、C、Kのクリーニングプロセスにても同様故、説明を省略する)。
次いで、書込装置12によってM(マゼンタ)の色信号すなわちMの画像データに対応する画像書き込みが行われ、感光体10の表面に原稿画像のMの画像に対応する静電潜像が形成される。当該静電潜像は、Mの現像器13により感光体10上にMのトナー像となり、Mの転写ローラ25において、中間転写ベルト20上の前記Yのトナー像と同期が取られ、前記Yのトナー像の上に重ね合わされる。
同様のプロセスにより、Y、Mの重ね合わせトナー像と同期が取られ、C(シアン)のトナー像が、Cの転写ローラ25において、前記のY、Mの重ね合わせトナー像上へ重ね合わされる。次に、すでに形成されているY、M、Cの重ね合わせトナー像と同期が取られ、Kのトナー像が、最終の転写手段であるKの転写ローラ25において、前記のY、M、Cの重ね合わせトナー像上へ重ね合わされ、Y、M、CおよびKの重ね合わせトナー像が形成される。
重ね合わせトナー像が担持されている中間転写ベルト20は矢印のように時計方向に送られ、用紙Pが紙カセット72より、紙送り出しローラ70によって送り出され、搬送ローラ73を経て、タイミングローラ71へ搬送され一時停止し、その後前記タイミングローラ71の駆動によって、中間転写ベルト20上の重ね合わせトナー像と同期がとられて、トナーと逆極性の直流電圧が印加されている転写ローラ26(中間転写ベルト20に当接状態にある)のニップ部Sに給送され、中間転写ベルト20上の重ね合わせトナー像が一括して用紙Pに2次転写される。
その後、中間転写ベルト20は走行し、除電ローラ27によって残留トナーの電荷が弱められ、クリーニング装置28でベルト上の残存トナーがクリーニング装置28のブレード29によって清掃され、次の画像形成サイクルに入る。
掻き落とされたトナーは、クリーニング装置28内に溜められ、不図示の搬送スクリューの回転によって軸方向(図において紙表面から紙裏面方向)に搬送し、不図示の廃棄管を介して貯留箱に溜められる。
前記重ね合わせ画像(トナー像)が転写された用紙Pは、定着装置4へと送られ、加熱ローラ41と加圧ローラ42とのニップ部Tで挟持、加圧され定着される。トナー像が定着された用紙Pは、排紙ローラ81によって排紙皿82へ搬送される。
次に、本発明に係わる、感光体上のトナー像を転写体(中間転写ベルト)に転写するための転写出力の決定について説明する。
前述したが、カラー画像形成装置の場合、感光体、現像剤等の劣化に伴って、それぞれの色を転写体に転写する際の転写出力がその都度最適値から乖離するために、転写されたトナー像が期待した色味と異なったものとなり易い。
本発明は、カラー(単色)のトナーパッチ(単に、トナー画像または画像ともいう。)をそれぞれの色に対応した感光体上に形成し、これらのトナーパッチを中間転写ベルトに、単色と複数色(2色)重ね合わせのトナーパッチとして形成し、これらのトナーパッチの画像濃度を濃度検知手段である画像濃度検知センサで検知し、その検出情報から最適な転写出力を自動的に決定することを特徴としている。
例えば、一例として2つの転写がある場合(2つのトナー色の場合)、一方の転写出力決定に係わる転写手段の転写出力を自動で決める方法について説明すると、一方の転写出力決定に係わる転写手段の転写出力を段階的に変化させながら、他方の転写手段は通常画像形成時の転写出力のままで、各感光体上に形成された複数のトナーパッチを、2つの単色と1つの重ね合わせトナーパッチ、計3種を中間転写体に転写し、2つの転写手段の下流に設けられた画像濃度検知センサで前記トナーパッチの濃度を読み込む。その結果、トナーパッチは転写出力決定に係わる転写手段または他方の転写手段を通過するため、各単色のトナーパッチは変化する転写出力の影響を受け、粗大トナー粒子周辺の転写ヌケ、逆転写(トナー戻り)、色味の変化等が発生しやすくなる。この転写出力決定に係わる転写手段の変化する転写出力に対応する(影響を受けた)各トナーパッチの濃度の関係から転写性曲線ができ、制御部に記憶される。転写出力決定に係わる転写手段の転写出力は、転写曲線の最も大きい転写率ピーク(平らな部分)領域の中央部以上の転写出力を最適な転写出力として決定することができる。
上記をまとめると、中間転写体上に、転写出力を決定しようとする転写手段の上流側の転写手段で通常画像形成時の転写出力(変化させないで)で複数のトナーパッチを作り、次に下流側にある転写出力決定に係わる転写手段でも同様なトナーパッチを作り、さらに前記上流側、前記下流側2つの色のトナーとを重ね合わせたトナーパッチも作り、段階的に変化する転写出力に対応する各トナーパッチの濃度からできる3ツの転写性曲線から、転写出力変化に対応する濃度の影響を把握して最適な転写出力を決定する方法である。
なお、上記の方法によって転写出力を自動で決定する順番は、下流側の色の転写から実施するのが好ましい。
次に、上記と同様な方法で4色(Y、M、C,K)のトナー場合のうち、Cに関する転写出力を決定する場合について実施例1として図2で説明する。
<実施例1>
図2は、中間転写ベルト上の所定位置に形成されたトナーパッチを示す。
本実施の形態においては、Cの転写出力を決定するにあたり、Cの色と、上流側の各Y、Mの色と、これら各2つを重ね合わせた色(Y/M、M/C、Y/C)のトナーパッチとを各々9個を中間転写ベルト20上の所定の位置にベルト走行方向所定間隔で形成する。また、上流側のトナーパッチは各々の転写手段の転写出力と同期がとられていずれかの転写領域を通過する。さらに、最終の転写手段(K)の下流側に、前記トナーパッチが必ず通過する位置に画像濃度検知センサSN1が1個配置されている。例えば、図2(b)に示すように、トナーパッチY1、Y2、Y3、・・・・・Y9が、出力変化するC転写極を通過する。通過の際、Y1には30μA、Y2には35μA・・・・Y9には70μAの転写出力がかかると、C転写出力がYトナーパッチ濃度へ影響を与える。これにより変化するYの濃度を検知する。この検出をM、C、および2色重ね合わせトナーパッチについても同様に実施する。前記濃度検知センサSN1は各々のトナーパッチの濃度を検知する。検知した情報は制御部B1に伝達され、制御部B1で図3で示すようなCの転写出力値に対応したトナー濃度との関係情報が把握され、転写性曲線が作成され、制御部B1に記憶される。制御部B1は、転写曲線の重ね合わせ色の中、最も大きい転写率ピーク領域の中央部出力(電流値)以上を自動で選択し、不図示の転写電源にその出力を指令する。
2色重ね合わせ画像の曲線おける転写率ピーク領域幅(フラットな電流値幅)のある場合は、粗大粒子による白ヌケ/ホタル等の発生を避けるため、転写率ピーク領域幅の中央部以上の出力領域を使用することを前提とする。
ただし、出力値が、単色転写性曲線においては著しく転写性が低くなっている領域であれば、2色重ね合わわせ転写性曲線のピーク中央より前半部を使用出力値とすることもある。
なお、制御部B1内には、検出された単色および重ね合わせトナーパッチの濃度情報により転写性曲線が形成され、最適な単色転写出力が自動的に決定されるようなプログラムが内蔵されている。
図3は、C転写出力と各色9個のトナーパッチ濃度の関係を示す転写性曲線である。最適転写出力の決定の順番は、実施の形態では、K(黒)→C(シアン)→M(マゼンタ)→Y(イエロー)の順に下流の転写出力から決定するのが好ましい。
本実施の形態では、Kの制御はすでにCに先だって実施され、その最適転写出力は決定されているものとする。(ただし、カラー画像形成の場合、Kは他の色との重ね合わせを行わないのが普通なので、単色のみのトナーパッチにて、転写出力を決定している。)。
Cの転写出力決定に当たっては、下記の条件の下にY,M、C、Y/M、Y/C、M/Cの順にトナーパッチが形成される。この場合、上流、下流に分けるとすれば、Y、Mが上流側で、Cが下流側とするか、Yが上流側で、M、Cが下流側と考えてもよい。
・条件
画像形成装置: 中間転写ベルト方式のカラー複写機(図1参照)
有機感光体: 直径60mm
プロセス速度: 300mm/秒
(1次)転写ローラ: 半導電性スポンジ、抵抗107Ω、適用電流30〜80μA
中間転写ベルト: PI(ポリイミド)製、体積抵抗が109Ω、表面抵抗が 1011Ω、ベルトテンション39.2N
トナーパッチ: 20mm×30mm
以下、C(シアン)の1次転写出力(電流)決定に当たって、図4のフロー図に従って説明する。
繰り返すが、転写出力決定に係わるCの転写出力は、30〜70μAまで5μA毎に9段階に変化させ、上流側のY(イエロー)、M(マゼンタ)の転写出力値は、それまで通常の画像形成していた値のままである。
図4は、C(シアン)の転写出力(電流)制御に関するフロー図を示す。
図5は、図4のフロー図の継続を示す。
図6は、図5のフロー図の継続を示す。
図4において、ステップS0で、単色(C)トナー層の転写出力(転写出力決定に係わる転写手段の出力)制御が開始される。ステップS1で、Yの9個のトナーパッチを感光体上に連続作成する。ステップS2で、Cの転写手段について転写電流値を30〜70μAまで、5μA毎に9段階に変化させ、中間転写ベルト上にYの9個のトナーパッチをYの転写出力(不変化)で中間転写ベルト上に転写する。
その後、Yの9個のトナーパッチは、Cの各電流値と同期をとりながらCの転写領域を通過させる。ステップS3で、トナー濃度検知センサSN1は中間転写ベルト上のYのトナーパッチの濃度を検知し、図3に示すYのトナーパッチの転写性曲線(カーブ)を自動で作成する(制御部B1内において)。すなわち、一定の転写出力で転写されたYのトナーパッチは、9個共一定の濃度でCの転写領域前まで搬送されるが、Cの転写領域で転写電流が37μA以上ではCの感光体へ逆転写(トナー戻り)現象が発生し、徐々にYの濃度が低下する(色味が変化する。)。ステップS4で、Mの9個のトナーパッチを感光体上に連続作成される。ステップS5で、Yの場合と同様に、Mの9個のトナーパッチをMの転写出力で中間転写ベルト上に転写する。その後、Mの9個のトナーパッチは、Cの各電流値と同期をとりながらCの転写領域を通過する。ステップS6で、トナー濃度検知センサSN1は中間転写ベルト上のMのトナーパッチの濃度を検知し、Yと同様に図3に示すMのトナーパッチ転写性曲線を作成する。すなわち、一定の転写出力で転写されたMのトナーパッチは、9個共一定の濃度でCの転写領域前まで搬送されるが、Cの転写領域で転写電流が48μA以上ではCの感光体へ逆転写(トナー戻り)現象が発生し、徐々に濃度が低下する。ステップS7で、Cの9個のトナーパッチを感光体上に連続形成する。ステップS8で、Cについて転写電流値を30〜70μAまで、5μA毎に9段階に変化(制御)させ中間転写ベルト上に転写する。ステップS9で、トナー濃度検知センサSN1は中間転写ベルト上のCのトナーパッチの濃度を検知し、図3に示すCパッチ転写性曲線を作成する。
図5に移って、ステップS10で、上流側の2色Y/Mの重ね合わせ層の転写出力制御が開始される。ステップS11で、Y、M各9個のトナーパッチが感光体上に形成される。ステップS12で、Cの転写出力は変化させて、Y、Mの重ね合わせトナーパッチR(レッド)が中間転写ベルト上に形成される。その後、トナーパッチRは、Cの各電流値と同期をとりながらCの転写領域を通過する。ステップS13で、トナー濃度検知センサSN1は中間転写ベルト上のY/Mとの重ね合わせトナーパッチ(R)の濃度を検知し、図3に示すRパッチ転写性曲線を作成する。Rの濃度はCの転写領域を通過の際、C転写出力が54μA以上ではCの感光体へ転写後に逆転写(トナー戻り)のため徐々に濃度が低下して行く。ステップS14で、Y、C各9個のトナーパッチが感光体上に形成される。ステップS15で、Y、Cの重ね合わせトナーパッチG(グリーン)が中間転写ベルト上に形成される。この際、Cのトナーパッチの転写に当たり、Cの転写出力は変化させてYのトナーパッチ上に転写する。その後、ステップS16で、画像濃度検知センサSN1は中間転写ベルト上のGのトナーパッチ出力(濃度)を検知し、図3に示すGパッチ転写性曲線を作成する。Gの濃度はCの転写領域を通過の際(Yのトナーパッチ上にCのトナーパッチを転写する際)、C転写出力が43μA以下では転写電流不足のため、また、54μA以上ではC感光体へ転写後に逆転写(トナー戻り)のため濃度が低下している。ステップS17で、M、C各9個のトナーパッチが感光体上に形成される。ステップS18で、M、Cの重ね合わせトナーパッチB(ブルー)が中間転写ベルト上に形成される。この際、Cのトナーパッチの転写にあたり、Cの転写出力は変化させてMのトナーパッチ上に転写する。その後、ステップS19で、画像濃度検知センサSN1は中間転写ベルト上のM/Cとの重ね合わせBのトナーパッチ出力(濃度)を検知し、図3に示すBトナーパッチ転写性曲線を作成する。Bの濃度は、C転写出力が43μA以下で転写電流値不足のため、また、67μA以上ではC感光体へ転写後に逆転写(トナー戻り)のため濃度が低下している。
図6に移って、ステップS20で、Cの転写出力決定制御が開始される。ステップS21で、以上図3のような6本のY/M/C/YM/YC/CMのトナーパッチ転写性曲線が制御部より読み出され、Cの転写出力決定に入る。ステップ22で、上記3本(YM/YC/CM)の2色重ね合わせ転写性曲線の中、濃度が最も大きい転写率ピーク領域の中央部電流値以上の値をXと決める。ステップS23で、中央部電流値Xが単色転写曲線(Cの転写性曲線)のピーク値の80%(実施の形態での目標値)以上か否かをチェックする。ステップS23で、YESの場合は、ステップ25でXがCの転写出力値として決定される。NOの場合は、Xを0.9Xに下げ、再度ステップ23に戻す。それを繰り返し、ステップ25でCのピーク値80%の転写出力値が決定される。
すなわち、図3において、ピーク電流値幅の中央値が最も大きいのはB(M+C)となり、転写率ピーク領域は、だいたい46〜69μAになり、幅として20μAとなる。したがって、59μA以上を使用することを前提としてある。次に、59μA時のC単色の転写性がピークの80%以上かどうか判断する。本実施の形態では、この時の転写性がピークの80%以上にある。
以上の条件を考慮すると、本実施の形態では、X=59μA近辺がCの最適転写出力値として決定される。
以上のように、単色と重ね合わせのトナーパッチの情報により、カラー画像が、単色トナーパッチの情報のみより、期待した色味が得られるようになる。
上記と同様な決定方法で、例えば、K転写電流値制御時には作成トナーパッチを、Y/M/C/K/YM/YC/MC等の7色について、M転写電流値制御時には作成トナーパッチをY/M/YM/YC/MC等の5色について、Y転写電流値制御時には作成トナーパッチをY/YM/YC等の3色について、組み合わせて同様なプロセスで最適転写出力値を決定することができる。なお、各転写手段の転写出力は下流側の転写手段から順に決定される。最上流側のYの転写出力決定に際して、Yのトナーパッチと重ね合わせトナーパッチには、決定済みのK、C、Mの転写出力が固定値として使用され、Yのみの転写出力が変化して全ての1次転写の領域を通過させる。その後、下流で濃度検知され、Yの変化に対応したY/M、Y/Cの転写性曲線が作成される。
したがって、Y、M、C、Kそれに上記Cの6色を加えると、合計21色のトナーパッチを作成してすべての転写出力制御が完了する。
以上の実施の形態では、実施例1として感光体から中間転写ベルトに転写する画像形成装置について述べたが、実施例2として感光体から直接転写材(用紙)に転写する直接転写方式の画像形成装置にも本発明を適用することができる。
<実施例2>
図7は、直接転写方式のカラー画像形成装置の略図である。
直接転写方式の場合、基本的には感光体上への画像形成方法は中間転写方式と同じ故、説明は省略する。
図7において、Y、M、C,K各色の感光体10A上に形成された単色、重ね合わせのトナーパッチは、用紙が搬送されないときに用紙搬送ベルト20A上に各色の転写ローラ25Cによって転写される。転写された各色のトナーパッチは用紙搬送ベルト20Aの回動によって搬送され、画像濃度センサSN2で濃度が検知され、その信号が制御部へ伝達される。制御部での各色の転写出力決定の制御は前述した中間転写方式の画像形成装置と同じであるので説明は省略する。
この方式で、下記の条件で、図8(Cの転写出力決定に関し)に示すような転写性曲線が作成される。
・条件
画像形成装置: 直接転写方式のカラー複写機(図1参照)
有機感光体: 直径60mm
プロセス速度: 300mm/秒
転写ローラ: 半導電性スポンジ、抵抗107Ω、適用電流30〜80μA
用紙搬送ベルト: シリコンゴム導電材料を分散した厚さ0.5〜2.0mm の半導電性ゴムベルト(無端一枚ベルト)
トナーパッチ: 20mm×30mm
これらの条件のもとに、実施例1と同じ条件で、実施例2として、単色、2色重ね合わせトナーパッチ(全21色)を用紙搬送ベルト20A上に形成し、その濃度をトナー濃度センサSN2で検知し、各単色の転写出力を決定することができる。
一例として、C(シアン)の転写出力(電流)決定を行い、図8のような転写性曲線が得られる。
図8は、直接転写方式の場合のC転写出力と各色9個のトナーパッチ濃度の関係を示す転写性曲線である。
図8から、2色重ね合わせ転写性カーブ3本の中、最も大きい転写率ピーク領域の中央部電流値以上の領域をC(シアン)の最適転写出力値が77μAと決定した。
しかしながら、実際は感光体10Aと用紙搬送ベルト20Aとに挟持された用紙P上にトナー像を転写するので、直接転写方式の場合は、紙種による補正を別途実施する必要がある。
そこで、この転写基本電流値に対して、表1に示す各用紙の斤量による補正値を付け加えてプリント時の出力とした。
Figure 2009109716
以上の実施例1、2で説明したように、単色トナーパッチのみならず2色以上の重ね合わせトナーパッチから転写出力(濃度)情報から、各単色の最適な転写出力を決定し、安定したカラー画像形成が可能となる。
なお、上記転写出力補正制御実施のタイミングについては、画像形成動作の回数が所定の枚数に達したとき定期的に行ったり、感光体交換はじめ各種プロセス手段の交換時や、長時間装置が未使用の後、電源が投入された時等に行うのが好ましい。
画像形成装置の全体構成の一例を示す模式図である。 中間転写ベルト上の所定位置に形成されたトナーパッチを示す。 C転写出力と各色9個のトナーパッチ濃度の関係を示す転写性曲線である。 C(シアン)の1次転写出力(電流)決定に関するフロー図を示す。 図4のフロー図の継続を示す。 図5のフロー図の継続を示す。 直接転写方式のカラー画像形成装置の略図である。 直接転写方式の場合のC転写出力と各色9個のトナーパッチ濃度の関係を示す転写性曲線である。
符号の説明
1 画像形成手段
10、10A 感光体
11 スコロトロン帯電器
13 現像器
16、16B 現像スリーブ
20 中間転写ベルト
20A 搬送ベルト
25、25C、26 転写ローラ
B1 制御部
SN1、SN2 画像濃度検知センサ

Claims (5)

  1. 複数の感光体と、各感光体上にトナー像を形成する画像形成手段と、前記トナー像を中間転写体に転写する転写手段と、前記中間転写体上のトナー像の濃度を検知する濃度検知手段と、を有する画像形成装置において、各転写手段の転写出力を決定するに当たり、各感光体上に複数個のトナーパッチを形成し、転写出力決定に係わる転写手段の転写出力を変化させ、他の転写手段の転写出力は変化させないで、前記感光体上のトナーパッチを単色と複数色重ね合わせのトナーパッチとして前記中間転写体上に転写し、前記濃度検知手段にて検知された単色と複数重ね合わせのトナーパッチの画像濃度に基づいて、前記転写出力決定に係わる転写手段の転写出力を決定する制御手段を有することを特徴とする画像形成装置。
  2. 複数の感光体と、各感光体上にトナー像を形成する画像形成手段と、前記トナー像を回動する用紙搬送ベルトで送られた用紙に転写する転写手段と、転写されたトナー像の濃度を検知する濃度検知手段と、を有する画像形成装置において、各感光体上に複数のトナーパッチを作成し、転写出力決定に係わる転写手段の転写出力は段階的に変化させ、他の転写手段の転写出力は変化させないで、前記感光体上のトナーパッチを単色と複数重ね合わせのトナーパッチとして前記用紙搬送ベルト上に転写し、前記濃度検知手段にて検知された単色と複数色重ね合わせのトナーパッチの画像濃度に基づいて、前記転写出力決定に係わる転写手段の転写出力を決定する制御手段を有することを特徴とする画像形成装置。
  3. 前記転写出力決定に係わる転写手段の転写出力の決定には、前記トナーパッチの画像濃度から作られた複数色重ね合わせ画像の濃度曲線の中の最も大きい転写率ピーク領域の中央部出力以上を使用することを特徴とする請求項1または2に記載の画像形成装置。
  4. 下流側の転写手段からその転写出力を順に決定することを特徴とする請求項1ないし3のいずれか1項に記載の画像形成装置。
  5. 用紙の種類に対応して転写出力を補正することを特徴とする請求項2に記載の画像形成装置。
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