JP2014010383A - 転写装置及び画像形成装置 - Google Patents

転写装置及び画像形成装置 Download PDF

Info

Publication number
JP2014010383A
JP2014010383A JP2012148336A JP2012148336A JP2014010383A JP 2014010383 A JP2014010383 A JP 2014010383A JP 2012148336 A JP2012148336 A JP 2012148336A JP 2012148336 A JP2012148336 A JP 2012148336A JP 2014010383 A JP2014010383 A JP 2014010383A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
transfer
roller
toner
image
secondary transfer
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2012148336A
Other languages
English (en)
Inventor
Junichi Ichikawa
市川潤一
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Ricoh Co Ltd
Original Assignee
Ricoh Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Ricoh Co Ltd filed Critical Ricoh Co Ltd
Priority to JP2012148336A priority Critical patent/JP2014010383A/ja
Publication of JP2014010383A publication Critical patent/JP2014010383A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Electrostatic Charge, Transfer And Separation In Electrography (AREA)

Abstract

【課題】負荷のかからない方法で、記録材表面の凹部で充分な画像濃度を得ることのできる転写装置および画像形成装置を提供する。
【解決手段】転写ユニット30は、中間転写ベルト31と、2次転写裏面ローラ33と、2次転写バイアス電源39とを有している。2次転写バイアス電源39は、2次転写裏面ローラ33に交流電圧と直流電圧とを重畳した転写バイアスを印加する。そして、中間転写ベルト31は、少なくとも一層が弾性層である。
【選択図】図1

Description

本発明は、像担持体上のトナー像を記録材に転写させる転写装置及びこれを備える画像形成装置に関する。
電子写真方式の画像形成装置においては、あらかじめ一様に帯電された像担持体上に光学的な画像情報を形成することによって得た帯電潜像を、現像装置からのトナーによって可視化し、この可視像を記録用紙(記録媒体)上に転写、定着することによって画像形成を行っている。
この種の画像形成装置としては、特許文献1(特開2006−267486号公報)に記載のものが知られている。この画像形成装置は、周知の電子写真プロセスにより、ドラム状の感光体の表面にトナー像を形成する。感光体には、像担持体としての無端状の中間転写ベルトを当接させて1次転写ニップを形成している。そして、1次転写ニップにおいて、感光体上のトナー像を中間転写ベルトに1次転写する。中間転写ベルトに対しては、ニップ形成部材としての2次転写ローラを当接させて2次転写ニップを形成している。また、中間転写ベルトのループ内には、2次転写対向ローラを配設しており、この2次転写対向ローラと、前述した2次転写ローラとの間に中間転写ベルトを挟み込んでいる。ループ内側の2次転写対向ローラに対してはアースを接続しているのに対し、ループ外の2次転写ローラに対しては2次転写バイアスを印加している。これにより、2次転写対向ローラと2次転写ローラとの間に、トナー像を前者側から後者側に静電移動させる2次転写電界を形成している。そして、中間転写ベルト上のトナー像に同期させるタイミングで2次転写ニップ内に送り込んだ記録紙に対して、2次転写電界の作用により、中間転写ベルト上のトナー像を2次転写する。
かかる構成において、記録紙として、和紙のような表面凹凸に富んだものを用いると、表面凹凸にならった濃淡パターンを画像中に発生させ易くなる。この濃淡パターンは、紙表面における凹部に対して十分量のトナーが転写されずに、凹部の画像濃度が凸部よりも薄くなることによって生じるものである。
そこで、特許文献1に記載の画像形成装置においては、2次転写バイアスとして、直流電圧だけからなるものではなく、交流電圧に対して直流電圧を重畳した重畳バイアスを印加するようになっている。特許文献1には、このような2次転写バイアスを印加することで、直流電圧だけからなる2次転写バイアスを印加する場合に比べて、濃淡パターンの発生を抑え得ることを示す実験結果が記載されている。
また、特許文献2(特許第4040611号公報)に記載の画像形成装置においては、中間転写ベルトに、基層上にウレタンゴムやシリコンゴム等から構成される導電弾性層を形成し、その表面層が、フッ素樹脂等から構成される、いわゆる弾性中間転写ベルトを用いることで、表面がざらついている記録材に対し、中間転写ベルトから記録材へトナー像を転写する二次転写の際のニップ部において、弾性特性によってトナー像を挟む中間転写ベルトと記録材の互いの表面がなじみ、良好な転写が行われることが記載されている。
しかしながら、交流電圧に対して直流電圧を重畳した重畳バイアスを印加する方法では、転写材の凹凸やざらつきが大きくなるに従って、高い交流電圧を印加しなければならないという問題があった。
また、弾性中間転写ベルトを用いる場合には、転写材の凹凸やざらつきが大きくなるに従って、転写部のニップ圧を高くしなければならないという問題がある。
そこで本発明は、負荷のかからない方法で、記録材表面の凹部で充分な画像濃度を得ることのできる転写装置および画像形成装置を提供することを課題とする。
上記課題を解決するため、本発明は、トナー像を担持する像担持体と、該像担持体に当接して転写ニップを形成し像担持体上のトナー像を記録材に転写させる転写部材と、該転写部材に転写バイアスを印加する転写バイアス印加手段とを有する転写装置であって、前記転写バイアス印加手段は、前記転写部材に交流電圧と直流電圧とを重畳した転写バイアスを印加するものであり、且つ、前記像担持体の少なくとも一層が弾性層であることを特徴とする。
本発明の転写装置及び画像形成装置によれば、転写負荷を極力抑制して(転写部での印加電圧をできるだけ低くし、且つ、転写部のニップ圧もできるだけ低くして)、用紙の凹部でも充分な画像濃度を得ることができる。
本発明に係る画像形成装置の実施の一形態を示す概略構成図である。 その画像形成装置が備える作像手段の一つを詳しく示す拡大図である。 2次転写バイアスの波形を示す波形図である。 レザック100kg用紙を使用した場合の評価結果を示す表である。 レザック130kg用紙を使用した場合の評価結果を示す表である。 レザック175kg用紙を使用した場合の評価結果を示す表である。 レザック210kg用紙を使用した場合の評価結果を示す表である。 レザック260kg用紙を使用した場合の評価結果を示す表である。 本発明に好適に用いられる中間転写ベルトの層構成を示す断面図である。 ベルトの表面を真上から観察した様子を示す拡大模式図である。 厚み方向に複数の球形樹脂粒子を含むベルト構成を示す断面図である。 弾性ベルトの基層を製造するための装置を説明する模式図である。 球形樹脂粒子をベルと基層に塗布する工程を説明する模式図である。
以下、本発明を適用した画像形成装置として、電子写真方式のカラープリンタ(以下、単にプリンタという)の第1実施形態について説明する。
まず、実施形態に係るプリンタの基本的な構成について説明する。図1は、第1実施形態に係るプリンタを示す概略構成図である。同図において、第1実施形態に係るプリンタは、イエロー(Y),マゼンダ(M),シアン(C),ブラック(K)のトナー像を形成するための4つの画像形成ユニット1Y,M,C,Kと、転写装置としての転写ユニット30と、光書込ユニット80と、定着装置90と、給紙カセット100と、レジストローラ対101とを備えている。
4つの画像形成ユニット1Y,M,C,Kは、画像形成物質として、互いに異なる色のY,M,C,Kトナーを用いるが、それ以外は同様の構成になっており、寿命到達時に交換される。Kトナー像を形成するための画像形成ユニット1Kを例にすると、これは、図2に示すように、潜像担持体たるドラム状の感光体2K、ドラムクリーニング装置3K、除電装置(不図示)、帯電装置6K、現像装置8K等を備えている。これらの装置が共通の保持体に保持されてプリンタ本体に対して一体的に脱着することで、それらを同時に交換できるようになっている。
感光体2Kは、ドラム基体の表面上に有機感光層が形成された外径60[mm]程度のドラム形状のものであって、図示しない駆動手段によって図中時計回り方向に回転駆動される。帯電装置6Kは、帯電バイアスが印加される帯電ローラ7Kを感光体2Kに接触あるいは近接させながら、帯電ローラ7Kと感光体2Kとの間に放電を発生させることで、感光体2Kの表面を一様帯電せしめる。本第1実施形態では、トナーの正規帯電極性と同じマイナス極性に一様帯電せしめる。帯電バイアスとしては、直流電圧に交流電圧を重畳したものを採用している。帯電ローラ7Kは、金属製の芯金の表面に導電性弾性材料からなる導電性弾性層が被覆されたものである。帯電ローラ等の帯電部材を感光体2Kに接触あるいは近接させる方式に代えて、帯電チャージャーによる方式を採用してもよい。
一様帯電せしめられた感光体2Kの表面は、後述する光書込ユニットから発せられるレーザー光によって光走査されてK用の静電潜像を担持する。このK用の静電潜像は、図示しないKトナーを用いる現像装置8Kによって現像されてKトナー像になる。そして、後述する中間転写ベルト31上に1次転写される。
ドラムクリーニング装置3Kは、1次転写工程(後述する1次転写ニップ)を経た後の感光体2K表面に付着している転写残トナーを除去する。回転駆動されるクリーニングブラシローラ4K、片持ち支持された状態で自由端を感光体2Kに当接させるクリーニングブレード5Kなどを有している。回転するクリーニングブラシローラ4Kで転写残トナーを感光体2K表面から掻き取ったり、クリーニングブレードで転写残トナーを感光体2K表面から掻き落としたりする。なお、クリーニングブレードについては、その片持ち支持端側を自由端側よりもドラム回転方向下流側に向けるカウンタ方向で感光体2Kに当接させている。
上記除電装置は、ドラムクリーニング装置3Kによってクリーニングされた後の感光体2Kの残留電荷を除電する。この除電により、感光体2Kの表面が初期化されて次の画像形成に備えられる。
現像装置8Kは、現像ロール9Kを内包する現像部12Kと、図示しないK現像剤を撹拌搬送する現像剤搬送部13Kとを有している。そして、現像剤搬送部13Kは、第1スクリュウ部材10Kを収容する第1搬送室と、第2スクリュウ部材11Kを収容する第2搬送室とを有している。それらスクリュウ部材は、それぞれ、軸線方向の両端部がそれぞれ軸受けによって回転自在に支持される回転軸部材と、これの周面に螺旋状に突設せしめられた螺旋羽根とを具備している。
第1スクリュウ部材10Kを収容している第1搬送室と、第2スクリュウ部材11Kを収容している第2搬送室とは、仕切り壁によって仕切られているが、仕切壁におけるスクリュウ軸線方向の両端箇所には、それぞれ両搬送室を連通させる連通口が形成されている。第1スクリュウ部材10Kは、螺旋羽根内に保持している図示しないK現像剤を、回転駆動に伴って回転方向に撹拌しながら、図中の紙面に直交する方向の奥側から手前側に向けて搬送する。第1スクリュウ部材10Kと、後述する現像ロール9Kとは互いに向かい合う姿勢で平行配設されているため、このときのK現像剤の搬送方向は、現像ロール9Kの回転軸線方向に沿った方向でもある。そして、第1スクリュウ部材10Kは、現像ロール9Kの表面に対してK現像剤をその軸線方向に沿って供給していく。
第1スクリュウ部材10Kの図中手前側端部付近まで搬送されたK現像剤は、仕切壁の図中手前側端部付近に設けられた連通開口を通って、第2搬送室内に進入した後、第2スクリュウ部材11Kの螺旋羽根内に保持される。そして、第2スクリュウ部材11Kの回転駆動に伴って、回転方向に撹拌されながら、図中手前側から奥側に向けて搬送されていく。
第2搬送室内において、ケーシングの下壁には図示しないトナー濃度センサが設けられており、第2搬送室内のK現像剤のKトナー濃度を検知する。Kトナー濃度センサとしては、透磁率センサからなるものが用いられている。Kトナーと磁性キャリアとを含有するK現像剤の透磁率は、Kトナー濃度と相関関係があるため、透磁率センサは、Kトナー濃度を検知していることになる。
本プリンタには、Y,M,C,K用の現像装置の第2収容室内にY,M,C,Kトナーをそれぞれ個別に補給するための図示しないY,M,C,Kトナー補給手段が設けられている。そして、プリンタの制御部は、RAMに、Y,M,C,Kトナー濃度検知センサからの出力電圧値の目標値であるY,M,C,K用のVtrefを記憶している。Y,M,C,Kトナー濃度検知センサからの出力電圧値と、Y,M,C,K用のVtrefとの差が所定値を超えた場合には、その差に応じた時間だけY,M,C,Kトナー補給手段を駆動する。これにより、Y,M,C,K用の現像装置における第2搬送室内にY,M,C,Kトナーが補給される。
現像部12K内に収容されている現像ロール9Kは、第1スクリュウ部材10Kに対向しているとともに、ケーシングに設けられた開口を通じて、感光体2Kにも対向している。また、現像ロール9Kは、回転駆動される非磁性パイプからなる筒状の現像スリーブと、これの内部にスリーブと連れ回らないように固定されたマグネットローラとを具備している。そして、第1スクリュウ部材10Kから供給されるK現像剤をマグネットローラの発する磁力によってスリーブ表面に担持しながら、スリーブの回転に伴って、感光体2Kに対向する現像領域に搬送する。 現像スリーブには、トナーと同極性であって、感光体2Kの静電潜像よりも大きく、且つ感光体2Kの一様帯電電位よりも小さな現像バイアスが印加されている。これにより、現像スリーブと感光体2Kの静電潜像との間には、現像スリーブ上のKトナーを静電潜像に向けて静電移動させる現像ポテンシャルが作用する。また、現像スリーブと感光体2Kの地肌部との間には、現像スリーブ上のKトナーをスリーブ表面に向けて移動させる非現像ポテンシャルが作用する。それら現像ポテンシャル及び非現像ポテンシャルの作用により、現像スリーブ上のKトナーが感光体2Kの静電潜像に選択的に転移して、静電潜像をKトナー像に現像する。
先に示した図1において、Y,M,C用の画像形成ユニット1Y,M,Cにおいても、K用の画像形成ユニット1Kと同様にして、感光体2Y,M,C上にY,M,Cトナー像が形成される。
画像形成ユニット1Y,M,C,Kの上方には、潜像書込手段たる光書込ユニット80が配設されている。この光書込ユニット80は、パーソナルコンピュータ等の外部機器から送られてくる画像情報に基づいてレーザーダイオードから発したレーザー光により、感光体2Y,M,C,Kを光走査する。この光走査により、感光体2Y,M,C,K上にY,M,C,K用の静電潜像が形成される。具体的には、感光体2Yの一様帯電した表面の全域のうち、レーザー光が照射された箇所は、電位を減衰せしめる。これにより、レーザー照射箇所の電位が、それ以外の箇所(地肌部)の電位よりも小さい静電潜像となる。なお、光書込ユニット80は、光源から発したレーザー光Lを、図示しないポリゴンモータによって回転駆動したポリゴンミラーで主走査方向に偏光せしめながら、複数の光学レンズやミラーを介して感光体に照射するものである。LEDアレイの複数のLEDから発したLED光によって光書込を行うものを採用してもよい。
画像形成ユニット1Y,M,C,Kの下方には、無端状の中間転写ベルト31を張架しながら図中反時計回り方向に無端移動せしめる転写装置としての転写ユニット30が配設されている。転写ユニット31は、像担持体たる中間転写ベルト31の他に、駆動ローラ32、2次転写裏面ローラ33、クリーニングバックアップローラ34、4つの1次転写ローラ35Y,M,C,K、ニップ形成ローラ36、ベルトクリーニング装置37、電位センサ38などを有している。
中間転写ベルト31は、そのループ内側に配設された駆動ローラ32、2次転写裏面ローラ33、クリーニングバックアップローラ34、及び4つの1次転写ローラ35Y,M,C,Kによって張架されている。そして、図示しない駆動手段によって図中反時計回り方向に回転駆動される駆動ローラ32の回転力により、同方向に無端移動せしめられる。中間転写ベルト31としては弾性ベルト(少なくとも一層が弾性層であるベルト)を使用するが、その構成や特性等については後に詳述する。
4つの1次転写ローラ35Y,M,C,Kは、無端移動せしめられる中間転写ベルト31を感光体2Y,M,C,Kとの間に挟み込んでいる。これにより、中間転写ベルト31のおもて面と、感光体2Y,M,C,Kとが当接するY,M,C,K用の1次転写ニップが形成されている。1次転写ローラ35Y,M,C,Kには、図示しない転写バイアス電源によってそれぞれ1次転写バイアスが印加されている。これにより、感光体2Y,M,C,K上のY,M,C,Kトナー像と、1次転写ローラ35Y,M,C,Kとの間に転写電界が形成される。Y用の感光体2Y表面に形成されたYトナーは、感光体2Yの回転に伴ってY用の1次転写ニップに進入する。そして、転写電界やニップ圧の作用により、感光体2Y上から中間転写ベルト31上に1次転写される。このようにしてYトナー像が1次転写せしめられた中間転写ベルト31は、その後、M,C,K用の1次転写ニップを順次通過する。そして、感光体2M,C,K上のM,C,Kトナー像が、Yトナー像上に順次重ね合わせて1次転写される。この重ね合わせの1次転写により、中間転写ベルト31上には4色重ね合わせトナー像が形成される。
1次転写ローラ35Y,M,C,Kは、金属製の芯金と、これの表面上に固定された導電性のスポンジ層とを具備している弾性ローラからなり、次のような特性を有している。即ち、外形は16[mm]である。また、心金の径は10[mm]である。また、接地された外径30[mm]の金属ローラを10[N]の力でスポンジ層に押し当てた状態で、1次転写ローラ心金に1000[V]の電圧を印加したときに流れる電流Iから、オームの法則(R=V/I)に基づいて算出したスポンジ層の抵抗Rは、約3E7Ωである。このような1次転写ローラ35Y,M,C,Kに対して、1次転写バイアスを定電流制御で印加する。なお、1次転写ローラ35Y,M,C,Kに代えて、転写チャージャーや転写ブラシなどを採用してもよい。
転写ユニット30のニップ形成ローラ36は、中間転写ベルト31のループ外側に配設されており、ループ内側の2次転写裏面ローラ33との間に中間転写ベルト31を挟み込んでいる。これにより、中間転写ベルト31のおもて面と、ニップ形成ローラ36とが当接する2次転写ニップが形成されている。ニップ形成ローラ36は接地されているのに対し、2次転写裏面ローラ33には、2次転写バイアス電源39によって2次転写バイアスが印加される。これにより、2次転写裏面ローラ33とニップ形成ローラ36との間に、マイナス極性のトナーを2次転写裏面ローラ33側からニップ形成ローラ36側に向けて静電移動させる2次転写電界が形成される。
転写ユニット30の下方には、記録紙Pを複数枚重ねた紙束の状態で収容している給紙カセット100が配設されている。この給紙カセット100は、紙束の一番上の記録紙Pに給紙ローラ100aを当接させており、これを所定のタイミングで回転駆動させることで、その記録紙Pを給紙路に向けて送り出す。給紙路の末端付近には、レジストローラ対101が配設されている。このレジストローラ対101は、給紙カセット100から送り出された記録紙Pをローラ間に挟み込むとすぐに両ローラの回転を停止させる。そして、挟み込んだ記録紙Pを2次転写ニップ内で中間転写ベルト31上の4色重ね合わせトナー像に同期させ得るタイミングで回転駆動を再開して、記録紙Pを2次転写ニップに向けて送り出す。2次転写ニップで記録紙Pに密着せしめられた中間転写ベルト31上の4色重ね合わせトナー像は、2次転写電界やニップ圧の作用によって記録紙P上に一括2次転写され、記録紙Pの白色と相まってフルカラートナー像となる。このようにして表面にフルカラートナー像が形成された記録紙Pは、2次転写ニップを通過すると、ニップ形成ローラ36や中間転写ベルト31から曲率分離する。
2次転写裏面ローラ33は、次のような特性を有している。即ち、外径は約24[mm]である。また、芯金の径は約16[mm]である。芯金の表面には、導電性のNBR系ゴム層が被覆されており、その抵抗Rは1e6[Ω]〜1e12[Ω]、好ましくは約4E7[Ω]である。抵抗Rは、1次転写ローラと同様の方法によって測定された値である。
また、ニップ形成ローラ36は、次のような特性を有している。即ち、外径は約24[mm]である。また、芯金の径は約14[mm]である。芯金の表面には、導電性のNBR系ゴム層が被覆されており、その抵抗Rは1E6Ω以下である。抵抗Rは、1次転写ローラと同様の方法によって測定された値である。
2次転写バイアス電源39は、直流電源と交流電源とを有しており、2次転写バイアスとして、直流電圧に交流電圧を重畳せしめたものを出力することができる。2次転写バイアス電源39の出力端子は、ニップ形成ローラ36の芯金に接続されている。ニップ形成ローラ36の芯金の電位は、2次転写バイアス電源39からの出力電圧値とほぼ同じ値になる。また、2次転写裏面ローラ33については、その芯金を接地(アース接続)している。なお、重畳バイアスを2次転写裏面ローラ33の芯金に印加しつつ、ニップ形成ローラ36の芯金を接地する代わりに、重畳バイアスをニップ形成ローラ36の芯金に印加しつつ、2次転写裏面ローラ33の芯金を接地してもよい。この場合、直流電圧の極性を異ならせる。具体的には、図示のように、マイナス極性のトナーを用い且つニップ形成ローラ36を接地した条件で、2次転写裏面ローラ33に重畳バイアスを印加する場合には、直流電圧としてトナーと同じマイナス極性のものを用いて、重畳バイアスの時間平均の電位をトナーと同じマイナス極性にする。これに対し、2次転写裏面ローラ33を接地し、且つ重畳バイアスをニップ形成ローラ36に印加する場合には、直流電圧としてトナーとは逆のプラス極性のものを用いて、重畳バイアスの時間平均の電位をトナーとは逆のプラス極性にする。重畳バイアスを2次転写裏面ローラ33やニップ形成ローラ36に印加する代わりに、直流電圧を何れか一方のローラに印加するとともに、交流電圧を他方のローラに印加してもよい。交流電圧としては、正弦波状の波形のものを採用しているが、矩形波状の波形のものを用いてもよい。なお、記録紙Pとして、ザラ紙のような表面凹凸の大きなものを用いずに、普通紙のような表面凹凸の小さなものを用いる場合には、凹凸パターンにならった濃淡パターンが出現しないので、転写バイアスとして、直流電圧だけからなるものを印加してもよい。但し、ザラ紙のような表面凹凸の大きなものを用いるときには、転写バイアスを、直流電圧だけからなるものから、重畳バイアスに切り替える必要がある。
2次転写ニップを通過した後の中間転写ベルト31には、記録紙Pに転写されなかった転写残トナーが付着している。これは、中間転写ベルト31のおもて面に当接しているベルトクリーニング装置37によってベルト表面からクリーニングされる。中間転写ベルト31のループ内側に配設されたクリーニングバックアップローラ34は、ベルトクリーニング装置37によるベルトのクリーニングをループ内側からバックアップする。
電位センサ38は、中間転写ベルト31のループ外側に配設されている。そして、中間転写ベルト31の周方向における全域のうち、接地された駆動ローラ32に対する掛け回し箇所に対して、約4[mm]の間隙を介して対向している。そして、中間転写ベルト31上に1次転写されたトナー像が自らとの対向位置に進入した際に、そのトナー像の表面電位を測定する。
2次転写ニップの図中右側方には、定着装置90が配設されている。この定着装置90は、ハロゲンランプ等の発熱源を内包する定着ローラ91と、これに所定の圧力で当接しながら回転する加圧ローラ92とによって定着ニップを形成している。定着装置90内に送り込まれた記録紙Pは、その未定着トナー像担持面を定着ローラ91に密着させる姿勢で、定着ニップに挟まれる。そして、加熱や加圧の影響によってトナー像中のトナーが軟化さしめられて、フルカラー画像が定着せしめられる。定着装置90内から排出された記録紙Pは、定着後搬送路を経由した後、機外へと排出される。
モノクロ画像を形成する場合には、転写ユニット30におけるY,M,C用の1次転写ローラ35Y,M,Cを支持している図示しない支持板を移動せしめて、1次転写ローラ35Y,M,C,Kを、感光体2Y,M,Cから遠ざける。これにより、中間転写ベルト31のおもて面を感光体2Y,M,Cから引き離して、中間転写ベルト31をK用の感光体2Kだけに当接させる。この状態で、4つの画像形成ユニット1Y,M,C,Kのうち、K用の画像形成ユニット1Kだけを駆動して、Kトナー像を感光体2K上に形成する。
図3は、2次転写バイアス電源39から出力される重畳バイアスからなる2次転写バイアスの波形を示す波形図である。同図において、2次転写バイアスは、上述したように、2次転写裏面ローラの芯金に印加される。電圧出力手段たる2次転写バイアス電源39は、転写バイアスを印加する転写バイアス印加手段として機能している。また、上述したように、2次転写裏面ローラの芯金に2次転写バイスが印加されると、第1部材たる2次転写裏面ローラの芯金と、第2部材たるニップ形成ローラの芯金との間に、電位差が発生する。よって、2次転写バイアス電源39は、電位差発生手段としても機能している。なお、電位差は、絶対値として取り扱われることが一般的であるが、本稿では、極性付きの値として取り扱うものとする。より詳しくは、2次転写裏面ローラの芯金の電位から、ニップ形成ローラの芯金の電位を差し引いた値を、電位差として取り扱うことにする。かかる電位差の時間平均値は、第1実施形態のように、トナーとしてマイナス極性のものを用いる構成では、その極性がマイナスになった場合に、ニップ形成ローラの電位を2次転写裏面ローラの電位よりもトナーの帯電極性とは逆極性側(本例ではプラス側)に大きくすることになる。よって、トナーを2次転写裏面ローラ側からニップ形成ローラ側に静電移動させることになる。
図3において、オフセット電圧Voffは、2次転写バイアスの直流成分の値である。また、ピークツウピーク電圧Vppは、2次転写バイアスの交流成分のピークツウピーク電圧である。第1実施形態に係るプリンタにおいては、既に述べたように、2次転写バイアスは、オフセット電圧Voffとピークツウピーク電圧Vppとを重畳したものであり、その時間平均値はオフセット電圧Voffと同じ値になる。また、第1実施形態に係るプリンタにおいては、既に述べたように、2次転写バイアスを2次転写裏面ローラの芯金に印加し、且つニップ形成ローラの芯金を接地している(0V)。よって、2次転写裏面ローラの芯金の電位は、そのまま両芯金の電位差となる。そして、両芯金の電位差は、オフセット電圧Voffと同じ値の直流成分(Eoff)と、ピークツウピーク電圧Vppと同じ値の交流成分(Epp)とから構成される。
同図に示すように、第1実施形態に係るプリンタでは、オフセット電圧Voffとして、マイナス極性のものを採用している。2次転写裏面ローラ33に印加される2次転写バイアスのオフセット電圧Voffの極性をマイナスにすることで、2次転写ニップ内において、マイナス極性のトナーを2次転写裏面ローラ33側からニップ形成ローラ36側に相対的に押し出すことが可能になる。2次転写バイスの極性がトナーと同じマイナス極性になっているときには、2次転写ニップ内において、マイナス極性のトナーを2次転写裏面ローラ33側からニップ形成ローラ36側に静電的に押し出す。これにより、中間転写ベルト31上のトナーを記録紙P上に転移させる。一方、2次転写バイアスの極性がトナーとは逆のプラス極性になっているときには、2次転写ニップ内において、マイナス極性のトナーをニップ形成ローラ36側から2次転写裏面ローラ33側に向けて静電的に引き寄せる。これにより、記録紙Pに転移させたトナーを中間転写ベルト31側に再び引き寄せる。但し、2次転写バイアスの時間平均値(本例ではオフセット電圧Voffと同じ値)がマイナス極性であるので、相対的には、トナーは2次転写裏面ローラ33側からニップ形成ローラ36側に静電的に押し出されるのである。なお、同図において、戻り電位ピーク値Vrは、トナーとは逆極性であるプラス側のピーク値を示している。
次に、本願発明者が行なった実験について説明する。
実験は、株式会社リコー製デジタルフルカラー複合機imagio MP C7501を用い、用紙凹部における濃度再現性、用紙凸部(平滑部)における濃度再現性、放電に起因する白点の出現性、について、本発明を適用した構成(2次転写バイアスとして重畳バイアスを印加し、中間転写ベルト31として弾性ベルトを使用)と、本発明を非適用の構成(2次転写バイアスとして重畳バイアスを印加し、中間転写ベルト31としてポリイミドベルトを使用)とで実施し、それぞれ重畳バイアス交流成分のピーク・トゥ・ピーク電圧Vpp及びオフセット電圧Vaveを振って評価を行なった。実験の条件を次の表1に示す。表1中の「交流成分周波数」は、上記重畳バイアスの交流成分の周波数である。
Figure 2014010383
表1に示した各用紙を使用した評価結果を図4〜8に示す。各図の上段が従来構成による評価結果、下段が本発明を適用した構成による評価結果である。評価結果の「○、△、×」については表2に示すとおりである。
Figure 2014010383
表3は凹部の濃度再現性のランクを示すものである。
Figure 2014010383
凹部の濃度再現性については、次のようにして評価した。即ち、表面凹凸の凹部内に対して十分量のトナーを進入させていることから、凹部において十分な画像濃度が得られている場合をランク5として評価した。また、凹部内のごく僅かな領域を白く抜けた領域にしているか、あるいは、凹部の画像濃度が平滑部よりも僅かに低い状態になっている場合を、ランク4として評価した。また、ランク4よりも、白抜けの領域が大きい場合、あるいは濃度低下が目立つ場合を、ランク3として評価した。また、ランク3に比べ、さらに白抜けの領域が大きい場合、あるいは濃度低下が目立つ場合をランク2として評価した。また、凹部が全体的に白く、全体的に溝の状態がはっきりと認識できる場合や、さらに悪い場合をランク1として評価した。ユーザーに提供できる画質の許容レベルとしては、ランク4以上である。
表4は凸部の濃度再現性のランクを示すものである。
Figure 2014010383
凸部(平滑部)の濃度再現性については、次のようにして評価した。即ち、平滑部において十分な画像濃度を得られている場合をランク5とした。また、ランク5に比べてやや薄いが、問題のない濃さが得られている場合を、ランク4として評価した。また、ランク4に比べてさらに薄く、ユーザーに提供する画質としては問題となる場合をランク3として評価した。また、ランク3に比べてさらに薄い場合をランク2とし、平滑部が全体的に白っぽい場合やそれよりも薄い場合をランク1として評価した。ユーザーに提供できる画質の許容レベルとしては、ランク4以上である。
表5は白点出現性のランクを示すものである。
Figure 2014010383
2次転写バイアスによっては、2次転写ニップ内において、記録紙Pの表面凹部と、中間転写ベルト31との間の微小空隙で放電が発生して、画像に白点を出現させることがある。放電に起因する白点の出現性については、次のようにして評価した。即ち、放電に起因するものと考えられる白点が認められない状態をランク5として評価した。また、白点が僅かに認められるものの、認められる数が少なく且つ大きさも小さいことから、ユーザーに提供する画質として問題ないレベルをランク4として評価した。また、ランク4に比べて白点が多く認められ、問題あるほど目立つ状態をランク3として評価した。また、ランク3に比べてさらに白点が多く認められる場合をランク2として評価した。また、白点が画像全体に認められ、ランク2よりも更に悪い状態をランク1として評価した。なお、放電に起因する白点は点状に発生するのに対し、凹部の濃度が非常に薄い場合は凹部全体が白くなる。ユーザーに提供できる画質の許容レベルとしては、ランク4以上である。
図4〜8に示すように、ポリイミド(PI)ベルトを使用する従来構成よりも、本発明により弾性ベルトを用いて重畳転写バイアスを印加した方が、用紙の凹部及び凸部共に良好な転写性が得られることが分かる。また、二次転写バイアス電圧を上げなくても、良好な用紙凹凸部転写性が得られることが分かる。
最後に、本実施形態の画像形成装置において、中間転写ベルト31として使用した弾性ベルトについて説明する。なお、以下に述べるものは本発明に好適に用いられるものであるが、本発明の範囲は以下の説明において本発明を限定する旨の記載がない限り、これらの態様に限られるものではない。
図9には、本発明に好適に用いられる中間転写ベルトの層構成を示す。ただし、この構成に限定されるものではない。構成としては、比較的屈曲性が得られる剛性な基層101の上に柔軟な弾性層102が積層されており、この弾性層102の最表面には球形微粒子103が弾性層上に面方向に独立して配列(埋没)され、一様な凹凸形状を形成している。
まず、基層101について説明する。この構成材料としては、樹脂中に電気抵抗を調整する充填材(又は、添加材)、いわゆる電気抵抗調整材を含有してなるものが挙げられる。このような樹脂としては、難燃性の観点から、例えば、PVDF(ポリフッ化ビニリデン)、ETFE(エチレン・四フッ化エチレン共重合体)などのフッ素系樹脂や、ポリイミド樹脂またはポリアミドイミド樹脂等が好ましく、機械強度(高弾性)や耐熱性の点から、特にポリイミド樹脂又はポリアミドイミド樹脂が好適である。
電気抵抗調整材としては、金属酸化物やカーボンブラック、イオン導電剤、導電性高分子材料などがある。金属酸化物としては、例えば、酸化亜鉛、酸化スズ、酸化チタン、酸化ジルコニウム、酸化アルミニウム、酸化珪素等が挙げられる。また、分散性を良くするため、前記金属酸化物に予め表面処理を施したものも挙げられる。カーボンブラックとしては、例えば、ケッチェンブラック、ファーネスブラック、アセチレンブラック、サーマルブラック、ガスブラック等が挙げられる。イオン導電剤としては、例えば、テトラアルキルアンモニウム塩、トリアルキルベンジルアンモニウム塩、アルキルスルホン酸塩、アルキルベンゼンスルホン酸塩、アルキルサルフェート、グルセリン脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンアルキルアミン、ポリオキシエチレン脂肪酸アルコールエステル、アルキルベタイン、過塩素酸リチウム等が挙げられ、これらを併用して用いてもよい。なお、本発明における電気抵抗調整材は、上記例示化合物に限定されるものではない。
また、本発明の中間転写ベルトの製造方法においては、塗工液には樹脂成分を含み、必要に応じて、さらに分散助剤、補強材、潤滑材、熱伝導材、酸化防止剤などを含有してもよい。
前記中間転写ベルトとして好適に装備されるシームレスベルトに含有される電気抵抗調整材は、好ましくは表面抵抗で1×10〜1×1013Ω/□、体積抵抗で1×10〜1×1012Ω・cmとなる量とされるが、機械強度の面から成形膜が脆く割れやすくならない範囲の量を選択して添加することが必要である。つまり、中間転写ベルトとする場合には、前記樹脂成分(例えば、ポリイミド樹脂前駆体又はポリアミドイミド樹脂前駆体)と電気抵抗調整材の配合を適正に調整した塗工液を用いて、電気特性(表面抵抗及び体積抵抗)と機械強度のバランスが取れたシームレスベルトを製造して用いることが好ましい。
本発明における電気抵抗調整材の含有量としては、カーボンブラックの場合には、塗工液中の全固形分の10〜25wt%、好ましくは15〜20wt%である。また、金属酸化物の場合の含有量としては、塗工液中の全固形分の1〜50wt%、好ましくは10〜30wt%である。含有量が前記それぞれの電気抵抗調整材の範囲よりも少ないと効果が十分に得られず、また含有量が前記それぞれの範囲よりも多いと前記中間転写ベルト(シームレスベルト)の機械強度が低下し、実使用上好ましくない。
前記基層の厚みとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、30μm〜150μmが好ましく、40μm〜120μmがより好ましく、50μm〜80μmが特に好ましい。前記基材層の厚みが、30μm未満であると、亀裂によりベルトが裂けやすくなり、150μmを超えると、曲げによってベルトが割れることがあることがある。一方、前記基層の厚みが前記特に好ましい範囲であると耐久性の点で、有利である。基層に関しては、走行安定性を高めるために、膜厚ムラはなるべく無くすことが好ましい。
前記基層の厚みを調整する方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、接触式や渦電流式の膜厚計での計測や膜の断面を走査型電子顕微鏡(SEM)で測定する方法が挙げられる。
次に、上記基層101上に積層する弾性層102について説明する。弾性層102は、基層101上に積層されてなり、弾性体と後述する球形樹脂粒子103とを含有し、表面に凹凸形状が形成されてなる。より詳しくは、弾性層102は、弾性体が基層101上に積層され、さらに、当該弾性層102の表面における面方向に球形樹脂粒子103が配列されてなる。
弾性体を構成する材料としては、汎用の樹脂・エラストマー・ゴムなどの材料を使用することが可能だが、本発明の効果を十分に発現するに十分な柔軟性(弾性)を有する材料を用いることが好ましく、エラストマー材料やゴム材料を用いるのが良い。
エラストマー材料としては、熱可塑性エラストマーとして、ポリエステル系、ポリアミド系、ポリエーテル系、ポリウレタン系、ポリオレフィン系、ポリスチレン系、ポリアクリル系、ポリジエン系、シリコーン変性ポリカーボネート系、フッ素系共重合体系等が挙げられる。また、熱硬化性として、ポリウレタン系、シリコーン変性エポキシ系、シリコーン変性アクリル系等が挙げられる。
また、ゴム材料としては、イソプレンゴム、スチレンゴム、ブタジエンゴム、ニトリルゴム、エチレンプロピレンゴム、ブチルゴム、シリコーンゴム、クロロプレンゴム、アクリルゴム、クロロスルホン化ポリエチレン、フッ素ゴム、ウレタンゴム、ヒドリンゴム等が挙げられる。
上記各種エラストマー、ゴムの中から、性能が得られる材料を適宜選択する。特に、転写媒体(転写材)である紙の表面性状に凹凸のあるレザック紙のような紙の表面状態に追従させるためにはできるだけ柔らかいものを選択する方が好ましい。
本発明においては、この材料の表面に球形樹脂粒子層を形成する上で、熱可塑性のものよりも熱硬化性のものの方が好ましい。熱硬化性のものの方が、その硬化反応に寄与する官能基の効果により樹脂粒子との密着性に優れ確実に固定化することが可能である。加硫ゴムも同様に好ましい。
本発明においては、耐オゾン性、柔軟性、球形微粒子との接着性、難燃性付与、耐環境安定性の面からアクリルゴムが最も好ましい。以下、アクリルゴムについて説明する。
本発明のゴム弾性層であるアクリルゴムは現在上市されているもので良く、特に限定されるものではない。しかし、アクリルゴムの各種架橋系(エポキシ基、活性塩素基、カルボキシル基)の中ではカルボキシル基架橋系がゴム物性(特に圧縮永久歪み)及び加工性が優れているので、カルボキシル基架橋系を選択することが好ましい。
カルボキシル基架橋系のアクリルゴムに用いる架橋剤は、アミン化合物が好ましく、多価アミン化合物が最も好ましい。 このようなアミン化合物として、具体的には脂肪族多価アミン架橋剤、芳香族多価アミン架橋剤などが挙げられる。脂肪族多価アミン架橋剤としては、ヘキサメチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミンカーバメイト、N,N’−ジシンナミリデン−1,6−ヘキサンジアミンなどが挙げられる。 芳香族多価アミン架橋剤としては、4,4’−メチレンジアニリン、m−フェニレンジアミン、4,4’−ジアミノジフェニルエーテル、3,4’−ジアミノジフェニルエーテル、4,4’−(m−フェニレンジイソプロピリデン)ジアニリン、4,4’−(p−フェニレンジイソプロピリデン)ジアニリン、2,2’−ビス〔4−(4−アミノフェノキシ)フェニル〕プロパン、4,4’−ジアミノベンズアニリド、4,4’−ビス(4−アミノフェノキシ)ビフェニル、m−キシリレンジアミン、p−キシリレンジアミン、1,3,5−ベンゼントリアミン、1,3,5−ベンゼントリアミノメチルなどが挙げられる。
上記架橋剤の配合量は、アクリルゴム100重量部に対し、好ましくは0.05〜20重量部、より好ましくは0.1〜5重量部である。 架橋剤の配合量が少なすぎると、架橋が十分に行われないため、架橋物の形状維持が困難になる。 一方、含有量が多すぎると、架橋物が硬くなりすぎ、架橋ゴムとしての弾性などが損なわれる。
本発明のアクリルゴム弾性層においては、さらに架橋促進剤を配合して上記架橋剤に組み合わせて用いてもよい。架橋促進剤も限定はないが、前記多価アミン架橋剤と組み合わせて用いることができる架橋促進剤であることが好ましい。このような架橋促進剤としては、例えば、グアニジン化合物、イミダゾール化合物、第四級オニウム塩、第三級ホスフィン化合物、弱酸のアルカリ金属塩などが挙げられる。グアニジン化合物としては、1,3−ジフェニルグアニジン、1,3−ジオルトトリルグアニジンなどが挙げられる。イミダゾール化合物としては、2−メチルイミダゾール、2−フェニルイミダゾールなどが挙げられる。第四級オニウム塩としては、テトラn−ブチルアンモニウムブロマイド、オクタデシルトリ―n−ブチルアンモニウムブロマイドなどが挙げられる。 多価第三級アミン化合物としては、トリエチレンジアミン、1,8−ジアザ‐ビシクロ[5.4.0]ウンデセン−7(DBU)などが挙げられる。 第三級ホスフィン化合物としては、トリフェニルホスフィン、トリ−p−トリルホスフィンなどが挙げられる。 弱酸のアルカリ金属塩としては、ナトリウムまたはカリウムのリン酸塩、炭酸塩などの無機弱酸塩あるいはステアリン酸塩、ラウリル酸塩などの有機弱酸塩が挙げられる。
架橋促進剤の使用量は、アクリルゴム100重量部あたり、好ましくは0.1〜20重量部、より好ましくは0.3〜10重量部である。 架橋促進剤が多すぎると、架橋時に架橋速度が早くなりすぎたり、架橋物表面ヘの架橋促進剤のブルームが生じたり、架橋物が硬くなりすぎたりする場合がある。架橋促進剤が少なすぎると、架橋物の引張強さが著しく低下したり、熱負荷後の伸び変化または引張強さ変化が大きすぎたりする場合がある。
アクリルゴムの調製にあたっては、ロール混合、バンバリー混合、スクリュー混合、溶液混合などの適宜の混合方法が採用できる。配合順序は特に限定されないが、熱で反応や分解しにくい成分を充分に混合した後、熱で反応しやすい成分あるいは分解しやすい成分として、例えば架橋剤などを、反応や分解が起こらない温度で短時間に混合すればよい。
アクリルゴムは、加熱することにより架橋物とすることができる。 加熱温度は、好ましくは130〜220℃、より好ましくは140℃〜200℃であり、架橋時間は好ましくは30秒〜5時間である。 加熱方法としては、プレス加熱、蒸気加熱、オーブン加熱、熱風加熱などのゴムの架橋に用いられる方法を適宜選択すればよい。また、一度架橋した後に、架橋物の内部まで確実に架橋させるために、後架橋を行ってもよい。後架橋は、加熱方法、架橋温度、形状などにより異なるが、好ましくは1〜48時間行う。後架橋を行う際の加熱方法、加熱温度は適宜選択すればよい。
上記選択した材料に、電気特性を調整するための電気抵抗調整剤、難燃性を得るための難燃剤、必要に応じて、酸化防止剤、補強剤、充填剤、架橋促進剤などの材料を適宜含有させた配合を行う。
さらに、電気特性を調整するための電気抵抗調整剤としては、すでに前述した各種材料が適用できるが、カーボンブラックや金属酸化物などは柔軟性を損なうため、使用量を抑えることが好ましく、イオン導電剤や導電性高分子を用いることも有効である。また、これらの併用でも構わない。
具体的には種々の過塩素酸塩やイオン性液体をゴム100部に対して0.01部〜3部添加するのが好ましい。イオン導電剤の添加量が0.01部以下では抵抗率を下げる効果が得られず、3部以上の添加量ではベルト表面へ導電剤がブルーム又はブリードする可能性が高くなってしまう。当弾性層の抵抗値としては、表面抵抗で1×10^8〜1×10^13Ω/□、体積抵抗で1×10^6〜1×10^12Ω・cmとなる様に調整されることが好ましい。
また、昨今の電子写真装置で求められるような高い凹凸紙転写性を得るためには、弾性層12の柔軟性は23℃50%RH環境下でのマイクロゴム硬度値が35以下であることが好ましい。マルテンス硬度、ビッカース硬度など、いわゆる微小硬度での計測は、測定部位のバルク方向の浅い領域、すなわちごく表面近傍の硬度しか測定していなのでベルト全体としての変形性能は評価できない。そのため、例えば中間転写ベルト全体としての変形性能が低い構成のものに、最表面に柔軟な材料を持ってきた場合、微小硬度値は低くなってしまう。このようなベルトは変形性能が低い、すなわち凹凸紙への追従性が悪いので、結果として昨今求められる凹凸紙への転写性能が不十分なものとなってしまう。そのため、ベルト全体の変形性能が評価できるマイクロゴム硬度を測定することが好ましい。
弾性層102の膜厚としては、200μm〜2mm程度が好ましく、400μm〜1000μmがより好ましい。膜厚が薄いと、転写媒体の表面性状への追従性や転写圧力低減効果が低く好ましくない。厚すぎると、膜の重さが重くなりたわみやすくなり走行性が不安定になったり、ベルトを張架させるためのローラ曲率部での屈曲により亀裂が発生しやすくなるため好ましくない。なお、前記厚みの測定方法としては、断面を走査型顕微鏡(SEM)で観察することにより測定することができる。
次に、この弾性体の表面に形成する球形樹脂粒子103について説明する。前記球形樹脂粒子とは、平均粒子径が100μm以下で真球状の形状をしており、有機溶剤に不溶で3%熱分解温度が200℃以上である樹脂粒子のことをいう。
材料としては特に問わないが、アクリル樹脂、メラミン樹脂、ポリアミド樹脂、ポリエステル樹脂、シリコーン樹脂、フッ素樹脂、などの樹脂を主成分としてなる球形粒子が挙げられる。また、これらの樹脂材料からなる粒子の表面を異種材料で表面処理を施したものでも良い。ここで言う樹脂粒子の中には、ゴム材料も含む。ゴム材料で作製された球状粒子の表面に硬い樹脂をコートしたような構成のものも適用可能である。また、中空であったり、多孔質であったりしても良い。
これらの樹脂中で、滑性を有し、トナーに対しての離型性、耐磨耗性を付与できる機能の高いものとして、シリコーン樹脂粒子が最も好ましい。これら樹脂を用い、重合法などにより球状の形状に作製された粒子であることが好ましく、本発明においては、真球に近いものほど好ましい。
球形樹脂粒子103は、体積平均粒径が1.0μm〜5.0μmであり、単分散粒子であることが望ましい。ここで言う単分散粒子とは、単一粒子径の粒子という意味ではなく、粒度分布が極めてシャープなもののことを指す。具体的には、±(平均粒径×0.5)μm以下の分布幅のもので良い。粒径が1.0μm未満の場合、粒子による転写性能の効果が十分に得られない。一方、5.0μmより大きいと、表面粗さが大きくなり、粒子間の隙間が大きくなるため、トナーがうまく転写できなくなったりクリーニング不良となったりする不具合が生じる。さらには、粒子は絶縁性が高いものが多いため、粒径が大きすぎると粒子による帯電電位の残留により、連続画像出力時にこの電位の蓄積による画像乱れが発生する。
球形樹脂粒子103としては、特に制限はなく、適宜合成したものを使用してもよいし、市販品を使用してもよい。
このような球形樹脂粒子103は、弾性体の上に粉体をそのまま直接塗布して、ならすことにより容易に均一に整列させることができる。なお、粒子を弾性層表面に塗布するタイミングは特に限定されず、ゴムの架橋前、架橋後何れでも可能である。
次に、本発明におけるベルト表面状態について説明する。図10では、ベルトの表面を真上から観察した拡大模式図を示す。このように、均一な粒径の球形粒子103が独立して整然と配列する形態を採る。樹脂粒子同士の重なり合いは殆ど観測されない。この表面を構成する各粒子の樹脂層面における断面の径も均一なほうが好ましく、具体的には、±(平均粒径×0.5)μm以下の分布幅となることが好ましい。これを形成するためにできるだけ粒径の揃った粒子を用いることが好ましいが、これを用いなくてもある粒径のものが選択的に表面に形成できる方法により表面を形成して前記粒径分布幅となる構成としても良い。
弾性体102の露出部分と粒子103の露出部分の投影面積比については、粒子の露出部分の投影面積率が60%以上とすることが好ましい。60%に満たない場合、粒子で覆われずに弾性体が露出する領域が大きくなり、トナーと弾性体が接触し良好なトナー転写性が得られないほか、残トナークリーニング性や耐フィルミング性が著しく低下する。
本発明においては、上記球形樹脂粒子103は弾性層中へ一部埋設された形態を取るが、その埋没率は、50%を超え、100%に満たないものが好ましく、51%〜90%であることが、より好ましい。50%以下では、画像形成装置での長期使用において粒子の脱離が起きやすく、耐久性に劣る。一方、100%では、粒子による転写性への効果が低減し、好ましくない。
埋没率とは、粒子の深さ方向の径の樹脂層に埋没している率のことであるが、ここで言う、埋没率は、すべての粒子が50%を超え100%に満たないという意味ではなく、ある視野で見たときの平均埋没率で表わしたときの数値が50%を超え100%に満たなければ良い。しかし、埋没率50%のときは、電子顕微鏡による断面観測において、弾性層中へ完全埋没している粒子が殆ど観測されない(弾性層中に完全に埋没している粒子の個数%は粒子全体のうち5%以下)。
また、球形樹脂粒子103は、弾性層102の表面における面方向に配列されてなり、さらにこの粒子は、弾性層に対して、厚み方向に単一層で形成される方が好ましい。図11のように、厚み方向に複数の粒子を含むような構成では、粒子の含有される分布がむらになり
粒子の有する電気抵抗値の影響により、ベルト表面の電気特性が不均一となり画像乱れを生じる。具体的には、粒子が多く存在する部分での電気抵抗値が高くなり、ここに残留電荷による表面電位が発生し、ベルト表面において表面電位のばらつきが発生し、隣接した部分での画像濃度に差が生じる等による画像乱れが顕在化する。
次に、上記本発明の構成のベルトを作製する方法についての一例を説明する。
まず、基層101の作製方法について説明する。少なくとも樹脂成分を含む塗工液、すなわち前記ポリイミド樹脂前駆体又はポリアミドイミド樹脂前駆体を含む塗工液を用いて基層を製造する方法について説明する。
ポリイミド樹脂又はポリアミドイミド樹脂製の基体は、円筒状支持体(型)表面に前記前駆体液をノズルやディスペンサーによる螺旋塗工、または広幅のダイによるダイ塗工、または塗布ロールを用いたロール塗工などにより塗工することができる。ここでは、ロール塗工について説明する。図12に示すような装置により塗工できる。Aは塗料である脱泡した前駆体液を貯留するための塗料パンであり、Cは塗料パンAから塗料Bを連続的に汲み上げるための塗布ローラであり、Dは連続的に汲み上げられた塗料の厚みを塗布ローラCとの隙間で調節して所定塗料厚みにするための規制ローラであり、Eは所定厚みにした塗料(塗膜)を塗布ローラCから転移させて付着させるための円筒状支持体(金型)である。
上記した製造装置に、先ず予め十分に脱泡された前駆体塗料Bを塗料パンAに流し込む。塗料粘度は、有機極性溶媒(周知慣用のものを用いることができる)により、0.5〜10Pa・sに調整しておくことが望ましい。次いで、塗布ローラCの下部に塗料Bを流し込んだ塗料パンAを近づけ塗料B中に浸漬し、10〜100mm/secのゆっくりとした周速度で塗布ローラC表面に塗料Bを付着、上方に汲み上げていく。その後、塗布ローラC上部に設置され、塗布ローラCと任意の隙間を調整することが出来る規制ローラCにより、塗布ローラC上の塗料厚みを調整する。規制する塗料厚みとしては、円筒状支持体Eへ転写する塗料厚みの2倍量程度が好ましい。
次に塗布ローラCに円筒状支持体Eをゆっくり回転させながら、塗布ローラCの塗料厚み以下まで近づける。塗布ローラ上の塗料は、塗布ローラCと同方向(図12に示す方向では「時計回り方向」)に回転する円筒状支持体E上に、塗布ローラCからの塗料が転移され、円筒状支持体E上に所定膜厚の塗料が付着される。
塗布後、円筒状支持体Eを回転させつつ徐々に昇温させながら、約80〜150℃の温度で塗膜中の溶媒を蒸発させていく。この過程では、雰囲気の蒸気(揮発した溶媒等)を効率よく循環して取り除くことが好ましい。自己支持性のある膜が形成されたところで金型ごと高温処理の可能な加熱炉(焼成炉)に移し、段階的に昇温し、最終的に250℃〜450℃程度の高温加熱処理(焼成)し、十分にポリイミド樹脂前駆体のイミド化又はポリアミドイミド樹脂前駆体のポリアミドイミド化を行う。
十分に冷却後、引き続き、弾性体を積層する。弾性層は、ゴムを有機溶剤に溶解させたゴム塗料を用い、基層101上に塗布形成し、その後、溶剤を乾燥、架橋することで製造することができる。塗布成形法としては、基層101と同じく、螺旋塗工、ダイ塗工、ロール塗工などの既存の塗工法が適用できるが、凹凸転写性を良くする為には弾性体の厚みを厚くすることが必要であり、厚膜を形成する塗工法としては、ダイ塗工、及び螺旋塗工が優れている。ここでは、螺旋塗工について説明する。基層を周方向に回転させながら、丸型、又は広幅のノズルによりゴム塗料を連続的に供給しながら、ノズルを基層101の軸方向に移動させて、基層101上に塗料を螺旋状に塗工する。基層101上に螺旋状に塗工された塗料は、所定の回転速度、乾燥温度を維持させることでレベリングされながら乾燥される。
そして、十分にレベリングしたところで、図13に示すように、粉体供給装置125と押し当て部材123を設置し、回転させながら粉体供給装置125から球状粒子(樹脂粒子)124を表面に均一にまぶし、表面にまぶされた球状粒子124を押し当て部材123により一定圧力にて押し当てる。この押し当て部材123により、金型ドラム121により支持されてなる基層と弾性体が塗布されてなるベルト122へ粒子124を埋設させつつ、余剰な粒子124を取り除く。本発明では、特に単分散の球形粒子を用いるために、このような押し当て部材でのならし工程のみの簡単な工程で、均一な単一粒子層を形成することが可能である。
粒子103の弾性層102中への埋没率の調整は、他の方法によっても可能であるかもしれないが、例えば、押し当て部材123の押圧力を加減することにより、容易に果たすことができる。例えば、流延塗工液の粘度、樹脂分含量率、溶剤の使用量、樹脂材質等にもよるが、目安として、流延塗工液の粘度100〜100000mPa・sにおいて、押圧力を、10mN/cm〜1000mN/cmの範囲とすることにより、前記50%<埋没率<100%を比較的容易に達成することができる。
微粒子を均一に表面に並べたのち、回転させながら所定温度、所定時間で加熱することにより、硬化させ粒子を埋設させた弾性層を形成する。充分に冷却後、金型から基層ごと脱離させ、所望のシームレスベルト(中間転写ベルト)を得る。
前記中間転写ベルトにおける球形微粒子の埋没率を測定する方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、中間転写体の断面を走査型電子顕微鏡(SEM)にて観察することにより、測定することができる。
また、中間転写ベルトにおける粒子の露出部分の投影面積率を測定する方法についても、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、中間転写ベルトの表面を走査電子顕微鏡(SEM)にて観察し、その画像を画像処理ソフトを用いて画像を2値化し、弾性体の露出部分と粒子の露出部分の投影面積率を算出する方法などが挙げられる。
こうして作製された中間転写ベルトの抵抗は、カーボンブラック、イオン導電剤の量を可変することにより調整される。この際、粒子の大きさや占有面積率によって抵抗が変わりやすいので注意する。抵抗の測定は市販の計測器を使用できるが、たとえばダイアインスツルメンツ社のハイレスタを使用することにより測定することができる。
上記のような弾性ベルトを中間転写ベルト(像担持体)として使用し、転写バイアスとして重畳バイアスを印加することによって、用紙の凹凸に像担持体が追従しやすくなり、像担持体上のトナーと用紙凹部の隙間が小さくなることによって、転写バイアスにおける交流電圧が低くても凹凸の大きいざらざらした用紙へも良好な転写を行なうことができる。また、重畳バイアスを印加することにより、直流電圧だけを印加する場合と比べて像担持体とトナーとの付着力が低くなるため、転写ニップ圧が小さくても凹凸の大きいざらざらした用紙へも良好な転写を行なうことができる。
すなわち、本発明においては、転写負荷を極力抑制して(転写部での印加電圧をできるだけ低くし、且つ、転写部のニップ圧もできるだけ低くして)、用紙の凹部でも充分な画像濃度を得ることが可能となった。
また、像担持体の弾性層は、23℃50%RH環境下でのマイクロゴム硬度値が35以下であることにより、ベルと全体の変形性能を規定して、高い凹凸紙転写性が得られる。
また、像担持体の弾性層が、少なくともアクリルゴムを含んでいることにより、耐オゾン性、柔軟性、球形微粒子との接着性、難燃性付与、耐環境安定性に優れたものとすることができる。
また、像担持体は、基層と、該基層上に積層されてなる弾性層と、を備え、前記弾性層は、弾性体と球形樹脂粒子とを含有し、表面に凹凸形状が形成されてなることにより、離型性、耐摩耗性に優れ、高画質・高耐久性能を得られる。
以上、本発明を図示の実施形態により説明したが、本発明はこれに限定されるものではない。例えば、転写部及び転写手段としては適宜な構成を採用可能である。
画像形成装置の構成も、タンデム式に限らず適宜な方式を採用可能であり、直接転写方式、間接転写方式に限らず本発明を適用可能である。また、画像形成装置としてはフルカラー機に限らず、複数色のマルチカラー機やモノクロ装置であってもよい。もちろん、画像形成装置としてはプリンタに限らず、複写機やファクシミリ、あるいは複数の機能を備える複合機であっても良い。
1Y,M,C,K 画像形成ユニット
2Y,M,C,K ドラム状感光体
30 転写ユニット
31 中間転写ベルト
33 2次転写裏面ローラ
36 ニップ形成ローラ
39 2次転写バイアス電源
80 光書込ユニット
90 定着装置
100 給紙カセット
特開2006−267486号公報 特許第4040611号公報

Claims (7)

  1. トナー像を担持する像担持体と、該像担持体に当接して転写ニップを形成し像担持体上のトナー像を記録材に転写させる転写部材と、該転写部材に転写バイアスを印加する転写バイアス印加手段とを有する転写装置であって、
    前記転写バイアス印加手段は、前記転写部材に交流電圧と直流電圧とを重畳した転写バイアスを印加するものであり、且つ、前記像担持体の少なくとも一層が弾性層であることを特徴とする転写装置。
  2. 前記像担持体が中間転写体であることを特徴とする、請求項1に記載の転写装置。
  3. 前記像担持体の前記弾性層は、23℃50%RH環境下でのマイクロゴム硬度値が35以下であることを特徴とする、請求項1又は2に記載の転写装置。
  4. 前記像担持体の前記弾性層が、少なくともアクリルゴムを含んでいることを特徴とする、請求項1〜3のいずれか1項に記載の転写装置。
  5. 前記像担持体は、基層と、該基層上に積層されてなる弾性層と、を備え、
    前記弾性層は、弾性体と球形樹脂粒子とを含有し、表面に凹凸形状が形成されてなる
    ことを特徴とする、請求項1〜4のいずれか1項に記載の転写装置。
  6. 前記像担持体がシームレスベルトであることを特徴とする、請求項1〜5のいずれか1項に記載の転写装置。
  7. 請求項1〜6のいずれか1項に記載の転写装置を備えることを特徴とする画像形成装置。
JP2012148336A 2012-07-02 2012-07-02 転写装置及び画像形成装置 Pending JP2014010383A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2012148336A JP2014010383A (ja) 2012-07-02 2012-07-02 転写装置及び画像形成装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2012148336A JP2014010383A (ja) 2012-07-02 2012-07-02 転写装置及び画像形成装置

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2014010383A true JP2014010383A (ja) 2014-01-20

Family

ID=50107128

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2012148336A Pending JP2014010383A (ja) 2012-07-02 2012-07-02 転写装置及び画像形成装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2014010383A (ja)

Cited By (14)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2015184341A (ja) * 2014-03-20 2015-10-22 キヤノン株式会社 電源装置及び画像形成装置
JP2016109970A (ja) * 2014-12-09 2016-06-20 株式会社リコー 画像形成装置
US9395658B2 (en) 2014-12-09 2016-07-19 Ricoh Company, Ltd. Image forming apparatus
JP2016156927A (ja) * 2015-02-24 2016-09-01 株式会社リコー 画像形成装置
JP2016161667A (ja) * 2015-02-27 2016-09-05 株式会社リコー 画像形成装置
US9459564B2 (en) 2014-10-15 2016-10-04 Ricoh Company, Ltd. Image forming apparatus
JP2016188991A (ja) * 2015-03-19 2016-11-04 株式会社リコー 画像形成装置
US9740156B2 (en) 2015-03-19 2017-08-22 Ricoh Company, Ltd. Image forming apparatus that adjusts a transfer bias according to surface properties of a transfer target
JP2017194666A (ja) * 2016-04-14 2017-10-26 株式会社リコー 画像形成装置
US9817341B2 (en) 2015-03-18 2017-11-14 Ricoh Company, Ltd. Image forming apparatus
US10067454B2 (en) 2016-04-14 2018-09-04 Ricoh Company, Ltd. Image forming apparatus
US10185255B2 (en) 2016-02-15 2019-01-22 Ricoh Company, Ltd. Image forming apparatus and image forming method for controlling a secondary transfer bias according to recording sheet type
US10281848B2 (en) 2016-02-15 2019-05-07 Ricoh Company, Ltd. Image forming apparatus and image forming method
US10423097B2 (en) 2017-05-19 2019-09-24 Konica Minolta, Inc. Image formation apparatus and image formation method

Citations (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2001312159A (ja) * 2000-04-28 2001-11-09 Ricoh Co Ltd 中間転写体及び画像形成装置
US20110177238A1 (en) * 2010-01-20 2011-07-21 Ricoh Company, Ltd. Intermediate transfer belt, method for producing the same, and image forming apparatus
US20110229168A1 (en) * 2010-03-16 2011-09-22 Emiko Shiraishi Image forming apparatus, image forming method, and computer program product for causing a computer to execute the method

Patent Citations (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2001312159A (ja) * 2000-04-28 2001-11-09 Ricoh Co Ltd 中間転写体及び画像形成装置
US20110177238A1 (en) * 2010-01-20 2011-07-21 Ricoh Company, Ltd. Intermediate transfer belt, method for producing the same, and image forming apparatus
JP2011150059A (ja) * 2010-01-20 2011-08-04 Ricoh Co Ltd 中間転写ベルト及びそれを用いた電子写真装置
EP2357535A1 (en) * 2010-01-20 2011-08-17 Ricoh Company, Ltd Intermediate transfer belt, method for producing the same, and image forming apparatus
US20110229168A1 (en) * 2010-03-16 2011-09-22 Emiko Shiraishi Image forming apparatus, image forming method, and computer program product for causing a computer to execute the method
JP2011191579A (ja) * 2010-03-16 2011-09-29 Ricoh Co Ltd 画像形成装置
US8837969B2 (en) * 2010-03-16 2014-09-16 Ricoh Company, Ltd. Image forming apparatus, image forming method, and computer program product for causing a computer to execute the method

Cited By (17)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2015184341A (ja) * 2014-03-20 2015-10-22 キヤノン株式会社 電源装置及び画像形成装置
US9720355B2 (en) 2014-10-15 2017-08-01 Ricoh Company, Ltd. Image forming apparatus
US9459564B2 (en) 2014-10-15 2016-10-04 Ricoh Company, Ltd. Image forming apparatus
JP2016109970A (ja) * 2014-12-09 2016-06-20 株式会社リコー 画像形成装置
US9395658B2 (en) 2014-12-09 2016-07-19 Ricoh Company, Ltd. Image forming apparatus
US9811046B2 (en) 2014-12-09 2017-11-07 Ricoh Company, Ltd. Image forming apparatus
JP2016156927A (ja) * 2015-02-24 2016-09-01 株式会社リコー 画像形成装置
US9535376B2 (en) 2015-02-24 2017-01-03 Ricoh Company, Ltd. Image forming apparatus that switches transfer bias based on detected environment condition
JP2016161667A (ja) * 2015-02-27 2016-09-05 株式会社リコー 画像形成装置
US9817341B2 (en) 2015-03-18 2017-11-14 Ricoh Company, Ltd. Image forming apparatus
US9740156B2 (en) 2015-03-19 2017-08-22 Ricoh Company, Ltd. Image forming apparatus that adjusts a transfer bias according to surface properties of a transfer target
JP2016188991A (ja) * 2015-03-19 2016-11-04 株式会社リコー 画像形成装置
US10185255B2 (en) 2016-02-15 2019-01-22 Ricoh Company, Ltd. Image forming apparatus and image forming method for controlling a secondary transfer bias according to recording sheet type
US10281848B2 (en) 2016-02-15 2019-05-07 Ricoh Company, Ltd. Image forming apparatus and image forming method
JP2017194666A (ja) * 2016-04-14 2017-10-26 株式会社リコー 画像形成装置
US10067454B2 (en) 2016-04-14 2018-09-04 Ricoh Company, Ltd. Image forming apparatus
US10423097B2 (en) 2017-05-19 2019-09-24 Konica Minolta, Inc. Image formation apparatus and image formation method

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP2014010383A (ja) 転写装置及び画像形成装置
JP6489409B2 (ja) 画像形成装置
JP2016109969A (ja) 画像形成装置
JP5899852B2 (ja) 画像形成装置用ベルト、及びそれを用いた画像形成装置
US10101690B2 (en) Image forming apparatus
US9835987B2 (en) Image forming apparatus and transfer bias control
JP6862962B2 (ja) 中間転写体、及び画像形成装置
JP6452041B2 (ja) 画像形成装置
JP2016156927A (ja) 画像形成装置
US10067454B2 (en) Image forming apparatus
JP6593699B2 (ja) 画像形成装置
JP6778410B2 (ja) 画像形成装置
JP6555571B2 (ja) 画像形成装置
JP2016110013A (ja) 画像形成装置
JP6667138B2 (ja) 画像形成装置及び画像形成方法
JP2017191248A (ja) 画像形成装置
JP2017191249A (ja) 画像形成装置
JP6784187B2 (ja) 画像形成装置
JP2016177252A (ja) 画像形成装置
JP6784955B2 (ja) 画像形成装置及び転写方法
JP2016114913A (ja) 画像形成装置
JP6459039B2 (ja) 画像形成装置
JP6641617B2 (ja) 画像形成装置
JP6738554B2 (ja) 画像形成装置
JP2016177062A (ja) 画像形成装置

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20150616

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20160519

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20160628

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20170104