JP2015229315A - 積層造形装置および積層造形方法 - Google Patents

積層造形装置および積層造形方法 Download PDF

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Abstract

【課題】造形成速度を向上させ、消費電力の削減を図ることができる積層造形装置および積層造形方法を提供する。【解決手段】積層造形装置1は、中間転写ベルトCBと、帯電された微粒子像Tを中間転写ベルトCB上に形成する像形成ユニット(例えば、像形成ユニット10Y)と、中間転写ベルトCBに接触する転写部27とを備え、中間転写ベルトCB上への微粒子像Tの形成および中間転写ベルトCBから転写部27への微粒子像Tの転写を繰り返して、複数の微粒子像Tを転写部27上に積層して立体物Fを形成する。また、積層造形装置1は、中間転写ベルトCB上の微粒子像Tを加熱する加熱部KNを備えている。加熱部KNは、中間転写ベルトCBの微粒子像Tが形成される面(表面)側に設けられている。【選択図】図1

Description

本発明は、微粒子像を積層して立体物を造形する積層造形装置並びに、その積層造形方法に関する。
近年、樹脂や金属といった材料を少しずつ積層しながら固めて、立体像を形成する積層造形装置、所謂3Dプリンタが脚光を集めている。現在、実用化されている3Dプリンタの方式としては、大きく分類して次の5つの方式がある。
第1の熱溶解積層法は、加熱によって軟化する熱可塑性樹脂(ABSやPC)を材料とする方式である。この方式では、プリンタヘッドを移動させつつ、プリンタヘッドから加熱溶融された熱可塑性樹脂を押し出してステージ上に積層し、立体像を形成する。材料としては、糸状または繊維状の樹脂を用いており、この樹脂を加熱溶解しながら押し出して積層する。
第2の光学造形法は、光硬化性樹脂をレーザービームによって硬化させる方式である。この方式では、液体状の光硬化性樹脂をプールに満たし、光硬化性樹脂の液面より僅かに低い位置にステージを配置する。そして、ステージ上の光硬化性樹脂の層は、レーザービームの照射によって部分的に硬化する。硬化させた層は、ステージを一層分だけ下降させることで、液面より下に降ろされ、次の層に対して同じ処理を施す。このようなレーザービームの照射とステージの下降とを繰り返して、複数層の硬化部分をステージ上に積層することで、立体像を形成している。
第3のインクジェット法は、インクジェットヘッドを使って噴射した紫外線硬化性の樹脂を、紫外線で固めながら積層していく方式である。この方式では、ステージを移動させつつ、インクジェットヘッドからステージ上に紫外線硬化性の樹脂を噴出し、紫外線を照射して硬化させる。次に、ステージを一層分だけ下降させてから、同様に樹脂を噴出して硬化させる。このような樹脂の噴出硬化とステージの下降とを繰り返して、立体像をステージ上に形成している。
第4の粉末造形法は、石膏等の粉末に水滴(接着剤)を噴射し固形化する方式である。この方式では、石膏粉末の薄い層をステージ上に形成し、インクジェットヘッドから接着剤を噴出して、部分的に硬化させる。その後、他の方式と同様に、積層を繰り返して立体像を形成する。
第5の粉末焼結積層造形法は、金属粉末にレーザービームや電子ビームを照射して焼結させ、各層を硬化させていく方式である。この方式では、金属粉末としてチタン合金やニッケル合金を用いており、積層を繰り返して立体像を形成する。
ところで、「熱溶解積層法」、「インクジェット法」、および「粉末造形法」では、プリントヘッドやインクジェットヘッドを往復移動させるため、造形速度が遅いという課題がある。そして、「光学造形法」でも、光硬化性樹脂の液面が安定するまでの時間が長く、かつ光硬化性樹脂の硬化に長い時間が費やされるため、造形速度が遅いという課題がある。また、「粉末造形法」では、材料である石膏を接着剤で硬化させる方式なので、造形物の強度が弱いという課題がある。さらに、「粉末焼結積層造形法」では、樹脂材料に対応できず、消費エネルギーが大きいという課題がある。そして、いずれの方式においても、一層の厚さが50〜200μmと厚いため、立体像の表面がざらざらした仕上がりになってしまうという共通の課題がある。
上述した現行の3Dプリンタ方式に対して、周知の電子写真の技術を応用した積層造形装置が提案されている(例えば、特許文献1および特許文献2参照。)。特許文献1および特許文献2に開示されている積層造形装置では、静電潜像を誘電体表面に形成する工程と、誘電体表面の静電潜像を帯電性粉体で現像して、誘電体表面に粉体像を形成する工程と、粉体像を誘電体表面から中間転写体に転写する工程と、粉体像を加熱して溶融または軟化させる工程と、粉体像を中間転写体からステージへと転写する工程とを有し、これらの工程を繰り返すことで、複数の粉体像を積層して立体像をステージ上に形成している。
このような電子写真の技術を応用した方法では、消費エネルギーが比較的小さく、立体像を高速で形成することができる。また、直径10μm程度の微粒子の集合からなる帯電性粉体を使用することから、一層の厚さが10μm程度と薄く、強度が高くて表面の仕上がりが良好な立体像を形成することができる。
特開平10−207194号公報 特開2002−347129号公報
ところで、特許文献1および特許文献2に記載されている積層造形装置では、粉体像を中間転写体からステージへと転写する工程において、帯電性粉体が形成された誘電体ベルト(中間転写体)を、誘電体ベルト背面側(帯電性粉体が形成されない面側)に設置した面状ヒータを用いて加熱することで、帯電性粉体を溶融する構成とされている。ここで、帯電性粉体のみを加熱するのが望ましいが、面状ヒータと帯電性粉体との間に誘電体ベルトが存在するため、誘電体ベルトを不必要に加熱することになる。その結果、帯電性粉体を加熱する時間や、帯電性粉体をステージ上に転写した後に誘電体ベルトを冷却する時間などが長くなり、立体像を造形する時間が長くなるのと同時に消費電力が大きくなるという課題があった。
本発明は、上記の課題を解決するためになされたものであり、造形成速度を向上させ、且つ、消費電力の削減を図ることができる積層造形装置および積層造形方法を提供することを目的とする。
本発明に係る積層造形装置は、像担持体と、帯電された微粒子像を前記像担持体上に形成する像形成部と、前記像担持体に接触する転写部とを備え、前記像担持体上への微粒子像の形成および前記像担持体から前記転写部への該微粒子像の転写を繰り返して、複数の微粒子像を前記転写部上に積層して立体物を形成する積層造形装置であって、前記像担持体上の微粒子像を加熱する加熱部を備え、前記加熱部は、前記像担持体の前記微粒子像が形成される面側に設けられていることを特徴とする。
本発明に係る積層造形装置では、前記像担持体は、弾性変形する弾性層を有する構成としてもよい。
本発明に係る積層造形装置では、前記加熱部は、前記像担持体から離間して設けられ、微粒子像に対して熱エネルギーを照射する構成としてもよい。
本発明に係る積層造形装置では、前記加熱部は、フラッシュランプである構成としてもよい。
本発明に係る積層造形装置では、前記加熱部は、前記像担持体に対して、部分的に熱エネルギーを照射する構成としてもよい。
本発明に係る積層造形装置では、前記加熱部は、複数のLED素子を備える構成としてもよい。
本発明に係る積層造形装置では、前記複数のLED素子は、千鳥状に配列された構成としてもよい。
本発明に係る積層造形装置では、前記像担持体上の微粒子像が形成されている領域に応じて、動作させるLED素子を選択する素子選択部を備えた構成としてもよい。
本発明に係る積層造形装置では、前記像担持体は、厚さ方向で前記微粒子像が形成される面側に設けられた発熱層を備え、前記加熱部は、誘導加熱によって前記発熱層を発熱させる誘導加熱部である構成としてもよい。
本発明に係る積層造形方法は、帯電された微粒子像を像担持体上に形成する像形成ステップと、前記像担持体の前記微粒子像が形成される面側から加熱し、前記微粒子像を溶融する加熱ステップと、転写部を前記像担持体に接近する方向へ移動させて、前記像担持体上の微粒子像を前記転写部または前記転写部上の微粒子像に、接触もしくは密着させる接触ステップと、前記転写部を前記像担持体から離間する方向へ移動させて、前記像担持体上の微粒子像を前記転写部へ転写させる転写ステップとを含み、前記像形成ステップ、前記加熱ステップ、前記接触ステップ、および前記転写ステップを含む一連の処理を繰り返すことで、複数の微粒子像を前記転写部上に積層して立体物を形成することを特徴とする。
本発明に係る積層造形方法では、前記加熱ステップは、前記像担持体上の微粒子像が形成されている領域のみを加熱する構成としてもよい。
本発明によると、像担持体の微粒子像が形成される面に対向して加熱部が設けられているため、像担持体を過剰に加熱すること無く、微粒子像を加熱することができる。その結果、転写部に積層する際の冷却時間が短縮されて、造形成速度を向上させ、且つ、消費電力の削減を図ることができる。
本発明の第1実施形態に係る積層造形装置の側面図である。 図1の積層造形装置における中間転写ベルトを拡大して示す拡大側面図である。 図1の積層造形装置における加熱部を拡大して示す拡大側面図である。 表面側から見た中間転写ベルトの加熱領域近傍を示す拡大平面図である。 本発明の第2実施形態に係る積層造形装置の側面図である。 本発明の第3実施形態に係る積層造形装置の側面図である。 図6の積層造形装置における中間転写ベルトを拡大して示す拡大側面図である。 比較例1の積層造形装置の側面図である。 比較例1および比較例2の加熱源である面状ヒータの構成を示す拡大側面図である。 比較例1の積層造形装置における中間転写ベルトを拡大して示す拡大側面図である。 積層造形装置の転写性能に関する実験の結果を示す特性図表である。
<第1実施形態>
以下、本発明の実施の形態に係る積層造形装置について、図面を参照して説明する。
図1は、本発明の第1実施形態に係る積層造形装置の側面図である。
本発明の第1実施形態に係る積層造形装置1は、カラーの立体物Fを造形する3次元(3D)プリンタであり、5つの像形成ユニット(像形成部の一例)10Y、10M、10C、10W、10Tと、転写ユニット20とを備えている。なお、以下では説明のため、5つの像形成ユニット10Y、10M、10C、10W、10Tを併せて、像形成ユニットと呼ぶことがある。
像形成ユニットは、感光体ドラム11の周囲に帯電器12、レーザ光照射部13、現像器14、転写ローラ15、クリーナー16、および除電部17が配置された構成とされている。感光体ドラム11と転写ローラ15との間には、転写ユニット20の中間転写ベルトCB(像担持体の一例)が挟み込まれており、転写ローラ15によって中間転写ベルトCBを感光体ドラム11の表面に圧接させている。なお、回転する感光体ドラム11の周速は、周回方向Aに周回移動する中間転写ベルトCBの周速と概ね同一に設定されている。
現像器14には、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、ホワイト(W)、および透明(T)の5色の帯電性微粒子のうち、像形成ユニットで形成する微粒子像Tの色に応じた帯電性微粒子がそれぞれ収容されている。
帯電性微粒子は、ポリエステルやスチレンアクリル等の熱可塑性樹脂に顔料からなる着色剤を添加した粉体で形成されている。帯電性微粒子には、必要に応じて帯電制御剤(CCA)を添加してもよく、また、現像性や転写性を向上させるために、シリカ等からなる外添剤を添加してもよい。本実施の形態では、帯電性微粒子として、顔料および帯電制御剤を軟化点温度120℃のポリエステル樹脂に添加して混練した後、平均粒径7μmに粉砕したものを用いている。また、一部の帯電性微粒子には、粒径が7nmのシリカからなる外添剤を添加している。
像形成ユニットでは、帯電性微粒子を用いて感光体ドラム11の表面に微粒子像Tを形成し、形成した微粒子像Tを中間転写ベルトCBに転写する。なお、像形成ユニットの具体的な動作については後述する。また、以下では、微粒子像Tの状態を区別するために、形成されている部分に応じて微粒子像Taないし微粒子像Teと呼び、それらを併せて、微粒子像Tと呼ぶことがある。
転写ユニット20は、中間転写ベルトCB、駆動ローラ22a、テンションローラ22b、加熱部KN、転写部27、および冷却ファン25a、25bで構成されている。
中間転写ベルトCBは、無端状のベルトであって、駆動ローラ22aおよびテンションローラ22bに張架されている。駆動ローラ22aは、駆動モータ(図示しない)によって回転駆動し、中間転写ベルトCBを周回方向Aに周回移動させ、テンションローラ22bを従動回転させる。また、中間転写ベルトCBでは、像形成ユニット(図1では、像形成ユニット10Y)の周回方向Aの下流側において、上流から順に加熱領域X、転写領域Y、および冷却領域Zが設けられている。なお、以下では説明のため、中間転写ベルトCBにおいて、微粒子像Tが形成される面(感光体ドラム11に当接する面)を表面と呼び、微粒子像Tが形成されない面(転写ローラ15に当接する面)を裏面と呼ぶことがある。つまり、中間転写ベルトCBでは、厚さ方向で表面と裏面とが対向している。また、中間転写ベルトCBについては、後述する図2を参照して、詳細に説明する。
加熱部KNは、加熱領域Xにおいて、中間転写ベルトCBの表面側(表面に対向する位置)に配置されている。また、加熱部KNは、中間転写ベルトCBから離間して設けられ、微粒子像Tに対して熱エネルギーを照射する構成とされている。つまり、加熱部KNと微粒子像Tとが接触しないので、加熱部KNが微粒子像Tによって汚れる心配がない。本実施の形態では、加熱部KNは、複数のLED素子41aを備えるLEDユニット41とされている。なお、加熱部KNについては、後述する図3および図4を参照して、詳細に説明する。
転写部27は、転写領域Yにおいて、中間転写ベルトCBの表面側に配置されたステージユニット23と、中間転写ベルトCBの裏面側に配置されたバックアップユニット26とを備える構成とされている。つまり、ステージユニット23とバックアップユニット26は、中間転写ベルトCBを挟んで対向する位置に配置されている。
ステージユニット23は、昇降ステージ23a、ベース部23b、圧力センサ23c、転写温度センサ23d、および昇降駆動部23eを備える構成とされている。昇降駆動部23eは、ベース部23bを支持して昇降させる。ベース部23bの上面には、圧力センサ23cを介して昇降ステージ23aが搭載されて固定されている。
昇降ステージ23aは、例えば、アルミニウム製の厚さ10mmの平板状に形成され、上面が中間転写ベルトCBの表面に対向するように設けられている。
転写温度センサ23dは、例えばサーミスタであって、昇降ステージ23aの上面に埋め込まれており、昇降ステージ23aに積載される立体物Fの温度を測定する。
昇降駆動部23eは、例えば、電動アクチュエータである。昇降ステージ23aは、昇降駆動部23eの駆動によって矢符Bの方向に昇降し、中間転写ベルトCBを介してバックアップユニット26に押圧したり、中間転写ベルトCBから離間したりする。
圧力センサ23cは、例えば、日本キスラー株式会社製薄型力センサ(直径12mm、高さ3mm、定格7kN)であり、中間転写ベルトCBと昇降ステージ23aとの間の圧力を測定する。圧力センサ23cによって測定された圧力は、制御部(図示しない)にフィードバックされ、制御部によって昇降ステージ23aの上下(矢符Bの方向)の移動量が制御される。その結果、昇降ステージ23aは、所定の圧力(本実施の形態では、59kPa)で中間転写ベルトCBを押圧するように制御される。
バックアップユニット26は、バックアップホルダー26bとバックアップ温度センサ26aとを備える構成とされている。
バックアップホルダー26bは、中間転写ベルトCBの裏面と対向し、下面が中間転写ベルトCBの裏面に対して接触もしくは近接して配置されている。バックアップ温度センサ26aは、バックアップホルダー26bの下面に埋め込まれており、例えば、サーミスタであって、中間転写ベルトCBの温度を測定する。
冷却ファン25a、25bは、冷却領域Zにおいて、中間転写ベルトCBを挟んで対向する位置に配置されており、例えば、山洋電機製のDCファン(商品名「SanAce60」、サイズ60mm×60mm×15mm、定格入力3.12W)である。冷却ファン25aは、中間転写ベルトCBの表面側において、中間転写ベルトCBの幅方向(積層造形装置1の奥行き方向)に5個ずつ2列に並べて配置されている。冷却ファン25bは、中間転写ベルトCBの裏面側において、冷却ファン25aと同様に、中間転写ベルトCBの幅方向に5個ずつ2列に並べて配置されている。つまり、中間転写ベルトCBを挟んで対向する位置に、合計20個の冷却ファン25a、25bが設けられている。
図2は、図1の積層造形装置における中間転写ベルトを拡大して示す拡大側面図である。
第1実施形態において、中間転写ベルトCBは、裏面側からベルト基材31a、弾性層31b、および離型層31cが積層された3層構成の3層ベルト31とされている。ベルト基材31aは、例えば、ポリイミドで形成され、周長が500mmとされ、厚さが50μmとされている。弾性層31bは、ベルト基材31aの外周面にシリコンゴムで形成され、厚さが300μmとされている。離型層31cは、弾性層31bの外周面にフッ素樹脂で形成され、厚さが10μmとされている。中間転写ベルトCBにおいて、離型層31cが表面とされ、ベルト基材31aが裏面とされている。
ベルト基材31aの第1の役割は、中間転写ベルトCBの周回方向Aの伸縮を抑制し、周回方向Aの位置精度を向上させることにある。また、第2の役割は、中間転写ベルトCBの剛性を高くすることにある。中間転写ベルトCBの剛性を高くすると、駆動ローラ22aやテンションローラ22bの端部にカラー(図示しない)を設け、中間転写ベルトCBの端部をそのカラーに当接させて、中間転写ベルトCBの蛇行を抑制することができる。
弾性層31bの役割は、中間転写ベルトCBから昇降ステージ23a側への微粒子像Tの転写効率を向上させることにある。すなわち、中間転写ベルトCB上の微粒子像Tを転写部27に転写する際、積層された微粒子像Tに応じて弾性層31bが弾性変形し、転写部27上の微粒子像Tと均一に接触するため、微粒子像Tの転写性を向上させることができる。また、弾性層31bは、熱伝導性が低いため、中間転写ベルトCBの表面側に加熱部KNを設けることで、微粒子像Tを効率よく加熱することができる。
離型層31cの役割は、中間転写ベルトCBに対する微粒子像Tの付着力を弱めて、離型層31cからの微粒子像Tの剥離を容易にし、中間転写ベルトCBから転写部27への微粒子像Tの転写効率を向上させることにある。
図3は、図1の積層造形装置における加熱部を拡大して示す拡大側面図であって、図4は、表面側から見た中間転写ベルトの加熱領域近傍を示す拡大平面図である。
LEDユニット41は、基板41bと、基板41bの表面を覆う絶縁層41cと、基板41b上に絶縁層41cを介して配置された複数のLED素子41aと、LED素子41aに給電するための給電パターン41dとで構成されている。LED素子41aは、微粒子像Tが加熱領域Xを通過する際に、LED光を照射し、微粒子像Tに熱エネルギーを供給して加熱溶融させる。
図4では、中間転写ベルトCBに対する複数のLED素子41aの位置関係を示しており、基板41bを透視的に示している。図4に示すように、複数のLED素子41aは、周回方向Aに対して直交する方向(中間転写ベルトCBの幅方向)に並べられた列を、5つ構成するように配置されている。また、一列に並べられたLED素子41aは、隣り合う列のLED素子41aに対して、LED素子41aの幅の半分程度ずらすように配置されており、複数のLED素子41aが互い違いに配置された千鳥状に配列されている。複数のLED素子41aを千鳥状に配列することで、隣り合うLED素子41aの隙間によって生じる光エネルギーのムラを低減している。本実施の形態では、LED素子41aは、サイズが8.5mm×10.2mm×2.3mmで、光出力が2.2Wで、波長が850nmの高出力赤外LED素子を125個(1列当たり25個×5列)用いた。また、基板41bは、厚さ2mmの銅製基板で形成されており、LED素子41aで発生する発熱エネルギーを逃がして冷却する。
また、図4では、中間転写ベルトCB上に形成された微粒子像Tに対して、複数のLED素子41aのうち、一部の動作させるLED素子41aをハッチングしている。本実施の形態では、微粒子像Tの周回方向Aに直交する方向の幅に応じて、素子選択部(図示しない)が照射領域SRを設定しており、照射領域SRに対応するLED素子41aを動作させている。つまり、微粒子像Tが加熱領域Xを通過する際、微粒子像Tが通過する領域に対向するLED素子41aを部分的に動作(通電)させており、照射領域SRに対応していないLED素子41aを停止させることで、省エネルギー化を図っている。なお、図4では、照射領域SRを1箇所に設定しているが、これに限定されず、照射領域SRが複数に分割されていてもよい。つまり、周回方向Aに直交する方向で微粒子像Tが複数に分割されていれば、それぞれに対応するLED素子41aを動作させればよい。また、照射領域SRは、微粒子像Tの周回方向Aに直交する方向の幅より広く設定してもよく、微粒子像T全体に光が照射されるように余裕を設けてもよい。
上述したように、本実施の形態では、加熱部KN(LEDユニット41)は、中間転写ベルトCBに対して、部分的に熱エネルギーを照射する構成とされている。つまり、中間転写ベルトCBの一部に熱エネルギーを照射することで、効率よく微粒子像Tを加熱し、中間転写ベルトCBを必要以上に加熱することを防ぐことができる。
次に、上述した積層造形装置1において、立体物Fを造形する工程について説明する。
先ず、中間転写ベルトCBを周回方向Aに周回移動させ、像形成ユニットを起動する。像形成ユニットでは、帯電器12によって感光体ドラム11の表面を一様に帯電させる(本実施の形態では、−600V)。次に、レーザ光照射部13は、形成する微粒子像Tに応じて、レーザ光を変調しながら照射して、感光体ドラム11の表面に静電潜像を形成する。そして、現像器14は、静電潜像に帯電性微粒子(本実施の形態では、マイナスに帯電)を付着させて、感光体ドラム11の表面に微粒子像Taを形成する。感光体ドラム11上の微粒子像Taは、帯電性微粒子とは逆極性のバイアス電圧(本実施の形態では、+1.5kV)が印加された転写ローラ15によって、中間転写ベルトCBの上に転写される(微粒子像Tbとなる)。
ここで、5つの像形成ユニット10Y、10M、10C、10W、10Tによって、感光体ドラム11の表面に各色の微粒子像Taが形成され、各色の微粒子像Taを中間転写ベルトCBの上に順次重ね合わせて転写する。これによって、中間転写ベルトCBの上には、カラーの微粒子像Tbが形成される。
そして、中間転写ベルトCB上の微粒子像Tbは、中間転写ベルトCBの周回移動に伴い、加熱領域Xへと搬送される。微粒子像Tbは、加熱領域Xを通過する際に、LED素子41a(加熱部KN)からLED光が照射され、熱エネルギーが供給される。その結果、中間転写ベルトCB上の微粒子像Tbは、加熱溶融される(微粒子像Tcとなる)。
なお、中間転写ベルトCB上の微粒子像Tbが加熱領域Xを通過する際、LED素子41aは、中間転写ベルトCBの周回速度に応じて発光すればよく、微粒子像Tbの全体にLED光が照射されて、加熱溶融させる程度の時間発光すればよい。つまり、微粒子像Tbが加熱領域Xを通過する時間に対して、LED素子41a(加熱部KN)の発光時間(加熱時間)の方が短く設定されていれば、微粒子像Tbを加熱領域Xで停止させる必要が無く、中間転写ベルトCBは周回移動し続ければよい。
その後、中間転写ベルトCBの周回移動によって、微粒子像Tcが転写領域Yに到達すると(図1では、微粒子像Tdの位置)、一旦、中間転写ベルトCBは周回移動を停止する。転写領域Yにおいて、昇降ステージ23aは、矢符Bの方向に上昇し、バックアップユニット26との間に中間転写ベルトCBおよび微粒子像Tdを挟み込む。昇降ステージ23aは、中間転写ベルトCBに所定の圧力で圧接すると、上昇を停止する。それによって、微粒子像Tdは、昇降ステージ23a、または昇降ステージ23aに以前に転写された最上層の微粒子像Tに重ね合わせて密着される。昇降ステージ23aに転写された微粒子像Tdは、昇降ステージ23aへの伝熱並びに雰囲気中への放熱によって冷却固化し、昇降ステージ23aまたはその最上層の微粒子像Tに接着する。
そして、昇降ステージ23aを下降させて中間転写ベルトCBから離間させる。ここで、中間転写ベルトCB上の微粒子像Tdは、中間転写ベルトCBから剥がれて、昇降ステージ23aまたはその最上層の微粒子像Tに転写される。
引き続いて、中間転写ベルトCBの周回移動を再開し、微粒子像Tdが形成されていた部分が冷却領域Zを通過する際、中間転写ベルトCBは、冷却ファン25a、25bによって、所定の温度(本実施の形態では、35℃以下)まで冷却される。その後、中間転写ベルトCBには、像形成ユニットによって、再度、各色の微粒子像Taを重ね合わせた微粒子像Tbが形成される。
上述した一連の動作を複数回繰り返すことで、昇降ステージ23a(転写部27)には、複数の微粒子像Tを積層した立体物Fが形成される。
上述したように、本発明の第1実施形態に係る積層造形装置1は、中間転写ベルトCBと、帯電された微粒子像Tを中間転写ベルトCB上に形成する像形成ユニットと、中間転写ベルトCBに接触する転写部27とを備え、中間転写ベルトCB上への微粒子像Tの形成および中間転写ベルトCBから転写部27への微粒子像Tの転写を繰り返して、複数の微粒子像Tを転写部27上に積層して立体物Fを形成する。また、積層造形装置1は、中間転写ベルトCB上の微粒子像Tを加熱する加熱部KNを備えている。加熱部KNは、中間転写ベルトCBの微粒子像Tが形成される面(表面)側に設けられている。この構成によると、中間転写ベルトCBの微粒子像Tが形成される面に対向して加熱部KNが設けられているため、中間転写ベルトCBを過剰に加熱すること無く、微粒子像Tを加熱することができる。その結果、転写部27に積層する際の冷却時間が短縮されて、造形成速度を向上させ、且つ、消費電力の削減を図ることができる。
また、本発明の積層造形装置1における積層造形方法は、帯電された微粒子像Tを中間転写ベルトCB上に形成する像形成ステップと、中間転写ベルトCBの微粒子像Tが形成される面側から加熱し、微粒子像Tを溶融する加熱ステップと、転写部27を中間転写ベルトCBに接近する方向へ移動させて、中間転写ベルトCB上の微粒子像Tを転写部27または転写部27上の微粒子像Tに、接触もしくは密着させる接触ステップと、転写部27を中間転写ベルトCBから離間する方向へ移動させて、中間転写ベルトCB上の微粒子像Tを転写部27へ転写させる転写ステップとを含み、像形成ステップ、加熱ステップ、接触ステップ、および転写ステップを含む一連の処理を繰り返すことで、複数の微粒子像Tを転写部27上に積層して立体物Fを形成する。
<第2実施形態>
図5は、本発明の第2実施形態に係る積層造形装置の側面図である。なお、第1実施形態と機能が実質的に等しい構成要素については、同一の符号を付して説明を省略する。
第2実施形態は、第1実施形態に対して、加熱部KNの構成が異なっており、加熱部KNは、フラッシュランプユニット42とされている。具体的に、フラッシュランプユニット42は、周回方向Aに対して直交して配置された管状のフラッシュランプ42aと、フラッシュランプ42aの背面部分を覆うように固定支持された反射板42bと、フラッシュランプ42aおよび反射板42bを収容するハウジング42cとで構成されている。
フラッシュランプ42aは、キセノンガスを封入したキセノンフラッシュランプであって、本実施の形態では、3本の直管状のフラッシュランプ42aが一定の間隔で平行に配置されている。
反射板42bは、アルミニウム板に増反射処理を施したものであり、フラッシュランプ42aの背面側(図5では、フラッシュランプ42aの下方)を覆い、フラッシュランプ42aの射出光を中間転写ベルトCBへ向かうように反射する。
ハウジング42cは、フラッシュランプ42aの射出光の漏洩を防止しており、中間転写ベルトCBの対向する面(図5では、上面)だけが開放されている。なお、これに限定されず、フラッシュランプ42aから中間転写ベルトCBへ向かう射出光を透過させるように、上面だけが透明な材料で形成されていてもよい。
第2実施形態は、第1実施形態と同様に、一連の動作を複数回繰り返すことで、昇降ステージ23a(転写部27)には、複数の微粒子像Tを積層した立体物Fが形成される。
また、フラッシュランプ42aは、周期的に発光するため、中間転写ベルトCB上の微粒子像Tbが加熱領域Xを通過する際、微粒子像Tbの全体にフラッシュランプ42aの射出光が照射されるように、中間転写ベルトCBの周回速度を適宜調整すればよい。
<第3実施形態>
図6は、本発明の第3実施形態に係る積層造形装置の側面図であって、図7は、図6の積層造形装置における中間転写ベルトを拡大して示す拡大側面図である。なお、第1実施形態および第2実施形態と機能が実質的に等しい構成要素については、同一の符号を付して説明を省略する。
第3実施形態は、第1実施形態に対して、中間転写ベルトCBおよび加熱部KNの構成が異なっている。
図7に示すように、第3実施形態において、中間転写ベルトCBは、裏面側からベルト基材32a、弾性層32b、および離型層32cが積層された3層構成であって、さらに発熱層32dを備えた発熱ベルト32とされている。具体的に、弾性層32bには、離型層32cとの界面付近に発熱フィラー32eが混入および分散された発熱層32dが設けられている。発熱フィラー32eは、後述する誘導加熱コイルユニット43(誘導加熱部の一例)によって中間転写ベルトCBを加熱させる。なお、発熱ベルト32では、発熱層32dを備える点だけが、上述した3層ベルト31と異なっており、ベルト基材32a、弾性層32b、および離型層32cの材料と厚さとは、3層ベルト31におけるベルト基材31a、弾性層31b、および離型層31cと同じである。
また、第3実施形態では、加熱部KNは、誘導加熱コイルユニット43とされている。誘導加熱コイルユニット43は、内部に誘導コイル43aが渦巻状に配置され、耐熱性樹脂43bによってモールド成形されている。誘導コイル43aは、耐熱性を考慮して、酸化膜等の表面絶縁性を有するアルミニウム単線が用いられている。耐熱性樹脂43bは、エポキシ樹脂、液晶ポリマー等が用いられている。
誘導コイル43aは、励磁回路(図示しない)に接続されており、高周波電流を流すことによって交番磁界を生じさせる。誘導コイル43aの交番磁界によって電磁誘導が生じて、発熱フィラー32eに誘導電流が発生する。そして、発熱フィラー32eのジュール熱によって、中間転写ベルトCBの表面近傍が加熱(誘導加熱)される。
なお、誘導コイル43aには、アルミニウム単線を用いたが、これに限定されず、例えば、銅線もしくは銅ベースの複合部材線であってもよいし、リッツ線(エナメル線等の撚り線)であってもよい。但し、誘導コイル43aは、ジュール損を抑えるために、全抵抗値を0.5Ω以下、より好ましくは0.1Ω以下とすることが望ましい。
第3実施形態は、第1実施形態と同様に、一連の動作を複数回繰り返すことで、昇降ステージ23a(転写部27)には、複数の微粒子像Tを積層した立体物Fが形成される。
また、中間転写ベルトCB上の微粒子像Tbが加熱領域Xを通過する際の加熱時間は、発熱層32dの発熱量に応じて設定されており、微粒子像Tbが加熱領域Xに到達した際、中間転写ベルトCBの周回移動を一旦停止してもよい。
上述したように、本実施の形態では、中間転写ベルトCBは、厚さ方向で微粒子像Tが形成される面(表面)側に設けられた発熱層32dを備えており、加熱部KNは、誘導加熱によって発熱層32dを発熱させる構成とされている。つまり、発熱層32dが発熱するため、中間転写ベルトCB全体を加熱させずに、微粒子像Tを加熱することができる。また、中間転写ベルトCBから熱が生じるため、中間転写ベルトCBを加熱する時間が短縮され、造形成速度を向上させることができる。さらに、外部に熱源を備える構造に対して、熱源との間(空気中)を伝達させる際の損失が生じない点で優れている。なお、加熱部KNは、微粒子像形成側に設けることで、発熱層32dとの距離が近くなり、誘導加熱の効率を向上させることができる。
<実験結果>
次に、本発明の第1実施形態ないし第3実施形態に係る積層造形装置1を用いて、微粒子像Tの転写部27への転写性能について、実験した結果を説明する。本実験では、転写性能として、「微粒子像Tの転写部27への転写効率[%]」と、「1層の微粒子像Tを転写部27へ転写(積層)するのに要する時間[秒]」と、「微粒子像Tを転写部27へ転写するのに要する加熱源の平均消費電力[W]」との3種類の項目について、比較検討した。ここで、転写効率の算出方法としては、中間転写ベルトCBから転写部27に転写した微粒子像Tの量の割合(転写効率)を測定して算出した。なお、本実験では比較のために、加熱源および中間転写ベルトCBの構成が異なる積層造形装置1(比較例1および比較例2)についても、同様の評価を行った。そこで、比較例1および比較例2の積層造形装置1の構成について、図8ないし図10を参照して説明する。
図8は、比較例1の積層造形装置の側面図であって、図9は、比較例1および比較例2の加熱源である面状ヒータの構成を示す拡大側面図であって、図10は、比較例1の積層造形装置における中間転写ベルトを拡大して示す拡大側面図である。なお、第1実施形態ないし第3実施形態と機能が実質的に等しい構成要素については、同一の符号を付して説明を省略する。
比較例1および比較例2では、第1実施形態ないし第3実施形態に対して、加熱源である加熱部KNの換わりに面状ヒータ24aを用いている点で異なっており、面状ヒータ24aは、配置されている位置が加熱部KNと異なる。具体的に、比較例1および比較例2では、バックアップユニット26に換えて、面状ヒータ24aが設けられたヒータユニット24を備える構成とされており、ヒータユニット24は、中間転写ベルトCBを挟んでステージユニット23と対向する位置に配置されている。また、中間転写ベルトCBでは、加熱領域Xが設けられておらず、転写領域Yに対応する位置が加熱転写領域Wとされている。なお、比較例2は、比較例1に対して、中間転写ベルトCBの構成が異なっており、それ以外の部分は略同様であるので、図面を省略する。
ヒータユニット24は、面状ヒータ24a、ヒータ温度センサ24b、およびヒータホルダー24cを備える構成とされている。面状ヒータ24aは、ヒータホルダー24cの下面に取り付けられて、中間転写ベルトCBの裏面と対向し、中間転写ベルトCBの裏面に対して接触もしくは近接して配置されている。ヒータ温度センサ24bは、例えば、サーミスタであって、ヒータホルダー24cの下面に埋め込まれており、面状ヒータ24aの上面に対して接触もしくは近接して配置されている。ヒータホルダー24cは、アルミ等の金属で形成されている。
図9に示すように、面状ヒータ24aは、ヒータ基板24a1、ヒータ発熱層24a2、およびヒータ絶縁層24a3を順次重ね合わせた積層構造とされている。ヒータ基板24a1は、例えば、ガラスやセラミック等で形成され、厚さが2mmとされている。ヒータ発熱層24a2は、銀パラジウム等で形成され、厚さが50μmとされている。ヒータ絶縁層24a3は、ガラス等で形成され、厚さが30μmとされている。面状ヒータ24aは、給電電極(図示しない)を通じてヒータ発熱層24a2に電流を流すことで、ジュール熱を生じて発熱する。ヒータ温度センサ24bは、面状ヒータ24aの温度を測定する。ヒータ温度センサ24bに測定された温度は、制御部(図示しない)にフィードバックされ、制御部によって面状ヒータ24aが所定の温度になるように制御される。
比較例1では、中間転写ベルトCBとして、図10に示す2層ベルト33を用いている。2層ベルト33は、裏面側からベルト基材33aおよび離型層33cが積層された2層構成とされている。ベルト基材33aは、例えば、ポリイミドで形成され、周長が500mmとされ、厚さが50μmとされている。離型層33cは、ベルト基材33aの外周面にフッ素樹脂で形成され、厚さが10μmとされている。2層ベルト33においても、3層ベルト31と同様に、離型層33cが表面とされ、ベルト基材33aが裏面とされている。つまり、2層ベルト33は、図2に示す3層ベルト31に対して、弾性層31bを備えない構造とされている。なお、比較例2では、実施例1および実施例2と同様に、中間転写ベルトCBとして3層ベルト31を用いている。
比較例1および比較例2では、像形成ユニットによって、中間転写ベルトCB上に微粒子像Tbを形成した後、微粒子像Tbが加熱転写領域Wに到達すると(図8では、微粒子像Teの位置)、一旦、中間転写ベルトCBは周回移動を停止し、面状ヒータ24aによって微粒子像Teを加熱溶融させる。その後、上述した第1実施形態ないし第3実施形態と同様にして、ヒータユニット24とステージユニット23との間に中間転写ベルトCBを挟み込み、転写部27に微粒子像Tを転写させる。
図11は、積層造形装置の転写性能に関する実験の結果を示す特性図表である。
本実験では、第1実施形態に係る積層造形装置1を用いた結果を実施例1とし、第2実施形態に係る積層造形装置1を用いた結果を実施例2とし、第3実施形態に係る積層造形装置1を用いた結果を実施例3とした。つまり、実施例1ないし実施例3では、それぞれ加熱源である加熱部KNの構成が異なっている。
先ず、転写効率について比較すると、図11に示す比較例1の結果から、弾性層31bを備えない中間転写ベルトCB(2層ベルト33)とした場合、転写効率は8%に留まり、昇降ステージ23a上への微粒子像Tの転写が良好に行われていないことがわかる。一方、実施例1ないし実施例3と比較例2との結果から、弾性層31b(弾性層32b)を備える中間転写ベルトCBとした場合、転写効率は100%となり、微粒子像Tの転写が良好に行われたことがわかる。
この理由としては、昇降ステージ23aや、昇降ステージ23a上に転写した微粒子像Tの表面に、ミクロ単位の微小な凹凸が存在することに起因する。比較例1のように弾性層31bを備えない構造とした場合、中間転写ベルトCBの表面が硬くて変形しないため、中間転写ベルトCB上の微粒子像Tが、昇降ステージ23aまたはその最上層の微粒子像Tの表面に押し当てられても、均一に密着せず、その結果、転写効率が低下する。一方、弾性層31bを備える場合、弾性層31bが表面の凹凸に対応して変形するため、密着性が高くなり、転写効率が向上する(密着効果)。また、中間転写ベルトCBが昇降ステージ23aから離間する際には、弾性層31bの歪みが解放され、中間転写ベルトCBと微粒子像Tとの界面でせん断力が作用するため、微粒子像Tが中間転写ベルトCBから剥がれやすくなり、転写効率が向上する(弾力効果)。
次に、積層時間(1層の微粒子像Tを転写部27へ転写(積層)するのに要する時間)について、実施例1ないし実施例3では、7〜23秒であり、比較例1は61秒であり、比較例2は206秒であった。この結果から、実施例1ないし実施例3では、比較例1および比較例2に対して、積層時間が大幅に短縮されていることがわかる。
この理由としては、比較例1では、中間転写ベルトCBの裏面側に設けられた面状ヒータ24aによって、微粒子像Tを間接的に加熱する構成とされていることに起因する。つまり、比較例1は、実施例1ないし実施例3に対して、微粒子像Tを加熱するのに長い時間を要し、中間転写ベルトCBが長時間加熱されているため、微粒子像Tを冷却する時間や、冷却領域Zで中間転写ベルトCBを冷却する時間が長くなっている。一方、実施例1ないし実施例3では、加熱部KNによって生じた熱エネルギーが、主に微粒子像Tの加熱に費やされるため、不必要に中間転写ベルトCBを加熱することが無く、微粒子像Tの加熱および冷却、中間転写ベルトCBの冷却等にかかる時間を短縮することができる。
また、比較例2では、中間転写ベルトCBに熱伝導性の低い弾性層31bを備えるため、中間転写ベルトCBの裏面からの面状ヒータ24aの熱が、中間転写ベルトCBの表面上の微粒子像Tに伝わりにくくなる。さらに、中間転写ベルトCBは、弾性層31bによって熱容量が増え、冷却にかかる時間が増加する。その結果、比較例2は、比較例1よりも積層時間が長くなる。一方、実施例1ないし実施例3では、弾性層31bを有する中間転写ベルトCBとされているが、微粒子像Tが形成される側から加熱する構成であるため、弾性層31bが断熱層として作用し、中間転写ベルトCBの裏面側への熱の移動が抑制されるので、積層時間を短くすることができる。
平均消費電力として、比較例2では800Wであるのに対し、実施例1ないし実施例3では67〜350Wとなり、大幅に削減されることがわかる。上述したように、比較例2では、中間転写ベルトCBの裏面側から弾性層31bを介して微粒子像Tを間接的に加熱する構成とされているため、熱効率が非常に低くなっている。一方、実施例1ないし実施例3では、不必要に中間転写ベルトCBを加熱することが無いため、熱効率が非常に高い構成とされている。さらに、実施例1は、平均消費電力が67Wであり、他の構成に対し飛びぬけて低い結果となっている。この理由として、実施例2および実施例3では、微粒子像Tの形状に関係なく、中間転写ベルトCBの幅方向全域を加熱する構成とされているのに対し、実施例1では、微粒子像Tの形状に応じて、選択的にLED素子41aを発光させる構成となっているため、LED素子41aの消費電力を節約できることに起因する。
なお、今回開示した実施の形態は全ての点で例示であって、限定的な解釈の根拠となるものではない。従って、本発明の技術的範囲は、上記した実施の形態のみによって解釈されるものではなく、特許請求の範囲の記載に基づいて画定される。また、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内での全ての変更が含まれる。
1 積層造形装置
10C、10M、10T、10W、10Y 像形成ユニット(像形成部の一例)
11 感光体ドラム
12 帯電器
13 レーザ光照射部
14 現像器
15 転写ローラ
16 クリーナー
17 除電部
20 転写ユニット
22a 駆動ローラ
22b テンションローラ
23 ステージユニット
25a、25b 冷却ファン
26 バックアップユニット
27 転写部
31 3層ベルト
32 発熱ベルト
41 LEDユニット
42 フラッシュランプユニット
43 誘導加熱ユニット
A 周回方向
CB 中間転写ベルト(像担持体の一例)
F 立体物
KN 加熱部
T、Ta〜Te 微粒子像
X 加熱領域
Y 転写領域
Z 冷却領域

Claims (11)

  1. 像担持体と、帯電された微粒子像を前記像担持体上に形成する像形成部と、前記像担持体に接触する転写部とを備え、前記像担持体上への微粒子像の形成および前記像担持体から前記転写部への該微粒子像の転写を繰り返して、複数の微粒子像を前記転写部上に積層して立体物を形成する積層造形装置であって、
    前記像担持体上の微粒子像を加熱する加熱部を備え、
    前記加熱部は、前記像担持体の前記微粒子像が形成される面側に設けられていること
    を特徴とする積層造形装置。
  2. 請求項1に記載の積層造形装置であって、
    前記像担持体は、弾性変形する弾性層を有すること
    を特徴とする積層造形装置。
  3. 請求項1または請求項2に記載の積層造形装置であって、
    前記加熱部は、前記像担持体から離間して設けられ、微粒子像に対して熱エネルギーを照射する構成とされていること
    を特徴とする積層造形装置。
  4. 請求項3に記載の積層造形装置であって、
    前記加熱部は、フラッシュランプであること
    を特徴とする積層造形装置。
  5. 請求項3に記載の積層造形装置であって、
    前記加熱部は、前記像担持体に対して、部分的に熱エネルギーを照射する構成とされていること
    を特徴とする積層造形装置。
  6. 請求項5に記載の積層造形装置であって、
    前記加熱部は、複数のLED素子を備える構成とされていること
    を特徴とする積層造形装置。
  7. 請求項6に記載の積層造形装置であって、
    前記複数のLED素子は、千鳥状に配列されていること
    を特徴とする積層造形装置。
  8. 請求項6または請求項7に記載の積層造形装置であって、
    前記像担持体上の微粒子像が形成されている領域に応じて、動作させるLED素子を選択する素子選択部を備えていること
    を特徴とする積層造形装置。
  9. 請求項1に記載の積層造形装置であって、
    前記像担持体は、厚さ方向で前記微粒子像が形成される面側に設けられた発熱層を備え、
    前記加熱部は、誘導加熱によって前記発熱層を発熱させる誘導加熱部であること
    を特徴とする積層造形装置。
  10. 帯電された微粒子像を像担持体上に形成する像形成ステップと、
    前記像担持体の前記微粒子像が形成される面側から加熱し、前記微粒子像を溶融する加熱ステップと、
    転写部を前記像担持体に接近する方向へ移動させて、前記像担持体上の微粒子像を前記転写部または前記転写部上の微粒子像に、接触もしくは密着させる接触ステップと、
    前記転写部を前記像担持体から離間する方向へ移動させて、前記像担持体上の微粒子像を前記転写部へ転写させる転写ステップとを含み、
    前記像形成ステップ、前記加熱ステップ、前記接触ステップ、および前記転写ステップを含む一連の処理を繰り返すことで、複数の微粒子像を前記転写部上に積層して立体物を形成すること
    を特徴とする積層造形方法。
  11. 請求項10に記載の積層造形方法であって、
    前記加熱ステップは、前記像担持体上の微粒子像が形成されている領域のみを加熱すること
    を特徴とする積層造形方法。
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